キモ姉&キモウト小説を書こう!at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう! - 暇つぶし2ch200:名無しさん@ピンキー
07/04/24 08:48:24 JeOX++KE
>>197
どっちかっていうとキショ姉じゃねぇ?


・・・いや、スマン。人の姉ちゃんをキショいって言っちゃあかんな。

201:名無しさん@ピンキー
07/04/24 09:20:41 i8BvlL3j
違いの分かるブラザー、説明してくれ
キモ姉とキショ姉はどう違うんだ?

202:名無しさん@ピンキー
07/04/24 11:16:17 wnmZWn6Q
うちの姉ちゃん
風呂上りにセミロングの髪をオールバックにしてた

俺「小力に似てる・・・」
姉「ひどっ!ひどい!」
俺「切れた?」
姉「切れてないっすよ!」

でもマジ蹴りされた

203:名無しさん@ピンキー
07/04/24 12:12:30 +J/A5NxF
>>202
顔も小力に似てるのか……?

204:名無しさん@ピンキー
07/04/24 12:32:41 ibHQsZq7
>>202
俺そういうノリの奴大好物だ



紹介してくれ

205:名無しさん@ピンキー
07/04/24 19:12:10 JeOX++KE
>>201
俺の感じ的には、ある意味いい感じもするのがキモ、真性不快なのがキショ。


なぜならキモ姉キモウトのキモは気持ちいいのキモ、肝のキモでもあるからだ。

206:名無しさん@ピンキー
07/04/25 12:14:22 SoF3Bh4m
好意→キモ
嫌悪→キショ
でいいんじゃね?

207:名無しさん@ピンキー
07/04/25 12:38:10 hfbkDXv2
好き過ぎて&きょうだいだから、っていう理由でツンになるパターンもあるんじゃね
ROOM NO.1301のホタルみたいに

208:名無しさん@ピンキー
07/04/25 19:14:35 uk9yIfMC
そういや、ふと気になったんだけれどさ。
自分の子供達が近親相姦してるって知った時の親の気持ちっていったいどんなものなんだろうな?

ルームナンバーでは、父親→露骨に避ける。
母親→精神崩壊&記憶欠落だったけれどさ……。

親になったこともないし、これから親になる予定も無いから想像つかねーや。

209:名無しさん@ピンキー
07/04/25 19:24:38 fnedj0Gb
ストーカー小説を書こう♪
スレリンク(eroparo板)

210:名無しさん@ピンキー
07/04/25 21:02:26 zPztB+pi
>>208
両親も実は兄妹

211:名無しさん@ピンキー
07/04/25 21:18:40 bSHyoPxA
親の反応で思い出したんだが
二宮ひかるの「初恋」って単行本に入ってるエンゲージって漫画が
なかなかこのスレ向きだと思った。特に双子の兄妹の方。

212:名無しさん@ピンキー
07/04/25 21:34:57 4jcnQpK5
家の近所の小学生姉弟
姉が5,6年、弟3,4年くらいで手つないで登下校してる

オレは期待してるぞ!!!

213:名無しさん@ピンキー
07/04/25 23:42:41 bAjD8Je9
kwsk

214:名無しさん@ピンキー
07/04/26 00:31:24 T9k3j1cu
小三の妹から、友達の中に外でもキスする姉弟がいると聞いた……

正直吹いたね

215:名無しさん@ピンキー
07/04/26 01:46:43 cVgfWqVg
キモ姉、キモウトは世間一般から見た度の過ぎたブラコンと俺は勝手に解釈している





そして俺がもっとも欲しいもの

216:名無しさん@ピンキー
07/04/26 02:05:24 gmlOqP03
>>215
俺もそう思う

217:名無しさん@ピンキー
07/04/26 03:20:57 Uq7Sp2XC
>>208
むか~~~し、そんなSS書いた記憶がある。
妹に逆レイプくらった兄貴が、親バレして、実家から勘当される話。


218:名無しさん@ピンキー
07/04/26 03:50:29 YSYhpQF5
>>217
どう考えても兄貴が被害者なのに勘当かよ。
救いようのない話書いてるなお前・・・。

219:名無しさん@ピンキー
07/04/26 06:33:10 p5sLH6/8
>>218 だがそれがいい

220:名無しさん@ピンキー
07/04/26 08:35:38 fXGiz9G9
>>217
妹が精神的にドSで、実は兄が勘当されるように仕向けたのは
籠の鳥にするための陰謀だった展開を妄想した

「兄さん……これでもう一人っきりだよ……。
 兄さんには、友達も、先生も、幼馴染も、両親もいらないの。
 あたし以外は何にもいらないの。あたしだけ。あたしだけが兄さんを救えるの。
 兄さんにあたししか残らなくなるまで、追い込んで追い込んで、破滅させてあげる……」

朝っぱらからヤンデレキモウト妄想で萌える俺はたぶん変態です

221:名無しさん@ピンキー
07/04/26 13:42:20 gmlOqP03
>>217
ていうかそれ読んだことあるな
嫉妬スレじゃないか?投下したの、あれはいいものdatta

222:名無しさん@ピンキー
07/04/26 15:46:38 YSYhpQF5
>>219
いやいやいやいや、よくねえよ!破滅じゃねえか!!
まあ、兄が勘当されて家を出て行き、妹も出て行って兄のところに押しかけ、
これで二人っきりだね・・・なーんてしてくれれば最高ですが。

223:名無しさん@ピンキー
07/04/26 15:48:32 YSYhpQF5
悪い。>>220を読んでなかった。

224:名無しさん@ピンキー
07/04/26 19:25:06 Uq7Sp2XC
>>218>>222
うん。最初は俺もバッドエンドにしようと思ったけど、投稿途中で気が変わって、
兄妹二人が、兄貴勘当後の密会の段取りを組むっていうラストに変更した。
(後日談的に、数年後の逢引のシーンもいれといた。)

>>221
いや、嫉妬スレじゃなくて、妹スレ。
確かまだ、保管庫には残ってたと思う。

225:名無しさん@ピンキー
07/04/26 23:48:25 4KHQWaRQ
まさか「牡丹」と「雅」作者か?

226:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:19:52 fNgpvjK+
>>217
読んでみたな、どこで読めるの?

227:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:26:15 7hf2GwKP
「どこに入れて欲しい?」
「もうっ、お兄ちゃんの意地悪っ、ん…アソコ…アソコに入れて」
「アソコ?アソコってどこ?言ってごらん」
「言えないよぉ、恥ずかしい…」
「恥ずかしくないよ、さぁ言ってごらん」
「……こ…」
「何?聞こえないなぁ。もう一回どこに入れて欲しいか言ってごらん」











「……こ、公明党」

228:217
07/04/27 00:36:58 qlRzY0zz
>>225
嬉しいなあ。タイトル覚えててくれた人がまだいたんだ。
「牡丹」に関して言えば、続編の構想もあったんだけど、
どう考えても、重くて暗くて堅苦しい話になりそうだったんで、やめた。

>>226
「妹大好きスレッド」の保管庫に、まだあったはず。
かなり拙作なんで、恥かしいんですが、気が向いたら読み飛ばしてやって下さい。

229:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:39:14 skeC3Ex+
>>227
吹いたwwwwこれはキメェwwwwwwwwww

230:225
07/04/27 00:48:15 6/4Tze/F
うわ、作者さんだったか。こんな所でお眼にかかれるとは……
あの作品を読んで私はSSを書く事に目覚めたんだよなあ。


231:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:48:34 RTKA6El4
>>227貴様はっ・・・・貴様は天才か!?

つニュージャンル
選挙に投票するキモウトがエッチになる瞬間に・・・・

232:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:51:00 06stOAD3
>>228
ごめん、妹大好きでスレッド一覧検索しても見つからない。
もう潰れた?

233:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:54:09 TisNlMwY
ひらがなで「いもうと」だ
スレリンク(eroparo板)

234:名無しさん@ピンキー
07/04/27 01:54:16 Q9V2CNEd
ぼ、牡丹!?
牡丹って……あの兄弟を虐待する姉妹のスレにあった素晴らしくイカれた……

235:名無しさん@ピンキー
07/04/27 02:34:24 v9FceTa6
兄弟を虐待する姉妹スレについてkwsk

236:名無しさん@ピンキー
07/04/27 02:39:35 v9FceTa6
sage忘れてた……orz誰かコロして……

237:名無しさん@ピンキー
07/04/27 02:49:25 Q9V2CNEd
>>235

兄弟の尿道にビーズの束を差し込んだり、後ろから尻穴をペニバンで突いたりしてたスレ。
いつの間にか消えていて、避難所も行方不明。


238:名無しさん@ピンキー
07/04/27 03:40:18 v9FceTa6
>237
アゲてしまった不作法者にも関わらず、なんと親切なお方……。スレが行方不明とはいえ情報、有難うございます。

239:名無しさん@ピンキー
07/04/27 03:50:31 Kl5vp/Y0
>>224
いもうとスレか!そうだそうだ
あのいい具合に逝ってる感じがヨカタよ
よければまたかいてくr(パーン

240:橋乃根本 ◆YzvJ/ioMNk
07/04/27 06:25:00 rolhx8K8
なんだか流れ豚切りですが、一つ投下します。
「静かな暗さ」を目指してみました。たぶん3~4レスぐらいです。

241:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk
07/04/27 06:26:18 rolhx8K8
「お兄ちゃん、起きてよ」
ちょっとハスキーな声が、俺を覚醒させた。
「ん…吹雪?」
まだ焦点の定まらない目で見たのは、俺の妹。
「お兄ちゃんを『お兄ちゃん』って呼ぶのは私だけだよ」
…それもそうか。などとぼやけた頭で思う。
そういや、入院してる吹雪を見舞いに来たんだっけ…。
時計を見ると、すでに見舞いにきてから二時間近く経っていた。
くぁ…と小さく欠伸をして、眠気を払ってから妹の手を握る。優しく目を見る。
言葉はないが、一々言葉を交わさなければわからないほど浅い付き合いじゃない。
早く治ってくれ。その思いのたけを込めて、手を握る。
「お兄ちゃんの手、暖かいね」
「お前の手が冷たいんだよ」
精々、会話はこの程度。それでも、伝えたいことは伝わると信じている。

「本山さん、申し訳ありませんがそろそろ消灯の時間ですので、お引取り願えませんか?」
もうそんな時間か…と腕時計を見ると、八時半を過ぎていた。
本当は八時で面会を締め切るのだが、吹雪は精神的にいくらか怪しいところがあるので、特例となっていた。
「お兄ちゃん、もう帰るの?」
「…ごめんな、吹雪。本当はもっと一緒にいてやりたいんだけど、我が家のようにはいかないよ」
帰ると言うと、吹雪は必ず袖を掴む。離れたくないと。
もちろん辛い気持ちもあるが、そこは飲み込む。傷跡のある手をそっと振りほどき、騎士のように手へキス。
「じゃあな」
これが、いつもの別れ方。その後、吹雪は必ず頬を赤くして見送る。
…あの子だけは、傷つけたくない。そう思ってする、俺にできる精一杯の愛情表現

242:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk
07/04/27 06:27:10 rolhx8K8
俺たちの生い立ちは、あまり幸福ではなかった。
両親は俺が中学三年、妹が小学五年のときに離婚。
俺は昔から喧嘩ばかりしていた両親を見ていたので、別に不思議には思わなかった。
妹もそんな両親を見ていたが、甘えたい盛りの年頃。どんなにショックだったかはわからない。
俺たちは母親に引き取られた。そこまではどこにでも転がっている話だ。
だが、母親は離婚から一年も経たずに再婚。相手も子持ちの男だった。
ここから先は、ありふれた悲劇。母親は相手の子ばかり可愛がり、俺たちには冷たく当たった。
とはいえ、衣食住に困るほどではない。それでも何かにつけて貶められた。
俺は一つ屋根の下にいる人間を『家族』と思うことはついに出来なかった。
妹もそれは同じようで、結局なじまなかった。
それだけならまだいいが、精神的にかなり辛かったらしく、自分の身体を傷つけることも多々。
そして、そんな手間の掛かる妹をさらに無碍に扱う実母と義父。
俺はそんな家にいるのが嫌で、必死に勉強して資格を取り高校卒業(就職)と共に家を出た。
妹に「来るか?」と一言聞けば、妹は何も言わずに荷物をまとめた。
それからもう5年。俺はその間にたたき上げの出世頭になっている。
出世自体に興味はないが、いかんせん養う家族がいる以上、金はいる。
今でも必死に仕事をこなしているが、段々妹と接する時間が減っていくのが目下の気がかり。
寂しい思いをさせたくないと思うが、時間にはどんな武器でも敵わない。
そんな事を考えながら、俺は病院を後にした。

243:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk
07/04/27 06:28:11 rolhx8K8
…お兄ちゃんの寝顔を眺めている。
私の人生の中でも最も素敵な時間。
普段は無愛想な顔なのに、寝顔は素直であどけない。
目蓋に唇を落としてみる。可愛らしくうなった。
指を舐めてみる。清潔な石鹸の香りと、わずかな汗の味。
それがとっても美味しくて、指を無心に舐める。
視線がいやらしくなっていくのがわかる。頬が上気するのも。
「…私、変態みたい。」
そう呟いても、舌は止まらない。
お兄ちゃんはかなり疲れているみたいで、全く目覚める気配はない。
それどころか、ちょっとくすぐったそうにうなる。
そんな仕草が可愛すぎて、どんどんと行動を昇華させたくなるけど、こんな所じゃまずいよね?
気持ちを振り払って唇から指を離すと、微かな銀の糸。
それが何だか、私の気持ちを代弁してるみたいに見える。
お兄ちゃん…昔から、私にはお兄ちゃんだけだよ?
お兄ちゃんが居れば、私は何も要らないよ?
人を狂わせるお金も。
離れて暮らすことになる広い家も。
親もいらない。私の愛を邪魔するだけだから。
布団もいらないよ。お兄ちゃんと抱き合って眠れば、どんなものより暖かいから。
広い世界もいらない。お兄ちゃんの腕の中、それだけが私の世界でいい。
ただ、お兄ちゃんがいればいい。
ずっと一緒にいられるのなら、地獄にだって喜んで堕ちるよ?
私は弱い人間。
お兄ちゃんに寄り添わなければ、真っ直ぐ前を見て立っていられないから。
どんどん、お兄ちゃんに寄りかかっていくから。
だから、もっと強く抱きしめて?倒れないように、折れちゃうぐらい、ぎゅってして?
いっそ、私の命を呑み込んで。私をお兄ちゃんの一部にして。
恥ずかしがらないで?
今、この病室にいる限り、世界は二人だけのものだから。
私を、お兄ちゃんのものだけにして?
深い深い泥沼に、一緒に堕ちていこうよ。
底まで行ったら、真っ暗闇。そこにこそ、本当に二人きりの世界があるから。
誰にも邪魔されない、二人だけの世界があるから。
お兄ちゃん、誰かのものになっちゃいやだよ?
お兄ちゃんは私だけのものだから。誰にも渡さないから。
お兄ちゃんを奪おうとするのなら、神でも殺してみせるよ?
だから、私を愛してね?
深く、深く、深遠の闇より暗い愛で。
私が見えなくなるくらい、暗い愛で包んでね。
そうしたら、私の目にはお兄ちゃんしか映らないから。
他人からも、私は見えないから。
だから、私を愛して。お兄ちゃん。

244:私だけの人 ◆YzvJ/ioMNk
07/04/27 06:28:55 rolhx8K8
退院まで、後一週間。一週間経てば、またお兄ちゃんと一緒に暮らせる。
どんなことをしようかなぁ?
暗い部屋で、二人でじゃれあおうかなぁ?
昼も夜もなく、一緒に遊ぼうよ。お兄ちゃん。
だから、早くお仕事を片付けてきてね?

