07/04/17 23:42:13 YX2QAS9T
よくよく考えたら,超人系の人達はいてもロボット乗りトの悪の女ってこのスレで
ネフィリルとエフィリルくらいしかいないな・・・
7:名無しさん@ピンキー
07/04/18 08:48:26 sxEUgTme
1スレ目がねえ
8:名無しさん@ピンキー
07/04/18 12:39:15 FlxcUdhn
1乙!
9:名無しさん@ピンキー
07/04/18 13:17:37 LRH+Q0Eq
初代
悪の女をつかまえて
スレリンク(eroparo板)
10:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:44:58 LZUqTnE4
>>6
版権ものでよければ。
これは別スレに投下したものなんだが、こっち向けだろうし、新スレ祝いもかねて再投下。
ゲッターロボ(原作準拠)の竜馬+ガンダム0083のシーマ。
エンジンに火が灯ったあたしの新しい愛機、ガーベラ・テトラが勢い良くゲートを飛び出していく。
ちょっと前に裏取引でかっぱらってやったこの機体は、ゲルググも凌ぐ機動性と高い火力で敵を圧倒できる、あたし好みのマシンだった。さすがに元々ガンダムとして設計されただけのことはあるさね。
あっちこっちで爆炎が広がる、漆黒の戦場にあたしは放り出されていく。だけど、本気でドンパチなんてやるつもりはない。所詮デラーズなんてジオンの残党なのさ。元より勝てもしない戦争をしかけた馬鹿なやつら。
あたしはこんな所で朽ちるつもりはないね……仲間はみんな死んじまった。だけど、どんな手を使ってだって生き延びてやる。
「どきなぁっ!」
雑魚がぽろぽろとあたしの前に降ってくる。ふん。旧式風情が、地獄の苦しみも味わった事のない連中が……ガーベラに、そしてあたしに勝てる訳がない。ビームマシンガンを軽く掃射してやれば、すぐに爆炎の仲間入りだ。
だけど、あたしの大博打を全てフイにしてくれるヤツが迫ってくる。敵も味方も見境無く破壊してまわる白い巨体、ガンダム戦艦みたいなやつ。
そうだ、あいつはガーベラと兄弟の、ガンダム三号機……! あたしは怒りのあまり、なかば無意識にさけんでいた。
「あんたはどっちの味方なんだい!!」
そして、あたしは迫る三号機の長い砲身に貫かれて死ぬ……はずだった。怨嗟の叫びをあげながらも、最期を感じたあたしはその目を閉じた……
が、いつまでたっても意識はブラックアウトしない。それどころか無線から妙な声が聞こえてくる……なんだ? 一旦は閉じた目を開いた、その時だった。
「おおおぉぉらあああぁああぁッ!!」
「!?」
ど……どこから現れた!? 地の底から響いてくるような雄叫びと共に、あたしの目の前に、真っ赤で巨大なモビルスーツが……いや、大きさからしてモビルアーマーか?
よくわからないが、頭から角を生やしてマントを付けたふざけた格好のそいつは三号機に迫ると、でかい拳で思い切り殴りつける! 勢いよく吹っ飛ぶ三号機。
「な……なんてパワーだ!」
思わず叫ぶあたし。三号機の質量は半端じゃないはず、それを片手で……あり得ない。
あんな動きが出来るのは機動兵器の類なんかじゃない、あれは……だとしたら、なんだっていうのさ!? 赤い彗星の亡霊とでも言うんじゃないだろうね!
三号機は突然の乱入者に焦ったのか、少し距離を取るとミサイルを次から次へと打ち出してきた。まずい、あの赤いヤツやられるぞ……!!
そう思ったが、あたしの予想は完全に外れた。驚いた事に、赤いヤツはマントで身を包むとミサイルを防いじまった……動きもしない。あんな布切れがなんでミサイルを防げるんだ!?
あたしの疑問なんかそっちのけで赤いヤツはとんでもない加速で三号機に近づいて、豪快に回し蹴りをぶちかます。
その一撃をもろに食らった三号機は姿勢制御もままならず、あっという間に吹き飛ばされていった……。
真空だからすぐには見えなくならないけど、でかい三号機にあっという間に敵が群がっていくのがよく見えた。こっちに再び来るには邪魔が多すぎて、もう無理だろう。
あまりの呆気なさに、あたしはしばし呆然とする。
けど、実のところそんな暇はなかった。赤いヤツが、今度はあたしの方に振り向いたのだ。さっき以上の恐怖があたしを支配する……!
「う……うぅ、来るんじゃないよ! 畜生ー!!」
あたしはビームマシンガンを撃ちまくって赤いヤツを近づけまいとするが、ミサイルすら跳ね返すヤツにこれが通用するはずもなかった。ほぼ一瞬であたしに肉迫してくる……クソ、死ぬのがちょっと遅れただけかよ! ふざけんじゃない!!
そんな事を思ったすぐ後だろうか、機体に加わる衝撃と共にあたしの意識、は……。
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11:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:48:12 LZUqTnE4
頭が重い。そして何だか蒸し暑い。
あたしは死んだのだろうか。あの世なんざ信じちゃいなかったが、こりゃやっぱり……
「お、気が付きやがったな」
「え……?」
地の底から響いてくる様な声に、あたしの意識は覚醒してくる……今、あたしに意識があるって事は、つまり助かったって事か……けど、なんだここは。なんか、やたらと硬い地面に転がされてる様な感覚がするけど……
「そ、そうだ!」
そこまで思って、意識が失われる前の記憶が鮮明に蘇る。それに突き動かされてがばっと飛び起きた、あたしの視界に飛び込んできたものは―!
「ひ!」
情けない、このあたしが悲鳴を漏らすなんて……それでも漏らさずにはいられなかった。あたしの目の前には、ぼろぼろになったロングコートを羽織り、血の様な色のマフラーを巻いた長身の男がいたのだった。
そいつの釣り上がった目は殺気すら漂い、その鋭すぎる眼光であたしを射抜く。見れば、すぐそばにさっきの赤いヤツが座る様にして置いてあった。恐らく、あれのパイロットはこの男なのだろう……。
無言で佇む男に対して、長いこと続けた海賊生活で培った感覚が警鐘を鳴らす。こいつは危険だ!! と。不本意だけど、あたしは男をあまり刺激しないように、できるだけ下手に切り出すことにした。
「な……なんだかよく解らないけど、あ、あたしを助けてくれたのかい? あんた……」
何が助けてくれたのかい、だ。くそ。自分の言葉に虫唾が走る。それが弱弱しく聞こえたのか、ヤツがあたしの方に寄ってくる……嫌な予感がする。ち、男ってやつぁこれだから。
しかし男は開口一番、
「お前に聞きたい事がある。ここはどこだ」
「は?」
突飛も無い質問をする……犯されでもするかと思ったが、しかしヤツは突拍子もない事をあたしに聞いてきた。
ここがどこかだって? あんな派手に戦場に飛び出しておきながら、頭がおかしいのかこいつは。
男はあたしの反応をじっと待つ。……どうやら、あたしをとって食おうって気はないようだ。だけど、あの殺気は間違いなく本物だ。
もし、うかつな事を喋ればあたしの首は次の瞬間に胴体から切り離されているだろう。言葉を選んで答えなきゃあ。あたしはおずおずと切り出した。
「な……なに言ってんだい、あんた。ここで連邦とデラーズがドンパチやってんのは、あんたも知ってるだろう」
「知らん。いいから答えろ、ここはどこだ」
「……月と地球はわかるだろ。その中間の宙域さね。でも、ここは……空気があるってことは、どっかのコロニーにでも紛れたのかい」
「やはり、ここは地球か。とするなら……ここはパラレルの宇宙か」
かみ合わない会話を交わした後、男は変な独り言をつぶやく。なんなんだこいつは? こんだけでかい戦争やってる事もしらずに宇宙に飛び出す馬鹿なんて、聞いたこともないよ……。
って地球だって!? ……よく見てみたら、あっちこっちにコロニーじゃとうていお目にかかれない様な、シダ系の植物がうっそうと覆い茂っている。
まさか……
「ちょ、ちょっと聞いていいかい」
「なんだ」
「さっきまで、あんた宇宙にいたよね」
「ああ。ついさっき地球へ突入した」
12:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:48:54 LZUqTnE4
めまいがする。あそこから地球までどれだけ離れていると思っているんだ! ついさっき、だって? よくみれば、ボロボロになったガーベラ・テトラの残骸らしきものが赤いヤツの傍らに転がっていた。
どうやらガーベラを抱いて大気圏に突入したらしい。
(ふ。よく生きてたもんだね、あたし……)
いやそれより。もうひとつ、聞かなきゃならない事がある! 星の屑のことだ!
「ねえ、ならコロニーは……あの円筒形の物体は? 地球に落ちようとしていただろ?」
「あのデカイやつか。邪魔だからぶっ壊した」
「……」
めまいの次は何も喋れなくなった。絶句ってやつさね……この男、嘘は言ってない。目をみりゃあ解る……無茶苦茶だ、無茶苦茶すぎる。三号機を吹き飛ばしたかと思ったら、今度はコロニーまで吹き飛ばしただって?
クソ親父共があれだけこだわった星の屑も、こいつの邪魔だからの一言で失敗に終わったわけだ。
だけどそう思ったら、むしょうにあたしは笑いたくなってきた。
「そうかいそうかい……くっくっく……ははは、アッハハハッハハハ!!」
ざまあみろ。
大儀だのなんだのと、薄っぺらい正義なんか掲げやがって。それが邪魔だの一言で全部潰えた! これほど愉快なことが他にあるもんか!
一人笑いまくるあたしをじろりと睨むと、男がひとりごちた。
「なんだ急に笑いだしやがって、気味の悪ぃヤツだ」
気味悪いのはあんただよ……そう突っ込みたいのをぐっと抑えて、あたしは笑いながらもこいつに名を尋ねてみる。これだけ無茶苦茶な事をやる男の名、ぜひ知っておきたい。
それによく見りゃあ、凶悪だけど、なかなかいい男じゃないか。それに、あたしより背が高い。
「ハハハハ……いや、悪いねぇ。ねぇあんた、もし良けりゃ名前を教えておくれよ。あたしはシーマ・ガラハウってのさ。どうせ知らないだろうけどね」
「流竜馬だ」
「そうかい、あんた竜馬っていうのかい……」
そこまで言いかけた時だった。
「誰だ!! そこで何をしている!?」
「何っ!」
茂みの奥から、軍服を来た人間がライフルを構えてこちらへやって来る。あの服は連邦のものだ……って、ちょっと待ちなよ、なんでこんなジャングルみたいな所に連邦兵がいるんだ!
だけど、あたしが反応して動く前に竜馬のやつはすでに駆け出していた。ちょ、ちょっとお待ちよ!
「うるせぇ!」
「ぐわっ!!」
竜馬は兵士がライフルのトリガーを引く前に、とび蹴りを食らわせた。強烈な一撃。屈強なはずの兵士がさっきの三号機みたいに吹っ飛ばされる……やっぱりあたしの勘は正しかった。
あの赤いヤツが凄いだけじゃない、竜馬も常識ハズレの戦闘力がある!
その竜馬があたしの方に駆け戻ってくる。
「成り行きでおめえを助けちまったが、どうもこの辺りもキナ臭え。俺はもう行くが、おめえはどうする?」
あたしは成り行きで助けられたのか……いや、確かにそれ以外に助かる理由も思い浮かばないが。
「どうするって言ったって、あんたが連邦兵を蹴り飛ばした以上はあたしも敵だって認識されるに決まってるじゃないかい!」
あたしに助かるための選択肢はひとつしかない。連邦との取引が失敗した以上は、いまさらノコノコと出て行ったって撃ち殺されるのがオチさ。
するとそこまで考えた時、あたしは今いる場所の見当がついてきた。
うっそう茂る植物ばかりのジャングルみたいな場所に、ゲリラでなく正規の連邦兵が巡回していた……そんな場所は、地球がいかに広いっていったって、一箇所しかない。
13:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:49:34 LZUqTnE4
「あんたと行くよ……今気づいたけど、あんたとんでもない所に着陸したね!? ここ、ジャブローじゃないか!! よく迎撃されずに……いや気づかれずに来れたもんだよ!」
「ごちゃごちゃうるせえ! もうおめえのマシンは使えねえぞ。助かりてぇならとっととゲッターに乗れ!」
竜馬が赤いヤツを指差す。
「げ……ゲタ?」
「そうだ、ゲッターロボだ!」
あの、赤いヤツはゲッターロボっていうのか。なんてネーミングなのさ……いや、今はそんな事どうでもいい。あのメカがとんでもない戦力なのはよく解る! あれに乗りゃあ、助かるかもしれない!!
「の、乗るってどこに乗りゃ良いんだい!」
「よじ登ってジャガー号に……胴体の白い部分のハッチを開けて乗れ。レバーを引っ張りゃ開く!」
なんて乗り方だ……だけど、四の五のいっちゃいられない。ここはジャブローだ、ぐずぐずしてたら連邦軍に囲まれてお陀仏さね。あたしは重く感じる体に鞭を入れてゲッターロボをよじ登る。
竜馬はといえば……飛び跳ねる様にして、一番高い頭の部分に達していた。コクピットが複数あるのか? いや、そんなことより人間じゃないよ、ありゃ……バッタか!? くそ!
あたしはなんとかよじ登りきると、でかでかと設置してあるレバーを引っ張った。竜馬の言葉通り、煙が噴出してコクピットハッチが開け放たれる。そして、無我夢中でその中に飛び込む。
中は、一昔前の宇宙船のようなコクピットになっていた。だけど、操縦系統は全然違う。変な操縦レバーみたいなものが、数本とスイッチがある以外なにもない。こんなんで操縦できるってのかい!?
もう、訳がわからなくなってきた。だけど、竜馬はそんなあたしなんざ気にも留めずゲッターロボを発進させる。
「ゲッターーーッウイングッッ!!」
……なんで発進するのに叫ぶんだ? あたしの当然の疑問は、しかし飛び上がったゲッターの強烈な加速に打ち消される事になる。
「うっ……うぁっ!? な……な、んだぃ、こ……りゃあ!!」
あたしの体がシートに張りつけになる。加速のGであたしの体が悲鳴をあげ、呼吸をする事すら辛くなる。
脳みそがどうにかなりそうだ! ガーベラ・テトラの加速が凄いとか、そんな次元じゃない。こいつは……このマシンは、乗り手の事なんか全く考えちゃいない!
ただ、加速だけを追い求めて暴力的な動きを実現する、そんなマシンだ。
とんでもないものに乗り込んじまったよ……これを作ったヤツがだれだか知らないけど、そいつは絶対にキチガイだ!! 畜生、一難去ってまた一難だ!
