07/04/15 19:19:33 bPpTnEBy
先程までの恐怖とは、比べものにならない、圧力。
郁夫の視線に射抜かれて、全身を押し潰されそうな圧迫感。
体の端から、ぎじぎじと引き千切られているような錯覚。
紛う方なき、浦辺流瞳術だった。
動き出そうとしていた流を。何の容赦もなく、制圧しようとしている視線だった。
―どうして。
それは、浦辺の家が、長い年月を掛けて完成させた異能の極み。
―どうして、郁夫様は、そんな目で。
対象を見つめ続けることのみで、あらゆる怪異にすら対抗しうるものへと昇華した。
―私を、見るのですか。
浦辺流瞳術が。
流をその場に、縫い止めていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
目の前には、驚きを隠せていない付喪神が一体。
その瞳は困惑に染まり、尻尾を巻いた野良犬のように惨めったらしい。
―こんな奴、この場で消し去ってしまいたい。
彼女のことはよく知っているが。
だからといって、情けをかけてやろうという気には、どうしてもなれなかった。
茅女に不躾な視線を送りやがったのだから、今すぐ殺されても仕方ないはず。
だか、腐っても長い付き合いである。今回だけは軽くお灸を据える程度に留めてやろう。
まったく。茅女と比べるにも値しない、腐りきった付喪神である。
なのに。
「―これ、郁夫。斯様な眼で其奴を見るでない。
妾は特に気にしておらぬ故、許してやれ」
「……まあ、茅女が、そう言うなら」
言われて、渋々、瞳術を解いた。
あんな殺気を向けられたのに。
茅女は気にすることなく、あっさり許してしまっていた。
器の違いがよくわかる。流のような小者に今まで懐かれていたことが、今では恥としか感じられない。
見つめ続けるのも吐き気がする。早く視界から消えて欲しい。
774:九十九の想い 1-13 ◆gPbPvQ478E
07/04/15 19:20:15 bPpTnEBy
しかし。
瞳術を解かれて自由になった付喪神は。
何故か目に涙を溜めて、必死そうにこちらに駆け寄ってくる。
「……郁夫様! どうして、どうして―」
「近付くなよ、なまくら」
汚らわしい手が触れようとしてきたので。
強引に振り払い、ありのままの気持ちをぶつけてやった。
すると、どうしたことだろうか。
付喪神は、その場に立ちつくし。
両の目から、ぽろぽろと涙をこぼし始めた。
「―なんだよ。
刀として使われなかった出来損ないが。
今度はいっぱしに人間の真似か?
気持ち悪いから、さっさと消えてくれないか」
「い、いく、郁夫様、
ど、どうし、どうして、そんなこと」
「近寄るなよ。穢れる。
そもそもお前は、研修を終えてる身なんだから、この家にいる必要もないはずだろ?
なのに我が物顔で居座りやがって。迷惑なんだよ。さっさと出て行け」
「で、で、でも、わ、わたし、
郁夫様に、け、剣を―」
言いながら、再びこちらに縋り付こうとする。
ウザかったので、腹を蹴って突き放した。
そして、隣の茅女を抱き寄せる。
「―ああ。もう、お前に教わる必要なんかない。
これからは、茅女が俺に教えてくれるからな。
茅女の足元にも及ばないなまくらは、さっさと消えて野垂れ死ね」
そう言って、顔に唾を吐きかけた。
付喪神は、何故か傷ついたような表情を見せた。
775:九十九の想い 1-13 ◆gPbPvQ478E
07/04/15 19:21:02 bPpTnEBy
―苛々する。
―頭の奥が、じんじんと疼いていた。
「郁夫。そう怒るでない。
とりあえず其奴も色々と考えることがあるだろうて。
今は放っておいてやれ」
茅女に言われて我に返る。
そうか、俺は怒っていたのか。
何故怒っていたのかはよくわからないが、頭の奥が疼くのは、そのせいだろう。
茅女と繋いだ手のひらで。
小さく柔らかな指先が、こちらの指の股を撫でてくる。
それだけで、気持ちよかった。
温かな感触が、手から全身に伝わっていく。
その温かみが、頭の中のノイズを綺麗に一掃してくれる。
刀の付喪神が。
未練がましそうな目で、こちらを見上げていた。
虫酸が走る。
目の前の、泣きそうな顔をしている付喪神を。
俺は、心の底から、殺してやりたいと思っていた。
776:緑猫 ◆gPbPvQ478E
07/04/15 19:22:14 bPpTnEBy
久しぶりの九十九です。
流頑張れ。
超頑張れ。
777:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:24:09 d50XTO6b
>>776
やっぱ九十九の方が面白い
こっちだけに集中して欲しいね
778:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:27:58 X9eazpB0
>>776
お疲れ様です。
いつも楽しみに読ませてもらっています。
779:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:31:42 DwJffYxg
>>776
GJ!
流がそうとうキてますね。
描写がだんだんとおどろおどろしくなってきてます。
それにして、やっぱり茅女も郁夫の心を弄ってたのか……。
このままだと、郁夫も壊れていきそうなヨカーン。
780:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:31:56 Xq+m85Sd
>>776
これは流タンカワイソス。・゚・(ノД`)・゚・。
流タンガンガレ!
でも郁夫のこの変わり様は……
あの時茅女に心を必要以上にいじられたのか?
781:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:34:46 TtTtPU8a
>>776
GJ
こんなこと言うのは失礼かと思うが…
俺も>>777に近い。
まぁ七戦姫は一旦休止して、
九十九を先に完結させて欲しいという意味だが。
782:名無しさん@ピンキー
07/04/15 19:40:47 pKPNivTc
>>776
しかしこの状況下で、こっちに投下とは敵対心ばりばりだなw
783:名無しさん@ピンキー
07/04/15 20:01:51 1K52aBWP
>>776
待ってたGJ!
でも一瞬だれか違う人間が書いたのかと思った
外道の郁夫。今度は茅女が弄ったのか?ちょっと予想と違う展開に激しく今後が楽しみ
>>777>>781に同意
こんなこと言うのは失礼だと判っているが・・・
お願いだから九十九を優先で。
でないと緑猫殿の他の作品を楽しめない
784:名無しさん@ピンキー
07/04/15 20:07:42 C1tGAywr
いーやー流タソがー。郁夫はやっぱりやられてましたか。
やっぱりここは一発ガツンと流にやってもらうしかないですねwww
785:名無しさん@ピンキー
07/04/15 20:12:26 aJYi9tgO
>>776
めっちゃGJ!!
見捨てられた流がどうなるのかwktk!!
786:名無しさん@ピンキー
07/04/15 20:32:07 ZMrktNJ5
これぞ、嫉妬。
これこそ、三角関係。
これが、真の、修羅場!
以上の言葉をまとめ、GJを送らせて頂きます。
GJッス!
