無口な女の子とやっちゃうエロSS 2回目at EROPARO
無口な女の子とやっちゃうエロSS 2回目 - 暇つぶし2ch400:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:11:39 j4Yjr9JS
 路地を抜けた先の公園の中、二人はベンチに座っていた。
 駅周辺にはもう一つ大きな公園があるが、そちらは反対方向だった。こちらの公園は二回りは小さい。
 だからだろうか。公園内には他に誰の姿もなかった。
「私、依子。依頼の依に子どもの子。あなたは?」
「……」
 少女は答えない。
「……言いたくない、とか?」
 ふるふると首を振る。依子の頭に疑問符が浮かんだ。
「えと、」
『みはる』
 少女が初めて口を開いた。
「え?」
『美しいに、季節の春で……美春』
 春のように澄みきった、美しい声だった。
 聞いた瞬間鳥肌が立つような、異様とまで言えるかもしれない質を感じた。未成熟な歳のせいもあるのかもしれないが、依子は小さく息を呑む。
「……歳、訊いてもいいかな?」
 動揺を気取られないように、依子は取り繕いながら尋ねた。
 美春と名乗った少女は、右の指を二本立てた。続けて左手の指を三本付け加える。
 一瞬意味を図りかね、
「二十……三?」
 うわ言のように呟くと、依子は驚きのあまり固まってしまった。見る者が見れば、その反応をとても珍しく思っただろう。
(歳上……てか大人? まさか)
 美春は何の感情もこもらない顔で依子を見つめている。
 冗談を言っているようには見えない。
「ご、ごめんなさい」
 とりあえず謝ると、美春は再び首を振った。気にしてない、の意思表示。
 依子はとりあえず安心するが、無口につられてか、次の言葉が出てこない。
「……」
「……」
 沈黙。
 微妙な空気をどうにか横に押しやって、依子は本題に入った。
「……私、ちょっと変わった特技を持ってるの」
「……」
「その特技は、信じてもらえるかわからないものなんだけど、それのせいで美春さんが不思議に見えたの」
「……?」
 初めて美春が表情らしき表情を見せた。訝しげな目を向けられて依子は怯む。
 よくわからないことを言っているのは自覚しているが、普段は全然気にしないのだ。なのにこの少女(とみなす)に対してはなんというか、ひどく落ち着かない気分になる。
 どこかで似たような感じを受けたことはあるのだが、とにかく今は続ける。
 依子は自身の能力のことを説明した。縁の性質から自分に見える世界、それに対して自分に何ができるか、何をしてきたか。事細かに話した。
 どこか機械的な口調になったのは、少女に対する違和感を意識から追い出したかったからかもしれない。
 説明を終え、依子は単刀直入に言った。
「美春さんには縁糸がほとんど見えない……。どんな人にも縁糸は繋がるのに、あなたは薄い、切れかけた縁糸しか持っていない」
 どれほど人付き合いの少ない人間でも、生きている以上何かと結びつくはずなのだ。
 だがこの少女は、ほとんど縁糸を持っていない。
「……」
 美春はちらりと後ろを見やった。
 何を見たのか、依子にはわからなかった。美春の視線がこちらに戻る。相変わらず感情の乏しい顔だ。
 と、

(聞こえる?)

 頭に柔らかい声が響いた。
 いきなりの出来事に、依子の体はびくりとすくんだ。
 なにが、と混乱しそうな頭に続けて声が流れ込んでくる。
(落ち着いて。思念を飛ばしてるだけ)
 依子は目を丸くする。ほとんど反射で隣の少女を見据えた。

401:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:15:40 j4Yjr9JS
 美春は慌てた様子もなく、頷きを返した。
「え……?」
(そう)
 音なき声が内に囁く。
(気にしないで……こっちの方が話しやすいから)
「…………えー」
 気にするなと言われても。
(……あなたも似たような力、持ってるんでしょ)
「いや、全然違うよ……」
 何なのだろうこれは。多くの人に会ってきたが、こんなことも、こんな相手も初めてだった。
 思念ということはテレパシーのようなものだろうか。霊能に関しては多少の知識を持っていたが、超能に関しては当然ながら専門外である。一般的には違いなどないだろうが、依子には大きな違いだ。
(不思議?)
 美春は少しだけ得意気な様子だった。
「……」
(心を読み取るとかは……できないよ)
「え?」
(だから喋って)
 そんな言葉こそ心を読んだかのようで、依子はどきりとした。
 それでもうん、と答えたのは、やはり使命感のようなものがあったからだろう。
(私の縁……希薄なの?)
 頷きを向けると、美春は目を細めた。
(……その糸って、霊にもできるものなの?)
「え?」


 変な言葉を聞いたような気がした。
 霊?
(別に幽霊じゃないけど)
 先回りの思念が依子の疑問をうち払った。
「……本当に、心を読んでないの?」
(幽霊か何か……だと思った?)
 失礼ながら思った。
 容姿が子どもだったり、思念を飛ばしたり、縁糸がなかったり、特殊要素が多いために「実は幽霊なの」と言われても、そっちの方が納得できる気がしたのだ。
 美春は軽く溜め息をついた。
(……間違いでもない)
「……何が?」
(幽霊)
「え? だって今、」
(死んでないだけ。それ以外は幽霊なんかと変わらない……かも)
 またわからなくなってくる。何を言っているのだろう。
 美春は言った。
(私は、生きた霊なの)
 脳に響く声は、どこか寂しげだった。
「……生霊? ドッペルゲンガーとか、そういうやつ?」
(知ってるの?)
 頷きながら本家で学んだ知識の記憶を掘り起こす。
 ドッペルゲンガーとかもう一人の自分とか呼ばれるものは、大抵が生霊だと言われる。
 彼らは死霊とは違い、生きている。元の人間の魂からなんらかの原因で分裂し、自我を持った魂が生霊の正体だ。
 話には聞いたことがあるが─
「……」
 中学生くらいにしか見えない自称二十三歳の少女は、睫毛を右手で小さくいじっている。
 その挙動は少しも不自然ではなく、どう見ても人にしか見えない。縁糸の薄弱さだけが浮いている。
(説明……するね)
「うん」
 語り出す美春。

402:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:19:15 j4Yjr9JS
(……私の『本体』は病弱な人で、いつも寝たきりだった)
「……」
(あるとき容態が悪化して、その人は死にたくないと強く願った。そのとき私が生まれたの)
 その説明は多くのドッペルゲンガーの誕生と同じものだった。彼らは、死にたくないという想いから生み出されたもう一人の自分なのだ。
(元々霊力は強かったみたいだけど、制御する力を持ってなかった。たぶん、私が生まれたのは本当に偶然だったんだと思う)
「……」
(最初は自分のことがよくわからなかった。しばらくして、本体と出会って、初めて自分のことを理解した)
「……」
(やがて本体が死んだけど、私は生きていた。私は魂だけだから、病気とかにはならないみたい。私はその人の代わりに、その人の分まで生きていこうと思った。でも……)
「……でも?」
(声が……)
 声? 急に出てきた言葉に依子は戸惑った。が、すぐに今、彼女は声を出していないということを思い出す。それと関係があるのか。
「……声が、どうしたの?」
(……言霊って、知ってる?)
 心臓が跳ねた。
「……言葉に霊力を乗せるあれのこと……だよね?」
(そう)
 それのことはよく知っている。依子は姉のことを思い出す。あの人も、言霊の力に左右されていた。
(誰かと話して、すぐに言葉の異常に気付いた。私が何かを言うと、誰もが暗示にかかったかのように放心した)
 彼女もまた、言霊の力を持つのだろう。それも、相手が意識を保てなくなる程の言霊だ。彼女の霊力の強さが窺える。
(だから私は喋らないことにした。喋らなければ……問題ないから)
「それで思念を……?」
 そのとき、美春が微かに笑んだ。
 幼い顔に映るには不自然な、大人びた微笑み。
(思念を飛ばしても……それを気味悪がる人も多い。だから……私は他人と関わりをほとんど持たない)
 達観と諦念が入り混じった微笑。
 依子はその顔にようやく気が付いた。
 この人は姉に似ているのだ。言霊だけではない、まとう空気や、表情が。
 あの人も底知れない気配を見せ、こんな風に寂しく笑う。
 思念を飛ばす力はないが、二人はよく似ている。落ち着かないのはきっとそのためだろう。容姿も話し方もまるで違うが、依子には重なって見えた。
 ちょっとだけ苦手な雰囲気。
 だが決して嫌いではない。ペースを狂わせるところまで姉と似ていたが、懐かしさの方が勝った。
 これも名残の一つなのかもしれない。
「……友達とか、いないの?」
 美春は微笑を消し、
(……元々一ヶ所にとどまることがないから)
「……」
(それに私は歳を取らない……この体も、十年前から変わらない。そんな私が他の誰かと共に生きるなんて、無理)
「そんなこと、」
(無理……言葉を使わない、戸籍も持たない。歳さえ……重ねることがないのに)
 何の感情もこもらないようにしているのだろう。美春の言葉は無機質に満ちていた。
 きっとこの人は、自分なんかよりもはるかに複雑な時間を過ごしてきたのだろうと思う。
「……友達なんていらない、ってこと……?」
(そういうの、だいぶ前に考えなくなっちゃったから)
「……」
 執着が感じられない言葉に依子は落胆する。
「……私じゃ、駄目かな」
 うつむいて、出た言葉はそれだった。
(……?)
「私とは普通に話せているもの。私じゃ友達にはなれない?」
 美春は一瞬金縛りにあったように押し黙った。ひどく驚いたようで、目を眩しげにしばたたいている。
(なんで……?)
 問われてもすぐには返せなかった。
「え……それは」
(同情?)
「! そんな失礼なこと言わないよ!」
 あまりと言えばあんまりな物言いに、依子はつい声を荒げた。

403:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:21:32 j4Yjr9JS
「私が友達になりたいの。それ以外何もない」
 美春は息が詰まったように固まる。
 依子はじっと相手を見つめる。
(あなた、変わってる)
「美春さんほどじゃない」
 少女は唇を小さく緩ませた。
(でも……友達って具体的にどうすればいいの?)
「は?」
(何か、ある?)
 依子は答えに窮した。
 友達の定義とはなんだろう。基準が果たしてあるのだろうか。
 けっこう根元的な問いに悩み込む。
(冗談)
 美春の思念に依子ははっとなった。
(好きに思えばいい……それは人の自由……だから)
 じゃあ思わせぶりなことを言わないでほしい。依子は拍子抜けする。
 でも、
「友達になってもいいの?」
(あなたがそうしたいなら……私は構わない)
 その思念を受けて、依子はとても嬉しくなった。今日一番の笑顔が自然とこぼれた。
(いつまでこの町にいるかはわからないけど……しばらくよろしく)
「─うんっ」


 自分よりも大きな少女が公園から出ていくのを見送りながら、美春は自身の魂が弱まっているのを自覚した。
 彼女はここ最近、ろくに『食事』を摂っていないのだ。
 このままでは長くは持たない。どこか『食事』の摂れる場所を探さなくては。美春は背後に思念を飛ばした。
 あきら。
 名を呼ぶと、小さな返事が返ってきた。が、それは周囲の大気を微塵も震わせない。
 美春にだけ聞こえる、声なき声。
 美春に付随する唯一の存在。彼女を守護し、彼女が保護する浮遊霊、明良。美春はそれに話しかける。
(ここでいいの?)
 肯定の返事が返ってきた。美春は周囲に注意を向ける。
 集中して辺りの気配を探ると、確かに何体かの霊の存在を感じ取れた。
(……でも悪霊じゃないみたい。外れね)
 後ろから抗弁の意思。
(嫌。寝覚めが悪いことはしたくない)
 言葉なしに意思を伝え合う。
(とにかくここにはいないから別の所へ。大丈夫。まだしばらくは平気だから)
 美春は立ち上がり、出口へと向かう。
 生霊とは言ってみれば、魂が剥き出しになっている存在である。しかし死霊とは違い、彼らは生きている。
 体という、魂を入れておく『器』がないため、彼らの魂は安定を欠く。そのため、体を持つ生物よりも速いペースで命を削っているのだ。
 加えて元々一つだった魂が分かれてしまった存在であるため、その分寿命が短い。
 生霊がその存在を保つためには、誰かの命を吸い取らなければならないのだ。
 美春は生きた人間からは命を取らないようにしている。命を吸い取る相手は悪質な霊だけだ。死霊にも一応微細ながら魂が存在するので、その残りカスを奪うのだ。
 魂を奪われた相手は消滅する。それを成仏と言うのかどうかは知らないが、相手が消え行く様は見ていて後味が悪い。だから、美春は悪人しか食べない。
 高尚的意味合いはまったくない。これはただ、自分のエゴなのだ。精神的負担を軽くするためだけの誤魔化しにすぎない。
 それでも美春は食べる相手を選ぶ。

404:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:24:26 j4Yjr9JS
 公園を出て、美春は明良の示した方向へと進む。さっきの少女が進んだ方向と同じ道だ。
 ─私が友達になりたいの。
 先程の言葉が蘇る。頭の中で少女のポニーテールが揺れた。
 あんなに真剣な言葉を他人から吐かれたのは久しぶりだった。そのためだろうか。早まる動悸が苦しいくらいに胸一杯に広がっていくのを感じた。
 以前にも何人か声をかけてくれた人々はいた。だが、あんなに簡単に身の上を明かした相手は初めてだった。
 会話が楽しいと、少しだけ思った。
 不思議な少女だ。他人に対して随分と警戒の薄い、自分とは反対の立ち位置に彼女はいる。
 それを美春は羨ましいと思う。自身の力にさえ警戒し続けている自分とは全然違う。
 それは彼女が言っていた、縁の力に影響されてのものなのだろうか。
(……)
 詮なきことだ。美春は物思いを払い、歩みに集中した。
 周囲の霊的存在に意識を向け、食事のできそうな場所を、

 ざあ──

 瞬間、皮膚が粟立つような感覚に捕われ、美春は麻痺したかのように立ち尽くした。
 その感覚は、まるでラジオのノイズ音のように不快な種のもの。
 強力な霊の波動。感知のあまり得意でない美春にさえはっきりと感じられ、それと認識すると、美春は感覚の走った方角へと急いで駆け出した。
 視界の先に見えたのは小さなバス停の標識。
 その一角には先程会ったポニーテールの少女が、手持ち撫沙汰に佇んでいた。
 他に待っている客は一人しかおらず、周囲に人の姿はない。夕方の街中の間隙を突くような、一瞬の寂れた空間。
 美春はポニーテールの少女の背後に鋭い視線を送った。スーツ姿のもう一人の客が、薄く笑うのが見えた。
 少女は気付いていない。
 あいつだ。そう確信したのも束の間、男が両腕を振り上げるのと、美春がバス停まで十メートルの距離に近付いたのは同時だった。
 間に合わない─

