キモ姉&キモウト小説を書こう!Part2at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part2 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/05/23 05:00:25 xqSvQQsf
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありませ

3:名無しさん@ピンキー
07/05/23 05:01:46 xqSvQQsf
■誘導用スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その35
スレリンク(eroparo板)
ヤンデレの小説を書こう!Part6
スレリンク(eroparo板)
いもうと大好きスレッド! Part3
スレリンク(eroparo板)
お姉さん大好き PART4
スレリンク(eroparo板)

4:名無しさん@ピンキー
07/05/23 05:37:31 JhX6bGiB
bbspinkGUIDELINE

6. 連続投稿・重複
重複スレッド
同じ事象・人物に関するスレッドは、個々に多少の違いがあっても原則的に削除対象となります。
その場合、立てられた時期・時間、1に書かれている内容、レスがどれだけついているか、という優先順位で総合的に判断します。
客観的な判断が難しい時は、利用者同士の話し合いを待つか、立てられた時間の遅いものを停止処置をすることとします。
同一掲示板内ではない、重複スレッドは、内容にほぼ変化のない場合は悪質なマルチポストと判断し、板の趣旨に合った真面目な議論が続いた場合を除き、全てを削除対象とします。

乱立スレッド
内容にほぼ変化のないもの、内容が無意味なもの、などの乱立は全て削除対象とします。

誘導
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その35
スレリンク(eroparo板)

5:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:53:40 jdxCQ90N
>>1
おつ

6:名無しさん@ピンキー
07/05/23 09:13:11 BbA46mk2
>>1

7:変名おじさん ◆lnx8.6adM2
07/05/23 10:15:45 6qSuThE3
前スレ859・860の続き行きます。
これも客観的にはキモウトなのか。

8:水木さんちの朝御飯 ◆lnx8.6adM2
07/05/23 10:17:25 6qSuThE3

階段を下りて行くと、美味そうな匂いが鼻腔をくすぐる。
妹の作った朝食だろう。
作った本人はオレの朝の平穏と唇を奪って逃走しやがったが、
既に十分口はゆすいだ後だし、オレとて鬼ではない。
作られた料理自体に罪は無いのだから、キチンと頂く積もりだ。
食わないと、妹がびーびー泣くしな。

とんとんとリズミカルに一階へ着き、居間へ向かう。
ちゃぶ台の上には白米や味噌汁の入った椀にアジの開きや漬物の乗った皿が置かれ、
既に準備万端用意完了でオレを出迎えている。
兄のオレも朝の早さだけは妹に頭が上がらず、皿さえ運ばれた後で起こされるのが常だ。

「えへへ。お兄ちゃん、改めておはようございまぁす。
 はい、お水ー」

その妹は制服にエプロンと言う出で立ちで水入りのコップを運んできた。
受け取り、一息に飲み干してからちゃぶ台の前にどっかりと座る。
空のコップに手を伸ばした妹は一旦引っ込み、コップに水を注いで持ってきた。
逆の手には、牛乳のパックを握っている。
オレの対面に座り、くぴくぴと飲み始めた。

「お前、まだ体型を気にしてるんだな。もうその年じゃ無理なんだから諦めろ」

身長と胸。
まあ、大抵の女性が通る悩みだ。
妹も生物学上はホモサピエンスのメスである。

「むぅ、そんなことないもーん。諦めない限り可能性はあるの。
 絶対ナイスなバディーになってぇ、お兄ちゃんを誘惑するんだから」

何故かここで無い胸を張る妹。

「まあいいけどな。ただ、朝っぱらから冷えた牛乳は腹に良くないぞ」

「火風、子供じゃないもーん。お腹も強いしぃ、安産間違いなし!」

いや、子供だろ。間違いなく。

「へいへい・・・・・・っと、今日の漬物美味いな」

「火風が愛情をこめて漬けたんだから当たり前ー。でも、お兄ちゃんにそう言われると嬉しい。
 ねえお兄ちゃん、頭なでてなでてー」

普通は子供しかそんな要求しないんだがな。
取り合えず、美味い飯の礼に撫でてやる。

「わっわっ!? お兄ちゃーん、激しいよー!」

確かに利き腕じゃないしちょっとぞんざいな撫で方だったが、何と言うかもうちょっと語彙を選べ。
ほんの少し優しく撫でてやってから、さっさと手を引っ込める。

「ありがとー」

にへら、と緩んだ笑顔を返された。
幸せと言うか、安いと言うか。我が妹ながら単純だ。

「しっかし、やっぱ自家製か。これ」

漬物を箸で摘み上げる。

9:水木さんちの朝御飯 ◆lnx8.6adM2
07/05/23 10:18:40 6qSuThE3
「そうだけどー?」

「相変わらず手が込んでんのな。お前も、まあオレが言えた義理じゃないが毎日大変じゃないか?
 三食手作りってのは」

何せオレよりずっと早く起きて、朝食どころか昼の弁当まで作っているのである。
兄妹二人分、きっちりと。
・・・いかん。オレがダメ人間に思えてきた。

「そりゃいきなり全部に手を抜かれても困るけど・・・別にいいんだぞ?
 朝くらい適当で。わざわざオレと一緒に登校するために待たなくてもいいし。
 朝飯なんざ、途中のコンビニでパンでも──」

「それはダメー!
 お兄ちゃんは火風の炊いた御飯を食べて、火風の作ったお味噌汁を飲んでから火風と腕を組んで学校に行くのー!」

唐突に、可愛らしく声を荒げるという神業をして見せる妹。
手足をばたばたさせながら喚く。行儀が悪いこと甚だしい。

「行くの行くの行くの行くのったら行くのー!
 お兄ちゃんがどこかに行くのも誰かの作ったごはん食べたるのもついでにエッチな本を買うのも全部ダメー。
 ダメったらダメったらダメったらダメだもーん!」

これがオママゴトに興じる年の妹なら可愛いんだがな。
それとさりげなく不穏当なことを言うな。

「はぁ・・・はいはい、分かったよ。けど、毎朝ありがとうな。最後のは余計だけど」

「んー。分かればいいの。でもでもぉ、やっぱりエッチな本はダメー」

箸と茶碗を持った両手で×の字。
しつこいぞ、妹よ。お兄さんはそんなことしません。
エロ本とは、
クラスに一人は居るエロい奴が厳選したコレクションを借り受けるのが最も効率的なのだ。
証拠は残らず、いざという時にそいつの趣味や付き合いということに出来るからな。

「あ、お兄ちゃんの目がいやらしいんだー。火風、妊娠しちゃう」

「ったく。馬鹿なこと言ってないで、もう片付けるぞ。
 オレの寝坊のせいだが・・・余り時間がないからな」

この手の話は引き摺らせたら終わりだ。
早々に切り上げるが勝ち。
実際、いつもの時間を若干過ぎているし、空にした食器を持って立ち上がる。

「待ってー。火風も終わりー」

体型そのままに低燃費な妹も続いた。
食器は軽く流した後に水に浸けておく。洗うのは夕方だ。

「じゃあ、上行って着替えてくるから待っててくれ」

「はーい」

起床してすぐの飯なので着替えもまだだ。起き抜けにアレだし。
対する妹は着替えは済ませていたし、既に学生鞄も持って準備完了。


10:水木さんちの朝御飯 ◆lnx8.6adM2
07/05/23 10:19:45 6qSuThE3

「あ、お兄ちゃーん」

なので部屋に戻るべく妹に背を向けた処で、声がかかる。
反転。

「何だ?」

「うん。あれー」

言われ、妹の指先を追って目を向ける。
が、そこにはさっき切ったばかりのテレビが黒い画面を晒して鎮座するだけ。

「えへへ」

悪戯に成功した子供のような妹の笑い声。
酸欠の覚醒が脳裏にフラッシュバックする。
嫌な予感に振り向いたのがまずかった。

「ちょっと早いけどぉ。行ってらっしゃいのちゅー!」

唇に湿った温もり。
不覚にも柔らかく思えるそれは、年頃の男にとってはどんな料理にも勝るご馳走な訳で。



起き抜けに続く連戦連敗の結果は、何故か苦さでも朝食でもなく甘い牛乳の味がした。


11:変名じさん ◆lnx8.6adM2
07/05/23 10:23:21 6qSuThE3
投下終了。
しかしキモウトを書いている気がしないw
そしてその割には執筆時間がバットエンドの半分と言うハイペース。

次回 水木さんちの通学路
でキモウトらしい独占欲を書けるかどうか。

12:名無しさん@ピンキー
07/05/23 11:25:53 Hgy7D1/n
>>11
GJ!!!

13:名無しさん@ピンキー
07/05/23 11:43:47 CM+9obmg
考えてみると、今まで萌えロリ系のキモウトって出てこなかったしな、先が気になるな。
ただ現状キモ部が緩和されちまってる感じだから、次の通学路というのでどれだけキモくなるかで明暗別れるか。

14:名無しさん@ピンキー
07/05/23 11:58:47 +Qnaobla
キモイのに萌える、ってのはなかなか難しいよなぁ。
ことりんさとりんの話や、綾タンの話とか、ディープなタイトルは、
キモイというよりも怖いって感じだし。
イマイチ、ここでいうキモイっていうのがよく解かってない俺。

15:名無しさん@ピンキー
07/05/23 13:27:54 +wqtCFlE
マリ見てみたいな、姉×キモウトなのとかないもんかね?

16:名無しさん@ピンキー
07/05/23 14:37:48 Ji20lmpo
百合板に池

17:名無し@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:45:05 +eAx1AOK
投下します。
妹姫続きです。

18:妹姫 ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:46:39 +eAx1AOK
城内に戻ると清治は一度叔父に事の次第を報告した
「ご苦労だったな。清治。あれにとってもいい思い出になったろう。」
「兄らしいことをしてやりたかったので、認めてくださったことには感謝しております。」
「負ければそのようなこともできぬからな。」
「今回は勝ちます。」
「だが、死なぬとは限るまい。」
「その為に生き延びる方策を考えておるのです。戦争は運ではやりませぬ。
生きてやることも多いのでおちおち死ぬことも出来ませぬな。
さて、そろそろ休みます。叔父上、ではまた明日。」


清治は城の客間を一室借り、そちらで休むことにした。酒を貰いうけ、
窓から見える月を見ながら物思いに耽っている。
彼とて初陣である。どれほど準備し、勝つ算段を整えても戦への恐怖と
緊張は取れない。兵力は相手が上、策が失敗して悪くすれば負けるかもしれない…。

「兄上様。よろしいですか?」

そんな時、舞姫が夜着で部屋を訪れてきた。夜の月明かりと蝋燭でうっすらと
照らされた彼女は、生来の美しさとあわさって幻想的な雰囲気を醸し出している。
思わず清治も見とれてしまった。

「このような時間に男の部屋にくるもんじゃない。」
「兄上様ですから構わないでしょう。お話が聞きたいのです。私と一緒でない
 十余年の間のことを…。兄上様のことを全て知りたい。」

舞姫は清治の体に自らの体をぴたりとあわせる。彼女に自分の飲んでいた杯を
進めつつ、自らは徳利でゆっくりと飲む。
清治は舞姫の体の温かさを感じながら話し始めた。戦を思っての緊張と恐怖は
気づかないうちに既に溶かされていた。


19:妹姫 ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:49:28 +eAx1AOK
「ゆっくり飲むんだぞ。さて、何から話せばいいやら。」
「子供のころから順番に…。」
目を瞑って子供の頃からの記憶を思い起こしていく。

「最初は荒れたな。城から出され、舞と別れ、誰も知らない寺へと預けられて。
 手のつけられない悪がきだった。」
「兄上様が?」
「ああ。だが智水上人は辛抱強く諭した。まあ、寺をこっそり抜け出して
 遊びまわったりはしたが悪いことはしなくなった。そしてそこで、
 国を治める術、戦争に勝つ術…様々なことを教わった。」

子供の頃からの思い出をゆっくりと話していく。舞姫はそんな彼の穏やかな
顔を見ながら自分も同じことをしてきたような不思議な気分を味わっていた。

「芳之助とであったのは三年ほど前だ。その頃のあいつは鋭い刃物のような、
触れれば切れる…そんな冷徹な剣客だった。」
「あの優しそうな芳之助様が?」
「ああ。その頃のあいつは仇を討つことしか頭に無かった。ただ奴は馬鹿ではない。
何十人という相手を一人で相手にすることの愚かしさは理解していた。」
清治は話しながらその頃を思い出していた…。冷たい目、目標を貫徹するため
だけに生きる強い意志。そして…

「その仇討ちに知恵を出して協力をした。そして、あいつの仇討ちは終った。
 問題はそこからだった。目的を果たした芳之助は抜け殻になった。」
「え…?」
「人は目的が無ければ生きてはいけない。あいつを気に入っていたから辛かったよ。」
「想像が出来ませぬ…あのような楽しそうに笑うお方が…」
「だから新しい目的を持ってもらった。自分たちをずっと友人と思うことと、
自分の心の赴くままに生きることと…別れてからも考えてあいつなりに考えて
立ち直ったんだろうな。」

妹には話せないこともある。仇討ちでどれほど卑怯な手段を使ったか。
壊れた芳之助を助けるためにどんなことをしたか。どんな暗い事でも大事な思い出
だったが、妹には綺麗なことだけを知っていて欲しかった。


20:妹姫 ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:50:18 +eAx1AOK
「同じく三年ほど前に、先穂之国の才女と名が高い、重臣九条春尚の娘、雪と
 出会った。国内では叔父上の跡継ぎの問題が話し合われていたらしく、
彼女は父の命で自分の人物を見に来ていたそうだ。これは後で聞いたのだが。」
「雪殿はどんな方ですか?」
舞姫のうちに、芳之助の話を聞いてきたときには沸かなかった強い不快感と、
暗く燃え滾るような嫉妬が燃え上がった。兄の口から初めて聞く芳之助以外の
女性の名前…。
「二つ上と言っていたな。美人だが容姿は子供に見える…そうだな、容姿は舞の
 方がみんな美しいというだろう。だが、彼女は頭が切れる。」
「この国一の才女…。」
「ああ。あれは嘘ではない。男として生まれていれば自分が国主になったとき
 さぞかし楽が出来たろうに。…彼女は寺に二年間滞在し、共に智水上人から
 様々なことを学んだ。机を並べてな。あいつには勝てなかったな。
 芳之助の仇討ちもあいつの意見が大きかったしな。」
苦笑いしつつも嬉しそうな彼に名しか知らないその雪に、舞姫は敵意を強くしていく。

