【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合15at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合15 - 暇つぶし2ch185:事の発端? 4/5
07/05/06 22:03:41 1fy+63/3
 妙な空気になっていることを感じながらも、マッサージすると言った手前、適当にその足を揉みほぐす。
「あっ……それ、いいかも……」
 あまり運動しないからかな。ルイズの足の肌はすべすべで柔らかいけど、関節は固くなってる感じがする。
土踏まずをぎゅっぎゅっと押してやると、ルイズはため息にも似たリラックスした声を上げた。
 
 左手でルイズの足を支えたまま、形の良い足の指を左手で摘む。
「ふぁっ……!」
 すると、ルイズは身を震わせて、一際高い声を上げた。
これは嫌がってる声じゃないな、ちょっと痛いけどそれ以上に気持ちいい声だ。
 
「どうだ? これは気持ちいい?」
「うん、それいい……上手じゃない…。続けて」
 力を加減しつつ、指を引っ張ったり左右に動かしたりしてやる。ときどき関節が鳴る音がしたが、
そのたびにルイズは身を固くしつつも、とろけたような吐息を漏らした。
 
 そんなことをしているうちに、ルイズが「良さそう」な反応をする箇所がわかってきた。
どうも、そのままマッサージをするよりも、くすぐったり撫でたりする時の方が気持ちがいいらしい。
 
「はぁ……はぁ、ふぅ……はぁ……」
 だんだんと、ルイズは意味のある言葉を喋らなくなってきた。頬を上気させて、薄目で俺の方を見ながら、
その両手はベッドシーツをきゅっと握りしめている。
 こっちの顔も赤くなる。何だよ、何なんだよ、その反応。

「(うわ……こっちまでドキドキしてきた)」
 ここで急に止めたら不自然だし、このまま続けても変なことになりそうだ。
俺の頭の中まで熱くなって混乱しかける。それでもこの手が止まらない。
 ルイズが気持ちよさそうに反応する部分を探して、不自然になりすぎないようにいじる作業が止められない。
 だって、俺の前でこのご主人様が大人しくなって、俺がすることに黙って身を任せる事が初めてなら、
 こんなにも堂々と肌に触れているのにおとがめ無しどころか、ルイズの方から続けることをせがんでくるのも初めて。
 この状況を、俺の方が楽しんでる……?
 
 ルイズは、足指の付け根をくすぐられるのが「好き」らしい。
触れるか触れないかの力でそこを何度も触ってやると、ルイズは髪を振り乱し、押し殺した甘い吐息をつく。
 何だよ、止めろって言ってくれよ。『なに馴れ馴れしくいつまでも触ってんのよ!』とでも言って蹴るなりしてくれれば、
それで終わるのに。こんな事続けてたら……。続けてたら……?
 
「あっ……は、あっ、あ……あぁ……」
 遂に声を我慢することができなくなったのか、ルイズは喉を震わせて悲鳴を上げた。
その声を聞いて、ぞくぞくと背筋が震える。この声をもっと聞きたい。
 そんな衝動にかられて、さらに強く……ルイズを”愛撫”する。
 
「あっ…なんか……それっ…だめ、だめだめサイトっ……それ、それぇっ……」
 嫌がっているような口ぶりなのに、本気で拒もうとはしていない。
感極まっていくルイズの声の、その先を知りたくて、続けて。そして……。
 
「んっ……んんぅっ……!!」
 ぎゅっと身を縮こませて、ルイズはその小さな身体を強く震わせた。
その姿はくらくらするほど可愛くて、いやらしくて……。
 今まで俺が彼女にされた暴挙のぜんぶを忘れてしまうほど、愛おしい、と思えた。
 
「………っは、はぁ、はぁ、はぁっ……」
 しばらく、呼吸の仕方も忘れてしまったみたいに息を止めていたルイズは、ようやく体を弛緩させた。
 そのまま、夢心地の中にいるみたいに、とろんと呆けた瞳を俺に向ける。
 
 ……その目は、”いい”ってことだよな? 構わないんだよな?
 鳶色の瞳に魅入られたみたいになってしまって、俺はそろそろと手を伸ばす。
ルイズの足から、かかとを通って、その上に。ふくらはぎはこの世のものとは思えないほど柔らかくて、
指先が移動するたびに体をびくびくさせるルイズが可愛くて、止まらない。
 そして、ほとんど筋肉のついていない、細くてすべすべの太股に触れて、今はスカートの中に隠れている
その奥を想像してごくりと唾を飲み込んだとき。

186:事の発端? 5/5
07/05/06 22:04:26 1fy+63/3
「……だめーっ!!」
 絞り出すようなルイズの声と共に、つま先で俺は思いっきりルイズに蹴られた。
 
「づっ!」「痛っ!」
 その足先は薄く開いていた俺の口の中、前歯の辺りに当たって、俺と共にルイズの痛がる声も聞こえた。

「おい、蹴るこたねーだろ!?」
「だって、だって……!」
 じーんと痛む歯を抑えながら、ちょっと涙目でルイズに文句を言う。
 すると、目の前に俺を蹴ったばかりのルイズの足が見えた。その中指の先に、僅かに血が滲んでいる。
「あ、悪いっ」
 俺の歯に当たって切れたのか。
 そもそもいきなり俺を蹴ったルイズに否があるはずなのだが、思わず俺はその足をまた掴んで、
血が出ている指先を、口に含んだ。
 
「…………」
 
「…………」
 
 時間が止まる。その状態のまま、俺とルイズは硬直した。
 あれ、何してんだ俺。血が出てたからつい反射的に舐めちゃったけど、これ足だぞ、ルイズの。
 いや、ルイズの足なら構わない。汚いなんて思わないし、むしろ綺麗だし。いやいや、そういう問題じゃない。
いくらなんでも変態じゃん。まずいじゃん。っていうか、ご主人様に怒られるじゃん……。
 
 止まっていた時間は、たぶん実際には一秒にも満たないんだろうけど、俺には何十分にも感じられた。
 そして、その異常な時間は、我がご主人様が発した、
 
「なっ、ななななな何してんのよ犬ーーーーーーーーーっっっ!!!!」
 
 ついさっきまでのしおらしかった態度が夢だったかのような大声と共に破られ、
俺は全くの遠慮のない勢いで口に銜えていた足に蹴り飛ばされた。
 
「うわはっ!?」
 ゴロゴロゴロ。世界が回る。
 自分でも面白いくらいに見事に床を転がった俺は、寝床である藁たばの中に思いっきり突っ込んで止まった。
 
「ばっ、ばか! 変態! 信じらんない! でっ、ででで出て行きなさいっ!!」
 
 息を荒げたルイズの声が聞こえたが、顎を蹴られて頭を揺さぶられた上に回転して脳をシェイクされた俺が
立ち上がれるわけもなく。
 遠のいていく意識の中で、あぁ、俺はまた強烈なカンチガイやらかしたんだなァなどと考えていた。
 
 
 
 そう、この時は、ただのカンチガイで。大した意味もない、些細な出来事だと思っていたのだった。

187:Soft-M ◆hjATC4NMLY
07/05/06 22:05:32 1fy+63/3
続きます。では。

188:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:08:25 Y7M7j0S5
俺にクリーンヒット。GJ

189:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:09:23 bYZYl2H6
wktk

190:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:11:59 wTidPNK8
おかしいほどにえろいな

191:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:14:34 0NXkPOXi
純愛な流れもいいが、こーいうキッカケ的なところから関係持つ→好きってのも、これがまたどうして
続きにwktk

192:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:17:12 DX61aD9s
なんでそこで切るんだよwww
俺にもクリーンヒットです。
GJだ

193:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:45:06 V2sZvW0W
>>187
最近の黒いのについていけなかったかよかったよ。
甘いの、ごちそうさまでした。

194:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:53:00 0NXkPOXi
おいおい旦那、まだ箸を置くにゃ早ーぜ。あくまで「中座」だ

195:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:22:42 6XpPCN0/
>>194
そうだまだ終わってなかったんだ

196:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:26:47 6XpPCN0/
>>187
GJ!
続きはどうなるんだ・・

197:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:52:39 6qayLt9m
>>187
GJ! 続きwktk

ライトノベルと言えばイラストがつき物だが、
このスレに投下された作品の中で、イラストが欲しい場面とかってある?
名場面でもエロいシーンでも。俺は描けないけど。

198:名無しさん@ピンキー
07/05/07 03:43:10 eQkB2DgP
>>197
描かないのかよっw

199:名無しさん@ピンキー
07/05/07 04:19:01 6qayLt9m
いや、単に聞いてみたかっただけなんだよ。
イラストにしたいほど印象的な場面ってどんなもんかなあとか。
俺もちらほら書いてる身だから、自分のが上がったりしたら鼻血噴くほど嬉しいし、
多分他の作者さんたちにしてみてもそうだと思う。

という訳で、気が向いたら作者さんたちに鼻血を噴かせてみてくれ。

ちなみに俺は「見知らぬ星」でシエスタが死ぬシーンが大好きです。
あのときのシエスタの笑顔をイラストで見てみたいよね?

200:名無しさん@ピンキー
07/05/07 08:03:23 3pan+2Od
もう作品一つにつきイラスト一点でいいよ

201:名無しさん@ピンキー
07/05/07 09:57:10 FvCeNjAp
書かないんだw
俺が書いてやるぜ!!っていいたいところだが
俺の画力のなさじゃ無理です

202:名無しさん@ピンキー
07/05/07 10:00:56 qDBFAtAI
そんなことは良いから変態は何処から来て何処へ行くのかについて考えようぜ

203:名無しさん@ピンキー
07/05/07 10:49:35 YBrL9hmr
虚無から来て虚無へ還る

204:名無しさん@ピンキー
07/05/07 13:16:10 0I5/u7GZ
そして舞台は劇場へ…

205:名無しさん@ピンキー
07/05/07 14:11:06 Hw9Ugx7H
>>199
261氏「黒い蜘蛛の糸」の最後
表面的には普通なのに相当怖い絵になりそう

206:名無しさん@ピンキー
07/05/07 14:37:45 3pan+2Od
あれは個人的にもかなり好きな作品だが、シエとルイ以外、総出で病んでたからな・・・・
アレ以上に哀れなサイトを見る事はできんじゃろうて

207:名無しさん@ピンキー
07/05/07 14:43:22 AnUDHCCn
>>199
魔法戦隊の採石場での爆発シーン

208:名無しさん@ピンキー
07/05/07 15:43:17 Pa+MBa2n
見たいシーンってのとはちょっと違うけど、
せんたいさんの「きっとこんな未来」の三つ子姫のイラストが見たいね。
なんかかなり好きだ、あれ。

209:名無しさん@ピンキー
07/05/07 17:59:16 3pan+2Od
あれはいいなぁ・・・・いや、三つ子巫女がってことじゃなくt
あんなハッピーエンディングを原作でもやってくれると俺モーモンタイ

210:名無しさん@ピンキー
07/05/07 18:10:59 ReatQjVc
>>208
俺もあれは好きだ。ヒロイン全員登場のハーレムものだからな

でも他の未来モノでは「あなたの未来はどっちですか?」も気になってる。
続きまだかな。

211:痴女109号
07/05/07 20:12:04 RlaksQe3
流れを叩き切って申し訳ないですが、
>>95-101
の続きです。


212:痴女109号
07/05/07 20:16:06 RlaksQe3

「つまり、騎兵の特質とは、騎馬による機動力をフルに活用し、大迂回をしつつも敵陣の側面・または後背などの最ももろい面を奇襲し、本隊の攻撃を容易せしめる事にある」

―奇襲、と聞いた瞬間に、講義を聞く生徒たちの表情が曇った。
「つまり先生、不意打ちということですか?」
「それって、卑怯じゃないですか」
「貴公らはバカか? それとも私の話を真面目に聞いていないのか?」
 アニエスはやれやれという表情で言い放った。

……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……あと、何分だ……?

 ここはトリステイン魔法学院の一室。
 水精霊騎士隊・通称オンディーヌの構成員は、全員この学院の学生であるため、王都にある士官学校に正式に通学する事は難しく、そのため、彼らには課外授業という形で、魔法の授業のかたわら、非常勤講師が学科や教練の指導に来るのである。
 銃士隊長アニエスは、その主席講師に任命され、(本人はいやいやながらも)週二回、きっちり出来の悪い貴族のガキどもを怒鳴りつけに来る。
 なんのかんのと、彼女は面倒見のいい女性だった。

……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……おっ、おなかが、苦しい……。

「単なる騎士なら、大声上げて敵に飛び込めばそれで済む。それが奴らの仕事だからな。しかし、私がここでテーマとして取り上げているのは、単なる騎士ごときではない。“騎兵”だ。騎士と騎兵とでは、その役割は大きく違う」
 アニエスは、その教鞭をぴしりと鳴らし、
「騎兵とは、最も速度を要求される兵種であるため、きらびやかな甲冑も重い馬鎧も着けず、また騎馬のみの行軍であるため、私兵を歩卒として従軍させる事も無い。そして敵陣の後背を突くといったところで、当然そこが無防備である可能性は薄い」
 分かるか? つまり奇襲と言えば聞こえは悪いが、とアニエスは一声いれると、
「要するに、最も高度な馬術と、最も薄い装備で敵陣を確実に打ち崩す攻撃力、そして勇敢さが要求される兵種なのだ。―この戦術を自在に活用できれば、百戦百勝も夢ではない」
 アニエスは興奮気味にドン、と教卓を叩きながら言う。
 そんな彼女の迫力に、教室に居並ぶ騎士隊の小僧どもは声もない。

……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、やべえ……もう、授業どころじゃ……!!



