07/08/17 00:10:20 G86rmuGU
「煩悩退散……煩悩退散…………」
播磨君は私に背を向けたまま、ひたすら何かを唱えている。
恐らくは、この状況に流されないようにしようと、理性を総動員させているのだろう。
私にとっても、この状況はチャンスでありピンチだ。
下手に押し過ぎて逃げられたら、私に彼を追う手段はない。
この格好のまま彼を追いかけたら、私は単なる露出狂になるだろうし、彼はもう二度と私に関わらなくなるだろう……
この状況を上手く利用し、早急にこの場に彼を釘付けにする必要がある。
私は、なかなか動かない彼の背後に忍び寄った。
「……ねえ…播磨君?」
「うわ!!」
どんっ!
「きゃっ!」
「あ!悪い!高…野……」
私の声に驚いた播磨君に、私は倒され尻餅をついてしまった。
私を倒してしまったことに気が付いた播磨君は、すぐに私のほうを振り返り、そして凍りつく。
下半身が裸の私が尻餅をついたのだ。
彼の視界に何があるのか、容易に想像がつくというものだ。
「……播磨君……痛い……」
「あ……ああ……」
彼は目を白黒させて驚いている。
この状況で、彼は私に襲い掛かるだろうか?それとも……
「わ…悪い!高野!俺、外にいるから!!」
やっぱりだ!
私の知っている播磨拳児は、この程度では動かない。
そうでなければ、私もここまでしようとは思わないはずだから……
「待って!」
私の声に、外に出ようとする播磨君はピタッと動きを止めた。
「な……なんだよ……」
「倒れたときに怪我したみたいなの。見てくれる?」
播磨君はドアの前で少し考えた後、
「じ…自分でしろ!」
「背中を怪我したみたいだから、一人じゃ無理。それとも、女の子に怪我をさせておいて逃げる気?」
「ぐ…………わ…わかった」
播磨君は苦虫を噛み潰したかのような顔をして、私のほうを振り返る。
そして、私を見ないようにしながら、私のほうに近付いてきた。
なんか足りない気がしたので、少し焦らしてみようかなと……
次の人、お願いします
投下を予告しながら、その数日後に友達が死んでマジ凹みし、立ち直ったところで事故ってパソコン打てなくなった間抜けです
面白そうなんで、自分も参加させてください