ファイアーエムブレム&ティアサガ第26章 at EROPARO
ファイアーエムブレム&ティアサガ第26章 - 暇つぶし2ch401:名無しさん@ピンキー
07/04/14 01:29:50 4s2O3dH2
>>396
3は間違ってはいないけど
何と言うかニアミスだな

402:名無しさん@ピンキー
07/04/14 01:59:23 E19Sa8T5
個人的に④が見てみたい

403:名無しさん@ピンキー
07/04/14 10:05:43 SAIsgBH4
まあミストはヨファじゃないからね
後日談はある男と支援Aにしたら結婚だし、しなくても二人ともにまだ結婚していないとか意識してるし

404:名無しさん@ピンキー
07/04/14 11:20:26 E19Sa8T5
ヨファ→ミストフラグは立ってるし、あの男とのカップルが公式推奨としても
公式ではないんだからいいんじゃね?

405:名無しさん@ピンキー
07/04/14 11:31:43 MzK9cVe0
>>399
逆じゃないのかwwww

406:名無しさん@ピンキー
07/04/14 14:57:12 81OBpq4A
逆はないな
ツイハークはガチでいい人過ぎる

407:名無しさん@ピンキー
07/04/14 14:59:56 46/3IFG9
女の子二人とフラグ立てながら、結局何もなかったハレーはすごい

408:名無しさん@ピンキー
07/04/14 16:31:13 o0S6UT2Q
地属性の男はフラグクラッシャーが多いと言う噂だ。

409:名無しさん@ピンキー
07/04/14 22:20:16 mH3TFpVu
ふたご姫を見て以来、フラグなんてものは飾りだと思っている。

410:名無しさん@ピンキー
07/04/15 22:56:38 jzkX7J5R
暁にパパとママになったと思われるのって
ミストとゴリラ化その2以外に誰かいるか?

411:名無しさん@ピンキー
07/04/15 23:02:24 Elk9X5tS
で、ワユたんはまだか?
いい加減糞キャラの絡みとか飽きたしどうでもいいんだが・・・

412:名無しさん@ピンキー
07/04/15 23:42:36 J/fWsZ9w
>>400
ツァイス×エレンは支援関係あるけど
同人とかであまり見かけないよね。
でもこのカップルは良いと思う。


413:名無しさん@ピンキー
07/04/16 00:07:56 aO91SbdU
>>410
烏と鷺のラブゲーム

414:名無しさん@ピンキー
07/04/16 02:22:21 i2Hl3mwt
>>411
ワユが糞キャラの筆頭だろwww

415:名無しさん@ピンキー
07/04/16 09:58:01 aTtKs2Py
ワユネタは、それがどんなものであっても荒れる元だから
出さん方がいいよ
荒らしたいなら別だけどなw

416:名無しさん@ピンキー
07/04/16 13:10:36 ML0KcK9h
ワユ「はぁっ・・・大将!気持ちいい?」
アイク「あ、ああ・・・はぁ・・・」
ワユ「もう!気持ちいいなら、ちゃんと言ってくれれば・・・んっ・・・」
アイク「あっ・・・さっきのところを・・・・もう少し・・・」
ワユ「気持ちよかった?それじゃあ・・・」
ミスト「お兄ちゃん!ちょっと来て!」
アイク「み、ミスト!あれだけ部屋に入ってくるなって・・・」
ミスト「お兄ちゃん・・・気持ちよさそうだね。私にもやらせて!」
アイク「・・・!」







アイク「ミストのマッサージは・・・痛いな」
ミスト「もう!文句言わないでよ!」


マッサージでした編

417:名無しさん@ピンキー
07/04/16 14:20:37 KMIXSzBp
気持ち悪い

418:人造人間だみゃ~ん ◆1aM01Oi/FM
07/04/16 17:53:14 I2xwJMy8
セリス:じゃあみんな、今から僕が問題を出すから、答えを書いてね。

問題「次の○の部分に、適当な文字を入れなさい。 

『○ンチタイム』」

リーフ:えっと・・・『ラ』かな。
セリス:ランチタイム・・・なるほど、騎士フィンに大事に育てられただけあって、夢があっておいしそうな答えですね。
シャナン:『ウ』だな。
セリス:シャナン?・・・あ、そっか。子育てに苦労しているシャナンの答えらしいね。

パティ:えっと・・・『ポ』です。
セリス:ポンチタイム?・・・えっと、意味がわからないんだけど・・・
パティ:やだセリス様ったら!逆から読んでみてくださいよう!
セリス:黙れ雌豚

419:外伝 ◆9QlRx9nooI
07/04/16 18:26:37 2jXSX/Bu
封印ツァイス×エレンその2を投下します

420:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:27:29 2jXSX/Bu
 激戦となったエトルリア王宮戦。
 続く聖女の塔攻略戦の準備が慌しく進む中、ミレディは一人の竜騎士を伴って、主君であるギネヴィアの許に戻っていた。
「ギネヴィア様。ただいま戻りました」
「ご苦労です、ミレディ」
 奪還されたばかりの王宮の一角、ロイの本陣で、ギネヴィアは忠臣を心より出迎える。
ベルンを裏切る事になろうとも、この親衛隊長はギネヴィアへの忠誠を貫いてくれたのだ。それは何よりもの掛け替えのない宝物。
 もう一人、いつも一緒にいるシスターのエレンは、聖女の塔攻略戦に参加している。
「私の弟のツァイスです」
 そしてミレディは、王宮で出会い、そのまま連れて来た弟を紹介する。
「ベルンの竜騎士ツァイスです」
 畏まってツァイスは名乗った。彼はまだベルンへの忠誠を誓っている。
「まあ、ミレディの弟ね」
 輝くばかりの笑顔を見せるギネヴィアに、ツァイスは畏まったまま、
「ギネヴィア様にお聞きしたい事があって参りました」
「ツァイス!」
 ミレディの言葉を片手で制し、今はロイの許に身を寄せる姫がたおやかに応える。
「構いません。何なりとお聞きなさい」
「では」
 顔を上げ、ツァイスはじっと見る。その曇りなき高貴な眼差しを。
「姫がベルンを出奔したのは何故ですか?」
「それは……この戦争を止める為です」
「止める?」
「はい。兄上の起こしたこの戦乱は、ベルンだけでなく、この大陸を滅ぼすでしょう。
私は止めねばなりません……」
 頭がやや下がるが、すぐにそれを振り払い、ギネヴィアは続ける。
「兄は間違っています。兄を止めることが、ベルンの為であると私は信じます」
「あくまで、ベルンの為と?」
「はい……。それは信じてもらうしかありません」
 エレンやミレディなら黙って従うだろう。だがこの二人ほどツァイスはギネヴィアを知っているわけではない。
「陛下を……兄上のゼフィール国王を討つことになってもですか?」
「……はい」
 瞳にまた翳りがよぎる。だがそれも一瞬。ギネヴィアはすっとツァイスの視線を受け止めた。
「ギネヴィア様は、女王になるおつもりですか?」
 憂いも悲しみ業も、全て受け入れた瞳。その瞳を直視し、ツァイスは不思議と心が落ち着く自分に気付いた。
 口では問いを重ねながら、もはや気付いたからだろうか。自分が尽くすべき主人が誰かを。
「ベルンの民が……それを認めるならば」
「承知しました」
 腰に差していた剣を鞘ごと抜き、ツァイスは恭しくギネヴィアに差し出す。
 横で見ていたミレディは何も言わず、事の成り行きを見守っていた。最初から分かっていたように。
「ご無礼を申しました。これより、ギネヴィア様の思いを確かめさせていただきます」
「喜んで……」
 受け取った剣に口を付け、ギネヴィアはそっと返す。

 竜騎士ツァイスがロイの軍に加わった瞬間だった。

421:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:28:23 2jXSX/Bu
 それから指揮官のロイに改めて、軍に加わる事を許してもらい、ツァイスは待機となった。
ロイはこれからすぐに聖女の塔攻略に取り掛かる。ベルンに味方するエリミーヌ教団の一派が立て籠もったからだ。
エレンもこの戦いに自ら志願したので、まだ会っていない。
 しかし……姉のミレディがいるとはいえ、やはり姫の近くというのは緊張する。
ミレディがギネヴィアの側を離れるわけもなく、必然的にツァイスも一緒にいることになる。
彼はさっきまで敵だった軍にいきなり溶け込めるほど器用ではない。どちらかというと実直。
それにベルンを憎む者も大勢いるので、余計なトラブルを起こさないようにも、じっとしていたほうが賢明だった。

 そうこうしているうちに夜が明け、聖女の塔攻略部隊が戻ってきた。無事に成功したらしい。
 戻ってきたエレンは、翳りのある表情をしていた。
「……これで、ベルンに味方していたエリミーヌ教団の一派は掃討。ロイ様は
神将器の1つであるアーリアルを託されました」
「そう……ご苦労様、エレン」
 戻ってきた侍女を、ギネヴィアはミレディ同様に心から出迎える。
 ベルンを出奔するときに唯一同行させたエレンは、それだけ信頼も厚い。
同時に彼女の心優しい性格を知るギネヴィアは、申し訳ないとも思っていた。
 エレンが戦いに向かないのは明らかだ。本来はエリミーヌ教の教えに従い、慎ましく生きていけただろう。
それが自分が巻き込んでしまったばかりに、血生臭い戦場に駆り立ててしまった。
シスターの治癒の杖は、戦場ではなくてはならないものだから。
 戦が終わると、エレンはいつも憂鬱な顔をして戻ってくる。精一杯明るく振舞おうとするが、
それが返って痛ましく見える事もあった。
 今回の聖女の塔攻略に志願したのも、エリミーヌ教団の問題を黙ってみていられなかったのだろう。
だがかりそめとはいえ同じ信仰者を相手に、彼女がどんな気持ちで戦ったのか……。
「疲れたでしょう。今日はゆっくり休みなさい」
「……はい」
 ギネヴィアに恭しく一礼し、エレンは退室する。
 ぱたん、と静かに扉を閉めると、そこにツァイスが待っていた。
「エレン!」
「ツァイス様……」
 顔馴染みを見て、エレンの表情がわずかに明るくなる。それが何故かツァイスには嬉しかった。
 先にミレディから話は聞いていたが、こうして直に会うと感無量になってくる。
「あっ……」
 目頭が熱くなると同時、ふらっと足元がふらついてしまう。
「おっと」
 慌ててツァイスが支え、エレンの頭を胸で受け止める形になった。
頭に被った白いウィンプルが舞い、ツァイスの胸に降りかかる。
「す、すみません……」
「いいさ、疲れているんだろう」
 彼の暖かい手を頭に感じ、エレンは頬を染めて身を離した。同時に、血で汚れた自身に恥じながら。
 もう純白だったあの頃には戻れない……。そんな気がしたのだ。
「いいさ」

422:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:29:11 2jXSX/Bu
 同じ言葉を繰り返し、ツァイスは手をそっと後ろに回す。一瞬感じたエレンの温もりに胸を熱くしながら。
「聞いたよ。ギネヴィア様と国を出てから、いろいろ苦労したんだろ」
「いえ……それほどでも」

 ギネヴィアに付いて、国を出てからというもの、戦いの連続だった。
 国境では辺境の領主に捕えられ、危うく売り飛ばされそうになり、単身エレンが抜け出して、たまたま近くを通過していたロイに助けを求めた。
 思えばあれが始まりだったのかもしれない。
 それから各地を転戦して回るロイに従い、ずっと負傷者を癒し続けてきた。
 ベルンからリキア、そして西方三島へ。西方三島に行く時は、ギネヴィアをエトルリアのセシリア将軍に預け、不安ながらも離れ離れになった。
 そのギネヴィアがナバタの古城で捕えられたと知った時には身も引き裂かれんばかりに案じたが、ミレディが一緒に連れて来てくれたので事なきを得た。
 そしてナバタの隠れ里を巡り、このエトルリア王都を取り戻す戦い。
 ベルンでの日々がもう遠い日の事のように思える。
 その思い出の中のツァイスの顔を目の当たりにし、エルンはつい涙腺が緩んでしまった。

「エレン……?」
 涙を浮かべて顔を伏せるシスターに、ツァイスはただ慌てるしか出来ない。
何か悪い事をしてしまったか、心配になったのだ。
「いえ、すみません……」
 これは嬉しくて出た涙だから。その想いはツァイスにも届いたのだろうか。
「そうか……。これからもよろしく」
 差し出される大きな手。
「はい……」
 エレンもそっとその手を握り、上を向いて微笑んだ。
 どこか寂しさを含んだ笑み。
 いつか心からの笑顔が見たい……。ツァイスはそんな事を思いながら、エレンの手の変わらぬ温もりを感じていた。

 そして竜騎士ツァイスのロイ軍での戦いが始まる。それは苦労の連続であった。

 エトルリアを取り戻し、いよいよベルンへの本格的な反抗を始めるにあたり、
軍の大幅な再編が行われる事になった。
 まずは軍の呼称がリキア同盟軍から、エトルリア軍に変わる事になった。ロイが大国エトルリアの士気を考慮したからである。
 生粋のベルン人で今もベルンに忠誠を誓っているツァイスは、内心複雑な想いを抱きながらも、ベルンを討つ為の新生エトルリア軍に加わっていた。
 だがそれどころではない現実を彼は目の当たりにする。

 軍に所属するベルン出身者は少ない。ベルンを敵にしているのだから当然だろう。
 ギネヴィア姫に、その侍女のエレン、親衛隊長のミレディ、その弟のツァイス。
つまりツァイス以外は女性ばかり。それは実直な彼にとってかつてない試練であった。
 場所は同じくエトルリア王宮の一室。
「ねえ、エレン」
「はいギネヴィア様」
「あの、ルゥという魔道士の男の子、可愛いわよね」
「ええ、それはもう。ギネヴィア様もお分かりになりますわよね」
「ふふ……。エレンたらはしゃいで。ミレディはどう?」
「はっ…。やはりあの細い脚は素敵かと」

423:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:30:15 2jXSX/Bu
「ええ、ええ……。あの脚はいいですわよね。うふふ……」
「そうそうエレン。双子のレイもいいわよね」
「そうなんですよ。レイも、それにチャドも、普段はツンツンしてるのに、仲良くなるとすごく甘えん坊なんですよ」
「ふふ、エレンは子供たちに人気ですのね」

 何だろう? この人たちは何を言ってるんだろう?
 お茶を飲みながら、優雅に会話する女性陣に、ツァイスは全く付いていけなかった。
少し離れた場所で直立不動の姿勢のまま、脂汗を流しながらじっと耐えている。大いなる試練に。
雰囲気に馴染めないなら何処か別の場所に行きそうなものだが、今のツァイスに行き場所などない。
「ねえ。ツァイスはどう思います?」
「は?」
 唐突にギネヴィア姫に話を振られ、ツァイスがガチガチに固まったまま必死に考えを巡らす。
何を話していたかさえ理解していなかったが、姫のお言葉を無視するわけにもいかない。
「えーと……。エレンのように優しい女性なら子供に好かれるのも当然かと思います」
「あらあら。まあまあ」
 ニヤーと笑うギネヴィアにミレディ。エレンは何故か顔を赤くして下を向いていた。
 
 あれ? 何か間違ったかな?

