【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合16at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合16 - 暇つぶし2ch600:名無しさん@ピンキー
07/06/21 01:29:06 JYhA+kQA
別に音痴ではないが、その気になれば5m離れた場所のグラスを破壊できる

601:名無しさん@ピンキー
07/06/21 01:46:07 hSj2yXKS
>598
保管庫にログがあるよ、
僕は好きだいまだに続きを待ってはいるが、
無理ぽいので、他のを待ってる。

話は変わるが、新刊のペースが落ちてるのが、SS減少の理由だと思ってるので、
アニメ二期始まっても、そんなに状況変わんないきがす

602:名無しさん@ピンキー
07/06/21 01:51:22 n9fHe57B
>>600
うm
確かにやってるのをテレビで見た。

確かに名曲だ!

603:名無しさん@ピンキー
07/06/21 02:42:34 XSWB8tft
SS減少は新刊のペースじゃなくて新刊の魅力が落ちてるのが原因であるような……

604:名無しさん@ピンキー
07/06/21 03:27:51 JDGE1goa
>603
こんなに沢山投下されてるのに「減少」だなんていったら
飢餓地帯の住人のおいらはどう反応していいかわかんねえだ

月に2~3SSくらいのスレなんてざらなんだぜ

605:名無しさん@ピンキー
07/06/21 08:09:45 LhBDle2+
数か月保守しかないスレを知ってますが何か?

606:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 11:59:47 6r4ilEXR
二期EDに惚れた。いい電波だ。りぜるまいんOP並のいい電波だ。
ただし人前では聞けないなコレw
いやまあ一期のも聞けないけど…w

てなわけで、ヴァリエール三姉妹編、投下いきます。
あ、エロ抜きなんであんまりwktkしないよーに。

607:ヴァリエール家家族会議 ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:00:29 6r4ilEXR
「…決めた」

シエスタがヴァリエール邸に押しかけてきた次の日。
肘関節を脱臼して右腕を三角巾で吊られている才人に『あーん』するシエスタをテーブルの対面からジト目で見ていたルイズは、不意にそう言った。

「あら、婚約は時機尚早だとようやく悟りました?」

『サイトさんのメイドでいます』とか言いながら、やっぱり虎視眈々と才人を狙う黒髪のメイドは、スプーンを握り締めて嬉しそうにそう言い放つ。
あにいってんのよ婚約は決定事項なの、いい加減諦めたらどうなのこの平民女、ナニを言うんですか、まだ『婚約』ですから破棄する自由もサイトさんにはありますよミス平面胸、とか言い合いながら朝食をほっぽって取っ組み合いを始めた二人に、才人は。

「で、何を決めたんだよ?」

シエスタの上に馬乗りになって、お互いの髪を引っ掴んで引っ張り合っていたところでルイズは止まる。
それに合わせたようにシエスタも動きを止める。
そしてルイズは言った。

「…お父様に報告するわ。
 姉様たちのことも、シエスタのことも含めてぜーんぶ、ね」

才人の顔から血の気が一気に引く。
今となっては二人の新居の目の前となった、湖での一件が思い出される。
やばいまずい俺殺される。

「あら、そんなことしたら一直線に婚約破棄ですわね♪
 やっぱりサイトさんには私のような大き目の」
「だまんなさいこのバカ乳娘」
「ぐえ」

シエスタの口を手で塞ぐと、ルイズはシエスタの頭を床に押し付ける。
シエスタはもがもがと暴れるが、何故かルイズの手を振りほどけないでいる。
そしてルイズは、才人から顔を逸らしながら言う。

「い、言っとくけど婚約は破棄なんかしないかんね!
 わ、私の経歴にそんな傷付けられちゃたまったもんじゃないわ!
 い、いいこと、お父様に報告するのは、アンタを反省させるためなんだから!
 婚約破棄なんか絶対しないんだから!分かってる?」

才人からは見えなかったが、下に組み敷かれているシエスタからは、ルイズが真っ赤になっているのが見て取れた。
ほんと、こういう見栄っ張りな所直せばもう少し可愛げもあるんでしょうけどー、などと抑え付けられながら思うシエスタだった。

608:ヴァリエール家家族会議 ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:01:21 6r4ilEXR
そして舞台はヴァリエール本邸。
ルイズの申し出により、ヴァリエール家の一同がその食堂に勢ぞろいしていた。
まだ細かい事情を知らないヴァリエール公爵は才人と逢うなりにこにこしながら『久しぶりだな婿殿!』と言いながら才人の肩をばしんばしん叩いていた。
才人が三角巾で腕を吊っている事はあまり気にしていないようだ。
その公爵が最も上座の席に座り、その右側に公爵夫人、その隣にエレオノール、カトレアと続く。
そして公爵夫人の対面にルイズが掛け、その下座に才人、その脇にシエスタが控える。
前菜が運ばれてくると、ヴァリエール公爵が口を開いた。

「で、何だねルイズ、家族みんなで話し合いたい事とは」

ルイズは呼吸を整え、そして目の前に座る姉二人に、まるで敵対する氏族を見るような視線を送る。
二人はその視線に、エレオノールは赤くなって目を逸らし、カトレアは笑顔で受け止める。
そして、空気を全く読まずに才人の口に前菜を運ぶメイドにガンを飛ばした後。
ルイズは事の次第を話し始めたのだった。できるだけそういう描写は伏せて。
そしてルイズが話し終わると、公爵は眉間に皺を寄せ、その皺を右手で揉み解した。

「なるほど…」

はぁ、と公爵は深いため息をつく。
心なしか怒りを抑えているようにも見える。
死んだ。俺死んだ。絶対死んだ。
さようならお母様。才人は日本から説く離れた地で星になります…。
そしてルイズ。短い間だったけど、幸せだったぜ…。
才人は天を仰ぎ、涙する。

「サイトさんっ?どうしたんですかサイトさんっ?」

急に泣き出した才人にシエスタが声を掛けるが、才人は聞いていない。
シエスタ…君にも、世話になったっけなぁ…。

「エレオノール。例え研究に必要だからといって、妹の婚約者から採取するのは感心せんな」
「は、はい、お父様…」

しかし。
才人の想像とは裏腹に、公爵の言葉は、なんとエレオノールに向いていた。

「ちょ、ちょっと、お父様っ?」

ルイズは思わず立ち上がり、公爵に食って掛かる。
しかし公爵は涼しい顔で応える。

「ルイズは黙っていなさい。
 エレオノールは単に研究のために、婿殿から採取を行った。そうだろう?」
「え、ええ…そうです」

赤くなって俯きながら、エレオノールはそう応える。
驚いてエレオノールを見つめる才人と、ちらりと顔を上げて、なんと才人の方を見たエレオノールの視線が見事にぶつかる。
ぽんっ、と音を立てそうな勢いで真っ赤になって、エレオノールは才人から視線を逸らした。
え、なに?今の反応なに?
メガネ美人のお姉さんが俺の方見て赤くなってるよ?つか軽く萌えたんですケド。
さっきまで死を覚悟していた人間とは思えないほどデレった顔で、才人はエレオノールを見る。

609:ヴァリエール家家族会議 ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:02:52 6r4ilEXR
その二人の間に流れるなんだからストロベリィな空気に、ルイズは苦虫を噛み潰したような顔になる。
そうして才人の方を見ていると、同じように苦虫を噛み潰しているシエスタと目が合う。
そしてルイズがこくん、と頷くと、シエスタは涼しい顔で。

ぶぎゅる。

「いだっ…!」

思い切り才人のつま先を踏み潰した。
才人は必死に声を抑え、シエスタにあにすんだよ、と視線を送るが、シエスタは知らん振りを決め込む。
三人がそうしている間にも、公爵は話を進めていく。

「そしてカトレア。元気になったというのは本当かね?」
「はい、お父様♪」

公爵の質問ににっこりと答え、カトレアは懐に隠していた杖を取り出し、呪文を詠唱する。
すると、食べ終わった前菜の皿がふわりと浮き上がり、控えていた給仕の牽くワゴンの上にかちゃかちゃと重なる。

「この通り、カトレアは元気になりました」

以前なら気軽に魔法など使えないカトレアだったが、今は魔法を使ってもけろりとしている。

「でも…」

不意に、カトレアの表情が曇る。
そして続ける。

「定期的に『お薬』を摂取しないと、ダメみたいなんです」
「そ、そうなのか?」
「はい」

もちろん『お薬』というのは才人の精液なのだが、直接的な表現はアレなので避けている。

「そういうわけでルイズ、定期的にサイト殿をお借りする事になるけど、いいかしら?」

言って笑顔をルイズに向けるカトレア。その笑顔には一切他意はない…ように見える。

「え、あの、その」

一瞬戸惑うルイズであったが、カトレアの笑顔に思わず。

「い、いいけど…」

そしてその返答を聞くなり、カトレアは才人の方を振り向く。

「と、いうわけでこれからもよろしくお願いしますね、サイト殿♪」

にっこり笑うカトレアにつられて、だらしなくにへらと才人も相好を崩す。
ルイズが親指で首を掻き切るジェスチャーをすると、シエスタが目にも留まらぬ速さで手刀を才人の喉笛にクリーンヒットさせる。

「げほ!げほ!」

咳き込む才人に全員の視線が集まるが、その時にはシエスタは既に才人の斜め後方に涼しい顔して下がっており、何が起きたのかは当人達にしか知る由はない。
さらに公爵は続ける。

610:ヴァリエール家家族会議 ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:03:55 6r4ilEXR
「で、だ。そこに控えるメイドとのことだが」

その言葉にシエスタは一瞬ぎくりとする。
そしてルイズに、私たち友達ですよね、見捨てたりしませんよね、と笑顔を向ける。
あにいってんのよ誰が友達よこの淫乱メイド、屋敷の外に放り出されるがいいわ、としたり顔でルイズは視線を外す。
しかしルイズの思惑は見事に外れる事となる。
公爵はにっこり笑って言ったのだった。

「英雄色を好む、というではないか。
 妾の一人や二人、いて当たり前だよ。なあ婿殿?」

そして才人にウインクなどする。
正直親父のウインクなど気持ち悪いものでしかなかったが、才人はなんとなく笑顔で相槌を打つ。
公爵は気をよくしたのか、席を立ってすたすたと才人の所まで歩いていき、肩など組んで語りかける。

「なぁに、わしも若い頃はぶいぶい言わしたもんだ。
 婿殿はまだ大人しいほうじゃて。わしの若い頃なんぞ妻と同時に四人と」

その瞬間。
ばこん!とすごい音を立てて、食堂の大テーブルが揺れた。
公爵夫人が犯人だった。
公爵夫人はゆらりと立ち上がると、満面の笑顔を公爵に向けた。
それと同時に三姉妹の喉がごくりと鳴る。
公爵夫人は、にっこり笑いながら言った。

「あなた。すこぉしお話したいことがございます。
 ちょっと外出ろやゴルァ」

笑顔のまますごい迫力でそう言って、ものすごい黒いオーラを身に纏い、すたすたと軽快に公爵夫人は食堂から出て行く。
ぱたん…とあまりにも静かに食堂の扉が閉じ、公爵夫人の姿をかき消した。
公爵は才人の肩を抱いたまま真っ青な顔で固まっている。
そして、部屋の扉の外から大音声が響いた。

『駆けあーーーーーーしッ!』
「い、いえす、まむ!」

真っ青な顔のまま、公爵は駆け足で妻を追った。
一瞬で静かになった食堂で、給仕達が何事もなかったかのように三姉妹と才人の前にメインディッシュを持ってくる。
三姉妹は全員そろってほう、とため息をついた後、気を取り直して食事を始めた。
才人は呆気に取られ、何も言葉が出ない。

611:ヴァリエール家家族会議 ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:05:59 6r4ilEXR
そんな才人に、ルイズは警告する。

「食べておいたほうがいいわよ」

そしてそれにエレオノールがメインディッシュの鴨肉にナイフを入れながら続ける。

「これから、長時間の公開処刑が始まるから」

カトレアはあらあら困ったわ、という顔をしていたが、すぐに執事のジェロームを呼びつけて、言った。

「部屋と温室のお花たちに、水やりをお願いねジェローム。あと動物達の餌も」
「かしこまりました、お嬢様」

才人は我に帰ると、ルイズに尋ねた。

「も、もしかして、このウチで一番怖いのって…」
「母様よ。間違っても逆らわないようになさいサイト。
 あと早めにソレ片付けたほうがいいわよ。たぶんあと半日はモノを口に入れられないから」

そう言うルイズの皿の上は、すでにつけ合わせの温野菜が残るのみだ。
そして才人は慌てて皿の上の料理に手を出そうとする。
その瞬間。
ばたぁん!と物凄い音を立てて扉が開く。
そこから現れたのは。
騎士装束に身を固めた公爵夫人と、その手に吊り下げられてぼっこぼっこにされて原型を留めていない公爵がいた。

「さてそれでは」

にっこり笑いながら公爵夫人は。

「家族会議を始めましょうか♪」

公開処刑の開始を告げたのだった。

612:ヴァリエール家家族会議 ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:07:59 6r4ilEXR
結局、家族会議は公爵の過去のおいたを散々暴き立てる事に終始して、終了を迎えた。
別邸に戻ったルイズと才人は、疲れきってベッドに横になる。

「つ、疲れた…」
「あ、あんな荒れた母様初めて見たわ…」

仲良くベッドに伸びきって二人は同時にため息をつく。
そしてルイズは気付く。

「あー!アンタの処遇をどうするか忘れてたじゃないのっ!」

言って才人の鼻先にびしっ!と指を突きつける。

「ま、まあいいじゃないか、婚約破棄にならなかっただけ」
「そうです、ありがたいと思わないと」

いつの間にかベッドに腰掛けていたシエスタが才人に続ける。

「なんであんたまだ居るのよ!出て行きなさいよ!」
「私はサイトさんのメイドですっ!サイトさんがお暇を出さない限り私はサイトさんと一緒ですよーだ!」

掴みかかるルイズに、あっかんべーで応えてシエスタは言う。
そのまま、二人は取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。
才人はベッドの上で、大の字になって思った。
結局、変わらないまんまかぁ。
ため息をついて、喧嘩を続ける婚約者とメイドを眺めて、才人はまどろんでいった。
これから始まる、苦難の日々を想像すらせずに。

