逆転裁判エロパロ第9法廷at EROPARO
逆転裁判エロパロ第9法廷 - 暇つぶし2ch850:名無しさん@ピンキー
07/07/09 19:11:23 hjq2l8WV
茜か、確かにそそるな

851:名無しさん@ピンキー
07/07/09 22:39:38 GKz8m0tg
綺麗に挟まれた>>849に同情を禁じえないwwww

852:名無しさん@ピンキー
07/07/10 00:21:09 xTcD0iJP
お菓子隊みたいなもんだとスルーしる

853:名無しさん@ピンキー
07/07/11 13:34:54 y9VPw6hd
ナルみぬはまだかああああああああああああああああああ

854:名無しさん@ピンキー
07/07/11 13:39:03 TLmViSuV
きっとぶつぎりにならないようまとめて
書いてくれてるんだろう。

855:名無しさん@ピンキー
07/07/11 20:31:38 EAGmHVmu
じゃあその間にナルマヨ投下期待

856:名無しさん@ピンキー
07/07/11 21:45:53 rTOqWLqc
そろそろタキタ×ミナミがくる頃と予想

857:名無しさん@ピンキー
07/07/11 21:52:50 Ak193Jde
いや、茜だろ

858:名無しさん@ピンキー
07/07/12 11:41:41 Hg1HiobD
オドロキ×みぬき
12レス程度

前スレ 933-940 と >>441-451の続き。

859:オドロキ×みぬき 1/12
07/07/12 11:45:49 Hg1HiobD
ウエディングドレス姿のみぬきちゃんがオレの前に立っている。
顔を赤くして、下から見つめてくるその姿がとてもかわいらしい。

日差しが差し込み、オレたちの影を伸ばしていた。
誰もいない教会。二人だけの世界だ。
国ではオレたちは一緒になることができない。
ここは誰でも結婚をさせてくれる町、ラスベガス。
Minuki Naruhodo と Hosuke Odoroki と書かれた婚姻証明書の前で
オレ達の影が重なる。
漢字で書かれたそれを手にすることは、生涯できない。

祝福する何者もいない中で体を離したオレの耳元に、小さく声がかかる。
聞き取れなかったその言葉を聞きなおすと、少しだけ大きな声で言ってくれた。
「やっぱり、王泥喜みぬきになりたかったな、って」

「みぬきちゃん‥‥」
あいかわらず、彼女は決して泣くことはない。その切なそうな顔のままに
させておきたくはなくて、もう一度唇を近づけた。

「発想を逆転させるんだ、オドロキ君!」
「きゃあっ!」

大きな声がして、みぬきちゃんが飛び上がった。

「せ、先生?」
これはたしかに牙琉先生の声だ。きょろきょろと見回すがどこにもいない。
そうだ、先生は刑務所のはずだ。こんなところにいるはずがない。

「結婚をし、成歩堂みぬきが、王泥喜みぬきになることができないなら!」
先生の声はさらに高い。どこにいるんだ、あの人は。

「彼と同じことをもう一度すればいい!」
彼? 彼って誰だ。

神父の姿をした先生がどこからともなく現れると、オレに指をつきつけた。
「成歩堂みぬきを養子縁組することで、王泥喜みぬきにすればいいんです!」
「な、なんだって!」

「パパっ!」
みぬきちゃんがオレに走りよってくる。見たこともない姿だが、
小学校くらいのころのみぬきちゃんだろうか。これはこれでやっぱりとてもかわいい。
「みぬきちゃ‥‥いや、みぬき」
抱きあげ、ぎゅっとしがみついてくるみぬきちゃんの体を抱きしめる。

「これでみぬき、王泥喜みぬきになれたんだよねっ」
「ああ、そうだね」
「みぬきねっ、大きくなったらパパと結婚するの!」
「ははは、みぬき、大きくなるのを待ってるぞっ」

そのままオレたちは教会を出て行く。後ろから先生の声が響く。
「オドロキ君、きみの未来に幸があるように!」

ありがとう、先生!

860:オドロキ×みぬき 2/12
07/07/12 11:49:19 Hg1HiobD
「牙琉! キミのそれは逆転とは言わない!」
「な、なにっ!」
それにかぶさるように声が響いた。教会のドアを開けて入ってくるのは成歩堂さんだ。

「発想を逆転させるとは、こういうことをいうんだ!」
先生に指を突きつける。さすがに似合っているな、場違いながらそう思う。
「成歩堂みぬきが、王泥喜みぬきになることができないなら!
 王泥喜法介が成歩堂法介になればいい!」
「な、なんだってぇ!」

元通りの姿になったみぬきちゃんがオレにしがみついてくる。
「これでオドロキさん、本当のお兄ちゃんになれたんだねっ!」
「いや、最初から本物だから!」
「ホースケ、大きくなったらパパと結婚するのっ」
「オレ、そんなこといってないよ!」
「ははは、法介、男同士は結婚できないぞっ!」

「なああああああああるううううううううほおおおおおおおおおどおおおおおおお!!」



(なんて夢を見てるんだ‥‥オレは)
どんよりと顔に縦線をいれながら、オドロキはため息をつく。

(だいいち、養子縁組をしたところで、問題はなんにも解決しないよ。
 そもそも、性的関係にある場合は養子縁組は認められないはずだ。
 ‥‥たしか。それにしても、それをどうやってみぬくんだろう。どうでもいいけど)
 
もう一度深く息をして、疑問とともに夢の残滓を外へと追いやる。
枕元の時計は普段の起床時間よりもかなり早い。
寒さは日に日に厳しくなっているはずだが、そんなことは二週間前から微塵も感じなくなっている。
体中から熱気を発散しているような少女とともにいるようになってから。

暗くなりはじめた思考を遮るように、目の前にある愛しい少女の顔を見る。
夢の中のそれと変わらず、オドロキの見慣れた、幼い表情が吐息を立てている。
あいかわらず起きる気配はない。感触を思い出し、唇に目がいく。
なんとなく手を伸ばす。

(ぷにゅ、ぷにゅ、と)
張りのある小さな唇を指先でいじる。はじくような感触の、手触りを楽しむ。
「おいーっす」
下唇を手前に引き、小さく声を出してみる。整った顔が崩れて、かなり変な表情だ。
頬を両脇から押しつぶしたり、鼻を上向きに向けてみたり、後で知られたらかなり
怒られそうな表情をさせてみたりした。
「はははは、はは」
笑い声が漏れた。部屋の中にすぐに消えてしまったけれど。

(そういえば昨日は、みぬきちゃんの前で、ほとんど笑えなかった)
相変わらず崩した顔から指を離すことなく、神妙な表情でオドロキはみぬきを見る。
そのまま、ベッドの上に、裸のまま半身を上げ、背筋を伸ばす。
くだらない夢と、目の前にいる面白い顔の少女のせいで、少しはすっきりしたようだ。
オドロキは持ち前の強いまなざしを取り戻す。涙のあとはもう見えていない。

(泣いていても解決なんかしないよな)
(みぬきちゃんのために、オレのために、より良い方法を考え、選択しよう)

みぬきと同じように、オドロキも本来前向きと勢いが信条だ。
大きく息を吸う。最近忘れていた。元気を出すためには、これが一番だ。

「王泥喜法介、大丈夫ですっ!!」

861:オドロキ×みぬき 3/12
07/07/12 11:51:24 Hg1HiobD
「朝からうるさいなぁ、オドロキさんは」
耳元でとんでもない声を聞かされ、それによって叩き起こされたみぬきはふてくされている。

そんな声が聞こえていないのか、返事もせずに朝食の用意をしているのはオドロキだ。
化粧の時間がほとんどないみぬきは朝にあまり時間がかからないが、
シャワーなどを浴びている間に作っている。

着替えたみぬきが食卓についた後、オドロキはさっそく用件を切り出した。
「みぬきちゃん、今日は時間はある?」
「えっと、今日は学校が終わったらその後は何もないですけど」
「そうか。じゃあ帰りはすぐに事務所に寄って」
「うん、わかった」

仕事でもあるのかな、とみぬきは思った。
昨日よりはずっと元気そうなオドロキをみて、みぬきは口に出さずにほっとする。
オドロキに言ってはいなかったが、昨日のオドロキはとても憔悴しているように見えたのだ。
そのままにするのが忍びずに、だから、恥ずかしかったけれど、元気を出してもらおうと
自分から積極的にしてみた。

昨夜を思い出し、食事をしながらみぬきは赤面する。オドロキには何を見られてもいいとは
思っているが、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。

普段は朝の早いみぬきが先に出るが、朝の早かった今日は二人で一緒に部屋を出る。
糊のきいたシャツにトレードマークの赤いスーツを身にまとったオドロキを間近で見る。
力強く前を見るオドロキの横顔は、いつからかみぬきの胸を熱くさせるものになっていた。

