07/08/14 18:53:57 2CvTpIjR
>>322
無糖ブラックな暖かいコーヒーをガブガブと飲む。もうちょっと味わった方が良いと
絃子にも担当さんにも言われるが、こういう飲み方が性に合ってるんだから仕方がない。
せっかく淹れてくれた高野には悪いとは思うが、そういう事は言わなくても分かる頭の良い女だ。
以前、妹さんとサラちゃんに連れてこられた時にも同じ様な場面があって、
その時も気にしなくて良いと高野を含めた三人に笑われたんだよな―
「播磨君、もう少し落ち着いて飲んだらどうかしら? それでは、風味もなにも分らないでしょう」
―って、あれ。俺の記憶違いだったか? けどよ高野。もう俺の胃袋に入ってしまったんだから諦めな。
高野は怒っている様な、いや、穏やかな印象の無表情さだ。何度も茶道部に出入りしていれば大体は分かる。
「じゃあもう一杯淹れるから。飲むわよね?」
ほらな。高野は何事もなかったかのように俺の手にあったカップを持って席を立った。
窓の外は薄暗くなっていて大分陽も落ちたようだ。余り遅くなっても良い事ないんだから
次の一杯を頂いたら帰るとするか。
「あら、どうしたの?」
高野は俺の分と自分の分と二つのカップを持ってやって来た。
「いやな、いつまでもここで世話になるわけにもいかねぇし、これを飲んだら帰るわ」
サンキュ、と高野の左手にあったカップを貰う。んー良い香りだ。ただのインスタントでもこうも違うんだな。
と、高野は自分が持っているカップと俺の持ってるカップを交互に見ては呆然としている。
「どした高野?」
「な……なんでもないわ」
「じゃ、頂くぜ」
ゴクゴクと飲む。飲む。飲む。あっという間に空っぽになったカップを置き、ごっそさんと礼を言う。
「んじゃよ帰るわ。お疲れさん」
俺が茶道部から出ようと高野の横を通り過ぎようとした瞬間、何故か高野は椅子から慌てて立ち上がってしまい
ちょうど俺の腕と肩が触れ、その手にあったカップからこぼれた熱々のコーヒーがスカートにかかってしまった。
「おいっ、大丈夫か高野!?」
熱々なコーヒーがかかってしまったのだ。涙目の高野は膝をついてしまい、上目使いに俺を見つめてくる。
普段見ない顔に気が動転した俺が高野を立ち上がらせようとすると、高野は俺に抱きつくようにしてきて、
「……スカート濡れちゃったし、なにより火傷したみたい。責任とってくれるんでしょうね?」なんて言い出してしまった。
抱きついてきた高野の体は思った以上に柔らかく、俺はどう扱っていいものかと煩悩と戦いつつ考えるしかなかった。
泣いていたのは播磨の天然で作戦が失敗に終わったせいで、姐さん涙目wwwwという事で
コーヒーの染みが出来ちゃうからスカート脱がないといけないよね? 次の人に任せたw