787:名無しさん@ピンキー
07/04/15 21:04:03 hIjocsoK
>>776
GJ。スナック感覚で心を弄られる郁夫には同情の念を禁じえないw
788:名無しさん@ピンキー
07/04/15 21:13:23 4o05ubdK
いい修羅場っぷりだ(゚∀゚)流タン頑張ってくれ
789:名無しさん@ピンキー
07/04/15 21:30:52 1Ef2FOjp
やっぱ九十九はいいなぁ
GJ
790:名無しさん@ピンキー
07/04/15 21:32:14 U6L1fOMN
GJっていうのはいいが自演GJはやめれ
791:名無しさん@ピンキー
07/04/15 21:35:12 kiUe+SOA
>>776
超GJッス。
ヤバい。流が可哀相すぎてこっちがヘコむ。
流頑張れ。
792:名無しさん@ピンキー
07/04/15 22:11:43 Fnpf7QGw
>>790
お前が何を言っているのか、意味が分からない。
793:名無しさん@ピンキー
07/04/15 22:21:37 /Pus/7rG
多分、彼はエスパーなんだよ
794:名無しさん@ピンキー
07/04/15 22:26:53 fRALr/DR
>>787
スナック感覚の一言に吹いたww
795:名無しさん@ピンキー
07/04/15 22:27:10 tPlo66FB
「自演GJだ!」と「この投稿は他スレに対する敵対心によるものだ!」の陰謀論な人はどういつじんぶつだってESPでつきとめたよ
796:お嬢様物 ◆qj8aj1j2zQ
07/04/15 23:07:46 akzmw0WE
街歩いてたら妄想神が降臨したので書いてみます。
弱い嫉妬、三角関係無し、修羅場と言うよりギャグものだったりします。
797:お嬢様物 ◆qj8aj1j2zQ
07/04/15 23:09:32 akzmw0WE
「お嬢様、春香お嬢様、お目覚めの時間です」
そう言って、私の目を覚ましてくれるのは執事で幼馴染の秋原君。
「何時もありがとう」
そう言って目を擦って目を覚ます私。
小さい頃から、真面目で勉強好きでちょっと優柔不断で……私の成績が落ちた時も一生懸命勉強を教えてくれた。
ちょっと嫌な事は私の事を恋人と見てくれないことだ。只のお嬢様と執事……そんな関係で終わるのは私は嫌だった。
彼が何故家で執事をしているかと言うと……実は私の成績が終わった事に関係していた。
私は小学6年の時勉学への意欲を失っていた。はっきり言って、何もしたくない、そんな状態になっていたのだ。
そんな時、彼がそんな私を見かねて勉強を教えてくれるようになったのだ。
彼との勉強は楽しかった。両親はそんな私を見て微笑んでいた。彼の両親は私達の会社の大株主で、
他にも色々な事業を支援している人材だった。
でも彼の両親は死んでしまった。事故だったらしい。相手は酔っ払いだったらしい。
金はある。でも住む場所が無い彼を引き取ったのが私の両親だった。
彼は、只で住ませて貰うのは悪いと言う事で、雑用係を引き受けている。
まあ、彼のそばにいれるので私は断っていない。
彼が私の手伝いをしてくれたら彼のそばにいる機会も多くなる。そう思ってた。
だが、それはもろくも砕け散る。あの雌狐によって。
学校が終わって放課後、私は彼の様子を見に行った。そこで私は信じられない物を見たのだ。
「ねえ、あなた春香ちゃんと付き合ってるの?」
甘ったれた女の声。私は気になってそっと覗いてみる。
そこには、彼と私とは別の女がいた。美川夏絵。超巨乳の頭悪そうな女の子。
「付き合ってません!彼女とは只の使用人の関係です!」
「へー、だったらさあ、私と付き合わない?」
そう言って彼女は服を脱ぎだす。
「ねえ、こんな状況で私が誰か呼んだら、皆どう思うかしら?」
彼は顔を真っ赤にしながらあたふたを回りを見渡してます。
798:お嬢様物 ◆qj8aj1j2zQ
07/04/15 23:11:05 akzmw0WE
駄目です。あんな雌狐に誘惑されちゃ駄目です。
「……この、おっぱいだって自由にして良いんだよー」
ぽよんぽよんと揺れる胸。私だって少しはあるもん……。彼は慌てて逃げようとしますが彼女は蛇のように睨んでいます。
「あんな、わがまま娘なんかよりずっと良いでしょう?」
「………お嬢様の悪口を言うな………」
静かに響く声。はっきり言って悪役声です。でも良いんです。あの雌狐の驚いたような顔!ひとまず誘惑されてませんね。
でも、このままでは不味いです。このままでは彼は彼女に奪われます。そうしたら彼女は彼を食い尽くすでしょう。
駄目です。それだけは避けなければいけません。
がちゃがちゃとドアを開けようとする。
「ねえ、秋原く……秋原、ここにいると聞いたんだけどいるかしら?」
「はっ、はいなんでしょうお嬢様!!」
あはははははははははははははははは!正直者ですわね秋原は……。
部屋の中で『チッ』と舌鼓の音と『誰かに喋ったらあること無い事言いふらすぞと』
……うふふふふふふふふふふ。もう許しませんわ。帰ったら執事長に言って彼女の事を調べないと。
「一人で帰るのは寂しいんです。秋原と一緒に帰りたいんです」
甘えたような声、あの雌狐への思いはこれっぽちも出さない。
「かしこまりました!掃除が終わったら、直ちに!」
……学校の仕事優先か……秋原らしいけど、ちょっとむかっ腹が立つ。あの女がいなければもっと早かったんじゃないの?
決めた、あの女が彼に手を出せないようにしよう。その為には彼女の事を知らないと。
だが、事件は思わぬ方へと向かう。
「『ハニートラップ』?」
執事長の言葉を私は鸚鵡返しする。
「はい、その可能性は高いと思います。彼女の会社も彼の株で成り立ってるような物ですからな。」
私はわなわなと体を震わせた。許せない。あの女だけは許せない。
「……これを回避する手段は一つしかございません」
私は執事長の声に耳を傾ける。
「春香様が、秋原様とねんごろになり御婚約すれば宜しいかと」
「!!!!!!」
「お二方の意思もございますが、彼が成年となれば我等の大株主になるのは確実ならば、反対する理由はございません」
「でも、父や母が何というか」
「御安心を。御両親はお二方の結婚を公私にわたって期待なさってます。」
799:お嬢様物 ◆qj8aj1j2zQ
07/04/15 23:15:38 akzmw0WE
私はその日の夜、彼を自分の寝室に呼び寄せた。
「今日の掃除の時間の件、一部始終見させていただきました」
多少怒った様に言う。
「……申し訳ありません」
素直なのは美点だし、それなりの美形だ。だからもう自分の物にしてしまおう。お父様達の許可は貰ったような物だ。
「もしかして、あの女に欲情しましたか?」
「いっいえ!決してそんな!」
「だったら、何故謝るんです?」
押し黙る彼。
「だったら、私の体に欲情した事は?」
意地悪そうに聞く。
「…………あります」
「!!!!!!つまり、私の体を見てこっそり自慰をしてたの?」
「違います!只、寝てる時のお嬢様がキレイで……その……」
私は胸の奥から笑い声がこみ上げてきた。後一押しだ。もはやあの雌狐に与える時間は与えない。
その頃、執事長は資料を読んでいた。危険性Lv80。108まであるセキュリティランクのうち上位に属しており、
『即刻排除』の案件だった。自ら出るしかない。執事長はそう決断すると、着替えを開始した。
そう、この服こそ、一子相伝の真拳『執事真拳』後継者の証だった。
そして、今執事真拳の超感覚で屋敷に近づく黒い影達を感知した。それと共に、お嬢様と彼の唇が合わさった事も。
「ふっ、彼を執事真拳の後継者にしたかったのだがな」
執事長は寂しそうにそう言うと、モニタールームから出て行った。
「執事真拳奥義地天逆転撃!」
その台詞と共に重力が逆転し黒い影を吹き飛ばす。
「執事真拳……だと?まさかあの伝説の奥義をこの目でうぎゃー!」
その台詞と共に黒服達が吹き飛ばされる。
「貴様、何故それだけの力を持ちながら執事の身に甘んじている!」
「執事だからです」
「「答えになってねー!」」
800:お嬢様物 ◆qj8aj1j2zQ
07/04/15 23:17:57 akzmw0WE
突っ込みを無視してさらに技を放つ。
「執事真拳奥義、敵意感知怪光線!!」「執事真拳奥義、一人ダイヤモンドフォーメーション!!」
「執事真拳奥義、竜巻旋風波動!」「執事真拳奥義、片手千手観音!!」
「うわー駄目だー」
忽ちの内に吹き飛ばされる黒服。
「やっぱり、黒服だけでは駄目か」
そう言って、木陰から出てくる夏絵。
「なるほど、彼を奪いにきたということですな」
「くくくくく、だって彼、私のところの大株主よ?それを手に入れたら色々できるじゃない」
「なるほど、ならこの戦い我が主の分身がお相手いたしましょう」
その言葉と共に、執事長の体から黒いオーラが噴出する。
「なっ何これ?」
「これぞ、執事真拳超奥義『主人精神力場』です。そしてこの黒いエネルギーこそ、彼女の嫉妬心」
「あの子の嫉妬心?笑わせないでよ。あんなポヤポヤお嬢様の嫉妬なんて」
次の瞬間に、夏絵の体が宙に舞う。
「彼に罪を被せ様として!」「彼を好きでもないくせに!」「彼の好きでもない体で誘惑して!」
「好きでもない体で誘惑して?」
「春香様はどうやら結ばれたようですな。彼はどうやら慎み深い胸が好みのようですな」
「変態性癖の持ち主め!」
そう言ってショットガンを放つ彼女。
「執事真拳…只の防御!!!」
その瞬間に、全ての弾丸が動きを止めた。
夏絵がモードを切り替え、次々と弾丸を射撃する。飛来する無数の弾丸。
「フン!」
気迫で全て吹き飛ばされる。
「哀れですな」
「何?」
「武器と金しか信頼できる物が無く、しかもその銃にはなんら思いが溜まっていない。
そんなもの奥義を使う必要すらなし!」
「ひいいいいいいいいいいいっ!」
「あなたを殺すのには1秒もかからねど……只殺しては禍根が残る……我が最終奥義で粉砕してあげましょう!」
そう言うと、執事長の体内に黒いオーラが蓄積される。
「執事真拳・最・終・奥・義・!」
そう言うや否や、黒いエネルギーが執事長の体内に蓄積される。
「時空・湾・曲・絶命波ぁぁぁぁ!!」
時空湾曲絶命波。それは主人の怒りのエネルギーを凝縮し、敵の存在を過去から根本的に『消滅』させる凄い技である!