『やめてっ!!』

 反射的に放った大声は、強烈な霊波を乗せて男の体を硬直させた。
 男は一瞬の硬直から解かれると、美春の姿に怯んだように身を翻した。飛び退るように逃げる相手に、美春は後を追う。
 猫のように少女の後ろをすり抜け、あっという間に男の逃げた路地裏に飛び込む。
 後方から呼び掛ける声が聞こえたような気がしたが、美春は無視してビルの隙間を縫って行った。


「よくも邪魔してくれたな……」
 男の低い声が廃ビルの一階層に鈍く響いた。
 裏路地の一隅、半年後に取り壊されるビルの内部で、美春は男と相対していた。
 薄暗い一階ホールは埃が積もって少し息苦しい、と普通の人間なら思っただろう。美春にとって呼吸動作は生命維持に関わりのないものなので、不便はなかった。
 改めて男を見据える。
 中肉中背。スーツ姿。七三分け。
 一見すると無個性の塊のようだが、美春は誤魔化されない。さっきあの少女に手を伸ばそうとした動きは、美春には明確な異常動作として映った。
 いや、生霊達にとっては正常な動作かもしれない。あれは相手の魂を食べるときの、最もありふれた動きなのだ。
 直接相手の魂を握り掴み、そのまま自身に取り込む。美春自身、何百回も繰り返してきた動きだ。
 今回は、標的が人間だっただけで。
(あなたも、生霊……ね)
 思念を飛ばすと男は驚いたように目を見開いた。
「思念伝達か。変わった力だな」
(生きてる人から命を取ったら大騒ぎになる。もっと考えた方がいい)
 男は嘲りの笑いを漏らした。

405:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:26:46 j4Yjr9JS
「あんたも生霊か? ならわかるはずだ。生きた人間から吸い取った方が効率がいい。死霊どもの残りカスなんぞを何十も集めるより、人一人食った方が長生きできるじゃねえか」
 そんなことは知っている。だが、この男が狙ったのは……
(なぜあの子だったの?)
「あんまり警戒してないようだったからな。魂の質も綺麗だったし、あの娘を食えば最低十年は生きられる。ひょっとしたら倍は行けたかもな」
 低音質の声には、恨めしげな感情が込められているようだった。
(……あの子は私の知り合いなの。他の人なら別に口出しはしないけど、あの子は駄目)
「……なんだ、あんたの餌だったんだな。そりゃ悪かった」
 その物言いに、美春の目に微かな険が生まれた。
 いつもの美春なら聞き流せただろう。他人と関わり合うことを避ける美春は、怒りや悲しみを表に出さないようにしている。感情の乱れは他人に付け入る隙を与えるからだ。
 しかし、
(餌じゃない)
 強い思念が叩き付けるように放たれた。
「は? 何が?」
(あの子は……そんなんじゃない)
 喧嘩を売る気も怒りをぶつける気も、どちらもなかった。そのはずだった。
 だが、思念には妙に熱がこもる。争う気はないはずなのに。
(あの子は……)
 きっと嬉しかったのだろう。何の制限も遠慮もなく、友達になりたいと言ったあの少女を、美春はとても嬉しく思ったのだ。
 それを貶める態度も発言も、美春は許せなかった。
(あの子は……私の友達。餌なんかじゃない)
 強い意思をぶつけると、男は呆れたように鼻を鳴らした。
「気に入らねえ。善人ぶっても、人間らしくあろうとしても、俺達は他の誰かを食わなきゃ生きていけないんだ。生霊は生霊であって、人間とは違うんだよ」
(……)
 それはそのとおりだった。実際こうしている今も、美春は魂を削って生きている。できるだけ早く誰かの魂を吸い取らなければ、消滅してしまうのだ。
 だが、それとわかっていても美春は、
(あの子に……手出しはさせない)
「じゃああんたの魂を貰おうかな。他の生霊に会うのは久し振りだが、相性悪いみたいだしな」
(……)
「食事の邪魔されて気が立ってんだ。悪く思うな─よっ」
 短い呼気を漏らし、男は一息に突進してきた。
 美春はすかさず横に跳び、距離を取る。こういうときはどのような対処が一番なのか、頭は迷ったが体が先に動いた。
 警戒を崩さず、相手を注視する。男は振り向き、獰猛に笑った。
「なかなか骨が折れるな。その分旨そうだ」
 恐らく触られただけで魂を持っていかれるだろう。この男は『食事』に慣れすぎているように見えた。美春よりも何年も長く生きている、いわば格上の生霊。
 美春は決める。この男を食べよう。そうすれば少なくとも人間の犠牲は増やさずに済む。
 正義感とは違う。あのポニーテールの少女に手を出させないため。こいつをここで呑み込む。
『動くな!』
 声を張り、喉の奥から言霊を放つ。言霊の利点は声の届く範囲全てが射程距離になる点だ。建物内では逃げ場はない。
 果たして男の体が止まった。美春は一気に魂を奪おうと距離を詰め、
 目の前から男の体が消えた。
(!?)
 目が追い付かない。言霊に縛られていたはずの男の体が、背後に回る気配を感じた。
 まずい。
『来るな!』
 夢中で叫び、前方に転がり込むように逃げる。男の動きが一瞬停止し、間一髪一撃から逃れた。
 すぐさま振り向いて正対する。同時に美春は焦りを覚えた。
 言霊が通じない─?
 効果はある。だが持続は一瞬で、男は三度放った言霊の拘束全てから抜け出していた。
 恨めしくも強力な武器の一つであった言霊が通じないとなれば、美春にとって不利なことこの上ない。
「さっきから妙な力使いやがるが、たいしたことないな。言葉に霊波を乗せて暗示をかけてるようだが、その程度の貧弱な霊波じゃ虫も落とせない」
 馬鹿なことを言うなと思う。言霊の制御は未熟だが、それでも普通の人間や霊相手には充分な効果を発揮していたのだ。だからこそ戒めていたのにこの男は。
「生霊としてもまだ若すぎる。とっとと食わせてもらう」
 そう言うと、男はゆっくり歩を進めてきた。
 闇雲に突っ込んで来てくれた方が美春としては隙を突きやすいが、それをさせてはくれないようだ。

406:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:28:38 j4Yjr9JS
 ならば、こちらから隙をつくる。
 美春は隅の方にじりじりと下がると、壁に立て掛けられていた短い箒を手に取った。
 見たところ実体以外に変化するような能力は持っていないようだ。幽体には物理攻撃は意味をなさないが、実体ならダメージを与えられる。
 箒の柄の部分を先にして、両手で前方に突き出すように構える。剣や棒の心得はないが、相手を近付けさせないという意味では多少なりとも有効なはずだった。
 男はニヤリと笑みを浮かべた。
「そんなものでどうにかなると思ってんのかよ」
 美春は角を背に、男を強く見据える。
 逃げ場はない。コーナーを背にしている美春に、男は慎重ににじり寄る。
 美春は歯を強く噛み締めた。慎重すぎる。駄目か。
 再び言霊を当てようと、息を吸い、
 先に男の手が伸びてきた。喉を抑えられればもう言霊は使えない。その前に体に触れられた瞬間から魂を食われる。
 それがチャンスだった。
(明良─)
 言霊よりも、男の動きよりも、思念の呼び掛けの方が早かった。
 呼び掛けた瞬間、美春と男の間に突然十五歳くらいの少年が現れた。
「!?」
 驚きで鈍ったのか、緩慢に伸びてきた男の腕を少年は上に捌く。
 そして美春の突き出していた箒を掴むや、男の胸を正面から貫いた。
「がっ!」
 呻く声を気にもかけず、少年は遠慮会釈なく突進する。
 そのまま前方に押し込んでいき、入り口の扉に磔にするようにぶつけた。
「あ……ぐ……」
 苦しみに喘ぐ男。刃物でもなんでもないただの箒を無理矢理力のみで突き刺した少年は、小さく息をついて後ろを振り返った。
 美春は微かに笑むと疲れたような息を吐き、男へと歩み寄った。
(……)
「なんなんだこいつは……どっから沸いた」
 男の苦しげな声に思念で返す。
(やっぱり……あなたは『感知』が苦手みたいね)
「な、に?」
 バス停で見たときからひょっとしたらとは思っていた。美春には気付いても、明良に気付いた様子はなかったから。
 美春が思念で答えるより早く、少年が口を開く。
「俺はずっと美春の隣にいたよ。気配をできるだけ消してたから、あんたは気付かなかったようだな。魂摂取や霊的防御みたいな正面からの対処は得意でも、広い範囲での感知や操作は不得手のようだ」
「……てめえは、守護霊か……」
「俺は魂摂取が苦手で、美春から魂を分けてもらっている。その代わり、いざというとき美春を守るのが俺の役割だ」
 普段は幽体でいるけどな、と明良という名の少年は無表情に答えた。
 男は苦々しい表情を浮かべた。
「こんなところで……終わってしまうとは、な」
 胸には銛のように箒が突き刺さっている。出血や内臓損傷というのは生霊であるためないが、魂そのものが実体化しているため、大きな怪我は直接魂の破壊に繋がる。
 新たに誰かの魂を食べなければ、このまま消滅するだろう。
 もちろん、そのまま放っておくような真似はしない。
(いただくわ……あなたの魂)
 近付き、おもむろに腕を伸ばす。
 そのとき、男が不意に笑った。
 怪訝な様子に美春は固まる。
(……何?)
「……」
 男は答えない。
 明良が訝しげに男を睨む。
 男の腕が箒を掴んだ。力を込め、どうにか引き抜こうと動かす。
 まだ動けるのか。美春はとどめを刺そうと、ショベルカーで刈るかのように男の頭に腕を振り下ろした。
「! 待て、美春!」
 明良の声が響くのと、男が持たれかかっているドアが後ろに開いたのは同時だった。
 開いたドアの先に、綺麗な顔が見えた。
 美春の手は止まらなかった。
 男の魂を体ごと削り取り、それに巻き込まれるように少女の体が袈裟に流れた。
 ポニーテールが秋の夕空の下、すすきのように揺れた。

407:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:32:40 j4Yjr9JS
 直接少女の魂を食べたわけではない。
 あくまで美春が狙ったのは男の魂であり、少女はそれに巻き込まれただけである。だが無傷ではなく、少女の魂にはひびのような傷が刻み込まれてしまった。
 否、刻み込んだ。
 故意ではなかったとはいえ、美春がその手で少女を傷付けてしまったのだ。
 呆然と膝をつく美春を尻目に、明良は気絶した少女を抱き起こす。
「……大丈夫。魂に傷はあるけど、まだ充分間に合う。美春ならこの程度問題なく治せるだろ?」
 美春は答えない。
 放心した表情は地面をぼんやりと眺めている。
「おい!」
 明良は相棒の肩を乱暴に掴んだ。
「まだ間に合うんだ。後悔は後でいくらでもできる。今はできることをしろ。美春にしかできないんだからな」
 顔を近付けて強く叱咤すると、美春はゆっくりと頷いた。
 少女を美春の膝に移す。美春は優しくいたわるように少女の頭を撫で、マッサージをするように体を撫で回していく。
 魂操作を得意としている美春は、他者の魂の傷を治したり、魂を送り込んだりできる。その分感知は得意ではなく、明良がその穴を埋める立場だ。
 にもかかわらず、少女の接近に気付くのが遅れた。そのことを明良は許せなく思った。
(もっと早く気付けるはずだったのに……何やってるんだ俺は!)
 男にダメージを与え、戦闘はほぼ終わったと油断していたのかもしれない。
 しかしそんなことは言い訳にもならなかった。
「どうだ。治りそうか?」
 努めて冷静に問い掛けると、美春は小さく頷いた。
(一応……ただ、安定していた魂を何の準備もなく傷付けたりくっつけたりしたから、何か異常が出たりする……かも)
「具体的には?」
(視力とか、感覚機能の低下とか……)
「そうか」
 明良は少女を見やり、次いで美春を見やった。
「起きたら事情を説明しよう。それで異常がなかったら問題ない」
(……ん)
 美春の顔は曇ったままだ。
 溜め息をつきかけて、明良は慌てて我慢する。自分まで落ち込んでしまったら、もっと空気が重くなる。
 しばらくして、
「ん……」
 か細い呼気を漏らして、少女がゆっくりと目を開けた。
 美春が勢いで覆い被さるように少女の顔を覗き込む。
「…………みは、るさん?」
(気が付いた? 大丈夫? おかしいところとかない?)
「え? あの……」
 少女は戸惑った様子で体を起こすと、周囲を見回した。
 明良は何も口を出さない。さっきまで話していた美春に対応を任せた方がいいだろう。
 現状をうまく把握できていないのだろうか、少女はしきりに目をこすったり、周りをじっと見つめたりしている。
(……どうしたの?)
「……ううん……何も」
(何があったか覚えてる?)
「えっと……」
 少女に思念で語りかける相棒を確認すると、明良はビルの外へと向かった。さっきバス停前に置き去りにしていった荷物を取りに行く。
 ビル内では美春が少女に事情を説明し続けている。


 旅行バッグを引いて戻ってくると、座り込んだまま二人が沈黙していた。
 なんだか妙な空気になっている。明良は軽く頭を掻いた。
「何だ? どうしたんだ?」
 心配になって美春に問い掛けると、首を振られた。
(なんでもない……この子を送っていきたいから、行こうか)
 弱々しい思念の波に、逆に心配が増す。
 ポニーテールの少女はどこか気が抜けたような顔で、ぼんやり床に視線を落としていた。

408:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:34:52 j4Yjr9JS
 何も言わなくなった美春の手を引きながら、明良はすぐ近くのビジネスホテルに入った。
 ポニーテールの少女を送った後(家まで送るつもりだったが、断られたのでバス停までだったが)、日も暮れてきたのでどこか寝床を探そうと歩いて、十分程で見つけた場所だ。
 裏通りに面した小さなホテルで、あっち目的で使われることの多そうな雰囲気だったが、休めればどこでもよかった。
 受付でチェックインをする。明良は二人、と人数を伝え、空室を確認した。
「美春。頼む」
 そこでバトンタッチ。ここからは美春の役割だ。
 美春は前に出ると、従業員に向かって囁いた。
『私達をただで泊めて』
 瞬間相手の体が強張り、虚ろな顔になった。
『私達の宿泊記録を残さないで』
「……」
『他の従業員達にもうまく言っておいて』
「……」
 それだけ言うと美春は鍵を受け取り、踵を返した。言霊の縛りはしばらく続くので、当分はゆっくり落ち着けるはずだ。
 二階の隅部屋に入るとベッドが二つあった。荷物を端に置き、二人はベッドに腰かける。
「……長い一日だったな」
(……うん)
 美春の表情は晴れない。
 明良には、何があったのか問い正す気はあまりなかった。なんとなく聞いてほしくないと思っているような気がしたからだ。
 代わりに言ったのは別のことだ。
「実体になるのも久し振りだな。半年振りくらいか?」
(……うん)
「声を出すのも久し振りだ。五感を働かせるのはやっぱりいいよ。生きてる実感が湧くから」
(……うん)
「……疲れただろ? 普段あまり使わない言霊を、今日は使いすぎなくらい使ったからな。もう休もう」
(……うん)
 言葉が途切れた。
 明良は言葉を探すが、何も出てこない。こういうときこそ支えてやらなければならないのに。
 もっとも、原因がわからないままでは対処のしようもないが。
(ねえ……)
 不意に思念が頭に響いた。
「ん?」
 それにできるだけ変わらぬ口調で短く返す。
(明良は……友達欲しいと思ったことは、ある?)
 少しだけ、意表を突かれた質問だった。だが心情はすぐにわかる。
「……昔は、な。今は、特には」
(……私もそう思ってた)
「……」
(でも……今日あの子と会って、思っちゃったの。友達になれればいい、って)
「……いいんじゃないか」
(駄目だよ……私、あの子を傷付けてしまったから)
「許してくれなかったのか?」
(わからない……心は読めないもの)
「……」
(友達になれればいいって……本当に思ったんだよ……)
「……ああ」
(なりたかった……でも、やっぱり駄目だよ。一緒にいたら、今日みたいに巻き込んでしまうから)
「……今日のは事故だろ」
 あのスーツ姿の男を恨めしく思った。最期妙な動きを見せたのは、これを狙ってのことだったのかもしれない。助からないと悟るや、せめて嫌がらせをしてやろうと、タイミングよく扉を開いたように見えた。
 邪推が過ぎるかもしれないが、明良はそう考えている。もっと動けないくらいに魂を壊しておくべきだった。
 それでも、あの男を食って、美春は今生きている。
 それだけは確かで、喜ぶべきことだった。

409:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:37:01 j4Yjr9JS
「とにかく、気にするな。下手したらあの子は死んでたかもしれない。傷付けたのはお前かもしれないけど、それを救ったのもお前なんだ。悔やむことはない」
(……ありがとう)
 感謝の台詞に明良は嬉しくなってはにかんだ。
「ほら、もう寝ろよ。疲れただろ?」
(うん……)
 美春はしかし横にならず、腰を上げて明良の隣に移動した。
(明良……)
「……何」
(久々に……抱いて)


 生霊の持つ欲求で欠かせないものは、せいぜい食欲くらいなものである。
 それも一般的な食事ではなく、魂を食らう食事なので、普通の人間が持つ欲求を、彼らは基本的に必要としない。
 ものは食べれるし、水も飲める。眠ると気持ちいいし、お風呂に入るのも心地よい。が、それらは決して不可欠ではないのだ。
 それでも楽しい感覚を、心地よい感覚を捨てることはない。
 だから、生霊も性行為をする。実体があれば人間と同じように交わることができる。
 裸の少女を下にして、明良は自身の逸物をズボンのチャックから抜き出す。既に屹立したそれを、少女の頭に近付けた。
「舐めて……」
 少女は顔を真っ赤に染めながらも、おずおずと舌を伸ばした。
 小さな紅い舌が先端に触れるや、強烈な快感が脳を揺さぶった。
「く……」
『……あ……んむ』
 さらにそのまま亀頭をくわえ込まれ、新たな電流が走る。
 明良は右手を相手の下腹部に伸ばした。
『ひ……あっ』
 霊波の乗った色っぽい声が、明良を陶酔させた。喘ぎ声まで言霊の力がこもっており、それが行為に夢中にさせる。
(気持ちいい……?)
 思念が具合を問いてくる。決まりきった答えを明良は律儀に返した。
「よすぎだ……もう繋がりたい」
(ん……いいよ)
 美春は棒から口を離すと、にこりと微笑んだ。
 いつもならもっと輝く笑みなのに、今日はやや翳が差している。明良は胸が締め付けられそうになった。
 体勢を正し、正常位に入る。腰を落とし、少女の股の間にあてがう。
「行くぞ」
(うん……)
 一気に奥まで挿れた瞬間、美春が大きく喘いだ。
『あああっ!』
 半年振りの叫声は、我を忘れそうな程に刺激的だった。
 少女の秘所は狭い。美春の体が十三歳で止まっているためだ。胸も膨らみはほとんどなく、幼さが目立つ。
 明良にとっては一番の体に思えた。己が愛し、守ると決めた女の子の体なのだ。魅力的に見えて当たり前だと思う。
 腰をぐっと奥に突き入れる。
『あんっ!』
 色っぽい喘ぎと共に、少女はのけ反って体を震わせた。
 二度、三度と連続して腰を打ち付けると、綺麗な声が取り乱すように響く。
『あっ、あっ、やっ、すご、いっ、あぁ』
 凄いのはお前の中だ、と明良は内心余裕を失っていく。肉棒全体が激しく肉圧でしごかれているみたいで、先走り液が中の愛液と激しく入り混じる。
 顔を胸に寄せ、小さな乳首をちろちろと舐めてやる。前後に強く体を動かしながら、明良は二つの突起物をひたすらに弄った。
『あきらぁ……きもち、いいよ……』
「俺もだよ……」
 体を揺すり、中をかき混ぜるように大きく動いた。美春の体は感電したかのようにびくっ、びくっ、と反応する。

410:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:39:54 j4Yjr9JS
(ねえ明良……)
「なん、だよ」
(ずっと、一緒にいてね……私が、他の誰とも交わらなくても、あなただけは……)
 つまらないことを言う。
「俺はお前の家族だ。ずっとお前を愛するし、ずっとお前のそばにいる。美春も、そばにいてくれるんだろ?」
(明良……)
「俺だって……一人は寂しいんだ。美春と一緒じゃなきゃ……いやだ」
(明良ぁ……)
 美春の目に涙が浮いた。
 どちらからともなく二人は同時にキスをする。
 舌を絡め、唾液を吸い合い、夢中で唇をむさぼる。愛しさが苦しくさせて、たまらない気持ちになった。
(あきら……わたし、もう)
 弱々しい思念に明良は頷く。
「ああ、一緒にな」
 頷き合い、明良は絶頂へ向けて鋭く腰を動かした。
『ああっ! んはっ!』
 言霊の力がさらに増し、明良の理性を塗り潰していく。催眠状態に陥るように、意識が飛びそうになる。
 性器同士の摩擦が激しく互いの感覚を上らせていく。液が飛び散り、ぐちゃ、ぐちゃ、といやらしい音が耳を溶かした。
 もう我慢はできそうになかった。
「美春! もう─」
 一分一秒を争うかのように高まる射精感が、明良の意識を真っ白に染めていく。
 しかし、先に絶頂を迎えたのは明良ではなかった。
『ひゃ、ひあっ、うん、あっ、あっ、あっ』
 無茶苦茶に声を上げながら、明良の肩を懸命に掴む。耐えるように、すがるように、美春は明良を見つめる。
 そして、
『あっ、ああっ、だめ、いっ、あ、あっ、ああぁぁ──っっ!!』
 甲高い絶頂の声が明良を最大限に陶酔させ、同時に強まった締め付けが、あっけなく射精を促した。
「うわっ、うっ」
 未成熟な少女の胎内に、少年の欲望の液が大量に注がれていく。
『あ……出てるよぉ……』
 しばらく続く射精感に身を任せ、明良はそれが止まるまで丁寧に中に擦り付けていた。

411:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:42:37 j4Yjr9JS
 合計三度愛し合った二人はベッドに倒れ伏し、互いに何も喋らなかった。
 気持ちいい倦怠感に包まれて、明良はこのまま眠ってしまおうと目を閉じ、
(ごめんね明良……)
 思念が来たので目を開けた。
 横に目を向けると、美春がこちらを見つめていた。
「なんだよ、どうした?」
(明良が一緒にいてくれるのに、私、友達が欲しいと思っちゃったから……)
「……いや、別に謝る必要はないだろ」
 美春は不思議そうな目になる。
「いてもいいだろ、友達。俺だって欲しいし、美春に友達ができたら俺も嬉しい。なんで謝る?」
(……)
「むしろ謝る相手は別だろ。ちゃんとあの子に謝ったか?」
(うん……でもあの子、ずっと放心してたから、きちんとはできてない)
「……何があったんだよ」
 今なら訊いても大丈夫だと思い、尋ねる。
 すると美春は顔を曇らせ、唇を噛んだ。
(私、あの子の大事なものを壊してしまったかもしれない……)


 遠藤守が自宅アパートに帰ってきたのは夜八時を回ったところだった。
 秋の夜風に小さく身震いしながら、守は階段を上り、部屋の前に辿り着く。
 ……部屋の前にいとこの少女が座り込んでいた。
「依子ちゃん」
 二ヶ月振りのいとこの姿に内心嬉しくなったが、少し様子がおかしかった。
 依子はうつ向いた顔を上げ、こちらを見つめてきた。
 そして立ち上がるや、いきなり胸に飛び込んできた。
「ど、どうしたの?」
 焦りながら守は依子を受け止める。小さく体が震えているように見えた。
 依子が微かな声で呟く。
「マモルくん、私……」
「なに?」

「縁……見えなくなっちゃった」

 空気が寒い。
 薄暗い空間の中、寿命が近い廊下の灯りが微かに明滅を繰り返していた。

412:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:48:28 j4Yjr9JS
以上で投下終了です。改行の都合でラスト2レスが他より短いですが御容赦下さい。
今回はラストに笑顔がありませんが、次は綺麗な笑顔を見せたいと思います。
次で多分終わりです。

413:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:17:57 02t7sWN/
久々のかおるさとー氏キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
GJです!
相変わらずすばらしい

414:名無しさん@ピンキー
07/08/06 20:02:55 tmSry+7O
激しくwktkさせる展開にGJ!

415:名無しさん@ピンキー
07/08/06 20:59:25 DV7whKTA
いや、深い話ですね。感動しました。
次が楽しみです。頑張って下さい!

416:名無しさん@ピンキー
07/08/06 21:27:35 ZTaXJEdk
で、どう無口なの?

417:名無しさん@ピンキー
07/08/06 23:12:35 02t7sWN/
>>416
もう一回読み返せ。
口では余り喋ってない。口では。

418:名無しさん@ピンキー
07/08/07 04:43:29 L92u1xp7
>>412最終回予告ですか・・・悲しいし嫌だけど、それでも心から楽しみにしてます。GJ!!


さて、俺も悪霊スポットいって縁視を身につけてきますかね。

419:名無しさん@ピンキー
07/08/07 20:48:35 pkIq00/r
>>418
食われるなよw

420:名無しさん@ピンキー
07/08/08 04:02:33 DHxX1ty8
エロなくても十分面白いのにきちんとエロ入れてくれる心意気に泣いた

421:名無しさん@ピンキー
07/08/11 00:47:23 0FLX8P1P
「……暑い…」
夏休みを利用して、俺と冬美は親父が今滞在している南の島に来ていた。
親父の仕事は動物の研究で、ゲテモノ…いや、爬虫類の新種を探したりしてるらしい。
そして新種がいる場所ってのは大抵が未開の地らしい。
いかにもジャングルしたジャングルや、南国の海を体現した白い砂浜と青い海原。
探索の拠点となっているロッジがある島には電気やら何やらはあるが、いざ探索となると蚊やら蛇やら蜘蛛やら獣やらとの異種格闘技戦だ。
まぁ……俺たちがそこに行くことは無いだろうし、南国の島で誰にも邪魔されず一時のアバンチュールを楽しもう…と思ったんだが……
「まさか……エアコンが無いとは…」
そう…電気はある、冷蔵庫もある、ベッドもある、風呂もある、オマケに天井にデカい扇風機もある。
なのにエアコンが無い、いくら風通しが良くて海に突き出たロッジにいるとはいえ暑いもんは暑い。
「家のリビングが懐かしいぜ……」
ガンガン冷房を効かせて冷たい麦茶を飲み、ソファーて腹を出して寝て風邪をひきかけるあの素晴らしい生活をここでも送りたかった…
だが、だがまだ負けない、冬美と二人きりなのだ…何時もなら邪魔が入りそうなものだがここには邪魔者はいない。
「………とにかく、冬美の部屋に行くか」
海にでも行って、冬美の水着を合法的に視姦しよう。
あわよくばお外で……
ベッドから飛び起き、水着に着替えて隣の冬美の部屋に向かう。
下心を隠すためにインパクトがあり、なおかつ元気良く、有無を言わさず海へと誘わなくては。
「冬美~海行こうぜ!!」
我ながら完璧、決まった、百点満点。


「………………?」
「…………………」


……相手を間違えなければ、の話だった
が。

「え……あれ……?」
おかしい、部屋を間違えたのか?
つーかこのセクシーな下着姿の人誰?
しかし、今この辺りのロッジは親父の研究所が貸し切ってるから関係者ではあるはずだが…見覚えがない。
しかしこの人胸でかいなぁ……夏希様クラスかそれ以上か…
だがこう…何て言うか年上の優しいお姉さんオーラ出しまくり。
ってイカンイカン、現実逃避をしている場合じゃない!
ひとまず華麗にこの場を乗り切らないと。
「…………あ、スイマセン……部屋、間違えました」
「…………そう」
「悪気があった訳じゃ無いんです…」
「…………そう」
「スイマセン……本当スイマセン……」
「………君、もしかしたらこーくん?」


422:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:19:34 0FLX8P1P
「へ?」
「…やっぱり…こーくんでしょ」
え?何で俺の子供時代のあだ名を知ってんだこの人。
ってことは俺の知り合いって訳か?
「あの………失礼ですけど、どちらさまで」
「あぁ……そっか、随分昔だもんね…」
何故か一人で納得したように唇に人差し指を当てて考え込むお姉さん。
この仕草……まさか…
「秋夜さん……?」
「大正解…ふふ、お久しぶりね」
幼少時代、俺の五つ上だった秋夜さん。
親父の親友の教授の娘で、昔はよく面倒をみてもらってたっけ……
あの時から優しいお姉さんオーラ全開で、近隣のガキ共のマドンナだった。
引っ越してから疎遠になってしまっていたが…どんな偶然なんだ…
「ってか何で秋夜さんがここに!?」
「あれ?おじさんに聞いてなかったの?」
下着姿からTシャツとホットパンツに着替えながら秋夜さんが俺の質問に答える。
「聞いてませんよ!」
「私ね、今は父の代役として研究チームに関わってるのよ」
「え…じゃあ大分前から親父と…?」
「いいえ、父が珍しく病気で倒れたから急に…おじさんも『ウチの馬鹿息子も来るからどうだ』って言うし…」
「は……はぁ……」
「でもホント久しぶり、背、抜かれちゃったね」
そう言って秋夜さんは俺の背と自分の背を比べる。
子供の頃とは違って今度は俺が若干見下ろす形だ
「あぁ…あの時はまだガキだったから…」
「声もすっかり大人っぽくなってる」
「成長期ですから」
「ふふ…かっこよくなったね」
「そうかな…?」
ヤバい、なんかめっちゃ照れる。
心臓バクバク言うし、何か恥ずかしい。
「うん……うん、かっこよくなったよ…」
体をピタリと密着させ、俺の顔を見上げてくる秋夜さん。
どことなく瞳が潤み、頬にほんのり桃色
がさしているようにも見える。
鮮やかな茶色のセミロングが風に揺れ、どことなく儚げな印象を与える。
「……………私は……どう?綺麗になった?」
「………えぇ…綺麗ですよ、とっても」
秋夜さんの細い指がいつの間にか俺の指に絡む。
耳を澄ませば吐息すら聞こえてきそうな距離にまで秋夜さんの整った顔が近づいてくる。
何故か体が動かず、秋夜さんの唇が俺の唇と触れようとしたその時、俺の小物入れの中の携帯の呼び出し音が鳴り響いた。
冬美と空港で選んだ揃いの海外用の品だ。
ふっと体が慌てて軽くなり、慌てて秋夜さんの体を離して携帯に出る。
「もしもし?」
「……………迷った」


423:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:50:01 0FLX8P1P
電話の向こうから冬美のいつも通りの声が聞こえる。
「迷ったって……今どこだよ……」
「………外……船着き場の近く…」
「わかった、迎えに行くからそこで待ってな」
「………早くね?」
「あいよ」
そう言って通話を切る、まったくあいつは意外なところでドジを発揮するから困る。
「スイマセン秋夜さん…迎えに行かないと…」
「ん、いいよ、行ってあげて」
さっきのあの雰囲気から一転、あの優しいお姉さんオーラたっぷりの秋夜さんに戻っていた。
「じゃ、これで失礼します…また後でお話しましょう」
あの雰囲気を切り払うようにかぶりを振り、俺は秋夜さんに背を向けて冬美のいる船着き場に向かって駆けていった。














「………彼女……かな」
久しぶりに会った彼は、私の想像よりも格段にかっこよくなって秋夜の前に現れた。
「………うらやましいなぁ……」
彼の手に触れただけであれほどの幸せがこみ上げてきたのだ、あれ以上進んでいたら恐らく戻れなかっただろう。
その点ではあの電話に感謝をしておくとして、取り分け今の問題はこの高ぶった体だ。
「んっ……はぅ……あぅ…」
シャツの上からも分かるほどに胸の先端は天を向き、ショーツは既にぐっしょりと濡れ、ホットパンツにまで愛液でシミが出来ている。
「んっ…あっ…あんっ…」
Tシャツとホットパンツを脱ぎ捨て、ベッドに四つん這いになると自然と自分の体を慰め始める。
彼の手に触れた指で自分の秘部をショーツの上からなぞる。
くちゅりと優しく触れた後、ぐちゅぐちゅとショーツごと秘部の奥へと指を突き入れる。
「んあぁ!ふぁぁ!こーくんっ!こーくんっ!」
何年間も恋い焦がれた待ち人の名を叫びながら指の速度を上げていく。
乳首は痛いほど天を向き、既にショーツは秘部が透けるほどに愛液を吸っている。
乱雑にショーツを脱ぎ捨て、大きく自己主張しているクリトリスこね回しながら指を2本膣口に出し入れし、快感を高めていく。
「こーくんっ!!こーくん!!イッちゃうよっ!!私っ!私っ!こーくんっ!」 愛しい人の名を叫びながら、トドメとばかりに膣口の再奥を爪でひっかく。
「ひぃうぁぁぁっ!!!!」
その瞬間潮を盛大に噴き出し、尿をチョロチョロとこぼしながら盛大に絶頂に達してしまう秋夜。
「はぁっー…はぁっー…こーくん……好き……」
虫の羽音程の小さな声でそう呟くと、秋夜は意識を手放した。


424:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:54:56 0FLX8P1P
保守ネタ盛り込むの忘れた……
秋はドコだよって誰かに言われたので
軽くキャラづけして出してみました

……スイマセン調子に乗りました

設定としては二人きりや一人の時にだんだん無口になってくる性格なんですけど……
分かりにくいですね、スイマセン
少しでも暇潰しになれば幸いです

そのうち冬美とのなりそめを含めてきちんとした形で書いてみたいですね

それでは失礼

425:名無しさん@ピンキー
07/08/11 02:06:21 G29kNcVV
>>424
それ言ったのぼくです。何はともあれGJ!下着姿見られても落ち着いている秋夜さん萌え。
もう保守ネタを越えてるんでぜひ続きを!お願いします!

426:名無しさん@ピンキー
07/08/11 05:23:54 w+wsUZfp
下のお口は雄弁よのお~

427:名無しさん@ピンキー
07/08/12 20:41:03 PVNMc6N0
「…のエ…じが。…ろ…れ…い…か?」

428:名無しさん@ピンキー
07/08/13 00:11:12 A6AH8oQR
やっぱリアルで無口系のキャラはアカンよ。会話にならへんもん。迎えに行くのは別にええけれど、連れて帰ってくる道中のこと考えたら、ホンマそれだけでうんざりしてくるわ……。


夏になると、これ↑を思い出す(;_;)

429:名無しさん@ピンキー
07/08/13 00:30:57 qsvRUATW
炉と熟女どちらもOKって人間は居ても、無口と多弁どっちも……ってのは聞かないしね。

430:名無しさん@ピンキー
07/08/13 06:57:02 m0UdGrnk
age

431:名無しさん@ピンキー
07/08/13 13:58:44 CCZ7oSoM
保守

432:名無しさん@ピンキー
07/08/14 00:12:54 j0a5f64m
>>428
last kiss 乙

433:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:28:22 Af0UnZSq
ほっす

434:名無しさん@ピンキー
07/08/17 01:18:09 CzKSdZ+D
妄想が出来ても、それを文に出来ない自分が憎くて憎くて堪らない保守

435:名無しさん@ピンキー
07/08/17 01:58:38 CxF0hQIF
誰でもみんな、最初は初心者さ

436:じうご
07/08/19 05:49:40 fX55UZMN
さてと、お久しぶりです
覚えてくれてる人いるかなぁ…

ちょっとチラシの裏
パソコンがウイルスでぶっとぶというえらい目に会いました
おかげで小説原案が全部HDごとぶっとび、パソコンも買いなおしを余儀なくされ…
ノートン先生は、使えないと本気で学習できました
まぁ、ほかのがソフトがとくになにもわからないので、仕方なくまだ使ってますが…



さてと、久しぶりに書いた作品です
…意味わからないくらいへたくそになってました
…展開は強引だし…
…おまけに、久しぶりすぎて推敲のしようがない始末…
……さらに、人物の性格を微妙に覚えてない始末
……ヤヴァイ?
と、とりあえず、久しぶりということリハビリだと思って
生あたたたたかい目で見てくれると嬉しいかもしれないけどどうなんだろう…

437:じうご
07/08/19 06:01:40 fX55UZMN
「………」
「………」
ここは、とある高校の、とある教室で
「………」
「………」
現在3時間目の授業中、
「………」
「………」
授業内容は自習で
「………」
「………」
いつもならにぎやかな会話が交わされるのだが、
「……本当にだれもいないな」
「……だね」
その教室には、4人しか生徒がいなかった。
「やっぱり、自由参加の夏休み講習に律儀に来てるやつはまずいないか…」
「そうだね…」
「…当たり前」
「………」
ちなみに、現在教室に居るメンバーは、お察しの通り
佐藤悠、大城美夏、白木誠、木村千恵、の4人である。
「しかし…だるいな…」
「…暑いしね」
「…気温38度」
「………」
しかし、3人は暑さのためにろくに勉強できてなく、
「帰るか…」
「…あと12分あるよ」
「…我慢」
「………」
そんな会話を延々と繰り返してたりする。
「シャワー浴びたい…」
「…激しく同意」
「…うん」
「………」
ちなみに、クーラーはとりあえずついているのだが、古いタイプで故障も多いので使用は禁止されている。
「ああ、もう俺我慢できないから帰るぞ…」
「…僕もそうする」
「…私も」
「………」
そして、講習は、いつもこんな感じで切り上げられている。







438:じうご
07/08/19 06:02:12 fX55UZMN
暑い…」
「言わなくてもいいよ…」
「…言っても変わらない」
学校からの帰り道、いつも通りの会話
「なぁ、千恵」
「……?」
「なんでお前はこんなに暑いのにそんな平気な顔してるんだ?」
「あ、それ僕も気になる」
千恵は少し悩んだ素振りを見せ、
「………」
口に指を当てる
「結局秘密か…」
「寒いのは苦手なのにね…」
「…暑くて死にそう」
そして
「っと、じゃぁな」
「…またね」
「はい、また明日、悠さん美夏さん」
「………」
お互い、手を振って分かれる





「…ただいま」
鍵を開けて家に入る
今は両親ともに長期出張なので、家には私一人だ。
「……」
別に、一人だからといって、とくにやることはないけれど。
「…お風呂」
まず、シャワーを浴びてさっぱりしよう、そうすれば大分楽になる。
「………」
そうと決めたら早速行動する。
部屋に戻り、バスタオルと下着と私服を取り出し、すぐにお風呂場に移動する。
「………」
汗を吸ったシャツやなどの下着を外しただけでも、大分楽になった。
「………」
今日はこの後どうしようか、そんなことを考えつつ、お風呂に入る



439:じうご
07/08/19 06:09:15 fX55UZMN
「あー…さっぱりした」
今は自分の部屋、もちろん、クーラーはスイッチをとっくにいれてあるから部屋は大分涼しくなっている。
「全く、このごろ暑すぎなんだよな…」
ぶつぶつと文句を言いつつ、ベッドに寝転がり
「………」
べつになにもやることはない
「あー…やばい、このあとなんにも予定ねぇや」
新しく買った小説もみんな読んでしまったし、暇をつぶせるものがない
「…久しぶりにゲーム…微妙だな」
本当にやることねぇ、とか呟きつつ、ベッドの上をゴロゴロ転がっていると
「…ん?」
この部屋の窓を叩く音が聞こえた、
「どちらさまですかー」
まぁ、こんなとこの窓を叩くやつは一名しか居ないわけだが
「よっと」
窓を開ける、で、やっぱりそこに居るのは
「美夏か」
半そでにスカートといったかなり涼しそうな格好
ちなみに、俺は半そでにジーパンなんて穿いてる
「…本読みに来た」
「まぁ、そんなことだろうと思った」
とりあえず、部屋に招き入れて、
「とりあえず、どんな本読むんだ?」
「…とくに決めてない」
「……珍しいな」
「…そう?」
「ああ」
まぁ、特に決めてないのなら片っ端から本を入れてある段ボール箱を出すわけで
「…あの」
「ん、どうした?」
聞きながら、読みたい本が決まったのかな、とか思いつつ、段ボール箱を出そうとする手を止め
「…あのね」
「うん、なんだ?」
「…していい?」
…気のせいだろうか、なんか考え事をしてたせいでうまく聞き取れなかったかな
「悪い、なんだって?」
「…していい?」
うん、気のせいじゃなかったか、ついでに軽いデジャヴを感じるのは何故だろうか
「…なんでこんな昼間っから?ってか、いきなりどうした?」
とりあえず、美夏のほうへ向いて尋ねる。
美夏は顔を赤くしながら
「…夏休み入ってから…してない」
…そんなこと考える気力も体力も暑さで根こそぎ奪われてたな、うん
「…我慢…出来ない」
そう言い、美夏はするするとこっちに近寄り、ぽふっと、こっちに体を預け
「…だめ?」


440:じうご
07/08/19 06:20:13 fX55UZMN
そう、聞いてきた
「あー…」
いや、まぁ別にかまわなかったりするから、
「あ……」
とりあえず、美香の顔を上に向かせ、唇を重ねた
「ん……」
ただ単に、唇を重ねるだけだがお互いにスイッチが入るには充分
そのうち、どちらともなく唇を離し
「…えっと」
「ん、どうかしたか?」
「…もう、入れて、いいよ?」
いや、まだなんにもしてないんだが。まぁ、もうこっちものは準備が出来てるが
「えーっと、ほら、久しぶりだから楽しみたいし」
その言葉に美夏は
「…我慢、出来ないから」
そう言って、こちらを押し倒してくる。
そしてそのまま、こっちのズボンのチャックを開けて硬くなった俺のものを取り出して
「ん…ふぁぁあ」
服を脱ぐ時間も惜しいのか、そのまま下着を下ろしただけでこっちを中に迎え入れた
美夏の中はなにもしてないのに蜜で濡れていて、動くには支障はなかった
「はぁっ、んっ、あぁ!」
本当に我慢できなかったのか、美夏はこっちを迎え入れてからすぐに、貪欲に快感をむさぼる様に腰を動かし始める
「ふぁっ、あっ、はっ、いいよぉっ!」
美夏は、もう蕩けた目をして、口の端からよだれをだらしなくたらしている
「あっ、ひぁぁぁぁぁぁあ!」
そして、あっという間に絶頂に達してしまったらしい。
体をがくがくと震わせながら、倒れこんでくる
「あ、はぁ、ん、はぁ」
まぁ、あっという間過ぎて、俺のものは全然元気なわけで
もっと乱れた美夏を見たくなり、体を起こして、美夏の体を抱え、思いっきり上下に揺さぶってみる
「ああっ、やっ、まだっ、だめぇっ!」
そのたびに、美夏の体はビクッと、電気が流れたように跳ねる
「ふぁっ、あうっ、ああっ、あっ!」
奥を抉るたびにひときわ甲高い嬌声があがる
「あ、だめ、あ、ふぁ、やぁ!」
そろそろ、俺も我慢が利かなくなって、どんどんペースをあげていく
「ああっ、はぁっ、もう、あっ、だめぇっ!」
美夏もそろそろ限界らしく、こちらにぎゅっと腕を回してくる
「あ、あぁぁぁぁぁぁあ!」
そして、美夏は限界に達したらしく、がくがくと体をふるわせる
「…く」
それを、確認した俺も、自分自身を解き放った







441:じうご
07/08/19 06:22:17 fX55UZMN







ちなみに、このあと二人して動けなくなったりするのは、まぁ、別の話

442:じうご
07/08/19 06:23:50 fX55UZMN
はい、変なとこで変に区切ってしまいました


おまけに読み返してorz



ちょっとコンセントで首吊ってきます

443:名無しさん@ピンキー
07/08/19 07:04:27 HBY9Ut1L
エロシーン短すぎ吹いたw

だがGJ!

