to LOVEるでエロパロ Part2at EROPARO
to LOVEるでエロパロ Part2 - 暇つぶし2ch65:名無しさん@ピンキー
07/05/04 18:15:18 we6VcMLW
美柑×リト を、今夜にでも投下します。リト×美柑ではありません。

66:名無しさん@ピンキー
07/05/04 18:48:14 mgCdOPhl
美柑×リトってあたりがwktkだぜ!

67:名無しさん@ピンキー
07/05/04 23:47:36 9sLih07N
美柑×リトマダー

68:名無しさん@ピンキー
07/05/05 20:48:26 9qbS+G+F
>>65は何処へ行った?

69:名無しさん@ピンキー
07/05/05 21:07:28 GG85geTL
>>65じゃないんだけど前スレ最後のほうで美柑リトの少し過去話しを書きたい
って言った者です。エロはないんだけど今夜あたりに投下したと思ってる
釣りじゃなくてマジです

70:名無しさん@ピンキー
07/05/05 21:18:03 vjzUM1JK
俺はヤミ金氏の続きを期待してる

71:ヤミ金
07/05/06 09:36:49 Ga+Sbcn8
ヤミ金です、ラストパートはなんとか完成しそうなので今夜にでも投下予定
書いてる最中に別のネタが浮かんで集中できない…

72:名無しさん@ピンキー
07/05/06 09:38:59 hQqr8+61
ならば別のネタも書いてしまえばいい

73:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:48:54 hRWFA37M
誰か古手川さんのを書いて

74:ヤミ金
07/05/06 20:43:58 a4Uk2KO/
予告通りラストパートの投下いきます

75:ラコスポの逆襲⑤
07/05/06 20:44:50 a4Uk2KO/
「さてさて、次はいよいよ本番だけど…こっちはどうなってるもん?」
「……え!?」

ラコスポの言葉に視界を引き戻されたヤミはラコスポが移動を始めたことを確認した
当然、目的地は自分の股間の他にはない
見られただけでも死にたくなる恥ずかしさだったというのに、この上そこまで触られることになれば自分は屈さないでいられる自信がない
ヤミは胸における自分の体の反応に弱気になっていた
なんとか保たれてきた金色の闇としての矜持も、既に後がなくなってしまったのである

ガチャガチャ!

残る力全てを振り絞ってヤミは拘束から逃れようとあがいた
既に余裕はひとかけらも存在していないことがその暴れっぷりからもわかる
しかし、ラコスポはそんなヤミのあがきを一笑にふす
彼は今、巣に捕らえた蝶を狩る蜘蛛の気分であり
思いのほか強情だった少女が余裕を完全に無くした姿は彼の欲情を大いにそそっていたのだ

「なんだ、まだ濡れてないんだもん?」

ガッカリしたような内容とは別に、ラコスポの声音は嬉しそうに弾んでいた
彼の目の前にある少女の性器は先程見たときの状態とまったく変わりはない
乳首は勃ったものの、流石に正真正銘の最後の砦は強情さが違うようだ
だが、それでこそ楽しみがいがあるというもの
ラコスポは目の前の少女が悦楽の表情で股を濡らし、嬌声をあげる姿を夢想した

一方、ヤミは再び自分の大事なところを覗き込まれてしまったことに激しい羞恥を覚えていた
見られるだけではなく、触られる
その事実はヤミに恐怖と絶望、そしてほんの僅かな切望を抱かせていた

「ふっふ~ん♪」

ラコスポは鼻歌を歌いながらまず太ももに手を伸ばす
マッサージを施すように丹念にさする
ヤミは性器を触られなかったことにほっとするも胸の時とはまた違ったむずがゆさを覚えた

「はぁっ…はぁっ…」
「およよ? まだ序の口だというのにもう息があがってるもん? それとも…」
「だ、黙り…」
「ま、いいもん」

ヤミの振り絞るような声を無視し、ラコスポは徐々に手の位置を上げていく
目を閉じてもわかる、股間へと迫るラコスポの指
ヤミはなんとか自分の大切なところを逃がそうと体をくねらせる
しかし、腰を固定されている以上それは無駄な抵抗だった
僅かに腰と足が揺れ動くその光景はラコスポの手から逃げているというよりも男を誘惑をしているといった方がしっくりくる有様である

76:ラコスポの逆襲⑤
07/05/06 20:45:44 a4Uk2KO/
「ひぁっ」

そしてついにラコスポの指がヤミの性器を達した
かすかにふっくらと盛り上がった処女の丘にラコスポの指が降り立つ
ラコスポはまずすーっと中央の筋を人差し指ですべるように流した
ビクリ、とヤミの体がこれまでで一番大きく震える

「むふふっ、流石にはえてないだけあってすべりがいいもん?」
「……っ!」
「お? ひょっとして気にしてたもん?」
「だ、誰がっ…」
「まあ別に気にすることはないもん。はえていようがいまいがここから潮を吹くことにはかわらないもん」
「な…ぁ…っ!」

悪態をつこうとしたヤミの顎が性器を触られた反射で持ち上げられてしまう
ラコスポの責めが本格的に始まったのだ
ぴったりと今だ閉ざされた秘所の入り口を丹念に揉みほぐすラコスポ
だが、決して指で強制的に秘所を開かせるようなことはしない
あくまで自分からそこを開かせようとノックしているだけの行為

「はっ…はぁっ……」

だが、他人はおろか自分ですらこうして触ったことのない部分を触られているヤミは確実に追い詰められていた
女性としての性的反応こそかろうじて行っていないものの
彼女の身体はピンク色に染まり、呼吸は荒くなり、珠のような汗が全身を覆う
ぷぅんと少女の体臭がラコスポの鼻腔をくすぐった

「ふふん、いいにおいだもん?」
「……っぁ」

ラコスポの揶揄に反応する余裕も既になくなり、ただ身体をラコスポの指に合わせて躍らせるだけのヤミ
だが、彼女は最後の一線だけは守り通していた
時折声をもらすものの、それは決定的な快楽の悲鳴ではないし
何よりも、少女の性器は入り口を開くことなく、また濡れる気配すら見せない
ラコスポはそんなヤミの身体の強情っぷりにいたく感心する
焦りはない
確かに予想以上の頑張りではあるが百戦錬磨のラコスポからすればむしろそれは闘争本能をかきたてるだけだ
しかし、このままではもう少し時間がかかってしまう
それは撮影している絵的にはマイナス点である

(ふむ…)

ラコスポは思案する
悪戯に時間をかけるのはよくない、ならば…

「こうかな?」
「え……あ、ああっ!?」

77:ラコスポの逆襲⑤
07/05/06 20:46:42 a4Uk2KO/
ヤミの驚愕の声が響き渡った
といってもラコスポが特別なことをしたわけではない
単に片手を太ももに回しただけだ
だが、この同時二ヶ所責めには意味があった
太ももというのは性的な責めが間接的に秘所に伝わる
つまり、ヤミはこれで直接間接両方で秘所を責められていることになるのだ
自然、太ももで増幅された性感が秘所に集中する

「あっ、ああっ!」

瞬間、ついにヤミの口からはっきりとした悲鳴があがった
ただの悲鳴ではない、それは間違いなく性的興奮を含んだ声

「おっ、ようやくあえいだもん? それじゃあ…」
「……はっ、むっ…うぁっ」

嬌声を抑えようとヤミは必死に口を閉じる
だが、一度開いた口は止まらない
ラコスポの左手がふともも、ふくらはぎ、足の甲と流れるように動き、右手がひたすらに秘書を責め続ける
ヤミは処女ゆえに反応は遅かったが、逆に処女ゆえに一度興奮が始まるとそれを押さえる術を持たなかった
じゅわ…とヤミの秘所から愛液が溢れ始める

「濡れてきたもん濡れてきたもん♪」
「そ、そんな…うぁぁっ!?」

ヤミはショックに目を見開きながらも間断なく続けられるラコスポの愛撫にあがらえなかった
愛液がこぼれだすと連鎖的に頑なに閉じていた秘所も口を開く
ひくんひくんと口を開いて震える花びらがラコスポの指をしきりに催促する
ラコスポはその願いに応えるように隅々まで反応を確かめながら丁寧にそこを撫でさすった

「むふふ…まるで洪水だもん。処女だって言うのにこの量…金色の闇はオナニー常習者だもん?」
「なっ…そんなわけ…あっ…はぅんっ」

78:ラコスポの逆襲⑤
07/05/06 20:47:41 a4Uk2KO/
ラコスポほどになれば目の前の女がどれくらいの性的経験者かはすぐにわかる
そしてヤミは性交はおろかオナニーも経験したことがない、とラコスポは見抜いていた
にも関わらずこのような問いかけをしたのはひとえにヤミを追い詰めるため
羞恥と動揺は性的反応を促進するのだ
実際、ヤミはラコスポの問いに否定はするものの、下半身から伝わる快楽が増したことに気がついていた

「そんな…はぅ…そん、あぁん!」

一度たりとも経験したことのない感覚が全身を蝕み、思考を断ち切ろうと迫ってくる
聡明なヤミは既に自分の身体がどういう状況になっているのかを理解していた
だが、信じられなかった
自分の身体が自分を裏切るなどとは夢にも思っていなかったからだ
勿論、意思と身体の反応は別物である
しかし経験のないヤミには自分の身体の反応が自分の意思によって起こったものとしか思えない
それはつまり、心身ともに女の自分がラコスポに屈したということを意味する

(違う…私は…私は…!)

それでも、それでもなおヤミは抵抗の意思を残していた
既に思考にもモヤがかかりかけ、身体は得体の知れない圧迫感に苛まれている
しかしヤミは焦点のあわない瞳で空を見つめた
絶頂に達しないこと、それがヤミの最後の矜持だったのである

「さて、そろそろ…トドメといくかもん?」

だが、ラコスポの責めはやむことをしらず、ついに指がヤミのクリトリスへと伸びる
既に包皮が脱げていた少女のクリトリスは外気に怯えふるふると震えていた
しかしラコスポの指は容赦なくそれを捕らえる

「―あっ!!」

ヤミはその瞬間、確かに身体が浮いたかのような錯覚を覚えた
思考が完全に断ち切られる
そしてその時、ヤミの口はカッと開かれていた

「ああっ…ああっ……あっ、い、いやぁぁぁぁっ!」

最後まで拒絶の声を発したのは立派だが、身体の生理的反応は止められない
ヤミの腰が伸び上がろうと固定アームを軋ませる
全身が硬直し、ただ一ヶ所秘所のみが花がぱっと咲くように開き
そして、ヤミの小さな秘所からしぶきがあがった

79:ラコスポの逆襲⑤
07/05/06 20:48:33 a4Uk2KO/
「わっはぁ~~~♪」

ラコスポは歓声をあげた
愛液のしぶきが顔を濡らすが気にしない
むしろ歓迎するところなのだ

「あ……」

ヤミはくたっと気力を失ったように脱力すると全身を拘束台にゆだねる
意識が途切れていく彼女が最後に見たものは、自分の愛液によって顔を濡らしたラコスポの嬉しそうな表情だった

「にゅふふふ…」

ラコスポはそんなヤミの恥態を眺めつつ、非常に満足気に笑った
口元の愛液をなめとり、その味を吟味する
ラコスポが立っていたため股下のビデオカメラは意味がないものとなっていたが、ラコスポは気にしない
天井のカメラがあるし、記録映像などこれからいくらでも追加できる
それに今の瞬間は一生忘れることができないだろう、と確信していた
金色の闇の絶頂の瞬間などレアという言葉すら生温い貴重な映像なのだ

「むふ、気絶してるから聞こえないだろうけど…金色の闇、これからが本番だもん?
 いずれ進んでボクたんに股を開き、濡らすようになる…これはこの一歩だもん」

絶頂こそ極めさせたものの、ヤミはまだ完全に屈したわけではない
だが、一度性的な興奮を覚えてしまった以上それも時間の問題
ラコスポはヤミの今だひくひくとわななく股間を凝視しながら、今後の調教に思いを馳せるのだった

80:ヤミ金
07/05/06 20:51:57 a4Uk2KO/
ラコスポの逆襲、完
スライム責めとか触手責めとか羞恥責めとかむしろこの後が本番なんですが
まだ経験値が足りないので書けません(w
他にもいくつか書きたいネタがあるのでまた近日書き込むこともあると思いますが
その時はよろしくです

81:名無しさん@ピンキー
07/05/06 21:05:32 W9nxSqqo
乙ーエロかったよ。次も楽しみにしてる。

82:名無しさん@ピンキー
07/05/07 00:50:12 zWkuhWlV
最後のラコスポの「むふ、気絶してるから(ry
ってクリムゾンかよw
何はともあれヤミ金 乙

83:名無しさん@ピンキー
07/05/07 16:32:11 CYarIT79
屋上へと続く階段で沙姫はリトに合わせて腰を動かしていく
はだけたブラウスから覗く豊かな胸がリトの胸板で擦れあい先端を赤く充血させる
リトは腰に回していた腕を手前に持ってくると沙姫の胸に手を這わせ揉みしだく
「あっ・んん・・あぁっ・・・リトだめですわぁ・・・激しすっ・・んんんっ」
形のいい眉を寄せて甘えた声で拒絶する沙姫
だけどそれは沙姫の「もっと責めて」という合図
リトは乳輪を舌でなぞると硬くなった乳首に舌を絡ませ吸い上げる
「んんっっ・・ああぁぁ・・ふぁあっ・・リトぉダメっダメです・・あっっん」
人を気にして抑えていた声を嬌声へと変えリトの中で体を仰け反らせる
沙姫の肉壁は白濁した愛液と共に肉棒に絡みつき奥へ奥へとリトを導いていく
唇が重なり舌と唾液の混じわる音が廊下に溢れ出し淫靡な空間をつくる
そんな二人だけの世界を階段の曲がり角から見ていた生徒が一人いた
「・・・な、なんてハレンチな////」

授業が終わり放課後いつもの様に沙姫と帰るため席を立とうとしたリトの手に何かがあたる
「なんだ?」
カバンに入っていた一通の手紙
『結城リト  少し話しがあるので放課後生徒指導室まで来なさい』
差出人不明の手紙に少し不安を覚える
「オレ・・・なにか悪いことしたっけ?」