~つづく

613:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/21 12:10:11 6r4ilEXR
URLリンク(wikiwiki.jp)
の、「ヴァリエール三姉妹編」を先に読んでおくと幸せになれます。たぶん。
とりあえず折り返し地点。三姉妹それぞれと、メイドの思惑を絡めて才人はどう調理されてしまうのか!べんべん!
好感度によっては親父と放逐ルートもありかも!(ありません

それでは買い物いってくるノシ

614:名無しさん@ピンキー
07/06/21 12:25:55 P+fOExf5
一番槍!!GJでした~、シエシエとルイズその内ジェスチャー
要らなくなってアイコンタクトで会話しそうな勢いだなw

何はともあれカトレアに萌えた。

615:名無しさん@ピンキー
07/06/21 12:44:35 grjgIfan
懐かしいなあ。あれの続編かあ。
ルイズパパいい人だなあw
つーかサイトモテ過ぎ。一回殴らせろwww

616:名無しさん@ピンキー
07/06/21 18:47:56 sbEfkD9u
おお。これってせんたいさんの作品の中でも1,2を争うくらい好きな奴だったから
結構うれしいです。GJです~

617:名無しさん@ピンキー
07/06/21 22:51:10 uYtcFW9d
いよぉぉぉし!せんたいさんktkr。せんたいさんがだいたいのキャラを
補ってくれるから一歩の所で過疎化を防いでくれてる

618:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:41:14 bfL5a9tf
そもそも全然過疎化なんかしてないのに騒ぐな どこが一歩だ

>>613 続き期待だす

619:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:43:30 d7suHtj5
まぁまぁ
朝から晩までPC貼り付いてる人には一週間作品投下がないスレと一週間レスのないスレが一緒に見えちまうんだよキット

>>613 続きwktk

620:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:47:21 q25BOEeC
>>603の人気に嫉妬
触りすぎだろw


621:名無しさん@ピンキー
07/06/22 00:07:53 UX/JlIst
新刊の内容に肩透かしを喰らったのは俺も同意なんだけどな。
あれ・・・期待していたほど話が、みたいな。
がんばれヤマグチノボル。エロゲなんかにかまけてる場合じゃないぞ。

622:名無しさん@ピンキー
07/06/22 00:42:33 pQHZ8SI6
ノボルのエロゲの新作一応冬発売予定だしな。
結構エロゲにかまけるんじゃない。

623:痴女109号
07/06/22 01:51:03 o2mqbQuL
>>338-343
>>348-354
の続きです。
またもや、かなり間が空いてしまいました。

624:契約(その8)
07/06/22 01:52:27 o2mqbQuL

(こっ、これを、……俺がっ!?)

 異臭を放ちつつ突きつけられた数珠繋ぎの物体は、才人に新たなる絶望を味あわせるには充分な存在だった。
、そして、いまや彼にとって、絶望という感情は、彼の魂を闇の淵に蹴りこむだけでは済まない、むしろ甘美な響きさえ伴う、黒い欲望に同化しつつあった。

―すなわち、マゾヒズム。

 元来、平賀才人という少年には、その素養があった。
 そもそも、ある日イキナリ、自分を異世界に召喚した、その実行犯たる少女に唯々諾々と従い、それでもなお、自分を人間以下に扱おうとする彼女に、好意を越えて愛情さえ抱いてしまう。
―常識的には、はっきり言って、考えられる事ではない。
 そんな非常識をあっさりクリアーしてしまう順応性。これをマゾヒズムの兆候と解釈する事に何の誤謬があるだろうか?

 まあいい。

 とにかく、この場において確かに言える事は、彼に与えられる更なる絶望は、もはや快楽に化学変化することさえ稀ではない、という事実。
 その証拠に、才人は眼前に突きつけられた、異臭漂うこの性具を見つめる眼差しに、明らかな興奮の熱を持った光を灯している。
 そして、ゆっくり、ゆっくりと、『それ』を手に取った才人を、シエスタはにやりと笑って見下ろした。


625:契約(その8)
07/06/22 01:54:13 o2mqbQuL

「きゅい、きゅい! ズルイのねん。サイトだけ、美味しそうなお団子食べて!!」
 その声の所有者が、いきなりその性具を横取りして口に放り込まなければ、彼は間違いなく、その物体を自らの口に納めていただろう。
 しかし。

「―ぶほっ、なにこれっ!? ごほっ!! ごほっ!!」
「あっ、シルフィさん、だめっ!!」
 シエスタが止める暇さえなかった。
 シルフィードは、その堅い食感と、何よりその物質の全体を覆う臭味に驚き、アナルパールをそのまま、窓の外に放り投げてしまったのだ。

 一瞬、残念そうな、ほっとしたような表情の才人を残して。

「なにこれっ!? くさいのねんっ! まずいのねんっ!! 気持ち悪いのねんっ!!」
 全身に鳥肌を立たせるシルフィード。
 無理もない。
 才人のクンニにイカされて、ようやく天地晦冥の中から意識を取り戻したばかりの彼女は、残忍極まりないシエスタの産卵命令も、才人の出産シーンも見てはいないのだから。
 つまり、このピンポン球大の性具が、そもそもどこに仕込まれていたか知らない訳だ。

「自業自得」
「きゅいきゅいっ! お姉さまヒドイのねんっ!!」
「勝手な真似するから」
 そう言いながらタバサの指は、うなだれて、荒い呼吸を整えている才人の顎に、差し入れられた。
「サイト」
「……何? タバサ」
「貴方の身体で、この子を口直しさせてあげて」

 そうタバサが言った瞬間、きゅいきゅい騒いでいたシルフィードが突然静かになった。
「―いいの? お姉さま」
「……」
「お姉さまより先に、シルフィがサイトを食べちゃっても」
 
「いいの。順番なんてもう、無意味な事だもの」

「ミス・タバサ! ちょっ、ちょっと、待って下さいっ!」

 しかし、シエスタの声は結局タバサの唇によって中断された。
「んっ……んんんん~~~~っっっ!!」
 イキナリ敢行されたタバサのディープキスは、数瞬であっても、メイドから判断力を奪うには充分だった。

「おっ、おい、タバサっ!!」
 そして、彼女を振り返ろうとした瞬間、
「きゅい~~~~~~~~~~~~ん!!」
 という、奇声と共に、碧髪の美女が才人の胸に飛び込んできたのだ。
「ちょっ、まっ、っっぁぁぁ~~~~~!!」
 そしてたちまちの内に、うなじの急所に吸い付かれて、何も言えなくなってしまう。

「きゅいきゅいっ! お姉さまのお許しが出たのねんっ!!」
「しるっ、しるふぃっ!!」
「きゅいきゅいっ! うるさいのねんサイトっ!」
 胸のボタンを引き千切ると、そのままシルフィードは彼の乳首を音を立てて噛む。
「~~~~~~~~!!!!」


626:契約(その8)
07/06/22 01:55:46 o2mqbQuL

「どう、おいしい? サイトの体は?」
 シエスタの胸を揉みながら、タバサがこちらに目をやる。
「すごいのねんっ!! とってもおいしくて、シルフィ感動しそうなのねんっ!!」
 そのまま、赤子のように、ちゅうちゅう彼の乳首を吸い始めるシルフィード。

 そうなのだ。
 彼女は、いまでこそ美しい髪を背まで伸ばした妙齢の美女の姿をとってはいるが、本来は竜の幼生。まだまだ母のぬくもりが恋しい年頃である。
 そして、そんな彼女ならばこそ、さっき才人の舌によって自分の肉体を襲った、未経験の快感についても、当然理解してはいなかった。

―ただ一つ、タバサから言い含められたサイトの『童貞』の件を除いては。

「どういう、どういう、おつもりなんですかミス―あっ……タバサっ!?」
「……」
「あなたはサイトさんを、一体―くぅぅ―どうするおつもりなんですか」
「サイトの童貞を、あの子に奪わせる」


 その言葉を聞いた瞬間に、シエスタはこの少女に対する自分の認識が、全く甘かった事を思い知った。

―敵っっ!

 この方は、やっぱり敵なんだ。
 ミス・ヴァリエールだけじゃない。私からすらも、サイトさんを奪おうとしている恋敵!
(甘かった。気を許したわけでもなかったのに、何でこんな……!!)

 さっきのあの瞬間、才人は完全にアナルパールを口に入れようとしていた。
 さっきのあの瞬間、才人は完全にシエスタの軍門に下った、いわば無条件降伏の状態だったのだ。
 しかし、その流れはいま断ち切られた。
 
 いま、才人の“男”は奪われつつある。
 シエスタがどうしても手を付けられなかった、才人の男としてのシンボル。
 ルイズへの遠慮なのか?
 いいや、それは言い訳に過ぎない。
 シエスタには分かっていた。
 彼女が、才人の“男”に手を付けなかったのは、そうする事で何かが終わってしまう、何かが変わってしまう、そう思ったからであり、それが怖かったからだ。
 何故なら、才人が本当に好きなのは、あくまでも自分ではなくルイズであるという事実を、彼女は誰よりもよく知っているからだ。
 しかし、このタバサという少女には、自分のような中途半端なためらいはない。
 その証しに、彼女の使い魔たるシルフィードは、才人の体を……。

「きゅいきゅい、サイトのおっぱいは何にも出て来ないから、ちょっとつまらないのねん」
 そう呟くと、シルフィードは才人の着るメイド服のエプロンごと、スカートを中央から縦に引き裂いた。

 びびっ、びびびびびっっ!!!

「ああああっ ちょっとお前、この服タダじゃないんだぞっ!!」
 この才人の叫びが照れ隠しだったのか否かは、恐らく問題ではない。
 スカートを縦に割って突如出現した巨大スリットのおかげで、小さなショーツからはみだした彼の堅いペニスが、大気中に一気に晒される事になったのだ。


627:契約(その8)
07/06/22 01:59:29 o2mqbQuL

「きゅいきゅい!! サイトのおちんちん、可愛いぱんつからはみだしてるのねんっ!!」
「やっ、やめろぉっ!! みるな……ぁぁぁぁああああ!!!」
「んふふふふ。やっぱサイトは、いい反応してるのねん」

「あああっ!! いやだっ!! サイトさんっ!! サイトさんっ!! しっかりして下さいサイトさんっ!!」
「黙って」

 自分に乗りかかるタバサの小さな体の向こうから、あからさまな才人の悲鳴が聞こえて来る。それは、“姉”を名乗り、才人の身体を思うさま蹂躙してきたシエスタにとって耐え切れる響きではなかった。
 本当なら、今すぐにでも、自分にまとわり付くタバサを蹴散らして、愛する男の貞操を守りに行きたかった。

 しかし、跳ね除けられない。
 タバサが駆使する、舌、指などのテクニック。それに加えて、抵抗しようと暴れるシエスタの力を巧みに逸らし、流し、あるいは利用し、体格に於いて自分を圧倒しているはずのシエスタの体から引き剥がされないようにしている。

―もっとも、『北花壇騎士七号』として、魔法・体術を含む様々な戦闘訓練を修めているタバサにとっては、たかがメイド一匹グラウンドで押さえ込むのは、造作もない事なのだが……。
(でも、手加減はしない……!!)

「ひぃぃっ!! 剥かないでっ!! そこの皮は―痛でぇぇ!! 剥かないでぇぇ!」
「きゅいきゅい、意外なのねん。サイトってば、こんなに立派なの持ってるのに、先っちょは、『お子様』なのねん?」

 そう、そこに聳える才人の男根は、サイズはともかく、いまだ幼いままの形状を保っていた。
 シエスタは、彼がいくら泣き叫んでも、“そこ”に手を付けてはくれなかったのだ。
 そこに、シエスタ独特の不安感とルイズへの遠慮があった事は前述したが、しかし、それだけではない。
(徹底的に焦らせてあげます―!)
 彼の男としての機能を、あくまでも無視し、それ以外の性感帯の開発に重点を置く事で、より深い屈辱と、それによる快楽を与えよう。当時の彼女はそう思ったからだ。

―しかし、今は後悔している。
 こんな形で、こんな形で奪われてしまうなら、私がっ!! この私が誰よりも早く奪ってしまえば良かったっっ!!! 涙ながらにシエスタは思う。

「きゅいきゅい、サイトだめなのねん。あんまりモガモガすると、おちんちんの皮が剥きにくいのねん」
「だからっ!! 剥かなくていいっ!! って、聞いてねえだろオマエ―ああああ!!」
「嫌なのねん。シルフィは剥きたいのねん。サイトのおちんちん、剥きたいのねん」
「ちょっ……何すんだよっ!?」
「だから、サイトは少し静かにするのねん」
 シルフィードはくるっと体勢を入れ替えると、69の体位で自分の股間を、彼の口元に持っていった。

「男の子は我慢が大切なのねん。今からサイトは、シルフィのあそこを舐め舐めして、忍耐力を養うのねん」


628:契約(その8)
07/06/22 02:01:34 o2mqbQuL

「見える?」

 タバサが、メガネの奥から、いつもとはまるで違う妖しい光を放ち、必死に抵抗を続けるメイド少女に囁く。
「サイトの皮が剥ける瞬間」

 めり……!

「サイトが大人になる瞬間」

 めりめりめりめり……!!

「ほら、どんどん剥けていく……」

「~~~~~~~~~~~!!!!」
「あああっ、ダメなのサイトっ! もっともっとシルフィのあそこ舐め舐めするのぉ!!」
「いやっ! いやっ! サイトさんっ! サイトさんっ!! サイトさんっっ!!!」
「ほらっ、見なさいっ!! もっとしっかり、サイトが大人になる瞬間をっ!!!!」

 めりめりめりめりめり……びりっ!!



