無口な女の子とやっちゃうエロSS 2回目at EROPARO
無口な女の子とやっちゃうエロSS 2回目 - 暇つぶし2ch350:名無しさん@ピンキー
07/07/25 23:55:46 hnwgZUDw
断りはいらないよ。
一週間後でも1ヶ月後でも構わないんで
できあがった時点で投下してくれればいい。

351:名無しさん@ピンキー
07/07/26 05:10:43 QLc5j37y
>>349ゆっくり推敲して自己最高の作品を投下してくれたまえ。


ずっと君の後ろ7mから無口になって見守るから。

352:名無しさん@ピンキー
07/07/26 12:14:08 xalQV6zc
7mって俺の真後ろじゃねぇか。やめてくれよ

353:名無しさん@ピンキー
07/07/26 17:24:31 UH8L4WzA
じゃあ俺は毎晩>>352の枕元で見下ろしているよ

354:名無しさん@ピンキー
07/07/26 17:40:57 25wGU1aT
耳元に熱い吐息がかかる。
無口な女だとは思っていたが、こういうときまでとは
下からしがみつく細い腕が愛しさを募らせる
潤んだ瞳は俺しか映さない

可愛い女だ

自分が、この女から離れられないことを理解した夜

355:名無しさん@ピンキー
07/07/26 17:50:33 h23S74ig
>>331
>紅茶がキーボードまみれになりました……

ちょwどんな紅茶だwww

356:名無しさん@ピンキー
07/07/26 18:26:47 EeZm8OaR
>>355
ネタに(ry

357:名無しさん@ピンキー
07/07/27 02:42:35 zCcXY0XW
>>354>>353の事を書いたのかと思って笑い死んだwww


スマソ

358:名無しさん@ピンキー
07/07/27 23:12:21 y9sWNqUp
ん?

359:名無しさん@ピンキー
07/07/28 05:19:47 kRXIr/kH
つまり>>354の耳元に熱い吐息がの部分が、>>353>>352の枕元で>>352の耳に熱い吐息を吹きかけてあげてるのかなと。

わかりにくくてスマソ

360:名無しさん@ピンキー
07/07/28 14:18:31 8w2/TJeS
流れ切って小ネタ。


ポンポン
弱々しいながらも気付ける範囲に叩かれて振り向くと
「・・・・・・」
無口な幼なじみがひとり。
といってもこの場には俺を含めて二人しかいないわけだが。
「ん?どうした?」
「・・・背中・・・向けて・・・」
最低限聞き取れる声の言われるがままに背中を向けたのち、
「んで?」
と問えば、
「・・・文字・・・当てて・・・」
と人差し指を出しながら答えた。
なるほど、よくわからんが文字当てゲームをやろうとしてるらしい。
さして断る理由もないので
「よし、来い!」
と威勢よく言って背中に意識を集中させた。
それから多少間があった(その中に深呼吸するような音が聞こえた)のち、
スススっ、と背中をなぞってきた。

・・・・・・

「・・・ぉ、終わり・・・」
なんか最後のほうが震えていたような気がするが、長いことかけたものがようやく終わった。
だがそのおかげでわかりやすかったのですかさず振り向いて答えを言おうとしたら、
「・・・・・・」
顔を真っ赤にさせている無口な幼なじみがひとり。
といってもこの場(ry
じゃなくて、
「ど、どうした!?風邪でも引いたのか?!」
「・・・ぇ、いやちが」
相手の言うことお構いなしに額に手をあてた瞬間、
しゅ~、ぱたん
と音をたてて倒れ込んだ。「おい?!大丈夫か?!おーい・・・」



小ネタなうえ文才がないので続けられません。
あと携帯から書いたので見づらいかもしれないです。

361:名無しさん@ピンキー
07/07/28 17:04:21 x9inJUH3
GJ!
背中には「好き」とか書いたのかな?

362:名無しさん@ピンキー
07/07/28 19:51:02 A2PjOwBa
>>360
 GJ!
 本当、かわいいよなぁ

 短く効果的にまとめられる文才、テラホシス
 

363:名無しさん@ピンキー
07/07/28 22:38:21 H1o/blrY
800

ニャ━━ヽ(゚∀゚)ノ━━ン!!



364:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 09:12:54 NWfP2fgi
「シテ」

とか書かれたら・・・

365:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 12:18:03 /ZpyD5zq
おkするしかないだろ・・・・・ 常考

366:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 12:19:43 /ZpyD5zq
つーか今更だが改めて読み直してみると>>360氏文才ありすぎwww
しかも携帯でこのクォリティ
ぜひ続編書いていただきたいです。

367:名無しさん@ピンキー
07/07/29 22:39:50 64etFQfM
そろそろ誰か池戸美穂について語ってくれないか?

368:名無しさん@ピンキー
07/07/30 05:26:45 BhHZkoh5
>>360
かわいいねぇ~
どうも無口っ娘はティセ=ロンブローゾを想像しちまうぜぃ!

369:名無しさん@ピンキー
07/07/30 10:36:55 YU9YGEB4
>>360
GJ
さぁ、そのクオリティのまま続編を投下するんだ!

370:coobard ◆69/69YEfXI
07/07/31 22:33:14 tfQb24Fp
初めまして。coobardと申します。
今から12レスほど投下させていただきます。
よろしくお願いします。

371:1/12
07/07/31 22:34:03 tfQb24Fp
《無口なミュウマ》

 ぼくは、いつもの保健室で目を覚ました。
 小さい頃から体が弱くて、よく保健室にお世話になっている。
 今日も朝礼で気分が悪くなり、ここに来てそのまま眠っていた。

 天井が仄明るい。
 グラウンドに反射している初夏の日射しを、窓から受け入れてるんだろう。
 ぼくのいるベッドは、つい立てに囲われている。外は見えない。
 隣のつい立ての向こうにはベッドがもう一つあるけど、いつも誰もいない。
 足元のほうにいるはずの、保健の先生も気配がない。

「静かだな……」
 ただ、わずかに体育の授業をやってる音が聞こえる。
 野球かな。高い金属バットの音と同時に、女子の歓声が響く。
 窓際から授業そっちのけで応援してるんだろう。

 ふいに、すぐ近くから鳥の羽ばたきが聞こえた。
 またカラスが来てるのかな……。カラス、多くなったなぁ。

 そんなまだ半分眠っている思考の中にぼんやりと、ある女の子の顔が浮かぶ。
「そう言えば佐藤さん、そんなのに全然興味なさそうだったな……」

 ぼくには最近、気になる女の子がいた。
 名前は佐藤 美馬(さとう みうま)。
 彼女はいつも一人で、教室の窓から外を見たりしてる。
 実は特に何を見ているわけでもなく、ぼんやりとしているだけみたいだけど。
 成績も運動も普通。話しかけられれば返事はするが、ほとんど単語だけ。
 会話が続いているのを見たことがない。
 誰にも興味が無さそうで、必要以上にしゃべらない。無口だ。何を考えてるんだか全然分かんない。
 でも、そこがぼくの興味を惹いた。
 知りたい。彼女が何を考えているのか。
 そう思った。

372:2/12
07/07/31 22:35:00 tfQb24Fp
 見た目は全体的に小さい。出るところも全然出てない。
 高校生なのに、第二次性徴のまだない少年とも少女ともつかない、そんな中性的な雰囲気だ。
 髪は普通に黒く、短めで肩より上。
 顔はけっこう整っている。でも、きれいというよりは幼い、かわいいといったほうが似合う気がする。
 瞳は印象的だ。明るい茶色、とび色っていうのかな、そんな感じ。

「でもなぁ……」
 ぼくは腕を上げて、それをもうかたほうの手で確かめた。なんて白くて細い腕。
 ぱたりと腕をベッドに落として、溜息をついた。
「こんなんじゃ、佐藤さんどころかどんな女子でも相手にしないよな……」

 ふいに人の気配がした。
「大丈夫? 佐藤さん」
 あの声は、うちのクラスの保健委員だ。どうやら佐藤さんを連れてきたらしい。
 佐藤さんが保健室に来るなんて珍しい。
 確かに物静かで無口な子だけど、いつも普通に元気そうだった。

 保健委員は佐藤さんを奥のベッドのほうへ連れて行く。
「先生いないけど、とりあえずそこのベッドで横になってればいいよ! それで大体、大丈夫だから」
 保健委員は大雑把な性格だった。

 保健委員が教室に戻ってしばらくすると。
 どこからか優しい花の香りが漂ってきた。佐藤さんの香りなんだろうか。
 ちょっと頭を回して、隣のつい立てのほうを見た。
 窓から入る明かりで、つい立てには佐藤さんのシルエットが映っている。
 彼女は横向きに転がっていた。シーツを被っているようだ。
 つい立てひとつ隔てた向こうに、佐藤さんがいる。その状況にちょっとドキドキした。

 彼女のほうを何となくそのまま見ていた。
 肩が動く。
 シーツの衣擦れと一緒に、かすかな金属音がした。
 なにかアクセサリーのチェーンみたいだ。

373:3/12
07/07/31 22:35:46 tfQb24Fp
 彼女が微妙に震えだした。
 吐息と声が聞こえてくる。
「……ふっ……うう」
 これは……泣いてる?
 どうしたんだろう。
 なにがあったんだろう。
 彼女は何か、つぶやいた。
 しかし、それは聞いたこともない言葉だった。
 でも。
 悲しげなのは、わかった。
 ぼくは……なにもできないんだろうか。
 好きな子が悲しんでるのに。

 いや。なにができるかじゃなくて、なにかしないといけないんだ。
 ワケがわからなくても、それでも、きっと。

 ぼくは息を大きく吸って、深呼吸した。
 そして。
「あ、あの佐藤さん?」
 声を掛けた。

 彼女の影が、びくっとなった。
「サハラ……君?」
 彼女のか細く頼りない声。
「う、うん。ぼく、体弱くてさ。よくここにいるんだ」

 返事はない。
 ぼくは心臓の鼓動をなんとかしようと右手で胸を押さえながら、話を続けた。
「佐藤さん、ちょっと聞こえちゃったんだけど、その、泣いて……ないかな」
 彼女の、すん、という鼻を鳴らす音が聞こえた。
「えと……ぼくでよかったら、話、聞くけど……」
 言った。言えた。

374:4/12
07/07/31 22:36:21 tfQb24Fp
 しばらく沈黙。
 怒った、かな。それとも無視、なのか……。

 ふいに、彼女のシルエットが大きく動いた。
 ベッドから降りて、ぼくの足元のほうへいく。
 つい立ての向こうから、ぼくのほうをちらりと覗いた。
 ちょこっと頭から鼻先までが見える。
 髪はくしゃくしゃで、その瞳は潤んでいた。
 そのまま、そこで立ちすくんでいる。

 また、無言の時が流れた。
 ぼくがその沈黙に耐えられなくなって、何か言おうとしたとき。
 ここが静かでなかったら、聞き取れないほどの声がした。
「……いいの?」
 ぼくは体を起こして即答した。
「あ、うん! もちろんだよ」
 彼女はじっと見つめている。
「あ、えと、そ、そこで立って話すのもなんだから、よ、よかったらこっちに……」
 それってすっごい誘い文句じゃん。なに言っちゃってるんだ、ぼくは。
「あっ、いやそれってヘンてか、やらしい意味じゃなくて、ごめんね、なんかその」
 照れ笑いしながら、彼女のほうを見ると。
 彼女もちょっと笑って。
 ぼくの太もものへんにやってきて、ちょこんと腰を掛けた。
 短い制服のスカートがひらりと揺れる。

 彼女のきれいな太ももに置かれた両手は、緊張のせいなのか、きゅっと握られていた。
 彼女の横顔はうつむき加減で。
 寂しそうに見えた。
 それだけで、ぼくの心は締め付けられた。
 なんとかしてあげたい。

375:5/12
07/07/31 22:37:00 tfQb24Fp
「それで……佐藤さん。なにか……あったの?」
 彼女はぼくの言葉を聞くと、スカートのポケットから何かを取り出した。
 握られたこぶしを、ぼくのほうへ突き出すと、ゆっくり開く。
 そこには銀色のペンダントがあった。さっきのチェーンの音はこれだったのか。
 ペンダントトップは卵形で、開くようになっているみたいだ。
 周りの飾りはものすごく細かく作り込まれている。
 よく解らないけど、相当高価な物に違いない。
「すごく、きれいだね」
 彼女は軽くうなずくと同時に、それをさらに突き出す。
「え、これぼくに?」
 彼女はちょっと笑って、首を横に振る。
「開けて」
「あ、そか、はは……」
 ぼくは勘違いに赤くなりながらそれを手に取り、ペンダントトップを開けた。

「えっ……これって……」
 そこにはどうみてもぼくの顔写真があった。
 だが、その肩まで写っている服装は見たこともないもの―なんというか貴族っぽいものだった。
「ぼくの写真……? にしては、こんな服持ってないし、撮られた記憶もないけど……」
 彼女を見ると、また軽くうなずいて。
 今度は寂しそうに笑う。
「それ、向こうであたしの好きだったひと」
 その言葉に対して瞬間的に色々な思考が巡り、ちょっとパニックになる。

 向こう? ってどこだろ。
 恋人がいたの? いや、好きだっただけなのかな?
 それがでも、ぼくにそっくりってどういうこと?
 なんでそれを見せたの?

