【嘔吐】腹責め専門SS・その2【子宮潰し】at EROPARO
【嘔吐】腹責め専門SS・その2【子宮潰し】 - 暇つぶし2ch464:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:08:09 ou8VL8cV
拳を引き抜かれた勢いで弓なりに仰け反る晴香と綾那。既に意識は朦朧としている。
だが、その曝け出された肉体の中心に、ナイト・プリンセスの本気の拳が照準を合わせる。
直後。爆発的な質量とエネルギーが、二人の娘の鳩尾を貫いた。
「かはぁぁ……!!」
「はぅぅん……っ!!」
ショットガンの接射でも食らったような衝撃に、二人の瞳が見開かれる。
ナイト・プリンセスの言葉は嘘ではなかった。
白銀のガントレットは、究極に見えた美緒への攻撃を遥かに越えた速度で二人の鳩尾に激突し、
娘たちの艶かしい肉体の奥深くへ、もはやその金属部が見えなくなるほどにまでめり込んでいた。
瞬間的に、まるで石を受けた水面のように、二人の娘の腹の中心から外に向けて大きな波紋が広がる。
巨大な質量の異物を丸ごと埋め込まれた事により、娘たちの肉が無理やり外部へ圧し出されたのだ。
ばつんと音を立て、晴香のキャットスーツのフロントジッパーと、綾那のレースブラウスのボタンが弾け飛ぶ。
「あ……あはぁ……」
「ぐ……ぐふっ」
拘束から開放された四つの肉塊がぶるりと零れ、衝撃の余波で縦横無尽に跳ね回る。
美しく鍛え上げられ整った肉体を惜しげもなく曝け出して捻じり、晴香と綾那の両手はだらりと垂れ下がる。
力の抜けたその手から、トンファーがゆっくりと床に滑り出る。
だが、ナイト・プリンセスは咄嗟にそれを空中で受け止めると、力強く両手にその握りを構えた。
既に失神している晴香と綾那だったが、あまりの威力と一瞬の早業により、
その肢体は未だ立ったままふらふらと揺れ続けている。
「まだ、です」
まず晴香、真っ赤なラバーキャットスーツを破って零れ出た爆乳の真下を、アッパーの動きで強烈に突き上げる。
20センチは下らないであろう金属棒が、最後肋骨の真下から晴香の肉体奥部に根元まで突入した。
「ごぷぁぁッ!!」
神経的な反応ではなく、純粋に胃を圧し潰された衝撃によって、可愛らしい蕾から胃液がぶち撒けられる。
「こ……ぁ……」
伸縮性に富むキャットスーツは、トンファーに巻き込まれながら晴香の肉体の中心に極大の力で食い込んだ。
それにより身に纏ったラバーはぴっちりと締め付けられ、その肢体はよりいっそう肉感的に引き絞られる。
形の良い臀部、豊満ながらも六つに割れた腹の筋、そしてへその穴の窪みまでがくっきりと浮かび上がる。
「はぐぅ……んっ」
丸出しにされた巨大な乳房が、断末魔をあげてゆさりとうねる。
震える舌を力なく唇から突き出し、くるりと白目を剥いた晴香は、あっというまに豊満な肉塊へと堕ちた。
ナイト・プリンセスは、一瞬で覚醒と再気絶を繰り返した晴香の身体を固定しつつ、
次に左のトンファーを軽やかに振るうと、綾那の黒いスカートに覆われた下腹に突き刺した。
「きゃはぁんんッ!!」
急所に同じく根元まで突き込まれた異物によって強制的に覚醒させられ、眼鏡の奥の瞳が真円に見開かれた。
衝撃で清楚なロングスカートが引き裂かれ、挑発的なガーターベルトに吊られたストッキングが曝け出される。
大人びた眼鏡も吹き飛び、所詮は背伸びをしていたに過ぎない小娘の正体が露わになった。
「んくぅっ、ひぁ……!」
凶悪な威力の異物は、容易く粉砕したガーターの切れ端を巻き込みつつ、
綾那の丹田から半ば尻に達するまでをずっぽりと抉り、その身体をつの字に折り曲げていた。
腹筋と比べてあまりにも脆過ぎる括約筋と、その小さな急所はいとも簡単に破壊される。
ぷしゃぁっ。
凄まじい威力で膀胱を貫かれ、その股間から微かな破裂音が鳴った。
ずたずたに破れて薄毛を覗かせるショーツから生温かい液体が溢れ、ガーターとストッキングを勢いよく伝う。
「はぁっ、あ、あぅぅぅ……」
薄れ行く意識の中でも、自分の身に何が起こったのかを感じ取ったのだろう。
頬を真っ赤に紅潮させ、両手で何とか己の恥部を隠そうとしながら、綾那もまた再度の気絶に堕ちた。

465:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:08:45 ou8VL8cV
ナイト・プリンセスは、両手に握っていたトンファーを離した。
あられもなくその肉体を放り出し二度の失神を味わった半裸の娘たちは、がくりと膝を折って前につんのめる。