213:契約(その3)
07/05/07 20:18:44 RlaksQe3

「でも、先生」
 おずおずとギーシュが手を挙げる。
「さっきの質問の答えになってません」

―あ? という表情で睨み返すアニエス。
「卑怯はやっぱり……卑怯じゃないでしょうか?」
「まだ分からんのかっ!! 戦場は遊び場ではない。騙し騙されの駆け引きこそが、勝負の趨勢をきめるのだっ!!」
 ギーシュ・ド・グラモンっ、とアニエスは叫ぶように彼を呼ぶと、
「貴様、仮にもグラモン元帥の一門であろうが! 正々堂々と正面からの会戦にこだわるなど、敵の十倍の兵力を以て初めてほざける事と何故気付かんっ―って、ゴラァッ!!」

 その瞬間、反射的に頭をすくめた才人の髪ギリギリを、アニエスの教鞭がうなりをあげて通過する。

―危なかった。
 ホッとしつつ顔を上げた才人を待っていたのは、怒りで真っ赤になったアニエスの瞳だった。
 銃士隊隊長ともあろう剣の使い手が、説教途中に思わず晒したブザマに、教室のあちこちから失笑の声が洩れ、それがさらに彼女の怒りに油を注ぐ。

「ボっとしてた割りには御機嫌にかわしてくれたなサイト。私の授業はそんなに退屈か?」
 退屈だなんてとんでもない。ただ集中できない事情があるだけだ。
 しかし才人にとっての不幸は、その事情を納得いくように話せる者が、この世に一人もいないことだった。

 荒廃した平成日本の教育現場とは違い、ハルケギニアには教育委員会もPTAもない。
 つまり、基本的に体罰オールOKのこの世界で、教室に於いて先生を怒らせるという事は……。
「左右の者、サイトの両脇を固めて立たせろ」
 アニエスは教鞭を置くと、ぽきぽきと指を鳴らし、往復ビンタをきっちり4往復いれると、そこで終業のチャイムが鳴った。
「運が悪かったなサイト。チャイムが鳴るのがもう少し早かったら、お仕置きは次の授業に持ち越しになっていただろうにな?」
 アニエスがにやりと笑う。
 
―持ち越しになっただけじゃ、結局ぶたれる事に変わりは無いじゃないか。
 そんな発言をする勇者は、当然この教室には誰もいなかった。


214:契約(その3)
07/05/07 20:21:48 RlaksQe3

 こんこん。
「サイトさんですか?」

―はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。

 ドアを開ける。
 そこには彼女がいた。
 才人とルイズの二人が共に安眠を得る、豪奢な寝台。
 そこには、漆黒のメイド服と純白のエプロンドレスを着込み、無造作に横たわる少女。

「そろそろお越しになられる頃だと思ってましたよ」。

―はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。

「し、しえすたぁ……、はやく……はやく……」
 扉を閉め、倒れこむようにベッドにすがりつく才人。
「はやく、これを……取ってくれよぉ……!」
 そんな才人を心の底から慈しむような表情で見つめながら、
「これ? これって何です?」
 彼女は、たまらなく残忍な言葉を吐く。

「何って……しえすたぁ……!」
「いつも申し上げているでしょう? 言いたい事があるなら、男らしくハッキリおっしゃって下さいと」
「……っっ!」
 才人は、アニエスの往復ビンタで真っ赤に腫らした顔を、さらに屈辱で赤く染め、口を開く。

「おっ、俺の貞操帯をはずして、……お尻に入ってるものを……取ってくれ、シエスタ」
「ふふふふふふ……、はい、よく言えました」

 クスリと笑うと、シエスタはポケットから鍵束を取り出した。
 才人は、そんな彼女を前にしてベルトを緩め、恥らうように鈍く輝く鉄のパンツをさらけ出した。
―貞操帯。メイドとしてトリスタニア市街へ買出しに行った時、シエスタが密かに購入したものである。
 無論、彼女が買い求めたのはそれだけではない。その他種々の性具や衣装、薬品の類いも彼女は抜け目なく購入しており、その予算は全て才人のサイフからまかなわれた。

「当然でしょう? これらの品々はみな、サイトさんを気持ちよくするために使われるのですよ?」
 昂然と言い切るシエスタに、才人は何も言い返せなかった。


215:契約(その3)
07/05/07 20:23:59 RlaksQe3

「それにしてもサイトさん、そのお顔どうなさったんです?」
「アニエスさんに……ぶたれたんだよ。授業中にボケっとすんなって」
 へえ、それはとんだ災難でしたね、と楽しそうに笑いながら、シエスタは貞操帯のロックを外す。
 さすがに彼も、そのくすくす笑いにカチンと来たらしい。
「災難もクソも無いよっ、ケツにこんなもん仕込まれて、集中できるわけ無いだろっ!!」
 思わず声を荒げるが、そんな彼の姿に威厳は皆無であった。
 ベッドに手をつき、メイドに尻を差し出す少年。―しかも、その肛門からは小さなリングまで見えているのだから。

「あらあら、申し訳ございません。わたしとしましてはただ―」
 彼女の細い指が菊門に吸い込まれると、やがてリングの先の糸から直径1・5センチほどの黒い球体が姿を見せた。
「サイトさんに気持ちよくなって頂きたいだけですのに」

「―ぐぅっ!」
 一つ、二つ、三つ、……。
 白魚のようなメイドの指先によって、次々と才人の臀部から黒球が産み出されてゆく。

「はぁぁぁぁっっ!! ごっ、ごりごりするよぉっ!!」
 才人が尻を震わせ、懸命に刺激をこらえている。
「サイトさん、分かっておられるとは思いますが、今はまだお日様が出ている時間です。あまり大きな声を出されると、誰に聞かれるか分かりませんよ」
 シエスタが、才人の耳朶を甘噛みしながら、囁きかける。
「でっ、でも……くうう……!」
「んふふふふ……我慢なさい。男の子でしょう?」

―はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、……。

 しかし、過度の快感の前には老若男女の差は無意味だ。
 才人はもう全身に力が入らず、無様にベッドにしがみつき、震えながら尻をかかげる事しか出来ない。


216:契約(その3)
07/05/07 20:26:07 RlaksQe3

 シエスタは、ベッドの上に乗って彼の側面にポジションをずらすと、そのまま右手でアナルビーズを引き抜きながら、左手をパーカーの下に潜り込ませてきた。
「しっ、しえすっ!?」
 シエスタの指が才人の胸部を這い回る。
「っっっ!!」
 思わず才人が息を呑んだ瞬間、彼女の舌が猛烈な勢いで彼の唇に侵入してきた。
「~~~~~~~~~~~っっっ!!!!」

 ぴちゃ、くちゃ、ぺちゃ……。
 流し込まれるシエスタの唾液が、才人の僅かに残る理性をどろどろに溶かしてゆく。
 無論その間も、彼女による他の器官への攻撃は続いている。
 右手の指は、さっきまで引き抜かれつつあったアナルパールを、新たに彼の菊門へ埋め込みつつ、左手の指は、びんびんに堅くなった彼の乳首を弾きまわし、才人の身体に電流を送り込み続けている。

―くちゅ……。
 たっぷり1分は続いたディープキスが、互いの唇の間に白い糸を引きながら終焉を告げる。
「サイトさん、気持ちいいですか?」
 才人は答えない。
 答えられない。
 焦点の定まらない目で、自分を見下ろす少女を呆然と見返し、こくんと頷く。

「なら、……もっともっと気持ちよくして差し上げます」
 そう言うが早いか、シエスタは、さっき再び彼のアナルに埋め込んだアナルパールを一気に引き抜いた。

「っっっっっ!!!!!!!!」

 才人はもはや、声すらあげられなかった。

「じゃあサイトさん。これから、貴方の一番気持ちいいところを可愛がってあげますね」
 そう言いながら彼女は、才人の剥き出しになったペニスを、そろりと撫で上げた。


217:痴女109号
07/05/07 20:29:05 RlaksQe3
投稿は以上です。
……しかし、黒シエスタは妙に評判悪いようなんで、続きをどうしようか考え中です。

218:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:49:17 k2ERfzWW
イイヨイイヨー

219:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:54:20 1H2JrKoj
黒いほうが俺は好きだな


220:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:56:15 f6AbQoJi
>>217
俺は黒メイド好きだよ
苛められる才人をもっと見たい


221:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:56:45 eQkB2DgP
>>217
真っ直ぐGO!

222:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:13:19 3pan+2Od
逝かせてェ と懇願するサイトを妄想してみた
続きにwktk

223:名無しさん@ピンキー
07/05/08 01:10:05 emApcpfT
サイトはドMですね。
これは続きが気になるね。


224:名無しさん@ピンキー
07/05/08 02:03:20 CDsgb6jz
GJ!シエスタがどんどんヤンデリズムにはまってってるw

俺は大人タバサの全裸あたりが見たい。
まあ描いてくれる人がいないから無理そうだが。
新刊でるまでもう少しだし、そしたらタバサものも少しは投下されるといいんだが

225:名無しさん@ピンキー
07/05/08 07:32:57 RUd1CR85
タバサならせんたいさんの作品見てみるがヨロシ
2作品ぐらいに大人タバサ出演してたはず

226:名無しさん@ピンキー
07/05/08 08:45:14 UR6kClle
タバサの同人なら、個人的には
OVERALLがおすすめ。

227:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:18:56 npVAA6NJ
個人的にはシエスタは真っ黒じゃないと思うが、この作品に於いては何も間違っていない
どんどんやって下さい

228:名無しさん@ピンキー
07/05/08 22:29:41 J86hEG9g
山姥汚ギャル化したシエスタであるか。

229:死神
07/05/08 22:47:50 jfHa4IGU
一応
>>149の続きですが
話がとんでいます。

サイトが死んだことになっています。

230:死神
07/05/08 22:49:23 jfHa4IGU
ある日、突然サイトが死んだ。本当に急だった。
何で死んだのか、分からなかった。
病気でもなく、ケガでもななかった。
サイトが息絶える瞬間を未だに鮮明に、覚えている。
笑っていた、最後まで笑顔だった。
それからの私は自分でも、何をして過ごしたのかよく覚えていない。

あの"男"が現れ全てを話すまでは、
私達は呆然とただその男の話を聞くしかなかった。

その男の話を聞いて、浮かんできたのは狂おしいまでの殺意と憎しみそして
怒り。その男との会話は、多分こんな感じだったと思う。

「あんたのせいで、あんたのせいで、サイトが、サイトがぁぁぁ」
「それは、心外だなマドモアゼル。私は、ただ彼の望みを叶えてあげただけ。」
シェスタも黙ってはいない。
「何が、望みを叶えただけでけですか。この人殺し、このろくでなし!!」
タバサも低い声で
「殺す!!」
私や、シェスタ、タバサがその男に掴みかかろうとするのをキュルケ、モンモランシー、アンリエッタ姫が止めにはいる。


231:死神
07/05/08 22:50:49 jfHa4IGU
「ちょ、ちょっと、いくらなんでもヤバイわよ。」
「落ち着きなさい、ルイズ・フランソワーズ」
「ダメだってば、」

この男に挑めばただでは、すまないだろう。
それは、わかっている。わかっているけど……

そのやりとりををみていた男が、おもしろそうに口を開く。
「それでは、聞くが彼が"動けなくなって"私と契約することになったのは誰のせいかな?」
「そ、それは……」
「君たちが、貪り尽くしたからではないのか?」
「違う!違う!そんなことはない、そんなことは……」
私は必死に叫ぶ、私自信に言い聞かせるように。
「まず、そこのメイド!君は、ヴェストリ広場での決闘の時、彼を一度見捨てているね。
それでいて、彼が強いということが分かると戻ってきた。まるで、娼婦のようだ。!」

男の指摘にシェスタは口をつぐんで、下を向いてしまう。


232:死神
07/05/08 22:52:13 jfHa4IGU
「次に、シャルロット嬢、あなただ。あなたは、母親のためとはいえ彼を殺そうとしたね。
そして、無謀にも単身ガリアに乗り込みあっけなく返り討ち。
挙句の果てに、彼に救出された。
その過程において、彼の肉体が、精神がどれほど傷ついたか……、まったく最悪な王女ですね。
毒はあなたが飲めばよかったのでは?」

男の声は優しいが、その発せられる言葉は機関銃の威力で心を壊していく。
タバサの瞳から、殺意がなくなり代わりに浮かんだのは、絶望の色。

「姫、あなたもですよ。あなたは、復讐のため彼を死神に差し出した。
まるで、自分が、自分だけが世界で一番不幸で復讐する権利があるかのように。
七万の軍をとめろだなんて、普通死にますよ。
自分が命令されたら、どんな気持ちになったんでしょうね?」

アンリエッタ姫は、身をブルブル震えさせ、うずくまってしまった。


233:死神
07/05/08 22:53:22 jfHa4IGU
「最後に、あなただヴァリエール嬢。あなたの罪は誰よりも重い。
彼は、汗を流し、血を流し、また身体を張り続けた。
あなたのために。それなのにあなたは、彼に何をしましたか?
あなたはあろうことか彼を藁束に寝させ、鞭でことあるごとに叩き、
食事は家畜並みの酷さ……。人のやることではありませんね。」

私は、口をぱくぱくさせながら膝をついてしまった。
他人に、言われて初めて私がサイトにしてきたことの酷さを
痛感させられる。ここまで、心に刺さるとは……。
涙が溢れてきて、止まらなくなる。

「ふふふははははははははははははははははははは」

男は狂ったように笑い続けた。実際、狂っているのかもしれない。


234:死神
07/05/08 22:58:09 jfHa4IGU
以上で終わりです。

話が飛んでしまって大変すみません。
リンクしていると思っていただければ幸いです。



235:名無しさん@ピンキー
07/05/08 23:01:58 PXeS3Chj
>>234
・・終わりって言うのはこれで話が終わりってこと?
それとも過程やその後の話はまた後日ってこと?
もし後者なら1アージュでも待つが・・・。

236:名無しさん@ピンキー
07/05/08 23:09:19 RUd1CR85
流れ的に終わり・・・・・なのかな?てっきり、サイトの残りの寿命が少なくなってきたら、サイトを死の淵から救うためだとかうそぶいて
ヒロイン陣に寿命の提供を要求するのかと妄想してたんだが

237:死神
07/05/08 23:12:31 jfHa4IGU
この話は、続けて書いていくつもりです。

分かりにくくてごめんなさい。

238:名無しさん@ピンキー
07/05/08 23:30:16 RGWz3Gbr
三年くらいなんともないぜ!!!
オルフェマダー!!