 ぼくがそんな状態で、あわあわしながら彼女を見ると、その瞳が強く輝いていた。
「運命、信じる?」
「え……?」
「あたし、信じる」

376:6/12
07/07/31 22:37:45 tfQb24Fp
 彼女はペンダントを持ったぼくの手を上から握った。
 ぐっと顔が近づく。
「もう戻れない。でも……」
 彼女の顔が、赤みを増しながら更に近づいて来る。
 ぼくはパニック度と血圧がぐんぐん上昇した。
「え、え、なに」
 鼻が当たるほどの距離。
 彼女が不思議な言葉を囁く。
 意味は解らないけれど、心地良くて。
 ぼくは彼女の頬の熱を感じて。
 彼女は目を閉じて。
 ぼくの唇を奪った。

「あ……そ、そんな、佐藤さん……」
 長く熱く濃いキスの後、彼女はぼくの太もものあたりで馬乗りになっていた。
 ぼくの股間が、彼女の開けた制服のズボンから飛び出している。
 ぼく自身はもうすっかり、彼女の手の中にあった。
 彼女は少し楽しそうに、ぼくのモノのぬるぬるとした先端部分を弄ぶ。
「う、く……」
 彼女はくす、と笑ってぼくを見る。
「はじめて?」
「そ、そりゃあ……。あ、もしかして佐藤さんは違うの? あの、ぼくに似た人と、その」
 首を横に振る。
「好き、だっただけ。してない」
「そ、そうなんだ」
 こっくりと、うなずいた。
 ぼくは彼女に失礼だけど、少しほっとした。
 男の身勝手、というか……好きな子の処女は自分が貰いたい、なんて思ってる。

 彼女は火照った顔でぼくの手を取ると、自分の制服のすそから中へ入れる。
「ふっ……ん……」
 ぼくの手がお腹に当たる。なめらかな肌触り。
 ムダな脂肪がないどころか、本当に子供のように痩せている。
「はぁっ……おっぱい、触って」

377:7/12
07/07/31 22:39:14 tfQb24Fp
 ぼくは彼女の指示に従った。
 ハッキリ判る肋骨の上で、わずかに膨らんでいる胸。その先端が痛々しく尖っている。
「の、ノーブラなの?」
 恥ずかしそうに潤んだ瞳で、小さくうなずいた。
「そか……」
 ぼくは精一杯優しく笑って、彼女の乳首を親指で刺激した。
「ふぅ……んっ……はぁっ」
 小刻みに彼女の体が震えた。
 あごが上がって、背中が反る。
 その反応を見て、ぼくの股間に血が集まるのが判った。
 ソレを握っていた彼女が少し、はっとした。
「また、硬く……」
 彼女の手にぼくのモノから、鼓動が伝わる気がした。
「あ、はぁ……」
 彼女の眼がとろん、となる。
「も、もう、挿れたい」
 ひざ立ちになって、自分のパンツが覆っている大事な部分を晒した。
 その濡れてぬめぬめと光る割れ目からピンクの肉が覗く。
 そのまわりに毛はなく、つるりとしている。こっちも子供みたいだ。

 彼女はぼく自身に手を添えて、その部分にあてがった。
 ゆっくり腰を落としていく。
「ん! んん……」
 強い抵抗感がある。
 しかしそれさえも、強烈な快感の渦に巻き込まれている。
「あ、佐藤さんの中、すごく熱くて……っ! 気持いい!」
 彼女はあごを上げたまま、金魚のように口をぱくぱくさせている。
「く……はぁっ!」
 全体重がぼくの腰に乗った。
 根元まで、ぎっちり挿入された。
「あ、はぁ……ああ、うあ、はぁはぁ……っ」
 彼女はもう苦しそうではなかった。
 半分笑うように、口を開けて舌を突き出す。
 よだれがたれて、制服を汚した。
「サハラ君……きもち、いい……あたし、きもちいい」
 ぼくは彼女の腰を抱いて、中を突いた。
「うあっ! あ、ああ!」
 彼女の腕が、ぼくの首に回る。
 見上げると、その瞳は焦点が合っていない。
「はぅう……好き、好きぃ……ナオユキぃ」
 ぼくの名前を呼びながら、唇に吸い付いた。

378:8/12
07/07/31 22:39:54 tfQb24Fp
「ん! んぷ、ちゅる、んん!」
 ぼくはあまりの淫乱ぶりにびっくりしたが、こうなったらもっと激しくしてやろうと思った。

「ん! どう! 佐藤さん! 良いんだよね、これが!」
 スカートの中に手を入れ尻を掴んで、思い切り突き込んでいく。
「うあ! あ! ふんぐ! あぁお! う!」
 彼女は軽い体を仰け反らせて、喘いだ。
「ミ、ミュウマって、呼んで! ナオぉ!」
 ぼくは腰をさらに回すように突き上げる。
「ん! ん! ミュウマ、腰が動いてるよ、スケベだなぁ!」
 彼女の腰はぼくの動きに合わせて、そのぐちょぐちょになった部分を強く擦りつける。
「ああはぁ! あたし、スケベ! スケベなのぉ!」
 彼女の腰がうねうねと、快感をむさぼるように動く。

 ぼくはそれを放置して、両手を上にずらし、彼女の制服をまくり上げた。
 淡いピンクの乳首が両方、露わになる。
 その硬く小さな先っぽを、唐突に吸った。
「ひうっ!」
 一瞬、彼女の動きが止まる。
 ぼくは構わず、さらに吸って舐めた。
「あぶぁ……! くるるぁ! いふぃんくぉ! いふぃ……」
 意味不明の言葉が飛び出した。

 彼女の動きが止まったままになったから、ぼくはまた、突き上げた。
「ん! ナオ、いふぃん! くるるぅ!」
 彼女は泣きそうな声を上げた。
 よく解らないがどうやら、絶頂が近いようだ。
「ぼくも、ん! い、イクよ! イクイク……!」
 ぎゅっと締め付けられる感覚が、ぼくの射精感をより強くした。
 彼女はぼくを抱きしめる。
 脚もぼくの腰に絡まる。
「あ、な、中にでっちゃ、出ちゃうよ! い、いいの? ミュウマ!」
 彼女はいやらしい水音と共に腰をぼくの腰に打ち付けながら、囁く。
「ん、いい、中で、中にいい! いふぃん、う、いふぃんんん!」

379:9/12
07/07/31 22:40:45 tfQb24Fp
 不思議な、でも、かわいい鳴き声にぼくの我慢は限界に達した。
「あ、あっ! ミュウマ、出すよ出すよ出すよっ! うっうう!」
「ナオナオナオぉ! いふぃ! いふぃいふぃいふぃぃ!」
 ぎしぎしと安物のベッドが激しく軋んだ。
「うあぁぁ―ッ!」
「いぎぅ―ッ!」

 ぼくたちは、思い切り果てたあと。
 狭いベッドで、抱き合いながら微睡んでいた。
「ミュウマ……好きだ……」
 彼女の髪をくしゃ、と掻いた。
「ん……ナオ。好き……」
 初めてがこんな経験で良いんだろうかとか、それにしても誰も来ないってどういうことだろう、とか。
 そんなことをぼんやり考えていると。
 ベッドの片隅に、いつの間にか黒いオウムのような鳥がいた。
 くくっと頭をかしげると、急にしゃべった。
「ミュウマ様。ついに本懐を遂げましたか」
 ミュウマは上半身を起こすと、こっくりとうなずいた。
 黒い鳥がまた、頭をかしげた。
「ふむ。では、魔法を解きましょう」
 ミュウマは、ぼくに軽いキスをしてベッドを降りた。
 元々いた隣のベッドへ、手を振りながら戻る。
 鳥が一歩近づいて、首を上下させた。
「ナオユキ殿。ありがとうございます。これからも姫をよろしく頼みますぞ」
「は、はぁ」
 思わず、応えてみたものの、ワケがわからない。
 鳥が頭を左右に振った。
「その顔は、何が起きているのか判らないといったご様子ですな。では、説明しましょうぞ」


380:10/12
07/07/31 22:41:39 tfQb24Fp
 鳥―執事ということらしいが、彼の言うにはこうだ。

 彼女は、一年前まで別の世界にある王国の姫だった。
 悪い魔法使いに追われて、秘められた魔法でこの世界に来た。
 その魔法は命はあるものの二度と帰ることは出来ないという過酷なものだった。

 魔法の力で、こちらに来たときには、もうミュウマは“ここに居る”ことになっていた。
 もちろん、執事も一緒だ。
 佐藤というのは、こちらの両親の名前だ。

 まだこちらでは一年しか経っていないから、こっちの言葉があまりしゃべれなくて、ほとんどが単語の返事になってしまう。

「さらに、ナオユキ殿は姫の思慕されていた隣国の王子の、こちらでのお姿なのです」
 うーん……にわかには信じられない。
 でも、もうこんな普通にしゃべる鳥とか目の前にいるし、信じるしかないかぁ。
「ですから、あなたに逢った時の姫の喜びようは……」
 てか、そんなの全然気付かなかったんだけど。
「姫はこちらでは言葉も拙い上、あのように内気なお方」
 ちらっと彼女のベッドのほうを見ると、最初と同じ姿勢で寝転んでいる。
 あれは……照れてるんだろうか。
「ですので、なかなか打ち明ける機会がございませんでした。
ところが、今日、あなたさまがこちらで寝ておられたところへ、偶然にも恋に憔悴された姫が来られて……」

381:11/12
07/07/31 22:42:26 tfQb24Fp
 あー! それでペンダントを見て泣いてたのか。くぅ。なんてかわいいんだ。
「ありがとう、だいたいわかったよ。執事の、えと……」
「エルシャーロットデンバームヘンデル二世……もっぱら、エルと呼ばれております」
「エル、事情はわかったよ」
「ふむ。それでは今度こそ、魔法を解きましょう。ちなみに、これは時間がゆっくり流れるという魔法です」
 気付かなかったけど、そう言えばかなり経ったはずなのに外の明るさも全然変わってない。
「では、大切なことですのでもう一度、言いますよ。姫をよろしく頼みます」
 そう言うと、ばさっと羽を広げて天井のあたりをぐるぐる飛び回った。
 なにか呪文のようなものを唱えている。
 優しい花の香りがする。
「これは、最初、ミュウマがここに来たときに嗅いだ……そうか……全部、エルが仕組んでたのか……」



382:12/12
07/07/31 22:43:34 tfQb24Fp
 ふと気付くと、ぼくは教室にいた。
 時計を見ると、まだ一時間目の途中だった。
 窓のほうから高い金属バットの音と同時に、女子の歓声が響く。
 そちらを見るとミュウマがいつものように外をボンヤリと見ていた。
「え……と……夢?」
 そう思ったとき。
 ミュウマがぼくの視線に気が付いた。
 スカートのポケットから何かを取り出して。
 こぶしから、光る卵形のペンダントトップを少し垂らした。
「あ……」
 彼女はそのとき、ものすごくキレイに、この初夏の太陽みたいに笑ったんだ。

《end》


383:coobard ◆69/69YEfXI
07/07/31 22:44:48 tfQb24Fp
以上です。
お読み頂いたかたには感謝いたします。
それでは失礼します。

384:名無しさん@ピンキー
07/07/31 23:24:03 nprGLKwo
>>383
GJ!ミュウマエロかわいいな。
トリップからエロい職人さん、続きはありますか?

385:名無しさん@ピンキー
07/08/02 04:43:36 dMM9dVFC
>>383GJ!!俺も続き期待

386:名無しさん@ピンキー
07/08/02 10:13:42 X6llqWXH
>>383
GJ!

確かにコテがエロいwwwww

387:名無しさん@ピンキー
07/08/02 12:50:49 MeSIpPbv
GJ!続きwktk


388:名無しさん@ピンキー
07/08/03 16:14:36 3QUYmYoE
とりあえずコテトリでググると吉

389:名無しさん@ピンキー
07/08/04 04:19:45 6bh9T3XI
保守

390:名無しさん@ピンキー
07/08/04 19:04:14 wRAHo/Nk
>>388
トリップだね。マチガタ

391:名無しさん@ピンキー
07/08/04 23:15:12 3ZdJ0psI
>>390
いや、ごめん、そう言う意味でいったんじゃあないんだ
>>383が書き込んでるコテトリをググるといいよ、って言いたかった

392:名無しさん@ピンキー
07/08/05 22:52:01 x4H7LnrF


393:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 12:51:12 j4Yjr9JS
こんにちは、お久しぶりです。七月投下ができずに愕然としていました。
以下に投下します。縁シリーズ続き。今回はストーリー重視です。

394:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 12:52:16 j4Yjr9JS
『縁の滅 揺蕩う少女』



 十一月。
 霜月の空気は肌寒く、季節はあと一歩で冬に辿り着くところまで来ていた。
 街は徐々に様変わりを始め、人々の服装も厚みと枚数を増している。商店街では一ヶ月先のクリスマスに向けて装いを改め、駅前にはイルミネーションの鮮やかなツリーが立てられた。
 依子はそんな駅前のオープンカフェで、注文の品を待ちながら、人の波を眺めていた。
 土曜日の午後。人の数はなかなかに多い。平日でも休日でも、賑わいは常にあった。
 房総半島の一隅にある街、神守市。
 百万都市にはまったく届かないが、交通のアクセスが行き届いているため活気を呈している街。
 かつてこの街は、彼女の家の一族によって統べられていた。
 一族の名を冠し、霊能によって統御された街は、明治初期までは神守の手にあった。
 しかしそれも時代の流れに飲み込まれ、今ではどこにでもある地方都市に様変わりしている。
 神守家は少し離れた緋水という土地に本拠を置き、今では市の名に跡を遺すのみだ。
 神守家そのものにとってはあまり意味を為さなくなった街である。しかし依子はこの街に複雑な感情を抱いていた。
 この街は好きだ。八年前から住んでいるこの街には、人生の半分の年数が詰まっている。そしてその時間はこれからさらに積み重ねられていく。
 友達がいる。家がある。居場所があって、依子はそこで生きることができる。
 嫌いなわけがない。
 それでもこの街を素直に愛せないのは、街の至るところに神守の名が、影が見えるためだろう。
 東の川、西の道、南の海、北の山、それぞれに冠されるはやはり神守の名。
 駅も病院も学校も神社も、同じ名前がつきまとっている。
 依子が名乗れなかった苗字を、この街は持っている。
 くだらないことなのだろう。実際依子は執着を奥底に溜め込んでいるわけではない。未練はあるが、もうあらかた流れてしまった。
 微かに、胸の内に名残があるだけで。
 だからこの街に対して依子は、好意と、僅かばかりの懐かしさや寂しさを抱く。
「お待たせしました」
 ぼんやりと物思いに耽っていた依子の前に、注文のチョコレートパフェが届いた。飲み物を頼むことが多かったこの店では、初めて食べる品だ。
 スプーンを手に取り、クリームをすくう。口に運ぶと濃厚な甘さが広がった。
 空を見ると、秋の薄い陽光が降っている。夏よりだいぶ高度を下げてきている。
 青空とはいかない。白を混ぜすぎたかのように、空に広がるは白っぽい水色。
 道行く人の波は、昼下がりの午後も落ち着く様子はなかった。
 依子はほんのり冷たい甘さを舌に覚えながら、そんなありふれた街を眺めている。


 その日、最初に会ったのは同い年の少女だった。
「……依子さん?」
 水本静梨はカフェの前で足を止め、小さく首を傾げた。
「久しぶり、静梨ちゃん」
 にこやかに手を振って返すと、静梨は小走りに寄ってきた。
「久しぶり! 元気だった?」
 はきはきした声音に依子は少しだけ驚く。夏に会ったときはもうちょっとおとなしい印象だった。
 しかし考えてみれば、あのときは声を聞いていないし、笑顔もなかった。

395:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 12:55:22 j4Yjr9JS
 依子は冗談めかして答える。
「元気も元気。元気すぎて死んじゃいそうなくらい」
「ダメじゃん。……あのときはありがとうね、お見舞いに来てくれて」
「ううん。あなたも元気そうでよかった」
 社交辞麗ではない。彼女に降りかかったことを思うと、心底からよかったという気持ちが生まれる。
 静梨は照れ臭そうに笑み、
「守さんのおかげだよ。あの人が私を支えてくれたから」
 いとこの名前を出されて、依子の心が小さく揺れた。
 遠藤守。二十歳の大学二年生。
 あのお人好しないとこの『お兄さん』は、夏に静梨と出会い、彼女を助けた経緯がある。
 静梨はそれ以来守に好意を抱き続けている。直接静梨からその想いを聞いたわけではないが、依子には一目瞭然だった。
「ところで今日はどうしたの? こんなところで」
 不思議そうに問いかけてくる静梨。
 依子は答えた。
「ちょっとした趣味」
 静梨の眉が寄る。
「……趣味?」
「そう。人間観察」
 答えて正面に視線を向ける。灰色の道路を行く人の波は少しは収まってきていた。
「……よくここに来るの?」
「休みの日に結構ね。いろんな人たちが見れておもしろいよ」
 静梨が合わせるように、依子の視線の先を追った。昼下がりの時間帯に子供連れの主婦や若いカップルが通りすぎていく。
「おもしろい……かなぁ」
「いっしょにどう?」
「……人間観察?」
「街の様子を楽しむと言い換えてもいいけど」
「……遠慮しとく。私には合わないかも」
「じゃあお話ししようよ」
「それなら喜んで」
 依子の提案に静梨は頷き、テーブルの対面に座った。それからやって来たウェイターにコーヒーを一杯頼む。
「静梨ちゃんって神高だっけ?」
「え? ……ああ、学校の話? 私立はお金かかるから……。依子さんは?」
「明宝」
「すごっ。頭いいんだ?」
「成績はいつも平均だけどね……」
 神守市には三つの高校が存在する。公立の神守高校、同じく公立の福山工業高校、そして私立の明宝高校である。
 神高は学費の安い公立校なので、私立に行く経済的余裕のない市内在住者の多くが通っている。市内には同じ公立の福高もあるが、偏差値の低さがネックになっている。
 一方明宝は、普通科、商業科、理数科と三つの学科を有し、全校生徒二千人を超えるマンモス校である。特に理数科は優秀で、他県からの受験者も多い。
「私は普通科だし、特に部活もやってないからすごくもない。すごいのは一部の人たちだよ」
「私から見れば充分すごいけどね。商業科はともかく、普通科も結構難しいんでしょ?」
「宿題が多いのが困りものだよ……」
 二学期に入ってから課題の量が一気に増え、そのことを思うと憂鬱になる依子である。
「……まあ進学校だし、それは仕方ないよ。依子さん要領良さそうだし、大丈夫じゃない?」
 慰めるように静梨が言う。
 依子は微かに顔をしかめた。
「あのさ静梨ちゃん、さん付けやめない? 言いにくいでしょ」
「え、……じゃあちゃん付けで?」
「いいよ。そっちの方が友達って感じがするから」
 同い年の子にさん付けで呼ばれるのは、少々こそばゆい。
 ウェイターがコーヒーを運んできた。静梨は受け取ると、角砂糖を一個、黒い液体の中に落とした。スプーンで軽くかき混ぜ、そっと口をつける。
「ところで、守さんは元気?」
 再び出されるいとこの名前。
 依子は自身の心が煙るのを感じた。
「……さあ? 最近会ってないからわかんない」
 本心とは別に、そっけない答えを返す。
「会ってないの? なんで?」
「別にいつもいっしょなわけじゃないよ。ただのいとこなんだし、不思議でもないでしょ?」
「……」
 静梨は口をつぐむ。
 が、それも一瞬で、すぐに口を開く。

396:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 12:59:46 j4Yjr9JS
「一つ訊いていい?」
「なに?」
「守さんのことどう思ってるの?」
 投じられた問いは直球だった。
 静梨の顔は真剣そのもので、からかいの色は微塵もない。
 依子は─言葉に詰まった。
 静梨は何も言わない。ただ依子の答えを待っている。
「……別になんとも、って言っても納得しないよね」
「答え方によるよ」
 どうにもはぐらかせる雰囲気ではないようで、依子はそっと息を吐いた。
「大切な人だと思う。でも、静梨ちゃんみたいに真っ直ぐな想いじゃないかも」
「……どういう意味?」
「近すぎるとそういう目で見られなくなるってこと」
 底のチョコレートはビター質が強い。スプーンで口内に運ぶと甘苦い味が全体に広がっていく。
 守に対する感触はこのパフェの味に近い。遠くから見ている分には甘そうな雰囲気しか感じられないのに、実際には苦味を含んでいる。
 人は皆そうなのだろう。他者を深く知るということは、酸いも甘いも知るということだ。依子は守の良いところも悪いところも知りすぎてしまっている。
 守は自分にとって大切な存在だと思う。だがそれは、兄弟姉妹の関係に近い。依子にとって彼はいとこの『お兄さん』なのだ。
「兄に恋愛感情を抱くのは……違う気がするよ」
「……依子ちゃんにとって、守さんは兄なのね」
「とびきりお人好しな、ね」
 静梨は微笑した。
「私はあの人が好き」
「……」
「だから依子ちゃんが羨ましい。誰よりも近くにいて、あの人に愛されているあなたが羨ましい」
「……」
 ひゅ、と秋風が小さく吹いた。
 依子は少しだけ肌寒く感じた。
「……憎いの?」
 こういうのも修羅場と言うのだろうか。ずれた思考から生まれた問いはかなりストレートだった。
 静梨はゆっくりと首を振った。
「羨ましいだけ。まあちょっとだけ、嫉妬はあるかもしれないけど、あなたが憎かったりはしないわ」
「諦めるの?」
「今のところは、ね。でもチャンスがあればいつでも狙っていきます」
「諦めてないじゃん」
 突っ込むと静梨はくすくす笑った。つられて依子も口元が緩む。
 この娘はなんて強いのだろう。依子は感嘆の思いで同い年の少女を見つめた。
 もしも自分が同じ立場だったら、こんなにも吹っ切れた顔は作れないだろう。未だに昔の名残に囚われているような自分には。
「しかし守さんも大変ね」
「え?」
「だって好きな相手に兄としか見てもらえないんだから。どうすればいいのかしら」
「……」
 依子は反応に困った。
「あれ、どうしたの? ……守さんの気持ち、初耳だったとか?」
「ううん。知ってる。こないだ告白されたから」
「─。なんて言われたの?」
「…………」
 沈黙。
「……そんな固まるほどのこと言われたの?」
 依子はしばし悩む。はっきり言うべきかどうか。しかしあれは、
 思い出すと顔が熱くなる。思えばあれは生涯でも最も恥ずかしい瞬間だった。
 少しだけ、ひねって答えた。
「……いとこ同士って、結婚出来るらしいよ」
「? 知ってるけど……って、え?」
「……」
 静梨の驚いた顔はなかなか見物だった。

397:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:03:19 j4Yjr9JS
 一時間程話し込んだところで急に静梨の携帯電話が震えた。ちょっと、と言って静梨は席を立つ。
 依子は軽く頷き、離れていく彼女を見つめていた。隅の方で電話に出る静梨は驚いた表情を浮かべている。
 目の前の空になったパフェのグラスに目を向ける。なかなかおいしかった。舌に自信はないが、これはいける。と思う。
 手持ち無沙汰になった依子は近くのウェイトレスを呼び、オレンジジュースを注文した。
 ウェイトレスと入れ違いに静梨が戻ってきた。
「ごめん! おばあちゃんに呼ばれたから、私行くね」
「あ、りょーかい。それじゃまたね」
 静梨はぺこりと頭を下げると、テーブルにコーヒー代を置き、バス停の方へと小走りに駆けて行った。
 再び一人になった依子は、ぼんやりとテーブルに両肘をついた。組んだ手にあごを乗せ、薄い空を見上げる。
 たそがれながら静梨のことを思う。急な呼び出しだと思ったが、祖母に大事にされているのだろう。そして静梨も大事に思っているに違いない。
 彼女の胸には、とても暖かい縁糸が見えていた。あれはきっと祖母に対するものだったのかもしれない。
(うらやましいのはお互い様かもね)
 あんな風に素直に肉親を想えたら、きっと心のわだかまりもなくなるのだろう。名残など吹き飛んでしまうに違いない。
 溶けそうに白い雲がのんびりと流れていく。人の数も落ち着いて、穏やかな空気が世界を包んでいる。
「ため息ものだなぁ……」
 意味のない独り言を呟きながら、依子はジュースが来るまでずっと空を眺めていた。


 十分後。
「あれ?」
 どこかで聞いたことのある声が依子の耳を打った。
「依子……か?」
 意外そうな声の調子。
 顔を巡らせると、斜め向かいにさほど歳の変わらない少年が立っていた。
 まっすぐな質の髪につり上がり気味の目。依子は眉を上げた。
「ああ、マサハルくんか」
 沢野正治。夏に少しだけ話をした相手だ。友達というには遠いが、他人というほど遠くもない。
 正治はなぜか顔をひそめた。
「久々に会ったのに随分そっけないな」
「あ、ごめんごめん。じゃあ改めて……久しぶり!」
「おせえよ」
 つっこむ少年。依子はくすりと笑う。
「こんなところで一人で何してんだ? ……また誰かにちょっかいかけるつもりか」
「……もうちょっと言い方を考えてほしいな。まあ確かにちょっかいかもしれないけど」
「いや、そういうつもりじゃない。お前にしかできないことなんだから、誰かにとって大事なことだと思うよ。その、縁が見える力っていうのは」
 正治は落ち着いた調子で言う。前に会ったときもそうだったが、この少年はあまり冗談を言ったりするタイプではないようで、そのためにまっすぐな言葉だった。
 依子が持つ、縁を見る力。
 彼女が縁視(えにし)と呼ぶそれが何のためにあるのか、それは彼女自身にもわからない。
 だからこそ、それは彼女の判断の下で使われなければならない能力だった。意味も、責任も、彼女が決めることだ。
 結局依子は人のためにこの力を使っている。依子が正しいと思えることのために。
「これでも感謝してるんだ。会って、ちゃんとお礼を言いたかったしな」
「縁が繋がっててよかったね」
「まだ、繋がってるのか?」
 依子は自分の胸に視線を落とす。
「そろそろ切れそうなくらい細くなってるけど」
「切れたら会えなかったか?」
「さあ、どうかな」
 未だに縁の原理も法則も見出せない依子には、そんな曖昧な答えしか返せない。
 縁糸が繋がっていることで、互いに何らかの影響を及ぼし合っているのは確かだ。想いや行動がそれに引っ張られるように揺れ動く。
 だからといって逆らえないわけではない。
 依子は人の意識を縁に繋げてやることで、その者がより強く縁の繋がりを意識できるようにすることができる。そうすればその者の意識次第で縁の方向性は変わりやすくなる。
 人の想いや行動で、縁もまた変わるのだ。それは相手が物でも同じだ。縁は確かなものであると同時に、気まぐれに揺蕩うものでもあるのだ。
 依子は、本当にささやかなおせっかいを焼いているにすぎない。要は本人次第なのだから。
「でも、お礼を言いたいってことは、その人とは仲直りできたんだね」
「ああ、お前のおかげだよ。ありがとうな」
「マサハルくんが自分で頑張った結果だよ。私は手伝っただけ」
 正治の胸元を見ると、他のよりも温かく太い縁糸が見える。きっとうまくやってるのだろう。

398:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:06:12 j4Yjr9JS
 そのとき、正治の顔がなぜか曇った。
「どうしたの?」
「いや……お前にはいるのかと思って」
 依子は怪訝に思い、目を細める。
「何が?」
「お前は誰かを手伝う。それで俺みたいに救われる奴もいる。でも、お前には誰かいるのか?」
「……」
 それは想い合える誰かだろうか。それとも救ってくれる誰かか。多分両方だと思う。
 想ってくれる人はいる。今の家族もそうだが、いとこのお兄さんが依子にはいる。
 しかし守の気持ちと依子の気持ちには差異があるし、助けたり助けられたりという関係でもない。
「私は別に困ってないし、必要ないんじゃないかな」
「いずれ必要になるかもしれないだろ。誰かが支えになってやらないと、一人じゃどうしようもないんだし」
 ぶっきらぼうな口調だが、真摯さは伝わってきた。
 依子はにっこり微笑むと、小さく手招きした。
「まあ立ってないで座ろうよ。暇ある?」
「暇っつーか待ち合わせしてるんだけどな。まだ来てないみたいだ」
「彼女さん?」
「この街とは違う学校に通ってるんだけど、進学校だから土曜日も補習授業あるんだと」
 ということは電車通学か。依子はついにやける。
「じゃあ毎週迎えに来てるんだ。すごーい、優しいんだね」
「優しさは関係ない。この店のコーヒーが好きだから来てるだけだ。駅前で便利だしな」
 素直じゃない反応は見ていておもしろい。
「じゃあ彼女さんが来るまでお話ししようよ。てゆーか彼女さんのこと聞きたいな」
「……お前はお前で暇なのな」
「うん。だからマサハルくんに会えたのは丁度よかった。暇潰しさせてよ」
「……」
 うんざりした表情で正治は依子をねめつける。
 反対に依子は愉快な気分を隠しもしなかった。
「……まったく、感謝の気持ちを忘れそうになる」
 正治は対面の椅子を引いてどっかりと腰掛けた。ため息をつきながら一言。
「お礼がわりに付き合ってやるよ」
 変に義理固い台詞に依子は苦笑した。


 それから二十分。
「まさくんお待たせー」
 呼び掛けてきた声に、正治は後ろを向いた。
 可愛らしい少女だった。大きな瞳が嬉しげに細まり、肩口辺りで揃えた髪が笑顔に合わせて小さく揺れる。
「ゆかり、学校終わったのか?」
「うん、ちょっと日直で遅くなっちゃった。……その娘は?」
 目を向けられて、依子は微笑みを返した。軽く手を挙げてチャオ、と言ってみる。
「はじめまして、依子です」
「は、はじめまして。……?」
 困惑気味に首を傾げるゆかり。仕草がなんとも愛らしいと依子は思った。
「ねえまさくん。この人は友達?」
「知人。たまたま会っただけ」
 そっけない言葉に依子は苦笑した。ゆかりについてからかうように質問攻めしたことを、根に持ったのかもしれない。
 時刻は四時前。
「じゃ、私行くね」
「は?」
 依子はおもむろに席を立つと二人に対して言った。
「あなたたち、本当にわかりあってるんだね。これからも仲良くね」
 正治は呆気にとられたかのように口をつぐんだ。

399:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:08:33 j4Yjr9JS
 すると代わりのようにゆかりが頭を下げてきた。
「なに?」
「あ、その、なんだかあなたにお礼を言わなきゃいけないような気がしたから……」
「……」
 依子は正治に顔を向けると諭すように言い放った。
「マサハルくん、大事にしてあげないとダメだよ。こんなにいい娘、滅多にいないと思う」
「言われなくてもわかってるよ」
 おもしろくなさそうな少年に薄く笑むと、依子は奥のレジへと足を向けた。


 勘定を済ませてカフェを出ると、空にはぼんやりと淡い朱が滲み出ていた。
 今日は珍しい日だったのかもしれない。もう会うかどうかわからなかった人たちと再び出会い、いろんな話をした。そしてとても楽しかった。
 縁糸はまだ繋がっている。また会う日が来るかもしれない。普通に連絡すればいいとも思うが、依子は今時携帯電話も持っていない。
 やっぱり買った方がいいだろうか。電話越しには縁は感じられないので、あまり欲しくはないのだが。そのためよく守にぼやかれる。
 依子は夕時の道をのんびりと歩く。
 人波はそこそこ。駅から離れていくにつれてその波は小さなものになっていく。
 この時間帯は嫌いではなかった。季節の為す肌寒い空気と空を覆う朱の色が、クラシックを奏でるように美しいこの雰囲気が。
 本当は街中よりも田舎の方がより好きだ。もっと周りに自然がある、静かな環境の方が。
 小さい頃に住んでいた、緋水の実家のような。
 未練がましいと自分でも思いつつ、依子は裏路地に入った。こちらから公園を抜ければバス停により近い。
 普段誰も通ることのない道を進もうとして、依子は足を止めた。
 先の方に、小さな女の子が立っていた。
 歳は十三、四くらいだろうか。自分よりもずっと小さい。無表情な顔は整っていたが、愛想に欠ける。右手には不釣り合いなトランクを引いて、ぼんやりとうつむいていた。
 別に外見や様子に変なところがあったわけではない。
 ただ、依子にだけは不思議に見えた。
 その少女は周りとの縁がほとんど見られなかったのだ。
 よく見ると微かに薄く細い縁糸がいくつか伸びているが、ほとんど切れている。消えていくものもあり、縁は無いに等しい。
 唯一、一つだけ胸の中心から太い糸が生えている。しかしその先はどこにも繋がっておらず、すぐ近くの虚空で途切れていた。まるで空中に投げ掛けた釣り糸のようだ。
 依子は一瞬ぼう、と立ち尽くした。
 少女が視線に気付き、こちらを向く。
 依子は慌てて言葉を紡いだ。
「ごめんなさい。まさか人がいるとは思わなくて」
「……」
 少女は小さく首を傾げたが、すぐに頭を振った。
 気にしてない、といった程度の意味だろうか。言葉はないが、なんとなく動作で意思を読み取る。
 少女は依子をじっと見つめる。
 依子は若干ながら落ち着かなくなる。言葉がないのもあるが、それよりも少女の縁があまりに希薄なので。
 それでもほっとけないと思ったのは、縁視の力を持つ者としての責任感があったためかもしれない。一人よがりでもそれをなしにはできない。
 だから、
「ねえ、ちょっといいかな?」
 気付いたら依子は少女に話しかけていた。
 少女は特に反応を見せなかったが、やがてこくりと頷いた。

400:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:11:39 j4Yjr9JS
 路地を抜けた先の公園の中、二人はベンチに座っていた。
 駅周辺にはもう一つ大きな公園があるが、そちらは反対方向だった。こちらの公園は二回りは小さい。
 だからだろうか。公園内には他に誰の姿もなかった。
「私、依子。依頼の依に子どもの子。あなたは?」
「……」
 少女は答えない。
「……言いたくない、とか?」
 ふるふると首を振る。依子の頭に疑問符が浮かんだ。
「えと、」
『みはる』
 少女が初めて口を開いた。
「え?」
『美しいに、季節の春で……美春』
 春のように澄みきった、美しい声だった。
 聞いた瞬間鳥肌が立つような、異様とまで言えるかもしれない質を感じた。未成熟な歳のせいもあるのかもしれないが、依子は小さく息を呑む。
「……歳、訊いてもいいかな?」
 動揺を気取られないように、依子は取り繕いながら尋ねた。
 美春と名乗った少女は、右の指を二本立てた。続けて左手の指を三本付け加える。
 一瞬意味を図りかね、
「二十……三?」
 うわ言のように呟くと、依子は驚きのあまり固まってしまった。見る者が見れば、その反応をとても珍しく思っただろう。
(歳上……てか大人? まさか)
 美春は何の感情もこもらない顔で依子を見つめている。
 冗談を言っているようには見えない。
「ご、ごめんなさい」
 とりあえず謝ると、美春は再び首を振った。気にしてない、の意思表示。
 依子はとりあえず安心するが、無口につられてか、次の言葉が出てこない。
「……」
「……」
 沈黙。
 微妙な空気をどうにか横に押しやって、依子は本題に入った。
「……私、ちょっと変わった特技を持ってるの」
「……」
「その特技は、信じてもらえるかわからないものなんだけど、それのせいで美春さんが不思議に見えたの」
「……?」
 初めて美春が表情らしき表情を見せた。訝しげな目を向けられて依子は怯む。
 よくわからないことを言っているのは自覚しているが、普段は全然気にしないのだ。なのにこの少女(とみなす)に対してはなんというか、ひどく落ち着かない気分になる。
 どこかで似たような感じを受けたことはあるのだが、とにかく今は続ける。
 依子は自身の能力のことを説明した。縁の性質から自分に見える世界、それに対して自分に何ができるか、何をしてきたか。事細かに話した。
 どこか機械的な口調になったのは、少女に対する違和感を意識から追い出したかったからかもしれない。
 説明を終え、依子は単刀直入に言った。
「美春さんには縁糸がほとんど見えない……。どんな人にも縁糸は繋がるのに、あなたは薄い、切れかけた縁糸しか持っていない」
 どれほど人付き合いの少ない人間でも、生きている以上何かと結びつくはずなのだ。
 だがこの少女は、ほとんど縁糸を持っていない。
「……」
 美春はちらりと後ろを見やった。
 何を見たのか、依子にはわからなかった。美春の視線がこちらに戻る。相変わらず感情の乏しい顔だ。
 と、

(聞こえる?)

 頭に柔らかい声が響いた。
 いきなりの出来事に、依子の体はびくりとすくんだ。
 なにが、と混乱しそうな頭に続けて声が流れ込んでくる。
(落ち着いて。思念を飛ばしてるだけ)
 依子は目を丸くする。ほとんど反射で隣の少女を見据えた。

401:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:15:40 j4Yjr9JS
 美春は慌てた様子もなく、頷きを返した。
「え……?」
(そう)
 音なき声が内に囁く。
(気にしないで……こっちの方が話しやすいから)
「…………えー」
 気にするなと言われても。
(……あなたも似たような力、持ってるんでしょ)
「いや、全然違うよ……」
 何なのだろうこれは。多くの人に会ってきたが、こんなことも、こんな相手も初めてだった。
 思念ということはテレパシーのようなものだろうか。霊能に関しては多少の知識を持っていたが、超能に関しては当然ながら専門外である。一般的には違いなどないだろうが、依子には大きな違いだ。
(不思議?)
 美春は少しだけ得意気な様子だった。
「……」
(心を読み取るとかは……できないよ)
「え?」
(だから喋って)
 そんな言葉こそ心を読んだかのようで、依子はどきりとした。
 それでもうん、と答えたのは、やはり使命感のようなものがあったからだろう。
(私の縁……希薄なの?)
 頷きを向けると、美春は目を細めた。
(……その糸って、霊にもできるものなの?)
「え?」


 変な言葉を聞いたような気がした。
 霊?
(別に幽霊じゃないけど)
 先回りの思念が依子の疑問をうち払った。
「……本当に、心を読んでないの?」
(幽霊か何か……だと思った?)
 失礼ながら思った。
 容姿が子どもだったり、思念を飛ばしたり、縁糸がなかったり、特殊要素が多いために「実は幽霊なの」と言われても、そっちの方が納得できる気がしたのだ。
 美春は軽く溜め息をついた。
(……間違いでもない)
「……何が?」
(幽霊)
「え? だって今、」
(死んでないだけ。それ以外は幽霊なんかと変わらない……かも)
 またわからなくなってくる。何を言っているのだろう。
 美春は言った。
(私は、生きた霊なの)
 脳に響く声は、どこか寂しげだった。
「……生霊? ドッペルゲンガーとか、そういうやつ?」
(知ってるの?)
 頷きながら本家で学んだ知識の記憶を掘り起こす。
 ドッペルゲンガーとかもう一人の自分とか呼ばれるものは、大抵が生霊だと言われる。
 彼らは死霊とは違い、生きている。元の人間の魂からなんらかの原因で分裂し、自我を持った魂が生霊の正体だ。
 話には聞いたことがあるが─
「……」
 中学生くらいにしか見えない自称二十三歳の少女は、睫毛を右手で小さくいじっている。
 その挙動は少しも不自然ではなく、どう見ても人にしか見えない。縁糸の薄弱さだけが浮いている。
(説明……するね)
「うん」
 語り出す美春。

402:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:19:15 j4Yjr9JS
(……私の『本体』は病弱な人で、いつも寝たきりだった)
「……」
(あるとき容態が悪化して、その人は死にたくないと強く願った。そのとき私が生まれたの)
 その説明は多くのドッペルゲンガーの誕生と同じものだった。彼らは、死にたくないという想いから生み出されたもう一人の自分なのだ。
(元々霊力は強かったみたいだけど、制御する力を持ってなかった。たぶん、私が生まれたのは本当に偶然だったんだと思う)
「……」
(最初は自分のことがよくわからなかった。しばらくして、本体と出会って、初めて自分のことを理解した)
「……」
(やがて本体が死んだけど、私は生きていた。私は魂だけだから、病気とかにはならないみたい。私はその人の代わりに、その人の分まで生きていこうと思った。でも……)
「……でも?」
(声が……)
 声? 急に出てきた言葉に依子は戸惑った。が、すぐに今、彼女は声を出していないということを思い出す。それと関係があるのか。
「……声が、どうしたの?」
(……言霊って、知ってる?)
 心臓が跳ねた。
「……言葉に霊力を乗せるあれのこと……だよね?」
(そう)
 それのことはよく知っている。依子は姉のことを思い出す。あの人も、言霊の力に左右されていた。
(誰かと話して、すぐに言葉の異常に気付いた。私が何かを言うと、誰もが暗示にかかったかのように放心した)
 彼女もまた、言霊の力を持つのだろう。それも、相手が意識を保てなくなる程の言霊だ。彼女の霊力の強さが窺える。
(だから私は喋らないことにした。喋らなければ……問題ないから)
「それで思念を……?」
 そのとき、美春が微かに笑んだ。
 幼い顔に映るには不自然な、大人びた微笑み。
(思念を飛ばしても……それを気味悪がる人も多い。だから……私は他人と関わりをほとんど持たない)
 達観と諦念が入り混じった微笑。
 依子はその顔にようやく気が付いた。
 この人は姉に似ているのだ。言霊だけではない、まとう空気や、表情が。
 あの人も底知れない気配を見せ、こんな風に寂しく笑う。
 思念を飛ばす力はないが、二人はよく似ている。落ち着かないのはきっとそのためだろう。容姿も話し方もまるで違うが、依子には重なって見えた。
 ちょっとだけ苦手な雰囲気。
 だが決して嫌いではない。ペースを狂わせるところまで姉と似ていたが、懐かしさの方が勝った。
 これも名残の一つなのかもしれない。
「……友達とか、いないの?」
 美春は微笑を消し、
(……元々一ヶ所にとどまることがないから)
「……」
(それに私は歳を取らない……この体も、十年前から変わらない。そんな私が他の誰かと共に生きるなんて、無理)
「そんなこと、」
(無理……言葉を使わない、戸籍も持たない。歳さえ……重ねることがないのに)
 何の感情もこもらないようにしているのだろう。美春の言葉は無機質に満ちていた。
 きっとこの人は、自分なんかよりもはるかに複雑な時間を過ごしてきたのだろうと思う。
「……友達なんていらない、ってこと……?」
(そういうの、だいぶ前に考えなくなっちゃったから)
「……」
 執着が感じられない言葉に依子は落胆する。
「……私じゃ、駄目かな」
 うつむいて、出た言葉はそれだった。
(……?)
「私とは普通に話せているもの。私じゃ友達にはなれない?」
 美春は一瞬金縛りにあったように押し黙った。ひどく驚いたようで、目を眩しげにしばたたいている。
(なんで……?)
 問われてもすぐには返せなかった。
「え……それは」
(同情?)
「! そんな失礼なこと言わないよ!」
 あまりと言えばあんまりな物言いに、依子はつい声を荒げた。

403:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:21:32 j4Yjr9JS
「私が友達になりたいの。それ以外何もない」
 美春は息が詰まったように固まる。
 依子はじっと相手を見つめる。
(あなた、変わってる)
「美春さんほどじゃない」
 少女は唇を小さく緩ませた。
(でも……友達って具体的にどうすればいいの?)
「は?」
(何か、ある?)
 依子は答えに窮した。
 友達の定義とはなんだろう。基準が果たしてあるのだろうか。
 けっこう根元的な問いに悩み込む。
(冗談)
 美春の思念に依子ははっとなった。
(好きに思えばいい……それは人の自由……だから)
 じゃあ思わせぶりなことを言わないでほしい。依子は拍子抜けする。
 でも、
「友達になってもいいの?」
(あなたがそうしたいなら……私は構わない)
 その思念を受けて、依子はとても嬉しくなった。今日一番の笑顔が自然とこぼれた。
(いつまでこの町にいるかはわからないけど……しばらくよろしく)
「─うんっ」