そのエネルギー波の後は何事も無かったような場所だけが残った。
801:お嬢様物 ◆qj8aj1j2zQ
07/04/15 23:19:08 akzmw0WE
エピローグ
僕は今、春香と付き合ってる。
優しくて、可愛くて、ちょっと嫉妬深いけど僕の事が好きな春香と。
でも時々思う。春香の相手は僕で良いんだろうか?もっと女の子にモテモテな美青年の方が春香に合ってる様な…。
それでも、僕に甘えまくって、御飯を食べさせてくる彼女を見てると頑張らなきゃと思う。
「あの、婚約の件ですけど」
「本当に、僕なんかで良いの?」
「秋原君じゃなきゃ駄目です。私をしっかり支えてくれたの秋原君だけだったから、秋原君を私が支えます」
にこりと笑う彼女。………あの、一つだけ謝らせてください。その笑顔だけで……失礼ですが勃起しました。
END
これで完結です。
802:名無しさん@ピンキー
07/04/15 23:21:07 steuGEwS
>>776
イヤッホオオオオオオオオオオオウ!
好きにかけばいいと思うよ!おもうよ!
>>801
GJ
グミ吹いた
803:名無しさん@ピンキー
07/04/15 23:28:48 cVONe1Wn
>>やおい
乙GJ!ていうか執事長が主人公みたいだ~。吹いた~
が
春香をチュニャンと読んでしまった俺はCLAMP板行ってきます
804:名無しさん@ピンキー
07/04/16 00:06:15 /F4x+jEF
>>801
つまんえー
805:名無しさん@ピンキー
07/04/16 00:21:20 xBcac9Cc
>>やおい
一人ダイヤモンドフォーメーションww
806:名無しさん@ピンキー
07/04/16 02:00:05 i2jPzW9R
いいのよ・・・うるさいスレ住人の戯言なんて私が全て排除してあげるから
貴方(職人)はいつものように私を喜ばしてくれれば(投下)それでいいの
807:名無しさん@ピンキー
07/04/16 03:28:27 VeNXDo9c
馬鹿だ
後半の展開は実に馬鹿だ
だが、愛すべき馬鹿だ。いいぞもっとやれ! GJ!
808:名無しさん@ピンキー
07/04/16 10:27:49 HZH03a7h
いまはやりのアニメの設定パクリか
まったくパクリ以外やることないのか
作者死ね
809:名無しさん@ピンキー
07/04/16 10:53:14 HNybwLjQ
>>808
君も君の両親の劣化コピーなんだから死んだ方がいいよ
810:名無しさん@ピンキー
07/04/16 11:22:07 +og4ov6N
>>808
神より面白い作品を作れてから物を言ってくれないか?
どうせ、小学生並の物語しか作れないんだろwww
こいつ、おもしれぇぇぇぇwwwww
811:名無しさん@ピンキー
07/04/16 14:13:55 c8rrR0QO
>>809
なかなか洒落た言い回しだなソレ
今度使わせてもらおう
812:名無しさん@ピンキー
07/04/16 15:35:17 sx2p3oli
>>811
同意。
意味深な感じがGOOD
813:名無しさん@ピンキー
07/04/16 15:46:54 0h41IoCa
コピーというより、雑種だな。混ざってるから。
下手したら、コピーより劣っている可能性もある。
814:名無しさん@ピンキー
07/04/16 16:14:56 HNybwLjQ
「君も」と書いてしまったが、作者さんはそのまま頑張って下さい。
こういう肩の力を抜いて読める物は俺も大好きなんで
815:名無しさん@ピンキー
07/04/16 16:48:37 EQVFLYJU
>>796-801
イイネイイネー(・∀・)b
816:名無しさん@ピンキー
07/04/16 16:59:46 wT8s9O0q
米軍 女性兵士が同僚男性の妻を射殺
スレリンク(army板)
リアル修羅場キタ(゚∀゚)ッツ
817:名無しさん@ピンキー
07/04/16 18:53:13 cUe+dGVx
>>816迷うことなくクリックして浅はかな己を恥じた
818:名無しさん@ピンキー
07/04/16 18:57:33 4eVkAhyR
URLリンク(www2.atchs.jp)
雨の音が向こうにいったw
神と駄文垂れ流し作家の住み分けにはやっぱり避難所は必要だねwww
819:名無しさん@ピンキー
07/04/16 18:59:18 wjTnZat8
はいはい、クマー
820:名無しさん@ピンキー
07/04/16 19:30:32 kYK2SVK2
孤独の工作員が必死すぎて鼻血出た
821:名無しさん@ピンキー
07/04/16 20:20:41 4PpR4sB1
>>817
恥じることはないさ。
俺も押したぜ。
今回はガセネタだったが、いつかは本物が来るかもしれない。
その時までは、待っていようぜ……
全裸でな
822:名無しさん@ピンキー
07/04/16 21:31:47 dY9+FiDB
>>819
>>820
いい加減に自作自演はやめてくれないか?