 サーと内心蒼ざめていると、姉が助け舟を出してくれる。
「ギネヴィア様。そろそろ訓練の時間ですので、失礼致します。ツァイス行くわよ」
と固まったままのツァイスは連れて、一礼して部屋を出た。
 訓練、と聞いて、ツァイスも目を輝かせる。
 そうだ。鍛えに鍛えていれば、何も考える事はない。それに共に汗と血を流せば軍内にも男の戦友が出来るかもしれないのだ。
 共に戦う予定の男たちを夢想し、ツァイスは軽い足取りで姉に従って行った。

「どうも~。天馬騎士のシャニーです!」
「同じくティトです。よろしく」
 飛竜と一緒に訓練場となっている野外。天馬に乗ってやって来た天馬騎士に、ツァイスはがっくりと膝を付く。
 空を飛ぶ飛竜騎士と組むのは、同じく空を飛ぶ天馬騎士と決まっている。
そしてイリアの天馬騎士といえば、若い女性ばかり。
 戦場でも周囲は女性ばかり。その事実にツァイスは頭がクラクラしてしまった。
「あの……。どうかしました?」
 心配になったティトが訊ねてくる。
「いえ! 何でも!」
 ピシャッと立ち上がり、背筋を伸ばしたツァイスは、ハキハキと言った。
「竜騎士のツァイスです! どうかよろしく!」
 とりあえず現実を受け入れる事にしたらしい。半ばやけになっていた。
「わ~。竜騎士だよお姉ちゃん。強そうー」
「ええ。あなたも見習うのよ、シャニー」
「は~い」
 どうやらこの二人も姉妹らしい。
 何だか親近感を覚えて、急にツァイスは楽になった。
「では、まずは一緒に飛ぶ訓練から」

424:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:31:06 2jXSX/Bu
 それから四人で隊列を組んで空を飛んだり、空中での模擬戦や地上攻撃の訓練を繰り返す。
 ツァイスは黙々と飛竜を操りながら、目のやり場に困っていた。
 何しろ、姉も二人の天馬騎士も、スカートが極端に短い。その白い太股が絶対領域となって目に飛び込んでくる。
 ベルンで、ゲイルさんや他の竜騎士と受けた訓練とは大違いだ。

 ゲイルさん……。

 尊敬する竜騎士を思い出し、ツィアスは一つ気付いた。今の自分とゲイルさんは敵同士。
もし戦場で出会えばどうするか?
 ゲイルさんなら信じた道のために戦えと言うだろう。
 ちらっと横を飛ぶ姉に視線を向ける。
 姉のミレディとゲイルさんは恋人同士。その姉はゲイルさんと戦場で出会ったらどうするのか?
「ツァイス! ボケッとしない!」
「は、はい!」
 大声で叱責の声が飛び、ツァイスは気を引き締める。

 聞いてみたかったが、聞けなかった。ゲイルさんと出会ったら、戦うのかどうかなど……。

 昼過ぎに始めた訓練は、おやつの時間になって休憩となった。
「ふー」
 飛竜を着地させ、翼を休めさせると、ツィアスも地に降り立つ。
「ご苦労様」
 穏やかな声に振り向くと、白い修道服のエレンがいた。
 その姿を見て、ツァイスは笑みを返し、「おや?」と思った。エレンは小さな女の子と手を繋いでいたからだ。
 軍には不似合いな、小さく可愛らしい女の子。その子は、キラキラ輝く目で飛竜を見上げ、

「たべちゃうぞー。たべちゃうぞー」

 いきなりそんな事を言い出す。
 ツァイスがさらに驚いたのは、飛竜がその子に怯えを見せたからだ。竜騎士と飛竜は一心同体。
「どうどう」
 安心させるように飛竜の首を撫でてやり、それからエレンに向き直る。
「エレン、その子は?」
 エレンと手を繋いでいる小さな女の子は背伸びして自分で名乗る。
「ファだよー!」
「あら。ちゃんと自己紹介できて偉いわね」
「あ、ああ……。俺はツァイス。竜騎士なんだ」
「ふーん」
とファは飛竜を見上げたまま、
「これ、お兄ちゃんの?」
「ああ、そうだよ」
「ふーん。ふーん」
 手を繋いだまま、小さくジャンプして、ファは興味津々と飛竜を見ていた。
普通小さな子、それも女の子は飛竜を間近で見ると怖がるものだが、ファは全く恐れていないようだ。
「ツァイス様……。この軍だけの秘密なのですが」
 小声で、エレンが囁いてくる。
「このファは竜なんです」

425:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:32:07 2jXSX/Bu
「竜? この子が?」
 ツィアスもベルン軍にいたので、人の姿から竜に変わるマムクートの存在は知っている。
だがこんな小さな女の子が竜になるなど、聞いた事もなかった。
「ファは本当に竜なのかい?」
「そうだよー」
 飛竜を見上げたまま、ファが呑気に言う。
「いつもは、同じ里のイグレーヌさんが面倒見てるのですけど、今は訓練ですので、私が預かっているんです」
「そ、そうか……」
 エレンほど小さな子の面倒を任せられる女性もいない。こうしてファと手を繋いでいる姿は、よく似合っていた。
「あちらにお茶を用意してあります。さ、ファ、おやつにしましょう」
「わーい」
 ニコニコと笑顔になってファは歩き出す。
 その無邪気な笑顔を微笑ましく見ながら、ツァイスも並んで歩き出した。
「ん」
と、ファがツァイスを見上げて、手を差し伸べてきた。もう片手はエレンと繋いだまま。
「俺も? ほーら、握手」
 差し出された小さな手を握ってやると、ファはにこーとさらに上機嫌な笑顔になった。
右手はエレン、左手はツィアスを握って、ニコニコと手を振り回す。
「はは……」
 まるで親子連れのような状況にツァイスも一緒になって手を振り、エレンはにこやかな笑みをファに向けて浮かべる。
 三人で仲良く歩いていると、訓練場の側に置かれたテーブルに、ミレディとティトとシャニーが先に待っていた。
「ドーナツ!」
 二人から手を離したファが、テーブルの上に置かれたドーナツを指差し、ててっと駆け寄る。
「ファもお手伝いしたのー」
「ええ。ファはお利口さんね」
 後から来たエレンがファを座らせ、ナプキンを掛けてやる。それから全員にホットミルクを入れておやつになった。
「ツァイス様、試食してください。試食ですから、正直に仰って結構ですから」
「うん……」
 エレンが他のドーナツとは分けて、ツァイスにだけ差し出してくる。
 一口でぱくっと食べる。食べる。もぐもぐ。
「どうです?」
「……なんか漬け物の味がする」
「はい、漬け物が入ってますから。次」
 今度は表面がまだら状になったドーナツをツァイスに手渡す。
「生臭いです」
「サンマを練り込んで入れましたから。次」
「……辛い。めちゃくちゃ辛いです」
「豆板醤のタバスコを混ぜてみました。次」
「……すみません、もうお腹いっぱいです」
「あら、残念です。次は普通のドーナツでしたのに」
「…えと……これは何かの試練なのでしょうか?」
 エレンは不思議そうな表情で、首を傾げている。
「なーかよしさんだねー」
 そんな二人を、ドーナツをいっぱいに頬張ったファが笑顔でニコニコと見上げている。
「ああ……まあ」
 ツァイスはアンニュイな笑みで、ファを見下ろした。

426:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:32:51 2jXSX/Bu
 おやつを食べ終わると、

「たべちゃうぞー。たべちゃうぞー

 ファがまた、飛竜に向かって、背伸びして言う。
「あのファ。あれは俺の大事な友達だから。食べないでくれるかな?」
 ファが竜と聞かされて、ツァイスは念の為にファに注意する。
「うーん?」
 ファはきょとんとツァイスを見上げ、
「おともだち?」
「ああ。ファもお友達だよ」
「おともだちー!」
 両手を上げて、それをファはツァイスに向ける。その両手をタッチして、ツァイスは、
「そうだ。どうせなら、飛竜に一緒に乗らないか?」
 言ってから、ツァイスは「しまった」という顔をする。
「のるー!」
 すっかりその気になって喜ぶファに、ツァイスは悪い事をしてしまった気になった。
「えーと……」
「ファ。それなら、私の飛竜に一緒に乗りましょう」
「のるー!」
 ツァイスの情けない顔を見て何かを察したか、ミレディがファを誘って行ってしまった。
ファと手を繋ぎながら、ツアィスを一度だけ振り返り、ハァとため息をついて。
「まあ。ファたらあんな嬉しそうに」
 ミレディと手を繋いではしゃぐファを見て、エレンが口元に笑みを浮かべる。
 それを横目に、ツァイスはぐっと拳を握った。最初に飛竜に乗せる女性はエレンと決めてたから。ファには申し訳ないと思いながら。
「シャニー。行くわよ」
「なんでー?」
「いいから」
 気を利かせたのか、ティトがシャニーを連れて行ってしまう。ちらっとツァイスとエレンを見て、ため息をついて。
「……」
 ミレディはファと一緒に空の上。キャーとはしゃぐ声がする。シャニーとティトもその左右を天馬で飛んでいた。
 二人きりになったツァイスとエレンは会話を交わす事もなく、ただぼんやりと空を見上げていた。雲のぽかぽか浮かぶ青い空を。
「エ、エレン……」
 しばしの沈黙を楽しむと、ツァイスから声をかける。
「よかったら、エレンも一緒に飛竜に乗らないか?」
「……すみません」
 申し訳なさそうにエレンは断った。
「あ……」
 こうはっきり断られると、後が続かない。これも訓練だから、と言う事も出来たが、そこまで強く出る事も出来なかった。
「す、すみません……。私、本当でしたら飛竜に乗るのも慣れないといけないのに……」
 ツァイスのあまりに残念そうな表情に申し訳ないと思ったか、エレンが続けて謝る。
戦場では見方に運んでもらって移動する事もある。空を飛べる竜騎士は仲間を運ぶ事も多いだろう。
「い、いや……いいんだ」
 エレンが単純に空を飛ぶのが怖いと思ってるからだと分かっているので、それ以上はツァイスは何も言わなかった。

427:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:33:45 2jXSX/Bu
「……」
 再び沈黙。
 ただ時間だけが流れる。
 それでも、ツァイスには心地よかった。側にエレンがいるから。
 彼女はどうだろうか? 自分が側にいて楽しいのだろうか?
 聞いてみたいが黙っていた。聞くと、大事な何かを壊してしまいそうで。

 サー、と訓練場の草原を風が吹き抜ける。
 エレンの頭に被った白いウィンプルがはためき、栗色の髪が揺れ、甘い香りが漂ってきた。
「!」
 不意に胸がキュンと鳴り、思わずツァイスは立ち上がって彼女を見る。
 風で煽られたウィンプルを直し、彼女もツァイスを見上げた。
 白い修道服に身を包んだ清らかなシスター。その修道服の内側を想像し、思わずツァイスは顔を背ける。
「それじゃあ、俺も行くから」
「はい……。お気を付けて」
 ぺこりと頭を下げるエレンを背に、ツァイスは自分の飛竜に向かう。
 これ以上一緒にいると、『何か』をしてしまいそうな自分が怖かったから。
「くっ」
 風に乗って勢いよく空に上がると、ツァイスは飛竜を全力で飛ばした。
たちまち訓練場を抜け、地上の光景が草原から森に変わる。
 その森に降り立ち、ツァイスはガン! と木を叩いた。

 -何を考えている! 俺は!

 エレンの髪から漂った甘い香り。その一瞬、ツァイスは女を感じ、股間に熱い疼きを覚えてしまった。
 押し倒し、その修道服を脱がして、そして……
 邪な感情を抱いた自分に嫌悪する。
 エレンは身勝手な欲望で穢していい女性ではない。そう思い込んでいたから。
 欲情を覚えること自体が罪なのだ。
 ギリッ、と歯を食いしばり、懺悔する。
 清らかなシスターに邪な想いを抱いた自分を。

 だが……。
 いけないと思えば思うほど、胸の中にモヤモヤが溜まっていく。
 その モヤモヤが何かツァイスには分かっていた。
「クソ!」
 抑えようと思っても、一度覚えた欲情は止まらない。それにここ最近は発散する機会もなかった。
周囲は女性ばかりで、ストレスばかりが溜まっていたということもある。
 気付けば、ツァイスの股間は熱くもっこりと膨らんでいた。
「はぁ……」
 息が荒い。呼吸が狭くなる。

 もう我慢できない!

 木の一本に、丁度股間の高さに穴が開いてるのを見つけると、ツァイスは焦った手付きで鎧の隙間に手を伸ばし、ズボンのチャックを開ける。
そして飛び出したちんこは、ピンと筋を伸ばして勃起しており、その先端を木の穴に突っ込む。
「ハァ……ハァ、ハァ……」
 いけない、と思いながら、頭にエレンの姿が浮かぶ。

 白い修道服を脱ぎ捨て、全裸で喘ぐシスターの姿が……

428:封印ツァイス×エレンその2
07/04/16 18:34:24 2jXSX/Bu
 -違う!

 エレンはそんな欲情に身を委ねる女性じゃない!
 そう否定しつつ、股間は熱く滾り、腰を振って、木に入れたちんこを擦る。
木肌に敏感なちんこが擦られ、痛いほどだが、今はその痛みが心地よい。

「エレン……すまない…」

 罪悪感を覚えながらも止められない。その罪悪感さえも興奮を高めさせた。名前を口にすると、より鮮明に彼女の姿が思い浮かぶ。

 豊かな裸身をくねらせ、泣きながら嬌声を上げるシスターの姿が。

「はぁあっ!」
 ガッと腰を強く突き、ちんこが木の穴の中で暴発する。
 ドピュッ、と放たれた白濁液が、その穴を満たしていった。
「はぁ……はぁ……」
 とりあえず満たされたツァイスは、萎んだちんこをしまって、拳を目前の木に叩きつける。
固く握った手から血が出た。
「くそ……クソ! クソ!」
 ぎゅっと目をつぶり、ツァイスはその場にへたれ込んだ。そして、エレンに深く懺悔する。

 次にどんな顔をして彼女に会えばいいのか。そんな考えにさえ、自己嫌悪を覚えながら。

(つづく)

429:名無しさん@ピンキー
07/04/16 20:28:44 PEh2JYZ3
外伝氏…だみゃ~ん氏がのりうつったのかとオモタww

430:名無しさん@ピンキー
07/04/16 20:39:55 GN/wshzA
ツァイスのヘタレっぷりがらしくていいなw

431:名無しさん@ピンキー
07/04/17 15:12:59 pqvru/A1
ショタ話に脂汗流すツァイスワロスw超がんばれ。

432:名無しさん@ピンキー
07/04/17 17:12:58 ogS5eqzM
この長編で「ちんこ」はどうなんだろwww
笑っちゃったよwww

433:名無しさん@ピンキー
07/04/17 19:01:45 GaMOWNtl
アッー!!!イクーッ!!!