「お兄ちゃん、起きてよ」
ずっと寝てないで、起きて私を見てよ。
私にお兄ちゃんを刻み付けるために。
お兄ちゃんに私を刻み付けるために。
永久に、永遠に、たとえ死しても、消えないように。

245:橋乃根本 ◆YzvJ/ioMNk
07/04/27 06:30:59 rolhx8K8
以上です。
一応一区切りですが、前半で長々と設定書いたので続きも書こうかと思ってます。
しかし、リアル妹はいないので前作よりはるかに書きやすかったです。

246:名無しさん@ピンキー
07/04/27 10:05:30 kaYzw7al
なかなかにすてきなキモ妹ですねwww

牡丹の人の新作も期待してます!!

あと籠の中の続きが気になってしょうがない

247:名無しさん@ピンキー
07/04/27 12:29:55 Uo1MmVnC
俺も籠の中の続きが気になって夜も眠れず昼寝する。

248:名無しさん@ピンキー
07/04/27 13:23:07 skeC3Ex+
キモイとは思わない。
いい雰囲気だなぁ。


249:名無しさん@ピンキー
07/04/27 13:49:28 50DS3M50
いいですねえ。ただ文章こそ長いものの
プロットをそのまま深皿に入れて、コンソメスープで
薄めて出されたような気もする。

と思ったら続きあるんですね。スンマソン。期待待ちです

250:名無しさん@ピンキー
07/04/27 21:30:42 4F177G+V
がんばれ職人。そして、完結した暁にはこの乙を・・・
 ( ゚Д゚)っ
  ( つ 2/

  ( 。_。)っ
  ( つ 2/

  (゚д゚ )っ
  ( つ 2/

  ( ゚д゚)っ
  ( つ 2/

  ( ゚д゚ )っ
  ( つ 2/




251:名無しさん@ピンキー
07/04/27 23:37:58 jRA4n1ax
一つ言っておくが・・家庭教師のお姉さんもこのスレの範囲内だろうな?
義姉や義妹もスレ内だろうか・・

一度、議論しようぜ

252:名無しさん@ピンキー
07/04/27 23:41:23 skeC3Ex+
近親である必要はない……よな?!

253:名無しさん@ピンキー
07/04/28 00:00:16 9feaPMGY
義姉や義妹はこのスレで当然よかろうが、
ただの年上の女性は姉でも妹でもないのでダメだろう。
せめて兄嫁ぐらいでなければ審議の対象にもなるまい。

254:名無しさん@ピンキー
07/04/28 00:03:36 4SW/9AHT
偽物は認めん!!!

255:名無しさん@ピンキー
07/04/28 00:05:12 gpzdskM3
ヤンデレスレにでも行けばいいんでない?そういうのは

256:名無しさん@ピンキー
07/04/28 00:28:36 zZOU7DeQ
家庭教師のお姉さんと義姉は合法だ・・
この国は自衛隊を無理矢理な解釈でイラクに派遣したので・・大丈夫でしょ
せっかくのネタを取られるのもバカな話だしなw

257:名無しさん@ピンキー
07/04/28 00:29:21 iaBhctZe
>>250-255
      
      こ
      っ
      ち
      見
      ん
      な



258:名無しさん@ピンキー
07/04/28 11:56:50 oFfSuujR
義理のお姉ちゃんはいいとして、家庭教師のお姉さんはキモ姉とは違う気がするんだ

血が繋がってる繋がってないは別としてキョウダイ関係に絞らないか?

259:名無しさん@ピンキー
07/04/28 13:11:43 Gr84KBhi
同意。「姉みたいな存在」ってのはなんか違う気がする。
まあ類似スレいっぱいあるしそっちで投下してくれればおk

260:名無しさん@ピンキー
07/04/28 17:50:33 E0h/TVeW
今、地元のローカルテレビ番組を見てたんだが、地元のダンス姉弟の特集をやってて、ダンス披露した後に、二人がインタビューされてて、その時

「お姉さんの○○さんにとって弟さんはどんな方ですか?」

って質問がされたんだ。
したら姉の方が

「○○くんは優しくて頼りになって……生涯のパートナーです!」

って言ってた。
アナウンサーも弟も顔をひきつってたよ……

それを見て、キモ姉かと思った俺は重症?

261:名無しさん@ピンキー
07/04/28 17:57:48 DkPjFgdj
いや。かなりキモイw
ダンスの相手役って……意味だけじゃないよな!?

262:名無しさん@ピンキー
07/04/28 18:04:35 oFfSuujR
>>260
虹に変換したら萌えた(*´Д`)ムハー こういうナチュラルなキモ姉もいいな




で弟のほうはなんと?

263:名無しさん@ピンキー
07/04/28 19:12:36 6Zpi26py
生涯のパトーナーの意味が違うんじゃあ・・・
でも、萌える

264:名無しさん@ピンキー
07/04/28 19:41:40 tqNhXYOr
>>260
ktkr

265:名無しさん@ピンキー
07/04/28 20:15:26 5YX/DKl4
年齢にもよるな

266:名無しさん@ピンキー
07/04/28 21:57:11 6Zpi26py
理想のキモ姉というのは極度のブラコンであり、又はシスコンである。
まあ、弟や妹が可愛くて甘えさせている姉っているじゃんw 
あの全て包み込むような優しさを持つのが一番上である姉って感じするのだが・・

267:名無しさん@ピンキー
07/04/28 22:56:29 6CJ7ZuFw
>>260
萌えた

268:名無しさん@ピンキー
07/04/29 03:04:44 n47pLYnj
>>260
どう考えても素晴らしいキモ姉

この設定使えるね!誰かSSを!
ダンス仲間の泥棒猫とか弟の同級生の泥棒猫とか…

269:名無しさん@ピンキー
07/04/29 03:56:59 amY8U8e7
DODのフリアエ

あれはキモウトだったな……

270:名無しさん@ピンキー
07/04/29 04:16:57 pisOP02I
>>269
カイムのお兄ちゃんはアンヘルを選んでしまったようだがな・・・・・

271:名無しさん@ピンキー
07/04/29 09:28:13 Wc4PwMNN
救われる道は無い上に怪物化…
嫌なこと思い出させるなよ('A`)

272:名無しさん@ピンキー
07/04/29 12:22:16 e4HS55q0
DODのストーリー勝手に変えちゃえば、SS書けんことも無い。
上手くいけばハッピーエンドになるんじゃね?
書かないけどな(だってクリアすらしてねぇしスレに合わなさそう)

273:名無しさん@ピンキー
07/04/29 12:23:34 e4HS55q0
ごめん下げ忘れた。

274:名無しさん@ピンキー
07/04/29 15:45:03 egszU/Ae
最後は戦闘機とエースコンバットばりにドッグファイトするあれか。

275:名無しさん@ピンキー
07/04/29 17:24:47 amY8U8e7
>>274
憧れのお兄ちゃんは
戦闘機に跨がって闘う事ができるんだぜ

276:名無しさん@ピンキー
07/04/30 00:29:06 O2NOUqod
DODといえば2にはキモ幼馴染がいたな

277:名無しさん@ピンキー
07/04/30 12:14:58 pDbxSYOG
vvv

278:名無しさん@ピンキー
07/05/01 02:35:38 UzbtJMg2
>>276
正直ヒロインより全然幼馴染のほうに萌えた。
まぁ小雪が嫌いってのもあるけど。

279:名無しさん@ピンキー
07/05/03 09:46:04 UstTPsT+
>>276
ちょっと今からDOD2買ってくる

280:名無しさん@ピンキー
07/05/03 21:20:12 ckAGMb/U
DOD2は結構ライトで「普通」感があったのが嫌だったなぁ。
わが道を貫き通して欲しかった。

281:名無しさん@ピンキー
07/05/03 22:33:41 8Sv4PDlV
俺、亀毛兎角よ

282:名無しさん@ピンキー
07/05/03 23:15:08 u0MFbu+T
2イイのはカイム死亡のシーンだけ

1やってりゃ泣ける……

283:名無しさん@ピンキー
07/05/04 07:38:14 iDrCPw5G
>>282
確かに…あの会話は今でも思い出せるよ。
「もう良いのか、カイム」
「あぁ、行こう、共に…。」
泣けてきた…。

284:名無しさん@ピンキー
07/05/04 08:48:30 ye7cIMJ9
正直カイム視点のサイドストーリーがあったらものすごく良作に変わってたと思うんだ

285:名無しさん@ピンキー
07/05/04 09:35:00 QAzIONX7
いい加減脱線しすぎでスレ違い板違いだぞ

286:名無しさん@ピンキー
07/05/04 15:46:55 xrLRO6RI
>>123
後生ですから、続きをお願いします。

287:名無しさん@ピンキー
07/05/05 19:14:15 2CnM1mWA
続きを書かないと呪い殺す

288:名無しさん@ピンキー
07/05/05 19:38:05 fEgZPGCf
マホカンタ

289:名無しさん@ピンキー
07/05/05 19:49:42 swY5Ias4
アストロン

290:名無しさん@ピンキー
07/05/05 20:03:57 JkJnaUAH
完全防御

291:名無しさん@ピンキー
07/05/05 20:11:54 2CnM1mWA
お、おまいらwwwいったいどこからwwww

リ、リフレクだもんね!俺今無敵だもんね!!

292:名無しさん@ピンキー
07/05/05 22:57:12 TuZsgcMa
凍てつく波動

293:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:20:11 vA1EGu0d
ATフィールド

294:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:30:13 fEgZPGCf
ドローモンスターカード

295:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:33:52 4HaRJxiV
ザムディン!!

296:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:36:56 XD0ksXLU
超ウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐

297:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:38:59 KtkHd5JW
ダダドムゥ

298:名無しさん@ピンキー
07/05/05 23:46:31 JkJnaUAH
あつしw

299:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:08:17 q1XIrnjJ
貴様等いいかげんにしろ!!!!
くらえ!メガンテ!!!


↓何事もなかったようにスレ再会

300:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:10:45 HhjY8S0Y
もうみんな消えろ

マ ダ ン テ

301:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:31:43 +nQzMm3j
マジャスティス

302:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:38:56 ceh1a9zC
なぁ

いいいかげん片付く気配がない姉に親が
「老後一人でどうする気や」って言うたら
「ええもん七史といっしょに暮らすもん!、なー」

って言われたんだが..俺はどうすれば...

303:名無しさん@ピンキー
07/05/06 02:01:40 QE4DdEAN
ヤッチマイナー

304:名無しさん@ピンキー
07/05/06 02:38:45 syk/yy0e
そのキモ姉が29歳以下(処女)なら超うらやましい…

305:名無しさん@ピンキー
07/05/06 15:00:08 fagjhumM
試しに「俺は婿に行く」と言ってみるとか

306:名無しさん@ピンキー
07/05/06 17:20:30 LyM1OQGC
「俺が姉ちゃん嫁に貰うよ」って言って軽くあしらわれたらただの冗談
姉ちゃんがキョドったら・・・あとは分かるよな?