視線に気がついたオドロキが、みぬきの顔を見る。その視線に昨日のようなぶれはない。
「行こうか、みぬきちゃん」

部屋からさほどかからず、分かれ道に近づく。
みぬきは握っていた手をはなし、足を止めて、男を見た。
「いってらっしゃい、みぬきちゃん」
「いってきます、オドロキさん」

人のいないほうから、そっと頬にキスをして、学校へと向けて駆け出した。

862:オドロキ×みぬき 4/12
07/07/12 11:52:57 Hg1HiobD
事務所についたオドロキは、昨日は目を通す時間のなかった成歩堂が残した書類を
読み始めた。

内容は、やはり別の法律事務所や弁護士の紹介状がメインだ。
中にはアメリカのものもある。手回しのいいことに、ペアでの宿舎が用意される
ということまで書いてある。この国からいなくなることまで想定しているのだろうかと、
オドロキは思った。
それ以外にも、王泥喜法律事務所を設立するパトロンになってくれるという
書類まであったのには驚いた。
あやしげな商売のようだが、そんなに儲かるものなのかなと不審がる。
他にも、専属弁護士契約の予約もはいっている。なんとかマシスという署名だ。
画家のようだが、そんな職業に弁護士が頻繁に必要なのだろうか。

かなりの分量のあった書類をすべて読み終わり、オドロキは一息つく。
二週間でまとめるにはかなり大変だったろう。成歩堂に感謝の意がおきる。

成歩堂への怒りはあった。最初から言ってくれていれば、みぬきとは仲の良い兄妹として
ずっと過ごせていたことだろう。
こんなことになる必要はなかったはずだ。

ただ、それでもオドロキは、みぬきを一人の女性として愛せたことと、
その時間をくれた成歩堂に、ある意味では感謝もしている。
この二週間はオドロキにとって、代えようもなく大切なものだった。

オドロキは全てを過去形で考える。
みぬきと別れることは、彼の中ですでに既定事項となっていた。

「みぬき、ただいま帰りました!」

事務所のドアが開く。
多くの書類がのった机の前で、オドロキはいつものように声を返した。
「お帰り、みぬきちゃん」

863:オドロキ×みぬき 5/12
07/07/12 11:55:05 Hg1HiobD
こわばった表情のみぬきを見るのは悲しい。その思いは表情に見せず、オドロキは続ける。
オドロキの謄本をまず見せてから、言葉をなくしてしまったみぬきへ、
成歩堂の2つの話、4つの選択を聞かせた。

「オレの話はこれで終わりだ。昨日の昼、成歩堂さんにここまで聞いたんだ。
 みぬきちゃんに話を聞かせない、という選択はなくなったわけだけど」

最初にオドロキが消去したのは、みぬきに真相を伝えない、というものだ。
何も言わずにそのままつきあうことは、自分が許せなかった。
何も言わずに消えることは、考えはした。それも取らない。
他の、わざと自分を嫌わせる、などの選択肢も考えた。

全ては捨てた。自分は弁護士だ。全ては対話のなかでしか生まれない。
誤魔化しや逃げで、それを否定することはできない。

「それで‥‥オドロキさんの結論はどうなったんですか」
固い表情はくずさない。名前を呼ぶ前のためらいは、兄と呼ぶ行動だったのだろうか。

「昨日抱いてくれたのは‥‥そういうことですか?」
「オレの望む選択は、みぬきちゃんとは別れることだ」

揺ぎない発言に、表情が固くなる。告白の、その時よりもなお。
「そして、オレは、この成歩堂なんでも事務所でそのまま働いていきたい。
 みぬきちゃん、キミとも二週間前までのように、付き合いたい」
 
ひどく自分勝手なことを言っているな。オドロキは思う。
捨てた上で、元通りにつきあっていきたいと言っているのだ。
ひどい男だ。

「みぬきちゃんが、オレがそばにいることを許せないといっても、出て行くつもりはない」
(首だとでも言われればどうしようもないけど)
後の台詞は口に出さずに、閉じる。みぬきの発言を待つために。
それは、さほど待つこともなく、返された。

「‥‥パパは、選択はオドロキさんに任せるっていったんですよね」
「ああ」
「じゃあ認めます」

あっさりとそう言った。表情もぬぐったように元に戻っている。

864:オドロキ×みぬき 6/12
07/07/12 11:57:53 Hg1HiobD
「そう」
みぬきの許諾に、無感動な返答を口に出す。

「はい。でも」
「でも?」
「でも、今日までは恋人ですよね」
「え?」
「だって、一緒に働いてても、友達でも、そうじゃなきゃ兄妹でも、裸で一緒のベッドに
 寝てるのは変ですよね」
「まぁ、そうだけど、それは今朝までということなら」
「ダメです。ものごとには区切りってものが必要なんです」

強い口調でみぬきは詰め寄る。もごもごと反論を口にしようとしたが、
昨晩体を合わせた弱みに、オドロキはいい答えを探すことができず、しかたなく折れた。
「‥‥わかったよ。じゃあ、どうしようか。恋人らしく、デートでもしようか」

みぬきはふるふると首を振る。
「手を繋いだり、一緒にごはんたべたり、お買い物したりなら、2週間前までも
 ずっとしてましたよね」
「まぁ、たしかに」

「オドロキさんの部屋に行きましょう」
「何をするの?」
「決まってるでしょ」

みぬきはオドロキに指をつきつけて、宣言した。

「Hです」



オドロキは飲み物とできあいの食料を買ってアパートへと向かっている。
みぬきは着替えてから薬局へと行くという。
一緒にいこうよとオドロキは誘ったが、それは明日からでもできますといって意に介さなかった。

自宅への道中で、冷たい風にさらされながらオドロキは先ほどまでは見せなかった迷いの表情で
自問を続けていた。
(これでよかったのかな)

考えても答えが出ることではない。というよりは、考えたら答えはひとつしかなかった。
結局は、セックスと愛だ。
オドロキは、セックスと、それ以外を比べたときに、あまりにも失うものが
多すぎると感じた。理性的に言うと、全てを敵に回すもう一方は選ぶことは不可能だ。
セックスがなくとも、みぬきを愛せることはオドロキは自負している。

今までの関係についても、みぬきの年齢や、二人が会っていたのはアパートやその周辺に
限られることが良い方向に働く。もともとよくくっついていた二人だ。
気づかれることはないだろう。まことや茜には説明すればいい。
まだ肉体関係にまで及んだとは思っていないならば、なお好都合だ。

オドロキは、なにか暗くなり始めた考えをやめる。それを考えるのは明日でいい。
今日の自分は、恋人とやりまくるために料理をしなくてすむ買い物をしている
バカップルの片割れだ。眉間の皺を寄せるよりは、鼻の下を伸ばすべきだろう。

その時、ちょうどいいタイミングで携帯の着信音が鳴った。
非通知のディスプレイを見ながら受ける。

「はい、もしもし」
「やあ、オドロキくん」
「‥‥成歩堂さん?」

865:オドロキ×みぬき 7/12
07/07/12 12:00:49 Hg1HiobD
成歩堂の声だ。オドロキは不思議に思う。
この人はこっちの行動をずっと見ているんじゃないだろうか。

「オレに任せるんじゃなかったんですか」
「いや、すまない、気になったんでね。で、どうかな。決まったかい」
「ええ、決まりました」
「へえ、さすがに早いね。それで、どういうふうにしたの」
「みぬきちゃんには話しました。そして、彼女とは別れます。
 ただし、事務所からは出ていきません。みぬきちゃんのそばにはいますよ」
「そう、か」
「今さら成歩堂さんがダメだとかいうのは認めませんよ。
 それと、成歩堂さんがみぬきちゃんに今回の件で嫌われても、オレは助けませんからね」
「‥‥ああ、そうか。それは困るな。だけど、ま、大丈夫だろう」
「余裕ですね」
「そうかな。余裕なのは、キミのほうだと思うけどね。
 ぼくは、オドロキくんが
 『みぬきが好きだもん‥‥別れたくないもん!』
 とかいうのかと思っていたが」
「成歩堂さん、ネタが古いですね」

オドロキは軽口に乗ってこずに冷たい口調のまま続ける。

「ごめん、真面目に話すよ。そんなにトゲトゲしないでくれ」
「そうしてください」
「オドロキくん」
「なんですか」
「みぬき‥‥のことだけを考えたんじゃないよな」
「違います」
「即答だね」
「恋人じゃないとしても、オレは彼女のそばにずっといられるんですから」
「恋人じゃなくなってもかい」
「一緒に働いている同僚としても、友達としても、兄としても、です」
「みぬきは、悲しまないだろうか。そういうふうになっても」
「みぬきちゃんのことはわかりません。でも、オレはそれでいいんです」
「それでキミは充分なのかな。心から、そう思えるかい?」
「おかしなことをいうんですね、成歩堂さん」
「?」
「あなたは、みぬきちゃんのことを心から愛してないんですか?」
「‥‥ああ、これは一本取られたな」

「オドロキくん」
「はい」
「ありがとう。これからも、みぬきのことをよろしく頼む」

通話の切れた携帯をしまい、オドロキはアパートへと再度歩き出した。


部屋の簡単な掃除をしている間に、いつものシルクハットをかぶったみぬきが帰ってくる。

「ただいま~」
「お帰り、みぬきちゃん」

視線を向けたオドロキは、抱えた袋の中のコンドームの数と栄養ドリンクを見てげんなりした。

(オレたちはこれから何をするんだろう?)

