嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その35at EROPARO
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その35 - 暇つぶし2ch900:姉妹家庭教師ネタ
07/07/09 17:57:52 YrZ9gadi
*****

 自宅に帰ってきた一男は、玄関に女物の靴が置いてあることに気づいた。
 一男の両親は同じ会社に勤めていて、職場も同じ。
 そのため、ここ数ヶ月のように長期の出張に出かけるときは2人一緒に家を留守にする。
 つまり、玄関に置いてある女物の靴は母親以外の物だということになる。

 一男が自分の部屋に入ると、そこには近所に住む幼馴染であり、組子と恵子の姉でもある女性がいた。
 ベッドの上に。

「ん、今帰ってきたのか一男。おかえり」
「ただいま、倉子さん」

 ベッドの上にいる倉子は、胸元をタオルケットで隠していた。
 一男は今までの経験から、倉子が服を着ていないということがわかっていた。
 床に脱ぎ捨てられているジーンズ、シャツ、ブラジャー、ショーツを手早くまとめ、枕元に置く。

「早く服を着てください。あと、出てってください」
「なぜ服を着なければならない? 一男は服を着てヤる方が燃えるのか?」
「……倉子さん、もっと恥じらいを持ってください」
「一男を前にしては、恥じらいなど消え去ってしまうよ……」

 うっとりした顔で一男を見つめる倉子。
 大人の魅力を全開にした瞳で見つめられては、たいていの男なら陥落してしまうだろう。
 小さい頃からこの視線にさらされ、今ではすっかり慣れてしまった一男には効かないのだが。
 一男は嘆息して、倉子に背を向け、椅子に座った。
 かばんから社会の教科書とノートを取り出し、机の上に並べる。

「む、勉強か。珍しいな」
「ええ、今回は頑張らないとまずいんで」
「そうか、とうとう私を迎えるために努力を始めたんだな。だが無理はしないでくれ。
 いくら私との結婚生活を順風満帆にするためとはいえ、一男が倒れては意味が無い。
 いや……倒れたとしても、それはそれでいいか。一男を朝から晩まで看病できるからな」
「来週の期末テストで赤点を一つでもとったら、補習になるんです。
 邪魔するんなら、帰ってくれません?」
「補習? 補習というと、あれか。夏休み中ずっと学校へ通わされ、どこにも遊びに行けなくなるという」
「まさしく、その通りです」

 着替えを終えた倉子は、机に向かう一男の手元を覗き込んだ。

「現代社会……か、これは。最近の学校ではえらく簡単なものを教えているんだな」
「これでも俺にとっては天敵なんですけど」
「……なるほど、そうか。誰でも得手不得手があるものな。一男にとっては、これがそうだと」
「まあ、そういうことです」


901:姉妹家庭教師ネタ
07/07/09 17:59:44 YrZ9gadi
 一男は倉子を視界の隅に追いやり、教科書に向かった。
 しかし、全く頭に入ってこない。
 世界の政治や歴史など、一男にとってはどうでもいいものにしか思えないのだ。
 そんなものよりも体育の授業で体を動かす方が余程自分のためになる。
 そう考えて今まで現代社会という科目から逃げ回ってきたツケが今、一男を追い詰めている。

「かなり悩んでいるようだな、一男」
「はあ……どうしよ。あとこれさえなんとかなれば、問題ないのに」
「そうか……そうなのか。ならば、取引をしないか」

 倉子の言葉を聞いて、一男はなんとなく嫌な予感を覚えた。

「……何と何を取引するんです」
「そう警戒しなくてもいい。お互いに持っているものを交換しあうだけだ。
 私から差し出すものは、私の脳に詰まっている現代社会の知識。
 一男から差し出して欲しいものは、一男が持つ夏休みの時間だ」
「いや、俺は夏休みは旅行に行くつもりだったんですけど」
「全てとは言わない、一日だけでいいんだ。一男の時間を、24時間だけ私にくれたらそれでいい」
「え? ……そんなので、いいんですか。それだけで、俺に勉強を?」
「うん」

 これは罠?倉子さんが最初からこんな甘い条件で取引を申し出てくるなんて、どういうことだ?
 もしかして今日、何か悪いものでも食べたのか?

「何を不思議そうな顔をしている。取引するのか? しないのか?」

 だけど、これはチャンスだ。
 倉子さんは昔から優等生でとおっていた。
 今は隣接する市にある、有名大学に通っているほどの才媛。
 高校の現代社会のテストなど、朝飯前に解いてしまうだろう。

「本当に、その条件でいいんですね。あとから追加とか、なしですよ」
「この胸の内に秘める愛に誓って、そんなことはしない。一男の一日を独占できるだけで充分だ」
「……わかりました。じゃあ、さっそく今から……」
「では、さっそく明日、火曜日から始めるとしよう。私にも準備があるしな。
 じゃあ、明日来るから待っているんだぞ、一男!」

 倉子は一男に言い聞かせるように、びしっと指を指した。
 そして、さっさときびすを返して部屋から出て行ってしまった。

 やれやれ、と言いそうになった口を制し、一男は現代社会の教科書と向き合った。
 ……やっぱり、少しも頭に入ってこない。
 一男は勉強の内容を、現代社会から数学へと切り替えた。
 数式がすらすらと浮かび、教科書の例題がたちまちのうちに解かれていく。
 一男は、得意教科と不得意教科の実力差が極端だった。
 三姉妹の教えによりこの差が埋まることを期待し、一男は勉強を続けた。


902:名無しさん@ピンキー
07/07/09 18:03:27 YrZ9gadi
>>940よ、こんなのが好きか?

903:名無しさん@ピンキー
07/07/09 20:04:02 dl2TByo9
940じゃないが大好きだ
是非このまま書いてほしい

904:名無しさん@ピンキー
07/07/09 22:00:04 Se6bWS/8
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 GJ!GJ!
  ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 続き!続き!
  ⊂彡


905:名無しさん@ピンキー
07/07/09 22:15:19 RTBfEqf3
三姉妹の個性が良い
続きを書かれるならば、おおいに期待する所存

906:名無しさん@ピンキー
07/07/10 03:47:47 o96XjrFK
なんという35スレの底力
これは間違いなく本妻の意地


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