 自分よりも大きな少女が公園から出ていくのを見送りながら、美春は自身の魂が弱まっているのを自覚した。
 彼女はここ最近、ろくに『食事』を摂っていないのだ。
 このままでは長くは持たない。どこか『食事』の摂れる場所を探さなくては。美春は背後に思念を飛ばした。
 あきら。
 名を呼ぶと、小さな返事が返ってきた。が、それは周囲の大気を微塵も震わせない。
 美春にだけ聞こえる、声なき声。
 美春に付随する唯一の存在。彼女を守護し、彼女が保護する浮遊霊、明良。美春はそれに話しかける。
(ここでいいの?)
 肯定の返事が返ってきた。美春は周囲に注意を向ける。
 集中して辺りの気配を探ると、確かに何体かの霊の存在を感じ取れた。
(……でも悪霊じゃないみたい。外れね)
 後ろから抗弁の意思。
(嫌。寝覚めが悪いことはしたくない)
 言葉なしに意思を伝え合う。
(とにかくここにはいないから別の所へ。大丈夫。まだしばらくは平気だから)
 美春は立ち上がり、出口へと向かう。
 生霊とは言ってみれば、魂が剥き出しになっている存在である。しかし死霊とは違い、彼らは生きている。
 体という、魂を入れておく『器』がないため、彼らの魂は安定を欠く。そのため、体を持つ生物よりも速いペースで命を削っているのだ。
 加えて元々一つだった魂が分かれてしまった存在であるため、その分寿命が短い。
 生霊がその存在を保つためには、誰かの命を吸い取らなければならないのだ。
 美春は生きた人間からは命を取らないようにしている。命を吸い取る相手は悪質な霊だけだ。死霊にも一応微細ながら魂が存在するので、その残りカスを奪うのだ。
 魂を奪われた相手は消滅する。それを成仏と言うのかどうかは知らないが、相手が消え行く様は見ていて後味が悪い。だから、美春は悪人しか食べない。
 高尚的意味合いはまったくない。これはただ、自分のエゴなのだ。精神的負担を軽くするためだけの誤魔化しにすぎない。
 それでも美春は食べる相手を選ぶ。

404:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:24:26 j4Yjr9JS
 公園を出て、美春は明良の示した方向へと進む。さっきの少女が進んだ方向と同じ道だ。
 ─私が友達になりたいの。
 先程の言葉が蘇る。頭の中で少女のポニーテールが揺れた。
 あんなに真剣な言葉を他人から吐かれたのは久しぶりだった。そのためだろうか。早まる動悸が苦しいくらいに胸一杯に広がっていくのを感じた。
 以前にも何人か声をかけてくれた人々はいた。だが、あんなに簡単に身の上を明かした相手は初めてだった。
 会話が楽しいと、少しだけ思った。
 不思議な少女だ。他人に対して随分と警戒の薄い、自分とは反対の立ち位置に彼女はいる。
 それを美春は羨ましいと思う。自身の力にさえ警戒し続けている自分とは全然違う。
 それは彼女が言っていた、縁の力に影響されてのものなのだろうか。
(……)
 詮なきことだ。美春は物思いを払い、歩みに集中した。
 周囲の霊的存在に意識を向け、食事のできそうな場所を、

 ざあ──

 瞬間、皮膚が粟立つような感覚に捕われ、美春は麻痺したかのように立ち尽くした。
 その感覚は、まるでラジオのノイズ音のように不快な種のもの。
 強力な霊の波動。感知のあまり得意でない美春にさえはっきりと感じられ、それと認識すると、美春は感覚の走った方角へと急いで駆け出した。
 視界の先に見えたのは小さなバス停の標識。
 その一角には先程会ったポニーテールの少女が、手持ち撫沙汰に佇んでいた。
 他に待っている客は一人しかおらず、周囲に人の姿はない。夕方の街中の間隙を突くような、一瞬の寂れた空間。
 美春はポニーテールの少女の背後に鋭い視線を送った。スーツ姿のもう一人の客が、薄く笑うのが見えた。
 少女は気付いていない。
 あいつだ。そう確信したのも束の間、男が両腕を振り上げるのと、美春がバス停まで十メートルの距離に近付いたのは同時だった。
 間に合わない─

『やめてっ!!』

 反射的に放った大声は、強烈な霊波を乗せて男の体を硬直させた。
 男は一瞬の硬直から解かれると、美春の姿に怯んだように身を翻した。飛び退るように逃げる相手に、美春は後を追う。
 猫のように少女の後ろをすり抜け、あっという間に男の逃げた路地裏に飛び込む。
 後方から呼び掛ける声が聞こえたような気がしたが、美春は無視してビルの隙間を縫って行った。


「よくも邪魔してくれたな……」
 男の低い声が廃ビルの一階層に鈍く響いた。
 裏路地の一隅、半年後に取り壊されるビルの内部で、美春は男と相対していた。
 薄暗い一階ホールは埃が積もって少し息苦しい、と普通の人間なら思っただろう。美春にとって呼吸動作は生命維持に関わりのないものなので、不便はなかった。
 改めて男を見据える。
 中肉中背。スーツ姿。七三分け。
 一見すると無個性の塊のようだが、美春は誤魔化されない。さっきあの少女に手を伸ばそうとした動きは、美春には明確な異常動作として映った。
 いや、生霊達にとっては正常な動作かもしれない。あれは相手の魂を食べるときの、最もありふれた動きなのだ。
 直接相手の魂を握り掴み、そのまま自身に取り込む。美春自身、何百回も繰り返してきた動きだ。
 今回は、標的が人間だっただけで。
(あなたも、生霊……ね)
 思念を飛ばすと男は驚いたように目を見開いた。
「思念伝達か。変わった力だな」
(生きてる人から命を取ったら大騒ぎになる。もっと考えた方がいい)
 男は嘲りの笑いを漏らした。

405:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:26:46 j4Yjr9JS
「あんたも生霊か? ならわかるはずだ。生きた人間から吸い取った方が効率がいい。死霊どもの残りカスなんぞを何十も集めるより、人一人食った方が長生きできるじゃねえか」
 そんなことは知っている。だが、この男が狙ったのは……
(なぜあの子だったの?)
「あんまり警戒してないようだったからな。魂の質も綺麗だったし、あの娘を食えば最低十年は生きられる。ひょっとしたら倍は行けたかもな」
 低音質の声には、恨めしげな感情が込められているようだった。
(……あの子は私の知り合いなの。他の人なら別に口出しはしないけど、あの子は駄目)
「……なんだ、あんたの餌だったんだな。そりゃ悪かった」
 その物言いに、美春の目に微かな険が生まれた。
 いつもの美春なら聞き流せただろう。他人と関わり合うことを避ける美春は、怒りや悲しみを表に出さないようにしている。感情の乱れは他人に付け入る隙を与えるからだ。
 しかし、
(餌じゃない)
 強い思念が叩き付けるように放たれた。
「は? 何が?」
(あの子は……そんなんじゃない)
 喧嘩を売る気も怒りをぶつける気も、どちらもなかった。そのはずだった。
 だが、思念には妙に熱がこもる。争う気はないはずなのに。
(あの子は……)
 きっと嬉しかったのだろう。何の制限も遠慮もなく、友達になりたいと言ったあの少女を、美春はとても嬉しく思ったのだ。
 それを貶める態度も発言も、美春は許せなかった。
(あの子は……私の友達。餌なんかじゃない)
 強い意思をぶつけると、男は呆れたように鼻を鳴らした。
「気に入らねえ。善人ぶっても、人間らしくあろうとしても、俺達は他の誰かを食わなきゃ生きていけないんだ。生霊は生霊であって、人間とは違うんだよ」
(……)
 それはそのとおりだった。実際こうしている今も、美春は魂を削って生きている。できるだけ早く誰かの魂を吸い取らなければ、消滅してしまうのだ。
 だが、それとわかっていても美春は、
(あの子に……手出しはさせない)
「じゃああんたの魂を貰おうかな。他の生霊に会うのは久し振りだが、相性悪いみたいだしな」
(……)
「食事の邪魔されて気が立ってんだ。悪く思うな─よっ」
 短い呼気を漏らし、男は一息に突進してきた。
 美春はすかさず横に跳び、距離を取る。こういうときはどのような対処が一番なのか、頭は迷ったが体が先に動いた。
 警戒を崩さず、相手を注視する。男は振り向き、獰猛に笑った。
「なかなか骨が折れるな。その分旨そうだ」
 恐らく触られただけで魂を持っていかれるだろう。この男は『食事』に慣れすぎているように見えた。美春よりも何年も長く生きている、いわば格上の生霊。
 美春は決める。この男を食べよう。そうすれば少なくとも人間の犠牲は増やさずに済む。
 正義感とは違う。あのポニーテールの少女に手を出させないため。こいつをここで呑み込む。
『動くな!』
 声を張り、喉の奥から言霊を放つ。言霊の利点は声の届く範囲全てが射程距離になる点だ。建物内では逃げ場はない。
 果たして男の体が止まった。美春は一気に魂を奪おうと距離を詰め、
 目の前から男の体が消えた。
(!?)
 目が追い付かない。言霊に縛られていたはずの男の体が、背後に回る気配を感じた。
 まずい。
『来るな!』
 夢中で叫び、前方に転がり込むように逃げる。男の動きが一瞬停止し、間一髪一撃から逃れた。
 すぐさま振り向いて正対する。同時に美春は焦りを覚えた。
 言霊が通じない─?
 効果はある。だが持続は一瞬で、男は三度放った言霊の拘束全てから抜け出していた。
 恨めしくも強力な武器の一つであった言霊が通じないとなれば、美春にとって不利なことこの上ない。
「さっきから妙な力使いやがるが、たいしたことないな。言葉に霊波を乗せて暗示をかけてるようだが、その程度の貧弱な霊波じゃ虫も落とせない」
 馬鹿なことを言うなと思う。言霊の制御は未熟だが、それでも普通の人間や霊相手には充分な効果を発揮していたのだ。だからこそ戒めていたのにこの男は。
「生霊としてもまだ若すぎる。とっとと食わせてもらう」
 そう言うと、男はゆっくり歩を進めてきた。
 闇雲に突っ込んで来てくれた方が美春としては隙を突きやすいが、それをさせてはくれないようだ。

406:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:28:38 j4Yjr9JS
 ならば、こちらから隙をつくる。
 美春は隅の方にじりじりと下がると、壁に立て掛けられていた短い箒を手に取った。
 見たところ実体以外に変化するような能力は持っていないようだ。幽体には物理攻撃は意味をなさないが、実体ならダメージを与えられる。
 箒の柄の部分を先にして、両手で前方に突き出すように構える。剣や棒の心得はないが、相手を近付けさせないという意味では多少なりとも有効なはずだった。
 男はニヤリと笑みを浮かべた。
「そんなものでどうにかなると思ってんのかよ」
 美春は角を背に、男を強く見据える。
 逃げ場はない。コーナーを背にしている美春に、男は慎重ににじり寄る。
 美春は歯を強く噛み締めた。慎重すぎる。駄目か。
 再び言霊を当てようと、息を吸い、
 先に男の手が伸びてきた。喉を抑えられればもう言霊は使えない。その前に体に触れられた瞬間から魂を食われる。
 それがチャンスだった。
(明良─)
 言霊よりも、男の動きよりも、思念の呼び掛けの方が早かった。
 呼び掛けた瞬間、美春と男の間に突然十五歳くらいの少年が現れた。
「!?」
 驚きで鈍ったのか、緩慢に伸びてきた男の腕を少年は上に捌く。
 そして美春の突き出していた箒を掴むや、男の胸を正面から貫いた。
「がっ!」
 呻く声を気にもかけず、少年は遠慮会釈なく突進する。
 そのまま前方に押し込んでいき、入り口の扉に磔にするようにぶつけた。
「あ……ぐ……」
 苦しみに喘ぐ男。刃物でもなんでもないただの箒を無理矢理力のみで突き刺した少年は、小さく息をついて後ろを振り返った。
 美春は微かに笑むと疲れたような息を吐き、男へと歩み寄った。
(……)
「なんなんだこいつは……どっから沸いた」
 男の苦しげな声に思念で返す。
(やっぱり……あなたは『感知』が苦手みたいね)
「な、に?」
 バス停で見たときからひょっとしたらとは思っていた。美春には気付いても、明良に気付いた様子はなかったから。
 美春が思念で答えるより早く、少年が口を開く。
「俺はずっと美春の隣にいたよ。気配をできるだけ消してたから、あんたは気付かなかったようだな。魂摂取や霊的防御みたいな正面からの対処は得意でも、広い範囲での感知や操作は不得手のようだ」
「……てめえは、守護霊か……」
「俺は魂摂取が苦手で、美春から魂を分けてもらっている。その代わり、いざというとき美春を守るのが俺の役割だ」
 普段は幽体でいるけどな、と明良という名の少年は無表情に答えた。
 男は苦々しい表情を浮かべた。
「こんなところで……終わってしまうとは、な」
 胸には銛のように箒が突き刺さっている。出血や内臓損傷というのは生霊であるためないが、魂そのものが実体化しているため、大きな怪我は直接魂の破壊に繋がる。
 新たに誰かの魂を食べなければ、このまま消滅するだろう。
 もちろん、そのまま放っておくような真似はしない。
(いただくわ……あなたの魂)
 近付き、おもむろに腕を伸ばす。
 そのとき、男が不意に笑った。
 怪訝な様子に美春は固まる。
(……何?)
「……」
 男は答えない。
 明良が訝しげに男を睨む。
 男の腕が箒を掴んだ。力を込め、どうにか引き抜こうと動かす。
 まだ動けるのか。美春はとどめを刺そうと、ショベルカーで刈るかのように男の頭に腕を振り下ろした。
「! 待て、美春!」
 明良の声が響くのと、男が持たれかかっているドアが後ろに開いたのは同時だった。
 開いたドアの先に、綺麗な顔が見えた。
 美春の手は止まらなかった。
 男の魂を体ごと削り取り、それに巻き込まれるように少女の体が袈裟に流れた。
 ポニーテールが秋の夕空の下、すすきのように揺れた。

407:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:32:40 j4Yjr9JS
 直接少女の魂を食べたわけではない。
 あくまで美春が狙ったのは男の魂であり、少女はそれに巻き込まれただけである。だが無傷ではなく、少女の魂にはひびのような傷が刻み込まれてしまった。
 否、刻み込んだ。
 故意ではなかったとはいえ、美春がその手で少女を傷付けてしまったのだ。
 呆然と膝をつく美春を尻目に、明良は気絶した少女を抱き起こす。
「……大丈夫。魂に傷はあるけど、まだ充分間に合う。美春ならこの程度問題なく治せるだろ?」
 美春は答えない。
 放心した表情は地面をぼんやりと眺めている。
「おい!」
 明良は相棒の肩を乱暴に掴んだ。
「まだ間に合うんだ。後悔は後でいくらでもできる。今はできることをしろ。美春にしかできないんだからな」
 顔を近付けて強く叱咤すると、美春はゆっくりと頷いた。
 少女を美春の膝に移す。美春は優しくいたわるように少女の頭を撫で、マッサージをするように体を撫で回していく。
 魂操作を得意としている美春は、他者の魂の傷を治したり、魂を送り込んだりできる。その分感知は得意ではなく、明良がその穴を埋める立場だ。
 にもかかわらず、少女の接近に気付くのが遅れた。そのことを明良は許せなく思った。
(もっと早く気付けるはずだったのに……何やってるんだ俺は!)
 男にダメージを与え、戦闘はほぼ終わったと油断していたのかもしれない。
 しかしそんなことは言い訳にもならなかった。
「どうだ。治りそうか?」
 努めて冷静に問い掛けると、美春は小さく頷いた。
(一応……ただ、安定していた魂を何の準備もなく傷付けたりくっつけたりしたから、何か異常が出たりする……かも)
「具体的には?」
(視力とか、感覚機能の低下とか……)
「そうか」
 明良は少女を見やり、次いで美春を見やった。
「起きたら事情を説明しよう。それで異常がなかったら問題ない」
(……ん)
 美春の顔は曇ったままだ。
 溜め息をつきかけて、明良は慌てて我慢する。自分まで落ち込んでしまったら、もっと空気が重くなる。
 しばらくして、
「ん……」
 か細い呼気を漏らして、少女がゆっくりと目を開けた。
 美春が勢いで覆い被さるように少女の顔を覗き込む。
「…………みは、るさん?」
(気が付いた? 大丈夫? おかしいところとかない?)
「え? あの……」
 少女は戸惑った様子で体を起こすと、周囲を見回した。
 明良は何も口を出さない。さっきまで話していた美春に対応を任せた方がいいだろう。
 現状をうまく把握できていないのだろうか、少女はしきりに目をこすったり、周りをじっと見つめたりしている。
(……どうしたの?)
「……ううん……何も」
(何があったか覚えてる?)
「えっと……」
 少女に思念で語りかける相棒を確認すると、明良はビルの外へと向かった。さっきバス停前に置き去りにしていった荷物を取りに行く。
 ビル内では美春が少女に事情を説明し続けている。


 旅行バッグを引いて戻ってくると、座り込んだまま二人が沈黙していた。
 なんだか妙な空気になっている。明良は軽く頭を掻いた。
「何だ? どうしたんだ?」
 心配になって美春に問い掛けると、首を振られた。
(なんでもない……この子を送っていきたいから、行こうか)
 弱々しい思念の波に、逆に心配が増す。
 ポニーテールの少女はどこか気が抜けたような顔で、ぼんやり床に視線を落としていた。

408:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:34:52 j4Yjr9JS
 何も言わなくなった美春の手を引きながら、明良はすぐ近くのビジネスホテルに入った。
 ポニーテールの少女を送った後(家まで送るつもりだったが、断られたのでバス停までだったが)、日も暮れてきたのでどこか寝床を探そうと歩いて、十分程で見つけた場所だ。
 裏通りに面した小さなホテルで、あっち目的で使われることの多そうな雰囲気だったが、休めればどこでもよかった。
 受付でチェックインをする。明良は二人、と人数を伝え、空室を確認した。
「美春。頼む」
 そこでバトンタッチ。ここからは美春の役割だ。
 美春は前に出ると、従業員に向かって囁いた。
『私達をただで泊めて』
 瞬間相手の体が強張り、虚ろな顔になった。
『私達の宿泊記録を残さないで』
「……」
『他の従業員達にもうまく言っておいて』
「……」
 それだけ言うと美春は鍵を受け取り、踵を返した。言霊の縛りはしばらく続くので、当分はゆっくり落ち着けるはずだ。
 二階の隅部屋に入るとベッドが二つあった。荷物を端に置き、二人はベッドに腰かける。
「……長い一日だったな」
(……うん)
 美春の表情は晴れない。
 明良には、何があったのか問い正す気はあまりなかった。なんとなく聞いてほしくないと思っているような気がしたからだ。
 代わりに言ったのは別のことだ。
「実体になるのも久し振りだな。半年振りくらいか?」
(……うん)
「声を出すのも久し振りだ。五感を働かせるのはやっぱりいいよ。生きてる実感が湧くから」
(……うん)
「……疲れただろ? 普段あまり使わない言霊を、今日は使いすぎなくらい使ったからな。もう休もう」
(……うん)
 言葉が途切れた。
 明良は言葉を探すが、何も出てこない。こういうときこそ支えてやらなければならないのに。
 もっとも、原因がわからないままでは対処のしようもないが。
(ねえ……)
 不意に思念が頭に響いた。
「ん?」
 それにできるだけ変わらぬ口調で短く返す。
(明良は……友達欲しいと思ったことは、ある?)
 少しだけ、意表を突かれた質問だった。だが心情はすぐにわかる。
「……昔は、な。今は、特には」
(……私もそう思ってた)
「……」
(でも……今日あの子と会って、思っちゃったの。友達になれればいい、って)
「……いいんじゃないか」
(駄目だよ……私、あの子を傷付けてしまったから)
「許してくれなかったのか?」
(わからない……心は読めないもの)
「……」
(友達になれればいいって……本当に思ったんだよ……)
「……ああ」
(なりたかった……でも、やっぱり駄目だよ。一緒にいたら、今日みたいに巻き込んでしまうから)
「……今日のは事故だろ」
 あのスーツ姿の男を恨めしく思った。最期妙な動きを見せたのは、これを狙ってのことだったのかもしれない。助からないと悟るや、せめて嫌がらせをしてやろうと、タイミングよく扉を開いたように見えた。
 邪推が過ぎるかもしれないが、明良はそう考えている。もっと動けないくらいに魂を壊しておくべきだった。
 それでも、あの男を食って、美春は今生きている。
 それだけは確かで、喜ぶべきことだった。

409:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:37:01 j4Yjr9JS
「とにかく、気にするな。下手したらあの子は死んでたかもしれない。傷付けたのはお前かもしれないけど、それを救ったのもお前なんだ。悔やむことはない」
(……ありがとう)
 感謝の台詞に明良は嬉しくなってはにかんだ。
「ほら、もう寝ろよ。疲れただろ?」
(うん……)
 美春はしかし横にならず、腰を上げて明良の隣に移動した。
(明良……)
「……何」
(久々に……抱いて)


 生霊の持つ欲求で欠かせないものは、せいぜい食欲くらいなものである。
 それも一般的な食事ではなく、魂を食らう食事なので、普通の人間が持つ欲求を、彼らは基本的に必要としない。
 ものは食べれるし、水も飲める。眠ると気持ちいいし、お風呂に入るのも心地よい。が、それらは決して不可欠ではないのだ。
 それでも楽しい感覚を、心地よい感覚を捨てることはない。
 だから、生霊も性行為をする。実体があれば人間と同じように交わることができる。
 裸の少女を下にして、明良は自身の逸物をズボンのチャックから抜き出す。既に屹立したそれを、少女の頭に近付けた。
「舐めて……」
 少女は顔を真っ赤に染めながらも、おずおずと舌を伸ばした。
 小さな紅い舌が先端に触れるや、強烈な快感が脳を揺さぶった。
「く……」
『……あ……んむ』
 さらにそのまま亀頭をくわえ込まれ、新たな電流が走る。
 明良は右手を相手の下腹部に伸ばした。
『ひ……あっ』
 霊波の乗った色っぽい声が、明良を陶酔させた。喘ぎ声まで言霊の力がこもっており、それが行為に夢中にさせる。
(気持ちいい……?)
 思念が具合を問いてくる。決まりきった答えを明良は律儀に返した。
「よすぎだ……もう繋がりたい」
(ん……いいよ)
 美春は棒から口を離すと、にこりと微笑んだ。
 いつもならもっと輝く笑みなのに、今日はやや翳が差している。明良は胸が締め付けられそうになった。
 体勢を正し、正常位に入る。腰を落とし、少女の股の間にあてがう。
「行くぞ」
(うん……)
 一気に奥まで挿れた瞬間、美春が大きく喘いだ。
『あああっ!』
 半年振りの叫声は、我を忘れそうな程に刺激的だった。
 少女の秘所は狭い。美春の体が十三歳で止まっているためだ。胸も膨らみはほとんどなく、幼さが目立つ。
 明良にとっては一番の体に思えた。己が愛し、守ると決めた女の子の体なのだ。魅力的に見えて当たり前だと思う。
 腰をぐっと奥に突き入れる。
『あんっ!』
 色っぽい喘ぎと共に、少女はのけ反って体を震わせた。
 二度、三度と連続して腰を打ち付けると、綺麗な声が取り乱すように響く。
『あっ、あっ、やっ、すご、いっ、あぁ』
 凄いのはお前の中だ、と明良は内心余裕を失っていく。肉棒全体が激しく肉圧でしごかれているみたいで、先走り液が中の愛液と激しく入り混じる。
 顔を胸に寄せ、小さな乳首をちろちろと舐めてやる。前後に強く体を動かしながら、明良は二つの突起物をひたすらに弄った。
『あきらぁ……きもち、いいよ……』
「俺もだよ……」
 体を揺すり、中をかき混ぜるように大きく動いた。美春の体は感電したかのようにびくっ、びくっ、と反応する。

410:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:39:54 j4Yjr9JS
(ねえ明良……)
「なん、だよ」
(ずっと、一緒にいてね……私が、他の誰とも交わらなくても、あなただけは……)
 つまらないことを言う。
「俺はお前の家族だ。ずっとお前を愛するし、ずっとお前のそばにいる。美春も、そばにいてくれるんだろ?」
(明良……)
「俺だって……一人は寂しいんだ。美春と一緒じゃなきゃ……いやだ」
(明良ぁ……)
 美春の目に涙が浮いた。
 どちらからともなく二人は同時にキスをする。
 舌を絡め、唾液を吸い合い、夢中で唇をむさぼる。愛しさが苦しくさせて、たまらない気持ちになった。
(あきら……わたし、もう)
 弱々しい思念に明良は頷く。
「ああ、一緒にな」
 頷き合い、明良は絶頂へ向けて鋭く腰を動かした。
『ああっ! んはっ!』
 言霊の力がさらに増し、明良の理性を塗り潰していく。催眠状態に陥るように、意識が飛びそうになる。
 性器同士の摩擦が激しく互いの感覚を上らせていく。液が飛び散り、ぐちゃ、ぐちゃ、といやらしい音が耳を溶かした。
 もう我慢はできそうになかった。
「美春! もう─」
 一分一秒を争うかのように高まる射精感が、明良の意識を真っ白に染めていく。
 しかし、先に絶頂を迎えたのは明良ではなかった。
『ひゃ、ひあっ、うん、あっ、あっ、あっ』
 無茶苦茶に声を上げながら、明良の肩を懸命に掴む。耐えるように、すがるように、美春は明良を見つめる。
 そして、
『あっ、ああっ、だめ、いっ、あ、あっ、ああぁぁ──っっ!!』
 甲高い絶頂の声が明良を最大限に陶酔させ、同時に強まった締め付けが、あっけなく射精を促した。
「うわっ、うっ」
 未成熟な少女の胎内に、少年の欲望の液が大量に注がれていく。
『あ……出てるよぉ……』
 しばらく続く射精感に身を任せ、明良はそれが止まるまで丁寧に中に擦り付けていた。

411:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:42:37 j4Yjr9JS
 合計三度愛し合った二人はベッドに倒れ伏し、互いに何も喋らなかった。
 気持ちいい倦怠感に包まれて、明良はこのまま眠ってしまおうと目を閉じ、
(ごめんね明良……)
 思念が来たので目を開けた。
 横に目を向けると、美春がこちらを見つめていた。
「なんだよ、どうした?」
(明良が一緒にいてくれるのに、私、友達が欲しいと思っちゃったから……)
「……いや、別に謝る必要はないだろ」
 美春は不思議そうな目になる。
「いてもいいだろ、友達。俺だって欲しいし、美春に友達ができたら俺も嬉しい。なんで謝る?」
(……)
「むしろ謝る相手は別だろ。ちゃんとあの子に謝ったか?」
(うん……でもあの子、ずっと放心してたから、きちんとはできてない)
「……何があったんだよ」
 今なら訊いても大丈夫だと思い、尋ねる。
 すると美春は顔を曇らせ、唇を噛んだ。
(私、あの子の大事なものを壊してしまったかもしれない……)


 遠藤守が自宅アパートに帰ってきたのは夜八時を回ったところだった。
 秋の夜風に小さく身震いしながら、守は階段を上り、部屋の前に辿り着く。
 ……部屋の前にいとこの少女が座り込んでいた。
「依子ちゃん」
 二ヶ月振りのいとこの姿に内心嬉しくなったが、少し様子がおかしかった。
 依子はうつ向いた顔を上げ、こちらを見つめてきた。
 そして立ち上がるや、いきなり胸に飛び込んできた。
「ど、どうしたの?」
 焦りながら守は依子を受け止める。小さく体が震えているように見えた。
 依子が微かな声で呟く。
「マモルくん、私……」
「なに?」

「縁……見えなくなっちゃった」

 空気が寒い。
 薄暗い空間の中、寿命が近い廊下の灯りが微かに明滅を繰り返していた。

412:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
07/08/06 13:48:28 j4Yjr9JS
以上で投下終了です。改行の都合でラスト2レスが他より短いですが御容赦下さい。
今回はラストに笑顔がありませんが、次は綺麗な笑顔を見せたいと思います。
次で多分終わりです。

413:名無しさん@ピンキー
07/08/06 17:17:57 02t7sWN/
久々のかおるさとー氏キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
GJです!
相変わらずすばらしい

414:名無しさん@ピンキー
07/08/06 20:02:55 tmSry+7O
激しくwktkさせる展開にGJ!

415:名無しさん@ピンキー
07/08/06 20:59:25 DV7whKTA
いや、深い話ですね。感動しました。
次が楽しみです。頑張って下さい!

416:名無しさん@ピンキー
07/08/06 21:27:35 ZTaXJEdk
で、どう無口なの?

417:名無しさん@ピンキー
07/08/06 23:12:35 02t7sWN/
>>416
もう一回読み返せ。
口では余り喋ってない。口では。

418:名無しさん@ピンキー
07/08/07 04:43:29 L92u1xp7
>>412最終回予告ですか・・・悲しいし嫌だけど、それでも心から楽しみにしてます。GJ!!