866:オドロキ×みぬき 8/12
07/07/12 12:03:37 Hg1HiobD
ベッドの上で互いに向き合う。すでに身にまとうものはない。
恋人としての最後の時間。しばらく互いの瞳を見つめ、やがてみぬきが声を漏らす。

「はじめて会ったときから、好きでした」
「それは嘘だよ」
即座に返した。

「オドロキさん、空気読んでください」
「いや、嘘だってすぐわかるし」
力を使ったわけでもないが、当たり前のようにすぐわかる。

「じゃあ質問を変えます」
むっとしたみぬきはオドロキに指をつきつけた。

「えっ、今の質問だったの?」
「おっぱいは大きいほうが好きですか」
「しかもその質問、全然関係なくない?」
「いいから答えてください」
「‥‥ええと、みぬきちゃんくらいのが」
「嘘ですね」
汗が出た。

「まことさんをHな目で見たことがありますね」
「ははは、そんなことが」
「嘘ですね」
だらだらと汗が出る。

「茜さ」
「待った! ちょっと待って。
 じゃ、じゃあ、質問を返すよ。牙琉響也のことをかっこいいと思っている」
「はい」
(‥‥まぁ、本当にかっこいいからな)

「オレよりも、牙琉響也のことをかっこいいと思っている」
「はい」
(‥‥すこしくらいは反応してくれてもいいと思うんだけど)

「じゃあ、牙琉響也のことを‥‥Hな目で見たことがある」
「いいえ」
反応は0だった。

「今度はみぬきの番ですね。まことさんとHしたいと思ったことがある」
「‥‥」
「オドロキさん」
「すいません、あります」

「‥‥もう一つ、質問しますよ。今、まことさんとHしたいと思っている」
「思ってない」
「茜さん」
「みぬきちゃん以外の誰とも、そうしたいと思ってない」

「最後に一つだけ。
 みぬきを、連れて逃げたいと思ってませんか」
「心の底からそう思ってるよ」

867:オドロキ×みぬき 9/12
07/07/12 12:05:53 Hg1HiobD
唇があわさる。朝触ったときのように、初々しい感触を同じもので感じ取る。

「ん‥‥ふぁ‥‥」

舌先は二人の歯茎をめぐる。唾液がこくこくと溢れ、互いの口内を満たす。
胸元へこぼれた雫を使い、オドロキはみぬきの乳首へまぶそうとする。
それを押しとめると、かわりに唇をはずしたみぬきの舌がオドロキの胸へと近づいた。
舌先で申し訳のようについている乳首をこすりあげる。
ひくんと反応するオドロキを見て、みぬきはにっこりと笑う。
(ひょっとして、いじめる方が好きなのかな)
みぬきは今更ながらにそんなことに気がついた。
(いまさら、じゃないよね)
時間はまだ、たくさんある。

みぬきが上になり、シックスナインの体勢でオドロキはみぬきの
色づきの少ない性器を愛撫する。
ほんの少し広げ、口の部分を指先でこにこにとこねる。
クリトリスは刺激が強すぎるのか、みぬきは前戯にはあまり好まないようだ。
いつも一番最後の時に、若干触るようにしている。

みぬきは逆側でオドロキの先端を小さく舐めている。
口はよく回るというのに、舌先はやっぱりぎこちない。ちろちろと反応の良い場所を
攻めている。

ある程度潤ったと思った頃、オドロキは体を起こした。
みぬきは申し訳なさそうな顔をしている。

「気持ちよくないですか?」

それに返すことはなく、ベッドの横に腰掛けると、みぬきの細い腰を持ち、
自分の膝に股間をあわせた。

「な、なに、オドロキさん」

オドロキはそのままみぬきの腰を前後に動かした。
にちゃにちゃと音を立てて、膝の摩擦によってみぬきの幼い陰唇も前後へ動かされる。

「いい音だね、みぬきちゃん」
「やっ、やだ」

みぬきの手がオドロキの肩にかかる。かわりにオドロキは膝を前後左右に動かした。
みぬきの腰を固定したまま、ロデオのように動かす。
あいている唇で乳房への愛撫も重ねる。ちゅみちゅみと動きにあわせて
舌先と乳首が小さく触れ合う。

「こんなの、恥ずかしい!」
みぬきは顔を赤くして嫌がる。音はより強く、摩擦も薄く、膝にぬめりがあらわれ、
よりみぬきの羞恥が強まる。
ひきめくられた花はぬらぬらといやらしく開き、オドロキを猛らせる。

「やだ、みぬきも何かしたいです」
「ダメだよ」

みぬきは肩に手をおいたまま、支えの手を動かせない。
股間で赤くはれ上がるそれを見て、みぬきは何かしてあげたくてたまらない。
いつしか気づかないうちに、みぬきは自分で腰を振っていた。

「んっ、だめっ、オドロキさん、だめ」
みぬきが口から声を漏らすが、オドロキはもう体を動かしてはいない。
自らの腰を振り、オドロキの膝にこすりつけ、果てるまで自身で体を慰めていた。

868:オドロキ×みぬき 10/12
07/07/12 12:08:09 Hg1HiobD
「オドロキさんって、けっこうヘンタイだよね」
「一人でいっちゃうみぬきちゃんこそ‥‥ごめん、嘘」

ふりあげたこぶしを下げて、みぬきはオドロキに冷たい声をなげかけた。

「みぬき、15歳なのにHなことするし」
「それは、オレだけのせいじゃ‥‥いえ、すいません」

「まことさんにも色目を使ってたみたいだし」
「色目なんて使ってないよ! 美人だし、ほんのちょっとそう思ったことがあるだけだってば!」
「まことさんも、オドロキさんのこと、ちょっといい、って思ってたみたいだし」
「え、ほんと?」
つられた言葉に今度は冷たい目が返ってくる。

「オドロキさん、ちょっと目をつむって」
「痛いのはイヤだよ」
「コドモみたいなこと言わない。いいから早く」

仕方なく目を閉じる。緊張で少し肩が上がっている。

「‥‥オドロキさんって、ヘンタイだったんですね」
「うわあ!」

聞いたことのある人の声に、あわてて目をあけてもそこにはみぬきがいるばかり。

「い、今のは?」
「魔術師ですから、みぬき」

とくいそうなみぬきを前に、呼吸を落ち着かせる。
‥‥声帯模写か。オドロキはそう思った。ボウシくんの腹話術もたしかに見事な男声だ。

「オドロキ君、アンタ、ヘンタイだね」
「いや、茜さんの声真似もうまいのは認めるからさ。
 その発言をさせるのはやめてよ」
 
「おデコくん、キミってヘンタ」
「やめなさい」
「ひゃあ! きゅ、きゅうに胸に触らないでください!」

「やっぱり、その声がいいよ」
真顔でそう言うと、オドロキは抗弁を遮るように、唇をあわせた。

869:オドロキ×みぬき 11/12
07/07/12 12:10:47 Hg1HiobD
「そろそろいいかな」

今日のオドロキは容赦なく、みぬきを攻めている。そろそろ自身も限界だ。
くったりとしたみぬきをベッドへ横たえ、買ってきた未開封のコンドームに手を伸ばす。
「ま、待って」
「?」

みぬきが止める。その視線にこめられた想いを感じて、オドロキが少し声を低くする。
「みぬきちゃん‥‥」
「違うの、みぬきがつけたいんです」

袋を丁寧に切り、コンドームを取り出す。袋は枕元に置き、オドロキの股間へと近づいた。


みぬきははじめての時のように、仰向けに横たわってオドロキを迎える。
オドロキはみぬきの足を持ち、自身を分け入らせた。

首に腕を回し、また、唇を合わせる。その頃には全て埋めていた。
唇を離し、腰を動かす。みぬきの顔をみつめながら、前後へと蠢く。

しばしの律動の果てに、オドロキは達した。
しおれないうちに性器から引き抜き、ゴムを廃棄する。

「次、です」
みぬきは体を起こし、まだ焦点が合わない目のまま、白濁にまみれたオドロキの性器をくわえた。
「み、みぬきちゃん」

時計は刻々と過ぎていく。
何回か休憩を挟み、時間帯はすでに深夜。

そろそろ限界かなというオドロキの前で、みぬきは驚きの発言をしていた。

「みぬきちゃん、もう一回いってもらっていい」
「あの、おしりの、ほうをお願いします。
 何もつけないで、え、えっとだいじょうぶです!
 ちゃんと調べて、綺麗にしておきましたから!」
自分で言っておいて顔を真っ赤にする。
そういえば薬局の袋の中にエネマなんとかというよくわからないのが入っていた。
あきれたオドロキはすぐには言葉が出ない。少しして出た言葉は、からかいの言葉だ。

