07/09/04 22:36:47 QvvyVLuR
カレーという名の粘着がな
444:名無しさん@ピンキー
07/09/05 11:33:45 i8Qya02g
>>443
同意だな!
リレー続けようで!!!!
445:名無しさん@ピンキー
07/09/05 12:11:21 +cjO9oN4
>>443
おまえのことだ厨房
446:名無しさん@ピンキー
07/09/05 18:14:35 JLpwf6Xc
>>445
おまえのことだ消防
447:名無しさん@ピンキー
07/09/05 21:59:29 EQqUClom
ふと数年ぶりにスレに訪れてみたけど、この荒廃っぷりは……
活性化を願っておにぎりでも書くよ。
448:名無しさん@ピンキー
07/09/06 00:52:34 1L40KClt
叩かれるだけだからやめとけ
449:名無しさん@ピンキー
07/09/06 01:24:53 5o7hL3dy
これだけカレーを叩くだけのクズ中房脳がはびこったらスレは終わるな。
450:名無しさん@ピンキー
07/09/06 12:35:10 S68HH4cy
>>447
これでもちょっと前に比べればだいぶましなんだよw
期待してるからガンガレ
451:名無しさん@ピンキー
07/09/06 14:35:46 fQ/B0yPX
阿蘇巫女希望ばっかだった頃はさすがに巡回やめたな
452:名無しさん@ピンキー
07/09/06 15:17:40 5Yke4Sfb
アソミコ厨はガチだったからな・・・
カレーアンチは所詮ヤオだし。
453:名無しさん@ピンキー
07/09/07 02:01:03 H454fMvP
>>449
カレー信者ってまだ居たんだw
454:名無しさん@ピンキー
07/09/07 14:09:05 haBKMAzK
アソミコ希望
455:名無しさん@ピンキー
07/09/07 18:28:59 sCu2rWYp
>>450
今でさえ雰囲気が変わりすぎてて驚いてたのに、これでもマシなのかorz
いつの間にかスクランSSの界隈も衰退しているし、寂しくなっちゃったな。
ともあれ、SSの方は必ず書き上げますんで。
456:名無しさん@ピンキー
07/09/07 19:50:47 haBKMAzK
アソミコ希望
457:名無しさん@ピンキー
07/09/07 21:00:37 47N9D0JP
>>455
俺も期待してる
458:名無しさん@ピンキー
07/09/07 22:13:22 haBKMAzK
>>455
アソミコ期待
459:名無しさん@ピンキー
07/09/08 00:22:08 HRF72hrN
でもまぁ黙って投下して欲しいってのはある
色々と湧いて出てくるからな
460:名無しさん@ピンキー
07/09/08 11:43:12 j5dme5oj
>>455
札泥希望
461:名無しさん@ピンキー
07/09/08 13:44:37 2MIgtPlt
>>455
アソミコ希望
462:名無しさん@ピンキー
07/09/08 20:19:04 ydJkhvNa
なぁ・・最近スクラン読み始めたんだがDVDの2学期で終わりなのか?
463:名無しさん@ピンキー
07/09/09 02:28:57 b2fo/G5t
つ OVA
464:名無しさん@ピンキー
07/09/09 12:47:15 iqwC2sZ1
漫画は果てしなく続いてるからもしかしたら3期があるかもってうわさ
465:名無しさん@ピンキー
07/09/09 13:03:50 9PjQFb/P
ぜひ3学期でてほしい・・やっと面白いのを見つけたのに続きがないとか淋しすぎ
466:名無しさん@ピンキー
07/09/09 18:31:08 cZKyFe1y
糞スレになりさがったなw
467:名無しさん@ピンキー
07/09/10 18:12:42 HLNTYt4i
完成したので投下します。
タイトル「 |∀・)ヽ ジーッ 」
コミック12巻、塚本家に播磨が居候した#147からの分岐。
天満の部屋に忍び込んで告白しようする播磨だが、寝ていたのは―。
468:|∀・)ヽ ジーッ (1)
07/09/10 18:13:15 HLNTYt4i
来週までに百二十ページもの漫画を描かなくてはいけないのに自宅から締め出さ
れたときは、これからどうなるのだろうと焦燥した。たった五百円で真冬の一週間を
乗り切るだけでも生死を賭けたサバイバルとなるのに、まさか遥かその上の難度ま
で要求されるとは。
しかし、一度谷底まで墜落すればさらに落ちることなどありえない。いや、落ちるど
ころか、今は必死に這い上がっている最中である。たまたま居合わせた塚本八雲が、
頭上から蜘蛛の糸を垂らしてくれたから。
塚本家に居候すればいいと言うが、つまりそれは意中の天満と一つ同じ屋根の下
で生活するということ。今まで散々すれ違いをしてきたことを考えれば格段の進歩で
あり、状況によってはこの冬休み中に決着をつけることも可能だろう。
そんなわけで有頂天のまま天満の家にて居候生活を満喫していた播磨だが―
「ホンット、八雲にピッタリだよっ!! でも、お付き合いは節度を持ってね♪」
「へ……」
現実はどうか。天満から男とすら認識されていない。妹と恋仲であるのだと誤解し
て応援までしてくれる始末である。
全く脈がないことは明白で、単純に好意に気づいていないことよりタチが悪かった。
なにせ、誤解を解かない限りはどんな行動をしようが、スタートラインから逆走するこ
とと同義になってしまうからだ。天満に好感を与えれば与えるほど八雲との仲を認め
ることに繋がり、結果的に天満との距離が開いてしまうのでは、せっかくの居候生活
も逆効果にしかならない。
「くそっ! やっぱり天満ちゃんは、まだ俺が妹さんと付き合ってると……」
由々しき事態である。
鈍感にも程があろう。どれほどアピールしても肩透かしを食らわせ、結果として泥沼
の方向に持っていってしまうのだから。そんな天満の稀有な才能、一刻も早く真実を
告げねば後々に禍根となって残ることは明白だ。現に、そうして今の状況が作られて
いったのであるし。
この際、誤解を解くのに強引な手段も厭わない。それほどまでに追い詰められた状
態が今だった。
「よぉし!! 今夜全てを天満ちゃんに伝えるぜ!!」
そしてついに最終手段に踏み出すことにした播磨であるが。
振り返ってみれば、この決意こそが全ての誤りだったのかもしれない。
◆◇◆◇◆
(確かここが天満ちゃんの部屋だよな?)
ノックなど無粋な真似はしない。たとえデリカシーに欠けようが、今回は自分の想い
を相手に伝えきるという目的がある。ここで天満に主導権を握らせてしまえば、再び
いつものペースで誤解を加速させ、この想いを伝える雰囲気から掛け離れていくこと
は確実だ。
時刻は、皆が寝静まっているはずの深夜。普段なら邪魔が入って天満に心の内を
伝えるどころではなくなってしまうのだが、さすがにこんな時分に女性の二人暮しの
家に訪問してくる人間は皆無のはずである。唯一障害となる可能性がある八雲も、
いつものように空気を読んでくれて自室から動かないはずだった。
(ふっ! 我ながら完璧な計画だぜ)
469:|∀・)ヽ ジーッ (2)
07/09/10 18:13:48 HLNTYt4i
後は就寝中の天満の部屋にこっそり侵入し、問答無用で抱きしめて、耳元で愛を
囁いてやればいい。
もともと天満からは好感を持たれていると信ずる播磨。ならば、行き過ぎと取れる
行為でも躊躇う理由はどこにもない。
「今まで待たせちまって済まなかった。天満ちゃんの気持ちは分かってる! 妹さん
のことで誤解したから身を引いちまったんだよな?」
この静かな屋内ですら響くことがない小さな呟き。播磨はそれによって己を奮い立
たせ、天満の部屋と思わしきドアを開けた。
(さあ、俺と天満ちゃんの輝かしい未来のために……行こうか)
カチャリ。
かすかに軋むドアの音がもどかしい。最低でも手を伸ばせば届く距離までは気取ら
れてはならないわけで、可能ならばドアを閉める動作すら省いてしまいたいほどである。
否、省いてしまった。十センチほどの隙間が開いて廊下から覗くことが可能な状態
ではあるが、八雲だったら余計な好奇心を働かせることはあるまい。たとえ覗いたと
ころで、こちらが気づく前に退散してくれるはず。
(それより、いま注意すべきは天満ちゃんのほうだ)
八雲に見つかれば気まずい思いをするだけだが、天満が目を覚ませば全てが水
泡に帰す。
スッポリと被った布団の中から漏れ出てくる寝息。それよりも大きな音は立てないよ
う、ゆっくり、ゆっくりと播磨は歩を進めた。
だが―
「む?」
ふと気が付くと、あのか細い寝息が今は途切れてしまっていたのだ。底冷えする冬
の空気は、時までも凍らせてしまったかのように何も伝えてこない。一度喉の鳴る音
がした気もするが、それは果たして播磨のものだったか、天満のものだったのか。
(目を覚ましたか。予定が少々狂っちまったが……それでも、向こうが何も行動を起
こさないってことは……)
俺の告白を待っている。
少なくとも播磨はそう考えた。ならば、採るべき行動に躊躇いはなかろう。
「すまねえ、塚本! もっと早くこうしたかったんだが、俺に勇気がなくてよ。だが、今
夜は……今夜は逃げねえ!」
一歩ずつ一歩ずつ確実に踏みしめていく。と同時に、布団の中で息を呑む気配も
伝わってくる。目の前にいる彼女は、間違いなくこの先の言葉を待っていた。
これは茶番だ。天満は相手に気づかれているのを承知で寝たふりをし、播磨もそ
んな天満の考えを知りながらあえて気づかないふりをする。互いに思い描く未来は同
一で、ゆえに意思疎通をするまでもなく予定調和が紡がれていく。
後は筋書き通りに演じるのみ。即ち、播磨が天満を抱き起こしつつ告白をして、天
満がそれを受け入れる。
「俺は……俺は……ずっとお前のことが好きだったんだ!! やっと……やっと言えた!!」
「……は、播磨……さん? それって……」
「……なぬ?」
470:|∀・)ヽ ジーッ (3)
07/09/10 18:14:21 HLNTYt4i
ただ思惑と違っていたのは、天満だと思っていた人物が実は別人だったということ。
胸に抱いたおかげか、暗がりの中でもはっきりと顔を確認できてしまった。
そこに居たのは八雲。天満でもなく、伊織でもなく、八雲。
彼女の頬は薄く染まり、瞳は確実に播磨の顔を捉え、しかし心をどこかに置き忘れ
ている。
夢見心地―なのではない。八雲もこの状況をしっかり予想していたからこそ、播
磨が部屋に入ってきても息を潜めていたのだから。
実際は、あまりの急展開に脳が追いついてくれなかったのだろう。あと少しでも顎を
突き出せば、互いの唇が重なってしまう。密着している胸は相手の鼓動を伝えてくる
し、その逆も然り。布団に包まるよりも感じる強い温もりや、互いの髪から漂い混じる
同じシャンプーの香りも印象的だ。
どれ一つとっても八雲には刺激が強すぎるのに、そんな未知の体験が一度に押し
寄せればどうなるか。彼女にとって判るのは、播磨が強く自分を欲しているという想
いのみ。
「……ぅげ! ま、まさか妹さん?」
「は、はい」
躊躇いながらもどこか力強さを感じる返事を聞き、播磨の腕に更なる力が篭る。
八雲が悲鳴を上げなかったのは、痛みを痛みとして認識できなかったからだ。甘噛
みにも似たそれは、再び夢の中へといざなってくれる麻薬にも等しい。
だからといって、ここで八雲が目を閉じてしまうのは危険すぎる。それではまるで、
キスして欲しいとねだっているようなものだから。
(くっ……誤爆だと? これじゃあお嬢のときと同じじゃねーか! どう収拾をつけりゃ
いいんだ?)