「―ひっく、うぐ……ううう、あううううう……」
「そんなに泣くことないのねん。たかだか、少し血が出たくらいで」
 
 そう。―才人は今、処女を破られた乙女のように、股間を抑えながら泣いている。
 シルフィードが敢行した皮剥きプレイによって、彼の亀頭を包んでいた分厚い包皮はめくれ上がり、恥垢によって癒着していた皮が無理やり剥き下ろされ、いま、彼のペニスは軽い出血状態にあった。
 しかし、それは傍目に見れば、恥垢で真っ白に染まった彼の亀頭を、鮮血がデコレートしているという、見ようによっては、これ以上はない刺激的な眺めだった。

「きゅいきゅい、それにしてもサイトのおちんちん、まるでストロベリームースみたいで、美味しそうなのねん」
「ひっ!!」

―れろり。

 シルフィードの長い舌が、彼の亀頭を舐めあげる。
「~~~~~~~!!!」
「んふふふ……。もうサイトったら、気持ちよすぎて声も出ないのねん」
「ちがっ!! いだっ!! いだいようっっ!!」
「きゅいきゅい、サイトったら嘘ばっかりなのねん」
「ちがっ! うそじゃなくてっ!! ぁぁぁああああ!! もうやめてよおおお!!!」
「だったら、どうしてこんなにサイトのおちんちんは、堅いままなの?」

 その一言は、彼から抵抗の言葉を奪った。
 シルフィードの言う通り、彼の股間は、初めて空気に晒された彼の白い亀頭を装備した事で、いよいよその角度・硬度を増し、文字通り漲るようなサイズにまで膨張していた。
―それも、かつて無かったほどの勢いで。

「シルフィ、サイトを立たせてあげて」
「はい、なのねん。お姉さま」
 シルフィードは、サイトの背後に回りこむと脇腹に両手を入れ、竜の怪力にモノを言わせて、一気に彼を、タバサと彼女が組み敷いているシエスタに見えるように立たせた。
「サイトさん……!!」
 シエスタが思わずうめき声を挙げる。

 そこにいるのは、縦に大きく割られたメイド服のスカートから、血のしたたるペニスを突き出し、絶望と快楽の狭間で呆然と立ちすくむ、彼女の“妹”……。


629:契約(その8)
07/06/22 02:04:11 o2mqbQuL

 れろり。

「ぐふうっっっ!!」
 シルフィードの舌が、再び才人の股間を襲う。

 ちゅばっ……れろっ……じゅるっ……。

「……!!」

「サイト、痛い?」
「う、うん」
 タバサの声に顔をゆがめて答える。
 しかし、タバサは言う。

「嘘ね?」

「うそじゃないっ!!」
 思わず言い返すが、しかし、それが単なる反射でしかない事は、彼自身が一番良く知っていた。
「だったら、何故そんなイキそうな顔をしているの」

 そう言われた瞬間、心臓がドクンと激しく鳴った。
 そうなのだ。
 正直、シルフィードの舌など、気持ちよくも何とも無い。
 ただ、これまでの人生でも、かつて無いほどの激痛が、下腹部を中心に全身の神経を貫いている。
 なのに。
 そう、なのに、―だ。

 何故、こんなに射精感が昂ぶっている。
 痛くて痛くてたまらないのに、何故こんなに、それこそ今にもイってしまいそうなほどに、射精感が全身を包んでいるのは、何故なんだ!?
 彼には分からない。
 シエスタが、これまで与えてくれたのは、形はどうあれ、まっとうなエクスタシーだった。ペニス以外の性感帯を刺激や、他者に屈服する快楽など、歪曲はしていても、それは紛れも無い快感で構成された責めだった。―しかし、これは……違う!!

「サイト、オナニーしなさい。このシエスタ“お姉様”にちゃんと見えるようにね」
「……」
「ミス・タバサ……」

 もはやサイトは、その言葉に逆らえなかった。
 彼は出来る限り亀頭を刺激しないように根元を持つと、ゆっくりと扱き始める。

「顔をあげて」
「……」
 涙を堪えながら、タバサを見る才人。
「シルフィは、サイトの先っぽを舐めてあげて」
「はいなの」
「笑いなさい。サイト」
「……はい」

―いやらしい。
 タバサは心底そう思う。
 もっともそこに、彼を否定したり排撃したりする心境は、一分も無い。
 乱れたメイド服。
 乳首があらわになった右胸。
 恥骨まで切り裂かれた純白のエプロンから突き出した、剥き出しのペニス。
 遠い笑みを浮かべながら自分を見つめ、震えながらそのペニスを扱く少年。
―これが、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ。その『本当の姿』

(まるで、天使のようだわ)
 彼に、新たなる頂上への階段を上らせながら、我ながら思わずうっとりする。


630:契約(その8)
07/06/22 02:05:50 o2mqbQuL

 いまや才人は、さっきまでの激痛をまるで感じていないようだった。いや、この表現は正確ではない。
 その痛みはますますひどくなる一方だ。しかし彼の神経は、その痛覚をもはや、単なる苦痛とは感じていないのだ。SMにおける鞭打ちや、蝋燭責めのように、才人は徐々にではあるが、『苦痛系』の快楽を覚えつつある、ということなのだ。
 
 しかし、シエスタにはそれが分からない。
「何で……? 何でサイトさんは、あんなうっとりした顔を……?」
 思わずシエスタがそう呟いた。
 まるで、今までの才人がどこかに消えてしまったような、寂寥感すら彼女は感じた。

 ずぶりっ!!
「いだぁいっ!!」

 それまで、ぐずぐずだったシエスタのヴァギナをやさしく責めていたタバサの指が、突然激しさを増した。
「ふかいっ! 深いですぅっっミス・タバサァっ!!」
 タバサは、指を突っ込んだままくるりと体を入れ替えると、そのままメイドの上背を起こし、背後に回り込んで、自分にもたれる体勢になるシエスタを支えた。

「無理よシエスタ。貴方じゃ無理」
「ひ……っ……ぃぃぃ……!!」
「貴方には、―いいえ、私にも多分、サイトの立っているところへはいけない」
「そっ、そんな! そんなぁぁっっ!!」
「だからせめて、サイトと同時にイカせてあげる」
「いやあああ!! サイトさんっ!! サイトさぁぁぁんっっ!!!」

 才人が注視すると、タバサは彼に見えやすいように自分の体の位置を入れ替えた。
 シエスタのそこは、タバサの指を二本まで飲み込んでいるように見えた。

「ひいいぃぃぃっっっ!! 出るっ!! 出るようっ!!」
「きゅいきゅい、お姉さまっ、サイトがもう限界そうなのねん!!」
 美味しそうに亀頭を舐め回していたシルフィードが、主を振り返る。
 しかし、タバサの視線が自身の使い魔に向けられることは無かった。

「イキなさいっ、サイト!! 思いっきりブチまけなさいっっ!!」
「サイトさんっ! イクんですかぁっ!? イクんですかぁっ!!? サイトさぁぁん!!!」
「そうよ、シエスタっ! 貴方もイクのっ! 同時にイクのっ!!」
「「ああああああぁぁぁぁぁあああああ!!!!」」

 どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!!!

―サイレントの呪文をかけられてなかったら、恐らく両者のその悲鳴は、階下どころか、女子寮全体にに響き渡っていただろう。それほどのイキっぷりだった。

 二人は精根尽き、特に才人はばったりとベッドに倒れ伏してしまった。


631:契約(その8)
07/06/22 02:11:21 o2mqbQuL

「ね、サイト」
「……」
「痛かった?」
「……」
「答えなさい」

 そう言うと、少女は眼鏡の奥の碧眼を妖しく光らせ、そのペニスを一扱きする。
「~~~~~~~~~!!!!!」

「やっぱり痛いのね」
「痛い痛い痛い痛い痛い!! 決まってるだろっ!!」
 そう言って声を立てる少年を、くすりと笑いながら見つめると、そのままタバサは彼の背後の美女に言った。

「それじゃあシルフィ、予定通りに」
「はいなの、お姉さまっ!」

―予定?
 どうせろくでもない事だろうとは思うが、しかし、そう言ったタバサ本人はベッドの向こうに行ってしまった。
「おいシルフィ、お前の御主人様は一体―」
 そう言って振り返った瞬間、またもや、この竜族の娘の怪力は、少年を押し倒していた。

「ちょっ、おい、待ってっ!」
「きゅいきゅい、これからサイトの『どーてー』は、シルフィが頂いちゃうのねん!」
「ちょっと待てぇっ!! こんな血まみれのチンコで、エッチなんか出来るかぁっ!!」
「大丈夫なのねん。サイトならしっかり、中出しまで頑張ってくれるって言ってたのねん」
「だれが?」
「お姉さまが」
「―て、おいっ、タバサぁぁっっ!!」

 シルフィードの、あまりに頭の悪い物言いに再度彼女の主を振り返ろうとした、その瞬間だった。

「きゃあああああああ!!!!」



632:契約(その8)
07/06/22 02:12:44 o2mqbQuL

 メイジの衣装を投げ捨て、全裸になったタバサ。
 その体格(特に上半身の或るパーツ)は、完全に年齢不相応の幼さに満ちており、とてもではないが、シエスタが絶叫を挙げて騒ぐほどの威厳は存在しない。―はずだった。

 その、股間から生えた、ある『物質』を除けば。

「しょっ、しょく……!!?」

 そう、彼女の股間でぐねぐねとうねるそれは、紛れも無い『触手』だった。

「ひぃっ、ひぃぃぃっっ……!!!」
 シエスタは、余りの恐怖のために“それ”を見る事も出来ないらしく、チアノーゼのような顔色でベッドを逃げ回る。が、タバサはそんなメイドを全く容赦のない動きで組み敷き、横たえる。

「まっ、待てっタバサぁっ!」
 その一言でこちらを振り向いた少女に、才人は恐る恐る口を開いた。
「それは……何?」
「これはトリスタニアの魔法道具店で見つけたバイオペニスの一種。『ナマコの―』」
「そんなこと訊いてるんじゃないっ!? それで……その、またぐらの化物を使って、一体シエスタをどうしようって言うんだ」

 タバサは答えた。
「決まってる」 
 それこそ、今まで見せた事の無いような楽しげな笑みを浮かべて。


「これでこの子の処女をもらうの。血まみれのペニスで童貞を散らされる貴方の隣でね」


 才人は絶望した。
 その言葉を聞いた瞬間、高らかに勃起した自分自身への、絶望。
 もはや、絶望を受け入れる事になんのためらいも無かった。
 背後からの手に自らを委ねる。
 激痛以外、もはや何も感じないはずのペニスを、シルフィードの下半身が飲み込んでゆく。
 ふと、目をやると、発狂せんばかりの絶叫とともに、処女を『触手』に散らされる“姉”がそこにいた。

 才人は子供のような笑みを浮かべてシエスタに手を伸ばし、彼女は、半分以上うつろになった瞳を彼に向けると、まるで、砂漠でオアシスを見つけた旅人のような勢いで、彼に熱烈なキスをした……。


633:痴女109号
07/06/22 02:14:18 o2mqbQuL
以上です。
次回か、もしくは次々回あたりでようやく完結篇です。



634:名無しさん@ピンキー
07/06/22 02:47:56 lcZkUVSS
一番槍ゲットッ!
ドMの境地に達したなサイト。GJ!
どうでもいいが途中のシルフィードのしゃべり方が
桃鉄の貧乏神とかぶったww

635:名無しさん@ピンキー
07/06/22 02:51:09 l5X95CS8
一番乗り!
深夜の投下GJ~!

636:名無しさん@ピンキー
07/06/22 02:56:34 l5X95CS8
>>634
マイリマシタorz


637:名無しさん@ピンキー
07/06/22 02:58:28 lcZkUVSS
残念www
しかし二期楽しみだ。

638:名無しさん@ピンキー
07/06/22 04:18:45 XZXyYqpZ
>>618
はぁ?投下のない週初めなんてただの雑談スレに成り下がってるだろうが。

639:名無しさん@ピンキー
07/06/22 08:15:37 JHmWQjeC
才人オワタ\(^o^)/
どうなっちゃうのかすげー楽しみだぜw

640:名無しさん@ピンキー
07/06/22 09:30:53 6vr0Ry8F
>>638
か-そ【過疎】
まばらすぎること。ある地域の人口などが少なすぎること。

・今月だけでも、複数の書き手によって小計10回以上の投下があった。単純計算、週に3度は作品が投稿されてる。まばらであるとは言いがたい。
・618の「そもそも過疎化していない」という提起に対し、「はぁ?投下のない週初めなんてただの雑談スレに成り下がってるだろうが」との受け答えに対する、俺の意見
●作品以外のものを見るのが嫌なら、保管庫だけチェックするようにすればいいんじゃね?

一応考え付く限り、638の言いたい事を汲み取って答えてやった 光栄に思え犬

641:名無しさん@ピンキー
07/06/22 09:36:39 15ylhvP8
荒らしに反応する馬鹿まで現れた…末期か?

642:名無しさん@ピンキー
07/06/22 09:39:08 Bqg4l/eX
過去のこのスレの賑わいと比べて数が減ったなぁといっているのに、
他作品のスレと比べると恵まれているとか、週3回投稿されているから十分だとかいうのは
話が噛み合っていないように思えますが如何か

643:名無しさん@ピンキー
07/06/22 10:05:02 lcZkUVSS
まあみんな落ち着くんだ。

644:名無しさん@ピンキー
07/06/22 10:27:14 V9tNKzz/
俺が行かなくなったスレと流れが似てる
過疎と書くと投下してくれる人に失礼だろ?少し考えろ
反応してる奴は荒らしと一緒、レス自重
 *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    みんな大人にな~れ
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚

645:名無しさん@ピンキー
07/06/22 10:42:22 6vr0Ry8F
>>644
正直スマンカッタ

646:名無しさん@ピンキー
07/06/22 10:57:31 08ohtmRJ
>>633
GJ~
触手キタ――

あと、読んでて痛そうで腰が引けてたとこに、きゅいきゅいのストロベリームースで吹いたw


647:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/22 11:21:14 9NHPImz7
電波が来たので夜勤前に投下
テファものの「危ない桃りんご」の前くらいの話と思ってくだせい

648:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/22 11:22:53 9NHPImz7
「サイト、遅い!」
「ご、ごめんテファ」

朝靄に煙るウエストウッドの村。
まだ日も昇りきらないその入り口で、二つの人影がじゃれあっていた。
一人は黒髪の中肉中背の少年。一人は流れるような金髪の、胸の大きな少女。
才人とティファニアである。
二人は、朝早くにしか採れない珍しい果物を採りにいくため、準備をしていた。
その果物は、夜中に実を結び、朝までに熟して、そして朝日と共に地に落ちる。
ただし、それまでに枝ごと収穫し、暗闇に閉じ込めれば、高値で売れる妙薬になるのだ。

「ほら、早くしないと夜が明けちゃう!」

ティファニアは才人の手を取り、元気よく引っ張る。

「ちょ、ちょっと待ってくれよテファ、俺まだ寝起き…」

寝ぼけ眼でティファニアの手に半分引きずられながら、才人は朝から元気なハーフエルフの後に続いたのだった。

649:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/22 11:23:38 9NHPImz7
「随分たくさん取れたなあ」

手元の袋を見ながら、ティファニアは一息つく。
この果実は普通、採れても1、2個がせいぜいなのだが、今日に限ってはもう5個も採れている。
赤ん坊のこぶし大の大きさで、しかも木の葉と同じ緑色をしているせいで、見つけにくいのだ。
才人の方はどうだろうか?森の入り口で別れたときは、まだ生あくびをかみ殺していたが…。
東の空を見ると、地平線が橙色に染まり始めている。
あと、一個くらいはけるかな…?
そう思い、ティファニアは茂みの中に一歩を踏み出す。

がささっ!