「だがそれほど賢いにも関らず、性格は回りくどいことが嫌いで愚直なまでに素直、常に
 真直ぐで己の気持ちに正直だ。あいつは自分を信じ、この国に呼び戻した。」
「兄上様は雪殿をどう思われているのですか?」
「仕事の相方としてこの上ない。国を守るのに必要な人物だ。」
自分を見つめる彼女の瞳の色にそのときようやく気づいた。今彼女は、
異なる答えを求めて真剣に見つめている。


21:妹姫 ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:51:52 +eAx1AOK
「そのような意味ではなく、女性としてどう思われているのですか。」
「…悪趣味なことに彼女は自分を好いてくれている。家格、才能、容姿…
 そして個人的な友情…。あいつは自分が嫁になると言っているが冗談でなく
 恐らく事実、そうなるだろう。何一つ不満は無い。」
「愛しておられるのですか?雪殿を。」
「物語にあるような熱い恋…という意味では否だ。だが長い人生を共に生きれば
 愛するようになるだろう。そんな魅力はある。」

舞姫は目を伏せた。
「兄上様…私…嫌なのです。兄上様が他の女性といることが。私は…私は…
 耐えられません。私だけの兄上様にしたいのです。…舞は嫉妬深い妹です…。」
「いいのだ。だが判ってくれ。国のため、これ以外の道はないのだ。」

彼女は決然と顔を上げ紅潮した顔で目には涙を溜めながら叫んだ。
「判りません!国など……関係ありませんっ!私は…一人の女として…
 一人の男として兄上様をお慕いしてしまったのです。だからっ…誰にも渡したくない!!」
「舞…俺達は同じ血を持つ兄妹。この世で舞とだけは愛し合うわけにはいかぬ!
 それが舞のためでもある。今日はもう遅い。寝なさい。」
「兄上様…。うっ…うっ…せめて…一緒に寝てください。今日は一人では眠れません…。」
「わかった。すまぬな…。」

舞姫は清治の寝床に潜り込み、腕に体を絡ませながら眠りに落ちた。
妹の告白に不快と思わなかったことに、彼も苦悩し、遅くまで寝ることは出来なかった


22:妹姫 ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:52:46 +eAx1AOK
─────同時刻、清治の屋敷。雪と芳之助は二人で酒を飲んでいた。

「雪、不機嫌だな。」
「そんなことはない。我は普段どおりだ…と、いいたいところだがお主が言うからには
 そうなのかもしれん。」
「言ってみろ。気になるだろう。何かあったのか?」
「町でな…清治が見たことも無いような美人と恋人のように寄り添って歩いていたらしい。」

芳之助は得心して頷いた。雪は無表情である。

「ああ、それはきっと舞姫様だろう。某が清治殿に今日一日付き合ってあげろと
 言い含めておいたのだ。大方、城を抜け出してみたかったのであろう。」
「なるほど…。だが何故そのようなことを?」
「若者の恋を応援するのは大人の役目ではないかね。雪?」

雪の杯が傾いてピタリと止まった。芳之助はにやにや笑っている。

「あの二人は兄妹。そんなことはあるまい?」
「城で出会ったとき、姫様は初対面の某に殺気を放っておったよ。このままに
 しておけば、雪が嫁に入った際に害されるやもしれん。」
「そうか…で、お主は何故応援する?」
「結論から言うと失恋させるためだ。いずれ彼女は政略で結婚するだろう。
 その時に後悔の無いようにさせてあげたい。某はあの姫様、嫌いではないしな。」
「まあ例え清治が本気になったとしても…我は必ず取り戻すがな。」
「清治殿は物の道理を弁えている。万が一にも私情で国を脅かすようなことはないさ。」
「当然じゃ。その程度であれば我は惚れておらん。」

暫く雪は芳之助を見つめていたがふと思い出したようにくすりと笑い、
「……だが悔しいな。我も一度は腕を組んで町を歩いてみたいものだ。」
「雪相手じゃ~清治殿はやらないだろうなあ。しかし、某も一度はやってみたいな。」


23:名無し@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:54:03 +eAx1AOK
今日はここまでです。

24:名無し@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/05/23 15:59:12 +eAx1AOK
二人の酒席は和やかに夜遅くまで続いた。

最後一行抜けてた;
気をつけます。

25:名無しさん@ピンキー
07/05/23 15:59:57 TsEvUpxt
おつー

26:名無しさん@ピンキー
07/05/23 16:20:36 6qSuThE3
>>23
乙です。
キモヒメは、果たして二人の予想を超えるのか。
GJ

27:変名おじさん ◆lnx8.6adM2
07/05/23 21:50:11 6qSuThE3
人がいないようなのでひっそりとネタ投下


仮題:「霊になった妹」


あらすじ

オレには妹がいる。
それは、墓の下に。
そしてオレの隣に。
あの日、学校の帰り道でダンプに轢かれて死んでしまった妹。
いつものように恥しがるオレと強引に繋いだ手は、いつの間にか解けていて。

「手・・・離さないで、ね。そしたら・・・絶対、絶対離れ離れに・・・ならない・・・から」

消えそうな声でそう言った妹は、泣きながらぼろぼろになった手を握るオレを置いて逝った。

それから数年。
あの世に行くよりもオレの背中に憑いて来ることを選んだ妹は、
透き通った体でオレの横に居る。
マジシャンより上手く壁抜け出来る体の前ではオレのプライバシーなんぞ無いも同然だが、
べたべたと冷えた肌をくっ付けてくる妹の手を離そうとは思わない。
オレにしか見えず、オレにしか触れない妹。
冷たい指を絡めて微笑む顔は、きっと勘違いなんかではなく幸せそうで。
そのまま日々を過ごして行くのも、悪くはないと思っていた。

古びた教会を一人で切り盛りする幼馴染。
春休みに様子を見に行った先でそいつの行った、
パフォーマンスであったはずの儀式で妹が実体化してしまうまでは。

相変わらず壁抜けも浮遊も出来るくせに、体だけはしっかりと実体を持った妹。
その嬉しそうな姿と対照的に、喜びを感じながらも混乱し動揺するオレ。

更に、新学期は波乱の幕開けだった。
高校への入学を期に引越して来た従姉妹。
久し振りに見る成長した姿は、鮮やかな巫女服に包まれていて。
開かれた唇はこう告げた。

「お兄さん。アナタは、悪霊に憑かれています」



投下終了

28:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:02:27 d7g+xiT9
どっちかというと兄がキモイです

29:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:33:41 V2leT1tX
まあSSの主人公は総じてキモイ

30:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:40:33 +Qnaobla
>>27
というかどこがキモウトなんだ?w
なんか、そういうオカルトやら魔法やらでSSっていうスレがあったと思うから、
そっちに投下したほうがいいんじゃね?

31:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:49:18 CM+9obmg
兄に憑くに至る原動力がキモい愛であるならスレ違いではないんだろうが……この概略だけでは読みとれないなあ。
このスレに落とす以上この部分は絶対あるんですな?無いようならオカルトスレいきかも。

32:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:53:37 TUourUUw
「プロット投下するので誰か使ってください><」

↑って言ってたのの一つって事?

材料だけで判断付かないな……。
どなたか、料理してくれる職人さんはいらっしゃいませんか?


33:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:27:13 K+nbQUiv
一、隣接するキモアネ・キモウトは互いに敵対する。
二、敵の敵は戦術的な味方である。
三、敵対していても、平和な関係を作ることはできる。
四、(兄・弟を間に挟んだ)姉妹関係は、善悪でなく損得で考える。
五、(兄・弟を間に挟んだ)姉妹関係は利用できるか、利用されていないかで考える。
六、優れたキモアネが同時にキモウトを兼ねることはできない。その逆も然り。
七、他の女を利用できるか考える。
八、自分が利用されているのではないか疑う。
九、目的は弟or兄の確保とキモ姉弟兄妹関係の発展だけ。
十、手段は選ばない。
十一、損得だけを考える。道義は擬装である。
十二、弟or兄の交際関係を2者間だけでなく,多角的に考える。
十三、油断しない。
十四、友好,理解を真に受けない。
十五、徹底的に人が悪い考えに立つ。

34:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:46:36 f/EcCA4v
十六、学園ものには大抵主人公に男友達がいる。
十七、いつもは姉妹ハーレム状態の主人公を妬んでいるが、
   修羅場化してくると逃げるorシリアス化
十八、物語終盤、やつれた主人公と喫茶店等で相談を受け、
   まじめに返したはいいが、主人公が行動を起こしたため、
   姉、妹、泥棒猫or主人公が確実に死ぬ。
十九、こいつに会うか会わないかでルートが分岐するといっても
   過言ではない。
二十、最終的に、キモ姉&妹達の
 華 麗 な る 独 占 欲
   に巻き込まれ死亡。

35:名無しさん@ピンキー
07/05/24 00:15:08 yMo7qPY9
>>24
つまんね、2度と投下しないでもらいたいね


36:名無しさん@ピンキー
07/05/24 00:18:43 xISeNkag
>>35
ハゲシクドウイ!!


37:名無しさん@ピンキー
07/05/24 01:17:10 xHXI8H0N

           i::::::::/'" ̄ ̄ヾi
           |:::::::| ,,,,,_  ,,,,,,| 
           |r-==( 。);( 。)   
           ( ヽ  :::__)..:: }
        ,____/ヽ  ー== ;  ほほう それでそれで?
     r'"ヽ   t、   \___ !
    / 、、i    ヽ__,,/
    / ヽノ  j ,   j |ヽ 
    |⌒`'、__ / /   /r  |
    {     ̄''ー-、,,_,ヘ^ |
    ゝ-,,,_____)--、j
    /  \__       /
    |      "'ー‐‐---''


38:変名おじさん ◆lnx8.6adM2
07/05/24 01:29:19 UA9hH3f0
>>30>>31
すいません、確かにそういう描写が足りませんでしたね。手直して再投下。これでどうでしょう?

仮題:「霊になった妹」

あらすじ

オレには妹がいる。
それは、墓の下に。
そしてオレの隣に。

兄の目から見ても、少々オレに懐きすぎだった妹。
許される限りにおいてオレの傍を離れず、一度などオレに告白してくれた女子にカッターで襲いかかった。
ブラコンにしては行き過ぎで、子供にしてはやり過ぎる。
だがそんな妹は、辟易するオレと無理矢理手を繋いで歩いていた下校途中、車にはねられて死んでしまった。

「ねえ、お兄ちゃん。私────死んでも傍にいるからね?」

奇妙にひしゃげた体と夥しい血に塗れた顔で、不気味なほど真っ直ぐにそう言い残して。

それから暫くしてどこか呆けた頭で葬儀も済ませた頃、妹は帰ってきた。
幽霊となって。

数年後。
宣言通り、死してなお妹はオレの傍に“憑いて”いる。
オレ以外の人間には見えず聞こえず触れずの妹は、
マジシャンより上手く壁抜け出来る半透明な体でオレのプライバシーを侵害しまくり、
更には得体の知れない力で携帯のメモリーを消去したり、
オレの写る写真を心霊写真と化したりラップ音を立てて友人作りを妨害していた。

ただ、それでもたゆまぬ努力の結果としてオレは彼女を作り、
背後で喚き立てる妹を煩わしく思いつつもそれなりに幸せだった。

その彼女が駅のホームで電車に轢かれてバラバラの死体となるまでは。
後で聞いた話だと、彼女はふらふらと焦点の合わない瞳で、何かに取り憑かれたように線路に身を投げたらしい。

「あの人は愛が足りなかったんだよ。お兄ちゃんへの愛がね。
 だって、想いが強ければ死んでも傍にいられるはずだもの・・・・・・私みたいに」

失意に沈むオレの傍らで、妹はそう囁いていた。

しかし、予想外の出来事というのは続くらしい。
高校入学を期に、こちらに引っ越すことになったと連絡を寄越してきた従姉妹。
久し振りに見る成長した姿は、何故か鮮やかな巫女服に包まれていて。
開かれた唇はこう告げた。

「お兄さんの住まいの近くで、
 霊障らしい不審な死を遂げた人が居たと聞いて来てみればこれですか。
 成る程、来て正解でしたね。
 お兄さん、アナタは悪霊に取り憑かれています。それもとびきりタチの悪い。
 でも・・・安心して下さいね? ふふ。ちゃんと私が祓いますから」

オレの背後、
誰にも見えないはずの妹をしっかりと冷めた目で見据えながら。

同時に。

「・・・・・・」

妹はそんな従姉妹を呪うような、祟り殺すような、ひどく暗く恐ろしい視線で見詰め返していた。

39:名無しさん@ピンキー
07/05/24 01:32:57 UA9hH3f0
>>32
仰る通りです。
「こんなん思いつきました。良ければ使ってやって下さい」くらいで。
長編は、ちょっと書いてる暇がないものですから。

40:名無しさん@ピンキー
07/05/24 01:52:57 Yuwg9VaA
>>24
遅れたがGJ
エロ期待してまつw

41:名無しさん@ピンキー
07/05/24 02:05:51 IMPWOz/y
>>24超GJ!読む度に続きが激しく気になる名作だ。

>>34-35あたりが馬鹿言ってるが、本当につまらないなら書き込む気すらおきない。
まあ嵐と分かってるだろうけど、一応。

42:名無しさん@ピンキー
07/05/24 02:51:43 f05FRKVA
触るな。

43:名無しさん@ピンキー
07/05/24 06:27:48 8YbSXxZp
>>41
>>34
八つ当たりは勘弁してもらいたいね。
つまらないことは書いたが>>24をつまらないとは言ってない。