播磨もこの状態の危険性は判っている。だから八雲から目を逸らすことが出来な
い。たとえサングラス越しだろうと、彼女の真摯な視線は容易く突き抜けてくるだろう。
(とりあえず、妹さんは俺のアクションを待っているわけだ。ここは慎重にいかねーと)
誤解を解くはずの告白が更なる誤解を生んでは、目も当てられない。まずは、色々
な意味で危険なこの体勢を解除するところからだ。
「すまねぇ。少しジッとしててくれよ?」
「……え?」
強張る八雲の体。余計な刺激をしないようにと制止を願ったのだが、言い方が悪か
った。播磨の言葉は、この先に繋がる“何か”を連想させるのに十分すぎるものだっ
たから。
もっとも、どこか脳の配線がずれている播磨では気づくはずもなく。
「ちょっ……! な、なぜ暴れる! 妹さんだって、このままじゃ嫌だろう?」
「あ、あの……少し待って……」
「ふぉ!? このままか?」
八雲はこんな痴漢まがいの行為でも肯定的に思っている。どころか、積極的に受
け入れている。播磨にはそう見えた。
懇願するように瞳を潤ませているのは、怯えているからではない。二人の体の間に
手を差し挟んで距離を取ろうとしているのも、照れが先立っているからだ。
「そ、そうか……。それが妹さんの気持ちなのか」
471:|∀・)ヽ ジーッ (4)
07/09/10 18:14:53 HLNTYt4i
諦めたような呟きは、播磨の両腕から力を抜いていく。
それでも、決して二人の距離が離れることはなかった。実際の八雲は、密着に怯え
ていても嫌悪はしておらず、播磨も自分の失態の後ろめたさから彼女を拒絶すること
ができない。
しかし、播磨のその逡巡こそが罠だ。
時間が経つごとに播磨の動悸が激しくなる。八雲の鼓動と同期しながら、自縛の鎖
を太くさせていく。互いの瞳に映る自分の顔は、どれほど自制しようにも際限なく朱に
染まっていった。
(やべぇ……何か妹さん、段々雰囲気に流されてるみてーな……。今にも目を瞑りそ
うな気配じゃねーか)
そんなことをさせたら、播磨が取れる行動などただ一つしかない。即ち、彼女の唇
に自分のそれを重ねる。
形としては播磨から強引に迫ったわけで、それを中途で止めるなどあまりに身勝手
すぎた。決死の思いで受け入れてくれた八雲に、恥を掻かせることなどできようか。
(でも……。でもよ……)
しばらくの静止を経て。
それでも、と播磨は心の中で首を振った。元より己の心は一人にしか向けられてい
ない。愚かしいまでの不器用さで胸に秘めた少女を追い求めるのだ。
「す、すまねぇ! 突然こんなことをしちまってよ。ホントはこんなつもりじゃなかったん
だが……」
まずは、なるべく刺激しないように腕から力を抜いていく。甘いリンスの香りとパジャ
マの生地越しの柔らかな胸の感触が徐々に離れていくのは名残惜しいが、その誘惑
に負ければ坂を転げるように堕落していくだろう。
「あ、あの……」
そしてその想いは八雲も等しくするもの。
「……どうして……」
呟いた疑問の言葉は、播磨に向けられたようでそうではない。自問だった。
判らないのだ。告白してきたのに心が視えず、まるで読めない彼の突然の行動もだ
が、彼女自身が何を望んでいるのかがさっぱり判らない。
播磨が体を求めてくるような動きをしたときは必死に拒否したというのに、いざ彼が
諦めれば何故すがろうとしてしまうのか。
ただ―
ただ、この温もりを手放すのがたまらなく惜しい。強く抱きしめられすぎて感じてい
た痛みも、心地よい揺りかごとなっている。
「あの……」
理解できない感情をどう表現すればいいのか、それはまだ判らなかった。八雲に出
来るのは、離されまいと強く抱きつくことだけ。
「ちょ……まずは俺の話を聞いてくれ! 妹さんは色々と誤解している!」
「……え?」
播磨の胸に頬を当てたまま上を向く八雲。
誤解という言葉に反応したわけではなかった。それどころではない。真実は、これ
ほど接近しているのに彼から急速に熱が失われていくのを感じてしまったから。
ワイシャツ越しに伝わる播磨の体温は、八雲のそれよりはるかに高いはず。しかも、
時間と共に上昇傾向にある。なのに、得られる温もりはほんのわずかな残滓のみ。
472:|∀・)ヽ ジーッ (5)
07/09/10 18:15:24 HLNTYt4i
(駄目だろうな……もっと強く抱きついても、多分……)
何故だか知らないが、彼はもう八雲を見ていないように感じる。今まで彼女を案じて
いたはずの彼の心は、ここから去ってしまった。だから熱を感じないのではないか。
そして一瞬後。
それは確信に変わった。
「―っ!!」
ふと部屋の入り口で蠢くものを見つけてしまったのだ。視界のほとんどが播磨で占
められていたのに、隙間を縫うようにしてこぼれ見えた小さな“おさげ”。
(……あ、あれは姉さん!?)
さりげなく視線を送ると、枕を抱きしめながら思い悩むようにコッソリと覗いている姉
の様子が見て取れる。隠れているつもりようだが、全然姿は隠れていない。薄暗い
部屋の中からでは、スポットライトを浴びているかのように目立っている。
そういえば部屋のドアは開いたままだった。播磨が閉める手間を惜しみ、“寝てい
たはず”の八雲も咎めるわけにもいかず、タイミングを逃し続けたがゆえにこの結果
に繋がったようだ。
ほとんど無音とはいえこれほど人が動く気配を発していては、いくら鈍い姉でも気づ
くこともあろう。わりとズボラな彼女ではあるが、妹のこととなると途端に過保護になる
傾向があるのだし。
(そうじゃない。そうじゃなくて……)
頭を振って思考のズレを無理やり修正させる八雲。
いま扉の方へ播磨の意識を向けさせるわけにはいかない。振り向かせてしまえば、
甘くてちぐはぐなこの逢瀬が終わってしまうと予感していたから。二度とこの胸の温も
りが手に入らなくなると、心のどこかで悟っていたから。
あれだけはっきりと自分を求めてきた播磨だったのに、姉の前では何故か薄っぺ
らなものにしか感じられなかった。
本来なら姉は関係ないはずだ。今はただ目の前の存在だけを見つめてほしい。
「は、播磨さん……こっちを見て……くださいますか?」
「は? っていうか、いま外で何か音がしな―」
播磨の言葉は最後まで紡がれることはなかった。否、八雲によって口を塞がれてし
まっては、どうして声を上げることができよう。
それは苦肉と呼べる策。播磨に腕ごと抱きかかえられている状態では、腕ずくで自
分の方へ向かせることなど不可能だ。胸から上しか使えないからこその実力行使で
あった。
「……んん……ぁは……播磨、さん……」
「うぷ……って、いきなり何す……」
逃げる播磨だが、八雲がそれをさせない。彼の腕の中で自由にならないはずの体
なのに、無理やり捻って唇を合わせ続ける。もし離されたら後がないというほどの必
死さで。
「……もっと……」
「や、止め……い、妹さ……」
八雲によって、播磨の乾いた唇は急速に濡らされていった。自分の唾液を塗りたく
り、播磨から奪い取った唾液ももう一度持ち主に送り返し、不慣れなキスゆえに切れ
てしまった唇から出た血も互いに分け合い嚥下する。貪るような余裕のないキスは、
播磨を置いてきぼりにしてどこまでも激しくなる。
473:|∀・)ヽ ジーッ (6)
07/09/10 18:15:59 HLNTYt4i
(そういえば姉さんはどうしたんだろう)
播磨の口内に舌を差し入れた八雲が、刹那だけドアに視線を送った。と、そこには
未だに部屋の中を覗いている姉の姿。
こうしている間に自室へ逃げ帰ってくれることを望んでいたのだが、彼女は播磨同
様に放心していたようだ。妹の激しい接吻にアテられたのか、凍える廊下で一人顔を
紅潮させている。
あれでは当分のあいだ動けまい。
続ける口実ができた。播磨から感じられなくなった温もりは、彼の唇を介せば伝わ
ってくるらしい。それと同時に八雲の体温も彼へ伝わっているのだと実感する。
「……鉄の臭いなのに、何だか甘い気がする……」
いつの間にか八雲の体は自由になっていた。播磨の腕によって束縛されていたは
ずなのに、今は何故か両腕で彼の頬を固定して口内を蹂躙しているから。
八雲の唇は、本来ならば播磨の意識を廊下側へと向けないようにするための生け
贄だ。しかし、両腕が動く今でも顔が離されることはない。ただひたすらに求め続ける。
と―
「ちょ、ちょっと落ち着け! 何で急にこんなことを!?」
「……ぁ!」
永遠に続くと思われた一方的なキス、終わるのは一瞬だった。
息継ぎをしようとした瞬間の隙を突き、口孔を責めてくる八雲の舌を播磨は自分の
それで押し返したのだ。ぬめった感触に酔いしれてしまった八雲は、とっさに突き飛
ばしてきた播磨の動きについていけない。
「……な、何で……」
「何でって、俺のほうが聞きてえって。い、いくらなんでも、それは性急すぎねぇか?」
体を引き剥がされ、放心する八雲。伸ばした手が宙を切る。
ただ、ここで諦めてしまうと失うものが甚大すぎた。あの温もりを手放すには、享受
できた時間があまりにも短すぎる。
だからこそ、何としてでも喰らい付かなければ。
「……でも……播磨さんが……」
それは、部屋から出て行ってしまいそうだから、という意味で抗弁してみたのだが。
「くっ! 確かに最初は俺の方が言ったんだがよ」
しかし相手が内容を取り違えたことによって効果は絶大だった。
対象を間違えたとはいえ、告白してきたのは彼だ。八雲からすれば、受け入れるた
めの返事の意味で唇を差し出しただけである。決して不自然な流れとは言えまい。
播磨にしても、誤爆という非があった。このまま突き放してサヨナラでは、あまりに
無責任すぎよう。
「…………」
「…………」
生まれ出でる停滞は、先に動いた方が劣勢に追い込まれると理解してのものだ。
砂上に建てられたこの状況は、わずかに押されただけでも崩れてしまう。播磨は告
白を無かったことにしたいし、八雲はこの部屋から播磨を去らせたくない。
ただ、生憎と千日手を待つだけの余裕が八雲の方にはなかった。
播磨の隙を突き、姉へと視線を走らせると、そこにはやはり天満の姿。オロオロと
落ち着かない様子から見るに、言い争いをしている二人を諌めるため、部屋に乱入
しようか迷っているといったところか。
なれば、八雲は早急に行動に移す必要がある。
474:|∀・)ヽ ジーッ (7)
07/09/10 18:16:30 HLNTYt4i
「じゃあ続きを……」
「い、いやいやいやいや、それはっ!!」
天満が入って来れないようにすればよい。いかな空気を読めない姉といえど、男女
が睦み合っているところに突入する勇気などあるはずも無く。後で「お猿さんは―」
と散々小言を言われるだろうが、これなら播磨は姉のところへ向かわず、自分もあ
の温もりを堪能できる。
ジリと擦り寄る八雲と、恐慌をきたして油汗を流す播磨。
実のところ、追い込んでいるはずの八雲の方こそ劣勢に立たされていた。少しでも
機敏に動かれたら、ふとした拍子にドアへと意識を向けられたなら、彼は容易く姉に
奪われる。
(姉さんさえここに居なければ……)
暗い感情の発露を抑えられない。
天満さえ居なければ、こんなに心が寒くなることはなかった。もし表で彼女が待って
いなかったら、待つのが姉以外の誰かだったら、きっと八雲は普通に播磨を送り出し
ていただろう。部屋から出て行ったのを見送った後、彼から受けた告白を胸の内で
反芻し、心が視えなかった理由も含めてアレコレと思い悩んでいたはずだ。
でも姉だけは駄目。姉だけが何故か琴線に触れてくれる。
「播磨さん」
「お、おう」
いつになくハッキリとした口調での呼びかけだった。有無も言わさぬ強い眼差しと、
その奥にひそむ媚びた瞳。そんな視線に当てられては、播磨も逃げ惑うわけにはい
かない。
「……あの……」
互いの距離が再び縮まる。
「あ、あの……ずっと、わ、私が好きだったっていうのはどういう……」
答え次第では、訳も判らず姉の影に怯える必要がなくなるかもしれない。最初に得
た彼の体温は、告白と共にもたらされたものだから。心が視えなかった理由も、彼が
“特別”だったからではないか。
せめてもう一度、あの時の言葉を言ってもらえれば―
「す、すまねえ、妹さん!」
だが、八雲の期待はズタズタに切り裂かれる。両肩を掴まれ、顔を寄せられ、その
行為自体は高揚をもたらすのに、肝心の言葉はどこまでも空虚だった。
予想はしていたのだ。本来なら、播磨が今日ここに来る必然性は全くない。過去に
心の声が視えたことはないし、ここ数日で心変わりが起こるような出来事も……多分
なかった。あの告白は一時の気の迷いで、だから八雲が積極的になった時点で及び
腰になったのだろう。
(これはもう……しょうがないと思うから)
諦め、うつむく。
これ以上追いすがるのは得策ではない。醜態を重ねれば、それだけ播磨が遠く離
れてしまうから。幸い、彼がこの家に居候し始めてまだ一日しか経っていないし、ゆっ
くりと互いを見つめ直すにはちょうど良かろう。
つまり今は、適当に会話を交わし、姉が自室へ去るだけの時間を稼いでおくべき。
そして今日のことは胸の奥深くに封じておくのだ。風化してしまわぬよう、丁寧に。
「……あの」
「すまねえ。アレは手違いで、本当は俺……て、天……」
475:|∀・)ヽ ジーッ (8)
07/09/10 18:17:05 HLNTYt4i
しかして続く播磨の言葉は、そんな八雲の決意すらも再び打ち砕く。
まさしく禁句だった。今一番聞きたくない名前。いったい何のために唇を捧げ、現在
も苦心して播磨の関心を買おうとしているのか。ご破算にしてしまうであろう播磨の台
詞は、到底受け入れられない。
もしあれほど情熱的な求愛を受けていなければ、播磨が姉に興味を持とうが、涼し
い顔で見ていられただろう。寂寥こそ覚えるだろうが、むしろ積極的に後押ししたはず。
でも、今更なのだ。
「俺は……天満ち―」
「だ、駄目!」
予感がしてからの行動は素早かった。播磨の口から禁忌の名前が出て来る寸前、
八雲は顔を前方へと突き出す。
播磨は八雲の瞳を覗き込むようにしていたのだから、得られる結果など一つしかな
い。再び互いの唇の距離はゼロとなり、播磨は言葉を失うのだ。
「……ん……ちゅ……んん……」
一心不乱に求める八雲の前歯が何度も播磨の口元を傷つけるが、些細なことだっ
た。とにかく播磨の口を自由にさせてはいけない。両腕で彼の頭を抱きかかえ、視界
に映るものを相手の姿だけにする必要がある。
(……でも、それだけだと多分足りない)
播磨が硬直から抜け出せないからこのように彼の口唇を独り占めできているが、
時間が経って冷静になられたらファーストキスの時の二の舞となり、無理やり引き剥
がされる。今度こそ脱兎のように部屋から逃げ去られてしまう。
となれば、播磨をここに縛り付けるにはどうしたらよいか。硬直から抜け出せないよ
うにするにはどうしたらよいか。
そんなものは決まっている。八雲は本能に突き動かされるまま、誘うようにして播磨
と共にベッドに倒れこんだ。
と、ちょうどその時―
(……姉、さん……?)