823:名無しさん@ピンキー
07/04/16 21:41:51 4eVkAhyR
・・・・・・・w
824:名無しさん@ピンキー
07/04/16 21:49:58 dY9+FiDB
>>823
ってか、作品を投下したらどうだ? 人の作品を駄文垂れ流しの作文と言っているんだから
お前は相当な作品を書けるんだろうな? まあ、真面目に創作活動も出来ないお子様は
リアルでも2ちゃんねるでも相手にされないんだけどね・・wwww
825:名無しさん@ピンキー
07/04/16 21:50:29 0PvqZNOg
荒らしが自作自演認定するこんな世の中じゃ・・・
826:名無しさん@ピンキー
07/04/16 22:18:47 86Fh2vn/
ジェラシー
827:名無しさん@ピンキー
07/04/16 22:19:31 0EtL3dIr
、 ヽ i /
,' / ヽ/「t~~Vヽ {
,'/ \_/ ヽi:':'|
/ ,,--' ヽ\ ヽ:':'} ,,-'~
/ / ,__ヽ |l ト' ,,--'~~
./ / /'  ̄ ̄\i|/ ,/´
~~\ / /ノ / ミ `ヽ~
`r{ / ミ / ,、 ,≡≡, ,,ヽ
`ヽ、{ ミl ヽ,,':-…-~' ).|
ノ i ,,,,i `'``',三,,,'`~ ヽ、
{ ':': l {: : } , `'~~(~~'} ヽヽ
) :':イ`iヽ: :iヾ:´ 丶 ; | ,, ト:} 逆に考えるんだ
):':':':':|'人 }: :i ,ニ、ヽ, ; |丶ニ .ヽ)
く ':':':':':i.V'人ト ぇ,-Fテ`,/}}}`f士 ,|´,,_ 「避難所に誘導乙」
/':':':':':';='ミ\‐-ニ,, ̄-<´{~`ヽ-一ミ,_,';';)
~くミ川f,ヾヽ ヾ~ヾヽトシヽ| }': ,〈八彡'';') と 考えるんだ
>,;;`` ヽ丿川j i川|; :',7ラ公 ,>了
~) 〃ヽヽ` `;ミ,rffッ'ィミ,ヽWiヽミ
ゝ ,,〃ヽヽ``` ``'' ,彡'~\リ}j; fミ
~~`{ ;;`` 彡彡 i 、S`
\_, 三彡/-v'`~
'--‐冖,___,--'
828:名無しさん@ピンキー
07/04/16 22:35:31 4eVkAhyR
>>824
822 :名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 21:31:47 ID:dY9+FiDB
>>819
>>820
いい加減に自作自演はやめてくれないか?
必死だなーw
829:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:09:59 vO5y9OIE
(´,_ゝ`)プッ
830:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:10:31 vO5y9OIE
(´,_ゝ`)プッ
831:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:17:35 4XN5dTqC
ID:vO5y9OIE
荒らし乙
832:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:21:45 khULoewo
だって、もうここは神は投稿しないでしょw
新規の方も昔の方も逃げた事ですし・・
まだ、ヤンデレスレの方が勢いあるよwww
833:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:27:53 4XN5dTqC
本スレ荒らして避難所に誘導させる作戦なのではないかと疑心暗鬼
834:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:29:31 c8rrR0QO
ある意味修羅場だけど
誰と誰が誰を奪い合ってるのかがわからん
一体何のために戦っていると言うのか
835:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:32:47 GeHe0aQ3
「お前は何のために戦っている!」
836:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:35:01 aBaqD0zq
「あの艦には仲間が……友達がいるんだっ!」
837:緑猫 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:40:42 ILbp3DsH
投下します
838:七戦姫 7話 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:42:03 ILbp3DsH
* * * * *
―何故、こんなことになったのか。
クチナは自室の中央で。
頭を抱えて悩んでいた。
体調は悪くないはずなのに。
何故か全身を寒気が襲っていた。
冷や汗が滴り落ち、時折頭痛がガンガン響く。
風邪でも引いたのかなあ、と現実逃避したくなってしまうが。
それを許さないのは、周囲の見目麗しき少女たち。
右を見る。
剛槍片手に控える護衛、ユナハ。
切り揃えられた金髪が美しい少女だが、その顔はへの字口に涙目だった。
むすーっとしながらクチナの方を見つめている。怖くはないが胸が痛くなる。
右前方を見る。
棒を壁に立てかけ腕を組んでいる親衛隊隊長、イクハ。
流れるがままの金髪は星の流れを連想させる少女だが、その唇は尖っている。
こちらも機嫌悪げにクチナの方を見据えている。普段は気さくな少女なだけに、思わず背筋が寒くなる。
正面を見る。
しかし、怖くて直視できない。
下方には突き立てられた大剣。って刺さってるー!?
ここは一応王子の部屋なので、そんなことができるのは一人しかいない。っていうか怖い。
左を見る。
主国の奴隷闘技場王者、サラサ。
ほとんど半裸といってもいい格好だが、何故か風格漂う雰囲気を纏っていた。
客人用に用意された椅子に腰を下ろし、クチナのことをジト目で睨め上げている。
左後方を見る。
扉の傍で静かに控える使用人、ツノニ。
その表情はどこか冷たく、氷の刃物を連想させる。
何故かフォークを片手で弄んでいた。くるくる回る銀食器が、妖しい輝きを放っていた。
背後にちらりと視線を送る。
床に胡座をかいている幼き傭兵、ヘイカ。
この少女だけは、クチナだけではなく、そのすぐ隣を複雑そうな表情で見つめていた。
ふと目が合うと、何となく背筋が粟立ってしまう。まるで猫の前に置かれた魚のように。
839:七戦姫 7話 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:42:49 ILbp3DsH
そして。
クチナの隣。
というか脇にべったり張り付いているのは。
「くちなー」
くるる、と喉を鳴らしながら、至福の表情で微睡んでいる、半人半竜の少女、ヌエ。
いつもだったら、こんな彼女を見ていると、哀しさと愛おしさが混ざった複雑な感情に囚われるのだが。
今日に限っては、どうしてか、とんでもない恐怖と困惑に囚われていた。
どうして、こんなことに、なったのか。
* * * * *
朝、目覚めたときは、とても爽快な気分だった。
血の巡りもよく、食欲もあった。
これならツノニの用意してくれる朝食を、半分は食べられそうだな、と思っていた。
そんなとき。
けたたましい音を響かせて。
クチナの寝室の窓が、ぶち破られた。
「ッ!?」
突然のことに、声にならない悲鳴を上げ、その場に固まってしまうクチナ。
窓を破った物体は、そのまま部屋の中央を突っ切って、反対側の壁に激突した。
「ぐぎゃっ!?」
蛙の潰れたような悲鳴が上がった。
蒼色の髪が床に広がる。どうやら、年端もいかない少女のよう―
「―って、女の子!?」
クチナ、2度目の驚愕。
寝起きの王子の寝室に、幼い少女が飛び込んでくるだなんて、非常識を通り越している。
あまりの事態に、呆然とするしかなかった。
飛び込んできた少女は、頭をさすりながらのっそりと立ち上がる。
840:七戦姫 7話 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:43:35 ILbp3DsH
「痛たたた……。知己の空竜に放り込んでもらうのは、良い手段と思ったのだがな……。
まったく、加減を知らぬのか、あの馬鹿は……」
何やら愚痴りながら立ち上がったのは。
クチナは初めて見る、蒼色の髪の少女だった。
「……はー。まあ、無事に目的を果たしたから、良しとするか」
少女は朝日に輝く長髪を振り、硝子の破片を床に落とす。
そして―部屋の主、クチナの方に視線を向ける。
「おい、お前」
「え? あ、はい」
「お前が王子だな?」
「えっと―」
クチナが何と答えようか迷った瞬間。
少女の姿は、クチナの目の前まで移動していた。
「なに。別に狼藉を働く気はない。
少しばかり、頼みたいことがあるのだ」
「いや、っていうか、こんな風に押し入ってる時点で狼藉な気が……」
「気にするな。窓は後で弁償しよう。
……妙に高そうな硝子だが、値段は普通のと大して変わらぬよな?」
「えっと……」
突然飛び込んできたくせに。
妙に深刻そうな表情で訊ねてくる少女に、思わず吹き出しそうになってしまう。
ふと、硝子の値段を考えようとし、
そもそもそんな場合じゃないことにクチナが気付いた、瞬間。
壊れそうな勢いで扉が開かれ。
護衛の少女が、突入してきた。
「クチナ様、今の音は―」
割れた窓。
不審な少女。
クチナのすぐ傍に。
ユナハが即断するのに、一刹那もかからなかった。
841:七戦姫 7話 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:44:37 ILbp3DsH
狭い室内で、しかし何の躊躇いもなく槍を振る。
半回転した剛槍は、そのまま穂先が少女に向かって流れていく。
常人なら指先ひとつ動かすのすら困難な時間。
ユナハは、既に攻撃を放っていた。
空気を切り裂き、少女の首へと穂先が迫る。
クチナの目には、銀光が瞬いたようにしか映らなかった。
蒼髪の少女が只の刺客だったのなら、首が千切れ飛んで終わっていただろう。
しかし。
銀光は二条。
少女の首を狙っていたものと。
それを跳ね上げる、鋭い一閃。
「―なッ!?」
驚きの声を上げるユナハ。
王子護衛隊隊長の彼女は、その剛力には絶対の自信があった。
それだけは誰にも負けない。たとえ相手があの竜騎士だとしても、純粋な力勝負でなら圧勝する自信があった。
その剛力で突き出された槍は、どんなものにも阻まれない。そう自負していたのに。
少女の振り上げた刀に、あっさり軌道を変更され、その狙いを外していた。
呆けたのは一瞬。
しかし、それは度し難い隙だった。
銀光が切り返される。
頸を狙った一閃に、慌ててユナハは柄頭を合わせた。
朝日の中、火花が散った。
「チッ、鉄製か……!」
少女の舌打ちが響く。
木製の柄だったら、そのまま斬り通すつもりだったのだろう。
手に残る感触から、ユナハはそう確信した。
―何者かはわからないが、強い。
そう確信したユナハは、とにかくクチナを守るべく、立ち位置を強引に少女とクチナの間に割り込ませた。
再び銀閃。柄で防ぐ。
今度は先程より力が込められ筋が通っていた。黒鉄製の柄に切れ込みが入る。
(あんな小さな剣で、この槍を斬るつもり!?)