239:名無しさん@ピンキー
07/05/08 23:30:19 g517hVR8
>>237
なんだ実は生きてて、皆が絶望にうちひしがれている処に再度登場ってか?
今度こそ大事にしなさいと言うパターンか?
まあありがちだがそれもいいな。

240:名無しさん@ピンキー
07/05/09 00:14:47 9Cx/foxd
この場合、何よりもいけないのは
動けない自分は必要ないとサイトに思わせてしまったことだな

サイトを生き返らせる為の穴だらけの契約を持ちかけてきても
何も考えずにすがりつくんだろうな

241:名無しさん@ピンキー
07/05/09 02:57:17 4aMlOUSg
>>230-233
何つーか、見事なまでの厨orヘイトっぷりだな。
まあ、こういうクソが多いのも2chならではってことか。

242:名無しさん@ピンキー
07/05/09 03:00:18 /oCeKg0q
>>237
これってハッピーエンドになるの?
ダークなまま終わるんだったらあんま読みたくない希ガス

243:名無しさん@ピンキー
07/05/09 07:54:08 IMTmB2QC
>>237
まあいろんな評価あるけどこれからがんばれ!
ここには見習えるレベルの職人方が多いから。

244:名無しさん@ピンキー
07/05/09 07:54:46 jbSi8NUe
>>241
見守ろうぜ
>>242
ハッピーに終わらなかった作品なら今までもかなりあったじゃないか

245:名無しさん@ピンキー
07/05/09 10:45:59 5L7uGG9l
>>241
わざわざ読んだのか?
俺は一レス目で即NG登録したぜ!

246:名無しさん@ピンキー
07/05/09 13:05:19 I1ggwvCs
お前等あんま厨房を苛めるなよw

247:名無しさん@ピンキー
07/05/09 13:13:54 Jlh75c4z
「あんた誰?」
 ある朝、ルイズが目を覚ますと、ベッドにはもう一人の自分がいた。
 もう一人のルイズは、うにゃうにゃと目を覚ますと、驚きに目を丸くして言った。
「あんたこそ誰?」
「わたしはルイズよ。ルイズ・フランソワーズ。貴族の娘よ」
「わたしがルイズ・フランソワーズよ。あによ。あんた、人の名前を騙ろうっていうの?」
 にらみ合う二人のルイズ。険悪な空気がただよう。
「わかった。誰かが魔法で変身したのね。あんた、馬鹿なことしてないで、さっさと正体を見せなさいよ」
 ルイズAがぽんと手を叩き、ルイズBの肩をつかむ。
「痛っ。なによ。あんたこそ誰かの変身したわたしでしょ? なんでそんなにあつかましくできるの?」
 肩におかれた手を振り払うルイズB。むむ、という感じで不機嫌になるルイズA。
「そんなわけないでしょー? わたしはわたしなんだもん。だったらあんたが偽者でしょー?」
「わたしが本物だもん。ならあんたが偽者に決まってるでしょー?」
 真偽のほどが分からない。そのうちルイズAがなにかをひらめく。
「そうだわ。ディテクトマジックがあったじゃない。あれを使えば、魔法が解除されるわね」
 そういって、ニヤリと笑う。
「あら。それで困るのはあんたの方でしょ? わたしはわたしなんだもん。平気よ」
 ルイズBも同じように笑い返す。
 呪文の詠唱が始まった。

 室内に響く、ユニゾンで呪文を唱える声を聞いてサイトが目覚めると、ベッドの上には二人のルイズが。
 思わず目をこするサイト。しかしルイズは二人のままだ。
「な、なんだこれ?」
 驚くのも無理はない。二人のルイズは、にらみ合うようにして魔法の詠唱をつづけている。
「二人いるよな」
 思わず呟くサイト。どうやら夢ではないようだ。
「ディテクトマジック!」
 やがて呪文の詠唱を終え、ルイズたちがお互いに魔法をかけ合う。
 室内が光で満たされる。
「うわっ!」
 再び驚くサイト。
 光が引き、ベッドの上を見る。
「ど、どうしてよ?」
「なんで、あんたがまだいるの?」
 魔法をかけ終わっても、ルイズはまだ、二人のままだ。
「ルイズ。な、なにがどうなってんだ」
 駆け寄るサイト。
 二人のルイズは、よく分からないといった風に首をふる。
「なんか分かんないけど、増えちゃったみたい」
 二人とも、ぽかんとしている。
 サイトも、ぽかんとした。

248:名無しさん@ピンキー
07/05/09 13:24:05 ttSJCdnN
なんか始まりましたよw

249:名無しさん@ピンキー
07/05/09 13:30:09 Jlh75c4z
「サイト、どうしよう」
 ルイズAがサイトに助けを求めた。
「どうしようったって」
 サイトは困る。当たり前である。
「そうだ。サイトなら分かるでしょ? わたしたち、どっちが本物なのか。だって使い魔だもん」
「そうね。サイト。どっちが本物のご主人さまなのか、当ててみなさい」
 サイトに詰め寄る二人のルイズ。そんなこと言われてもサイトには分からない。
「えーと、どっちも本物に見えるんだけど」
 思わず本音を言うと、ルイズAがサイトの頬を張り、ルイズBがサイトのせつない部分を蹴り上げる。
「ほあああああ」
 激痛に、うずくまるサイト。
「ちょっと。あんた、サイトになにすんのよ」
「あんたこそ。サ、サイトはわたしの使い魔なんだからね」
「なに言ってんのよ。サイトはわたしの使い魔」
「わたしのよ。だってわたしたち、キキ、キスだってしたんだから」
「わたしだってしたわよ。嘘をつかないで」
「嘘ついてるのは、そっちでしょー?」
 言い争うルイズたち。
 そばでサイトは痛みに悶絶している。
「ねえ。サイト、こっちに来なさい」
 やおらルイズBが声をかける。
 素直に従うサイト。
 きょとんとするルイズA。
「見てなさい。本物は、こういうことができるのよ」
 ルイズB、サイトに突然キスをした。
「!」
「ど、どう? こんなこと、あんたにできる?」
 慌てるサイトとルイズA。三人とも顔を赤くする。
「……」
 微妙に気まずい沈黙。
 しかし、ルイズAが立ち上がった。
「サイト、来なさい」
 仕方なく従うサイト。
 ルイズA、サイトの両肩に手を置いて、ムリヤリにキスをする。
「!」
 なんだか不思議な空気になってきた三人。
「あ、あんた。人の使い魔になにすんのよ」
「だから、あたしの使い魔なんだもん!」
 サイトの意思はそこには存在していない。


250:名無しさん@ピンキー
07/05/09 13:48:22 Jlh75c4z
「わた、わたしなんてサイトに胸まで触られちゃったもん。サイト、ちっちゃい胸が好きだって言ってくれたもん」
「わたしだって言われたもん。もう最後までいっちゃいそうだったもん」
「さ、最後ってなによ」
「最後は最後でしょー」
 エスカレートしていく口げんか。
 サイトの心にイヤな予感が。
「サイト! 来なさい!」
 ルイズAが叫んだ。
 すごすごと従うサイト。
「なにするつもり」
 と、ルイズB。
「こうするのよ」
 ルイズA、サイトにキスをして、ムリヤリ舌を入れる。
 サイトの手を取って、自分の胸に当てさせる。
「!」
 びっくりするのはサイトもルイズBも同じだ。
 やがてルイズAはサイトの口から唇を離して言う。
「どう? ご主人さまなんだから、こんなことされても平気なのよ。あんたにはできないでしょー?」
 怒りに顔を赤くするルイズB。
「で、できるもん。わたしが本物の、サイトのご主人さまなんだもん」
 やはりサイトの意思はひとかけらも尊重されない。
「サイト。来なさい!」
 従うサイト。
 ルイズB、やおらサイトの首筋に口をつけ、吸い始める。
「おおおおお……」
 悶絶するサイト。
 それを見て、ルイズAの顔が見る見る真っ赤になる。
「なにすんのよ!」
「サイトはわたしのなの!」
 激昂するルイズたちによって、サイトの寝巻きが見る間に脱がされる。
 ルイズたち、互いに敵意をむきだしにしながら、サイトの体にキスしだす。
 やはり悶絶するサイト。なんとか我慢する。


251:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:03:39 rB3hTs77
応援sage

252:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:08:43 Jlh75c4z
「こ、こんなことだって、できるんだからね」
 すでに硬直しているサイトのムスコを、ルイズBがおずおずと口にくわえる。
 もう言葉もでないサイト。
 悔しがるルイズA。あれに対抗するには、よほどのことをしなければならない。
 しかし、そのよほどにことが思いつかない。
 仕方なく、ルイズBと顔を並べて、サイトのムスコを舐めだす。
 痙攣するサイト。もうなにがなんだか。
「ひゃっ! なにこれ?」
 突然、サイトのムスコから白い液体が飛びだす。
 ルイズたちの顔にかかる。
 当然、ルイズたちはそんなもの知らないし、初めて見る。
「に、苦いわ」
 顔を向け合い、いぶかしがる二人。
 脱力するサイト。
 しかし、それで事態が終わるはずもない。
「サ、サイト、舐めなさい」
 意を決したように、ルイズAがサイトに言う。
「ご主人さまなんだから、使い魔になにされても平気なのよ。あんたにはそんなの無理でしょー?」
 ルイズBに向かって不敵に笑う。
 腹を立てるルイズB。
 サイトは仕方なく胸を舐め始める。
 なんだか全身をびくびくさせだすルイズA。
 ルイズBは腹立たしくてたまらない。
 ルイズAが目を閉じてるのをいいことに、ルイズBはルイズAのアソコに指を伸ばす。

253:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:15:42 jbSi8NUe
シエスタA、Bの乱入に期待wktk

254:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:22:17 Jlh75c4z
 ルイズAは目を閉じているので、ルイズBの指をサイトの指だと勘違いする。
「やあっ」
 ルイズBはルイズなので、ルイズAの感じるところがよく分かる。
 なので、ルイズAはあっという間にいってしまう。
 痙攣するルイズA。
 ルイズBは容赦しない。攻めつづける。
 またいくルイズA。なんだか濡れすぎてすごいことに。
 ルイズBは激しく腹を立てていたので、ルイズAをもっと苛めてやりたかった。
 サイトに命令する。
「ふん。サイト。もっと、こらしめちゃなさい。手段はまかせるわ」
 頷くサイト。
 こらしめるということが、どういうことなのか分からない。
 でも、ここまで来たら、入れるしかないだろー。普通。
 と、いうことで入れることにする。
 入れた。
「やあああっ!」
 激しく感じるルイズA。
 下半身をふるサイト。
 自分が命令したにも関わらず、ルイズBはなんだかおもしろくない。
「あっ、あっ、だめえ」
 もうルイズAがすごいことになってる。いくらなんでも感じすぎだろ。
「あっ、いく!」
 昇天するサイト。あわせるようにしてルイズAもいってしまう。
 ベッドの上で痙攣するサイトとルイズA。
 ルイズBの顔が怒りと羞恥ですごいことに。

255:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:23:44 Jlh75c4z
親が帰ってきたのでここまでに。
後は任せた。好きなように書いてくれ。

256:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:27:20 ttSJCdnN
>>255
書きながら投下かと思ったらやり逃げかよ。
死ね

257:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:42:56 5GqFouUG
なんでこんなに殺伐としてるんだ('A`)

258:名無しさん@ピンキー
07/05/09 14:43:05 jbSi8NUe
>>256
何をそうカッカしてんだ旦那・・・まぁこれでも飲みなよ・・・いや、私からの驕りだ

259:名無しさん@ピンキー
07/05/09 15:12:07 gzo/rUCf
>>258
なんという思い上がった態度。

260:名無しさん@ピンキー
07/05/09 15:22:23 Lji/ItA6
書きなさい、犬!!



261:名無しさん@ピンキー
07/05/09 16:14:43 XKPVO32E
荒れるといけないからこの辺で止めようや

262:名無しさん@ピンキー
07/05/09 16:47:42 5m+KVUTi
最近、スレ雰囲気悪いな。ここいらで御大(せんたいさん)の登場キボン

263:名無しさん@ピンキー
07/05/09 17:11:02 jbSi8NUe
雰囲気が悪いのは11巻発売が迫ってるせいさ、きっと

264:名無しさん@ピンキー
07/05/09 18:10:45 CHe5s9t4
へんたいさんが平仮名のへんたいなのはこのスレだけなのだろうか。

265:名無しさん@ピンキー
07/05/09 18:45:18 jbSi8NUe
荒れたスレを見て心が痛んだ。
気を紛らわせるために、一度ゼロ魔を読み直してみようと思った。
コルベール先生をリスペクトな俺は、彼がそのコッパゲ以上に燦然と輝いた、6巻・贖罪の炎赤石を手に取った。

先生の活躍と生き様に改めて尊敬を深め、
身を呈して己の信念の元、任務に殉じようとした若き竜騎士らに改めて羨望を深め、
俺はあいつらの名前も知らないんだぞ、と戦争の非情さを嘆くサイトに改めて涙した。

いい気分のまま7巻を手に取ろうとしたとき、ふと巻末にある「あとがき」に目が留まる。
その時、俺は一度もこの「あとがき」に目を通したことがなかったことを思い出した。
避けていたわけではない。ただ、なんとなく忘れていたのだ。
せっかくなので読んでみた。

キグチコヘイハシンデモラッパヲハナシマセンデシタ!
キグチコヘイハシンデモラッパヲハナシマセンデシタ!
キグチコヘイハシンデモラッパヲハナシマセンデシタ!



俺のリスペクツ人物の中に、ヤマグチノボルの名がこれまで以上に深く刻まれた瞬間だった。
「ヤマグチノボル!ヤマグチノボル!ヤマグチノボル!」
現代の大先生をリスペクト!エロSSを書くのですから、当然なのであります!

---続かない

266:名無しさん@ピンキー
07/05/09 19:16:45 vvTC7wF+
>>247
ディテクトじゃなくてディスペルだろ

267:名無しさん@ピンキー
07/05/09 20:06:34 TxkwIHC7
ヘイト系がダメなら俺の出番は無いwww

268:名無しさん@ピンキー
07/05/09 20:15:17 MfRMqimQ


269:名無しさん@ピンキー
07/05/09 21:20:18 XKPVO32E
>>267
ヘイトでもいいけどgdgdになるとダミダヨー

270:名無しさん@ピンキー
07/05/09 22:32:02 IMTmB2QC
11巻はよ出てほしいなあ。


271:名無しさん@ピンキー
07/05/09 22:53:06 tNP4mCMp
>>270
俺の脳内では32巻まで出てるぜ

272:名無しさん@ピンキー
07/05/09 22:54:59 gzo/rUCf
>>271
その妄想をこのスレで顕現させてくれ。

273:名無しさん@ピンキー
07/05/09 22:57:07 IMTmB2QC
>>271
まさかその中でお前出てないよな?