444:名無しさん@ピンキー
07/08/19 15:16:22 eO8IRA/z
インスタントエロチックGJ!

445:名無しさん@ピンキー
07/08/19 17:27:25 0wCyH7ef
久々のじうご氏到来!GJ!

446:名無しさん@ピンキー
07/08/19 17:29:19 0wCyH7ef
「到来」は人が来たときに使う言葉じゃないですね…すみません。

447:名無しさん@ピンキー
07/08/19 18:51:05 AiVjN3IK
じうご氏、乙
こんな腐れ暑い最中だとエチも簡潔だなw

448:名無しさん@ピンキー
07/08/21 05:47:22 OJqwQCuA
保守

449:名無しさん@ピンキー
07/08/22 03:27:20 LSLAsdDb
>>442GJ!!これから調子直るのを願ってる。

さて>>447見て思ったが、夏はセックスすらあまり犯る気がしない。




な ら 冬 は ?



後は言わなくても・・・わかるな?

450:名無しさん@ピンキー
07/08/22 11:38:57 WC7Z8bMm
>>449
互いを温めあうように濃厚な愛が炸裂

451:名無しさん@ピンキー
07/08/24 00:49:26 Nmhhvs7f
>>450


あと3ヶ月後だな……


ちょっと全裸で正座して待機しとく

452:名無しさん@ピンキー
07/08/24 01:30:31 nNm4u73Z
>>451
風邪ひくぞ?w

453:名無しさん@ピンキー
07/08/24 08:49:38 kYHfZ5Nd
>>451
紳士として靴下とネクタイだけはつけとかないと。

454:名無しさん@ピンキー
07/08/24 22:42:18 oPV9uxGM
まあ冬に凍え死ぬヤツはいても暑くて死ぬヤツは・・・・
いる時代なんだよな、この暑さどうにかならんかね?

455:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:22:48 54lPDyXo
>>454



つラブラブなエロSS

456:名無しさん@ピンキー
07/08/25 01:19:05 b8ChZfyy
>>455
何その無差別殺人w

457:名無しさん@ピンキー
07/08/25 16:01:00 agX0oCCr
「もうだめだー!」
僕は絶叫しながら家の外にとび出した。母親の方針でうちはクーラーはなるべくつけないんだけど、
ここらの地域の最高気温を更新しましたってニュースをやってる今つけずにいつつけるのさ!

僕はチャリで坂を登る。もうちょっと上に、川のいい感じの浅瀬があって、ほんとは泳いじゃダメだけど、
もちろんムシですよ。いけばたぶん友達も誰かいるし。とか言ってると、前を誰かが歩いてた。あれ、相馬?

相馬優(そうまゆう)は、今年転校してきた子で、少し体を悪くして静養に、みたいな。とにかく、細くて、
白くて、長いまつげをいつもふせてる感じの、キ、キ、キレーな子!なんだけど、とにかくしゃべんない。
無表情。最初はもちろん、みんないろいろ話しかけたけど、あまりのリアクションの薄さ、というか無さに、
別にハブじゃないんだけど、いまや気がつくといつも一人、みたいな。でも、クラスの男は、何もしないけど
ほぼ全員彼女を意識してますねえ、たぶん。クラス委員の美香に言わせればミエミエでアホみたいとの事。
ウッセ!いまどきスカートめくっぞ!

なんだっけ、あそうそう。その相馬が、こんな山道に一人。なぜ?例の川にも一度も来たこと無いのになー。
だいぶ体は良くなったらしいけど、いくら日傘さしてるっていっても、こんな日に歩き回るのはダメだろ。
と、なんとなく自転車を下りて、押しながら彼女のかなり後ろを歩いていると、急に彼女の姿が見えなくなった。
急いで彼女の消えた辺りまでチャリをとばす。両脇は森。横道なし。ははあ、実は彼女は僕の青春に訪れた
ひと夏の幻影…とかアホみたいな事(スマン美香、お前の言うとおりだ)考えてると、ヤブの中に足あと発見!
チャリを置いて、なぜか音を立てないようにそっと突入。時間は、えーヒトヨンフタマル。

すこしだけ森に入ると、3m四方くらいだけど、開けた場所があるみたいだった。そこには、数本の、腰の
高さくらいのひまわりが生えていて、彼女はその前に立っていた。ぼくはどうしようか迷いつつ、まあこんな
きっかけはめったに無いなと思って、声を掛けようとした。すると、彼女が!

畳んだ日傘を足元にそっと置くと、彼女はサンダルを脱いで裸足になって、ついでにスカートの中に立った
まま手を入れると、パンツをするりと下ろした。なるほどねえ…ってナニー!!脱いだ薄ピンクのパンツを
ポイと放ると、そのままひまわりの前でスカートを捲り上げた。小さい、真っ白なお尻が丸見え。そのまま
しゃがみこんで、ひまわりの根元にシャーッと、オ、オシッコを掛け始めましたよ!意味分からん!

僕は、あまりの動揺に身動きしてしまい、足元の枝がポキリと鳴ってしまった。ザ・ピンチ!彼女が、しゃが
んだまま、というか、オシッコをしたまま顔だけこちらを向いて、大汗をかいている僕とバッチリ目が合って
しまった。さて、このあと彼女はどうするでしょう。
正解は、また僕がいなかったのように前を見て、オシッコし続けながら少し腰を上げてカニ歩き、となりの
ひまわりにもおしっこを掛け始めた、でした。当たったかな?

さて、出すもの出した彼女ですが、ポケットからティッシュをだしてアソコを拭いて、さっき投げたパンツを
装着。日傘を差して僕の横を、僕をちらりとも見ずにとおりすぎ……って、ちょっと、ちょっとちょっと!
「そ、相馬!」
彼女はすっと立ち止まって、クルリと振り返った。いやー、すっと通った鼻筋とか、小さくて薄ピンク色の
唇とか、うーん、カ、カワイイ!!
「…なに」
「あ、あの、オレの事、知ってるよな」
「田島君」
よかったあ。クラスメートだから別に知ってて普通だけど、知らんとか言われたらヘコむどころじゃないよな。
「あ、あのさあ、アレ、なにしてたの」
「自由研究」
即答だよオイ。…自由研究?!よけい分からん?
「え?テ、テーマ何なの?」
「尿の、有機肥料としての有効性」
「…?ごめんもう一回」
「尿の、有機肥料としての有効性」
あー、確かに昔、動物のウンチだけじゃなくて、オシッコも使ったって聞いた事かあるけど
「でも、今さらなんでそんな事…」
「…究極のリサイクルとして、これからの地球には必要」
ほっほー…なーるほど。分かりました。相馬、お前アホだろ。いや、頭はいいと思うよ確かに。でもアホだね。




458:名無しさん@ピンキー
07/08/25 17:09:35 agX0oCCr
彼女は、また前を向いて山を下り始めた。僕は、あわてて自転車を回収して、押しながら彼女の横に並んだ。
「よくあんなとこ見つけたなあ」
「ネット。あれぐらいあれば空から分かる」
僕は分からない。まあいいや。
「しかし、キャーくらい言ってもいいんじゃないの?」
「なぜ」
「だって、オ、オシッコ見られたんだぜ、恥ずかしいだろ!」
「別に」
「ウソつけ!恥ずかしくないわけ無いだろうよ!」
「別に」
言っとくけど、全然いやらしい気持ちはないよ。ただ、彼女の様子にカチンときただけだから。いやホント。
「なら…なら僕の前で出来るかよ」
「出来る」
また即答!ちょちょちょ、そんな事言われたら、もー引っ込みつかないじゃん!相馬のアホ!空気嫁!
「じゃ、じゃあしてみせろよ」
彼女は無言で一時僕を見つめていたが、すっと日傘を差し出す。
「エ?」
「…持ってて」
僕が、相変わらずあっけにとられたまま傘を受け取ると、彼女はいきなりスカートをその場で捲り上げようとした。
「ちょちょちょちょちょ待っいやちょ」
あわてて自転車を放り出し、彼女の手をつかむ。
「…なに」
「え、今「なに」っていった?…なんで?あーなんか腹立ってきた」
彼女の、このクソ熱いのにひんやりとした細い手を引っ張って、本道の脇にある細い林道を上がる。
そこには小さな作業小屋があって、この時期はだれもつかっていない。
「じゃあここで」と僕が彼女のほうを向いて言うと、彼女はまたあっさりパンツを脱いで、僕の真正面にしゃがみこむ。
彼女のソコには全然毛とか生えてなくて、しゃがんでるからか、少しだけ開いた割れ目から、ピンク色の部分が見えた。
そこから、ホントに少しだけオシッコが出る。
「…さっき出したばっかりだから、ほとんど出ない」
と、全く冷静な声で言う。くそー、どうすりゃいいんだよ!
僕は、無我夢中で彼女を突き飛ばした。
「あ」といいながら彼女は尻餅をつく。表情は全く変わらず。ぼくは、彼女の白い下半身に「わー」」とか言いながら
覆いかぶさって、割れ目を指でグッと開きながら、その間の薄ピンクの肉が合わさったとこを、メチャクチャ舐め始めた。
少ししょっぱい味がした。そらそうだオシッコしてたんだもん。でもなぜか全然イヤじゃなかった。
どんどん奥に舌を入れてみる。そのあたりを強く擦るように舐め続けていると、そのうち、その奥の方から、なんていうか、
トロッとした感じのが湧き出てきた。
最初、一所懸命アソコを舐める僕を無表情で見下ろしてた彼女だけど、今は目をつぶって、少しだけ口を開いて、
「…ハッ…ン…ハ…」
と、かすかに震えるような浅い吐息を吐き出している。
彼女の中が、少しピクッ、ピクッとなって、僕の舌をかすかに締め付けるような動きをする。
やがて、そのピクピクがビクン、ビクンという感じになって、彼女は少し腰を浮かして、僕の顔にアソコを押し付けるような
動きをし始める。
そこでクリトリスですよ。もちろん実際に見たことは無いけど、どんなもので、どういうふうにするかは知ってる。インターネット万歳!
舌で探って、この辺かなーというところに、思ってたよりずっとずっと小さなそれがあった。
あんまり強くなりすぎないように気をつけながら、それを舌で擦り始めると、彼女はこぶしを口にくわえて
「…グッ…ウン…クッ!」
と、耐え切れないように色っぽい声を出しはじめ、そのうちかすかに悲鳴のような声を上げると、グイッと僕の顔にアソコをあてて
しばらくピクピクしてたけど、やがてガックリと腰を落とした。わずかに肩で息をしている彼女に、
「どうよ」と聞くと、彼女は本当にうっすらとだけ頬を染めて
「…えっち」
とだけ言いました。うわー、僕その場で立ち上がって、いてもたってもいらんなくて足をドタドタドタドタさせてましたよ。

乗るかと聞くとあっさりうなずいたので、彼女の畳んだ日傘を前かごに入れて、自転車に二人乗りして山道を下る。
途中、クラスのアホどもとすれ違う。「よお、田じ…」までいって、僕にしがみつきながらチャリの後ろに乗ってる彼女を見て
全員口あんぐり。
あとで説明が大変そうだけど、また明日彼女とひまわりのところで待ち合わせをしてる事を思い出せば、全然OKなのさ!




459:名無しさん@ピンキー
07/08/25 22:05:39 N8xkBal3
>>458
おつかれgj。主人公もヒロインも馬鹿だと物語に違和感を感じます。

460:名無しさん@ピンキー
07/08/25 22:22:29 54lPDyXo
>>458
おつかれー

まず、これから投下~と、これで終わり~
って入れてくれると嬉しい

主人公もヒロインも馬鹿でちょっと吹いたw

461:名無しさん@ピンキー
07/08/26 10:25:32 /dn/tAk4
いやいやいや、
男は莫迦じゃないぞ?いや男は皆美少女のおまたの前ではバカになりますよ?

462:名無しさん@ピンキー
07/08/26 13:21:08 0mge7cQ3
>>458
何故か「う~トイレトイレ」みたいなノリを感じてしまったw

463:名無しさん@ピンキー
07/08/26 17:05:50 vykK8Et+
>>462
うほっ

464:名無しさん@ピンキー
07/08/26 19:48:14 NuheFfVa
無口っ娘『………やらないか…?』
小首をかしげながらな。

465:名無しさん@ピンキー
07/08/26 19:51:44 KOP03hdZ
『…………しないの……?』の方が好きだ。

466:名無しさん@ピンキー
07/08/26 19:59:35 YWmvi9UT
『………やらないか…?』 だと、クールな感じがする。
『…………しないの……?』だと、子犬系の愛らしさがある。

どちらも素晴らしい。
だが、あえて私は『…………抱いて……』をお勧めするっ!!

467:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:06:59 KyiU0XLa
服の裾とか袖を掴んで
『……して……』
だろうが

468:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:07:41 UMXRD5/r
『・・・・・・・・・・・・して・・・・・・』

がいい。

469:名無しさん@ピンキー
07/08/26 20:15:16 Btu88gDe
>>467-468
結婚おめでとう

470:名無しさん@ピンキー
07/08/26 22:49:15 CBCd8GUK
「……………しよ……」に一票

471:じうご
07/08/27 00:31:55 QXNro8V8
なんとなく覗いてみたら面白い話で盛り上がっているので
即興で話を考えてみました

とりあえず、やらないか?編と、しないの?編で書いてみました

エロは無いです
あと、即興で書いたので両方1レス分しかありません

では、投下します

472:やらないか?編
07/08/27 00:33:19 QXNro8V8
やらないか? の場合

「はぁ、今日も暑いね……」
シャツが汗でじっとりと張り付く、熱帯夜、そういってもいいくらいの暑さだ、それなのに彼女は
「……別に」
ほとんど汗を掻いた様子もなく、涼しげな顔をしてちょこんと座って、本を読んでいる
「毎回思うけど、本当に暑さに強いのは羨ましいね」
彼女は、こちらと目を合わせ、すこし顔を傾けながら
「……そう?」
そう返してくる
「うん、暑いのは、薄着になるとかでも対応には限界があるからね」
「……そう」
……会話が続かない。なんというか、まぁ、いつものことだけど
「…………」
「…………」
そして、いつも先にこのだんまり状態に耐えられなくなるのは僕で
「暇だねぇ……」
誰に向けてでもなく、ポツリと呟いてみる
「……暇?」
彼女が本に目を向けたまま、聞き返してくる
「うん、暇」
その、言葉を聞いた彼女は
「……いい方法がある」
そう、言っていきなり立ち上がり、するすると服を脱ぎ始める
「ちょ、ちょっとなにやってるの!?」
いきなり、目の前で服を脱ぐ彼女を見て、平静が保ってられるほど僕は出来てない
思いっきりあたふたと慌てている間に、彼女は服を全部脱ぎ終わり
「………やらないか…?」
なんというか、明日の天気はなんだろう、みたいな軽さで言ってくる
「え、いや、ちょっと待ってよ!」
まだ慌てている頭はその言葉を聞いてさらに慌てる。もちろん、きちんとした答えが出せるわけない
彼女は僕の言葉を聞いてから、僕の方を後ろに倒すように、僕の方に手を当てて倒れてきて
「うわっ!」
当たり前のように、僕は後ろに倒れ、彼女が僕の上に馬乗りになる
そしてその体勢のまま、彼女は僕に唇を軽く重ねて、離し
「……嫌?」
聞いてくる
ほのかに紅潮した頬、期待に潤んだ瞳、もちろん、僕はそれを見て理性を保ってられるほど出来てない
僕は無言で体を起こして、彼女を逆に押し倒し、唇を深く重ねた










473:しないの?編
07/08/27 00:37:55 QXNro8V8
しないの? の場合



「あー、文明の利器万歳」
今日、ニュースでやってたところによると、今日は熱帯夜らしいが
「……うん」
クーラー全開の部屋で過ごしている俺たちには関係なかった
彼女は俺に背を向けてぼーっとしている、で、俺はその姿を見てちょっと彼女に触れたくなった
「ちょっと寒いなぁ」
俺は白々しくそんなことを言いつつ、こちらに背中を向けている彼女に抱きつく
抱きつかれたせいか、少しずつ彼女の耳が赤くなっていく
「……暑いよ」
彼女はそんなこと言うが、特に嫌がる素振りも見せず、そのまま俺に抱きつかれたままだ
「んー…俺は寒い」
俺はそういいつつ、彼女をぎゅっと抱きしめる
「ん……」
彼女は小さく声をあげ、そのままこちらに体を預けてくる
彼女の体温が心地よく俺にじんわりと伝わってくる。その心地よさは、なぜだか俺に眠気を運んできた
…明日は早いし、このまま寝るかぁ
彼女を抱いたまま後ろに倒れる。で、抱きついたまま彼女を俺の横にポフっと寝かせる
そういえば風呂入ってなかったなぁ、とか思いつつ
彼女の体温を感じたまま、俺は目を閉じて眠



「……えっと……その」


れなかった
「ん?どうかしたか?」
俺は、すこし目を開けながら聞く
「…………」
彼女はくるり、と器用に俺の腕の中で体を回し
「……しないの…?」
そう、言ってきた
「……………」
…ああ、そういえばこのごろ課題やら塾やらでお互い忙しかったからしてないなぁ
俺がそんなことを考えていると、その考えている間に出来ていた沈黙を否定の意味でとらえたのか
「……しない…のか…」
彼女はすこし落胆した様子で、またくるりと器用に俺の腕の中で回って、俺に背を向ける
…やばい、すごく可愛い
ん?明日早いからもう寝ないと?黙れ天使、明日なんか知るか
俺は右手を彼女の中心に、左手を彼女の胸に伸ばしながら
「しないなんて、一言も言ってないぞ?」
そう、彼女の耳元で呟いた














474:じうご
07/08/27 00:41:29 QXNro8V8
以上です

本当はエロ書きたかったけど明日早かったりする
さてと、こんな駄作ですが楽しんでいただければ嬉しいです

475:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:01:14 InOsxFMQ
乙。仕事速すぎw

476:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:18:56 ZNdxlwGM
>>474
乙!どっちも萌えましたハァハァ

どっちも好きだけど「やらないか?」だと違うヤツ想像してしまうw

477:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:40:30 dqzlJG2v
大抵のねらーはあの人連想するよなw

478:名無しさん@ピンキー
07/08/27 02:10:38 aolGDBXp
本家のやらないかにはクエスチョンマークはつかない…
と言い訳してみても結局アイツが浮かぶw

479:名無しさん@ピンキー
07/08/27 02:19:15 SnAG2Fqd
無口クールだと思っても!


……やっぱりだめだ

480:名無しさん@ピンキー
07/08/27 08:55:16 l9fcviZs
>>474
 >>「……しない…のか…」
 
  おっきした

481:名無しさん@ピンキー
07/08/27 11:34:07 fPUm8mGx
gjでした

482:名無しさん@ピンキー
07/08/27 12:46:10 ohWKR4kh
ここであえて
「・・・・・・・・・・・・・する・・・」

有無を言わさないところが(ry

483:名無しさん@ピンキー
07/08/27 14:14:06 rayjwRBF
>>476-477
うほっ

484:名無しさん@ピンキー
07/08/28 01:39:12 dUBSDTs5
そこは嬉しいこといってくれるじゃないの、じゃね?

485:名無しさん@ピンキー
07/08/28 08:13:43 LpW9GcBA
くそみそスレはここですか?

486:名無しさん@ピンキー
07/08/29 01:30:53 Cd334eUP
ちげーよwwwwwwwwwww

487:名無しさん@ピンキー
07/08/29 02:26:06 oJjHYprx
>>482
描いてみた
URLリンク(www.imgup.org)

488:名無しさん@ピンキー
07/08/29 03:38:32 6kuyhuUy
>>487

 神 降 臨 ! !

GJすぎて感涙ものですわマジで…

489:名無しさん@ピンキー
07/08/29 11:31:25 okdXhBUp
>>487
GJ!!!!
君のせいで妄想が止まらなくなったから1レス投下


「……する」
いきなり、唐突に、彼女が言った
「待て、なにをする気だ」
俺の質問に答えず、服をするすると脱ぎはじめ
俺は彼女がなにしようとしているのか理解した
「待て待て、俺はする気ない、ってかまだ昼前だし」
「……私がしたい」
いや、だから俺の意見を聞け
「我慢しろよ、あと八時間ぐらい」
「……無理」
そんなことを言っている間に、彼女は服を脱ぎ終わり、一糸纏わぬ姿になり
「……する」
「拒否する」
「……却下」
「駄目だ」
「……やだ」
「無理」
彼女は、少し考えこみ、そしてぼそっと呟いた
「…………襲う」
「おい、女の子が襲うとか」
なぜか、妖笑しながらこちらに近づいてくる彼女。目が……なんか危ない
「待て待て待て待て!!」
「……待てない」
……やばいな
彼女なら本気で襲ってくるはず、で、そしたら確実に俺の理性が飛ぶ
逃げようにも、この部屋に逃げるだけのスペースなんて存在しなかった
おまけに部屋の出口である扉は、彼女の向こう、つまり彼女の背後にある
「……はぁ」
とりあえず、結果が目に見えてるけど
「最後まで頑張ってみるか……」
彼女がこちらに

490:名無しさん@ピンキー
07/08/30 05:36:31 AbRc0aju
>>489その後は何だ!!続きを言え!!
たとえ貴様が無口っ娘でも容赦せんぞ!!

>>487パソコン妹に壊されて、携帯からうらる打ち込んだが見れない俺涙目ww

491:名無しさん@ピンキー
07/08/30 10:08:52 k7EEWQqt
>>490
無口な機械音痴の妹にパソコンを壊されたと解釈するが構わんな?



兄「あー! 何やってんだよ!」
妹「……?」
兄「わからないのに勝手に人のパソコンをいじるなよ」
妹「……」
兄「待て、だからっていきなり電源落とすな! テレビ消すのとは全然違うんだ」
妹「……」
兄「いや、確かに使った後はきちんと電気を消せと親父にも言われてるけど」
妹「……」
兄「じゃあ問題ないね、って大有りだ! うおっ、コンセント引っこ抜くなっ! 壊れたらどうすんだ!」
妹「…………」
兄「あ、わ、悪い。急に大声上げて……わわっ、泣くなよ、別に怒ってるわけじゃないんだ、その、」
妹「……」
兄「と、とにかく顔拭け。な?」
妹「……………………ごめんなさい」
兄「大丈夫、これくらいで壊れたりしないって。そうだ、冷蔵庫にアイス残ってたから一緒に食おう。な?」
妹「……」
兄「え? 取ってきてくれる? いいのか?」
妹「……」
兄「そっか、じゃあ頼む。代わりに好きなやつ選んでいいぞ」
妹「……」
兄「バニラか。じゃあ俺はチョコレートで。よろしくなー」

兄(やっべ、画面がなんかブルーなんすけど。でもあいつのせいにはしたくねーししゃーねーか。携帯でチェックしよ。……って画像見れねー!)

妹「……」
兄「ん? うまいか?」
妹「……ありがと」
兄「バニラか? よかったじゃないか好きなやつ選べて」
妹「……違う」
兄「じゃあアイス買ってきてたことか? これは俺じゃなくて母さんが」
妹「違う! …………ありがと」
兄「…………ああ、どういたしまして」
妹「……」
兄「……」
妹「……」
兄「……早く食べないと溶けるぞ」
妹「ん……」

兄(……携帯じゃ画像見れなかったけど……)

妹「…………」

兄(こいつが笑ってくれるなら別にいっか)



こんな感じで。

492:名無しさん@ピンキー
07/08/30 10:34:14 Dv4iuQ53
携帯からで画像見れない俺は負け組wwwwwwwww
と思ったけど、>>491を見たらどうでもよくなった
俺単純wwwwwwうぇっwwwwうぇっwwwww

493:名無しさん@ピンキー
07/08/30 18:51:51 q629un9w
太陽のせいで無駄に暑い中オレ達はクーラーのおかげで涼しい部屋でごろ寝中。
「暇だねぇ」
俺の右腕を枕代わりにしている彼女に呟いた。
「……そうだね」
「かといってこのまま寝て過ごすのもなぁ。せっかくの休日だし」
「……出かける?」
「暑いから嫌だ」
俺も返答に彼女は困った表情をする。
「………じゃあどうするの?」
「何かこの有意義な休日に持って来いなものはないのかね?」
「…あるよ」
彼女は自身満々(これでも一応)に答えた。
俺としてはこの暇な時間を潰すことが出来ればそれでいい。

俺がそんなこと考えていたら彼女はいきなり脱ぎ始めた。
「えっ!?なにやってんの!?」
「………有意義な時間を過ごすための準備」
彼女は当然といった表情。俺は愕然とした表情。
「ねぇ……しよ?…私にとってこれ以上有意義な時間は…ないよ」
彼女は俺の答えを待たずに唇を奪った。





こんなの思いついたから書いてみた。
反省なんてしていない。

494:名無しさん@ピンキー
07/08/30 19:38:53 JjCG/DO5
反省しないのは結構だが話を自重しないでくれ

まあ何かってえとワッフルワッフル

495:名無しさん@ピンキー
07/08/30 22:43:34 Oej5ZmFk
>>487
流れたので、ちょっと描き足して再。
URLリンク(coobard.h.fc2.com)

496:名無しさん@ピンキー
07/08/31 03:00:26 i27MBjb4
>>491最高の解釈をありがとう。感涙しました。>>487は見れなかったが、その話で十二分ですよ

と思ってたら>>495がファイルシーク使えば見れる画像ですた。神GJ!!

そして>>493が更なるアクセントを加えてくれて、もう俺感動涙目wwwwww

改めてここは本当にすばらしい神スレですな。

そして>>493、ワッフル擬人化無口っ娘を送ってやるから続き頼むぜ

497:名無しさん@ピンキー
07/08/31 22:48:20 OjpNFtRY
本気で誘ってるわけじゃなくて、
「…………やらないか…?(って言えばいいの…?)」
って感じでやらないかって書いたんだけどなぁ。
もちろんくそみそにかけてあるわけだけど。

498:名無しさん@ピンキー
07/08/31 23:05:52 miDq3oBZ
俺は呆然と目の前に立つ彼女を見つめていた。
彼女の顔なんて毎日見ているから今更凝視する必要なんてないのだが、
今日は別だ。
「……私の顔に…何か付いてる?」
「いや、顔には特になにも…」
確かに顔にはご飯粒が付いてるわけではない。
ただ…頭に…

「あのさぁ、何その格好?」
「………猫」
だよなぁ。
彼女の頭上に小さな三角形の耳があった。おしりには細長い茶色い
尻尾がある。
もちろんコスプレ用のパーティーグッズなんだろうけど。
「…こういうの……嫌い?」
「いや、嫌いじゃない。むしろ好きだけど」
「じゃあ…問題は無いね」
そういう問題か?良いのか?俺は別に構わないけど。
「…そういう問題。良いの。私も別に構わない」
「人の心を勝手に読むな!!」
「愛があれば無問題」
問題ありありだ!!と突っ込んでも何も聞かないだろう。実際に耳を
両手で塞いで聞く気アリマセーンって感じだ。
なんか悔しいけどもう良い。諦めも肝心だし。

「さて……諦めてくれた様だし…愛を深めようか」
「おいっ」
「……諦めも肝心だよ」
彼女は俺のYシャツのボタンを易々と外す。
しょうがない、最後の抵抗だ。
「今日は絶対寝かせねぇ!!!」
「ふふっ…お願いにゃ」





>>496が俺に送ってきたので書いてみた。
もちろん反省n(ry

499:名無しさん@ピンキー
07/09/01 03:38:38 xGctEgS9
>>498>>お願いにゃ


くっ・・・ああああああああああああ!!!!!神GJ!!
完璧に脳内が無口っ娘パラダイスで埋め尽くされた。

猫擬人化ネコミミ無口巨乳美乳甘えん坊する・・・少女が欲しいです。

500:名無しさん@ピンキー
07/09/01 07:55:57 4ilFixFk
無口……か?