「馬鹿だな、みぬきちゃんは」
「馬鹿っていうな!」
「そんなことなら最初から言えばよかったのに」
「言えるわけないでしょ!」
「大丈夫だよ、一回目から毎回ちゃんとほぐしてきたんだから」
「へんたい! へんたいへんたい!」

870:オドロキ×みぬき 12/12
07/07/12 12:13:17 Hg1HiobD
指先と舌でみぬきをいつくしみ、さらにみぬきをダメにした後。
いよいよそのときが近づいた。

「この体勢いやです」
「だって、普通の格好じゃ」
「オドロキさんの顔見えないのいや」

みぬきは駄々をこねる。やはり後背位はいやだというのだ。
「それくらいなら、みぬきが上になります」

オドロキはあきらめて横たわる。
みぬきのあまり豊かではない、それでもとても美しいからだが大きく広がった。

オドロキの性器を手に取る。
みぬきの股間に近づく。そのまますすめれば、オドロキの体がみぬきに埋まる。
何もつけていない今ならば、着床することもありえるだろう。
「オドロキさん‥‥」
オドロキは何もいわない。みぬきのするがままに任せている。

ここで彼女が正しいほうにいれたとしても、それでかまわないのかもしれない。
感情はそれを拒まない。直接、彼女の体とこすりあい、吐き出すことができたなら、
それはきっと果てしない喜びだろう。

みぬきは大きく息を吐き、自身の後ろに差し込んだ。

「くうっ」
「いっ!!」

強烈な締め付けと、強烈な痛みが襲う。ぎりぎりとしめつけ、オドロキを絞り上げる。
ほどなく精液を吐き出されるだろう。

時刻はもうすぐ24時を回る。

                                                つづく

871:名無しさん@ピンキー
07/07/12 12:14:33 Hg1HiobD
以上です。

872:名無しさん@ピンキー
07/07/12 13:27:53 H1dSNvUI
超GJ

873:名無しさん@ピンキー
07/07/12 15:25:46 cQOro0rt
投下きてた。待ってた。GJ!
しかし、セツナスなぁ・・。

874:名無しさん@ピンキー
07/07/13 10:38:39 9viJYdv5
GJ!!
面白すぎる。がんがれ職人。

875:名無しさん@ピンキー
07/07/13 12:33:04 Kc8UKKyX
GJ!!!!!

876:名無しさん@ピンキー
07/07/13 14:14:46 jxb5CMOB
ここが2chだという事すら忘れてしまうくらい
普通に楽しんでいる漏れがいる
GJGJGJ!!!!!

オドミヌもナルミヌももっと見たい!wktk!

877:名無しさん@ピンキー
07/07/13 18:51:27 Z99gxRAu
GJ!!
リミットが解ってて…エロいのに悲しい話だな。すごくイイ。

878:名無しさん@ピンキー
07/07/13 21:08:07 zcdHKOeA
でも事実を知ってもなお愛し合おうとする前向きな話とも言えるよね?
GJ!!

879:名無しさん@ピンキー
07/07/14 07:32:47 xAaBKsLo
 『みぬきが好きだもん‥‥別れたくないもん!』
ってなんのネタ?

880:名無しさん@ピンキー
07/07/14 07:35:57 9Gspg/KV
トトロかトミーだと思った

881:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:06:15 82f9STnr
「みゆき」の結婚式のシーンだと思った
アニキが妹の結婚式のスピーチでこう告白しちゃうんだよなぁ

882:名無しさん@ピンキー
07/07/14 15:18:29 Y3bkmv76
弟×茜、書いてたら長くなり過ぎたので削ってます
そのうち落としにきます

883:名無しさん@ピンキー
07/07/14 17:15:03 ur+YYMLq
>>882
期待してる!!

884:名無しさん@ピンキー
07/07/14 21:55:23 RJVKAKSy
オド×みぬ投下
GJ!

885:名無しさん@ピンキー
07/07/15 04:39:21 dzYMupD7
前にミツメイ投下したんだけど、よし、また書くぞ。台風だからすることないし。
茜の声が多い? 真宵? っつーか、真宵でエロいの難しくない? まとめサイトの真宵のはすごいよ、ホント神。




886:名無しさん@ピンキー
07/07/15 08:04:36 LjbdLY9g
>>885
ミツメイ好き!
台風に怯えながら待ってます!

887:名無しさん@ピンキー
07/07/15 10:55:12 GJ8o3btj
>>882
台風の中映画館に向かいながら待ってます!

888:名無しさん@ピンキー
07/07/15 19:11:51 lDdbU/Hx
マジかよ!

889:ミツメイ1
07/07/15 22:08:35 O2DRtdAZ
「自分の始末は、自分でつけたな。あいつ」

主席検事室で、『裁判員制度』テストの中継を見届けて、御剣は言った。
7年間、歯がゆい思いをさせられた親友を、責任者に起用するに当たってはこの男もかなりの権力を行使した。
「裁判における証拠の位置。この制度の導入で我々の今までの」
「その議論は、し尽くしたと思うけど」

中継の終わったモニターにリモコンを向けて電源を切り、狩魔冥は御剣の言葉をさえぎった。
「・・・そうだったな」
「成歩堂龍一に、おかえりを言わなくてはならないわね」
「あいつに、その気があれば、バッジを返還するかどうか、弁護士会が検討するだろう。おかえりを言うのはそれからだ」
御剣は、こみ上げる笑いをこらえるように表情をゆがめた。
「言葉のわりに、うれしそうだこと。主席検事」
「う・・・ム。そうだろうか。君こそ、晴れ晴れとした顔をしているように見えるが」
冥はピシッと鞭で空を切った。
法廷以外でむやみに振り回すことがない鞭だが、御剣の前では時折照れ隠しにふるう。
「私は、牙琉響也がそこそこいい仕事をしているからっ」
「そういえば、牙琉検事の指導係は君だったか。・・・なるほどな」
勝敗だけにこだわる、若い頃の自分や冥なら、牙琉をこんな風に育てることはできなかったかもしれない。
法廷において大切なのは、検事と弁護士が勝敗を競うのではなく、互いに全力で戦うことにより真実にたどり着くこと。
牙琉響也は、最初からそれを知ることが出来た。冥の指導で。

「この後裁判所で今日の裁判について会議がある。帰りは遅くなると思うのだが」
御剣が言いにくそうに冥を見た。
「かまわないわ」

葉桜院の事件で、緊急帰国した御剣と冥は、検察局の意向でそのまま日本にとどまることになった。
自分のマンションを残していた御剣はともかく、冥は父が不在の狩魔邸に帰りたくなかった。
部屋が見つかるまで、と転がり込んだ御剣の部屋で、冥はもう8年も「部屋を探し」つづけていることになる。
もちろん、表向きはそんなことはおくびにも出さず、出勤も帰宅も時間をずらし、知人に目撃されそうな近場に二人で出かけることはしない。



890:ミツメイ2
07/07/15 22:09:54 O2DRtdAZ
実際、その日の真夜中になって御剣は自室のドアを開けた。
冥は休んでいるだろうと思ったが、リビングのソファにノートパソコンを置いて床に座り込んでいた。
「寝ていなかったのか」
「今日のこと、真宵にメールしたのよ」
綾里真宵は倉院の里で、いまや家元としてマスコミにも時々姿を現していた。
「そうか。真宵くんも成歩堂のことは気にしていただろうな」
「成歩堂が復帰できないようなら、誰かを霊媒して弁護士会に乗り込んでやるそうよ」
「誰かというのは・・・誰だ?」
「さあ。誰か、じゃない?弁護士会の連中がおびえるような・・・、無罪に出来なかった被告人とか」
「・・・やりそうで怖いな」
上着をクローゼットにかけて、襟元のクラバットを解きながら、御剣は数人の顔を思い浮かべた。
「ゴドー・・・神乃木の弁護士再登録でも揉めてたからな。弁護士会の連中、一気に老け込むかもしれん」
「神乃木荘龍には、検察局に残ってもらいたかったのだけど」
ノートパソコンを閉じて、冥がつぶやく。

ふいに、御剣がソファに腰を下ろした。
床に座り込んでいた冥の目の高さに、御剣の脚がある。
「君はずいぶん彼に肩入れするのだな」
「・・・あなたが真宵を気にするほどではないと思うのだけれど」
下から見上げる冥に、御剣は思わず視線をそらした。
「ばかな。私が、なぜ」
「目をそらしたわよ、御剣怜侍」
「・・・いや」
それは、君が。
もう幾年、一緒に暮らしても。
何度肌を合わせても。
冥に見つめられると、御剣はどきりとしてしまう。

「もう、休むといい。明日に響く」
「逃げるの」
「・・・ム。そのような、アレではない・・・」
艶やかな目で御剣を見つめて、冥はくすっと笑った。
指先で、御剣の脚をなで上げる。
「いいわ。週末にでも、はっきりさせましょう」
「・・・・どういう、ことだろうか」
週末まで、待てるだろうか。
御剣は、冥に気づかれないように息をついた。

891:名無しさん@ピンキー
07/07/16 10:11:43 Yh1R5mmh
わっふるわっふる

892:fujisanate
07/07/16 11:12:35 LuCUO9Zz
茜×響也を書いてみたのですが、キスまでしかないしろものですが、
投下した方がよいでしょうか?