「しばらく、そうやって反省することです」
ナイト・プリンセスは、凛然と言った。
「……ふう。今日の仕事も、無事に終わりましたね」
やがて大きな溜息をつき、穏やかな表情になる。
正義の戦士ナイト・プリンセス……本名、小手川沙織。
その正体は宇宙人でも改造人間でもなく、私立箕政高校に通う18歳。
夜の闇に降り立ち悪を滅する純白の天使も、昼間は何の変哲も無いただの一女子高生である。
(……あ、いけない。明日の数学の宿題、まだちょっと残ってるかも)
普段はおしとやかなお嬢様である沙織がここまでの力を振るえるのには、一つのからくりがあった。
沙織の父であり、権威的科学者でもある小手川宗一博士。
彼の発明した特殊電分子により構成された超性能パワードスーツ……それが、ナイト・プリンセスの正体なのだ。
これを纏う事により、普段は格闘能力など全く持たない、寧ろ生来の運動オンチである沙織は、
たちまち鉄をも砕き、銃弾をも弾き返す、人間離れしたパワーを持った強靭な肉体へと変貌を遂げるのである。
本来、それは戦闘用のものではなかった。
宗一博士が化学実験途中に偶然作り上げたその特殊電分子……通称「S分子」は、ある特異な性質を持っていた。
それは特異も特異……人間の闘争心に反応して、その結合エネルギーを増大させるという特性である。
極端な話……人間が闘争心、つまり「やる気」を出すほど、その精神力の強さに感応して「強くなる」のだ。
もちろん、科学には闘争心などという漠然としたものが介在する余地は無い。
どうも人間が放出するノルアドレナリン等の闘争本能ホルモンとの反応が関係しているらしいが、
詳しい原理は当のパワードスーツ着装者である沙織自身にもよく分かっていない。
一度は父から説明を受けたことがあるが、何がなんだかさっぱりだった。
もはや父は知性の次元が高すぎて、下位の者にその高尚過ぎる原理を説明する語彙を持っていなかったのだ。
とにかく、パワードスーツ「ナイト・プリンセス」は偉大な父が作り上げた最高の発明であり、
沙織はその試運転を兼ねて、毎夜純白の天使に「変身」して世にはびこる悪と闘っているのだった。
(うん、今日もいい調子でした。ただ、前から思ってたけど……ちょっと寒いかも)
暗闇でも仄かな光沢を放っているレオタードスーツは、その全てがS分子の結晶なのだ。
手首のパワーユニットブレスレットと耳飾り型の制御アンテナによってレオタードの形状を記憶し保っているが、
本来、通常の衣服のような固定された実体は持っていない。
パワーユニットの活動を停止して変身を解けば、すぐに周囲の空気に混じって消えてなくなる儚い存在である。
当然そこには保温性も何も無く、言ってみれば変身中の沙織本人の肉感は、ほぼ裸でいる状態に近い。
今は夏場だからまだ肌寒い程度だが、秋、冬が来ればとても悪と闘うどころではなくなるだろう。
この事実は早いところ父に進言しよう、と沙織は思った。
(さて……そろそろ帰らないと、お父さんに心配されちゃいますね)
三人の悪女を倒し、奪われたアタッシェケースも取り戻したが、まだ今日の沙織の仕事が終わったわけではない。
最後に父の研究ラボに立ち寄り、今晩の戦闘データをコンピュータに反映する作業が残っているのだ。
そしてほぼ気休めに近い短時間の仮眠の後、もう月曜の朝には健康な女子高生として登校しなければならない。
半年後には大学受験を控える正義の戦士に、休息の時間は少なかった。
「あら……?」
帰宅しようとした沙織の耳に、どこからか微かな振動音が聞こえた。
澄んだ夜空を濁らせる、不快な音。
沙織はすぐに、それがバイクの音だと気付いた。

466:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:09:18 ou8VL8cV
音はどんどん沙織に近づき、やがてその騒音の元……漆黒の大型ハーレーが姿を現した。
「……??」
「よっしゃ着いたぞ」
呆然と立ち尽くす沙織のすぐ傍にハーレーを停め、その運転手はのそりと埠頭に降り立った。
乗ってきたハーレーとは不釣合いな紳士服に身を包んだ、やけに背が高くがたいのいい男。
ゴーグルはおろか、ヘルメットすら着けていない。
「さて……」
男はきょろきょろと辺りを見回した後、ふと沙織に目を向けた。
「なあ、そこのコスプレお嬢さん。この辺に徳川埋蔵金が埋まってるなんて話を聞いたことはあるか?」
「徳川……??」
沙織はきょとんと目を瞬かせる。
「いえ……ありませんが」
「じゃあ財宝が詰まった海賊船が沈没してるってのは?」
「……いえ……」
