【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合15at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合15 - 暇つぶし2ch600:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/05/20 22:30:44 rNz7C8tJ
続きます。ではまた。

601:名無しさん@ピンキー
07/05/20 22:51:29 vG6BBWLa
あんたエロいな……。
ツボなら尾てい骨の両脇、筋肉の付け根あたりもいいぜよ。
性感帯でもあるらしい。

602:名無しさん@ピンキー
07/05/20 23:07:02 LkQSLseO
マッサージ万歳!

603:名無しさん@ピンキー
07/05/20 23:08:20 GXtchzAo
これみてたら整体にいきたくなった。
続編きたいしてるよエロい人!

604:名無しさん@ピンキー
07/05/20 23:50:39 +mlcEcxL
URLリンク(www.bupo.jp)

誰かこんなすばらしい状況になるSSをかいて下さりませんかね。。
せいたいさんあたりが書いたら物凄いことになりそう(笑)

605:名無しさん@ピンキー
07/05/20 23:59:37 jjuHLTUG
>>600
GJ!!!!!やばいよ妄想がとまらないw

次はバストアップマッサージですか?

606:名無しさん@ピンキー
07/05/21 23:55:09 1jkGzkD7
保守

607:名無しさん@ピンキー
07/05/22 01:50:27 uDxiO3h0
なんだこのスレストっぷりは
みんな新刊のネタバレを懸念してスレ開いてないのか?

608:名無しさん@ピンキー
07/05/22 01:54:52 p8jv0sQ3
>>607かもな。
レス数見てかなり驚いた。新刊でたら一気に投下される事を祈る。

609:名無しさん@ピンキー
07/05/22 02:34:38 xUmGtQpr
新刊まだまだでしょ
なんかの続き早く投下されないかなぁ

610:名無しさん@ピンキー
07/05/22 05:02:45 tIUxLgNm
ん~だが1週間切ってるから職人も含め原作の方が気になってるんじゃね。
かく言う俺もそわそわしてきたぜ。本スレとかでは嘘バレとかが乱立してる
状態だからな。~が死にそうとか。俺は嘘だと信じてるが・・・

611:名無しさん@ピンキー
07/05/22 07:22:58 15ZwBvMF
あんたら1日2日投下がないだけであれこれいってると過疎ってる他のスレ住人に怒られるぞ


612:名無しさん@ピンキー
07/05/22 08:08:24 jwTqL/Vm
何よ、ちょっとご主人様が顔見せないだけで寂しい思いしてたの?!
ふん、やっぱり犬!犬ね!私がいないと寂しくて死んじゃうんでしょう!
でもまぁ、ちゃんと待ってたことは、その、ほ、褒めてあげるわ!ちょっとだけね!

今日も名古屋のアニメイト帰りに寄ってみんぜ ('A`)ヴァー

613:名無しさん@ピンキー
07/05/22 08:11:50 AEyFLdAz
ネタバレは26日以降でよろしく

614:名無しさん@ピンキー
07/05/22 08:48:11 SYZVjQZr
11巻の内容次第では、職人さんの
投下されるものがガラリと変わるかもしれん。

それにしても、変な緊張感が漂っているな。
ヒシヒシと伝わってくる。
ネタバレのせいか?

615:名無しさん@ピンキー
07/05/22 08:57:05 ghXSqZFk
新刊ゲェット!
ネタバレはしないから安心してくれ

616:名無しさん@ピンキー
07/05/22 09:06:36 y94ViThi
そろそろ、ここも巡回から外した方がよさそうだな・・・

617:名無しさん@ピンキー
07/05/22 09:22:20 74Tzna19
以下ネタバレ



ええもう驚きましたよ、
ルイズがあんな行動に出るなんて。
しつこい恋敵の排除のために
遂に最終兵器逆ギレ告白するなんて。
ていうか逆ギレって
言ったけど、ムードそのものはつくって
るから、必ずしも逆ギレとは言えない
かも?

しかしなんですな、幾ら小説
に規制無いからってびにいりさいをう
がち(←何故か変換できない)
耳へのキス(最初にここってどんだけマニアよサイト)から
始まって唇へのキスだけで十ページも紙幅を取
り、胸に関しては小さいけど肌のなめらかさ、乳首のか
んどを強調してルイズの萌え喘ぎを
ごちそうさまでしたと言いたくなるくらいに列挙、
しかる後にそのままなだれ込む
かと思いきやルイズの反撃ターン、あ
たしが上なんだからね、と69から
べちょべちょと(擬音としては下品だけど正にコレでしょう)
なめまくった挙げ句にあんな事を―!ルイズそれでは貴族じゃなくて娼婦か肉奴隷ー!
いぬだいすき

618:名無しさん@ピンキー
07/05/22 10:44:39 tbH6O/9u
く、りんごしかたべない、しか判らなかったぜ

619:名無しさん@ピンキー
07/05/22 12:24:04 54UEBHr5
まとめWikiのカウンターとか見る限りでは
相当な人数が巡回してるはずなんだがな。
書き込んでるのはごく一部なのか…

620:名無しさん@ピンキー
07/05/22 12:45:59 5z19+p9S
文才が無くて読み専ですまない…
今黒タバサ物を一応書いているが最新刊待ち(流れによるが)
職人さんは今書きためているんだとwktkしながら待ってるしかないかもしれない

621:名無しさん@ピンキー
07/05/22 13:06:00 jwTqL/Vm
新刊ゲットの報告が憎くてたまらないぜ……(;ω;`)

622:名無しさん@ピンキー
07/05/22 19:58:05 btv7EbCM
新刊出て設定変わった時とかって、書きかけの物修正するか悩むな

623:名無しさん@ピンキー
07/05/22 20:06:25 7dXZx4+/
>>622
修正しないでいいと思う。

624:名無しさん@ピンキー
07/05/22 20:27:10 Xc2DUV2F
大宮Loftのジュンク堂にて11巻発見
さいたま市民は21時までにGO!

625:名無しさん@ピンキー
07/05/22 20:49:35 jwTqL/Vm
おのれSAITAMAHHHHHHHHHHHHHHHHH!!!!

626:名無しさん@ピンキー
07/05/22 21:00:53 7dXZx4+/
落ち着け、別に世界が終わるわけじゃない。
すぐそこに公式発売日は来ている。
後もう少しの我慢じゃないか。
ちなみに俺は読んだ。

627:名無しさん@ピンキー
07/05/22 21:09:12 jwTqL/Vm
みんな、オラはどこを縦読みすればいいのか教えてくれ
このままじゃオラ626にかめかめ波撃っちまいそうだ

628:名無しさん@ピンキー
07/05/22 21:16:48 kV3ov9mK
11巻ゲトゥー

本屋で働いててこんなに嬉しかったことはないな

629:名無しさん@ピンキー
07/05/22 21:19:51 3WYsSK0c
>>624
まじかよおぉぉぉ!
開店時なかったからわざわざ新宿紀伊国屋まで行ったんだぜ
いや東京に出る別の用事があったんだがな、嘘じゃないぞ?

630:名無しさん@ピンキー
07/05/22 21:19:55 ASEWWU9X
まあなんだ、
あれだな、言える事は一つ、14-65がGJだったと

吊ってくる

631:名無しさん@ピンキー
07/05/22 22:02:08 rr5KnIWJ
>>629
折角TOKYOに来たんなら、そのまま新宿線で神保町まで行けば良かったのに
あそこの本屋、何軒かもう11巻売ってるZE