まっさかな~~~ww

274:名無しさん@ピンキー
07/05/10 09:00:46 DFMsekKA
>>273
もちろん、バリバリに主役はってますが、なにか?

275:名無しさん@ピンキー
07/05/10 10:52:38 6r9q0MAR
>>274
何を言う
主役は俺だ

276:名無しさん@ピンキー
07/05/10 12:03:21 NLjRO4go
じゃあ俺は神!

277:名無しさん@ピンキー
07/05/10 12:12:27 URosf1ul
じゃあ、俺は本筋と関係ないところでテファといちゃついてるよ

278:名無しさん@ピンキー
07/05/10 12:21:06 EtjUXKSk
カトレアが俺の嫁って事はサイトが義弟になるのか、うーむ

279:名無しさん@ピンキー
07/05/10 12:48:22 K47ACYxd
>>278
よう弟。

280:名無しさん@ピンキー
07/05/10 13:28:47 i5W1tMzQ
>>278>>279
やあ息子達

281:名無しさん@ピンキー
07/05/10 15:40:38 K47ACYxd
ルイズパパ降臨は想定GUY

282:名無しさん@ピンキー
07/05/10 16:58:48 KW22NwS1
おまえらw


283:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:35:39 NNrO473q
>>278
やあ父さん

284:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:35:56 XOk4Hrg7
とりあえずシルフィードは頂いていきますね

285:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:40:26 gZPk4lAH
じゃ、タバサいただきます。

286:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:43:41 K47ACYxd
ジュリオいただいていきます。

287:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:53:53 GKo9KLl6
アニエスは俺の嫁。
これはガチ。

288:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:56:30 7+WbQL50
やぁ、ぼくマリコルヌ

289:名無しさん@ピンキー
07/05/10 21:24:56 MKmh1D6X
タバサは俺がもらう

290:名無しさん@ピンキー
07/05/10 21:39:42 K47ACYxd
まぁ待てよ、ひとまず俺はトレビアンも貰ってくからさ

291:名無しさん@ピンキー
07/05/10 22:23:44 i5W1tMzQ
じゃあ俺はテファとキュルケでおっぱい祭を開催してくる

292:名無しさん@ピンキー
07/05/10 22:38:37 SjgZjjjR
ではシエスタは俺が

293:名無しさん@ピンキー
07/05/10 23:10:04 h06Lord4
>>292
それ、このスレ名物の黒シエスタだぞ。

294:名無しさん@ピンキー
07/05/10 23:20:44 oILxY7t+
じゃあフーケはオレのな

295:名無しさん@ピンキー
07/05/10 23:35:00 KW22NwS1
こういう流れ見てると思うけど
おまいら普段は潜んでるなwww
俺も潜んでるが。あと
>>291俺も参加します

296:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:10:08 VVMH/jD9
その古今東西を問わぬ永遠の男の浪漫に顔を揉まれ背中を洗われナニを挟まれしてもらおうってんだな
けしからん!なんてけしからん!貴様らのそんな乱行を監視するためには、俺も>>291に参加せねばなるまいな。全く以って遺憾だが。

297:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:32:32 GoGW8744
おまえ等に恨まれようと構わん。
ゼロ魔のおにゃのこ全員貰っていく。


と言いたい所だがルイズとキュルケは嫌いだから置いてってやる。皆で輪姦してろ。
さあアンテファシエシエタバサシルフアニジェシカ
や ら な い か ?

298:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:40:14 xCeH3Hjc
ぽっちゃり「もうこうなったら>>297でいい。抱け」

299:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:43:21 IbCnCyja
タバサは誰にもやらん。俺が守る。

300:名無しさん@ピンキー
07/05/11 01:22:24 65gpDEqd
サイトのケツまんこは俺んだー!

301:名無しさん@ピンキー
07/05/11 01:24:25 vyniySbR
アッー!


302:名無しさん@ピンキー
07/05/11 03:26:06 F0B82HFB
ちょwwwwww

303:名無しさん@ピンキー
07/05/11 08:57:00 OZBj9gj7
なにこのスレ(´・ω・`)

304:名無しさん@ピンキー
07/05/11 08:59:38 LLC4E9v1
そんなことよりルイズ中出しだってよ

305:名無しさん@ピンキー
07/05/11 09:14:47 kPHdP0h2
嫉妬で荒らしているんだろうなw

306:名無しさん@ピンキー
07/05/11 09:31:48 tk/eAlkS
糞スレage

307:名無しさん@ピンキー
07/05/11 10:38:56 RBcEpNV+
だれかSS書いてくれ

age

308:名無しさん@ピンキー
07/05/11 11:01:49 VVMH/jD9
>>307
エロ無しの短編でいいなら

309:名無しさん@ピンキー
07/05/11 11:38:06 f5kq4r1I
>>308
エロが無くてもOK、OK。

310:名無しさん@ピンキー
07/05/11 12:21:20 OZBj9gj7
>>309
職人さんに任せなさい。

311:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/05/11 12:31:11 ykD8rpA3
はーい、5月入ってから夜勤しかしてないせんたいさんがきましたヨー(泣

そういうわけで、空気読まずにSS投下!
それが俺のジャスティス!

312:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/11 12:32:27 ykD8rpA3
「今までの訓練から、分かった事がある」

今日は、水精霊騎士団の定例訓練の日。
騎士団員の前に立ち、才人は木剣を地面に衝き立てて、そう言った。
才人は、副隊長でありながら、水精霊騎士団ではその実戦経験を見込まれて、教導官をしていた。
ちなみに隊長のギーシュはといえば、訓練の際には教えられる側に回る。

「君たちメイジに、俺と同じ剣を教えても、あまり意味がないということだ」

その言葉に真っ先に頷いたのはマリコルヌ。
何故なら、才人の剣の訓練に一番ついていけてないのが彼だからである。
そしてそのまま才人に尋ねる。

「じゃあ今日はどうするんだい?訓練はお休み?」

その言葉に、一部の怠け者たちが歓喜の声を上げる。
その中にギーシュがいたのは言うまでもない。

「いや。今日の訓練は、別メニューで行う。
 そこで、本日は特別講師をお招きした」

才人はそう言って、手招きをする。
水精霊騎士団の集会所になっているゼロ戦の格納庫から、小さな人影が現れた。
その青い髪の人影はすたすたと才人の隣まで歩いてくると、団員たちに無表情な顔を向けた。

「紹介しよう。
 今日から我が水精霊騎士団の魔術顧問になった、タバサだ」

才人の紹介を受けたタバサは、短い髪を揺らして、小さく礼をした。
以前騎士団への勧誘を断ったタバサだったが、何を思ったのか突然、『騎士団員に魔法戦の指導をしてあげる』と言い出したのだ。
才人としてはダレてきている水精霊騎士団に活を入れられるので、その申し出は願ったりかなったりだったのだが。

「よろしく」
「ちょっとまてえええええええ!」

タバサの挨拶に異論を唱えるものが一人。
なんのことはない、休みを期待していたマリコルヌである。

「なんだよ!なんでそんな娘が魔術顧問なんだよ!」

才人はマリコルヌの言葉に、やれやれと肩をすくめる。

「少なくともタバサはお前よっか強いぜ?」

才人のその言葉に、騎士団員の誰もが頷く。
褒められて、タバサはちょっと頬を赤らめて嬉しそうにしていた。才人くらいにしか分からない程度の変化だったが。
マリコルヌは顔を真っ赤にしながら激昂した。

「な、なんだよ!皆して僕を馬鹿にして!
 いいよ、わかったよ!」
「お、やるか?」

てっきりマリコルヌがタバサに決闘でもふっかけると思った才人だったが。

313:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/11 12:33:18 ykD8rpA3
「ギーシュとどっちが強いか勝負だっ!」
「えっ僕っ!?」
「お前がやるんじゃないのかよ…」

半分呆れた才人だったが。

「よし、んじゃタバサがギーシュに勝ったら講義受けるな?」
「え、ちょっと待」
「ああもちろん」
「タバサはどーするよ?」
「構わない」
「だってよギーシュ」
「……わかったよやればいいんだろ…」

そして結局。
ギーシュはタバサと決闘する羽目になった。

「『貧乏くじ』ってのはこのことなんだねモンモランシー…」

ギーシュとタバサの二人は、10メートルほどの間を空けて対峙していた。
審判役の才人が、そのちょうど中央で木剣を真横に突き出す。

「いいか、俺が剣を振り上げたらスタートだからな?」

周囲には遠巻きに水精霊騎士団の面々。
どっちが勝つんだ、と盛り上がっていたが、大勢はギーシュ有利に傾いていた。
当然といえば当然だが騎士団の面々はタバサの実力など知らなかったし、ギーシュがある程度使えることを知っているからだ。
『正直勝てる気がしません』
でもできるだけ頑張らないとかっこ悪いよなぁ、とか内心考えながら、ギーシュは離れた位置にいるタバサを見つめる。
相手は『風』のトライアングルメイジ。
まず最初に土の魔法で壁を作って、タバサの周囲の大地を『錬金』で油に…。
なんて考えていると。

「はじめっ!」

才人が景気よく木剣を振り下ろして開始の合図を送る。
早いってサイト早いって空気読め!
しかし始まったものはしょうがない。ギーシュは当初の計画通りに土の魔法を詠唱

どこん。

できなかった。
ギーシュの頭上から振り下ろされた『エア・ハンマー』が、ギーシュを一瞬で大地に叩き伏せ、気絶させたのだった。

314:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/11 12:33:54 ykD8rpA3
「い、今の反則じゃないかっ!」

タバサの勝利を告げる才人に抗議したのは、気絶したギーシュではなくマリコルヌだった。

「何がだよ」

タバサの頭をなでなでして勝利を祝っていた才人が手を止めてマリコルヌを振り向く。
途中で止められたタバサはちょっと不機嫌そうだ。

「その子勝負が始まる前から呪文を詠唱してただろう!
 だってそうだろう?あんなに早く呪文が完成するわけないんだ!」
「…戦闘前の詠唱準備は基本中の基本」

マリコルヌの言葉に思わず考え込んだ才人の前に立ち、タバサが言った。

「でも、勝負ははじめの合図があってからだろ!」
「あなたは、戦場で相手がいちいちはじめの挨拶をしてくれると思うの?」
「…う」
「それに、彼には私の詠唱が見えていなかった。
 詠唱時に魔法の種類を悟られないようにするのも基本」

才人にはタバサの言いたい事が理解できた。つまり、ギーシュは基本がなっていない、というのだ。
ギーシュはこれでも一応、水精霊騎士団の中では『使える』方だ。
タバサからすれば、水精霊騎士団の面々も、基本のなっていない素人なのだろう。
タバサの指摘に間違いはない。マリコルヌを含め、騎士団の面々は口をつぐむ。

「…だってさ。やっぱタバサに教わったほうがいいんでない?」

才人は肩をすくめて騎士団の面々を見る。
今度は、反論する者はいなかった。

そしてタバサによる地獄のような訓練が開始された。

「そうじゃない。相手に見えないように俯いて」
「こ、こうかな」
「違う。もっと顎を引いて」

タバサの細い指を顎に当られ、『相手に見えない詠唱法』を教わるギーシュ。
…なんだか嬉しそうだ。

315:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/11 12:34:34 ykD8rpA3
「ちょ、ちょっと僕の方も見てもらえないかな」
「構わない」
「ま、待てよマリコルヌ、俺が先だってば」
「あ、あのさ、僕呪文の組み合わせ考えてみたんだけど」
「どんなの」
「あっこら抜け駆けすんじゃねえっ!」

…地獄のような訓練になる予定だったが、どうやら団員たちには天国のような時間になっているようだ。
ぱっと見は地味で無口なちびっこでしかないタバサだったが、近くで見ればその認識は変わる。
肌は絹より繊細で、その青い髪はあくまで細く美しく日の光を蒼に換え、眼鏡に隠された瞳は深く吸い込まれそうな深淵を湛えている。
ぶっちゃけ、間近で見るタバサはものすごく可愛かった。
遠目に見るなら、たしかにキュルケのような、メリハリのきいた肢体と身長が必須だ。
しかし、近くで鑑賞するなら、各所の造形が控えめなタバサの愛らしさは、キュルケのそれを上回る。
ちょっと見下ろせば全身がくまなく視界に入る可憐さは、はっきり言って育ちすぎた女の子が醸し出すには無理な魅力だった。
才人はそれを誰よりもよく知っているわけで。
一生懸命騎士団員の間で講義を続けるタバサと、それにちやほやしまくる騎士団員を見て。
…ヤバい。こいつらが目覚める前に。

「さーて、今日の講義はこの辺にしようかー?」

才人は声を張り上げ、騎士団員に訓練の終了を告げる。
団員たちからは案の定、えー、と不満の声が上がる。
才人はそんな団員たちには目もくれず、タバサの隣に立って、続けた。

「タバサもいい加減疲れただろうしな?」

そして、タバサの肩を掴む。その手には、必要以上の力が篭っていた。

「…かかった」

小さく呟いたタバサのその言葉を聞き取れたものは、誰もいなかった。

316:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/05/11 12:35:16 ykD8rpA3
でも途中で終わりなのねすまぬー。

つーわけでちょっくら買い物いってくらあノシ

317:名無しさん@ピンキー
07/05/11 12:43:13 6gNiEARx
タバサ……恐ろしい子。
続きにwktk!