さて、俺も悪霊スポットいって縁視を身につけてきますかね。

419:名無しさん@ピンキー
07/08/07 20:48:35 pkIq00/r
>>418
食われるなよw

420:名無しさん@ピンキー
07/08/08 04:02:33 DHxX1ty8
エロなくても十分面白いのにきちんとエロ入れてくれる心意気に泣いた

421:名無しさん@ピンキー
07/08/11 00:47:23 0FLX8P1P
「……暑い…」
夏休みを利用して、俺と冬美は親父が今滞在している南の島に来ていた。
親父の仕事は動物の研究で、ゲテモノ…いや、爬虫類の新種を探したりしてるらしい。
そして新種がいる場所ってのは大抵が未開の地らしい。
いかにもジャングルしたジャングルや、南国の海を体現した白い砂浜と青い海原。
探索の拠点となっているロッジがある島には電気やら何やらはあるが、いざ探索となると蚊やら蛇やら蜘蛛やら獣やらとの異種格闘技戦だ。
まぁ……俺たちがそこに行くことは無いだろうし、南国の島で誰にも邪魔されず一時のアバンチュールを楽しもう…と思ったんだが……
「まさか……エアコンが無いとは…」
そう…電気はある、冷蔵庫もある、ベッドもある、風呂もある、オマケに天井にデカい扇風機もある。
なのにエアコンが無い、いくら風通しが良くて海に突き出たロッジにいるとはいえ暑いもんは暑い。
「家のリビングが懐かしいぜ……」
ガンガン冷房を効かせて冷たい麦茶を飲み、ソファーて腹を出して寝て風邪をひきかけるあの素晴らしい生活をここでも送りたかった…
だが、だがまだ負けない、冬美と二人きりなのだ…何時もなら邪魔が入りそうなものだがここには邪魔者はいない。
「………とにかく、冬美の部屋に行くか」
海にでも行って、冬美の水着を合法的に視姦しよう。
あわよくばお外で……
ベッドから飛び起き、水着に着替えて隣の冬美の部屋に向かう。
下心を隠すためにインパクトがあり、なおかつ元気良く、有無を言わさず海へと誘わなくては。
「冬美~海行こうぜ!!」
我ながら完璧、決まった、百点満点。


「………………?」
「…………………」


……相手を間違えなければ、の話だった
が。

「え……あれ……?」
おかしい、部屋を間違えたのか?
つーかこのセクシーな下着姿の人誰?
しかし、今この辺りのロッジは親父の研究所が貸し切ってるから関係者ではあるはずだが…見覚えがない。
しかしこの人胸でかいなぁ……夏希様クラスかそれ以上か…
だがこう…何て言うか年上の優しいお姉さんオーラ出しまくり。
ってイカンイカン、現実逃避をしている場合じゃない!
ひとまず華麗にこの場を乗り切らないと。
「…………あ、スイマセン……部屋、間違えました」
「…………そう」
「悪気があった訳じゃ無いんです…」
「…………そう」
「スイマセン……本当スイマセン……」
「………君、もしかしたらこーくん?」


422:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:19:34 0FLX8P1P
「へ?」
「…やっぱり…こーくんでしょ」
え?何で俺の子供時代のあだ名を知ってんだこの人。
ってことは俺の知り合いって訳か?
「あの………失礼ですけど、どちらさまで」
「あぁ……そっか、随分昔だもんね…」
何故か一人で納得したように唇に人差し指を当てて考え込むお姉さん。
この仕草……まさか…
「秋夜さん……?」
「大正解…ふふ、お久しぶりね」
幼少時代、俺の五つ上だった秋夜さん。
親父の親友の教授の娘で、昔はよく面倒をみてもらってたっけ……
あの時から優しいお姉さんオーラ全開で、近隣のガキ共のマドンナだった。
引っ越してから疎遠になってしまっていたが…どんな偶然なんだ…
「ってか何で秋夜さんがここに!?」
「あれ?おじさんに聞いてなかったの?」
下着姿からTシャツとホットパンツに着替えながら秋夜さんが俺の質問に答える。
「聞いてませんよ!」
「私ね、今は父の代役として研究チームに関わってるのよ」
「え…じゃあ大分前から親父と…?」
「いいえ、父が珍しく病気で倒れたから急に…おじさんも『ウチの馬鹿息子も来るからどうだ』って言うし…」
「は……はぁ……」
「でもホント久しぶり、背、抜かれちゃったね」
そう言って秋夜さんは俺の背と自分の背を比べる。
子供の頃とは違って今度は俺が若干見下ろす形だ
「あぁ…あの時はまだガキだったから…」
「声もすっかり大人っぽくなってる」
「成長期ですから」
「ふふ…かっこよくなったね」
「そうかな…?」
ヤバい、なんかめっちゃ照れる。
心臓バクバク言うし、何か恥ずかしい。
「うん……うん、かっこよくなったよ…」
体をピタリと密着させ、俺の顔を見上げてくる秋夜さん。
どことなく瞳が潤み、頬にほんのり桃色
がさしているようにも見える。
鮮やかな茶色のセミロングが風に揺れ、どことなく儚げな印象を与える。
「……………私は……どう?綺麗になった?」
「………えぇ…綺麗ですよ、とっても」
秋夜さんの細い指がいつの間にか俺の指に絡む。
耳を澄ませば吐息すら聞こえてきそうな距離にまで秋夜さんの整った顔が近づいてくる。
何故か体が動かず、秋夜さんの唇が俺の唇と触れようとしたその時、俺の小物入れの中の携帯の呼び出し音が鳴り響いた。
冬美と空港で選んだ揃いの海外用の品だ。
ふっと体が慌てて軽くなり、慌てて秋夜さんの体を離して携帯に出る。
「もしもし?」
「……………迷った」


423:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:50:01 0FLX8P1P
電話の向こうから冬美のいつも通りの声が聞こえる。
「迷ったって……今どこだよ……」
「………外……船着き場の近く…」
「わかった、迎えに行くからそこで待ってな」
「………早くね?」
「あいよ」
そう言って通話を切る、まったくあいつは意外なところでドジを発揮するから困る。
「スイマセン秋夜さん…迎えに行かないと…」
「ん、いいよ、行ってあげて」
さっきのあの雰囲気から一転、あの優しいお姉さんオーラたっぷりの秋夜さんに戻っていた。
「じゃ、これで失礼します…また後でお話しましょう」
あの雰囲気を切り払うようにかぶりを振り、俺は秋夜さんに背を向けて冬美のいる船着き場に向かって駆けていった。














「………彼女……かな」
久しぶりに会った彼は、私の想像よりも格段にかっこよくなって秋夜の前に現れた。
「………うらやましいなぁ……」
彼の手に触れただけであれほどの幸せがこみ上げてきたのだ、あれ以上進んでいたら恐らく戻れなかっただろう。
その点ではあの電話に感謝をしておくとして、取り分け今の問題はこの高ぶった体だ。
「んっ……はぅ……あぅ…」
シャツの上からも分かるほどに胸の先端は天を向き、ショーツは既にぐっしょりと濡れ、ホットパンツにまで愛液でシミが出来ている。
「んっ…あっ…あんっ…」
Tシャツとホットパンツを脱ぎ捨て、ベッドに四つん這いになると自然と自分の体を慰め始める。
彼の手に触れた指で自分の秘部をショーツの上からなぞる。
くちゅりと優しく触れた後、ぐちゅぐちゅとショーツごと秘部の奥へと指を突き入れる。
「んあぁ!ふぁぁ!こーくんっ!こーくんっ!」
何年間も恋い焦がれた待ち人の名を叫びながら指の速度を上げていく。
乳首は痛いほど天を向き、既にショーツは秘部が透けるほどに愛液を吸っている。
乱雑にショーツを脱ぎ捨て、大きく自己主張しているクリトリスこね回しながら指を2本膣口に出し入れし、快感を高めていく。
「こーくんっ!!こーくん!!イッちゃうよっ!!私っ!私っ!こーくんっ!」 愛しい人の名を叫びながら、トドメとばかりに膣口の再奥を爪でひっかく。
「ひぃうぁぁぁっ!!!!」
その瞬間潮を盛大に噴き出し、尿をチョロチョロとこぼしながら盛大に絶頂に達してしまう秋夜。
「はぁっー…はぁっー…こーくん……好き……」
虫の羽音程の小さな声でそう呟くと、秋夜は意識を手放した。


424:名無しさん@ピンキー
07/08/11 01:54:56 0FLX8P1P
保守ネタ盛り込むの忘れた……
秋はドコだよって誰かに言われたので
軽くキャラづけして出してみました

……スイマセン調子に乗りました

設定としては二人きりや一人の時にだんだん無口になってくる性格なんですけど……
分かりにくいですね、スイマセン
少しでも暇潰しになれば幸いです

そのうち冬美とのなりそめを含めてきちんとした形で書いてみたいですね

それでは失礼

425:名無しさん@ピンキー
07/08/11 02:06:21 G29kNcVV
>>424
それ言ったのぼくです。何はともあれGJ!下着姿見られても落ち着いている秋夜さん萌え。
もう保守ネタを越えてるんでぜひ続きを!お願いします!

426:名無しさん@ピンキー
07/08/11 05:23:54 w+wsUZfp
下のお口は雄弁よのお~

427:名無しさん@ピンキー
07/08/12 20:41:03 PVNMc6N0
「…のエ…じが。…ろ…れ…い…か?」

428:名無しさん@ピンキー
07/08/13 00:11:12 A6AH8oQR
やっぱリアルで無口系のキャラはアカンよ。会話にならへんもん。迎えに行くのは別にええけれど、連れて帰ってくる道中のこと考えたら、ホンマそれだけでうんざりしてくるわ……。


夏になると、これ↑を思い出す(;_;)

429:名無しさん@ピンキー
07/08/13 00:30:57 qsvRUATW
炉と熟女どちらもOKって人間は居ても、無口と多弁どっちも……ってのは聞かないしね。

430:名無しさん@ピンキー
07/08/13 06:57:02 m0UdGrnk
age

431:名無しさん@ピンキー
07/08/13 13:58:44 CCZ7oSoM
保守

432:名無しさん@ピンキー
07/08/14 00:12:54 j0a5f64m
>>428
last kiss 乙

433:名無しさん@ピンキー
07/08/15 02:28:22 Af0UnZSq
ほっす

434:名無しさん@ピンキー
07/08/17 01:18:09 CzKSdZ+D
妄想が出来ても、それを文に出来ない自分が憎くて憎くて堪らない保守

435:名無しさん@ピンキー
07/08/17 01:58:38 CxF0hQIF
誰でもみんな、最初は初心者さ

436:じうご
07/08/19 05:49:40 fX55UZMN
さてと、お久しぶりです
覚えてくれてる人いるかなぁ…

ちょっとチラシの裏
パソコンがウイルスでぶっとぶというえらい目に会いました
おかげで小説原案が全部HDごとぶっとび、パソコンも買いなおしを余儀なくされ…
ノートン先生は、使えないと本気で学習できました
まぁ、ほかのがソフトがとくになにもわからないので、仕方なくまだ使ってますが…



さてと、久しぶりに書いた作品です
…意味わからないくらいへたくそになってました
…展開は強引だし…
…おまけに、久しぶりすぎて推敲のしようがない始末…
……さらに、人物の性格を微妙に覚えてない始末
……ヤヴァイ?
と、とりあえず、久しぶりということリハビリだと思って
生あたたたたかい目で見てくれると嬉しいかもしれないけどどうなんだろう…

437:じうご
07/08/19 06:01:40 fX55UZMN
「………」
「………」
ここは、とある高校の、とある教室で
「………」
「………」
現在3時間目の授業中、
「………」
「………」
授業内容は自習で
「………」
「………」
いつもならにぎやかな会話が交わされるのだが、
「……本当にだれもいないな」
「……だね」
その教室には、4人しか生徒がいなかった。
「やっぱり、自由参加の夏休み講習に律儀に来てるやつはまずいないか…」
「そうだね…」
「…当たり前」
「………」
ちなみに、現在教室に居るメンバーは、お察しの通り
佐藤悠、大城美夏、白木誠、木村千恵、の4人である。
「しかし…だるいな…」
「…暑いしね」
「…気温38度」
「………」
しかし、3人は暑さのためにろくに勉強できてなく、
「帰るか…」
「…あと12分あるよ」
「…我慢」
「………」
そんな会話を延々と繰り返してたりする。
「シャワー浴びたい…」
「…激しく同意」
「…うん」
「………」
ちなみに、クーラーはとりあえずついているのだが、古いタイプで故障も多いので使用は禁止されている。
「ああ、もう俺我慢できないから帰るぞ…」
「…僕もそうする」
「…私も」
「………」
そして、講習は、いつもこんな感じで切り上げられている。







438:じうご
07/08/19 06:02:12 fX55UZMN
暑い…」
「言わなくてもいいよ…」
「…言っても変わらない」
学校からの帰り道、いつも通りの会話
「なぁ、千恵」
「……?」
「なんでお前はこんなに暑いのにそんな平気な顔してるんだ?」
「あ、それ僕も気になる」
千恵は少し悩んだ素振りを見せ、
「………」
口に指を当てる
「結局秘密か…」
「寒いのは苦手なのにね…」
「…暑くて死にそう」
そして
「っと、じゃぁな」
「…またね」
「はい、また明日、悠さん美夏さん」
「………」
お互い、手を振って分かれる





「…ただいま」
鍵を開けて家に入る
今は両親ともに長期出張なので、家には私一人だ。
「……」
別に、一人だからといって、とくにやることはないけれど。
「…お風呂」
まず、シャワーを浴びてさっぱりしよう、そうすれば大分楽になる。
「………」
そうと決めたら早速行動する。
部屋に戻り、バスタオルと下着と私服を取り出し、すぐにお風呂場に移動する。
「………」
汗を吸ったシャツやなどの下着を外しただけでも、大分楽になった。
「………」
今日はこの後どうしようか、そんなことを考えつつ、お風呂に入る



439:じうご
07/08/19 06:09:15 fX55UZMN
「あー…さっぱりした」
今は自分の部屋、もちろん、クーラーはスイッチをとっくにいれてあるから部屋は大分涼しくなっている。
「全く、このごろ暑すぎなんだよな…」
ぶつぶつと文句を言いつつ、ベッドに寝転がり
「………」
べつになにもやることはない
「あー…やばい、このあとなんにも予定ねぇや」
新しく買った小説もみんな読んでしまったし、暇をつぶせるものがない
「…久しぶりにゲーム…微妙だな」
本当にやることねぇ、とか呟きつつ、ベッドの上をゴロゴロ転がっていると
「…ん?」
この部屋の窓を叩く音が聞こえた、
「どちらさまですかー」
まぁ、こんなとこの窓を叩くやつは一名しか居ないわけだが
「よっと」
窓を開ける、で、やっぱりそこに居るのは
「美夏か」
半そでにスカートといったかなり涼しそうな格好
ちなみに、俺は半そでにジーパンなんて穿いてる
「…本読みに来た」
「まぁ、そんなことだろうと思った」
とりあえず、部屋に招き入れて、
「とりあえず、どんな本読むんだ?」
「…とくに決めてない」
「……珍しいな」
「…そう?」
「ああ」
まぁ、特に決めてないのなら片っ端から本を入れてある段ボール箱を出すわけで
「…あの」
「ん、どうした?」
聞きながら、読みたい本が決まったのかな、とか思いつつ、段ボール箱を出そうとする手を止め
「…あのね」
「うん、なんだ?」
「…していい?」
…気のせいだろうか、なんか考え事をしてたせいでうまく聞き取れなかったかな
「悪い、なんだって?」
「…していい?」
うん、気のせいじゃなかったか、ついでに軽いデジャヴを感じるのは何故だろうか
「…なんでこんな昼間っから?ってか、いきなりどうした?」
とりあえず、美夏のほうへ向いて尋ねる。
美夏は顔を赤くしながら
「…夏休み入ってから…してない」
…そんなこと考える気力も体力も暑さで根こそぎ奪われてたな、うん
「…我慢…出来ない」
そう言い、美夏はするするとこっちに近寄り、ぽふっと、こっちに体を預け
「…だめ?」