並の膂力、並の技術では不可能だろう。
しかし、少女の膂力は見た目通りのものではなく、おそらく技術も一級品。
先程の防御も、ユナハの力を巧く上に流したのだろう。
ユナハの知る限り随一の近接戦闘技術を誇るイクハにすら肉薄する。
842:七戦姫 7話 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:45:25 ILbp3DsH
―今、私が相手しているのは、姉さんと同格の刺客なんだ。
大会が近いので、怪我をしないようにと慎重に戦うつもりだったが。
そんな甘っちょろいことを言っていられる相手では、ない。
そう認識したユナハは、相手が再度攻撃に移る前に、攻め手に転じる。
「……せいっ!」
気合い一閃。
左手だけで、剛槍を一回転。
手首が砕けそうな勢いで回したそれは、室内の空気をかき回す。
風圧で、寝室の窓が全て砕けた。
柄と穂先の軌道に、それぞれ少女の急所があったが、それは難なく避けられる。
そして、少女が剣閃を滑り込ませようとした、瞬間。
ユナハは、強引に槍の回転を止め。
右手も加えて。
強引に、逆回転させた。
左手の筋が悲鳴を上げる。
関節の軟骨がガリガリと削られるのが自覚できた。
果たして、剛槍は予想も付かぬ角度・速度で。
―少女の急所を、狙い打った。
少なくとも。
クチナには、そう見えた。
目も開けていられない激戦を、それでも何とか伏せて耐える。
彼の護衛は、いつも通り、少しの無茶をしながらも、主のことを守っていた。
が。
相手は、そんなユナハを、組み伏せていた。
何が起こったのか、クチナには理解できなかった。
843:七戦姫 7話 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:46:10 ILbp3DsH
「―ふん。手こずらせおって。
まあ、流石は王子の護衛といったところか。死を覚悟したのは久方ぶりだ」
「……ぎ……ぎぎ……ッ!」
「無駄だ。この極めは、お前の怪力でも外せぬぞ。
相手の力を利用して、より極まる型だからな。力が強ければ強いほど、外すのは困難となる。
けったいな爺が教えてくれた技だが、威力は我で実証済みだ」
ユナハの肩が、みしみしと軋みを上げる。
常人離れした怪力が、強引に少女の極めを外そうとしている。
しかし、少女の言葉通り、その極めは外れそうもなく。
ユナハはその場で、震えるのみ。
「さて、王子よ」
ユナハを押さえ込んだまま、少女がクチナに顔を向ける。
「別に我は、お前に危害を加える気はない。
もとより、頼みたいことがあって来ただけだ」
「……頼みたい、こと?」
訝しげな視線を、クチナは少女に向けた。
護衛が倒されてしまった絶望的な状況のはずなのに。
どうしてか―少女のことを、怖いとは思えなかった。
「うむ。此度行われる武術大会のことなのだがな―」
少女が、更に言葉を続けようとした、瞬間。
その口が、ぴたりと止まった。
「―どうしたの? 続きは言わないのかしら?」
少女のこめかみに、木製の棒が突き付けられていた。
棒を持つのは、つい今しがた組み伏せられたユナハの姉。
王をあらゆる危機から護る、親衛隊隊長、イクハだった。
「好きなことを言ってもいいのよ?
王子の寝室にまで侵入して、言いたいことがあったのでしょう?
今ならきっと、クチナ様も聞いてくれると思うわ」
イクハの唇の端が。
きりきりと、吊り上げられる。
「―まあ、言い終わったら、殺すけど。
よくも可愛い妹を虐めてくれたわね。
……私、殺すのも得意だから安心してね?」
844:緑猫 ◆gPbPvQ478E
07/04/16 23:47:52 ILbp3DsH
次回に続きます
845:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:51:28 r2/f5rn1
>>844リアルタイムキタY⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒Y !!
GJ!
姉妹そして泥棒猫(?)とこれからの戦いが待ち遠しい!
846:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:55:05 yqoKc/zO
>>844
ぬう…
面白いんだけど、もっと一気に読ませて欲しいな、なんかページ数の少ない
週間漫画読んでるみたいで、ストレスがたまる。
847:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:58:35 nSBo5hE9
さあ、この修羅場にどう出る王子ッッ!!!?
848:名無しさん@ピンキー
07/04/17 00:10:19 o5WsBKKp
>>846
6レス分で足りないなんて・・・そりゃお前さん贅沢ってモンだぜ。
何にしても緑猫氏頑張ってください!!