893:名無しさん@ピンキー
07/07/16 11:26:58 ImhUKvyy
はい、投下した方がよろしいです

894:名無しさん@ピンキー
07/07/16 11:27:45 NemXnV3F
ミツメイキタ!!!
続きまってます!
>>892
是非!積極的な茜みたい!

895:茜×響也
07/07/16 11:31:19 LuCUO9Zz
 その日の朝、茜のデスクにはあまり資料などが積まれていなかった。
最近やっと、仕事が片付いたのだ。
「ふう。」
こういうときこそ、お祝いにかりんとうでも食べたいのだがあいにく上司に禁止されている。
以前デスクの位置を変える際にたくさんのかりんとうのカスが茜のデスクからこぼれ出し、つくえの引越しプラスかりんとうのカス掃除になったからだ。
「刑事クン、おめでとう。」
ちゃらちゃらと音がする。
そして影が見える。
その人物はかりんとうをデスクの上に置いた。
「牙琉検事・・・検事としてここにいるなら、帰ってください。」
茜は冷たく言った。
「刑事クン、確かに検事としての用事もあるけれど、君のお祝いもしたかったんだ。」
いいからとっとと帰ってぇぇぇぇ!
茜は心の中でそう思ったが、口に出すわけにはいかない。
「何でボクには冷たいの?ボクはキミのこと愛しているのに。」
こういう光景が日常茶飯事のため誰も口を挟まない。
あーあ、貧乏くじひいたかなあ。
そう、科学捜査官の試験に落ちたところからほとんどのイヤなことが。
「茜クン、百面相してる君もいいね。」
うっとりしたように牙琉響也は言った。
「何でいきなり茜クンになってるんですか!」
「キミの名前を呼びたかったんだ。」
「私、受け付けに用がありますから。」
そう言うと、茜は立ち上がりすたすたと受付まで歩いていった。



896:茜×響也2
07/07/16 11:32:15 LuCUO9Zz
 ・・・いいかげんにして欲しい。
茜の心はレイニーだった。
後ろからじゃらじゃらさんがついてくる。
「仕事は片付いたんですか?」
茜が聞くと、
「別に受け付けに行ってからでもできるような仕事だからね。」
響也が少し楽しそうに答える。
何が嬉しいのか、茜には見当もつかなかった。
一応窓口側に回って書類を提出する。
ややこしい書類だったためか、昼休みまでかかってしまう。
はっきり言って、検事の仕事にもものすごく差し支えるのではないかと思われるが、響也は職員用出入り口に立っていた。
受け付けにはもう茜と職員の人、そして検事しかいない。
ぱあん
乾いた音が響く。
次の瞬間、茜のこめかみに拳銃が突きつけられていた。
つまり、人質扱いされた。
まさか、こういうことになるとは思わなかったので拳銃も持っていない。
「おい、あんたらがぱくってったリーダーを解放しろ!」
そういう要求か。
恐怖で体の震えが止まらない。
男は二人だった。
一人が茜のこめかみに銃を向けている。
もう一人はなぜか出刃包丁を持って周囲を見回している。
予想も出来ない事態が起こった。
響也が出刃包丁の男の視線をくぐって、茜を引っ張り出す。
乾いた音がして、茜の首の辺りに生ぬるく鉄のにおいがする液体がかかる。
それでも響也の行動は速かった。
あっという間にカウンターの下に隠れる。
茜は響也の肩を見た。
鮮やかな赤が流れ出している。
「ギターが弾けなくなるんじゃないですか!?」
小さな声で茜が言うと、響也は嬉しさと悲しさを無理矢理混ぜたような表情をした。
「でも、茜クンは助けられた。」
サイレンがした。
「警察だ!覚悟しろ!」

897:茜×響也3
07/07/16 11:33:28 LuCUO9Zz
その後、事件のあったときにその場にいた三人は散々事情を聞かれた。
事情を言い終わるまではだいぶ時間がかかった。
まずは茜、響也、職員の方の順で事情を聞かれた。
茜は響也が行った病院に行った。
響也は一人部屋でベッドに転がっていた。
「茜クン、来てくれたんだ。」
響也はまるで宝物を見つけた子供のように、嬉しそうだった。
「今日は助けてくださってありがとうございます。しばらくは茜クンって呼んでもいいですよ。それから。」
二人の唇がしばらく触れ合う。
舌を絡めあう。
それから唇を離す。
茜は自分の頬が赤くなっているだろうと考えると恥ずかしかった。
「じゃっ、失礼しました!」
茜は病室のドアを荒々しく開閉して部屋を出て行った。
「やっぱり、茜クンが本命だよ・・・・すてきだ。」
つぶやくように響也は独り言を言った。

898:名無しさん@ピンキー
07/07/16 11:35:29 LuCUO9Zz
以上です。
あんまりエロくなくてすいません。

899:名無しさん@ピンキー
07/07/16 11:36:49 NemXnV3F
GJ!!茜可愛すぎ!!!

900:名無しさん@ピンキー
07/07/16 13:09:55 EItf4RCS
GJ!GJ!エロ無しでも全然GJ!!

901:ミツメイ3
07/07/16 13:40:51 p9MlMoUk
目を覚まして、御剣は反射的に手を伸ばした。
冥がいるはずの場所が、空いている。
がばっと起き上がり、軽くめまいを感じてこめかみを押さえる。
朝に弱い男だった。
昨夜は冥の帰りが遅く、風呂上りのまま待っているうちにソファでうたた寝して、
帰宅した冥に鞭で打たれるように寝室へ追い込まれたのである。
「風邪でも引くつもり?私、病人の看病は苦手なのよ」
狩魔は看病も完璧なんじゃないのか。
そう言い返したかったが、せっかくの週末をすねた冥の機嫌取りに費やすのは不毛だった。
裁判員制度のテストもあって、今週の疲れがたまっていたのか、
ベッドにもぐりこんだ記憶もあやふやなまま眠ってしまったのだ。
ベッドから脚を下ろすと、リビングで人の声がした。
冥が電話でもしているのかと思って寝室のドアを開けると、元気な声が迎えた。
「うっわー、御剣検事さん、ピンクのパジャマですか?!」
これは、夢の続きだろうか。
「とってもかわいらしいです、みつるぎ検事さん」
アイランドキッチンの向こう側で、冥が不敵な笑みを浮かべている。
「・・・どういうことだろうか」
御剣の周囲で、『家元』の装束を着た真宵と、春美が大騒ぎをしている。
「なんかさー、ナイトキャップとかもかぶってそうだよねー」
「真宵さま、いけませんわ、みつるぎ検事さまのパジャマを勝手に脱がせては」
「・・・やめたまえ、真宵くん、ボタンをはずすなっ」
真宵と春美に身ぐるみはがれそうになってパジャマをかき合わせている御剣に、冥が言った。
「顔を洗って着替えてくる、というのはどうかしら。そうしたらコーヒーを入れてあげてもいいわ」
「ウ・・・ム。そうしよう。説明は、そのあとで聞かせてもらう」
あたふたとバスルームへ駆け込む。
私としたことが。
まさか真宵くんと春美くんが居るなどと思いもせずに、うかつだった。
いや、7年ぶりの再会が、日曜の朝の自宅へのふいうちというのはいかがなものか。
シャワーを浴びようと思ったが、着替えを取りに戻るにはまたリビングを通らねばならない。
なにやらリビングで盛り上がっている三人から隠れるようにして寝室へ戻り、
サイフォンがいい香りを立てる頃に、隙のない身支度を整えて、リビングへ出て行った。