派手に大空へ舞い上がったゲッターに、さすがに感づいたのか連邦軍の戦闘機がゲッターに向かってくる。
「シーマぁ! 操縦桿をきっちり握ってな! いくぜ、ゲッタートマホゥーークッ!!」
コクピットの中からはよく解らないが、どうやら武器を持ったらしい。
ザクのヒートホークみたいなもんか……だけど、威力が桁違いだ。ゲッターはまるでUFOみたいな動きで空を飛び回って、近づいてくる戦闘機を次から次へと斬り捨てていく。
あたしはそのたびに走る衝撃に耐えようとしたが、根性や精神力とかでどうにかなる様なヤワなもんじゃない。容赦のないGに、あたしは何度もゲロをぶちまけてしまう。
朦朧とする意識の中で、おもわず竜馬に抗議をする。
「げぼっ……畜生、女が乗ってんだからも少し丁寧に扱っておくれ ぶぼっ……よっ!」
「おっ。まだ意識があんのか、やるじゃねえか! さあ、こんな所からはとっととずらかろうぜ!」
しかし、あたしの抗議なんかまったく相手にしない竜馬は、目の前の戦闘機真っ二つにすると、方向からして極東の方へ進路を向けてゲッターを旋回、加速させる。
誰も追いついてこられない。化け物だ……ゲッターも、竜馬も。
またしても薄れ行く意識の中で、あたしはこんな人間とばかり付き合わなければならない己が運命を呪っていた……。
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14:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:51:07 LZUqTnE4
次に目を覚ました時、あたしはベッドの上に寝かされていた。周りを見回してみたら、木でできた小屋みたいな場所……竜馬の姿は見えない。……衣服にも乱れはない。
二回とも、何もされなかったか……野獣の様な男に見えるが、あれでなかなか紳士的なのか、それとも女に興味がないタイプか。
それはそうとして、喧騒が一切消えて完全な孤独になった空間に、あたしはなんだか不安に駆られてベッドを飛び起き、外に出て見る。
すると……
「うわっ」
私の目の前に、いや、眼下に深い雲海が広がっていた。山々の間にたちこめて、下界の様子などなにもわからない。夕日に照らされたそれは、ただ幻想的で荘厳な美しさをたたえていた……思わず、なにもかも忘れて魅入ってしまう。
……ここは、どこかの山頂か何かか? ふと、意識が向いた方を見てみると、あいつがいた。雲海を見下ろしてなにか物思いに耽っているようだ。風にたなびくマフラーがやけに似合う。
なんだ……戦争狂かと思ったら、あんな風情もできるんじゃないか。
ずっと非人間的な状況に置かされていたあたしは、そんなことで少しばかり緊張の糸を解くと、ふとして竜馬もあたしに気づく。
「やっと起きたか」
竜馬はあたしに背を向けたまま言った。もう少し労ってくれても良さそうなもんだがねぇ……それにしても、あたしはこの男に興味が沸いた。
こいつの事をもうちょっと深く知ってみたい。あたしはそれを尋ねてみることにした。
「あ、ああ……ねえ、竜馬。ちょいと聞かせておくれよ……あんた誰だい? ゲッターなんて化け物をあたしは知らない。
あんたみたいな馬鹿げた強さの男も見たことがない。まさか宇宙人だっていうんじゃないだろうね」
「俺をインベーダーと一緒にすんな! 俺は流竜馬だ!」
「お、怒りなさんなよ。悪気はないんだからさ……地球人なのは間違いなさそうだね。じゃあ、あんたの目的は? 嫌なら喋らなくていいよ」
「……俺はゲッターの見せた未来と戦ってるだけだ」
ゲッターの見せた、未来? なんだそりゃ、あのマシンには占い機能でも付いてるってのか? ……ってこんな男が、占いなんかに耳を傾けるわけはないよねぇ。あたしはけっこう好きだけど。
「ゲッターの見せた未来ってなにさ」
「俺はこいつに乗って未来へ行った。だが、その未来を俺は認めねぇ。だから戦うだけだ」
は? 未来へって……タイムマシンなのかこれは!? 妄想とか幻覚を見てた可能性はあるかもしれないけど、どこまで常識を破れば気がすむんだ、こいつら!!
「ちょ、ちょっと待っておくれ。話が飛びすぎでわかんないよ……もう少し、じっくり話してくれないかい」
「うるせぇな。おめえにこれ以上話しても理解できねえよ」
「そんな事を言わないでおくれよ。何も知らないけどさ、あんたがゲッターに導かれたんだとしたら、あたしを助けたのも、なにか意味があるんじゃないかい? あたしも知る必要があると思うんだけどね」
「……」
よし、話術ならあたしの方が一枚上手みたいだね。もっとも聞いてくれれば、だけど……。
・
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その後、竜馬は存外色々な事を話してくれた。一番最初、カラテであちこちの道場を潰して回っていた時、ほとんど拉致同然にゲッターのパイロットにされた事。
ハ虫人類って化け物と人類の種族の生存をかけた戦争の事、まさしく書いて字のごとく「鬼」との戦いの事、スペースノイドとかとは違う、正真正銘の外宇宙からの侵略者との戦争の事……
そして、その果てに人類を取り込んだゲッターと自分が、宇宙を支配する未来を見た事。竜馬は意外なまでに饒舌に自分のことを喋ってくれた。
どの話も宇宙世紀の時代じゃ、おとぎ話としてしか捉えられないようなものばかりだったが、あたしにはこいつが嘘を言っているようには見えない。
というよりも、この竜馬って男がそんな冗談を考えるほどの独創性がある様には到底、思えない。
15:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:54:54 LZUqTnE4
「……」
あたしはじっと、竜馬の顔を見る。……今まであたしは、世に受けた仕打ちに対する恨みを糧に生きてきた。あたしなりの生存競争のつもりだった。
自分が経験してきた事だって生半可な事じゃあないはずだ……人間扱いなんて、された事もなかった。
だけど、目の前のこの男の経験は。竜馬が辿ってきた記憶の味と、これから立ち向かわなくてはならない未来の出来事の重みは何だ。
終わらない戦いを続け、果てには自分が人類の支配者となり、さらなる脅威と戦うために同族をも殺し合わさせて吸収する。
死ぬこともできず永遠の戦いを繰り広げるなんて未来を知っていながら、それでも竜馬は戦うというのだ。
こいつは……いや、この人は、あたしなんかとは格が違う。
G3ガスであたしはコロニーの住民を虐殺した。知らずだったとはいえ、当時のあたしはひどいショックを受けた。今だって思いだそうとすれば、吐き気がする。
それからは汚れ仕事こそが天職と自分を騙して、戦い抗う事から逃げ続けたぐらいにね。
だけど竜馬はその何千倍も過酷な運命に、果敢に戦いを挑んでいる。下らない大儀だの正義だのの為じゃない。ましてや他人の為でもない。ただ、生きるという意味だけに向かって竜馬は戦い続けるんだ、それが永遠だとしても。
一度だけゲッターから逃げようとした事もあったらしいが……あたしだったら、そんな経験をすれば二度と立ち直れないだろう。
凄いよ……流竜馬、あんたって人は。
あたしは竜馬の人としての強さに驚愕すると同時に、強く惹かれはじめている事を感じた。今まで出会ってきた男にも、いくらか悪くないヤツらはいたが、衝撃を受けるほどの人間はいなかった。
だけど彼の生き様、覚悟、肉体がまとまって出来た強さは半端じゃない。彼ならたとえこの世の全てを敵に回したとしても、諦めることなどないだろう。
その様を想像して、体に震えが走る。
きっと、こんなにも強く、そして生きる事に純粋な人間は二人といやしない。はん、格好つけすぎだっての……。
だから、あたしは少しばかり、竜馬の疲れを癒してやりたくなった。いくら強いっていったってそれだけ長く休みもせずに戦いつづけてりゃ心身ともに疲れるはず……いや。
もしかしたら、この男に疲れなんてものはないかもしれない、あるのはあたしの自己満足だけ。だけどそれでもいいさ、あたしゃ惚れたんだよ!
そう思ってからは、あたしの行動は素早かった。後ろを向いている彼の大きな背中に擦り寄ってやる。ぼろぼろのコートは汚くて臭かったが、のぼせちまったオツムには、それすらも彼を引き立たせる道具にしか感じない。
「おい……」
何をしてる、といわんばかりに抑揚の低い声と共に頭だけをこちらに振り向かせる竜馬。何度見ても凶悪なツラだね……だけど、今ならそんな顔も最高の男の顔に見える。
さっきまでは話術じゃあたしの方が一枚上手だなんて思っていたが、竜馬にはそんなもの通用しやしないだろう。
論理的にじゃなくて、本能的に見破られちまう様な気がする。だからあたしは素直に答えることにした。
「あんたの話を聞いてたら疲れちまったよ。ちょっと……休ませてくれないかね。何、あんたにも悪い思いはさせないからさ……」
「俺は遠慮しねえぞ」
ふ、朴念仁じゃないみたいだね。あっちの趣味だったらどうしようかと思ったよ。
「いいよ……。あんたほどの男だったら、まんざらでもないさね」
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竜馬を連れ添って山小屋の中へ戻ると、あのロングコートを脱がせてやる。
さすがにこれを着られたままだと、邪魔でしょうがないからねぇ。だけど中の服も真っ黒で、色気もそっけもあったもんじゃない。この人の性格がよくわかる。
「まあ楽にしとくれよ」
竜馬をベッドの方に導くと、あたしも上着を脱いで、その隣にもたれ掛かるようにして座る。
しかし、いい体だねぇ……こんだけ分厚い服の上からでもわかるよ。屈強だったあたしの部下たちも彼に比べりゃひよっ子に思える。
あたしは竜馬に軽く微笑みかけると、両腕を彼の右腕にからませ顔を近づけて言う。
16:名無しさん@ピンキー
07/04/18 21:56:22 LZUqTnE4
「あんたも、もうちょっと寄っておくれよ」
キスの誘い。竜馬はしばらく怖い顔のままでいたが、ふっと一息ついたかと思うと、私の方に体を回してきてぐいっと押し倒す。ロマンティックなキスをするつもりなんて無いみたいで、そのままあたしの唇を奪った。
あたしはそれに抗わず、彼が求めてくるままにされる。また、時にはあたしが望むままに、お互いの唇を貪りあう。さあて……楽しい時間の始まりだ。
しばらくキスを楽しむと唇をゆっくり離す。そしてベッドの上でぐるんと回ると、今度はあたしが上になる。
竜馬には微笑みかけたまま、左腕をその股間にやって、服の上からモノをやんわりとマッサージしてやる。するとぴくんと反応する、彼のモノ。
「ふっふふ、さすがに大きいねぇ……」
「あたりめえだ」
ったく自信家め……まあ、あたしも人の事はいえないか。袋と竿の半ばあたりを中心に、全体をゆっくりと揉むようにしてマッサージを続けると、すぐに血液が満たされてさらに大きくなっていくのを感じる。
「さて、もう良いかねぇ?」
そう言って、あたしは竜馬のズボンに手をかける。ベルトの封印を解いてチャックを下ろすと、ブリーフごと一気に下の方にずり下げてやる。
すると、ぶるんとデカイのがあたしの目の前に現れた。鼻にむわんと男の臭いが染み付く。あんまり洗ってないね……しかし、ふふふ……たまんないねえ、この香り。
「こりゃあ、掃除してやらにゃならないねぇ……ふふ、汚れ役はこのシーマ様にまかせな」
にやりと微笑むと、竜馬のでかいモノをずるずると飲み込んでいく。っく、ほんとにでかいねこりゃ……ちょいとばかしオーバーサイズのモノをあたしの口いっぱいに含むと、そのままゆっくりとストロークを開始する。
緩急をつけて、じゅるじゅると吸い上げる。たまにちゅぽんと口から出すと、ベロで鈴口の方を攻めてやり、また口に含んで愛撫する。順番を変えたり速度を変えたりしながら、じわじわと竜馬の大事な所を攻め立ててやる。
たぶん、こんな人だから女と寝る事なんてほとんど無いだろう。戦いの連続で、呑気に寝技を楽しんでる暇もないから、溜まる一方なはずさ。それが証拠に、少し愛撫を続けてやったらもうピクピクしてきた。こりゃあ相当かもね……。
「っふふ、もうイッちまうのかい? いいさ、どばっと出しな。全部うけとめてあげるよぉ……」
「く……」
妖しく誘いかけてやると、さすがの竜馬も我慢できなくなる。顔を歪ませながらウッと呻いて、あたしの口の中で溜め込んだ精液を一気に噴出した。
うっ、すごい、量が半端じゃないよこれ……あたしもあたしで、次々と注がれる生暖かくて苦い液を飲み干していく。
「ぷはぁ」
ずいぶんと長く感じた射精が終わると、まだビクビクと余韻を残しているモノからゆっくりと口を離していく。
離す瞬間に口をすぼめて舐め取ってやったつもりだったが、それでも残ったのがつーっと糸を引いて滴り落ちる。まだモノはいきり立ったままだ……最後に先っちょにキスをしてやる。
「ふっふっふ……見たとこ、あたしとそう変わんない歳に見えるけど元気だねぇ」
「へっ、そう簡単にゃへばらねえよ。さて、今度は俺の番だぜ」
竜馬はそう言うと、あたしの服に手をかける。あの性格だから破られるかと思ったけど、案外ここでも紳士に脱がせてくれる。ああ見えて結構、優しいんだねぇ。ちょいとばかり嬉しくなる。
そうしてすっかり丸裸にされるあたし。年齢なりに、ぜい肉も出来た体が露わになる……今更、生娘みたいに恥らったりゃしないが歳を重ねたくないとは思う。
竜馬の方もだいぶ気分がのってきたみたいで、今度はあたしを下に敷くと、胸にごつくてでかい手を伸ばしてくる。
スタイルにゃまだまだ自信があるからねぇ、たとえ竜馬だろうと、男ならこの体に欲情しないはずはない。
あの竜馬を、そこだけでも手玉に取れると思うと面白くて仕方ない。普段は、スケベ親父の胸への視線とかが付きまとってうざいったらありゃしないけど。
ちょっと乱暴に胸をマッサージする竜馬。だけど痛くはない、ほどよい痺れがあたしに官能を味わわせてくれる。意外とうまいじゃないかい……。
「うぅん……んんっ」
つい、声が出てしまう。まあここなら誰に聞かれる事もないし、大声あげても構やしない。
竜馬はしばらく胸の感触を楽しんだ後、太い腕であたしを抱きすくめると、また唇を奪う。今度はあたしも負けじ竜馬を抱きすくめてやる……ええい、服が邪魔だねぇ!
17:名無しさん@ピンキー
07/04/18 22:01:23 LZUqTnE4
「ち……ちょいとお待ち! あたしだけ丸裸なのはずるいよ、あんたもひん剥いてやるっ」
「お、おいっ」
そういって竜馬をどんと押すと、無理やり彼の衣服を剥いで行く。なんか、あたしの方が余裕がないみたいだよ……。息も荒い。畜生、これじゃ恋する生娘だ。
ぱっぱと服を脱がすと、竜馬もまた生まれたままの姿になる。……ひゃあ、想像してたのよりはるかに逞しいね。あたしはひょろっとした男なんか嫌なんだ。
こういう、男の強さを全身で感じさせてくれるようなのが好きだ。そのあたり竜馬は満点に近いねぇ。ああ……もう、なんか、ゾクゾクしてきたよ……!