849: ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:07:49 MNP3HlgR
お久しぶりです。投下します。
850:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:08:50 MNP3HlgR
「はぁ…っ、はぁ………。」
「な、七原さん大丈夫ですか?」
全身から汗が噴出し、膝は小刻みに震えている。
そんなかっこ悪い、疲労困憊といった様子の俺の肩に手が添えられる。
優しく、暖かい掌。
黒ぶち眼鏡から覗く澄んだ瞳が心配の色に染まる。
「すみません葵さん、遅れましたか…?」
息も絶え絶えに、俺は葵さんに尋ねる。
「いいえ、私も今来た所ですから。」
にっこりと優しい微笑みを返してくれた。どうやら気を遣ってくれたわけではなさそうだ。
「はあぁぁ………よかった……。」
安堵と同時に、どっと疲れが押し寄せてきた。
俺は尻餅をつき、熱いアスファルトに手をつける。
「ホントに大丈夫ですか?辛かったらこのまま帰っても…。」
「いえ、大丈夫ですから安心してください。ただちょっと疲れただけです。」
心配そうに顔を曇らせる葵さんに力なく笑いかける。
「朝少し色々あって、それで遅れそうになって…………あっ。」
その時、バスが走る音が聴こえてきた。
「丁度来ましたね、行きましょう葵さん。」
俺はずっと休んでいたい気持ちを抑えながら立ち上がる。
田園風景が流れていく。
バスには相変わらず人は殆どいない。
まるで俺と葵さんの貸切バスみたいだ、などと気恥ずかしい事を考えてしまう。
そんな気持ちを紛らわすように隣の葵さんへと視線を移す。
―目が合う。
それだけで俺の心臓は早鐘のように鳴り響いた。
「もう大丈夫ですか?」
「え…は、はい。もう大分落ち着きました。」
成る程、そうか。ずっと俺の事を心配してくれていたのか。
葵さんの優しい心遣いに胸が温かなる。
「よかった、心配したんですよ。」
「すみません、心配かけちゃって。」
「いえいえ、大丈夫ならそれでいいんです。」
相変わらず足は痛いけど、葵さんの柔らかい微笑みを見ているだけで癒される。
851:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:09:35 MNP3HlgR
…そうだ。
「葵さん、昨日絵本見させていただきました。」
「どうでした?何か記憶に繋がるものは見つかりました?」
「残念ながら……何もわかりませんでした…。」
「そっか、まああれはただの絵本ですから…。何か見つかるわけない、かな。」
「でも俺は、そんな事よりも嬉しかったんです。あれが…葵さんの思い出の絵本なんだって思うと、なんか無性に嬉しくて。」
葵さんの大切なものを共有出来た。
些細な事だけど、俺はそれが堪らなく嬉しかったのだ。
葵さんは少し照れた様子で頬を掻くと。
「………うん、大切な、思い出なの。」
懐かしさと嬉しさが籠められた、小さな呟きを漏らす。
「七原さんは大切な思い出ってありますか?」
「大切な思い出ですか…。」
記憶を辿ってみる。
…楽しい事や辛い事、沢山あったけど…。
大切というと、よくわからないのが本当のところだ。
それに俺は何か大切なものを忘れているような気がする。
今朝見た夢、内容はよく覚えてないけど、何か大切なものだったような気がする…。
俺にとってそれが大切な思い出なのだろうか…。
「…あの…、大丈夫ですか? 私何かまずい事でも…?」
どうやら俺は真剣に考え込んでしまっていたらしい。
葵さんが心配そうにこちらを見てくる。
「あ、大丈夫ですよ。中々思い出せなかっただけですから。」
そう言って明るく笑ってみせる。
葵さんもつられるように微笑み、それから俺達は会話に花を咲かせた。
俺達は終点に着くまで色々な話をした。
そして葵さんの事も少しだけではあったが、事情を知った。
葵さんは転勤の多い親とは離れて暮らしているらしくて、行く行かないで随分揉めたそうだ。
何度も説得されたみたいだが葵さんは頑なにこの村に拘った。
大切な友達がいるから離れたくない、その一心で。
その時の事を語る葵さんの目は誇らしげで、輝いて見えた。
852:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:10:33 MNP3HlgR
「じゃあここで。」
「はい、仕事頑張ってください。」
「うん、ありがとう。」
そう言って葵さんは図書館の裏口へと向かう。
「さて…どうするか…。」
時間は9時半。
仕事中の葵さんに話しかけるわけにもいかないし、ずっと見ていれば多分気づかれる…。
桃太はまだ来ないだろうし…。
…でもこのまま何もせずに桃太を待つのもなんか嫌だな。
「入るか…。」
まあ何か面白そうな本でも探してみるかな。
「よぉ、ちか。」
不健康そうな容姿にはあまり似合わない、陽気な声と笑顔。
「な、何で居るんだ!?」
ついさっきこんな時間に居る筈がないだろうと思っていた人物は、ごく当然のように昨日と同じ机に本を散乱させ、眼鏡の奥からニヤニヤとした表情を俺に向けている。
「何でって、来たから居るに決まってるだろ?」
だが確か、あのバスは俺が乗ってきたので始発だった筈。
…こいつはどうやって来たんだろう…。
唖然とする俺にからかうかのような視線を向けながら、桃太は向かいの椅子を手で薦める。
「で、今日の朝はお楽しみだった、ってわけだな。」
「!?!??!!」
俺は思わず硬直し、一瞬で顔が沸騰したかのような感覚が襲う。
「アハハッ、俺が知ってるのが意外か?」
「あ、当たり前だ!!誰にも言ってないんだぞ!」
「言わなくたって解るさ。お前の昨日の態度といい、今日の態度といい…。バレバレ。」
「ぐっ……。」
バレバレ………。そんなに俺は解りやすいのか。
「ま、存分に青春を謳歌しろよ。俺の分まで、さ。」
「…自分の分位自分でしろ。」
「そりゃそうだな。」
終始おどけた様子の桃太に多少の苛立ちを覚え、少し乱暴に椅子へ座る。
「で、そんな話しにきたんじゃないだろ。」
「はいはい、わかってるって。」
そう言うと、先ほどの意味深な笑みは消え、真剣な顔つきで静かに言葉を紡いでいく。
853:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:11:36 MNP3HlgR
「ハッキリ言うと、特に目新しい情報は無かった。
殆どが既存の資料ばかりでな…。
まあ、蔵の方も調べてみれば何かみつかるかもしれないが、その場合だと結構時間かかるぞ。」
「いや、時間がかかっても構わない。頼む…。」
「ああ、蔵は立ち入り禁止だったんだが、俺ももう18だ。そろそろ…平気だろう。」
「お前18だったのか!?」
「言ってなかったか?」
言われてみれば、俺より幾分か大人っぽい気がするが…。
てっきり同い年だと思っていた俺には意外だった。
「18になって、やっとちゃんとした跡取りとして見られるようになったから色々やりやすくなったよ。」
「じゃあ蔵に入れるのはそれのせいか?」
「ああ…、何せ鍵は代々頭首が持つって決まりがあるらしくて、昔は色んな手を使って手に入れようとしたんだけどどれもダメでなぁ…。」
どこか遠い目をしながら語る。
昔から蔵へ入りたかったのだろうか。さっきから桃太は蔵の事となると目が輝いているような気がする。
「ま、とりあえず期待して待っとけ!」
「ああ、期待してる。」
ぱたん。と、桃太は開いていた本を閉じる。
そして今までの真剣な表情を崩し、ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべる。
「真面目な話はこれで終わりだ。次はお前が喜ぶ話をしてやろう。」
「喜ぶ話?」
「明日、布袋は休みだ。」
「そりゃ休みもあるだろう。」
「…はぁ、お前な、好きな子が何も予定が無いって事実をもう少し喜べよ。」
「い、いや、そんな事言われてもな…。」
「予定が無いって事は、もし遊びに誘ったら了承してくれるかもしれないだろ。」
人差し指を俺の目前に突き立て、桃太は続ける。
「つまりだ!デートが出来るかもしれないって事だ!」
「なっ!?」
デートだと!?
俺があの葵さんとデート!?
今までデートの1つもした事の無い俺が葵さんと!?