318:名無しさん@ピンキー
07/05/11 12:43:34 VVMH/jD9
せんたいsリアルタイム遭遇ktkr!
支援and続き待ちつつ期待

319:名無しさん@ピンキー
07/05/11 13:27:58 f5kq4r1I
>>316
せんたいさんイイヨー!
俺もう、くらくらです。


320:名無しさん@ピンキー
07/05/11 14:10:55 cIFI0sy6
まさにジャスティス…これこそが正しい流れ…

続きwktk

321:名無しさん@ピンキー
07/05/11 14:25:35 42dwZnJv
タバサ……何という策士。
これぞ正に騎士団の連中は当て馬。

322:名無しさん@ピンキー
07/05/11 16:29:59 FHfhAZo2
かかったってw
タバサ怖い子。

323:名無しさん@ピンキー
07/05/11 17:14:32 5jCvdqu2
なんという釣り士www

324:名無しさん@ピンキー
07/05/11 18:04:27 H2+qvZ5Q
釣られないクm(ryコウメイノワナジャー

325:名無しさん@ピンキー
07/05/11 18:33:17 HpzLCoLG
そんな餌にこの俺が釣られクマー

326:名無しさん@ピンキー
07/05/11 19:02:33 DQCfLDKD
神が舞い降りた~

327:名無しさん@ピンキー
07/05/11 19:19:01 /vxedkMW
買い物なんて待てないんだかんねっ

328:名無しさん@ピンキー
07/05/11 20:58:52 Hkz1pghr
もうネタバレスレに11巻の感想きてんのな、はえー
明日FG店行ってみっか…

329:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:01:52 f5kq4r1I
>>328
あのスピードは異常。
マガジンのネタバレを木曜日に入手するぐらいに異常。

330:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:09:24 VVMH/jD9
どういう経由で入手してんだろうな・・・・
やっぱ印刷業者とか出版社関連とかとパイプあんだろうか?まぁ25日まで待つけど。まったり、待つ。待てる、さ。

331:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:27:34 H2+qvZ5Q
ネタ元は作者




なわけないか

332:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:53:33 VVMH/jD9
へんたいさんの続きを待ってたら、暇つぶしに書いた糞SSがなんか完成しちまいそうだぞ
(´・ω・`)オラナンカワクワクシテキタッゾー

333:名無しさん@ピンキー
07/05/11 23:30:22 fU8iyXtx
>>332
何か俺もワクワクしてきたぞ

334:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:05:25 p2vgbHSM
寝たら日付またいじゃった。マジスマソ
続きいくよー

335:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:06:43 p2vgbHSM
しかしいきなり講義を中断されておもしろくないのはまだタバサと絡んでいない団員たちだった。

「まだ途中じゃないかっ!中途半端は良くないぞサイトっ!」

主にこの丸いのが。
そしてそれに釣られるように他の団員達も同意の声を上げる。
確かに講義は中途半端で、さらにマリコルヌはこれからタバサの個人指導を受けようという所だったのだ。
憤るのもむべなるかな、である。
しかし才人は。

「でもなあ。もうそろそろいい時間だし」

日は中天にあり、まだお茶の時間を少し回ったあたり、といったところだ。
いい時間というには多少無理があるのではなかろうか。

「よし、だったらこうしようじゃないか」

ガンを飛ばしあう二人に割り込むように、ギーシュが声を掛ける。

「サイトとタバサが試合して、タバサが勝てば講義継続。
 サイトが勝ったら今日の講義はここで終わり。これでどうだい?」

ギーシュの提案に、才人は。

「ちょ、待てよなんだよそれ」

案の定否定した。
タバサとやりあうなんて正直勘弁願いたかったし、どうせなら無条件でこのまま終わりにしたかった。
しかし。

「それでいい」

タバサはすんなりと了承してしまった。
そして結局多数決という名の数の暴力に屈して。
才人はタバサと再び戦う事になったのだった。

先ほどギーシュとタバサがそうしていたように、タバサと才人は10メートルほどの間を空けて対峙する。
今度は、ギーシュが審判を買って出た。

「それじゃあ二人とも準備はいいかい?僕がこの剣を振り上げたら試合開始だ」

そして、木剣を真っ直ぐ横に構える。

「なー相棒、なんで試合なんかで俺っち使うんだよ?」
「…勝たなきゃいけないからだよ」

才人は、デルフリンガーを手に、タバサに対峙していた。
これ以上タバサを飢えた騎士団の面々の中で放置しておいたら。
奴らの事だ、シャルロットをオカズにしかねん…!
シャルロットをオカズにして許されるのは俺だけだっ!
独占欲丸出しで、才人はデルフリンガーを構える。

336:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:07:14 p2vgbHSM
左手に刻まれたガンダールヴの印が、才人の心の震えに反応して、光り輝く。

「…どーでもいいけどさ、最近相棒心の震え自由自在よな」
「俺は今っ、猛烈にっ、熱っっっ血しているぅっ!」

そして先ほどの仕返しとばかりに、ギーシュは吼える才人を無視して剣を振り上げる。

「はじめっ!」

真横からのエア・ハンマーによる最初の一撃は、思い切り後方に跳び退って避けた。
タバサが不意打ちでエア・ハンマーを使うのは目に見えていた。
問題は次の手。
一度跳び退った才人とタバサの間合いは、さらに開いた。
タバサに到達するまでに、けっこうな猶予を与えてしまう。
つまり、それだけ大きい魔法をタバサは準備する余裕があるということだ。
しかし才人はそのまま正面からタバサに突っ込む。
最初の間合いから半分ほど詰めた時。タバサの詠唱は完了していた。
アイス・ストーム。それも地上すれすれに効果範囲を限定する事で、一瞬で足元を凍りつかせ、相手の足止めだけを狙ったものである。
あくまでこれは模擬戦闘。才人を傷つけるわけにはいかない。しかし、範囲は広い。殺傷力を削った分を、範囲の拡大にまわしたのである。
凍える大気が渦を巻き、才人が踏み出そうとしている大地を覆う。
そして次の瞬間。

ガッ!

才人はデルフリンガーを地面に衝き立てる。大地に満ちた魔力は、全てデルフリンガーに吸収されていく。
そして才人は、吸魔の剣を足場にして、高く、遠い距離を一瞬で縮めた。
あっという間にタバサの隣に着地した才人は、一瞬でタバサの右手と杖を絡め取った。

「勝負あり、だな」
「…参りました」

そして、才人は副隊長としての立場と、タバサの独占権を守り抜いたのである。

337:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:07:52 p2vgbHSM
訓練が終わると、いつもは打ち上げと称した軽い宴会が催される。
才人はそれには参加せずに、タバサの部屋に来ていた。

「なんだよ、話って」

タバサが部屋で話があるから、と、才人を連れてきたのである。
タバサは才人を見上げ、率直に聞いた。

「妬けた?」

そのダイレクトな言葉に、才人の顔が一瞬で真っ赤に染まる。
確かに、騎士団員にちやほやされるタバサを見てもやもやしていたのは事実である。

「な、なんだよ。妬いちゃいけないのか?」

赤くなって頬などかいている。
可愛い。
タバサは衝動を抑えきれず、そのまま才人に抱きついた。
そして言った。

「私が普段どういう気持ちでいるか、これで少しはわかった?」
「え?」
「他の女の子と一緒にいるあなたを見る私の気持ち」
「あ、あれは」

才人は思わず言いよどむ。
彼が望むと望まざるとに関わらず、ついそう言う状況に陥ってしまいやすい運命というか体質であるのだが、しかしまたこの状況を生み出しているのは彼の煮え切らない性格もその原因の一端であることを、彼は理解していた。
とどのつまりヘタレである。

「…私にあなたを縛る事はできない。でも」
「…でも?」

タバサは視線を上げ、才人の瞳を覗き込んで、続けた。

「…今は。今だけは。
 私だけのものでいて。私だけ、見てて…」

才人はその深い瞳に吸い寄せられるようにタバサを抱き寄せ、そして。
その唇を優しく塞いだのだった。

338:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:08:50 p2vgbHSM
二人はしばらく口を吸いあっていたが、やがて息が続かなくなり、どちらからともなく唇を離す。
タバサの身体は脱力し、才人にその身を委ねていた。
才人はそのままタバサの身体をベッドに横たえる。
そして服の上からそっと、タバサの胸を撫で回す。

「…っふッ…!」

服の布の上から敏感な突起が押しつぶされるたび、タバサの喉から艶かしい声が零れる。

「…シャルロットってさ」
「な、なに…?」

不意に語りかけてきた才人に、タバサは尋ねる。
その間も才人の手は休まず、わずかに膨らんだタバサの乳房を、柔らかく揉み解している。

「…こういう時、声抑えようとするよね。なんで?」
「…っは、恥ずかしい、から…」

そうこうしているうちにも、才人は両手でタバサの頂点を押しつぶし、刺激を与える。
タバサは無意識のうちに両手で口を抑えようとする。
才人はそんなタバサの両手を掴み、口を塞がせないように開かせる。

「…っやぁっ…」
「もっと聞かせてよ。シャルロットの可愛い声」

そして今度は。
タバサの白い首筋に吸い付いた。

「ひゃんっ!」
「いい声。もっと啼いてみせてよ」

才人は言いながら、タバサの露になった首筋や耳たぶ、そして軽くはだけた鎖骨に、キスの雨を降らせる。

「っひ!やぁっ…なめちゃだめぇ…」

タバサは才人の下で必死に足を擦りつけ、快感に抵抗する。
しかしその行為は、タバサの身体からより一層牝の匂いを香らせることになる。
最初は衣擦れの音しかしなかったタバサの股間が、やがて湿り気を帯びた音に変わる。

くちゅ…。

明らかな水音が才人の耳に届いたとき。
才人はタバサの上半身を責めるのを止め、手をついてタバサの下半身を覆う。

「…は…はぁ…」

口付けの甘い責めから開放されたタバサは荒い息を整え、潤んだ視線を才人に向ける。

339:戦技教官雪風 ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:09:51 p2vgbHSM
「さい、と…?」
「もうガマンできないみたいだな、シャルロット」

才人から見える開かれたタバサの脚の間には。
女の子の聖域を護る最後の布が、零れた牝の果汁によって染みを造っていた。
タバサは才人の指摘に、こくん、と頷いた。

「ガマン、できないの…。サイトが、欲しいの…」

そして、自らの指でその布を引き伸ばし、己が裂け目を晒して。
膝を立てて、牡を誘った。

「貫いて…サイトでいっぱい、私を犯して…」

才人は言われるがまま。
タバサの中心を貫いたのだった。


上手くいった。
やっぱりあの本は頼りになる。
今回の仕込みは、
『素直になれない女主人~謝肉祭~「今日の天気は晴れのちアレ」』
からの引用。
執事の煮え切らない態度に業を煮やした女主人が、わざと他の男と仲良くして、やきもちを妬かせるシーン。
それをちょっと応用して、仕掛けてみた。
効果は抜群で、今日のサイトはいつもよりずっと優しかった。
…その、無理やりお尻で、されることもなかったし…。
ずっとキスしながら抱いてくれたし。
私は隣で眠るサイトの胸に顔を埋めて、もう一度幸せを噛み締める。
今だけは。この瞬間だけは。この人は私だけのも

「ん~にゅ、シエスタもっと下だってぇ…」

むか。

結局その後。
私はフルボッコにしたサイトを、格納庫の入り口に簀巻きで逆さづりにしたのだった…。~fin

*教訓:戦闘後が最も虚を衝かれ易い。おうちに帰るまでが戦闘です*

340:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/05/12 01:11:57 p2vgbHSM
いやマジせ許して。
単に戦闘シーンが書きたかっただけなんだってば。
しかも薄味の(ぁ
だからこんな中途半端な内容にorz
精進しなおしてくるから堪忍してつかぁさい…。

というわけで明日も夜勤なのでねゆーノシ

341:名無しさん@ピンキー
07/05/12 01:15:40 irvzPlZa
一番槍

ぐじょーぶ

342:名無しさん@ピンキー
07/05/12 01:24:47 E+s1a6E0
GJ!!
寝言は本当に怖いよね……。自分で何言ってるか分かんないんだもん……。

343:名無しさん@ピンキー
07/05/12 01:29:59 WezGZjnb
GJ!!
あ~ベットの上の寝言が一番怖いよねえガクブル


344:名無しさん@ピンキー
07/05/12 01:52:19 LbAP/cwt
そういう心配を一切しなくていい自分は・・・・負け犬なんだろうな(´・ω・`)

345:名無しさん@ピンキー
07/05/12 02:18:48 rNsINg+/
<<344まあ、がんばれとしかいえない。
ともあれいい仕事してるねせんたいさん。
毎度GJだぜ

346:名無しさん@ピンキー
07/05/12 06:38:26 Ljmixw5P
さすがはせんたいさんだな。gdgdだったスレ雰囲気が・・・・

347:名無しさん@ピンキー
07/05/12 14:50:03 afBVk8op
もうホントにまさしく“神”だと思う。
このスレにはせいたいさんが居ないと成り立たないよ。

348:名無しさん@ピンキー
07/05/12 17:37:06 n1LluHY1
GJ!
本当に洗体さんは素敵です

349:名無しさん@ピンキー
07/05/12 18:42:25 8sSE58sH
>>348
なにっ!次はタバサとお風呂で洗いっことな!

350:名無しさん@ピンキー
07/05/12 20:30:08 COU1ZIdU
やっぱタバサが一番かわいいな

351:名無しさん@ピンキー
07/05/12 20:50:29 +iJVQ0hW
時代は…




ツンデレ(ルイズ)から…



クーデレ(タバサ)だ!


…っていうかこのスレに限ってはヒロイン全員の時代ですがね。

352:名無しさん@ピンキー
07/05/12 20:56:48 pTAAezDj
  |       /\ |  /|/|/|  ドドドドドドドドドドドド!!
  |      /  / |// / /|
  |   /  / |_|/|/|/|/|     (´⌒(´⌒`)⌒`)
  |  /  /  |泡|/ // /  (´⌒(´チャンスで連絡!!`)⌒`)
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/    (´⌒(´∧ ∧⌒`)`)`)⌒`)
/|\/  / /  |/ /     (´⌒(´(,゚Д゚ )つ `)`)
/|    / /  /ヽ  (´⌒(´⌒  (´⌒( つ |〕 /⌒`)⌒`)
  |   | ̄|  | |ヽ/|  遅れるな!!   ( |  (⌒)`)⌒`)
  |   |  |/| |__|/.   ∧_∧ ⌒`).ドし'⌒^ミ `)⌒`)ォ
  |   |/|  |/  (´⌒(´( ´∀` )つ  ド  ∧_∧⌒`)
  |   |  |/    (´⌒(´( つ/] /    ォと( ・∀・ ) 突撃―!!
  |   |/        ( |  (⌒)`)  ォ ヽ[|⊂[] )`)
  |  /         (´ ´し'⌒^ミ `)`)ォ (⌒)  |

353:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:08:22 pTAAezDj
すまん誤爆した

354:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:21:03 D12KnJDO
いや、どこと間違えたかは知らんが、絶妙のタイミングだw


ま、何はともあれヘンタイさんグッジョブ!!!!

355:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:33:49 QFBz/UpD
原作ではデレってないからクーデレではないと思うが、
確かに今、時代はタバサだ。
しかし、11巻の内容次第では失速する気もするんだな。
祭るんなら今のうちと思われ

356:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:06:30 Myo5YURZ
GJ!!!
しかし…謝肉祭ww

357:名無しさん@ピンキー
07/05/13 00:47:45 Ya5nB7JG
へんたい先生の方のタバサになれたから、11巻のタバサには
おとなしすぎて違和感が出るようになるんだろうな


まさか、原作ではここ以上に大胆に……なんてことは、ないよな?

358:名無しさん@ピンキー
07/05/13 00:53:19 kR3Xjlu2
261氏のタバサがデフォな俺がきましたよ

359:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:20:09 tEu6EtPu
コーホー

360:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:21:03 tEu6EtPu
ミス…

361:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:22:42 Xx1yW4KK
ウォーズマン乙。

362:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:26:24 1TXoWHqW
11巻はタバサメイン回じゃないだろう。
俺は11巻でのカトレア、エレオノールが待ち遠しくてたまらん><
アンリエッタも可。

363:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:47:56 zCIRD7A+
>>362うむ、だからこそ失速を怖れておるのだよ。
なんの見せ場もなく
「タバサは母親につきっきりである」
とか一行で終わってたりしたらどーするさ。

364:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:58:04 IN1zNARZ
そんな悪夢ナ11巻見たくない

365:名無しさん@ピンキー
07/05/13 02:53:25 R3XmwZsv
ばかだなぁ
そういったときにこそ神職人による補完が生きるんじゃないか
もちろん、本編で綿密に描写されるに越したことはないけどな

366:名無しさん@ピンキー
07/05/13 03:21:19 Cpt29J7Q
俺は、お兄ちゃんっ!なタバサ化すると信じる

367:名無しさん@ピンキー
07/05/13 04:37:27 c8iByxzu
>>366
ドイテ? ソイツコロセナイ?

368:名無しさん@ピンキー
07/05/13 05:02:58 7+Uo2K1c
新刊でのタバサしだいではタバサ祭りが・・・・



こいっ!何が何でもタバサ祭りこい!!

369:名無しさん@ピンキー
07/05/13 08:13:31 FmmUKff+
イージャンイージャンスゲージャンw

370:名無しさん@ピンキー
07/05/13 08:31:56 QhdXQDD2
それこのスレに関係あると思うの?


答えは聞かないよ

371:名無しさん@ピンキー
07/05/13 11:01:29 aXe7ucZS
でも流れ的にはどうなるか。


372:名無しさん@ピンキー
07/05/13 12:59:08 ahTUVDJk
ときに、せんたいさんのオリジナル設定のモノってどれなんだ?

今原作が友人宅に行ってて比較ができん
ていうかせんたいさんオリジナル設定まとめやがれ

おながいします
(´・ω・`)

373:名無しさん@ピンキー
07/05/13 14:15:18 aXe7ucZS
オリジナルってキャラだけじゃなかったっけ?
まとめサイトでせんたいさんのSS見てみれば
わかるんじゃないか?俺も見てこよう

374:名無しさん@ピンキー
07/05/13 14:17:03 zaZ2D8wy
原作をもう1セット自分で買いやがれ

ルイズちゃん全巻くださいと大きな声で言うんだぞ?

375:名無しさん@ピンキー
07/05/13 14:42:53 zvqc1gRI
>>374 372ではないが・・・

店に行って、シャルロット全巻下さい・・・・・・言ったさ!

店員つ 4巻 5巻 9巻 10巻 外伝

・・・漢だ・・・ぜ?

負けた

376:名無しさん@ピンキー
07/05/13 15:56:24 sn8Zj+DJ
>>375
その店員は素人だよ。
タバサの寝巻き姿が拝める2巻を出さないんだからな。
全く、ケツの青いガキはこれだから。ふんとにもう。

377:◇ZGK46RsE
07/05/13 17:56:48 +cGMEEgS
タバサで盛り上がっているところだけど女王様で。

378:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE
07/05/13 17:57:56 +cGMEEgS
夜のしじまに陰陰とした水音があった。硬い物と布地が擦れ、その間にある水が跳ねたり、滴ったり、
弾けたりで音が発生している。有体に言えば洗濯の音であり、それを人力で行っているのは月明かり
の下、ただ一人だった。

そよ風が草を揺らす音が聞えそうな静けさの中で一人洗濯、これだけも侘しい。時偶汚れの落ち具合
を確認する為に掲げられるのは小さな布切で足を通す穴が二つあいてて、つまりは下着だった。

もうこれだけで侘しさは一杯一杯な気がする。止めとばかりに下着は自分の物ではないのに、洗う当
の本人、才人は結構嬉しそうであった。殆ど痛ませないで綺麗にしている己の力量に満足感さえ抱い
たりする。

「う~む、飛騨の職人さんにも匹敵するレベルになってきたな、俺。参加資格が男だってパンツ洗い
大会があれば絶対に優勝できる」

お立ち台の一番高い位置にいる自分を想像して才人は爽やかな笑みを浮かべる。人間、何事も力量が
上がれば嬉しいものだが、なかなか怪しい眺めであった。

「しかしそんな洗濯上手で素敵な使い魔にご主人さまときたら厳し過ぎるっての! すぐ怒るんだか
らな~。まったくカルシウム不足に違いない」
「カルシウムって何ですか?」
「骨になる物資。これが足りないと骨が弱くなったり、あとイライラしたりする。小魚とか牛乳に豊
富に含まれてる憎いヤツがカルシウム」
「まあそうなんですか、博学ですね」
「ああ、そんなに詳しくはないんだけど…………えっ???」

何気なく受け答えをしていた才人だが、自分がただ一人で洗濯をしているのを思い出し慌てて声の方
を向くと、ほんとう間近に高貴なオーラがあって驚愕した。

「って、お姫さん!? な、なにしてるんですかこんな時間にって言うか、なんでここに居るんです
か!」

才人の驚きとは対照的に嬉しそうな微笑みを浮かべるのは、自身の紋章である白百合がそのまま人の
姿になったような美しい人影、アンリエッタその人であった。

フード付きのマントの下には純白のドレス、頭には水晶みたいな輝きを放つ冠、夜の学院の裏庭に存
在するには勿体無いほどの違和感がある。

379:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE
07/05/13 17:58:58 +cGMEEgS
しかし、月の光で幻想的に浮かび上がるアンリエッタは、この世のものとは思えない程に美しい。こ
の時間、この場所に自分が存在してはいけないのを自覚して、それでも来てしまった喜びを消せない
葛藤が、うら若き女王の美貌へ更なる磨きをかけていた。

それは、火急の事件でも発生したのか、そんな普通なら直ぐに浮かぶ考えを才人から奪い、唐突な来
訪者を見詰めるだけにさせ、またアンリエッタも才人の問いに正面から答えられない。

夜には完全な静寂が訪れる。回りには誰も居ない、人の声も、人が作り出す音も無い。けれど不思議
な事に二人の内で鮮やかに甦ったのは同じ舞踏会の光景であった。そこにあった熱く短い沈黙の時間。

「あの………」
「な、なんですか?」

つとアンリエッタが口を開き、才人は緊張した。アンリエッタの瞳に熱を帯びた光が宿っているのに
気付いたのだ。あの夜は他人も居たから有耶無耶になったが、今夜は二人だけ、突発事態も起こりそ
うに無い。

大丈夫だろうか?
何がとは、はっきりしない才人の心配を余所に、アンリエッタの問いはごく普通のものだった。

「あの、サイトさんは何をなさっているのですか、このような時間に?」
「え? あ、ああ、パンツあら―――い、いえ、洗濯してました」
「洗濯ですか?」
「あ、もう終わりましたです、完璧に」

緊張からコレを洗っていたと、女王さまへパンツを見せてしまいそうになったが、才人は慌てて小さ
な布切を後ろ手に隠す。あまりにあからさまな動き、追求されて自分がパンツを洗っていたとバレて
しまわないかと思ったが、アンリエッタは特に感心を持たなかった。

「でしたら、散歩にお付き合いしてくださいませんか?」
「散歩……ですか?」
「ええ、ダメでしょうか?」

たぶん、いや絶対に無断で城から出ているのだと才人は思ったが、どしゃ降りの中で見捨てられそう
な仔犬みたいな目をされては首を縦に振るしかなかった。

「ちょっとだけですよ?」
「ええ、もちろんです!」

380:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE
07/05/13 17:59:47 +cGMEEgS
躊躇いつつも才人が言うと、アンリエッタは喜色満面となり、その頬は薔薇色に染まる。一国の頂点
に立ち、どんな願いでもかないそうな女王さまが、自分が散歩に付き合うだけでこんなにも嬉しそう
なのが才人にはこそばゆかった。一刻も早く城へ帰すなりした方が良いのは理解していたが、才人は
少しだけだと自分に言い聞かせる。

「では、エスコートしていただけませんか?」
「エ、エスコート?」

ただ一緒に歩くだけだと思っていたので才人は狼狽える。そんな様子が寧ろ好ましくアンリエッタは
笑みを深め、たおやかな手を差し出す。

「手をつないでください」
「あ、それでいいんですか。」
「ええ、それで十分です」
「いや、エスコートなんて聞いたから難しい作法とかがあるのかと思ったです、ハイ」
「間違いですか? うふふ」
「な、なんです? 俺、なんか間違えました?」
「いいえ、思い出しただけです。サイトさんに手をゆるした時のこと」
「あ、ああ、あれですか? 姫さまが気絶しちゃった時………って、いや、あの時は本当にそう思っ
たんです! わざと間違えたとかじゃないです!」
「うふふ、そんなに慌てないでくださいな」

お姫さまと平民の使い魔、二人の関係をそんな単純に割り切れる頃の出来事が、緊張をやわらげてく
れた。二人はどちらからともなく手を繋ぎ、月明かりに照らされる学院の塔から離れる方へと歩き出
す。

「今夜は月が綺麗ですね。サイトさんの世界でもこうして月を見て散歩などするのですか?」
「う~ん、月を見るのが目的で散歩とかはあんまりしないですね。そもそも夜空を見るのが少数派か
も。ああ、でも十五夜には月見ってことになってます。月を見る日かな?」
「そうなのですか、月を見る日があるなんて面白いですね」

学院の敷地から出て街道を歩くその間、ずっとアンリエッタの話は他愛ない物だけに始終している。

騎士団の事、使い魔のご主人さまの事、戦争の事も、ガリアの事も、そこに関連しそうな話題さえ慎
重に避けている。散歩道では肩の力を抜いた話を楽しむと言うのではない。少しでも二人の間に横た
わる問題に迫ると、全てが終わってしまうと思っているかのようだった。


381:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE
07/05/13 18:00:40 +cGMEEgS
しかし敢えて避けられると逆に気になる。辺りの様相も、学院の回りを囲む高い石塀が見えなくなっ
てからは、コンクリートに溢れた世界で育った才人から見れば完全に森。さすがに不安がもたげてく
る。

「あの、そろそろ帰りませんか? 」
「もう少しだけ、お付き合いくださいな」
「でもやっぱりマズイですよ、姫さまが……いや、女王さまがこんな時間に」

アンリエッタは皆まで言わせず才人にしがみつく。細身のどこにこれ程の力があるのかと言う勢いで、
才人は背後の木立にぶつかり、逃げ場を失った。

高貴な甘い香りが才人の鼻を擽り、包み込まれるみたいに柔らかな肉の感触が纏わりつく。アンリエ
ッタの腕に力が入り、才人に密着している胸の膨らみはその量感を強調する。

「ひ、姫さま」
「アンリエッタ……いえ、アンと呼んでください。そして抱きしめてくださいまし」
「姫さまは寂しいだけなんですよ。だから誰かにいて欲しいって思ってこんなふうに……」

才人は安宿での雨夜を思い出す。あの時のように、しばらくすれば落ち着いてくれると思った。しか
しアンリエッタの目には、縋るようなか弱さとは対照的な強い意思の光が宿っていた。

「寂しい、ではいけないのですか?」
「い、いけないって言うか、よく考えてくださいって言うか」
「つまりこうなのですか、誰かを求めるのには立派で正統な理由が必要であり、寂しいなど利己的で
弱さをさらけ出しているだけ、好意に発展するなど言語道断だと」
「え? あ、あの、そういった感じではないと思います」
「でしたら始まりがどうであれ関係ないではないですか。
それにサイトさん、あなただって寂しいと感じているはずです」

アンリエッタはそう断定し、真紅の薔薇の花びらみたいな唇を才人のそれへと寄せて行く。麗しい光
沢に才人は背筋が震える魅惑を感じて顔をそむけるなど出来なかった。焦りながら爪先立ちになって
少しでも唇との距離をあけるのが精一杯。

「そ、そんな寂しくはないですよ。こっちの世界は結構気に入ってるし、皆いいやつばかりだし、そ
れにこっちで何かしたいって思ってますから」
「では、少しも寂しくないのですか?」
「ちょ、ちょっとだけです!」


382:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE
07/05/13 18:01:28 +cGMEEgS
アンリエッタは上目遣いになり、才人を追い掛けるように背伸びをする。そしてゆっくりと目を瞑る
と、そこには微笑ましいほど女王さまらしくない普通なキスをねだる格好が出来あがった。

貴族の頂点に君臨する高貴な少女の見せる平凡さ、そのギャップが犯罪的に可愛らしくて才人の脳髄
を激しく揺さぶるのに、当のアンリエッタは自分の蠱惑的な要素に微塵も気付いていない。

それどころか、ふうっと息を吐いた女王さま背伸びを止め、心臓の鼓動を聞くように才人の胸板に頬
をくっつけてくる。

「立派ですね、サイトさんは」
「そ、そんなことないです」

才人はブルブルと頭を振る。あと三秒遅かったら、ちゅう、してました。ダメダメな犬です、と内心
冷や汗たっぷり。

小鳥のような可憐さからは、想像もできない肢体の吸い付く感触に才人はかなり危険な状態になって
いた。実際、後ろの木を折るくらいに腰を引かないと、女王さまの高貴な腹部に不埒なものが当たっ
てしまいそうなのだ。

「本来ならば女王である私こそ毅然としていなければならないのに、心惑わせてばかり」
「プレッシャーが桁違いなんですからしょうがないですよ」
「お優しいのですね。でも私は駄目です」
「ダメなんて、そんな事ないですよ。俺も力になりますから。まあ、何ができるかぜんぜん分らない
んですけど」
「でしたらお願いがあるのですが」
「え、いま?」
「ええ、キスしていただけませんか?」

ほんの少しの慰めが欲しいとアンリエッタは言う。才人は再び情感に濡れてるみたいな女王さまの唇
に惹き付けられる。だからこそ流されそうで首を縦に振るわけにはいかない。

「え、えっと……別のことじゃダメでしょうか? なんと言いますかもっと別の方向で」
「別といいますと温もりをいただきたいと言うのはいけませんか?」
「それもちょっとダメっぽいです。といいますか、それって何かレベルアップしてません?」


383:女王様の散歩 ◇ZGK46RsE
07/05/13 18:03:51 +cGMEEgS
こんなんで如何?