「ふ、ふ……いいねぇ、いいよ。さすがあたしが見込んだ男だ」
「見込んでくれって頼んだ覚えなんか無いぜ」
「うっさいねぇ、ぶつよ?」
「おお、怖え」
この期に及んでへらず口をきく竜馬の唇を塞ぐ。ここまできたら、きっといつもあんたがやってる様に、本能に任せて突き抜けりゃいいのさ!
「さあて竜馬、ちょいと早いけどあたしはもう準備できてるよ。そのでかいのをブチこんでおくれよ……」
「ああ……」
仰向けになると、浅ましく股を開いて誘う。竜馬の方も準備は万端なようで、すでに我慢汁の溢れているモノを抑え付けて、あたしの方へ屈んで来る。そうそう、そのまま来ておくれ……ひとつになろうじゃないかい。
ゆっくりと、竜馬が近づいてくる……。
「うぅっ」
「あ、あぁぁ……ッ!」
お互いに潤滑油は十分、ちょっとキツかったが、にゅるんと竜馬のモノを飲み込む。久しぶりの充足感さねぇ……ふふふふ。
ほんの少しの硬直時間を経て竜馬が腰を前後し始める。前後するたび、でかい上に開いたカサがあたしの内壁をかきむしる。移動するたびに電撃を食らったかの様な痺れがあたしの全身を走り抜ける……!
いよいよ我慢できなくなったあたしは、一回突かれるたびに、あられもなく嬌声を上げまくる。
「あぅ、ああっ、ぅひぃっ」
呻く声と、嬌声が入り混じる中、にちゃにちゃと粘液が混ざる音を立てながら雄と雌がよがり合う。こうなったらもう、後は最後の一瞬に向かってまっしぐらさ。お互いに抱き合ったまま、ただひたすらに快楽を貪りあう。
突いて、引いて、突いて、引いて、突いて、引いて……延々と昔のレシプロエンジンみたいな運動を続ける。もちろん、その回転数は快楽の上昇と共にどんどん上がっていく。
竜馬の息が時間が経つにつれて荒くなっていく。あたしの喘ぎ声も、それと同じくして甲高くなる。そうして最後にはオーバーフローして中にいやらしい液をぶちまけるのさ。
あたしはよだれを垂らしたままの口でそれを竜馬に懇願する。
「あっ、あんっ、うっ、り……竜馬ぁ」
「な……んだっ」
「い、イクときゃ中でさ……だ、出しとくれっ……」
「本気……か?」
「アァッ本気だともさ。あんたが……いなけりゃ、無かった……あんっ。……命さ」
そこまで喋ったら、もう会話はなかった。濁流の様に押し寄せる官能の波に飲み込まれながら、あたし達はほぼ同時にイキ合う。
全身が痙攣し、そして体内に熱い液体がびゅくびゅくと注がれてくるのを感じながらエクスタシーを味わう。
頭が痺れちまうよぉ……!
「う、うぅっ……」
中で締め付けられながら、弾丸を撃ち尽くした竜馬があたしの上へ倒れこんでくる。ちょっと……重いけど、彼の匂いがあたしの嗅覚を支配する。匂いに酔っちまいそうだ。ふふふ……悪くないねぇ。
そしてお互いに息を切らして、絶頂の余韻に浸りあう。
「ふ、ふふふ……気持ちよかったよ……」
「ああ……俺もだ」
そうして、しばらくあたしと竜馬は裸のまま小さいベッドの中で横になっていたが、ふと竜馬が何かに気づいた様に起き出して、身支度を始めた。
なんだい、終わったらもうそれかい? 風情がないねぇ……と思ったが、その表情を見て下らない考えを打ち消す。
18:名無しさん@ピンキー
07/04/18 22:02:53 LZUqTnE4
「竜馬……? どうかしたかい」
さっきまでの酔いっぷりをどこかに吹き飛ばし、竜馬の目が鋭くなる。そしてあたしの方を向いて、
「シーマ……服を着ろ。急げ」
と、短くいった。
「え、ええ?」
「早くしろ!」
ええい、なんだってんだい。だけど、この男の野生の勘が鋭いのは承知している。
あたしはそのまま従って脱ぎ捨てた服を着始める。あっちこっちに付いた粘液が邪魔だけど、なんか急いだ方がいいみたいだし、この際我慢してやるさ!
あたしが着替え終わる頃には、竜馬は外に飛び出して分離状態で置いてあったゲッターの赤い……イーグル号って竜馬はいってたね。それに乗り込んでいた。
あたしも白いやつ……ジャガー号だったか。それに駆けていく。
「竜馬!」
「敵がくるぜシーマ!」
「は、風情が無い奴らだねぇ!」
まあ、あれだけ派手にジャブローで暴れたんだ。どれだけ逃げても、血眼になって探すよねぇ。そりゃあ……。あたしも急いでジャガー号に乗り込む。
自動操縦でも良かったが、少し竜馬に教えてもらったのと、何度か自動で動かした操縦系統の記憶をたよりに手動で発進させる。
……よし、うまくいったよ! ふん、伊達に海賊をやっちゃいないのさ。強烈な加速を伴って三機のゲットマシンが発進する。ったく、滑走も要らないってんだから恐れ入るよ……そして竜馬が叫ぶ。
「チェーーーーンジ! ゲッタァーーーッワンッ!!」
モニターの合体ガイドに合わせてゲットマシンを操れば、衝突するみたいな合体を経て、三機の戦闘機がゲッターロボに変形する。まったくもって意味不明なシステムだ。
だけど……慣れてくりゃぁなかなかどうして、スリルのあるマシンだ。悪くないねぇ。
見れば、爆撃機が遠くの方にいた。ありゃ連邦のフライ・マンタだね……ゲッターはそっちの方に凄い勢いで飛んでいくと、トマホークを取り出して放り投げる。
回転が加わったトマホークは、次々とフライ・マンタを破壊すると、まるでブーメランみたいにこっちに戻ってくる。戻ってくる様な形状、してないんだけどね……もう原理を追求するのはやめた。
少し慣れて余裕もできたあたしは、竜馬に叫ぶ。なに、邪魔にはならない。あの程度の敵は竜馬なら目ぇつむってても倒すだろうさ。
「ねぇ、竜馬ァ!」
「なんだぁ!」
「子供の名前決めといておくれ!」
その叫びで一瞬、ゲッターが高度を落としたがすぐに持ち直す。
「……拓馬だ! おい、もう余計な事いうんじゃねえぞ!」
「あたしはあんたに付いていく事にしたよ。嫌っていったって付いていくさねッ」
「勝手にしやがれ! いくぜ、ゲッターッビィーーームッ!!」
竜馬は、ゲッター線には意思があると言っていた。……どうやら、あたしもゲッター線の意思とやらに見込まれちまったのかもしれないねぇ。そうでなきゃ、あの場にどうして竜馬が突然現れたのか説明できない。
だけど一度は落としたこの命、どうせならでかい物に掛けてみたいね。
どこまで付いていけるか解らないけど、あたしも竜馬とゲッターの行く末を見届ける事にしよう……。
「竜馬、モビルスーツが来たよ!」
「なんだそりゃあ?」
「ああもう! あたしに代わりな、あいつらにゃキッチリ落とし前をつけないとねぇ!」
「ほう、もう操縦を覚えたか? ならやってみな! オープン・ゲェット!」
「よし来た、いくよ! チェンジ! ゲッターーツゥッ!!」
END さるさん規制ギリギリ?
19:名無しさん@ピンキー
07/04/18 23:41:55 sxEUgTme
グッドジョブ
20:名無しさん@ピンキー
07/04/19 10:04:02 sPFMNKqt
GJ!
21:名無しさん@ピンキー
07/04/19 21:34:40 QpqqHCHX
シーマ様ktkr!
やっぱ熟女な悪女良いw
22:名無しさん@ピンキー
07/04/20 00:57:39 0L77+z4I
GOOD JOB!!
スパロボでFに出てきた
ゲストで眼帯つけてる名前忘れた女をリクエスト
23:名無しさん@ピンキー
07/04/20 14:21:42 E+XIrJub
GJ!
だけど毎回思うんだが、シーマって悪女か? 悪の組織の女とも、ワルな女とも
微妙に違っていると思うんだが。
裏切る相手も裏切られて当然の屑だし。連邦軍の後のジャミトフ派と組んだ事だけは
いただけないが、基本的には国家の都合で陥れられてそこから抜け出そうと必死で
あがいていただけだしなあ。
24:名無しさん@ピンキー
07/04/20 15:49:38 MOVc7/6Y
スパロボではDCというテロ組織所属じゃん
25:名無しさん@ピンキー
07/04/20 18:11:04 DQx/YGF9
>>23
広義ではシーマも悪の部類に入ると思う。
というのも、悪の定義によるんだけどなんていえば良いかな。
ハカイダーみたいに道徳だとかそういうものを一蹴してでも
独自の哲学で生を貫く、つまりダーティヒロイン的なのがシーマだと。
そこが悪の魅力だと個人的には思ってる。
逆に、誰の賞賛も受けない真の意味での悪は紫豚みたいなのを指すと思う。
26:名無しさん@ピンキー
07/04/20 21:45:38 ZI5/0K6z
紫ブタってなに?
27:名無しさん@ピンキー
07/04/20 21:50:06 EKjRaoxv
>>26
ニナ・パープルトン
パープルトンを紫豚と表現してる
28:名無しさん@ピンキー
07/04/20 23:12:58 Rp/FVmgn
紫豚は本気で酷かったよな。
ガトーと昔どうこうってのは、絶対いらなかったと思う。
29:名無しさん@ピンキー
07/04/21 00:06:15 3p5VgKxi
何度か議論あったけど反社会的行為(悪)をする女=悪女って解釈もおkだったよな?
シーマ様の場合、『悪として生きるしかない』悲惨な状態でも生きることを諦めない強さに萌える
…個人的には情に振り回されてるってのもストライクゾーンだったりする
30:名無しさん@ピンキー
07/04/21 01:16:03 e38PXCDR
コードヒロイン
31:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:39:42 X2KGvGez
ゲッターアークに出てくるのがシーマの子供になりかねんが、さあどうだろう。
32:名無しさん@ピンキー
07/04/22 01:47:02 FSt4mDYe
>>31
拓馬はアークまで知ってる人のための小ネタだから深く気にしないでくれ。
33:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:41:28 VZIJOeT5
こんな時間にSS投下する俺
ちょいグロ(つーかちょい虐殺描写)
ちょいレイプ つか もろレイプ
そんなちょい妙なSS
慣れてないから投下し終えるまで時間かかると思う
あと新参者ゆえ、スレが望んでるものとは違うかもしれない
でもとりあえず投下する
34:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:43:28 VZIJOeT5
悪の秘密結社《ヘルファイア》。その全貌はまったくの謎に包まれており、具体的な規模や構成員数なども不明。
唯一、その最終的な目的は世界征服だと掲げ、破壊工作をはじめとした数々の悪事―麻薬や人間の売買、要人の暗殺、凶悪な兵器の開発など、すべての活動は、そのための布石でしかないという。
そして今日もまた、罪のない人々が《ヘルファイア》によって苦しめられているのだ。
大都市の雑踏に突如として現れたのは、《ヘルファイア》の戦闘員たちだった。
二十人以上もの徒党を組んで押し寄せた彼らは、全身を黒いレザースーツのようなもので包み、頭部はフルフェイスのヘルメットで覆い隠している。
悪の組織の雑兵だ。
全員がマシンガンやショットガンなどの銃器で武装していた。そしてそれを使用して人を殺めることになんのためらいも見せないところが、《ヘルファイア》の恐ろしいところだ。
マシンガンが火を吹き、何十発もの銃弾が人々を貫き、殺した。
散弾が親子の頭を吹き飛ばした。
バズーカが車を何台かまとめて破壊する。手榴弾が投げられて転がり、少年の足元に転がった。そして爆発。
平和だった都市の喧騒が、悲鳴と断末魔があふれる阿鼻叫喚の地獄絵図に一変する。
なにも知らない非武装の一般人は、判断が遅れたため、逃げ出すこともできなかった。
血と肉片が雨のように降り注ぎ、血煙がたちこめた。三分とかからずに百人以上もの人間が死に、それでも《ヘルファイア》は飽き足らないらしい。逃げる者を追いかけては銃弾をぶち込み、確実に命を絶っている。
絶望と恐怖が混沌として渦を巻き、希望の光など一点もない地獄。
交差点の中央で邪悪な高笑いを上げる者がいた。
「げへえええへへへへ! 楽しいなあ、皆殺しは!」
巨漢だった。それも、身長は四メートル以上もある。もはや巨人だ。レザースーツを身に着けず、筋骨隆々としたおのれの肉体を誇示するためか、迷彩色のズボンをはいているだけで、上半身は裸だった。
素顔ももちろん晒している。見事なスキンヘッドの、壮年の男だ。
巨人は、両手にそれぞれ一丁ずつ、機関銃を持っている。それを自在に操り、まだ生きて動いている一般人を見つけてはそこめがけて乱射していた。
本来、機関銃はこのように扱える代物ではない。だが、冗談のように太い腕の筋肉が、全身を構成する超筋肉が、そのような馬鹿げた芸当を可能にしているのだ。
「ぐへはははは! 虫けらどもがあ! ひざまずけ、許しを乞え! そして死ねぇ!」
男の高笑いは止まらない。その銃弾を浴びたものは、水風船のように弾けて死んでいく。
「ぶぇへへへ! いひひひ! 楽しい、楽しすぎるぜ! 生きる価値もねえクズどもを殺すのはよお!」
そのとき、巨漢の足元で、もぞもぞとなにかが動いた。まだ幼い少女だ。のろのろと這っている。足に流れ弾を受けながらも、なんとか悪漢の魔の手から逃れようとしているのだ。
巨漢はそれを見逃さず、少女の背中を踏みつけた。少女の悲痛な叫び声が上がる。
「なんだあ、おまえは! いまさら逃げられるとでも思ってんの!? オヒヒヒヒ! 馬鹿めが。虫けらの分際で、なに夢みちゃってんだよおおお! 死ねえィっ!」
ばん。至近距離から機関銃が放った銃弾により、少女の頭が木っ端微塵に吹き飛んだ。
男の笑い声が、いっそう高らかになる。
《ヘルファイア》は残虐だった。無慈悲だった。
そしてその悪道を、けっして許さぬ者がいる。
最初に気づいたのは、戦闘員のうちのひとりだ。遠くの方に、男がひとり立っている。
ごく普通のシャツとズボンを着た、普通の日本人の男に見えた。手には日本刀を持っていた。
いったいどこからあんなものを、と戦闘員は思ったが、すぐにどうでもいいことだと思った。
日本刀で銃に勝とうなどと、馬鹿げた考えだ。思い上がった野郎め、ヒーローきどりのアホには死を見せてやる―そう思ってマシンガンの銃口をそいつに向けた。
いなかった。戦闘員は我が目を疑い、次の瞬間、その声を真横から聞いた。
「悪党め」
ずばん、と日本刀がひるがえって肉を絶つ。最新技術の結集たる防弾防刃スーツを戦闘員の胴体ごと紙のように切り裂いたその男は、怒りに満ちた声で叫んだ。
「悪党どもめ。ゆるさん……全員まとめて地獄に送ってやる!」