501:名無しさん@ピンキー
07/09/01 09:00:54 9t8FUvOv
手話で会話w

502:名無しさん@ピンキー
07/09/01 14:30:32 fN3kFZmf
腹話術

503:coobard ◆69/69YEfXI
07/09/01 22:53:17 lNZ98Uko
どうも。ミュウマ再登場です。10レスほど頂きます。
よろしくお願いします。


504:1/10
07/09/01 22:54:05 lNZ98Uko
 何か……向かってくる。
 あれは……なんだ……!
 巨大な、トカゲみたいな生き物。
 赤い眼。
 鋭いツノ。
 怖い、怖い、怖い!
 でも、ぼくは動けない。
 なす術なく、ぼくはその鋭いツノに……!

「うわぁあぁあっ?!」
 ぼくは驚いて目を覚ました。
「はぁっ、はぁっ……」
 ぼくは体を確認した。生きてる。よかった。
 周りを見ると、そこはぼくの部屋だった。
 時間は深夜。ほの明るい月明かりがカーテンの向こうから入ってきている。
 汗のしずくが、ぼくの太ももに落ちた。
 胸が痛む。思わず、押さえる。
 ぼくはこの胸の痛みのおかげで、ずっと身体が弱く、俗に言う運動音痴になってしまった。
 だけど、病院で検査を受けてもなんの異常も見つからない。
 心因性としか考えられないそうだ。
「ううっ……痛つっ……っはぁっはぁっ……」
 それにしても、今日は特にひどい。夢のせいだろうか。
「あんなファンタジーな夢見るなんて……ミュウマとエッチしたからかな……」
 ミュウマは、ぼくの彼女だ。この前、ひょんなことからエッチして付き合うことになった。
 彼女は可愛い感じだけど、いつも無口だった。
 その理由は、彼女が異世界から来たお姫様で、こちらの言葉がまだあまり解らないからだという。
 ぼくは、そんなゲームみたいな世界の王子様で、こっちの世界に生まれ変わった姿なんだそうだ。
 ミュウマは向こうのぼくを好きで、でも逢えなくなって。
 そんなとき、彼女はぼくに巡り会った。それで……。
 信じられない話だが、しゃべる黒オウムの執事、エルが説明したんだから、信じるしかない。


505:2/10
07/09/01 22:54:35 lNZ98Uko
 しばらく、ぼくは痛みが治まるまでじっとしていた。
 そうしていると、ふいに窓のほうから鳥の羽ばたく音が聞こえてきた。
「ん?」
 窓のほうを見たが、なにもいなかった。
「ナオ様。このような時間にすみません」
 ふいに後ろから声がした。
 驚いて振り返ると、見事なスタイルをした女性が立っていた。
 全身を真っ黒なスーツに包まれている。
 長い髪も黒く、額で切りそろえられている。切れ長の目の瞳も黒い。
 ただその顔だけは抜けるように白く、ドキドキするほどきれいだ。

「だ、誰?!」
 彼女は一礼して口を開いた。
「エルでございます。夜の間は一時的に人の形をとれるのです」
 エルってあの執事のオウム?
 声も大人っぽくて、雰囲気も落ち着いている。
 あのオウムの時とは全然違う。
 ぼくは彼女に問いかけた。
「そ、そうなの? ほんとに?」
「はい。本当です」
 なんていうか、まだ夢の続きみたいな気分になってくる。
「そうなんだ……ってか、女だったの? 執事っていうから、てっきり男だと思ってたんだけど……」
「わたしの知っているこちらの言葉では、適当な単語が見つからなかったもので。申し訳ありません」
 うやうやしく頭を下げた。
「いや、謝らなくってもいいけど……それで、なにかぼくに用でもあるの」
「はい。ミュウマ様があなたをお求めになっておられます」
 ぼくは真っ赤になって吹き出した。
「こ、こんな時間にどうしろっていうんだよ。今から出掛けるワケにもいかないしさ」
「ご心配には及びません」
 彼女は、その白く長い指先を伸ばし、空間に円を描いた。
 するとそこに別の部屋のようすが見えるようになった。
 何か中から甘い香りが漂ってくる。
「空間をミュウマ様のお部屋に繋ぎました。どのような状況なのか、まずはご覧下さい」
 エルに言われるまま、その中を覗き込む。

506:3/10
07/09/01 22:55:13 lNZ98Uko
 高い位置から下を見る感じだ。
 薄暗い部屋のベッドに誰かが寝ているのが見える。むこうを向いているので顔は見えない。
 だけど、エルがミュウマの部屋に繋いだっていうんだから、ミュウマなのだろう。
 かわいいピンクの寝間着を着ている。薄い毛布は、お腹のところだけを覆っていた。
 「ん……ふ……っ」
 肩が揺れている。
 また泣いているのかと思ったが、今度は何かもっと甘い感じだ。
「ん……」
 彼女は、ごろりと仰向けになった。
 両膝が立つ。それはやや開いていた。
 その太もものつけねには彼女の手があり、指が寝間着の上から大事な部分を押さえている。
 それは敏感な部分を緩やかに、さする。
 彼女のもう一方の手は、はだけた寝間着の間から胸へと入り、蠢いている。
 ぼくは思わず、つぶやいた。
「あ……お、オナニーしてるんだ……」

 口には例のペンダントをくわえている。
「ちゅぷっ……」
 彼女は胸にあった手を口元に持って行くと、それを口から取って舐め回す。
「らぁ……ナ、ナオぉ……ん」
 名前を呼ばれたぼくは顔が真っ赤になると同時に、股間に血が一気に集中するのを感じた。

 ミュウマはその秘密の部分を擦る指を早めた。
「……ん! んん! はぁっはぁっ」
 彼女は指を止めた。
 急に体を起こすと、もどかしそうにパンツごとパジャマのズボンを脱ぐ。
 だが全部は脱げず、すその片方は足首に掛かったままだ。
 白く艶めかしい下半身が闇に浮かぶ。
 また彼女は、ころんと寝転んだ。
 膝を広げ、その部分に指を滑らせる。
「んー……っ! はっはぁっはああっ」

507:4/10
07/09/01 22:56:41 lNZ98Uko
 彼女の息が早く浅くなる。
「はっ、はぅ、はっ、はぁ……っ」
 ペンダントトップをつまんだ指が、徐々にその部分に下がっていく。
 ぼくは思わず生唾を飲んだ。
 片手でその濡れるアソコを広げ、もうかたほうの手でペンダントトップをあてがった。
「ふぅ……っん」
 ゆっくりと、その丸い金属が彼女の中に挿入される。
「んんんっ!」
 彼女の腰が少し浮いた。少し震えているみたいだ。
「うう!」
 そのままそれは、指と共に激しく出し入れされた。
 ぐちゅぐちゅと、いやらしい水音が響く。
 ぼくはだんだん、たまらなくなってきた。
「はっ、はっ、はぁうんん! ナオ、ナオぉ!」
 ぼくのことを考えながら、あんなに感じてる。
 そのミュウマの姿に思わず、硬くなったぼく自身をパンツの上から握ってしまう。
「ナオ様。お手伝い致します」
 ふいに背中からエルの優しく低い声がした。
 彼女は、後ろからぼくをふんわりと抱く。
 大きめの胸が押しつけられて、さらにぼくのものは大きくなる。
「一度、出しておいたほうが二回目は長くもつのでしょう?」
 柔らかく白い指が、ぼくのパンツにするりと入る。
 硬くなっているモノを軽く握った。少しひんやりとした。
「こんな感じ、ですか?」
 その人差し指と親指が輪を作り、先のほうを滑らかにしごく。
「ううっ! いい……」
 もうそれだけで、爆発しそうだ。
「これではナオ様の着ているものが汚れてしまいますので、お脱ぎになって頂きます」
 エルがいったん手を離し、後ろからぼくの寝間着のズボンをパンツごとずり下げる。
 それはぼくのモノにちょっと引っかかってから、完全に下ろされた。
 暗闇に下半身を晒す。
 ぼくのモノはずっと上を向いていて、萎える気配はない。
 彼女は前に回ると、それを見つめた。
「ナオ様、ご立派です……」

508:5/10
07/09/01 22:57:24 lNZ98Uko
「え、そ、そうかな……」
 彼女は妖艶に微笑む。
「はい。素敵です……それでは、上も取らせて頂きます」
 流れるような指さばきで、あっという間にぼくは全裸になった。
「さあ、ミュウマ様をご覧になりながら、どうぞ達して下さい」
 エルがまた後ろに回り、ぼくのモノを擦り始めた。
 もう片方の手でぼくの乳首を優しく転がす。
「う……っ……」
 初めての感覚。
 ぼくは体を支えるように、その腕をつかんだ。
 背中にエルの胸を感じながら、ぼくはどんどん興奮してきた。
 ぼくはもう片方の手を後ろに回し、エルのお尻を触る。
「ん……な、ナオ様……」
 少し困惑したような声。しかし、拒否はしない。
 目にはミュウマの物凄くエッチな姿が映る。
「はっ、はぁ、はうう……」
 ミュウマがパジャマの前を全開にした。
 尖った乳首が、その薄い胸を覆う人差し指と中指の間から、飛び出している。
 指と手に力を入れ、強く揉む。
「くふぅ! んーっ」
 彼女のアソコには指が二本と、それに絡めたペンダントトップが出入りしてる。
「はっ、はっ、はっ、あー、あーっ……」
 ミュウマの腰が別の生き物のように、くねる。
「ナオ、好き、しゅきぃ! あー、くるるぁ! くるるぅ!」
 彼女の腰がぐねぐねと激しく上下する。
 あれは、ミュウマがイクちょっと前の時の言葉だ。
 それを聞いたとたん、急に何かが心の中で弾けるような気がした。

 これは、このパワーは……この湧き上がる力は……。


509:6/10
07/09/01 22:57:57 lNZ98Uko
 エルの手の動きが速くなる。
「ん、ナオ様の、モノがガチガチに硬く、なってますよ、はっ、ん、んふぅ」
 きれいな横顔がぼくのすぐ横で、ささやく。
 その頬は熱く、息も少し荒い。
「エル、あ、きもちいいよ! も、もうすぐ、で、出ちゃう、うっあう」
 彼女は微笑む。
「な、ナオ様、い、イッて下さいませ、わたしの、エルの手の中で、あ、はぁっはぁっ」
 彼女の甘い息が掛かる。
 エルの腕に、ぼくはしがみつく。
 もうかたほうの手を彼女のお尻から前に回し、彼女自身に触れた。
 スーツパンツの上からでもそこが熱を持って、とろけているのがわかった。
「あっ、な、ナオ様……い、いけませ、あ、ああはっ!」
 ぼくは、ぼくだけど、ぼくじゃない何かに突き動かされた。
「いいじゃないか! エルもイかせてあげるよ」
「は、はぅっ! あ、ありが、とうご、ざいますぅっ!」
 お互いの性器を激しく擦り、高め合う。
 ミュウマの嬌声も聞こえてくる。
「……ナオのぉ、お、おチンポ……あたしの、お、お●んこに、欲しいのぉ……!」
「うわ……ホント、ミュウマはスケベだなぁ……」
 エルの手がさらに速くなる。
「はぁっ、はぁっ! な、ナオ様……ああ、ああん」
 その脚の根元はもうどろどろだ。
 目はトロンとして、口元からはよだれが、だらしなく垂れていた。
 彼女はぼくの手を握り、自分から腰を振ってきた。
「……ん、んん! ん! ナオ、さ、ナオ様ぁ、イキます、イキそ、うです!」
 ぼくもエルの手に合わせるように腰を突き動かす。
「あ、い、いいよ! ぼくも、うっうう!」
「はっ、はああん! はあっはぁっ! ナオ様、ああっ」
「ナオ、ナオぉ! 好き、しゅきひぃ!」
「ミュウマ、ああ、ぼくも、好き、好きだっ!」

510:7/10
07/09/01 22:59:29 lNZ98Uko
 腰の律動が激しくなってくる。
 エルも声が出ている。
 彼女の腰がぼくの腕の上で、がくがくと震える。
「ああ、ああっ……はぁっはぁっ、ああ、くるるぁ、くるるぅ!」
 ミュウマも同じ言葉を発した。
「くるるぁ、くるるっううう!」
 その言葉は絶頂が近いしるしだ。
 ぼくももう、限界だ。
「あっ出るっ! 出る出る出るっ!」
「いひゅ、いひゅ、いひゅうん!」
「ナオ様いひゅぅっ!