途中、つと廊下側を見たときに姉と視線が交錯したのは気のせいではないだろう。
狼狽した彼女の顔は、早々忘れられるものでもなかったから。
だが、それがどうしたというのか。八雲は得体の知れぬ優越感に駆られ、播磨の頭
の影からそっと姉に微笑みかけた。
◆◇◆◇◆
「あ、あれ? 今のって……」
ふと目が覚めた。妹の彼氏とはいえ男子を家に泊めたせいで、緊張していたのか
もしれない。普段とは違う気配に揺り起こされ、天満は自室の中からジッと外の様子
に探りを入れる。
「なんか、足音が聞こえたような……でも、八雲はあんなに重そうな音を響かせないし」
じゃあ誰? そう考えたところで、答えはすぐに見つかるわけだが。
播磨しかいない。消去法でいえば、必然的に残るのが彼である。
「そういえば、足音が消えたのってだいたい八雲の部屋あたりだったのよね?」
476:|∀・)ヽ ジーッ (9)
07/09/10 18:17:36 HLNTYt4i
訝り、眉をしかめる天満。
妹の部屋へとこっそり忍び寄り音も立てずに侵入するなど、意味することは一つで
あろう。
「これは夜這いね。播磨くん、あんなこと言っときながらやっぱりお猿さんだったんだ」
妹の貞操の危機と判っては黙っていられない。武器となりうる―と信じている―
枕を両の手で抱え、天満は自室から足を踏み出した。
「……ドア、開いてる? よぉし、じゃあ隙間から……」
それはある意味予想通りの光景だった。
ベッドの上で、八雲を抱きしめながら口説いている播磨。内に溜めた感情を爆発さ
せたような愛の慟哭は、外野の天満すら赤面させてしまうほど心へ訴えかけてくる。
暗くて見えにくいが、当事者の八雲もよほど感じ入っているのだろう。過去に例がな
いほど顔を赤く染めて播磨を上目遣いに見上げていた。
「八雲、いいなぁ……あんな相思相愛で」
不純異性交遊を咎めるという当初の目的も忘れ、天満は憧憬の眼差しを向ける。
播磨が八雲のことを名字で呼んでいたせいか、まるで自分に言われたかのように
錯覚してしまい、共感してしまうのだ。もしあんな強引な告白をされたら自分はどうな
ってしまうのだろう、と。
相手が意中の人ではないから受け入れることはできないが、それでも一度は八雲
と立場を入れ替えてみたいというのが偽らざる本音である。まあ、実際に入れ替わっ
たところで、喜悦を覚える前にまずうろたえてしまうだろうが。
「でも、あれだけ付き合ってるように見えたのに、好きとかは伝えてなかったんだ……」
二人きりで一晩を明かしてみたり、バイクに相乗りしてみたり、屋上で逢引してみた
り、数々の既成事実が積み上がっていくのに肝心の想いは宙に浮いたまま。
しかし、それならそれでと納得するのが天満である。思い当たる節があったのだ。
「あ、そうか。お付き合いはしてないっていつも言ってたのは、こういうことだったのね。
お互いに相手の気持ちに気づきながらも万が一を怖がって先に進めないってのは、
少女漫画の定番だもん」
ああいう中途半端な関係だと、余計に多感になりやすい。必要以上に否定してきた
理由は、その辺で説明がつく。
ならば。
今から夜這いを咎めに乱入してしまうのはどうだろう。ようやく心が結ばれたという
のに、そんな矢先にクドクドと説教を聞かせたら。二人―いや、自分も含めた三人
の関係に傷が入りかねなかった。
「って、駄目駄目。それじゃあ八雲たちのタメにならないんだから、ここでお姉ちゃん
がしっかりしないと!」
決意を胸に秘め、部屋の中の動向を探る。
と、そこには先ほど以上に密着している二人の姿を見つけることができた。いや、
八雲が一方的に追い縋っているというべきか。情熱的―どころではなく、搾取する
ような蹂躙しつくすような、そんな口付け。
「う、うわぁ……生で見るのは初めてかも。あんな風にしちゃうんだ……」
477:|∀・)ヽ ジーッ (10)
07/09/10 18:18:08 HLNTYt4i
天満は思わず自らの唇に指を這わす。
重なり合っているから判りにくいが、粘着質な音から二人がディープな接吻を交わ
していることは想像に難くない。たまに動く喉ぼとけや、息継ぎに空気を貪る様子、ど
れもが艶を持って天満の頬に赤く纏わりついてくる。
あれは心の交流の延長ではなく、相手のすべてを自分の色に染めようという情欲
だ。清い交際どころではなく、ドロドロに爛れた肉の狂宴。
これ以上先に進ませてはまずい。しばらく二人は同じ屋根の下で暮らすのだから、
このまま野放しにすれば隣の部屋から夜な夜な喘ぎ声が聞こえるという状態になっ
てしまう。
「そんなことされたら、気になって眠れないどころじゃないわ!」
微妙に方向性の違うことを考えつつ、抱えていた枕を握り直して突入の心構えを作
る天満。
しかし。
「ちょ、ちょっと落ち着け! 何で急にこんなことを!?」
漏れ聞こえた播磨の言葉と、彼が八雲を突き飛ばしたことにより、踏み込むチャン
スを逃してしまう。
とはいえ、それで安心できたわけでもない。見れば、二人は何やら言い争いをして
いる様子。思いつめた様子の八雲と、必死に言葉を返す播磨は、どこからどう見ても
痴話喧嘩にしか見えないのだから。
「あぁ~……ど、どうしよう。止めた方がいいのかな? でも、喧嘩するほど仲がいい
のかもしれないし……変に止めちゃうと馬に踏み潰されちゃいそうだし」
覗いていたことを知られる覚悟で仲裁に乗り出すか、静観して話が纏まるのを待つか。
答えを保留して悩み続ける天満。が、その間にも状況は刻一刻と変化し続けてい
るわけで、今はちょうど播磨が重要な発言をするために溜めを作っている最中だった。
天満は耳を澄まして言葉を待つ。
「俺は……天満ち―」
「……あれ?」
はて。今一瞬、場違いにも天満自身の名前が聞こえたような。
だが、意識を向けて意味を考える前にその出来事は起こった。
「―っ!! み、見つかっちゃった!?」
八雲が播磨へキスをしつつベッドに引き倒す瞬間、彼女の視線が天満へと向けら
れたのだ。
それだけならまだいい。気づいても八雲が驚きの声すら上げなかったということは、
天満が覗き見していたことを最初から判っていたということ。即ち、今まで人の目が
あるのを承知でキスに没頭していた挙句、さらにこれから“行為”に及ぼうとしている
わけである。
あの意味深な笑みも何なのか理解できない。もし覗き魔がいることを認識していた
ら、非難するか恥らうか、どちらにせよこのまま続きをしようとは思わないはず。なの
に愉悦に浸った八雲の顔は、天満の常識から著しく矛盾していた。
「も、もしかして、播磨くんじゃなくて実は八雲の方がお猿さんだった!?」
とんでもない事実だ。
まさか、見られることで興奮する露出狂の変態さんだったとは。姉妹に自分の痴態
を見せ、その反応を楽しみながら自分の快感へ変換する特殊な性癖の持ち主。
「……今までそんなそぶりは全然なかったよね? よね?」
478:|∀・)ヽ ジーッ (11)
07/09/10 18:18:41 HLNTYt4i
想像すらしてなかった妹の性癖の暴露に、天満の胸がトクリと波打つ。
今までは気づかなかっただけだが、八雲は姉の陰で頻繁に自慰に耽っていたのか
も。例えば一緒に食事しているとき、こっそりと片手をスカートの中へ持っていったり。
例えば深夜の自室で、今日のようにドアを半開きにさせたまま胸を揉みしだいていた
り。風呂場で、トイレで、縁側で、ありとあらゆる場所で羞恥な遊びを実行する。極め
つけに、姉が外出している日は全裸曜日―とかだったりしたらどうしよう。
もしそうなら、真っ当な道に矯正してやるのが姉としての正しい在り方ではないか。
「その辺、確かめないとね。じゃ、じゃあもうちょっとだけ見てよっと」
言い訳である。というより、衝撃のあまりに論理的思考ができなくなっていた。
本来なら二人の行為を止めねばならないのに、しない。しないのならばここに留ま
る理由もないのに、それもしない。八雲が覗かれることを望んでいるのだからと誤魔
化しつつ、愛の営みに興味がある自分を正当化させている。
つまるところ、デバガメをしてみたい。
「うわっ……うわっ……八雲が播磨くんの服を脱がしてる……!」
露出する肩から漂ってくるフェロモン。ゴツゴツしていかにも筋肉質なそれは、“男
性”の象徴でもある。
何度か見ているくせに、普段はろくに意識もしたことがないくせに、今だけは何故か
気になった。あの浅黒い肌はどれだけ堅くできているのか、どれだけ熱を持っている
のか、じかに触って確かめてみたい。八雲が実際にそれを行っているが、果たしてあ
のように陶然としてしまうものなのだろうか。
と、天満がそんなことを考えている間にも秘め事の準備は着々と進んでいくのだが。
主導権はすべて八雲が握っていた。今も播磨の腕を取り、彼女自身の胸へと押し
付けている。布越しなのが不快感だったのか、彼女もパジャマの前をはだけて露出
し、もう一度播磨の手で包み込ませてもいる。
ただ、主導していると言ってもその動作はぎこちない。ボタンを外す指は震えていて、
躊躇っているのかその指すらも伸ばしたり引っ込めたり。播磨の肩を触るときや彼の
手を誘導して胸を揉ませるときも、腫れ物を扱うかのように指先だけで触れていた。
「やっぱり八雲も初めてなんだろうなぁ」
なのに怯えを封じて率先して動いているのだから、なんと健気なことか。
代わりに評価がガタ落ちしたのは播磨の方である。彼は先ほどから受身になって
いるばかり。というより、上から圧し掛かっている体勢なのに完全にマグロ状態だった。
あれでは八雲が可哀想である。こういうときこそ男がリードしてあげるべきで、困惑
しながら硬直している場合ではないのだ。
「ああいう場合は絶対女の子のほうが恥ずかしいんだから、俺について来いってくら
い強引でもちょうどいいくらいなのに」
播磨はこのように先導してあげるべきだ―と、ピンクのパジャマ越しに自分の胸
に手をあてがい実演してみせる天満。図らずも手淫の格好となったわけだが、覗き
による精神的興奮のせいで肉体的なそれには気づいていない。
「……う、うわぁ……あれってキスマークが付いちゃわない?」
首の付け根の辺りを舌で味見していた八雲は、そこへおもむろに口付けていた。甘
噛み、吸いたて、播磨の苦悶のうめきを背景に魂を貪る。血色の瞳と相まって、まる
で吸血鬼の晩餐とも思わせる光景だ。
どこか神秘を匂わせるそれは、天満から現実感を奪い取ってしまったらしい。これ
は幻想の中の出来事なのだから、どれだけ熱に浮かされようと問題はないのだと。
所詮は自らが思い描く淫らの妄想の延長でしかないのだと。
「あ! やっぱり跡が残ってる」
479:|∀・)ヽ ジーッ (12)
07/09/10 18:19:12 HLNTYt4i
心のタガがわずかに外れ、好奇心から身を乗り出さんばかりに目を輝かせる天満
だった。
そして時間は経過していく。今は八雲が播磨の無骨な背中に手を回しているところ。
彼の分厚い胸板で、己の豊満な胸を押し潰している最中だ。
布を一枚も挟むことなく肌同士が触れ合っているのだから、互いの体温はさぞ熱く
感じられるのだろう。真冬だというのに二人の顔からは薄っすらと汗が滲み出ている
から。
否、少なくとも八雲の方はそれだけではない。よく見ると彼女は、体を小さく揺らし
続けている。即ち、自らの乳房を震わせ、ざらついた播磨の肌で先端の固くしこった
部分を摩擦しているのだ。
期待と刺激によって尖っているはずであろう八雲の双丘の頂は、彼女自身は言う
に及ばず、播磨にとっても相応の快楽をもたらすものらしい。目を瞑って首を振り、
必死になって溺れまいとしている。
「八雲があんなに積極的になるなんて……。そんなに気持ちいいのかな」
天満がパジャマの裾から右手を突っ込んで自分の乳首に触れてみると、既にそこ
は固く膨らんでいた。刺激を欲して甘くわななき、湿気を欲して熱く痺れ、生まれてく
る溜息も同調するように熱く甘い。
イメージする。今天満の胸に触れている手は、播磨のものであると。妹と同じくふし
だらに擦りつけ、桜色の初々しい小豆を欲望に塗れた朱色へと変化させるのだ。
「……ん……んぁ……す、凄い……」
体験したこともない鋭い快楽に、知れず天満の左腕が下腹部へと降りていった。ズ
ボンの上から手の平を滑らせ、焦らすようにゆっくりと目的地を目指す。ジンワリと疼
く子宮の上、二枚の布越しでも感じる柔らかな恥毛が生えた丘、かすかに湿っている
らしいクロッチの部分、さらに―
「―っとっと。こんなことしてる場合じゃないんだわ。しっかり監視しておかないと」
本当はそうじゃない。八雲たちに先行して一人遊ぶことに躊躇いが生まれてしまっ
たからだ。目の前のカップルがやっているんだから自分も、という免罪符が消えてし
まうのを恐れているし、何より、八雲に自分を投影させることで快感が何倍にも増す
ことを実感しているのだから、先走ったところでいい事なんてない。
八雲は再びキスをせがんでいるところだった。片手で播磨の頭を抱き寄せ、もう片
方は彼の腰に這わせる。
しかして、彼女の目的はそこではなかったようだ。下へと伸びていく腕は播磨を愛
撫するためのものではなく、彼女自身のズボンを鷲掴みにしていた。つまりは、乳房
を露出したのに飽き足らず、下半身をも曝け出そうということ。
つたないながら、八雲の動きは実に巧みだった。口辱と胸の突起に播磨の注意を
向けさせつつ、静かに布地をずらしている。組み敷かれている格好のせいでパジャ
マのズボンはなかなか脱げないが、多少時間が掛かったところで相手の気づく可能
性がゼロなら問題はない。
一センチ、一センチと徐々に露わとなるピンクの下着。フリルなどは付いておらず
質素だが、あれが八雲にとって一番のお気に入りであることを天満は知っていた。
「夜這いに来ることは八雲も想像してなかっただろうけど、それでもあれを穿いてるっ
てことは……播磨くんが泊まってることをとっても意識してたに違いないわっ!」
普段と同じ態度を取っていた八雲ではあったが、本当はそれなりに浮かれていた
のだろう。無意識に見えないところで自己表現するところなど、実に妹らしいではないか。
まあ、色々言ったところでその辺はどうでもよく。肝心なのは、パジャマがようやく膝