校舎の一角誰も近寄らない場所に指導室はあった
コンクリートの無機質さと人気のなさがリトの不安感を更に煽る
リトは一つ深呼吸すると意を決し扉を開ける
「失礼しま~す」
中はリトが思っていた以上に簡素で最低限の椅子と長机が一つあるだけだった
その椅子に女の子が一人座っている
「あれ?えっと・・確か同じクラスの・・・・」
「古手川唯よ・・元1-Bのね」
唯は椅子に座ったまま腕を組みリトをじっと見つめる
「そっか、じゃあ古手川も呼ばれたんだな」
「違うわ。呼んだのは私よ結城君」
「へ?」
唯は手近にあった椅子を引っ張るとそこに座るようにリトを促す
「それで話しって?」
言い難いことなのか俯き言いよどむ唯はやがて顔を上げてリトの顔を見つめる
「結城君、あなた学校であんなことしていいと思ってるの?」
「あんなことって?」
「とぼけないで!私見たんだから・・・階段であなた達二人がその・・・////」
(あっ見られてた・・・)
リトはバツが悪そうに頭を掻くと少し顔を赤らめながらしどろもどろに弁明する
「いやあれは・・なんつーか・・・ほらオレ達付き合ってるわけだし、付き合ったらそういうことはするだろ?したくなるだろ?」
「そんなの知らないわよ////とにかく!これからはあんなこと私が許しません!」
唯はリトをキッと睨みつけるとまくしたてる
「それに付き合ったらって高校生があんなことしていいと思ってるの?付き合うなら付き合うでもっと健全な・・・・あっ」
リトは唯の話を最後まで聞かず席を立ってしまう
「ちょっと待ちなさい!」
「ああもうわかったよ。次からは気をつけるから」
「そういうことじゃなくて、待ちなさい結城君っ」
唯はリトの前に立ちはだかると両手をいっぱいに広げて通れなくする
「まだ話しは終わってないわよ結城君?」
リトは溜め息を吐くと唯を睨みつけ少し声を荒げる
「古手川の言いたいことはわかったけどオレ達に関係ないだろっ!それに、だいたいなん
で古手川がそこまで言うんだよ?」
リトの剣幕に一瞬ひるんだ唯だったが負けじと体を一歩踏み出し反撃する
「関係あるないに係わらず、学校の風紀を乱す人達を私は許しません!!」
リトも一歩踏み出しくって掛かる
「だ・か・ら!お前に関係ないだろっ?」
「元クラス委員長として風紀を乱す人達を見過ごせないわ」


84:名無しさん@ピンキー
07/05/07 16:33:35 CYarIT79
それから数分散々言い合いをした二人は息を荒げ互いを睨みつけていた
「とにかく、もうオレ達に係わるなよ!だいたいお前・・・・」
リトはあることに気付き言葉を途中で飲み込んでしまう
「なによ?」
唯は気付いていないがお互い身を乗り出して言い合っていたため、かなり二人の距離は縮まっていた
その距離およそ数センチ
目と鼻の距離にいる唯の顔にリトは内心ドキドキする
よく見なくてもわかるほど整った端正な顔立ちに、釣りあがった大きな黒い瞳
その瞳に全てを吸い込まれてしまいそうな感覚にリトの心は乱れていく
「ねえ、どうしたのよ?」
鼻にかかる唯の甘い息に頭がくらくらしてくる
沙姫とはまったく違う目の前の少女にリトの中のいけない何かが顔を覗かせ様とする
「と、とにかくこの話しはこれで終わりなっ!オレ早く帰らねえと////」
「あっ待ちなさい!まだ話しは途中・・・・」
再びリトの前に回りこむ唯をリトは思わず軽く突き飛ばしてしまう
「きゃあっ」
床に尻餅をつく唯に慌ててリトは手を差し出す
「あっ悪い!って大丈夫か古手川?」
唯はリトの手を掴もうか一瞬迷うが握り返す
「あ、ありがとう・・・」
「どっか怪我とかしてないか?ぶつけたところとかは?」
さっきまでの言い合っていたリトとのギャップに唯は目を丸くする
「え、ええ大丈夫よ・・・」
「ホントか?・・悪かったな古手川怪我なくてマジでよかったよ」
心の底から唯の無事に安堵するリト
「と、とりあえずここから出ねえか?」
リトの手を握ったまま歩き出した唯の体がふいによろめく
「あっ!?」
リトの体に身を任せる形で抱きついてしまう唯
「ご、ごめんなさい////」
「べ、別にいいけど////・・・・ホントに大丈夫か?」
唯は俯いて言いにくそうにもごもごする
「足・・くじいたみたい・・・」
その言葉にリトの顔は蒼白になる
「なっ!!それならそうと早く言えよ!」
リトはその場にしゃがむと唯に背を向ける
「ほら乗れよ。保健室まで連れて行ってやるから」
「えっ?////」
「心配すんなって!放課後だし人全然いないから見られることねえよ」
唯はリトの言葉にしぶしぶ体を預ける
ちゃんと乗れてるか確認するとリトは唯をおんぶしたまま立ち上がる、と
その軽さにリトは驚く
(マジかよ!沙姫より全然軽い・・・)
「どうしたの?」
「な、なんでもねえよ////」
ついつい沙姫の体と唯の体を比べてしまう
そんなリトの妄想を知ってか知らずか唯はなるべく密着しないようにとリトの肩に手を置き背中との距離をとる
それでも次第に、歩くたびに体の位置がずれていきリトの背中に完全におぶさる形になっていく
リトの鼻に掛かる艶やかな黒髪の香りが、首筋への吐息が、そして背中に押し付けられるその体系からは意外な大きさの胸がリトの頭を激しく沸騰させる
(やばい!こんなところ沙姫に見つかったらなにされるか・・・)
頭に腕を組んで見下ろす沙姫が思い浮かびリトの足は自然と早くなる
「・・・・・・」
そんなリトに何を思うのか唯は黙ったままリトにしがみついていた

保健室のベッドに唯を座らせるとリトは主のいない部屋で棚をあさっていた
「ったくなんでこんな時に御門先生いないんだよ」
「しかたないわ。先生だって色々仕事があるのよ」
リトは心の中であの先生に限ってそれはないだろとつっこみをいれると包帯と湿布を手に唯に向き直る


85:名無しさん@ピンキー
07/05/07 16:34:14 CYarIT79
「あ・・自分でするからいいわよ///」
「いいってこういうのは誰かにやってもらった方がうまくできるし、それにこうなったのもオレの責任だしな。ほら足だして」
唯は言われた通りに足を差し出す
リトは唯の足を自分の膝の上にのせると靴下を丁寧に脱がしていく
「あっ!よかったな腫れはないみたいだぞ。まあけど念のため湿布とか貼っとくな」
てきぱきと手馴れた様子のリトを唯はじっと見つめる
「ん?ああオレ妹と二人暮らしなんだ。だからこういうことはオレの担当でさ
だから自然とうまくなっていったんだ」
「結城君妹さんと二人暮らしだったんだ」
湿布を貼り包帯を切るためにハサミに手を伸ばす
「ああ、古手川のうちはどうなんだ?兄弟とかいるのか?」
「私の家は・・・」
作業を終え唯に向き直ろうとしたリトの目に唯の見事な太ももが飛び込んでくる
今まで必死だったため気付かなかったがリトに脚を差し出す唯の格好はすごく魅力的で
リトの理性をざわざわと刺激させる
長い脚に魅力的な太もも、白いすべすべの肌、全てが目の前にある欲望にリトは必死に耐える
「どうしたの結城君?」
「な、なんでもねえよ///」
その時確かにリトの耳に「青春ねぇ、結城くん」と御門の笑い声がふふふと聞こえてきた
その声に思わず振り返ったリトとドアが開いたのは同時だった

「リトっ!!」
ドアの前で仁王立ちになっている沙姫を見てリトの顔から血の気が下がっていく
「さ、沙姫!!?」
ドアを閉めると優雅に歩きリトの前で腕を組んで見下ろす
「聞きましたわよリト。あなた女の子を突き飛ばしただけではなくその体に傷を負わせたそうですわね?」
その落ち着いた声とは裏腹にこめかみのあたりがぴくぴくと震えている
「な、なんでそのことを・・・・?」
「私の情報網を甘くみないでくださる?」
リトの脳裏にポニーテールと眼鏡の少女が浮かぶ
「そんなことよりどういことですのリト?あなたらしくもない・・・・」
言いよどむリトに溜め息を吐くと沙姫は突然唯に頭を下げた
「どういう理由であれ私のリトがあなたに傷を負わせたのは事実ですわ。私も謝ります
ですからリトを許してあげてくださらない?」
目の前のどう見ても高飛車で高慢な感じの人物の突然の謝罪に唯は言葉を失う
「ほらあなたも謝りなさい!」
隣で呆けていたリトを掴むと頭を下げさせる
「ホントにごめんな古手川」
「も、もういいから、ね。二人とも顔をあげて」
「よかったですわねリト。それはそうと唯さんとおっしゃったわね?今日一日私のリトをあなたに貸してあげますわ。どうぞ好きに使ってやって」
抗議の声をあげかけたリトを横目で制すると踵を返し扉に向かう
「それでは私はこれで帰りますわ。リトあなたはちゃんと彼女を家まで送って差し上げなさい」
それだけ言うと会話を打ち切るかの様に扉をピシャリとしめていく沙姫
「はぁ~・・・ったく」
「あの人が結城君の?」
リトは気のない返事を返すと帰り支度を始める
(あんな人が結城君の前であんなハレンチなことを・・・・///)
さきほどまでの沙姫を今日自分が階段で見たことに重ねて一人唯は赤面していた
そこにリトが手を差し伸べる
「ほら立てるか?家まで送ってってやるよ」
リトの申し出に唯は素直に手を重ねる


86:名無しさん@ピンキー
07/05/07 16:36:07 CYarIT79
帰り道、おぶっていくわけにもいかず結局リトは唯のかばんを持ってやり二人は並んで歩いていた
「ごめんなさい結城君、なんかこんなことになってしまって」
足をひきずりながら申し訳なさそうに呟く唯にリトは笑いかける
「気にすることねえって、それに全部オレが悪いんだしさ・・・・」
言いながらどんどんテンションが下がっていくリトは小さな声でごめんを連発する
そんなリトを唯は不思議そうに横目で見ていた
学校の風紀を乱した、指導室でのケンカ腰な態度、突き飛ばした時の慌てよう
保健室でのやさしい雰囲気、そして今の弱気な感じ
今日一日で、唯の中のリトの存在は風紀を乱す人からころころ変わっていき、自分でも結城リトがわからなくなってきていた
そりゃ高校生にあるまじき不純な行為をしたことは今でも絶対許せない!
許せないんだけどそれだけで結城リトの全てを決めてしまおうとは思わなかった
思いたくなかった。だってそれは―――
唯の足が止まる
「ん?古手川?」
「・・・・結城君私・・・・ここでいいから。家すぐそこだし」
なぜか慌てた感じの唯を不思議そうに見ながらもリトはかばんを渡す
「そっか、じゃあ気をつけて帰れよ。足、家ついたらまたちゃんと診とけよ」
それだけ言うと背を向けて歩き出すリトに唯はおもわず声をかけてしまう
「あ・・・あの結城君・・その・・・・こ、これからどうするの?」
「え?ん~~とりあえず沙姫に会いに行ってくるよ。ご機嫌とらないとな・・・」
「そっか・・・じゃあ結城君も気をつけてね。あっわかってると思うけど・・・」
唯の真剣な表情にピンときたのかリトは慌てて同意する
「わかってるわかってるって。沙姫とはなんにもしないってそれに今日はそれどころじゃねえしな」
唯は半眼でリトを睨むと腕を組んで姿勢を正す
「わかってると思うけど私あなたのこと許したわけじゃないから。話しもまだ終わってないし・・・
だけどケガのことはありがとうおかげで足痛くなくなったから////」
顔を赤らめながらそっぽを向いて話す唯をリトは沙姫と重ね合わせてしまう
「ちょっと聞いてるの結城君?人が話す時はちゃんと」
「えっ!?ああ、わかってるちゃんと聞いてるって。えっとじゃあオレはそろそろ行くから古手川も早く帰れよ」
「ちょっと結城君まだ話は・・・・もうっ」
遠く走り去って行くリトの背中を少し見つめながら唯は無意識にクスっと笑ってしまう

家に着くと唯は部屋のベッドに寝転がった
制服を着たまま寝るのは抵抗があったが今日は色々ありすぎて正直疲れていた
目を閉じると今日一日の出来事が頭を巡る
階段で体を交わらす男女、汗と独特な匂いが鮮明に甦る
「許せない・・・あんなこと」
シーツを握り締める手にギュッと力をいれながらも唯は別のことを考えていた
自分をおぶって手当てしてくれた背中と手
あの時、背中の揺れに任せておもわずしがみついてしまった自分が許せないのと同時に
制服越しに伝わるリトのぬくもりと鼓動を密かに感じていたのも事実
異性にあんな風に触れたのも、あんなに近くに身を寄せたのも唯にとっては初めてであり
そして、信じられないことだった


87:名無しさん@ピンキー
07/05/07 16:36:42 CYarIT79
「結城・・・リト・・・」
呟きと共に胸に広がる初めての感情に唯は目を閉じる
それがなんなのかはわからない。だけどとても心地よくそしてどんどん高鳴る胸の鼓動
唯はいつしか深い深い眠りへと落ちていった

昼休みの学校
主のいない保健室のベッドが一組の男女の動きに合わせてギシギシと軋む
「なんだよ・・やっぱりお前もこういうのがいいんだ」
黒髪の少女を貫きながら結城リトは意地悪く笑いかける
違う――違う――違う――
「結城君もっとしてっ・・もっとほしいのぉ」
心とは裏腹に勝手に紡がれていく甘い言葉に唯は困惑する
何度も出し入れされる肉棒に何度も掻き回される膣内
唯の華奢な体は快感を越えた悲鳴にも似た喘ぎを出す
四つん這いにさせられ、何度もあびせられた精液に汚れた制服は脱ぎ払われ、唯の白い裸体がリトの手で乱暴に汚されていく
「あぁ・・ふわぁ・んんっ・・あっくぅ・・んん」
嫌っこんなの―誰か―私はこんなこと―
「あんっ・・結城君、結城君・・ああっくっ・・ああんんんっ」
望んでなんかいないのにどうして――
それでも体はリトを愛しい人を必死に求める
その端正な顔立ちを白濁で染め上げても
その男を知らなかった花弁を血で染めても
唯はリトの唇を求めてそれに吸い付く
絡み合う舌に口からこぼれるほどの唾液を送り込み貪る
「はぁ、んんっ、結城君結城君っ・・ああぁぁ・・」
結城君が好き、大好き、だからだからもっともっと――

ハッと目を覚ますと部屋の中はすでに真っ暗で、時計の針は夜の9時を廻っていた
寝ぼけた頭でさっき見た夢を反芻すると唯の顔はみるみる真っ赤になっていく
「・・・な、なんて夢を見てるのよっ私はーーーーーっ!!」
それから数分
両手で押さえた頬の上気が収まるころ唯は暗い部屋で深い溜め息を吐く
落ち着くと頭にリトの顔が浮かびまた顔を赤くしては溜め息の繰り返し
唯はとりあえずじんじんと熱くなっている下腹部をなんとかしようと着替えるためベッドから降りる
すっと両脚で降りるとそのまま普通に歩いてクローゼットまで歩いていく
汗を吸い込んだ制服のボタンを外す時、鏡に映る自分と目が合う
今日は信じられないことの繰り返しだわ
私らしくもない――
唯は頭から雑念を振り払うと再び鏡の中の自分に向き直る
鏡の中の漆黒の瞳は唯にある疑問を投げかける
あの時結城リトに言った言葉

『足・・くじいたみたい・・・』

「私どうして結城君に嘘・・・ついたの?」
胸がキュッと締め付けられる思いに唯の心はさまよう
答えが出ないまま唯は部屋を出た


88:名無しさん@ピンキー
07/05/07 16:42:17 CYarIT79
終わり
いつも沙姫×リトを書いてるんですが今回唯にやられてしまって書きましたw
微エロなのは許してください
一応続きものっぽく終わらせたので需要があれば唯のエロは次ちゃんと
書こうと思ってます

89:名無しさん@ピンキー
07/05/07 18:50:38 gryOKBRA
GJ!!!!!!!!!!
おつかれさまです。

90:名無しさん@ピンキー
07/05/07 23:19:34 7ZRGoyub
GJ!
続きも是非!

91:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:04:49 nAh0G4GN
なんだよこのスレ素晴らしいじゃないか…ヤミも古手川もすげえ良かったです

92:名無しさん@ピンキー
07/05/08 18:23:13 vIpo1L7f
GJ!
続き是非とも

93:名無しさん@ピンキー
07/05/09 19:54:23 EJETkQii
唯×ララで

94:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:25:34 K6J5t3Tz
ヤミ陵辱物を書こうと思うのですが
どうでしょうか?


注意点

携帯からのなので少しづつしかかけません

国語の成績は中の中でした

95:名無しさん@ピンキー
07/05/12 22:42:30 SYNk7oyF
>>94
おk。
ていうかそんな事いちいち書かない方がいい
よっぽどウザイ態度じゃなきゃここの住民は受け入れるよ


96:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:52:37 19X58JmG
只野仁っぽかった気がした

97:ヤミ金
07/05/13 01:12:31 17c/AX/0
大事なのは文章力や長さじゃなくてどれだけエロいかもしくは萌えられるかだと思いますよ
と、次のネタをこつこつ固めてる俺が言ってみる

98:名無しさん@ピンキー
07/05/13 12:33:57 C3p4K7WB
書くにあたって一つ質問が

ヤミがララを呼ぶときはプリンセスでしたでしょうか?

最近ジャンプを出してしまったので思い出せません

99:名無しさん@ピンキー
07/05/13 12:38:27 WvFds2+s
そうです

100:名無しさん@ピンキー
07/05/13 13:20:19 U+vecGqc
エロいの頼むよ

101:闇の堕ちる時
07/05/13 14:54:37 C3p4K7WB
出来たので一応投稿

誤字脱字や口調の違いは勘弁してください


序章

春の陽気に包まれた町・・・


スタスタと本に目を通しながら歩く金色の髪をした少女が一人。
読んでいた本も終盤に差し掛かったとき不意に肩をたたかれ、声をかけられた
「ヤミちゃんみっけ!」
ヤミと呼ばれた少女が振り返るとそこには、ララがニコニコしながらたっていた

「お久しぶりです。プリンセス。何かご用ですか?」
ヤミが読んでいた本をパタンと閉じ礼儀正しくたずねる。
「うんとね・・・そうだ!あれ!」
ララは、唇に人差し指を当て少し悩んだ後、ヤミの向こうの空を指さした。
「なんですか?」
ヤミが振り向いた次の瞬間
[ゴス!!]
ヤミの後頭部に鈍い音と共に激痛が走った。
ドサッと倒れるヤミ
薄れていくヤミの目に映ったのは、
どこから取り出したのかも解らない木製のバットを手に
ニヤリと笑ったララの姿であった。


序章~終~

102:名無しさん@ピンキー
07/05/13 15:28:33 eCty9FQQ
ヤミの頭が
カンボツしますた

103:名無しさん@ピンキー
07/05/14 01:06:48 CNXIzhXT
>>101
タミフルwwwww

104:闇の堕ちる時
07/05/14 22:36:22 OriOWYeS
続きです


ズキン・・・
「・・・っ」
ヤミは殴られた頭の痛みで目を覚ました。
ヤミはあまりの痛さから頭を押さえようとしたが
手が動かない

ヤミが首を動かし自分の体を見わたした
すると
台にヤミ自身の四肢が拘束されていた。
「・・・」
ヤミはとりあえず気を落ち着かせあたりを見渡した。
周りには機材のような物がいくつもあった。


「あ・・・目が覚めたみたいだね」
不意に背後からの声が聞こえた。
「プリンセス・・・」
そこに立っていたのは例のごとくララであった。
「プリンセス・・・拘束を解いてください。
返答によってはプリンセスといえども容赦はしませんよ。」
ヤミは髪をナイフのようにしてララに出来るだけ強気で言い放った。
しかし、ララはクスクス微笑しながら
「ヤミちゃんこわーい」
といいつつ、ヤミに歩み寄っていく。

105:闇の堕ちる時
07/05/14 22:39:04 OriOWYeS
「それ以上近づくと攻撃しますよ!」
ヤミは、声を張り上げた。
しかしそれを聞いたララは、ニヤリと笑い、ヤミへと向かって走り出した。
「・・・!」
ヤミはナイフ状の髪でララに切りかかるが、
ララは、それを余裕でかいくぐりヤミの唇を奪った。
「んんーー!?」
ヤミはあまりの衝撃に、トランスを解いてしまった。
ララは、舌を強引にヤミの口内に侵入させようとする
ヤミは必死に口を閉じるが・・・
すぐにララの舌の侵入を許してしまう。
「ん!んー!んふぅ・・」
口内を逃げ回るヤミの舌をララ舌が絡めとる。
ヤミの目にうっすら涙がにじんできた。
[ゴクン]
突然ヤミの喉に何かが流れ込んできた。
ララの唇が離れる。
「ハァ・・ハァ・・・何を飲ませたんですか?」
ヤミは髪を再びナイフにトランスさせ、ララを睨んだ。
ララは微笑し、
「ナイフは、危ないから手にしてよ・・・小さい手がいっぱい。」
とヤミの質問を無視して言った。
「質問に答え・・・え?」
ヤミの髪はヤミの意志に関係なく、無数の小さな手へとトランスしていた。

106:闇の堕ちる時
07/05/14 22:41:17 OriOWYeS
とりあえず出来たところまで書いてみました

107:名無しさん@ピンキー
07/05/14 22:59:18 YEIbxsQ2
いいネいいネ!!

108:名無しさん@ピンキー
07/05/16 10:47:09 tD75lvTl
「おはよー」「おはよ~ねえねえ昨日のテレビ・・・」
生徒達が朝の挨拶を交わす中、誰にも話しかけることもなく唯は廊下を歩いている
別に挨拶が煩わしいわけでも恥ずかしいからでもなくただ自分には・・・・
そんな思いにふけっていると3階廊下の窓際の一組のカップルに目が止まり
自然と足が止まる
(あっ・・・)
仲良くしゃべっているリトと沙姫を唯は少し複雑な表情で眺める
昨日から結城リトを思うだけで胸が苦しくなる・・・
「でさ美柑のヤツがララに言ったんだ『ララさんもうちょっと』・・・・ん?」
「あっ///」
自分に向けられる視線に気付いたリトと唯の視線が交わる
思わず声をあげてしまった唯は顔を赤くして何故か視線をそらす
「あら?あなた確か昨日の・・・」
「古手川じゃん、どうしたんだよそんな所で?」
「えっ!?あ・・・そのおはよう」
手を振りながら近づいてくるリトにそんなことしか言えない自分がもどかしい
「ああおはよ、ってか足は大丈夫なのかよ?」
「え?あ、足?・・・ええ・・も、もう大丈夫みたい。一晩寝たら治ったから」
「へ~まあ腫れもなかったしよかったじゃん。まあオレが悪いんだけどさ・・・」
唯が昨日ついた嘘にもまったく気付く様子もなく、純粋な気持ちで自分を心配するリトに
唯の胸がチクリと痛む
と、その時朝のホームルームの始まりを告げるチャイムが鳴る
「それではリトまた後で」
そういい残し優雅に去っていく沙姫の横顔を後姿を唯はおもわず目で追っていく
整った顔立ち、モデルの様なプロポーション、綺麗な金髪、お嬢様特優の気品さ
自分にはない物を全て持っている沙姫に軽い羨望を抱き唯はうっとりする
「・・・川!古手川!!」
リトの呼びかけに現実に引き戻されていく
「なにやってんだよ?ほら早くしないと始まっちまうぜ」
「え、ええ・・わかってるわよそんなこと!」
教室に向かうリトの背中を眺めながら唯は握りこぶしをつくる
(そうよ!しっかりしなさい古手川唯!!)
一つ気合をいれると唯はリトの後を追った

四時間目苦手な数学ということもあり昼前独特の倦怠感と空腹とでリトは机に突っ伏していた
(腹へったなァ~)
ぐぅぐぅと鳴るお腹をさすっていると今朝と同じ視線を感じて、リトはその方向に目を向ける
(古手川?)
リトの反応に一瞬おどろいた唯は次の瞬間ぷいっと顔を逸らす
(なんだよ・・・)
それからもちらちらと自分を見てくる唯に気付いているのかいないのかリトはぼ~っと黒板を見ていた

昼休み
みんなお弁当を持ってそれぞれの場所でそれぞれのグループで談笑しながら食事をしている中で、唯はいつもの場所で一人お弁当を食べていた
校庭の端にある大きな木の根元、芝生のクッションと降り注ぐ暖かい木漏れ日に包まれる
唯はこの場所が好きだった。一年生の時からずっとこうして一人で食べていた
いつもの場所にいつもの時間、そんな唯だけの世界に影が割り込んでくる
「なんだこんなところにいたのかよ」
見上げるとお弁当を抱えたリトが立っていた
「結城君?・・・なんの用?」
「ああ、一緒に食べようと思ってさ」
リトは唯の返事も待たずに芝生に腰を落とす
リトの突然の誘いと行動に箸を咥えたまま唯は抗議の声を出す
「ちょ、ちょっと待って!私誰も・・・それに沙姫さんは?」
「ああ沙姫なら屋上でララ達と食ってるはずだぜ」



109:名無しさん@ピンキー
07/05/16 10:49:54 tD75lvTl
ぽかんと口を開けている唯をよそにリトはもくもくとおかずを食べていく
「・・・そ、それだったら私のところよりも沙姫さんのところに」
「なんでだよ?別に古手川と食べてもいいだろ?」
リトの真意がわからず唯は黙ってしまう
沈黙が続きだんだんと空気が重くなっていく
そんな雰囲気にリトはなにか話題をと唯の弁当箱を覗き込む
「うわァ古手川のってちっちゃいなァ。よくそんだけで足りるよな?」
「べ、別に私これで普通だし・・・」
「そうか~?」
リトはいつも食べている沙姫の弁当箱を思い出し唯のと比べる
五段重ねのお重とリトの手のひらよりも全然小さい唯の弁当箱
「あ~・・でもやっぱり少なくないか?だって沙姫なんて・・」
「結城くんっ!!!」
「な、なんだよ?そんな大声で?」
「私・・・・一人で食べたいの・・・だからごめんなさい・・・」
リトはなにかいいかけたが唯の表情を見て口をつぐむ
「そっか・・・邪魔だったんだ、それじゃあな古手川」
去っていくリトの後ろ姿を見ながら唯の心は後悔の念で塗りつぶされていく
どうしていいのかわからない
どんな顔をしたらいいのかわからない
結城君が来てくれたことはすごくうれしい・・・うれしいけど・・・
ただ沙姫さんの名前がでるたびに胸が苦しくなる
結城君に抱く気持ちに戸惑ってしまう
唯はお弁当の残りに手をつけずリトの去った方をずっと眺めていた

五時間目の授業が始まっても戻ってこないリトに先生が唯に探しにいくように頼む
「まったく!どうして私が・・・」
廊下を歩きながらぶつぶつ文句をいう唯だがその心は揺らめいていた
昼休みのこと、リトへの気持ち、リトに会ったらなんて言おうどんな顔をすれば・・・
そんなことを考えている唯に聞き覚えのある声が聞こえてくる
「結城・・・君?」
唯は声がする方へと足を向ける

誰もいない美術準備室の前でリトは沙姫を抱き寄せその唇を奪う
舌と舌が絡み合い唾液の水音が廊下に洩れる
「んっ・じゅる・・んんっ・じゅ・・むぅう・・ちゅる・」
(ん?あれは・・・・な!?なんてハレンチなっ!!またあの二人は////)
さっきまでの悩みはどこえやら急ぎ二人を注意しようと唯は駆け出す
けれどその足がしだいにゆっくりとなり止る
リトの顔、互いに愛し合う二人の愛撫に唯の胸は激しく高鳴ってしまう
(だ、ダメよあんなハレンチなこと!!今すぐやめさせないと・・・)
だけどその目はリトに釘付けに、その手は胸に
ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ
ますます高鳴る鼓動が唯の体を理性を麻痺させていく
(あんなこと・・・////)
廊下の曲がり角から見える二人は互いを求めその体を押し付けあう
唯の耳にも聞こえる絡み合う舌と舌の水音
口から漏れる息が荒くその頬が赤く唯はじっと二人をリトを見つめる

そんな唯に気付くことなくいつもより長い濃厚なリトの舌使いに沙姫の体は徐々に火照っていく
「むっんん・・ちゅる・はぁ・・リトどうなさったの?今日のあなた・・・あっ」
リトは沙姫の腰に回していた腕を引き寄せると首筋にキスをし舌でなぞる様に舐め上げる
「あんっくすぐったいですわ・・・んっリトもうやめっ・・これ以上は・・」
リトの唾が白い首筋を伝い落ちはだけたブラウスから覗く胸の谷間に落ちていく
舌を首筋から喉へあごのあたりを通り反対がわへと滑らせる
「んんん~~~・・ダメですわぁ・あっんん」
リトの愛撫で立っていられなくなった沙姫はリトの胸元へもたれる様に体をくずしていく




110:名無しさん@ピンキー
07/05/16 10:52:39 tD75lvTl
「なに?なにがダメ?」
「・・・・・///」
耳元で囁かれるリトの甘い言葉に沙姫の顔は赤くなりリトの胸の中で体が震えだす
その手は下腹部へ伸びくちゅくちゅといやらしい音を立てて自らの秘所をかき回していく
熱い吐息を漏らしリトにしがみつく沙姫はなにかをおねだりしているかの様で
沙姫の少し潤んだ瞳で上目遣いで見つめる仕草にリトは唾を飲み込む
「リトォ、お願いしますわ・・私もう・・・」
リトはベルトを外しズボンを下ろすと勃起した肉棒を取り出し沙姫の割れ目にあてる
ゴクリ――
初めて目にする男性器にリトの見事なモノに唯は無意識に喉を鳴らす
ギュッと制服の胸元を握り締めた手にも力がはいり
額にはうっすらと汗がにじんでくる
(ど、どうしたの私?体が熱い・・・)
自分の体の変化を気にしながらも二人から目が離せない