まぁハルヒん時も3日前から売ってたが…

632:名無しさん@ピンキー
07/05/22 22:17:52 SJTQGoy2
>ID:jwTqL/Vm

落ち着け
あわてると的を外すぞ

633:名無しさん@ピンキー
07/05/22 22:48:38 QkVIKQCk
17時ごろアキバのアニメイトで11巻買えたぜ

634:テンプレっぽい何か
07/05/23 01:04:15 mRyUZlmO
「今日もいい天気なのね~、きゅいきゅい。
 あ、シルフィ、お姉さま発見したのね! 何してるのね~? お・し・え・て・なのね~!
 ~~~~!! うるさいからって杖で殴らないで欲しいのね。
 きゅい? その本読んだことあるのね。女の子が勇者に恋をしちゃうんだけど、勇者さまが鈍すぎ
て空回りしちゃうお話なのね。お料理したり、一緒にお風呂入ってみたり、一緒に寝たりしてるのに
勇者さまに気づいてもらえなかったのね。でも最後は確か気づいてもらえたのね。確か、え~となの
ね…………
 お、おお姉さま、ど、どどどうしたのね!? 顔が怖いのね。シルフィは何もしてないのね。無実
なのね。え?
『ネタバレは公式発売日の翌日から』? で、でもシルフィ発売日なんて知らないのね。きゅい?

『ここで見て

MFJ文庫公式HP
URLリンク(www.mediafactory.co.jp)

載ってるはず』
 あ、ありがとうなのね。次から気をつけるのね。でもお姉さまなんでルーンを唱えてるのね? 
お仕置き? そんなひどいのね。きゅいきゅいの言うことも少しは聞いてほしいのね。きゅい?
『反論などSSに関する文句は“保管庫”の“叩きスレ”で』って、お姉さま聞く気がなさそうなの
ね! あ、今舌打ちしたのね! やっぱり聞く気がな……な、なんでもないのね。お、おおお願いだ
から“ウィンディ・アイシクル”はやめてほしいのね。
 そそっそういえばお姉さま、人が怒るのは動物のお乳に含まれる“かるしうむ”が足りてないから
ってサイトに聞いたのね。だからシルフィがお姉さまにおっぱいをあげるのね! そうしたら怒らな
くなるのね。は~い、お姉さまミルクのお時間ですよ~なのね。
 きゃっ、ごごごめんなさいなのね。別にお姉さまがペチャパイだって言ってるわけじゃないのね。
世の中にはそういうのが好きな人もいるのね。だから“アイス・ストーム”は……

マターリしようなのね~~~~!!!!」

635:ぺとるーしゅか
07/05/23 01:07:10 mRyUZlmO
テンプレが話題に出てきたから作ってみようとしたんだが……肝心の部分よりネタが長いorz
ま、好きにして下さい

636:痴女109号
07/05/23 05:17:29 YGULRSV0
またまた、早朝から投稿します。
>>483-491の続きです。



637:痴女109号
07/05/23 05:20:17 YGULRSV0

 こんこん。

 シエスタが部屋をノックする。
「ミス・タバサ、お食事をお持ちいたしました」
「入って」
 扉の奥から声が聞こえる。
 ドア越しだけに、か細く、小さいけれど、はっきりとした意思を感じさせる声。
(ご病気だと聞いたけれど……案外具合はいいのかも)

「それでは失礼致します」
 シエスタは扉を開けると、キチンと礼をし、室内に入る。
 そこに、いつもルイズにしているような反抗的な態度はカケラも見受けられない。

 と言うより、本来シエスタにとっては、むしろ生徒や教師一人一人に対し、こういう所作をとる事こそ自然なのだ。彼女はあくまで、この学院における使用人であり、家政婦であり、一人の平民に過ぎないのだから。

 才人がハルケギニアに出現して以降、シエスタは驚くほど自分が変わったと思う。
 まず、第一にメイジが怖くなくなった。
 これまで彼女たちにとってメイジとは、自分たち平民にとって生殺与奪の権を握る、文字通り“怒らせれば命は無い”というほどの対象であった。
 しかし、才人を通じてシエスタは、彼ら貴族もまた人間でしかない事を知った。
 そして、この学院のメイジたちも同様に、才人によって、平民たちもまた人間であるという事実を知ったのだ。

 結構以前までは、本音はともかく、この学院で才人の事を堂々と、
―平民め!
 と、口に出して誹謗できるもの、もうあまりいなくなっていた。
(俺をそしれる資格のある者は、俺以上のことが出来るやつだけだ)
 才人のその、あけっぴろげな笑顔の裏にある自信は、この学院の全ての見習いメイジたちも、無言で認めざるを得ないものがあったのだから。

 もっとも、ルイズが卒業すると同時に才人が彼女をめとり、新たに領地と官位まで下賜される、という事実が発覚した現在では、そうはいかない。
 いまや彼は、この学院における嫉妬と羨望の眼差しを一身に受ける存在であった。
 無論、そんな風当たりなど、才人にとっては風馬牛といった感じではあったが。

 しかしその中で、才人にではなくルイズに嫉妬する者がいる事を、……自分以外にそんな者が存在している事実を、うかつにもシエスタは知らなかった。


638:契約(その5)
07/05/23 05:21:47 YGULRSV0

「お食事、こちらに置きますね。このシチュー、精の付くものを特に多くいれてあります」
 そう言いながらシエスタは、トレイをタバサの正面のテーブルに置き、彼女の方をちらりと見る。
 タバサは、ソファに座って読書に勤しんでいた。
(さぼり?)

 仮病を使い、授業をさぼったあげく、わざわざ自室にまで食事を届けさせる。
 そういう貴族たちの尊大さは―慣れているとはいえ―やはり、やりきれないものを感じさせる。
 しかし、若干の違和感もある。
 少なくとも、シエスタが知るタバサという少女は、そういう貴族の典型と言うべき倣岸さを、他人に見せるタイプではない。

 ルイズやキュルケたち程ではないが、それでも彼女にとってタバサはまんざら知らない仲ではない。
 一応、才人たちとともに宝捜し―という名のキャンプ旅行に出かけたこともあるくらいだし、他の学院生たちよりは、寝食を共にした仲だという気安さはある。
 また、その宝捜しの最後の一点である“竜の羽衣”が、曽祖父の形見だったという事実もあって、その時の一行は全員、シエスタの実家を一夜の宿として借りてまでいるのだ。

―しかし、このタバサという異様に寡黙な少女は、その時の旅でもそうだったが、結構コミュニケーションが取りづらい。
ギーシュなどとは違い、何かと頼りにはなるのだが、宝捜しの時も直接的な面倒は、ほとんどキュルケに任せっ放しで、自分はほぼ没交渉だったような気すらするのだが。

 今になって、ふと疑う。
 タバサの目的は、自分をここに呼ぶ事にあったのか?
 自分でなければ出来ない話を、二人きりでするために。
 思い当たる節は―ない。

 シエスタは、このタバサという少女が、自分同様、才人に熱い眼差しを向けているという事実を、まだ知らない。


639:契約(その5)
07/05/23 05:23:31 YGULRSV0

「食事、ありがとう」
 ぼそりとタバサが呟く。
「ああ、いえ、とんでもない」
「おいしそう」
 そう言うとタバサは、自分の食器棚から銀のスプーンを取り出し、その感謝の言葉とは裏腹に、何の感情も見せない表情で、ビーフシチューをすすり始めた。

 シエスタは辛抱強く、タバサが口火を切るのを待っていたが、この寡黙なメイジは一向にそんな様子を見せない。それどころか、一瞥の視線さえシエスタに投げかける気配も無く、シチューを味わっている。
「ミス・タバサ、お紅茶はいかがでしょうか?」
 トレイの上のポッドから、装飾を施したカップに、湯気の立つ紅い液体を注ぐ。
「ありがとう」
 と言いながらも、やはりタバサは、ただ黙々と食事を続ける。

(ばかにしてる)
 さすがにシエスタも思った。
 彼女は出自こそ平民の村娘ではあるが、決して気位の低い女ではない。
 もっとも、そんな彼女でなければ、公爵家の令嬢を向こうに回して、男の取り合いなどできるものではない。
 それとも、彼女がわざわざ自分に食事を持ってこさせたのは、特に意味も無い事だったのか。

 シエスタにとっては―まあ、どっちでも良かった。
 用が無いなら帰るまでだ。明晩にはルイズが、実家から帰ってくる。あの可愛い“妹”をいたぶれる機会は今夜しか、もう残っていないのだ。
 そう思うと、シエスタは矢も盾もたまらず、才人の元は行きたくなった。
 
「では、ミス・タバサ、これでわたくしは失礼致します。食器の方は、また後ほど回収させて頂きますので、扉の外にでもお出し下さいまし。……では、失礼致しました」
「待って」
 この声がかかるまでは。


「昨日の“妹”は元気?」


 タバサは、この時初めてシエスタを見上げた。
 その青い瞳は、いそいそと部屋を出ようとするシエスタを、明らかに嘲っていた。
 そして、シエスタの表情は、タバサの碧眼以上に真っ青になっていた。


640:契約(その5)
07/05/23 05:26:33 YGULRSV0

「……ミス・タバサ?」

 タバサは、もうシエスタを見てはいない。
 さっき見せた、悪戯っぽい表情は、紅茶のカップを持つ小さな手に隠れて、シエスタには何も見えない。
 しかし、その肩も、その背も、僅かに見えるその口元も、いや、彼女の全身が発する雰囲気からして、タバサは明らかに嘲っている。誰を? 無論シエスタを、だ。

「あっ……、あの……ミス? 昨日の妹って、一体何の事でしょうか?」

 タバサは答えない。
 今のシエスタにとっては、百万言の脅し文句より、その沈黙の方が怖い。

「ミス・タバサ。あの、ちゃんとおっしゃって下さい。私にも分かるように、その―」
「風の塔」


 もう疑う余地すら残っていない。
 決定的だ。シエスタの頭はもう真っ白だった。
(見られた……!!)
 そう、見られたのだ。
 見られた以上、シエスタとしては、土下座してでもこの少女の口を封じねばならない。
 なんとなれば、この一件のスキャンダルは、シエスタはともかく、才人の身柄をも決定的に失墜させるものだからだ。彼女としては、無論それは望むところではない。

 シエスタは知っている。
 才人が、その心底では、誰よりもルイズを愛しく思っている事を。
 例え今は、彼女の体の下で、お尻を犯されむせび泣く、シエスタの“妹”奴隷であったとしても、だ。
 そして、ルイズへの嫉妬はともかく、才人が幸せになる事を考えれば、今回のこの醜聞は、断じて表沙汰にするわけにはいかないのだ。

 才人は、彼が望む女性と結ばれ、その上で幸せにならねばならない。
 結果として、彼が自分を選ばなかった事は、骨が鳴るほどに悲しいが、だからといって、その縁談もろとも才人の将来をもを叩き潰してやる、などと考えるほどシエスタは下品な女ではない。
 今回の彼女の暴挙は、自分を捨てた才人への怒りもあったが、何より、ルイズが実家から帰ってくるまでの、ほんの、お仕置きのつもりだったのだ。
 だから、お尻の処女は奪っても、才人の童貞は、あくまで手をつけてはいない。
 ルイズが帰り次第、シエスタは大人しく身を引く予定だったのだから……。


「それでいいの?」


 タバサが眼鏡の奥から、何もかも見透かしたような、そんな目付きで問い掛ける。


641:契約(その5)
07/05/23 05:27:55 YGULRSV0

 何がです?
 と、シエスタにしてみれば、聞き返すべきであったかもしれない。
 タバサのペースに巻き込まれず、自分の望む方向へ話の先を取りたいなら、彼女はそうすべきであった。
 しかし、シエスタの口は開かなかった。
 その、喉元まで出かかった言葉は、語られる事は無かった。
(何で、私の考えてる事が……?)
 もはや、シエスタは冷静ではなかった。
 彼女にとっては、タバサが自分の考えを読んだという事が、何より―才人との醜聞を見られたという事実そのものよりも―パニックを喚起させていたのだ。
 
 タバサからすれば、シエスタの表情と、沈黙の呼吸、全身の雰囲気などから、彼女の意思を読み取り、ブラフをかけたに過ぎない。歴戦の戦巧者でもある彼女からすれば、たかだか平民のメイド一人、論理誘導する事など、さほど難しくは無い。

 結局、シエスタは、そのタバサの問いに返答できなかった。
 なぜなら、シエスタが答える前に、タバサが新たな問いを発してきたからだ。

「何故、それでいいと思うの?」
「わっ、私は何も言ってません!」
「いいえ、分かるわ。貴方はサイトを諦めようとしている。だから逆に、ルイズが帰ってくるまでに、彼の身体に自分の痕跡を残そうとしているのでしょう?」

 タバサがゆらりと立ち上がり、音も無くシエスタの隣に立つ。
 気配をまるで感じさせない、幽霊のような動きで。
 そのまま囁く。
 サイトを奪いなさい、と。
 ルイズから奪いなさい、と。
 サイト自身からも、ルイズを消し去りなさい、と。

「ダメですっ!! そんな事はダメですっ!!」
 タバサの悪魔のような囁きに、シエスタは耳をふさいで、その場に座り込む。


642:契約(その5)
07/05/23 05:30:12 YGULRSV0

―なぜ?
「サイトさんが不幸になりますっ!! サイトさんがっ!!」
―ならないわ。
「なりますっ!! だってサイトさんが、サイトさんが好きなのは私じゃないんですもんっ!! サイトさんはミス・ヴァリエールと結ばれてこそ―」
―違う。

 シエスタは振り仰いだ。
 タバサが無言で彼女を見下ろしている。
 しかし、そのたたずまいは、むしろ森厳とすら言うべきであり、先程までの悪魔じみた囁きを、この少女が発していたとは到底信じがたいものがある。

 タバサは言った。
「人の心は脆いもの」
 例えサイトがルイズを愛していようと、それだけでは得られぬ快楽がある事を教えてあげればいい。
「現に」
 タバサは続ける。
 現に、あなたは実践しているではないか。男でありながら“女”として、“陰門”を征服される悦びを、あなたは彼に、十二分に教え込んでいるではないか。―と、そう言った。
「……」
 シエスタは言葉を返せなかった。

 才人はまだ若い。
 若い男性の目には、精神的な愛情よりも、肉体的な快楽の方がより魅力的に映るであろう事は、シエスタにとっても、自明の理だという事は分かる。
 しかし……。

 そんな事が出来るであろうか?
 殴られても蹴られても、ある意味一途にルイズへの愛を貫き続けてきた才人なのだ。
 ティファニア、アンリエッタ、そしてこの自分と、他の女性に乗り換えるなら機会はいくらでもあった。しかし、それでもなお、諦めずにルイズへの想いを捨てずに、そして念願のゴールインを迎えた彼らを、快楽の力だけで、引き離す事など可能であろうか。


643:契約(その5)
07/05/23 05:31:12 YGULRSV0

「できるわ」

 タバサは言い切った。
「あなた一人じゃ無理かもしれない。でも、私が手を貸せば、出来る」
 そう言ってタバサは、へたり込むメイド少女に手を差し伸べる。

 シエスタは、むしろ恐怖を持って彼女に尋ねる。
 あなたは何故、そこまで自分を、一介のメイドに過ぎない自分を、ここまで後押ししてくれるのですか、と。

「決まってる」
 
 タバサがそう言った時、シエスタの片手はすでに彼女の掌中にあった。

「私もサイトが好きだから」

 そして次の瞬間には、ふわりという感触と共に、タバサの薄い胸の中に吸い寄せられていた。

「サイトを、ルイズだけのものにしたくないから」


644:痴女109号
07/05/23 05:32:47 YGULRSV0
投稿はここまでです。
例によって、これから出勤です。
ちなみに、大阪ではどこ探しても最新刊は見つかりませんでした。

645:名無しさん@ピンキー
07/05/23 07:31:25 sv8hGgSo
朝にいいもの見せてもらったぜ。
続きがきになる終わり方だw


646:名無しさん@ピンキー
07/05/23 07:52:42 23e65bG1