その時。
自分の掻き分ける音とは別の音が、足元で響いた。
えっ?
声を上げる暇もなかった。
ティファニアはいきなり足を何かに絡め取られ、茂みの中に引きずり込まれた。
その際、ティファニアは木の根に後頭部を打ち、気を失ってしまう。
そして、気がつくと。
ティファニアは、巨大な花の中に横たわっていた。
いや、それは花ではなかった。
花のように花弁のようなものが開いているが、その花弁は花弁と言うにはあまりにも分厚く、また歪な形をしていた。
その表面にはびっしりと触手が生え揃い、その中でも特に肥大したものが、ティファニアの四肢を花弁に縛り付けていた。
ローパー…!
うかつだった。この辺りで簡単にあの果実が採れた理由は、これだったのだ。
ローパーがいるたえ、あの果実を捕食するような小動物が、この辺りには居なかったのだ。
ティファニアがその生物の正体に気づいた時には、すでに手遅れだった。
目の前に伸びてきた太い触手が、まるで猿轡のようにティファニアの口を塞ぐ。

「------------!」

それは、産卵の時期を迎えた、ローパーの生態だった。
産卵の時期を迎えたローパーは、他の生物の体内に卵を産み付ける。
しかしローパーには、鋭い牙も毒液もない。
ならば、どこに卵を産み付けるのか。それは、主に中型以上の動物の、直腸である。
ローパーの養分は、他の生物の排泄物である。普段は、その場にじっととどまり、小動物などを捕らえて、排泄が終わるまで拘束するのがローパーの生態だった。
宿主の排泄物を食らい、幼生のローパーは育つ。
そして、ある程度以上の大きさになると…。
触手で自らを動かし、宿主の肛門を引き裂いて生まれてくるのだ。
ティファニアは、まさにその苗床にされようとしていた。
数多の動物の排泄物に晒された、筆舌に尽くしがたい匂いが、彼女の意識を翻弄する。
…イヤ!ローパーの卵を産み付けられるなんて…!
しかし、暴れまわるティファニアを、ローパーの触手は放さない。
せっかく手に入れたこの苗床を、手放すわけには行かない。
そして、ローパーの表面に変化が訪れる。
ティファニアの強制的に開かれた股間のあたりの触手が退き、その間から茶褐色の、男性器を髣髴とさせる先端を持った、太い触手が現れたのだ。
その茶褐色の、球体で作られたようないびつな男性器こそが、ローパーの卵巣であった。
ローパーは、両性具有の上に、一生に一度しか産卵しない。そのため、受精した卵を、卵巣ごと他の生物に埋め込むのである。
小さな触手が、ティファニアの背面を撫で回す。排泄口を捜しているのだ。
そのあまりのおぞましさにティファニアは悲鳴を上げるが、口を塞がれているせいで声にならない。
…助けて…!サイト、助けて…!
しかしその声はどこにも響かない。小さな呻き声となって、森の中に吸い込まれていく。

650:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/22 11:25:48 9NHPImz7
そして。
細い一本の触手が、ティファニアの肛門にひたり、と張り付いた。
ローパーは、ティファニアの襞に残った、排泄物の匂いを感じ取っていた。
少し太めの触手によって、肛門の周囲に張り付く邪魔な薄い布が引き伸ばされ、桃色の、小さな排泄口が露になる。
そこに、才人のモノより大きく、歪な冷たい塊が、ぐりっ、と押し当てられる。
イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ティファニアは必死に叫ぶが、身体は寸分も動かず、そして声は漏れない。

ぐぶ…。

歪な男性器はティファニアの小さな穴に向かって歪み、少しずつ沈んでいく。
だめ、入ってきちゃダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

ぐぶ、ぐぷっ…ずぶぶぶぶぶぶぶぶぶ

ティファニアの叫びも虚しく、最も太い部分が過ぎてからは、順調だった。
一気に卵巣が押し込まれ、黄褐色の触手だけが、ティファニアの肛門から生えている形になった。

ぶつんっ…。

そして、触手と卵巣の境目は、苗床の括約筋によって、断ち切られる。
これで、産卵は完了だった。
しかし、ローパーはティファニアを放さない。
このあと三日三晩、苗床は親のローパーに拘束される。
直腸に排泄物を溜め込まされ、夕方には孵化する幼生の餌となるのだ。
そして三日間で成長した数十匹のローパーが、苗床の肛門を引き裂き、生まれてくるのだ…。
ティファニアは、絶望にかられ、涙を流す。
たすけて…。サイト…たすけて…。

がささっ!

不意に、ローパーの巣となっている茂みが揺れる。
差し込む朝日。そしてそこに伸びる影。

「!テファ!今助けるっ!」

そこから現れたのは。
ティファニアが落とした果実の袋を持ち、デルフリンガーを背負った才人だった。
彼は、茂みの外でティファニアの持っていた袋を見つけ、彼女を捜しにきたのだった。
ティファニアは、才人の声と、ローパーの切り刻まれる音を聞きながら、安堵で失神してしまったのだった。

651:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/22 11:26:42 9NHPImz7
はい生態解説ウザいですね。
てか触手モノ初めて書いたけどへんたいっすねこれは。
続きは夜勤明け以降。さーどうなることやらノシ

652:名無しさん@ピンキー
07/06/22 12:49:48 VhxHgeXN
どーなることやら、はコッチの台詞ですよwww
続きに期待しております

653:名無しさん@ピンキー
07/06/22 12:55:36 lcZkUVSS
題名ナイスすぎてワロタw相変わらずいい仕事してるぜ。GJ!
テファかわいいよテファ

654:名無しさん@ピンキー
07/06/22 13:05:39 08ohtmRJ
>>651
うは更に触手キタ~~~~
ローパーはイイ!ブラボー

欲を言えば、ねっとりと触手にいぢられる描写がほしいマニアな私ww


655:名無しさん@ピンキー
07/06/22 13:31:06 DrUP7ls6
>>639
むしろ才人ハジマタ\(^o^)/

656:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:05:24 cVEIiNN2
描写がリアルすぎて萌えるどころかガクブルな俺ガイル

誰かー!!お医者様呼んでーー!!!!

657:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:06:12 OoMIZxrT
同意。これはリアルすぎて読めんわ
マジおっかない

658:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:27:24 6vr0Ry8F
すまねぇ……マブ●ヴALTERNATIVEっつーゲームやって以来、触手は軽いトラウマなんだ……
続きが気になりつつもガクブルな俺

659:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:43:26 EpxuRXiT
カトレア様の後ろにぃいいいいい

660:名無しさん@ピンキー
07/06/23 00:36:03 ZVaQNal7
ちい姉様の病弱設定は、胸からエイリアンの赤ちゃんが産まれる伏線だな。
当然、乳首を拡張され、チンコ触手で入念に犯された上で、産卵されている。

661:名無しさん@ピンキー
07/06/23 01:31:22 jpkS7M32
危機に遭うとルイズの見ているものがサイトにも見えてしまうという原作の設定使えないか…
んで、助けに行っても遠すぎて手遅れとか…


662:名無しさん@ピンキー
07/06/23 02:09:12 lnqlNAdg
>>661それもうあるよ
君の望むバッドエンドではないがね

663:名無しさん@ピンキー
07/06/24 02:49:29 ccXwRM6r
>>658
ババババババババパバ、バカヤロー!!!
触手を乗り越えて強い男になるのがあの場面だろう!!
それがトラウマなぞなってどうする!?



まぁ君が望む豊胸手術にはさすがに耐えきれなかったが

664:名無しさん@ピンキー
07/06/24 05:03:27 oSL0/lwc
おいおいこの過疎はなんだ?かなりビビったぞ。


age

665:名無しさん@ピンキー
07/06/24 06:15:30 CFJGtEnj
過疎と言うよりSS投下されない限りは静かなだけじゃない?


666:名無しさん@ピンキー
07/06/24 07:55:26 RMJ2YkQB
禁断症状出るの早すぎ

667:名無しさん@ピンキー
07/06/24 08:43:10 D36N+MHj
1日や2日投下がなかったくらいで「過疎」の言葉が出てくるのはここくらいだぞ。
禁断症状の末期も末期。

その原因は、
1、投下されるSSが毎度毎度良作すぎる。
もちろん職人さんには罪はない。
2、エロパロ板は基本的に過疎る。このスレが異常なだけ。
それに気づかない読者が多すぎる。
他のスレ見てみ。


書いてる人にも生活あんだよ…保守でもしながらのんびり待とうぜ。

668:名無しさん@ピンキー
07/06/24 08:59:03 HvVvnict
数日おきに過疎過疎言うやつも、それに毎回反応するやつもうぜえ
いい加減放置しろよ

669:名無しさん@ピンキー
07/06/24 09:22:13 MsuardWj
ごめんな?

670:名無しさん@ピンキー
07/06/24 09:26:31 IkpCYGC0
あっ、あああ、謝ったって許さないんだからっ…!
わたしがいいって言うまで、ぎゅーってしてなさいよね…。

671:名無しさん@ピンキー
07/06/24 13:13:45 yod86j8z
過疎?暇なら何かかそーか?

なんつって。

672:名無しさん@ピンキー
07/06/24 13:28:23 hQLvMkuS
ここが過疎化したら671のせいだな

673:名無しさん@ピンキー
07/06/24 15:00:15 Hgw2i6nV
>>672
君には失望した

674:名無しさん@ピンキー
07/06/24 15:47:32 XXCdmicw
>>669
おまえの言い方もうざいよ。自重しろ

作品来ない時は静かで良いと思うけどな。来ないからって雑談スレ化してもな・・・

675:名無しさん@ピンキー
07/06/24 16:18:24 MsuardWj
そうか…ごめんな?

676:名無しさん@ピンキー
07/06/24 18:17:16 IkpCYGC0
また口だけはそんなこと言うんだから…
それで騙されちゃうわたしってば可哀想だわ。とっても可哀想な女の子だわ。

677:220 1/3
07/06/24 20:30:58 GCDgLWaa
「順番が違うじゃない…もう」
「ごめん…」
ふてくされて、そっぽ向かれちまった。同じベッド、同じ温かさの中でシーツから少しだけ見えるルイズの背中は…素肌だ。俺は触れないギリギリまで近付いて、声を掛けた。
「本当は先にちゃんと言うべきだったよな…」
「…そうよ」
背中を向けたままで、俺のご主人様らしい口調で命令した。

昨日の事。俺がちょっとした事をして、ご褒美を貰った時の事だ。冗談半分で俺は…いわゆる大人のキスを試してみた。
当然、ネットとか小説で見たくらいの知識。でもそれは充分過ぎるくらい刺激的で、ルイズなんか声も出なくなってた。
少し舌をいれてみるとルイズは目を閉じて、体だけ熱くして、俺の自由にさせてくれた。

調子に乗って唾液を送り込んだ時、ルイズは赤ん坊みたいに飲んじゃって…なんかいつもより可愛く見えて、もっと凄い事したくなって…

あとは…

俺の名前を呼んでたルイズがいた気がする。それしか覚えて無かった。
今やっと頭が冷えてきたところだ。


「お母様やお父様にお伺いをたてるのも忘れちゃったし…その内きちんとしてもらうわよ…」
「うん…頑張る」
背中を向けていたルイズがくるりと寝返って、俺の胸の中に潜り込んで来た。
目は俺の胸に向けたまま、指で俺の肌をなぞっていた。

「…ホントは…」
「え?」
「ホントは…待ってたんだから…痛かったけど…嬉しかったんだから…」
「…愛してる」
「言うの遅いのよ…バカ…」
あまり大きく無い腕を一生懸命に広げて、俺を抱きしめた。

678:220 2/3
07/06/24 20:32:06 GCDgLWaa
「ここで言うことは忘れるのよ?…私だって恥ずかしい事言いたいもの」
「ああ」
顔は見合わせないままで、俺は胸元から聞こえてくるルイズの声を聞いた。


「ずっとアンタの事ばっかり考えちゃうの。アンタとしちゃったのに、どんどん欲張りになりそうなの」
「欲張りって?」
「キスしたいとか、もっと抱きしめてとか、沢山言いたくなりそうなの」
「構わないさ」
「じゃあ…キスして」

ルイズの顔を持ち上げ、軽く唇を触れさせた。唇を離すと、ルイズはまた俺の胸元に頭を戻した。

「さっきは痛かったけどアレ…私が沢山したいって言ったら?」
「…大歓迎だと思う」
「アンタはすぐにがっつくんだから…優しくするのよ。痛いのはイヤ」
「わかってるって」

少し間が開いた後、ルイズは俺の手をとって、ルイズ自身が一番自信の無いところに導いた。柔らかい手応えと、小さな突起が硬くなっていくのが伝わる。

「え!え?」
「お、男の子ってこんな事すると興奮するんでしょ?」
「は、はい!」
「これくらいならいいわよ…私のココも好きって言ってくれたから…」
焦ったせいで、手が微かに動く。
「ひゃん…」
「ご、ごめん!」
「も、もう少し休んでからなら…」
顔を赤らめただけで、俺を怒る様な事はしなかった。

「そ、それと…」
「う、うん」
「あ、アンタにあげられるモノ全部あげちゃったんだから…その…もう私をドキドキさせないで」
「ど、どういう事?」
「ほ、他の子のトコ、出来るだけいかないで…あの時が一番辛いの…」