902:ミツメイ4
07/07/16 13:41:39 p9MlMoUk
「・・・それで」
振り向いた真宵は、御剣をわずかに動揺させた。
くるくると変わる表情豊かな顔は、7年前の面影を残したまま、大人の女性に変貌している。
冥と同い年のはずだった。
小さな女の子だった春美は、つぼみが開花する頃の少女になり、はにかむ癖はそのままに、こちらも照れさせるような仕草で見上げてくる。
「なぜ、君たちはここにいるのか」
真宵は御剣が腰を下ろしたソファの隣に、勢い良く座った。
「あーあ、ご挨拶ですね。ひさしぶりなのに」
「・・・元気そうだ」
「はいっ、もう真宵さまは倉院の若き美人家元として人気スターなんですっ」
「私は聞いたことがないが・・・っ」
成長した分、春美のビンタはパワーアップしている。
御剣の前に冥がコーヒーカップを置いた。
紅茶党の御剣が、一日で唯一コーヒーを飲むのが朝だった。
狩魔はコーヒーも完璧に淹れた。
「・・・ビンタされても嬉しそうね、御剣怜侍」
「な、なにをいうのだ」
「言ったでしょう、週末にはっきりさせるって」
確かに、言った。
それは、御剣が真宵を気にしているかどうか、本人を前にしてみようということだったのか。
御剣はコーヒーカップを取り上げる振りをして隣に座った真宵から、わずかに離れた。
「それで、まだ答えを聞いていないのだが」
「なんですか?御剣検事。あ、もう御剣主席検事でしたっけ。出世したんですね。なるほどくんと大違い」
真宵がそう言って首をかしげる。
裾の長い家元の装束が、大人っぽくなった真宵に似合う。
ちらりと隣に送った視線に、何かが絡み付いてくる気がした。
春美が、ニラみつけている・・・。
あれほど「キライ」と言っていた冥と和解した春美が、今度は御剣を敵視している。
「真宵さまとわたくしは、なるほどくんのところへ行くのです。ここへは、そのついでに寄らせていただきました。真宵さまは、なるほどくんに」
「は、はみちゃん」
そうか、成歩堂に会いに来たのか。
ほっとした反面、春美とみぬきが顔を合わせたらどうなるのか、不安でもある。
御剣がコーヒーを飲んでいる間に、真宵と春美はステレオでしゃべりつづけ、冥に見送られて風のようにマンションから出て行った。

903:ミツメイ5
07/07/16 13:43:00 p9MlMoUk
先ほどの真宵とは正反対に、重さを感じさせないほど静かに冥が御剣の隣に腰を下ろした。
「顔が赤いわよ、御剣怜侍」
「・・・ム。真宵くんたちには不意をつかれた。私は聞いていなかった」
「このあいだ成歩堂のことを知らせたから。倉院から出てきたついでにここへも来るって」
御剣の手から、空になったカップを取り上げる。
「気づいてないのね」
「・・・」
なんだろう。
なにを聞かれているのだろう。
御剣は表情を変えないように抑えつつも脈拍が速くなるのは抑え切れなかった。
冥は御剣の肩に手をかけて、耳元に唇を寄せた。
ささやきの代わりに白くて長い指で御剣の脈打つこめかみに触れる。
「・・・気の小さいオトコ」
ぷっと小さく吹き出して、冥はそのまま彼の肩に頭を乗せた。
「コーヒー豆を変えたのよ。頂き物なのだけど。今までのより深煎り」
御剣はどっと、冷や汗が噴出す気がした。
泣く子も黙る御剣主席検事。
笑う子も泣かせる狩魔検事。
世間の評価は正しい。
私は、君にはかなわないのかもしれない、狩魔冥。
「・・・頂き物?」
ふと、なにか予感がして御剣は冥の手からもう一度コーヒーカップを取った。
肩の上で、冥の頭が揺れた。
笑ったのだ。
「ゴドーブレンド、何番だったかしら」
やられた。


904:ミツメイ6
07/07/16 13:43:48 p9MlMoUk
御剣は体を起こし、カップを置いて冥を抱き寄せた。
「・・・ドアに、鍵をかけただろうか」
真宵たちが成歩堂たちを連れて引き返してきたりしたら、たまらない。
答える唇をふさいで、深く口づけた。
そのまま、首筋をなぞる。
「神乃木に、なぜ会った」
私服のブラウスを片手で脱がせながら、言葉で責めた。
答えようとした唇を、またふさぐ。半裸になった冥を抱き上げて、まだかすかにぬくもりの残るベッドへ下ろした。
細いデニムを引きおろして、華奢な体をわき腹から腰にかけてねちっこく撫で回す。
「・・・・ん」
冥の腰をまたぐように膝立ちして、御剣は二の腕から肩、肩から鎖骨を通ってわき腹、形のいい臍から腰骨、そして太ももへと執拗に手と唇で愛撫する。
「・・・・ぁ」
冥の唇が開いて、切なげな声が漏れた。
「なぜ、会ったんだ?」
じらすように内腿を撫で回しながら、御剣は意地悪く言った。
「ん・・・っ、ああ・・・」
「ずいぶん、彼に肩入れするのだな」
御剣も、神乃木が知人や世話になった人にむやみと自家焙煎のコーヒー豆を試飲させるクセがあることは知っている。
「真宵を気にしている」と言った冥に、お仕置きをしてやりたい気分なのだ。

その日、御剣は冥が起き上がれなくなるまで、嬌声を上げつづけさせた。


END

905:名無しさん@ピンキー
07/07/16 15:43:15 bqek/1sC
ミツメイGJ!!!ヤキモチ焼く二人可愛い!!

906:名無しさん@ピンキー
07/07/16 15:50:03 ocdVe7+V
ミツメイキタキター!!!
マターリした雰囲気が熟年夫婦のようで萌えた(*´∀`)

907:名無しさん@ピンキー
07/07/16 15:53:13 Roi0w8vB
更新島倉千代子

908:名無しさん@ピンキー
07/07/16 19:35:08 X0Aajm+D
GJ!!
まさしくハイクオリティ
機会があったらまた投下してくれ

909:名無しさん@ピンキー
07/07/16 22:30:04 7Z7cSrAS
現在483KB

910:名無しさん@ピンキー
07/07/17 07:44:51 P4pmuPPa
響也×茜、エロあり投下します。


911:響也×茜1
07/07/17 07:45:44 P4pmuPPa
       『別離の前日』


「これ、例の事件の捜査報告書です」

 宝月茜は手にしていた書類の束を目の前の人物に手渡した。
「ありがとう。ちょっと中身確認するから待ってて」
 書類を受け取った牙琉響也は、長い指で紙をめくり始めた。
 自然と伏目がちになり、その瞼に長い睫毛の影が落ちる。
 茜は響也に見入っている自分に気付き、慌てて彼の顔から視線を外した。

『顔がいいだけで、ちゃらちゃらした女ったらし!』
 茜が響也に対して抱いた第一印象はこうだった。
 成歩堂龍一の弁護士バッジを奪ったのが響也だとわかった日にはさらに次のようになった。
『顔がいいだけで、ちゃらちゃらしてて、女ったらしで、あたしがこの世で最も嫌いなヤツ!!』

 しかし、刑事と検事という関係で半年以上行動を供にしていくうちに、茜は気付いた。
 響也の、真実を追究するひたむきな姿勢に。
 勝訴することで得られる検事としての手柄だとか、逆に敗訴することで負うリスクだとか、そういうことは彼に

は全く関係ないようだった。
(そういえば、検事のバンド仲間が言ってたっけ……)

『あいつはちゃらちゃらした格好をしているが、うっとおしいほど真っ直ぐなヤツだ』

 確かにそうだった。
 この台詞を放った人物は、響也の性格を的確に言い当てている。
 しかし彼は今、鉄格子によって隔絶された別空間の住人となっている。
 そしてもう一人、響也の良き理解者だった人物。実兄の牙琉霧人も、随分と遠くへ行ってしまった。
 彼らの罪を暴いたのは弁護士である王泥喜法介だが、そこには響也の協力も加わっている。
 響也は真実と引き換えに、自らの手で身近な人物を追いやったのだ。
 
 真実は時々、それを追及するものに刃を向ける。
 身近な者の罪過であったり、信じていた者からの裏切りであったり、刃はさまざまな形を持つ。
 うっとおしいほどまっすぐな響也は、抗うことも防御することもなしに、その刃をもろに受け止めた。
 満身創痍なはずなのに、それでも彼は真実を追究するために法廷に立ち続ける。

 ただひたすら真実を追い求めるその姿勢は、時折、恩人である成歩堂を髣髴とさせた。
 真実のために全力で戦っている成歩堂が好きだった。
 法廷での響也が成歩堂と重なって見えた時、茜は酷く動揺した。
 敬愛する弁護士と大嫌いな検事がダブって見えるなんて嘘。嘘に決まってる。
 心の中を駆け巡る打ち消しの言葉とは裏腹に、茜の目はいつの間にか響也を追っていた。
 そして、目を離すことができなくなった。


912:響也×茜2
07/07/17 07:47:21 P4pmuPPa

「うん、報告書はこれでOKだ。ご苦労様」
 書類から顔を上げた響也は、茜に向かって微笑んだ。
「……もうすっかり夜か。残業になっちゃったね。手間取らせて済まなかった」
 響也のオフィスの窓の外には、一杯の夜景が広がっていた。
 終業時間はとうの昔に過ぎている。
「いえ、仕事ですから。それに、夜が更けてから検事の所に報告書を出すのには慣れてます」
 響也は多忙だった。いくもの案件を同時に抱えている上、どれも手を抜かない。
 茜の同僚はよく、響也のことを差して"検事局一の凝り性だ"という。
 新しい事実が見つかった時など、終業時間の間際になって「今から報告書を出せ」と言われることは日常茶飯事だった。


「慣れてる……か。髄分迷惑かけたてたんだね」
 響也は報告書をファイルに挟み込むと、窓辺へ歩み寄った。
 夜景を背にして茜と向かい合う。
 その顔には笑みが浮かんでいた。笑顔のはずなのに、何故か茜はその中に影を感じた。