シエスタ、実は灰色だったのか!
タバサの分が混ざって一層色を濃くして…続きにwktk

647:名無しさん@ピンキー
07/05/23 12:21:13 1Nl5uYWo
知ってるか、いろんな色を混ぜていくと黒になるんだぜ ((( ;゜Д゜)))


痴女109号氏GJ!!

648:名無しさん@ピンキー
07/05/23 17:26:07 2vHpySFt
アニメイト天王寺で11巻ゲット
まだ結構あったから近いやつは行ってみてはどうだろう

649:名無しさん@ピンキー
07/05/23 18:25:44 8dWTUJWF
新刊ゲット。
京都、大阪では今日から発売らしいね

650:名無しさん@ピンキー
07/05/23 19:17:37 xy6+6HYq
仙台でもきょうから

651:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:16:38 2zeFzdJ9
ノボル、このスレ見てるだろw

652:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:18:31 TsEvUpxt
かってきたよーin 神奈川

653:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:43:55 fagL1UO+
12時前に横浜アニメイトで売ってたよー
いっぱいあったから安心ですよー

654:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:47:16 5cx+8zt6
あのな、新刊買えて嬉しいのはよく分かるけど、
報告はラノベ板のスレ辺りでやってくんなよ。
別段このスレでやらなきゃならんってこともないだろ?

655:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:49:07 zH6deKUI
とりあえず、11巻読んだので書き込んでおく。
カトレアでSSをお願い職人さん><
あーもう12巻が読みてえよ。

656:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:50:30 3s8CFoQ2
保守も兼ねてるからいいんじゃね?

657:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:50:34 TsEvUpxt
>>654
大体のレスは、どこどこに行けば売ってるよ、という趣旨で書かれていると思うんだな

658:名無しさん@ピンキー
07/05/23 21:58:04 5cx+8zt6
>>657
や、だからそういうのは本スレでも出来るだろ。
わざわざSS主体のこのスレでやる必要があるか? ないだろ。
保守だってそんな必要なもんでもないし。

まー、別段皆もこだわりないみたいだから、いいんだけどね。

659:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:05:13 8dWTUJWF
>>658
落ち着けマリコリヌ


660:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:09:28 u6YcYe1S
>>659
落ち着け。マリコルヌだ。

661:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:11:49 8dWTUJWF
自分で打ってても怪しかったがやっぱ間違ってたか……
わざわざ野郎の名前を確認するのが億劫だった許せもてない人

662:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:13:01 uObGHGq1
新刊読めたので安心してスレ閲覧

>>600 >>644
超GJ! 激しく続きをwktkするぜ

663:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:47:03 2zeFzdJ9
カトレア、タバサ祭りで決定か・・・・。

664:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:56:09 +IwWzgjx
>>663
瞬間最大風速はやっぱりルイズだと思うがな。

665:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:57:46 IBFL7Jx9
今回の最ツンデレ賞&最も輝いていたで賞はサイトだと思う

666:名無しさん@ピンキー
07/05/23 22:59:23 8dWTUJWF
ちょっと落ち着け、解禁日まではまだ時間があるのにまずい空気になってるぞここは桃りんごでも食べて落ち着け

つ テファの胸

667:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:10:09 HnRQT8bf
おれもひとこと
ノボル、ここにSS投下して様子見てないかw

668:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:12:15 23e65bG1
11巻は色々と予想外だったが
 サ イ ト ツ ン デ レ 化 
これ最強

12巻に期待大ですぜ旦那ゲヘヘ


669:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:13:45 zH6deKUI
>>665
サイトは良かった、ルイズを手玉にとって欲しいぜ。
なのでカトレアでチョメチョメを><話繋がってないけどカトレアを!

670:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:14:50 DmVle51O
発売日前に新刊の話バラす奴がいるから嫌なんだ…

671:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:27:55 23e65bG1
ごめんな?

672:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:36:44 F6bb4Hfp
はっはっは、俺は小説一冊も買ってないでこんな所に屯ってる真性だから問題ないぜ

673:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:38:17 IBFL7Jx9
な、なによなによ…なんでわたし、>>671なんかにドキドキしちゃってるのよ…!

674:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:40:10 2zeFzdJ9
とりあえず今すぐカトレアSS隊を編成してくれ。

解禁と同時に頼むぜ。

675:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:42:55 23e65bG1
逆にあの神々しいまでの母性をオレノSSでいかに表現できるか、なんて自己ハードル立てちまうから
書きづらひ

676:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:47:22 +IwWzgjx
この流れ、うっかりすると話す内容にネタバレを練りこんじまいそうになる。

ところでルイズの自殺IFの続きはまだなのか?
かれこれ9ヶ月くらい待ってるんだが。

677:名無しさん@ピンキー
07/05/23 23:52:54 Y9scu1cB
おいおい、解禁まであと丸二日もあるんだぜ?
おまえらはしゃぎすぎ。気持ちはわかるが。
ここまでなら平気だろうっていうライン自体間違いだ。
そんなラインはない。ここまでもどこまでも、全部不可だ。自重しろ。

678:名無しさん@ピンキー
07/05/24 00:02:28 BDPAa4mv
11巻なんだが…
なんか似たようなのが保管庫になかったか?

679:名無しさん@ピンキー
07/05/24 00:05:51 PCe8ZkQM
すぐ上のレスも読めんのかお前は。

680:名無しさん@ピンキー
07/05/24 00:23:37 SvzJ4vMR
ネタバレしてるシネ、シネ

681:名無しさん@ピンキー
07/05/24 00:35:34 YTA9zqbz
タバサが幽霊見て気絶するやつの続きまだかな~?


682:261のひと
07/05/24 01:40:33 wovT7SyO
ご無沙汰してます

683:1/6
07/05/24 01:42:02 wovT7SyO
 空を舞う優美な曲線。

「すげーなぁ……」

 うっとりと地球上には存在しない生物『竜』を見上げるサイトの目には、
 畏敬の念が溢れていた。

「何が凄いの?」
「いや……こいつさ……飛ぶし喋るし……凄い生き物だなーって」

 耳まで良いらしいシルフィードは、

『もっと誉めて、もっと誉めて!! きゅいきゅい』

 逃避行の途中で、喋る事を再度禁じられたシルフィードが、態度でそう示した。

 喋る事が出来る。
 皆にそれがばれていると知ったタバサは、小一時間ほどシルフィードの頭を無言で突付き続けた。

「誉めると調子に乗る」
「いや……でもさ……」
「禁止」

 シルフィードは空から、タバサとサイトは陸から。
 偵察の帰途で、暫く危険は無さそうだと判断した二人はルイズ達の元に急いでいたが、
 無言でいる事に堪えられなくなったサイトが空を見上げ、
 今まで興味は有ったが聞けなかった事を、隣のタバサにぶつけていた。

「俺の地元じゃさ……『竜』って伝説の生き物なんだ」
「普通の飛竜も?」
「あぁ……いねーな」

 始めて聞くサイトの故郷の話に、興味を持ったらしいタバサが、
 じっとサイトを見つめる。

「そうだな……例えば……さ……」
「はい」


 二人の話は何時までも帰ってこないことを心配した、ルイズの差し向けたギーシュとマリコルヌが迎えに来るまで、
 いつまでも続いていた。

684:2/6
07/05/24 01:42:51 wovT7SyO
「む……むむむむむ……むぅ……」
「不気味だから止めてくれないか? マリコルヌ」

 周りを警戒しながら進む旅は遅々として進まず、日によっては野宿する事もあった。

「気にならないのか? ギーシュ」
「何が?」

 夜は交代で眠って、怪しい人物が近づいてこないか注意する。
 キュルケの発案だったが、もちろん彼女は夢の中。

『夜更かしは乙女の敵よ?』

 以上の理由で、この仕事は自動的に男性陣の役目になった。
 最初の当番だったマリコルヌに交代を告げに来たギーシュが目にしたのは、
 回りも見ずにじっと地面を見つめながら唸るマリコルヌで……

「ちゃんと見張ってないと、後で怒られるぞ?」

 キュルケは怖い。

「いや、それ所じゃないだろ?」
「なにが?」
「サイトの話を聞いただろう! 竜の血だよ!!」

 タバサとサイトを迎えに行く途中、風の乗って聞こえてきた不思議な話。

『俺の故郷の伝説でさ、竜の血を浴びたものは不死身の英雄になるって……』

 他にも色々な話が聞こえてきたが、マリコルヌの印象に強く残ったのはそれだった。

「サイトも……きっと、サイトも竜の血を……」
「……いや……しかし……落ち着けよマリコルヌ、そんな筈は無いだろう」
「しかしっ! ギーシュ、現実を見たまえよ、サイトはモテモテで……」
「……確かに」

 見張りの間中マリコルヌの頭には、シルフィードの血を浴びて……

「英雄になれば……英雄になれば……」

 マリコルヌの脳内では、下級生に囲まれた自分がちやほやされていた。
 それはまるで、平行世界で確かに有り得る様なリアリティだった。

「……英雄になれば……」

 ギーシュには、国を出てからずっと続く心配があった。
 今のままの自分は、王家に対する反逆者で、きっと実家にも迷惑を掛けている。


 どちらとも無く立ち上がった二人は、何も言わずに眠るシルフィードを探し始める。

 ……起きているのは彼ら二人だけで……

 …………止めてくれるものは誰も居なかった。

685:3/6
07/05/24 01:43:48 wovT7SyO
「きゅーくつなの、きゅーくつなの、きゅいきゅい」

 竜の姿だと遠くからでも発見されやすいから。
 そう言って、タバサは野営中は人の姿になる事を強要した。

「おねーさまはわがままなのっ、きゅいきゅい」

 でも、そこがいいのー
 心配事が減って、前より笑うようになったタバサを思い浮かべるだけで、
 シルフィードの顔は綻んだ。

「おねーさまがもっと頑張って、サイトに優しくしてあげたら、きっとイチコロなの」

 タバサが他の人と仲良くるのは、ほんの少し寂しいけれど。

「もっと、おねーさまの笑顔が見たいの……きゅい」

 いつもはタバサと並んで寝ていたけれど、今日はタバサをルイズとサイトに押し付けてきた。

「サイトは昼間誉めてくれたから、おれ~なの~」

 二人の邪魔にならないように……タバサなら一人で眠ろうとするだろうけれど、

「今日は無理なのー」

 サイトとルイズの所に向かう途中、たっぷりと怪談をタバサに聞かせた。
 一人で寝るどころか、サイトとルイズの側を離れることも覚束ないだろう。

「おねーさまは、もうちょっと我侭になるべきなの、きゅいきゅい」

 桃色髪をもっと見習うべきなの。
 そんな事を考えながら、シルフィードは一人夜の森を見つめていた。

 人間ならば真っ暗な森は恐怖の対象なのだろうが、

「静かで良い夜なの」

 彼女は竜だった。
 彼女にとっての脅威などこの辺りには一切無く、その所為で知らず知らずのうちに森の奥に入り込みすぎていた。

「……あれ?」

 そんなシルフィードの目に、見覚えのある影がゆっくり近づいてくるのが写った。

686:4/6
07/05/24 01:44:44 wovT7SyO
「あー、ギーシュさま」

 隠れていた筈なのに、あっさりと見破られた二人が杖を握ったまま、
 シルフィードの前に現れた。

「どーしたの? 何か有ったの? でも今日はおねーさまの邪魔しちゃだめ! きゅいきゅい」

 見張りの二人が来た事で、シルフィードは不安に成った。
 折角サイトとおねーさまを仲良くしている途中なのに。
 シルフィードにとって一番大切な事が邪魔されるのかと、
 どきどきしながら質問した。

「……いや……なにもない」
「あ、丸いのだ。あれ? でもじゃあ何で来たの?」
「……マリコルヌ……だよ、シルフィード」

 暗い目で美しい女の姿をとっている『竜』を見つめながら、
 マリコルヌは杖を握る手に力を込める。

「立派な墓を立ててやる……」
「きゅい?」

 まったく警戒しないシルフィードに、悪人に成り切れない二人はかえって手が下せない。

「……っち」

 舌打ちしたギーシュが地面に杖を向けると、いつかサイトに渡した剣が錬成された。

「……魔法は……詠唱が要るけど……これなら……」

 決心し、思い切って振り下ろすだけ。
 魔法で怪我をさせるよりも、ずっと容易い事に思えた。

「この……先を……ほんの少しだけ……」
「きゅい?」

 シルフィードの細い首から、視線を外さずギーシュは呟いた。

「先を、ほんの少し埋め込むだけで……血……が……」
「……ギーシュ……さま?」

 どこか鈍いシルフィードも、二人の様子がおかしい事に気付き始めた。

687:5/6
07/05/24 01:45:51 wovT7SyO
 ……んー、でもでも、ギーシュさまも丸いのも、おねーさまのお友達だし。
 こんな夜中に自分を訪ねてきたことに何か理由が有るのよね?

 そう思ったシルフィードは、じっと二人の行動を待った。

「……ギ、ギーシュ早くしろよ」