434:名無しさん@ピンキー
07/04/17 19:03:44 FyTUNaa/
>>433
シノン乙

435:名無しさん@ピンキー
07/04/18 14:56:46 6UXRiGGk
続きを激しくwktkしてます

436:名無しさん@ピンキー
07/04/18 15:59:17 W3eXR22U
最後の方でダミアン臭を感じたのは俺だけではあるまい。だがそれがいい。

ところで一話目もそうだったんだけど何で所々ツァイスがツィアスになってるんだ?
単なる打ち間違いかな?

437:外伝 ◆9QlRx9nooI
07/04/18 17:56:48 wCSdpuSy
>>436
ミスです、すいません。ツァイスに変換しておいてください。

封印ツァイス×エレンその3を投下します

438:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 17:58:10 wCSdpuSy
「ぐるぐる~どっかーん!」
 どっかーんと両手を上げて、ファはぐるぐると走り回る。
「まわれまわれ~」
 ぐいんぐいん。
「はしれはしれ~」
 ぐいんぐいん。

「ファは元気で良い子ですね」
 そんなファを見て、ギネヴィア姫はにこにこと微笑んでいる。
 エトルリア王宮の一室。今日も保護者のイグレーヌさんは忙しいので、ファはエレンが面倒を見ていた。
そしてギヴェヴィア姫の部屋で、元気に踊って走ります。
 もちろんミレディとツァイスも一緒。でも、ツァイスはちょっと暗い顔をしていますよ?
「はしれ~」
 そのツァイスの前に立ったファが、手を握ってぶんぶん振り回す。一人で走るのは飽きたらしい。
「え?」
「わんわんとはしるの~」
 わんわんが何かよく分からないが、横にいるミレディも頷いている。こういうのは男の役目だろう。
「よーし」
 考えても仕方ないと、ツァイスは重い鎧をガチャガチャと鳴らして走り出す。全速力で。
「はやいよー」
 当然ファが追いつけるわけもなく。ツァイスの後をてってっと走って、ぽてっと転んだ。
「あっ」と立ち止まるツァイス。
 でも大丈夫。下はふかふかの絨毯。ファはすぐに立ち上がり、ギネヴィアぬ向かう。走るのも飽きたらしい。
 キラキラと波打つ金色の髪を指差し、
「きれーい!」
「ふふ。ファも可愛いですわよ」
「おひめさまー?」
「はい。そうです」
「わー!」
 目の当たりにするお姫様を見上げ、ファはキラキラと瞳を輝かせる。
 豊かな金色の髪で美麗のギネヴィア。まさにお話に出てくるお姫様そのものだった。
「えへへー」
 化粧台に置いてあったクシを手にして、ファは豊かな金髪にあてる。
「はーい。きれいきれい」
 イグレーヌやソフィーヤがしてくれるように、髪をとかしてあげるつもりらしい。
「ありがとう」
 お姫様の次はミレディの髪にもクシあて、それからツァイスの頭もぽんぽんと叩く。
「どうも、ありがとう」
 お礼を言うと、ファは「きゃー」と笑って行ってしまう。
「エレンもー」
「はい」
 頭髪を隠すウィンプルを外すと、エレンの美しい栗色の長い髪がサッと流れた。
「ほう」と思わずツァイスは感嘆の声を上げ、それから慌てて目を逸らす。赤い顔で。
 先日、エレンを夢想して「抜いた」事を思い出したのだ。

439:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 17:59:26 wCSdpuSy
「ねえ。これなーにー」
 エレンの長い髪にクシを当てながら、ファが聞いてくる。
「これはウィンプルと言ってね。私たちシスターが頭に被るものなのよ」
「なんでー?」
「うーん……。何でだと思う?」
 逆に訊ねるのは大人の知恵。
「んーとねー。なんでー?」
「なんでかなー」
 二人一緒になって笑う。
「さあ。今度はファの髪をとかしてあげる」
 自分用のクシを取ると、今度はエレンがファのツンツン尖った髪を撫でてやる。
「きゃっはー」
 髪を綺麗にしてもらいながら、ファは笑顔で手をぶんぶん振っていた。
「姫。そろそろお時間です」
「そうね。行きましょう」
 そうこうしていると、ミレディとギネヴィアが腰を上げる。今から大事な会議があった。
「では、ファ、また後で遊びましょう」
「うん?」
「今から、ギネヴィア様は大事なお仕事があるのよ」
「しごとかー」
 仕事と言われてファは納得したらしい。
「いってらっしゃーい」
 手を振って、ギネヴィアとミレディを見送ってくれた。
 護衛はミレディ一人で十分との事なので、ぽつんと置いていかれたツァイスはボーと髪をセットするエレンとファを眺める。
こうしていると、本当に良く似合う。やはりエレンは戦場にいるよりも、こうして小さな子のお世話をしているのが、ふさわしかった。
いつかこんな平和な日が来ればいい、そう願わずにはいられない。そしてその為なら戦える。
「ツァイスー」
とファがこっちにやって来て、
「はい。あくしゅー」
 小さな手でツァイスの手を握ると、てけてけと引っ張っていく。引っ張られるまま進むと、そこにはエレンが待っていた。
ウィンプルを外して、頭髪を出したままのエレン。ただそれだけなのに、普段よりずっと奇麗に見え、ツァイスの胸がドキッと高鳴った。
「はい。エレンも」
 ファはエレンとも手を繋ぎ、ツァイスとの間に挟まれて上機嫌でニコニコと手を振る。
 どうも左右から手を握られるのをやってみたかったらしい。親子連れのように。
「あら。ファはツァイス様が気に入ったのね」
 ファと手を握ったエレンが笑みを浮かべる。ツァイスに。
「はは……」
 目を逸らして、ツァイスはまた罪悪感を覚えた。こんな心の清らかな女性に欲情した己に。
「ファはお腹すいた?」
「んーん」
「それじゃあ、おやつは後にしましょう」
「やー。たーべーるー」
「はいはい。ツァイス様と待っててね」
「あ、ああ」
 手を離してエレンはおやつとお茶の準備に取り掛かる。
 残されたツァイスとファは、顔を上下から見合わせた。

440:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 18:00:19 wCSdpuSy
「ふかふかー」
 ツァイスから手を離したファは絨毯の上でコロコロと転がり、
「なんだー」
 見つけた本を手に、ツァイスの所に戻った。
「ああ、これ絵本だよ」
「えほんー?」
 どうやらファの為に用意してくれていたらしい。
「よんでー」
と言うもので、ツァイスは絵本を開いてみる。
「えーと。でこぼこフレンズ?」
「でこぼこフレンズー!」
 ファは小さく手を握って、きゃっきゃっと跳び、
「これなーにー?」
 ファが指差した先の絵本には、謎の生命群が描かれていた。どうやらこれがでこぼこフレンズらしい。
「えーと、なんだろうな」
「えー。しらないのー」
 普通は知らない。まして固体名をすぐに答えられるわけがない。
「うん、ごめん」
「しらないんだー。なんでー」
「いや、なんでといわれても」
 幼児は大人に聞けば何でも分かると思っているらしい。そして知らない事があると怒る。ごめんね、今度勉強しておくから。
「ほら、他のにしようか」
「うん」
 素直にファは頷き、また本を探しに行く。ギネヴィアに用意された部屋の中を。
「これー」
 そして持って来たのは、一冊の本。
「どれどれ」
 ファが持ってきた本を開いて、ツァイスは読んでみた。

    ***
「ふふ……ルゥたら、もうこんなにしちゃって」
「エ、エレンさん……。ぼく、ぼくもう…!」
「いいのよ、ここで出しても……。遠慮しないで」
「は、はい……。くうっ、ぼく、ぼくもうダメーっ!」
「私も……私も一緒に……! ルゥ! ああ、ルゥ!」
「エレンさん! エレンさん!!」
    ***

「なんじゃこりゃー!」
 思わずツッコんでしまい、ツァイスはガッと本を閉じる。
「よんでよー」
 足下で抗議するファをギッと睨み、
「ダメ! こんなの読んじゃいけません!」
 つい怒鳴ってしまう。ファは肩をビクッと震わせ、
「こわいよー。こわいよー」
「あ、いや、ごめん……」
 本の表紙を見ると「ギネヴィア」と著名されていた。どうもギネヴィア様が書いたものらしい。
事実を元にした日記か、あるいは創作か……。
「ああ、ファ。これ、元の場所に戻してくれるかな?」
「うん」
 受け取ったファは言われたとおり、元に戻してくれた。
 丁度その時、お茶とドーナツを持ってエレンがやって来る。

441:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 18:01:27 wCSdpuSy
「ど~~なつさん」
 ファは穴の開いたドーナツを手に、ぶんぶんと振り回している。そしてツァイスに、
「これなーんんだ」
「ドーナツ?」
「ドーナツ!」
とパクッと食べる。
「あら。もうすっかり仲良しさんね」
「なかよしー!」
 ツァイスの手をぱたぱた叩いて、ファは口いっぱいに入れたドーナツを頬張る。
「は、はは……」
 乾いた笑みを浮かべツァイスはお茶を乾いた喉に流し、先ほどの日記?を思い出す。
 ルゥというのは仲間の魔道士の男の子。男が苦手なエレンも、子供なら平気らしい。
そのルゥとエレンはそういう仲なのだろうか? 考えられない事ではないが……。
「どうかしましたか?」
 考え込んでると、エレンの笑顔が目に飛び込んでくる。今はウィンプルもきちんと被って、頭髪を隠していた。
「い、いえ……なんでも」
 聞けるわけがない。エレンに男の子と出来てるかなど。
 ファを見下ろすと、一心不乱にドーナツを食べていた。この様子なら、さっきの事を話す事も無いだろう。
 ファがごっくんとドーナツを食べ終わると、
「ファ、他のみんなにもおやつをあげに行きましょう」
「はーい。いこー」
 ファを連れて、エレンはおやつを配りに行くらしい。いかにも優しい彼女らしかった。
「俺も一緒にいいかな?」
「……はい、喜んで」
 一瞬複雑な表情を見せたエレンだが、すぐに笑顔になって承諾する。
(俺が行くとまずいことでもあるのか?)
 そんな考えが頭をよぎったが、エレンに限ってそんな事はあるまい。ツァイスも一緒に行く事にした。
「では行きましょう。お腹を空かせて待ってるかもしれません」

 ドーナツを入れたビスケットを抱えて、エレンがやって来たのは子供たちのたくさんいる部屋。
ファと手を繋いだエレンが姿を現すと、子供たちがわらわらとやって来る。
「皆さん、おやつですよー」
「エレンさん」「エレンさん」「エレンさん」
 どうやら仲間の子供たちにエレンは好かれているらしい。すぐさまわらわらと集まってくる。
「エレンさん、いつもありがとうございます」
「ふふ、いいのよ」
 その一人、利発そうな可愛らしい男の子に、エレンは極上の笑みを向ける。頬を赤らめて。
 それは、ツァイスもドキッとするような笑みだった。
「お、俺は、お腹が空いてるだけだからな。別に、エレンさんのお菓子が好きなわけじゃないぞ」
 ルゥの双子の弟のレイも、そんな事を言いながらしっかりドーナツを受け取る。
そんな彼も、エレンに笑顔を向けられると、たちまち赤い顔をするのだ。
「ファもー」そしてファもまたドーナツを受け取る。

442:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 18:02:23 wCSdpuSy
「安心して食べてください。変なものは入れないようにしましたから」
 ツァイスを見て、エレンはにっこりと微笑む。どうやら、試食の意味はちゃんとあったらしい。
(俺は毒見役か……)
 エレンが喜ぶならそれでも良いと思ってしまう。
「こいつは?」
 そこで初めてツァイスに気付いたように、チャドが聞いてくる。
「ああ、俺はツァイス。ベルンの竜騎士だ」
『!!!』
 目の前にいる三人の男の子が明らかに緊張し、ツァイスにギロッと視線を向けた。そしてすぐに逸らす。
「?」
 事情のよく分からないツァイス。エレンが慌てて、
「あ、あのね。このツァイスはとっても良い人で、私たちの味方になってくれたのよ」
「……こいつはエレンさんの何?」
 聞いたのはチャドだ。
「ベルンにいた頃からの知り合いよ。とてもよくしてくれたの」
 知り合い……。ツァイスは心の中でガクッと膝が折れた。
 それでも子供たちは、ツァイスに刺々しい視線を向けてくる。何だかよく分からないが、嫌われているらしいのは、ツァイスもさすがに理解した。
「エレンさん。今日は一緒にいられるんですか?」
「え、ええ……。ファと一緒に遊びましょう」
「わーい」と喜んだのはファだけ。
「それじゃあ、俺はこれで」
 さすがに居辛くなったのか、ツァイスは離れる事にした。エレンだけの方が良いと判断したのだ。
「あの……。あなたたち、ちょっとファをお願い」
 去っていく大きな背中を慌ててエレンが追いかける。
「ツァイス様、ごめんなさい」
「いや、いいさ。何か事情があるんだろう?」
「はい……」エレンは美しい眉をひそめ、
「実は……ベルンが侵攻したときにあの子たちがいた孤児院も被害にあい……院長先生が……」
「そうか……」
 戦争に犠牲は付き物だ。かと言って、無辜の民や子供たちが犠牲になっていいわけではない。
ましてそれが自国の軍の仕業ならば。
 エレンがどんなに心を痛め、そして子供たちを励まそうとしているか、良く分かる。そして彼女の優しさがどれだけ心を癒してくれるかも。
 ふっと笑顔になり、ツァイスはエレンの肩に手を置いた。
「あの子たちの側にいてやってくれ。今はエレンが必要だろう?」
「ツァイス様……」
 エレンは震える瞳で見上げ、ぺこりと頭を下げる。
「それと、その様というのはやめてくれないか。ただのツァイスでいい」
「え?」
「ほら。子供たちが待ってるぞ」
「はい……」
 もう一度お辞儀して、エレンは戻っていった。彼女を必要とする子供たちの元へ。
「これでいい……」
 白い修道服とウィンプルの背中を見送りながら、ツァイスは思った。彼女はみんなのシスター。決して独り占めすべきではないと。
 だが……それなら、この胸のモヤモヤはどうすればいいのだろう? そして、股間の疼きも。
 若者は再び罪悪感に苛まれていた。

443:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 18:03:07 wCSdpuSy
「エレンさーん」
 戻ってきたエレンにルゥが抱きつき、頭を埋める。豊かな胸に。
「きゃっ」
 意図してなのか違うのか、柔らかな緑の髪が胸にサラサラと触れ、エレンはきゅんと胸を高鳴らせた。
「ここも」
 さらに背後に回った手が、丸いお尻をしっかりと掴んだ。
「もうっ……! いけ、ません……」
 ぷるっとお尻を震わせて叱責するが、その声に力はない。
「うふふ……。エレンさんのここ…こんなになって」
 修道服の上からむにっと胸を掴み、さらに指で挟む。ピンと尖った蕾を。
「はぁっ……!」
 体の奥からジンと痺れ、エレンは甘い吐息を上げ、その場に崩れ落ちてしまった。
「エレンさん」
 その顔にルゥは腰を近づけ、
「食べて」
 取り出したのは小さなちんこ。 まだ分厚い皮に包まれたそれを、エレンは熱い眼差しで見つめ、そしてパクッと咥え……。

「くそっ!」
 王宮から遠く離れた森の中。飛竜に乗ってここまで来たツァイスは、木の穴にちんこを突っ込んでそんな妄想をしながら腰を振っていた。
 そして妄想の仲のルゥがエレンの口に射精すると同時、ツァイスもぶるっと精を放つ。
「はぁ……ハァ……」
 またこんな場所でしてしまった。
「最低だ……俺……」
 呆然と呟き、ツァイスはちんこをしまった。そして目にじっと涙が浮かんできた。
己の情けなさと欲望に。

 そのまま戻るのも躊躇われ、ツァイスはずっと飛竜と共に空を飛んでいた。
 こうして飛んでいれば、何もかも忘れられるから。
「ん?」
 ふと下をい見れば、咲き誇る野生の花々が見える。
「花、か……」
 そういえばエレンも花が好きだった。ベルンにいた頃は庭で育てていたのを思い出す。
教えてもらった花の名前は忘れたが、その美しさはしっかりと覚えていた。
 エレンの為に摘んでおこうかと思ったがやめておいた。今はその資格はないと思えたから。
 いつか……。いつの日か分からないが、自信が付いたら渡そう。
 日が西に傾き、赤い夕日が全てを紅く染める頃、ツァイスは戻ってきた。
 空気が肌を刺すように寒い。ツァイスはすっかり体が冷えてしまった。
 王宮に戻ると、エレンが待っていてくれた。
「お帰りなさいツァイス様……あ…」
 いつものように様付けで呼び、エレンは思わず口を抑えてしまう。
 ツァイスは目を逸らし、
「ファはもういいのか?」
「はい…。イグレーヌさんが迎えに来ました。また一緒に遊んでくださいと……」
「そうか……」
「お寒かったでしょう。お風呂の準備がしてありますのでどうぞ。洗濯物もあったら出しておいてください」
「あ、ああ…」

444:封印ツァイス×エレンその3
07/04/18 18:04:13 wCSdpuSy
 ツァイスが汚れた衣服を脱いで、お風呂に入ってると。
 脱衣場でじっとその衣服を見ている女性がいた。
 エレンである。
 彼女が手にとってじっと見ているのは、黄ばんだパンツ。ツァイスのパンツである。
 洗濯物に出されたその男のパンツを、つい鼻に寄せて嗅いでしまう。

 くさい。

 イカ臭い匂いが、ツンと鼻の奥まで突付く。
 それが何の匂いかエレンはまだ知らなかった。
 だけど……何故だろう。この匂いを嗅いでいると、きゅんと胸が疼く。

 -いけない……。

 そう思いながら、手は自然に股間に伸びていた。
 白い修道服を押し、脚の付け根に指が触れる。
「あっ」
 切ない声が上がり、エレンは思わずパンツを噛んだ。 
 汗とそれ以外の「何か」が染み込んだパンツを。
 胸いっぱいにキュキューンと高鳴り、動悸が激しくなる。

 -ダメ、こんなの。

 ツァイスの洗濯物のパンツを噛み締め、エレンは太股をきゅっと合わせ、疼く股間を指で押さえた。
そう、体の中心が熱く疼いていた。そこに触れるだけで、甘い官能が駆け巡る。

 -この指がツァイス様だったら。

 そう思うだけで、エレンは身を震わせ、ぎゅっとパンツを強く噛んだ。
 何かの汁が口の中に広がっていく。イカ臭い匂いが直接口の中に染み渡る。

「んっ……あっ……」

 パンツを噛みながら、身をよがらせる自分をはしたないと思いつつ、エレンは止められなかった。
シスターなのに、修道服を着ているのに。
 目にじわっと涙が浮かぶ。
「ダメ……こんなの……いけない……」
 己の罪深さに懺悔し、エレンはパンツを口から離す。
 そして着替えを置いて、洗濯物を手に脱衣場を出た。

「ふー」
 お風呂から上がったツァイスはさっぱりした表情で、脱衣場に戻ってきた。
 用意されていた着替えを着ると、脱ぎ捨てた衣服が無いのに気付く。
(エレンが持っていったのか……)
 そして気付いた。パンツも彼女が洗うだろう事に。
 そう思うと何故か急に恥ずかしさがこみ上げ、赤くなった。

「はぁ……ツァイス様。お許しください」
「エレン、すまない」
 離れた場所で、ツァイスとエレンは同じく懺悔していた。

(つづく)

445:名無しさん@ピンキー
07/04/19 01:00:45 ed2vyUqI
ギネヴィア姫何やってんだwww
切ないなこの二人。ファが取り持ってくれるのかな?

446:名無しさん@ピンキー
07/04/19 03:03:54 zOrpaFEn
>443
外伝氏っぽい展開キター!と思ったら妄想オチかwww
もどかしいな。早く合体させてやってくれ(´;ω;`)

447:名無しさん@ピンキー
07/04/19 14:45:00 y+ge4SFT
ファが可愛いw
ツァイスとエレンも切ないなぁ…つーかレイが典型的ツンデレ口調w

448:名無しさん@ピンキー
07/04/19 14:54:32 it+r0KqI
エレン猫の餌マダー?

449:名無しさん@ピンキー
07/04/19 21:34:46 990CWATl
切なくて面白いんだけど先見るの怖えええー

450:名無しさん@ピンキー
07/04/20 00:02:19 nfHGbmdB
こんなの見つけたw
URLリンク(ja.wikipedia.org)

451:名無しさん@ピンキー
07/04/20 10:39:16 ZWFn/JKi
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwww
あんたそのまんまなのかよHNwwwwwwwwwww

452:名無しさん@ピンキー
07/04/20 15:18:41 okW2BTT2
なんかその1の時の文章のふいんき(何故かry)が違くね?
ちょっと壊れてきてね?これが本来の作者風味なのかなぁ
いや、大好きですけどwww続き超wktkしてます

453:名無しさん@ピンキー
07/04/21 16:11:01 rkruGl+c
つづきってあるから続きが貼られてから貼った方がいいかな?

454:外伝 ◆9QlRx9nooI
07/04/21 16:35:17 hKQfMW0S
>>453
どうぞ
いつでもいいと思いますよ

封印ツァイス×エレンその4を投下します

455:封印ツァイス×エレンその4
07/04/21 16:36:38 hKQfMW0S
 礼拝所。それは神聖な祈りと懺悔の場。
 そこで一心に祈るシスターが一人。エレンである。ベルンの聖女。
 ひっそりと静まり返る礼拝所で、エレンは祈りを捧げていた。

 それを物陰からやはりひっそりと見つめる若者がいた。ツィアスである。
 うっとりとした表情でエレンを眺め、その股間はもっこりと膨らんでいた。
 ひっそりとした礼拝所で、ツァイスは、はしたなく欲情していた。
と、誰かがツァイスの背後を取る。ギネヴィア姫だ。そして耳元で囁く。

「犯せ」

 ビビクンっ、とツァイスの背筋が震える。
 背後からの声に操られるように、ツァイスはのしのしとエレンに歩み寄り-

「きゃー!」

 無言で押し倒した。恋愛アプローチ、無言で押し倒すというやつである。

  ***

「のわー!」
 目が覚めると見知らぬ天井が見えた。
「はっ!?」と気が付き、瞬時に覚醒する。そう、ここはエトルリア王宮。
 そして俺はロイ将軍の軍に味方するベルンの竜騎士。
 状況を整理し、ツァイスは先程の夢を思い出し、赤面する。

『犯せ』

 夢の中で聞いた言葉が思い出される。いやだな、ギネヴィア様がそんな事言うわけないじゃないか。
「は~」
 恥ずかしさと罪悪感に苛まれながら、悩み多き若者はベッドから降りる。
「ん?」
 そこで初めて気付いた。ズボンとパンツがしっかりと濡れている。
 カーとさらに顔が紅くなった。ボンと爆発するほどに。

 夢精してしまったらしい。

「は~」
 濡れたズボンとパンツを着替え、ツァイスは深々とため息をつく。手にその濡れた衣服を持ちながら。
 これをどうしよう? さっきからその事を考えている。
 洗濯物に出すのは簡単だ。きっとエレンが綺麗に洗ってくれるだろう。
 問題は洗うのがそのエレンだということだ。
 エレンを夢に見て夢精したパンツをエレンが洗う。その光景を想像しただけで、
ツァイスは「ぬわ~」とゴロゴロと転げまわった。
 しかしこの軍に加入して以来、洗濯物は全てエレンに洗ってもらっている。
他に洗う人はいないからだ。
 もちろんツァイスのパンツも洗っている。エレンを妄想して抜いたときのパンツも。
「ぬお~」
 パンツを洗濯するエレンを想像するだけで、激しく動悸し、ゴロゴロと萌え転がってしまう。

 若いねぇ。

456:封印ツァイス×エレンその4
07/04/21 16:37:44 hKQfMW0S
「自分で洗おう」
 そう決めると、ツァイスはパンツとズボンを籠に入れて、洗濯場に向かう。
 華やかなエトルリア王宮の裏庭に近い洗濯場。すぐ隣は脱衣場と浴場になっている。
 脱衣場で脱いだ服を洗濯場で洗って、日当たりの良い裏庭ですぐ干せるようになっていた。
 サラサラの小川のように水路を水が流れる洗濯場。ふんだんに水と石鹸が使えるのは王宮ならではだ。行軍中だとこうはいかない。
 なので皆、洗濯物は今のうちにまとめてしていた。
「あ、ツァイスさん。おはようございます」
 ツァイスが洗濯場に行くと、先客がいた。傭兵隊に所属する天馬騎士のシャニーである。
 ツァイスは反射的に籠を後ろに隠した。
「ツァイスさんも洗濯ですか?」
 かく言う彼女は、ふんどしを三枚も洗濯板でごしごしと洗っている。褌。赤いふんどし。
 男はやっぱりふんどし。パンツのツァイスはまだまだと言わざるを得ない。
「もう。隊長たちたら、洗濯は全部あたしに押し付けるんですよ」
 言葉とは裏腹に、シャニーはにこやかな笑顔でふんどしを洗っている。
 ふんどし!
「あ、ああ……。偉いんだな」
「はい。これもあたしの仕事ですから」
 洗ったふんどしをパーンと張って、シャニーは「えへへ~」とニヤけた顔になる。
 だがツァイスが見ているからか、すぐに引き締まった顔になり、
「ツァイスさんのも洗いましょうか?」
「い、いや……。いいんだ」
「そうですか。それじゃあお先に」
 濡れたふんどしを干すべく、シャニーは庭に向かう。今日は快晴。ふんどしもよく乾くだろう。
「ふー」
 シャニーがいなくなると、後はツァイスだけになる。洗濯板を取って、洗おうとすると、
「あら、ツァイス様」
 聞き慣れた声にビクッと背筋が凍え、半座りのまま飛び上がってしまった。
 ギギギと首を後ろに向けると、やはり同郷のシスターがいた。
「やあ。おはようエレン」
「おはようございます」
 脂汗を浮かべ、それでもとっさに挨拶するツァイスに、エレンはにこやかに笑みを浮かべ、
「まあ。洗濯でしたら、私がしますのに」
「い、いや……。いいんだ」
「よくありません」
 ビシッと言い、エレンは籠の中のツァイスの洗濯物を取ろうとする。股間が濡れたパンツとズボンを。しかもイカ臭い。

 -いやー! やめて、やめて、見ないでぇ!

 叫びそうになるのを堪えながら、ツァイスはさっと籠を背中に隠した。
「いや、本当にいいんだ。自分でやるから」
「まあ。私に隠し事ですか?」
 メッと子供を叱るような口調でエレンは言う。ツァイスが何をそんなに慌てているのかまるで分かっていない。
洗濯物を洗うのは自分の当然の役目と思っているから。

 まるで思春期になった息子と母親のよう。

457:封印ツァイス×エレンその4
07/04/21 16:38:56 hKQfMW0S
「本当にいいんですぅ」
「見せなさい。見せなさーい」
 隠そうとすればするほど、見たいと思うもの。
 エレンが後ろに回ろうとすると、ツァイスは立ち上がって走り去ろうとして-

 つるっ、と石鹸を踏んづけて転んだ。

「しまった! 罠か!」

 言い終わったときには、ごっつんと冷たい石床に後頭部をぶつけていた。ごっつん。
「うおおおっ」
「だ、大丈夫ですか?」
 心配そうに駆け寄ったエレンが、もう瘤の出来た頭をよしよしと撫でてやる。
 それだけで、痛みが引き、ツァイスはふわふわと天に昇るような浮かれた気分になった。
 だがすぐに地上に引き戻される。
「あらあら。まあまあ」
 エレンがツァイスの洗濯物、即ち股間の濡れたズボンとパンツを手にとって見たからだ

 -見られたぁー!!!!!!!!!

 ツァイスがあんぐりと口を開ける中、
「よいのですよツァイス様」
 エレンは変わらぬ笑みを浮かべ、
「おねしょしたことは誰にも言いませんから」

 -おねしょじゃねえええぇぇぇぇぇっ!!!!!!