307:名無しさん@ピンキー
07/05/06 17:27:46 HhjY8S0Y
 突 撃 あるのみ

308:名無しさん@ピンキー
07/05/06 17:38:18 8G8InFyj
襲うというか
  犯 っ ち ま う

309:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:14:42 9WpxKqkW
強引ヨクナイ

310:橋乃根本 ◆YzvJ/ioMNk
07/05/06 18:23:29 5lAJWaQT
実姉なら勃たんだろ…。普通に考えて。

311:名無しさん@ピンキー
07/05/06 18:24:30 5lAJWaQT
名前欄消し忘れました…。
俺ってこのミス何回やってるんだろう…。

312:無形 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:25:58 G7gFBpA0
籠の続きを投下します。
今回少し長いので、二回に分けます。

313:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:28:35 G7gFBpA0
「大きくなったら、結婚しよう」
街のはずれの寂れた空き地。
すでに“蒼”と呼べる空は無い。
輝く七色を反射する星星は黄昏た曇天に呑み込まれ、静かな月は黒くて視えない。
穢れた大地に膝を抱える幼い少女と、その傍に立つ少年。
あの日、『彼』は確かにそう云った。
「僕が理理とずっと一緒にいてやる」
今にも涙が落ちてきそうな暗くて黒い空の下。
羽虫のたかる街灯だけが、惑った視覚を補償して、ぼやけた人工の輝きだけが、互いの姿を確認
させる。
『彼』の言葉に幼い少女はぴくりと震える。
球体を目指すかのように縮こまった身体を駆動させ、ゆっくりと首を持ち上げる。
「おにいちゃん・・・・・・」
少し垂れ気味の、大きな宝石に浮かぶ水質の光。
舌足らずな口からこぼれるコントラルトが今の言葉を確認させる。
「本当に・・・・理理と一緒に居てくれる?」
「本当に・・・・理理をお嫁さんにしてくれる?」
「本当に・・・・理理を愛してくれる?」
繰り返される相似した質問に、『彼』は「ああ」とだけ頷いた。
幼い少女は「嬉しい」と笑う。
乱立する電信柱の影法師が、籠の柵のように二人を囲んでいた。

唯、それだけの風景。
それだけの過去。
そして、たった今見ていた夢―

僕は目をこすりながら、指に絡みついた“銀色”を見つめた。
「これのせいかなぁ・・・・」
あんな夢をみたのは。
「何歳のときだっけか」
それすらも思い出せない。
追憶はいつも断片的だ。
手を移動して、口をぬぐう。
よだれでも垂らしていたのか。頬まで唾液でびしゃびしゃになっていた。
「みっともないなぁ」
汚らしさに苦笑する。
時計を見ると6時半。
いつも通りの起床時間だ。
布団の中に理理の姿は無い。多分、朝食を作っているのだろう。
再び視界は銀色へ
昨日―
理理は涙まで流して、この『プレゼント』を喜んだ。
上気した頬と、潤んだ瞳。耳まで赤くして、けれど躊躇無く。
円環を左手の薬指に嵌める。
「ずっと・・・大切にするね」
上目遣いに微笑んで。
「お兄ちゃんも、ここに嵌めて?」
僕の左手を握る。
『ずっと身につける』
そう約束した以上、破るわけにはいかなかった。

そして、僕には銀の約束が絡みついた。

本当に嬉しそうに。
本当に楽しそうに。
妹は兄の左手を見て笑い。
妹は妹の左手を見て笑う。
いつもと違い、兄に断ること無く手を繋ぎ、指を絡める。
傍に在るのではなく―寄り添うように。
傍で寝るのではなく―絡みつくように。

314:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:30:38 G7gFBpA0
“銀色”を嵌めて後、幽かに理理の態度が変わった。
「一緒に寝ても良い?」
いつもならそう聞くのに。
それが自然であるかのように、僕の布団に潜り込んだ。
兄を見つめる視線は穏やかさよりも、もっと重い感情があった。
まるでこの間の聖理のような、無邪気さを失した視線。

理理は僕との約束を違えた事が無い。
僕もそうだ。
理理との約束はきちんと護ってきた。
でも。
飾られた仲の良い兄妹の写真を見る。
はにかんで兄と手を繋ぐ少女の姿。
先ほどの夢は、あれぐらいの時のことだったろうか。

「結婚しよう」

その約束は叶えられない。
そして、叶える気も無い。
子供のときにのみ輝く約束。
長じてからは叶えてはいけない約束。
あいつが今もそんなことを覚えているとは思えないが。
あの時の。
昨日の。
嬉しそうな姿を思い出す。
仲の良い兄妹がペアのアクセサリーをつける。
そこまでは良い。
けれど、それが指輪で、しかも左手の薬指というのはまずいのではないか。
今の僕の願い。
それは理理に自立して貰うこと。
指輪(これ)は、その目的を後退させるのではないか?
そんな風に思う。
あの時の約束。
何も覚えてなければそれで良い。
けれど、もしも覚えているならば―
僕は左手をぎゅっと握った。

「おはよう。お兄ちゃん」
身支度を整え、部屋に入ると理理は近くに遣って来た。
いつも通りのはにかんだ笑顔をし、いつもよりも赤い顔をする。
いやでも目に入るのは妹の薬指。
銀色の、約束。
僕の前まで来た理理も、僕の左手を何度も何度も覗き見る。
(やっぱり・・・・)
やっぱり“これ”はつけないほうが良かったか。
少し気が重い。
「ねぇ、お兄ちゃん」
挨拶を済ませ席に着くと、調理を再開した妹が弾んだ声で話しかける。
「今日ね、夢をみたの」
『小瓶』を取り出し、食事に混ぜる。
いつもよりも量が多いように感じるのは、気のせいだろうか。
「夢?どんな?」
自分のみた夢を思い出す。
「うん。・・・・・・あの、ね・・・・・」
照れたように目を伏せる。
「昔、夜の空き地で―」
ぶつぎりのアルトボイスが『同じもの』を語る。

315:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:33:15 G7gFBpA0
僕が顔をしかめると、「どうしたの?」と問うてきた。
「いや」
僕は首を振る。
「俺も今日、その夢をみたんだ」
「本当・・・・・!?」
嬉しそうに目を見開く。
「やっぱり、お兄ちゃんと私は繋がってるんだね・・・・!相性が良いんだね。それとも―」
左手に目を落とす。
「“これ”のおかげかな」
円環をそっと撫でた。
―ああ、やっぱり覚えてる。
僕は肩を落とした。

いつも通りの道を往く。
それは変わらない。
なのに。
横にある少女の立ち位置が違う。
「お兄ちゃん・・・」
話しかけられたのではなく、ただ呟いているだけ。
僕の腕に抱きついて、頭を預けながら歩く。
いつもなら傍を歩くだけなのに。
家を出た瞬間から、妹は僕に腕を絡めた。
従妹のようにぎゅうぎゅうと抱きしめるのではなく、静に、でも力強く腕を抱く。
こういう行為にも性格は出るものか。
聖理は僕を引っ張るように、自分のもとに引き寄せるように腕を組む。
対して理理は僕に縋り付くように、兄のもとに寄り添うように腕を組む。
そんなことを比較する。
景色が変わり、学園に近づくほど視線が集まる。
それはそうだろう。
こんな風に腕を組んでいれば、嫌でも目に付く。ましてや理理は人目を引く容姿なのだ。
(指輪は、見られてないかな・・・・?)
そんなはずはないか。
無駄な希望だ。
一応、テーピングは持ってきている。
だから隠すことはそう難しくない。
外す―そういう選択肢もあるが、「ずっとつける」と約束してしまった。だからそれは出来ない。
外すときは、理理に宣言してから出なければならない。
そして、校門が近づく。
「まずいな」
僕は妹に視線を移す。
「理理」
「なぁに、お兄ちゃん」
「今日、身だしなみチェックがある。ほら、校門のところでやってるだろう?」
鞄を持った手を持ち上げて指を刺す。
そこには幾人かの教師と、その前に並ぶ生徒の姿。
僕や理理は引っかかったことなんて一度も無いが、今は違う。
指には銀色が絡みつく。
「指輪(これ)、外さないとまずいだろう?」
「いや・・・・」
即答だった。
妹は僕を掴む腕に力を込めて、ゆっくりと首を振った。
「でもな、見つかったら取り上げられちゃうだろう?」
「いやだよ。お兄ちゃん、約束、破るの?」
「・・・・今だけだよ、お前だって、買ったばかりでなくなるのは嫌だろう?」
「駄目っ・・・!」
再び首を振る。腕に篭る力が強い。
「私、この指輪外したくないよ・・・。死ぬまで・・・ううん、永遠につけてるの。はずさない、
絶対に外さないよ・・・・・!!お兄ちゃんのくれた指輪だもの。お兄ちゃんと交換した指輪だもの
・・・・・!!」

316:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:36:05 G7gFBpA0
「理理・・・・」
僕はため息を吐く。
これは。
この理理の状態は、あの時と同じ。
僕と部屋を別別にするように云われた、あの時と同じだ。
理理は普段は聞きわけが良い。
僕の云うことなら何でも聞くし、そもそもからして我を通すことも無い。
だから。
だからその反動故か、一度云い出したことは決して曲げない。
このまま外すように云ったところで、妹は泣き叫ぶだけだろう。
(困った)
頭をかく。
持ち物にテーピングはある。だから隠すことは出来るだろう。
しかし、そういう意見を出して、この娘は納得するだろうか?
しないような気がする。
いや。
それ以前に僕ならばともかく、妹にテーピングは不釣合いだろう。
包帯でも持って来れば良かったか。
僕の腕を抱きしめる妹を見て、また吐息。
仕方ない。
「理理、こっち」
校門沿いに歩き、人気の無い道へ出る。
「お兄ちゃん、どうするの?」
「こっから入る」
壁の高さは一間半弱。助走をつけて壁をけりあがれば、充分乗り越えられる。理理は運動神経が
良いので、このくらいの高さなら問題ない。
「いけるか?」
「うん」
まずは僕から壁に駆け上がり、妹の鞄を受け取る。続いて理理が駆け上がり、僕の手を取って
壁上に跨った。
と。
「こらーーーーー!そこ、なにやってるかーーーーーー!!」
壁の外側、歩道の向こうから怒声がする。どうやら教師の一人が見回りをしていたようだ。
「走るぞ」
「うん」
飛び降りて走り出す。こちらからは教師の顔が見えなかった。つまり、向こうも僕らを特定は
出来ないだろう。
昇降口まで辿りつく。
「ここまでくれば捕まらないだろ」
「うん、ドキドキしたね」
息切れひとつしない妹は微笑んで再び腕に抱きついた。
(これからずっとこうなんだろうか)
妹と、そして銀の指輪を見て僕は眩暈に襲われた。

――――――――――――――――――

いつから私がお兄ちゃんを好きだったのかは、覚えていません。
物心ついたときには、あの人なしではいられない身体でした。
お母さんの話によると、赤ちゃんのときからお兄ちゃんが傍にいると喜んでいたみたいで、
引き離されると泣き叫んだようなんです。
つまり、今も昔も変わることなく、私にとって、お兄ちゃんはなくてはならない存在だったと云う
ことなのでしょう。
お兄ちゃんはとても素敵な人なので、昔から悪い蟲がたかってきます。
私のお友だちの中にも、人から蟲へかわったお莫迦さんが何人もいました。
害虫は駆除されるものなんです。

317:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:39:11 G7gFBpA0
それを判っているのかいないのか、お兄ちゃんという最高の男性に何匹も何匹も蟲がたかります。
貴女達は蝿や蚊やごきぶりを叩き潰すでしょう?
だから私もそうするだけなんです。
「貴女、あの人の妹さんでしょ?私の後押しをして貰えない?」
だから、背中を『押して』あげました。
「真理さんのことを考えると、胸が苦しいの」
だから、『楽』にしてあげました。
お兄ちゃんという至上の蜜を味わっていいのは、私だけなんです。
だって、妹ですから。
お兄ちゃんのお世話をするのも。
お兄ちゃんに甘えるのも。
お兄ちゃんに褒めて貰えるのも。
私だけにしか許されていないことなんです。
お兄ちゃんだってそう思っているはずです。
だって、今まで彼女なんて作ったこと無いんですよ。
誰に告白されても。
どんな女でも。
あの人の心を動かすことは出来ないんです。
昔、一回だけ、お兄ちゃんに『自称・彼女』がいたことがありました。
酷い女でした。
優しいお兄ちゃんを騙して、付け入ったんですよ。
私はお兄ちゃんを騙すのはやめて欲しい、そうお願いしました。
でもその女―いえ、その『蟲』は首を横に振りました。
「彼のことを愛しているから」
抜け抜けとそう云ったんです。
蟲に人語がわかると考えた私が悪かったのでしょう。まるで言葉が通じません。
だから、お兄ちゃんにお願いしました。
お兄ちゃんは私を世界で一番愛してくれています。
だから、快く頷いて、その雌蟲を放り捨てたんです。
お兄ちゃんは優しい人です。
『蟲』と別れても暫くは落ち込んでいました。
人外にも慈愛を注げるなんて、凄いことだと思います。
でも、“それ”は私だけに注いで欲しいな。
私は沈むお兄ちゃんを出来る限り励ましました。
私だけが、ずっと傍にいるんだよって。
それからは二度と他の女に惑わされることも無くなり、二人で仲良くやってきたんです。
あ、勿論、最大の害虫は昔からチョロチョロしていましたよ?
でもそれは割愛します。
だって、不愉快になるじゃありませんか。あの偽者のことを考えると。
ともかくも、私達兄妹はずっと支えあって来たんです。
お兄ちゃんはいつだって私の味方です。
私を護ってくれているんです。
だから、今度は私の番。
この世界のあらゆるものから、お兄ちゃんを護ってあげます。
お兄ちゃんは優しいから、保護してあげなければいけません。

―籠です。

私は籠になるんです。
悪い蟲を近づけず、お兄ちゃんをすっぽりと囲む。
そんな籠になるんです。
指輪―これは、その一歩。
そのための絆です。
待っててね、お兄ちゃん。
すぐに居心地の良い最高の世界を作ってあげる。
貴方の居場所はここにあるの。

『私』と云う―籠の中に。

――――――――――――――――――

318:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:41:46 G7gFBpA0

にいさん。
その単語を口にするたびに。
にいさん。
その言葉を思い浮かべるたびに。
私の表情(かお)は自然ととろけ、頬に手を当ててしまう。
右の頬。
私の家でキスしてくれた場所。
左の頬。
喫茶店でキスしてくれた場所。
思い出すだけで身体が火照る。
右。
左。
なら、次は真ん中だよね?
おなかが疼く。
にいさんは私のことを愛してる。
それは良くわかってる。
だから、私にキスしてくれたんだもの。
昔からそう。
にいさんは私を大切にしてくれている。
いつだって私を優先してくれていた。
家に遊びに来たときも、“あの女”より私を選んでくれるの。
「たまにしか逢えないんだから」
そう云ってコトリを宥めていた。
でも私は知ってる。
それは嘘だ。
毎日会えたって、兄さんは私を選んでくれるはず。
それが両想いってことだもの。
コトリ。
にいさんの妹。
私以外の、妹。
“あの女”はいつでも私達の邪魔をする。
この間、うちに来てくれた―ううん、私の許に帰ってきてくれたにいさんを連れ去った女。
あの日、“あの女”さえこなければ、にいさんは泊まって行ってくれた筈。
一緒にお風呂に入って。
一緒のベッドに入って。
好きなだけごろごろすりすり甘えることが出来たのに。
髪を撫でて貰って。
耳元で名前を囁いて貰って。
頬をすり寄せ合って。
一杯キスをして。
そして、一緒に眠る。
それを総て奪った女。
いや、それだけじゃない。
にいさんが世界で一番愛しているのは私なんだから、あの日だけじゃなく、毎日そういうことが
出来たはずなのだ。
『本物の妹』
たったそれだけの理由で、私のにいさんと暮らし、私とにいさんの時間を奪う。
「お兄ちゃん、もう帰ろう?」
にいさんは私の許にいたいのに、貴女はいつもそう云ってあの人を引っ張っていく。
帰りたいなら一人で帰れば良い。
もとから貴女なんて呼んでないの。
私のにいさんの袖を引っ張らないで。
どうしてにいさんはそこで頷くの?
いつもいつもいつもいつもいつも。
いつもそう。

319:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:43:29 G7gFBpA0
好きあっているのに。
愛し合っているのに。
『本物の妹』に私達は引き裂かれた。
にいさんは囚われている。
“あの女”に。
コトリのせいでにいさんは私の許に来ることが出来ない。
コトリのせいでにいさんは私の許からすぐに去らねばならない。
にいさんは、コトリのせいで私のところまで羽ばたくことができない。

―籠だ。

“あの女”は、にいさんを閉じ込める籠だ。
破壊しなければいけない。
これ以上にいさんを閉じ込めようとするならば。
鉄柵をひん曲げて。出口を開いて。
にいさん。
逢いたいよ、今すぐに。
顔を思い浮かべると、また下腹部が甘く疼く。
にいさん。
名前を呟く。
声が聞きたい。
私は携帯電話に手を伸ばす。
それは、あの人に向けて手を伸ばすということだから。

――――――――――――――――――

320:無形 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 18:46:10 G7gFBpA0
とりあえず一旦ここまでです。
連投規制ってどのくらいで引っかかるんでしょうね。
続きは、とりあえず一時間くらい間を置いて投下してみようと思います。
それでひっかかるようなら、続きは明け方4時前後になると思います・・・・

321:名無しさん@ピンキー
07/05/06 19:22:39 HAUy/Cx1
GJ!!