その男の姿が幻のようにかき消えて、手近なところに突っ立っていた戦闘員を三人ほど同時に切り捨てる。
35:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:44:23 VZIJOeT5
巨漢が、他の戦闘員たちが、そこでやっと日本刀の男に気付いた。
巨漢のこめかみに青筋が浮かぶ。部下を殺されたことなどどうでもよかったが、自分の楽しみを邪魔するような生物には容赦しない。
「ああん!? なんだ貴様はあああッ!?」
「土居、和馬! 貴様らをぶち殺す男だ!」
宣言すると同時に地を蹴り、さらにひとりの戦闘員の命を奪い、かえす刀でもうひとり、襲いかかってきたひとりを返り討ち、奪ったショットガンでふたりを殺す。
時間にして、三十秒も経っていないだろう。戦闘員たちは全滅していた。
ごりん、と凄まじい音がした。巨漢の歯軋りの音だった。
「なるほど……ふん! 多少はできるようだな。だがッ!」
機関銃を邪魔だとばかりに投げ捨て、「フンッ!」と鼻息も荒く、全力で力む。すると、なんということだろうか。ただでさえ筋肉の塊のようであった男の全身が、さらに一回りほども膨れ上がった。これではもう、筋肉の城砦だ。
「この俺に勝つことはできん。貴様ごときにはもったいないが、名乗ってやろう。我が名はオルガ。オルガ・ザ・デビルマッスル!」
「こい。肉だるま」
「おおおおおおおおっ!」
ずん、と、地響きを立ててオルガが突進する。自身を砲弾と化したこの攻撃に、和馬はどうやって対抗するというのか。まともに食らえば戦車をも一撃でスクラップにする超威力を、受けるのか。避けるのか。
そのどちらでもなかった。和馬は焦らず、日本刀を真正面に構える。
一刀両断―それが和馬の選択。
「チェェエエストトオオオォォォ!」
気合と共に、刀身が幾つもに分裂した。いや、違う。あまりの速度に残像が現れたのだ。
せまる筋肉を、白刃が迎え撃つ。
その瞬間、和馬とオルガの耳朶を打ったのは、肉が断たれる音でも、肉が潰れる音でもなく、がきん―という、甲高い金属音だった。肩口に吸いこまれた刃は、硬質の筋肉に阻まれてそれ以上進むことができない。
「馬鹿な」
和馬の驚愕の声を打ち消す、轟音。オルガの体当たりをまともに食らっては、さすがの和馬も命がない。玩具のように吹き飛ぶその姿を見て、オルガは会心の笑みを浮かべた。原型をとどめているだけマシなのだ。
だが、和馬は立ち上がった。だが無事ではない。吐血し、砕けた奥歯もいっしょに吐き出した。優れた身体能力だけではなく、鍛えぬいた技術力によって、直撃の衝撃を最小限にまでとどめたのだ。
とはいえダメージは大きい。奇跡的に骨は折れていないものの、今の攻撃をもう一度でもくらえば、今度こそ死ぬだろう。次を受け流せるような気はしなかった。
オルガは和馬が立ち上がったときこそ少しだけ驚いたが、今では余裕を見せている。
「立ち上がるだけ無駄だ。貴様では俺に勝てない。《ヘルファイア》における俺の序列は第四階級! 戦闘能力は貴様が倒した雑兵どもの二千倍だ!」
「ふん。そうか。……それがどうした。筋肉馬鹿が」
「なにい!? 貴様……よほど殺されたいらしいなあ」
「やってみろよ。くそ野郎」
オルガの怒声が上がり、ふたたび大地が激震した。低い体勢での突撃。またもや、ぶちかましによって和馬を殺そうという心算なのだ。
和馬はどうするつもりなのか。
オルガを斬ることはできない。それは先ほどの攻防で証明された。かといって、これを避けるだけの体力は、もはやないだろう。
汗ばんだ右手で日本刀を握り、正面に向けて構える。
馬鹿な野郎だ、バラバラになって死んでしまえ! と、オルガはせせら笑った。
和馬は、駆け出す。ふらつく足を酷使して、その姿は一陣の疾風になった。
斬。
36:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:45:37 VZIJOeT5
―オルガは立ち止まり、ショルダータックルの姿勢のまま硬直している。その背後の和馬もまた、刀を降りぬいた姿勢のまま固まっている。
先に動いたのは、オルガだった。
ぐらりと揺れた巨躯。そのひざが地に付くよりも先に、切り落とされた首がゴトンと落ちた。続いて、力を失ったオルガは倒れ伏す。
和馬は、勝ったのだ。だが勝者の姿にしても、五体満足というわけではない。体中のあちこちに激痛が走り、口の中は鉄の味で満ちている。
誰が見ても満身創痍の和馬は、だが、それでも、勝ったのだ。
が。
和馬の瞳が、訝しげに細められた。妙な物音を聞いたからだ。ばちばちと電流が弾けるときのような。
背後を振り返り、オルガの頭部を見たとき、その表情は驚愕に変わる。
オルガの首の断面は、血を流さず、変わりに機械的な部品や、赤や青のコードを垂れ流していた。白煙を噴き上げて電気がショートしているようだ。物音の原因はここにあった。
「なんだ?」
と言った和馬の目の前で、オルガの背中に一筋の切れ目が入り、ぱっかりと開く。
そこから、つまりはオルガの体内から、ひとりの少女が現れた。綺麗な銀髪を長く伸ばし、白いワンピースのようなものを着た、線の細い美少女だ。まだ十代半ばといった年頃だろう。
少女は怯えたように震えながら、和馬を、そしてオルガの巨体を交互に見やる。
「ひ、ひいいい……わ、わたしのパワードスーツがあ……!」
「なんだと?」
和馬はその一言を聞き漏らさなかった。パワードスーツ。その名の通り、個人の戦闘能力を著しく強化するための外骨格。
巨人の筋肉の塊に見えていた体は、鋼よりも硬く、ゴムのように柔軟な性質を持つ特殊な金属で構成されていたのだ。体内は巨人を内部から操るための計器類でびっしりと埋め尽くされていた。少女の体は小柄な方だから、あの巨体の中なら不自由はしなかったろう。
「貴様の……では、貴様が本物のオルガか!」
「そ、そうです! じゃなくて、そうじゃないですうう……違うんですうぅ」
「本当のことを言え!」
「うひぇあうあああ」
ガサガサとゴキブリのように這って、和馬から逃げようとした少女だったが、焦りと恐怖のためか、無様にオルガの体から転げ落ちただけだった。
和馬はそこに素早く歩み寄り、日本刀の切っ先を突きつける。少女は尻餅をついたまま顔面を蒼白にして、小さな悲鳴を上げた。
「貴様がオルガか」
「はひはひはひはひ」
がくがくと何度も何度も首を縦に振る少女に、和馬は軽蔑の眼差しを向けた。
この少女―オルガは、本当に何の力もない無力な少女なのだ。だからパワードスーツという機械の鎧でその脆弱な本体を包み、かりそめの強さに頼るしかなかった。
「恥ずかしくないのか、貴様。同じように無力な人々を、こうして得た力で殺すとは」
「はあ? だ、だって、楽しいじゃないですかあ」
卑屈な笑みを、オルガは浮かべた。
「えへへへ……だ、だって、強い力で弱い奴らをぶち殺すのって、もうホントに楽しいっていうか。あ、あんただって、そうですよねえ? 強いですもんねえ」
「黙れ」
ひゅん、と刀を一閃。オルガの前髪が、何本かハラリと宙に舞った。
きょとんとしていたオルガは、何秒後かにやっと事態を理解すると、遅まきながら絶叫した。
「うるさい、黙れ」
「はひはひはひはひはいひあはいはいいはひ」
「……もういい」
ぞんざいに吐き捨てるように言って、和馬は刀を振り上げた。オルガの双眸が限界まで見開かれ、イヤイヤと首を横に振っている。
和馬は辟易していたが、ひとつだけ、それでも言っておくことがあった。
「ひとつだけ訊こう。キリエという名の吸血鬼に心当たりはあるか」
「き、キリエ……キリエ・ザ・ノーライフ様。もちろんですぅ!」
「では、居場所を知っているか」
「し、しりません、あ、いや、知ってます知ってますだから殺さないでお願い!」
「もういい」
「殺さないで殺さないで殺さないで殺さないでええええ!」
オルガの頭上に、白刃が振り下ろされた。
37:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:46:38 VZIJOeT5
だが、赤い血が舞うことはなかった。
オルガは、自身の脳天をかち割る直前で静止した刀身を見て、口から声にならない声を搾り出し、瞳から涙を流す。
しょわあああ……と、水が流れ出す音。オルガの股間から発生した液体は黄色く、生暖かい湯気を発している。恐怖と、その後の安堵のあまり、失禁したのだ。
その汚らしい液体で靴を汚すことを嫌った和馬は、それを避けて歩き、オルガの髪の毛を鷲掴みにして歩き出した。痛みに顔をしかめながらオルガは喚く。
「ひ、ひぃひぃ、なんあなんなななにををお」
「気が変わった。殺す前に、犯す。せめて貴様が今までに殺した人々の苦しみを、その万分の一でも味わうがいい」
ちょうどよく都市の死角となっている路地裏を見つけ、そこにオルガをひきずって連行した。
ビルとビルにはさまれた、狭い空間。和馬はそのビルの壁にオルガを押し付け、背中を自身の方に向けさせる。後ろから犯すつもりだった。
周囲の目がないことを確認すると、オルガの衣服を、乱暴に引き裂き、剥ぎ取っていく。小便に濡れて黄色く染まっていた布切れが、千切れて周囲に散乱した。
「い、いやっ……いやあっ、やめてくださぃい」
「クズめ。自分が苦しむのは嫌なのか」
「そんな、そんな、当たり前じゃないですかあ……ひどいいいい」
和馬は、もうなにも言えなかった。この少女は本当のクズだと思ったからだ。もはやなにを言っても無駄だと、そう思った。殺すしかない。犯して殺す。それしかない。
そう結論すると、ズボンの中のペニスも自然と準備を整えていた。ズボンの生地が張り裂けるのではないかと思うほどに怒張している。
下着さえも破り捨てられ、白く美しい裸体を晒すオルガは、コンクリートに肌をこすって擦過傷を作る。
ズボンのファスナーを下ろし、猛り狂っている自らのペニスを外に出すと、オルガの女陰にあてがった。
途端に、ひときわ高い悲鳴が上がる。
「いひぃややあ、やめてええ! はじめて、はじめてなの、わたしいい!」
「そうか。それがどうした」
「か、勘弁してよオオおおおお!」
悲鳴など、和馬の耳には聞こえなかった。
こいつは悪党だ。どうしようもない社会のクズだ。こんな奴には何をしても許されるに違いない。そう確信していた。
どうやら処女という話は本当であったらしく、挿入は困難だったが、和馬は剛直を無理やりに押し込んだ。ぶちぶちっ、と、粘膜を突き破って押し広げる感触が、亀頭に伝わる。
赤い破瓜の証が、オルガの内股を伝って足元に落ちた。
なにが起こったのか理解できていない様子のオルガは、しばし呆然としていたが、
「いっ……痛い痛いいたいいたいいいいっ! いや、やめてやめてぇええ!」
「なんだ、そんな痛み。貴様が今までにしてきたことに比べれば、なんでもない」
「ああああがあうああああ」
濡れてもいないのに和馬の逞しいペニスを挿入されれば、処女でなくとも泣き叫ぶだろう。ましてや和馬に遠慮などという気持ちはなかった。
髪を振り乱して半狂乱になりながら泣きじゃくるオルガの姿を見ても、和馬は哀れみを感じることがない。当然だ。オルガはこうなって当然の罪を重ねてきたのだから。
がつん、がつんと、腰と腰の骨を乱暴にぶつけ合い、オルガの奥深くにまでペニスを叩き込む。子宮にガツガツと亀頭が当たるたび、潰れたカエルのような声を上げるオルガ。
「んぐふっ、ひっ、ひぎいっ」
オルガも気持ちよくないが、和馬もまた快感を得ることはなかった。なにせほとんど湿ってさえもいない膣なのだから。破瓜の血が多少は潤滑剤の役目を果たしていたが、それでも自在に抽送できないことには歯がゆさを感じていた。
「おい。もっと濡らしてみればどうだ」
「む、むり無理無理、もう無理ぃぃぃ……」
「ふん。だったら手伝ってやる」
言うや否や、オルガの小ぶりな胸に和馬の手が伸び、耳朶には舌が這い回った。
「うひぇあっ」
餅のようにこねられ、乳首をクリクリと刺激され、耳たぶを甘く噛まれたり舐められたりしているうちに、オルガの声の質が変わっていく。
乳首は硬くしこり、頬はリンゴのように赤くなる。
「ん、んぎひ、うっく、えふっ、んあああっ……ぎいっ」
声には明らかに甘いものが混じり始めていた。
38:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:47:41 VZIJOeT5
和馬は侮蔑の表情を浮かべ、呆れたように言う。
「なんだ。感じたのか。これでは罰にならんな……淫乱女め」
「ひう、ううんっ、ち、ちがうううう」
ぼろぼろと涙をこぼしながら否定したところで、しだいにスムーズになっていく和馬の腰の動きが示すところは、明白だ。膣の内部が濡れているのだ。
激しくなるピストン運動は、相変わらずオルガのことなど考えていない。
快感を得ることに成功した和馬は、そろそろ限界だった。愛撫をとめて、射精に神経を集中する。オルガの尻の柔らかい肉は、力いっぱいに握られているせいで形を変え、痛々しい。
「よし……そろそろ出すぞ。おまえのなかに思いきり出してやる」
「ひっ、そ、そんな。せめて外に、外に出してええ」
「黙れ! おらあっ!」
ペニスがビクンビクンと痙攣し、オルガの内部に熱い白濁を吐き捨てた。じんわりと自らの肉に染み込んでいく精液を感じて、オルガは嗚咽をもらす。
「うああ……いやああああ……でてるよお、わたしのなかに……」
だが、そんな悲しみに浸っている余裕などなかった。
和馬は早くも二度目の射精に向けて動き出したからだ。一度目の欲望を吐き出しても萎えることを知らないペニスは、むしろますます硬く熱くたぎっている。
「えひいっ!?」
驚きの声を上げて、振り向くオルガ。その瞳は鬼を見た。
―土居和馬の人生には、大きな不幸があった。
ごく普通の家に生まれ育った彼には、ごく普通の両親と、ごく普通の妹がいて、ごく普通の生活を送っていた。
他人に誇れるような偉業も財産もなかったが、満ち足りていて幸せな生活だった。
だがその幸せを、五年ほど前、ひとりの吸血鬼に奪われた。その吸血鬼は和馬の家族を皆殺しにして、そして最後に和馬の血を吸うと、楽しげに笑った。
ヴァンパイアに吸血された人間は、とても正気のままではいられないほどの快感を得る。それを感じた和馬が我を忘れて射精し、家族の死体に精液をかけたからだ。
しかもそのときの和馬はそれを恥ずかしく思うこともせず、吸血鬼に向かってもっと血を吸ってくれと土下座して懇願していた。