44:名無しさん@ピンキー
07/05/24 06:33:43 MIHcb9oh
第三者的にみて、アンカーミスと思われる

45:名無しさん@ピンキー
07/05/24 10:05:25 r3ilfuJJ
>>38
あらすじだけでもキモすぐるwwwww
従姉妹もキモイトコになりそうな予感。

46:名無しさん@ピンキー
07/05/24 13:01:17 UA9hH3f0
保管庫の霊になった妹がもう修正されている。
管理人氏、相変わらず仕事がお早い。

47:変名おじさん ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:35:49 UA9hH3f0
それでは、投下行きます。

48:水木さんちの通学路 ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:38:41 UA9hH3f0
朝食を終え、着替えて家の扉を後にする。
慣れを通り越して見飽きた通学路。いつもより遅れているので、若干早足だ。

「お兄ちゃーん、腕組もうよぅ」

が、妹がさっきから腕を絡めてくるので速度が上がらない。
いちいち振りほどくのも煩わしく、何ともうっとおしい。

「だーっもう。
 ただでさえ遅れてるんだから止めろっての!
 兄妹そろって遅刻しちまうじゃないかっ!」

「むぅ。お兄ちゃんのけちー」

おまけに、ただでさえ動きのトロい妹だ。
遅れた原因がオレの寝坊だから置いていくのも憚られるが、
そろそろコイツに合わせて歩くのを止めるべきかと思案する。

「家族のスキンシップは欠かしちゃいけないんだよー?
 だからぁ、お兄ちゃんは私と腕を組んで仲良く学校に行くのー」

「ええい、鬱陶しい! いい加減に離れないと置いてくぞっ!」

一向に懲りる気配が無い妹に、
業を煮やしたオレが妹を置いて先に行くことを脳内会議で全会一致の可決をしようとした時だった。
後ろから、足音がぱたぱたと迫ってくる。

「あー、やっぱり火風(ひかぜ)じゃん。おっはよー!
 こんな時間にここ歩いてるなんて珍しいね、どしたの?」

妹と同じ様に高い、しかしはきはきとした明るい声が響く。
兄妹そろって振り向くと、そこには赤いショートカットの女の子が、
妹と同じ学校指定の制服を着て立っていた。

「お前の友達か?」

「・・・・・・」

尋ねてみるが、妹は何故かむっつりと黙って返事をしない。
オレが首を傾げると、女の子の視線がオレに向いた。

「あ、アナタが火風のお兄さんですね? 火風からよく話を聞いていますよ。
 私は火神原 赤音(かがみはら あかね)っていいます。火風の同級生です」

「あ、ああ。オレは水木 大地(みずき だいち)。
 どうも、妹がお世話になってるみたいで・・・・・・年、一個下だよな?」

「はい、そうですけど?」

活気に満ちた瞳に見つめられる。
何と言うか、妹とは対照的な子だ。
活動的な感じだが、礼儀もしっかりしている。
態度に加え、妹の未成熟な体型と比べて伸びきった手足に年齢を計りかねた。

「いや、オレはコイツの友達って殆ど見たこと無いからさ。
 コイツもあんまりそういうことは話さないし」

「ふーん。そうなんですか。
 火風って、クラスではいつもお兄さんの話ばっかりしてるんですけど。
 お兄さんに自分のことは話さないんですね・・・・・・火風?」

49:水木さんちの通学路 ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:40:11 UA9hH3f0

何を話してるんだ妹よ、と内心で突っ込みを入れると、
妹が一歩前に出ていきなり赤音ちゃんの腕を掴む。
黙り込んでいた妹の突然の動きに、困惑した声が上がった。

「ねえお兄ちゃん。
 火風、ちょっと赤音ちゃんにお話があるから先に行ってて欲しいなー?」

「え・・・? いや、おい。
 だけど急がないと遅刻」

「すぐ終わるしぃ、急ぐからー」

言って、ズルズルと赤音ちゃんを引っ張っていく。

「え、ちょっ、どうしたの火風!?
 何々、なに? ちょっと火風、火風ってばーー!」

何故か立ち止まったままで話すのではなく、妹は友達を連れて遠ざかって行った。
赤音ちゃんの声が遠くなっていく。

「・・・・・・・・何なんだ?」

一人取り残されたオレも彼女同様、事態に付いて行けなかった。



路地裏。
兄の前から無理矢理に友人を引き離した火風は、
狭い間隔にそびえる壁を背にして叩き付けるように握っていた手を離した。

「っ。火風、アンタいきなり、一体どういう積もり──」

「ねえー」

そして、訳の分からないまま連れて来られて説明を求める声を遮り、口を開く。

「『お兄さん』って────何かなー?」

第三者が聞いていたなら、
それはひどく冷え切ったものに聞こえただろう。
溢れ出る何かを抑えて、無理に削ぎ落としたかのような。

「はぁ、いきなり何言ってんの?
 あの人は火風のお兄さんなんでしょ? だからそう呼んだだけじゃん。
 それがどうかした訳?」

「ふーん。そうなんだー?」

対する赤音の声には明らかに怒りが滲んでいる。
状況を考えれば当然のことだが、火風は気にした、いや気付いた様子もない。
冷めた瞳で友人を見詰めている。

「じゃあ、それ止めて」

路地裏、薄暗い空間に声が響き渡った。
いつもの甘く間延びした響きは欠片も無く、その分だけよく通る。
数瞬、しんと辺りが静まり返った。


50:水木さんちの通学路 ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:41:30 UA9hH3f0
「ねえ赤音ちゃんー?
 お兄ちゃんの妹はねぇ、火風一人なの。火風が、火風だけがお兄ちゃんの妹なのー。
 お兄ちゃんに火風以外の妹は要らないしー、火風しかお兄ちゃんを『兄』って呼んじゃいけないの。
 だからぁ、赤音ちゃんがお兄ちゃんのことを『お兄さん』なんて呼ぶのも、だめー。
 ねえ・・・・・・分かる?」

質問と言うよりは、通告のように言う。

「はああ? 何、アンタそんなこと言うためにわざわざ私を引き摺って来た訳?
 何それ。いい加減にしてよね。
 大体、前から思ってたけどアンタお兄ちゃんお兄ちゃんってちょっと懐きすぎじゃないの?」

が、赤音の方は嘆息して非難するように火風を見た。
怒りに任せて、以前から思っていたことが口をついて出る。

「私が追いつくまでもべたべたべたべた。
 兄妹にしたって行き過ぎだよ、幾らなんでも。
 挙句に呼び方にまでケチ付けてさ。
 気付いてないのかもしれないけど、周りから見たらそれって──」

火神原 赤音。
彼女はもともと感情をストレートに表す方だし、それは怒りであっても変わらない。
気心の知れた友人。初めて会った兄の方も今は傍にいない以上、気を遣う必要も無い。
包み隠さず、思ったことを並べていく。

反応は劇的だった。

「なぁんだ。赤音ちゃんもなんだー」

「・・・は? 急になん」

ぽつりと。
溜息を付くように、紡がれた言葉。
虚を突くようなそれに、反応の遅れた赤音は。

「のこ──がはっ!?」

最後まで言えずに、壁に叩き付けられた。

「赤音ちゃんも、火風とお兄ちゃんを引き離そうとするんだー?」

反動で前のめりになった体を、首を掴まれて再度叩き付けられる。

「ぁ・・・ぐっ・・・火風、苦し」

ぎりぎりと、首を掴む手が締まる。

「赤音ちゃんも火風からお兄ちゃんを奪おうとするんだねー?
 お父さんみたいに、お母さんみたいにー。
 伯父さんや叔母さんや従兄弟のお兄ちゃんやお姉ちゃんや親戚の人たちや
 近所の小父さんや学校の先生や病院のお医者さんや、何も知らない大人たちみたいに。
 火風がどれだけお兄ちゃんのことを想っているのか何一つ分かっていない人達みたいにー」

「は・・・あ・・・っ!」

恐ろしい力だった。
火風の体は赤音より一回り以上も小さく、腕の太さも筋肉の量も彼女より下である。
だと言うのに。片腕だけで首を締め上げる火風を、赤音は振り解けない。
息苦しさにばたばたと暴れる彼女の四肢は火風を打ち、蹴り付けるが、
火風は眉一つ動かさず能面のような表情で彼女を見上げる。

51:水木さんちの通学路 ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:43:37 UA9hH3f0

「ねえ? 答えてよー赤音ちゃん。
 もしそうなら火風は赤音ちゃんも『要らない』けど、違うなら別にいいからー。
 ねえ」

無機質だった表情が変わる。

「答 え て よ 赤 音 ち ゃ ん !」

怒号が路地裏の空気を震わせ、燃え上がるように表情が憤怒へと変わる。

「お兄ちゃんとの登校を邪魔してお兄ちゃんとの時間を邪魔してお兄ちゃんのことを『お兄さん』なんて呼んで!
 挙句に赤音ちゃんも火風からお兄ちゃんを奪おうとするの!?」

「ぅ・・・ぁ・・・」

口調さえ変わっている火風の声は、既に半ば赤音へと届いていない。
四肢からは暴れるだけの力も失われ、彼女の意識は遠くなりはじめていた。

「残念だよ。これでも、赤音ちゃんのことは良い友達だって思ってたのに」

「・・・・・・」

そんな彼女を見詰めて、ふっと火風の腕から力が抜けた。
しかしそれは、決して『敵』を助けるためではなく。

「雌猫──ううん」

力を蓄えて。



「泥棒猫の首は────捻じ切らなきゃ」



両腕が、赤音の首にかけられた。


52:水木さんちの通学路 ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:44:32 UA9hH3f0

「お兄ちゃーん!」

聞きなれた声に、校門の見える位置まで来ていたオレは振り返る。

「待ってー!」

見慣れた姿が突撃してきた。

「うわっ!」

飛び込んできた相手を受け止める。
軽い妹の体は、加速をつけても大した衝撃を齎さなかった。

「えへへー。お兄ちゃんの匂いー」

背中に腕を回して頭を擦り付けて来る妹をひっぺがす。

「ったく、んな校門の近くで止めろっての!
 で・・・あの、赤音ちゃんだったか? はどうしたんだ?」

一緒にいるはずの姿を探す。

「んー。赤音ちゃんは来ないよー?」

「? どうしたんだ?」

もう遅刻ぎりぎりなのに。

「うんー。えっとねー?
 昨日、とっても難しい宿題が出て、答えに自信が無いからそれを見せて欲しいって頼んだのー。
 そしたらぁ、赤音ちゃん宿題を家に忘れて来ちゃったんだって。
 そう言ってお家に走って行っちゃったー」

「そうなのか」

それは災難だな。

「じゃあ仕方ない。ほら、行くぞ」

「あ、うん。ところでぇ、お兄ちゃんー?」

相変わらず、しつこく腕を絡めようとするのをかわしていると、
妹がぴたりと動きを止めて見上げてくる。

「何だ?」

「えへへー。えっとねー?」

再度、腕を組もうとする動き。
オレはぱっと腕を上げてそれを防ぐと、

「お弁当の間までの、お別れのちゅー!」

制服のネクタイを引っ張られ、無理矢理妹に近づけられた唇を奪われた。

「それじゃあ、行って来まーす!」

手を振って駆けて行く妹。
オレはそれを見送り、本日三度目の敗北にがっくりと肩を落としながら校門をくぐった。

53:水木さんちの通学路 ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:46:28 UA9hH3f0

兄より一足先に校門をくぐった火風。
彼女は校舎の手前で一度振り返り、後ろを見た。

「殺したらぁ、お兄ちゃんといられなくなっちゃうもんねー。残念ー」

今しがた別れた兄の姿。
その更に後ろ、遠くの方を見詰めるように。


54:変名おじさん ◆lnx8.6adM2
07/05/24 18:50:28 UA9hH3f0
投下終了。
早くも火風の口調が分からなくなってきました。
とりあえず、こんな感じならキモウトと言えるのか。

55:名無しさん@ピンキー
07/05/24 18:56:57 2wG2bei0
SATSUGAI未遂きたこれ 赤音ちゃんのトラウマが心配です

56:名無し@ピンキー
07/05/24 19:09:38 SSXp0WuQ
やばいかなりきてるw
片腕で締め上げるとは、恐るべし。

57:名無しさん@ピンキー
07/05/24 19:58:50 Yuwg9VaA
>>54
殺害未遂まで平気でやってのけるキモウト萌えw

なにはともあれ渾身のGJ

58:名無しさん@ピンキー
07/05/24 20:40:14 1hgOzXb/
実際にいれば恐ろしいな・・・・・・・

だ が そ れ が い い 

59:名無しさん@ピンキー
07/05/25 00:16:39 rwyxf6bQ
可愛い妹じゃのぅ、ほっほっほ

60:名無しさん@ピンキー
07/05/25 01:51:17 F4cvzy7F
俺にもこんな可愛い妹がいれば・・・



61:名無しさん@ピンキー
07/05/25 02:13:37 XZWeR5m6
どんなに可愛くても当事者にはなりたくないな

ともあれGJ!

62:名無しさん@ピンキー
07/05/25 06:10:05 5fj2x4pV
>>54
ガチでつまんねぇわ、これは


63:名無しさん@ピンキー
07/05/25 09:01:27 teKTpM5J
いや、むしろ当事者になりたいんだぜ

64:名無しさん@ピンキー
07/05/25 16:57:29 LmAIOnL5
これはいいキモウト。GJ!

65:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:20:33 it4e0Rnf
姫様続き行きます。
今回の次の投稿あたりでキモ化。

66:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:21:33 it4e0Rnf
翌朝、城内で清治を探していた芳之助は戦準備と告げられ、することもないので
散歩していたが、先穂之桜を眺めている舞姫を見つけ、足を止めにこやかに声をかけた。

「おーこれは舞姫殿ではありませぬか。相変わらずお美しい。今日もいい天気ですなあ。」
「あ…芳之助様。先日はありがとうございます。」
舞姫は先日、芳之助が兄と一日過ごすためのお膳立てをしてくれたのを思い出し、
笑顔を返して頭を下げた。芳之助はいたずらっぽく笑って続ける。

「いやいや、町で楽しまれた様子。某もいいことをしたといい夢を見れました。」
「え…何故それをご存知なのですか?」
「某の友人が美人の女中さんと八神殿が仲良く歩いてたと教えてくれましてな。」
「芳之助様のご友人とは…ひょっとして雪殿ですか?」
「おおっ!ご存知でしたか。昨日はいい男を美人さんに取られていたので、女二人、
 寂しく杯を傾けていたのだよ。ま、それはそれで楽しいのだがね。」
肩をすくめて笑う芳之助を見て、舞姫もくすくす笑った。

「芳之助様から見た雪殿ってどのような女性ですか?」
「完璧な女性だね。才に溢れ、それに驕らない。舞姫様、強敵ですぞ?」
急に図星を指摘され舞姫は赤くなって驚いた。

「えっ!!あの…その…」
「隠さぬともよい。初対面のとき判っていた。舞姫殿からこう、私の清治様に
 近づくな~~~と殺気がだな。」
「もう!芳之助様ったら…。でも兄上様は妹だから駄目だと…。それに今日は
 忙しくて…暫く忙しいから相手できないって…変な女って嫌われたのかな…。」
しゅんと俯く舞姫の頭を芳之助はぽんぽんと叩いて、

「ご心配しますな。本当に忙しいのだ。これは他の者には内緒だが、戦が近いのだ。
 清治殿とて初陣、いくら準備してもしたりないのであろう。」
「戦ですか…大丈夫でしょうか…兄上様…」
「某が絶対お守りするのでそちらも心配無用だ。それより問題は、舞姫殿と
 清治殿の問題だなあ。今のまま戦に送り出したくはなかろう?」
「はい。心配の種を残したくはありません。もう一度…兄上様とお話したい。」
舞姫は真剣に芳之助に言った。彼女はしばし考え、

「そういえば某、町で修行していた頃は女子によくもててな。」
「でも、芳之助様女性じゃ…」
「うむ─構わぬらしい。で、恋文をよく貰っておった。全部女性からだったのが
 少し複雑な心境ではあったがあれは嬉しかった。舞姫殿も文を書いてみては。
 届けるのは某がさせていただくが。」
「文など書いたことがないのですが、でも、やります。」
決意の篭った返事を聞くと芳之助の顔がぱーっと明るくなる。

「おお。やはり恋する女子は強いな。男女関係は上手く行かぬこともあるが、
 舞姫殿は失敗しても全力は尽くしたと後悔せぬくらい頑張るようにな。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。芳之助様。」
「それでは某はここで昼寝でもしております故、文が出来たらお持ちくだされ。」

そういうと、芳之助は先穂之桜の下ですやすや眠り始めた。
(姉がもしいたならこのような方なのかもしれない。)

数刻の後、文は芳之助に託された。

67:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:22:46 it4e0Rnf
「で、君は何をしているのかね?」
その日の晩、仕事から戻った清治は机の前で頭を抱えていた。

「それが、舞からの文を芳之助が持ってきてな。明日渡すから返事を書けと。」
「ほう…。読ませてもらってもいいかね?」
「駄目だ。他の者に読ませるものではなかろう。」
「つれないね。君は。大体の内容くらいはよかろうに。」
「ただの様子伺いだ。」
「それは嘘だな。そうなら悩むまい。」

返事の文を書いていた手がピタリと止まる。

「心の信じるままに書いてあげればいい。受け入れようが突き放そうがそれでよい。」
「わかった。雪。ありがとう。」
「気にすることは無い…我には時間がある。あの姫とは違って。君の心が
 どう動こうとも最後にはこちらを向かせるさ。だから勝手に死ぬなよ。」
「作戦は大丈夫だ。叔父上も全面的に協力してくれる。勝つから心配は要らない。」
清治は常と変らない自信を曲げない彼女に苦笑して答えた。彼女は相変わらずの
無表情に少しだけ笑みを浮かべて続ける。

「戦が終わったら仕事の報酬として是非一つ我の願いを聞いて欲しいのだが」
「高いものでなければいいぞ。世話になってるしな。」
「そうか…なれば大丈夫だな。ふむ、我も舞姫とやったように町を腕を組んで
 歩いて欲しい。実に楽しそうだ。」
「なっ!!!雪!おまえっ!!!」
「嫌かの?妹殿とは良くて我は駄目か?」
「う………わかった。一度だけだ。」
「我侭も時には言って見るものだな。絶対生きて戻って来いよ。」

雪は文を書き続けている清治の背中に無事を祈りながら頭をつけた。


68:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:24:36 it4e0Rnf
十日が過ぎた。
その間、清治は戦の準備で忙しく、舞姫とは文の交換だけの日々が続いた。
最初は面倒だった文も、2.3日経つ頃には不思議と落ち着く行為へと変っていた。
そして、十日後の夕刻、城門前。

「では、行ってくる。舞、風邪など引かぬようにな。」
「お気をつけください、兄上様。帰ってきたらまた色々と教えてください。」
 これ…。今日の分の文です。返事絶対返してくださいね。」
「わかった。任せておけ。」
「芳之助様、兄上様をお願いします。」
「ああ、某がいたら大丈夫。手柄立てて帰ってくるからご心配なさるな。」
日羽之国が兵を向けてきたとの報告を受けた先穂之国では兼ねてから準備して
おいたとおりに迎撃の行動を開始した。

「いよいよか…。」
「清治殿は余計なことを考えず、指揮に集中なされよ。」
「頼む。皆の者!夜のうちに敵進入地点より上流を越え兵を伏せる。行くぞ!」
この戦で、清治は騎馬三百を預かっていた。自分の責任で命を動かすことを
考えると緊張で胃が痛くなり、恐怖を感じたが意思で何とか捻じ伏せている。
舞姫からの手紙には、
「無事に戻ったら、また一日付き合ってくれ…か。今度は何をさせられるやら。」

舞姫の印象もずいぶん変った。初めは浮世離れした物語の中の姫だと感じていた
妹はいつのまにか我侭で感情的な可愛い女の子になった。そんなことを考えると
小さい我侭くらいは叶えてやりたいと戦の最中なのに頬が緩むのを感じた。

夜が明け、両軍は川を挟んで陣を張り睨み合っていた。
正面の兵力は先穂之国が七百五十に対し、日羽之国二千五百。兵少なし
と見た日羽之国の国主、出口将臣は川を越えて攻撃を開始。戦闘は始まった。

先穂之国国主、大上信輝は清治に戦闘開始の狼煙を上げ川辺の陣地から敵に射撃し、
暫く防戦した後に敗走を装って後退、追撃を誘う。後方に二百五十の兵で築いていた
堅固な陣まで引いた頃には相手の軍は延びきっていた。
そこから反撃が始まる。敗走を装った信輝は合わせて千の兵で堅固な陣によって
弓による射撃など守りに専念して耐え、予め伏せていた左右それぞれ三百五十の兵が
襲い掛かった。三方から攻められさらには川の向こうの本陣が炎上しているのを見た
日羽之国の兵は戦意を失って敗走した。

「これ程までに簡単に勝てるものか…戦とは…」
信輝の呟きは誰にも届かなかった。

69:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:25:27 it4e0Rnf
「狼煙が上がった。四刻後、我らも戦闘を開始する。」
清治にはその二時間の間、緊張で全く生きた心地がしなかった。
戦場の死の気配──時の声、怒号、血の臭い…
机上とは全く異なるその圧倒的な恐怖は清治の心を苛んでいた。芳之助が
いなければ、逃げ出していたかもしれないと後に思った。

「初陣で緊張するなといっても無理だろうが…計算どおりなら六十くらいの
 力でも勝てるのだろう。大変な後退戦は歴戦の信輝様がやっている。
 某や清治殿は自分の仕事をこなせば良い。さて、時刻だ。清治殿、指示を。」
清治は決然と己の指揮下にある全員に向かって叫んだ。

「目指すは敵本陣だ!火を放て!雑魚には構うな。出口将臣の首を上げろ!
 二度と先穂之国に攻め入ろうと思わぬように叩きのめすぞ!続け!!」
時の声をあげて攻め入る三百の兵。清治の予想通り、本陣には二百程度の兵しか
残っていない。突然の騎馬の乱入に混乱している兵を殺戮していく味方を見て、
血の気が失せそうになりながらも、指揮に集中して予定通りの仕事をしていく。
本陣は燃え、勝利を確信したそのとき清治の馬が槍で突き殺された。
目の前には壮年の男が槍を構えて睨みつけている。

「お主が指揮官か、わしは日羽之国の国主、出口将臣。尋常に立ち会え!」
「勝負は決した。何故逃げぬ。」
「恥を晒すくらいならば、死んだほうがましよ。それが武家に生きるものだ。」
「すまぬが、俺は寺で育ったものでな。なるべくなら敵も味方も殺したくは無いのだ。
 ついでに言うと勝てぬ勝負もする気は無い。芳之助、頼む。」
清治は目の前の相手にそう告げると、芳之助の後ろに隠れた。

「心得た。出口殿のお相手は八神清治が部下、沖田芳之助がお相手いたす。」
「貴様!女の背後に隠れ、恥ずかしくは無いのか!」
「最早問答は無用。あの世へ送って差し上げよう。」
二人は数合打ち合った後、芳之助の槍が相手の首を貫き決着がついた。
清治は首を打ち、胴の無い体となった敵の将に手を合わせた。

「気にしたか?清治殿。」
「腰抜けは事実だ。怖かった。そして俺は剣も槍も使えん。」
「だが勝った。主は自分の仕事を逃げずにこなした。味方もお陰で殆ど死なずにすんだ。」
「ああ。これからも多くの者を自らの手を汚さずに殺すのだ。腰抜けの悪名はあえて受けよう。
 俺はそれ以上に味方の死を見たくない。」
「ま、いいではないか。そのような男が一人くらいいても。勝ち名乗りを上げるぞ。
 敵将!日羽之国国主出口将臣は八神清治が討ち取った!戦は勝ちだ!敵残党を倒すぞ!」
その言い様に清治は苦笑した。芳之助はいたずらっぽい笑顔で返す。

「おい、芳之助、おまえの手柄が…。」
「よいよい、某の仕事は清治殿の補佐だ。国のためにもこれでいいんだ。」
「わかった。全軍!信輝様を後方から援護する!!」
数刻の後、戦闘は終わった。先穂之国二千のうち死者二百五十名、日羽之国二千五百
のうち死者千五百名。国主出口将臣を打つ完勝だった。しかし、この勝利は
先穂之国に不幸の影をもたらしてゆく…。

70:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:26:32 it4e0Rnf
戦後処理は速やかに行われた。

1、 将臣の嫡男を先穂之国に預けること。
2、 両国は不戦を約し、お互いが脅かされたときには協力すること。
3、 一部領土の割譲。

多くの兵が死に絶えたため日羽之国は飲まざるをえなかった。
清治は将臣の嫡男を引き取り、後に味方になるよう教育していくことに決め、
城内に戻った。勝利した軍は歓声で迎えられた。

「兄上様…よかった…良くぞご無事で…お帰りなさいませ…」
「こら、泣くな。まだ体を洗っていないから抱きつくな!」
「兄上様がご帰還されたらお腹がおすきだと思っておにぎりを用意しています。
 私も手伝って作ったのですよ。」
「舞が!そうか、ありがとう。何よりの報酬だ。」
抱きついて喜んでいる二人のところに、体を清めた芳之助も近づいてきた。

「おー。おいしそうですな。舞姫殿、某にも一つ褒美をくだされ。」
「芳之助様もお帰りなさいませ。」
「うむ、生き延びたな。清治と雪の作戦はさすがだった。完勝だ。」
その言葉に渡そうとしていた舞姫の手が一瞬止まる。

「雪殿が?」
「うむ、毎日遅くまで二人で地図と睨み合っていたな。あれも今頃ほっとしておるだろう。」
にこやかに芳之助は笑い、雪に報告すると言い残して去っていった。
舞姫は暫く考え込んでいたが、

「兄上様、今日はこの後どうなさいますか?」
「そうだな…雪に戦勝の報告をして、疲れたしゆっくり寝させてもらおうかと。」
「雪殿への報告は芳之助様がなさるとおっしゃってましたし、今日はお城でゆっくり
 なさいませんか?宴もあるでしょうし。それもお仕事でございましょう。」
「それもそうか…。」
清治は頷いて、身を清めるからと去っていった。
舞姫はそれを熱っぽく見つめ、心では一つの決意をしていた。


71:名無し@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/25 18:30:23 it4e0Rnf
今日はここまで。
やっと次からこのスレ的に本番です。

72:名無しさん@ピンキー
07/05/25 18:32:31 ETb7R7H1
乙!

73:名無しさん@ピンキー
07/05/25 18:56:01 S4s3o/uz
GJです。
友人二人はなかなか上手く立ち回っていますね。
キモヒメとぶつかるのはいつなのか。

>清治は頷いて、身を清めるからと去っていった。
 舞姫はそれを熱っぽく見つめ、心では一つの決意をしていた

こ、これはっ・・・wktk

74:名無しさん@ピンキー
07/05/25 19:08:57 GrJqnwcC
一瞬時代小説スレと間違えたかと思ったw


75:名無しさん@ピンキー
07/05/25 21:10:53 ny+zr702
>>71
GJ!!
芳之助が、舞と雪を潰し合わせて漁夫の利を得ようとする策士に見えてきた・・・

76:名無しさん@ピンキー
07/05/25 22:02:39 cb3YqImC
>>71
GJ!!次回が楽しみだw

77:名無しさん@ピンキー
07/05/25 22:13:18 kVeXqChJ
>>71
普通にない


78:名無しさん@ピンキー
07/05/25 23:14:11 P8uPjI6i
毎度毎度のように安価ミスとおぼしきレスをしてるのって同一人物?