前より強く、俺の胸に顔をすり寄せてきた。

「今までも他の子のトコ行ってる時すごくつらかったから…もっと辛くなりそうだから…」
「…出来るだけで良いんだよな」
「だって、行かなかったらサイトじゃないじゃない…その代わり戻って来た時はいっぱい私を可愛がるのよ?わかった?」
「…わかった」
「これで終わり…もう少し抱いてるのよ。眠たくなっちゃった…」

行為の疲れがあったのか、ルイズの寝息はすぐに聞こえてきた。シーツの上に、いくつかの涙を落としたまま。

679:220 3/3
07/06/24 20:33:55 GCDgLWaa
「犬?」
「はい!」
「アンタまた勝手に…ドコへ行ってたのかしら?」
右手に持っている杖が恐かった。ここ、魔法学院の広場ならお仕置きするのに容赦する必要は無い。
周りの生徒達は、見世物を見るかのようにルイズを煽っている。
同時に、女学生が俺を応援している事、それがもっとルイズに油を注ぐ事になってるとは、アイツらは気づかないだろう。
「お・し・お・き」
「ぐえぇぇっ!」
見世物になる程度に、俺は面白可笑しく痛めつけられた。

で、これは昼、皆の前での事。
夜、寮に戻ってからは違った。

「アンタってば…」
「はは…ごめんなさい」
「…」
黙って俺に接近して、俺の顔を見上げた。
「キス」
俺は要求に応えて、軽く唇を当てた。
「…ん」
「…いいわ。言い訳は聞かないから、態度で示しなさい」
ルイズはくるりと俺に背を向けて、ベッドの上に身を投げ出した。自分でシャツのボタンを際どい所、第二ボタンくらいまで外していく。
「…淋しかったんだから」
「悪かった。疲れてないよな?」
「アンタの相手くらいできるわよ」
そこから顔の気の強さが全部消えて、あの時のルイズになる。頬を真っ赤にして、自信なさそうで、俺に尽くしてくれるルイズ。


「し、しっかり可愛がるのよ?」


今日もこんなご主人様との約束を果たすために、頑張ろうと思った。




680:220
07/06/24 20:35:03 GCDgLWaa
もうルイズじゃない位甘かったですね。ヤンデレ気味でしたね。おまけに忘れた頃に来てしまいました。
…正直反省してます。

では、またorz

681:名無しさん@ピンキー
07/06/24 20:39:09 GFTsnLlG
>>680
うがあああ!
一番槍GJ!
本音剥き出しルイズかわいいよルイズ。

682:名無しさん@ピンキー
07/06/24 20:39:50 eLCee0Yb
なんという八巻
このルイズは間違いなくデレ

683:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 20:58:11 4M8l5Vuq
デレルイズキター!
はやく本編でもデレるところ見たいですな。
反動ですごいことになりそうだけど

さて、アレ>>648の続き行きますよー。

684:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 20:59:03 4M8l5Vuq
ティファニアは、柔らかいベッドの上で跳ね起きた。
美しい髪が乱れながら舞い、その規格外の乳房が上半身を起こした反動でぶるんと揺れる。
あれは…夢…?
大量の寝汗で濡れた金髪を漉きあげ、ティファニアは悪夢の記憶を反芻する。
才人が洗ってくれたのか、臭いはしなかったが、鼻の奥で、あの刺すような悪臭が蘇る。
そして下腹に感じる、排泄物とは別の拡張感。
夢…じゃない…!
あの時の恐怖と絶望が蘇り、ティファニアを苛む。
ティファニアは両肩を抱き、シーツの中で震える。
そうしてティファニアが震えていると。

「おーいテファ、起きてるー?」

右手にお湯を満たしたバケツ、左手にリンゴとナイフの入った手籠を持ち、才人が部屋に入ってきた。
才人の視線と、シーツに包まって震えるティファニアの視線がぶつかる。
そのティファニアの顔がぐにゃりと歪む。
次の瞬間。
ティファニアは突然声もあげずに泣き出した。

「ど、どうしたんだテファっ!?」

才人はバケツと手籠をテーブルの上に置くと、慌ててティファニアに駆け寄って、ベッドの上で抱き締めた。
ティファニアは目の前の才人の胸に顔を埋めて、泣きじゃくる。

「怖かった…怖かったよぉ…」

才人はそんなティファニアの金色に流れる柔らかい髪を、優しく撫ぜ、抱き締める。
二人はしばらく何も語らず、抱き合っていたのだった。

685:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:00:27 4M8l5Vuq
サイトの腕の中で抱かれていると、私の中にわだかまっていた恐怖や絶望が、洗い流されていく気がした。
私の涙はいつの間にか止まっていて、私はサイトの腕の中で、ただ彼の温もりと匂いに包まれていた。

ぐりゅ…

その時、不意にお腹の中に不快感が生まれた。
お腹の中で、何か柔らかい塊が、蠢くカンジ。
忘れてた…。ローパーの…卵…。
早くこれを取り出さないとタイヘンなことになる。
…で、でも…取り出すのは…。
私はサイトの腕の中で、真っ赤になって考える。
ローパーの卵を、自力で取り出すのは、不可能だ。
頑丈な卵巣があるから、無理やり排泄するのも無理。
…だ、だから…。
サイトに…。

「大丈夫かテファ?痛いとことかないのか?」

サイトは、私を一生懸命、心配してくれてる。
…そう、だよね…。
サイトだったら、いいよね…。
私は意を決して顔を上げた。
そして、今からやろうとしていることを考えて…考えて…。
あーだめだめだめ!考えちゃダメ!

「あ、あのね、サイト。お願いがあるの」

私は彼の腕の中で、一気に『お願い』を言い切った。

「お尻に詰まってるモノ、出して欲しいの」

686:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:01:35 4M8l5Vuq
…正直、新手のプレイかと思いましたごめんなさい。
こんな時までエロ脳の俺様、超反省。
最初は思わず、『はぁ?』って顔をしてしまった。
で、テファの説明によれば。
森でテファを襲っていたアレは、ローパーとかいう生き物らしい。
他の動物の排泄物を食べて生きている生き物で、産卵の時期になると、朝方テファにしていたように、卵を他の動物の腸に産み付けるらしい。
で、今、テファのお腹の中には、そのローパーの卵が、産み付けられているらしい。

「で、でも、どうやって?」

俺の間抜けな質問に、テファは真っ赤なまんま応える。

「あ、あのね。
 私が両手でお尻開いてがんばるから、サイトは出てきた皮をナイフで切ってほしいの。
 そうすれば、卵は私の方で出せるはずだから…」

テファが言うには、卵巣の皮がつっかえの役割をしているから、がんばっても出せないらしい。
で?
ですね?
今このエロエルフときたら床にうつ伏せになって俺に上げたお尻向けて広げてるわけで───!
くっはああああああああああああ!
プレイじゃないっつっても正直ガマンききません。

「あ、あの、サイト、早くして…」

テファは俺の方を見ないように、催促してくる。
でもでも。
どっんなっにじょっうずにかっくしても~♪
まっかなおみみがみえてるよっ!
いかんだめだ落ち着け俺の熱いパトス&バカ息子。
今は、テファを助ける事に集中だ。いいね?
俺は深呼吸を数回したあと、テファのお尻に手を掛ける。

「…んっ…!」

テファの身体が一瞬びくん!と震え、そんなうめき声が漏れてくる。
エロいっ…!なんというっ…!なんというエロさだっ…!
俺はもう一度深呼吸をしたあと。
テファが一生懸命広げている、お尻の谷間に注目した。
テファの言うとおり、テファの小さな桃色の肛門から、何か植物のヘタみたいなものが飛び出ている。

「こ、これをひっぱって…切るんだな?」

俺は確認のため、テファに尋ねる。
しかしテファは。

「恥ずかしいんだからっ…早くしてよぅ…」

消え入りそうな可愛い声で、そう言うだけだった。
だーーーーーめーーーーー!
テファさんソレだーーーーめーーーーー!
せっかく鎮めた俺のマグナムが!ビッグマグナムに!
ええい素数を数えるんだ才人!
で、素数ってなんだっけーーーーーー!?

687:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:02:35 4M8l5Vuq
しかし俺はなんとか欲望に打ち勝つと、テファのお尻から出ているそれを引っ張る。

ずにゅ…

「ンッ…!」

テファのうめき声とともに、それは数センチほどテファの中から引き出される。
俺は、それをナイフで切り取った。

「お、終わったよテファ…」

俺は終了を告げたけど、テファは応えない。
テファはお尻を上げたまま、手は頭を載せた枕を抱えている。

「だ、だめ、だめ…!」

え?何がダメ?
テファは震えながら、何かをガマンしているみたいだ。
俺は心配になって、テファの背中をさすった。

「大丈夫?テファ?」

それが引き金だった。

「だめ、見ちゃだめええええええええっ!」

ぶりゅっ…。ぼと。

テファの肛門がもりあがり、テニスボールくらいの柔らかい、黄土色の何かを吐き出した。
最初俺は、テファがおもらししたのかと思った。
違う。それこそが、ローパーの卵だったのだ。

「だめ、出ちゃう、出ちゃううぅぅぅぅぅぅっ!」

ぶりゅっ!ぶりゅりゅっ!ぼとぼとぼと!

見ている間にも、テファは次々と卵を出す。
そして俺は気付いてしまった。
テファは卵を出しながら…俺に見られながら…濡れていた。

「だめぇ、止まらないよぉ、見ないで、お願いみないでぇっ!」

真っ赤になって頭を振りながら、テファは卵をひり出し、懇願する。
でも、俺は見続けて…。

「いや、だめ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

ぶちゅ…ぼとっ…。しゃぁぁぁぁぁぁぁ!

卵巣の残りの皮と、最後の卵を出したテファは。
同時におもらしして、逝ってしまったみたいだった。

688:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:03:49 4M8l5Vuq
ティファニアはそれでも応えず、膝小僧を抱えて俯いている。
よほど怒っているのだろうか。

「機嫌なおしてくれよ…」

才人はティファニアから離れ、所在なさげに横に座り込む。
すると、不意にティファニアが顔を上げた。
そして。
あっという間の早業で、才人の唇を奪った。
そしてそのまま押し倒し、唇を離す。

「…責任とって」
「え?」
「…サイトがずっと見てるから、えっちな気分になっちゃったじゃない…」

そして才人の身体を跨いだまま、簡素な布の寝巻きのスカートを、たくしあげる。
そこは既に、ティファニアが零した蜜でべとべとだった。

「責任、とってよね…」

淫靡に言ってもう一度、才人の唇を奪う。
そして、才人が反撃に出た。
今まで下敷きになってされるがままだったのを、ティファニアを抱き上げ、そしてベッドの上に引き倒した。

「なにが責任だよ、このエロエルフ」

そして、ティファニアの鼻先に指を突きつける。
目が逝っていた。

「あ、あの、サイト…?」
「俺もずっとガマンしてたんだっつーの!
 責任とるのはそっちだっつーの!
 いちいちエロい仕草とボディで誘惑しおってからに!
 俺のマグナムはすでにGENKAITOPPAだぜーっ!」

言って才人は一気に全裸になると、ティファニアに襲い掛かった。

「きゃーっ!けだものーっ♪」

襲われながらティファニアは、なんだか嬉しそうだった。

689:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:05:10 4M8l5Vuq
私は襲い掛かってきたサイトに全身でぎゅっと抱きつく。

「なんだよ、もうガマンできないのか?」

そう言ったじゃない。もう、意地悪なんだから…。

「うん。早く欲しいの、サイトのおちんちん…」

言って私は、胸を彼の胸板に押し付けて揺する。
…これ、私はあんまり好きじゃないんだけど…。
サイトが、喜ぶから…。やってる…。

「ホント、おねだり上手になったよな、テファは」

…サイトのせいだもん…。
サイトがいっぱい、えっちなこと、するから…。
イヤって言っても…。ちゃんと止めてくれるけど…。でも止めてからおねだりするのは私で…。
やっぱり私がえっちなのかな…。
なんて考えてると。

ぐにゅ…。

硬くなったサイトが、入ってきた…。

「ふぁぁ…」

声が自然に漏れる。
私は彼の身体を腕と足で必死に抱きしめて、もっともっと彼を奥へ導く。

「それに、どんどんえっちになってるよ」

言ってサイトは、腰を動かす。

ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ…。

そう、だけど、えっちにしたのは…サイトだもん。
私は意地悪な彼に、仕返しをする。
腰に力を込めて、一番奥で彼を捕まえて、耳元で囁いてやる。

「えっちになるのは…サイトのせいなんだから…」

言いながら、腰を軽く揺すって、さらにきつく彼を締め付ける。

690:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:06:34 4M8l5Vuq
「ちょ…テファそれっ…」
「サイトがえっち好きだから…えっちな娘が好きだから…私はどんどんえっちになるんだよ…」

言って今度は、足を使って体全体を動かす。
彼の下で、私の身体がグラインドする。
ソレと一緒に、彼の腰も動く。

「そういうの、俺のせい、なのっ?」
「そうよっ、サイトがっ、悪いんだからっ」

お互いに言い合いながら、キスをしながら、二人で身体を揺すりあう。
ベッドがありえないぐらい軋んで、私の身体も軋み始める。
…やば…限界みたい…。

「サイト、わたし、わたし、もういく、いくのっ」
「俺も、出すよ、テファ、出すよっ!」

私達はそう言いあうと、お互いをきつくきつく抱き締め…。

どくどくどくどく…。

そして、融けあった…。

691:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:07:19 4M8l5Vuq
一通り行為が終わると、俺はテファに腕枕をしてやる。
なんつーかお約束だけど、テファも終わった後はこの体勢がいいみたい。
テファは俺の胸元に顔を寄せて、満足そうな顔をしている。

「…もう、えっちなんだから」

言って笑顔で、俺の胸板をつんつんする。
かーーーーわーーーーえーーーーーー!
思わず第二ラウンドに突入しそうになった俺を必死になだめて、俺はそんなテファの髪を撫でる。
テファはまるで仔猫みたいに嬉しそうに俺の手に頭をこすりつける。
…なんでいちいちこう人の萌えポイントを直撃しやがりますかねこのエルフっ娘は。
俺はちょっといたずら心から、テファの方に体を傾けると、空いた右手でテファのお尻をもみもみしてみた。