 そう怒鳴ってやりたかったが、ツァイスはぐっと堪えた。心の中で血の涙を流しながら。
「はい……。お願いします」
 結局、エレンに洗ってもらう事になった。

 ごしごし

 そのよく晴れた日、庭に干されたふんどしとパンツとズボンが風に乗ってよそよそと流れる。
 日に干される洗濯物を見ながら、エレンはうんうんと一人納得して頷いている。
大きな仕事を成し遂げた達成感に満ちたさっぱりした表情で。
 一方、ツァイスはというと木陰で膝を抱えて座り込んでいた。まるで母親に夢精したパンツを見られた思春期の少年のように。

「ふー」
 さっぱりした表情で額の汗を拭い、エレンはそのまま庭を見て歩く。
 華やかなエトルリア王宮。裏庭にまで整備された花壇が並び、花々が咲き誇っている。
 この戦乱の時でも変わらぬ咲く花に、エレンはうっとりと目を和ませた。
 そういえば、ベルンの王宮で育てていた花はどうしているだろうか。ふと心配になってくる。
 物思いにふけっていると、エレンの前をさっと黒い影がよぎった。

「きゃぁー!」

458:封印ツァイス×エレンその4
07/04/21 16:40:04 hKQfMW0S
「エレン!」
 いきなり聞こえた悲鳴に、木陰に座り込んでいたツァイスは瞬時に立ち上がり、エレンに駆け寄る。
「どうした!?」
「あ、あれ……!」
 駆け寄るツァイスのその逞しい胸板に飛び込み、エレンは震える手で花壇を指差した。

「にゃー」
「にゃーにゃー」

 そこでは数匹の猫が、鋭い歯をガチガチと打ち合わせて鳴いている。
「はぁ……」
 胸の中のエレンの温もりと柔らかさにドキッとしながらも、ツァイスは、
「こらー!」と猫に向かって怒鳴る。すると猫はすぐさま走り去ってしまった。
「ほら。もう行ったよ」
「す、すみません……」
 胸から顔を上げ、それからエレンは彼に抱きついているのに気付き、紅い顔でそそくさと離れた。
「すみません……」
 そして小声でまた謝る。
「いいさ」
 怖がりのシスターに笑いかけながら、ツァイスもさっき触れたエレンの柔らかさを思い出し、紅くなる。
 すぐにツァイスは花壇に咲く花に視線を向け、
「花……か。ベルンでエレンが育てていた花はどうしてるかな」
「えっ?」
 ツァイスが自分と同じ事を考えたものだから、エレンは思わず胸がキュンと鳴ってしまう。
「そ、そうですね……」
 縮むように下を向くエレン。その横で、ツァイスはぽりぽりと頬をかいた。

 快晴の空の下、ふんどしとズボンとパンツが庭に舞う。そして仲良く並ぶ竜騎士とシスター。
言葉を交わさずとも、こうしているだけで心地良い。

「あらあら」
 その様子を庭に面した窓から見ながら、ギネヴィアはそっと嘆息する。
「なかなかよい雰囲気ではなくて?」
「はっ……」
 応えたのは親衛隊長のミレディ。ツァイスの姉だ。
 庭を眺めながら、ギネヴィアは一冊の本を取り出し、すらすらと書き綴っていく。
 前回、ツァイスとファが読んでいた本。これは彼女のネタ帳だ。良いアイデアが浮かんだ時などに、すぐ書き留めるようにしている。
 今書いているのはこんな感じ。

 ****

「エレン……。実は俺、姉さんが好きなんだ」
「実は……私もミレディさんを愛しております」
「ライバルだな。だが負けないぞ。姉さんは俺のモノだ」
「ふふふ。私も、ミレディさんを諦めたりしませんわよ」

 ****

「あのー。ギネヴィア様、何をお書きになっているのです?」

459:封印ツァイス×エレンその4
07/04/21 16:41:02 hKQfMW0S
「ふふ。ちょっとした事です」
 ネタ帳を閉じ、ギネヴィアはミレディに向けて優雅に微笑み、
「本日は、モルドレッド王のお見舞いの予定でしたわね」
「はい、この後の予定です」
 エトルリア国王のモルドレッドは現在に病に伏せている。ギネヴィアはそのお見舞いに度々伺っていた。
「では、参りましょう」
 廊下に出ると、てけてけと小さな女の子が一人でやって来た。
「あら。ファ」
「おひめさまー。どこ行くのー」
 どうやら一人で遊びに来たらしい。ファは早速お姫様に抱きつく。
「これから病気のお爺さんのお見舞いに行くのよ」
「ファも行くー」
「それじゃあ一緒に行きましょう」

 お見舞いに行ったギネヴィア姫とファが、モルドレッド王を元気にしようと老いたちんちんを弄繰り回し、危うく腹上死させるところだったが、関係ないので省略。
 とりあえず、ギネヴィアの姫プレイとファの幼女プレイの合わせ技は、天国に向けて一直線だった事は記しておく。

「これから聖女の塔に行ってまいります」
とエレンが言うので、ツァイスも同行する事にした。心配だったからである。
 つい先日、激戦の舞台となったエリミーヌ教の聖地、聖女の塔。
今も封鎖されており、普段は信者の祈りの声で満ちる大礼拝堂もがらんと静まり返っている。
 その礼拝堂の一番前に跪き、エレンは手を合わせて祈りだす。聖女の塔での戦死者への鎮魂の祈りか、それともこの戦乱の犠牲者全てか。
 その背中に神聖で厳かな空気を感じ、ツァイスも跪く。ちらっと見上げると、髪を覆う白い布-ウィンプルが見えた。
 一心に祈りを捧げるエレンの白い背中。ドクン、と鼓動が高鳴り、そしてツァイスは己を恥じた。
 こんな場所で、清らかなシスターに欲情を催した事に。
 だが一度覚えた昂ぶりはなかなか忘れられない。
 ウィンプルを見つめる目が離せない。あの布を取り去って、彼女の髪をもっと見たい……。そんな下衆な欲望に自分で反吐が出る。

『犯せ』

 不意に夢の中の言葉が耳に響く。そういえば、状況は同じ。礼拝堂で二人きり。
「……ぐっ」
 歯を食いしばり、ツァイスは股間の疼きに耐える。さっきから股間が燃えるように痒い。
 と、ウィンプルが揺れ、エレンがこちらを振り返る。真摯な憂いを帯びた瞳と合う。
 瞬間、ツァイスの体が動いていた。
 下半身に支配されたように体が勝手に動く。
 エレンの華奢な肩に手を置き、そのまま押し倒す。
「きゃっ!?」
 それだけで、簡単にエレンは床に倒れ、その上に覆いかぶさった。
「あ……」
 何が起きたか分からず、呆然と見上げるエレンと目が合う。
 ギラギラした欲望に支配されたツァイスの瞳。そして肩を押さえつける手。

「きゃあああああぁっ!」

460:封印ツァイス×エレンその4
07/04/21 16:42:08 hKQfMW0S
 神聖な礼拝堂にシスターの悲鳴が轟く。だが聞く者はツァイスのみ。
 エレンの悲鳴をどこか遠くに聞きながら、ツァイスはごくっと喉を鳴らした。

 良い悲鳴だ。最高だ。もっとだ、もっと泣かせたい。

 得体の知れないドス黒い欲望が思考を麻痺させ、体の下の柔らかい肉に貪りつけと訴える。
 修道服の奥に隠された豊満な肢体……。それをはっきりとツァイスは感じていた。そしてもっと感じたいと本能が叫ぶ。
 肩を押さえていた右手が頭に伸びる。
「きゃっ!」
 エレンの頭が揺れ、白い布が取れた。そのウィンプルはツァイスの手に握られ、長い栗色の髪が眼下に広がる。
 甘いふんわりとした香りが髪から漂い、ツァイスの胸をしめつけた。

「イヤ……」

 下から聞こえる微かな声。見れば、横を向いたエレンの瞳にじっと涙が溜まっている。
「エレン…」
 呆然と呟き、力が緩む。
 そしてエレンの上からよろよろと退く。
 上半身を上げたエレンは涙を流しながら、小さく嗚咽を漏らし、身を抱いて肩を震わせる。
「エレン……俺は…」
 まだ呆然としたまま、ツァイスが手を伸ばす。剥ぎ取ったウィンプルを握ったままの手で。
「いやっ!」
 反射的に叫び、エレンは立ち上がって脱兎の如く駆け出していく。
 栗色の髪が流れ、その後を涙が通って行った。
「エレン……」
 礼拝堂に一人残されたツァイスは、握ったままのウィンプルをふと鼻に寄せる。
 甘い香りが胸いっぱいに広がる。エレンの女の香り。
 だがその香りはもうない。エレンと一緒に行ってしまった。
「最低だ……俺……」
 小さく震える手を、がしっと握り締める。
 額をそのまま床に叩きつけ、ツァイスの喉から嗚咽が漏れる。
「取り返しのつかないことを……取り返しのつかない事を、俺はしてしまった……」
 礼拝堂に後悔の念が広がっていく。

 うずくまるツァイスを、聖女エリミーヌの像だけが見下ろしていた。冷たく。

(つづく)

461:名無しさん@ピンキー
07/04/21 17:19:59 AFbDbYl7
ちょっと引っ張りすぎじゃないか

462:sage
07/04/21 20:21:59 v96Q23qJ
猫は言われまくってたから無理矢理入れたのか

463:暁 ハール×ジル その1
07/04/21 21:09:33 rkruGl+c
ジルと暮らしているものの、生活自体はあまり変わらず独身生活と
変わりない日常を送っているハール。

明らかにジルがハールに惚れているので多少は潤いのある生活に
なりそうなものだが、どう動いていいかわからない若い堅物ジルと
自分から口説いたりなどメンドクサイ事はしたがらないハールなので
全く歩み寄る機会がない。
特に性欲も減退してるわけではないが、風俗街に行けば解消は出来るので
若いマンコが近くにあってもあえてガツガツする必要もないのだ。

ハールの最近の日課は仕事の配達が終えたあとに
ドラゴン用のパーキングへ竜をつないでおき、
ベグニオン一の歓楽街へ向かう事だった。
独身生活も板についていた中年は風俗マップが頭に焼き付いている。

最近は女の子を選ぶときに、なんとなくジルの姿が横切ったりするので
ついつい似た年頃の若い子を中心に選んだり、
多少オバハンであっても赤毛ならOKだったりする。

即尺から始まってくぐり椅子、マットに寝っころがって
泡踊り、騎乗位中心で動いてもらい
マンドクセ精神で全部女の子に任せて終わるのがハール流。
帰ってジルには配達が遅くなっただの山賊に襲われただの斧の使用回数
減らしておいて適当に言っておくのだった。

464:暁 ハール×ジル その2
07/04/21 21:11:00 rkruGl+c
ある日、ジルがハールの部屋を掃除していたところ、
傷薬の袋から高級ソープ店の会員カードが落ちた。
「?」
ちなみにポイントをためると指名料がタダになる。
「こ…これは…。なんてふしだらな…。私に隠れてこんなと~こ~ろ~に~…!」

配達から帰ってきたハールにジルが怒りをにじませながら抗議する。

「たっ…隊長~!!なんですかこれは!!!」
「ん、まあ男だからな…」
上司の娘に見つかり、さすがに内心しまったと思ったものの
顔はあくまですずやかだ。

「でっでででもっ!!誇りある聖竜騎士団がこっこんなところで…」

「生理現象なんだから仕方ないだろう…。お前がいちゃおちおち
オナニーもできん。ちなみにお前には秘密にしてたが
みんなで行ったりしてたんだぞ」
「…!!!」
ジルが顔を紅潮させて口をぱくぱくさせてるが頭が真っ白で声にならない。


「無駄遣いは困ります…。一応共同生活してるんですからっ!」
「わかったわかった。じゃあお前が代わりにやってくれるとでもいうのか」
「ななな何言ってるんですか!そっそんな事出来ますか!!!」
「じゃ店行く」

465:暁 ハール×ジル その3
07/04/21 21:11:39 rkruGl+c
そこまで言われ、普段からなんとなくやきもきしているジルは
いらないと言われているようで一気にさびしくなった。

「出来ますっ!じゃあ私がやります!!」
思わずとんでもない言葉が出てしまった。
言ってからしまったと思い、思わず手で口を塞ぐ。

「…本気か?」
とりあえず若いマンコをタダで堪能できるチャンスだ。
ハールは内心ヒャッホイしていたが顔には特に出さない。

「そりゃ俺だって(金とられる)店よか(若いタダマンの)お前の方がずっといい」

お前がいいと言われてジルは思わずどきっとする。
顔を真っ赤にして冷静に判断出来ないままコクコクと思わずううなづいてしまった。

「じゃあ今夜頑張ろうな」
ジルの肩をポンと叩いて自室へ戻るハール。
後にはへなへなと膝から崩れ落ちるジルがいた。

466:暁 ハール×ジル その4
07/04/21 21:12:58 rkruGl+c
-そして夜-

今夜は若い子だーとばかりにベッドに豪快に大の字になってジルの風呂上りを待つ。
風俗嬢もひいひい言わせるでかいちんぽも半勃ちで待っている。

しかし随分とシャワーが長い。水音を聞きながらうっかりと寝てしまった。
軽くうたたねをして目を覚ますと、顔を紅潮させたジルが
ベッドの隅でいつの間にかちょこんと正座している。

「悪い、うっかり寝てしまった。しかし随分遅かったな。アソコでも念入りに洗ってたか」
どことなく中年臭がする一言を投げかける。

「…。」
正座して硬直したままのジル。
「じゃあとりあえず舐めてもらおうかな」
相変わらず硬直したままジルは微動だにしない。


さすがに鈍いハールも気がついた。
「お前もしかして経験ないのか…」
「…はい…」

青春時代をクソ真面目に過ごしてきたようだ。
なんとなくそんな気はしていたが本当に処女とはなんと貴重なマンコ…
しかしその一方で処女マンドクサ…とも思う。プロのサービス受けてばっかりな
ので素人自体がなんせ久しい。

しょうがない…マンドクセだが今後タダマンコが手に入る可能性が高いので
起き上がり、ジルを横にして久々にハッスルする事にした。

「構いませんっ!!さあっ!!隊長!!!」
ジルも固く目をつぶって覚悟を決める。
とは言うものの、とりあえず乳に向かって伸びてくるハールの手を
女とはいえ軍人の力を発揮して手と足が抵抗する。

467:暁 ハール×ジル その5
07/04/21 21:16:35 rkruGl+c
「お~ま~え~は~…これじゃ何も出来ないだろうが…」
「す…すみません体が勝手に…」

口では強がってみるのもの、やはり怖いので涙目になっている。

「ちょっと待ってろ」
ハールが部屋の収納でガサゴソと何かを取り出してきた。
拘束具セットだ。
ジルが家に来てからは使ってなかったが、昔はデリヘルを呼んで
ちょっとしたSMプレイもしたものだった。これはその頃の名残のグッズだ。


「エッ!?ちょっと何!?イヤッ!!!やめて~!!!」
SM用の手錠をジルの手首につけて頭の上のベッドの枠に固定する。

「なんでこんなもの持ってるんですか!!!」
「いや、竜とかつないだりするのに…」
明らかに人間用サイズだが。

抗議するジルを無視して今度こそおっぱいを揉んでみる。

「…ううっ…いや…はぁっ…」

ハールはゴツイ手でもみくちゃにされてるかわいそうなおっぱいを見ながら
パイズリが出来るかどうか考えていた。
そんなに大きくはないが形はよくてとてもやわらかい。
大きさは揉んでるうちに大きくなるという事にしてよしとした。
いずれパイズリで顔射に挑戦だ。

まさかそんな事を考えてるとはジルにはわからない。
あこがれの人が自分をどう思ってるのか心配になって見るが、
半眼で半分眠そうな顔が無表情に胸揉んでるので、ドキドキしながらそのまま目を逸らす。