俺は混乱した頭をどうする事も出来ず、ただ唖然とし、固まってしまった。
854:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:12:47 MNP3HlgR
「そこまでビックリする事でもないだろ。」
呆れたような、だがどこか微笑ましいものを見るかのような表情の桃太。
「だ、だって…あの葵さんと………。」
「いいじゃないか。俺から見たら布袋も満更じゃ………。」
桃太はチラリと時計に目を落とすと。
「布袋はそろそろ来るんじゃないか?もうすぐ昼休みだ。」
「えっ!?」
「好きなんだろ? だったら、ちゃんとその気持ち大事にしろよ。」
「あ、ああ…。」
デートに誘う、か…。
葵さんは優しい、もしかしたらOKしてくれるかもしれない。
だがそれは葵さんの優しさに付け込んでるだけな気もする…。
…でもせっかく桃太が教えてくれたんだ、覚悟…決めてみるか。
俺は1つ深呼吸をし、乱れた心を落ち着かせる。
「…ありがとう。来たら、誘ってみる。」
「頑張れよ。 …っと、来たみたいだな。」
桃太の視線の先に目やると、二つに結った髪を揺らしながら早足で駆けてくる葵さんがいた。
「お疲れ様です葵さん。」
「お疲れ。」
「2人ともありがと。」
葵さんはにっこり微笑み、俺の1つ隣の席に座る。
俺は意を決し、葵さんに話しかける。
「あ、葵さん!」
「え、はい?」
「明日、何か予定はありますか?」
「予定ですか? 特にこれといったものはありませんけど…?」
「あの………。」
「はい?」
胸が苦しくなる程に高鳴る。
「なんでもないです。」と言いたくなる衝動を必死に抑え、言葉を続ける。
「明日、一緒にどこかに行きませんか!!」
「…はいっ!?」
一瞬で真っ赤になる葵さん。
恐らく俺も同じような顔をしている事だろう。
855:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:13:45 MNP3HlgR
「よかったらでいいです。嫌でしたら遠慮なく断ってくれても……。」
「え、そ、そんな嫌というわけではなくて……ただ………。」
「ただ?」
「……それって、デート…でしょうか…?」
小さな、搾り出すかのような呟く声。
葵さんも俺同様、恥ずかしいのだろうか。
「…そ、そういう事に…なりますね…。」
緊張のあまり、ぎこちない返事しか出来なくなってしまった。
「で、デートは…その……。 そういうのは………。」
葵さんは俯き、小声で「ごめんなさい。」と続ける。
「い、いえ、謝らないでください。 元はと言えば俺が変な事言い出したんですから…。」
そう言うしかなかった。
わかってはいたんだ、葵さんが俺なんかとデートする筈ないって。
でももしも、もしかしたらデートしてくれるかもしれない…。その気持ちをとめることが出来なかった。
俺は深く後悔しながら、無理に笑顔を作ってみせる。
「…七原さん…。」
「だから気にしないでください。葵さんが気にする事じゃありませんよ。」
「………あのですね、七原さん。」
「は、はい…。」
「私、確かにデートは…ちょっとあれですけど。でも友達として遊びに行くくらいでしたら………いい、ですよ。」
「え……?」
一瞬、意味が理解できずつい聞き返してしまった。
「ですから、デートじゃなくて…、遊びに行くのでしたら、行かせてもらいますという事です。」
「そ、それ…ホントですか…?」
「はい…。」
頬を染めながらそう葵さんは呟く。
例えデートじゃなくても葵さんと2人っきりで出かけられる。
それを葵さんが了承してくれた。
…未だに信じられない。
「な、七原さん?」
固まってしまった俺を葵さんは心配そうに見つめる。
「あ…………よ、よろしくお願いします!!!」
俺は勢いよく頭を下げ、その声は図書館中に響き渡った。
856:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:14:59 MNP3HlgR
…明日、9時にバス停。
葵さんは本が買いたいとの事らしいから、本屋巡りを予定している。
暖かい湯に浸かりながら、未だに夢ではないかと頬を抓ってみる。
痛い。多分夢ではない。
家に帰ってからも、ずっと明日の事ばかり考えていて何もかも上の空だ。
…流石に熱くなってきた。出よう。
風呂から上がり、扉を開ける。
脱衣所の洗濯物が入ったカゴの前に栗色の髪。
「…な、何してるんだ?」
「え、ちーちゃん!?」
若菜は慌てて俺の方を振り向く。
「…うわぁぁぁ!!!」
「きゃぁぁぁぁ!!!」
俺達はお互いに叫び声を上げ、若菜は顔を真っ赤にしながら走り去ってしまった。
…見られた、のだろうか…。
「はぁ…。」
深い溜息をつく。
ふと、疑問が湧いてくる。
「あいつは何してたんだ?」
脱衣所に用があるとも思えないし…、それに振り向いた時に何かを後ろに隠したような気が……。
……まあ気のせいだろう。
女の子には色々あるのだろう、恐らく、多分。
俺は深く考える事はせず、タオルを手に取った。
居間には案の定、決まりの悪そうな表情の若菜が居た。
俺も見られてしまったという恥ずかしさからか、話しかける事はせずテレビに目を向ける。
おばさんは風呂に入っている。
気まずい空気の中、テレビの音だけが部屋に響く。
「……ちーちゃん。」
沈黙に耐えかねた若菜が口を開く。
「な、なんだ?」
「…ちーちゃん、今日帰ってきてから変だったよね…。」
さっきの事を言い出すのかと思ったら、突然突拍子も無い事を言い出した。
857:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:16:02 MNP3HlgR
「変って、どういう意味だ?」
確かに今日はずっと上の空だったかもしれない。
でもその理由を言う気にもなれず、そっけなく言葉を発する。
「変なのは変だよ。だって、私が話しかけてもずーっと違う事考えてるみたいだった…。」
「そ、そんな事ないって…。」
相変わらず若菜は鋭い。
「私が、間違えると思うの?ちーちゃんの事で。」
何も読み取る事の出来ない、暗い瞳で見つめられ、俺は背筋に寒気が走るのを感じる。
「私が間違えるわけないじゃない、ちーちゃんの事なんだよ?
私が一番よくわかってるの、他の誰でもない、私が一番なの。
そんな私が言ってるのに、否定するの?
ちーちゃんは私を信じてないの?
信じてるならちゃんと答えてよ。どうして今日変だったの?
私ずっと気になってたの。気になりすぎてご飯も喉を通らなかったんだよ?
だから教えてよ、私を安心させて。
どうして?どうしてなの?何を考えてたの?私との会話以外に何を優先させていたの?」
「う………。」
その声は静かなものだった。
けど、何か得体の知れないモノを感じ、思わず汗が頬を一筋流れる。
「………どうせ、あおちゃんの事なんでしょ……。」
どこか冷ややかな声で言い放つ。
「ど、どうしてそうなるんだよ…。」
若菜に気圧され、声が裏返ってしまった。
「…明日、あおちゃん休みなんだよね。ちーちゃん知ってた?」
「さ、さあ…知らないな…。」
白々しい嘘をつく。
若菜に嘘をつくのは何度目だろうか。
「じゃあ明日は私と出かけられるよね?」
「それは………。」
「ダメなの?何か予定が入ってるの?どんな予定、なのかな?」
何もかもお見通し。そんな微笑を湛え、試すかのように聞いてくる。
「………。」
「また黙っちゃうのぉ?ちーちゃんって相変わらず。」
クスッと微笑むと、若菜は立ち上がる。
しばらくすると玄関のガラガラという音が聞こえてきた。
「なんだったんだあいつ…。」
若菜は意味深な瞳で俺を見つめた後、出て行ってしまった。
「…まあいいか…。」
とりあえずこれで危機は脱した筈だ。
ほっと胸を撫で下ろし、畳に横になる。
858:赤い瞳と栗色の髪 ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:18:19 MNP3HlgR
「はぁ~、いい湯だったわぁ~♪」
何時にも増して色っぽさの増したおばさんが冷蔵庫を物色している。
「ん~?何も無いわねぇ…。」
「何探してるんですか?」
「明日休みなのよぉ。だからお酒でも飲もうかなーって思ったんだけど…。」
「…無い、ですか?」
「…うん。」
おばさんは心底残念そうに肩を落とす。
と、その時――。
「栄子さぁ~ん!」
玄関が開く音と共に、先程出て行った筈の若菜がやってきた。
「あら、家に帰ってたの?」
「はい、これ、持ってきたんです。」
若菜はそう言うと、手に持っていた大きな瓶をおばさんに見せる。
「こ、これは…!」
「おばさんの大好きなお酒、持ってきましたぁ。」
「若菜ちゃん…!」
「今日は私も付き合いまぁす。お酒は飲めませんけど、おつまみ位でしたら作りますよぉ。」
「うん!ありがとう!」
…なんかよくわからんが、若菜はお酒を持ってくる為に家に戻ったって事なのか?