下着を取り自らスカートをたくし上げて腰を落とす沙姫の口から喘ぎと吐息が溢れ出す
リトの上に完全に騎乗するとその首に腕を回し軽いキスを交わし合図を送る

ヌチャヌチャと結合部から漏れ出す卑猥な音に唯の顔はみるみる真っ赤に染まる
(うそっ!あんなこと・・・だけど結城君すごく・・気持ちよさそう・・)
沙姫の体に夢中になって腰を動かすリトの顔
恍惚でいて、もっと快楽をもっと欲望を求める牡の顔
―――ゴクリッ
飲み込んだ唾の後追うかの様に唯の指が口の中に入れられる
ちゅぱッ・・じゅる・んんっ・・・
火照った体が目の前の淫靡な光景が唯の理性をかき乱し狂わせる
(んんっ・・はぁあ・んっ・・ぁぁんん)
甘い吐息は喘ぎえと変わり下腹部がじんじんと熱くなっていく
(私・・私・・・結城・君、んんっつ///)
指をしゃぶりながら反対の手が胸をなぞり、スカートに伸ばされる
外気に触れた下着は触らなくてもわかるほどじっとりと湿っていた
その感触を確かめるように求めるように唯の指は中へと入っていく
(やだっ私っ・・学校でなにを///)
理性が拒絶する
沙姫を押し倒し覆いかぶさるリト
リトに必死に求められ幸せそうな沙姫の顔
(沙姫さん・・・・)
胸が痛む、沙姫の顔を見るだけで胸が苦しくなる
(私・・私沙姫さんに嫉妬してる・・・こんなことダメなのに)
だけど一度認めてしまえばもう、唯の中のリトへの気持ちは止まらない止めることができない
唯は壁に背中を預けると下着の中の指を動かす
それは唯にとったら無意識のことなのかもしれない
だけどリトの顔を見てるだけで体の芯が熱くなる、あそこがうずいてくる
私も――私も結城君に――
唯は沙姫と自分を重ねていく
舌で指をしゃぶりつくし、膣内を反対の指で掻き混ぜる
(んんっ!!ふぁんっ・・はぁ・う゛ぅぅ)
口に咥えた指から涎を垂らしながら唯の指は加速する、止まらない
リトに抱きしめられ悶える自分が
リトのモノを受け入れている自分が
リトの全てを――
唯の頭の中でぐるぐるとリトと自分が交わる姿が浮かぶ




111:名無しさん@ピンキー
07/05/16 10:55:50 tD75lvTl
掻き混ぜた秘所からはとろりと愛液が太ももを伝い
乱れた制服の胸元から見える乳房には汗の珠が胸のラインにそって落ちていく
(はあっ・んあぁ・・むぅ・んん・・ダメっ私・・・こんなことっ)
すぐそばにいるリトの気配
(ヤダっ!!私このままだと・・・///)
結城君の近くなのに隠れて一人でしてるなんて・・・だけどだけど私もう・・・
(結城君っ!!////)
体の中で絶頂の波が広がると立っていられなくなった唯はその場にしゃがみこむ
荒い息の中、それでも浮かぶリトの顔
唯は自分のリトへの気持ちにその余韻に呟く
「結城君・・・私あなたのことが・・・」

ふと名前を呼ばれたような気がしてリトは廊下の曲がり角に振り向く
「どうなさったの?」
「いや・・さっき誰かそこにいたような・・・」
リトが首を伸ばして見るとそこにはもう誰もいなかった
六時間目の体育の授業
「なあリト?おまえもう体調平気なのかよ?」
「ん?」
隣の猿山に気のない返事を返すリト
五時間目ずっと沙姫といたため授業をさぼってしまったリトが休み時間教室に戻ってきてみると、
何故かリトは体調不良が原因で保健室で寝ていたことになっていた
リトにとったら意味がわからなかったが本当の事なんていえるはずもなく、流れにまかせてそのまま体育の授業も見学していた
「まあな!おかげで完璧に治ったよ」
「ふ~ん」
猿山はリトを横目でにやにや眺めるとその首に腕を回し引き寄せる
「で?ホントは天条院センパイといたんだろ?なにしてたんだよ?ほら吐けよ!」
「な、なんにもしてえねよ///」
首を締め上げる腕を振りほどくと、むせ返る喉を押さえながら猿山を睨みつける
「とうぜんの報いだ!一人だけモテやがって」
「おまえな~」
「あっ!そうそうところでリト、ちゃんと古手川には礼言ったのか?」
「え?」
「えってお前な・・・古手川だぞ。お前を探しに行って保健室で寝てるって先生に言ったの」
リトはきょとんとしてバスケットボールを持っている唯を見る
「何考えてんのかわかんないけどカワイイとこあるじゃん、それに・・・」
猿山は再びリトを引き寄せると小さな声で耳打ちをする
「古手川ってなにげにスタイルいいよな。ひょっとして天条院センパイよりいいかも」
「お前なに言ってっ・・・」
「まあまあ聞けよ。あの子見た目きつそうだけどよお前をかばったり根はやさしい子なんじゃねえの?」
猿山の言葉にリトの脳裏に昨日の指導室での事、保健室の事、そして今日の昼休みの出来事が浮かぶ
「そうか~?」
「お前見る目がねえな」
眉根を寄せるリトにあきれた猿山はボールを持ってチームに合流する
一人残されたリトは他にすることもなく黙ってコートを眺めていた
『古手川だぞ。お前を探しに行って保健室で寝てるって先生に言ったの』
(ホントになに考えてんだ古手川のヤツ・・・)
そう思っても意識してしまう。ぼーっとコートの中の唯を見ているとふいに目が合う
「・・・っ!?////」
ふいっとあさっての方向を向く唯に思わずリトの喉から抗議の声が出かける
(なんだよっ!やっぱりわかんねえヤツ・・・・)

授業の終わり使ったボールを専用の入れ物かごに集めて倉庫まで運ぶことになったのだが
その役を誰もやろうとはしなかった
(めんどくせー)(お前やれよ)(あんなの運べないわよ)
口々に文句をいう中すっと一人手を上げる者がいた
「はい!私がやります」



112:名無しさん@ピンキー
07/05/16 10:57:17 tD75lvTl
「古手川・・・さん?君一人で大丈夫かい?」
唯に対して心配そうに声をかける佐清にも唯は気丈に振舞う
「はい!!大丈夫ですこれぐらい」
「ふむ・・それじゃあ古手川さんに任せようかな?」
佐清は他の生徒を解散させると唯に任せて職員室へと消えていく
(ラッキー!)(さすがは古手川さん)(やっぱ頼りになるよね~)
調子のいいことを言いながら帰っていくクラスメートに混じってリトは唯を見つめていた

「んっ!・・・あれ?重・・い!!」
底にタイヤがついている入れ物かごだったが、ボールと合わせるとかなりの重さになる
女の子一人の力では、まして唯一人の力ではびくともしなかった
「んんっ・・・はぁ~ダメ全然動かない」
かごを前に途方に暮れる唯にふっと手が差し出される
「ゆ、結城・・君?」
「なにやってんだよ?こんな物一人で運べるわけねえだろっ!ったく古手川はなんでも・・・ってお前も手伝えよな」
思いがけないリトの援軍に唯の鼓動は高鳴る
「う、うんありがとう・・・・」
「別に・・・お礼だよ!さっきオレをかばってくれたんだろ?」
あの時の光景が甦り唯は複雑な表情を浮かべる
そんな唯に気付くこともなくリトの助けもあってかゆっくりとそれは倉庫へと入っていく

体育倉庫の中は独特のカビの臭いと舞い上がる埃と、生徒が無理矢理運んだのか無茶苦茶
に積み上げたのか、備品の整理もされていないひどい惨状になっていた
「うわ~ひでえなこれ・・・」
リトはうんざりした表情でかごを適当な場所まで運ぶと心底嫌なのか早々に立ち去ろうとする
「なあ、さっさとこんな所から・・・・古手川?」
リトが呼びかけようと後ろを向くと唯は奥の方でなにやら備品の整理を始めていた
「なにやってんだ古手川?」
「なにって整理。片付けないと後から来た人達が困るでしょう?」
そりゃそうだけど・・・言いかけた言葉を飲み込み、リトは黙々と作業をする唯を見つめる
(きっと否定しても古手川は残って一人でもするんだろうな)
リトはそんな唯に溜め息を吐くと手近にあったゴールネットを持ってたずねる
「なあ?これどこにしまえばいいんだ?」
「えっ!?・・・えっとそこの棚にちゃんとたたんでしまっておいて」
リトの行動に唯の顔もほころぶ
それから二人は汗と埃にまみれながらも黙々と続けていた
「ふ~~にしてもすげえ量だよな」
片付けても片付けても終わらない作業にリトも疲労を隠せない
リトは唯の体を心配して休憩するよう呼びかける
「なあ古手川、ちょっと休憩しないか?」
唯はリトの呼びかけにも集中しているのか返事をしない
「お~い、古・・手川?」
リトは唯の近くにいき呼びかけようとして思わず息を呑む
唯は今、上の棚の整理のため跳び箱の上に乗って作業をしているのだが
見上げるリトの目に唯の綺麗な太ももがとびこんでくる
太ももだけじゃない、長い脚に短パンに包まれたお尻、動くたびに揺れる体操服の下に見える白い肌
沸騰しそうになる頭をなんとか押さえ慌てて目線をそらすリトだったが男の本能が邪魔をする
リトは唯に見つからない様にちらちらと盗み見ては改めて唯の体に興奮を覚える
均等のとれたスタイル、華奢な腕、膨らんだ胸に艶やかな長い黒髪
『古手川ってなにげにスタイルいいよな。ひょっとして天条院センパイよりいいかも
あの子見た目きつそうだけどよお前をかばったり根はやさしい子なんじゃねえの?』
猿山の言葉が脳裏に浮かぶ
(確かに・・・古手川ってむちゃくちゃカワイイのかも・・・////)


113:名無しさん@ピンキー
07/05/16 10:58:34 tD75lvTl
そんなリトの気配に気付いた唯が声をかけようと後ろを振り向いた時、唯の体がぐらっと傾く上で必死にバランスをとろうとするが間に合わない
「あぶねえっ!!」
我に返ったリトが腕を伸ばして唯の体を支えようと地面を蹴る
平均的な運動神経のリトだったがこの時だけは別物だった
間に合わないと知るとなんとか落ちる衝撃を和らげようと自分が唯の下に来るように体を入る
どしゃっという音と共に備品が崩れ砂埃が中に舞う
「・・ってぇぇ」
リトは痛む体を無視し唯に怪我がないか尋ねようとして固まってしまう
自分の右手がなにかとてもやわらかいものに触れている
リトは恐る恐る視線を下げていくと思わず叫びそうになる声をなんとか押さえ込む
リトが触れているのは唯の胸だった
(や、やばいっ!!なんとかなんとかしねえと)
リトは手を離そうと上体を起こすが、動けば動くほど胸が手に押し付けられる
むにゅっと手の中で弾む唯のやわらかい胸
(うっわァ!!やわらかい・・・ってそうじゃなくてっ)
リトはなんとか男の本能を払いのけ、とにかく唯に動いてもらおうと声をかけようとして
気付いた
唯はリトの胸の中で震えていた。恐かったのかすがりつく様にリトの服を掴んでいる
(カ、カワイイ・・・)
思わずそんなことを思ってしまう
リトは抱きとめた左手を唯の腰から外して、その黒髪にやさしく触れる
ギュッと抱きしめた唯の体は、おぶって保健室まで連れて行ったあの時よりもずっと軽く
そして小さく感じられた
ふわりと匂う髪の香り、体操服越しに伝わる唯のぬくもりと震える体
リトは唯を愛おしいと感じていた
その腕に力をこめ唯をさらに強く抱きしめる
すると唯がリトの胸の中でなにかもごもご口を動かす
「・・・・っ」
「ん?どうしたんだよ?心配すんなってオレが・・・」
「いっ・・・」
「え?」
「いやあぁぁぁっっ!!!」
唯はどんっとリトを突き飛ばすとリトから距離をとるよう離れる
突き飛ばされたリトは備品の一部に頭をぶつけ悶えている
「いっ・・てぇぇなにすんだよ!!?」
「それはこっちのセリフよ!!」
リトは言い返そうと唯の顔を見て押し黙る
唯はその黒い瞳に涙をいっぱい溜めて胸を押さえていた
「一緒に運んでくれてうれしかったのに、手伝ってくれてうれしかったのに・・・・」
唯の中のリトへの感情が激しく交差する
「私・・・私・・・」
胸元を握り締める手が体が震える
唯はリトに背を向けるとそのまま倉庫から走り出してしまった
後に残されたリトは追いかけるでもなくただ黙ってその場でしゃがみこんでいた

そんな唯の様子を4階の窓から見ている者がいた
「あら?あの子・・・・」
天条院沙姫は走り去っていく唯をそして倉庫を見て少し考える
「ふ~ん・・・・なるほど」


114:名無しさん@ピンキー
07/05/16 11:00:43 tD75lvTl
>>87の続きということで書きました
書いたんですけどかなり長くなってしまったので少し間をあけて
投下したいと思います

115:ヤミ金
07/05/16 12:00:48 xcPQ8UKV
>>114
GJです!