今度は股間を触ろうとしたがジルがひざをがっちり閉じて触らせない。

「や…いやあ!!!やっぱり怖いー!!」
「ここまで来てそりゃないだろ」

抵抗むなしくひざを掴まれ、左右に容易く広げられてしまった。
眠そうな目でマンコを観察する。

468:暁 ハール×ジル その6
07/04/21 21:20:00 rkruGl+c
ぺろっと人差し指を舐め、土手とひだをなぞりながらかきわけて穴を探りだした。
膜を破らないように人差し指を少しだけいれ、入り口付近でよくほぐす。
いじっているうちに少し湿り気を帯びてきてなめらかになってきた。

「ううっ…ひぃっ……」
ほんのちょっとした事だと思うのだが未体験のジルがすすり泣いている。
なかなか新鮮な反応で俄然やる気が出てきたハール。

「じゃあ入れるぞ」
「えっ…あぅ…ぃゃ……」

思わずちらっとハールの股間に目が行く。
無表情でとらえどころのない上司の股間は
ドラゴンより遥かに凶暴そうなブツが暴れていた。
こんなものを受け入れられるだろうかと怖さのあまり目をぎゅっとつぶる。

恐怖でジルの足ががたがた震えてるが、構わず膣穴に亀頭をあてて少し進めたが入らない。

「あ……はあっ…はあっ…」
「おいおい、力抜かないと怪我するぞ」
「…む…無理です…いや…」

だからといってもおったてたブツは収まらないのでさらに進めて亀頭を
ぎちぎちの膣に飲み込ませた。

「ひ…ひぎいいぃぃっっ!!!」
「う…そんな締めるな…」
「くぅぅっ!!!…!ふぅっ…!!!そ…それ以上無理っ!!拡がらないですぅぅっっ…!!!」

ぎゅうぎゅう締め付けるのであまり持たない。構わずに
そのままめりめりと進めて根元あたりまで飲み込ませたところ
鉄分臭が少しハールの鼻孔をくすぐった。
スマンと思いつつとりあえずやることは止めない。

「うぐぅ……ひぃっ…っ…」
「悪いが動くぞ」
「えぁっ…!!!あぅっ!!!!ぐうっ!!!」

469:暁 ハール×ジル その7
07/04/21 21:26:10 rkruGl+c
ゆっくり動こうとしたが、慣れていない肉がぎっちりと絡んで絞りあげ、なかなか難しい。
少し勢いをつけて引き抜き、また押し進めてピストンを開始した。

ぱんぱんぱんぱんぱん!!!!

どぴゅぴゅ~~~と存分に放出するとチンコをずるりと引き抜いて一息ついた。
ジルはというと、あまりの恐怖と痛さと、そして体験したことがないような疼いた
快感を感じて失神してしまっている。

汗をかいてぐったりとしたジルの頬には赤い髪の毛が何本か張り付いている。
足はだらしなく開いたままでぐちゃぐちゃにされた感じのマンコの肉から
血が混じった精液がどろりと出ている。

そんな姿を見てハールはまたムラムラしてきた。
1回ではもちろん足りない、目の前に据え膳があるのでオナニーする気にはなれなかった。
もちろん使わせてもらう。


あまり時間置いても、血が固まって入りづらそうなので
本人わからないからいいか…とばかりに
気絶したままのジルをひっくり返し、今度は腰を持ち上げて
膝で立たせ、そのままバックから突き入れにかかった。
先ほどよりはほぐれてるので幾分かはスムーズに入りそうだ。
しかし依然狭いので遠慮なく上から叩きつけるように体重をかけて
ずぶっと先ほどより、より深く根元まで突き入れ、さらに一気に引き抜いた。
気がつく様子もないのでそのままピストンを開始する。
気絶しているので力も抜けていて、今度は自分のペースでやれそうだ。
かなりキモチイイ!!

こんな調子で一晩存分に楽しむハールだった。

470:暁 ハール×ジル その8
07/04/21 21:31:57 rkruGl+c
-朝-

「いたたたた…」
ジルが目を覚まし、体を起こした。股間からどろっと何か出てくる
感覚がして思わずぶるっときた。
自分の股間をそっと覗くと、一体何回やられたんだかたっぷりと精液が逆流していた。
シーツも赤い血が点々とついているのが生々しい。

いつの間にか手錠もとれていて、となりを見るとハールが寝ていた。
憧れの隊長とやったものの何がなんだかよく覚えていない。
本当はもっとロマンチックな事を想像していたが、やってみると嵐のように
コトが進み、よく覚えてない。

「あうう…そういえばキスされてない…」

それはかなり残念だったので、ぐっすり眠ってる上司の唇にこっそりキスをした。

さんざんなプレイをされたとは知らずに…。
そしてよろよろとがに股でシャワーを浴びに行くジルだった。


そんな事があって数日、今までと変わらない生活を送っていた。
遅くならずにハールが普通に配達に行って帰ってくる。
しかしあの晩にあった事は特に触れられない。

思い切ってジルが聞いてみる。
「た…隊長…」
「ん」
「もう…あれはやらないんですか…?」
「?」
「あれから私に触れないし…
隊長が気持ちよくなかったんじゃないかと心配して…」

アホな心配をする真面目な娘だ。

「いや、そんな事ないが…」
「私がもっと慣れていかないと!がんばりますから!」

ハールは内心、ジルがやっぱり痛そうだったので
ちょっと悪い事したかなーと思っていたので
今後はやめようかと思っていたのだが、ジルのストイックな精神が
変なところで発揮されていた。

「いいのか?…」

言葉に甘えてその夜はジルを遠慮なく押し倒した。

471:暁 ハール×ジル その9
07/04/21 21:36:00 rkruGl+c
-後日-

プロの技術にはほど遠いものの、ジルはハールから次第にいろいろ覚えさせられ、
ためらいがちにフェラをしてくれたりパイズリだの手コキだのやってくれる
ようになった。

マンドクセ精神を発揮してジルにフェラで勃たせた上に
濡らすのも自分でやるように言ったりしても口では嫌がりながらも
結構やってくれる。

上司の娘が困った顔でこちらをちらちら伺いながら、
慣れない手つきで自分の指で抜き差ししているのを
寝っころがりながら見るのはなかなかオツだった。

「隊長!縛ってください。やっぱり入れるの怖いです。
暴れて隊長怪我させたらどうしようかと思って…」

「…。」

ジルは意外にもMっ気があったようでこんな事を言ってはたびたび
拘束プレイを要求してくる。とことんストイックな娘だ。
ハール自身はマンドクセなので繊細なSMの趣味は持たない。風俗で気分転換に
たまにするくらいだ。

ちなみにプレイ中のジルは苦しそうな顔はしてるものの、明らかに凄い濡れ方をするので
一応気持ちよさそうだからまあいいかな…と思う事にしている。
まだせまい膣に長時間愛撫してほぐさなくても、ヌレヌレになるので入れる方も楽なのだ。

今日はベッドの上で縄で後ろ手に縛り、おっぱいをはさんで強調するように縛り上げ、
ひざを折り曲げてスネと太ももも縛り、左右に広げてベッド枠に固定した。
まるでかえるがひっくり返ってるようだ。

開脚して無防備なマンコを思わずじーっと見る。
まださほどスレてなく色も綺麗だ。

「いや…あまり見ないで下さい…」

と言うものの、股間が明らかに濡れ始めている。
やっぱり風俗の10代ってありゃ嘘だなと感慨にふけりつつ、
びらびらをつまんで左右に延ばしてみたりする。まだ固めの穴は伸ばしても
ぽっかりすることなくちょっとした線にしか見えない。

472:暁 ハール×ジル その10
07/04/21 21:37:57 rkruGl+c
「やっ…!そんな事やめてください…」

明らかに興奮してくるジルのちっちゃい膣穴の周辺が少し濡れてきた。
指1本を根元まで入れて膣壁がどうなってるか探るようにゆっくりとかき回してみる。
まだキツめの穴はしばらくいじってからでないと2本はいらない。

さらに空いている指で皮に埋もれてるちっちゃめのクリトリスをつまんでみた。

「ふ…うぁっ…!!!あ…っ!」
触られた事のない場所で未体験の感覚に思わずジルの腰が浮くが、拘束されていてあまり
動けない。
しかし何してもなんで耐えているような顔をするのかこの娘は。


ぐりぐりとクリを軽くほぐしながらオヤジくさい一言が思わず出た。
「今度はクリトリスはちゃんと剥いて掃除しとこうな。風俗のコはちゃんと
やってるぞ」
「…!!」

一気に現実に引き戻され、恥ずかしさのあまり、言葉になるような声も上げられず
口をぱくぱくさせるジル、ついでにぎゅっと膣が閉まる。
あまり意識してなかったが言葉責めも効果的だった。

「眠い…ちょっと寝るぞ…」
「ちょ…ちょっと隊長~!!!まっ…待ってください!!!せめてほどいて~~!!」
指マンでさんざんいじくった後に飽きたのかそのまま横でごろりとなって寝てしまうハール。

「…あぅ…隊長~…」
ハールの得意プレイは放置プレイ。
無防備におっぴろげたまま、膣を疼かせた涙目のジルが残されるのだった。

-完-

473:名無しさん@ピンキー
07/04/21 22:25:11 1g8TKKCv
名前入れ替えただけのパクリ小説?
違ったらごめんね

474:名無しさん@ピンキー
07/04/21 22:48:01 rkruGl+c
いや、ちゃんと2時間かけて書いた奴だが。
ただこの板の他のスレにも書いたりするから
他のスレでチンコマンコ下品な文章で拘束が多い奴みてデジャブ感じるかもしれない。
でも使い回しもしないしちゃんと書いてるよ

475:名無しさん@ピンキー
07/04/21 23:10:14 1g8TKKCv
デジャブじゃなくて違和感かな。
FE要素がジル、ハールという名前以外ほぼ皆無なのに
日本人社会のサラリーマン上司、山田(仮)と部下のOL洋子(仮)とかの
話としてなら凄くしっくりきたので。
なまじ文章が読みやすくて上手かっただけにどこぞの厨房がどっかからパクってきたのかと思った。

476:名無しさん@ピンキー
07/04/21 23:16:24 ynSAAtZJ
会員カードとかシャワーとかデリヘルとか、単語がちょっと雰囲気を壊してるような気がする。
まあFEにもメンバーカード(テリウスには終ぞ出なかったらしいが……)なんてのもあるが。
というか、FEの風俗というとどうしても「秘密のお店」を思い浮かべてしまう。

文章自体はこざっぱりしてて丁度いい按配だっただけに、余計惜しく感じる。

477:名無しさん@ピンキー
07/04/21 23:30:42 HApAwpOv
>>474
ハール×ジルはラブラブなの!ハールはジル以外の女にはちんこたたないの!
って腐女子がチクチク嫌味言ってるだけだから気にするな

478:名無しさん@ピンキー
07/04/21 23:41:45 rrRyq/OQ
「ラブラブな恋に憧れる…」騒動の後だし、現代日本ぽい表現は違和感あるんだろ。
そりゃ、テリウスにだって風俗あるだろうから、雰囲気とか表現の問題だけっしょ。


479:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:39:52 7Oe5htDw
雰囲気をちょっと壊してるも何もまず抜けるかどうかが最重要だろ

480:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:49:33 eb5e9naq
>>474
まあこのスレは他のスレに比べたら職人様のレベルが高いスレなので、いろいろ言われても落ち込まずにガンガン投下してくだされ。

481:名無しさん@ピンキー
07/04/22 01:17:19 eM+KQ+Tx
半角二次元は自作絵師禁止です。
ルール違反スレは直ちにお絵描き版に移動してください。

482:名無しさん@ピンキー
07/04/22 07:38:39 8812qjVR
FEで風俗といえば踊り子が思い浮かぶが、そういやテリウスには出なかったんだっけ。
ティアサガの方がもっと露骨だったか。プラムとかほとんどままだし。

483:名無しさん@ピンキー
07/04/22 07:52:09 dLyvQCWt
FEにおいて踊り子は戦力だがTSにおいて踊り子はちゃんと慰安婦扱いなので表に出てこない。

484:名無しさん@ピンキー
07/04/22 11:07:25 EwlpybHm
>>まあこのスレは他のスレに比べたら職人様のレベルが高いスレなので

…そうか?
まあ「レベル低いSSは投下するな」という474への遠まわしなアドバイスかも
しれないが…

485:名無しさん@ピンキー
07/04/22 12:43:58 fkJ6ODMH
>>484
おまいは知らんかもしれんが、マシン氏、亜茶氏、千葉犬氏、パオラ視点氏、ダミアン氏、3日目氏といった強豪がしのぎを削っていたあの頃は本当にすごかった。
でもここ最近は・・・

正直、彼らの復活を激しくキボンしたい

486:名無しさん@ピンキー
07/04/22 12:56:10 4UMvbeZ/
レベル高いっていうか恋愛要素高い文が多いよね
だからエロパロっぽい文章は好まれない場合多いかも

487:名無しさん@ピンキー
07/04/22 13:52:05 v/rfKF14
こういう流れにすると新しい職人が来なくなるってなんでわからないんだろうか
懐古厨ウザい

488:名無しさん@ピンキー
07/04/22 14:48:37 rFhTP2Ch
>>486
同意。やっぱりFEはそういうの好きな人多いからね。世界観も含めて大切というか…
愛がなくてやられてるだけのも投下があるけど、
そういうのって文短くて単発の投下で終わってるしね。

489:名無しさん@ピンキー
07/04/22 16:08:30 RfGKUSFY
スレによって傾向ってあるよね
俺は凌辱とか輪姦とか好きだけど

490:人造人間だみゃ~ん ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:29:33 xN9vTZCf
注意書き

・おもいっきり猟奇です。NGワードは『疾風』で。
・今回は、俺のトリップでNGワードしている人が読まなくても済むように、トリップもタイトルに入れておきます。
・繰り返しますが、本当に猟奇です。ご注意ください。
・もし読んでしまってご気分を害しても、苦情は一切受け付けません。


491:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:30:32 xN9vTZCf
「あっ、ラガルト、おかえりなさーい!」
任務を終えて帰ってきたラガルトを、彼女はにっこりと微笑んで出迎えた。
彼女の名はアイシャ。もうずっと、ラガルトと一緒に生活をしている。
そう、あのときから・・・・・・

あの時、彼女は、『黒い牙』の刺客として働いていた。
ラガルトとはなぜか気が合うらしく、一緒にいることも多かった。そして、任務もよく一緒になっていた。
「来たぜ・・・しくじるなよ!」
「うん!」
標的を抹殺する・・・ラガルトの立場は、所謂『粛清者』。組織を裏切った者を、容赦無く抹殺する任務。
もっとも彼女は、同じ粛清者だったわけではない。だがラガルトは時々、他の任務をすることもある。そんなときに、よく一緒になっていたのだ。
上手く標的に近づいて、一気に急所をナイフで貫く・・・彼女の腕は、結構評判になっていた。