の辺りまでずり下がってくれたこと。そして、股布の中央部分が濃いピンクに変色して
いること。
「八雲も興奮してるんだぁ」
480:|∀・)ヽ ジーッ (13)
07/09/10 18:19:44 HLNTYt4i
あれだけ濃密な男の臭いに塗れ、直接擦りつけてもいるのだから、当然だろう。部
屋の外にいる天満とて、漏れ出てくる残滓によって酔いが回り始めているのだし。
膝立ちになりズボンを引き下ろすと、天満はそっと純白の下着に手を這わす。
それは先ほどの焼き直しだった。子宮を愛撫し、恥毛をくすぐり、さらにはその奥へ。
もちろん終着点は、膣口の周辺だ。
「……濡れてる……」
恐らくは八雲以上に。
下着越しに触っただけなのに指先は廊下の照明を浴びてキラキラと光り、凝視して
みるとかすかに湯気が上がっていることも確認できる。
「こ、これ、どうしよう……」
服で拭うわけにもいかず、床に擦りつけるわけにもいかないとなれば、最後の手段
は舐め取るくらいだろうか。だがそこまで思い切った行動ができない天満は、指を秘
所に宛がったまま身動きがとれずにいる。
と、そうこうしている内にも部屋の中は新しい展開を迎えていた。
「ちょ、ちょぉぉぉぉぉっと待った、妹さん!!」
「ほえ?」
八雲に抱きかかえられていた頭を播磨が力ずくで振りほどき、逆に両腕を取ってベ
ッドに押さえつけてしまったのだ。
脱げかけた服と涙目の八雲を見れば、まるで播磨が無理やり襲い掛かっているよ
うにも感じるが、最初から始終を見ていた天満は逆であることを知っている。意外に
も真摯な態度で八雲の裸体から顔を背けているところも高ポイントだ。
「って、そんな場合じゃなかった! は、早く隠れないと見つかっちゃうかも!」
八雲から顔を背けるということは、部屋の入り口へ顔を向けるのと同義である。覗
きだけでも気まずいというのに、今は濡れた下着が丸出しという状態の天満は、とっ
さにドアの後ろに身を隠した。
だが、再び覗き込んでみるとその必要はなかったことが判る。サングラスの隙間か
ら窺える播磨の視線は半裸の八雲に釘付けで、目を瞑ってあらぬ方向に顔を向けて
いても、視界の端でこっそりとその白い肌を堪能していたのだから。
彼の苦悶の表情は、良心と欲望のせめぎ合いを表しているといったところか。ズボ
ンの前の部分を痛いくらいに腫れ上がらせているのだから、欲望の方が若干優位に
立ってはいるようだが。
「あれって……つまりはアレよね」
そう、アレだ。天満にとり、未だにそこがどうなっているか全容が掴めない男性の神秘。
もちろん、八雲も同様だ。
「は……播磨さん……そ、それ……」
両腕が動かせないから目だけで訴えかける八雲。その視線からは、怯えと恍惚の
相反する二つが感じられた。
「す、すまねえ! これはそういう意味じゃなくて」
否、八雲自身がそういう意味での接触を願っていたのだから、播磨が反応している
ことは正しい。彼も本当は判っているからこそ、隠すことすら放棄して八雲の自由を
奪い続けているのだし。
今拘束を解いたら、彼女はきっとズボンの上から擦ってくる。その部分のあまりの
存在感に逃げ腰になりながらも、目尻に涙を溜めながらも、確実に奉仕をしてくるは
ずだ。
481:|∀・)ヽ ジーッ (14)
07/09/10 18:20:15 HLNTYt4i
「あの……」
ただの問いかけ。
しかし、八雲は言外に語っている。何を我慢する必要があるのか、と。
「誰にも言いませんから、今日これからのことは全部忘れますから、最後まで……」
「お、おいおい、最後までって。告白してすぐにそんなこと……っつーか、その告白自
体がその……なんつーか……」
気まずい沈黙が落ち、二人は見つめ合った。
これは、互いの意地である。先に目を逸らした方が相手の主張を受け入れなけれ
ばいけないというチキンレース。
「八雲の勝ち、かな」
遠くから見ていた天満もそのことは理解していた。そして戦況がどうなっているかも、
傍観者ゆえによく判る。
前が肌蹴たパジャマと半分脱げかけたズボン、クロッチが変色した下着と来て、トド
メに涙目で懇願されては、どうして断ることができようか。そもそも、強く拒絶ができる
なら播磨は最初からそれをやるはずだろうし。
「身持ちを大切にしてあげるのは良いとこだけど、優柔不断なのは良くないよね」
と、勝手な評価を下しつつ天満は別のことに意識を向ける。八雲のことだ。
誰にも言わない、今日限りの逢瀬―と言った八雲だが、確かに彼女は約束を守
るだろう。
だが、その約束が無意味であることを天満は知っている。なにせその言葉を口に
するとき、八雲は天満の方へとわずかに意識を傾けていたのだから。
つまり、既に他人に知られているだから言いふらす必要などなかった。二人が関係
を持っていることを知った天満は、何が何でも播磨に責任を取らせようとするだろう。
八雲本人が身を引こうとしても、だ。ついでに補足すると、天満自身が播磨と親密な
関係になることも今後絶対にありえない。
「…………アリ地獄って何だっけ?」
ふとそんな言葉が浮かんだが、意味までは理解していない天満。なんとなく口から
突いて出ただけで。
ともあれ、この停滞を破るのが播磨であるのは確実だった。現に、彼は今も冷や汗
を流して逃げ場を求め続けているのだから。八雲よりもはるかに追い詰められている。
「…………」
「…………」
「…………」
続く沈黙だが、三者によって性質がまるで違っていた。
天満はこのあと訪れる官能の世界に期待で胸を膨らませ、言葉を忘れているだけ。
八雲は播磨が受け入れてくれることを切望して胸を痛ませ、言葉が出てこない。そし
て播磨は―
「くっそ、今回だけだ! もう本当に止まらねえからな! 後悔すんなよ!」
「は……はい」
覚悟を決めるための時間だった。
今までの鬱憤を晴らすかのような咆哮は、否応にもその場にいる全員のテンション
を引き上げてくれる。
愛液で濡れた天満の指は外気で冷たくなっていたはずだが、今は新しく分泌された
それによって温かい。八雲の下着の染みが一回り大きくなっているのも、天満はしっ
かりと確認していた。何より変化が顕著なのが、播磨の下半身だ。あれが最大限か
と思っていたのに、さらにもう一段階膨らみを増しているとは。
482:|∀・)ヽ ジーッ (15)
07/09/10 18:20:47 HLNTYt4i
「……あ、あんなおっきなのがここに入っちゃうの……?」
信じられない―そう呆然と首を振る天満。
どのくらい大きいか、親指と人差し指をくっ付けたり離したりして距離を測ってみる。
そしておおよその見当がついたら、その幅を保ったまま自分の股間へと当ててみた。
「む、無理だよ」
どう見ても自分の指の二、三倍の直径があり、指すらも入れたことがない天満が播
磨のものを受け入れられるわけがない。ズボン越しでの概算だから、せめて目測が
誤っていてくれればいいのだが。
それとも、解せばどうにかなるものだろうか。今は固く侵入者を拒んでいる入り口で
も、感じてくれば自然に柔らかくなると聞いたことがある。ならばこのまま自慰を続け
れば、播磨を受け入れることも―。
「うーん……自分でやるのと人にやってもらうのって、どのくらい違うんだろ」
見れば播磨は、八雲の脱ぎかけのパジャマを剥ぎ取り、下着一枚の彼女に愛撫し
ているところだった。先刻までの反撃とばかりに首筋にキスの嵐を降らせ、胸を捏ね
繰り回して粘土のように形が変わるのを見て遊び、下着の股布を上下に擦ってクチョ
クチョと音を立てさせる。
あまりの激しさに八雲が悲鳴を上げているが、あれは多分に歓喜が混じっている
声だ。イヤイヤと首を振ってはいるが、両手はしっかりと播磨の背中に回されている
から。
「わ、私もちゃんと解しておこうかな。このままじゃ絶対に入るわけないし……」
播磨を受け入れるはずもないのにその言葉。あまりに見え透いた言い訳だった。
でも構うものか。この場には天満の他には誰もおらず、八雲だけは覗いていること
を知っているが、今は受けに回っていてそれどころではない。第一、あんな気持ちよ
さそうに喘いでいる彼女を見て、正気で居られるわけがなかろう。
「え……っと、最初は胸……かな」
播磨の動きに合わせて自分の腕を動かす天満。悲しいかな妹と比べてボリューム
は圧倒的に劣るが、それでも揉めるくらいにはあった。
まずは全体を鷲掴みにして押し付けながら円を描く。次は手の平で真ん中の突起
を転がすように。そして先端が尖ってきたら、軽く爪で引っ掻いて鋭い刺激を。
それだけでは終わらない。ジンジンと痺れる敏感な部分を指でつまみ、ギュッと絞
るのだ。すると痛覚は錯覚を起こし、鈍い甘さへと変換される。念のために唾を付け
てやれば、気化熱によってくすぐられるような切なさを感じるのも心地よかった。
後はそれの繰り返し。
「……ん……ぁふ……こ、こんなの……初めて、かも……」
八雲の喘ぎと重なるように吐息を吐き出し続ける。が、まだ八雲の方が息が荒いの
は、天満が自分の胸しか責めていないからだ。もう片方の手は、未だに宙を彷徨っ
ていた。
今度こそ天満は自覚して下半身に手を伸ばす。
播磨のやり方とは違い、最初は太ももを撫でるだけ。十分に濡れているといっても、
自慰に慣れていない天満では急にその部分を弄ぶのに抵抗があった。また、“他人
に触られている”と錯覚を起こすためには、自分の気持ちいいところばかりをいじる
のではなく焦らすような動きも必要である。
天満は少しずつ指を太ももから這い上がらせ、同時に気分も盛り上げていく。
「ゃ……ぁん……ぅ、く……あ……そ、そこ……」
483:|∀・)ヽ ジーッ (16)
07/09/10 18:21:18 HLNTYt4i
そしてようやく下着のフチに辿り着いたとき、期待混じりの溜息を漏らす天満。
いっそそのまま中に指を入れて直接触ろうとも考えたが、まだ駄目だ。播磨は未だ
に八雲のそこを下着越しに擦っているだけなのだから。
「はりま、くん……もっと、し……しっかり触って、よ……」
八雲を愛撫する播磨はあんなに熱がこもっているのに、天満を愛撫する播磨はど
こか切なさを含んでいる。むろん天満自身が意図してやっているわけだから、本物の
播磨が恨みがましい視線を向けられる謂れはない。不遇な扱いを受けているという
被虐に酔い、足りない刺激を快楽に変換しているのだ。
そんな中で八雲と同じ愛撫を受けたらどうなるだろう。指を二本立てて割れ目に沿
ってしごき立てたり、硬くなった淫核を指の腹で回すように押し潰してみたり、下着の
上から膣の入り口へグリグリと指を押し込もうとしてみたりしたら。
「……ん……だ、駄目……! 声が、で、出ちゃう……」
当然、八雲のあの喜色の顔が天満にも伝染し始めた。いや、得られる快感だけな
ら、狙って気持ちの良い箇所を刺激できる天満の方が上か。溢れ出る声を封じるた
め、胸を弄っていた手を口に当てなければいけなかったほどだから。
「でも、何か物足りないような」
何が足りないのか本当は判っている。八雲の満ち足りた顔を見れば一目瞭然だ。
でもそれを忘れるため、天満はさらに自慰へと没頭するしかない。
部屋に目を向ければ、播磨は八雲の下着をずらして視姦しているところだった。
廊下から入ってくるわずかな光で輝き、時折ヒクヒクと痙攣して快楽を表現している
陰唇は、無差別にオスを引き寄せる誘蛾灯だ。酸味の強い匂いと合わさり、播磨の
理性を痺れさせる。
躊躇もなかった。見て楽しむ余裕もなかった。播磨は網膜に焼き付けた瞬間に八
雲の股に顔をうずめ、そこを吸い立てていく。どうすれば八雲が気持ち良くなるかな
ど、彼はまったく考えていない。時間が経つごとに量を増やす愛液を欲望のままに胃
の中に飲み込んでいた。
しかし、その懸命さこそが八雲の心に快楽をもたらしているようだ。彼女は目を瞑り、
意識のすべてを自分の淫肉へと回しているのだから。
「自分で舐めるのは……やっぱ無理か」
やや置いてきぼりを食らった格好だが、もはや天満とて途中で止められる状態で
はない。下着からは催促するように淫水が溢れ、際限なく息も荒くなっていく。
目の前の光景があまりに淫猥すぎたのだ。白濁した液体が播磨のサングラスを汚
し、口を閉じられない八雲はヨダレを垂れ流し、それでも気にせず前戯を続けるなんて。
外聞を一切気にしない二人にアテられ、天満の理性がどこまでも麻痺していく。ア
レから目を離そうと思ったら、せめて一度は絶頂まで行かないと無理だろう。
「え……と、下着をずらすんだよね」
ここまで来ても、自分を妹と置き換えて妄想だ。
これからこの指は、播磨の舌だった。ザラついてはいないけど、ネバついてはいな
いけど。
「でもその前に、舌で舐めるとどんな感じなのかは知っておかないと」
想像力をより働かせるため、下準備として指を口に含む。
痺れるような味がしたが、それは自分の愛液によるものだった。最初は舐め取るこ
とを嫌がっていたのに、今はそんな考えすら沸いてこないのだから現金なものだ。む
しろ催淫剤の効果すら感じられるということは、この液体に愛着を持ち始めているの
かもしれない。
484:|∀・)ヽ ジーッ (17)
07/09/10 18:21:50 HLNTYt4i
「あむ……ちゅ、ぱ……あむ」
天満は味わいながらも舌による感触を確かめていく。その仕草、彼女自身は気づ
いていないがフェラチオそのものだった。
人差し指と中指を口内に突きたて、ベロを纏わり付かせながら出し入れする。やが
て溜まっていく唾液を指と一緒に吸い込んで飲み込み、舌の先で爪を突付いてやる。
「う……ん、これなら大丈夫かな」
味を除けば、唾液と愛液の区別はしにくい。ザラついた感触は、たまに爪を立てる
ことで代用できそうだ。ジンワリと広がるような体温に関しては、どうしようもないから
諦める。
「八雲たちだっていつまでもああしてるわけじゃないだろうし……じゃあ、本番、ね?」
ごくりと喉を鳴らし、下着の股布を横にずらした。雫が廊下にポトリと落ちる。
最初に触れたのは、黒色の淡い茂みだった。一本一本が濡れて肌に貼りつき、中
身を隠す用途にはまるで役に立っていない箇所。凍てつく夜気に晒されて熱を奪わ
れる感覚は心地良いのだが。