どっちもキモス……
でもなんとなくコトリを応援してる俺

322:無形 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:08:51 G7gFBpA0
続きの投下をしてみます。
十分くらい何も無かったら規制に巻き込まれたと思ってください

323:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:11:03 G7gFBpA0

「月ヶ瀬っ」
昼休み。
机の上を片付けていると、級友に肩を掴まれた。
「いきなりなんだ。手を離せ」
僕はクラスメイトに顔をしかめる。
「そんなことはどうでも良い!それより理理ちゃんはどうしたって云うんだ?あの娘、指輪
してたぞ。まさか、彼氏が出来たのかぁーーー!」
肩を掴んだままで叫ぶ。その言葉に、クラスの連中がざわついた。
「おいおい、マジかよ。理理ちゃん、兄貴が本命じゃなかったのか」
「あ、私指輪見た!銀色のシンプルなやつだよ。左手の薬指にしてた」
「左手!?薬指!?なんていやらしい!!」
あいかわらず噂好きで煩い連中だ。
僕は自分の左手を見る。銀の円環はテーピングに隠されて不可視だ。
理理の指輪が話題になっているならば、益益これを見せるわけには往かない。無用な騒ぎは避けたい。
「どうなんだ、月ヶ瀬。あれは何なんだ」
「知らないよ、そんな事。あと手を離せ」
態々買ってやった、などと云わない。
このクラスではどうやら僕はシスコンと認識されているらしい。傷口を広げるような真似はしない。
「あれだろ。月ヶ瀬は光陰館のお嬢様と付き合ってるから、理理ちゃんも兄貴離れしたんじゃ
ないか?」
「光陰館!?マジか!?」
「マジらしいよ。超可愛い娘と校門前で抱き合ってたらしい」
「でもその娘、“にいさん”て呼んでたぞ」
「え~、なにそれ~。月ヶ瀬くん、彼女に妹プレイさせてるの?」
「どこまでシスコンなんだ!ゆるせねえ」
「そんなことよりも、理理ちゃんは漸くフリーになったのか?それが問題だ」
口々に勝手なことを云う。聖理の件は火消しが面倒なので放って置くことにした。
「理理がアクセサリーを付けてたくらいで、そんなに血相をかえるなよ。あと手を離せ」
「いいや、変えるね!」
ガクガクと僕を揺さぶる。
「さっき噂で聞いたんだよ。半田(はんだ)の奴、負けたらしいって」
「半田?負けた?突然何を云ってるんだお前は。あと手を離せ」
半田と云うのはこの学園の体育教師である。ドラマや漫画の中にいるような熱血教師で、暑苦しい
ことを除けば概ね好評価である。
彼は古いタイプの人間なので、体罰も厭わない。むやみに暴力を振るう人間ではないが、必要と
あらば拳骨を飛ばす。
所謂『不良』と呼ばれる連中にも怯むことなく拳を下ろし、学園生活に必要ないものを取り上げる。
多分今朝の身だしなみ検査も彼がやっていた筈だ。
「理理ちゃん、廊下で半田とすれ違ったとき、指輪のことで注意を受けたらしいぞ」
「みつかったのか」
よりにもよって半田に。
ならば確実に取り上げられたはずだ。あの教師はそういったものを許さない。女子だからといって、
手心を加えることは無い。
「ああ、それでな・・・」
漸く手を離し、声を潜めるように顔を近づける。
「『それを外してよこしなさい』って、注意された理理ちゃんは『いやです』って首を振ったらしい」
「あの莫迦・・・」
拳骨でもくらっただろうか?少し心配になる。
「で、理理は指輪を取られたわけか」
「いや、それが・・・・」
クラスメイトは口をへの字にする。
「無理やり取ろうとした半田を、理理ちゃんがガン付けしたらしい。そしたらあいつそれだけで
ビビッて、すごすご逃げたってよ」
その言葉にクラスメイト達が笑う。「なんだ、あいつたいしたこと無いのか」と。
「・・・・・・半田って、睨まれたくらいで引き下がるタイプじゃないと思うんだけど」
僕は半信半疑だ。あの教師にそういうことをしても、逆効果のはずだが・・・・。
「それがなぁ」
云いながら腕を組む。

324:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:13:08 G7gFBpA0
「『殺されるかと思った』って、云ったらしいぞ、半田の奴。理理ちゃんみたいな弱弱しくて
可愛い娘が迫力あるわけ無いじゃんなぁ!」
一同はまた爆笑する。
だけど僕は笑う気にならない。
大切なものを護ろうとするときの理理は、確かに鬼気迫るものがあるからだ。
「で。で。そんだけ必死になるほど大事な指輪ってなんなのかって話題になってんのさ。そういう
ことなら、兄貴に聞くのが一番早いだろう?」
「・・・・・・・・」
僕は答えない。
理理は。
妹はそこまであれを大事にしているのか。
テーピングを見つめる。
やっぱりこれは、あの娘のためにならないのかもしれない。
首を振った。
その時、廊下からざわめきが聞こえてきた。噂をすれば影と云うべきか。
僕と食事をするために理理が教室に入ってくる。
クラスメイト達が小さくどよめく。
理理の左手には、確かに指輪が光っていた。
「お兄ちゃん、迎えに来たよ」
いつも通りのはにかんだ笑顔。
弁当箱を抱くように抱え、妹は僕を見る。
「―え?」
理理の笑顔が消えた。
「お兄ちゃん、左手・・・・どうして・・・」
何故隠しているのか。
妹の瞳は無言で質する。
「そのことは良い。とりあえず移動するぞ」
僕はさっさと教室を出た。理理はよたよたと兄の後を追った。

中庭で理理と食事をする。
妹はずっと白の巻かれた左手を見ている。
「理理」
「あ、な、なぁにお兄ちゃん」
「今日帰り遅くなる」
「え」
再び表情が消える。
帰りが遅くなる。イコール、一緒には帰れない。
僕はそう云ったのだ。今までも何度か帰りが遅くなったことはあるが、それらはすべて別々に帰宅
する時だけだった。今日は授業終了が同時なので、一緒に帰れるものとものと思っていたのだろう。
「お、お兄ちゃん何で・・・・。今日、何か大切な用事でもあるの?」
「ちょっと呼び出されただけだよ」
「だったら・・・・ううん」
妹は首を振る。
「誰?誰に、何で呼び出されたの?」
「聖理に夕食に誘われた。だから晩飯はいらない」
「―」
妹の顔が驚愕に歪む。
「さとり・・・・ちゃん。また、さとりちゃん?」
理理は独り言のように呟いた。その目は僕を見ているのかいないのか。判断がつかない。
従妹から連絡があったのは授業中のことだった。
僕を知る人間は修業中に電話をかけてくることは無い。メールならば縷縷ある。
何か緊急の用事だろうか?
教室を抜け出し、画面を見る。
蠕動し続ける四角い機械に表示された名前は良く知った従妹のものだった。
こんな時間に直接かけてくるなんて珍しい。
ともかくも電話に出た。
その内容はいたって単純で、僕の声を聞きたくなったから・・・・だと云う。

325:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:17:16 G7gFBpA0
(授業中だというのに)
叱ろうとも思ったが、寂しかったと沈んだ声で云われては強く出れない。仕方なく話をした。
食事に誘われたのはその時の事だ。
多分、普段の僕なら断っていただろう。
だが、昨日からどうも理理の態度がおかしい。
僕に対してくっつきすぎるようになった気がする。
勿論気のせいかもしれないし、一時的なものかもしれない。だがいずれにせよ距離を置きたかった。
今朝に見た夢もそのことに拍車をかけているのかもしれない。
僕は理理を見た。妹は首を振った。
「いや・・・・、いやだ、よ・・・・いかないで・・・・・」
どうして。
どうしてたったこれだけのことで泣くのだろう?
矢張りこの娘は僕に依存しすぎている。
やるせなくなった。
「理理」
声をかけると妹が顔を上げる。大きな瞳からぽろぽろと涙をこぼして。
「そのくらい、聞き分けてくれ」
「できない、できないよ・・・!お兄ちゃん、理理と一緒にいてくれるって云ったでしょう?
一緒にいて・・・一緒にいてよ・・・・理理は一秒でもおにいちゃんと離れたくないよ・・・」
「理理」
僕は妹の肩を掴んだ。
「あんまり聞き分けないと、お前のことを嫌いになるぞ?」
「―え?」
ぴたりと妹の動きが止まる。
その身体はガクガクと震えていた。
「・・・・お、に、・・ぃちゃん・・・・理理の、こと・・・・」
これ以上間を置くと、恐らく妹は狂乱するだろう。
だからその前に声をかけた。
「理理、俺はお前のことが大事だし、大切だ。だから『そういうこと』を云わせないでくれ」
「―ひ・・・・お、おにい、ちゃん・・・が、き、きら・・・・わた、わたし、を・・・・
お、に・・・ぃ・・・」
瞳が震えている。
焦点が定まっていない。
言葉が届いていないのだろうか?
「理理っ」
「ひっ」
びくりと妹が震える。
「俺はお前を好きでいたい。だから・・・・我慢できるな?」
妹はこわばった表情のまま何度も何度も頷いた。
「す、するからっ・・・・・が、がま・・・・・・する、か・・・・から、・・・・だ、だから、
わ、わたし、私のこと、き、き・・・きら・・・・き・・わ、わ・・・・・」
妹が縋り付いてくる。
身体に力が入らないのか、凭れ掛るように僕に触れる。
瞳孔は開いており、歯はがちがちと鳴った。
流石にきつく云い過ぎただろうか?
支える体はいつまでも震えていた。

「にいさんっ」
呼び鈴をならす。
出たのはヘルパーさんではなく、従妹の聖理だった。
「待ってたよ、にいさぁん」
僕に飛びついて、そのまま首に腕を回す。
聖理は小さいので、僕が抱きかかえる形になる。“だっこ”されるとそれが気に入ったのか、
従妹は益益身体を絡めた。
「えへへ。にいさん、にいさん」
頬を摺り寄せてくる。すべすべして、でも柔らかい感触が気持ち良い。
「とりあえず離れなさい。家にも上がれない」
「や」
嬉しそうに否定する。

326:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:19:18 G7gFBpA0
「離れなさい」
「んふふ。にいさん、にいさん」
聞く耳待たない。
従妹はひたすら頬を擦り付ける。
仕方ない。無理やりに引き離す。
「あん。にいさん・・・」
「あとでな。とにかく中に入れてくれ・・・」
あいかわらずの大きい玄関を潜る。聖理は僕を居間ではなく、二階に在る自室へとひっぱて往く。
「お前の部屋に入るのも久しぶりだなぁ・・・・」
広い。
とにかく広い室内は品良く整えられている。女の子の部屋、と云うよりは、お嬢様の部屋と呼んだ
ほうが妥当だろう。控えめな豪華さと云うと矛盾するだろうか。ともかくもイヤミにならない高級感
で出来た部屋だ。壁や棚には賞状やらトロフィーやら盾やらの記念品が並べられている。
そういえば聖理はなんでも人並み以上に出来るから、こういうものも増えていくのだろう。
「にいさん、こっちこっち」
ばかでかいベッドに腰掛けた従妹がパムパムと横を叩く。
誘われるまま隣に座ると、
「えい!」
そのままベッドに押し倒された。
「えへへ~。に~いさん」
僕に覆いかぶさる。
「子供か、お前は」
「子供のころに甘えきれなかった分、今甘えるの」
ごろごろとすりついて来る。
「にいさん、頭撫でて」
「・・・・まったく。しょうがない奴だな」
さらさらの髪の毛を撫ぜる。
「んぅっ。にいさん。好きぃ」
「うおっ」
耳たぶを甘噛みされる。
「あはっ。にいさん可愛い」
「こら。こういう冗談はやめなさい」
「ふふっ」
聖理は僕の体をまさぐりながら、にやりと笑う。
「にいさん本当にかわいいよぉ・・・・レイプ、しちゃおうかな・・・?」
「は?」
身体が固まる。
「お前今、とんでもないこと云わなかったか?」
「云ってないよぉ?それよりにいさん」
聖理の小さな手が僕の左手を掴む。
「これ、どうしたの?つきゆびでもした?」
「ん?いや・・・?」
僕は云い澱む。理理を思い出して気分が沈んだ。
「怪我したんでしょう?聖理がなめてあげるね」
「待て」
静止よりもはやく、従妹はテーピングを外してしまう。
数時間ぶりに銀の円環は外気にさらされた。
「―なに、これ」
聖理の顔が歪む。
空白の驚嘆から、怨敵に出逢ったかのような憎悪へ。
「にいさん、これ、なに?」
「痛っ」
従妹が左手に爪を立てる。肉に食い込む感触に思わず声を上げた。
「なにこれ?指輪?ねえ?なにこれ?なんでこんなのしてるの?聖理の指には、まだ嵌めて貰って
ないのに、何でこんなの嵌めてるの?ねえ?なに、これは?」
「い、痛い、痛いって」
「答えて!答えてよ!!なあにこれは!!!にいさん!!!!!」
握られた左手に血が滲む。僕は痛みをこらえて聖理を引き離した。
「説明するから、まずは聞けって」

327:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:21:12 G7gFBpA0
「・・・・・・」
睨んでいる。
僕と、左手を。
聖理はこんな顔もするのか。
「にいさん、早く説明して。納得できなかったら、おしおきだよ?」
「・・・・・」
僕はしぶしぶ説明を始めた。

「・・・・そう」
説明を聞き終えると、聖理はぽつりと呟いた。
その顔は怒気を孕んだ無表情。
「にいさん、手を出して」
「え?」
「左手!!早くっ!!!!!」
「・・・・・」
云われるままに差し出す。
「早く外して、こんなものっ!!!!!」
指輪をむしりとり、絨毯に叩きつける。円環は2、3度跳ねて、力なく転がった。
「お、おい、聖理」
「にいさん」
立ち上がって、僕を見る。
「にいさんは“こんなもの”つけたくなかった。そうだよね?」
指輪を踏みつけ、躙りながら僕に問う。
「コトリはにいさんに無理やりこれをつけさせた。そうでしょう?」
「無理やり、というのは少し違う。でも、まあ確かに兄妹どうしでするものではないと思う・・・」
僕が答えると、漸く聖理は笑った。いまだ怒気を孕んで、目元は冷たかったけれど。
「やっぱり。やっぱりそうだよね。にいさんがコトリなんかと指輪を交換するなんてあるはず
ないもの。にいさんに強要した結果がこれだもんね。可哀想なにいさん。左手、痛かったでしょう?」
僕に近づき、血の滲んだ左手をなめる。
「ごめんね、にいさん。でもこれは、コトリが悪いんだよ?聖理はこんなことしたくなかったの」
ぴちゃり。ぴちゃりと、傷口に舌を這わせる。
「ねえ、にいさん。にいさんはコトリが異常だって、思うでしょう?」
「異常・・・・?そこまでは云わないけど、少し、兄離れしたほうが良いとは思う」
「そうだよねぇ」
指をしゃぶる。そこは怪我をしていないのだが。
「にいさん。にいさんはコトリから離れるべきだと思う。コトリはアブナイ娘だから、きっと
にいさんから離れない。なら、にいさんからあの娘を引き離さなきゃ」
「俺、から?」
「そう。にいさんから。それがコトリのためだよ?」
ぴちゃりぴちゃり。
指の股も爪の間も、聖理の唾液で濡れそぼって往く。
「にいさん、聖理ほどじゃなくても、コトリは大事でしょう?だったら、あの娘をまっとうな、
唯の妹にしてあげなきゃ。血を分けた妹は、兄の傍にいてはいけない。それを思い知らせて
あげなければいけないの」
「俺だってあいつには兄貴離れして貰いたい。でも、どうやって・・・」
「どうやって?」
掌をなめ上げながら聖理が笑う。どこか淫蕩な笑み。
「じゃあ教えてあげる。コトリから逃れる方法を」
従妹は舌なめずりをしながら僕を見上げた。

――――――――――――――――――

お兄ちゃんに嫌われる。
考えただけで身体が凍える。
あの人がいなくなる。
思い浮かべるだけで心臓が破裂しそうだ。
どうして、お兄ちゃんは偽者の許に往ったのだろう?
どうして、私との絆を覆い隠していたのだろう?

328:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:24:04 G7gFBpA0
わけがわからなかった。
今日はお兄ちゃんと一緒に帰って、一緒にお食事する予定だったのに。
それが私達の正しい姿だったのに。
なんでお兄ちゃんはここにいないの?
何でお兄ちゃんは一緒に帰ってくれなかったの?
なんで。何で。
どうして。なぜ?
指輪を見つめる。
これのおかげで、あの時の約束を夢にみれたのに。
あの時、どれだけ私が嬉しかったか、お兄ちゃんわかる?
あの時の言葉が、どれだけ私を支えてきたか、わかってる?
お兄ちゃん。
「逢いたいよ・・・・」
涙が流れてとまらない。
今頃―
今頃あの偽者がお兄ちゃんを独り占めにしているんだ。
なれなれしく抱きついて、赤の他人のくせに『にいさん』なんて呼んで。
一緒に食事をして、いっぱい甘えて。
許せない。
許せないよ、そんなこと。
―そうか。
思い浮かぶ。
きっとお兄ちゃんが冷たくなったのは、あの偽者のせいだ。
そうに決まってる。
だってお兄ちゃんは私を世界一愛してるんだもの。
きっとアレになにか吹き込まれたんだ。
ぎりぎりと音が鳴る。それは、私の歯軋りだった。
この音も。
この音も、本来はあの女が鳴らすべきもののはずだ。
幸せな私達兄妹をひとりぼっちの偽者が、絶望しながら奏でるべき音なのだ。
許せない。
殺してやりたい。
拳を握り締める。
顔の形が歪むくらいに殴って、包丁で目玉を穿り出してやりたい。
でも、あの女はここにはいない。
お兄ちゃんと。
私の愛するお兄ちゃんといるのだ。
「お兄ちゃん」
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。お兄ちゃん。
逢いたい。逢いたい。アイタイ。あいたいあいたいあいたいあいたいあいたいアイタイアイタイ
だめ。
あの女に対する憎悪以上に、お兄ちゃんに逢いたい気持ちが勝る。
お兄ちゃんに逢いたい。そればかりでむねがいっぱいになる。
そのまま、私は何時間も膝を抱えた。

329:籠の中 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:26:04 G7gFBpA0

「ただいま」

愛しい人の声。
私は玄関に走り出す。
「お兄ちゃん!!」
抱きしめようとして、動きが止まった。

無い。

指輪が無い。
お兄ちゃんに嵌っていたはずの、指輪が無い!
「お兄ちゃん、指、輪・・・は?」
声がかすれた。
最愛の人は包帯の巻かれた左手を見つめた。
「理理」
お兄ちゃんは真剣な顔をする。
凛々しくて、頼もしく見えるはずのその表情に、何か嫌な予感がした。
「俺な・・・・」
聞きたくない。
きっと、なにか嫌なことを云うつもりだ。
私は耳を塞ぐ。
けれど、それよりも早く。あってはならない言葉が響いた。

「俺、家を出ようと思うんだ」


330:無形 ◆UHh3YBA8aM
07/05/06 20:28:44 G7gFBpA0
とりあえず投下ここまでです。
なんとか規制食らわずにすみましたが、ちょっと長かったかもしれませんね・・・・

続きはまた、いずれ

331:名無しさん@ピンキー
07/05/06 20:30:12 XHUK6fb8
 ウホッ。

 こ れ は キ モ イ !!

 最高ですね。

332:名無しさん@ピンキー
07/05/06 20:33:38 Wli0amgq
GJ!!
あんた最高だよ!!

333:名無しさん@ピンキー
07/05/06 20:35:55 cJogyfcb
GJ!
最高です。
続き、期待してます。

334:名無しさん@ピンキー
07/05/06 20:41:38 e3uJMGm0
聖理uzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!
この展開はコトリガンガレとしか言えないなwww

335:名無しさん@ピンキー
07/05/06 20:53:37 bq9eKHoC
>>330
つまんないな


336:名無しさん@ピンキー
07/05/06 21:04:07 8G8InFyj
やべぇ、オッキした!
もう我慢汁で首までドロドロだぜ!

337:名無しさん@ピンキー
07/05/06 21:34:32 IHySc7dM
GJ!
次回コトリ発狂かw


338:名無しさん@ピンキー
07/05/06 21:45:00 AbzGUQ53
>>336 おにいちゃん、それは異常だよ?
私が治してあげるね


ともあれGJ

339:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:08:33 MeowR0jK
待ってました!
そしてまた続きが楽しみだ!

340:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:15:53 PmL2RByq
この兄は白い液より赤い液を多く流すかもしれんね

341:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:16:45 PmL2RByq
この兄は白い液より赤い液を多く流すかもしれんね…

…あぁ、そのほうがオモシロいな

342:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:44:29 nIQ5klR5
本当の地獄はこれからだ・・・!
どんな展開になるのかワクワクしてるぞー
怒濤の展開を頼むぜ!

343:名無しさん@ピンキー
07/05/06 22:50:51 nEGT30Wk
両方kimeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!

だ が そ れ が 良 い


344:名無しさん@ピンキー
07/05/06 23:15:19 HAUy/Cx1
当事者にはなりたくないなwww

今思ったんだが
神羅のポラリスもキモウトの資質が
あるかもしれんな

345:名無しさん@ピンキー
07/05/06 23:37:38 uLrxgsFg
GJです

めちゃめちゃ楽しみに待ってました!!
最高です!!

346:名無しさん@ピンキー
07/05/06 23:50:46 ovBbDneT
ふたりとも幸せになってほしい

347:名無しさん@ピンキー
07/05/06 23:55:12 VGOlAJAH
待ってました!!
そして二人ともいい感じにキモっぷりを発揮してるなwww
次回も期待してます

348:名無しさん@ピンキー
07/05/06 23:55:58 lc6QSMc7
>>330
G J !!
サトリもコトリもきめぇえええええ!
とにかくマコトガンガレ超ガンガレ

349:名無しさん@ピンキー
07/05/07 00:13:46 yGJ01aZ2
普通におっきしてGJと思った俺はきっと末期

350:名無しさん@ピンキー
07/05/07 00:19:08 pzELVOYk
二人ともきんもーっ☆
でもここまで愛されてみたいと思う俺ガイル








やっぱ嫌だwww

351:名無しさん@ピンキー
07/05/07 00:27:53 2ehPmhO4
俺を愛してくれ!といいたくなるキモさだな

352:名無しさん@ピンキー
07/05/07 00:58:55 xNsAV4k9
最後の部分SHUFFLE思い出したぜ

353:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:48:49 ImVGKTGl
お兄ちゃん神経性胃炎5秒前って感じだな!

354:名無しさん@ピンキー
07/05/07 02:04:59 /9okNc04
お嬢様好きな俺ですらサトリがキモく見える

だが、それがいい

355:名無しさん@ピンキー
07/05/07 02:57:52 lF3I3S0W
最凶にキモいぜーー!!






だ が そ れ が いい

356:名無しさん@ピンキー
07/05/07 17:35:30 hUxp7Riw
サトリがコトリをなんとかするとか言ってたけど、コトリがレイプされるような
ことだけはやめてくれ・・・

357:名無しさん@ピンキー
07/05/07 18:14:20 N/C5JMTK
>>356
まあ展開は作者さん次第だからな
せめてそういう展開になるなら事前に書いておいてください


なんともあれGJ

358:名無しさん@ピンキー
07/05/07 19:41:02 u2FO/Z9e
サトリがコトリをレイプする に見えた(・∀・)

359:名無しさん@ピンキー
07/05/07 19:45:45 mZcurl3k
そしてレズに目覚める二人・・・

360:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:10:31 /B3EBGNH
それは全然キモくない

361:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:28:41 +n4PcU3n
レズがキモくないって言える俺らって一体・・・

362:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:38:54 BOhM1b4D
俺らはじまったな

363:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:39:58 tDw7VnoH
レズが嫌いな男なんていません!!!

364:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:42:21 od/g2dyZ
俺は嫌い

365:名無しさん@ピンキー
07/05/07 21:40:13 QgVSDsIV
男と女の絡みはもう食傷気味だ。
それにレズは正義って偉い人が言ってた。

366:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:01:04 LHb4Kz+5
>>365
家のばっちゃんも言ってたような気がする!!

367:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:02:15 2ehPmhO4
レズは苦手ずら

368:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:06:53 1SrZqYGq
食傷って・・・ご飯食い飽きた、みたいな発言だな

369:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:13:34 JydD2hXG
その通り飽きたんだろ、つーかよく使うんだが

370:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:38:40 Hd1gaXu4
レズはあまり・・・

371:名無しさん@ピンキー
07/05/07 22:43:26 KXkL0bmK
レズは勘弁ずら…

372:名無しさん@ピンキー
07/05/07 23:53:06 /B3EBGNH
百合板に帰れ

373:名無しさん@ピンキー
07/05/07 23:54:14 mZcurl3k
すまん余計なレスしてしまったな


さぁ気を取り直してキモ姉をうpする作業に戻るんだ↓

374:名無しさん@ピンキー
07/05/08 00:31:54 hjf/wYGQ
SS書きチャレンジしてみようと思うんだが誰かネタをくれないか

375:名無しさん@ピンキー
07/05/08 09:12:49 r1DIXcgm
キモ姉が弟の部屋を掃除しているとベットの下からエロ本が発見される・・
なんと、姉モノのエロ本だったのだ・・。

以降以下略でwww

376:名無しさん@ピンキー
07/05/08 15:33:38 TOQQiU2T
むしろ妹ものだったときの反応が見てみたい

377:名無しさん@ピンキー
07/05/08 17:48:37 Ttaz8B8z
一生懸命「お兄ちゃん、お兄ちゃん♪」と言って弟の気を引こうとするキモ姉

378:名無しさん@ピンキー
07/05/08 17:57:09 3yTBRaMs
そしてキモがられる姉

379:名無しさん@ピンキー
07/05/08 18:58:36 lyE4PbvA
そして二十歳過ぎにもかかわらずセーラー服、ブルマ、胸に名前の入ったスク水、スモックとコスプレを……

ごめん。趣味入った

380:名無しさん@ピンキー
07/05/08 19:21:06 3yTBRaMs
>>379
イイヨイイヨモットモット

381:名無しさん@ピンキー
07/05/09 00:12:25 /qxG89El
かまってもらえなくて(´・ω・`)なスク水着たままの姉
そして突然ピンポン、遊びに来る姉の友達
あわてて着替えようとするがあたふたしてうまくできず涙目の姉
そんな見慣れない姉の様子に、不覚にもときめいてしまう弟

382:名無しさん@ピンキー
07/05/09 00:53:27 JRN+T2v4
姉友参戦。弟の取り合いに…

383:名無しさん@ピンキー
07/05/09 02:13:36 Od/Z2oPc
その4日後に姉友が惨殺死体として発見。
背中には弟を誘惑するなと傷が刻まれていたそうな

384:名無しさん@ピンキー
07/05/09 02:16:44 qO/J3y/X
ちょwwwwww

((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

385:名無しさん@ピンキー
07/05/09 07:34:45 3xsSVE+I
傷メッセージで犯人確定タイーホ



えーと姉友参戦から仕切り直しで

386:名無しさん@ピンキー
07/05/09 08:58:57 RNvwnshb
姉が学校系なら姉友はメイド服等なのか?
なんかここまで来ると凶器の飛び交うコスプレ合戦になりそうな悪寒

更なる泥沼を期待したい所なので姉友の妹辺りでも出して弟大パンチ…もとい、ピンチキボン

387:名無しさん@ピンキー
07/05/09 10:05:36 xsl6Pldj
姉友が面白がってスク水姿を撮影
姉友に逆らえなくなる姉

じつは姉友には潜在的にレズっけがあり、姉のことが気になっているのだが
しかし同性愛にはちょっと抵抗があるので姉と似ている弟のほうに関心が向いてしまう

後日、そんな姉友と弟がデートしているところをストーキングする姉
つけられていることを知っていながらわざと見せ付けて愉しむ姉友
「私のなのに私のなのに私の(ry

388:名無しさん@ピンキー
07/05/09 12:37:32 3xsSVE+I
ついに姉VS姉友直接対決
色々あって明らかに成る姉友の真意
「わたしが本当に好きなのは姉ちゃんなぉ!」
あ、なーんだ、そういいことなら…イイヨ…
その代わり

ここに同盟が結成された!弟大ピンチ!