「やんっ」

テファは抵抗らしい抵抗もせずに、それどころか嬉しそうに、俺の手の中で悲鳴をあげる。
そして、次の瞬間。

「サイト、お尻でしたいの…?」

…はい?
一瞬俺は我が耳を疑った。
テファは軽く赤くなりながら続ける。

「いいよ。サイトがしたいなら。私、サイトになら、なにされてもいいから…」

言ってテファは、俺にぴったりくっついて、ももりんごを歪ませながら、俺を見上げた。

「そ、それに、お尻って、ちょっと、キモチいいかも、だし…」

言いながらもじもじなんぞする。
…。
………………。
………………………………………。
いーい度胸だこのエロエルフめ。

「そんなにお尻でして欲しいなら…!」

言って俺はテファを裏返す。
そして俺とテファのおつゆが零れる裂け目の上にある、小さな桜色の穴に、指を掛けて広げる。

ぐに。

「お尻で、やぁってやるぜっっ!」
「やん、サイトのけだものっ♪」

そして俺達は、2ラウンド目に突入したのだった。

692:禁断の果実 ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:08:04 4M8l5Vuq
ティファニアの部屋のカーテンがまだ開かないのを見てタニアはぼやいた。

「…もう夕方だぞそこのバカップル…!」

子供たちの面倒を日がな一日見させられて、タニアはキレかかっていた。
さらに、ひと段落したら戻るから、と言っていた才人も、今だ戻っていない。
よーく見ると、カーテンが軽く揺れている。
いつまでヤってんのよあのバカップルわぁ…!
そんなタニアに、エマが寄ってきて服の裾を引っ張る。

「ねえタニアおねえちゃん、おなかすいたあ」
「ああはいはいすぐ準備するからまっててねー」

言いながらタニアは台所へ向かう。

「タニアおねえちゃん、なんだかママみたいー」

エマの一言が、タニアの足を止めた。
…冗談じゃない。

「私はイヤよっ、こんなところで子守で行き後れるなんてええええええええええ!」

その言葉は図らずも的中するのだが。
そんなタニアの叫び声は、虚しく空に吸われていったのだった…。~fin

693:名無しさん@ピンキー
07/06/24 21:09:09 pQ1V984R
(・∀・)ニヤニヤ

694:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/24 21:10:02 4M8l5Vuq
はい終り。
スタートが触手モノだったのにぜんぜん触手ものじゃないオチ。
期待してたみなさんすみませんでしたorz

ていうか、久しぶりに自分のページ更新してみたら、訪問者が4ケタいっててマジビビタ
世の中にはよほど暇な人が多いと見えまする…。

ではではノシ

695:名無しさん@ピンキー
07/06/24 21:11:38 hs0jHSt3
初のリアルタイム来たぜ!
せんたいさんGJ

696:名無しさん@ピンキー
07/06/24 21:14:15 GFTsnLlG
>>694
GJ!
タニアカワイソス。

697:名無しさん@ピンキー
07/06/24 21:43:06 CFJGtEnj
続編キテター。
GJ!!ご苦労様だぜせんたいさん。

698:名無しさん@ピンキー
07/06/24 22:05:16 MsuardWj
>>680
な、なんというツンデレっぷりなんというGJ……ルイズ大事にして他の子には冷たく当たるなんて、サイトじゃねえもの……!
これはアカン、これはアカンで……!

>>694
ガクブルで掻い摘んで読んだらホッと一安心しまして、もう一度じっくり反芻……こ、これはななんというけしからんエロフry
タニアの保母さん適性度の高さは異常! GJや!

699:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:07:48 Pl2BmCkq
>>680
甘――――い!
いやはやごちそうさまでした。GJ!

>>694
せんたいさん、遂にテファまでこわしちゃいましたかww

700:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:24:42 XXCdmicw
>>675
スマン、>>668へのレスだ。本当にすまない

皆、GJ!

701:名無しさん@ピンキー
07/06/24 23:34:25 8GqoMVh5
そういや、あの世界の性教育ってどうなってんのかね。
上流階級はそういうの早めにやるものらしいけど。

702:名無しさん@ピンキー
07/06/25 00:58:12 +63cN/30
さてと…タニアメインの小説はまだですか?

703:名無しさん@ピンキー
07/06/25 01:48:50 NpESyUPN
せんたいさん神GJ!!いやもうこれは言葉では言い表せない!俺の魂の叫びをきいてくれ!




ぐぎゃややあああああああgadgpjpwmtj.0mふじこ0tag ぼびゃああああかわなわらはあわはかまぶろああああああ かゆうま

704:名無しさん@ピンキー
07/06/25 04:34:53 uElE25aP
ベイダー卿更新ktkr!!

705:名無しさん@ピンキー
07/06/25 05:06:12 XZLDaStO
ルイズを目が虚ろになるまで犯したい

706:名無しさん@ピンキー
07/06/25 09:09:22 cur5COKd
ルイズに目が虚になるまで犯されたい

707:名無しさん@ピンキー
07/06/25 09:16:52 tZNNALLU
>>704
ところでvipってどこにあるんだ?

708:名無しさん@ピンキー
07/06/25 11:45:11 IKTfgqZa
>707
2ちゃんの雑談系2のニュー速VIP
スレの流れが早いのでまとめの方を読む事を勧める
ベイダー卿がゼロのルイズに召喚されたようです、で検索すればすぐにHitする

709:名無しさん@ピンキー
07/06/25 13:54:34 8UJQfvnq
ダークシュナイダーがルイズに召喚された話を考えれば

最強モノ+エロで2度美味しそうだ

710:名無しさん@ピンキー
07/06/25 14:10:13 lzCAYCVE
さすがに実力差ありすぎてどうしようもない
一方的な展開になるな。

711:名無しさん@ピンキー
07/06/25 15:39:28 wdYixsNp
むしろノボルがダークシュナイダーの作者に影響されたりしてな

712:名無しさん@ピンキー
07/06/25 17:07:00 3Td1g9/T
ダース・ベイダーが召喚~読んでるが

これ面白ーな。
原作相当すっとばして、ルイズ達がライトセイバー握ってんじゃね?とか、ギーシュやマリコルヌが戦闘機に乗って宇宙空間で撃ちあいか?
失礼な想像してまとめサイト開いたんだが、これがどうしてなかなか。

713:名無しさん@ピンキー
07/06/25 21:06:38 BLyZBNRn
密かに、テファに顔とか治して貰って素顔のアナキンに、
ルイズその他がドキドキするっていう展開を期待してる俺ガイル。

714:名無しさん@ピンキー
07/06/25 21:13:53 i5wa7FWp
確かに、イケメン具合ではサイトどころかジョゼフやワルドでも太刀打ちできんよな。
何と言っても、向こうはそれが商売の役者さんなわけだし。




え? レイア姫?
知りませんよ。そんなチンパンジーの姫様なんて。

715:名無しさん@ピンキー
07/06/25 21:17:22 Be1GWC7i
>ベイダー卿~
ゼロの使い魔の根本がw
これちょっと別の意味で人を選ぶな。

716:名無しさん@ピンキー
07/06/25 21:26:01 KeV9J4g5
>714
謝れ!
島本須美ボイスのスペースお姫様が初恋の俺に謝れ!

717:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/06/25 22:32:12 5TseY/3a
すまん、今更なんだが、「禁断の果実」少々コピペミスがあったようで…。
修正版あげといたのでよろしこ
URLリンク(wikiwiki.jp)

718:名無しさん@ピンキー
07/06/25 22:33:48 8q5yvNgF
>>717
おつかれさま

719:名無しさん@ピンキー
07/06/25 23:37:49 3Td1g9/T
>>713
さすがに鉄仮面のまんまじゃ、キスシーンもしまらねえもんなぁ……マスク外すわけにもいかねーし

720:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/06/25 23:45:07 d8Cj1pIC
『ゼロの飼い犬』7回目投下します。
長くなってしまうので前編だけ、申し訳ありません。

721:月の涙(前編) 1/8
07/06/25 23:45:49 d8Cj1pIC
「うーむ、手に入りさえすれば相当な価値があるものなんだろうけどねぇ」
「モノがどんなものなのか曖昧だし、リスクも大きすぎるわ」
 
 安宿の一室。
 ギーシュとキュルケがテーブルの上に並べた宝の地図やメモを睨んで相談している。
 この世界の宝の価値などに疎い俺は、ベッドに腰掛けてその会話を話半分に聞いていた。
 シエスタも俺と同様に座り込んで手持ちぶさたにしており、タバサに至っては
例によって本を開いて読みふけっている。宝になどまるで感心がないようだ。
 
 現在、俺とシエスタ、キュルケにギーシュにタバサの5人は、学院を無断で抜け出して
宝探しに来ている。ルイズに使い魔をクビにされ、本格的に学院内で野宿をすることになって
くすぶっていた俺に、キュルケが宝探しでの一攫千金を提案してきたのだ。
 
 何件かキュルケの持っている宝の地図や情報のポイントをあたってみたが、今のところ
ほとんどがガセネタもしくは大した物ではなく、ほとんど実入りがない。
 そして、キュルケが何度目かの『コレこそは!』という言葉と共に出してきた新たなお宝の
ネタを頼りに、この山間の小さな町までやってきたのだが。
 
「やっぱ、ちょっとこれを探しに行くのは現実的じゃないわね。
スパっと見限って、こっちの『ブリーシンガメル』をみつけにいくべきだわ」
「口惜しいが、その方が賢明だね」
 
 キュルケとギーシュの相談は、この近くにあるという『月の涙』というお宝を
諦めるという方針で決定したようだった。
 
 キュルケの持っていた『月の涙』のネタによれば、そのお宝は、この町の近くにある
谷に存在しているらしかった。
 そこで、今朝、この町までやってきた俺たちは、まず『月の涙』についての
情報を集めることとなった。
 手分けして町の住民に聞いた情報を集めると、キュルケのネタからは今ひとつはっきり
していなかった『月の涙』がどういったものなのか、大体はわかった。
 
 『月の涙』は宝物というよりも、稀少な秘薬の一種であるらしい。
 その秘薬は、あらゆる毒の効果を打ち消し、治癒する効果がある。
 この辺りの地域ではそれなりに有名な話ではあるが、実際に『月の涙』を見たり使ったり
したことがある者はいない。ただのおとぎ話か、伝承に過ぎないとの説もある。
 その『月の涙』は、村から少し離れたところにある深い谷の底に存在する。
 
 とまぁ、こんなところだった。
 しかし、情報はある程度集められたものの、キュルケやギーシュが言っているように、
問題点が二つあった。
 ひとつは、『月の涙』が貴重で、手に入ればかなりの価値があるだろうことはわかったが、
その実体がはっきりしないこと。秘薬というだけに、植物なのか。あるいは珍しい動物の
体の一部なのか。そして、そのまま薬として使えるのか、加工する必要があるのか。
 そういった具体的な情報がまったくと言っていいほど手に入らなかったこと。
 
 もうひとつは―こっちがとても大きい問題なのだが―『月の涙』を取りに行くのは
非常に危険だということ。
 『月の涙』があるという谷には、かなり強力な魔獣が棲んでいるらしかった。
しかも、その魔獣は怪鳥の一種。いくらこっちに魔法使いや風竜がいるとはいえ、
谷という明らかにあちらに有利、こちらに不利な地形で出会ったらあまりにも危険すぎる。
 
 このふたつの理由から、探すのは危険。危険を乗り越えても見つかるかどうか保証はなく、
さらには本当に存在するかどうかすらわからない宝を探しにいくのは
割りに合わないということで、悔しいけども『月の涙』は諦めるという事になったのだった。

722:月の涙(前編) 2/8
07/06/25 23:46:32 d8Cj1pIC
 この晩は町の安宿で過ごすことになり、明朝、次のお宝を探しに出発することに決まった。
 ふたつとった部屋で男女に分かれて床に就き、灯りを消した。
 けれど、俺はなかなか寝付くことができずに、窓の外を眺めながらぼーっとしていた。
 
「こんなんでいいのかなぁ……」
 隣のベッドの上で暢気に眠りこけているギーシュの寝息を聞きながら、ぽつりと呟く。
「宝が見つかりそうもねぇことかね?」
 窓の脇の壁に立てかけたデルフリンガーが、俺の独り言を聞きつけて質問してきた。
 
「それもあるんだけどさ、何て言うか、宝探しなんてしてる場合なのかなって」
「まぁ、見つかんなくても、前にも言ったとおり相棒なら傭兵をやりゃあ食ってけるさ。
何なら、メイドの娘っ子を嫁にもらって、ブドウでもワインでも作ればいいじゃねーか」
 
 どうも、デルフは俺の心配している事をちょっと勘違いしているらしい。
「そういうんじゃなくて……」
 月の光にかざして、自らの左手のルーンを見る。ルイズに”クビ”にされたけど、
それでこのルーンが消えたわけじゃない。俺はまだルイズの使い魔なんだ。
 
「貴族の娘っ子のことかね? まぁ、使い魔なら気になっても仕方ねぇか。
しっかし、使い魔をクビにする主人ってのも聞いたことねえや。
そんなことしたって主人の方が単純に損こくだけなんだがねえ」
 
 デルフの言葉に、少し胸が痛む。一方的にクビだなんて言って部屋を追い出したのは
ルイズの方だけど、彼女は俺がいなくなって、使い魔無しのメイジになってしまったんだ。
もともと魔法も使えないのに。それこそゼロのルイズだ。
 
「っていうか、それくらいわかっててクビにしたんだよな?」
 急に不安になってきた。あいつのことだから、勢いで後先考えずに
俺を放り出した可能性も十分にある……いや、十中八九そうなんじゃなかろうか。
 
 そんな風に、ルイズの事を心配している自分が不思議だ。
 だって、ルイズは俺の事を完全に犬扱いしてて、人間じゃないなんて思っている。
 それなのに、俺がシエスタの所に泊まったという話を聞いて、いきなり俺をクビだと
言ってきた。なにそれ。無茶苦茶だ。俺を男として見てないくせに、俺が他の女の子と
何かしたら許さない。クビにまでしたってことは、使い魔失格だとすら思ったってことだ。
 