次に触れたのは大陰唇。人差し指と薬指を使って広げて中をくつろがせる。口が開
いたことによって淫らな穴から大量の粘液が溢れ出し、床に水溜りを作っていった。
そして最後はクリトリスだ。
「……ん」
皮を被ったままだというのに、よほどその部分は興奮で敏感になっているらしい。
痛みすら伴う強烈な快感に、天満の体が反射的にのけぞった。否、それのみならず、
膣口からは小水のように愛液が噴き出し、閑寂な廊下で淫らな音色を奏でていく。
「だ、駄目……! このままじゃあ……ん……い、いきなりイッちゃうよぉ」
判っていても止められないのだ。播磨が八雲の制止を受け付けないように、この指
も自分の意思を受け付けない。一人だけイクのは嫌だからと懇願しても、本能に導
かれるままにそこを蹂躙する。
天満はいつの間にか両手で自慰をしていた。片方は変わらず淫豆を虐め続けてい
るが、もう片方も割れ目を開きつつ処女口の周りを撫で回している。左右の指がふ
やけるほどに濡れていても、欠片も構う様子もなく。
「ひぁ……あ……あ……ま、また声が出ちゃう!」
息切れを起こして酸欠気味だが、止まらない。止まりたくない。すぐそこにゴールが
見えるのに、余力を残すなんて馬鹿げていた。たとえ今播磨に見つけられても、この
指が動きを緩めることはないだろう。
そして一瞬後―
「イ、イク……イ、クの播磨くん!」
「イ、イク……は、播磨さん、イッちゃうよ!」
終わりは突然降りてきた。
奇しくも八雲の声が合わさったのは、まったくの偶然である。天満は部屋を窺う余
裕なんてなかったし、そもそも指が暴走していてイク瞬間を制御できていない。
だが、そのおかげで覗きがバレなかったのは喜ばしいことだった。なぜなら、八雲
たちの愛の営みはまだまだ続くのだから。天満も、もう一度この絶頂を味わうことが
できるのだから。
485:|∀・)ヽ ジーッ (18)
07/09/10 18:22:21 HLNTYt4i
「はぁ……はぁ……はぁ……で、でも……ちょっと休憩……」
力尽き、天満はその場にペタンと座り込む。自らの生み出した愛液が冷たく尻たぶ
に纏わり付いてきたが、この充足感に比べれば大したことではない気がした。
◆◇◆◇◆
「イ、イク……は、播磨さん、イッちゃうよ!」
部屋の外から嬌声が聞こえた気がしたときから、八雲は自分の声を押し殺すことを
放棄していた。イク時の声がぴったり被ったのは偶然だが、播磨が姉に気づかなか
ったのは必然である。
ここで天満が見つかれば、本番直前でお預けを食らうことになるだろう。それどころ
か、今後に続きを行う機会すらまったく訪れなくなる。それだけは何としても避けたか
ったのだ。
ただ、絶頂こそ迎えられたが、おかげでまだ体の方が貪欲に播磨を求めていた。
余分なことを考えていたせいで、せっかくの官能も浸りきれずに中途半端なまま。天
満を“果てた”と表現するなら、八雲はせいぜい“昇っていった”くらいである。
「妹さん、続きは出来そうか? 出来ないならこの辺で止めとくが」
「い、いえ……今すぐでも大丈夫ですから……」
心の声は未だに視えない。この期に及んでまだ性交に躊躇っている播磨を見れば、
休憩を挟むなんてもってのほかだ。ましてや、体力と気力は充分。八雲は言い、迷い
ながらも自ら足を開いてみせた。
下着のクロッチは横にずれたままだったから、窓から流れ込んできた冷気が陰唇
を直接触れてくる。その風に熱を奪われているはずだが、八雲のそこは火照ったま
まだった。愛撫にも似た空気の対流が、余韻を楽しむための後戯の役割を果たして
いるから。
「その……播磨さんも、準備を……」
「お、おお、そうだな」
今更だが自ら羞恥の格好をしていることに恥じ入り、間を繋ぐように催促する八雲。
ただし、目を合わせられずに顔を背けてしまうほど恥らってはいても、M字の足はそ
のままである。その中心に播磨の視線を感じるということは、八雲の体に溺れきって
いるという証でもあるわけで、今この瞬間、彼は八雲のために存在するのだと心の
底から実感できたからだ。
横を向きながら視界の隅で播磨の姿を追っていると、彼は大雑把に服を脱ぎ捨て
ているところだった。脱げかけたシャツを体から振り払い、ずり下ろしたズボンを足で
どこかに蹴飛ばし、トランクスは無造作に背後へと放り投げる。
(あ……、あそこには姉さんが……)
背後とは、部屋の入り口。廊下との境目あたり、天満が少し手を伸ばしただけで届
く距離にフワリと落ち、スポットライトのように電灯の明かりに晒されていた。
「ん、どうした? ひょっとして男の裸を見るのは初めてか?」
「え……あ、は、はい」
「そんなに緊張しなくても、ちゃんとリードしてやるからよ。さっぱり自信はねーけど」
486:|∀・)ヽ ジーッ (19)
07/09/10 18:22:52 HLNTYt4i
姉に気が行って生返事となってしまったが、播磨は都合よく誤解してくれたようだ。
本当は播磨の背後に目が行っていたのに、途中にある彼の裸に釘付けになってい
たのだと。
改めて見ると、確かに彼は人目を惹きつける肉体をしていた。丸太を思わせる二
の腕と、鉄板でも仕込まれているかのような胸板、くっきりと六つに分かれた腹筋、そ
して八雲の胴囲以上はありそうな太もも。薄皮の下にみっちりと詰めこまれた筋肉は、
まるで分厚い鎧のようにも見える。
何より、体の中心にそびえ立つモノから意識を逸らすことができない。竿からはいっ
そ破裂しそうなほど血管が浮き出て、先端は不気味に濡れ光り、グロテスクな造形を
しているのに彼の肉の鎧よりもたくましさを感じさせるそれ。自分が受け入れなけれ
ばいけないのかと思う前に、まず見惚れてしまう。
(……姉さんは見たことがあるのかな。前、友達が家に来てたときそんな話をしてた
ような気がしたけど)
しばらく呆けていた八雲だが、ようやく思いついたのはそんなまったく関係のない話
だった。いや、これ以上惹きこまれるのはまずいと感じ、無理やり他所へ気を移した
というべきか。
ともあれ、誘惑を振り切った八雲は天満の方を見る。
「……? ……無くなってる」
と、そこであることに気がついた。
いつの間にかトランクスが消え去っていたのだ。最初から無かったかのように、そ
こには廊下の明かりが照らされているだけ。錯覚ではないかと瞬きしても同じである。
察するに、今は天満の手の中にあるということか。彼女がどういう扱い方をするか
は知らないが、淫らな遊びの道具として使われることは間違いなかった。姉は姉なり
にこの状況を愉しんでいるようだ。
とはいえ気にはすまい。これからの未知の体験に、八雲は自分のことで手一杯に
なるのが目に見えていた。たとえ姉にセックスしているところを見られようが、それを
ネタに一人遊びされようが、今夜の播磨は八雲一人だけのもの。その事実さえあれ
ば、他のことなんて忘れてしまえる。
「じゃ、じゃあ……播磨さんの好きなように……」
言い、八雲は目をギュッと瞑って次の展開に備えた。
彼女自身は覚悟しているつもりでも、不安はまだ残っている。たった一時間のうち
に告白からキス、セックスに至るとなると、性急すぎる気がするのだ。普通であれば
段階的に愛を深めていくのだろうが、心の準備をするには積み重ねたものが圧倒的
に足りていない。
播磨は何も語らない。代わりに八雲の下着に手を掛け、スルスルと下ろしていく。
(今、播磨さんに何もかも見られてるんだ……固くなった胸の先っぽも、あんまり生え
てないアソコの毛も、ベトベトになったアソコも、お尻の穴も……)
たった一枚の小さな布地、それも秘部を隠す用途にすら使えなくなっていたとはい
え、最後の砦を破られて心細さが表に出てしまう。より強くまぶたを閉じるが、果たし
てどれだけ役に立つものか。
いっそのことと薄目を開けてみるが、播磨は鼻息を荒くさせ、男根をしごいていると
ころ。今すぐ膣内に入れたいのを必死で我慢しているか、先端からは先走り汁が零
れている。
「これで最後だ。妹さん、嫌だったら今のうちに言ってくれよ?」
「―っ!」
487:|∀・)ヽ ジーッ (20)
07/09/10 18:23:23 HLNTYt4i
八雲はとっさに返事が出来なかった。いよいよなのかと体が強張って声が出てくれ
なかったし、何より播磨がその時間を与えてくれなかったから。
質問形式で最後通牒を突きつけてきたが、実際は形だけでしかない。反応を返す
前に彼の両手は八雲の膝を掴んで大股開きにさせている。痛いくらいに限界まで広
げ、そこから立ち上がる淫猥な空気に鼻腔をヒクつかせていた。
(いつもの播磨さんとは違う気がする……。“変”っていうのは相変わらずなんだけど)
その様子は、まさにケダモノだ。
余裕がないのは彼も同じというわけか。今までは、男だからという理由から八雲を
導こうと虚勢を張っていただけ。こういった場面に免疫がないのはお互い様だった。
そう思えば、八雲の体に入った力は自然と抜けてくれる。
「大丈夫……です。私は逃げませんから……」
微笑みかける。
だが、その控えめな笑顔こそが播磨の余裕を根こそぎ奪うとは、八雲も予想できな
かった。
「うおぉぉぉぉぉおおおおお!! もう我慢できるか!! 文句は後で言ってくれ!!」
「あっ!」
唐突に生温かなものを桜色の淫肉に押し付けられる。目で確認はしていないが、
当たっているのは間違いなくアレだ。過去に一度も触れたことがないとはいえ、雌とし
ての本能がそれが何であるのかを教えてくれた。
思ったよりは固くない。かといって柔らかいわけでもない。どんな体の部位ともまる
で違う不可思議な弾力は、ドクドクと脈打っているおかげか別種の生き物ではないか
とすら感じてしまう。
(でも、何だか温かくてホッとする……ずっとこのままの格好でもいいくらい)
と、染み入るように広がる播磨の怒張の熱に八雲が酔っているとき、
「……ん……ぁ……そんな急がなくても……」
依然余裕を失ったままの彼が陰茎を上下に動かし始めた。鈴口を使ってクリトリス
をこね回し、尿道口を擦って尿意を刺激し、処女穴に軽く差し入れて入り口が亀頭に
纏わりつく感触を堪能する。
互いの粘液によって滑りは良く、つかえることなく秘部全体を強烈に刺激してくるか
ら、八雲としてはたまったものではない。痛いのか、くすぐったいのか、気持ちいいの
か、雪崩のように襲ってくる未知の感覚にわけも判らず闇雲に首を振った。
「ま、待って……播磨さん。もう少しゆっくり……あぁ、やめ……」
「いいぜ、妹さん。ビラビラがいやらしく俺のに絡みついてきやがる。妹さんもちゃんと
感じてくれてるんだな」
「違っ……」
意思疎通ができていないのはいつものことだ。だが、これは違う。彼が相手の考え
を読み違えるのはしょっちゅうでも、無視するような人ではない。少なくとも八雲には
そう接してくれている。
これではほとんど強姦だった。一方的に欲望を叩きつけるだけの、他人の体を使っ
た自慰行為。八雲の体は敏感に反応していても、心は一定以上に熱くなってくれない。
(でも)
488:|∀・)ヽ ジーッ (21)
07/09/10 18:23:55 HLNTYt4i
考えてみれば最初はこの構図が逆だったわけだ。播磨が逃げようとする中、八雲
はキスや愛撫を強行していた。相手の意思なんて度外視し、自分の我が侭をどこま
でも押し通す。
それはすべて、播磨が姉の元に行かせないようにするため。彼を独り占めしたい
がため、追い詰められた八雲は選択せざるを得なかったわけだが。
(……ああ、同じなんだ)
考え至れば、播磨の今の気持ちも痛いほど理解できた。
最後まで“事”は至っていないのだが、目的は既に達成されていたらしい。今の播
磨は姉のことなんて少しも考えていない。目の前にいる八雲だけが、彼の意識のす
べてなのだから。
「は……っあ……、やぁ……ぁ……んんっ」
痛みが快楽に変換されていく。痒みもやはり快楽に変換されていく。膨れ上がった
性の悦びに、八雲の嬌声がひときわ強く部屋に響き渡った。
途中、天満の声も混じっていた気もするが、播磨の耳にはきっと届いていない。廊
下から響く水音も、男根が八雲の割れ目を擦り立てる音に紛れてしまっている。
気づかれぬよう視界の端で確認してみると、やはり姉はオナニーに耽っているよう
だ。享楽に緩みきった顔で、しかしこちらに向けた瞳だけは真剣なまま。ズボンと下
着をずり下ろして両手で女陰を掻き毟っている様など、彼女が口癖のように言う“お
猿さん”そのものである。
(人のこと言えないな。だって私ももう……)
子宮の疼きは我慢の限界を超えていた。快感だけは洪水のように襲ってくるのに、
あと一歩というところですべてを吹き飛ばしてくれるような鮮烈な刺激が来ないからだ。
播磨の亀頭が八雲の中に軽く入るたび、深く接合しようとつい腰が動いてしまう。尿
道口を通るとき、思わず中身を放出しようと腰が砕けてしまう。
「は……りま、さん……もういいですから、入れて……ください……」
「ああ」
息をするのも辛く、ようやく絞り出せたその声。播磨も異存はなかったようで、即座
に頷いてくれた。都合のいい言葉だけはちゃんと聞こえるらしい。
「行くぜ? 力、抜いとけよ?」
「は、はい」
待ちに待った瞬間に、八雲の顔が喜色に輝く。頬に髪を張り付かせたまま妖艶な
笑みを浮かべる彼女に播磨が口付けるが、意識してのことではない。魅入られてし
まったからだ。
それと同時に、播磨の腰も動いている。
「ん……んぁ……っぁ!」
八雲が最初に感じたのは、膣入り口の輪っかを擦られる快楽。だが次に襲ってき
たのは、内側から身を引き裂くような激痛だった。
ドーナツ状の処女膜が亀頭で押し広げられ、限界まで張り詰めていく。引き絞られ
た弓のように力を蓄えながら陰茎をせき止めているが、そんなものは一時しのぎにも
ならない。徐々に膜に亀裂が入っていく音を、八雲は確かに感じていた。
「―っ! いたっ……い……!!」
489:|∀・)ヽ ジーッ (22)
07/09/10 18:24:26 HLNTYt4i
やがて弓から矢が飛び出す。竿は一気に膜を破壊し、膣の奥まで蹂躙し尽くした。
声にならない悲鳴を上げる八雲だが、彼女にその痛みを拒絶する気はない。これ