顔を上げたとき、吸血鬼はどこにもいなかった。それに気付いて和馬がしたことは、嘆き悲しむことでも怒りに燃えることでもない。勃起したペニスを慰める手段を探すことだった。
そのあとは、心臓を貫かれて死んでいる妹の姿に欲情して、おぞましくもその性器を自分のペニスでえぐって射精した。妹はまだ処女だった。次に母親の尻で満足した。
すべてが終わった後で、和馬はとてつもない罪悪感に襲われ、死に場所を探すことになる。そんなころ、《ヘルファイア》の悪事と、そこで幹部の地位についている吸血鬼の存在を知った。
どうせ死んだ方がいいこの命を、ならばせめて人々のために使おう。そしてせめてあの憎き吸血鬼に、あの怨敵に一矢を報いなければ。
そう決心した和馬は、山奥の仙人のもとで修行し、一刀流を身につけ、悪を倒すために戦っている。
「あ……あ、うあああ……」
はっ、と我に返った。
目の前では、ひとりの少女が壁に押し付けられながら脱力している。涙を流す虚ろな瞳には、気力がない。
知らぬ間に、いったい何度の射精を行ったというのか。膣内から逆流した精液が滴って、オルガの足元で破瓜の血と混ざり合っている。
ずぼり、とペニスを抜き放った。そこはとうの昔に萎びていた。
支えを失って、オルガは糸の切れた操り人形のように崩れた。気を失ったようだ。真っ赤に腫れた尻と、あられもなく精液と血を垂れ流す女陰が痛々しい。
和馬は、おのれの萎びたモノと、そして犯されて脱力した少女の姿に、なにかを見た。
「……俺は。俺は、いったいなにを……」
なんだというのだ、これは。
自分は戦ってきたはずだ。悪を倒して、罪のない人々を救うために、死に物狂いで戦ってきたし、今でも戦っている。
だがならばこれは何だ。罪を犯したとはいえ、無力な少女を犯しまくって、それで快楽を得るなどと。
悪魔だ。鬼だ。鬼畜生だ。
自分は妹や母の死体を犯したときから何も変わってなどいない。
「う、うぐ、うぐぅぅぅ……」
今度は、和馬が泣き崩れる方だった。
39:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:49:17 VZIJOeT5
和馬は戦闘員の死体から衣服を剥ぎ取ると、気絶したオルガをそれで包み、路地裏をあとにした。
遠くからパトカーや救急車のサイレンの音が近づいてきていた。
和馬の足が向かった先は、一軒の古びたアパートだった。木造の二階建て。住人はいるのかいないのか、人気のなさのせいではっきりとしない。
世界各地を転々としている和馬が、この町に滞在するにあたって拠点としている場所だった。
二階の一番左側が和馬の部屋だ。人目を気にしつつオルガを連れ込み、ベッドに横たえる。
思えばこの狭い部屋に自分以外の人間を連れ込むのは初めてだった。
戦闘員の服はサイズのせいで着せられず、オルガは素っ裸のままだ。これではまずいと思い、クローゼットから自分のシャツを取り出した。
いまさらなんだと思いながらも、裸体からはなるべく目をそらしながら着せた。男物なのだから、少女には大きすぎてだぶだぶだ。
まあそれで大事な部分は隠せるのだからよいだろうと思うことにした。
とりあえず、起きても暴れ出したりしないようにと、オルガを拘束するための道具を探す。手錠や頑丈な縄などでもあればよかったのだが、あいにくと見当たらなかった。
なんでもいいからなにかないかと探してみると、手ごろな長さのネクタイを見つけた。 これでいいだろう、と決める。
オルガの両手を背中の後ろに回してから、両手首をネクタイで硬く縛った。和馬にとっては慣れない作業だったが、なんとかこなした。
なるべく優しくベッドに寝かせてやるものの、手首を縛っているために腰のあたりが浮いてしまう。
まあこのくらいは我慢してもらうしかないとひとりで勝手に納得した。
しばらく、時計が時を刻む音だけが響く。
ベッドの上で安らかな寝息を立てていたオルガは目を覚まし、いきなり飛び起きると、あたりをきょろきょろと見渡した。そして悲鳴を上げた。
ベッドのすぐ横には、椅子に座った和馬がいた。
「起きたか」
「あ、あ、あっ」
と、和馬を指差し―たかったのだろうが、縛められた腕ではそれさえもできない。
「うひぇあああうあぇああ」
意味不明の叫び声を上げ、和馬がいる方とは反対に向けて逃げ出そうとし、カサカサとゴキブリのように足を動かす。
だが反対側は壁だ。鼻っ柱をしたたかに打ちつけ、「ぶげっ」と情けない声を出した。
「落ち着け。俺の話を聞け」
「ほげげげげ……な、なんですかぁ……」
「落ち着けといっているだろう」
「はひはへひひはひ」
「……無理もないがな」
はあ、とため息をついた和馬は、ややためらってから、
「すまなかった」
と言った。オルガはわけもわからず「はあ?」と胡乱げにした。
それだけではない。先ほどまであれほど怒りを向けていたオルガに対して、和馬は深く頭を下げまでした。
「あんな、無理やりにしたことだ」
「……なにをいまさら。あんた、馬鹿ですかあ?」
オルガという少女は、基本的にどこまでも小心者の、ごく普通の悪党だ。弱いものに対してはどこまでも高圧的で残酷になれるし、強いものに対してはどこまでも卑屈で、尻尾を振ることにためらいを感じない。
そういう、卑怯な悪党だった。
低姿勢になった和馬に対して、強気な言葉を使うことは、オルガにとって当然のことだった。
40:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:51:06 VZIJOeT5
「あれだけ人を怖がらせておいて、しかも無理やりレイプまでしておいて、いまさらごめんなさいなんて言える立場だと思ってるんですかあ? 呆れてものも言えませんよお」
「ああ。そうだ。俺は最低だった。おまえのように弱い女を強姦した。俺は最低だ。……おまえと同じように」
頭を上げた和馬は、オルガを強く睨み付けた。途端にオルガは小さく叫ぶ。
「なっ、ななんなんですかあ。そんな、怖い目をしてえ。また犯そうって言うんですかわたしをレイプしようって言うんですか。この殺人鬼ッ!」
「なっ―」
最後の一言だけは聞き捨てならなかった。がたん、と椅子を倒す勢いで立ち上がる。
「それはおまえの方だ! 罪もない人々を楽しんで殺したおまえこそ!」
そう叫ばれても、オルガは怯まなかった。
オルガは口の片方だけを吊り上げて、皮肉げな笑みを作る。
「ぐふふふ! そうですよ。わたしは殺人鬼です。いくらでもそう呼んでくださいな。それに誇りを持ってますから」
「なに!?」
「わたしはね、見ての通り、なーんの力もありゃしない、ただの単なる小娘ですよ。いえ、それ以下です。生まれついて病弱なもんですから。
ちょっと前まで、十年以上も寝たきりの生活を送ってました。病院でね。ずいぶんと治療費がかかったようで、親にも親類にも疎まれてすごしていましたよ。
そりゃあそうです。なんの役にも立たない小娘ひとりを生かすのに、どうして大金を喜んで使えますか。
ドブに放るのと変わりませんよ。そういうわけで、わたしは誰からも望まれない人生をこの先ずっと送る予定だったわけです。ですが」
にい、と、オルガの笑みがますます深まった。和馬はぞくりと薄ら寒いものを感じた。少女の瞳には、底知れない憎悪と歪みが渦を巻いていた。
「そんなとき、《ヘルファイア》にスカウトされましてね。理由なんて知りません。どこでわたしのことを知ったのかも知りません。
ですけどそんなことはどうでもよかった。わたしにとっては、わたしの病気を治してくれて、わたしを必要としてくれる場所があるなら、どこへでも喜んで行くだけのことでしたから。
親にも誰にも必要とされなかったこのわたしが、このわたしがッ! 殺して殺して殺しまくれば、必要とされるんですよ少なくとも《ヘルファイア》のなかでは!」
「おっ……おまえは」
「それにねえ、人殺しは楽しいんですよ。わたしのことを無力だの無価値だのと馬鹿にしてた奴らをね、アリを踏み潰すように殺していくのはね。
本当に人殺しは楽しいですよ。楽しすぎていけませんよ。くひひひひっ」
ほとんど反射的に、和馬は少女に飛びかかっていた。いや、こいつは少女などではない、こいつは人間ではないとさえ思った。この悪党はもはや悪党でも少女でも人間でもなく、ただの悪辣を極めた地獄の悪魔だと思った。容赦などなく殺せと思った。
オルガの声を、訊くまでは。
「また殺すんですか! この、イカれた殺人鬼が!」
両手で首を締め上げるように押し倒したオルガは、息の苦しさゆえか顔を赤くしながら、それでも今回は怯えたふうを見せなかった。ひとの弱みを見つけたとき、ひとはどこまでも図太くなれる。
はっとしたように動きを止めた和馬を見上げ、オルガは不適に笑う。
「あんたは自分で自分に気付いてないようだから、わたしが言ってあげますがねえ。罪のない一般人とやらを殺しまくったわたし達と、罪を重ねたわたし達を殺しまくったあんたとの間に、違いなんてないんですよ。人を殺してるっていう点ではねえ」
「ちっ……違う」
「違わないんですよお、それがねえ。あんただってどうせ楽しんで殺してるんでしょうが」
違う、と和馬は思った。だがなぜかそれを言葉にすることはできなかった。
悪党どもを斬り捨てるとき、自分は果たして楽しんで殺していたのだろうか。違うとはいいきれない。上手く斬れたとき、よく斬れたとき、そのようにして自分の強さを実感できたとき、楽しんでいなかったとはいえない。いや楽しんでいた。
いや。そうではないはずだ。そうではない。そうではなく、いや、そうか。
「楽しんでいたのか、俺は」
41:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:52:27 VZIJOeT5
「ふん。そうですよお。やっと気付きましたかニブチンめ。つまりあんたもわたしも同類なんです」
オルガは、してやったりとばかりにほくそえんだ。なんと丸め込みやすい男だろう。力はあるが、心が弱いのだ。まったく、こんな情けない男に今まで怯え、しかも処女さえ奪われたのかと思うと、悔しさがこみ上げてくる。
だがそれもすぐに晴れる恨みだろう。どうにかしてこいつを殺したあとは、切り刻んだ死体を海に捨てて藻屑にしてやる。それとも豚の餌にしてやろうか。悩みどころだ。
「さあ、分かったらこの手を離すんですよ。この殺人鬼野郎」
「ああ。……俺は悪党を殺すのが楽しくてたまらない」
「へ?」
「おまえのように人を殺してもなんとも思わないクズを、絶望させてねじ伏せてやるのが、楽しくてたまらないと言ったんだ!」
なにがいけないというのか。和馬は開眼した思いだった。
そうだ。楽しくてなにがいけないというのか。悪党め。悪党どもめ。ダニにも劣るおまえらなどをわざわざ相手にしてやっているのに、せめて楽しみがなくてどうするのだ。
おまえらを殺すことを楽しんでなにが悪い。悪党どもめ。まったく人の役に立たない害悪め。
せめて最期ぐらいは楽しまれて死ぬがいいのだ。それが悪党にはふさわしい。
そして目の前のこの少女は疑いようのない悪党だ。だから楽しみ尽くしてやる。
悟った和馬には迷いがない。
すばやく、オルガに着せたシャツの裾をめくりあげた。申し訳程度に陰毛の生えた割れ目がさらけ出される。
わけもわからずオルガは絶叫した。
「な、なうぇえええっ!?」
「おまえをこれから、また犯す」
「ひっ……」
「安心しろ。さっきみたいに痛くはしない。……死ぬほど気持ちよくしてやるからな」
耳元で囁かれ、オルガは全身に鳥肌を立て、そしてなぜか下半身が熱くなるのを感じた。
和馬は、少女の無防備な秘部へと顔を寄せる。
股間に生暖かい息が吹きかけられると、オルガの口からは素っ頓狂な声が出た。
「んひ!?」
続いてその二つに割れた溝に舌を埋められ、絶叫。
「おげっ、んひぐ、うあああっ! やめてやめて、やめっ」
クレヴァスを蹂躙する和馬の舌は、遠慮というものを知らなかった。もっとも敏感な部位をざらついた生暖かいもので攻め立てられると、経験を知らないオルガにはどうすることもできない。未知の快感に翻弄されるだけだ。
「ひん、うんんっ!」
さらに和馬はクリトリスの皮をむき、乾いた指でこすってやった。
「はぁうっ! ん、んぎああああっ!」
急所への強烈な刺激に絶えられず、小柄な体がガクンガクンと暴れる。
「―っ、うっ、うあああっ!」
舐めしゃぶっているうちに、膣の奥からなにかが染み出してきた。白い。さきほどたっぷりと流し込んだ和馬の精液だ。かまうものかと和馬は思った。気にせず舐めつづける。 そのうち、溢れ出してくるのは精液だけではないと知った。そしてほくそ笑んだ。
「ひああうううう、うは、も、もうやめて、やめてよおおおおっ!」
一時間ほど経っただろうか。それとも二時間だろうか。あるいはもっとかもしれない。 作業に没頭していた和馬は時間など気にしていなかったが、ふと顔を上げて時計を見てみれば、もう夕方だった。
時間などどうでもいいかと思い、中断した作業を再開する。
オルガは、まだ鳴いていた。ただし、最初のころとは鳴き声の質が異なる。
42:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:53:03 VZIJOeT5
「あんっ! んああああっ……はうん、やあ、んうっ……くはぁん!」
甘い鳴き声。
「やああ……ひあ、あは、あはんっ」
さきほどからずっとこの調子のようだ。と、和馬は思った。
ベッドの横に向けて下半身を投げ出し、恥知らずにもカエルのような大股開きをやめないのは、余裕などないからだ。
長時間の愛撫のすえに、オルガは明らかに快感を感じ、それに溺れきっている。股間から滴った愛液によって、床の畳には大きく丸いシミができているほどだ。
もうそろそろいいだろうと思い、舌による愛撫をやめた。
慣れない快楽を与えられ続けたことによってオルガの顔はリンゴのように赤く染まり、表情はだらしなくとろけきっていた。瞳は曇ったように光をなくし、半笑いのような口元からは涎がだらだらと流れている。
「えっ、えへ、えへへへえ……」
「気持ちよかったか?」
「は、はひ……よかったれす……うああ、もっ、もっとひへ、もっとしへえ……」
肉欲によって理性は吹き飛び、正常な判断力など、もはやどこにもないようだ。
「もっと気持ちよくなりたいか?」
「あひ、はひっ」
緩慢な動作で首を縦に振るオルガを見て、和馬は薄く笑った。
まだまだ十分な精力をたぎらせているペニスを取り出した。それを見たオルガは、さきほどの破瓜の際の痛みを思い出したのか、顔を強張らせたものの、やめろとは言わない。期待していることは明らかだ。