「っ、き、君がやればいいだろうっ」
「そ、そんなっ……」

 帰る場所の無い緊張感や、現状に対する不満が、見張りによる睡眠不足で加速されていた二人だったが、
 一切邪気の無いシルフィードの瞳で見つめられる事で、急速に自分を取り戻していった。

「……や、止める……か?」
「そ、そうだよなっ!」
「きゅい?」

 こうしてシルフィードは一切事態を把握しないまま、

「シ、シルフィード、野営地から離れすぎているから僕たちが送ろう」
「そ、そうだよ、女の子が一人でこんな所に居たら危ない」
「うんっ、ありがとーなのー、きゅいきゅい」

 暢気なシルフィードが、二人に連れられるまま野営地に戻ると、

「居たっ……」

 人目を忍んでいた筈なのに煌々と明かりが灯されて、眠っていた筈のタバサも、サイトも、ルイズも、
 キュルケや、モンモランシーでさえ起き出していた。

「あれ? どーしたの? おねーさま」
「一人でどこに行ってたの?」

 駆け寄ったタバサは、シルフィードを睨みながら短い言葉をぶつけた。

「えと……森の奥の方に」
「心配……したっ」
「……ご、ごめんなさい」

 シルフィードの不在に気が付いたタバサが、サイトやルイズのみならず、全員を起こして辺りの捜索を始めていた。

「もうしない?」
「はい、おねーさまっ!」

 心配してくれた事を悟った、シルフィードはニコニコとタバサに抱きついた。
 そんなシルフィードを何時もの様にどかしたりせずに甘えさせたまま、
 タバサはギーシュとマリコルヌに頭を下げた。

「ありがとう」

 そんなタバサを、サイトもルイズもキュルケもモンモランシーも、
 皆で暖かく見つめている。

688:6/6
07/05/24 01:47:04 wovT7SyO
『『言えません 襲うつもりで 探したとっ』』
     ―ギーシュとマリコルヌ、二人の心の川柳。

「いや、気にしないでくれたまえ、見張りとして当然さっ」
「いやいや、まったくだ」

 謙遜するギーシュを、モンモランシーは誇らしげに見つめていた。
 
『その目を……その目をヤメテェェェェ』

 ギーシュの心は結構重傷だ。

『……ぼ、僕は?』

 マリコルヌも傷ついた。

 ともあれ、全ては丸く……

「ねーねー、おねーさま、『ハカ』ってなに?」
「? どこで聞いたの?」

 ギーシュとマリコルヌは思わず首を竦めていた。
 そんな二人に気付かず、皆はシルフィードの話に聞き入っている。

「んとね、森の奥でギーシュさま達が……『立派なハカ』って」
「「「???」」」
「あと、先っちょだけとか。 ギーシュさまと丸いので順番争ったりとか」
「えと……」
「あとあと、『血……』とか……言ってたの~きゅいきゅい」

 静かな森の空気が凍りついた。

「まさか……『破瓜』?」
「? だからだからっ、ハカって言ってたの~、あと血とか、早くしろとか、君がやれとか」

『『ちょっ、まぁぁぁ、その言い方はぁぁぁぁぁ』』

 ギーシュとマリコルヌは言葉に成らない絶叫を上げるが、本当の事は更に言えなかった。

「……とりあえず」

 風と水が静かに杖を構え、怯える土と風に向き直る。

「「しんぢゃえぇぇぇぇ」」


 お前ら、人目忍んでるんじゃなかったのか?
 いつまでも続く少年二人の悲鳴は、後日この周辺の怪談になったらしいが……

 それはまた、別のお話。

689:名無しさん@ピンキー
07/05/24 01:48:13 wovT7SyO
GWから全開で別の事してた挙句に、そっちは纏らず。

……保管庫含めてサボりまくっている形ですね、失礼を。
ではまたっ、今度は近いうちに。

690:名無しさん@ピンキー
07/05/24 02:50:24 a5txEAve
ダークな方面に転がるかとガクブルしてたけど、そっちかよ!!!

とりあえずほっと安心しつつGJ!
きゅいきゅいかわいいよきゅいきゅいー

691:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/05/24 04:45:03 fRG+rSoI
さてと、新刊購入前に一発選択肢モノ投下。
あー、田舎に住んでる事をこれほど後悔したことはないわ…orz

692:子供のころに戻って ◆mQKcT9WQPM
07/05/24 04:46:26 fRG+rSoI
大変な事をしてしまった。
三人はそう思ってお互いに顔を見合わせる。

「なんだよーおまえらー。それにここどこだよー」

目の前では二~三歳くらいの小さな男の子が、ぶかぶかの服に絡まれて不満そうにしている。
それはそうだろう。
彼にしてみれば、いきなり見も知らぬ場所に連れてこられて、しかもサイズの合わないぶかぶかの服を着せられているのだ。
動きにくいったらありゃしない。
男の子は黒い髪を揺らしながら、服と格闘を始めた。

「き、記憶がなんかヘンになってない?」
「…一時的に退行しているみたい」
「じゃ、あれ小さい時の…?」

三人の、黒と桃色と水色の髪の娘は、魔法陣の中心でようやくぶっかぶっかのズボンから脱出した男の子を眺める。
ぶかぶかのTシャツだけになった男の子は、壁際に面白いものを見つけた。

「わー、かっこいー!」

とてとてと駆け寄って、その鞘を持って、そのまま。
重さでばたんと倒れた。

「いったー!」
「なあ相棒、もうちょい優しく扱えないのかよ」
「わー剣がしゃべったー!おもれー!」
「…おもろいか?じゃあおいちゃんもっとしゃべっちゃおうかなあ」
「あはははははははははは、なんだこれー」
「今のどこにウケたのか知らんが。相棒昔はこんなに素直だったんだなー」
「あははははははははははははははははは」

喋る魔剣と夢中になって遊ぶ男の子を、三人は揃って見つめる。
男の子は一生懸命がんばって剣を鞘から抜き、よっこいしょ、と持ち上げて本人だけは格好良いつもりでよろよろと天井に向けて構える。
そしてそのまま、あわわわわ、とか言いながらバランスを崩して仰向けにころんと転がる。
Tシャツの裾からちいさなおちんちんが見えた。
三人はソレを見て、それぞれ別の方向を向きながら、赤くなって顔を逸らす。

か、カワイイっ…!

三人が三人とも、思い切り母性に直撃を食らっていた。
やばいまずいナニアレ!めっちゃ可愛いじゃないの!
ま、まさかここまで破壊力があるなんて…!
鼻血吹きそうです、私。
そして最初に動いたのはやはりこの人。

「あーほらほら、危ないですよサイトさん。そんな刃物振り回しちゃ。ね?」

シエスタは小さくなった才人に駆け寄って、デルフリンガーを鞘に戻してから、才人を抱き起こす。

「うー、あたまうったぁ…」

シエスタの腕の中で、涙目で小さな才人はそう訴える。

つー。

ソレを見たシエスタの鼻から赤い液体が流れ出る。
鼻血であった。

693:子供のころに戻って ◆mQKcT9WQPM
07/05/24 04:47:08 fRG+rSoI
「ちょっとシエスタきったないわねえ!サイトが汚れちゃうじゃないっ!
 ほらほらサイトー。こっちいらっしゃい。おねえちゃんがなでなでしてあげまちゅよぉー」

脇からルイズが出てきて、才人の手を取って、シエスタから奪い取りそのまま抱き締めてなでなでする。

「くすぐったいよぉ」

それでも優しく抱き締められてイヤな気はしないのか、まるで子猫のように小さな才人はルイズの腕の中でのどを鳴らす。
くっはー。ナニコレ。

「ああもうなんでそんなかぁいいのよもうっ!」

思わず抱き締める腕に力が篭る。

「い、いたいよおねぇちゃん…」

ルイズの腕の中で才人がそう訴える。
そのルイズの頬を、一陣の風が切り裂く。ルイズの頬に一本の赤い線が入り、そこから血が流れる。
『エア・カッター』の魔法であった。

「…何すんのよ」
「…嫌がってる」

ルイズの視線の先では、タバサが大きな杖を構えて殺気を発していた。
本気モードである。
ルイズはタバサのその視線に応え、才人を床に降ろし、懐から杖を取り出して、構える。

「やろうっての…?」
「サイトは、渡さない」

私だってなでなでしたいもん。
そして二人のメイジの戦いが幕を開けた。

694:子供のころに戻って ◆mQKcT9WQPM
07/05/24 04:47:49 fRG+rSoI

事の始まりは。
学院の図書室で、タバサが『形態変化』の術式の書を借り出した所から始まる。
タバサはその中の『成長』の術式で、才人を誘惑した時の事を思い出し、もう一度試そうと思った。
しかし、その帰り道、タバサはとんでもない事を思いついてしまう。
サイトに使ったら、どうなるんだろう。
青年、もしくはナイスミドルな才人。
…いいかもしれない。
タバサは書を手に、早速、才人の下へと向かったのだった。
そして当然才人の所には。
例の性悪貴族と、でかちちメイドがいるわけで。

「…何の用よチビっこ」
「お帰りはあちらですよー」

部屋の入り口を二人で固めて、ルイズとシエスタはタバサを部屋の中に入れまいとする。
その中には。
外の状況も知らずに、机に突っ伏して居眠りしている才人が居た。
何故か髪の毛にリボンなんか結ばれているが、それはメイドとご主人様の二人が悪ノリして、寝ている才人にいたずらしたものなのだが、それはまた別の話。
…仕方ない、作戦変更。

「話がある」

タバサは、攻め方を変える事にした。
篭城する相手に包囲戦は基本だが、物量がない時に包囲戦を行うのは自殺行為だ。

「あによ」
「なんですか」

まずは、二人の警戒を解くところから…。
そしてタバサは、しばらくぶりに才人以外の人物の前で、長い台詞を喋る事になった。

タバサの計画にまず食いついてきたのはルイズだった。

「そ、それは確かに見たいかも…!」

そして言われもしないのに棚を開いて魔法陣に必要なモノを捜し始める。

「待ってください」

それを止めたのはシエスタだった。
シエスタはタバサに尋ねた。

「それ、若返る魔法とかないんですか」

タバサはその言葉に、こくりと頷く。

「あることはある」

ただし、若返りの魔法は欠点がある。
体と共に記憶も退行してしまうのだ。
若返った才人はつまり、自分達の事を知らない才人ということになる。
しかも、持続時間が半日程度と、あまり長くない。
しかし。
次のシエスタの台詞が、二人のメイジに若返りの術式を選択させることになる。

695:子供のころに戻って ◆mQKcT9WQPM
07/05/24 04:49:26 fRG+rSoI
「ダンディなサイトさんならそのうち見られますけど。
 ちっちゃくて可愛いサイトさんなんて、そうそう見られませんよ」

盲点であった。
そして三人は。
眠っている才人をふんじばり、無理やり若返りの術式を才人にかけたのである。

そして現在。

「サイトをなでなでしていいのは私だけなんだから…!」
「…サイトは、私が可愛がる」
「何を言うんですか、私がお持ち帰りするに決まってるじゃないですか」

三人はデルフリンガーとじゃれあっている才人を尻目に、火花を散らしているのであった。

696:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/05/24 04:51:48 fRG+rSoI
はい以上。
今回選んでもらうのは、誰がこども才人をお持ち帰りしたか、です。

最初に10…は多いな、5票集めたキャラで書き始めますので。
NGワードはもちろん男と、その場にいない人で。
では、はじめー。

*あと以前リクのあったオリジナル設定まとめてみました*
URLリンク(wikiwiki.jp)

697:名無しさん@ピンキー
07/05/24 05:12:30 75GmVVSg
なんか妙にリビドーにクルのがきたーww

ショタ少年にはきょにゅーなおねいさんが似合うと思ってるんでシエシエに ノ

698:名無しさん@ピンキー
07/05/24 05:15:43 ffPZ7wtb
アン様だな
ダメならシエシエ ノ

699:名無しさん@ピンキー
07/05/24 05:19:40 rHQfu6Oz
女体化ギーシュで

700:名無しさん@ピンキー
07/05/24 05:25:47 phEhs3wK
テファで
無理ならタバサ

701:名無しさん@ピンキー
07/05/24 05:39:28 fA3R38/6
密かに遊びに来ていたテファで。
無理ならシエシエ。

おっぱいは正義!

702:名無しさん@ピンキー
07/05/24 06:50:17 uMBvbTHR
ルイズ

ってだれも言ってやらないんだな…
というわけでおれはカトレアねえさ(ry

703:名無しさん@ピンキー
07/05/24 06:55:25 Tt4BFS6v
せんたいさんGJ~!


やけにシエシエの比率たけーなぁ…このままではマズイっ!
てなわけでタバサに一票。


でもせんたいさんなら結局全部書i(ry

704:名無しさん@ピンキー
07/05/24 06:56:10 tzIdKqwY
子供だったらテファだろ。
だめならシエスタ。
だがここでシルフィと言うのは駄目か?

705:名無しさん@ピンキー
07/05/24 06:59:23 I3hPGEem
シエスタでお願いします

706:名無しさん@ピンキー
07/05/24 07:15:43 n/rWVdY/
ここはとりあえず全キャラ・・・

707:名無しさん@ピンキー
07/05/24 07:20:55 rlmx5TvG
あえてシエスタで

708:名無しさん@ピンキー
07/05/24 07:36:22 sqn6i+mY
面倒だからもう全員でw


709:名無しさん@ピンキー
07/05/24 07:38:24 YTA9zqbz
タバサ希望!

710:名無しさん@ピンキー
07/05/24 08:02:18 MpxmHL9O
なんだこのルイズの不人気っぷりはwww

最近影薄いからテファがよみたいなァ
だめならシエシエで

711:名無しさん@ピンキー
07/05/24 08:11:05 dQJ8LinP
全員よろ

712:名無しさん@ピンキー
07/05/24 08:51:03 ZEgeYFPt
やっぱ最初はルイズだな

713:名無しさん@ピンキー
07/05/24 08:54:22 a5txEAve
きょにゅうおねーさんにかわいがられるのがショタっ子の宿命

なのでシエシエに一票

714:名無しさん@ピンキー
07/05/24 09:26:26 esA2zHb9
ルイズ希望

715:名無しさん@ピンキー
07/05/24 09:34:29 5R0pRnNF
壊れっぷりが見たいのでアンリエッタ

716:名無しさん@ピンキー
07/05/24 10:03:22 FYUWLJuu
よく分からないけどマリコルヌって言ってみる

717:名無しさん@ピンキー
07/05/24 10:57:59 P917TiV8
ルイズをあげるがそれでも!!
それでもせんたいさんはやってくれる!!

718:名無しさん@ピンキー
07/05/24 11:19:49 LDB8HzVQ
はっはっは、当然出遅れですよ、とりあえずせんたいさんGJ!

しかしせんたいさんの言ってること聞いてないヤツばかりでワロタ

719:名無しさん@ピンキー
07/05/24 11:40:06 G6eq6QTP
その場にいる人で良いなら、何故せんたいさんの名前が挙がらんのだお前ら?




シエシエにイビョーウ

720:名無しさん@ピンキー
07/05/24 12:30:59 wEupD3TZ
無駄と知りつつ今更ルイズに一票



子供サイト相手ならテファも見たかった

721:名無しさん@ピンキー
07/05/24 12:34:43 /8jm8SHJ
タバサに1票
タバサって子供の世話とか苦手な感じがするので、困った事態に対処できす゛オロオロするシーンを読んでみたいです

722:名無しさん@ピンキー
07/05/24 14:35:01 GLMjNNkZ
無駄と知りつつ、アンとシルフィに一票
駄目ならシエスタ

723:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:12:13 vrTv8IBT
ルイズとテファ以外なら誰でもOK。
この二人はノボルがメイン巻を必ず書くだろうから出番の落ち着く他キャラで><
よって、デルフリンガーに一票。

724:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:15:37 YEWU0BYg
確定した後いつまでやってんだ
てか、投票の時だけなんでこんなわらわら湧いてくるんだ

725:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:28:34 dwe0QR11
>>695
うはー。これまた退行才人キタナ。さすがはこのスレの良心せんたいさんw
ってか設定資料みたいの作っちゃだめじゃないかwまじでノボルかw

>>724
みんなせんたいさんを愛してるからね。せんたいさんが来た時が一番レス数
が伸びる

726:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:41:20 bkr/hqPU
「投票の結果が繁栄された後編」投下されても
そんなに伸びなかったりするけどな

ふだん感想書く気がない人でも
投票だと何にも考えずにレスできるってだけの話

727:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:44:37 MqHOs44c
シエシエだったら「ママのおっぱい美味しーい?」とかいって赤ちゃんプレイ的ものやりそうで
面白いかも。
せいたいさんがんばれ~


728:名無しさん@ピンキー
07/05/24 17:43:47 SvzJ4vMR
あと半年まちか(´・ω・`)

729:名無しさん@ピンキー
07/05/24 18:23:55 dQJ8LinP
12巻は来月出版してくれたっていいよな

730:名無しさん@ピンキー
07/05/24 18:38:17 sTKZmdZc
新刊は明日病院にいくついでに買ってくる
って行ったら新刊買ってくるついでに病院に行けって言われそうだな

731:名無しさん@ピンキー
07/05/24 19:12:04 +Y6zXEBw
おだいじにねと言っておく。

少し巻き戻るけれど、書き込みやすい環境を作るのも大切だなーと思うよ。
荒れ気味になった後なんかだと特に。
SS以外は読みたくない人だと、書き込みやすいのは邪道なんだろうけどねw
同じモノを見ている人同士で語りたい事も有るしな、本スレで新刊でエロパロが楽しみなんてーのは顰蹙ものだしさ。
少しは許容してくれると助かる。

バレは自重しろって思うけどね。

あー、あと保管庫の雑談スレもあるけれど、人いねーもんな。
一体感を感じたいっていう役には立たないしな、微妙に心を痛めていたので語ってみる。

732:名無しさん@ピンキー
07/05/24 19:24:49 sqn6i+mY
たしかにあそこ人いないよね。仕方ないかも
しれないけどさ。覗いてみてちょいとさびしくなったw


733:名無しさん@ピンキー
07/05/24 19:30:03 0surV7nS
あれ、一目見ただけだとどこにあるか分からないと思うんだが。
叩きスレは名前のままなのに雑談用掲示板は意見交換ってなってるし。
FrontPageの字も小さいよ。

734:名無しさん@ピンキー
07/05/24 19:31:40 +Y6zXEBw
ま、ここの流れが速すぎなだけの気もするけどな。
不思議なくらい流れが速い。
雑談スレペースで動いてるSSスレだってあるもんなぁ・・・

さて、語るのはこの辺で自重してROMに戻るよ。
荒れると黙って心を痛めている者が居るのを知ってくれると幸せ。

最後に職人方に感謝を、このスレはとても好きだ。

735:名無しさん@ピンキー
07/05/24 21:19:06 MpxmHL9O
そんなにじらしちゃらめぇぇぇ!


とか言いつつせんたいさん登場wktk

736:名無しさん@ピンキー
07/05/24 22:53:25 P9AkGOhK
>>730
おじいちゃんたら、くんかくんかしすぎるから……。

737:名無しさん@ピンキー
07/05/24 22:56:47 zIX76PMo
>>736
せんたいさんかと思って一瞬期待しちまった

738:名無しさん@ピンキー
07/05/24 23:29:02 dQJ8LinP
むしろ無垢で好奇心旺盛なサイトを3人全員でいただきまーす、でもOK

739:名無しさん@ピンキー
07/05/25 01:22:34 5xmCUVWE
あ~ちきしょ~

アン様援軍が欲しいぜ。信者数が減(ry

740:名無しさん@ピンキー
07/05/25 01:50:27 c/3eaLwH

四肢を切断したルイズの目の前で、薬漬けにした才人を無理矢理犯すアン様
ルイズの謀略とか虚無魔法とかにより城ごと王位を乗っ取られ、以降彼女の飼い犬となってるアン様
町から密かに浮浪児たちを狩り集め、美少年は奴隷に、美少女は高級娼婦に仕立て上げて財源とするアン様
いろいろあってガリアに捕らえられるも絶妙の性技を発揮してジョゼフとミョズニトニルンを逆に奴隷にするアン様
湖から引き上げたウェールズの腐乱死体を指輪の力で復活させてドロドロプレイを楽しむアン様
「世界統一して法改正して無理矢理使い魔さんを夫にしよう」と思い立つ、戦記の主役外道女王アン様
密かにルイズやシエスタを捕らえさせて調教を施し、自分に心酔させた後孤立した才人を篭絡する策士アン様
「ルイズの犬が駄目なら本物の犬といたせばいいじゃない」と獣姦の道を突き進むアン様

とりあえずこの辺の妄想で手を打つというのはいかがか?

741:名無しさん@ピンキー
07/05/25 03:38:11 x1ThHaHH
出遅れすぎたがせんたいさんGJ!

お前らせんたいさんの言うこと聴く気0かよww今更だが投票してみるか
つふたなりキュルケ

742:名無しさん@ピンキー
07/05/25 09:19:02 QMnhvDYb
子供化才人は誰と仲良くした方がいい?ルイズ?シエスタ?タバサ

 ◇ふー、びっくりした

うーん、今回は簡単だとぼくは思っていた。
だって、ルイズは本編のメインヒロインだものね。これからもずっとつきあっていかなけ
ればならないのだ。この質問のこたえなんて考えるまでもない。けれど、最近のサブヒロ
イン情勢を、みんながどんなふうに感じているのか、それが探りたくてこのテーマにした
のだ。

するとあらら、不思議。寄せられたのは厳しい反ルイズのレスばかりだった。なぜなのか
しらん? というわけで、今回は多数を占める「シエスタ」派からいってみよう。

「メインヒロインと友好関係をつくるのは『望ましい』ことであって、『なすべき』こと
ではない」(住所不明・名無しさん@ピンキーさん)。
「都合のよいときだけ、ご褒美とかなんとも思ってないといいながら、なにか起きると犬
だ、お仕置きだという女となぜつきあわなければならないのか?」(大阪市都島区・才人さん)。
「ルイズとは仲良くしたほうがいいに決まっているが、サイトから頭をさげてまで仲良く
する必要はない」(海外在住・イラストに騙された名無しさん)。
「主従ごっこのような関係ならいらない。雇用主とは要請があれば協力し、なければ距離
をおくくらいでちょうどいい」(北海道旭川市・優子さん)。

ふー、びっくりした。でも、反ルイズ派の意見はほぼ一点に集中している。
せんたいさんだからどうせ全部書くだろうというもの。それ、ほんとなのかなあ。


今回のこたえは数字のうえでは「シエスタ」派が圧倒的だったけれど、
5時に寝ていた多数のサイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ルイズとも仲良くしたほうがいい。あたりまえの話だよね。
レスをくれた「多数派」はあまり妄想やネットの情報に踊らされないほうがいいのではないかな。

続きまだー?

743:名無しさん@ピンキー
07/05/25 11:27:34 0S41/l2f
せんたいさんGJです!!!
相手が誰でもいいので続きまっております

744:名無しさん@ピンキー
07/05/25 11:39:22 0l5GDDrs
大変なことに気付いた
11巻の内容もふまえるとサイトが最萌えキャラなのでは
当然の事ながらSSには9割以上の確立でサイト出すことになるし

745:名無しさん@ピンキー
07/05/25 13:05:21 VWJe7btv
ルイズが寝ている間~起きるまでに
・ルイズの部屋でサイトを夜這いする
(可能と思われるキャラ:タバサのみ 深く眠らせる魔法をルイズに施す)
・自分の部屋へ連れて行って1戦する
(やりそうなキャラ:シエスタ・アンリエッタ・おっぱい)


こんなのは如何か?フツー過ぎかもしれんが

746:名無しさん@ピンキー
07/05/25 13:49:37 8bvY5myb
姫と乳はもうフラグ消滅してるし微妙だな

747:名無しさん@ピンキー
07/05/25 16:10:01 SSlENjrW
アン様はこれからだよ これからどんどんダークサイドに堕ちるよ

748:名無しさん@ピンキー
07/05/25 16:23:31 JUnfHHtQ
>>742
実名を出してやるなよ、彼がかわいそうだろ

749:名無しさん@ピンキー
07/05/25 16:43:06 I0hAFY01
桃りんごはむしろコレからだぜ!

750:名無しさん@ピンキー
07/05/25 17:41:47 087MhVXn
>>746 >>745
の おっぱいが違ってそうな件について・・・

あと姫さまは洗脳消去が復活フラグだと信じてる。


751:名無しさん@ピンキー
07/05/25 18:32:40 i0BBkiW1
>>750
姫様は洗脳消去の後遺症で、記憶を失い幼児退行を起こします。

752:名無しさん@ピンキー
07/05/25 19:20:15 uA+io2TJ
>>750
同志よ!!

あれ?洗脳消去ってサイトのやつだよね?

753:名無しさん@ピンキー
07/05/25 19:24:01 XCrDnymf
>>751
うたわれはもういいです

754:名無しさん@ピンキー
07/05/25 19:27:38 FZ2E/tqf
ロマリアの教皇にも騙されてボロボロになる姫様
王位も正気も失った姫様に最終手段として忘却をかけるテファ
姫様が心を保つために必要なだけ記憶を消すと、
その後の姫様は何もかも忘れて幼児退行してしまうのであった

ルイズ「こでで良かったのよ…だって、こうするしか…」
姫様のあどけない笑顔の前で涙を流すルイズ


755:名無しさん@ピンキー
07/05/25 19:32:08 XCrDnymf
た・大変だ。どうしよう?
URLリンク(shop.m-matching.jp)

756:タイムトラボー
07/05/25 20:58:05 T7HeZXi8

「ちくしょう」
「おやどうしたんだい相棒」
「ああデルフか。どうしたもこうしたも、あのクソ女め」
「落ち着きなよ相棒」
「ああすまん。いや実はルイズがな、ちょっと口滑らしたことに腹立てて俺を蹴ったり殴ったり」
「要するにいつものことな訳ね」
「そういう問題じゃねえよ。ああ、あの女の性根叩き直してやりてえ」
「ふむ。どういうことだね?」
「つまりさ、たとえばあの女が子供だった時代に戻って奥ゆかしい大和撫子のなんたるかを叩き込んで」
「よし、じゃあそうしよう」
「あんだって?」
「実は今まで忘れてたんだが、俺には時間移動の能力があってな」
「そんな馬鹿な」
「いやホント。今まで忘れてたけど」
「都合よすぎるだろ!」
「今まで忘れてたんだから仕方ないだろ」
「いや仕方なくねえよ。いくらなんでも納得しねえよ」
「誰が?」
「誰がって……ほら、たとえばここを劇場に例えるとよ、お客さんが納得しねえだろ。途中で帰っちゃうよ」
「大丈夫だって、『今まで忘れてました』なんて無茶な理屈で納得するような客なんてさ、
 可愛い女の子が舞台の上で適当にエロいことでもやってりゃ『まあいいや』っつって最後まで座ってるから」
「そうかあ?」
「そうだって。全く馬鹿な連中さ、女の子が可愛けりゃ後はどうでもいいんだから。
 舞台袖に控えてる脚本家兼演出家だってきっとそう思ってるよ。
 っつー訳で、俺は今まで時間移動能力のことを忘れてた。OK?」
「あー、分かった。納得した」
「ちなみに他にもいろいろ忘れてるからね」
「忘れてねえだろそれ!」
「忘れてるんだって。何でも忘れてて都合のいいときに思い出すよ俺は」
「ああもうグダグダじゃねえか。まあいいや。じゃあお前、ひょっとして俺が元いた世界に帰る能力とかも忘れてる?」
「ああ、忘れてた。今言われて思い出した。そういう能力もあったよ俺」
「ちくしょう、なんか納得いかねえけどまあいいや。じゃ、早速計画実行だ」
「OK相棒」

「ちょっと、何すんのよあんた、私を誰だと思ってんの、縄解きなさいよ!」
「で、10年前ぐらいのルイズを捕まえて洞窟に閉じ込めた訳だ」
「これからどうするんだい相棒」
「そりゃもちろん、一度地球に戻って取ってきたこの道具たちを使って……」
「い、いや……やめて、何するの、いやぁぁぁぁぁっ!」


757:タイムトラボー
07/05/25 20:59:08 T7HeZXi8

「サイトさま、お食事のご用意が出来ましたわ」
「おう……ちょっとしょっぱいぞこれ」
「まあ、申し訳ありません、至らないルイズをお許しくださいまし、サイトさま」
「……凄いな、この教育セット。睡眠学習やら大和撫子を美化したビデオやら……一ヶ月ほどでここまで効果があるとは」
「エロいことは何もしてねえからね、一応」
「うむ、実に合法的だった。これで俺の未来も大分変わるはずだぜ」
「じゃ、帰るか相棒」
「ああサイトさま、どこへ行かれるのですか」
「ん、目的果たしたから帰るよ俺。大丈夫だって、数年後にまた会えるから」
「分かりました。ルイズはサイトさまにお会いできる日を一日千秋の思いでお待ちしております」
「……なあデルフ」
「なんだい相棒」
「ここまで変わっちまったこの子を、ルイズと認識してもいいのかね俺は」
「大丈夫だろ。『これこれこういう理由があったからこんな性格に変わりました』って言っときゃ、客だって納得するよ」
「なるほどねえ。じゃ、帰るか。ああ、どうせだから俺がハルケギニアに召喚された日の地球に帰ろうかな」
「OK相棒。じゃ、また会える日を楽しみにしてるよ」
「おう。んじゃな」

「で、帰ってきた訳だ……うん、召喚の儀式の当日だなこれは。で、この目の前のゲートをくぐれば」
「ああサイトさま、再びお逢い出来る日を楽しみにしておりました」
「と、こうなるわけだ。やあ久しぶりルイズ。俺今日からお前の使い魔ね」
「まあ、でもサイトさまを使い魔にするだなんて」
「名前だけ名前だけ。っつーか、やっぱり俺に仕える方がいい、ルイズは?」
「もちろんですわサイトさま。ルイズはサイトさまのために、この命をかけて尽くし通す所存でございます」
「よしよし。じゃ、まずは部屋に行くか」

「うむ、懐かしい我が家だ」
「サイトさま……」
「おうどうしたルイズ、急に擦り寄ってきて……って、何故俺のズボンのファスナーを下ろす!?」
「ルイズはサイトさまとお別れした後も、さらにお役に立てるようにと努力して参りました」
「それとこの行為に一体どんな関係が」
「殿方の逸物に対するご奉仕も女たるものの務め……では」
「いや、ではじゃなくて……いやぁぁぁぁぁ!」

「さあサイトさま、今日はサイトさまの武器をご購入いたしましょう。どれでも好きなのを」
「おおデルフ、会いたかった!」
「やあ久しぶり相棒。世話焼きのご主人様との生活はどう……おやずいぶんやつれ果ててるね」