も性行為の醍醐味のうちの一つであり、痛みを受け入れることが相手の男を受け入
れることに繋がるのだから。
「くっ……! やっぱり血が出てきてるな。辛いようなら少しは待つが……どうする?」
「が、我慢できないほどではないですから、大丈夫……です」
もっとも、播磨には最初から止めるつもりなどなかったようだ。
言っているそばから彼の肉竿は動き出していた。ついに繋がったと八雲が感慨に
浸る間もない。腰を捻り、回し、未使用のそこを強制的に拡張していく。
「妹さんの中、気持ちよすぎる! そんなウネウネと動かれたら、すぐにでもイッちま
いそうだ。少し堪えてくれんか?」
「そ、そんな……播磨さんが動いて……」
快感より痛みが勝っている今、八雲としては激しく出し入れされていないのが幸い
だったかもしれない。というより、無意識にぎゅうぎゅうと締め付けているせいで、播
磨の腰が前後に動いてくれないのだろう。打ち込まれた男根は幾重もの膣襞に絡め
取られ、輪ゴムのようにその場に縛り付けられている。
ある意味、滑稽な絵柄だ。互いが互いに動かぬよう呼びかけているのに、その本
人たちが動き続けているのだから。
とはいえ、当事者にとっては真剣そのものである。特に八雲などは、播磨が膣壁を
揉み解すように掻き回しているおかげで痛みは薄れだしていた。純粋に快楽だけを
感じ始めた今は播磨の消極的な動きにもどかしさを感じ、余計に膣内をうねらせる。
「……ん……ぁん……あの、私も一度イきましたし……果てても、また続きをすれば
……」
我慢なんてしていられない。そんな瞳を播磨に向け、懇願する八雲。
だが、播磨にも男のプライドがあった。
「いいや、も、もう大丈夫だ。ちゃんとリードしてやるって言ったしな。妹さんは自分が
イクことだけ考えてりゃいい」
「でも……」
無言で反論を封じ、播磨はゆっくりと腰を引いていく。
八雲が痛みを堪えるために力を入れる必要がなくなったおかげか、締め付けが多
少緩くなっているのだ。代わりに肉茎を内へ内へと飲み込もうと繊毛運動を繰り返し
ているが、こちらの方はまだ我慢できる。
「よし、こっからは結構激しく動くからな。しっかり気ぃ持てよ?」
カリ首の辺りまで抜けた播磨の怒張には、白く泡立った愛液と破瓜の血が付着して
いた。混じり合って桜色になっており、浅黒い陰茎を痛々しく染め上げている。
八雲はいったいどれだけの苦痛を耐えているのか。播磨はそれを見て一度顔を顰
めたが、しかし肝心の彼女は待ちきれない様子。気を取り直し、一息に腰を突き入
れた。
「……あっ!」
鋭い衝撃に八雲の肺から息がこぼれる。快感なんて生易しいものじゃない。脳の
許容範囲を超えた何かが全身を駆け抜け、最後、頭の中を真っ白に埋め尽くしてく
れたのだ。呼吸することすら忘れるが、酸素が欠乏した苦しみさえも白の世界の中
に呑み込まれてしまう。
唯一知覚できるのは、播磨のモノが体の中心をえぐる感触だけだった。そしてその
感覚に必死にしがみつく八雲。
490:|∀・)ヽ ジーッ (23)
07/09/10 18:24:58 HLNTYt4i
「……んっ……んっ……んっ……んっ……」
一定の間隔で正確に刻まれる堪えるような声は、そのまま播磨の先端が子宮を押
し上げる間隔でもある。一突きごとに訪れる重い振動が八雲の脳裏を焼き尽くし、肺
にあった残り少ない空気を出し惜しみすることなく搾り出していた。
ただ、頭には生命の危機が伝わっていなくても、体の方はきちんと把握しているら
しい。いつの間にか播磨の背中に爪を立てて酸素を求めていた。そんなことをして得
られるはずもないのだが、今の八雲に正常な判断ができるはずもない。掻き毟り、ミ
ミズ腫れのような赤い線を幾筋も作っていく。
反対に、播磨は播磨でその痛みが脳まで伝わることはなかった。亀頭が粘膜を削
る快感と竿が膣で締め上げられる快感に、意識のすべてを取られていたから。額に
青筋を浮かべ、果ててしまわないようにと必死に堪えている。
「段々慣れてきた。もう少し早くできそうだ」
「ん!」
目を瞑って、たった一音。
息が詰まっている中、八雲に返事なんてできるわけもない。それでも首を頷かせる
ことで意思を示したということは、途中で終わってしまうのをよほど嫌がっているという
こと。
いや、本当はもう何が何だか判らなくなっていたのかもしれない。今がセックスの最
中であることすら、播磨に抱かれていることすら忘れてしまっている。上下左右も判ら
ず、溢れてくる光の洪水に翻弄されながらもがき続けていた。
そして徐々に早くなっていく律動だったのだが―
「お、おい! ホントにこのまま続けてもいいのか? なんか顔色がやばいことになっ
てるんだが……」
「んっ、んっ…………か、はっ……!」
ようやく正気を取り戻した播磨に頬をピタピタ叩かれたとき、八雲は現実へと帰って
くる。
同時に播磨の腰の動きが止まったことも幸いした。内臓を突き上げるものが無くな
ったことで、肺も正常に機能し始めたようだ。一度大きく咳き込んだあと、八雲は空
気を貪り出す。
「すまねえ、夢中になりすぎて気づけなかった。そんなにしんどいならこの辺で止めた
方がいいよな。初めてが痛いのはしょうがねえしよ」
「はぁ……はぁ……はぁ……けほっ……はぁ……はぁ……」
今頃になって酸素不足に苦しみ出す八雲。だが、それほど嫌な感覚ではなかった。
苦痛を代償に得た法悦の極みは何物にも代えがたいものだったから。
それに、こうして播磨が背中をさすってくれるのだから、対価としては過剰なほど受
け取りすぎている気もする。
「す……すみません。多分、気持ち良くなりすぎてしまって……」
「そ、そうか。そりゃ良かった……のか?」
「ええ」
だから―と八雲は微笑んでみせ、続きを促した。
誤解で中止にされるなんてとんでもないことだ。秘芯はまだ疼いているし、播磨の
方とて未だ挿入されたままの陰茎がピクピク反応している。たとえ体を気遣ってくれ
たものだとしても、いや、だからこそ二人で最後まで辿り着きたい。
「……なら仕切り直しだな」
491:|∀・)ヽ ジーッ (24)
07/09/10 18:25:29 HLNTYt4i
そう言って播磨は八雲の乳房に顔を寄せる。片手で胸全体を揉み解し、先端の突
起を舌でチロチロと舐め回し、先ほどとは打って変わって緩やかになった愛撫。八雲
にも播磨の背中を撫でる余裕はあるようで、くぐもった声を上げながら刺激に酔って
いた。
「このくらいならぜんぜん平気か。なら……」
相変わらず胸を弄んでいるが、今度は残った片手を八雲の腹の上に置く播磨。そ
してその手を徐々に下へ下へと這わせていく。
「あ、あまり焦らされるのは……」
「なーに。そう言ってられるのは今のうちだけだ」
「それはどういう―って、あぅっ!!」
クリトリスだ。人差し指と薬指で器用に皮を剥くと、中指の腹でそこを転がしていた。
不満を漏らしたせいで、過激な手技へとシフトしたらしい。空気に触れるだけでも敏
感に反応してしまうのに、直接弄り倒すなど何と意地の悪いことか。腰が引け気味と
なるが後ろがベッドでは逃げ場はなく、播磨の好きに遊ばせるしかないというのが八
雲には悔しい。
「それなら私も……」
尻たぶに力を込め、力を抜き、今度は下腹に力を込め、やはり力を抜き、たまに体
をよじって腰を突き出す。それをランダムで繰り返してみた。
すると膣壁は縦横無尽にうねり、播磨の肉棒が予測不可能なリズムでしごかれる。
「ぐはっ! 妹さん、なんて技を……」
「くすくす……意地悪されたからお返しです」
こんなのは自分のキャラではないと思っているのに、行為の最中だというのに、零
れる笑みを止められない八雲。
嬉しかったのだ。過去に彼とこういった戯れ合いをしたことがなかったから。
それなりに親しい間柄だったのに、これまでは何故か互いに距離を置いていた。な
のに今は姉と播磨の関係のように気安く話ができるなんて、まるで自分が天満にでも
なったかのようである。
心が通じ合ったと錯覚した。いや、実際に通じ合ったのだろう。何故なら、今の八雲
には播磨の声がかすかだけ視えているのだから。否、たとえ声が小さすぎて読めなく
ても、読む以前に播磨の考えていることが何となく理解できてしまう。
「…………今なら大丈夫な気がします。だから」
「ああ」
この秘め事もそろそろ終わりを迎えよう。
視ずとも、言葉に出さずとも互いの意思を汲み取ることができたということは、つま
りはそういうことだった。紆余曲折を経て、いま本当のセックスというものをしている。
順序がまるきり逆にはなったが、逆だからこそ深く心を繋げることができたわけだ。
最初のときはただがむしゃらに相手の体を貪った。自分が壊れようとも相手が壊れ
ようとも関係ない。必死になって獣のように快楽だけを追求する。
ところが今は、互いの快楽を交じり合わせることに価値を見出しているらしい。播磨
の心が欲しいだけではなく、自分のものも彼に与えられることができたら。単純に体
液を交換するより、感情を交えた方が己の心が満たされることを知ってしまった。
惜しむらくはこれが“恋人ごっこ”でしかないことだが、得られた喜びに比べれば、播
磨にわずかでも好意を持たれていると知った今では、些細なものである。
「動くぞ」
もはやこれ以上言葉を重ねるのは無粋。ゆえに播磨が重く一言だけ宣言した。
後は行動あるのみだ。
492:|∀・)ヽ ジーッ (25)
07/09/10 18:26:04 HLNTYt4i
「ぁん……!」
ゆっくりと挿抜が開始されることにより声を漏らす八雲だが、先刻とは異なりその表
情には余裕がある。播磨が呼吸のタイミングを合わせてくれるし、何より感情が暴走
していない。
八雲を支配していたのは温順の心だった。何もかもを受け入れ、素直に従っていく。
例えば子宮の入り口を亀頭でグリグリと愛撫される感触も、カリ首が膣道を引っ掻い
てくる感触も、肉棒に角度を付けさせて尿道を圧迫してくる感触も、胸や陰核を指で
転がす感触も。キスをされれば舌だって当たり前のように差し出した。
「んぁ……ちゅっ、あむ……あっ……んっ……」
徐々に一連の動作のサイクルが短くなっていく。呼吸も短く鋭くなっていく。
しかし二人は気づかない。その加速度はあまりにゆっくりなものだったし、気づく暇
があったらより幸福を得られる手段を考えていただろうから。
「あっ……そこ、いいっ……! んっ……んっ……いいよ、播磨さんっ……!」
歩く速度から早足に、急ぎ足から駆け足に。その間、八雲の体は繰り返し翻弄され
尽くしていた。触れられていない箇所なんて既に無くなっていた。汗と唾液、愛液の区
別も付けられず、全身から媚薬めいた匂いが放たれる。
飽きることなく求め合い、飽きることなく与え合う二人の姿。同じところをグルグルと
駆け回り、しかし一瞬ごとに何かが違っている様は、まるで先の見えない螺旋階段だ
った。
「んっ、んっ、んっ……凄い、まだ気持ちよくなってる……! こ、これ以上は……」
それでも、いつか終わりは来るものだ。少なくとも播磨の方はその瞬間を予感して
いる。
「そろそろヤバイ。妹さんの方はどうだ?」
「わ、私ももう少しで……。だから……あん……播磨さんの好きな時にお願いします」
言いながらも、八雲の腰は我慢しきれず動いていた。播磨が押すときは押し返し、
引くときは自分も引く。今できる最大限の働きで、可能な限り快楽を拾おうとしている。
恥じらいを忘れたその動き、つまるところタイミングなんてどうでもいいのだ。口では
違うことを言いつつ、理性のすべてを失ってしまえと播磨に無言で訴えかけていた。
対して播磨も、それを的確に理解している。言葉で語ったところで鈍い彼は察する
こともできなかったろうが、肉体へと直接語られているわけで。頭を使うことに弱い彼
でも、いや弱い彼だからこそ八雲の求めているものを悟ってしまった。
「じゃあ妹さん、覚悟しろよ?」
播磨に拒む理由はない。この甘い苦しみから解放されるのなら、終わる一瞬の恍
惚に浸れるなら、全力でそこへと突き進む気がある。だから今こそラストスパートへ。
しかし、水を差されたのはそんな時だった。
「っと、そういえば―」
「……えっ? まだ途中……」
ふと播磨の動きが止まる。
別にフライングで先に果ててしまったわけではない。失念していたことがあったのだ。
確かに八雲の膣にある無数の襞は、緻密なまでの蠕動によって無二の快楽を与え
てくれる。しかしそれは、情緒皆無なゴムというものを付けないことで得られる諸刃の
剣。そこに思い至ったからこそ、播磨は仕方なしに攻めを中断するしかなかった。
「今のうちに聞いておくが、中と外、どっちだ?」
「きょ、今日は大丈夫な日ですから」
493:|∀・)ヽ ジーッ (26)
07/09/10 18:26:35 HLNTYt4i
応じる八雲だが、その目は何故か逸らされたまま。先程まではあれほど熱心に播
磨を眼界に収めていたというのに。
つまり嘘なのだ。そんな都合のいい状況なんてない。今夜の夜這いは突発的な出
来事だったし、今まで未経験だった八雲が事前に安全日を計算しているはずもなか
った。そも、計算方法すら知らなかった。
愚かしいまでの愛欲の賜物である。将来の設計を不安定にさせてでも、最後の一
瞬まで播磨の存在を感じていたいというのだから。果てたときに得られるだろう彼の
残滓を、胎内に留めて余韻に浸ってみたいというのだから。
もちろん播磨が虚言を見抜けるはずもない。
「なら安心だな。このまますんぞ」
彼は簡潔に言い、激しく注挿を開始した。
疑うことに意識を割くくらいなら、より快感を得られるような腰の使い方を考えたほう
がマシだ。ただでさえ播磨は最初に失敗しているし、どうしても八雲のことを優先して
やりたくなってしまう。
そのせいか、一突き一突きが的確に八雲の急所をえぐっていった。今まで以上の
官能が引き出されていき、二人は外見を気にする余裕を失っていく。
「あっ、あっ、あっ、んっ、んっ、あっ、あっ……」
常に半開きとなっている八雲の口から漏れる声は、廊下はおろか、確実に隣の部
屋まで届いているだろう。声量を抑えるどころか、大声を出すことで発散しないと快感
のすべてを受け入れることができなかった。