 俺はともかく、シエスタまで犬扱いするのは申し訳ないけど、例えば飼い犬が他の犬と
仲良くすることを禁じるか? わけがわからない。
 ―いや、待てよ。地球でも、”愛犬”を飼い主の都合で去勢したり避妊手術したりする。
その理屈でいくと、本気で許さないとか思ってることもあり得る……。
 恐ろしい想像に、腰の辺りが寒くなった。止めよう。考えるの止めよう。
 
 まぁとにかく、勝手にクビにしたルイズの方に明らかに非がある。
だから、俺があいつのことを心配して気に病む必要なんてないはずなのに。
 なのに、やっぱり気になる。こんなことしてていいのかなんて、思ってしまう。
 それって、つまり……。
 
 ぶんぶんと頭を振る。これだ。こんな事を考えてしまうから、俺はこの前、
シエスタの気持ちに応えるわけにはいかなかった。シエスタに好きだとは言えなかった。
 
 そのくせ、シエスタにあーんなことをされてしまって、拒めずにいたんだから……
最低だ。終わってる、俺。
 でも、シエスタの事を可愛いと思うし大事にしたいと思うのは事実なんだから仕方ない。
 しかも献身的だし、時々ものすごいえっちぃ雰囲気させてくるし。
 あれで拒めっていう方が無理です。そんな風に自分の中で言い訳してる俺はやっぱ駄目だ。

723:月の涙(前編) 3/8
07/06/25 23:47:14 d8Cj1pIC
 鬱思考のスパイラルに陥りかけたところで、窓の下に見える宿の前の道を、
小柄な人影が歩いている姿が目に入った。
 こんな夜ふけに子供が? と思ってよく見ると、その影は身長より大きな杖を持っている。
 
 タバサだ。キュルケの友達だけど、キュルケとは正反対の外見や性格で、
まるで中学生かそれ以下に見えるくらい小さく、無口で無表情な少女。
 隣の部屋でキュルケやシエスタと一緒に寝ているはずなのだが、扉が開く気配もなかった。
つまり、彼女はこっそり抜け出して一人でどこかへ行くつもりなのだということ。
 
 気になる。俺はシャツの上にパーカーを着ると、デルフを掴んで窓から飛び降りた。
 
「こんな時間にどこ行くんだ?」
 俺はルーンの力を借りて急いで走って、タバサに追いついて声をかけた。
 
 タバサは、静かに振り向いた。透き通るような青い髪と雪のように白い瞳、
眼鏡の奥の、宝石のようなこれまた青い瞳が月の光に照らされ、
神秘的と言っていい程の美しさを放っている。
 見た目が幼すぎるし顔を見て話したことがほとんど無かったから気にしていなかったけど、
ルイズに勝るとも劣らないくらい綺麗な女の子だ。
 その、精巧な人形のような整った顔の表情を崩すことなく、小さな口が僅かに開いた。
 
「宝探し」
 いたって簡潔な一言。面食らってしまう。
「宝探しって、一人でか? ここの宝を探すのは危ないんだろ?」
「シルフィードは連れて行かない。怪我させるわけにいかないから。
それに、この場合わたし一人の方が安全」
 
 タバサは、淡々と答えた。タバサの風竜に危険な事はさせないというのは
皆で決めたことだった。だから、それは守っている。
 そして、タバサがその外見とは裏腹に、明らかにギーシュ以上。もしかしたら
キュルケよりも魔法や戦闘に長けていることは今までの付き合いで知っていた。
 だから、足手まといになるかもしれない人間と一緒よりは、単独の方がいいという
冷静な判断を述べたつもりなんだろうけど……。
 
「明日の朝までには戻る。手紙も置いておいた」
 タバサは、必要なことは伝えたとばかりにくるりと俺に背を向ける。
 
 彼女の言葉はもっともだ。嘘はついていない。けど、どうして仲間の目を盗んでまで
『月の涙』を探しにいきたいのかがわからない。
 タバサは、キュルケの付き合いでこの宝探しに来たはずなのだ。今までの様子からも、
宝物だの金品だのに執着するタイプには思えない。
 具体的にどんなものなのかもはっきりしない、本当にあるかどうかもわからない『月の涙』が、
彼女にはどうしても必要なのだろうか。
 
 普段、何を考えているのかわからないタバサ。その彼女が、どうしても必要としているもの。
勝手な独断専行をしてもやらなければならないと思っていること。それが、気になった。
 
「待った」
 呼び止めると、タバサは半身で振り向いて杖を軽く構えた。
これ以上無理に引き留めたら、魔法で眠らされたり気絶させられたりしてしまうかもしれない。
あくまでも静かなたたずまいに、そんな迫力が感じ取れる。
 
「ちょ、魔法は簡便な。……俺も一緒に行くから」
 タバサは、僅かに目を細めた。ほんの少しだけど、今日、初めての動揺らしい変化。
「わたし一人でいい」
「いや、君がよくても俺はそうはいかない。タバサが一人で手柄をとっちゃったら、
俺の分け前が減るだろ?」
 冗談めかして笑いながら、そう言う。まるっきりの嘘ではないけど、本気でもない。
 タバサは、その言葉の裏の、俺の気持ちを読み取れたようだった。

724:月の涙(前編) 4/8
07/06/25 23:47:56 d8Cj1pIC
「それとも、邪魔か? そうでないのに一人で行きたいっていうなら、
今すぐ宿に戻ってみんなにこのこと伝えるぞ」
 
 だめ押しの脅し。タバサは俺の顔と、俺が手に持ったデルフリンガーを交互に見てから、
小さく息をついて、「ついてきて」とだけ言った。
 
 
 夜の山道を30分ほど歩き、問題の谷にやってきた。
 夕闇の中、やや開けた山道が突然途切れ、大地が突如割り開かれたかのような
切り立った崖がぱっくりと口を開けている。
 反対岸までは約100メートルほどの距離。深さは……底は河になっているらしいのだが
ほとんど見えず、目算もつかない。
 
 ディアマン渓谷。ここへ来るまでに、タバサからこの谷のことについて説明を受けた。
 ハルケギニアでも指折りの深さの谷であり、この谷の底を流れる河は、
ガリア国内の山中を源流として国境を越えトリステインを縦断し、海まで続いているらしい。
 
 そして、この谷の岸壁には、ルフ鳥という怪鳥が巣を作り、生息している。
 ルフ鳥は翼を開いた状態で差し渡し20メートルはある巨大な怪鳥で、その巨体に似合わない
機敏な動きで空を舞う。鋭いクチバシや爪は筋力と相まって一撃の元に人間に致命傷を与え、
しかもそんじょそこらのメイジを軽く凌駕する威力で風を操るというのだ。
 
 さらに、そのルフ鳥がなぜこんな谷にいるのかというと、繁殖のシーズンだかららしい。
 岸壁に作った巣の中に卵を産み、雌が温める。その間、つがいの雄は自らの縄張りを外敵から
守りつつ、巣で待つ雌のために餌をとってくる。肉食であり、時には人間をも狩りの対象にする。
 ルフ鳥はこの時期、もっとも警戒心が強く、縄張りを侵す他者に敏感で、獰猛になるらしい。
 そんなルフ鳥が、各々のつがい同士で縄張りがかち合わないよう、一定の距離を置きつつ
この谷の岸壁に満遍なく、多数で巣を作っている。その巣ひとつごとに、縄張りを守る雄がいる。
 
「……っていうか、止した方がいいんじゃないの?」
 ルフ鳥がいかに脅威であるかということと、この谷に踏み込むことがいかに
危険であるかということを淡々と説明するタバサに、俺は引きつった苦笑いを向けた。
 
 この谷の底まで降りて宝を探すとか、無謀にも程がある。
 ルフ鳥が怖いのは繁殖のシーズンに限るのだから、せめて何ヶ月か待ってからまた来るとか、
そういう手段をとればいいのに。俺がタバサにそう言うと、
 
「得られた情報から推察すると、『月の涙』は入手できる時期が限られる。
ルフ鳥が危険である時期にしか手に入らないからこそ、その実体に関する情報が得られなかった」
 そんな答えが返ってきた。夕べ、みんなで集めた情報をまとめた時には、
タバサはそんなことは言わなかった。言うべきでないことは隠していたということだ。
 
「ってことは、要するに『月の涙』を探しに来た人間がことごとくルフ鳥の餌食になったから、
誰も『月の涙』について詳しいことは知らないっていうことだろ?」
「そうなる」
 こともなげに答えるタバサ。もう呆れるしかない。
 
「悪いことは言わないから帰ろうぜ」
「あなたは帰ってもいい」
 無駄だろうなぁと知りつつ言うと、やっぱりタバサは簡潔に言い返してきた。
俺が帰っても、予定通り一人でこの谷に挑むつもりだ。
 
「あー、嘘嘘。俺も行くってば。で、どうすんの? いきなり飛び降りるわけじゃないだろ?」
「作戦を説明する」
 タバサは俺の方を向いて口を開いた。

725:月の涙(前編) 5/8
07/06/25 23:48:37 d8Cj1pIC
 危険な魔獣がいる地域に足を踏み入れる場合、身を守る手段は大きく分けて二つある。
 ひとつは魔獣に出会っても倒すもしくは逃げること。もうひとつは、魔獣との遭遇を避けること。
 
 ここでは、後者の手段をとる。平地で出会っても危険であるルフ鳥と、足場が悪い所で
対峙するのは死と同義に近い。ならば、戦闘そのものを避けるのが得策だというのだ。
 シルフィードを使わないのと少人数で来たのは、後者の手段をとるからでもあるらしい。
 風竜が谷の中に入ったら、まず間違いなくルフ鳥に察知され、集団で襲われる。
多人数でぞろぞろ来ても同じ。気取られる可能性が上がるだけ。
 
 そして、『フライ』もしくは『レビテーション』を使って谷底に降りるのも危険らしい。
 ルフ鳥は特に魔法による大気の乱れに敏感であり、さらにメイジは脅威のある外敵であると
認識しているため、察知されやすい。
 一気に谷底まで飛び降りてしまうことも不可能ではないが、そうするとルフ鳥は
『メイジが縄張り内に進入した』ことに気付いてしまうため、帰りがとてつもなく危険になる。
 だから、ここで取るべき作戦は、極めて微弱な魔法で自分達の匂いや物音を遮断した上で、
慎重に岸壁を降りるというものらしかった。
 
「わかった?」
「あ、ああ……」
 全てを説明し終わったタバサに、俺は少々たじろぐ。この谷に来るまでの道中での説明も
含めて、タバサは要点をふまえたわかりやすい解説を、すらすらと俺に対して行った。
 普段ほとんど喋らないから、他人と話すのが苦手なのだと思っていたけど、全くそんなことはない。
むしろ、焦るとわけのわからない事を言い始めるルイズなんかよりよっぽど口が達者だ。
 この少女は、喋れないわけではなく、喋らないだけ。
 なぜだろう。こんな時なのに、目の前の女の子の内面が気になってしまった。
 
「じゃあ、ここから降りる。言ったとおり、先をお願い。……協力してくれる以上、頼りにする」
 あらかじめ岸壁の様子を見て選んだ、降りやすそうな場所を指してタバサは言う。
 さすがのこの少女もロッククライミングの技術は無いらしく、ガンダールヴの力で
身が軽くなっている俺が先に岸壁を下り、安全ならばタバサを呼ぶという手はずに決まった。
 
 頷いて返すと、タバサは小さく呪文を呟いて杖を振った。体感的にはよくわからないが、
これで匂いや気配が遮断されたらしい。それでもなるべく物音を立てないように崖に近付き、
俺は谷底へと降り始めた。
 
 慎重にルートを吟味し、そろそろと崖を降りていく。
 なかなか先へ進めない。岸壁はわりとデコボコしており、手や足をかけられる場所も多ため
俺一人ならばするすると岸壁を降りていけるのだが、俺は『タバサが後をついてこれるルート』
を探しつつそこを降りなければならない。
 
 少し進んでは手振りでタバサを呼ぶ。彼女が降りるのは厳しそうな場所では、手を貸す。
そんなことをしながらなので、まるでイモムシが壁を降りていくようなじれったさだ。
 でも、タバサの表情は真剣そのもの。小さな体や細い手足で、懸命に俺の後をついてくる。
仮にミスして落下しても、メイジの彼女なら墜落することはない。けれど、それはほぼ間違いなく
ルフ鳥に見つかるということになり、命の危険に繋がる。
 
 けれど、彼女の姿は、命を賭けているからというだけではなく。いや、それよりもっと大きい、
使命感のようなものが与えられて必死になっているように見えた。
 
 そもそもタバサがここへ来たのは、どうしても『月の涙』が欲しいから。
その理由は聞いても答えてくれなかったけど、ただ事ではない事情があるのだろう。
 
 言えないなら、聞かない。だって、この少女はアルビオンへの任務のとき、こちらが頼まなくても
俺やルイズを助けてくれた。ほとんど話もしておらず、お互いの事をまるで知らないのに。
 だから、その恩返しをするのなら、俺の方も理由に問わず彼女を助けるべきなのだと思う。

726:月の涙(前編) 6/8
07/06/25 23:49:24 d8Cj1pIC
 まぁ、そんな理屈つけなくても、ほっとけるわけないけどな。本当に、まるで子供みたいな外見の
タバサを見ていると、恩返しとかそれ以前の問題だと気付く。いくら魔法が得意だからとはいえ、
こんな小さい子が危ないことしようとしてるのに放っておけるわけがない。
 
 視線に気付いて、タバサは俺と目を合わせた。その額には、今までに見たことがない
汗が光っている。岩肌を掴む手も震えている。体力的にそろそろ厳しい感じだ。
 
 俺は、あらかじめあたりを付けていた大きめの足場まで移動し、岸壁に背中を預ける。
その状態でタバサに手を伸ばした。タバサは俺の意図を理解したのか、多少無理のある体勢から
その手を掴む。俺はタバサの小さな体を引き、抱き留めた。
 
「ふぅ、ふぅ、はぁ……」
 いつも涼しい顔をしているタバサだが、さすがに息が乱れている。疲労だけでなく、握力なども
限界に近かったようだ。やはりどんなに魔法が得意でも……いや、魔法が得意だからこそ?
体力面では年相応の少女と変わらない。
 
「……ありがとう」
 タバサは俺の胸に体を預けながら、小さく呟いた。
「声、出しても大丈夫なのか?」
「これくらいなら遮断できている」
 小声で聞くと、タバサはそう返した。どうやら、ちょっとした相談なら可能なようだ。
 
 顔を上げて今まで降りてきた分を再確認する。約20メートル。この距離なら例え敵に見つかっても
タバサの魔法で飛び上がれば逃げ切れるかもしれない。
 けれど、降りれば降りるほど、逃げるという手段がとりにくくなる。本番はこれからだ。
 
「タバサ、俺がお前を背負って降りるっていうのはどうだ? その方が早いと思うけど」
「それも考えたけど、敵に見つかった時に行動が制限される」
「けど、どっちにしろ見つかったら危険なんだろ? だったらなるべく早い方が……」
 
 そこまで会話した時、頭上で嫌な気配がした。咄嗟に見上げると、降りる途中に手をかけた
岩が、岸壁から剥がれて落っこちてくる光景が目に飛び込む。
 
「まず……!」
 当たったら怪我じゃ済まない大きさだ。俺一人だったら避けられる。
けど、足場が悪い上に今はタバサを抱えている。
デルフで防ぐか? しかし、弾いた岩がタバサにぶつかる可能性も―!!
 