「助けてくれデルフ、あいついろいろ底なしだよ! 俺が枯れてもまだご奉仕してくるんだ」
「ははあ、なるほど、尽くせば尽くすほど喜びが増すタイプなのね」
「もう一回タイムトラボーだデルフ! 元のルイズに戻しに行くぞ」
「あ、それ無理。タイムトラボー能力忘れてたから俺」
「はぁ!? なんだそりゃ、いくら何でも展開が無茶だろ、納得しねえぞ俺は」
「大丈夫大丈夫、『今まで忘れてた』ってのが通用するんだから、その逆でもノー・プロブレム。
 言ったろ、この舞台を見に来てる客は、基本的に可愛い女の子が舞台の上でエロいことやってりゃ後はどうでもいいんだって」
「そんな」
「ふふ、サイトさま、武器を選んで学院に戻ったら、またたっぷりご奉仕してさしあげますわ」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
「……ま、どんな子が相手だろうと相棒がひどい目に遭うのには変わりないわな」

 終われ。

758:訂正
07/05/25 21:03:43 T7HeZXi8

下から10行目

○ 「あ、それ無理。タイムトラボー能力忘れてたから俺」
× 「あ、それ無理。タイムトラボー能力忘れたから俺」

759:名無しさん@ピンキー
07/05/25 21:03:52 M3hj6Jp3
これはひどいwww
GJ!

760:名無しさん@ピンキー
07/05/25 21:09:15 T7HeZXi8
>>758
○と×が逆だ……何やってんだ俺はorz

761:名無しさん@ピンキー
07/05/25 21:37:16 1w55RpBb
なかなかおもしろいオチだったw
デルフいくらなんでも忘れすぎだwwww
GJだね

762:名無しさん@ピンキー
07/05/25 21:41:18 5eb0LdyN
なんということw
GJ!

763:名無しさん@ピンキー
07/05/25 21:48:34 FLJ1zmt9
デルフの忘れっぽさありそうでわらたww

764:名無しさん@ピンキー
07/05/25 23:09:09 F3H6oKQ/
こりゃシエスタいらねえな

765:名無しさん@ピンキー
07/05/26 00:11:57 i+juU9Bl
ルイズ・・・、8巻のころから思ってたけど、これはもうだめかも分からんね。

766:名無しさん@ピンキー
07/05/26 00:56:58 peQwiTmx
おう、解禁か。

アンリエッタ……神作家激震、まさかの撤退宣言! んで騙されてるし。
        トリステインの明日はどっちだ?
タバサ……不言実行、積極参戦。いきなりでぃーぷですかそうですか
ルイズ……お姫様属性獲得も、ややパワーダウンか?
     いかん、ツンにしか萌えなくなってるぞ俺。
教皇……ああなるほど納得。
才人……浮気の大義名分獲得。え、違う?
テファ……ようやくスタートラインに。次巻に期待!
カトレア……無敵。祭るしかない。
ヨルムンガント……あのぉ、あっさり20メイルって仰いますけどノボル神?
         それってガン○ムよりでっかいですよね?

ドトーの展開ジャマイカ! 12巻発売いつ?

767:名無しさん@ピンキー
07/05/26 01:16:24 U3mGWyPb
まあ、あれだよね。
サイトとカトレアに抱かれながら寝る・゚・(つД`)・゚・

768:名無しさん@ピンキー
07/05/26 01:41:31 yhw2KuqN
祭り解禁。

タバサの唐突な「はい」とゆう忠犬セリフには悶えた。才人はこれで色々と
動きやすくなったしな。・・・アン様はもう何も言うまい・・・orz
また暗黒面に入っちゃったし

769:名無しさん@ピンキー
07/05/26 02:29:28 tgDN7VJy
こうして見てみると…

記憶消去、タバサ忠犬化、ルイズツンデレ、おっぱい3姉妹(キュルケ、テファ、シエ)チョイ役化、ルイズオヤジ(+ママン)最強伝説


なんだヤマグチノボルってこのスレの職人さんたちの集まりだったのか

770:名無しさん@ピンキー
07/05/26 02:36:52 i+juU9Bl
なんか近いものがあるな。
記憶を消去する前後のルイズの行動や言動とか。
ただ、想像以上の想いをモノローグでぶちまけてるが。
ノボルがこのスレも見てるならミックスアップが期待できるな。

771:名無しさん@ピンキー
07/05/26 02:37:49 p9nd+MWE
かいきーん!まずこれを叫ばせろ。





タバサァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!
ディープキタァァァ!!
これはネタになる!さあ!エロタバサ物こい!来るんだ!いや来てくださいお願いします。

772:名無しさん@ピンキー
07/05/26 06:39:33 yhw2KuqN
11巻
才人:ルイズへの偽りの感情もなくなり真・ラブコメ主人公化。
ルイズ:立場逆転。「ひどい、ひどすぎるわ」。虚無=嫉妬
シエスタ:才人独占権保有中。ピッピッチじゃねーかw
テファ:「胸のおかしい~(ry」ギーシュに視姦(笑)12巻に好御期待
カトレア:甘えたいお姉ちゃんキタ━(゚∀゚)━!
タバサ:忠犬&策士化。ルイズからも才人を護り隊!初モノはディープで!
アン様:ダークサイドへ・・・。また才人とBattle?
カリン様:((((;゜Д゜)))ヴァリエール家最強。

773:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:02:34 uQD4Vs4u
途中まで姫さま成長したなぁと思ってたのにやっぱりあほの子か
これは姫さま暴走→サイトがとめる→やっぱりサイト殿はわたくしの騎士ですわ
な流れを期待していいのかね?

それはまぁ置いといて
1レスサイト帰ったその後ネタ
11巻ネタバレ9文字とオリキャラ一人います

774:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:03:25 uQD4Vs4u
お母様はお屋敷の一番東の部屋でお祈りをしていた。

「始祖ブリミル様にお祈りしてるの?」
「これはね、犬なの」
「犬?」
「そう犬よ。でもね、犬はね、どんなときでもご主人様を守ってくれるの」
「へぇ、使い魔みたいね」
「そうね。あなたも守ってもらえるように一緒にお祈りしましょうね」
「はい、母さま」

ねぇ、サイト。あんたもうこっちでのこと吹っ切れた? あの夜のことは今までご主人様
に尽くしてきたことに対するご褒美何だから気にすることなんてないのよ? わたしはあ
れからもててもてて大変だったわ。わたしの魅力からしたら当然ね。あ、嫉妬した? ふ
ふ、犬の癖に生意気ねぇ。まぁでも全員無視してやったわ。だってわたしってばとっても
高貴なんですもの。なんてったって公爵家様で王位継承権もあって伝説なんですもの。そ
んじょそこらの貴族じゃ釣り合わないわ。
わたしね、もう何年もあんたの顔見てないし、声聞いてないし、守ってもらってないけど
今度は塞ぎ込んだりなんてしなかったわ。だって会えない期間が長ければ長いほど再会の
嬉しさが増すって知ってるもの。あっちの世界に行けばまた会えるもの。でも急いだりは
しないわ。だって自殺なんてしたら天国に行けなくなっちゃうもんね。あ、あんたもし天
国に来なかったらお仕置きだかんね。わたし会えるの楽しみにしてるんだから。もし来な
かったら地獄の果てまで追いかけてって見つけ出してお仕置きしてやるから覚悟してなさ
いよ。ふふ……
この子ねあんたの子なのよ。あんたは知らないでしょうけど。父親がいなくていろいろ大
変だったんだから。まぁ女手には困らなかったわ。むしろ多すぎて困ったわ。ああなんか
ムカムカしてきたわね。いえ、みんなには感謝してるわ。ほんとよ? でもここまで育て
たのわたしなんだから。後数年もすれば使い魔召喚する年よね。この子どんな使い魔を呼
び出すかしら。安心して任せられるかしら。でもそれまではあんたが守ったげてね。

終わり


775:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:30:59 2aTY/b9d
思い出だけじゃ人は生きていけんのです……

776:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:48:12 iUQ5WLHx
そうでもない人もいるよきっと。
俺は無理だけど。むしろ恥ずかしい過去を捨てたいです。

777:名無しさん@ピンキー
07/05/26 11:59:26 FjzyTkqc
>>774
そして、数年後。呼び出されたのは30台の渋い父親。そして娘と母とその他の地獄の修羅場が…まで読んだw

778:名無しさん@ピンキー
07/05/26 12:01:03 i+juU9Bl
ルイズはちゃんとした別れ方なら大丈夫かな。
7巻みたいな別れだったら周りの人たち、フォロー大変だろうな。

779:名無しさん@ピンキー
07/05/26 12:06:00 dWe8f9Eg
>>774
ちょwwwテメーのせいでブチ壊しじゃないかwww
想像したら止まらないぞどうしてくれるwww

780:名無しさん@ピンキー
07/05/26 12:13:18 dWe8f9Eg
アンカミス、>>777な。

781:名無しさん@ピンキー
07/05/26 12:48:40 cbNnPumg
担い手が聖地の門使えば、自由にゲート開けるとかいう落ちになりそうだ
才人は地球に帰りましたが、ハルケギニアでもハーレムやってます、とか

782:名無しさん@ピンキー
07/05/26 13:59:04 k5Ry9rt3
サイトはこっちの世界の文字も読めるように努力するようになったしな。

783:名無しさん@ピンキー
07/05/26 14:33:33 XmM9FKL4
エンディング後もエロパロとか同人とかしやすい妄想が広がりんぐなオチならそれでよし

784:名無しさん@ピンキー
07/05/26 17:58:24 wPfGqFnI
>>781
ゲートが開いた時、才人は地球で結婚してました、なんてことになったら血の雨が降るな。

785:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:30:40 gSNhKkLO
ラスト、帰るのかな。帰るんだろうなぁ。

ルイズ他女の子多数 < 味噌汁

……マリコルヌの気持ちがよくわかるぞ。

786:名無しさん@ピンキー
07/05/26 18:56:02 giDSvSfI
おまいら・・・
ラストとか何年後の話してんだよwww

787:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:00:11 2aTY/b9d
いやいや、第二の黒幕・ヴィットーレ教皇も遂に表舞台に現れたし、案外14巻くらいでサクッとだな……

788:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:01:34 giDSvSfI
ヒント
つ「シャナ」

続けようと思えばいくらでも延ばせるもんさ

789:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:02:00 CSUbkC0j
日本 両親・学校・親友・隣の席の女子・テレビやインターネットなどの文明・テリヤキバーガー・でも普通の人

ハルケギニア ルイズ他数多の美少女・英雄で貴族という立場・でも死と隣り合わせ

あなたならどっち!?

790:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:27:32 tjUosH48
つ日本。

なんてヤツはこのスレにはおらんだろ。
ああでも、12巻が読めなくなるのか?

791:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:28:46 F5BCEGXx
せっかくだから俺は両方選ぶぜ、なサイトを希望

792:名無しさん@ピンキー
07/05/26 19:32:05 355o6fLY
新刊感想
ひょっとしてアン様がいない方が世の中平和じゃないのかという悟空的ポジションに収まりました

793:名無しさん@ピンキー
07/05/26 20:43:34 2aTY/b9d
全ての元凶は喪に服すだとか何とか言って責任逃れ続けてる后殿下。
つか、説教してんのマザーリニだけじゃねーか……何やってんの母親……

794:名無しさん@ピンキー
07/05/26 21:04:33 tjUosH48
まあなんだ、ぶっちゃけるとアレだ。
ガリアがエルフと約束した以上、虚無集めるのはこっちでしないと話が進まん。
特にロマリアにはルビーすらないしな。焦って誑かしもするだろ。
あんまりアン様を責めるな皆の衆。
いざとなりゃ、祈祷書燃やせば済む話だし。

795:名無しさん@ピンキー
07/05/26 21:30:49 yhw2KuqN
>>791
ご都合ENDで両方を行き来できるようになるじゃないの?>才人

>>793
確かに散々甘やかして育てて今は完全に放置だもんな

796:名無しさん@ピンキー
07/05/26 21:38:41 CSUbkC0j
>>795
でも、あんな文明の違う日本とハルケギニアを行き来してたら頭が混乱しそうだな

797:名無しさん@ピンキー
07/05/26 21:48:12 q+ugm+yZ
今日もタバサに字を教えてもらってたサイト君。ふとしたきっかけからタバサにパソコンを見せることに。
だけどサイトがルイズにお仕置きくらってる間にエロゲを起動してしまい…


っていう電波を受信した

798:名無しさん@ピンキー
07/05/26 21:49:24 2aTY/b9d
中世欧州へのタイムトリップツアーと思えば楽しいもんさ

799:名無しさん@ピンキー
07/05/26 21:53:02 F5BCEGXx
才人「この戦いが終わったら、俺、消えっから!」

800:名無しさん@ピンキー
07/05/26 22:09:28 Sw/BjXWb
>>793
サイトとセックルしてるに決まって(ry


静寂が支配する夜のトリステイン宮殿。
大貴族や重臣すら容易には立ち入ることの出来ないその深奥で、今宵も艶やかなる夜会が
催されている。 宴の参加者は、亡き夫に操を捧げる貞淑なる未亡人・マリアンヌ皇后。
もう1人は“我らが剣”、“神のハイパー兵器・ガンダールヴ”こと、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ。

「あぁぁん、あなた~、マリアンヌされちゃう、また、サイト様にオチ○ンチン入れられちゃうぅ……。
 うぅ、 あなたぁ……、マリアンヌ、喪中なのにオマ○ンコされちゃうのぉぉ~ん!」
「くくく…、淫乱な雌豚め。 トリステインの国民も可哀想なもんだよなぁ。 敬愛する皇后がまさか
 こんなに浅ましい豚だとは夢にも思わないだろうな。 そうだ、隣室のアンにお前のよがり狂う声
 を聞かせてみようか。 ほら、『アンリエッタ、貴方のお母様は貴方がサイト様にかけた迷惑料の
 代わりに、毎晩サイト様にオ○マンコさせているのです』って言ってみろ。 啼くんだ、豚王妃っ!」
「んああぁぁぁ~ん、許してくださいまし、許してくださいまいぃぃっ~! あぁん、サイト様の逞しい
 英雄チン○ポがマリーのオマ○ンコえぐってるぅ! あぁ、好き~、大好きぃ、サイト様ぁ~ん!」

マリアンヌは少女のようにイヤイヤとかぶりを振りながらも、一方では娼婦もかくやという妓芸で
激しく腰を振り、サイトの性欲を否が応にも昂ぶらせる。
さもしい痴態を晒しながらも、年下のご主人様に気に入られようと、精一杯愛らしく振舞おうとする
雌奴隷の様子に満足したサイトは、嘲るような口調でマリアンヌ王妃に言うのだった。