「安心しなよ。君がぼくのところへ報告書を出しに来るのは、今ので最後さ」
「……は? どういうことですか?」


「検事局の上層部の意向でね。見識を深めるために海外で勉強してくることになった」


「え……?」
 咄嗟に言葉の意味が解らず、茜は聞き返す。
 響也は視線を床に落とし、話を続けた。
「要するに、左遷だよ。ぼくの身近にいた人物が立て続けに捕まった。
 そしてぼく自身はまんまとアニキの策略にはまり、一人の優秀な弁護士からバッジを奪ってしまった。
 こんな検事を出世コースに乗せとくわけにいかないだろう?
 だから勉強という体のいい言い訳使って、海外に追いやるって寸法さ」

 響也の説明を聞き、茜は思わず叫んだ。
「そんな、酷い! 検事は全然悪いことしてないじゃない」
「あはは、ありがとう。まさか君が庇ってくれるとは思わなかった。
 ぼくは君の恩人から弁護士バッジを奪った男だからね」
「……それは……」
 言葉に詰まる茜の顔を、響也は見つめた。

「とにかく、いま君が出してくれたこの報告書は、大切に次の検事に引き継いでおくよ。
 明日、引継ぎが済み次第アメリカに発つことになってる」

913:響也×茜3
07/07/17 07:48:42 P4pmuPPa

「あ、明日?! 明日、明日って……どうしてそんなこと今日になって言うんですか!!
 もっと前から解ってたでしょ? そんな、急に明日って言われても……」
「決まったのは2週間前だ。その時点で言えば良かったね。だけど……」
 響也はそこまで言うと一旦言葉を切り、自分の前髪を触る。
 それは、彼が何か言い難いことを言うときに、必ずする仕草だった。


「だけど何となく、君には言い出せなかった。いや、何となく、じゃないな。言いたくなかったんだよ。
 "じゃあまた明日"と続けることが出来ない"サヨウナラ"なんて」


「牙琉検事……」
 言葉が出てこなかった。
 響也の言ったことが受け入れられなかった。
 何なの? このタチの悪い冗談は。嘘でしょ? 嘘。嘘に決まってる……。
 そんなことばかり、心の中を駆け巡る。
「刑事クン。突然になってしまって済まない。だけどちゃんとお別れが言えて良……」

「お別れだなんて言わないで!」

 響也の言葉を、茜の一喝が遮る。
 その茜の頬に一筋光るものが伝っていて、響也は驚いた。
「刑事クン……?」
 思わず茜の側へ歩み寄り、手を差し伸べた。
 しかし茜はその手を振り払う。
「泣いてません! 泣いてませんからあたし。
 大体、あなたはいつもそう。中途半端に口説いたりして、苛々する。酷すぎる」
「……ごめんよ」
「このまま"はいサヨウナラ"なんて絶対許さない」
 頬を伝うものを拭いもせず、茜は響也を見据えた。


「口説くなら、最後まで口説いてよ。天才検事なんでしょ? 一流アーティストなんでしょ?
 最後まで口説いて、そしてあたしを落として見せて」


「刑事クン……」
 躊躇いの表情を浮かべる響也に、茜は一歩近づいた。
 ほとんど至近距離で彼の顔を見上げる。
「ここで口説いてもいいのかい?」
 耳元で囁くように訊かれた。
 茜は頷く代わりに、彼の腕に身体を預けた。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

914:響也×茜4
07/07/17 08:09:54 P4pmuPPa




 窒息しそうなほど深く長いキスを幾度も交わした後、オフィスにあるリクライニングチェアに身体を横たえる。
 横になってからも、しばらくお互いの唇を確かめ合った。
 明かりが落ち、真っ暗になった部屋の中で探るように衣服を取り去る。

 露になった茜の肌に、唇を這わせた。
 欲しくてたまらなかった。ずっと前からこうしたかった。
 全身、余すところなく味わいたいと思った。
 細い首筋を軽く吸う。そこに己の名前を刻んで良いかどうか、無言で確認する。
 茜が軽く頷くのを見届けると、今度は激しく吸った。
 白い肌にくっきりと残った跡を見て、それが間違いなく自らの施したものであると認識して、喜びで震えた。

 形良い胸のカーブを掌で包み込む。
 あっ、という声にならない声が茜の口から漏れた。
 胸の丘の頂に唇を寄せる。硬くなった部分を舌で転がすようにゆっくりと吸い上げると、茜の身体がビクっと震えた。 
「んっ……あっ」
 甘い吐息と供に、切ない声が漏れる。
 聞いたことのない艶やかな声に、理性が揺さぶられる。
 先走りそうになるのを何とか抑えて、今度は耳朶を攻めた。

「やっ!」
 響也の唇が柔らかい耳朶に触れた途端、茜は響也を強い力で押し戻した。
 今までにない抵抗に、そこが彼女の弱点なのだと気付かされる。
 少し強引に茜の腕を押さえ、再び耳朶に舌を這わせた。
「あっ、あぁっ……んん」
 高い声が漏れ、その細い身体が幾度も震える。
 自分の腕の檻の中で激しく悶える彼女の姿は、繋ぎとめていた理性を大きく揺さぶった。
 

915:響也×茜5
07/07/17 08:10:39 P4pmuPPa

 茜は、逞しい腕に抱かれながら快楽の波と戦っていた。
 弱いところを正確に攻められると、波に飲まれてしまいそうになる。
 そして攻められる度に自分の唇から漏れる声は酷く淫らで、そんな声を出してしまう自分が恥ずかしくてたまらない。
 声が漏れないように人差し指の関節を噛んだ。
 しかし、それを見つけた響也は茜の手を口元から引き剥がしてやめさせた。

「や……恥ずかしい……」
 微かに首を横に振りながら、囁く。
 響也は微笑んで言った。
「この部屋の防音は完璧だ。大丈夫」
「でも、あなたには聞こえるでしょう?」
「聞こえるね」
「聞かないで」
「……参ったな。そんなに可愛いことを言われると……どうにか、なりそうだよ」

 嘘をついた。
 どうにかなりそう、なのではない。
 唇を確かめ合ったときから、既に大方の理性は吹き飛んでいた。
 
 響也の指が、茜の下腹部を経て腿の付け根に伸びた。
「んっ……」
 既にそこは滴るほどの蜜をたたえ、触れただけで水音がする。
 ゆっくりと指を奥に差し入れ、隅々まで探るようにかき回した。
「あぁぁん……や……あっ」
 指の動きに合わせて、茜は全身で反応を見せる。
 漏れる声を抑えることもなく眉間に皺を寄せて耐える茜の姿は、響也の限界をより近くへ引き寄せた。
 指を引き抜き、絡みついた蜜を舐め取る。
 開かれた部分に、今度は限界まで欲をたたえた熱い楔を差し込んだ。

「ああぁっ……」
 最深部を探り当てると、茜の口からひときわ高い声が漏れる。
 動くたびに欲をたたえた楔は蜜にまみれ、締め付けられた。

「んっ……ああっ、もう……」
 
 背中に回った茜の腕から力が抜ける。
 同時に茜の身体の奥に、白濁した理性が吐き出された。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

916:響也×茜6
07/07/17 08:11:35 P4pmuPPa

 茜を腕に抱いたまま、彼女の乱れた髪を指で梳く。
 時折頬や瞼にキスを落とす。
 どれくらいの間そうしていただろう。
 不意に茜が口を開いた。

「明日は、何時の飛行機?」
「ハッキリしないな。引継ぎがスムーズに行けば午前中だと思う」
「………そう」
「寂しいかい?」
 そう訊くと、茜はしばらく考え込むように黙ってから、答えた。
「あたしがそこで"寂しいです"なんて言うと思う?」
「いいね。なかなかクールな答えだ」

 再び唇の感触を探りあった。
 次第に深度を増して、舌を絡める。
 覚めたはずの身体がうっすらと熱を帯びてきた。
 響也は唇を離し、茜の胸元へ掌を滑らせる。
 しかし、茜はその手を押さえて首を横に振った。

「駄目。……この続きは、次に会った時」
「次か。会いに来る暇、あるかな」
「来なかったら、成歩堂さんに抱いてもらっちゃうから」
「それは……酷いジョークだ。ジョークに聞こえない」
「ジョークじゃないわよ」
「……OK。会いに来る。だからそれだけは勘弁して欲しい」
「あ。それからもう一つ」
「何だい?」

 茜は響也の耳元に唇を寄せて、囁くように言った。


「茜って呼んで。響也」



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 それから1年後。
 牙琉響也は日本に帰国することとなる。
 彼の早すぎる帰国には法曹界のトップと言われる人物が絡んでいた。

 紅いスーツとフリルのタイをこよなく愛するその人物を動かしたのは、かつて法廷で戦った彼の旧友だった。
 響也を日本に呼び戻したい理由を尋ねられたその旧友は
「牙琉検事に早く帰ってきてもらわないと、ぼくが茜ちゃんのこと本気で口説いちゃいそうで危険なんだよ」
 などと言った…………かどうかは、定かでない。


(END) 

917:910-916
07/07/17 08:12:31 P4pmuPPa
以上です。

918:名無しさん@ピンキー
07/07/17 08:44:12 oX4zLptb
GJー!!!