389:名無しさん@ピンキー
07/05/09 15:20:01 TJtvkmnX
なんかこないだからやたらレズにこだわってるやつがいてキモイ。
頼むから巣に帰れ

390:名無しさん@ピンキー
07/05/09 15:48:21 qO/J3y/X
こんなスレ見てる時点でキモイから問題無いぞwww


391:名無しさん@ピンキー
07/05/09 16:06:36 ISyA4Qy/
イカ臭くて薄汚いお前の部屋でも、ゴキブリが出現したら気持ち悪がって退治するだろ?
つまりはそういうこいった

392:名無しさん@ピンキー
07/05/09 16:08:53 ISyA4Qy/
>>391
間違えた
そういうこいった→そう優子は言った

393:名無しさん@ピンキー
07/05/09 16:21:06 VntE2fVw
おにいちゃん…優子って誰?

394:名無しさん@ピンキー
07/05/09 16:21:57 JRN+T2v4
>>388
ひそかに弟に思いを寄せているクラスメイト登場。
「私と彼は結ばれる運命なんです!」

395:名無しさん@ピンキー
07/05/09 18:18:49 C+ZuWqWj
>>394
なるほど、そのクラスメイトは電波かヤンデレなわけだな?
どうせなら勝手にキモウト宣言して泥沼ってのも良いかもしれん。

396:名無しさん@ピンキー
07/05/09 19:10:36 JRN+T2v4
「おにいちゃんどいて!そいつ殺せない!」
こうですか?わかr(ry

397:名無しさん@ピンキー
07/05/10 02:23:27 +wOCd7Rm
レズだローがホモだろーがショタだろーが炉リーダローが

おもしろきゃ文句はいわねーよ

398:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/10 11:45:54 y3TlBdEU
SS初挑戦。難しい。
冒頭部分の投稿です。長時間書き込みない場合は連投規制。

トリップも初めて。これでいけるかな。
どの程度人格を作りこめるか…。

399:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/10 11:50:12 y3TlBdEU
白沢龍彦

理想の女性はどんな人?
この質問をされたときの僕の答えは決まっている。
義姉と。

神は決して公平ではなく一人に二物も三物も与えることを僕は知っている。
身近にいるからだ。
腰まで伸ばした最上級の漆のような艶やかな黒髪、冷たい知性を感じさせる美しい瞳。
そして、平均より多少劣る身長と胸…これは口に出すのは死を意味する…
を除いて完璧な体型。運動も学業も万能であり、家事も出来る。
それを鼻にかけるわけでもない穏やかな人格。冷たいような雰囲気があるけど本当に優しい人だ。
勿論、もてるようだが彼氏はいないらしい。

それが僕の義姉、みゃー姉こと黒崎美弥子(くろさきみやこ)だ。

僕の両親は9歳のときに強盗殺人事件に巻き込まれた。
学校行事で宿泊していたお陰で僕は助かった。
最高の両親だったと胸を張っていえるけど、親戚からは結婚を大反対されていたらしく僕を引き取ってくれる親戚はいなかった。
そこで唯一の父の味方かつ親友であり、母の兄だった俊之叔父さんと街叔母さんが半ば強引に僕を引き取ってくれた。
法律家である叔父さんは必要な処理を全てし、財産を管理してくれているだけでなく、実の息子のように良くしてくれている。
そして、連れられた家で出会ったのが義姉だ。おどおどしている気の弱い僕に顔を近づけて義姉は微笑んだ。
あのときに感じた眩しさは時が流れた今でも色あせることがない。

「よろしく。龍彦君。私のことは本当のお姉さんと思って頼ってくれていいからね。」


400:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/10 11:52:09 y3TlBdEU
黒崎美弥子

義弟の龍ちゃんこと白沢龍彦(しらさわたつひこ)は気が優しい。優しすぎる。
出会ってから数年がたった今、私は理解していた。
辛い思いを抱えた彼を支えるつもりだった私は今ではすっかり彼に甘えているように思える。

彼は幼いころから10年近く道場で武道を学んでいる。
師範によると、習っている年月に見合った強さはあるらしい。
才能がある上に努力家で後輩からの信望も厚いらしい。
だけど、そんなことを誰も知らない学校ではみんなの玩具扱いだ。
強いからこそ誰にも手をあげない。
殴られても蹴られてもからかわれても騙されても困ったように笑うだけ。

私はそんなゴミ共に殺意すら抱いているというのに…

そして、どれほど自分を邪険に扱った相手でも龍ちゃんは困っていたら自然に助ける。
どんな嫌な相手でもだ。

龍ちゃんの優しさをそんな奴らに見せる必要はないのに…

いつからだろうか、こんな風に考えてしまうようになったのは。
いつからだろうか、つい目で追ってしまうようになったのは。
いつからだろうか、彼を独り占めしたいと思うようになってしまったのは。

龍ちゃんは私を優しいという。
でもそれは違う。本当に優しいのは彼だ。
どれ程怯えても守ってくれる。どれ程悲しくても優しさを忘れない。家事をしていても勉強をしていてもこちらを向いてなくても気配りを忘れない。
そして、みんなに優しくあろうと努力している。

私は龍ちゃんの義姉。何故私は義姉になってしまったのだろう。
いつか彼に恋人が出来たとき、私は祝福できるのだろうか。
でも彼が本当に幸せになるなら認めてみせる。

そんな日は永遠に来なければいいのに…。


401:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/10 11:54:43 y3TlBdEU
相沢祥子

あたしは本当の彼の顔を知ってしまった。
高等部に進学して暫くたった5月のことだ。

彼…白沢龍彦は気弱そうでいつも何されてもへらへら
笑っているような男だった。
初等部からの腐れ縁で彼がクラスメイトに玩具にされたときに
あたしが怒鳴って助ける、というのがいつもの日常だった。

「本当にほんとーに白沢君はしょうがないんだから。」
「ありがとう。相沢さん。助かったよ。」

毎日のように繰り返されるやり取り。へらっとした笑顔。
いらいらもするけどなんだか落ち着く、そんな不思議な笑顔。
あたしは呆れた振りをして肩をすくめる。
彼はあたしがいないとだめなんだ。だからあたしが助けなきゃ。そんな風に思ってた。
祥子は世話女房だねっと冷やかされるのも正直いい気分で嬉しかった。

ある日、校舎裏で彼が三人の不良たちに殴られているのを見たあたしは
助けるために声をあげようとしていた。でも、今日は先客がいた。

「…おやめなさい。」

凛とした声、白沢君の前に立って三人の男を睨んでいるのは部活の憧れの人、黒崎先輩だ。
口論を暫くした後不良たちは先輩の顔をはたいて無理矢理どかせた。

「おいおい、俺たちのストレス発散の邪魔す…。」

最後まで言い終えることなく、黒崎先輩の顔をはたいた男は殴り倒されていた。
そこにはあたしの知らない白沢君がいた。
いつもの優しそうな顔じゃない大事な人を守るための顔。相手を射抜くような目。残る二人もあっさりと倒していく。

なに…あれ…

あたしだけのものと思っていたのに。
あんな必死な目みたことない…
黒崎先輩に向ける笑顔…あんな本当に労るような笑顔みたことないっ!
あたしは何も知らなかった。彼にはあたししかいないって自惚れてた。悔しかった。
あれはあたしのモノなのに…モノのはずなのに…

同時にどろどろと煮え滾るような想いが生まれたのを感じた。
その正体が何かは解らなかったがあたしはその想いを何とか抑えて、
二人に近づいていった。


402:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/10 11:57:17 y3TlBdEU
黒崎美弥子

「ご、ごめん。みゃー姉大丈夫?」
「こーらー?違うでしょ。学校じゃ美弥子先輩っ」

慌てて龍ちゃんが駆け寄ってきてくれた。他の人には絶対呼ばせない、二人だけの名前を呼ばれて内心、小躍りしたくなるくらい嬉しかったのだが頬を指で突っついて訂正する。

「白沢君、黒崎先輩っ!大丈夫ですか?」

部活の後輩の祥子ちゃんが駆け寄ってきた。ショートカット、勝気で活発そうな雰囲気の女の子。美人って言うよりはかわいい感じかな。胸は悔しいけど私より大きい。龍ちゃんのクラスメイト…クラスメイト…

「私は大丈夫。格好悪いところ見せちゃったわね。」

心配してくれた後輩に微笑んだとき、彼女の目を見て私は驚いた。視線が龍ちゃんに固定されている。
そこにあるのは…怒り?嫉妬?独占欲?
表面上はいたずらっぽく笑っているけど…。

「相沢さん。心配してくれてありがとう。」
「白沢君があんなに強かったなんて思わなかったよ。」
「暴力は嫌い。でも、美弥子先輩叩かれたら自分を見失ってね。情けないよ。」
「どうする?この人たち。今のうちに埋める?」
「ちょ、ちょっとそれはやりすぎだよ。」

彼女は龍ちゃんと楽しそうに話している。ようにみえる。
でも、私は確信した。
この後輩は…違う。大嫌いな親戚と同じ目。人を人と思わない目。
幸せにするんじゃないのに私から龍ちゃんを奪おうとしている。敵だ。
こんな女には絶対に渡さない。認めない。

「それじゃ、そろそろ帰りましょうか。龍彦君。」
「わかりました。今日はありがとうございます。美弥子先輩。」
「く、黒崎先輩。どうして白沢君と名前で呼び合ってるんですかっ」

私達が名前で呼び合っているのを聞いて、嫉妬が強くなっているのを感じる。

「えーと。それはね。むぐっ」

いらないことを話そうとした龍ちゃんの口を塞いでいたずらっぽく笑い、

「祥子ちゃんのご想像にお任せします。
 屋上でいつも一緒にお弁当食べてるからよかったらいらしてね。」
「ちょ、ちょっと美弥子先輩っ?ご、誤解が!あああ、引っ張らないで!服が伸びる!」

敵とはいえ、かわいい後輩。穏便に済むに越したことはない。
これで諦めてくれればいいのだけど。
念のために龍ちゃんとはどんな関係なのか探って作戦を立てないと。
敵を知り、己を知ればってね。


403:名もなきピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/10 12:00:29 y3TlBdEU
とりあえずここまで。
表現力はもう少し精進します。

キモ姉、キモウト大好き。

404:名無しさん@ピンキー
07/05/10 12:29:50 xgN1aZIS
ちょっぴり弱いが  こ  れ  は  い  い
さあ、どう狂っていくかが今から楽しみですw

405:名無しさん@ピンキー
07/05/10 13:21:41 HEgW2HCh
GJ!
全裸で続きを待ってる

406:名無しさん@ピンキー
07/05/10 13:28:59 ghOno8pC
おいおい、良作続きじゃねーか。
期待してるぜ!

407:名無しさん@ピンキー
07/05/10 17:22:56 oqId1O0o
やっとキモ姉さんが来たよ!!
続き期待してます!!!

408:名無しさん@ピンキー
07/05/10 20:36:15 yjAHhcXO
たいがいこの手のスレは良作が多いな。

409:名無しさん@ピンキー
07/05/10 23:16:05 4zzISnp3
初挑戦とは思えない素晴らしい作品でした!!
GJ!!
続き待ってますNE☆

410:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:47:50 /etlXtlj
このスレ初めて見たけど最高だとオモタ

411:名もなきピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 12:05:05 V2sJVJEI
続き投稿。まだ弱い感じ。
テンションは徐々に上げていく予定。

412:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 12:07:07 V2sJVJEI
白沢龍彦

雨の音が聞こえる…。
僕は夢を見ていた。雨の日に必ず見る夢。
実際には見ていないはずの両親を失う夢。
今は怖くない夢。
いや、
耐えることが出来るようになった夢。
雨は嫌いだった。悪夢を見るから。
今は結構好きだ。家族の優しさを感じることが出来るから。

叔父さんに引き取られてから暫くした雨の夜、夜中にノックの音が聞こえた。
「龍彦君、入っていいかしら?」
「うん。どうしたの?美弥子お姉ちゃん。こんな夜中に」
僕は、最近義姉になってくれた人を部屋に招きいれた。
「ごめんなさいね。お姉ちゃん、恥ずかしいんだけど一人で夜眠れなくなる
 ことがあるの。」
枕を抱え顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうに告白する義姉。
「そのとき一緒に寝てもらえない?」
僕は初め何も気づかず、しっかりした義姉の意外な一面に困惑しつつ
単純に彼女に頼られることが嬉しくて快諾した。
僕が真相に気づいたのは一年後、義姉が修学旅行で不在の日に雨が
降ったときだった。
隣の部屋の義姉は判っていたのだろう。雨の日に僕が苦しんでいることを。

中学生になった日、僕は貯めていたお小遣いで特大のぬいぐるみを
義姉にプレゼントした。
もう大丈夫、ありがとう。とメッセージを添えて。

僕は義姉のような優しい人になろうと努力している。


413:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 12:09:31 V2sJVJEI
黒崎美弥子

「飽きないわ。本当にかわいい寝顔。」

朝、彼の目覚ましが鳴る前までの10分間は至福のとき。
私は二人分の朝ごはんとお弁当を用意して龍ちゃんの寝顔を
眺めるのが毎朝の日課だ。
雨の日の朝でも気持ちよく寝ている彼を見ると成長したんだなあと、
感慨深い。
龍ちゃんが一人で寝ることが出来ると宣言したとき嬉しかったけど…。