384:名無しさん@ピンキー
07/05/13 18:07:23 IN1zNARZ
一番槍頂戴

いい感じデスゼェ、旦那

385:名無しさん@ピンキー
07/05/13 18:08:26 QOTwchU8
質問質問!なぜ◇?◆じゃだめなの?

386:名無しさん@ピンキー
07/05/13 18:13:31 b37PzPhR
>>383
アン様キタ━(゜∀゜)━!!
雰囲気がいいかんじにでてて良かったです。GJ!!!!!

387: ◆5rH3TvFLiY
07/05/13 18:20:48 QhdXQDD2
トリップは#(←半角ね)の後に好きな文字列を。
例:#タバサで私が着けているトリップになります

388:名無しさん@ピンキー
07/05/13 18:28:44 coSsqST0
>>385
もしかして NG入れるの楽にするための2ch特有のルールと勘違いしてる

389:名無しさん@ピンキー
07/05/13 18:31:15 dNUup7os
トリップの意味がわかってない◇ZGK46RsEに萌えた
アン様わざとなのか天然なのかわからないよアン様
続きwktk

390:こんなデルフは超嫌だ
07/05/13 19:03:42 sn8Zj+DJ

「なあデルフ」
「なんだい相棒」
「お前っていろいろ変な力持ってるよな」
「変ってのは失礼だね。俺一応伝説よ伝説」
「いやでもな。用途がよく分かんねえ能力ばっかりだし。でさ、なんか他にないの、変な能力」
「だから変なってのは……まあいいや。そうだねえ……あ、あれがあるな。人間に変身する奴」
「マジか!?」
「ああ。変身っつっても、イリュージョンの応用で、剣本体の周りに幻影を作り出してそれらしく見せるだけなんだけどね」
「え、それ今もやれんの?」
「んー、まあ、問題ねえはずだよ」
「おお、じゃ、やってみせてくれよ」
「あいよ。じゃ、ちょっと俺っちを地面に突き立ててくれ」
「こうか?」
「そうそう。よし、じゃ……むむむ……カーッ!」
 デルフが気合をいれて叫んだ瞬間、彼の刀身から眩い光が迸った。目を庇いながら、才人はあれこれと想像する。
(しかし、デルフが人間の姿に……どんなだろ。声からすると渋いオッサンって感じか?
 美形だったらとりあえずルイズには内緒にしておこう)
「よっし、出来たよ相棒」
「おっし、それじゃ見せてもらおう……か……」
 目を開けた才人は、目の前に立っていた人物にぽかんと大口を開けることとなった。
 そんな才人の間抜けな姿に、目の前の人物がきょとんとした顔で首を傾げる。
「ん、どったの相棒」
「幼女じゃねえか!」
 人間になったデルフリンガー……いや、正確にはデルフリンガーが作り出した幻影は、
 人間と言っても大人の男のものではなかった。かと言って、大人の女でもない。それどころか、少女ですらない。
 才人の認識で言うと、身の丈80cmほどの小柄な体格。ちょうど、膝の上に乗せたらすっぽり収まりそうな大きさだ。
 髪は透き通るような銀色で、すぐにでも撫でたくなるほど柔らかい巻き毛である。
 目蓋はぱっちりとした二重で、長い睫毛の下には空よりも青い瞳がある。
 小鼻の下には大人しい大きさの唇があり、肌はいかにも子供らしい瑞々しさと柔らかさを備えているように見える。
 その上、着ている服はふんだんにフリルをあしらった白いドレス……とまあ、これ以上ないほどに幼女幼女していた。
(っつーか、正直狙いすぎだろ。今時誰も描かねえぞこんなデザイン)
 その直球具合に恐れおののく才人の前で、デルフリンガーが怪訝そうな顔をした。
「さっきからどうしたのよ相棒。何か変だぜ」
「デルフ、一つ聞いておきたいんだけどよ。お前のこの外見にはどういう狙いがあるんだ?」
「趣味じゃない?」
「そんなアッサリ!?」
「いやだってよ。そもそも剣の周りに幻影張るだけだから、自分で動ける訳じゃねえし。使い道ないよこんなもん」
「うーむ。確かに。とすると、始祖ブリミルってのはずいぶんと嫌な趣味の持ち主だったんだな……」
「まー、数多ある機能の中じゃ、使いどころのないようなもんもあるよ、相棒」
 そう言って、デルフリンガーはぴらぴら手を振りながらカラカラと笑う。
 外見はいかにも大人しそうな美少女であるから、そういう親父くさい仕草は違和感抜群である。
(その上いつも通りのオヤジ声だしなあ。もうちょい何とかならんものか)
 腕を組んで唸る才人の前で、デルフリンガーは最初と同じようにきょとんとした顔で首を傾げた。
「どったの、相棒」
「いやそれだよデルフ」
「何が?」
「もうちょっと、今みたいな可愛らしい仕草ができんもんか」
「何のためによ」
「……何のためにだろう? いやほら、折角可愛い外見なのに、勿体ねえじゃん」
「人間の考えることはよく分からんねえ。んーと、こういう感じ?」
 デルフは両手を握って口元を隠し、いかにも不安そうな眼差しで、上目遣いに才人を見上げた。
「うおっ、そうそう、そういう感じだよデルフ。なんかうめえじゃん」
「ま、これでも何千年も生きてるしね。人間の仕草ぐらい覚えてるわな」
「あー、ついでに、その声と口調。なんか台無しだから、どうにかならん?」
「今日は注文細かいね相棒……えーと、一応この形態のときの声が入力されてるね……あー、あー。
 口調は……相棒の好みから考えて……えと、こういうのでいいのかな、サイトおにいたん」
 完璧だ、と才人は思った。変化したデルフリンガーの声は、まさに人間の大人しい幼女そのものである。
 神秘的な響きを持つ声ながら、まだまだ成長途上にある、一生懸命喋っていると思しき舌足らずな口調。
(ちくしょう、サービス良すぎるぜデルフ。その声で『おにいたん』なんて言われたら、俺はもう、もう……!)

391:名無しさん@ピンキー
07/05/13 19:05:43 sn8Zj+DJ

 激しく身悶える才人を、デルフは若干気味悪げに見つめていたが、やがて大きくため息を吐き出した。
「なあ相棒、もう止めていいかい? なんか疲れるんだよねこれ。変に注目浴びるし」
「駄目だ! っつーか声と口調戻さないの!」
「ふえ……ごめんなたい、サイトおにいたん」
 涙目になって謝るデルフリンガー。瞬時にこの切り替えである。
「くおーっ! プロだ、プロすぎですよデルフリンガーさん!」
「おにいたん、こういうのしゅきなの?」
「だいしゅき!」
「そうなの。えへへ。うれしいな」
 にっこりと、いかにもご機嫌な感じに笑ってみせるデルフリンガー。
(もう辛抱たまらんッスデルフリンガーさん……!)
 少し息を荒げる才人の前でも、デルフリンガーは大人しくにこにこと笑っている。
 本物の子供相手ではこうはいかないはずである。最高。デルフ最高。
「……いや、こんな可愛い女の子にデルフリンガーはないな。ちょっともじって……
 よし、この形態のときのデルフはデルフィと呼ぶことにしよう」
「それ、わたちのおなまえ? わあい、うれしいなあ。ありがとう、サイトおにいたん」
「くふーっ……よ、よし、じゃあおにいたんとちょっとお話しようかデルフィ」
「うん、いいよ、おにいたん」
 嬉しそうに、小さな体全体を使うように大きく頷くデルフリンガー。
 これが元々親父的な感性を持つ剣であることなど忘れかけながら、才人はまた腕を組んで唸った。
「えーと、じゃ、何の話を……」
「……ねえ、サイトおにいたん」
「ん、なに?」
 デルフリンガーは下を見つめ、口を尖らせながら地面を蹴っていた。
 いじけたようなその姿勢のまま、上目遣いでこちらを見上げながら問いかけてくる。
「おにいたん、デルフィのこときらい?」
「え、いや、嫌いな訳ないって。すき。もうだいしゅき!」
「ほんとう? でもおにいたん、あんまりデルフィとおはなししてくれない。デルフィ、さみしいの」
「いや、そんなことは……」
「だって、ルイズおねえたんといっしょにいるとき、いっつもデルフィのことむしするもん。
 おにいたん、ほんとうはデルフィのことじゃまだとおもってるのね。デルフィかなしいの」
 段々と声に涙が滲んでくる。その内目元をこすって泣きじゃくり始めたデルフリンガーの姿に、才人は胸を貫かれた。
(な、なんてこった、こんな小さな女の子を泣かせちまうなんて! 俺は卑劣漢だ、ロクデナシだ!)
 デルフリンガーの演技の巧みさに、才人はもうそもそも何でこんなことをしているのかも忘却の彼方に捨て去った。
 泣きじゃくるデルフリンガーのそばに屈みこみ、視線を合わせながら必至で彼を……いや彼女をなだめる。
「そんなことないよデルフィ。おにいたん、お前のこと大好きだよ」
「うそつき。サイトおにいたんのうそつき。おにいたん、ルイズおねえたんの方がしゅきなんでしょ」
「いや、そんなことないって。おにいたん、世界で一番お前のことが好きだなあ」
「ほんとう?」
「ホント、ホント」
「じゃあね、いちにちいちじかんはデルフィとおはなししてほしいの」
「分かった分かった、もう一時間でも二時間でも好きなだけ話してやるよ」
「わあい、うれしいな。デルフィねえ、ずっとさみしかったの」
「そっか。ごめんな、寂しい思いさせちまって」
「ううん、いいの。これからもずっといっしょだよね、サイトおにいたん」
 邪気のない瞳でにっこりと見上げられて、才人は地面を転げまわりたくなるほどに身悶えた。
(もう駄目だ。この円らな瞳と一日中見つめ合っていたい。このちっちゃなお手手といろいろ手遊びしてみてえ。
 肩車してキャアキャア騒いだり、夜は抱きしめて眠り、日差しが穏やかな休日は草原で膝の上に乗せてお喋りしたい!)
 そして才人は唐突にガバッと身を起こすと、デルフリンガーの小さな体にダイビングした。
「だいしゅきだ、デルフィー!」
「あ、それはだめだよサイトおにいたん……っていうか、マジでやべえって相棒!」
 おいおいデルフ声と口調戻すなって言ってるだろ……などと考えた瞬間、才人は―

392:こんなデルフは超嫌だ
07/05/13 19:07:34 sn8Zj+DJ

「たたた、大変ですよミス・ヴァリエール!」
「なに、どうしたのよシエスタ」
「なんか、サイトさんが大怪我したって!」
「ええ!? どういうこと、また何か変な連中の襲撃!?」
「いえ、よく分からないんですが、デルフさんに抱きついて頬擦りしたとか何とか……」
「……何やってんの、あの馬鹿は」

「いやあ、災難だったね相棒」
「デルフ、もうちょっと早く警告してくれよ頼むから!」
「まあまあ、良かったじゃないの腕も脚も顔も無事なんだし」
「ったく、お前がノリノリになるから……」
「いや、っつーか俺相棒もふざけてるんだと思ったんだよな。まさか本気で俺っちの演技に参っちまってるとは思わなくてよ」
「へん、別に参ってねえやい」
「……ひどい、やっぱりうそついたんだ、サイトおにいたん」
「げっ、デルフ、てめえまた声変えやがって」
「そんなこわいこえだしちゃいやぁ」
「……く、クソッ、もう騙されねえぞ俺は」
「ひどい、サイトおにいたんのいじわる……えーん、えーん」
「……だーっ、悪かったよ。機嫌直せよデルフ」
「デルフじゃないもん、デルフィだもん」
「おいデルフ、お前いい加減に」
「やだやだ、デルフィって呼んでくれなきゃやーだ!」
「……わーったよ、デルフィ。ほら、これでいいか?」
「わーい。ありがとう、だいしゅきサイトおにいたん」
「ちっ、全く……あれ、なんか今扉が開いて」
「……サイト」
「げえっ、ルイズ!」
「あんた、なんか今小さな女の子と話してなかった?」
「ち、違う、これは孔明……いやデルフィの罠で」
「あ、その女の子なら相棒がさっき窓から逃がしたよ嬢ちゃん」
「デルフ、てめえ!」
「どうやらお仕置きを日課にしなくちゃならないらしいわね、わたしは……」
「いや、やめて、許してルイズおねえたーっん!」
「何がおねえたんだこのクソ犬があぁぁぁぁぁぁっ!」
 そんなこんなでいつも通りの馬鹿騒ぎを眺めながら、「今度鞘に突っ込まれそうになったら、その度に声を変えよう」と
 決意するデルフリンガーであった。

「ちくしょうデルフ、後で覚えてろよテメエ」
「おこっちゃいやよサイトおにいたん」
「この野郎……」
「ねえおにいたん?」
「なんだよ」
「ほんとうは、いつものおじちゃんみたいなのがうそで、
 ほんとうのデルフィはこっちのほうなのっていったら、おにいたんうれしい?」
「なんですと!?」
「いや冗談だよ冗談。いやー、いちいち反応が面白いね相棒」
「……いやしかし、実際人間のときの仕草が全く違和感なかったし、デルフ、お前まさか本当に……」
「まさかね。いやどうだかねー。俺剣だから分かんないねー」

393:名無しさん@ピンキー
07/05/13 19:08:47 sn8Zj+DJ

こんなんじゃ萌えねえよクソが。死ね、俺死ね、マジで死ね。
ついでにsage忘れスマン。

394:名無しさん@ピンキー
07/05/13 19:30:03 IN1zNARZ
引くーまじで引くぜサイト、おま、こんな趣味持ちだったのかよまじ引くー
は?ばっか、いや、ちげ、ちげーってニヤけてなんかねーよ、ちが、ちょ、違うっつってんじゃん、いやまじニヤけてなんかないって!