 三人同時に、弾けた。
「うあぁぁ―ッ!」
「いぎゅぅぅぅ―ッ!」
「いぎゅぅふぅ―ッ!」
 最後の声はステレオで聞こえた。
 ぼくの精液は弧を描いて、見事にミュウマに降りかかる。
 イキ顔のミュウマにべっとりと付着するぼくの体液。
「……?」
 彼女は荒い息の中、それをぼんやりと指に掬い取り、ねぶる。
「……ナ、オ?」
 彼女が首を動かし、目線を天井、つまりぼくのほうに向けた。
 ぼくと目が合った。
 彼女が慌てて胸と股間を毛布で隠した。
「……見て、た?」
 彼女は顔を真っ赤にして聞いた。
「あ、あはは、ご、ごめん……」
 ぼくは頭を掻いて謝るしかなかった。

511:8/10
07/09/01 23:00:35 lNZ98Uko
 しばらくしてから、ぼくはとりあえずパンツだけは履いて、ミュウマの部屋に降りた。
 エルが、ミュウマの部屋のもう少し低いところを繋ぎ直してくれたんだ。
 ぼくが現れたのを見て、ミュウマがぎこちなく照れるように笑う。
「……こ、んばんは」
 まだ服は着ていない。毛布で体をくるんでいるだけだ。
「こんばんは……その、さっきはごめん……」
 彼女はふるふると首を横に振った。
「……別に、いい……ナオなら……」
 可愛い。
 ぼくは彼女のそばに行った。

 ミュウマの横に座る。
 彼女がぼくの肩に頭を預けてきた。
「……くふ……」
 柔らかくて、ふにふいにしている。

 エルが目の前に来て膝を突き、かしづいた。
「本当にあなたはナオ王子がこちらの世界で転生した姿なのですね」
 ミュウマの頭を撫でながら返答する。
「どういうこと?」
 エルは頭を垂れたまま、応じた。
「その胸の輝きは、王家の証です。王家のかたは皆、その力を胸の輝く鳥、ヴァーディアに宿しているのです」
 見ると、ぼくの胸の中央に羽を広げた鳥のような形が青白く浮かび上がっている。
「これは……そうか、これのせいで……」
 今まで、ぼくがぼくじゃないような感じがしていたのはこれだったのか。
 そう思って見ていると、すーっとそれが消えていった。
 とたんに体が重くなる。
「う、わ……なんだこれ……ヤバい……死ぬ……」
 体が動かなくなって、そのまま後ろに倒れ込んだ。

512:9/10
07/09/01 23:01:19 lNZ98Uko
 ミュウマが焦って呼びかける。
「ナオ? ナオ!」
 ぼくの体を必死に揺する。でも、もう意識も……
「エル!」
 涙の混じったミュウマの叫びだけが耳に残った。

 目が覚めると、ぼくは自分のベッドにいた。
 覗き込む黒いオウムがいる。エルだ。
 首をくくっと曲げると、甲高い声で喋り出した。
「ナオ様、お目覚めですか。回復魔法を掛けた甲斐がありましたな」
 どうやら、エルのおかげで命は助かったらしい。

 しかし、このオウムがあの美女とはとても思えないなぁ。
 声もしゃべり方も違うし……キャラが違い過ぎる。
 ぼくはあの胸とミュウマの体を両方、思い出した。
 すると……股間が反応した。
 エルがくるっと頭を回して、それを見た。
「ふむ。さすがですな。もう大丈夫ということでしょう。ではわたしは失礼します」
 羽を広げると、二、三回羽ばたいて宙に浮く。
 すると、もうその姿はどこにもなかった。
 ちょっと溜息。
 まぁ、ここんとこ色々あり過ぎて、もう驚かないけどね……。


513:10/10
07/09/01 23:02:02 lNZ98Uko
「ナオユキ、佐藤さんがお見舞いにいらしたわよー」
 突然、母さんがドアをノックした。
「ええっ?!」
 ミュウマがお見舞いー!?
 って、ぼくはどのくらい寝てたんだ?
 混乱したがとりあえず、母さんには返事をした。
「あ、ああ。どうぞー」
 ドアが開けられ、ミュウマが顔を出した。
「こんにちは……」
 ぺこりと頭を下げる。
 母さんが彼女の後ろで、にやにやしまくりながら去っていった。

 ミュウマはぼくのそばに、とてとてといった感じでやってくる。
「大丈夫……?」
「ん。エルのおかげでなんとか大丈夫みたい」
 彼女はちょっと拗ねるように頷いた。
「……そう、ね」
 これはもしかしてエルにジェラシーを燃やしてるのか?
 ぼくは重たい体を無理矢理に起こして、彼女の薄い胸に頬ずりした。
「来てくれてありがとう」
 すりすり。
「ん……あ、あぅ」
 ミュウマがぼくの頭をぎゅっと抱いた。
「……だめ……」
 ぼくは彼女の顔を見上げた。
「ん?」
 ミュウマは真っ赤になっていた。
「気持ちよくなっちゃう、から……」
 うわ……ドキドキする……。
 なんて可愛いんだろう。
 ここで押し倒したい。でも、ぼくの体がヤバいのも解っていた。
 これ以上、体力を消耗してしまっては本当に死んでしまう。
「ん、解った。また、今度ね」
 そう返事をすると彼女は嬉しそうに、でもちょっと残念そうに、こっくりと頷いたのだった。

514:coobard ◆69/69YEfXI
07/09/01 23:02:49 lNZ98Uko
以上です。ここまでお読み頂いて有り難うございました。
失礼します。

515:名無しさん@ピンキー
07/09/01 23:51:01 iupEvKJt
乙!

516:名無しさん@ピンキー
07/09/02 00:02:58 XlUTr+LD
うお、続きですか。ミュウマ相変わらずエロカワですな。エルの変化にかなり驚きました。GJ!

517:名無しさん@ピンキー
07/09/02 03:03:02 nLPGrCC4
寝る前に来てよかった……

Gj!です
実は密かに楽しみに続き待ってた私


518:名無しさん@ピンキー
07/09/05 02:53:44 fAYkHM+1
久々にきたら良作が。
GJ!

519:名無しさん@ピンキー
07/09/06 12:05:07 amIN82y2
三時間以内にレスつかなければ
全作品の無口っ娘は俺の嫁

520:名無しさん@ピンキー
07/09/06 12:07:44 a0ZU2Gn0
…………だが……断る

521:名無しさん@ピンキー
07/09/06 12:13:48 amIN82y2
>>520




早すぎだw




人居るんだな、意外だ


522:名無しさん@ピンキー
07/09/06 12:16:01 D1X2tueM
ノシ
居るよ

523:名無しさん@ピンキー
07/09/06 12:18:18 a0ZU2Gn0
携帯さえあれば時間なんて関係無いんだぜ?

524:名無しさん@ピンキー
07/09/07 18:46:49 KvBcT8ph
無口娘情報!
まんがライフMOMO 10月号
新連載 [森田さんは無口]佐野 妙

キタコレ!



525:名無しさん@ピンキー
07/09/08 07:13:15 o9ZlKoi7
>>524購読確定

526:名無しさん@ピンキー
07/09/09 00:21:39 fe5DtJ6a
GJ

エルハァハァ...

527:名無しさん@ピンキー
07/09/11 02:05:24 KQbYrIGO
GJ

528:名無しさん@ピンキー
07/09/11 16:29:58 9vtA1Ik7
無口だけど活発な娘はこのスレの対象外?

529:名無しさん@ピンキー
07/09/11 17:05:39 1E2OUiqb
十分、対象内

530:名無しさん@ピンキー
07/09/11 19:38:38 SWgWCfPA
無口ならおk

531:名無しさん@ピンキー
07/09/11 21:18:32 GfknvrLX
あんなに過疎ってたのに結構な反応の速さ。おまいら普段どこにいるんだw
活発無口っ娘ガンガンおk。むしろ大歓迎

532:名無しさん@ピンキー
07/09/11 21:50:05 Tt2cxukj
>>531
ここの住人も無口なんだろ

533:じうご
07/09/11 22:09:30 H7KNeoXk
さてと、みなさんこんばんは
じうごです

なんというか……現在書いているものの筆がなかなか進まないので
気分転換に1レス分のものを投下します
エロはありません、ご注意を




534:じうご
07/09/11 22:10:36 H7KNeoXk
ふと外を見る。
豪雨、といってもいいような勢いで雨が降っている。
そのせいか、夏―暦の上では秋だが―なのに気温は肌寒いくらいだ。
「ん……」
まぁ、そんな寒さも彼女が俺の背中に抱きついてきているおかげで、たいして感じないが。
「はぁ……いつもいつも、暇さえあれば、俺に抱きつくのはやめろよ」
「……いや?」
「別にいやではないけどな」
というか、すこし話ずれるが自分の好きな人に抱きつかれるのが嫌いな人とかいるのか?
「……なら、いいでしょ」
そういい、先ほどより強く抱きついてくる。
俺の肩に顔を乗せているのが、なんともほほえましく思える
「まぁ、そうだな……」
ザーッと、雨の降る音が聞こえる。
……窓を閉めないと吹き込むな、
そんなことを思うが、動く気はない。
吹き込んだとしても、どうせあとで拭けばいい、今は、なんとなくこのままでいよう。
「なぁ」
俺は彼女に呼びかけるが、
「…………」
返事がない、どうしたかと思い、顔を横に向ければ、
「…………」
俺の肩に顔を乗せたまま、なんだかどこか幸せそうな顔をして寝ていた。
「ったく……」
自然に頬が緩むのを感じるが、別にだれかが見ている訳でもないから、そのままにしておく。
「仕方のないやつだな……」
言うのは口だけ、俺は彼女を背中に抱きつかせたまま器用に立ち上がり、彼女をベッドの上に優しく置き、布団を被せる。
ザーッと、雨の振る音が聞こえる。
「俺も寝るか……」
床に座り、ベッドに背中を預けて、彼女の寝息を聞きながら、俺は目を閉じた。
ザーッと、雨の振る音と、彼女の寝息が聞こえる。





終わり


535:じうご
07/09/11 22:14:22 H7KNeoXk
あ、あと、
>>528

ぜひ書いてくださいお願いします

536:名無しさん@ピンキー
07/09/11 22:18:41 W7+93nlz


537:名無しさん@ピンキー
07/09/12 00:39:02 /TdZOiEa
>>534


駄作乙www

もう二度と来るなよ低脳野郎www

誰もお前のSSなんて待ってないしなwww

538:名無しさん@ピンキー
07/09/12 00:41:07 9EMFGxTk


>>537
ツンデレは帰れw

539:名無しさん@ピンキー
07/09/12 15:35:18 hnPD0jL1
 彼女は何も言わない。
 ただ、その頬は窓から差し込む夕日より赤くしている。
 彼女の目の前には、SSを書き終えて、疲れたためベッドで眠っている>>534がいる。
 彼女は、深呼吸して、その上に静かに乗る。
 目が覚める>>534
「ん……な、なにやってんだ。降りろよ>>537子……」
 彼女は持ってきていたスケッチブックに文字を書き込む。
『駄作乙www 』
 >>534は、一瞬きょとんとした。だが、悪魔のように嗤った。
「そうか」
 >>534は彼女の腕をぐいっと引っ張る。
 彼女の息がふっと漏れて、>>534の胸に倒れ込む。
 すっかり熱くなっている彼女の身体が、眠っていた>>534の少し冷えた身体と熱交換をする。
 彼女はちょっと横に転がると、まだ片手に持っていたスケッチブックにまたなにか書き込んだ。
『もう二度と来るなよ低脳野郎www』
 くくっ、と声を上げる>>534
「もう言うことはないのか?」
 彼女はほんの少し挑むような目つきで、さらに書き込む。
『誰もお前のSSなんて待ってないしなwww』
 それを見たとたん、>>534は激しく彼女の唇を奪った。
 お互いの吐息といやらしい水音が部屋にこだました。
 >>534はむさぼるように彼女の胸を揉みしだく。
「……んっ……」
 ばさりと、彼女の持っていたスケッチブックが床に落ちた……。

540:名無しさん@ピンキー
07/09/12 16:15:38 F8WTmZhr
わっふるわっふるwwww

541:名無しさん@ピンキー
07/09/12 17:34:27 DwSycxOg
らんま思い出したwww

542:名無しさん@ピンキー
07/09/12 17:41:09 9EMFGxTk
これはw

543:名無しさん@ピンキー
07/09/12 17:42:34 z4/6+0PC
わっふるわっふる

544:名無しさん@ピンキー
07/09/12 19:27:12 /mTJ1AXp
わっふるわっふる

545:『彼女』の呼び声
07/09/12 23:38:10 nFPgP+Xf
 学費の足しにしようと始めたコンビニのバイトは、予想以上に退屈かつ苦痛なものだった。
 ただひたすらバーコードを読み込み、金額を合計し、レジに打ち込んで行く。
 売り上げを記録し、店長の指示の元機械的に商品を補充。
 自己研鑽も達成感もない、ルーティンワークの繰り返し。

 本当なら、もっとやりがいがある、例えば製造系のバイトがしたかった。
 が、それらの仕事は総じて拘束時間が長い。
 学業に支障がでない範囲でできるバイトと言えば、このコンビニのバイトくらいしか―学生の多い街ゆえ、新聞配達の奨学生はあっと言う間に埋まってしまった―なかった。

 そんな燻る火種のような日々を送っていた少年、古橋仁がその少女と出逢ったのは、夏の終わり。
 まだ蒸し暑い、夏の夜のことだった。


 彼女が店内に入ってきた時、仁はすぐにその存在に気づいた。
 決して汚れているわけではないが、撚れてくたびれたワンピース。
 不潔なわけではないが、年頃の少女にしてはあまりに手入れのされていない長い髪。
 何より、彼女くらいの年齢の少女が、お洒落なバッグの一つも持っていないというのがいかにもな感じだ。
 ―そう、彼女は、一目でそうと分かるほどに家出少女にありがちな特徴を持っていた。

 彼女は店の入り口にあるカゴを左手に持つと、レジの真っ正面を横切り、そのまま迷い無く食料品の並べてある一角へと歩いて行く。
 間近で彼女の姿を見て、仁は気づいた。
 彼女のワンピースの右腕に中身は無く、無造作に縛ってある袖口だけがぶらぶらと揺れている。
 如何なる理由があるかは分からないが、彼女は隻腕なのだ。

 そして、食料品コーナーにたどり着いた彼女はカゴを床に置き、片方だけの左手を棚へと伸ばし、

「―って、おいおいおい!?」

 無造作に掴んだ菓子パンを次々とカゴの中にほうり込んで行く。
 あっと言う間に一杯になったカゴを、彼女はそのまま片手で掴むと、レジを素通りして入り口へと。

 レジを飛び出し追いかけようとした仁だが、しかしそれは叶わない。

「ちょっとアンタ、これ」

 弁当とレトルト食品と、そして少しのスナック菓子の詰め込まれたカゴを、子供連れの若い女性が突き出す。
 それどころじゃない。と言おうとした仁だが、その時違和感に気づく。

 今し方の彼女のような、普通とは異なる人間が視界に入ってきた時、人間は思わずそちらに視線をやってしまうものだ。
 家出少女、隻腕、そしてあの突飛な行動。
 注目される要素がいくつもありながら、しかし彼女の存在に気づいたのは彼ただ一人。
 ゆとり教育の弊害だとか都会の人間は周囲に無関心だとか、そんなチャチなものではない。
 仁は、もっと恐ろしい何かの片鱗を味わった気がした。

 ―その日の売り上げと在庫にはやはり大きな差があり、仁や他のアルバイトは在庫確認のために残業を強いられることになる。


 次の日も、そのまた次の日も。
 少女は同じような時間にやってきて、同じようにカゴ満載の菓子パンを手に夜の街へと消えて行った。
 仁の予想通り、どうやら少女の姿は他の人間には見えていないらしい。
 一度など、店長の目の前を堂々と横切って行ったにもかかわらず、だ。

 それだけではない。監視カメラにも彼女の姿は映っていなかった。
 まるで幻。しかし、現実に店の品物は消えて行く。

 そんなことが一週間ほど続いた時、仁は一つの計画を実行に移した。


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