だがあの時・・・

「きゃっ!し、しまっ・・・」
「馬鹿!何やってんだ!ほら、逃げるぞ!」
「う、うん・・・!」
たった一度の、失敗。しかしそれは、暗殺者にとっては、致命的とも言える失敗。
思いもかけぬ、標的の反撃によって、彼女の腕に鈍い衝撃が走る。もちろん、標的の抹殺は、失敗に終わる。
そしてその標的が、こちらを目がけて追いかけてくる。だが彼らは、身軽で素早いのが身上。だから、何とか逃げおおせることはできた。
だが・・・・・・

あの時以来、彼女の利き腕の握力は、ない。
想像以上に大きな怪我。彼女の腕では、もはや暗殺はできない。
相当に落ち込んでいた彼女。そして、それを優しく慰めるラガルト。
ラガルトにとっても、彼女は気になる存在だった。もちろん、女として。
自然と彼女は、ラガルトのところに転がり込んでいた。
そして・・・

彼女は、今もラガルトに微笑を向ける。
「あのね、今日街で、お祭りがあったの。すっごく、楽しかった♪」
「今日ね、ニノちゃんがやってきてね、一緒にご飯食べたの。」
矢継ぎ早に彼女は、今日あった楽しいことなどをラガルトに話す。
「そうかそうか。」
楽しそうな彼女の、屈託のない明るい笑顔。それを見ると、ラガルトも思わず笑顔になってしまう。
ラガルトは不思議に思う。どうして、こんなに天真爛漫で、純真で明るい彼女が、この黒い牙の暗殺者になったのだろう?
ソーニャの連れ子だったニノとは違い、彼女は昔からこの組織に所属している。
なぜだろう?どうして彼女は、暗殺者という、一般の人の道から外れた職業に就いたのか?
「んっとね、それは、ラガルトがいたから♥」
明らかに嘘である。この黒い牙に来るまでは、彼女とは面識も無かったし、出身地も違う。それに、彼女が自分の出身地に立ち寄ったこともないし、逆もない。
黒い牙に入ってから、彼女とラガルトは知り合ったのだ。
それ以外に、彼女がそのことについて話すことは、まったくなかった。だから、ラガルトも、それ以上は聞かなかった。
誰だって、話せないことの一つや二つはあるのだから。


492:名無しさん@ピンキー
07/04/22 16:30:34 ZDyz/BQj
「抜ける」やつがあんまりない印象だな、女性ウケよさそーなのが多い
濃いの以外は流す派だからなあ俺

493:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:31:17 xN9vTZCf
標的を始末する、暗殺者の仕事。
いくら慣れているとはいえ、やはりその仕事は辛いものだ。
俺にもこの標的と同じ血が流れている。その断末魔の悲鳴を聞くたびに、ラガルトは気が滅入る。気持ちのいい仕事ではない。
だから、帰るたびに自分に微笑を向けてくれる彼女に、少しだけだが癒される。
そうして、ラガルトは次第にアイシャに惹かれていく。
そんなある日、遂に二人は、男女の一線を越えた。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
二人はベッドの上で一つになったまま、しばらく無言でお互いに見つめあった。
「・・・どうした?」
長い沈黙を破って、ラガルトが彼女に聞く。
「・・・あの頃は、こうなるなんて、思いもよらなかったね。」
「・・・あの頃?」
「そう。初めて、あなたと知り合った頃。」
「・・・そうだな。」
そして再び、二人は黙り込んだ。やがて、今度は彼女が彼に囁く。
「ラガルト、私、今すっごく幸せよ。」
「・・・そうか。」
「もう!私が感動してるってのに、何よその返事は!」
「お、怒るなって!わかったから!」
「ふふふ。わかってるよ。ラガルトってば、昔からそういう返事しかしない人だったからね。」
「・・・まったく。」
二人はそのまま、お互いに笑いあう。そして、ラガルトがふと、彼女に重要な言葉をかけた。
「なあアイシャ。その・・・一緒に暮らそう・・・」
「えっ?でも、もう一緒に暮らしてるよ?」
「あ、あのなあ・・・俺が言ってるのは・・・」
「ふふふ、わかってるよ。私も、あなたとずっと一緒にいたい・・・」
身体は既に一緒になっている。そして今ここに、二人は、心も一緒になった。
「ん・・・」
彼女が急に、鼻にかかるような甘い声を上げて鳴いた。ラガルトの、わずかな動きに合わせて。
やがて、ラガルトは、少しずつ彼女に愛を与えるかのように動き始めた。
そして彼女の声は、その動きに全身で反応する。
「あっ!はあああっ!ああっ!あんんっ!」
ラガルトの帰る場所。それが今、ここにある。
アイシャが、いつでもこうやって、俺を迎え入れてくれる。
俺だけの、可憐な、そして美しい花。そして、花のめしべが受粉するかのように、ラガルトは彼女の女に、精を解き放つ。
ラガルトは精を放った後も彼女から離れず、そのまま彼女を抱きしめた。
俺が帰るべき場所。そして、俺の最も愛する女。
俺はこれから、彼女と共に生きていく。
「ラガルト・・・」
「アイシャ・・・」
二人はお互いに見つめ合って、愛を誓う口づけを交わした。
永遠に、二人は一緒。その約束を誓う、愛の証。


494:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:31:58 xN9vTZCf
「いってらっしゃい、あなた。」
「ああ、行ってくるよ。」
玄関先で、彼女はラガルトを見送って、口づけを交わした。そしてラガルトは、勤め先である黒い牙の本部へと向かう。
いつもと同じ、幸せな出勤風景。朝日も明るく、自分を照らしている。
たまには、こんな風景もいいかもしれない。陰に紛れるように生きてきたラガルトだが、たまにはこんなのどかな優しいお日様の光を浴びて、幸せな心地に浸るのもいい。
お日様は、常に平等だ。
こんな薄汚れた俺にも、等しく暖かい光を投げかけてくれる。
ラガルトはふと、道端に咲くタンポポを見た。
「へえ、こんなに人が通る場所にも、健気に咲いているんだねえ、お前は。」
そのタンポポの可愛い花を、ラガルトはしゃがんでそっと撫でてみる。
以前の自分なら、まったく見向きもしなかった、路傍の花。
これも、アイシャの影響なのだろうか?
恋は、人を穏やかに、そして優しくする。
やがてラガルトは立ち上がり、そのタンポポに声をかけた。
「お前も負けんなよ。俺も負けねえからさ。」
そしてラガルトは道を急いだ。

「おう、来たか。」
「ども、おはようございます、首領」
黒い牙の本部に入ると、早速首領のブレンダンがラガルトに話しかけてきた。
そして、この日は、早速新しい任務の話である。
「ラガルト、お前に任務を与える。」
「はい。」
「標的の名は・・・」
次の瞬間、ラガルトは飛び上がらんばかりに驚いた。その標的の名が、思いもかけぬ名だったから。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!彼女は・・・」
すると、そこに首領の後妻であるソーニャが現れた。
「何だい?粛清者は任務を着実に遂行するんじゃなかったのかい?」
ラガルトは思わず彼女を睨んだ。この、氷のように冷たい目が、ラガルトは気に入らない。
「そうじゃねえ!どうして彼女なんだよ!?」
するとソーニャは冷酷な微笑を放つ。
「うちにはね、任務もまともにできないクズはいらないんだよ。それとも、あんたもこの任務を放棄して、クズの仲間入りをするつもりかい?」
「なっ・・・!!!」
思わずソーニャに食ってかかろうとすると、首領のブレンダンに遮られた。
「ラガルトよ、これは指令だ。黒い牙は、任務を速やかに実行する。それが俺たちの誇りだ。そうだろ?」
「・・・・・・。」
今度ばかりは、ラガルトも承服できない。だが・・・そこにソーニャの一言が襲い掛かる。
「やるのが嫌なら、他の者に頼むだけさ。何たって、黒い牙の刺客は、確実に標的を抹殺するのが誇りだからね。」
ラガルトは打ち震えるようにその場に立っていた。自分がやらなくても、いずれ他の刺客に殺られるだけ。
ラガルトは絶望の眼差しで、ソーニャを見た。
「うん、いい表情だね。男ぶりがぐんと上がったじゃないか。」
「・・・・・・。」
ラガルトはそのまま、部屋を出て行く。


495:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:33:05 xN9vTZCf
信じられない。
標的の名は・・・・・・アイシャ。
ちょうど今、俺の家に匿っている女。そして、世界で一番愛する女。
「どうして・・・こうなるんだよ・・・」
ラガルトは、天を仰いで、そして泣いた。
折角手に入れた、最高の伴侶。俺の薄汚い人生を、明るく彩ってくれる、美しい花。
どうして、そんな彼女を・・・殺さなければならないのか。
拒否はできない。拒否しても、別の誰かが、その任務を遂行するだけ。
そして、黒い牙の刺客の優秀さ。それは、彼自身が、身を以てよく知っている。
どっちにしろ、彼女は殺される。
どこかに匿う・・・それも不可能である。必ず追及されるし、貴族のような権力者にコネがあるわけでもない。
だから、匿ってくれる者も、匿える場所もない。
「あーっ!ラガルトおじさんだー!」
そんな彼の思念を破って、大きな声が響いた。
見ると、そこにはニノが立っている。
「あれれ?どうしたの、ラガルトおじさん?何で泣いてるの?」
「ん?あ、いや、何でもないんだ。」
ニノは輝くような目つきでラガルトを見ている。あの、氷のようなソーニャの連れ子とは思えないほど、明るくて元気な、可愛い女の子。
彼女は、アイシャとも仲が良かった。一緒にいると、まるで姉妹のような二人。但し、血縁はないが。
ラガルトはそっと、ニノの頭を撫でる。その手に、アイシャの・・・そして、ラガルトの無念がこもる。
「ニノ・・・お前は、生きろよ。」
「ラガルトおじさん?」
「それじゃあな。」
元気のない声をかけると、ラガルトはそのまま、風のように立ち去る。ニノはまったくわけがわからずに、ラガルトの後姿を呆然と見ていた。


496:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:33:49 xN9vTZCf
「おかえりなさーい!」
家に戻ると、いつものように彼女が声をかけてくる。
「ねえねえどうかな?この首飾り。あんまり綺麗だったから、思わず買っちゃった♪」
いつもなら、「あーはいはい。」とか、呆れながらも声をかけてくるはず。だが、今日に限っては、ラガルトからは、何の反応もない。
「ねえ、どうしたのよラガルト!ちょっと、聞いてるの?」
彼女が揺さぶると、ようやくラガルトは彼女の方を向いた。
「ん?・・・ああ・・・」
「ちょっと、どうしたの?今日のあなた、少し変よ?」
「あ・・・その・・・いや・・・何でもない。」
アイシャは思わず驚いて彼を見た。どうして・・・そんなに悲しい顔をしているの?
「ねえ、ラガルト・・・何かあったの?」
アイシャがラガルトの顔を覗き込む。だが彼が、否定するように首を横にぶんぶん振った。
「何でもないんだ・・・本当に・・・」
「ラガルト・・・変なの。」
アイシャはため息をついて、立ち上がった。
「それじゃ、夕食にするね。」
「ああ・・・。」
そしてアイシャは、食べ物を温める。
「あのね、今日ね、ニノちゃんがお料理教えてってやってきたから、一緒にお料理作ったの。」
そしてアイシャがお皿をテーブルに並べる。その上には、美味しそうな料理。
「さあ、召し上がれ♪」
そして二人分の食事が並べられると、彼女も席についた。
「いただきまーす♪」
だが、ラガルトの食事は、一向に進まない。
「どうしたのラガルト?こんなに美味しいのに。」
「・・・・・・。」
「ねえラガルト、本当に、何があったの?」
アイシャが不思議そうに、ラガルトの顔を覗き込む。だが、ラガルトは、悲しそうな顔で、こちらを見ている。
「ラガルト・・・隠し事は、なしよ?」
「・・・本当に、何でもないんだ・・・」
彼女の明るい笑顔、そして、目まぐるしく変わる豊かな表情。だが、それを見るたびに、今日のラガルトは泣きたくなる。
それは、この彼女の魅力が、永遠に失われてしまうこと。そんなこと、彼女に直接言えるわけがない。
いっそのこと、二人で逃げてしまいたい。
だが、それはできない。今まで養ってくれた、組織への恩義。それは、刺客の優秀さを見せることによって返さなければならない。
だから、任務は、確実に遂行しなければならない。
それに、自分が実行しなければ、いずれ他の誰かが遂行する。その際は、どんな手によって、彼女が殺されるかはわからない。
それこそ、惨たらしい殺され方をするかもしれないのだ。
「もう!ラガルト!食べないなら、片付けちゃうよ!」
「・・・・・・すまん・・・・・・」
結局、ラガルトは一口も、食事に手を付けれなかった。


497:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:34:59 xN9vTZCf
「ああ・・・いいお湯・・・」
気がつくと、ラガルトは、一緒に風呂に入っている。
「・・・・・・。」
彼女のしなやかな、そして美しい裸体。腕の怪我さえなければ、元気で若々しい、女の身体。
だが、それさえも、今のラガルトには、残酷な光景に映る。
こんなに綺麗で、芸術品のような、だがそれでいて、血の通う、生命力溢れる身体が、永遠に失われる。
できれば、首領たちに、彼女の命乞いをしたい。だが、あのソーニャにそれが通じるとは思えない。
クズはクズ。それが、あの女の考え。本当に、あの女には、人の血が通っているのだろうか?ラガルトは疑問に思う。
ブレンダン首領自身は、あの命令を言うとき、非常に苦々しい表情をしていた。だが、妻の虜になってしまっているから、首領はあの女には逆らえない。
ラガルトは、思わず彼女を抱きしめる。柔らかい、女の身体。
「ラガルト・・・」
ずっと、いつまでもこうしていたい。こうやって、愛する女を、ずっと抱きしめていたい。
こうして抱きしめていると、彼女が生きているということが、よくわかる。
熱く滾る鼓動が、彼女の身体から伝わってくるのだ。生きているからこその、美しさ。
どうして、こんなに熱い命が、失われなければならないのか。
彼女を抱きしめながら、何度も何度も、頭の中で反芻する。
「アイシャ・・・俺は・・・」
「ラガルト?」
「俺は・・・永遠に・・・」
「うん。わかってるよ。」
やがて二人は風呂から上がる。そして身体を拭くのもそこそこに、そのままベッドになだれ込んだ。
二人、ベッドにもつれるように横になる。



498:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:35:57 xN9vTZCf
滑らかな彼女の肌、そして、甘く香る彼女の唇。
「んん・・・はああ・・・」
柔らかい彼女の胸を貪るように、彼女にかぶりつく。
「ちょ、ちょっと・・・歯を立てないで・・・」
ラガルトは思う。ずうっと、こうしていたい。この清く、優しい、彼女の肌の中に包まれていたい。
「あああんっ!」
吸い、舐め、そんな彼の口は、次第に彼女の妖しく濡れるその部分へと差し掛かる。
「そ、そんなことされたら・・・あたし・・・ああああん!」
いつもよりも激しい彼の動きに、彼女は早々と、性欲を剥き出しにする。
やがて・・・彼女のその部分は、彼の陰茎をずぶずぶと飲み込んでいく。
「んああっ!」
ラガルトは思わず叫んだ。どうしてか、今日は、彼女の方が、いつもよりも激しい。
「ラガルト・・・もっと激しく動いて・・・」
「くっ・・・ああ・・・わかった・・・」
二人のその場所は、ずぶっずぶっと卑猥な音を立てて、蜜を飛び散らせながら動き出す。
「はあああっ!」
「あああっ!」
ラガルトには信じられない。いつもは穏やかで、優しい彼女なのに・・・
今の彼女は、とてつもなく激しい、性の魔物になっている。
「ラガルト!あたしを・・・イかせて!!!」
彼女の要請に、ラガルトは答える。
ずん!ずん!ずん!
「ああっ!あああっ!ああああっ!!!」
「アイシャ・・・アイシャ・・・!!!」
やがて、彼女は目を白黒させ始めた。こんな彼女の表情は、未だかつて見たことがない。
「ああああっ!い、イク!イク!イックウウウウウウウ!!!!」
激しく身体をくねらせて、彼女は悶える。それは、彼女の・・・絶頂。
一瞬、ラガルトは涙を浮かべた。そしてそのまま、片手で彼女の首筋に触れる。
「アイシャ・・・愛してる・・・」
そのとき、彼女はカッと目を見開いた。
「ラガルト・・・あり・・・が・・・とう・・・」
「アイシャ・・・」
やがて、その片手が、彼女の首筋の頚動脈を、ぎゅっと強く絞めた。
喉にはかからないように、首の頚動脈だけを絞める。喉を絞めてしまえば、彼女は咳き込んで苦しがる。だから、喉にはかからないように、頚動脈だけを絞める。
それは、プロの暗殺者である彼にとっては、造作もないことであった。
そして、強く響いていた彼女の鼓動が、次第に弱まっていく。
どのくらい経っただろうか。ラガルトはずっと、彼女の首を絞め続けていた。
彼女はまったく、抵抗しなかった。まるで、己の運命を、最初からわかっていたかのように。
やがて、彼女の鼓動が、すっと消えた。それでもなお、彼は絞め続ける。
そして、彼女の身体が、次第に冷たくなっていく。もう、生きている彼女の感触は、どこにもない。
「・・・・・・終わった・・・・・・」
ラガルトは、まるでこの世が全て終わったかのような、ひどく疲れたような目つきで、アイシャの亡骸を見下ろしていた。


499:疾風 ◆1aM01Oi/FM
07/04/22 16:36:39 xN9vTZCf
「それからだ。俺が、黒い牙を抜けることを考えるようになったのは。」
ラガルトはマシューを前にして、淡々と語った。ラガルトの言葉には、何の感傷もない。だが、マシューはなぜか、泣きたくなった。
「ラガルト。」
「何だ?」
「すまなかったな。」
マシューが謝罪の言葉を述べる。その言葉はラガルトには意外だったようで、思わず彼は聞き返した。
「へえ、あんたから、そんな優しい言葉を聞くなんてね。」
「勘違いするな。ただ・・・人には誰にも触れられたくないことがあるからな。それだけだ。」
マシューの言葉に、ラガルトはにやっと笑った。
「優しいねえ。盗賊にしとくには、もったいないくらいさ。」
そのラガルトのからかいに、マシューは少しだけ口を尖らせた。
「うるせえよ。」

おしまい

500:名無しさん@ピンキー
07/04/22 16:50:13 dcdxX5ym
>>487
新しい職人なんていらない。
昔の職人様に戻ってきてほしい。
>>485
まごのて氏を忘れるなよ。

501:名無しさん@ピンキー
07/04/22 16:59:59 rFhTP2Ch
まあそうなっても新しいFEシリーズやってる人がどれだけいるか…
新シリーズの投下が減るのは困る

502:名無しさん@ピンキー
07/04/22 18:34:49 IIXVdXKO
>>490
あんたは本当にアホだな(褒め言葉)

503:名無しさん@ピンキー
07/04/22 18:35:33 IDxAQdQz
今もレベル高いが、スレの初期の頃が好きだったな。
通りすがり氏とか和む氏とかのが印象強い。
ちゃんと一つの話にまとまってる感じで良かった。

懐古主義じゃないが、あの頃の人たちにも戻ってきてほしいな。

504:名無しさん@ピンキー
07/04/22 18:55:09 8812qjVR
というか、最近は新規参入の職人さん自体が減った気がする。それで先達の印象が強く出るってのもあるかも。
俺としては他にInterlude氏とか、いつかのルセプリとかナルサスの人にもカムバックして欲しい。

>>503
この間千葉犬氏らしき人も居たし、SLS氏も暁落としていった。気長に待ってりゃ繰るかもね。

>>だみゃ~ん氏
そういうアイシャもありか、って感じだったな。ラストのラガルトの台詞が良いと思った。

505:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:30:17 aSvZhbju
じゃあまとめね。
・初めて投下する人は、このスレのレベルが高い事を踏まえてから投下する
・昔の職人さんが投下してくれるのがベター
・恋愛要素を入れて世界観など丁寧な描写がいい
・女性の読者が多い事を考慮する
・ワユやジルは荒れる

506:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:32:16 4Oe3/luD
ウゼえwww

507:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:50:19 Uwj84BDt
懐古すげえwwww

508:名無しさん@ピンキー
07/04/23 01:11:04 ZKwLL1Yq
なんか外伝氏とダミアン氏が2人の世界をこのスレで創世するための
巧妙な罠に思えてきた。

509:名無しさん@ピンキー
07/04/23 01:21:02 28aL30ga
ダミアンが猟奇を書くなんて・・・
正直、幻滅した

510:名無しさん@ピンキー
07/04/23 01:27:24 0G8tb3aP
「女性の読者が多い」って別に気にすることでもないだろ
要するに腐女子だし
露骨な描写がイヤだったら同類が集まる板に行って欲しい

511:名無しさん@ピンキー
07/04/23 02:36:06 pJhooleC
ダミアン氏のせいで前が塩水で覆われて見えないんだけど

女性の読者が多いことを考慮するってなあ、別に公共の電波に乗せて放映するわけでなし。
それこそ「嫌なら見なければいい」で済むことだ。
死姦とかグロ表現とか極一部の人にだけ好まれるものは自重したほうがいいと思うが。

512:名無しさん@ピンキー
07/04/23 04:40:50 MSAG9jQl
通りすがり氏は凌辱の方が多かった希ガス
職人単位で語る意味なんて大したものでも無いだろう
ダミアン外伝というがマシン氏の名前が出てないのもちょっと怪しい


といいつつ、BSのサフィアもの希望

513:名無しさん@ピンキー
07/04/23 07:36:36 5sZ9ZpcG
だみゃ~ん氏はギャグから重い話、死亡はもとより出産や老人までに挑んでいく書き手だからな。
いつかはやると思ってた。

514:小ネタ
07/04/23 16:05:49 xm6QYZ86
ミカヤはデイン国王に即位後、めでたくサザと結婚した。
彼との間には、5人の子供が生まれ、幸せいっぱいだった。
それから数十年後、ミカヤは王の座を子供に明け渡すことにした。
すっかり年老いて死期も迫っていたころである。
そんなある日、サザはミカヤにこう聞いた。
「なあ、ミカヤ。前から思ってたんだが、末っ子は他の子供とあまり似ていない。
 実は、父親が違うんじゃないのか?別に怒らないから答えてくれ」
「・・・そうよ。彼と他の子供とでは父親が違うの」
「やはりそうか。じゃあ、あの末っ子の父親は誰なんだ?」
「・・・サザ。あなたよ」

515:名無しさん@ピンキー
07/04/23 16:26:29 ddHtHRJ5
サザ涙目

516:名無しさん@ピンキー
07/04/23 16:41:05 8FDpubqq
>514
ワロテよいのか
むしろ怖いぜw

517:名無しさん@ピンキー
07/04/23 16:50:07 1fbewly1
>>514
サザ弄り……エロパロでも始まる……か

一回読んだだけじゃ意味が掴めなかったが、もう一回読んで……ああっ!
んー、笑っていいのか
サザに同情すべきかw

518:名無しさん@ピンキー
07/04/23 16:59:23 zH6QAfZt
ペレアス・オルグ・エディ・レオナルド・サザ
上の4人はミカヤ似で末っ子だけサザ似か

519:外伝 ◆9QlRx9nooI
07/04/23 18:03:50 hC3Jmcof
サザ頑張れ超頑張れ、年老いて死期も迫ったミカヤと五人作るの

封印ツァイス×エレンその5を投下します

520:名無しさん@ピンキー
07/04/23 18:05:04 38oihysA
>>518
サザは自分に似てる子を父親違うって思ったのかww


521:封印ツァイス×エレンその5
07/04/23 18:05:04 hC3Jmcof
「みゃー(おにくー)」
「みゃー、みゃー(おにく、まだー)」
 みゃーみゃーと鳴く猫たちを見ながら、ツァイスはハァと深いため息を吐いた。
深い、とても深い深いため息。
 聖女の塔から離れた場所。猫の集まる猫庭園に腰を降ろし、ツァイスはいっそ死のうかと思うような悲壮な顔になっていた。
 聖女の塔を出た時は東にあった太陽が、今はもう頂点にある。
「みゃー」
 そんなツァイスを励まそうかというように、一匹の猫がポンと肩に手を置く。
「ああ……ありがとう」
「みゃー」
「いや、いいんだ。俺の問題だから」
「みゃー」
「うん……なんとかする」
「みゃー」
 ツァイスが顔を上げると、猫はみゃーみゃーと行ってしまう。
「はぁ」
 また深い深いため息。そして手にした白い布をじっと見下ろす。シスターが頭に被る布、ウィンプルと呼ばれるものだ。
 エレンを押し倒したときに、勢いで取ってしまい、そのまま持ってきてしまった。
「うう……」
 上がった顔がまた下に向き、じっと目に涙が溜まっていく。
 ウィンプルを顔に寄せると、甘酸っぱい香りが胸に広がった。
「……いや、そうじゃなくて」
 こんな時にこんな事をしている自分が情けなくて嫌になってくる。

(さっさと謝ってしまえ)
「さっさと犯してしまえ)

 相反する思考が頭の中でグルグル回り、ため息となって出て行った。

「みゃあ」
 猫の鳴き声で顔を上げると、ツツッと足音を消して忍び寄る神父の姿があった。
「やあ。探しましたよ」
 エレンと同じエリミ-ヌ教団の神父サウルだった。ごほん、と咳をして、
「何かお悩みがある顔ですね。宜しかったら相談に乗りますよ」
「は、はぁ……」
 立ち上がり、ツァイスは神父に頭を下げ、
「いえ、これは俺の過ちですから」
「過ち、ですか。それなら懺悔なさるとよいでしょう」
「懺悔……?」
「はい。心より悔い改めたなら、神はお許しになるでしょう」
 さっぱりした曇り一つない笑顔でサウルは語る。
「ご安心ください。私はこう見えても神父です。懺悔の内容を、他人に話す事はしませんよ」
「はぁ……」
「しかしここはふさわしくありませんね。聖女の塔で懺悔を行うとよいでしょう」
「え?」
 そここそはエレンを押し倒して泣かせた場所。
「どうしました? 聖女の塔は我らエリミーヌ教団の聖地。あそこほど相応しい場所はりません」
「…分かりました」

522:封印ツァイス×エレンその5
07/04/23 18:06:05 hC3Jmcof
 みゃーみゃーと鳴く猫に見送られ、サウルに導かれて、再びツァイスは聖女の塔に向かう。
 相変わらず暗く静まり返った大礼拝堂。ごくっ、と喉を鳴らしてツァイスは
足を踏み入れた。
「さあ。悔いる事があるなら、告白なさい。神は全てを受け入れますよ」
 聖女エリミーヌの像を背に、サウルは朗々と語る。その姿はあくまでも信仰に生きる聖職者そのもので。
ふとエレンと重なって見えた。
 サウルの前で跪き、ツァイスは胸に手を合わせて告白する。
「懺悔します。俺は……大切な人にふしだらな真似をして、傷つけてしまいました」
「ふしだら……?」
 ぴく、とサウルの眉が動く。
「それはどのような行いでしょうか。怒らないから詳しく聞かせなさい」
「は、はい……。この礼拝堂で、とても大事に想っているシスターと一緒に来ました……。
俺はそのシスターの後ろ姿を見て、つい……こうムラムラと……」
「つまり欲情したのですね?」
「はい……」
「それから?」
「つい、体が勝手に動いて……押し倒してしまいました……」
「それは羨ましい……いえ、罪深いことで」
 ごほんと咳をしてサウルは続ける。
「それで、あなたはどこまでしたのですか?」
「え……? その、シスターが泣いてるのが見えたもので、そこでやめました……」
「もったいない……。どうせなら最後までしてしまえ」
「え?」
「いえいえ、なんでも。それで、あなたはそのシスターとどうしたいのです?」
「許してくれ、とは言いません……。悪いのは俺ですから。ただ……」
「ただ?」
「彼女には笑っていてほしいのです。心から。その為なら、俺はなんでもします」
「ふむ」
 サウルはふむふむと頷き、
「それで、あなたはシスターのことをどう想っているのですか?」
「どうと言われても……」
「神の前で虚言は通じませんよ」
 厳かに言われ、ツァイスは目を閉じて思い出す。
 エレンの笑顔。寂しそうな笑顔。はにかんだ笑顔。恥ずかしそうな笑顔。
 最後に見たのは泣き顔だったのに、今思い出すのはなぜか笑顔だけだった。
 目を開けて、ツァイスは言う。誇りをもって。
「最初に見たときは守ってあげたいと想っていました……。シスターはとても儚げで怖がりでしたから」
 彼女はとても男が苦手で、普通に会話するのにも何年もかかった。でもその歳月が今はとても愛しい。
「でも今は……彼女には、幸せになってほしいと想っています。あの人のように優しい人が、
いつも笑っていられる世界になってほしい。その為に俺は戦いたい」
 口にしてはっきりとツァイスは己の使命を見い出した。ベルンでもギネヴィアの為でもない。
ただエレンの笑顔の為に。それだけの為にツァイスは戦う決意が湧いてきた。
「あなたは、そのシスターを愛しているのですか?」
「愛しているなんてとても言えません……。そんな資格は俺にはありません」
「人が人を愛するのに、資格なんて必要ありませんよ」
 サウルの口調は極めて軽いが、言葉は重い。心からの響きがあった。


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