なんか口調も似てる

79:名無しさん@ピンキー
07/05/25 23:47:41 VhsehHac
>>78
だからさぁ、華麗にスルーしろよ。なんでスルー出来ないわけ?
皆も頼むから荒れそうなレスはシカトして下さい
ほんとに頼むから

80:名無しさん@ピンキー
07/05/25 23:55:41 S4s3o/uz
まあまあ。
投下の後なのですし、皆さんまったり行きましょう。

ちなみに、今日仮眠中になかなか惜しい夢を見たのですが、
皆さんは夢にキモ姉・キモウトが包丁持って出てきたことはありますか?

あ、勿論リアルの姉などではなく、ですが。

81:名無しさん@ピンキー
07/05/26 01:36:42 Rdz/OC9G
>>80
一度だけある。
あれは俺がまだ妹萌えで
キモ姉が好きになれなかった頃。
いつもの脳補正のため、妹を守るため自分が姉を殺すという
くだらない妄想storyを繰り広げたその夜だ。
殺したはずの姉がでてきて、
「私を殺した責任、とってもらうからね」
と俺に言い放ち、その白い手に握られた包丁に18分割されたんだ。
薄れ行く意識の中、
虚ろな目をしながら俺を切りつける姉をみて、俺は…
美しいと、思った。
そこで俺の思考は途切れ、
気がつけば目の前には自室の天井があった。
夢だった。確かに現実味を帯びていなかった、しかし、だ。
俺のマイサンは激しく脈打ち、暴れた上、
全長26cmと過去最高記録を叩きだしていたんだ。
そのころから、俺はキモ姉妹にあこがれを抱くようになった。
どうだ、泣けるだろう?

82:名無しさん@ピンキー
07/05/26 01:42:43 eG2JWmzM
どこを縦読み

83:名無しさん@ピンキー
07/05/26 01:49:19 WOy3dmv0
ここは、

『日本語でおk』

84:名無しさん@ピンキー
07/05/26 04:37:08 p9nd+MWE
>>81泣いた。永遠に泣いた。

このスレ見てるとキモ姉妹が欲しくなってくるな。だが俺には普通(多分)の妹が一人・・・
どうにかしてキモ妹に仕立てあげられないだろうか・・・

85: ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:08:55 ae2Wnmcx
微エロ(スカ?注意)投下します。

86: ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:10:43 ae2Wnmcx
梅雨が過ぎた七月の初め、気温はぐんぐん上昇し、日が落ちた後でも暑さは衰えない。
夏の訪れを間近に控え、道を行く人の服装は薄着になり、家庭では冷房機器が動き始める。
扇風機を回した居間で、夕食の準備を終えた綾はぐったりと寝そべり、兄の帰りを待っていた。
「暑い……」
夏用の白いワンピースの裾が、扇風機の風にパタパタとはためく。
「お兄ちゃん、まだかな……」
もう何度目かわからない呟きをして、綾は目を閉じた。
六月の終わりから、陽一は学校からの帰宅が遅くなることがあった。
クラスの文化祭実行委員に選ばれて、その話し合いが時折持たれることになったからだ。
家で二人過ごす時間が減ることが不満だった綾は、今からでも辞退するようにと強く言ったが、
「誰かがやらなきゃならないことだから」
と陽一は笑って答え、結局辞退はしなかった。
「まったく……余計なことばかりしょいこんで……」
きっと誰もやろうとしなかったものを、変な責任感に駆られて立候補してしまったのだろう。
兄のそういったところは嫌いではなかったが、やはり一緒に居る時間が減ることは不満である。
さらにもう一つ、綾の心を波立たせたのは、もう一人の文化祭実行委員が宇喜多縁であるということだった。
どちらから先に立候補したのかは聞いていない。
が、縁が立候補したのを助けるために陽一が立候補したにせよ、あるいはその逆にせよ、綾にとっては極めて由々しき事態だった。
「あの人も……わからないからなあ……」
陰鬱な気持ちになり、無意味に床を拳で叩く。
テレビを見る気にもなれず、ただごろごろとしているうちに、時計は八時を回っていた。
いいかげん学校に迎えに行ってしまおうか。
そう思い始めた頃、
「ただいまー」
玄関の戸を開ける音とともに、待ちわびた声が聞こえた。
飛び起きて、綾は急ぎ足に玄関に向かう。
「ちょっと、いくらなんでも遅すぎ……」
待たされた分の愚痴を思い切りぶつけてやろうと口を開いたのだが、玄関先にたたずむ陽一を見て動きが止まった。
「……誰よ、それ」
きりきりと眉を跳ね上げ、指をさしたその先には、陽一の腕にすがりつく一人の少女がいた。
ショートカットに、シンプルなTシャツと短いプリーツスカートを着込んだ少女は、その容貌は明らかに幼い。
中学生、ひょっとしたら小学生といったところである。
「どうも。お世話になりまーす」
元気に挨拶する少女に、陽一は困ったように笑った。
「ははは……なんか、ついてきちゃって……」
「ついてきたって……」
唇の端を引きつらせ、言葉に詰まる綾。
支倉家の初夏は、扇風機一台では足りない暑さになりそうだった。

87:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:12:28 ae2Wnmcx
「家出?」
「そうなの。家に帰りたくなくって」
「何で帰りたくないのよ?」
「えへへ……まあ色々と……」
事の顛末は簡単だった。
アキラと名乗った少女は、今年中学二年生。
二ヶ月前に家出をして、それからずっと家に帰っていないのだという。
今日のねぐらをどうしようかと駅前で座っていたら、心配した陽一に声をかけられ、そのままついてきてしまったのだ。
陽一は何度も家に帰るように言ったが、無理に追い返すこともできず、結局支倉家にたどり着いてしまい、今こうしてアキラは居間のテーブルについているというわけだ。
「ね、いいでしょ? もう行ける所がなくて」
「帰れ」
両手を合わせて媚びるように頼むアキラに、綾はどこまでも冷徹に言った。
「自分の家に帰ればいいでしょうが」
「それが嫌だから家出したんだって」
「じゃあ今まで寝泊りしていたところに帰りなさい。二ヶ月も経つんだから、どこか当てがあるんでしょ?」
「えっと……それは……」
アキラは照れたように笑った。
「その、今まではずっと援助交際相手の家に泊まってたんだけど、そろそろうざがられちゃって……」
するりと出てきた「援助交際」という言葉に、陽一も綾も唖然としてしまった。
二人がいっぺんに静まり返る中、気にせずアキラは説明を続けた。
「だから今日は新しい相手を探そうと思って、駅前で声かけられるのまってたんだけど……えへへ……」
肩をすくめて悪戯っぽく笑いながら、陽一の方を見る。
綾はそのアキラの手首を掴み、椅子から引き摺り下ろした。
「な、何するの! 痛いよ!」
「ふざけんな」
「え……?」
「警察に行くわよ」
アキラは引きずられ、居間の床に倒れこみ、「痛い!」と声を上げた。
「綾……乱暴は……」
「だまらっしゃい。言ってダメなら無理にでも連れてくしかないでしょ。ほら、歩け!」
「や……! 痛い! 痛いよお!」
力ずくで連れて行こうとする綾に、アキラは必死で抵抗した。
「やだよ! 警察とか行きたくない!」
「知らないのなら教えてあげる。売春はいけないことなのよ」
「やー! やだやだ! 警察に連れて行くなら舌噛んで死んでやるから!」
「死にたきゃ勝手に死になさい」
綾の一言に、アキラは引きずられながら、舌を出す。
「本当に噛むからね!」
ぎゅっと目を閉じ、前歯で舌を挟んだ。
綾は完全に無視してアキラを引きずったが、さすがにまずいと思った陽一が横から止めに入った。

88:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:13:19 ae2Wnmcx
「綾、一晩くらいいじゃないか」
「はあ?」
「本当に舌を噛まれて死んじゃったらどうするんだよ」
それこそ願ったり叶ったりなので、綾としては何の問題もなかったが、さすがにそうは言えない。
「……じゃあお兄ちゃんは、あの子が援助交際を繰り返してその辺を放蕩した方がいいっていうの?」
「そうは言わないけどさ……」
「なら警察に連れて行って、おうちに帰してあげた方が、あの子のためでしょ」
「あのな……家や両親に問題がある場合だってあるだろう」
陽一の静かな一言に、綾は息を詰まらせた。
確かに、そういう例はある。
「だからって……」
「な、今晩だけ泊めてあげて、明日話を聞いてみよう。一日たてば打ち解けて、話してくれるようになるさ。ひょっとしてあの子は家で辛い思いをしていたかもしれんだろ」
「……」
心の底から不満ではあったが、結局綾は陽一に対しては弱い。
「ふん……」
アキラの手首を離し、台所に消えた。
「綾……?」
「夕食の準備。一人分増えちゃったからね」
綾の返答に陽一はほっと息をついて、床に座り込んだアキラに手を差し伸べた。
「え? えーと、つまり私、出て行かなくてすんだの?」
「今日はもう遅いし、ここに泊まっていっていいよ」
アキラはキラキラと笑顔を輝かせ、陽一に勢いよく抱きついた。
「うわ! ちょ……!」
「ありがとー、お兄ちゃん! お兄ちゃんならタダでエッチさせてあげていいよ!!」
「は……?」
台所から食器の砕けるけたたましい音が聞こえ、包丁を持った綾が駆け戻ってきた。
「ふざけんな!」
また小一時間揉めたが、結局アキラは支倉家に泊まっていくことになった。

89:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:14:22 ae2Wnmcx
「で、もう三日間居座っている、と……」
「ええ」
小夜子は目の前で弁当のおかずに箸を突き刺す親友を見た。
この三日間、日を追って不機嫌になっていっている。
どことなく疲れているようで、その日の授業では、居眠りをしている姿も見受けられた。
「ねえ綾、ひょっとして寝てないの?」
「いえ、寝てないことはないけどね……」
実際あまり寝ていなかった。
何しろ援助交際でねぐらを得ていたという少女が家の中にいるのだ。
夜中に陽一の部屋に夜這いをかけたりしないか、細心の注意をもって、綾はアキラを監視していた。
「よ、夜這いって……さすがにそれは無いんじゃ……」
「だってねえ、ほんっとにやらしい子なのよ? まだ中学生だっていうのにあれじゃ、先が思いやられるわ」
この三日間、アキラはことあるごとに、陽一に対して性的とも取れる接触をした。
とにかく抱きつき、体を押し付ける。
風呂上りはまずバスタオル一枚。
普段着姿でも、仕草のあちこちで下着や脚を見せつけようとしているのが感じられた。
「……考えすぎなんじゃないの?」
「考えすぎじゃないわよ!」
机を拳で叩き、綾は続けた。
「おまけにね……あの子……お兄ちゃんのことを、『お兄ちゃん』って呼ぶのよ」
「え……そ、それって何か問題あるの?」
「あるわよ。あの子は家族でも何でもないんだから」
あまり刺激しない方が良さそうだと判断した小夜子は、それもそうだねと頷いた。
「でも、そんなに問題ありな子なのに、陽一さん三日も家に泊めてるんだ」
「……ええ。ホント、無意味に甘ちゃんなんだから、あの馬鹿兄貴は」
本当のところ、理由はわかっていた。
つまりは兄も、自分たちの母のことを忘れていなかったということなのだろう。
そして、あの頃の綾のことも。
アキラが家庭で辛い思いをして家出や援助交際をしているというのなら、何とかしてやりたい考えているのだ。
他人の痛みを想像することのできる陽一を、綾は立派だと思っている。
尊敬しているし、好きなところでもある。
しかし、アキラにどんな事情があるにせよ、彼女の陽一に対する接し方は、綾にとって許せるものではなかった。
「相変わらず綾は、陽一さんのこととなると夢中だねえ」
「私は、家を預かる者として言ってるのよ。我が家でいやらしいことをさせるわけにはいかないし、いつ物盗りに化けるかわからないんだから」
「そっか。まあ、綾の負担が大きいようなら、また陽一さんに話してみるといいんじゃないの?」
「……今夜あたりまた話してみるけどね」
結局午後の授業も綾は眠ってしまった。

90:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:15:54 ae2Wnmcx
また舌を噛むだの死んでやるだの言われてはたまらないので、綾はアキラが風呂に入っている間に陽一と話すことにした。
「いつまで置いておく気?」
「うーん……どうしたもんかね」
「ずっとうちに居させるわけにはいかないでしょう」
陽一の最初の考えでは、家出の理由を聞けたら、それに沿ってアキラの悩みを解決し、快く送り出してやるつもりだった。
しかし、打ち解けてはきたものの、アキラは家出の理由については一切話そうとしなかった。
「前よりか色んな話をしてくれるようにはなったんだけどなあ……」
「別に大した理由なんかないのよ。だから話さないんじゃないの?」
「だからって外にほっぽりだして、援助交際をさせるわけにはいかないだろう」
「そんなのここに居たって同じよ。お兄ちゃんは知らないだろうけど、あの子、夜中になると一人で外に出てるんだから」
この三日間、夜這い防止の寝ずの番をして、綾はアキラが毎晩外出しているのを知っていた。
もう戻ってくるんじゃない、とその度に願ったが、アキラは毎回一時間もすると戻ってきて、それから布団に入って眠りについていた。
「お客さんをとってるんじゃないの?」
「まさか……うちで寝ることは出来るんだし、わざわざ……」
「ああいうことする子はね、したいからするのよ。寝床がどうとか、そんなのは問題じゃないわ」
「ふーん……そういうものなのかね」
陽一は少し悲しそうな顔をしたが、それはともかく、と続けた。
「あの子がここに居たいというんなら、もう少しここに居させてあげようよ。無理に追い出して、自殺しちゃったり事件に巻き込まれたりしたら、後味悪いだろう」
「……」
正直、関係の薄い人間がどこでどうなろうと、綾の知ったことではなかった。
賛同しかねるといった表情をするが、陽一は陽一でひく気はないと見て取れた。
二人とも黙り込んだところで、風呂場の戸が開く音が聞こえ、すぐにアキラの足音が居間に近づいてきた。
「ふー! いいお湯だったよー!」
バスタオル一枚だけを体に巻いた姿で、アキラは居間の引き戸を勢いよく開けて駆け込んできた。
「またあなたは……毎度毎度、部屋着を着てからこっちに来いっていってるでしょうが」
「えへへ……めんどくさくって! それにお兄ちゃんもこっちの方が嬉しいよねえ?」
「いや、普通に服を着てくれた方が助かる」
顔を逸らす陽一に、アキラは後ろから飛びつき、体を押し付けた。
「ねえねえ、お兄ちゃんたち、さっき何の話してたの? 変な雰囲気だったけど」
「別に、何の話もしていないわ」
「私の話? ひょっとして……出て行け、とか?」
嫌な子だ、と綾は思った。
自分の身に関することについてはやたらと鋭く、本能をもって身を守ろうとする。
今も綾の目の前で、アキラは陽一にますます強く抱きつきながら、頼みを口にしていた。

91:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:17:09 ae2Wnmcx
「ねえ、お願い! もう少しだけ居させてよお……」
綾が最終的に陽一に従うのをわかっているのだろう。
アキラは綾にお願いすることは無く、基本的に陽一をターゲットにしていた。
「私、ここを追い出されたら行くところなくなっちゃうよ……」
「いや、わかったから、離れて」
しどろもどろで言う陽一から、言われたとおりアキラは離れる。
そのまま陽一の正面に回ると、体に巻いていたバスタオルを両手でばっと広げた。
「な……!」
アキラの全身が、陽一の目に映った。
小ぶりな胸も、薄く恥毛の茂った秘所も、はっきりと見えた。
「えへへ……ここに居させてくれるなら、何してもいいからさ」
「馬鹿なこと言ってないで、さっさとしまいなさい……!」
陽一はまた慌てて顔を逸らした。
「馬鹿なこととかじゃなくて……私、お兄ちゃんに本当に感謝してるし。お兄ちゃんのこと大好きだし」
「別にまだ居てもいいから、頼むからちゃんと服を着てくれ!!」
陽一の言質を得て安心したのか、アキラはにこりと笑うとバスタオルを巻き、洗面所へと戻っていった。
陽一は一息をつき、先ほどから綾が無言なのに気がついて、慌てて綾の方を見た。
予想に反し、綾の表情は驚くほど涼やかなものだった。
「綾……?」
「何?」
「いや、怒ってないのかと思って」
怒っていないわけは無い。
綾は気付いていた。
先ほどアキラが全裸を晒した時、陽一が顔を赤らめていたことを。
顔を背けてはいたが、陽一の股間が微かに反応していたことを。
男としては、自らの意志とは関係無しに、しょうがないことなのかもしれない。
綾はかつて無いほどに感情を揺り動かされていたが、努めて冷静に振舞った。
「別に……」
ため息をついて、綾は言った。
「お兄ちゃん、ホントに、いつまであの子の面倒を見るつもりなの?」
「もう数日見て、それでダメだったら、警察なり適当な相談所なり行くよ」
「……お兄ちゃん、信じてはいるけど……あの子と妙なことしないでね」
「さすがにそれを言われると、俺の方が怒るぞ」
陽一のことは信じている。
最愛の兄を信じないわけは無い。
「……ごめん」
悪いのはアキラだ。
綾は素直に謝った。

92:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:19:32 ae2Wnmcx
その夜、支倉家を出る二つの人影があった。
一人はアキラで、夜中の一時を過ぎる頃にこっそりと玄関を出ていった。
もう一人はアキラから少し距離をあけて、静かに後をつける綾の姿だった。
誰もいない深夜の道を、アキラは鼻歌を歌いながら歩く。
そこから三十メートルほど離れて、綾は足音を殺し、道の端の影の中をひっそりと歩いた。
着いた先は近所にある大きめの公園だった。
浮浪者や、がらの悪い連中がたむろしていることから、夜には近づくなと近隣では言われている。
アキラは、公園の入り口にある電話ボックス前に立つと、歩みを止めた。
アキラの手の中には、一枚のテレフォンカードがあった。
手の中のテレフォンカードと、目の前の電話ボックスを交互に見つつ、アキラは足を止めたまま動かない。
「何してるの?」
不意に声をかけられ振り向くと、すぐ後ろに綾が立っていた。
綾はいつもはツインテールに結んでいる髪を後ろで一つにまとめ、初夏の夜だというのに長袖長ズボンを着込んでいた。
「綾ちゃん……つけてきたの?」
「何してるの、こんな夜に」
綾の追及に、アキラは手に持ったテレフォンカードを見せた。
「えへへ……電話しようかなって思って。家に」
「なるほど。やっと出て行く気になったってわけ?」
「んー、それが、やっぱりかける気にならなくて」
「何故?」
「なぜかって……そりゃあ、色々あるから……」
「毎晩毎晩、電話をかけられないで、うちに戻ってきていたの?」
「うー……うん」
綾はやれやれと頭を振った。
「あのね、帰る家があるなら帰ったほうがいいわよ?」
「んー……やなんだよねー、自分の家は。居心地が悪くて」
「だからって、いつまでもうちに居るわけにはいかないでしょう?」
「んん~、どうだろうね」
アキラはいつものようにいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「陽一さんは優しくしてくれるし、できるならずっと居たいなあと思ってるけど」
「私が許さないわ」
「えへ。綾ちゃんって最初っから怖い人だね。でも、陽一お兄ちゃんが居ていいって言えば、居させてくれるんでしょ? 私、綾ちゃんがホントは陽一お兄ちゃんには強く言えないって知ってるもん」
「……お兄ちゃんも、もうしばらくしたら、あなたを警察か相談所に連れて行くつもりだからね」
「ええ~、それは困るよお」
アキラはスカートの端を指でつまみ、ひらひらとめくって見せた。
「もっと積極的にお願いしなきゃだめかなあ……」
自らの体で男に取り入る術を知っている少女の言葉に、綾は不快そうに眉をしかめた。
「あなたが今まで出会った男の人がどんなものだったか知らないけどね、お兄ちゃんはそんなもので惑わされる人じゃないわよ」
「ええ? そうかなあ? わからないよ~? 綾ちゃん知ってる? 陽一お兄ちゃんね、私が抱きついたりすると、時々あそこを大きくするんだよ?」
「……!」
「あそこってどこだか、綾ちゃんわかる? どうして大きくなるのかわかる?」
クスクスと笑って、小馬鹿にするように訊いて来るアキラに、綾は震える声で尋ねた。
「ま、まさかあなた……もう、お兄ちゃんと……」
「ううん。まだだよ。でもこれからガンガン押していっちゃうけどね。お兄ちゃんもまんざらでもないみたいだし」
「やめて!!」
本人も驚くほどの声で、綾は叫んでいた。
「それはやめて! ダメ! 絶対にダメ!!」

93:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:20:18 ae2Wnmcx
髪を振り乱し、アキラを睨みつける。
前髪に隠れた切れ長の目に街灯の光が反射し、蛇の目のように光った。
「ダメ……それは……それは絶対にダメ……!」
「……綾ちゃんて、陽一お兄ちゃんのことになると、やたらと絡んでくるよね。今も必死だし」
「家族のことなんだから……当然でしょう……!」
「家族とかそういうんじゃなくて……まるで私に嫉妬してるみたいだよ。気持ち悪い」
「気持ち、悪い……?」
「そうだよ。あのね、いくら綾ちゃんが妹だからっていっても、陽一お兄ちゃんの恋愛に口出しする権利なんて無いんだから」
「恋愛……? お兄ちゃんと、あなたが、恋愛をしているっていうの?」
「そうだよ」
「あなたは、自分の体を売り物にしているだけでしょう!!」
「えへへ……私、陽一お兄ちゃんのこと大好きだもん。好きな人だからセックスもしたくなるってだけだもん」
「出て行って……私の家から出て行ってよ……」
「陽一お兄ちゃんが出て行けっていったらね」
「でも」とアキラは、またスカートをひらりとめくり、少女らしいツヤのある太腿を露にした。
「そうならないように、陽一お兄ちゃんにアプローチしちゃうけどね。この体で」
綾は走り出していた。
アキラに向かって、一直線に。
「え……?」
アキラが反応しようとしたその時には、すでに綾は目前に迫り、次の瞬間、小さな悲鳴とともにアキラは地面に倒れていた。
倒れたアキラを冷たく見下ろす綾のその手には、棒状のスタンガンが握られていた。
「……そんなにセックスがしたいなら、思う存分させてやるわよ」
綾の言葉に、アキラは反応しない。
意識はあるが、体が動かないようだった。
綾はアキラの首に腕を回し、念を入れて締め落としておいて、公園の植え込みの陰へと引きずって横たえた。
両手に厚手の黒い手袋をつけ、綾は周囲を見回した。
広い公園。
人の気配は無い。
木々の茂る森林区の中には、浮浪者がねぐらにしている小さな遊具が見える。
綾は近くのゴミ箱を覗き込むと、中から大きめの白いビニール袋を取り出した。
そのビニール袋を細く折りたたみ、さらに何回もねじって、固い紐状にする。
甘酸っぱい生ゴミの臭いが手についたが、そんなことは気にせず、一心不乱に作業を続けた。
アキラのTシャツを脱がせ、折りたたんで、それを目隠しのようにしてアキラの顔に巻きつける。
ビニール袋から作り上げた紐で、アキラの両手を後ろ手に縛り、自由を奪った。
さらにスカートをまくり、綾はアキラの下着に手をかけた。
「あら……?」
淡い水色の、シンプルな下着は、ぐっしょりと生温かく濡れていた。
「あらあら、締め落とした時に漏らしちゃったのね」
小便の臭いが鼻をついたが、気にせず綾は下着を脱がせ、手の中で丸めると、そのままアキラの口に詰めこんだ。
「う……」
うめき声をあげるか、アキラはまだ目覚めない。
綾は下着を奥へ奥へと詰めた。
すべてを終えるとそこには、後ろ手に縛られて、上半身はブラジャーのみ、捲り上げられたスカートに、微かな陰毛の生えた秘所を露出し、地面に転がされたアキラの姿があった。
「さて……」
時計を見ると、二時になるかならないかというくらいだった。
綾はまた周囲を見回して、誰も居ないことを確認すると、アキラを引きずって移動した。
目指す場所は、浮浪者たちのたむろしている森林区だった。

94:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:21:26 ae2Wnmcx
浮浪者たちは、森林区の中にある使われない遊具の陰で、各々ダンボールにくるまって眠っていた。
人数は三人。
やっせぽちのもいれば、それなりに体格のいい者も居る。
どこから持ってきたのか、あたりには飲み散らかしたビールの缶が転がっている。
何とも不快な臭気があたりを覆っていた。
綾に引きずられてきたアキラのうめき声をあげる間隔は短くなっていて、そろそろ目を覚ますのだろうと見て取れた。
「急がなきゃ……」
綾はアキラの股を開かせて、局所を前面に押し出すような体勢で地面に寝かすと、寝ている浮浪者の背に思い切り蹴りを入れた。
「ぐぁっ!」
悲鳴をあげて浮浪者が背中を押さえる。
すぐに綾は走り去り、近くの茂みに身を隠した。
「いてぇな! なにすんだ!」
怒りの声をあげ、飛び起きる浮浪者。
しかしそこには彼を蹴りつけた者の姿はなく、あるのは秘所を丸出しに、健康的な肌を露出して地面に転がっている、一人の少女の姿だった。
「……あ?」
浮浪者は何が何だかわからず、飛び起きたままの姿勢で止まった。
なぜ目の前に、裸の少女が転がっているのか。
目隠しをされ、口には詰め物をされている、まだ年若い少女が。
「何だってんだよ、こりゃ……」
疑問を口にしながらも、男の体は正直だった。
寝床も定まらない生活をしていれば、女を抱く機会なんてそうそうない。
たまに日雇いの仕事をして金が入ったときに、風呂に入って安い風俗に行って、手や口でしてもらうのがやっとである。
「何なんだよ……」
警察に届けようか、無視しようか、それとも……。
考えているうちに、男の下半身にはどんどん血が集中していった。
「……」
男は鼻息荒く、アキラの太腿に手を触れた。
ぴくんと体を震わせ、うめき声をあげるアキラに、一瞬身を引きながら、おそるおそるといった様子で触り続けた。
やがて、男の汚らしい手は、アキラの秘所に触れた。
少女の柔らかい肉の感触と、微かに漂う小便の臭いに、男はそれ以上耐えられなかった。
何しろ、もう何年も女体とは無縁の生活を送っているのだ。
「くそ……!」
男は震える手でズボンを下ろし、勃起したペニスを握った。
長らく洗っていないそれは、異臭を放ちながら驚くほど大きく勃起し、男の心臓の鼓動に合わせて震えていた。

95:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:23:01 ae2Wnmcx
「へへ……へへへ……」
アキラのまだ幼さの残る秘所に汚ない指をあて、割れ目をぱっくりと開く。
膣口の位置を確認すると、男は握ったペニスをしっかりとあてがい、腰をゆっくり押し進めていった。
濡れていないので、スムーズにはいかない。
しかし男のペニスは確実に、陰唇を巻き込むようにして、中学生の少女の中に飲み込まれていった。
「うおお……あったけぇな……」
根元まで入りきると、男は恍惚の表情を浮かべ、背筋をぴんと伸ばす。
そして、アキラの股間に自らの下腹をこすりつけるようにして、軽く身を震わせた。
「へへ……もう出ちまった……久しぶりだからなあ」
ゆっくりと、男は腰を動かし始めた。
「むしろこれで動かしやすくなったか」
ちゅく、ちゅく、と小さく水音が聞こえる。
男はますます興奮して、アキラの体に覆いかぶさるようにして乗っかり、瑞々しい肌を首筋から顔にかけて舐めまわした。
「う……ん……?」
アキラが呻いても、男はもはや気にせず腰を振る。
男の荒々しい突き出しに、体をがくんがくんと揺らされて、
「ん……? ん……んんー!? ん、んー!!」
ついに目が覚めたのか、アキラは身を捩じらせて、足を動かした。
しかし男はしっかりと抱きつくようにしてアキラを犯し、その足は虚しく空中を蹴るのみである。
叫び声をあげようにも、口の中には濡れた下着が詰められて、ただ呻くことしかできない。
おまけに視界も隠されて、アキラには自分の身に何が起こっているのかわからなかった。
ただわかるのは、自分が犯されているということ。
自分を犯している男が、強烈な臭気を発しているということだった。
「んー! んんーっ!! ん~……!」
「お、お、動くなって。そんなに動くとまた……」
腰の動きが細やかになり、すぐにまた男は身を震わせた。
「また出ちまった。まあ久しぶりだからいくらでもできるけどな」
男の性欲はとどまるところを知らない。
腰が打ち付けられるたびに、男の精液が少女の膣中でかき回され、ますますいやらしい音を発した。
混乱の中に、恐怖と悲しみからアキラは泣き出し、喉を鳴らす。
男が一息つこうとペニスを抜いたところで、他の浮浪者二人も起き出してきた。
その男たちも、既に興奮に息を荒くし、一人は早くもペニスを握って自慰をしていた。
「お前らもやるか?」
アキラは為すすべも無く、三人の浮浪者に犯されることとなった。
綾はその光景をずっと、笑いながら見ていた。

96:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:23:48 ae2Wnmcx
四時を過ぎて東の空が白み始めた頃、男たちはいそいそと服を着て、公園を出て行った。
顔は見られていないとはいえ、少女を犯した公園にそのまま居座っていては、警察にお世話になること間違いなしである。
早いうちに、適当な場所にねぐらを変えておかねばならなかった。
男たちが去ってから、綾は茂みから姿を現した。
綾の足元には、無残に犯しつくされたアキラが転がっていた。
全身に男たちの精液を浴び、顔や胸には唾液がぬりたくられている。
秘所はぱっくりと開き、男たちが体内に残した白濁の液体が流れ出してきていた。
綾は息も絶え絶えといった具合に横たわるアキラの前髪を掴み、引っ張り上げると、顔に巻かれた目隠しのTシャツを乱暴にほどいた。
「気分はどう?」
「う……」
目を細めて、アキラは綾の顔を見る。
「う……ん~……!」
「何怒ってるのよ。大好きなセックスができて、大満足でしょ?」
「んー! ん゙ー!」
「ちょっとちょっと、暴れないでよ。ただでさえあなた、すっごく臭いんだから」
綾は髪を掴んだままで思い切り腕を振る。
ぶちぶち、と髪の毛が束になって抜け、アキラは地面に顔を叩きつけられた。
土に頬を擦りつけながら、アキラはぽろぽろと涙を流した。
「まだ、お兄ちゃんとセックスしたい?」
「……」
「セックスしたいかって訊いてるのよ!」
綾は一切の容赦なく、顔面を蹴り上げる。
鈍い音がして、アキラの鼻が奇妙に捻じ曲がった
「ん! んぉぉおおおっ!!」
鼻血を撒き散らしながら、アキラは悶絶し、声にならない声あげる。
「どうなのかって訊いてるんだけど」
折れた鼻をさらに踏みつけられ、アキラは泣きながら首を左右に振った。
その反応に、綾は「良かった」と胸を撫で下ろした。
「でも、これまでのあなたの罪が消えたわけじゃないからね」
綾はしゃがみこんで、アキラの鼻をそっとつまんだ。
アキラは激痛に顔を歪めたが、すぐにもっと重要なことに気付き、体をゆすって綾の手から逃れようとした。
喉の奥まで詰め込まれた下着で、口からの呼吸はほとんど不可能となっていたのだ。
そのうえで鼻を塞がれては、どうしようもない。
必死になって暴れたが、両手を縛られた状態ではどうしようもなかった。
自由がきかない中で激しくのたうちまわるアキラを押さえながら、綾は決して手を離さない。
やがてアキラは体を痙攣させて、空気の抜けるような情けない音とともに糞尿をもらしてしまった。
強烈な臭いが漂ったが、綾はやはり動じず、アキラの呼吸を封じた。
しばらくしてアキラは糸が切れた人形のように動かなくなり、だらしなく股を開いたままで、ぐったりと身を横たえた。
それから五分、十分、十五分と経ち、ようやく綾は血にまみれた鼻から手を離した。
「終わり、か……」
ふう、と息をついて、慌てて袖で鼻を覆う。
「なんて臭さなの、この娘は……。最悪だわ」
涙ぐみながら、アキラの口の中の下着を、さらに喉の奥へと詰め込んだ。
アキラはぼんやりと空を見たまま、もはやぴくりとも動かなかった。
「四時半、か。ぎりぎりの時間ね」
公園には早朝から訪れる者もいる。
絶対に姿を見られるわけにはいかなかった。
「ホント……汚らしい」
見るも無残な姿となったアキラに一言残し、綾はその場を去った。

97:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:39:58 ae2Wnmcx
二日後、アキラの死体は発見され、支倉家のある地区ではちょっとした騒ぎになった。
姿を消す直前まで居候していた家ということで、陽一と綾は警察から事情を聞かれることとなった。
陽一はさすがにショックを受けながらも、アキラとの出会いや、家での様子、細かい事情は聞いていなかったことを話した。
そして綾は、ショックを受けたように装いながら、アキラが援助交際をしていたこと、夜に家を出て行くことがあったことをきちんと話した。
アキラは補導歴もあったらしく、二人の話はすんなりと聞き入れられた。
綾は内心、公園で姿を見られたのではないかと恐れていたのだが、どうやら大丈夫だったようで、何事も無く二人は家に帰された。
警察の話では、アキラの死因は窒息死で、暴行を受ける際に喉に詰められた下着が気道を塞ぎ、死に至ったのだろうということだった。
現在、アキラに暴行を加えた者たちを全力で捜査中だという。
警察署からの帰り道、綾はしょぼくれる兄の背を優しく撫でながら、やり遂げたという満足感と開放感で満たされていた。

98:恋の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:41:03 ae2Wnmcx
昼に警察署に話をしに出向き、家に帰りついたのはもう夕暮れ時だった。
「ご飯のしたくするからね。お兄ちゃん何食べたい?」
ご機嫌なのを押し隠して綾は陽一に尋ねる。
どんな御馳走でも作ってあげようという気分であった。
「いや……いい。食欲がない」
「えー……? 何でよ?」
「だってお前、あんな話の後で……」
綾は頬を膨らませた。
「気持ちはわかるけど、食べないとますます元気がなくなっちゃうわよ」
「いや、でも……」
「お兄ちゃん……そんなに悲しいの? アキラちゃんが居なくなって」
「だってお前、ついこの前まで一緒に暮らしていた人間が死んだんだぞ? 悲しくないわけないだろ」
責めるような目で綾を見る。
お前は何とも思わないのかと。
「そりゃ私だってショックだけど……だけど私たちがどう思ったところで、あの子が生き返るわけじゃないじゃない」
「……」
「……お兄ちゃん、やっぱりアキラちゃんのこと好きだったの?」
「そういうんじゃないよ。ただ……何かしてやれたんじゃないかって……そう思うと……」
陽一も綾も、警察から少しだけアキラの家庭の事情を聞かせてもらっていた。
両親は離婚、母親についていき、この一年母が愛人を連れ込むようになってから、家に帰らなくなったらしい。
彼女の死体が唯一持っていた持ち物は、スカートのポケットの中にあった、かつて両親と撮った写真から作ったテレフォンカードだった。
「お兄ちゃんが自分を責めることないわよ」
「……」
「あの子以外にも、似たような境遇で苦しんでいる子供はきっとたくさん居るでしょ? それぞれが頑張って毎日生きているのに、家を出て、体を売って生きるって決めたのはあの子なんだから。こうなる道を選んだのはあの子だったんだから」
「お前……冷たいな」
「ずいぶんな言い草ね。お兄ちゃんに元気を出してもらいたいだけなのに」
陽一は椅子に座り、俯いたまま返事をしない。
綾はため息をついて、陽一の前に進み出た。
「お兄ちゃん、ちょっと見て」
「……?」
陽一が顔を上げると、目の前には綾が立っていた。
部屋着のチェックのスカートをまくり上げて。
真っ白な下着に包まれた下半身と、すらりと伸びる脚が、何とも美しい。
陽一は慌てて顔を逸らした。
「な、何やってるんだ!」
「お兄ちゃんが元気なかったから……アキラちゃんの真似」
「しまいなさい!」
綾は素直にスカートを下ろした。
こっそりと兄の股間に視線を向けるが、変化の様子は無い。
(でも、顔を背けるってことは、何も感じていないわけではないはず……)
そう思うと、綾はまた嬉しくなってしまった。
陽一はしばらくアキラのことで悩みそうだが、気長に待とうと思えた。
「ご飯はつくるから、ちゃんと食べなさいよね」
台所に立った綾は、陽一に聞こえないよう水道の水を一杯に流して、喉の奥から笑いを漏らしながら呟いた。
「ま、お兄ちゃんが男だって教えてくれたことには、お礼を言わなきゃね」
今は亡きアキラへの、感謝の言葉であった。

99: ◆5SPf/rHbiE
07/05/26 05:41:44 ae2Wnmcx
今回の投下は以上です。

100:名無しさん@ピンキー
07/05/26 05:47:04 Sy0okcXF
GJ!!
今回の綾もジツにいいキモウトでした。

101:名無しさん@ピンキー
07/05/26 07:54:59 TFKTfY+e
SATSUGAIキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
…やっぱキモウトにはそういうのがいいんだろうかw

102:名無しさん@ピンキー
07/05/26 07:58:30 rZ6b2/y1
いや、もうね。

言葉に出来ないこのGJ

103:名無しさん@ピンキー
07/05/26 08:00:24 +TfoCYH1
>>99
つまらんなぁ


104:名無しさん@ピンキー
07/05/26 09:13:47 5a4nIDKp
殺んデレキモウトはキモかわいい

105:名無し@ピンキー
07/05/26 09:15:58 Y8bFnEqT
相変わらず恐ろしい。
綾は通算で何人殺ってるんだろうw

106:名無しさん@ピンキー
07/05/26 09:17:36 eoPkEfyG
なんといういい妹。俺の妹と交換してくれよ。
22歳のくせして素っ裸で家をうろついてるんだぜ。
少しは恥じらいを持ってほしい。

107:名無しさん@ピンキー
07/05/26 10:55:51 kb50zs6l
>>綾
毎回いい仕事してくれるぜぃ!!!
GJ!!!!!!
アキラタン、色仕掛けしなければ多少は綾タンの同情も
引けたかもしれないのになぁw

>>106
うp!!!!!

108:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:18:26 qsADq7jw
もはやSATSUGAIのプロフェッショナルだな、綾
自慢の本能で綾の恐ろしさは見抜けなかったのがアキラの敗因か

ともあれGJ!

109:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:46:54 6jI6XGD/
GJとしか言い様がない!
小夜子タンがいつ殺されるのか、綾タンはいつ殺しに失敗して
タイーホされるのかを密かに期待しているw

110:名無しさん@ピンキー
07/05/26 12:23:07 XWqP9j2T
GJ!
いつか宇喜田さんの逆襲にwktk
>>106
交換の前にSAT(ry

111:名無しさん@ピンキー
07/05/26 12:49:40 63MKD1r/
GJだが、ここまでくると萌えよりガクガクブルブルだな。

>>106
ちょっと体育館裏来い。

112:名無しさん@ピンキー
07/05/26 13:57:05 1SAxUZ9J
>>106
高見盛似か朝青龍似のどっちだ?

113:名無しさん@ピンキー
07/05/26 14:49:43 zg8xC8XD
>>99
GJ
なんというSATUGAIのプロ
綾は間違いなく裏世界で通じる

>>112
琴欧州だろ





あれ・・・?ちょっといいかmアッー

114:名無しさん@ピンキー
07/05/26 16:06:01 Cs0VGEId
俺のイモウトは着替え止まり106がうらやましぃ
綾ちゃんGJ

115:名無しさん@ピンキー
07/05/26 16:38:10 7IMuMfHx
キモ姉まだかなぁ・・・

116:名無しさん@ピンキー
07/05/26 17:44:41 Y8bFnEqT
妹姫投下。休み中で最後まで書き上げました。
とりあえずそのうちの半分。

117:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/26 17:46:11 Y8bFnEqT
国主の信輝が勝利を祝って乾杯の音頭をとって無礼講の宴が始まった。
本当の出自を知らせていないため、清治は下級のものから妬まれても
いたが、この戦でその雰囲気も改められ、次々と杯を交わしている。
隣には舞姫が緊張した面持ちで座り、杯に酒を注いだりしていた。

「それにしても清治の手腕は見事であった。」
「恐れ入ります。ですが叔父上方、歴戦の士がいてこそ出来たことです。
 それに作戦そのものも一人で考えたことではありません。」
「ふむ、誰じゃ?」
「九条殿の娘、雪殿です。戦の前触れの察知から作戦の立案、地図の用意と
 多大な協力を得ました。自分だけの手柄ではありませぬ。」
雪の名前を聞いた瞬間、舞姫は自らの心に暗い炎が灯ったのを感じた。
(いや…)

「噂以上のようだな。清治は一人身、雪殿を嫁に貰ってはどうか。
 仲人はわしがしてやろう。同時に大上を名乗ればよい」
(いや…私から……)
「は、ありがとうございます。落ち着きましたら宜しくお願いいたします。」
(兄上様を離さないで!いやいや嫌!絶対そんなことはさせない!渡さない!
 どんな人でも絶対に!兄上様は私だけを…わたしだけを…!!)

