07/08/09 13:42:38 1X0rTdVJ
「これが古代四宝の一つ、「緑片の宿箱」……」
秘宝探索隊に考古学者として加わっていた梨絵は遺跡の最深部の更に奥の神殿にいた。
梨絵がこの隊に加わったのは論文の為だった。梨絵の古代文明に関する論文は推論に過ぎないと学会に一蹴された。今は何が何でも実証しなければいけない。
その焦りが梨絵に周囲を気にする余裕を与えなかった。
古文書から遺跡の記述を見つけ、ろくにその後の記述を確認もせずに準備を開始した。
プロのハンター達で構成された5人のグループでこの遺跡に入った。
しかし、進むにつれ人数は減っていった。奇怪なのは、彼らの消え方だ。
プロとしても最強の技術を持ち経験を積んだ人間達が、中級の罠に易々とかかる筈が無い。
そもそもメンバーで唯一の女、非力な上に学者である梨絵が最後に残っているのがおかしい。
彼らは音も無く、その人間が存在しなかったかのように、消えた。
気づいて振り向けば古い石壁と、深部まで侵食した古代樹があるのみだ。
一人だけ何の罠にもかからず残ってしまった梨絵は、ただ下へと進むだけだった。
そこで枯れた樹木に覆われた空間に入り神殿を発見した。
神殿の奥、祭壇のある部屋は異様な空気に包まれている。
壁に刻まれている古代文字と、部屋に満ちる障気。
目の前の宝に目を奪われた梨絵はその空気も気にせず「緑片の宿箱」へと近づいてしまった。
箱の側面の文字にも気づかずに。
『我ら大樹の侵略を受ける。如何なる武器も効果を為さず、故に樹の生命を封じ込めるのみ。何人も開くことあたわず。破滅の引き金を引くべからず』
「これが宝箱…鍵は無いみたいね。中は……か、空?」
梨絵は余りの事に驚きを隠せない。
地元の住民の話では、過去何百年で訪ねてきた旅人は僅か10人足らず。
しかも遺跡に踏み込むのは我々のチームが始めての筈だ。
空、という事は誰かが既に手に入れてしまったという事、しかもチームの誰かが。
途中で消えたメンバーの仕業だろうか?
どのみち、この神殿にいても意味は無いし危険が高い。
急いで帰らなければ――と、振り向こうとした瞬間。
体を捻ろうとする動きが何らかの力で止められた。
「なっ……つ…蔓?」
体を押さえていたのは神殿の床、天井、壁より伸びた緑の紐。
枯れていた筈の木から伸びた異形の蔓。
先端から胴体から、蔓の蛇は樹液を垂らしながら、梨絵の体を這いずるように巻きついていく。
余りの異常事態に、梨絵は何も言えなかった。
というより、その厚く艶のある唇を探り当てた蔓が、唇を割って侵入したため何も言えなかった。
「ふむぅ…ぢゅ…んん……んむっ……」
自身の肉厚な唇で蔓を挟む、フェラにも似たその行為は女学者にとって屈辱的な行為だった。
蔓は緩慢な動きで、かつ丹念に梨絵の口内を這い回る。
湧き出る樹液を歯に塗りたくり、上顎部を緩急をつけて舐め尽くす。
若干細くなった先端部を舌に絡ませて、分泌された唾と樹液を溶かし合わすようにかき混ぜる。
「あむっ……むぅ……んぁ…ふあぁ…ん……」
そうする内に蔓は全身を覆い、梨絵には体を這い回る肉の感触しか感じられなくなった。
口内の蔓の動きは更に激しくなり、噎せそうになる程濃厚な樹液を注ぎ込んで来る。
梨絵