さて、素晴らしい作品が投下されたすぐ後ですが、二個目の話が固まったので投下してみる
前回と同じく数話構成です
タイトルは「校長の日課」、被害者はやっぱりヤミです

116:校長の日課
07/05/16 12:02:06 xcPQ8UKV
日もどっぷりと暮れたある日
闇の中の学校の廊下をのっそりと動く影が一つ

「ふふ~んふ~ん♪」

影は機嫌良さ気に鼻歌を歌いつつ歩いていた
小柄でぽっちゃり系の容姿
派手な柄物のスーツに黒いサングラスと怪しいことこの上ない風体
そう、影の正体は彩南高校の校長だった

彩南高校の校長といえば学生の間では有名な人物である
勿論、それは良い意味ではなくほとんどが悪い意味での話だが
彼はとにかくエロい、ハレンチ、ロリコンと救い様のない三拍子を揃えている
教師という聖職者が生徒に欲情してる段階でかなりダメなのだが
彼の恐ろしいところはそれを隠そうとしないところだ
風で女生徒のスカートが捲くれ上がるシーンに遭遇すれば迷わずカメラの有無を確認する
シャワー室に忍び込んでノゾキをする
スキンシップと称して尻を触る
こういった行動は日常茶飯事なのだ
というかこんな奴がなんで校長? ていうかなんでクビにされないの? 教育委員会なにやってんの?
といった疑問がふつふつとわいてくるのが普通なのだが、何故か彼は罷免されることがない
無論、彼は女子生徒及び若い女教師からはすこぶる評判が悪い
しかしそれ以外の生徒からは意外と言って良いほど彼は好かれている
基本的に楽しければそれでよしといった彼の気風故に大概の校則違反はスルーされるからだ
それに男子生徒からすれば校長の行動によって自分らもムフフな風景を目にすることができる場合がある
教育者として、というか人間としては最低レベルの男ではあるが、不思議なことに嫌われること自体は少ない
それは彼自身の人徳なのかは不明だが

117:校長の日課
07/05/16 12:03:21 xcPQ8UKV
蛇足が過ぎた
さて、こんな時間に彼は何をやっているのか? という疑問である
ここで校長として夜の学校の見回りを率先してやっている! といえば聞こえがいいのだろう
だが、当然のことではあるがこの男にそんな高尚な考えはない

「よし、ここはOK! ここも不備はない!」

言葉だけ聞けば設備の点検をしているように見える
だが、彼が点検をしているのは自分のライフスポットだった
階段の下のスカートの中身が見える場所
更衣室隣の物置に作った覗き穴
ブルマやスクール水着がたまに置き忘れられているロッカー
これら校長生活をおくる上での重要スポットの点検が彼の夜の日課なのだ
おいおいそんなことする必要はあるのか? という疑問があるだろうがこの作業を甘く見てはいけない
校長のエロ行動は学校全体での周知の事実なのだ
当然女子生徒は校長の行動に警戒をする
そうなると校長はいかにしてその警戒を潜り抜けて己の欲望を満たすかということを研鑽しないといけないのである
無論、手っ取り早いのはそんな行動はしないとううことなのだが、校長の頭の中に降参の二文字はない
女体の神秘を探求するためならば命すら惜しまない
それが校長という男の生き様なのだ

118:校長の日課
07/05/16 12:04:40 xcPQ8UKV
「さて、最後にシャワー室のほうを見回るかな」

校長は一通りのスポットを見回ると微妙に早足になってクラブの部室が立ち並ぶ校舎の一角へと足を向けた
運動部の部室区域にはシャワー室とそれに付随する更衣室がある
ここは特に校長のお気に入りのスポットだった
運動をおえて上気した体を晒し、シャワーを浴びる女子達
それらを眺めることは校長にとって至福のひとときである
故に彼はこの場所の見回りは特に念入りにしている
覗き穴が塞がれていないか、穴の大きさ及び角度は問題ないか
ロッカーに何かむふふなアイテムが残されていないか
それらの確認はある意味生徒たちを卒業させること以上に重要なミッションなのである

「おやおや?」

シャワー室までもう少しというところで校長は反射的に近くの柱に身を潜めた
視線の先で何かが動いたからだ
もしや不審人物?
校長は眉をひそめながら怒りの表情を作り上げていく
無論、これは学び舎に忍び込む犯罪者に対する義憤から来る怒りではない
何故ならばここはシャワー室の目の前だ
つまり不審人物の目的は校長と同じ目的である可能性が高い
自分は良いが、他の男がそういった行為をするのは許せない! というなんとも自分勝手な理由なのだ
校長は不審人物を確認するべく目に力を込める

「校長・アイ!」

説明しよう
校長・アイとは暗闇の中でも目標をはっきりと視認できるようになったり
遠くの物も精密に見えるようになるという校長の必殺技である
主にノゾキやハプニングシーンに遭遇した時に使用される技であり、何気に使用頻度は高い

119:校長の日課
07/05/16 12:06:12 xcPQ8UKV
「むむっ、あれは…」

暗闇の中、シャワー室に向けて歩いていたのは一人の少女だった
金色の髪を揺らしながら黒色の薄い服を身に纏い、周囲をある程度警戒しながら歩く小柄なその少女に校長は見覚えがあった
少女は、先日本屋でエロ本を立ち読みしている時に偶然発見した美少女だったのである

「チャーーンス!!」

校長のサングラスが闇夜の中キラリと輝いた
既に不審人物に対する怒りは消え、校長の思考は隠密モードに切り替わっていた
少なくとも校長の美少女データベースの中にあの少女のデータはない
つまり彼女は彩南高校の生徒でないことは確かだ
ならば何故こんな時間にこんな場所に彼女がいるのか?
答えは簡単だ、彼女はシャワーを浴びに来たのだ
いや、家とか銭湯があるじゃん? という疑問は校長にはわかない
少女―ヤミの事情などこれっぽっちも知りえない校長だったが、彼女の目的だけは断言できていたのである

「むふっふっふ♪」

含み笑いを抑えつつ校長はゆっくりと移動を開始した
足音は立てないように、気配は消して差し足忍び足
初遭遇の時にボコボコにされた記憶は鮮明に残っている
見つかればただではすまないだろう
だが、やめるという選択肢は浮かばない
負って沸いた新たな美少女データ保存のチャンス、逃す手はない
校長はヤミに見つかれないよう常に気を配りつつシャワー室の裏口へと向かうのだった

120:ヤミ金
07/05/16 12:08:02 xcPQ8UKV
今回はここまで
次は早ければ今夜、遅くとも今週中には投下したいと思ってます
校長についてはあんまデータ集めてないので口調とか適当かもしれませんが、そこは見逃してください(汗

121:ヤミ金
07/05/16 12:17:15 xcPQ8UKV
ぐわ、誤字発見…ラスト二行は

負って沸いた→降ってわいた
見つかれないよう→見つからないよう

と脳内補完しといてください(汗

122:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:37:10 tD75lvTl
着替えを終えた唯はそのまま帰る気になれず、誰もいない校舎を歩いていた
胸にあるもやもやした気持ち。気付くと唯は生徒指導室の前に来ていた
(ここって・・・・)
ガラガラと扉を開ける
中はひっそりと静まりかえり昨日のやりとりが嘘のようだった
「はぁ~誰もいるわけないのに・・・私なにを期待していたの・・・」
唯は手近にあった椅子に座ると長机に頬杖をつく
結城・・・リト・・・
一年の時から委員長としてがんばってきた唯にとって、ここまで一人の生徒のことを思うことなんてなかった
高校に入ってからだけじゃない。中学も小学校の時もずっと
自分を悩まし苦しめ、そして―――
「いったいなんなのよ・・・」
呟きと共に窓の外に目を向ける
夕日が唯の顔を赤く染め、その眩しさに目を細める
窓の外にある体育倉庫が目にとまりさっきのことを思い出し反射的に胸を押さえる
あたりまえのことだけど唯はリトも「男」なんだとわかった
今まで間接的にリトのそういう「男」の部分を見てきた唯にとって、体育倉庫の出来事は
リトを異性として男としては感じずにはいられない事だった
だから別にリトのことを嫌いになったわけでも軽蔑したわけでもなく
ただ―――
「びっくりするじゃない!・・・あんなこと///」
唯はリトがいないことをいい事に文句を言う
「助けるなら助けるでもうちょっと・・・・」
自分をかばって身を挺して助けてくれた
それなのに私は結城君を突き飛ばしてしまった
「・・・・もうちょっと・・違うやり方があるじゃない・・・」
体に胸に残るリトの感触
抱きしめられたぬくもりが唯の胸を高鳴らせる
「いけないわ///と、とにかく謝らないと!!」
唯はリトに会う決心をすると席を立つ。すると―
「古手川いるか!?」
「えっ?」
扉が勢いよく開くと息を切らせて立っているリトと目が合う
「「あっ!!」」
二人の声がハモり室内が一瞬で静寂に包まれる
唯はリトの姿を確認すると顔を赤らめてふいっと後ろを向いてしまう
「えっと・・その・・あのさ古手川」
「なによ?」
表情は見えないが怒ってるっぽい唯にリトは慎重に言葉を選んで精一杯の気持ちを伝える
「さっきはその・・・ホントにごめんっ!!ムネとか触っちまったりして・・・
悪気がなかったっていうか・・・その・・」
「もういいわ」
「えっ?」
唯の予想外の言葉にきょとんするリト
「もういいわよ謝らなくても」
「え?あ・・怒ってないのか?」
「怒ってないって言ったら嘘になるけど・・だけどもういいの」
唯はリトに向き直るとリトの頭に手を置く
「それより私のせいで結城君頭ぶつけたわよね?だから私の方こそごめんなさい」
リトの頭を撫でながら本気で心配する唯
「え!?ああ・・・・・古手川って素直なところあるんだな?」
「えっ!?////」
唯はリトの言葉にドキっとして固まる
「そうやって素直な感じだとすげえカワイイのにな」
耳まで真っ赤になった唯は今にも倒れそうなほどに頭を沸騰させる
「えっいや・・その・ほら古手川って普通にすげえカワイイのにさなんかもったいないっていうかその・・・////」
自分の言った言葉の意味を理解したのか照れ隠しに頭を掻きながら慌てて誤魔化す


123:名無しさん@ピンキー
07/05/16 13:37:15 4Hinn1o7
この漫画の校長ってリーダー伝たけしの校長に似すぎじゃねえ?

124:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:39:14 tD75lvTl
「と、とにかくその・・・古手川はそうやって素直な方がオレは好きだな////」
唯はリトの言葉にどう返していいのかわからず言葉につまる
唯の胸の奥でリトの言葉が何度も反芻する
―――オレは好きだな
好き・・・・素直な方が・・・・私は・・・
なぜかもじもじとしている唯を心配してリトは声をかける
「あのさ古手川・・そのホントに大丈夫か?」
唯は体をビクッとさせると慌てて両手をひらひらふって否定する
「だ、大丈夫よ!全然・・・うん///」
「そうか?なんかいつもと違うっていうか・・・まあ古手川が大丈夫っていうならオレはいいんだけどさ」
「本当に平気・・・ありがとう結城君」
慣れない唯の言葉にリトはこそばゆさと照れとで頭がぼ~っとしてくる
(やっぱ古手川ってカワイイなァ・・・ありがとう・・かァ)
唯を見ているとドキドキしてくる、頭がぼ~っとなっていく
(や、やばいかもオレ・・・)
リトは自分が必要以上に唯にドキドキしていることに気付くと、慌ててその場から立ち去ろうとする
「じゃ、じゃあオレはもう行くから。古手川も気をつけて帰れよ」
踵を返して帰ろうとするリトの背中に唯の言葉が掛かる
「あ、あの!結城君・・・そのこれからどうするの?」
「えっとどうするって・・・・」
きっと結城君は・・・・
「沙姫のところかな、ほらいつも一緒に帰ってるしな」
沙姫の名前に胸が痛む
私じゃなくて沙姫さんの・・・・
「じゃあオレもう行くから。また明日な古手川」
扉から出ようとするリトの動きがとまる
振り返ると唯がリトの服をひっぱっていた
「古・・手川?」

顔を俯かせながら唯は小さな声で話し始める
「まだ話は終わってないわよ」
―――行かないで
「どうせ今日も沙姫さんとハレンチなことしに行くつもりなんでしょう?」
―――私のそばにいてほしいの
「古手川・・・?」
「あれほどダメって言ったのにどうして・・・どうして・・・・あなたは」
―――どうして気付いてくれないの?
「・・・・わかってくれないのよ・・・」
―――私の気持ちに

「お前・・・・」
リトは唯の顔に手を伸ばすと、指で溢れる涙をそっとぬぐってやる
「なに泣いてるんだよ?」
「え?」
知らず知らずに流していた涙に唯はとまどう
そんな唯の頭をやさしく撫でるとリトは笑顔を向ける。その顔に唯の胸は心は釘付けになってしまう
「あっ・・・////」
目に涙をいっぱいに溜めてリトを見つめる
「古手川・・?///」
至近距離で見詰め合う二人、お互いの心臓の鼓動が聞こえる
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
(な、なに考えてんだオレは?沙姫がいるってのに・・)
だけどそれでも目の前の涙を流す唯をリトはなんとかしてやりたかった
伝わってくる気持ちに思いに


125:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:40:46 tD75lvTl
リトの手が髪にかかりその下の涙に濡れる頬に触れる
「あっ///」
近づいてくるリトの顔に唯は一瞬とまどいを見せるが、目を閉じてリトの唇に近づける
ここは学校なのに、こんなこと、こんなハレンチなこと――
重なり合う唇と唇に唯の心臓は跳ね上がる
初めてのキス。舌も入れない触れるだけのキス。シンプルだけど思いが通じる通じ合う甘いキス
短くて長いキスが終わると二人は見つめあったまま動こうとはしなかった
見つめる唯の濡れた黒い瞳はリトになにかを訴えかけるようで
「い、いいのか?」
唯は否定も肯定もせずリトの胸元をギュッと握り締める
「ここは学校なんだぞ?お前の嫌いな風紀を乱すことだしそれに・・・不純なことだしさ///」
リトは唯の複雑な表情を見ると、両腕を使って唯をひょいっと抱きかかえる
いわゆるお姫様抱っこだ
「な、な、コラ!!ちょ、ちょっと結城君!?////」
リトの腕の中で暴れる唯を長机の上に座らせる
やっとリトから解放された唯は開口一番文句を言おうとして、その口を塞がれる
リトの甘いキス。唇に触れるただそれだけで唯の体を意思をとろけさせてしまう
「んっ・・・///」
リトは唯の口から唇を離すと真剣な顔をつくり再び問いかける
「ホントにいいんだな?」
エロ本どころか保健体育ぐらいの知識しかない唯でもわかるこれからする行為
唯の体が強張る、頭の中でぐるぐると理性と感情が廻る
唯はぎゅっと目をつむって考える
わかってる!全部わかってるわ
だけど、だけど今だけは――
いつの間にか触れていた手をギュッと握り返すリト
「無理すんなって。それに古手川の気持ちちゃんと届いてるからさ
心配しなくてもオレ好きだぜ古手川のこと////」
「えっ!?」
一番聞きたかった人から一番聞きたい言葉が聞けて、唯はどうしていいかわからず
感情の赴くままにリトに抱きつく
「ちょっ!古手川?」
「・・・・お願い・・・来て・・・・」
今まで生きてきた中でそしてこの先もないだろう唯の最大の勇気にリトは応える
3回目のキス
だけど今までとは違う、熱い吐息と共にリトの舌が唯の口内へと進入してくる
その生暖かい感触に唯は口を閉じて進入を防ごうとする
「んっ!・・んんっ」
リトは唯を強く抱き寄せると、唯の口から吐息が洩れる
すかさずリトは舌を入れる、すぐに唯の舌とぶつかる
「んんっ!!・・うんんっ」
恐いのか目をつむったまま動こうとしない唯の気持ちを解す様に少しずつ舌を絡めていく
先端で舌の先を突き、側面を裏側を馴染ますように滑らせていく
「んっ・・はぁっ」
徐々に伝わるリトの感触に最初は強張っていた唯の体もだんだんと落ち着いてくる
そんな唯の表情を薄目を開けて確かめると、リトはさらに先に進もうと口を動かす
舌全体で唯の口をしゃぶる様に舐め回すと、その口内に唾液を送り込む
唯は口に伝わる異変に気付くと、反射的にリトを遠ざけようと手でリトを押し返す
けれど力で勝てるはずもなく唯の口に唾液が流し込まれる
「んん!!・・んっうんん・・」
こくんっこくんっと小さな喉を鳴らしながら唾液が喉を通っていく
「ん・・あぁ・うぅ・・ぷはぁ!」
糸を引いて離れる唇、唾液の感触を確かめるように喉に触れると唯は恨みのこもった目でリトを睨みつける
「そんな怒るなよ・・・それよりオレ古手川の唾がほしいな」
えっ!?っと言う前に塞がれた口にまたリトの舌が入り込んで口内を犯していく


126:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:41:39 tD75lvTl
歯の裏を舌をリトの舌が唾液が唯の口を侵していく
「んんっじゅる・・んちゅる・ちゅぱっ・はめて・・やめなはいっこんな
いやらひい・・んんっ」
顔を真っ赤にして抗議する唯にリトはどうして?とそんな顔をする
尚もなにか言いかける唯の頬を両手で挟むと、リトは舌と口を使って唯の唇を吸い上げる
「うんんっ!・・んっむぅぅ」
絡み合う唾液が溢れ出し二人の口を妖しく彩る、こぼれた唾が机に落ちていく
口を離した二人の間にはさっき以上の糸が何本もできていた
「はぁ、はぁ、こんな・・・こんなハレンチなこと・・///」
「えっ?そっか?古手川の口すげーおいしかったけどな」
笑いかけるリトに唯の顔が火をふく
「な、な、な、なっ・・何変なこと言ってるの!!////」
それを見てリトはさらに笑う
「な、なにが可笑しいのよ?私は真面目に・・・」
「いやいや、そうじゃなくて・・・・」
リトは唯を抱き寄せるとその口に軽くキスをする
「安心したんだよ。やっと古手川らしくなってきたって」
その言葉に唯はなにも言えなくなってしまいまた目を閉じてリトを待つ
「んっ・・」
再び重なり合う二人
リトは唯の制服のリボンに手をかけるとシュルシュルと解いていく
器用に片手で一つずつブラウスのボタンを外していくと、その下から白いブラに包まれた唯の胸があらわれる
(古手川って・・・意外とムネあるよな)
その胸の感触を確かめるようにリトの指がすーっとラインにそって動いていく
「えっ!あっ・・ちょっと・・・やめっ・・あぁ」
頭ではわかってはいたことだけど唯にとってはまだ抵抗があるみたいで、リトの手から逃れるように後ろに下がろうとする
リトはその腕をガシっと掴むと言い聞かせるように見つめる
「心配すんなって。オレがちゃんとするから!」
結城君のことは信じてるし、大丈夫だってわかってる。だけど・・・・
リトの真剣な目を見つめ返す
「わ、わかってるわよ!そんなこと・・・」
ふいっと横を向いてしまう唯にクスっと笑いかけるとリトは再び指を動かし始める

白のレースのついたカワイイブラジャーを見てリトはあることを思う
(ひょっとして古手川って・・・カワイイ物好きとか?)
ふと覗き見た唯はリトの方を見ようとはせず、ふるふる震える体に顔を赤らめていた
(・・・カワイイ)
リトはブラに手を這わすとその上から軽くなぞる様に揉んでいく
「んっあぁ」
唯の反応にリトの男の部分も刺激される
手全体を使って包むように揉んでいく。強く弱くそして少し激しく
やわらかい感触がリトの手の中でぷるぷると震えリトを興奮させる
「あっ・・ん・はぁぁ」
短い吐息の様な唯の喘ぎ
リトの指が擦れると下着越しでもわかるほど唯の先端は硬くなってくる
下から押し上げられるブラの上からコリコリと擦ると唯の体もピクピク反応する
(見たいなこの下・・)
リトは唯の背中に手を伸ばすとホックを外す
唯のあっと言う声と共に肩ヒモのないブラは簡単に落ちていき下から乳房があらわれる
ブラをとってもほとんど変わらない形に大きさ、白いすべすべの肌にもちもちとした弾力がそなわり、先端のピンク色の乳首をより淫靡に彩る
「あんまり見ないでよ///」
リトは目の前の光景に唯の言葉も耳に入らず、ただ欲望のままに胸へと手を伸ばす
「はっあぁ・・」
下着越しとは違うまして自分で触る時とはまったく違う感触に唯はおどろく
そしてそれはリトも同じだった


127:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:43:42 tD75lvTl
手に伝わるすべすべの手触りにやわらかい弾力
手のひらで前後左右に揺れる胸の感触にリトは一瞬で虜になる
「うぅんんっ・・あぁぁ・・・」
揉んでいる内に硬くなった両先端を指で弾きその反応を楽しむ
ピクンピクンと震える胸にリトは舌を這わしていく
「ちょ、ちょっと待って!まだ・・ああぁっ・・んくぅ」
熱い舌が乳首に絡みつき、まるで胸全体を一度に弄られているかの様な感覚に襲われる
「んんっ・・はぁっ・ふぁあん・」
リトは反対側の乳首を2本の指で摘みコリコリと転がしていく
「ああっっ!結城・・君っ・はあぁ・・んん」
唯は自分の胸にむしゃぶりついているリトを見ると改めて思う
(男の子って胸が好きだってきいてたけど・・こんなに・・・)
唯の思いをよそにリトはどんどん胸を責めていく
両手で無遠慮に揉まれる乳房は桜色に火照り、赤く充血した先端に歯を当てて甘噛みする
「ん!!痛っ・あぁ・・それダメっ・んんっ」
唯の反応にリトの手は口は乳首を責めたてる
「やっ・・めてっ!はぁあ・ダメなの・・本当にっ」
(本当にダメっ・・・私このままだと・・・)
その口が勃起した乳首を吸い上げると、唯はリトの頭を抱き寄せビクビクと体を震わす
「あっ!・あっ!・・はぁ、はぁ・・んんっ・・」
長い体の震えと官能的な吐息
髪に掛かる唯の吐息が終わるとやっと解放されたリトが唯を見上げる
「古手川乳首弱いんだ?」
「だって・・私、こんなこと初めて・・で、はぁ・・はぁ」
まだ頭がぼ~っとしている唯の腰に手を回すとリトは耳元で囁く
「それじゃあもっと・・気持ちよくなろっか?」
唯の体にゾワリと悪寒にも似た感覚が現れる
リトの手がすーっと唯のむちむちした太ももを撫でていく
「なっ!?どこ触ってるのよっ!!///」
「えっ?」
唯の声にびっくりしたリトは太ももから手を離す
「どこって?だって脚開いてくれないとなんにもできないじゃん」
「あ、脚を開くって・・・////」
唯は自分の脚を見下ろすと、めくれあがったスカートから下着が丸見えなのに気付き急いで直す
「とにかくそんなハレンチなことできないわ!////」
「そんなこといわれてもな~・・・」
本気で困っているリトを見ると唯も少し考えすぎたかと思ってしまう
だけどここは女の子の一番大切な場所で・・・・・
「・・・・・・」
唯はじっとリトを見つめると少しだけ考え込む
うぅ・・・結城君なら・・少しだけなら・・・
唯は困っているリトの服をひっぱると小声でぼそぼそ話しかける
「へ、変なことしなきゃ少しだけなら・・・いいわよ////」
リトは唯の言葉に顔を輝かせると再び太ももに手を這わせる
「あぁ・・・」
(古手川の脚ってむちむちしててエロイよなァ)
リトは唯の靴を脱がせると太ももの付け根あたりから口をつけて舌を這わせる
「ヤっ!///な、なにしてっ・・あぁぁ」
脚を持ち上げ内股をつーっと舌を滑らせていくその気持ちよさに、唯は抵抗できない
太ももから膝小僧、黒の靴下の上から膝を足の甲そして、指と指の隙間まで
リトは丁寧に舐めていく
足の先端、指の周りはしゃぶるように
「ヤメっくすぐった・・あぁ・・んんんっ」
こそばゆさと快感の波に唯は身をくねらせる
リトは来た道を戻ると今度は反対側に這わしていく


128:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:45:20 tD75lvTl
結城君っああっ!・・くすぐったい・んんあぁ・はぁ」
「じゃあもうここ触ってもいいか?」
はぁはぁと息を荒げる唯は言葉につまる。さっき言った手前今さら変えることはできない
「す、少しだけなら・・・・」
リトが脚を舐めていたせいで股が開いたままの唯のあそこは、ブラと同じ柄のレースがついたショーツが丸見えだった
近づくリトの顔に口から漏れる吐息が唯の胸を不安にさせる
結城君・・・・・
『心配すんなって。オレがちゃんとするから!』
結城君の言葉・・信じるしか・・・
「古手川ちょっと腰上げて」
唯は言われた通りに腰を浮かせるとリトはスルスルとショーツを脱がしていく
好きな人の前だとはいえ始めて晒した自分の大事なところに、唯は恥ずかしさで目を潤ませる
(これが古手川の・・・ムチャクチャきれいじゃん)
ピンクの花弁に包まれた唯の秘所
男を知らないどころか今までほとんど弄ったこともないであろう唯の神聖な場所にリトは興奮を覚える
ゴクリと唾を飲み込み、割れ目にそって慎重に指を這わせる
震える指が割れ目に当たると唯の口から喘ぎが漏れる
両手で広げると膣内はすでに蜜で溢れかえっていた。広げただけでとろりと蜜が溢れ出す
リトは溢れた蜜を指ですくうと恐る恐る中へと指を入れていく
「あっ・・はぁぁ・・」
唯の膣内は息を呑むほど温かく、纏まりつく愛液が指を少し動かすだけで、くちゅくちゅと音を出させる
「嫌ァ!そんなの動かさないでェ」
「そんなこと言ったって・・うわっ///」
リトは改めて今の唯の格好を見て赤面する
長机に座っている状態の唯はリトの目の前で脚を開いているせいでM字になっており
はだけた胸と上気した頬がより唯を官能的にさせる
(エ、エロ過ぎる////)
「?」を浮かべるまったく気付いていない唯に愛想笑いを返すとリトは再び秘所に顔を向ける
(にしてもすげーやらしいな・・・)
指を抜くと愛液が幾本の糸となり床に落ちていく
「んんっ・・はぁはぁ」
リトに見られることが興奮するのか唯のあそこはどんどんいやらしくなっていく
ゴクリ―――
(ここにオレのを挿れたい)
リトは顔を上げるとぼ~っとなっている唯に話しかける
「あ、あのさ古手川・・・そのそろそろいいかな?」
「えっ?そろそろって?」
唯は聞き返そうとして息を呑む。短パン越しに膨らんだリトの男性器
「えっと・・・もう我慢できなくてさ」
唯はリトの顔と膨らんだ部分とを交互に見る。少し考え込むと机から降りてリトのそばに寄る
「我慢できないなら別にその・・・いいわよ////」
「えっ!!?」
思いがけない唯の言葉にリトは聞き返してしまう
「だから別にいいのっ!だって・・・・私だけ気持ちよくしてもらってたらダメじゃない
それに・・・・それにこういうのは共同でするものでしょ?愛し合ってる二人の共同作業というか・・・・////」
どこかずれてる感じの唯の思考にリトは微笑むと手近にあった椅子を持ってくる
リトはいそいそと短パンとパンツを脱ぐと椅子に座り、唯の手を取って近くまで招く


129:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:46:53 tD75lvTl
リトのそばまで来た唯は思わず勃起したモノを見て動かなくなる
あれが、あんなものが今から私の中に・・・・
「大丈夫か古手川?」
リトの言葉に我に返る。だけどその顔は不安に塗りつぶされていた
唯は握っていたリトの手を強く握り締める
目をつむると頭に流れてくるリトとの出来事。その一つ一つが唯の不安を消していく
「心配いらないわ・・・それより私初めてだから・・そのちゃんとして!」
それでも完全には消えない不安を気丈な態度で打ち消すとリトの上に跨る
ゆっくりと腰を落とす唯だが、だんだんと不安が大きくなる
(こ、これでいいのかしら・・・結城君に任せれば・・)
その時唯の割れ目に触れるモノがあった
「あっ・・」
リトの先端が唯の割れ目を広げ中に入ろうとしていた
(なにこれっ!!?熱いっ)
その感触に体をゆすると擦れた愛液がくちゅくちゅと音を立てる
「ヤダっこんなの!ハレンチすぎるっ!!」
「大丈夫だって!落ち着いてゆっくりでいいから」
腰に回されたリトの腕に支えられて唯はゆっくりと沈めていく
ぐちゅぐちゅと結合部から卑猥な音が流れ唯の体が羞恥に震える
熱い吐息が途切れ途切れにリトの顔にかかり、震える体を預ける様に抱きつく唯を、リトは愛しむ様に支える
唯の動きが止まった。リトにもわかるお互いが触れているのは唯の純潔の証
唯はリトの頬を両手で挟むと愛しい人を、好きな人をその目に焼き付ける様に見つめ
唇を重ねる
「結城君・・・好きよ・・大好き・・・」
甘い息がリトの口に入っていく。唯は笑顔を浮かべる世界で一人にしか見せない笑顔
その初めて見る唯の笑顔にリトの心は鷲掴みになってしまう
「古手川・・・オレ・・・」
唯は微笑むと一気に腰を沈める
「んんんっ・・・!!」
痛みに耐えギュッと体を縮める唯をリトは全身で抱きしめた
いつもより小さく感じる唯の体、毅然とした唯でもなく、怒った唯でもない
古手川唯というただの女の子をリトは守りたいと思った。こんなに自分を思ってくれる唯が愛おしくてたまらなかった
「もう・・平気・だから」
涙に濡れた顔をリトに向けて微笑む唯にリトは口を重ねる。自分の思いと共に
「オレも好きだから・・・唯のこと・・大好きだ」
唯の目から大粒の涙がぽろぽろこぼれる
今までの思いが溢れ出しリトの胸の中で声をあげて泣く

ギュッと抱きしめるリトに顔を向けると今度こそいつもと同じ気丈な顔で笑いかける
「うん・・本当に大丈夫だから・・後は結城君に・・・リトに任せるわ」
二人はキスを交わすと息を合わせる様に腰を動かしていく

実はリトはすでに限界だったりしていた
唯の膣内はその温かさと蜜の絡み具合、そして肉壁の締め付け具合がリトにとってはパーフェクトだった
リトの形に纏まりつく肉壁がカリを擦りあげ、ヒダの部分から締め上げる秘所全体がリトの肉棒をしゃぶっているかの様にギュウギュウ求めてくる
射精感の込み上げをなんとか理性で押しとめる
(それにこのまま出したら唯のヤツが怒るんだろうなァ)
唯はリトにしがみ付いて必死に合わせていた
痛みはある。だけどそれ以上にリトとつながったこと、気持ちが一つになったことが唯から不安や悩みを取り除いた


130:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:48:15 tD75lvTl
二人は手を繋いで体を動かしていく
ギシギシと椅子が軋み唯の喘ぎとリトの吐息がそれに重なっていく
「はぁ・・んっ、あぁんん・・リト、リトぉ・・んんっ」
何度も名前を呼んで求めてくる唯を抱きかかえると長机に寝かせる
唯の細い腰を手で固定するとその体に肉棒を打ちつけていく
「ああっ、イっはぁ・・んんん・はっぐゥ、んんっつ!」
リトの角度が変わると膣内の新しい感触に、唯の体に快感が満ちていく
「あっヤメっ・・激しすぎるわ、よ・・んんっ・・あぁぁっ」
「へ~唯ってこっちの体位の方が好きなんだ。じゃあこれは?」
リトは微妙に角度を変えながら膣内に肉棒を送り込んでいく
突かれるたびに変わる感触に、唯の体がそれを求める
「唯すげえやらしい腰自分で振ってるじゃん」
「ち、違うの!これはそんなんじゃなくて・・んんっ・・はぁああ」
そうじゃなくて・・・・腰が勝手に動いちゃう・・・求めちゃう
私リトのを欲しがっている・・・もっとして欲しいって・・もっと突いてって
「こんなの・・・・ハレンチすぎる・・・///」
心と体の考えの違いにとまどう唯にリトは笑いかける
「そうか?けど今の唯すげえカワイイけどな」
自分の動きに必死に合わせようとする唯が、1つ1つの唯の反応がリトの心をくすぐる
「な、なに言ってるのよ!?こんな時にっ///」
それに私カワイイなんて・・・・沙姫さんの方が・・・・
「んっ・・・・・」
唯はリトの首に腕をまわすと自分の胸に抱き寄せる
「お、おい唯?」
「いいからっ!!」
顔を見れなくてもわかる唯の声がリトの心に響いてくる
お願い――お願い―今だけ今だけでもいいからっ――
「んんっ・・ああ・んっ・・リト、リトお願い・・お願い来てっ・・私欲しいのっ」
「唯・・・・」
リトは唯の腕を解くと腰を打ち付ける、激しく何度も何度も
「うあっ・・はああっ・・・すごっリトが・・あああっ・んん」
少しでも長く、少しでも深く
「あっくぅっ・・私もうダメっ・・ああおかしくなるっ・・ああっんんっ・・はあっぅ」
「オレも・・もう限界・・出すな!唯の膣内に」
「うん、うん・・お願い全部出してっ・・お・願いリトぉ」
肉壁が波をうつようにざわめきリトに絡みつく、奥に更に奥に子宮口まで
込み上げる射精感を欲望のままにリトは子宮へと送り込む
「あぁ・・ああ・熱い、すごくわかる・・・リトのが私の中に」
唯は子宮のあたりを指でさするとリトに微笑みかける
「唯?大丈夫か?」
頬にふれるリトの手のぬくもりを唯はいつもでも感じたいと思った
離したくない――離れたくない――

そんな二人の様子を扉の前でじっと聞いていた者がいた
壁に背を預け腕を組みながら、その長い睫を伏せて考え事をしている
その体が壁から離れると、綺麗な金髪をなびかせて廊下を歩きだす
「あの沙姫様?よろしいのですか?」
沙姫の後を追いながら凛が不安な顔で聞いてくる
そんな凛を服を引っ張って止める綾
「・・・・・・」
沙姫の沈黙に二人はおろおろしてしまう
その足が廊下の真ん中でとまる
「凛、綾今日見たことはみんな忘れてしまいなさい!覗き見なんて私の経歴に泥を塗るだけですわ
・・・・それに後のことはリトがちゃんとするでしょう」
沙姫の言葉に二人は顔を見合わせ考え込む
沙姫は最後に一度だけ指導室を見るとなにを思うのか、その瞳を揺らめかせると
再び歩き始めた


131:名無しさん@ピンキー
07/05/16 13:48:50 nTy+1JH3
ここは投下が多いな!
オアシスのようだ

132:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:51:04 tD75lvTl
制服に着替え終えたリトが窓の外を見ると、校庭の真ん中を歩いている沙姫が目に入る
その姿にチクリと胸が痛む
(オレ・・・・・)
「なにしてるのよ?早く行きなさいよ」
後ろを振り返ると唯がリトを見つめたいた
「えっ?でも・・・・」
「大丈夫わかっているわよ。心配しないで私なら平気だから」
唯のいつもと同じ顔にリトはそっと手を伸ばす
頬にかかる髪をやさしく撫でると、手のひらで頬を包む
「唯オレはお前のことが・・・・」
唯はリトの手を横目でちらりと見ると、人差し指と親指でその手を抓る
「軽々しく下の名前で呼ばないで!それに・・・さっきの事はその流れにまかせてしまったというか雰囲気というか・・・・とにかく!
私はあんなハレンチは事自分でも許せないの!だから・・・だからあなたも忘れなさい」
そう言うと唯はリトの背中をぐいぐい押して教室から出そうとする
「ちょ、ちょっと待てよ唯!おまえ・・・・」
唯はリトを締め出すと扉に鍵を掛けて入れないようにする
外からリトがなにを言おうとも文句を言おうとも唯は耳をかさず扉を開けなかった
扉の前で唯は目をつむってリトの声にじっと耐える
頬に残るリトのぬくもりに自分の手を重ねて、そのぬくもりを思いを噛み締める
「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・リト」
溢れる涙と共にリトとの出来事がよみがえる
体を重ねたぬくもり
リトと交わした言葉
大好きなリトへの気持ちと一緒に涙が止まらない
唯はリトが帰るまでずっとずっと泣き続けた

「・・・・悪いな待たせた・・・」
暗い表情で車に乗ってきたリトを沙姫はじっと見つめ再び窓の外へ視線を移す
「出しなさい」
動き出す車の中、一言の会話もないリトに沙姫は窓を見つめながらゆっくりと話す
「ねえリト?私一つだけどうしても許せないことがありますの」
「え?」
窓の外を眺めていた沙姫はゆっくりとリトへと向き直る
「女の子を泣かせる殿方を私は決して許せませんわ」
「沙・・姫・・・?」

翌日リトはいつもより早起きして学校に来ていた
唯に会うため、唯を探すため
リトが教室に向かうと唯がちょうど教室から出てきたところだった
手にはマンガの雑誌が握られている。恐らく学校に持ってきた男子から唯が没収したのだろう。
リトは相変わらずだなと笑うと唯に手を振って呼びかける
「お~い古手川~!」
そんなリトを一瞥すると唯は、リトとは何事もなかったかの様な顔をする
唯は喉元を指差しながらリトの横を通り過ぎていく
「・・・・ネクタイ」
「えっ?あァァ・・・」
走ってきたため歪んでいたネクタイを締めなおすと、唯の腕を後ろから掴んで振り向かせる
「な、なによ?」
「古手・・じゃなくて唯!」
リトの声に思わず顔を赤くさせて文句を言う
「だ、だから下の名前で呼ばないでって言ったでしょ!」
「そうじゃなくて・・・・」


133:リトと唯と沙姫 続き
07/05/16 13:53:11 tD75lvTl
リトは唯の体を抱き寄せるとギュッと強く抱きしめる
「な、な、なにしてんのよっ!!///」
廊下の真ん中でしかも人が何人も見てる前でのリトの突然の行為に頭がパニックになる
「いいから落ち着けって!な?」
「わかったから!わかったからいい加減離しなさいっ!!」
名残惜しげに体を離すリトに唯は睨みつける
「あなたいったい何考えて・・・」
「唯・・・そのオレと付き合おう!ってか付き合ってほしいんだ」
「へ?」
リトの言葉に唯の目は点になる
付き合う?・・・だって結城君には沙姫さんが・・・
唯の表情にピンと来たのかリトは自分の顔や首を指差して力なく笑う
「まァ昨日あれから色々あってさ・・・話せば長くなるんだけどさ」
見ればリトの首筋には色々と傷ができており、ほっぺたが心なしが赤く腫れているみたいで
唯はそこに恐る恐る指を近づける
「ってぇぇ・・・」
「あっごめんなさい」
少し涙目になりながらもリトは改めて唯に真剣な顔を向ける
「それでオレと付き合ってくれるか?」
唯は正直とまどっていた。一度はあきらめた気持ち、昨日あれから一晩泣き明かしたこと
唯の中で複雑な気持ちがうずまいてくる
「その・・オレ昨日唯に言った言葉も気持ちも全部全部ホントなんだ!唯が好きだ」
わかってる・・・みんなわかってる・・・・
その時、唯は自分をじっと見つめる視線に気付き目を向ける
(沙姫さん・・・!?)
リトの後ろでじっと自分を見る沙姫の視線に唯は息を呑む
責めるでも悲しむでも怒っているでもない、ただ純粋に唯を見つめる瞳
沙姫の口が開いて言葉をつぐむ音のないただの言葉。だけどその声は唯の耳に確かに届く
『リトを傷つけたら許しませんわよ!』
唯は沙姫の顔をじっと見つめ返すとコクンと首を縦にふって応える
それに沙姫はくすりと笑うと最後にリトの後ろ姿を見つめ、お供の二人を引き連れて歩いて行った
「・・・なあ唯?それでその・・・どうなんだよ?」
唯はリトに向き直るとその目をじっと覗き込む
「・・・・まずは授業中ちゃんと先生の話を聞くこと!学校に余計な物は持ってこないように!それから服装!!」
唯はリトのネクタイに手を掛けると慌てて結んだ結び目をキレイに整える
「・・・・ちゃんとして!!付き合うのはそれからよ。わかってると思うけど私不純なことはしないから!
その・・・高校生がそんなことするなんてもっての他だし、これ以上風紀を乱すわけにはいかないわ////」
リトは唯を引き寄せるとその体を強く強く抱きしめる
「ちょ、ちょっとさっきの話聞いてたの!!?////」
「それでもいい。それでもいいから・・・オレ唯が本当に好きなんだ////」
「わかったから早く私から離れなさいっ!!」
まったく離そうとはしないリトに仕方ないといった顔をするとその頭をやさしく撫でる
(私も・・・私もリトが大好きよ)


134:名無しさん@ピンキー
07/05/16 14:00:00 tD75lvTl
終わり
長くなって本当に申し訳ないです。書きたいこと書いたらこんな長さになって
しまいました。今度からは気をつけたいと思います
とりあえず話どう纏めればいいのか迷ってしまってこんな終わり方にしたんですけど・・・
まあ全部不用意に沙姫たんを出した自分が悪いんですけどねw
次は普通にリトと唯を書こうかと
長くなりましたが読んでくれて本当に感謝です!!
>>120
ヤミ金氏GJです!ヤミが本当に好きなんですね
今夜?続き期待してます



135:名無しさん@ピンキー
07/05/16 15:29:50 qSFxsGYe
校長の日課テラワロスwwwwwwwwwwwwwwww

136:名無しさん@ピンキー
07/05/16 17:50:11 xCC0i+xa
何この素晴らしすぎるスレ

137:リト×金色の闇
07/05/16 18:07:55 nTy+1JH3
勢いで書き上げたので投下します。
非エロなので、期待しないで下さい。
あと、季節感が今の時期と全然合ってないので、そのおつもりで。

138:リト×金色の闇
07/05/16 18:09:07 nTy+1JH3
世の中には、図書館が好きな人間が意外と多い。
殊に女性においては、その傾向が顕著なようだ。
タダで本が読めるから。或いは一人の時間に浸れるから。
理由は様々だが、年寄りを除けば平日の図書館は、殆ど女性ばかりだ。
少女は、地球上においてこの空間を、密かに気に入っていた。

照明を眩く反射する程の黄金色の髪をゆるやかになびかせて、
少女は本棚の前に立ち尽くしていた。
『ウィトルウィウス人体図に見る生体比率概論』
今適当に思いついたような脈絡の無いタイトルのその本は、
少女の身長と比較して随分高い段に置かれていた。
別に、取れない事は無い。
髪を伸ばしてやれば良いだけの事だ。
しかし、人目がある。この星では手で物をとらねば、奇異な眼で見られる。
試みに背伸びしてみるが、手はギリギリ届かなかった。
さりとて、腕の組成を組み替えて、ダルシムみたいに伸ばすわけにもいかない。
仕方ない、踏み台を持って来よう……。
溜息交じりにそう考えていると、背後から頭上を通って、
別の者の手が、目的の本を取り上げたのが見えた。
「あ……」
「ほらよ。これが取りたかったんだろ?」
やや見上げたその先には、忌々しい顔が仏頂面で見下ろしてきているのが見えた。
「結城リト……」
「今日は地球の事をお勉強か? 金色の闇」
リトは周囲におかしな目で見られないように、少女の通り名を小声で呟いた。

139:リト×金色の闇
07/05/16 18:09:49 nTy+1JH3
「ったく面倒ったら無ぇよなぁ。
 人前で堂々と『金色の闇』なんて呼ぶわけにいかねぇんだもん」
比較的人の少ないテーブルに腰掛けて、二人は会話した。
もっとも会話と言うより、リトの方が一方的に話しかけているような印象さえある。
金色の闇も一応返答はするが、気のない、適当な相槌に過ぎない。
リトとしても、正直この少女と仲睦まじく話したいと思っていない。
基本的に、苦手な相手なのだ。
しかし鉢合わせた以上は、無視して通すわけにもいかない。一応知人なのだ。
リトは少女の読みふけっている本……先程リトが取ってやった本の
背表紙を見つめて、感心するやら呆れるやら、複雑な声で呟く。
「また難しそうな本読んで、まぁ……」
しかし、少女は何も言葉を返さなかった。
イエス・ノーで答えられるような簡単な会話なら乗ってやらないでもないが、
わざわざこちらから話を広げてやろうとも思わない。
結果、居心地の悪い沈黙が訪れる。

少女はひとしきり黙して読書を続けていたが、
いつまで経っても目の前のリトが帰る気配が無いので、
思い切って自分から口を開いてみた。
「いつになったら帰るんですか。……と言うか
 何の用事があって、休日でもないのに図書館に?」
少女の方から話題を振ってきたので、リトは水を得た魚のように
ここぞとばかりに話に食いついた。
「今日は休校日なんだよ。代休つってな。
 ララはうちの親父の仕事を、面白がって手伝いに行ってる。
 一人で家に居ても暇だから、適当にブラつきに来たんだ」
「……そうですか。
 単なる暇潰しに付き合うつもりはありませんから、
 さっさと目の前から消えてくれませんか?」
せっかくリトが会話を広げてやったのに、少女はやる気の無い返事を返した。
どうせだからリトと一緒に遊びに行ってやろうか、などと
考えてやる程、少女は社交的でもなければ、リトに好感も持っていなかった。
「愛想が無ぇなぁ、お前って。まぁララ程底抜けに陽気でも困るけど」
「人を殺す仕事をしているのに、愛想がある方が不気味でしょう?」
そう言われてみればそうだ。
陽気に笑いながら他人を手にかける殺人鬼を想像してみて、リトは寒気を覚えた。

140:リト×金色の闇
07/05/16 18:10:51 nTy+1JH3
大人のレディのように静謐な眼差し。
対照的に幼い顔立ちと容姿。
金で作られた細工物のような流麗な長髪。
黒は女を美しく見せるというのもあながち嘘ではないようだ、
黒衣をまとって書物を読みふけるその姿は、深窓の令嬢のようですらあった。
気を抜くと、思わず見とれてしまう。
「……何、ジロジロ見てるんですか」
「え、あ……いや、悪ぃ。何でも無い」
「……えっちぃ事考えてたんじゃないでしょうね?」
「ば、馬鹿っ! お前相手にそんな危険な真似が出来るかよ」
再び、気まずい沈黙。
リトはもう帰ろうかとさえ思ったが、さりとてどう言って席を立てば良いかもわからない。
じゃ、俺はこれで……とでも言っておくのが無難かもしれないが、
そもそも別れの挨拶を交わす程仲が良いわけでもない。
しかし何の挨拶も無しに席を立つのも気がひける。
やはり知人であればこそ、何がしかの言葉をかけるのが当たり前だろう。
だが、じゃあ何と声をかければ良いのかと問われると、返答に困る。
結局そうしてリトは、いつまでも席を立つタイミングを逸し続けていた。
それに、この端麗な容姿をもう少し眺めていたい、という気持ちも、正直あった。