あ、GJ いや、違うってだから!

395:名無しさん@ピンキー
07/05/13 19:32:22 0TAEV74x
GJだ!!!!ニヤニヤが止まらない


396:名無しさん@ピンキー
07/05/13 19:42:42 Ywai1JPp
投下ラッシュ来た~!

397:名無しさん@ピンキー
07/05/13 20:09:43 XembNDiG
GJだが、しかしどんどんカオス化していくなこのスレはw

398:名無しさん@ピンキー
07/05/13 20:49:04 aXe7ucZS
それもまた一興だ。
姫様分も補給できたし思いもよらないデルフ分
まで補強できた。作者さん達GJ!

399:翼よごらん
07/05/13 22:51:04 sn8Zj+DJ

 日が傾くと共に、春の穏やかな日差しが徐々に黄昏の色に染まっていく。
「そろそろ今日は上がろうか」
 父の声と共に家族皆が家の中に入ったあとも、少女は家の近くにある一本の大木の根元で、東の空に向かって祈りを捧げていた。
 もちろん、宗教的な儀式ではない。祖母が教えてくれた、一種のおまじないのようなものである。
「お婆様、どうして東の空に向かって祈るの。東は怖いエルフが住んでいる土地なのでしょう」
 この行為について疑問に思い、口にしてみたことがある。すると祖母は笑って答えてくれたものだ。
「昔ね、わたしの大切な人が東で姿を消してしまったの」
「死んじゃったの?」
「死んではいないわ。でも、ずっと遠くへ行ってしまったのね」
「大切な人なのに?」
「そうよ。その人も、わたし……いえ、わたしたちのことを大切に思っていてくれた」
「そんなのおかしいわ。それなのにどうして遠くへ行ってしまったの」
「そうね。その人はとても立派な人だったから。だからこそ、わたしたちの元にはいられなかったのよ」
「よく分からない」
「そうかもしれないわね。でも、わたしたちはお互いのことをとても大切に思っていたの。
 だからこそ、わたしたちも彼を止めなかったし、彼も私たちを置いて帰ることができたのね」
 結局、祖母の理屈を理解することは出来ていない。。
 ただ、東の空に向かってお祈りをするのには、そういう経緯があるのだということは理解できた。
 だから、彼女は今日も祈る。東の空に向かって、祖母の大切な人を想いながら、形にならない漠然とした祈りを捧げる。
「その人はとても強い人だったからね。きっと、わたしたちを見守ってくださるわ」
 祖母は、そんな風に言っていた。
 いつもは祖母と共に捧げる祈りだが、今日は一人きりだ。
 祖母は三日前ほどに何かの便りを受け取り、以来魂が抜けたように呆けてしまっている。
 今日は、祖母の回復を願って、いつもよりは具体的な祈りを捧げるつもりだった。
 燃えるような夕日の色を背負いながら、もう夜に沈み始めている東の空に向かって手を組む。

400:名無しさん@ピンキー
07/05/13 22:52:30 sn8Zj+DJ

 ふと、何か聞きなれない音がした。顔を上げて、眉をひそめる。
 何か、東の空から光るものが近づいてくる。最初は星に紛れてしまうような小さな光だったそれは、
じょじょに大きさと力強さを増していき、最後には目を開けていられないほどにまぶしい光になった。
 そして、それはゆっくりと空から降りてきた。激しい音と風を巻き起こしながら、まるで鉄の竜のように。
 夕日を浴びて鈍く光っているのは、明らかに鋼鉄で出来ていると思しき、どこか疲れたような感じのする体である。
 竜ではない。その翼は真っ直ぐで、こんなものが今飛んでいたなどとはとても信じられなかった。
 だが、それは事実飛んでいたのだ。夕日の光を跳ね返し、もう日の光も届いていない、東の夜空から飛んできた。
 今は西の方を向いている鋼の竜から、不意に誰かが降りてきた。見慣れぬ服に身を包んだ、一人の老人である。
 その老人は懐かしそうに周囲を見回してから、ふとこちらに気付いて声をかけてきた。
「やあ小さなお嬢さん。驚かせてしまったすまんね」
 そう言ったあと、不意に何かに驚いたように目を瞬いた。
「これは驚いた。お嬢さん、あんた、俺の知り合いにそっくりだよ」
 どう返していいか困惑するこちらのことなど気にもせず、老人は躊躇いながら質問してくる。
「ところでお嬢さん、あんたに聞きたいんだが、この名前に聞き覚えはないか。多分、結構有名な貴族なんだがね」
 老人が口にしたのは、この国でも相当有名な貴族の名前であった。
 黒髪の少女が頷くと、老人は興奮したように目を光らせて、さらに問いかけてくる。
「そうか、知っているか。それで、その領地はどっちの方向にある」
 嘘をつく必要も感じなかったので、黒髪の少女は西の方角を指差した。
 老人は暮れ行く空を見つめて、じっと目を細めた。その黒い瞳が、潤んだように煌いた。
 老人は鋼の竜に近づき、何かが刻まれた左手で、その翼を愛しげに撫でた。
「翼よ見ろ、あれが俺達の目指していた空だ。おお、今すぐに会いに行くぞ、飛んでいくとも」
 老人は元気に呟き、こちらに一つお礼を言って、また鋼鉄の竜に飛び乗った。
 再び凄まじい音と風を巻き起こしながら、鋼鉄の竜が重々しく空に舞い上がる。
 少しずつ小さくなりながら西の空に飛んでいくその影を見送っていたとき、家の扉が開いて誰かがこちらに走ってきた。
 祖母だった。今朝、魂が抜けたような状態で椅子に据わっていた祖母が、何かに驚いた様子でこちらに駆けて来る。
 手には、あの便りが握られていた。
「ああ、今、ひょっとして」
 多分、祖母が聞いているのは先程の老人のことだろうと思った。だから、西の空に指先を向けた。
 祖母はその方向を見て、遠ざかる影を見つけて息を呑んだ。そして、あの便りを握り締めて絞り出すように呟いた。
「ああ、あなたは約束通り帰ってきてくださった。でも、ほんの少しだけ遅かった。あと、ほんの少しだけでも、早く来てくだされば」
 肩を震わせて涙を流す祖母の背中越しに、黒髪の少女は西の空を見つめた。
 もう日が完全に沈みかけて、夕暮れから宵闇へと移り変わろうとしている、西の空。
 東の夜空から飛んできた男が、今また、西の夜空へと消えていく。
 少女と祖母は、完全に見えなくなってしまうまで、そこに立ち尽くしたまま鋼鉄の竜の影を見守っていた。

401:名無しさん@ピンキー
07/05/13 22:54:27 sn8Zj+DJ

馬鹿なもの書いた口直しと言うか。

402:名無しさん@ピンキー
07/05/13 22:57:42 b37PzPhR
サイトが帰って数十年後のシエスタの話かな?あっさりしてて良かった。

403:名無しさん@ピンキー
07/05/13 23:04:00 UgFaQpEi
才人はルイズに会いに帰ってきたんだけどルイズは死んで落胆していた
シエスタ視点でのSSか

404:名無しさん@ピンキー
07/05/14 00:05:54 5bs6rUMc
日曜丸一日使って書いた、俺的脳内11巻。
無駄に冗長な上に非エロだが、とりあえず投下。
初投下なんで、ミスったらすまん。10連投の予定。

405:脳内11巻
07/05/14 00:07:19 5bs6rUMc
 タバサたち母娘を救出した後、才人たちは陸路でゲルマニアへ向かった。
 数日かけて荷馬車でゴトゴト。窮屈な旅である。モンモランシーはさっさとこの衣装を脱ぎたいとしきりに訴えていたが、元の服は『魅惑の妖精』亭に預けっぱなしである。新しい服を買う余裕もないので仕方なかった。
 それでも旅は順調だった。二日目の午後にはゲルマニア入りし、安宿で才人たちは大きく安堵した。
 ここまでくれば、もう追っ手の心配はほとんどない。
 部屋はベッドが二つある大部屋と、普通の小部屋の二つを借りた。人数が増えたためである。
 小部屋にタバサの母と、タバサ。シルフィードももちろん一緒だ。しゃべれるのが嬉しいのか、シルフィードはずっと人間の姿をしたままだった。
 大部屋にはその他全員。とはいっても、キュルケはほとんどタバサに付ききりだし、モンモランシーはタバサの母に薬を飲ませたり世話をしているので、寝る場所だけの問題である。交代で荷馬車の中で睡眠をとっていたので、全員一緒に寝る必要はないのであった。


「なあ、ルイズ。どうしたんだ」
 夕食を済ませ、部屋で一息つくと、才人はベッドに腰掛けているルイズに声をかけた。少し前からルイズの様子がおかしかったのだ。
 もう一つのベッドでは、ギーシュとマリコヌルが早くも寝息を立てている。モンモランシーは隣室でタバサの母に夕食を食べさせているはずだ。タバサも一緒にいる。
 キュルケはいない。さきほど唐突に「ごめん、忘れものがあったわ」と言ってシルフィードと一緒にどこかへ行ってしまった。そんなわけで、現在部屋で起きているのはルイズと才人の二人だけであった。
「ううん、なんでも」
 ルイズはそっけない素振りで首を振る。
「なんでもないってことないだろ。さっきからため息ばっかだし、目はきょろきょろしてるし、ヘンだぞお前」
 はあ、とルイズは大きくため息をついた。

406:脳内11巻
07/05/14 00:08:19 5bs6rUMc
 今、彼女の抱えているものは些細な問題である。まあ、彼女にしてみれば大問題ではあったが、極めて個人的な葛藤であった。
 ルイズはジト目で才人を見る。
 この使い魔は、普段相談したいことがあっても気付かずにメイドとイチャイチャしたりするくせに、どうしてこういうどうでもいい時だけ鋭いんだろうか。
 それでも、単純に気にしてくれたことが嬉しくもあったので、ルイズは渋々といった口調で話し始めた。
「あのね、わたし達これからキュルケの家に向かうわけよね?」
「ああ」
「わたし、キュルケのご家族になんて名乗ればいいと思う?」
「は?」
 問われて才人は面食らった。そんなの普通に名乗ればいいじゃないか。
 と、そこで気付く。ルイズの家とキュルケの家は、不倶戴天の仇敵同士だったっけ。
「もしかして、キュルケの家の世話になるのが嫌なのか?」
「そんなわけないでしょ」
 ルイズは目を細めて才人を睨んだ。
「もう先祖の確執とか、わたしはどうでもいいのよ。キュルケは誠意を示してくれたんだから、今度はわたしが示す番だわ。それが貴族としての礼儀だもの。でもわたし、姫さまにマント返しちゃったでしょ」
 才人は頷く。
「だから本来、名乗りたくても名乗れないの。でも、キュルケのご家族にとってはわたしはやっぱりラ・ヴァリエールのはずなのよね。それを隠して世話になるのは卑怯だと思うの。でも名乗ったら多分ただじゃすまないし、まあ……、名乗れないんだけど」
 言いながらだんだん声が小さくなっていく。どうやらルイズの中では複雑な葛藤があるようだった。
 仕方ないので、才人は正直に答える。
「悪い。複雑すぎて俺にはよくわからん」
 はあ、とルイズは再び大きくため息をついた。
 目が、この役立たず、と言っている。
 言われても困る。才人は未だに、そうした貴族の意地とかプライドとか礼儀とかいった機微がよくわからないのだ。貴族を辞めたといっても、ルイズはやはり誇り高い貴族のままだった。
 やがて、ルイズは諦めたようにもぞもぞとシーツをかぶり、
「……寝るわ」
 と言った。

407:脳内11巻
07/05/14 00:09:32 5bs6rUMc
 昼間に馬車で仮眠を取ったせいか、才人は目がさえてしまっていた。まだ眠る気にはなれない。
 隣室を覗くと、モンモランシーが椅子に座ったまま舟を漕いでいた。タバサの母も深く眠っているようだ。夕食も、夕食後の薬も摂り終えたらしい。
 タバサはいない。どこかへ出掛けたのだろうか。
「モンモン。椅子なんかで寝てたら体壊すぞ」
 声を掛けると、モンモランシーは虚ろな目で「ふわ」と声をあげた。
「ああ……、つい寝ちゃったわ。だめね、昼間寝とくべきだったか」
「薬の追加作ってたんだろ、馬車の中で。しょうがないさ」
 眠り薬は調合が簡単とはいえ、揺れる馬車の中ではそうもいかない。随分と目を疲れさせてしまったようだ。
「部屋に戻って寝ろ。歩けるか」
 モンモランシーは片手を挙げて返事しながら、ふらふらと立ち上がる。
「ルイズの方のベッドで寝とけな。ギーシュが寝てる方はぽっちゃりさんがいるから、狭い」
「ふあーい」
 貴族らしからぬ返事に、すっかりモンモンも砕けたなぁ、と才人は苦笑する。
「あ、タバサどこ行ったか知ってる?」
「ん……、ああ、さあ。散歩じゃない?」
 そう言いながら、モンモランシーはふらふらと大部屋に入っていった。
 しょうがないなぁ、と才人は一度部屋に戻ってデルフを背負い、階段に向かう。
 ゲルマニア入りしたとはいえ、追っ手の可能性が消えたわけではない。軍はさすがにもう追ってこないだろうが、特殊な刺客がこっそり狙ってる可能性は依然としてあるのだ。その上、タバサは今、杖を持っていない。
 アーハンブラの城に、タバサの杖はなかった。隠されたのか捨てられたのか、折られたのかわからない。彼女を捕まえた連中にしてみれば不要のものだろう。取っておく理由がない。
 杖のないタバサは、ただの少女と変わりなかった。
 階段を降り、一階の酒場を抜けて玄関を出る。
 外はすっかり日が暮れて、人通りもほとんどなくなっていた。
 左右を見渡すと、左手を流れる川の橋の上に、見慣れた目立つ青い髪があった。
 才人は安堵の息をつくと、そちらへと向かう。
 タバサは橋の欄干にもたれ、空を眺めていた。とっくに才人には気付いているはずなのに、その視線はぴくりとも動かない。
 月明かりに照らされたタバサの幼い顔は、神秘的な美しさを湛えていた。


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