洪水状態となっている肉の薔薇にこすりつける。
こすりつけるだけだ。けっして挿入しようとはしない。
「んうふ! うああ、あ、ど、どうしてっ……」
「どうしてほしい。言ってみろ」
「そんな」
「言えないなら、これで終わりだな」
オルガの表情が、さっと絶望に染まった。
「言います! 言いますからあっ! そ、その、えっと」
オルガはどのようなものが和馬を満足させる言葉なのか考えた。考えたすえに、腹に力をこめてこう叫んだ。
「ぶち込んでくださいっ!」
破廉恥を極める一言だった。言ってしまってから、自分でもしまったと思ったほどだ。 和馬は思わず失笑を浮かべ、そのせいでオルガは泣き出した。声は出さずにぼろぼろと涙を流す。目をつぶってもあふれ出た。
あまりにも自分がみじめだと思ったからだ。そして、そんなみじめな自分に向けられる冷たい視線を思い出していた。いつも感じていた知人どもの目だ。他人の視線は、いつでもオルガをみじめな気持ちにさせていた。他人とはいつでもそうだった。
不意に、耳元でこう言われた。
「素直に言えたな。―かわいいぞ」
えっ、と驚いて泣き腫らした目をあけると、和馬が優しく微笑んでいた。
知らない目だ、とオルガは思った。そのような目で見られたことは、今までになかったがゆえに。
このひとは違うのか、と思った。
その思考を、突然の快楽が押し流す。
「ぅうううっ!?」
通告もなく割れ目に押し入った和馬の剛直。
和馬はオルガの細い腰を鷲掴みにして、体勢を整えた。
先ほど男を知ったばかりのその体に、容赦のないピストン運動。
それでも、オルガは感じていた。絶え間なく、切羽詰ったような嬌声が上がる。瞳からはまた涙が流れた。歓喜のあまりの嬉し涙であった。
和馬は、ぬるぬるとして心地いい膣の、きつい締め付けを堪能しながら、何度目かのことを言った。
「気持ちいいか?」
「は、はひっ!」
「これからも気持ちよくなりたいか?」
「……え?」
両者の動きが止まる。
銀髪の少女は、なにを言っているのか、という顔で和馬を見た。
和馬は、真剣だ。
43:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:53:56 VZIJOeT5
「おまえには不幸な人生があった。それでおまえの罪が消えるわけはないが、おまえにも歪む理由があったのは確かだ。
だから殺しはしない。俺がおまえを監視する。もう二度と悪事を働くことは許さん。その代わり、俺の気が向いたときにはこうして気持ちよくしてやろう」
「あ……えと……は? その、それってつまり、あんたの性欲処理係?」
「まあ、そうなるかな」
「はあ!? なんですかそれは! んなの嫌にきまッうきゃううううんんっ」
まったくの不意打ちで子宮の入り口をガツンと突き上げられては、どうしようもなかった。
「なるのか? ならないのか?」
「うぎ、ひっ、あはああっ!」
「なるよな?」
「っ、う、うあ、あ、あん、あんっ! わか、わかりまひたあっ! なります! なりますからあ!」
「なにになるんだ?」
「せっ―せ、性欲処理係ッ! あ、あんたの、あんたの専用のおぉぉぉっ!」
「いい子だ」
満足げに笑った和馬が、腰の動きを素早くする。どうやらそろそろ射精するようだ。そしてオルガのほうも限界なのか、次第に声がどこまでも甲高くなり始めている。
それほど時間を置かず、終わりはやってきた。
舌を犬のように突き出したオルガは、限界まで仰け反り、絶頂。
「っ、い、いく、いくいくいくいぐっ、ひぐうううう―ッ!」
和馬は無言のうちに達し、痙攣する少女の内部に白いマグマのような精液を放っていた。脈打つペニスは何度も何度も精を吐き出して、それからようやく静まった。
果てたあとのオルガは、しばらく放心状態だった。おそらく生まれて初めて感じたのであろう、快楽の行きつくところなのだ。無理もない。
だというのに、和馬はまたしても動き始めた。彼のペニスはまだ萎えていなかったのだ。これから満足するまで少女の膣で暴れようというのか。オルガもさすがに顔を青くする。
「あ、あっ……もう無理れすっ……」
「なにを言う。俺はまだまだ満足していないぞ」
「ああああ、やめへええっ……んひいぃぃッ!」
和馬の部屋に響く物音と絶叫が静まるのは、翌日の朝日が昇ることになってからだった。
44:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:55:18 VZIJOeT5
どこかで犬がうるさくほえていた。
「ぬうううう……」
一糸まとわぬ姿のオルガは、目が覚めたはいいものの、低く獣のような唸り声を上げた。だるかった。ひたすらに心も体も気だるかった。これほどまでにだるいのは、何年ぶりだろうか。忌まわしき病院生活時代でさえこんなことは稀だった。
だが不思議と今朝―もう昼に近いが―は嫌な気分ではなかった。それがまたオルガに唸り声を上げさせた。なんなのだ、これは。心地いい疲労感とでもいうのか。
腰が疲れている。特にアソコが疲労困ぱいだ。一晩に渡り酷使されたせいだと確信していた。ひりひりとして痛い。そして、まだ、なにかが入っているような気もした。そんな錯覚だ。
なにかがなにかといえば、隣で寝ているこの男の、憎たらしいモノなのだ。それがなによりも腹立たしい。
昨夜はさんざんだった。なにがさんざんだったのか思い出したくもないほどに。
「やってくれやがりましたね……くそ……」
半身を起こす。和馬はまだ起きる気配がない。
腕を縛っていたネクタイは、荒々しい情事の最中に外れてどこかに消えていた。だから今のオルガは自由だ。どのようなことでも好きにできる。
和馬はオルガと同じく素っ裸だ。武器の日本刀は、すぐに手にできるような位置にはない。無防備だった。
それを理解すると、オルガの口元には邪悪な笑みが広がる。
(まったく、お馬鹿さんですねえ。くっくっく)
敵の目の前でこれほどまでに油断するとは、完全に阿呆だと思った。こんな馬鹿にしてやられたのがまったく悔しくてたまらない。だがその恨みもすぐに晴れるだろう。焼くか斬るか潰すか千切るか悩みどころだ。
そう―無防備だった。
あの憤怒に燃えた復讐の鬼のような男の姿はどこにもなく、ごく普通の男がそこに寝ているだけだった。
「……ふん」
毒気を抜かれて鼻を鳴らしたオルガは、なにを思ったのか、ふたたび横になって寝直した。ただし、今度は、和馬の胸板の上に頬を乗せている。抱き枕にしがみつくようだった。
オルガには考えがあった。
(こんな油断しまくりの間抜け野郎、殺すのはいつでもできますね。だから、今はせいぜい利用してやりましょう。
いまさら《ヘルファイア》には戻れないでしょうからね……任務に失敗したわたしを始末しようとする連中は、こいつに片付けてもらいます。
くっくっく! なんて頭がいいんでしょうねえ、わたしってば)
そう。そう考えた。それだけだ。この男を利用してやるだけだ。他意はない。
そして、それに、こうして抱き着いていると気持ちがいいから抱き枕に任命してやろう、なんて思ったりもしていた。久しぶりに感じる他人の肌の暖かさは、本当に心地よかった。
オルガがこう思ったのは、だから、だ。
(……まあ、しばらくはあんたのそばにいてやりますよ。……和馬……さん)
―いったい、いつ以来のことだろうか。
ひとの温もりが、愛しいと思ったのは。
45:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:59:53 VZIJOeT5
以上。投下終了。
なんかノリに任せて仕上げたせいで微妙なできになったかも。反省。
でも序盤の戦闘シーンみたいなアホなノリとか気に入ってる。
ていうかクソ生意気な女に「勘弁してよおお」って言わせたかっただけかもな
まあ、とりあえずスレの盛り上げに貢献できれば幸いだ。
46:名無しさん@ピンキー
07/04/23 11:09:05 8lBeREyF
GJ!
途中までは個人的にちとアレだったんだが最後まで読んで正解、終盤の盛り返しがじつに良かった。
47:名無しさん@ピンキー
07/04/23 13:40:04 TyUr3kuV
幹部系もいいがこーいった小悪党はまた別の良さがあるな
なにはともあれGJ!
48:名無しさん@ピンキー
07/04/23 18:23:12 K9dUv1Lb
>45
う~ん、良いねぇ。これは。
こういう容赦の無いのは大好きだ。
屠るスレ向けにぶちまけバージョンを書いてもらいたいぐらいだ。
49:名無しさん@ピンキー
07/04/23 18:26:10 barNG04v
GJ!
漫画でよくいる(と思う)「眼自体は大きいけど白目の割合が多くて黒目が点だけの小悪党」
が好きなので、そのイメージで読ませていただきました。
自分以外の何かに依っていた強さを砕かれるというのもいいですねぇ
50:名無しさん@ピンキー
07/04/23 22:19:48 HFDmJjT7
世紀末救世主伝説なノリが素敵すぎるが、『抱き枕』にも激しく萌えたw
GJ!
51:名無しさん@ピンキー
07/04/23 22:49:21 C/DSDmbP
GOOD JOB
52:33
07/04/24 08:42:12 xhuvAhRS
ありがと
エロ書くのは一年ぶりつーかまともに書くのは初めてだからなんかドキドキした
この話の続きじゃないが、もうひとつ書いてるからまた今度投下する かも
んじゃ
53:名無しさん@ピンキー
07/04/24 18:18:59 0dXsqlpP
楽しみにしてます
54:名無しさん@ピンキー
07/04/25 12:09:56 H80PEGS2
GJ!!
55:名無しさん@ピンキー
07/04/25 12:58:32 2CZflCfB
処理係になっても思考は悪の女に萌えた
話し変わるが、ブラックとセツナの続きキボンなオレがいる
56:名無しさん@ピンキー
07/04/25 21:27:09 iXHDi+5u
どのシチュエーションに萌える?
悪の女幹部に誘惑されて骨抜きに
悪の女幹部にボコボコにされる
悪の女幹部をボコボコにする
悪の女幹部を捕まえて拷問
女戦闘員にやられる
女戦闘員をやる
女戦闘員を捕まえて拷問
女戦闘員に捕まって改造される
とあるサイトのアンケート
57:名無しさん@ピンキー
07/04/25 22:23:51 o11VBYzD
>>56
最後。俺はもう人としてダメかもわからんね。
さて上のシーマのやつの後日談を投下。元の物からだいぶ修正したから既読でも読めるはず。
あれから少し……あたしと竜馬は地球の各地を転々としていた。なんせゲッターは目立つもんで、連邦の追っ手は後を絶たない。もっとも、戦力が違いすぎて敵にもならないんだけどね。
ほんとに呆れるよ、ゲッターには。何が驚いたってエネルギーが無限だって事だ。なんでも、ゲッター線とかいう宇宙線がエネルギーで常時取り込んでるから、無茶をしない限りエネルギー切れを起こす事はないらしい。
そんなこんなで、あたしもゲッターには少しずつ慣れてきていた。最初は胃の中の物と言う物を吐くザマだったけどねぇ、なんとかチェンジから戦闘まではこなせるようになった。
竜馬いわく、ゲッターパイロットのパイロットには合っている、だとさ。嬉しいんだか嬉しくないんだか……。
いっそジャガー号をかっぱらってやろうか、なんて思ったりもしたが、そんな事した次の日にゃあたしは鬼籍に入ってるだろうから、止めた。ふふふ、竜馬とは喧嘩したくないしねぇ。
だけど、いくらゲッターが強力たって中の人間は食わなきゃ生きていけない。寝なきゃ活動できない……そういう訳で金が必要だった。
しかし、とにかくゲッターが目立つせいで昔みたいに海賊行為をするわけにもいかない。仕方がないから、ツテを頼って普通に生活する分だけの物資を手に入れているのさ。
ちなみに竜馬を放っておくと、ロクな事をしないから(マフィアに殴りこんで物資を奪ってくるとかね……)あたしが女房役に徹して抑えている。
情けない話だが、汚い仕事の連続で疲れ果てていたあたしには、こんなんでもそこそこに充実した日々に感じていた。不思議と竜馬の溢れ出る様な生命力と接していると元気になれるのだ。大してあたしと年齢も変わらないオッサンのくせに。
竜馬と生活を共にしていてひとつ嬉しかったのは、ある時ふと、あたしの過去を話してみたらニヤリと笑って「上等だ」って言いいのけた事だ。
今まで、あたしの過去を知る者に一人だってそんな評価を下したヤツはいない。あるのは侮蔑か媚び、あるいは憐れみだった。
この男は熱血漢だけど、平和だの愛だの、虫唾が走る様な言葉を吐かないのがいい。生きるか死ぬか、という究極の選択を息をする感覚で実践しなければならない壮絶な世界に身を置いてきた凄みは本物だ。
そんな人だから、あたしの境遇なんかに同情はしない。その犯した罪には興味すら持たない。だけど、上等だと理解する。そんなビターな感覚が嬉しかった。
ちなみに竜馬は、なにやらよっぽど気の狂った連中を相手にしてたみたいで、あたしなんかは可愛らしくみえるとも言った。まさか、このあたしが可愛いなんて感想を持たれるたぁ思わなかったよ。くっくっく。
(ハヤトとかサオトメとかシキシマとか、そんな名前が引き合いに出されていた。どんな連中なんだか……)
……あたしや竜馬は、もう二度と平穏な生活には戻れない人間だ。死ぬまで戦うのが定められた宿命だからこそ、こうして訪れた束の間の休息の時を十分に享受して、楽しむのだ。
だけど、それだけに気に掛かるのは次に待つ戦いの時だった。休日明けの出勤に思いを馳せる感覚とでもいえば良いだろうか……そういう堅気なのとは、ちょいとばかり違うのだけれどねぇ。
「ねぇ、あんた」
今日のねぐらで竜馬の逞しい腕に抱かれながら、あたしは彼に問いかける。
「なんだ?」
「いつまで続けるられるものかね、こういう生活……」
竜馬は少し、黙りこんでから答えを口にする。
「さあな。だが、ひとつ言える事は、そう長い間ゲッターが俺を休ませちゃくれないって事だ」
「そうかぃ……」
その言葉に、ちょっとだけ残念になった。彼の顔をじっと見る……その表情はすでに確信めいており、元の世界に戻る時はそう遠くないだろうと言う事実が突きつけられる。
元の世界……そう、当然というか何というか、竜馬はこの宇宙世紀に生きる人間じゃない。あのゲッターという化け物に、何のためかこの世界に連れてこられてしまったのだ。だがゲッターが本懐を成す場所は、ここじゃないはずだ。
だから、その用事が済めばゲッターは自分のパイロットである竜馬を連れて、あるべき世界へと帰っていくだろう。