もう限界が近づいている。八雲だけではない。膣壁が今まで以上に押し広げられて
いるということは、播磨の怒張が暴発寸前まで膨れ上がっているということ。あと少し
ですべてが終わるのだ。
「イク……イク……あんっ……も、もう……もうイきますっ、播磨さん!」
「ああっ! ああっ! そのままイッちまえ、妹さんよぉぉぉおおお!」
瞬間―
播磨の肉竿が八雲の最奥まで突き入れられて静止した。
動から静へ、しかしそれは表面上のことでしかない。内側、八雲の淫壷は痙攣する
ように激しく波打ち、播磨の先端からは激しく白濁液が発射される。
それだけに留まらない。子宮口に精液が打ち付けられると、その恍惚によって膣道
が収縮し、締め付けられた男根からは更に勢いよく精液が飛び出ていく。そして連環
のように絶頂の瞬間が繰り返され、二人を無限の高みへと連れて行くのだ。
「……イッ……ク……ゥ……!」
播磨の背中に両手を回してしがみつき、足の指をギュッと丸めながら終わりの刻を
待つ八雲。快楽の奔流が全身を駆け抜け、甘美に脳を痺れさせる。
必死に息を堪えていたのは、その快楽を口から逃がさないようにするためだった。
膣口から播磨の子種を逃がさないようにするためでもあった。初めての忘我の境地
に、八雲は縋ってなかなか手放そうとはしない。
だが、その状態で居続けるにも限界があろう。息を止められる時間はわずかに数
秒、体を硬直させてイッた瞬間を味わい続けられる時間もわずかに数秒。気がつくと
心や筋肉は弛緩し、呼吸を再開させてしまっていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……」
494:|∀・)ヽ ジーッ (27)
07/09/10 18:27:07 HLNTYt4i
播磨の逸物が膣から抜けると、白く濁ったゼリー状のものがコポリと飛び出してくる。
そしてその後も、八雲の呼吸に合わせて断続的に溢れ出てきた。
まるで酸欠の鯉が必死に口を開閉させているかのようだ。しかし、それを恥じらい
隠すだけの余力が八雲にはない。見て愉しむだけの余力も播磨にはない。精液と愛
液が混じった淫らな液体がベッドに垂れて染みを作っていくが、拭き取ろうという気す
ら二人には沸いてこなかった。
今はただ、余韻に浸り続けていたい。
やがてそれも堪能しきった時―
「も、もう駄目だ。悪いがこのまま休ませてもらうぜ」
「えっ……あ……」
体力尽きたのか、播磨がドサリと倒れこんできた。
相応の重量が圧し掛かり、どうにも身動きが取れなくなってしまう八雲。しばらく両
手をワタワタと動かすのだが、ついに諦め受け入れ始める。
胸が押し潰れて肺を圧迫しているのだから、本当なら息をするのも苦しいはずなの
だ。しかし八雲は、播磨の荒い吐息が耳朶をくすぐってくるのを感じて笑みを零してし
まう。無尽蔵とも思える彼の体力が枯渇したということは、その分だけ愛情に変換し
て自分に注ぎ込んでくれた証でもあるのだから。
「重い……けど、それが気持ちいいな……」
「ん? 何か言ったか、妹さん」
「……いえ」
彼を胸に迎え入れながら、八雲は天井を見上げる。
音が聞こえた。互いの呼吸が熱く耳元に掛かる音、廊下からコソコソと去っていくよ
うな足音、はるか遠くから聞こえる車のクラクションの音。しかしそれらはやがて静ま
り、今は冬特有の澄んだ空気が軽い耳鳴りを運んでくれる。
いつ終わるとも知れないノイズが常に一定の大きさで鳴り響いているせいだろうか、
八雲の心は時間が経つごとに平たく透明になっていった。波紋すら立たない水面の
ように。
見慣れた部屋が妙に広く感じるのは、多分そのせい。手を伸ばしても距離感は判
らず、背後のベッドすらそこに存在しているかも怪しい。まるでこの世界には自分と
播磨しか居ないようにも感じてしまう。確かなのは、胸に圧し掛かる播磨の重さと、同
じく伝わってくる彼の体温だけ。他の目に見えるものや感じるものは、すべて幻だった。
彼を胸に迎え入れながら、八雲は天井を見上げる。
「……私、好きなんだ……」
無心の中、自覚もないまま漏れたその言葉。
そして最後、誰もいない廊下が愛液と小水の混合液で水浸しになっているのを確
認すると、八雲はゆっくりと目を閉じていくのだった。
― FIN ―
495:名無しさん@ピンキー
07/09/10 18:27:39 HLNTYt4i
確かに何も言わず投下したほうが良かったと反省です。
では、さやうなら。
496:名無しさん@ピンキー
07/09/10 20:32:14 Hpo/58t8
ををををををををを!
すげえすげえすげえ!GJ!
497:名無しさん@ピンキー
07/09/10 20:56:57 Dy3n2U3m
いきなりトンデモない量がダウンロードされたから荒らしかとびびったw
とにかくGJだよアンタ。
498:名無しさん@ピンキー
07/09/10 21:00:54 1gmfgVMf
GODJOb
499:名無しさん@ピンキー
07/09/10 21:03:57 /RHp6OLh
GJだな!
よくこういう長く思いつけるもんだ
500:名無しさん@ピンキー
07/09/10 22:11:58 Dy3n2U3m
うむ、おにぎりと見せかけたヴァーチャル王道ごちそうさまでした。
501:名無しさん@ピンキー
07/09/10 22:28:32 0StTVXDg
かなりの長さでびっくりしたw
すげえ力作マジGJ!!
502:名無しさん@ピンキー
07/09/11 00:02:48 0BHte505
いきなりスレが伸びてて覗いてみたら|∀・)ヽ ジーッ (27)
とかあるもんなwwww
乙~
503:名無しさん@ピンキー
07/09/11 01:54:57 0BHte505
ちょっと気になったのは、
暗がりでそれなりに遠くから覗いてる天満なのに八雲が濡れているのを見て分かったり、
時々誰が主観で書かれているのか分からない所だなー。今だれの目線になっているのか分けた方がいいかも
でも面白かったわw
504:名無しさん@ピンキー
07/09/11 02:58:51 VwCiPtSz
>>494
エロい…すさまじくエロい…GJ過ぎる。
もう爆発ししゃう。たまらんですよコレは。
505:名無しさん@ピンキー
07/09/11 10:29:42 Ov3j5Qyd
旗かけカス
カレー戻って来い
506:名無しさん@ピンキー
07/09/11 14:32:45 kCvRa6zP
>>495
GJ
久しぶりにコレだけの文章量のSSを読ませていただきました
やっぱりお泊り編で八雲がもしいたらっていう展開は考えますよねw
八雲がこのまま播磨をつなぎとめていられるのか天満はどうするのか、
この続きも凄い気になります
507:名無しさん@ピンキー
07/09/11 18:59:33 1LkV/BW5
んー・・・まあ作品を投下してくれたこと自体はGJなんだけど、やっぱ質の問題がねえ・・・
これもカレーさんの高い文章力を見慣れたせいかもしれんから、>>467氏が悪いとは一概に言えないのかもしれないけどさ。
あとやっぱり、おにぎりってどんなに頑張っても不自然な展開しかできないんだよねえ、八雲というキャラ自体が持ってる欠陥のせいで。
やっぱ二次創作には旗なんじゃないの?
508:名無しさん@ピンキー
07/09/11 21:27:50 Wtd3dFGl
今までの各所のSS量が圧倒的に
おにぎり>>>>>旗な件について
ちょっと前までおにぎりばっかだったよ
509:名無しさん@ピンキー
07/09/11 21:35:43 JFkUi13S
507は煽る気が満々すぎて逆に煽る気が無いように見えてしまうのは俺だけか?
510:名無しさん@ピンキー
07/09/11 22:14:32 nvCbYe7H
>>505
どうせカレーは>>467氏のせいにして
「おにぎりはもう投下されてるのでまた旗書きますね」
とかいいだすよ。
511:名無しさん@ピンキー
07/09/11 22:24:58 r3yxfpzm
いやまあ、カレーが旗書くのは別にいいんじゃね?
512:名無しさん@ピンキー
07/09/12 00:41:33 N7r5TvES
>>511
はいはいカレー乙
おまえのせいで旗の印象が悪くなってる事にいい加減気づけ
それともわざとやってんのか?
513:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
07/09/12 01:05:44 FG1GZJUn
>>495
エロース!!!
なんつーか描写がいちいちエロいっていうかねちっこいっていうかすばらしい。
俺には到底こういうのは書けないのでしばらく凹んでます。上手すぎ。
それにしても八雲がかわいいなあ。足の指の描写とか、こういう細部からエロスの薫りが漂ってきて
GJ杉であります。
>>507
俺が高い文章力って、嫌味かッ!!
つか、むしろ誉め殺しwww
>>509
いやいや、どう考えても煽りです。
>>510
いやいや、次はおにぎり。
514:名無しさん@ピンキー
07/09/12 01:07:06 r1l8dEh3
>>513
>いやいや、次はおにぎり。
だったらはよ書けw
515:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
07/09/12 01:08:58 FG1GZJUn
が、頑張ります……
516:名無しさん@ピンキー
07/09/12 01:29:58 /SKyKlW3
>>495
おにぎりもエロい天満も良かったw
何より寸止めすることなくラストまで一気に読めたのが嬉しい
517:名無しさん@ピンキー
07/09/12 02:46:37 t7I35hLk
旗もおにぎりもいいものだ
しかし誰か超姉も書いておくれよ
518:名無しさん@ピンキー
07/09/12 08:19:00 0yyFq0Jw
だから、別に報告はいらないし、投下以外はコテ外していても構わんだろ…
でも……続きを待ってるんだからね!
519:名無しさん@ピンキー
07/09/13 08:57:16 HTsRKEgn
>>515
うざw
ここだいぶ見てるだろ?
自演もしてそう
520:名無しさん@ピンキー
07/09/14 03:40:26 2GBo8+0R
カレーがくると空気が悪くなるw
521:名無しさん@ピンキー
07/09/14 10:52:54 yAtIomrQ
>>495乙
そろそろ自サイトの更新もやってくれると嬉しいんだが・・・
連載放置のやつとか・・新作とか・・ずっと待ってるんだぜ
522:名無しさん@ピンキー
07/09/14 13:46:48 BThqa+Bp
乞食が何をいっちょまえに要求なんて出してんだよ。
523:名無しさん@ピンキー
07/09/14 20:15:41 XCs63vtQ
しかし本人はそこそこやる気を出しているのであった。
さておき。返事が遅れましたが、多くのレスに感謝。
色々と稚拙なところはありますが、
概ね好意的に受け入れていただけたようで幸いです。
524:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:34:04 dMg5GrDb
>>523
新作期待してる!
525:名無しさん@ピンキー
07/09/15 01:40:54 NzpTLxXI
>>523
どこの誰かは知らないが、次の更新を期待しておくよwww
526:名無しさん@ピンキー
07/09/15 07:24:28 +i+kBgWL
保管庫なくなった?
527:名無しさん@ピンキー
07/09/15 11:30:35 mkJPBKW5
>>523
期待してます
528:Wikiの中の人 ◆WDhSQt//WA
07/09/15 18:20:13 wdJUZzY4
>>526
えーと、ダラダラ続けていてもアレですし、
スッパリ保管庫は閉鎖しました。
少し前までの空気も…でしたし。
ただ、スレの空気もよくなってきたところだし、また作ってみようかなーと。
需要があるならば再び復活…というか作り直したいと思います。
無いならば再び名無しに戻ります。。
529:名無しさん@ピンキー
07/09/15 18:25:12 mteojgB8
俺はSSを読みたいからここにいるだけで
お前のご機嫌取りなんかするつもりは毛頭ないとだけ言っておく
530:名無しさん@ピンキー
07/09/15 18:35:11 y1GvbGl/
Wikiの中の人マンセー!!!!!!!!!!!!!!
ほれ、さっさと保管庫再開しろや。
531:Wikiの中の人 ◆WDhSQt//WA
07/09/15 21:54:35 wdJUZzY4
別にご機嫌なんか取らなくても構いません。つーかそんな事求めていません。
需要があるか無いかなんで。
無いなら無い、あるならあると言ってくだされば。
532:名無しさん@ピンキー
07/09/15 22:03:42 mteojgB8
需要があるからやる
需要が無いからやめる
そんな人がまとめやってて上手くいってたパターンなんか見たことないけど
533:Wikiの中の人 ◆WDhSQt//WA
07/09/15 22:09:14 wdJUZzY4
それはそうなんですけどね。
なんと言うか、需要がないと意欲が湧かないといいますか。
需要があるならばこちらも出来る限りの更新ペースで更新しますし、
無いならば作らなくても色々と過去ログもありますし、いいかなと。
534:名無しさん@ピンキー
07/09/15 22:40:11 pTryCfvs
需要はあるに決まってるじゃん
よろしくです
535:名無しさん@ピンキー
07/09/15 22:57:17 NzpTLxXI
>>533
どんなモノのまとめサイトでも管理人や保管人は損な役回りなもんだよ
「俺が好きでまとめてるものをお前らも見ればいいじゃん」くらいの意気込みでやらないと惰性になるからな
続けるにしても辞めるにしても好きにすればいいさ
536:名無しさん@ピンキー
07/09/15 23:28:08 IY4itPiR
需要があるかどうかはカウント数で分かるんでは?