「ちょっと…寂しいよね。それに…」

その頃には一緒の布団で寝ていると身体が熱くなって、
龍ちゃんの匂いは催淫効果を私にもたらしていると信じていた。
龍ちゃんは一度寝ると絶対に朝まで起きないので、龍ちゃんの手で
自分を何度も慰めたこともある。始めてのときは触れただけで
イッてしまった。もし、このことがばれて離れたんだとしたら、
恥ずかしすぎて死ぬしかない。
もう少し続けていれば私は彼を襲ったかも。
そう…それもよかったかもしれない。

「そろそろ時間か…。残念。じゃ、今日も頑張りましょうか。」

目を覚ます前に、龍ちゃんの頬に軽くキスをする。
同時に目覚ましのベルが鳴り響き始めた。

「朝ですよ。龍ちゃん。起きないと遅刻しますよ。」

今日はきっと大変な一日になるから頑張らないと。
私と龍ちゃんが幸せになるための第一歩だ。


414:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 12:11:39 V2sJVJEI
白沢龍彦

「そう、叔父さんと叔母さんはまだ一ヶ月近くかかるんだ。」
「少しこじれちゃったみたいね。暫くは二人っきりよ。」

よかった。いつもどおりだ。と朝食を取りながら僕は思った。
昨日、みゃー姉は思いつめたような表情をしていたから。

今日の朝食は和食。平日は朝昼をみゃー姉が、夜は僕が担当している。
姉の味噌汁を啜る。相変わらず絶品だ。僕も料理は得意だが、
どう材料を使ってもみゃー姉の味は出ない。
前に聞くと愛情が隠し味と冗談っぽく笑っていたが隠し味は僕の分だけらしい。

「ところで龍ちゃん。ちょっと聞いていい?」
「何を?」
「恋人っているの?」

僕は飲んでいた味噌汁を吹きかけた。

「ごほっごほっ!いきなり何をっ…びっくりしたじゃないか。何でそんなこと聞くんだ。」
「ほら、昨日いたじゃない。相沢さんとか。」
「あの子は…ただの幼馴染みたいなもんだよ。向こうもそう思ってるん
 じゃないかな。みゃー姉と違って僕はもてるわけでもなし、
 取り柄も無いから恋人なんて出来ないよ。そっちこそ恋人作らないの?」

何とか思ってることをいうとみゃー姉は微笑んだ。
作らない自然な微笑み。

「私は自分から好きにならないとダメだからね。龍ちゃんよりいい男は
 今のところいないから。」
「からかうなよ。恥ずかしいし、僕よりいいやつはいっぱいいるよ。」
「恋人がいないなら龍ちゃんにお願いしたいことがあるんだけど。
 聞いてくれる?」
「僕がみゃー姉のお願いを断るわけないだろ。」
「暫く恋人の振りをして欲しいの。」
「はっ?」
「最近ストーカー紛いの人もいて…一人だと少し怖いの。
 彼氏がいるってことにすれば殆どの人は諦めてくれると思うし。ダメかな?」
「でも僕たち姉弟だし…釣り合わないから誰も信じないんじゃ…」

みゃー姉が目を潤ませて上目遣いで覗き込んでくる。僕はこれに弱い。
普段の凛々しい表情とのギャップが…。

「わ、わかったよ。どうせ寂しい一人身だし喜んでやらせていただきます。」
「ほんと?龍ちゃん大好き。姉弟って学校で隠しててよかったよかった。」

義姉には一生勝てそうに無い。


415:龍とみゃー姉  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 12:17:42 V2sJVJEI
相沢祥子

通学路を歩きながら考える。昨日は最低の一日だった。
黒崎先輩は合気道部の先輩で、技も型も後輩の指導も上手い憧れの人だった。
大人っぽくて美人で優しくて賢くて強い。
まさかよりにもよって白沢君の近くにいるのがあの人なんて。

「はぁ…こんなことなら、強引にでも告白しておけば…」

白沢君のことは好きだ。自分に言い訳はしない。
元々、あたしはこの学校に来る学力が無かった。彼と三年間一緒に
過ごすために泣きながら努力してきたんだから。
彼を守るなんておかしな使命感だったけど一緒にいると楽しいし
優しい彼が大好きなのだ。
でも、相手があの人ならあたしも諦めたほうが…

「ちょ、美弥子先輩!わざわざ腕組まなくても!」
「ほらほら。これくらいで慌てない慌てない。恋人なら普通なんだから。」

どくん…

「うう、高校生にもなって恥ずかしいなあ…」
「これでも距離をあけているのよ。本当ならこうはぐっって感じで…」

黒崎先輩はあたしに気づいてる…見せてるの?
なんのために?
何故?あそこにいるのは、
何故、
あたしじゃないんだろう。
あたしじゃだめなのかな。
やっぱ諦めきれないよ。絶対に諦めない。
彼は誰にも渡さない。あたしが手に入れるんだ。
彼はあたしのものなんだから。
あの人が彼を盗もうとするなら、盗んだとしても取り返して見せる。
あたしは拳を握り締めると学校への道を早歩きで歩き出した。


416:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 12:20:58 V2sJVJEI
とりあえずここまで。

土日も頑張ります。

417:名無しさん@ピンキー
07/05/11 12:56:54 g/QKbZk+
(・∀・)イイヨイイヨ

418:名無しさん@ピンキー
07/05/11 13:31:05 UukputhT
今のところわりとふつーな微近親恋愛な感じ?
もっと、ぐにゃぐにゃねちょねちょした展開に期待っ!

419:名無しさん@ピンキー
07/05/11 15:16:23 8nkKqahq
姉モノはいいなぁ・・・・・・(*´Д`*)

420:名無しさん@ピンキー
07/05/11 15:38:13 /qpzJ9dr
修羅場、嫉妬スレ向けの作品に見れなくもないけどどうだろ
作品自体は面白いんだが

421:名無しさん@ピンキー
07/05/11 15:41:36 y+VCaueZ
今は嫉妬スレに行かない方が良い

422:名無しさん@ピンキー
07/05/11 16:45:54 iue3TFPF
嫉妬スレ非難用に作られたんだったけ? このスレ?

423:名無しさん@ピンキー
07/05/11 16:52:37 9tA3t540
キモ姉・キモウト好きの誰かが勝手に立てたスレ。



424:名無しさん@ピンキー
07/05/11 18:33:45 8eIbUL50
あっちのスレだとキモ姉妹単体のSSは投下しづらそうだしね
その点、ここだとキモ姉妹が出てくれば単体物も修羅場物も投下できるもんな

425:名無しさん@ピンキー
07/05/11 19:09:23 Q36pHu6W
みゃー姉の作者さんGJ

弟のにだけ隠し味ってやっぱアレだよな
料理のできるキモ姉orキモウトの隠し兵器w

426:名無しさん@ピンキー  ◆x/Dvsm4nBI
07/05/11 20:13:18 V2sJVJEI
嫉妬、修羅場もいいですがキモ姉とキモウトが
それ以上に好きなのです。ですからこちらに投稿させていただいてます。
スレの皆様よろしくお願いします。

明日は昼ごろにまだちょっと薄いみゃー姉と祥子メインの
部活動短編を投稿予定です。内容はコメディ風味。
文章はもうできています。楽しんでいただけると幸いです。

427:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:14:50 W3NFWbQH
白沢龍彦(しらさわたつひこ)だから龍ちゃんの読みは「りゅうちゃん」じゃなくて「たっちゃん」
でいいんだよね?

428:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:14:50 FmlHqzVq
>>426
>文章はもうできています。

>文章はもうできています。
>文章はもうできています。


できれば、今すぐに…いや、なんでもない。
ワクテカして待ってる。

429: ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:38:24 zDOdh+fU
キモウト好きなんで書きました。
一話完結短編形式で気が向いたときに投下していきたいと思います。
いつエロくなるかわからんし、テンポ悪い文だけど、箸休めにでも読んでください。

430:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:40:38 zDOdh+fU
支倉陽一はぐうたらと言われる兄、支倉綾はしっかり者と言われる妹である。
幼くして母を亡くし、父は仕事で家を空けていて、小学校の中ごろから家の中では二人で過ごすことが多かった。
現在に至っては父の出張で完全な二人暮しだ。
普段の暮らしでは二人協力し、困ったことがあったらお互い支え合いなさいと言われてきたのだが、今も昔もとにかく喧嘩が多かった。
兄の陽一は、そこまで好戦的な性格ではない。
いつの時も、最初に噛み付くのは妹の綾だった。
「ちょっと! いいかげんにしてよね!」
その日も、朝食を作っていた綾は、居間に姿を現した陽一を見て、きりきりと眉を吊り上げた。
「え? 何がだよ?」
「寝癖! 寝癖よ! ちゃんと直してから来るようにって言ってるでしょ! 毎朝毎朝毎朝! 同じことを言わせないでよ!!」
「朝から元気なやつだなあ……」
ため息をついて陽一は椅子に座る。
その、いかにも適当な返事に、綾は切れ長の目で陽一を睨みつけ、持っていたおたまで、思い切り味噌汁の鍋を打った。
「うぉ! おい、やめろよ。頭に響く」
「なら寝癖を直してらっしゃい。今すぐに」
「後で直すよ」
「毎日毎日そう言って、遅刻間際になって、結局ぼさぼさの頭で出て行くんでしょうが!」
綾はつかつかと陽一に歩み寄ると、ワイシャツの襟に手を伸ばし、ぎゅっと締め上げた。
「ちょ……綾、苦しい……」
「お兄ちゃん、知ってる? 人間って、頚動脈を押さえると三秒間で気絶するんですって」
「は、初耳です」
「私はね、寝癖もそのまんまのだらしのない人と、並んで学校には行きたくないの。そうなるくらいなら、いっそ気絶させて家の中に放っておいて、一人で学校に行った方がマシよ」
「わ、わかった。直す。直すから……」
「よろしい」
にこやかに頷いて、綾は襟首から手を離した。
頭を振って、何度か咳き込みながら陽一は立ち上がった。
「……日に日に乱暴になっていくな、お前は……」
「ええ、ええ。誰かさんのおかげでね」
「まったく。黙ってればかわいいのに……」
ぶつぶつと言って、洗面所へと消える。
実際、綾の容姿は相当なものだった。
十人に聞けば十人が美人と答えるだろう。
真っ白な肌、艶やかな黒髪、強気な眼差し、繊細な体つき―
どれもこれもが見る者の胸を高鳴らせる美しさを持っている。
「ふん……!」
陽一が洗面所に姿を消すと、綾はどこか悔しそうな表情で首を振った。
頭の両側で結んで流した髪が、ゆらりと揺れる。
「そう思うんなら、私の前でもちょっとは気を遣いなさいよね……」
呟いて、しばらくの間綾はじっと床を見つめていた。

431:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:41:45 zDOdh+fU
陽一と綾の通う高校へは、最寄の駅から電車一本で行くことができる。
いつものように駅のホームに陽一と並んで立ち、綾はこれまたいつものように毒を吐いていた。
「う~……もう! 何でこんなに人が多いのよ! 多すぎでしょ!」
朝のホームは学校に行く学生、会社に向かう社会人で埋め尽くされている。
電車の発着のたびに人が激しく行き来するが、一向に人の数は減らない。
綾は人の波に押されながら、腹立ち紛れに陽一のわき腹を肘で打った。
「うぐ! おい、何すんだよ」
「お兄ちゃんがもっと早く出てれば、もっと空いてる時間の電車に乗れたんだからね。責任とってストレス解消させてよ」
仏頂面で綾は陽一の腹を殴り、足を踏み、耳を引っ張った。
「イタイイタイ、痛いって!」
「あー、何か気が晴れてきたわ。いい感じ」
「お前どんだけ歪んだ性格してるんだよ。だいたい混むのが嫌なら、さっさと先に行けば良かっただろ」
綾はぎろりと陽一を睨んだ。
「へぇえ、そういうこと言うの。言っちゃうの」
さらに不機嫌さを増した声色に、陽一は思わず身を引く。
逃がさないとばかりに、綾は陽一の手を取り、爪を立てて握った。
「な、何だよ。今朝だって一人で行ったほうがマシだって……」
「へえー。お兄ちゃんは、可愛い妹が電車の中で知らない人たちにもみくちゃにされてもいいんだ。そうなんだあ」
「え?」
「若い女の子の体を漁るのが大好きな痴漢に、好き勝手に触られてもいいのね。そういう時はただ黙って身を縮こまらせて耐えてろって言うのね。助けてはくれないのね。ふーん……なら別にいいけどね」
「お前……痴漢に遭ったことあるのか?」
「ないけどね」
「何だ……驚かせるなよ」
安堵の表情を見せた陽一の足を、また綾は踏みつけた。
「何を安心してんのよ! 今日明日明後日が初めての痴漢遭遇日になるかもしれないのよ!? それでお兄ちゃんはいいっていうの!?」
陽一は慌てて言った。
「わかった。悪かった。それは良くない。絶対良くない」
「そう思うなら先に行けとか言うんじゃないわよ!」
再び勢いよく、綾は陽一のわき腹に肘鉄を食らわせた。
「け、結局殴るのかよ……」
「ふん……あー、ほら、電車がきたわよ良くないって思ってるんなら、ちゃんと守ってよね」
二人の立っていたホームに、電車が音を立てて入り込んできた。
車内には人がぎっちり詰まっているのが見て取れる。
陽一は綾に応じて言った。
「ああ。痴漢に何かされたりしたら、すぐに言えよ。兄ちゃんがとっつかまえてやるからな」
「そんなんじゃダメ。痴漢に手を出されないように、ちゃんと、ぎゅっと体を抱いててよ」
「え……えー? そこまでするのか?」
「今日はいつもより混んでるから、それくらいしなきゃダメなのよ!」
「わ、わかったから、怒鳴るなよ」

432:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:43:15 zDOdh+fU
綾に押し切られ、陽一は綾を腕に抱くようにして電車の中になだれ込んだ。
正面から向き合い、綾の背中に手を回す。
綾も陽一の胸元に顔をつけ、身を寄せた。
車内は人に溢れ、電車が揺れるたびに右から左から押し付けられる。
いつしか綾も、陽一の背に手を回し、二人は抱き合うような姿勢になった。
「なあ、綾、これって意味あるのか? こんなに人がいると、抱いてようが何だろうが、思い切りもみくちゃにされるんだが」
「うるさい。黙ってそうしててよ」
「でも……ちょっと恥ずかしいんだが……」
「意味ならあるわよ。何も無いよりかは……まあ、安心するし」
綾は陽一の胸に顔をうずめているせいで、その表情は見えない。
しかし、背中に回された手に力がこもるのを、陽一は体で感じた。
抱きしめてみると、綾の体は本当に華奢だ。
こうしておとなしく身を寄せられると、陽一は兄としての庇護欲を大いに掻き立てられた。
「ま、いいか……」
結局二人は抱き合ったままで、満員電車の人ごみの中を過ごした。
いくつかの駅を通り過ぎ、下車する駅が近づくと、電車の速度が次第に落ちていった。
しばらくして、窓の外の光景が、立ち並ぶ家々から駅のホームに変わる。
「お兄ちゃん」
身を離しながら綾が小さく言った。
「ありがとね」
「ん? うん、気にするなよ」
綾は顔を上げて、陽一の首に手を伸ばした。
「おい、また首を絞めるのかよ」
「馬鹿、違うわよ! ネクタイ!」
満員電車の乗客にもまれて歪んだ陽一のネクタイを、綾は丁寧に直した。
「はい、これでよし」
「制服のネクタイなんて飾りのようなものなんだから、ちょっとずれてても誰も気にせんのに……」
「あたしが気にするのよ! ちゃんとしてよね、まったく……」
「お前ホントよく怒るよなあ……もう怒るために怒ってるとしか思えないぞ」
「ええ、ええ。どうせ私は怒らないと生きていけないわよ」
綾は再び足を踏みつける。
陽一が痛みに悶えていると、電車が止まって扉が開いた。
「ほら、お兄ちゃん! 早く!」
同じ高校の制服を着た男女が、次々と下りていき、陽一と綾も下りようと動き始めたその時―
「この人、痴漢です!」
一人の女子生徒が、大きな声をあげた。
陽一たちと同じ学校の生徒で、リボンの色から綾と同じ一年生だとわかった。
「え? お、俺ですか?」
高々と上げた少女のその手には、陽一の手が握られていた。

433:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:44:16 zDOdh+fU
「この人痴漢です」
ということで、陽一は駅の事務室に連れてこられた。
「この人です! 間違いありません!」
騒ぎ立てる少女は、名前を高島美希といった。
「電車に乗ったときからずっと、お尻を触られてたんです!」
「いや、本当にやっていないんですけど」
陽一を痴漢だと決め付ける美希に、それを否定する陽一。
駅員も、駆けつけた警察も、どちらの言い分が正しいのかで迷ってしまったが、綾の言葉があっさりと決着をつけた。
「お兄ちゃんにそんなことができたわけないでしょう。ずーっと私と抱き合ってたんだから」
「ちょ……! お前、こんな人前でそんなこと……」
「何よ。痴漢に間違われたままの方がいいっていうの?」
綾は、陽一を見るときとは違った冷たい眼で、美希を睨みつけた。
「何をどう勘違いしたのか知らないけどね、お兄ちゃんは私の背中に手を回して、ずっと抱きしめてくれていたの。あなたのお尻なんて相手にしている時間はなかったわ」
それにね、と綾は続けた。
「うちの兄は、間違っても痴漢なんてする人じゃないのよ」
はっきりとした物言いに、駅員も警察も表情が和らいだ。
「なるほど、どうやら勘違いのようだね」
「でも……でも……」
納得のいかない様子の美希に、綾は追い討ちをかけた。
「自意識過剰なんじゃない?」
「な……!」
「お兄ちゃんがやっていないことを私はこうして証言できるけど、あなたが痴漢にあっていましたって言ってくれる人は誰かいるの?」
「何よそれ。そもそも痴漢になんて遭っていないっていうの?」
「さあね」
「だ、だいたい、あんたたちだって、ただ兄妹だからかばってるだけじゃないの? 兄妹で抱き合ってたなんて、そんなのありえないでしょ?」
「別に? 私はごく自然なことだと思うけど?」
「ま、まあまあ。君たちが喧嘩してもしょうがないだろう……」
不穏な雰囲気に、見かねた駅員と警官が仲裁に入り、二人は言葉を飲み込んだ。
結局陽一は無罪放免。
美希は恨みがましく二人を見て、歩いていった。
「ひどい目に遭った……」
がくりと肩を落とす陽一の背中を、綾はバシンと叩いた。
「こんなことで落ち込まない! 元気出しなさいよ!」
「だってなあ……俺ってそんなに痴漢っぽい顔してるのかと思うと……」
「痴漢っぽい顔ってどんなのよ、一体」
呆れたように言うと、綾は足取りの重い陽一の手をとって、引っ張っていった。
「ほら、急ぐ! 遅刻よ遅刻!」
もう完全に始業の時間は過ぎていた。

434:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:44:52 zDOdh+fU
「綾、綾、あんたのお兄さん、痴漢で捕まったって噂が流れてるよ」
「はあ?」
級友の卯月小夜子がその話題を口にしたのは、お昼休みになってからのことだった。
「何よそれ。確かに捕まりそうになったけど、結局誤解だったわよ」
綾は朝のことを説明した。
「……とまあ、よくわからない女が勘違いしただけよ」
「あら、そうなの? 聞いた話とちょっと違うわね」
「聞いた話って?」
今度は小夜子の方が説明を始めた。
小夜子が言うには、どうも陽一が痴漢をしたという話は、もう既に学校全体に広まりつつあるらしい。
「まあ、あの子……高島さんだっけ? が、陽一さんを捕まえるところは、何人か見てる生徒がいたわけなんだけどさ」
「そこから噂が広まったの?」
「ううん。その高島さんが、あちこちで話してるのよ。痴漢に遭ったって」
綾が射抜くような視線で小夜子を見た。
「で?」
冷たい声で続きを促す。
その豹変振りに、小夜子は思わず身を引いた。
「あ、ちょ、ちょっと。私はただ聞いただけなんだから、怒らないでよね。落ち着いて聞いてよ」
「落ち着いてるわよ」
「……その高島さんいわく、何か色々あってごまかされたけど、陽一さんが犯人に違いないって……そういう風に言ってるのよ」
綾は、食べかけの弁当の蓋を閉じて席を立った。
「高島さんのところにいくの?」
「ううん。兄さんのところ。きっと、馬鹿みたいに落ち込んでると思うから」
綾にとって、優先順位は陽一の方が格段に上だった。

435:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:46:11 zDOdh+fU
綾の予想通り、陽一はこの上なく落ち込んでいた。
すでに濡れ衣だったことを知っている級友たちは、噂について慰めてくれたが、時折廊下で感じる好奇の視線が何とも痛かった。
食欲も湧かず、昼休みはただぼんやりと机に寝そべって過ごしていた。
「ちょっと、お兄ちゃん。せっかく私が作ってあげたお弁当、生ゴミにするつもり?」
「何だ……綾か……」
「『何だ』じゃないわよ。せっかく心配して来てあげたのに」
いつものように背中を叩くが、陽一はぼんやりと寝そべったままで、体を起こそうともしない。
「あー、もう、情けない。たかが噂話一つで。もっとシャキっとしなさいよ。シャキっと!」
綾は時折陽一のクラスを訪れていたので、級友たちも慣れている。
そうだそうだと、周囲から声があがった。
「綾ちゃん、何とか言ってくれよ。こいつ授業中からずっとこの調子でさ」
「さっきの実験も、ガスバーナー倒すわビーカー割るわ、大変だったんだ」
すみません、と綾は陽一に代わって謝った。
「ほら、こうやってお友達も言ってくれてるんだから」
「お前なあ……廊下歩いて、見知らぬ下級生に『あの人が痴漢の人?』なんて言われてみろよ。半端なく落ち込むぞ」
「確かに、それはちょっときついかもしれないけどね……」
綾はごそごそと陽一の鞄をあさり、弁当箱を取り出すと、ドンと机の上に置いた。
「とにかく、私の作ったお弁当は食べなさい」
「食欲ないっての……」
「ん? 何? 私にアーンってしてもらわないと食べられない?」
にやりと笑って箸を取り出す綾に、しかし陽一は無反応だった。
「ちょっと、無視しないでよね」
「……」
「無視すんな!」
「悪い……今はお前の相手をする元気はないんだ……」
綾はため息をついて腕を組んだ。
「重傷みたいね」
「……」
「とにかく、お弁当は食べてよね。取るもの取らないと元気もでないわよ」
それだけ言って、綾は陽一の教室を後にした。

436:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:49:01 zDOdh+fU
(イライラする……!)
綾は廊下を歩きながら、腹の底で煮えくり返る思いをひた隠しにしていた。
ちょっと気を抜くと、すぐ脇にある窓ガラスを殴りつけてしまいそうだった。
沸々と、沸きあがっては消えていくどす黒い感情。
原因はわかっていた。
(お兄ちゃん……私のこと無視した……)
先ほどのつれない態度が脳裏に蘇り、怒りと悔しさに握った手が震えた。
叩いても、冗談を言っても、怒鳴りつけても反応しない。
今はお前を相手にしている場合じゃないと言われた。
陽一が、自分の相手をしない。
自分以外のことに考えが偏る。
綾にとって、それはあってはならないことだった。
思い悩むなら自分のことであって欲しい。
気にするのは自分の言葉であって欲しい。
視界がどくんどくんと脈打つ。
自分が不安定になっているのがわかったが、どうにも抑えようがなかった。
(お兄ちゃん……)
おぼつかない足取りで歩きながら、窓の外を見る。
晴天だった空は、いつの間にか空は厚い雲に覆われていた。

437:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:49:50 zDOdh+fU
午後になると霧雨が風に舞い、世界は灰色の情景となった。
学校が終わり、部活に行く生徒、家に帰る生徒が各々の場所へと散っていく。
綾はいつもは陽一と二人で帰るのだが、その日は用事があると言って陽一に先に帰ってもらった。
そして、傘を差して、校門近くの木の陰にじっと立って待っていた。
一時間、二時間と時間が過ぎ、やがて部活を終えた生徒たちが帰る時間になる。
もう日も落ちて、雨の滴る中に街灯がぼんやりと霞んで灯っていた。
七時を過ぎると、もう校舎から出てくる人影もなくなったが、それでも綾は立ち続けた。
雨はしとしとと降り続ける。
やがて、綾の待ち望んだ人物が昇降口から姿を現した。
教員に別れの挨拶をして、傘を差して歩き出すその少女は、他でもない、高島美希だった。
綾は気取られぬように後をつけた。
高島美希の青い傘と、綾の黒い傘が、暗闇の街路を静かに進んでいった。
駅のホームには、誰もいなかった。
元々高校の生徒や教員の乗り降りが大半の駅なので、登下校時のピークを過ぎてしまうと、何とも寂しいものだった。
傘をホームの縁に立ち、傘を閉じて携帯電話を取り出す高島美希の後ろに、綾はそっと近づいた。
「高島美希さん」
「え?」
突然の呼びかけに振り返り、そこに居た人物を見て、美希は顔をしかめた。
「何だ……あんたか」
「お久しぶり。今朝はどうも」
「……何か用?」
「お願いがあって、あなたに会いに来たのよ」
ぴちゃんぴちゃんと、古びたホームの庇から雨水の落ちる音が響いた。
「お兄ちゃんの噂を周囲の人に話したようだけど……明日にでも取り消してもらえる?」
「は?」
「自分の誤解だったって、言い直してもらえないかしら」
「何であたしがそんなことしなきゃならないの」
「だって、実際誤解だったでしょう?」
淡々と綾は言った。

438:雨の綾  ◆5SPf/rHbiE
07/05/11 22:50:24 zDOdh+fU
「別に、あたしは自分が間違ってたとは思ってないし。わざわざ取り消す気も無いよ」
「どうしたら間違いだってわかってもらえる?」
「……しつこいね。本当にやってないんだったら、別にあたしが何を言っても堂々としてればいいじゃない。やっぱり後ろ暗いところがあるの?」
「私は……気にしてないし、放っておけばいいと思ったんだけどね。お兄ちゃんは……繊細な人だから」
「ふーん……」
美希は、鼻で笑った。
「またお兄ちゃんをかばいに来たんだ」
「……ええ」
「あんなぼんやりした男のために、よくやるね。あんた、どこかおかしいんじゃないの?」
「お兄ちゃんの悪口はやめてね」
どこか虚ろな目で、憑かれたように綾は言う。
その異様な雰囲気に、美希は思わず身を震わせた。
「……そ、それで、話はそれだけ? 終わったらとっととどっか行ってよ」
「取り消してはもらえない? 考えを改めてはもらえない?」
「無理。あたしはアイツが痴漢だって思ってるもん」
「取り消して」
無感情な声で、綾は反応した。
「取り消して」
「だから、その気は……」
「取り消して」
「取り消す気は無いって……」
「取り消して」
「……」
美希の返答などお構い無しに繰り返される、淡々とした呟き。
平坦で、どこか不調和な言葉。
「取り消して」
後ずさる美希を見つめて、綾は壊れたように同じ言葉を続けた。
「取り消してよ、取り消して、取り消して、取り消しなさいよ、取り消して取り消して……」
「な、何なの、一体……」
耐えかねて、美希は踵を返し、綾の前から立ち去ろうとする。
その瞬間、背後から白い手がすっと伸びた。
「え……」
二つの傘が、ホームに音を立てて転がる。
美希が背を向けたその瞬間に、綾は機敏な動きで後ろから美希の首に腕を回し、締め上げていた。
「な、何を……」
「高島さん、知ってる? 人間は、頚動脈を押さえると三秒間で気絶するんですって」
ぎゅっと、綾は腕に力を込める。
「お兄ちゃんは繊細だから……何かあると、私以外のことで頭が一杯になっちゃうのよね」
一瞬もがいた美希の体から力が抜け、がくんと腰が折れる。
「そうすると、私はすぐに嫌な気持ちが溜まって、何が何だかわからなくなっちゃうのよ」
美希に語りかけるように言うが、もう美希は何の反応も示さない。
綾は虚空を見つめ、嬉しそうに目を細めた。
「だから、何も無い方がいいの」
綾は鼻歌を歌いながら美希をホームの縁に寝かせた。
手に握られた携帯電話を引き剥がすと、無造作に線路に放り投げ、さらに傘もバッグもみんな、線路の上に投げ捨てた。
全部投げ捨ててから、綾はさらに念を入れて美希の首を締め、そのまま線路に落とした。
「これで、明日からまたしっかり者になれるわね」
嬉しそうに、本当に嬉しそうに、綾は美希に別れを告げた。


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