「茜って呼んで」ってところがかなり萌えた。

919:名無しさん@ピンキー
07/07/17 11:47:18 6CINVWbg
現在493KB
もう次スレ立てたほうがいいな

920:名無しさん@ピンキー
07/07/17 13:03:01 fyIVUQHk
GJすぎて身悶えた>響也×茜
文章うまいな、下品じゃないのに色気がある。
二人のセリフもらしくて良かったよ!
萌えをありがとう、是非また書いて下さい

921:名無しさん@ピンキー
07/07/17 16:01:21 FIN4JAF4
響茜GJ!!本当に良かった。

次スレたてました。
逆転裁判エロパロ第10法廷
スレリンク(eroparo板)

922:名無しさん@ピンキー
07/07/17 16:31:56 P4pmuPPa
>921
乙華麗に引導!!

>920
ありがとう

923:名無しさん@ピンキー
07/07/17 18:59:00 RPYYr9W1
響也×茜すばらしい…!!
GJ!!

924:響也×冥1
07/07/17 21:01:15 DD19iEUV
狩魔冥は、自分のオフィスのデスクに居た。

革張りの椅子に腰掛けて、長い脚と腕を組み、目を伏せてまつげの影を落としている。
牙琉響也がドアをノックし、ふた呼吸待ってからそれを開けたのに全く気づかないように。
ピクリとも動かない冥に、響也が近づく。
足音は、柔らかなカーペットに吸い込まれる。
デスクの正面に立つと、パソコンのモニターが放つ光でその顔の造詣をはっきりと浮かび上がらせた冥が、目を伏せたまま口を開いた。
「なに」
手を伸ばしかけた響也がぴくりと動きを止め、冥が目を開けた。
「ああ、眠っているのかと思ったな」
手を当てた腰をかがめ、冥の顔を覗き込むようにして、響也は笑った。
「なにを考えていたの、狩魔検事」
「用件は?」
眉根を寄せて、不機嫌そうに冥が聞いた。
「今日、ぼくが扱った審理の報告に。法廷記録を持ってきたんだよ。気にしているかと思って」
冥は黙って片手を出してそのディスクを受け取ろうとした。
響也はそれをすぐに渡さず、ひらひらと振った。
「ちょっと驚いちゃったな。初日の冒頭弁論に入ろうと思ったらさ、傍聴席にあなたがいたからね。この犯人はどんな余罪があるのかと」
響也がディスクを渡さないのを見て、冥は差し出した手を引いた。
「それで?足跡は見つかったの?」
ぐ、と響也が息を飲む。

925:響也×冥2
07/07/17 21:02:07 DD19iEUV
審理の初日は一昨日。調査が不十分で審理は持ち越し、昨日の調査で響也が決定的な証拠を発見し、二日目の今日、その証拠で被告人は有罪判決を受けた。
「今日の審理もどこかで聞いていたの?傍聴席には見えなかったけど」
冥のデスクに遠慮なく腰を下ろし、響也は前髪を指でいじりながら、かろうじて笑顔で聞いた。
「初日の審理で足りなかったのは、弁護側が主張した被告人の現場不在に反証する証拠。現場がぬかるんでいたのに被告人の足跡だけがなかった。だったら、隠れた足跡かそれに変わる痕跡を見つけ出せばすむこと。二日目まで傍聴する必要はない」
いきなり目の前に立って、自分勝手なことをしゃべる後輩に、冥はややいらだって言葉を投げつけた。

もう少し若いころの冥なら、さんざん鞭で打ち据えているところだ。
「・・・・狩魔検事。一日目の審理を聞いて、今日の判決が見えていた、というわけ?」
有罪判決が出て、意気揚々と勝訴の報告に来た後輩検事の鼻っ柱を真っ二つに折って、冥はペンの先で響也を差した。
「被告人を有罪だと判断したから、起訴してるの。有罪判決は下りるべくして下りたのよ。無罪判決が下りたら、それはあなたの力不足でしかないの」
ぽかんとした顔で冥を見つめ、響也はしばらくしてようやく笑った。
「くっくっく、さすがだね。新人検事の講習会で講義をしたときも、そう言ってくれれば良かったのに」
「講義でそんなことを言ったらミもフタもないでしょう。ところで、それを渡す気がないなら出て行ってもらえるかしら。渡す気があるならさっさと渡して出て行って」
「冷たいな。勝訴おめでとうの一言くらいもらえるかと思ってたのにね。どうせ、なにもしていなかったじゃないか」
デスクに腰を下ろし、体をねじって冥を見下ろす。
「あいにくだけど、明日、担当の裁判があるの。審理のシュミレーションをしていたのであって、なにもしてなかったわけではないわ」
冥が立ち上がる。
「・・・それって」
響也が冥を目で追った。
「まさか、裁判の流れを頭の中で追っている、ということ?」

926:響也×冥3
07/07/17 21:03:05 DD19iEUV
「証拠も証言もそろっている。弁護側の主張しそうなこともわかっているでしょう。もう少しで判決が出るところだったのよ」
冥は裁判の前にいつもそうしている。
冒頭弁論をイメージし、証人の証言と弁護側の尋問、それに対してぶつけるべき異議、さらに弁護側の反論。
それらを追っていき、最終的に有罪判決が出るまでのシナリオを作っていく。
ほとんどの裁判は、そのシナリオどおりに進み、冥は勝訴してきた。
相手が、あの弁護士でない限り。
「・・・すごいな」
響也が、素直な感想を述べた。
「さすが検察局始まって以来の天才二世検事だね」。
「検察局始まって以来のサラブレット検事は、結局そのディスクを置いていくのかしら、行かないのかしら」
毎年、新人検事の誰かにその忌々しいキャッチフレーズを考えるのに、事務方はけっこう頭をひねっているらしい。
響也がディスクを差し出し、受け取ろうとした冥の細い手首をつかんだ。
「・・・なんのつもりかしら、牙琉響也」
「いいね。その目。講習会で、演壇から見つめられたときから、そう思っていたけど」
「あなたを見つめた覚えはないけれど」
「見つめていたはずさ」
デスクに腰掛けたままの響也が、つかんだ冥の手首を急に引き寄せ、冥はバランスを崩してその胸に受け止められた。
「思っていたよりずっと華奢なんだね。狩魔検事」
冥は響也から逃れようとして、強い力に抗い、あきらめた。
「年上の先輩に対して失礼な物言いをするのはともかくとして、これはあんまりではなくて?」
「そうかな。ぼくは、7年越しの熱い思いを訴えているだけのつもりなんだけど」
「・・・・・」
冥はもう一度、抵抗した。
「ガリューウエーブにキャーキャー寄ってくる女の子はたくさんいるけど、ぼくはずっとこうしたかった」
腕の中で必死に逃げようとする冥を、さらに力をこめて抱きしめる。
「かわいいだけの子ならたくさんいる。でもあなたのように、ぼく尊敬できる実力がある人は、いない」
抱きしめたまま、響也は冥の顎に指をかけて上向かせ、キスをした。

927:響也×冥4
07/07/17 21:04:02 DD19iEUV
「・・・・!」
首を振って、冥が逃げる。
「だめですか、ぼくでは・・・」
抱きかかえたまま、厚いカーペットに押し倒した。
「いいかげんに、ばかなことは・・・っ」
じゃら、と音がした。
響也は自分の腰からチェーンのベルトをひきぬき、冥の両手首を縛った。
「やめ・・・っ!ちょっと牙琉・・・!」
「大きな声を出さないで。外に聞こえて誰かが来たら」
片手で冥の顎を捕らえ、空いた手で器用に服を脱がせる。
「あなたも、かなり困るよね」
冥の目の前に、はずされた下着をかざす。
「きれいだ・・・」
ゆっくりと、指一本で冥の体をなぞる。
二つの形のいいふくらみをそっと手で覆い、静かに揺らす。
薄桃色の蕾を指で挟む。
「や、やめ・・・」
「まだそんなことを言うのかな、この口は」
響也は冥の唇をふさぎ、奥深くまで進入する。
じっくりと味わいつくし、その間も手は優しすぎるほど緩やかに乳房をもてあそぶ。
深いキスで冥の抵抗を封じ、そのまま耳を甘咬みする。
唇と下でうなじから肩のラインをなぞり、下へ下りる。
蕾を、捕らえる。
冥の体が、びくんとはねた。
舌で周囲から頂点にかけて、ぐるりと刺激する。
何度も、何度も。
片手はもうひとつの乳房を揉みしだき、もう片手は体のラインを確かめるようになでまわす。
単調な動きに、冥が耐え切れなくなるまで。


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