あたしは竜馬についていくと誓ったが、結局は取り残されるのだ。だってゲッターの世界に、シーマ・ガラハウという人間は在り得ないのだから……それでも、認めるのが嫌でかすかな抵抗を試みる。
58:名無しさん@ピンキー
07/04/25 22:24:47 o11VBYzD
「ねぇ、そん時ゃさ」
「ん?」
「そん時ゃあさ……あたしも、連れてってくれるかね。ゲッターは」
それを聞いて、竜馬は初めてくっくっくと笑った。何がおかしいのさと思ったが、次に彼はあたしの予想を飛び越えた事を言いのけた。
「ゲッターと関わって逃げられた奴ぁ居ない。お前は嫌でも連れて行かれるだろうよ、カッカッカ!」
唖然とする。鏡を見たら、あたしはきっと豆鉄砲でも食らったハトの様な顔をしているに違いないね。これは胡蝶の夢のようなものだと思った直後の発言だから、なおさらだ。
……どうも、あたしの考えを超えて、ゲッターっていうのは傲慢な存在のようだ。普通に考えれば恐ろしい事だと思うのだが、あたしにはプレゼントの様に聞こえる……こんな世界より、竜馬の居る世界の方が性に合いそうだからね。
そう感じたままの言葉を竜馬へ伝える。
「容赦ないねぇ。でも、ちょいと安心したよ」
「なんでだ」
「あんたと一緒に居た時間を、夢物語で終わらせなくて済みそうだからさ」
と言うと、
「何もでねえぞ」
とか言いながら、なんとなく嬉しそうにする。
いい歳こいて何カッコつけてんだね、このおっさんは。なんだかんだで気が合ったんだ、もっと素直にしたらいいんだよ。
むかついたんで奴のモノをちょいと強く握って、上下にこすってやる。ここだけは竜馬といっても他の男と同じだからねぇ……ピクピクと反応させてやんの。あたしはいつになく扇情的に、誘いの言葉を彼の耳元で囁く。
「なに言ってんだい、ココはたくさん出るだろう? ふふふ……」
「け、人を乗せんのが上手いヤツだ」
「ほらほら、動くんじゃないよ。握りつぶしちまうよぉ?」
そういう間にも、モノをしつこく愛撫し続ける。どんどん硬く大きくなっていくのがわかる……何度しても、あの竜馬をこの時だけは自由にできるのが面白くてたまらない。
その気になりゃ、あたしなんか数秒で捻り殺せるだけの力を持った男が、あたしの手で、あたしの舌で、あたしの体で、獣欲を満たして欲しくてちょっとの間だけ言いなりになるんだからねぇ。くっくっく。
既に上気する竜馬の顔。これから与えてもらえる快楽に期待してやまない、といったところかね……もっとも鏡を見りゃ今のあたしも同じ顔をしているんだろうけれど。
あたしは、それまで二人にかかっていた布団をめくりあげると、そのまま竜馬の下半身まで移動する。
そこにそびえたっているモノにローションをつける代わりに、思い切り舐め回して唾液まみれにしてやると、おもむろに上半身を重ねていき……自分でもかなりのサイズだと思う乳房で、ふわりと竜馬のモノを包んでやる。
「胸の中でイかせてあげるよ……」
「む、うぅっ」
にちゃにちゃと、いかがわしい音をたてながらあたしの胸がモノをいっぱいに挟みこんで蠢く。竜馬のモノも相当な大きさだったが、あたしも大きさにかけちゃ負けてない。
不敵な笑みを顔に張り付かせたまま、うめく竜馬をいじめ抜く。どうだいどうだい、あたしの胸でしごかれるのは気持ちいいだろう? 気持ちよくないはずがないよねぇ。
「ねぇ竜馬……どぉさね」
「ああ……たまんねえよ」
「ふふっふっふ。嬉しいねぇ」
時々、口で先っぽを吸い上げってやったりしてアクセントを加えながら、やわらかい胸の肉で硬い肉の棒を擦りまわす。そうやってあたしは竜馬が根を上げるまで胸の圧力で、そのモノを責め続ける事にした。
なんとも劣情を催す作業を、なんべんも繰り返す事でゆるやかに鈍っていく思考は、肉欲を貪る事ひとつに集約されていく。
竜馬もそうだろう。さっきよりいちだんと息を荒くして、凶悪な顔に似つかわしくない恍惚とした表情をうかべる姿は、あたしの胸にその太いモノが刺激される事だけに思考が奪われていっているのを感じる。
あまり広くない部屋に荒い男女の息が充満すると、床に仰向けに転がる男に覆いかぶさって妖しくあたしは蠢く。
きっとそれは傍目から見れば、獲物を捕食する肉食獣の姿に見えなくもないだろう……そんな妄想に股間が熱くなるのを感じていると、やがて、胸に走る触覚から彼のモノが熱く脈動し始めるのを感じた。
「んふふ……もう出そうかい? いいよ、あたしの胸ん中でだらしなくぶちまけな……」
「……っ」
「ほら、ほおら、早くだしなよ、竜馬ぁ……いやらしい液であたしを汚しておくれよぉ」
59:名無しさん@ピンキー
07/04/25 22:26:15 o11VBYzD
「ぐっ……!」
あたしの誘いの言葉にのって、とうとう、はちきれんばかりに肥大化したモノから、どろりと精液を噴出させる竜馬。あたしは吹き出る液を手で全て抑え込むと、竜馬のモノとあたしの顔や胸に塗りたくる。
生臭いニオイが鼻をつくのに、それがやたらとおかしな興奮に変わる。我ながら変態的だと思うけど、なぁに、この男とのセックスならこれぐらいやらないとね……なんて色々理屈つけて自分を正当化してみる。
そしてそのまま、上半身をずらしていってキスをねだる。精液まみれのままだが、だけど竜馬は気にする事もなくそれに応じてくれる。性格がよく現れるのだろう、実にワイルドだ。 悪く言うと野蛮だ。
舌を絡めながら、そのまま食べられてしまうのではないかと錯覚するような激しいキスの応酬を経て、今度はあたしが仰向けにされる。
(ふふ、どうやら攻めの時間は終わっちまったかねぇ……もうちょっとやっていたかったけど)
あたしを見下ろす竜馬。さて、どうしてくれるかと期待していると、またも胸に挟んできた。相当気に入られちまったみたいだねぇ……胸のトンネルを何度も行き来するモノを見ながら、含み笑いを漏らす。
「芸が無いねぇ、同じ所で二度もイクつもりかい? くっくっく……」
「う、うっせえ! ……嫌なら止めとくぜ」
「なんだ、あんたらしくも無い。ほぉら……好きなだけ味わいなよ」
それだけ言って促すとまた腰を動かし始める竜馬。案外、可愛い所もあるじゃないか……つくづく面白い男だと思いながら、あたしは成すがままにされていく。
せつない表情で竜馬のモノが行き来する様を追いかける。甘い息を吐きながら、もっとして、とお願いする。
やがて竜馬がうめくと、第二撃があたしの顔に降りかかってくる。ぱたぱたと落ちる精液を舐めとり、可能な限り妖艶な表情を浮かべて微笑むと、さしもの竜馬もクラクラしていた。
それを見て、あたしの情欲もまた暗く燃え上がる。
「あぁ……り、竜馬、竜馬……ッッ!」
「し、シーマ……うおおっ!!」
こうなってしまえば、後はもうたぎる性欲に任せて、いつものように突き抜けるだけだ。ねだるまでもなく、竜馬はまだまだ鎮まらないモノを中へ突っ込んできて、二人は一つになる。
竜馬はその牙をむき出しにして、獲物をしゃぶり尽くす様に犯す。哀れ肉食獣に喰われる草食獣の様に悶えるあたしは、頭が真っ白になっていくのを感じて、あられもない声を振り撒きながら昇天していくのだった……。
・
・
・
三機のゲットマシンが空気を切り裂いて飛翔する。
「チェンジ・ゲッター2! いくよ竜馬!」
「おう、蹴散らせ!!」
あたしのかけ声と共に、ジャガー号、イーグル号、ベアー号の順に一列に並ぶんだまま合体は開始する。推進器の噴射を止めたジャガー号にイーグル号が突っ込み推進器を停止、さらにベアー号が最後尾に突っ込むと手足が一瞬で生える。
クレイアニメーションの様な動きで、あちこちの形を変えながら変形が完了すると、ゲッター2が大地へ激震を伴って着地する。この間はわずか数秒にすぎなかった。
そして右腕の超巨大なドリルを回転させながら胸に構えて、目の前の敵を睨みつける。
「……今日の獲物は一味違うねぇ」
辺りを見回すと、いつもとは違ってゲッターを取り囲む敵は、高性能モビルスーツの大群だった。黒いジムに、ザクもどきや、黒いガンダムまでいる。かなりの投資と見たね、こりゃ。
このいつもと風情の違う連中の正体は、ティターンズだ。それはデラーズ紛争の後、連邦軍の中に設立された地球出身の人間だけで構成された、ジオン残党を掃討するための特殊部隊だった。
なんでも相当金回りが良いみたいで、正規の連邦軍部隊を大きく上回る戦力と権力を兼ね備えているらしい。ジオン残党狩りの特殊部隊っていうのは建前で、これは連邦から独立した政治機構といって良いだろうね。
そのトップに立つのはあのジャミトフ・ハイマン、あたしが裏取引を持ちかけた相手だった。もし作戦が成功していれば、あたしもティターンズに組み込まれるはずだった。
だから、奴にしてみれば裏切り者のうえ余計な情報を持つあたしを、何が何でも抹殺したいだろうよ。
だが、地球出身者だけってのは聞いてなかったぞ……ふん、こりゃ連邦に寝返ってても命は無かったかも知れないね。
これであたしは、ジオンも連邦も両方裏切ったってわけだ。その行き着く先は……
「ふ。あたしには結局ゲッターロボしか無いって事か」
60:名無しさん@ピンキー
07/04/25 22:28:26 o11VBYzD
そのゲッターロボただ一機に対して、囲む敵は数百にも及んでいた。まあ仕方ないね、今まで数え切れないほどの連邦部隊を壊滅に追い込んできたんだ。
それを見て、竜馬が楽しそうにいう。
「へっ、こんだけ頭数揃えりゃゲッターも倒せるってか」
確かに、奴らは数にものを言わせて確実にゲッターを仕留める腹積もりなのだろうね。だけど。
「はん、甘く見られたもんだねぇ……行くよ!」
あたしが動くと奴らは一斉にありったけの砲弾を撃ち込んでくるが、照準を付けた時にやゲッター2はその場にいない。音速で地上を駆け回り、次々と背後を取ると巨大ドリルでコクピットごと突き刺しまくる!
このゲッター2に鈍足なモビルスーツごときが付いてこられるもんか。そしてまた一体のジムを背後から突き刺す! 脱出なんて絶対にさせないよ……ふふふ。
その隙に敵は背中をビームだのキャノンだので狙ってくるが、一瞬で振り向くと今しがた破壊したジムを盾に、そのまま突っ込んで蹴散らす。
ドリルに刺さったジムを他の一体にぶつけてバランスを崩させると、またコクピットを突き刺してやる。そして今度はドリルごと放り投げてやれば、ボーリングのピンの様にモビルスーツ達がなぎ倒されていく。
派手に衝突した機体が爆発を起こし、それに巻き込まれた機体から次々と誘爆していく。運良く脱出したパイロットにも容赦などしない、ドリルストームであの世へご案内だ。
慈悲のない戦い方に、わずかに敵が怯む。だけど怯めば最期、またパイロットごとドリルの餌食になるだけだ。
あたしは元々冷徹だが、竜馬に影響されたせいか、それともゲッター2がパイロットを過激にさせる様な性格なのか、以前にも増してとにかく手加減なしに殺戮の限りを尽くす。
いつの間にか、あたしの顔には狂気の笑みが浮かんでいた。
「これがゲッターロボか……! くっくっく……アッハッハッハハハッ!!」
「お前も隼人みてえになってきたなぁ」
「……だからハヤトって誰さ。そいつもゲッター2のパイロットなのかい」
「ああ。人質がいても構わず敵をブチ殺しに行く様なヤツだ」
「あんただってそうだろ!!」
気が付けば、ムダ口を叩いていられるほどに敵は減少していた。数百機もいた敵機が、もう数えるほどしか残っていなかった。運良く生き残った連中は明らかに怯えている……そりゃあそうだろうねぇ。
こんな一方的な暴れ方をしたヤツなんて、宇宙世紀にはアムロ・レイかシャア・アズナブルくらいしか居ないよ。戦い方の陰湿さでいえば、それ以上だ。
これでも恐れないとすれば、そりゃ竜馬みたいに頭のネジが飛んでるヤツだけさね!
そんな風に構えていたら、かなわないと見て撤退命令でも出したのか、奴らはバーニアを噴かして砲撃しつつ下がっていく。
あたしは「逃がすかい!」と追撃の構えを見せたが、待てと叫ぶ竜馬にそれは阻まれてしまう。出鼻をくじかれて抗議を申し込むが、しかし彼は聞かずに言った。
「気づかねえのか、やつら面白いプレゼントを用意しやがったぞ……核だ!」
「核だって……!」
核。その言葉に、あたしはさっと青くなる。南極条約違反がどうのこうのと、今更いうつもりはない。
だけど、その威力はガトーが証明済みだ。コロニー落としが存在する今、最悪の兵器ではなくても恐ろしい兵器であることに変わりは無い。
いくらゲッターといっても……
「……ちょいとヤバイんじゃないかい」
だが、そんなあたしを尻目に竜馬は高らかに笑っていう。
「上等だ。核なんかでゲッターをどうこうできると思うなら、やってみやがれ!! チェンジだシーマ!」
「あ、ああ……わかったよっ!」
思い出した。竜馬は、初めて会った時にコロニーすらぶっ壊したんだった……なら、今度はそのサマを見せてもらおうじゃないか。
すぐにゲッター1にチェンジすると、大空高く舞い上がり竜馬は上空に向かって突撃していく。ぐんぐん速度が上がり、慣れたと思っていたはずのスピードを超えてさらに加速していく。
そのGにあたしの体はキリキリと痛み始めるが、歯を食いしばって耐える……。
しばらく飛ぶと、真上に見えてくる。そうだ、連邦艦隊を殲滅させるほどの威力のある、核を搭載したミサイルだ!! 竜馬はミサイルとすれ違い様に急停止すると、あたしに叫んだ。
「ゲッター3にチェンジだ、外すんじゃねえぞ!」
「ゲッター3!? 何考えてんのさ! ああっもう……解ったよ、信じる。信じてやるさね! いくよ、オープン・ゲット!!」
61:名無しさん@ピンキー
07/04/25 22:29:18 o11VBYzD
ゲッター3に飛行能力は無い。チェンジすればあとは重力に従って堕ちるだけだ……一瞬の勝負をしかけるつもりなのだろう。
あたしは全てを竜馬に任せてゲッター3へのチェンジを敢行する。衝撃が走って合体が完了すると、すぐに重力に引っ張られ始める。
しかし、それとほぼ同時に竜馬も動く。
「ムサシ、技ぁ借りるぜ。大雪山おろしいぃぃッ!!」
するとその叫びと共に、ぐわっとフレキシブルアームみたいなゲッター3の腕が伸びていく!
どんな構造なのか知らないが、とにかくピノキオの鼻よろしく延々と伸びる腕が落下するミサイルをぐるぐる巻きに締め上げると、無理やり上に放り投げた。
ゲッター3のパワーは凄まじく、ミサイルはまるで跳弾したかのごとき勢いで来た方向へ戻っていく……!
「す、凄いね……」
って感心している場合じゃない、竜馬が叫んでる!