「マリアンヌ、お前は可愛いババアだ」
「いや、いやぁぁ~ん……、そんなことおっしゃらないでぇぇ……。 マリーはまだまだ若いのぉぉ…、
 可愛いマリーなのおぉ~! だってだって、サイト様の赤ちゃんだって埋めるんだからぁぁ~んっ!」
「…………それは面白いことを聞いた。 なあ、デル公?」
「おうよ、相棒。 なら、やるこたぁひとつっきゃないわな」
「マルアンヌ、今日はこのままお前の膣内にぶちまけてやろう」
「サイト様ぁん、今日はマリーとっても危険な日なのぉ…、出されたら妊娠しちゃう日なのおぉぉ……」

そうは言うものの、マリアンヌの足はサイトを絡め取って離そうとはしない。
サイトは亀頭の先に押し付けられるマリアンヌの子宮口これでもかというくらい小突き回し、差し迫る
射精の瞬間を感じながら、その浅黒いイチモツを一層膨張させるのだった。

「ひぃぃぃん、サイトぉ…様ぁがぁ…、本気でマリーを孕ませようとしてるぅ! 来るぅ、来るゥ、可愛い
 マリアンヌの中にサイト様の子種が来ちゃうのぉ~んっ! あぁぁん、妊娠確実うぅ…っ!」
「しっかり、孕めよっ! 伝説の子種だ!」
「むははぁぁ~ん! 素敵ぃ、サイト様の子種で受精するの素敵ぃぃん!」


―マリアンヌと子作りEND

801:名無しさん@ピンキー
07/05/26 22:47:51 2aTY/b9d
そのハッソウは無かったわ……アン様の未熟な和服未亡人美女属性分は、お母様で補完だな

802:名無しさん@ピンキー
07/05/26 22:49:07 2Oe5xVHL
>>800
最低の屑だわ!!

803:名無しさん@ピンキー
07/05/26 22:53:19 sn9FL6tC
その調子だと姫騎士アンリエッタも凄い事になるなw
ティファニアもエルフオマンゴでいっぐぅぅw

804:名無しさん@ピンキー
07/05/26 22:58:19 VYZkKVM5
アンリエッタ=アンジェリカ
マリアンヌ=クリス
テファ=フローラ
こうかw

805:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:12:07 KazswKb/
>>800
そんな発想が浮ぶなんて…あなたって…本当に最低の屑だわっ!!


806:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:15:58 YEBF79JJ
>>800
というより全部伏字の意味がないじゃない…あなたって…本当に最低の屑だわっ!!

807:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:20:11 wPfGqFnI
姫騎士で検索すると、三種類のエロゲーしか出てこないんだなw
ルイズ・ティファニア・アンリエッタで被虐三銃士という妄想が浮かんだ。

808:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:25:06 CSUbkC0j
>>800
こんな下品なSS書くなんて…あなたって…本当に最低の屑だわっ!!
だからとっととカリーヌと子作りEND編を書きなさいよっ!!

809:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:25:23 iUQ5WLHx
最低の屑に嫉妬、と書くのは正直躊躇う。

810:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:32:29 KazswKb/
>>800
最低の屑的ノリでいくとハルケギニアの女性はいつ犯っても危険日ばっかりになる訳だな?w


811:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:44:23 sGzRazyH
>>800
アン様に新しいお父様ができるわけですね!

812:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:49:46 1/kJCJHa
なあ、実家から来た手紙って何ぞ?
カトレア危篤のお知らせじゃないだろうな…

813:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:52:31 sn9FL6tC
もう一度読み直せ

814:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:52:47 CSUbkC0j
>>812
ちゃんと嫁

815:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:58:34 1/kJCJHa
やばいな、読んでる最中はちゃんと理解してたつもりだったのに
ディープキスとツンデレサイトの衝撃で全て吹っ飛んでたわ…

816:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:58:36 i+juU9Bl
おそらく>>812はまだ読みきっていない。
あの場面を読み飛ばすことはまずないと思うし。

817:名無しさん@ピンキー
07/05/26 23:59:37 i+juU9Bl
>>815
って、読み終わってたのか。
ごめんなしゃい。

818:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:10:55 l1+M+M2i
いやーしかしエロパロ的にはとても良い11巻でしたわ
出来ればテファがどこで暮らすのか知りたかったけど

819:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:22:01 5U3xWLi3
タバサ物カモン

820:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:31:32 ZDVPqssE
テファがトリステインに行っても虐待されるか忌避される情景しか思い浮かばないんだが

821:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:36:57 l1+M+M2i
それはそれで一本いける

822:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:48:42 8pvXGbhz
――タバサはミョズニルトンに感謝していた。
あの時の襲撃によって、タバサには自身の行為を正当化する
理由が出来たのだから。

講堂、図書館、中庭の真ん中。 ――そしてルイズの部屋。
タバサはルイズが居るところに限り、サイトの唇を貪っていた。
講堂では4回、教室で8回。  ルイズの部屋に入ってからはずっと。

 タバサはいつも情熱的にサイトの口内を犯し続けた。
舌を絡め吸い取り、歯の裏や、軟口蓋を舌先でなぞる。
時にはルイズに勝ち誇った笑みをやり、唾液をすする。
時には軽いフレンチ・キッスを一度きり。

タバサはキスの度、わざと水音をさせる。
嫉妬に燃えたルイズの視線を心地よく感じた。

823:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:49:08 iP5l1J1t
>>820
大丈夫、みんなあの胸にしか意識できないから。

824:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:49:43 pbCIxhgv
そして、サイトに依存してライバルから記憶を消して
独占を目論むヤンデレテファか

825:名無しさん@ピンキー
07/05/27 00:55:43 8pvXGbhz
「い、いいい犬。 お仕置きしてやるんだから。」
ルイズは歯軋りしてサイトを睨みつける。

その鷹のような視線がサイトをおびえさせ、可愛くする。
哀願をこめたサイトの視線がルイズを興奮させる。
そして、その動作すべてがタバサの快楽に変わるのだった。

以下略。まとめ未掲載で。

826:名無しさん@ピンキー
07/05/27 07:53:46 CSxG3C1P
>>825
なんというサディスティック

827:名無しさん@ピンキー
07/05/27 08:15:29 l578TDkb
今まで本読みながら目を合わせなかったのに、今回は本を閉じてサイトに応対してたな
こういうのもツンデレっていうんだろうか

828:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/05/27 13:49:57 RgpxYfzb
新刊出たばっかりなのにも関わらず話の中の時期は1巻の中盤な
『ゼロの飼い犬』3回目投下します。
>>181-187、>>593-600の続きです。

829:微熱の唇 1/8
07/05/27 13:50:41 RgpxYfzb
「……な~んか、おかしいと思わない? あの二人」
 あたしにとっては退屈でしかない、ミスタ・コルベールによる炎の魔法の講義の最中。
 ふたつ前の席に並んで座っているピンク髪と黒髪の二人の後ろ姿を眺めながら、
隣で黙々と授業を受けている友人に小声で聞く。
 
「……授業中」
 話しかけた相手、子供みたいな外見のタバサは、ちらりとあたしの視線の先へ
目を向けてから、すぐに講義を聞くことに興味を戻した。
 
 ホントに生真面目ね、この子なら、授業の内容くらい本で読んでとっくに知ってるでしょうに。
 小さく息をつくと、あたしは自分の燃えるような紅い髪を一房、手で摘んで弄ぶ。
 
 タバサの同意は得られなかったけど、あたしはほぼ確信してる。
あの二人……ヴァリエール家の三女にして魔法の才能0なゼロのルイズと、
その使い魔で、平民なのにメイジのギーシュを剣ひとつでやっつけたヒラガサイト。
 つい先日までしょっちゅう喧嘩してた二人だけど、恐らく……最近、”何か”あった。
 
 なぜって、ここ2、3日のゼロのルイズってば、妙に血色が良く、ツヤツヤした様子なのだ。
逆にサイトの方は目の下にくまなんて作ってげっそりしてる。
 彼に興味がある、この微熱のキュルケにとっては、見逃すわけにはいかない事態。
 
「(あのルイズが挙動不審な様子で、あたしに話しかけてきた翌日からなのよねー…)」
 数日前、ルイズは唐突にあたしがしていたエステの話に乗ってきたんだけど、
どうも何かすれ違いがあるような感じだった。あの二人の様子がおかしくなったのはその日から。
 
「ここはそろそろ、ツェルプストーの女らしい所を見せないとね」
 口の中だけで呟き、頭の中で計画を立てる。
面白くなりそうな予感に、口元が自然と持ち上がるのがわかった。
 
 
 
 その日の放課後。あたしは時間を見計らって、使用人宿舎の近くにある水場へ足を運んだ。
 この時間、ルイズの使い魔さんがここで干し終わった洗濯物を取り込んでいるのは確認済み。
 
 傾きかけた日差しの下、珍しい黒髪に黒い瞳、それにこれまた変わった上着を着込んだ男の子が、
物干し用のロープからルイズのものらしい服を外している姿が目に入った。
 
「……ちょっと、いいかしら?」
「ん?」
 呼びかけると、彼はあたしを振り向く。
 その表情には平民特有の、貴族にへつらい、機嫌を伺う色が見えない。
それでいて、級友の貴族の男子があたしに向ける、見惚れるか……あるいは品定めするような色もない。
 やっぱり、この男の子は、今までにあたしの身の回りにいた男とは、何かが違う。
 
「あ、えーっと……キュルケ。微熱の」
「覚えててくれたのね、嬉しいわ」
「そりゃ、まぁね」
 そういったサイトの口元には、苦笑が浮かんでいた。まぁ、あたしが彼と初めて会ったとき、
あたしは彼とそのご主人様のルイズを思うさま嘲笑ったんだから、そんな反応も当然かも。
 
「で、何の用? ルイズはここにはいないけど」
「用があるのは、あなた」
 そう言って彼に近付くと、サイトは洗濯物が入ったかごを抱えたまま一歩後じさる。
 
「俺に用? どんな?」
「ま、後で良いわ。今はあなたの仕事を先に片づけちゃいましょう。手伝うわ」
 ウインクを見せて、ロープにかかっていたルイズのソックスを取り、カゴに入れる。
サイトは「あ、サンキュ」なんて呟いて、腑に落ちない顔をしながらあたしと一緒に残りの洗濯物を片づけ始めた。

830:微熱の唇 2/8
07/05/27 13:51:52 RgpxYfzb
「悪いね、わざわざ運んでまでもらって」
「気にしなくていいのよ、このくらい」
 けっこうな重さになった洗濯物カゴを、あたしは『フライ』で浮かせて運んであげた。
学生寮のあたしやルイズの部屋がある階まで来た頃には、もうサイトはあたしへの印象が良くなった様子。
 
「それで、結局俺への用事って何なんだ?」
「んー……あたしの部屋で話すわ。入ってくれる?」
 そう言って足を止め、ルイズの部屋よりも手前にある、あたしの部屋の戸を開ける。 
「あ、だったら、洗濯物をルイズの部屋に置いてから」
「部屋にルイズがいるかもしれないでしょ。そうしたら、また何か言いつけられるかもしれないわ」
 そう言って、あたしは魔法で浮かせた洗濯物カゴをさっさと部屋の中に入れてしまう。
 サイトは、まぁそれもそうか、といった顔をして、あたしの後ろをついてきた。
 
 洗濯物を机の上に下ろして、あたしはベッドに腰掛ける。サイトは、珍しそうに部屋の中をきょろきょろ見渡していた。
「そんなところに立ってないで、こっちにいらして」
「え? あ、うん」
 言われるままに近寄ってきたサイトに、ベッドの、あたしが座っている横を手のひらで軽く叩いて示す。
 サイトは、あたしが叩いた所よりも少し距離をとって、浅く腰掛けた。まだちょっと警戒してるのね、可愛い。
 
「それで、用って……」
「ふう……ちょっと暑いわね」
 あたしはサイトの言葉を遮ると、髪をかき上げて後ろに流し、ブラウスのボタンをひとつ外す。
 わざと少し小さめのサイズを選んでいるシャツから、胸が今にもこぼれ落ちそうになる。
あたしの横で、ごくり、と生唾を飲み込む音が聞こえた。
 さぁ、ここからが微熱のキュルケの本領発揮よ。
 
「で、俺への用……」
「まだわからないのかしら? ひどい人」
 ぐいっ、と上半身を彼の方へ寄せて、その顔をのぞき込む。彼の目には上目遣いの私の顔と、
強調された胸の谷間が映り込んでいるはず。この距離なら、香水の匂いにも間違いなく気付く。
 
 サイトが目を白黒させ、その頬がみるみる赤くなっていくのがわかる。
 いわゆるハンサムとは言い難いけど、結構童顔で可愛い顔をしてる。
こんな男の子が別人のように凛々しくなってギーシュに啖呵を切り、目にも止まらない速さで
ゴーレムを次々に切り捨てた所を思い出し、胸に熱いものが灯った。
 上辺だけだったり、過剰に調子に乗ってる貴族の男とは、明らかに異質な人。

 彼が、”女”の前ではどんな顔をするのか。どんな声を聞かせてくれるのか、知りたい。
 そして、今だったらそれがたやすく可能だという自信が、あたしにはあった。
 
「キ、キュルケ……?」
「ええ、キュルケよ。あなたが心に火をつけてしまった女」
 サイトの首筋から耳の裏に手を回すと、そのまま一気に顔を寄せる。
 彼を半ば押し倒すようにして、その唇に唇を重ねた。 
「んむっ!? んんーっ!!」
 あたしを押しのけようとする彼の体に、ぎゅっと乳房を押しつける。この体を本気で拒絶できる男なんて
今までに一人も知らない。サイトの抵抗は、すぐに形だけのものになった。
 
「……っは、はぁ、はぁ……」
 唇を離すと、すぐ目の前には、当惑が半分、陶酔が半分の色をした瞳。あたしの口付けによって、
彼にも情熱の火種が灯ったことがわかる。
 
「あなた……あのご主人様に良いようにされて、不満なんでしょう?」
「え……?」
「最近のあなたとルイズの様子を見てて、何となくわかったのよ。男のことが何もわからないルイズに