440:じうご
07/08/19 06:20:13 fX55UZMN
そう、聞いてきた
「あー…」
いや、まぁ別にかまわなかったりするから、
「あ……」
とりあえず、美香の顔を上に向かせ、唇を重ねた
「ん……」
ただ単に、唇を重ねるだけだがお互いにスイッチが入るには充分
そのうち、どちらともなく唇を離し
「…えっと」
「ん、どうかしたか?」
「…もう、入れて、いいよ?」
いや、まだなんにもしてないんだが。まぁ、もうこっちものは準備が出来てるが
「えーっと、ほら、久しぶりだから楽しみたいし」
その言葉に美夏は
「…我慢、出来ないから」
そう言って、こちらを押し倒してくる。
そしてそのまま、こっちのズボンのチャックを開けて硬くなった俺のものを取り出して
「ん…ふぁぁあ」
服を脱ぐ時間も惜しいのか、そのまま下着を下ろしただけでこっちを中に迎え入れた
美夏の中はなにもしてないのに蜜で濡れていて、動くには支障はなかった
「はぁっ、んっ、あぁ!」
本当に我慢できなかったのか、美夏はこっちを迎え入れてからすぐに、貪欲に快感をむさぼる様に腰を動かし始める
「ふぁっ、あっ、はっ、いいよぉっ!」
美夏は、もう蕩けた目をして、口の端からよだれをだらしなくたらしている
「あっ、ひぁぁぁぁぁぁあ!」
そして、あっという間に絶頂に達してしまったらしい。
体をがくがくと震わせながら、倒れこんでくる
「あ、はぁ、ん、はぁ」
まぁ、あっという間過ぎて、俺のものは全然元気なわけで
もっと乱れた美夏を見たくなり、体を起こして、美夏の体を抱え、思いっきり上下に揺さぶってみる
「ああっ、やっ、まだっ、だめぇっ!」
そのたびに、美夏の体はビクッと、電気が流れたように跳ねる
「ふぁっ、あうっ、ああっ、あっ!」
奥を抉るたびにひときわ甲高い嬌声があがる
「あ、だめ、あ、ふぁ、やぁ!」
そろそろ、俺も我慢が利かなくなって、どんどんペースをあげていく
「ああっ、はぁっ、もう、あっ、だめぇっ!」
美夏もそろそろ限界らしく、こちらにぎゅっと腕を回してくる
「あ、あぁぁぁぁぁぁあ!」
そして、美夏は限界に達したらしく、がくがくと体をふるわせる
「…く」
それを、確認した俺も、自分自身を解き放った







441:じうご
07/08/19 06:22:17 fX55UZMN







ちなみに、このあと二人して動けなくなったりするのは、まぁ、別の話

442:じうご
07/08/19 06:23:50 fX55UZMN
はい、変なとこで変に区切ってしまいました


おまけに読み返してorz



ちょっとコンセントで首吊ってきます

443:名無しさん@ピンキー
07/08/19 07:04:27 HBY9Ut1L
エロシーン短すぎ吹いたw

だがGJ!

444:名無しさん@ピンキー
07/08/19 15:16:22 eO8IRA/z
インスタントエロチックGJ!

445:名無しさん@ピンキー
07/08/19 17:27:25 0wCyH7ef
久々のじうご氏到来!GJ!

446:名無しさん@ピンキー
07/08/19 17:29:19 0wCyH7ef
「到来」は人が来たときに使う言葉じゃないですね…すみません。

447:名無しさん@ピンキー
07/08/19 18:51:05 AiVjN3IK
じうご氏、乙
こんな腐れ暑い最中だとエチも簡潔だなw

448:名無しさん@ピンキー
07/08/21 05:47:22 OJqwQCuA
保守

449:名無しさん@ピンキー
07/08/22 03:27:20 LSLAsdDb
>>442GJ!!これから調子直るのを願ってる。

さて>>447見て思ったが、夏はセックスすらあまり犯る気がしない。




な ら 冬 は ?



後は言わなくても・・・わかるな?

450:名無しさん@ピンキー
07/08/22 11:38:57 WC7Z8bMm
>>449
互いを温めあうように濃厚な愛が炸裂

451:名無しさん@ピンキー
07/08/24 00:49:26 Nmhhvs7f
>>450


あと3ヶ月後だな……


ちょっと全裸で正座して待機しとく

452:名無しさん@ピンキー
07/08/24 01:30:31 nNm4u73Z
>>451
風邪ひくぞ?w

453:名無しさん@ピンキー
07/08/24 08:49:38 kYHfZ5Nd
>>451
紳士として靴下とネクタイだけはつけとかないと。

454:名無しさん@ピンキー
07/08/24 22:42:18 oPV9uxGM
まあ冬に凍え死ぬヤツはいても暑くて死ぬヤツは・・・・
いる時代なんだよな、この暑さどうにかならんかね?

455:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:22:48 54lPDyXo
>>454



つラブラブなエロSS

456:名無しさん@ピンキー
07/08/25 01:19:05 b8ChZfyy
>>455
何その無差別殺人w

457:名無しさん@ピンキー
07/08/25 16:01:00 agX0oCCr
「もうだめだー!」
僕は絶叫しながら家の外にとび出した。母親の方針でうちはクーラーはなるべくつけないんだけど、
ここらの地域の最高気温を更新しましたってニュースをやってる今つけずにいつつけるのさ!

僕はチャリで坂を登る。もうちょっと上に、川のいい感じの浅瀬があって、ほんとは泳いじゃダメだけど、
もちろんムシですよ。いけばたぶん友達も誰かいるし。とか言ってると、前を誰かが歩いてた。あれ、相馬?

相馬優(そうまゆう)は、今年転校してきた子で、少し体を悪くして静養に、みたいな。とにかく、細くて、
白くて、長いまつげをいつもふせてる感じの、キ、キ、キレーな子!なんだけど、とにかくしゃべんない。
無表情。最初はもちろん、みんないろいろ話しかけたけど、あまりのリアクションの薄さ、というか無さに、
別にハブじゃないんだけど、いまや気がつくといつも一人、みたいな。でも、クラスの男は、何もしないけど
ほぼ全員彼女を意識してますねえ、たぶん。クラス委員の美香に言わせればミエミエでアホみたいとの事。
ウッセ!いまどきスカートめくっぞ!

なんだっけ、あそうそう。その相馬が、こんな山道に一人。なぜ?例の川にも一度も来たこと無いのになー。
だいぶ体は良くなったらしいけど、いくら日傘さしてるっていっても、こんな日に歩き回るのはダメだろ。
と、なんとなく自転車を下りて、押しながら彼女のかなり後ろを歩いていると、急に彼女の姿が見えなくなった。
急いで彼女の消えた辺りまでチャリをとばす。両脇は森。横道なし。ははあ、実は彼女は僕の青春に訪れた
ひと夏の幻影…とかアホみたいな事(スマン美香、お前の言うとおりだ)考えてると、ヤブの中に足あと発見!
チャリを置いて、なぜか音を立てないようにそっと突入。時間は、えーヒトヨンフタマル。

すこしだけ森に入ると、3m四方くらいだけど、開けた場所があるみたいだった。そこには、数本の、腰の
高さくらいのひまわりが生えていて、彼女はその前に立っていた。ぼくはどうしようか迷いつつ、まあこんな
きっかけはめったに無いなと思って、声を掛けようとした。すると、彼女が!

畳んだ日傘を足元にそっと置くと、彼女はサンダルを脱いで裸足になって、ついでにスカートの中に立った
まま手を入れると、パンツをするりと下ろした。なるほどねえ…ってナニー!!脱いだ薄ピンクのパンツを
ポイと放ると、そのままひまわりの前でスカートを捲り上げた。小さい、真っ白なお尻が丸見え。そのまま
しゃがみこんで、ひまわりの根元にシャーッと、オ、オシッコを掛け始めましたよ!意味分からん!

僕は、あまりの動揺に身動きしてしまい、足元の枝がポキリと鳴ってしまった。ザ・ピンチ!彼女が、しゃが
んだまま、というか、オシッコをしたまま顔だけこちらを向いて、大汗をかいている僕とバッチリ目が合って
しまった。さて、このあと彼女はどうするでしょう。
正解は、また僕がいなかったのように前を見て、オシッコし続けながら少し腰を上げてカニ歩き、となりの
ひまわりにもおしっこを掛け始めた、でした。当たったかな?

さて、出すもの出した彼女ですが、ポケットからティッシュをだしてアソコを拭いて、さっき投げたパンツを
装着。日傘を差して僕の横を、僕をちらりとも見ずにとおりすぎ……って、ちょっと、ちょっとちょっと!
「そ、相馬!」
彼女はすっと立ち止まって、クルリと振り返った。いやー、すっと通った鼻筋とか、小さくて薄ピンク色の
唇とか、うーん、カ、カワイイ!!
「…なに」
「あ、あの、オレの事、知ってるよな」
「田島君」
よかったあ。クラスメートだから別に知ってて普通だけど、知らんとか言われたらヘコむどころじゃないよな。
「あ、あのさあ、アレ、なにしてたの」
「自由研究」
即答だよオイ。…自由研究?!よけい分からん?
「え?テ、テーマ何なの?」
「尿の、有機肥料としての有効性」
「…?ごめんもう一回」
「尿の、有機肥料としての有効性」
あー、確かに昔、動物のウンチだけじゃなくて、オシッコも使ったって聞いた事かあるけど
「でも、今さらなんでそんな事…」
「…究極のリサイクルとして、これからの地球には必要」
ほっほー…なーるほど。分かりました。相馬、お前アホだろ。いや、頭はいいと思うよ確かに。でもアホだね。




458:名無しさん@ピンキー
07/08/25 17:09:35 agX0oCCr
彼女は、また前を向いて山を下り始めた。僕は、あわてて自転車を回収して、押しながら彼女の横に並んだ。
「よくあんなとこ見つけたなあ」
「ネット。あれぐらいあれば空から分かる」
僕は分からない。まあいいや。
「しかし、キャーくらい言ってもいいんじゃないの?」
「なぜ」
「だって、オ、オシッコ見られたんだぜ、恥ずかしいだろ!」
「別に」
「ウソつけ!恥ずかしくないわけ無いだろうよ!」
「別に」
言っとくけど、全然いやらしい気持ちはないよ。ただ、彼女の様子にカチンときただけだから。いやホント。
「なら…なら僕の前で出来るかよ」
「出来る」
また即答!ちょちょちょ、そんな事言われたら、もー引っ込みつかないじゃん!相馬のアホ!空気嫁!
「じゃ、じゃあしてみせろよ」
彼女は無言で一時僕を見つめていたが、すっと日傘を差し出す。
「エ?」
「…持ってて」
僕が、相変わらずあっけにとられたまま傘を受け取ると、彼女はいきなりスカートをその場で捲り上げようとした。
「ちょちょちょちょちょ待っいやちょ」
あわてて自転車を放り出し、彼女の手をつかむ。
「…なに」
「え、今「なに」っていった?…なんで?あーなんか腹立ってきた」
彼女の、このクソ熱いのにひんやりとした細い手を引っ張って、本道の脇にある細い林道を上がる。
そこには小さな作業小屋があって、この時期はだれもつかっていない。
「じゃあここで」と僕が彼女のほうを向いて言うと、彼女はまたあっさりパンツを脱いで、僕の真正面にしゃがみこむ。
彼女のソコには全然毛とか生えてなくて、しゃがんでるからか、少しだけ開いた割れ目から、ピンク色の部分が見えた。
そこから、ホントに少しだけオシッコが出る。
「…さっき出したばっかりだから、ほとんど出ない」
と、全く冷静な声で言う。くそー、どうすりゃいいんだよ!
僕は、無我夢中で彼女を突き飛ばした。
「あ」といいながら彼女は尻餅をつく。表情は全く変わらず。ぼくは、彼女の白い下半身に「わー」」とか言いながら
覆いかぶさって、割れ目を指でグッと開きながら、その間の薄ピンクの肉が合わさったとこを、メチャクチャ舐め始めた。
少ししょっぱい味がした。そらそうだオシッコしてたんだもん。でもなぜか全然イヤじゃなかった。
どんどん奥に舌を入れてみる。そのあたりを強く擦るように舐め続けていると、そのうち、その奥の方から、なんていうか、
トロッとした感じのが湧き出てきた。
最初、一所懸命アソコを舐める僕を無表情で見下ろしてた彼女だけど、今は目をつぶって、少しだけ口を開いて、
「…ハッ…ン…ハ…」
と、かすかに震えるような浅い吐息を吐き出している。
彼女の中が、少しピクッ、ピクッとなって、僕の舌をかすかに締め付けるような動きをする。
やがて、そのピクピクがビクン、ビクンという感じになって、彼女は少し腰を浮かして、僕の顔にアソコを押し付けるような
動きをし始める。
そこでクリトリスですよ。もちろん実際に見たことは無いけど、どんなもので、どういうふうにするかは知ってる。インターネット万歳!
舌で探って、この辺かなーというところに、思ってたよりずっとずっと小さなそれがあった。
あんまり強くなりすぎないように気をつけながら、それを舌で擦り始めると、彼女はこぶしを口にくわえて
「…グッ…ウン…クッ!」
と、耐え切れないように色っぽい声を出しはじめ、そのうちかすかに悲鳴のような声を上げると、グイッと僕の顔にアソコをあてて
しばらくピクピクしてたけど、やがてガックリと腰を落とした。わずかに肩で息をしている彼女に、
「どうよ」と聞くと、彼女は本当にうっすらとだけ頬を染めて
「…えっち」
とだけ言いました。うわー、僕その場で立ち上がって、いてもたってもいらんなくて足をドタドタドタドタさせてましたよ。

乗るかと聞くとあっさりうなずいたので、彼女の畳んだ日傘を前かごに入れて、自転車に二人乗りして山道を下る。
途中、クラスのアホどもとすれ違う。「よお、田じ…」までいって、僕にしがみつきながらチャリの後ろに乗ってる彼女を見て
全員口あんぐり。
あとで説明が大変そうだけど、また明日彼女とひまわりのところで待ち合わせをしてる事を思い出せば、全然OKなのさ!





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