「皆様方、戦での勝利お祝い申し上げます。」
そこに現れたのは、小柄な着物の女──雪だった。彼女は無表情に
皆に頭を下げ、清治の反対側の隣に座った。

「雪、どうしてここへ。」
「我が生きて帰ってきてくれた君にすぐに会いに来ない道理があるまい。
 芳之助に送ってきてもらった。」
「雪殿、此度の戦での働き、この信輝からもお礼申し上げる。」
「女は影で支えるもの…、手柄は全て清治殿に。」
余裕で応対していく雪を舞姫は、嫉妬と怒りを込めた気持ちで見つめていた。
それに気づきながら雪は清治の無事の祝いを述べ、改めて舞姫の隣に座った。
(この人が…兄上様を奪おうとする一番の敵…)

「お初にお目にかかります。舞姫様。九条春尚の娘、雪でございます。」
「…舞でございます。このたびの働き、お見事でございました。」
「愛するもののためなれば。」
「…」
「舞姫様、少々外に涼みにいきませぬか?」
「おい、雪!」
雪の言葉に清治はあわてて止めようとしたが、

「大丈夫、芳之助も一緒だ。清治殿、舞姫様は借りて行くぞ。」
「わかりました。参りましょう…。」
清治は、何事も起きないことを祈るほかに無かった。


118:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/26 17:47:48 Y8bFnEqT
城門近くの先穂之桜は、ゆるい風にゆっくりと花びらを散らせながら
月明かりを浴びて春の最後の輝きを見せている。
桜の下では三人女がいて、そのうち二人が向かい合っていた。
片方は綺麗な髪の長い、か弱い雰囲気の美しい少女。
片方は短めの髪の小さいが、瞳に強い輝きを持つ女。

「さて、舞姫様は我に何かおっしゃいたいことがおありの様にお見受けしましたが…。」
「はい。兄上様に近づかないでください。」
「ふむ…。しかし、婚約者に近づくなとはどういう了見かな。」
「兄上様は、貴女を好いてはおりませぬ。」
「我は好いておる。それに清治殿も嫌ってはおるまい。何か問題が?」
舞姫は顔を怒りに歪め、雪は涼しい顔で受け流している。

「兄上様を束縛しないでください。」
「束縛したというのは心外だな。我が清治殿と結ばれるように状況を用意したのは
 否定はせぬが。好いたもののため、努力するのは当然であろう。」
「望みもせぬ地位に着き、好いてもいない人を娶る…そんなことを兄上様には
 させたくない。だから、貴女には渡すわけには行かない。」
「舞姫様は誤解しているな。清治殿は為政者として生まれた自分の人生を自らの
 意思で受け入れたのだ。我はそれを補佐しているだけに過ぎない。彼がもし、
 そうでない人生を選んだとしても我は彼と共にあったろう。それに清治殿が
 我を好いておらぬと何故決め付ける?」
「そ、それは…兄上様が貴女を好いてるはずがないんです!」
「我は毎夜清治殿と逢瀬を重ねておるのだ。昔からな。お互いの知らぬことは殆どない。」
「なっ!!」
「他に話がなければ今晩は失礼させていただこう。芳之助、行こう。」
(兄上様…どうして…どうして…)

二人が去った後も、舞姫は暫く呆然と月を見上げていた。

119:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/26 17:48:35 Y8bFnEqT
数刻の後、清治は宴を抜け出してあてがわれている客間へと戻った。
元来それほど酒には強くはなく、今も尚続いている酒豪たちの宴会を
思うとため息しか出てこない。

部屋の窓から月を見ながら、外へと出て行った女性達を思う。
雪の性格は知っている。口論になれば妹に勝機はまずない。

「菓子でも用意しておくか…」
と、立ち上がろうとしたときスルスルと扉が開いた。
入ってきた舞は薄暗く照らされた明かりで、まるで生気の無い幽鬼のような
表情で佇んでいる。

「舞。どうした?今菓子を用意させるから少し待て。」
「そのようなものはいりませぬ。」
「顔色が悪いぞ。今日はもう休んだほうがいいぞ。」
「兄上様…雪殿を抱いたというのは本当でございますか…?」
「雪から聞いたのか…。事実だ。」
「兄上様…兄上様は嘘つきです!嘘つき!好きではないとおっしゃったではありませんか!」
「好きでなくとも男は抱けるのだ。それに雪は俺を好いてくれている。友情という
 形でだが好意もある。俺と雪の間には愛し合う上で何の障害も無いのだ。」
そこまでいい終えたとき、ぱさっと軽い音を立てて夜着が落ちた。
舞姫の白い裸身が、普段の姫としての清楚さとは違う妖艶さを帯びて、
薄暗い光に照らされ夜の客間に浮かび上がる。肌は羞恥で赤く火照り、
男を誘う香りを放つ──一人の女がいた。

「舞…お前何を…。服を着ろ!」
「兄上様…好きでなくても抱けるのであれば、私を抱いてください…。」
「馬鹿者!やめるんだ!」
「私には魅力がございませんか?」
舞姫は制止を聞かず、清治に体を擦り付ける。

「俺達は兄妹なんだぞ!」
「関係ありません…。一人の女として…見てください。」
「今お前を抱けばそこに待っているのは破滅だけだ。家は混乱し、国は滅ぶ。」
「そんなことはどうでもいいのです。兄上様さえ…兄上様さえ私を…
 私だけを想うて下されば、他は何も…。」
「俺は次期当主としての責任がある。」
「もしかして…お嫌いなのですか…お嫌いならそうといってください。兄上様に
 嫌われた私など生きている価値もないのです。死にますから…兄上様に愛されなければ…」
「舞…お前…。」
「何故!!私は雪殿が憎い!兄上様と何の問題もなくずっと一緒にいられるあの人が!
 兄上様の力になる才能を持つあの人が!私は兄妹というだけで抱いてすらもらえないというのに!!」
狂乱しながら彼女は清治の首を絞める。もう、離さないという気持ちを込めて。
清治は必死にもがく。


120:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/26 17:49:29 Y8bFnEqT
「ごほっ…舞……やめ……」
「あ……私…兄上様を……傷つけ…いや…いやああ!!」
「舞っ!俺は大丈夫だ!お前を嫌いなんてならない!!」
清治は抱きしめる。力強く。そして、舞姫から力が抜けた。
同時に、舞姫の繊細な指先が清治の股間に触れる。

「これが兄上様のモノ…。私はもう我慢できないのです。…んっ…」
舞姫は清治を押し倒し彼のモノを子猫が舐めるように舐め、咥え、
美味しそうにじゃぶりはじめた。

「お前どこでこんな…。」
「……っ…以前………芳之助様に……殿方の喜ばし方を…伺い…っ…ました…」
「くっあの馬鹿……舞!口を離せ……」
「んんっ!!……苦い…これが子種…」
妹にされている背徳感と慣れぬ拙い攻めに逆に劣情を抱かされ、
普段にない快感を味わう。

「兄上様に否定されても…例え国を敵に回しても…今日だけは…
 兄上様は私だけのものです。私だけの…愛する人です。逃がしません…。」
「よせ…まだ間に合う…」
「動かないで兄上様!ここで逃げれば…私は自害します。兄上様の本心をお聞かせください。」
舞姫の目は真剣なのを清治は一瞬で悟った。逃げようとすれば死ぬ…。

「十余年も離れていたのだ。俺も…俺も女としてしかお前を見ておらぬ。
 だが、それでも兄妹なのだ。どれ程想っていても愛し合うのは不幸になるだけだ。」
「私は…私は今、幸福です。ですから…無理やりでも…兄上様…私を死なせたくなければ
 お願いですから抱いてください。抱いてくださらねば私は…。」
「舞は卑怯だ。」
「謀とはそういうものだそうです。」
艶っぽく笑うその表情は少女のものではなく今までに無い色気を出している。
清治は覚悟を決め、自分の夜着を脱いで下にひいた。

「初めは痛いぞ。」
「覚悟は…しております。お願いします。」
「…抱いている間は兄ではなく名で呼べ。」
「はい兄…清治様…………っ…!」
清治は舞姫の口元に自分の手を差し出す。

「噛め。」
「…いっ……んんんんんっ!!!」
「もう少しで全部入る。」
「…くぅ…あああっ…んんっ!!!!」
「舞…全部入った…これでお前も女だ。」
舞姫は痛みで涙を流しながらも、ゆっくりと噛んでいる手から口を離し微笑む。
清治の夜着には、初めての証がついていた。

「はぁ…想像以上に痛うございました…。でも、清治様…それ以上に幸せです。」
「動くぞ。」
そういうと再び手を噛ませてゆっくりと動き始める。
舞姫の表情は初めは痛みだけであったが徐々に快感の色も混じる。


121:妹姫  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/26 17:50:46 Y8bFnEqT
「…んっ……んっ………」
「舞…お前の中は気持ちいい。相性がいいのか吸い付くようだ。」
「やだ……清治…様…恥ずかしい…こと…いわない…で…」
「もう少し激しく行くぞ。」
今まで労わるように腰を動かしていたが徐々に、激しく腰を打ち付け初める。

「あっ…清治様!私は…私は…もう……」
「舞っ……だすぞっ!」
「あああああっ!!もっと愛して…!!清治様…中にください!!」
最後に腰を一突きし、清治は舞姫の中に精を放つ。同時に、彼のモノを
締め上げるように舞姫の全身が震えた。

「はぁ…はぁ…。清治様…私の中に清治様の子種が…」
「あ、お、俺は…なんてことを…」
「私は…兄上様に犯されました。もう嫁にはいけませぬ。もう兄上様だけのもの…」
舞姫は妖艶に微笑む。人倫を踏み外したことを後悔する所か誇るように。
清治の隣で添いながら囁く。

「兄上様は私だけの兄上様でいてください…。」
「俺には国を守る責務がある。」
「それでは、私を…お捨てになりますか?」
「…舞。お前は姫としての自分を捨てることはできるか?」
「兄上様と共にいられるのでしたら…。」
「雪と仲良くすることはできるか?」
「………兄上様が愛してくださるなら我慢します。」
「ならば俺が当主になるのを待て。そうしたらお前を死んだことにして
 姫としてでなく、一人の女として手元に置く。それでも良いか?」
舞姫は笑顔を見せた。先ほどまでの美しい女としての妖艶なものではなく、
いつもの少し子供っぽい妹としての笑顔だった。

「わかりました。お待ちしております…一つしたいこと忘れてました。」
「何でもいってみろ。」
「口付けを交わしておりませぬ。」
「それは…全て上手く行ったときの楽しみにしよう。」
「はい、楽しみにしております。」
舞姫は眠りながら嬉し涙を流し続けていた。この先のことを少しも想像することが出来ずに…。


122:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/26 17:54:02 Y8bFnEqT
明日でラストです。
もう少しだけお付き合いお願いします。

123:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:15:35 H9WTia8x
>>122
つまらん


124:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:16:34 6ER6DWw9
>>122
糞だな

125:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:17:33 xVKvYhe7
>>122
これはないw


126:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:18:16 zdZB7kV/
>>122
嫌っても投下すんだろwwwww


127:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:19:16 kKErQZ1a
>>123>>124>>125>>126
まさに禿同


128:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:25:27 k4fGXjSa
>>127
荒らし死ね


129:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:28:36 Ciq3w1Cx
>>122
乙!
さて、ハッピーエンドになるかバッドエンドになるか・・・・・・

130:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:29:35 5a4nIDKp
期待してる
ハッピーとバッドどっちにも転びそうで展開が楽しみだ

131:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:47:11 FIV1TXk+
>>128-130
作者自演乙w


132:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:47:58 WOy3dmv0
これは……。
何か、破滅の香りがする……。


だが、GJ!

133:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:17:31 Cs0VGEId
GJ!

134:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:53:53 RjUUasya
>>99
綾シリーズキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n’∀’)n゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
毎回楽しみにしてるんだよ今回も最高のキモウトだぜ!!
では渾身のGJ!!

>>122
ついにこえてはいけない一線を・・・だがそれがいい
次回も楽しみにしてますなにはともあれGJ!!

135:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:56:58 rZ6b2/y1
レスの流れを見るに、余程の良作だな。
スレ住人の嫉妬を買っている。

しかし、何かどんでん返しがありそうだが・・・。
舞姫可愛いからよし!

136:名無しさん@ピンキー
07/05/26 20:22:17 HJGRkw3d
    //: : : /: : : :/,: : : : : : : : ,: : : /: : : : : : : : : : ::``ー-,‐
   //: : : :/: : : :/ /: : : : : : : /__/: : : : : : : : : : : : : <
 ∠-/: : : :/ : : : / /:/: :、-‐= ̄__ ノ: :|: : : | : : : : : : : : ヽ
   /|: : : /: /: :/ /| |: : : :了 ̄ // /}: 人: : :| : : : : 、: : \|
  //|: ://|: :/|/ {|: : : :/ |: :/ / ///| : |\{: : : : : `丶、\
  l| |: |: :{ |/冫==|: : /___|/-/ノ≠ニ弌: :`: : : :|_: : : : l`ーヽ
    ヽ{| ||: : |{ 仁ヽ|: /  ̄`__..-=≠ヽ.  |: : : : : / |: : : /        神を叩くなんて間違ってる
     `ヽ\ ',└┴lヾ    ´_{‐-'::::} ミ |: : : :ノ } l: : /         そんなに変えたきゃ、作品を投稿して神になって
        `、|  /       ̄`¨ ̄ /: :/ /:/          内部から変えていけばいいのに
         `、ヽ.         /-‐'´∠´: : /
          ヽ `_          ノ / /レ
           \ `二‐ 、    , '   '/ノ}
            \    _ -    ィ戈 彳
   ___ -‐== ̄r≧≦二_-─=彡冖 : : ト、
  / :/: : : : : : : : : : |: : : : : : :| | ̄∧: : : : : : :l: : ヽ
. /: : /: : : : : : : : : : : : :V: : : : : :| |.,-ヘ/‐、: : : /: : : :`丶
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