 俺が一瞬迷ってしまった間に、タバサが杖を振った。頭上で岩が止まり、俺たちを避けるように
空中を移動してから、再び谷底に落下した。咄嗟に『レビテーション』を唱えてくれたのだろう。
 
 でも、これは。腕の中のタバサを見下ろすと、僅かに顔を歪ませて唇を噛んでいた。
「……今の一瞬、匂いや物音の遮断が途切れた」
「だよな……」
 ふたつ同時に魔法は使えない。だから、「気配を消しながらレビテーションで降りる」
といったことができないのだ。けれど、今の一瞬、タバサはレビテーションを使うために気配の遮断を
解かなければならなかった。もしその一瞬をルフ鳥が気取ることができたとしたら……。
 
 そう時間を置かずに、風を切る大きな羽音が聞こえてきて、タバサの体が強ばるのがわかった。
やっぱり、見つかってしまったらしい。あの一瞬で。とんでもない魔獣だ。
 月の光だけが照らす闇の中に、一層黒い影が現れた。シルエットは鳥のそれだけど、
遠近感が狂ったのじゃないかと思えてしまう。それくらいでかい。っていうか、でかすぎ。
 
「嘘だろ!?」
 冗談じゃ済まない状況なのに、思わず口元が引きつる。
「相棒! メイジの娘の補佐に回れ!!」
 俺が呆然としている間に、デルフが叫んだ。いつになくマジな声。相当やばいってことをこいつも
わかってるってことだ。その声に、はっとして頭の中を切り替える。

727:月の涙(前編) 7/8
07/06/25 23:50:09 d8Cj1pIC
「抑えてて」
 タバサは体をルフ鳥の方へ向け、杖を構え詠唱に入る。俺はその体を
後ろから片手で抱き留めた。
呪文が完成する前に、ルフ鳥の影が俺たちから距離を取り、翼を大きく広げ―。
 
 次の瞬間、猛烈な風圧が俺たちを襲った。意志と関係なく足場から足が浮き上がりかける。
風で空中に投げ出してからクチバシや爪でトドメをさすつもりらしい。
俺は、その突風から逃げるようにタバサを抱えたまま岸壁を駆け上がり、
数メートル上の足場まで移動した。
 
 そこで詠唱が完了したらしい。タバサが杖を持っていない方の手で俺の手を小さく叩く。
 俺がタバサを抱いていた手を緩めると、タバサは岸壁を蹴って中空に身を躍らせ、
十本近い氷の矢―ウィンディ・アイシクルといったか―をルフ鳥めがけて放った。
 
 巨大なぶん的も大きいはずのルフ鳥だったが、その矢の動きが完全に
予測できているかのように、軽やかに氷の刃をかわす。
 避けた所にもう一本、それをかわした死角にもう一本。
先の先を読んで放たれたタバサの攻撃呪文が、全て紙一重で回避されてしまった。
 
「ちっ、風をモノにしている魔獣相手に、風のメイジが挑むのは少々厳しいな」
 デルフが舌打ち(どこが舌なのかは謎だが)する。空中で魔法を放ったタバサは『フライ』を唱え、
今俺がいる足場の数メートル下、ついさっきまで俺たちがいた足場に着地した。
 ルフ鳥は、タバサが手練れであることを察したのか、ある程度距離をとってホバリングしながら
こちらの様子を伺っている。下手に動いたら、また突風をお見舞いしてくるだろう。
 
「あなたは崖の上まで逃げて」
 タバサが呟いた。焦りの色が混じった声。俺を逃がしてルフ鳥を食い止めるつもりだ。
「んなことできるわけないだろ!」
「どうして」
 その言葉に、カッとなる。さっきの呪文だって、俺が抱えて逃げなければ
タバサは風に叩きつけられて詠唱が完成しなかった。つまり、一人じゃ負けてたということ。
 そんな敵を相手にこんな所に放置していくってことは……タバサを見捨てるってことだ。
 
「どうしてもこうしてもあるか!」
 崖を再び駆け下り、タバサを小脇に抱える。逃げるならこいつと一緒にだ。
 
「……そのまま登って」
 タバサの言葉と同時に、体がふわりと軽くなった。ルフ鳥を魔法で牽制することは諦め、
自分の体ごと俺にレビテーションをかけたらしい。これにガンダールヴの力を足せば、
フライで上がるよりも速くなるということらしい。
 
「よしっ!」
 そのまま、多少足を踏み外しても浮遊でどうにかなることを想定に入れ、崖を駆け上がる。
ルフ鳥の放つ暴風を右へ左へ飛ばされつつどうにかいなす。あと5メートル足らず。
崖の上にさえ登ってしまえば、あとは林に飛び込むなりなんなり、どうとでもなる―!!

728:月の涙(前編) 8/8
07/06/25 23:50:51 d8Cj1pIC
 だが、もう少しで崖の縁に手が届くという所で、ガクンと体が重くなった。それと同時に、
タバサの押し殺したうめき声。タバサが、杖を手から放したのだった。
 なぜ、と思う前に、俺の顔を掠めて何かが岩肌に突き刺さった。
 黒い、大きな羽。こんなものが人間の肌に刺さったら、レイピアで突かれるのと変わらない。
ルフ鳥が攻撃手段として放ったものらしい。これがタバサの手かどこかを傷つけたのか。
 タバサが取り落とした杖は、ルフ鳥の起こした風に吹き上げられ、崖の上まで飛ばされていった。
 
 『レビテーション』の効果が無くなっただけなら。それを前もって知っていれば、まだ何とかなる。
 しかし、レビテーションによる浮遊を考えにいれた上で崖を登っていた俺は
その時足をかける場所を用意しておらず、岸壁から引きはがされた。
 落ちる。このままだと、岩に叩きつけられながら落下し、その途中でルフ鳥の餌食にされる。
 
 まずい、まずい、まずい。風景がスローモーションになったように見える。
俺は、落ちるわけにはいかないという瞬時の意識からデルフを岩肌に……。
「止せ! 刺すな相棒!!」
 突き刺し、そこにぶら下がった。
 
 だが、それを行うか行わないうちに聞こえたデルフの声が正解だったことにすぐ気付く。
 片手はタバサを抱えているので塞がり、もう片手は壁に突き刺さったデルフを握っている状態。
 その状態で、ルフ鳥は巨大な鋭いクチバシを構え、俺のデルフを握った手へ突っ込んできた。
 
 このままでいたら、腕をずたずたにされた上で落下する。
 手を放しても、もちろん落下する。
 手詰まり。俺の頭の中を絶望の二文字が埋め尽くす。
 
 俺は、デルフを握っていた手を放し、岸壁を蹴って跳んだ。もう、落ちるしかない。
だったら岸壁の岩にぶつかることはない距離まで跳ぶ。
 空中に投げ出された俺とタバサをめがけ、ルフ鳥が方向転換する。勝負はこの一瞬。
ただ落下したのだったら、途中でこの鳥畜生に捕まる。だから、それを避けるなら今しかない。
 
 ガンダールヴの力は、得物を手から放したからといってすぐさま消えるわけじゃない。
 まだ力の余韻が残っているうちに襲ってきてくれて助かった。俺は空中で身を捻り、
クチバシを大きく開いたルフ鳥の眉間めがけて、渾身の力でかかと蹴りを叩き込んだ。
 
「ギアアアァァァァァァァーーーッ!!!」
 
 ルフ鳥は耳をつんざくような悲鳴を上げ、身をよじらせた。
 高速で突っ込んできた相手へのカウンターになったため、ダメージは大きいはず。
後は、”俺たちが墜落するまでの間”、このバケモノが回復しないことを祈るしかない。
 
「サイトっ……」
「黙ってろ!」
 タバサの細い体を抱きしめ、小さな頭を抱える。魔法による浮遊もガンダールヴによる力も
失った俺の目に、ぐんぐん近付いてくる谷底がうつった。
 この高さから落ちたら、例え水の上でも痛いんだろうなぁなどと心配した直後、
俺とタバサは大きな水しぶきを上げて深い川の中へと沈んだ。
 
 
 つづく

729:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/06/25 23:52:19 d8Cj1pIC
後編に続きます。タバサとほとんどいちゃついてなくてすみません。
後編にはあります。では。

730:名無しさん@ピンキー
07/06/25 23:58:25 Be1GWC7i
>>729
GJ!
いいオリ設定です。

731:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:18:01 MMbyF09U
>>729
エロパロで手に汗にぎるとは思わなかったぜ!!続きwktk!

732:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:26:10 pTdnWDSM
>>729
この夜更けにソフトMさんが来てようとは……続きwktk!

733:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:31:37 hh0ACIee
>>729
いや凄い!ほんとGJ!!続き楽しみにしております

734:名無しさん@ピンキー
07/06/26 02:12:43 ET+EWFs7
>729
GJです!
タバサがここで来るとはね~
タバサファンとしては待ってた展開ですよ、ほんと
後編ではぜひともいちゃついてください^^
谷底に落ちるシ-ンは読んでてカリオストロを思い出しましたね

735:名無しさん@ピンキー
07/06/26 08:28:48 lEiG7mnO
本当にここエロパロか?w
って思うくらい手に汗握る展開でした。続期に期待!

736:名無しさん@ピンキー
07/06/26 11:14:43 PZLMWpiG
最近、理想郷のその他にあるゼロの使い魔のSSが熱い!!!

737:名無しさん@ピンキー
07/06/26 11:26:20 1N3AjHzx
宣伝必死だなおい

738:名無しさん@ピンキー
07/06/26 11:30:40 62lqMIBx
宣伝乙
最近余所のSSの話する奴多過ぎ

739:名無しさん@ピンキー
07/06/26 12:31:17 Z+DX72qE
>729
乙です
いちゃついてないなんて無問題! 
前編でこんだけ熱い話が読めただけで充分です
後編も期待してますよ


740:名無しさん@ピンキー
07/06/26 12:39:24 Tcr3VvrC
原作を読んでると裏の事情がわかる仕掛けが面白いなぁ。
今後どうリンクしてくのか楽しみ。GJだぜ!

741:名無しさん@ピンキー
07/06/26 18:59:40 uIiXvBI6
>>735と全く同じ事を書こうとしてたw
Soft-MさんGJ!!

742:名無しさん@ピンキー
07/06/26 19:17:42 cyTIiUu7
>>738
同意。

スターウォーズ厨も紛れてるみたいだしな。

743:名無しさん@ピンキー
07/06/26 19:34:15 v4JAJtpM
これほど熱いSSの直後にこんな事を言い出すのは凄まじく空気読めてない事は理解している。
……が、敢えて言おう。

はじめてのゼロSS、投稿してもよろしいでしょうか? orz 土下座
ちなみに内容はシリアスでツン(ヤン?)デレ、主役は某お姫様です……。

(ココはsage進行でOKなんですよね?)

744:名無しさん@ピンキー
07/06/26 19:37:24 imUZhWou
空気読めてないと自分で分かってるならどうして読もうとする努力をしないのか
誘い受けはいいから早く投下汁

745:壊れた人形1
07/06/26 19:47:16 v4JAJtpM
「は? 死んだ……?」

 ――何故驚いている?
 そう問いかけたくなるほど、自分の発したその声は動揺に満ちていた。

「あの人形が?」

 ……いや、違う。
 わたしが本当に自身へと問いかけたいのは、震えの大きさではない。
 わたしが――このガリア王国正当後継者である、このイザベラが、その結果に動揺したという事実。

 斯くあるべき通りに表れたはずの結果を、斯くあるべき通りに受け取れなかったという、その事実だ。

「ひっく…………はい……」

「わたしを謀(たばか)るつもりなら、死さえ生ぬるく感じる責め苦を罰とする」

「ぇ……?」

「そうだね……この間、東の商人に聞いたやつでもいいね。何でも、東にはダルマって言う手足のない人形があるんだってさ。その名を取った罰らしいけど……ククク、お前もそうやって人形になってみるかい?」

「ひっ!? ち、違います! 嘘ではありません! 確かにシャルロットさま――あ…い、いえ、七号さまは殉死なされたと!!」

 侍女が涙ながらに訴えてくる、この報告。
 その真偽なんて、疑うまでもなく判っている。

 こいつは、あの人形の信者だ。
 アイツが死んだなんてそんな事、冗談でだって言えやしない。
 むしろ、その罰を受け入れる事で今の報告の内容を無かった事に出来るなら、こいつは喜んでその四肢を差し出すだろう。
 アイツへの忠義心だけは、こいつのことを信用している。

 だから、この事実は真偽の《真》。
 疑う余地さえ無かったはずだ。
 ……なのにどうして。

 ――わたしはそこに、《偽》を持ち込んだのか……。

「ふぅん……どうやら嘘じゃないみたいだねぇ。…………そう。とうとう死んだんだ? あの人形」

 その言葉は確認でもなければ、事実を認める為のものでもなかった。
 ただ、行為として、受けた報告を復唱しただけ。
 唇から零れ落ちたその言葉はそのまま、胸(うち)に収まらなかったという結果の表れだ。

 それは分かっている。
 だからこそ、それが解らない。

「まぁ、今回は如何にあの人形と言っても、相手が悪かったからねぇ……。ははっ」

 そう。今回の相手は……相手として最悪だった。
 吸血鬼? エルフ? 何それ?
 ――それくらいに。


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