チラチラと相手の方を見やり、時々視線が合うと、慌てて目を伏せる。
お互いに言葉もろくに発する事なく、無為に一時間程過ごしていった。
少女は読んでいた本をパタンと閉じると、おもむろに席を立った。
「もう読み終わったのか?」
「いいえ。続きは明日にします。もうそろそろ閉館ですから」
そう言ってそそくさと歩いて行く後を、リトがついて行く。
何でいちいちついて来るんですか……そう言いつつ本棚に本を戻そうとした時、理由がわかった。
そして悔しい事に、リトがついて来てくれていなければ、また面倒になるところだった。
「届かないんだろ? 貸せよ」
「……」
馬鹿にされたような、気を遣われたような。悔しいような、有難いような。
これでは、あまり無下に突き放す事も出来ないではないか。
「……どうも」
しばらくの後、少女はようやっとそれだけ口にした。
ごく自然ななりゆきで、二人は並んで図書館を出て行った。

141:リト×金色の闇
07/05/16 18:11:32 nTy+1JH3
「……いつまでついて来るんですか」
「いや、つーか……俺ん家そっちなんだもん。別について回ってるわけじゃねぇよ」
夕暮れの川原沿い。周囲の建物が妙に暗く見える。影に吸い込まれそうだ。
ノスタルジーを呼び起こす風景に、何となく胸のあたりが苦しくなってくる。
それはリトばかりでなく、異星人の少女にも同様らしかった。
元々暗い表情が、心なしか昼間より更に暗く見える。物思いにふけっているのかもしれない。
それは、不覚にも心を射抜かれてしまうような、美しい横顔だった。
「……あなたは、私の顔を見るのが趣味なんですか? 結城リト。
 図書館でも、ずっと人の顔ばかり無言で眺めてきて……」
「いや、え……あ、ごめん」
夕日の色を映しこんだその髪は、黄昏色に染まっていた。
案外『金色の闇』という通り名には、夜の暗闇よりも
今のこの黄昏の方に、近いニュアンスがこめられているのかもしれなかった。
「なぁ、金色の闇」
「何ですか、結城リト」
「……いやごめん、何でも無い」
「……?
 不気味な人ですね。それに、何でも謝り過ぎです」
リト自身、何を言おうとしていたのか、自分でもわからなかった。
不気味と罵られても、反論出来ない。

142:リト×金色の闇
07/05/16 18:12:13 nTy+1JH3
途中、鯛焼きを売っている露店を見かけた。
季節柄、こういう温かい食べ物が欲しくなる。
そう言えば来月は、クリスマス・イヴが控えていただろうか?
今年は誰と過ごすんだろうな……ララか、或いは春奈ちゃんか。
もしくは妹と二人で? まさかね。そんな事になるぐらいなら、一人の方がまだマシだ。
そんな事を呆然と考えていると、少女の目線が露店に向いた。
「買ってやろうか?」
少女はすかさず頷いた。現金な女だ。こういう時だけ素直なのだから。
だがリトの財布の中には、生憎鯛焼き一個買える程度の小銭しか入っていなかった。
千円札を崩せば二人分買えるのだが、鯛焼きのために札を崩すのも気がひける。
少女は少女で、今日は財布を持ち合わせて来ていないようだった。
「参ったな。一個しか買えねーわ」
勿論リトとしては、少女の分だけ買ってやって、自分が我慢する事に吝かではない。
だが、この少女はどうにも遠慮してきそうな気がする。
一緒に食べるのでもなければ、彼女がリトに鯛焼きを奢ってもらう理由は無いのだ。
じゃあ買わずに通り過ぎれば良いではないか、という簡単な話なのだが、
この少女の鯛焼きを見つめる目を前にして、そういうわけにもいかない。
「……半分コしよっか?」
リトの問いかけに、少女はこくりと頷いた。
少し顔を赤くして首を下に傾ける仕草が、妙に可愛らしい。
うちの妹もこのくらい可愛ければ……と思いつつ
結局妹など、どれ程可愛くても鬱陶しいだけに違いないと思い直す。

「毎度ありー」
初老の鯛焼き売りの男から鯛焼きを一つ購入して、
二人は土手の方へと降りて行った。
綺麗に半分に割ってやりたいところだが、形状の問題から難しい。
とりあえず割ってみて、餡子の多く入っている方を少女に渡してやろうとリトは思った。
が、その前に鯛焼きがきっちり半分に割れた。
というか、裂けた。
「……んなっ!?」
鯛焼きの口の部分から尾の部分まで、直線を描いて光が一閃する。
真っ二つになった鯛焼きの向こう側で、少女は自分の髪の毛の先を、ハンカチで拭っていた。
「これで丁度半分ですね」
「お、お前なぁっ! 誰かが見てたらどうすんだよ!」
「誰にも見えませんよ。地球人の動体視力で捉えられる程、遅いつもりはありません」
少女はリトの手から、鯛焼きの片割れを取り上げて答えた。
確かに、彼女の特性を知っている者でなければ、今の瞬間何が起こったのか理解出来なかったろう。
性格と言い、その速さと言い、まるでどっかの格ゲーに出てくるミ○ア=レイジのような女だ。

143:リト×金色の闇
07/05/16 18:13:05 nTy+1JH3
男と女では、大抵の場合男の方が先に食べ終わるのが常だ。
まして口の小さい少女の事だ。
リトが鯛焼きをものの数秒で食べ終わっても尚、少女はまだ半分も食べ切っていなかった。
「早いですね、結城リト……」
「いちいちフルネームで呼ぶなよ、気色悪ぃなぁ。
 ……まぁ、お前にリトって呼ばれるのは、もっと気色悪いけど」
「だったらあなたも、私の事を『金色の闇』などと無粋な名前で呼ばないで下さい」
言われてリトは、考え込んでしまった。
それこそ、じゃあ何と呼べば良いのだと問いたくなる。
……ヤミちゃん?
まさかね。
苦笑いとも自嘲ともつかない表情で、溜息を浅くこぼす。
「だったら、本名教えろよ。教えてもらえないものを、呼べるわけ無ぇじゃんか」
牽制するようにそう言うと、少女はひとしきり黙り込んだ。

本名など。
久しく呼ばれた事は無かった。
本名が、必要になった事も無かった。
通り名さえあれば、それで不都合は無かった。
彼女に目をかけるララでさえ、勝手にヤミちゃんなどとあだ名をつけて呼ぶくらいで
誰も彼女を、本当の名で呼ぼうとした者はいなかった。
「私……私の本名……」
その言葉の続きを待つリトの間抜けな表情が、今の少女には恨めしく思えた。
皆からちゃんと名前で呼んでもらえる者に。
どんな名前なのかすら、気にしてもらえない者の孤独など。
「理解出来る筈が……」
思わず口にしてしまった呟きは、運悪くリトの耳にしっかり届いてしまったようだ。
「何の話してんだ、お前?」
「……何でもありません」
少女は再び、先程の美しくも暗い、儚げな表情に戻った。

144:リト×金色の闇
07/05/16 18:14:00 nTy+1JH3
「リト」
「結城君」
少年の名を呼ぶ、ララや蜜柑や春奈の声が、少女の頭の中でフラッシュバックし続ける。
態度に違いはあれ、皆親しげに、リトの名を呼ぶ。
対して、自分はどうだ?
「金色の闇」
「金色の闇」
「金色の闇」
依頼を持ちかけてくる者達や、自分を恐れるターゲットや、目の前の少年や……。
無数の声の、その全てが、少女を無機質な呼び方でしか扱わない。
ララの『ヤミちゃん』という呼び名さえも、その亜流に過ぎない。
金色の闇、金色の闇、コンジキノヤミ、コンジキノヤミ、コンジキノ……。

……いや。
例外が、いる。
少なくとも、今隣で自分を見つめてくる、この間抜け面の少年。
彼だけは、今、こんな私の名前を、気にとめてくれた。
本当の名前を教えて欲しいと、言ってくれた。
そう思った時少女の中の、少年を見上げる気持ちに、揺らぎが生まれた。

145:リト×金色の闇
07/05/16 18:14:43 nTy+1JH3
油断していたのかもしれない。
或いはこういうのを、心を開く、と言うのだろうか?
それとも、気を許す、と?
どちらにしろ、ガードが下がった事に変わりは無い。
並んで鯛焼きを食べていたために、距離が近過ぎたのも一因だろう。
ふとしたキッカケで、容易く心の壁が瓦解する事は、往々にしてある。
丁度、そういうタイミングだったのだろう。
少女はいつの間にか、リトの腕に軽く凭れ掛かって、嗚咽を漏らしていた。
指先が、軽くリトの袖の皺を摘んでいる。
行かないで。
指は、そう懇願するようですらあった。
「なっ……ちょ、おい? マジどうしたんだよ?」
だが、少女は答えない。
口をきつく結びながら、それでも抑えきれない泣き声が漏れ出るくらいで、
一言も何かを喋ろうとはしない。
だが、涙は言葉以上に雄弁だった。
黙って彼女を抱きしめている内に、何故彼女が涙したのか、
その理由がリトにも何となく伝わってきたのだ。
触れ合う事は、言葉以上に相互理解を深めていた。

146:リト×金色の闇
07/05/16 18:15:33 nTy+1JH3
少女が落ち着く頃には、もうすっかり空は濃い紺色になっていた。
少女の綺麗な髪が輝きを損なうのは、勿体無いような気がした。
「あのさ……」
黙りこくる少女を尚もその左胸に抱きとめながら、リトは口を開いた。
「こういう言い方すると、説教臭くて気分悪いかもしんないけど……
 自分の名前をちゃんと呼んでほしいなら、
 先にお前の方から、相手の名前をちゃんと呼んでやるべきだと思う」
リトの言っている意味が、少女には一瞬わからなかった。
相手の名前なら、ちゃんと呼んでいるつもりが、少女にはあったからだ。
しかし、まるで意味合いが違う。
その事に気づいた時、少女は泣きはらして赤くなった顔を、もう少しだけ赤くした。
「……リト」
それは、泣き始めてから今までで、やっと彼女が発した初めての言葉だった。
「……って、呼んで欲しいんですか?」
「いや、その……別に、そこまでは。結城で良いよ、結城で」
いきなりファーストネームを呼ばれて、リトは困惑した。
慕うララの事でさえ、プリンセスとしか呼ばないこの少女が。
事もあろうにリトの事をそんな風に呼ぶとは、誰が予想しただろうか?

こういう時、童貞は辛いものがある。
ただハグしているだけで、簡単に硬くなってくる。
空気読めよ、俺の息子。恨めしげに、下半身にそう念じる。
周囲が暗いのと、上半身しか密着していないので、やり過ごせるかと思ったのだが、
ふと少女が下に目線を向けた瞬間、あっさりとバレてしまった。
「……この、膨らみは」
「やっ、あっ! いや、その……ごめん」
「……えっちぃのは嫌いです。結城リト」
「あっ、テメェ! またそんな呼び方しやがって……」
少女はリトから離れると、彼女にしては珍しい事に、少しだけ微笑んだ。
そうして、またすぐに無表情を繕い、言葉を発した。

147:リト×金色の闇
07/05/16 18:16:16 nTy+1JH3
「あなたが私の事を本当の名前で呼んでくれたら、
 私もあなたの事、また下の名前で呼んであげます」
リトはしばらく押し黙ったが、やがて意を決したように口を開いた。
「……お前の名前、教えてくれよ」
少女は、口を小さく開いて答えた。
「一度しか言いませんから、よく聞いて下さいね?
 私の名前は……」

奇しくも来月には、クリスマス・イヴが控えていた。





はい終了。

148:ヤミ金
07/05/16 23:10:34 Ss76SsFW
>>137
GJ!
徐々にヤミの話が増えてるようで嬉しいです
俺も頑張らねば…

149:名無しさん@ピンキー
07/05/17 01:52:10 l+FFRZJ2
リト×古手川唯最高の組み合わせww
古手川唯=ツンデレ・ツリ目・委員長・黒髪ロング・着痩せ
パーフェクト!!グゥレイト!!!やったぜGJ!!!!

150:名無しさん@ピンキー
07/05/17 07:18:33 q//DXmIB
リトが単なるラノベ系主人公になってないか?

151:ヤミ金
07/05/17 10:22:31 izZKJt0P
校長の日課二回目投下行きます
投下が多くなったのは喜ばしいですが、ラブも萌えも書けない俺は微妙に肩身が狭い…

152:校長の日課②
07/05/17 10:25:10 izZKJt0P
「何か寒気がします…」

自分を狙う鋭い視線に晒されていたヤミはぶるっと体を震わせた
しかし知覚している範囲では周囲に人はいない
気のせいか、とヤミは歩みを進める
ここで宇宙有数の殺し屋であるヤミが校長一人に気がつかないっておかしくね? と読者諸氏は思われるかもしれない
だが、これは校長のステルス機能と、彼が出しているのは殺気ではないということが大きな要因となっているのである
斬ったはったの世界で過ごしていたヤミは殺気等自分を害しようとする気配には敏感だが、それ以外には鈍いのだ
まあ、ある意味では校長はヤミを害しようとしているのではあるが…

「…カギはかかってはいないようですね」

ヤミの目的は校長の推察通りシャワーを浴びることだった
いつもは宿泊施設を利用しているヤミだったが、先日体調不良の治療に払った代金(+屋敷の修理代)のせいで金欠気味なのである
これが宇宙全域の悪人に恐れられている少女の行動だと思うと非常にわびしいものがあるといえよう

「ロッカーは…83番を使わせてもらいましょう」

ヤミは適当なロッカーを開くと服を脱ごうと両手を背中に向ける
が、すぐにその手は止まった
ロッカーの中に鏡があったからだ
通常、ロッカーに鏡がついていることは珍しくはない
しかしこのロッカーの鏡はデパートの服売り場の着替え室のように正面全体が鏡になっているのだ
普通ならばちょっと変わってるなと思う程度だが、一人でいるが故の静寂がヤミに妙な羞恥心を芽生えさせてしまった
誰もいない空間の中、鏡の中の自分という存在に脱衣を見られるというのはちょっと恥ずかしいと思ってしまったのである

「…馬鹿ですか、私は」

と、自分に呆れつつもヤミはくるりと半回転して鏡に背を向けた
これで鏡は見えない
ヤミは落ち着きを取り戻し、再度背中へと両手を向かわせるのだった
そう、自分を見つめる一対の視線に気がつくことなく


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