使い魔にされて、見返りも無しに無茶なことばかり要求されているんでしょう。……可哀想。あたしが、満たしてあげる」
 
 これが、自信の理由。サイトは、使い魔である前に人間の、男性。
そのことが全くわかってないルイズからなら、彼を奪う事なんていとも簡単。
 あたしは言葉に詰まっているサイトの唇を、再び奪った。

831:微熱の唇 3/8
07/05/27 13:52:40 RgpxYfzb
 唇の間を、舌でつつく。開いて、というジェスチャー。サイトは最初は拒む様子を見せていたけど、
あたしが執拗に舌でくすぐると、少しずつ開いてあたしを受け入れた。
 キスっていうのは、相手を憎からず思っているというのが前提だけど、男にとっても女にとっても気持ちが良い。
気持ちが良いというのは、最大の毒であり呪い。すぐに体も心も縛り、逃れられなくする。
 
 胸を押しつけ、首筋を指で撫でると、サイトの体からは目に見えて力が抜けていく。
 この様子だと、彼、女を知らないのかな。それはそれで、魅力的。あたしだけの色に染めることができる。
 より深く唇を重ね、舌を差し入れるために顔を傾けると―先に、サイトの舌があたしの中に入ってきた。
 
「んっ……!? んぅっ、ちゅ……」
 サイトの舌は、蛇のようにあたしの舌に絡みついてきた。擦るように、撫でるようにあたしの口内が愛撫され、
逆にこちらの体から力が抜けていく。
 舌だけじゃない。サイトの指はいつのまにかあたしの顔と背中に回されていて、耳の裏と、背筋までくすぐられる。
 
 嘘、何これ、上手い。ついさっきまで遠慮がちだったのとはまるで別人。どういうこと……!?
 
 応戦しようとして、あたしの方からもサイトの舌に舌を絡ませるけど、それを逆手にとったみたいに
サイトはあたしから快楽を引き出す。頭の中がとろんとして、このまま彼に身を任せたいなんて気分になってしまう。
 こんなにあからさまに主導権を握られることなんて、滅多にないのに。
 
 あたしとさほど身長が変わらないはずのサイトの体が、やけに大きく、包み込んでくるような気がした。
 
 
                            ∞ ∞ ∞
 
 
「………遅い」
 窓の向こうの、山の稜線に沈み始めた夕日を見ながら、わたしは呟く。
 放課後、洗濯物を片づけたらすぐ帰ってくるかずのサイトが遅すぎる。
 まさか、どこかで食べ物でも漁ってるんじゃないでしょうね。最近はご飯を抜いてもけろりとしてるから、怪しいのよ。
 
 あたしは部屋着の上にマントを羽織ると、部屋を出た。とりあえず、思い当たる所を見て回ろう。
 サイトが居そうな所はどこか考えながら廊下を歩いていると、一室のドアが薄く開いていることに気付いた。
 
 そこは、ツェルプストー家のキュルケの部屋。あいつの男性との交友関係と一緒でだらしないわね、と思いつつ、
一応閉めておいてあげようかと近付く。すると―。
 
「はぁっ、はぁ……んっ……ちゅ、ちゅぐっ、ちゅる……」
「んっ…ふ、くちゅ、ちゅぷ……じゅるっ……」
 
 部屋の中からは、キュルケ一人が出しているとは思えない、よくわからない音が聞こえてきた。
 キュルケの事だから、男子を連れ込んでヘンな事してるのかも。
ウンザリした気分になって、ドアをそのままに立ち去ろうとしたとき。
 
「ぷはっ……は、ぁ……サイト……」
 かすかな声だけど、その名前がわたしの耳に飛び込んできた。キュルケのやつ、サイトって言った!?
この学園にサイトなんて珍しい名前の人間、わたしの使い魔以外に聞いたことがない。
 わたしはぞくりと背筋が寒くなるのを感じながら、咄嗟に扉の隙間から部屋の中をのぞき込んだ。
 
「―っっ!!」
 危うく、大声を上げるところだった。キュルケの部屋のベッドの上では……見紛う筈がない、わたしの使い魔の
サイトと、キュルケが重なり合うようになっていたのだから。 
 ちょっと前までのわたしだったら、そこでカッとなって部屋の中へ飛び込み、サイトを怒鳴りつけただろう。
 でも、その時、わたしは……全身が凍りつくような感覚に囚われて、その場に釘付けにされた。

832:微熱の唇 4/8
07/05/27 13:53:22 RgpxYfzb
「はぁっ、ふ……いいわ……じょうず、サイト……んっ!」

 サイトは、キュルケにのしかかられるようにされながら、体を触っていた。
足や、背中も触ってたと思う。でもそれだけじゃなくて、耳とか、首とか……むむ、胸とか。
わたしが最近、サイトにさせているマッサージで触らせてるところよりも、もっと色んな場所を。
 
 サイトの手や指が動くたびに、キュルケは体を震わせて、髪を振り乱す。それが気持ちいい時の
反応なんだってことを、わたしはついこの間知った。
 
 それに、それに……キュルケの方も、サイトの体を触っていた。左手は背中に回して……右手は
どこにあるのかわからない。胸とか、お腹の方?
 よくわからないけど、確かなのは、キュルケが手を動かすたびに、サイトの方も体をよじらせ、
息を荒くしているということ。
 
 その光景を目にして、怒るとか、そういうのより先に……気持ち悪い、と思った。
 嫌だ。やめて欲しい。そんなことしないで欲しい。止めて。不愉快。
 
 わたしは、心臓がばくばく高鳴っているのに妙に冷えている心を不思議に思いながら、
その、半開きになっていたドアを開け放った。
 
「……何してるの」
 
 こんな状況で自分の口から出たということが信じられない、冷静な……冷たい声。
さほど動じた様子もなくキュルケはわたしの方に目を向け、サイトはびくっと体を跳ねさせるように
顔をわたしに向けた。
 
「あっ……あ、ルイズ、これは……!!」
「……は、ぁ……何してるのも無いもんだわ。気遣いまでゼロのルイズ」
 
 慌ててキュルケの体から手を離すサイトとは裏腹に、気だるげに髪をかき上げるだけのキュルケ。
 サイトの反応よりも、そのキュルケの目。とろんと潤んでいるのに、わたしへの確かな侮蔑……
普段わたしを小馬鹿にするときとは明らかに違う、確かな蔑みの色を浮かべた瞳が気になった。
 
「ひとの使い魔に勝手に手を出さないで。帰るわよ、サイト」
「あ、うん…」
 その目を見るのが嫌で、サイトに声をかける。サイトは、もぞもぞと身を動かしてキュルケの下から
出てきた。キュルケは、それを止めようとしない。嫌にあっさりと、サイトの上から身をどかす。
 
「ルイズ、あなたそれでいいの?」
 キュルケは、顔色のわかりにくい褐色の肌にも明らかな上気した頬のまま、わたしにそう言ってきた。
その言葉に疑問が浮かぶ。そんな台詞を言うなら、わたしではなくサイトに対して言うべきなんじゃないのかしら。
 
「言っておくけど、あたしは完全に無理矢理彼を求めたワケじゃないわよ。
彼の方からも、少なからずあたしを求めてきた。どうしてだと思う?」
「知らないわよ。こいつが犬だからじゃない?」
「違うわ。サイトは、あなたに対して不満があるから。あなたが使い魔の主人として足りていないからよ」
 
 キュルケの言葉が胸に突き刺さる。なにそれ。何をわかった風なこと言ってるの。馬鹿にしないで。
 
「サイト、これだけは忘れないで。……あなたが満たされずにいて可哀想だと思ったの、本当だから」
 
 わたしがサイトの袖を引っ張って部屋を出て行こうとすると、キュルケはサイトにそう言った。
もう嫌。ここにいたくない。サイトをここにいさせたくない。
 開きっぱなしのドアから外に出ると、キュルケに”フライ”をかけられたらしい洗濯物カゴが
わたしたちの後を追って廊下に飛んできた。「忘れ物よ」なんて言葉と一緒に。
 最後まで、嫌な奴だった。

833:微熱の唇 5/8
07/05/27 13:54:07 RgpxYfzb
 サイトを引きずるようにして自分の部屋に戻ると、それまで抑えられていた怒りが一気に湧き上がってきた。
 サイトが、あの女と。憎きツェルプストー家のキュルケと。その光景が蘇って、頭にカーっと血が上る。
 
「何考えてんのよ! 犬! ありえない!!」
「ご、ごめん」
「謝るくらいだったら、何であんなことしたのよっ!」
 サイトの顔を睨みつける。ばつが悪そうに目を逸らすサイトの唇に、紅いルージュのうつった跡が見えて、
さらにわたしの怒りに油を注ぐ。
 
「信じられない……! わたしに許可もなく、あんなことっ……!」
 何だか、感情が高ぶりすぎて、涙が出そうになってきた。こっちも目を逸らして、文句だけ続ける。
 
「そこまで言うなら聞くけどさ……なんでお前の許可が必要なの?」
 サイトは、うんざりした口調でそう聞いてきた。何その質問。ばっかじゃないの。
「当たり前でしょ! アンタはわたしの使い魔なんだからっ!」
「使い魔が女の子と仲良くしちゃいけないって決まりでもあんの?」
「知らないわよ。わたしが許さないって言ってるんだから駄目なの!」
 
 言い放つと、サイトは諦めたのか、深いため息をついた。そして、もういいや、といった態度でくるりと
踵を返す。
 その態度が、とても嫌な感じがした。冷静に考えると、わたしも勢いで酷いことを言った。
サイトにうんざりされても仕方が無いことを。
 
「あ……ちょっと言い過ぎたわ。別に、アンタが女の子と話そうが構わないけど、キュルケとだけは駄目。
あと、体に触るのもだめ……それ以外ならいいわ」
 
 譲歩の台詞を言ってる最中に、自分で気付いた。わたしは、サイトが”キュルケと”ヘンなことをしていたからと
いうより先に、キュルケの体を触っていたこと、キュルケに体を触られていたことを不愉快だと思ってたことに。
 
「あ、そ。ありがとうゴザイマス。寛大なご主人様のお言葉にこのサイトめは感服の至りです、っと」
 サイトはもうわたしの方を見ようともせずに、洗濯物を片付け始める。怒っているというより、冷めている様子。
急にサイトが遠くに行ってしまった気がして、辛かった。
 
 不意に、さっきのキュルケの言葉が思い出される。サイトは、わたしに対して不満を持っている。
だからキュルケなんかにほいほいついていくし、わたしを苛立たせることばかりする。
 
 そう考えてみたら……わたしは、サイトに何か報いることをしただろうか。文句をいいつつも
一応はわたしが言いつけた仕事はするようになったし、最近はマッサージまでしてくれるようになったサイトに、
使い魔として相応のご褒美とか、ねぎらいの言葉をかけていたかしら。
 
 わたしが使い魔の主人として足りない。キュルケはそう言っていた。
そうなの? サイトが使い魔として駄目なんだってばかり決め付けてたけど、わたしにも責任があった……?
 急に不安が襲ってきた。もし、そうなら。わたしのせいで、サイトがわたしに従わないんだとしたら。
サイトはまた、キュルケとかの所へ行ってしまうかもしれない。また、さっきみたいなことを……。
 
 嫌だった。理屈じゃない。認めない。許せない。それを考えると、気持ちの悪いモヤモヤが胸の中で
膨らむ。サイトにマッサージされた時のような気持ちのいいモヤモヤとは、全く逆の不快感。
 
「サイトッ!」
 わたしは、深く考えないでサイトに呼びかけた。
「はい?」
「け、剣を買ってあげるわ。あんた、剣士でしょ。自分の身くらい守れるように、剣を持たせてあげる」
 
 唐突な提案に、サイトは目を白黒させた。「そりゃ、ありがと」なんて返事したけど、嬉しいというより
戸惑いの方が大きい感じだった。
 わたしも、自分で言った事ながら、何か違うと思った。サイトに剣が必要だと思ってたのは確かだけど、
これじゃ、物で吊ったみたい。使い魔に報いるご主人様の行動としては、二流もいいとこ。
 
「え、えっと……それだけじゃないわ。サイト、ベッドに横になりなさい。
わ、わわわ、わたしが、その……マッサージしてあげるわ。特別に。感謝しなさいよね!」

834:微熱の唇 6/8
07/05/27 13:55:06 RgpxYfzb
 もうひとつ、咄嗟の思いつき。どうしてそんな言葉が出てきたのかといったら、たぶん、さっき
キュルケがサイトに触っていたときの、サイトの様子が目に焼き付いていたからだと思う。
 
 サイトは、気持ちよさそうだった。キュルケに触られて。
 そりゃ、当たり前ね。わたしがサイトに触られて、あんなに気持ちいいんだから。サイトだって同じはず。
だけど、サイトがあのキュルケに触られて……いや、気持ちよくされてたって事が、気に入らない。
気持ち悪い。許せない。思い出すだけで、胸に嫌なモヤモヤが溜まっていく。
 
 だったら、わたしがしてやるわ。そうしたらわたしに感謝して、わたし以外の女に尻尾振ったりしないでしょ。
 
「お前が、俺に? 熱でもあんのか?」
「失礼ね、他人の行為は素直に受け取りなさいよ」
 
 わたしはサイトのところにつかつかと近寄る。その唇にまだキュルケのルージュの跡が残っているのを
思い出して、サイトがとり込んできた洗濯物の中からハンカチを一枚掴みとり、サイトの顔にごしごし擦りつける。
 
「うわっ、何!?」
「口紅で汚れてるのよ、さっさと拭きなさい!」
「わあった、自分でやるから!」
 サイトにキュルケの痕跡が残ってるのが、気に入らない。自分でも不思議なくらいムカムカしてる。
 
 
 完全に口紅の跡を消させたあと、サイトをベッドに俯せにさせた。ちょっと気に入らないけど、床に寝かせるのも
可哀想だし今回は特別に許すことにする。良い主人は使い魔にも寛容なのよ。 
 サイトはまだ半信半疑な様子で、居心地が悪そうにわたしを見上げている。
 
「……ルイズの匂いがする」
「嗅がないでよ馬鹿っ! あとそんなこと思っても言わない!」
 枕に顔を埋めているサイトが言った言葉に、顔が一気に熱くなる。なんでこういつも一言多いのかしら。
 
 サイトの横まで移動して座り込む。マッサージなんてやったことないけど、あんなに上手だったサイトだって
素人だと言ってたんだし、そんなに難しいものじゃないはずよね。
 サイトにされたことを思い出しつつ、ふくらはぎの辺りに手を持って行く。ここら辺では見たことがない生地の
ズボンの上から、サイトの足をぎゅっと掴んでみた。
 
「うひゃひゃひゃひゃ!!」
「なっ、何よ!?」
 サイトはぞわぞわと足を震わせて、珍奇な叫び声を上げた。
「くすぐったい! それ、くすぐったいから」
「失礼ね、ちょっとぐらい我慢なさい」
 その反応にムッときて、思いっきり力を込めてサイトの足をぎゅうぎゅう押す。サイトは身を縮こませて、
逃げたり吹き出したりするのを我慢している様子。
 
「何よ、気持ちよくないの?」
「いや、そもそもルイズの力が弱いから、効く以前にくすぐったいだけで…」
 サイトはわたしに触られてるのに、本当にあんまり良さそうな感じじゃない。
どうして? サイトがわたしにするのと何が違うの? キュルケに触られてた時は、あんな反応してたくせに……! 
 悔しくて、いらいらして、わたしは体勢を変えることにした。サイトの両脚を跨いで、足首の脇に膝を下ろす。
そこから、体重をぜんぶ乗せるようにして足を揉んでみる。
 
「ちょ、ルイズ!?」
「じっとしてなさい! ほら、いいでしょ! 気持ちいいって言いなさい!」
 自分でもヤケになってる気がしなくもないけど、必死になってサイトの足に力を込める。こうして触ってみると、
サイトの足って結構筋肉がついてて固い。
 サイトがこの格好でわたしにマッサージする時は、本当に乗っかったらわたしの足が壊れちゃうだろうから
跨るだけで腰は浮かせてくれてる。けど、わたしがサイトにするなら、足の上に座り込んでも全然大丈夫。
 サイトは普段あんまり体型がわからない服装をしてるけど、やっぱり、わたしとは全然体つきが違う。
 
 それを意識したら、なんだかどきどきしてきた。よく考えたら、この格好って、ものすごく恥ずかしい。
男の人をベッドに横にして、その上に乗っかってるなんて……他人に見られたら、絶対ヘンな誤解される。


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