それなら…別にさっきの事はもう気にしてないって事だよな。
俺は一安心し、嬉しそうなおばさんに声をかける。
「よかったですねおばさん。 じゃあ俺はそろそろ…。」
時計の針は8時を指している。
ちょっと早いけど、明日は寝坊するわけにはいかない。
俺は立ち上がろうとする――が。
「どこ行くのかなぁ?今日はせっかく若菜ちゃんがおいしーお酒持って来てくれたんだから、当然ちか君も付き合うのよねぇ~♪」
「ええっ!?」
おばさんは俺の腕をがっしり掴み、座らせる。
若菜が手早く三人分のコップを持ってくる。
「さっ、じゃんじゃん飲むわよ~!!」
「お、俺未成年ですよ!?」
「いいのいいの、固い事言わないのぉ。」
俺の前に置かれたコップに透明の液体が注がれる。
お酒独特の臭いが、俺に飲めと言っているかのようだった。
「若菜ちゃん!どんどん料理出して!」
「はぁ~い♪」
「さあ………飲むわよちか君!!!」
「う、うわぁぁぁぁ!!」
俺は無理矢理酒を飲まされ、意識は混濁していった。
これが誰の策略だったのか、それともただの偶然なのか。
考える余地すら与えられないまま、一方的な宴は何時間にも亘り続いた。
859: ◆y5NFvYuES6
07/04/17 01:23:13 At4C4c63
また無駄に長いですけど、今回はこれで終了です。
では、また。
860:名無しさん@ピンキー
07/04/17 04:14:33 CjeGwO0H
若菜ガンガレ!超ガンガレ!
861:名無しさん@ピンキー
07/04/17 06:54:46 /0QzRp1c
>>859
しかし反阿修羅派って今のところ二名か・・・
折角避難所作ってくれたのに、今の時期に当て付けるようにこっちに投入して恥かかせちゃまずいだろ
862:名無しさん@ピンキー
07/04/17 06:56:07 YI9TnOve
荒らしはよくないと思うよ
それと、避難所に投下しなきゃいけないなんて決まりはないからさ
863:名無しさん@ピンキー
07/04/17 07:07:37 /0QzRp1c
すぐに嵐認定して人の心が分からんのか?あんたは
筋から言って今まで功績がある阿修羅氏が折角避難所作ってくれたのに
避難所使いたくない職人も最初だけは投入するべきか一言断るべきじゃないの?
自分が阿修羅氏の立場だったらどう思う?
864:名無しさん@ピンキー
07/04/17 07:18:31 YI9TnOve
阿修羅氏だって好意で避難所建ててくれるのは分かってるさ
緑猫氏も◆y5NFvYuES6の人もそれは分かってると思うよ
けどどこに投下するかは作者の自由だし
荒らしって言ってしまいたくなるほど気になったのは
それだけで反阿修羅派なんて言い方をするのはどうなのかと思うよ
865:名無しさん@ピンキー
07/04/17 07:20:37 /0QzRp1c
すまん言い方悪かった
866:名無しさん@ピンキー
07/04/17 07:23:56 YI9TnOve
まあご本人たちが本当はどう考えてるのかは分からないですけどね
867:名無しさん@ピンキー
07/04/17 08:47:49 FV4K2gyg
春は終わったのに名残がひどい。
868:名無しさん@ピンキー
07/04/17 08:47:52 i6yDBl+6
避難所は飽くまでも避難所であって、
避難するほど荒れてもいないのに避難所に投下しなきゃならんつう話はないな
869:名無しさん@ピンキー
07/04/17 09:25:08 0keHLbGN
>>861の必死さにワロタwwww
870:名無しさん@ピンキー
07/04/17 09:46:34 No5ipOPM
>>861=阿修羅氏
871:名無しさん@ピンキー
07/04/17 10:15:36 0ci/HxYB
>>867
まだ春休み気分が抜けないんだろうよ
872:名無しさん@ピンキー
07/04/17 10:29:58 0keHLbGN
ってゆうか、ただのニートだろw
873:名無しさん@ピンキー
07/04/17 10:34:27 o5WsBKKp
>>870
何でそういうときだけ嬉々として阿修羅氏の名を出すのか・・・
なんでも氏ってつければ荒らしじゃないとか思ってる?
あ、日本語の使い方のおかしい人かw
874:名無しさん@ピンキー
07/04/17 10:36:43 ETGpvHKk
荒れてる荒れてるという香具師がいるが、一時期に比べたらかなり普通
これぐらいが駄目なんじゃあ2chはやれないよ
875:名無しさん@ピンキー
07/04/17 12:09:32 i6yDBl+6
何でか知らんがいちいち煽る奴がいるんだよな
逆効果だっつうのばあろう
876:名無しさん@ピンキー
07/04/17 13:15:05 hyCir9Dr
俺… さ… 昔、栄えてたSSスレに居たことがあるんだ… でも…
「俺が投下し始めたら急激に衰退を始め、1ヶ月で避難所生活」になったんだ…
どうやら俺は何かに憑かれているらしいぜ…ッ ここはそうならないでほしいものだッ…!
877:名無しさん@ピンキー
07/04/17 13:42:06 y6FUxKwf
>>876
ふふ、そう、そうなんだ。
でも安心して。私は怖がったりしない。
そう、アナタみたいな疫病神を引き受けられるのは私だけよ。
だから…ね、見せて頂戴?
アナタだけの物語を、私のためだけに…
878:Dr.Crazy ◆PJOP2CE.Sg
07/04/17 14:07:42 hyCir9Dr
URLリンク(kasamatusan.sakura.ne.jp)
修羅場展開という物はかくも難しくあり…
そして狂は急いでいるため、本当に申し訳ないですがdocでお送りいたします
879:名無しさん@ピンキー
07/04/17 15:07:30 tATvVl7C
docマジかんべん
880:名無しさん@ピンキー
07/04/17 15:15:33 0keHLbGN
見事に嫉妬スレは衰退してしまったね
881:名無しさん@ピンキー
07/04/17 15:52:28 0keHLbGN
衰退した理由は・・鋸を丸呑みしなかったからだ・・
今から泥棒猫の首筋に鋸で切り裂いて来い
882:名無しさん@ピンキー
07/04/17 16:43:10 YI9TnOve
面白いのに残念です
正直、時間ができてから投下してもらったほうが良かった
883:名無しさん@ピンキー
07/04/17 17:13:18 o5WsBKKp
>>878
キタ━━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━(゜ )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━!!!!!
まさかカレナが二重人格だったとは・・・
色々過去の話も出てきて次の展開もwktkして待ってます!!
>>880
>>881
おいおい;
884:名無しさん@ピンキー
07/04/17 17:28:22 wverpbut
>>878
書くのはいいがdocは本気でやめてくれ
885:名無しさん@ピンキー
07/04/17 17:44:55 +CKc4LiS
>>859
GJ!!
若菜かあいいよ若菜
つか風呂場の近くで若菜は何をしたんだ…?w
886:名無しさん@ピンキー
07/04/17 17:57:10 y6FUxKwf
>>879
>>884
違うでしょ?
あれは駄目、これは駄目、否定するばかりじゃ何も始まらない
嫌なら嫌で、重いなら重いで、他に言いようはあるもの
例えば…「次からはtxtにして頂戴」と、そう言えばいい
887:名無しさん@ピンキー
07/04/17 18:02:56 jAOVH98f
連投イヤッホオオオオオオオオオ!
>>886
まったくだ
zipでくれ .exe
888:名無しさん@ピンキー
07/04/17 18:18:02 0keHLbGN
>>887
死亡フラグ+某秘密工作機関による嫉妬修羅場極秘ファイルの流失キタァー(゜∀゜)ーー!!!!
889:名無しさん@ピンキー
07/04/17 18:19:21 trrN1mi9
いまだに
ヤンデレスレ住人=修羅場スレ住人
っていう認識の人がいるから困る
890:名無しさん@ピンキー
07/04/17 18:23:58 FV4K2gyg
>>878
レックスがある意味キモ姉的な位置に立ってるんですねwww
年上スキーの自分としては、レックスに頑張ってもらいたいですww
>>886
ところで、docって重いか?
おれの2007はサクサク動くけれど……。
891:名無しさん@ピンキー
07/04/17 18:44:43 LEUBmmT0
重いとかでなく、テキストで済ませられる内容なら
使わないのがマナーなんでね
最近は減ったけど、ウイルスの危険もあるし
容量も大きくなるし、環境によって表示も異なる。