「ゲッター1だ! もたもたするんじゃねぇ!!」
その間にも落下速度がみるみる速くなっていく、もう返事の余裕はない。その代わりに、すぐジャガー号をイーグル号に突っ込ませて変形に臨む。
ゲッター1となり、今度はこっちが跳弾して放り返されたミサイルを追いかけると、必殺の一撃をお見舞いする!
「ゲッターッビィーーームッッ!!」
竜馬渾身の叫びと共に極太の赤い光はミサイルを包んで瞬く間に崩壊させる……その一瞬の後、核爆発が始まる。離脱し、後ろからくる爆風すら追い風にゲッターが飛ぶ。
「へっ、旧ゲッター版シャインスパークだぜ」
もう、敵はいないだろう……彼もそれは確信した様で何か言っているが、あたしには解らなかった。勝利の酒に酔うのは良い事ではないが……あたしは少しばかり脱力すると、シートにもたれ掛かって深く息を吸い込んだ。
先ほどの加速のせいか、あちこちが痛む……くそ。やはり、すぐにゲッターを乗りこなす事などできないって事かね。落胆するが、しかし気取られまいと減らず口を叩いて竜馬にいう。
「やれやれ。あんたといると本当に退屈しないねえ!」
「いずれ、こんなもんじゃ済まなくなるぜ。覚悟しときなシーマ」
「付いていくって言ったさね……逃がしゃしないよ?」
まだ減らず口を叩くが、しかし今の竜馬の言葉にハッとする。ゲッターは、もしかたしたらあたしを訓練しているんじゃないだろうか。
別にティターンズとかを操ってる襲わせているわけじゃないだろうけど、この操縦桿を握った時の高揚感は、間違いなくこいつはあたしを戦いに導いている。そう……「戦え」とあたしに囁くのだ。
竜馬のいうとおり、ゲッターには意思があるのだろうか。もしそれが本当ならゲッターを乗りこなせる様になる頃、きっとあたしはこの世界で神隠しならぬ、ゲッター隠しに逢うだろう。
彼がベッドの中で言った言葉を思い出す。ゲッターに関わって逃げられた奴はいないって言葉を……その意味を考えていくと、ひとつの結論に達していく。
ゲッターは貪欲なまでに自分の力を向上させる存在を片っ端から掻っ攫っていく。それなら、ゲッターから見て優れた兵器もエネルギーも無い世界に来る理由があるとすれば、あとは人材しかない。
竜馬とゲッターがこの世界に来た理由は、たぶん、あたしだ。本当だったらあの場で死んで歴史から姿を消すはずだったこのあたしを助けたのは、シーマという存在を、ゲッターが欲しがったからとしか考えられない。
正直な事を言えば、そんな抗えない力にどうこうされるぐらいなら死んだ方が良かった。だけど、ゲッターもずるい。あたしがのぼせる様な男を引き連れて来るんだからねぇ……。
これだけ茹でダコにされたら、嫌なんて言えないに決まってるだろうよ。くそったれめ。
大空をゲッターロボが翔ぶ。
……次の戦いの時が何時かは知らないが、それまでは、またこの身と心を竜馬に捧げよう。それが今、あたしが生きる意味だ。
そう信じて、あたしは操縦桿を強く握りしめるのだった。
END
62:名無しさん@ピンキー
07/04/26 01:37:35 xNNCC1k7
GJ!
>>56
1
63:名無しさん@ピンキー
07/04/26 01:47:32 puS683jL
ところで前スレも収納されそうだし、そろそろ新しいまとめ人が現れないとまずそうだね。
64:名無しさん@ピンキー
07/04/26 03:39:37 oX4D8dK8
GJ!!!
65:名無しさん@ピンキー
07/04/26 23:24:23 wQ7D9Kyt
こんなの見つけたんだが、買おうかどうしようか迷ってる。
URLリンク(page16.auctions.yahoo.co.jp)
66:名無しさん@ピンキー
07/04/27 04:24:51 Qh3RVmIs
>>65
助言しようにも俺はヤフーのIDが無いのだが・・・
タイトル書いた方がググりやすいのだが?問題あるのか?
67:名無しさん@ピンキー
07/04/28 03:08:39 SF7J+0AZ
>>66
問題という程でもない。
園田屋の『朝鮮飴12』、アニメ悪女の同人誌だあ。
ぐぐっても詳細が出ないから、落札を見送り中。
ちなみに1500円で即決。
持ってる人いたら神認定するわww
68:名無しさん@ピンキー
07/04/30 02:17:38 9S3/Ul5F
そういや、触手モノって意外にないな
69:名無しさん@ピンキー
07/04/30 11:20:16 NtVIX12n
触手に愛はないから。
70:名無しさん@ピンキー
07/04/30 13:59:37 PjMJn+6b
>>69
悪の秘密結社やファンタジーなら、触手持ちの怪人とかいるだろうに何故そういい切れる?
敬愛する女主人に公私共に仕える異形の怪物、なんて可能性の宝庫じゃないか!
逆もOK。万人から忌み嫌われる異形の魔物を心から愛し、従ったがために
魔女と呼ばれる事になった女というのも、これまた熱いではないか!
71:名無しさん@ピンキー
07/04/30 14:13:04 K/vC6RcH
エロゲネタ板の「朝起きたら、妹と」スレの名物SSシリーズで、
近親相姦変態兄妹の母親である天才科学者が
悪の秘密結社「逆さ縛り首団」の黒幕で、
自分も改造イカ怪人という設定なんだよな。
母さん自身のエロシーンはないんだけど・・・
あまりの無茶さに毎回爆笑してるんだが、書いてる作者はヒッキーで鬱気味らしくて時々休みが長いんだ・・・
72:名無しさん@ピンキー
07/05/01 09:41:20 yJfcdVIv
>>33の者だけど
またSS投下する。前回よりも長めなので投下には時間かかるかも。
全体的に男が受け。逆レイプ有。
73:名無しさん@ピンキー
07/05/01 09:44:32 yJfcdVIv
その部屋はあまり広いとは言えず、彩る家具も質素なものだった。金属製の硬いベッドがひとつ、いろいろな道具が置かれた机がひとつと、簡素な造りのパイプ椅子がやはりひとつ。それだけだ。
その椅子に、男がひとり座らされていた。自分の意思で座っているわけではない。それは、椅子の背もたれに縛られた後ろ手を見れば明らかだ。
この部屋には彼以外に誰もいない。
年の頃は二十代前半。精悍な容姿の持ち主で、剥き出しの上半身は鍛え上げられ、獣のようにしなやかな筋肉の鎧を纏っていた。
だがその雰囲気には疲労が色濃く、眼の下にはクマが浮かび、吐く息は重苦しい。
藤堂宗一という名のこの男がそのように疲弊している理由は、ここ数日の拷問によるものだった。
睡眠など許されていないので意識は朦朧となり判断力は鈍り、苦痛によって汗ばんだ肉体には無数の打撃や火傷の痕が刻まれている。
宗一は、政府直轄のとある組織の諜報員だ。その主な任務は、敵対する組織に対する潜入工作。平たく言えば、スパイだ。
少年時代から血なまぐさい生き方しか知らなかった宗一にとっては、慣れ親しんだことだった。そしていつものように潜入した先の組織で、いつものように任務を進めて、
しかしいつもと違ったのは、自身の正体が周囲に露見してしまったことだった。
近年、改造人間や怪人などを運用した破壊活動によって大きく世界を騒がせている国際的テロ組織《ヘルファイア》。
その警備は非常にレベルの高いものであり、機密情報を盗み出そうとした宗一はすぐさま捕獲されて、《ヘルファイア》の基地内にある、この拷問部屋に放り込まれたのだ。
この基地などは各地に点在するものの中でもけっして重要なものではないのだが、それでも宗一には荷が重かったのか。
任務に失敗したことを、宗一は痛感していた。そして彼のように血と硝煙のにおいがとれない人種の世界では、失敗は速やかな死を意味する。
幸か不幸かまだ死んではいないが、時間の問題に違いなかった。むしろ、さんざん嬲られて地獄を味わわされるよりは、いっそのこと一息に殺されたほうが幸せなのかもしれない。
宗一の尋問を担当している男は、明らかなサディストだった。下卑た笑みを浮かべ、無抵抗を強いられた虜囚に向かって鞭を何度も何度も執拗に振り下ろし、
自分が吸った煙草を胸や顔などに押し付け、まともな食事はおろか水さえも与えずに何日も過ごさせている。
それらの行為によって宗一から情報を聞き出そうとしているというよりは、自らのサディスティックな欲望を満足させたいがための行動であると思われた。
けっして殺してはならない、そしてすべての情報を聞き出すまでは過度の虐待を禁ずる、という命令が下っていたことは、おそらく幸いなのだろう。
そうでなければ今ごろ宗一の顔は殴打によって膨れ上がり、耳や鼻は削ぎ落とされ、歯は抜かれ、両手足の指はなくなっていただろうから。
だが、そういったものを想像して覚悟を決めていた宗一にとっては、逆に拍子抜けするほど生ぬるい拷問となっていた。
それを疑問に思いつつ、なんとかしてこの窮地から脱出する機会をうかがっている。絶望するのは、まだ早い。
とはいえ、仮に上手く逃げおおせたとして、失敗した工作員を温かく迎える場所があるのかといえば、それはそれで絶望的なことなのだが。
そのとき、うつむいて目を瞑り、ほんのわずかな時間の休息を得ようとしていた宗一の耳に、この部屋唯一の扉が開く音が聞こえた。
十分ほど前に何者かの呼び出しを受けて立ち去った尋問担当の男が、戻ってきたようだった。ということは宗一は手の縛めを解けば逃げ出せたのかというと、そうでもない。部屋の外には見張りがふたりいるし、監視カメラもいくらでもある。そうそう簡単にはいかないのだ。
果たして、扉を開けて入ってきたのは、宗一にとって予想外の人物だった。
ゆるやかに波打つ金髪を長く伸ばした美女だった。年齢は、宗一よりも少し年上に見える。怜悧な美貌の顔立ちだけではなく、豊満な乳房と、くびれた腰、そしてすらりと伸びた足という、完璧なプロポーションの持ち主だ。
名前を、テスラという。彼女は《ヘルファイア》の幹部―そして、宗一にとっては上司にあたる存在だった。宗一の内通が発覚するまでは。
テスラはすました調子で言う。
「ご機嫌はいかがかしら」
「……悪いよ」
久しぶりに出した声は、ひび割れてしわがれていた。
74:名無しさん@ピンキー
07/05/01 09:47:06 yJfcdVIv
「そう。食事を持ってきてあげたわよ」
言葉どおりに、その手はコップと小さなパンを乗せたトレイを持っている。
テスラは宗一のことをほとんど警戒している様子もなく、つかつかと歩み寄ると、しゃがみこんで宗一の口元へ無造作にロールパンをねじ込んだ。
まだ口も開いていないのでロールパンはひしゃげただけだ。宗一はそれに対して非難するような視線を向けたが、空腹には勝てず、口を開いた。
しばし、室内にはパンを咀嚼して水を飲み込む音だけが静かに響く。
食べ終わってから、宗一はしまったと思った。なんの躊躇もせずに口にしてしまった食事だが、どんな薬物が混入されているかもしれないのだ。迂闊だったと口惜しく感じる。
そんな宗一の考えを表情のわずかな変化から読み取ったのか、テスラが言った。
「変なものは入れてないわよ」
どこか悲しげな様子だった。
しかし、そんな些細な様子は、立ち上がったときには消え去ってしまっている。
「これからは、あたしがあなたの尋問を担当するわ」
テスラは、机の上にあった道具のひとつを手に取った。鞭だ。気の強そうな彼女が持つと、まさに女王様という雰囲気である。
しかもこの女王は、怒りで口元をゆがめ、憎悪すら発しているのだ。
「はじめる前に訊いておくけど。あなたを雇っていたのは、だれ?」
「知らんね」
「あっ、そう。まあ、いいわ。―それにしても」
と、言いながら、テスラは鞭を振るった。ひゅん、という風を切る音と共に加速した先端は、宗一の肩を強く打つ。強烈な打撃音と痛みに、目眩すら感じていた。
「あたしとしたことが、まんまと騙されたわね。見事だったわよ、あなたは」
間髪入れず、もう一度、鞭が振り下ろされる。今度は反対側の肩に。かと思えば、腕に、頬に、胸に、ところかまわず赤いみみず腫れが刻まれていく。
それでもうめき声ひとつ上げないのは、さすがだに訓練されているからだろうか。それとももはやそんなこともできないほどに消耗してしまっているのだろうか。
執拗に攻撃を繰り返された宗一はもちろん辛そうだったが、テスラとて、終わったころには息を荒げていた。激しい運動には慣れていないのだろうか。
冷然とした余裕を取り繕いながら、虜囚を見下す。
「……ふん。それで、どうだったの」
宗一が、なにが、と問い返す暇もなかった。
今までの鞭よりもずっと重い一撃が、宗一の頬を張り飛ばしていた。
痺れる手の平を再び掲げて、テスラは叫ぶ。
「なんにも知らずにあなたの言葉を信じて舞い上がってた間抜けな女は、さぞかし笑える見世物だったでしょうねえって言ってるのよ!」
肉を肉が打つ渇いた音が、連続して鳴り響く。
《ヘルファイア》に参入してから無難な成果を上げつつ頭角をあらわしていった宗一は、自然とテスラの目にとまった。そして彼女の部下になり、そこでも順調に彼女を支え、そしてやがて上司と部下という関係だけではなくなっていた。
ベッドの上で、年下の恋人の胸に身を預けたなら、テスラはいつも幸せそうだった。そのときに口にするのはいつも他愛のないことばかりだったが、言っている方も訊いている方も楽しかった。
テスラと宗一が将来を約束したのは、そうした他愛のない話のひとつだった。それでも、テスラは信じていた。だが、裏切られた。―それでも、信じていたかった。
やがて、平手打ちの応酬がやんだ。宗一はずっと無言で、その仕打ちに耐えていた。
不意に、テスラが、くずおれるようにして宗一の胸に飛び込む。
彼女は、泣き崩れていた。
「……っ、ふぐぅ……ううっ……」
宗一はなにも言えない。ただ黙って見守るしかなかった。震える彼女の体を優しく抱きしめてやりたくても、拘束されているからできないし、また、そんなことをする資格もないことは知っていた。
五分も経っただろうか。テスラは顔を上げずに言った。
「お願い。これだけは教えて。あたしのこと、本当は、どう思っていたの。愛してくれていたの?」
答えることができなかった。
自分にとってのテスラとは、いったいどういう存在だったのか。愛する恋人だったのか。
いや、そんなはずがない。宗一はそういった甘い錯覚を即座に振り払った。
もちろん、任務のために利用していただけだ。幹部という地位にある彼女と親密な関係を築き、任務を遂行しやすいようにしただけだ。
テスラとの関係など、そうでなくては成立しなかった。そうに違いない。
けっして、あのとき感じていた安心や愛しさは本心からのものではなく、きっとただの幻想だったのだ。
だから宗一はこう言った。どちらにしても、こう言うことが正解なのだ。