個人的には保管庫に載ってないものだけでも更新して頂けると有難いです
537:Wikiの中の人 ◆WDhSQt//WA
07/09/16 00:00:34 wdJUZzY4
>>535
なるほど…。参考になります。
私の意気込みに問題があったんでしょうね…。
>>536
1日のヒット数が十数回という現状ではお世辞にも…(ry
とりあえず個人的に作っておきます。
ある程度の保管が完了したら公開するかもしれません…。
538:名無しさん@ピンキー
07/09/16 09:24:36 V3unRV/G
>>537
いや、そんなに入れ込まないで気楽に気が向いた時に
ちょちょいと更新するって感じでいいのよw
539:名無しさん@ピンキー
07/09/17 13:13:54 VzyJcj4/
>>537
やってるのはあんたなんだから、ある程度好きにやればいいんじゃないか?
540:名無しさん@ピンキー
07/09/17 21:00:15 UTS4oUO4
たまには奈良のエロパロも書いてくれよ!
541:名無しさん@ピンキー
07/09/18 09:01:23 ipboW3R8
wikiの中の人=カレーだなこりゃw
542:名無しさん@ピンキー
07/09/18 12:13:05 YHhYfpN1
>>537
一日一回みたいとは思わないけどたまに見たいと思うことがある
543:名無しさん@ピンキー
07/09/19 02:13:46 ynU6Px74
こう、喉元まで来てるんだよ・・・
544:名無しさん@ピンキー
07/09/19 11:34:33 BaBn9wUd
>>543
ここじゃダメあるね!早くトイレに行くよろし!
545:名無しさん@ピンキー
07/09/19 14:04:56 KfcgJfZ/
誰か奈良を主役にしたSS書いてくれないものかねぇ?
546:名無しさん@ピンキー
07/09/20 05:13:47 hwYplVjB
どうしようかな・・・
547:名無しさん@ピンキー
07/09/20 11:34:48 Snm8h5H5
548:名無しさん@ピンキー
07/09/24 01:09:56 RVpio8kE
カレーさんまだ?
549:名無しさん@ピンキー
07/09/24 05:11:44 ufpk9TtU
↑
定期カキコ乙
↓
550:名無しさん@ピンキー
07/09/24 09:54:45 c3BIl8KU
はやく稲葉×東郷のプリ○ュアモノを書いておくれよぉ
551:名無しさん@ピンキー
07/09/24 12:47:32 BIIG3RX/
もいちどカレーがみたーい♪
552:名無しさん@ピンキー
07/09/24 19:15:24 KGhyaEF5
本編でもSSでもおにぎり大躍進だな
もっともっとおにぎりカモン
553:hauntedカレーの中の人 ◆F57im1gMT.
07/09/24 23:33:59 fE52Ylfc
>548>551
書くのがものすごく遅い俺参上!
えーと、今月中には投下できるものと思います。ええ。
それまでちょっとばかし待っておいてください。おながいしまつ。
554:名無しさん@ピンキー
07/09/25 06:50:24 hOMB9Gku
正直な話カレーは個人サイト作ってやった方がいいんじゃないか
もう何やっても泥沼というかお前がここにいても何もいいことねえよ
555:名無しさん@ピンキー
07/09/25 09:42:10 TtB3dvZi
つか、投下予告ってのはSS職人なら駄目な事(止めておいた方が良いって程度だが)だって分からんのかね
せっかく良いの書いているのにそれ以外が最低なんで俺の中では連載も魅力が8~9割減になってるわ
スレを支えてきたって自負でもあるんだろうが、いい加減さ自重する所はしてよ
どうせスルーされるの分かってて俺はなんでこんな注意文を長文で書かなきゃならんのよorz
これで直らなきゃ確実にNG行きだわ……
556:名無しさん@ピンキー
07/09/25 13:01:47 v5H+8gRV
>>553
カレー賛美があるとすぐに現れるなw
誰も賛美しなかったんで自演したんじゃないの?
恥ずかしくないか???
557:名無しさん@ピンキー
07/09/25 21:42:54 GXuLmQ5e
カレーさんは
なにも言わずにおにぎりを書いたらマジで賛美されるだろうが
どうせまた旗だろうwktk(0゜・∀・) と思ってる漏れがいる
558:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:46:02 LL3tluiF
カレーの旗は毎回大体同じ展開だしつまんないからもうやめろ
559:名無しさん@ピンキー
07/09/25 23:54:41 t/GeCUKN
カレーの旗が好きな俺がいる・・・
560:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:10:14 BbSrdG+X
>>559
別にカレーさんの旗が不味いと言ってる奴はそうはいないが
態度が問題なわけでw
561:名無しさん@ピンキー
07/09/26 06:23:22 XIR6Rg1J
態度もそうだけどカレーも旗もどっちもイラネ
562:名無しさん@ピンキー
07/09/26 13:12:31 2Qs6ALD1
カレーは自分が有利の時しか現れないのが嫌なんだよ
563:名無しさん@ピンキー
07/09/26 22:38:54 LwkzRfJj
また態度がどうこう言ってる奴いるよ。
ったく何様だオマエ。
SS書けないだったら黙ってROMだけしてろ
つーかしゃべんな 書くな 来んな。
オマエが空気よめよばーか
564:名無しさん@ピンキー
07/09/26 22:59:07 hj2Vg3Oi
むしろお前が何様?
565:名無しさん@ピンキー
07/09/27 00:46:14 TN53NWvQ
みんな喧嘩はやめて
566:名無しさん@ピンキー
07/09/27 00:58:24 lvCAy0UK
リレーは一体どうなったんだ
567:名無しさん@ピンキー
07/09/27 01:11:00 WG8QcaAr
>>563
これは酷い小学生様だな
568:名無しさん@ピンキー
07/09/27 03:06:37 +1Zi2wEQ
でも間違っちゃいないね?
569:名無しさん@ピンキー
07/09/27 06:00:20 3m7wjUDw
間違いだらけだろ
こいつの言ってることが正しかったらこいつも書き込んじゃいけないことになるし
570:名無しさん@ピンキー
07/09/27 09:09:00 WG8QcaAr
そもそも563が何様だってオチだからな
SS書きは投下してくれるだけでありがたいが、だからといって何をしても許されるわけじゃないからな
神ってのは投下されたSSに対して付く物で、別にSS書きを神扱いするわけじゃないんで
571:名無しさん@ピンキー
07/09/27 09:17:32 WWLOA4WX
んな事より、リレーの続きマダー?
572:名無しさん@ピンキー
07/09/27 09:40:39 WG8QcaAr
>>571
お前が書けばいいじゃん
だからこそのリレーなんだろ
573:名無しさん@ピンキー
07/09/27 11:17:56 g0dzZrc3
カレーは神になり損ねた
>>563
頭悪いねw
574:名無しさん@ピンキー
07/09/28 04:19:42 8kxDU3tt
>>411
これが前回のリレーの最後のやつかな?
これは一体なんなのだろう。私の視線の先では二人の男女が絡み合っている。
私はその二人を知っている。だからこそ目の前の光景を信じられない。いや、信じたくないだけかもしれない。
しかし、夕焼けの赤い光はひどく残酷に、私に生々しい現実を突きつける。
ーー汚らわしい
瞬間、そう思った。だが私は視線を外すことができない。
目の前の二人はまるで獣のようにお互いをむさぼりあっている。
私の耳には二匹の獣の鳴き声まで聞こえる。
「高野っ、...お前ん中...すげぇ気持ちぃ...」
「ああっ...嬉しい...。もっと奥にぃ...ちょうだい...」
女のその言葉に応えるように男はにぃっと笑うと強引に体位を入れ替え、自分の体をまたがった女の体に激しく腰を打ちつける。
「ひぃ、深っ...」
女はその刺激に耐えかね上体が男の厚い胸板に倒れ込む。
同時にその刺激から逃れようと腰を浮かそうとするが、血管の浮きでた男の逞しい腕が白く形のいい女の尻を鷲掴みにしてそれをさせない。
ーー快感が脳まで突き抜ける。
私の位置からはちょうど二人の結合部が丸見えだ。
男に尻を掴まれてるせいでむきだしになった女の肛門は何かを求めるようにぱくぱくその口を開閉させている。
男の腰が打ちつけられるたび愛液が飛び散り、男のペニスはぬらぬらと艶かしく光っている。
どこかで、ごくり、と唾を飲み込む音がした。スカートの中が気持ち悪い。
エロくなくてスマン。
これ廃棄してもいいから誰か続けてくれ。
覗いてる悪い子は誰なんだろ?
575:名無しさん@ピンキー
07/09/28 13:52:15 4lHWk8tF
>>574
GJ
エロくていいんだと思うよw
悪い子気になる
576:名無しさん@ピンキー
07/09/28 16:40:47 ZUX3YRPN
>>574
あー、一人称がなwww
こりゃほぼ一人に固定されるなw
577:名無しさん@ピンキー
07/09/28 18:16:55 zypErxFU
旗は他派閥リレーでも乗っ取らないと気が済まないのか・・・
578:名無しさん@ピンキー
07/09/28 19:21:52 ZUX3YRPN
>>577
なんで旗が出てくるんだ?
釣りなら釣りと言ってくれ、俺でよければ餌になってあげるお^^
579:名無しさん@ピンキー
07/09/28 19:31:48 fAJhPHbk
せっかく携帯でいい感じだったのにな・・・・
580:名無しさん@ピンキー
07/09/28 20:45:40 SrRVw1VO
l三`ー 、_;:;:;:;:;:;:j;:;:;:;:;:;:_;:;:;_;:〟-三三三三三l
l三 r=ミ''‐--‐';二,_ ̄ ,三三三彡彡l_ この感じ・・・・
lミ′  ̄ ー-'" '=ミニ彡彡/‐、ヽ
l;l ,_-‐ 、 __,,.. - 、 彡彡彳、.// カレー信者か・・・・
_______∧,、_∥ `之ヽ、, i l´ _,ィ辷ァ-、、 彡彡'r ノ/_ ______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'`'` ̄ 1  ̄フ/l l::. ヽこ~ ̄ 彡彳~´/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ´ :l .l:::. 彡ィ-‐'′
ゝ、 / :. :r-、 彡′
/ ィ:ヘ `ヽ:__,ィ='´ 彡;ヽ、
_,,..-‐'7 /:::::::ヽ _: :_ ヽ ィ´.}::ヽ ヽ、
_,-‐'´ { ヽ:::::::::ヘ `'ー===ー-- ' /ノ /::::::ヘ, ヽー、
581:名無しさん@ピンキー
07/09/28 21:31:34 nkhpM8ui
一人称私なんていくらでもいると思うが
沢近絃子八雲サラ笹倉姉ヶ崎谷加藤・・
582:名無しさん@ピンキー
07/09/28 22:22:41 qFto08nH
ーー汚らわしい
瞬間、そう思った。
ここだな。キャラが決まった感じがしたのが。
583:名無しさん@ピンキー
07/09/28 23:57:46 OfkvyzLB
カトセンだな
584:574
07/09/29 00:10:28 dxP5So60
すまん。沢近で書いたつもりは全くないんだ。
次の人に任せたつもりだったが、そう読めちゃうんなら
俺の力不足だわ。
585:名無しさん@ピンキー
07/09/29 06:05:33 NDJ2v0+w
サラでもなんとかイケると思うぞ
播磨が八雲とつきあってるって誤解していたら、
友達の彼氏と親しい先輩が生々しくやってたら拒否反応も起こす
586:名無しさん@ピンキー
07/09/29 13:07:17 NkmVWoNJ
八雲だっていけるだろw
587:名無しさん@ピンキー
07/09/29 16:54:44 dPkE7AwZ
>>581
一人称視点なんだから注目するべきは「私」じゃなくて
この文体から想像できるキャラって事だろ
2人の絡みを脳内で実況できる冷静さを持ってる人物で、かつ女性、って感じで
>>584
誰か分からないようにしたかったら三人称を守った方が良かったかもね
588:名無しさん@ピンキー
07/09/29 20:58:22 6q52gkze
いや だから誰だよw
沢近にそんな冷静さはないだろ
589:名無しさん@ピンキー
07/09/29 21:15:30 byiedEul
>>574
「あぁ...んあ」
「ぅおおぉっ...!」
肉と肉がぶつかり合う音に、淫らな水音をかき鳴らす。
一体どれ程の時間がたったのか、播磨の腰は疲れも知らない様に、激しく動き続けていた。
晶は、既に意識も朦朧とし口の端からは涎が垂れている。
目はトロンと恍惚として、視線も定かでは無いが、腕だけは決して離すまいとするように、しっかりと播磨の体に巻き付いていた。
晶の体へむしゃぶりつく播磨。
深いキスから始まり、首筋を舐め、乳首をつまみ、口の中で転がし、強く吸う。
それは、とても稚拙な愛撫であったのだが、今の晶を蕩かせるには十分であった。
じゅぶっ、じゅぶっ、じゅぼっ、じゅぶ...
「ああっ! ああん! あはぁっ」
赤く染まっていたはずの空は既に闇の衣を纏い始めていた。
「高野...! もっと、もっとだ!」
まばらに現れだした星々は淡く輝き、夜をキラキラと飾り付ける。
闇を切り裂き、一際その存在を主張し始めた月は、高く高く昇り。まるで嘲らってるかの様に
――涙を流しながらも己を慰める事が止められない彼女の、滑稽な姿を見下ろしていた。
短かったorz
でも短くても良いと思うのですよ。
まあリレーですし、大勢で短い文をテンポ良く展開するのも楽しいと思います。
決して自己弁護ではありま(ry