沙織が首を振ると、男は目に見えてがっかりした。
「それなら俺は、なんでこんな地図に従ってこんなとこに来たんだ?」
そういって、手に握った紙切れをひらひらさせる。
「何ですかそれは?」
「知らないよ。これの小物入れに入ってたんだ。じゃあこれはどうも宝の地図じゃないんだな」
ハーレーを親指で指し示し、とぼけた声で答える。
どうも話が要領を得ない。
ことの真相としては、そのハーレーはもともと男が他の人間……沙織が倒した三人と落ち合う予定だった
真美と葵という娘たちから強奪したものであり、小物入れの紙切れは、彼女らの合流場所をメモしたものだった。
その地図に従ってやってきた男は、必然的に沙織と鉢合わせすることになった、というわけなのだが。
言葉足らずに過ぎる男の説明で、沙織がそれを理解できるわけはなかった。
「骨折り損だなまったく。……ところでコスプレお嬢さんは、こんなとこで何してるんだ?」
再び周囲を見回し、ナイト・プリンセスに倒され失神している三人の娘に目を留める。
「なんだ、ヒーローごっこか。真夜中なのに元気だなあ」
「な……」
その一言に、沙織は絶句した。
正義のために昼夜身を削っている自分の闘いを、ヒーローごっこ。
「……今の言葉、取り消してください。私がやっているのは遊びじゃありません」
「ごっこじゃないのか。じゃあ何だい」
「本物の、正義の戦士です」
「えええ、本物。俺の一番苦手な人種だよ」
男は嫌な声をあげる。
「もう勘弁してくれ。さっきも無理やり留置所に叩き込まれて、ようやく逃げてきたとこなのに」
「何ですって?」
脱獄……?
「そりゃ俺にも非はあったよ。いいとこの令嬢掻っ攫おうとしたり、金庫の金パクったり」
誘拐に、窃盗。
「けど、もういいじゃないか。全部あの、なんていうの、未遂に終わったから。罪を憎んで人を憎まずだろ」
「良くありません」
沙織はきっぱりと言い放った。
「どうやら、あなたは極悪人です。この私……ナイト・プリンセスが、成敗します!」
純白の天使ナイト・プリンセスは、たんと地を蹴った。

467:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:09:58 ou8VL8cV
淡白く輝く艶かしい肢体が、華麗に宙を舞う。
男は、冷め切った目でそれを見る。
またこういう展開か。どうやら今日の自分は、見知らぬ女に喧嘩を売られる星の下にあるらしい。
「たあっ!」
大きく夜空に振り上げたガントレットが、男の脳天に撃ち下ろされる。
だが、男はその大振りな攻撃を簡単にかわした。
(なんだ、完全にド素人の動きだな)
こと闘争のみに関してだけ天才的に発揮される男の観察力は、すぐに敵の格闘センスを看破した。
男が今まで倒してきた女たちには様々な種類が居たが、いずれもある程度以上の格闘技熟練者だった。
しかしどうやら今度の敵は、見た目こそ一番奇抜なものの、中身は只の一般人らしい。
今日はもういいかげん疲れた。すぐに終わらせて帰ろう。
そう決断した男は、攻撃を空振りして硬直している敵の腹に、初弾から加減の無い拳を打ち込んだ。
どんっ!!
「くっ!?」
「ぐぁっ!?」
だが、より大きな呻き声をあげたのは男の方だった。
「……何だぁ……?」
自分の拳が弾かれた。その事が信じられず、まじまじと敵を見る。
「……凄い。やりますね、貴方」
対する敵、ナイト・プリンセスも、同じく信じられないといった顔で男を見ていた。
「ほんの微細なものとはいえ、このパワードスーツを着ていて痛みというものを感じたのは初めてです」
腹をさすりながら呟く。その言葉どおり、はっきりとしたダメージを受けた様子は全く無い。
……どんな手品だ。
ふっくらと盛り上がった腹、筋力など微塵も感じさせない肉と脂肪の塊に、自分の拳は確かに激突した筈だ。
薄手であればフライパンすら破壊する鉄拳に、じわじわと鈍痛が広がる。
「けれど、効きませんよ。このパワードスーツは、装着者の精神力に感応してその強度を無限大に増します。
 私の心に正義が燃えている限り、あなたには万に一つの勝ち目も無い」
ナイト・プリンセスは少々得意げに説明するが、男の脳には理解できない。
「さて……次は私の番です!」
言うなり、敵の拳が大きく後ろに振りかぶられる。
「せいっ!」
どうやらアッパーを撃つつもりらしい。放たれるタイミングが手に取るように分かる、見え見えの溜め。
それはやはり素人の動きだった。男と敵の体格と筋力差なら、防御する必要すらないだろう。
(う)
だが、超自然的ともいえる男の原始的な闘争本能が、その全身に極大のアラームを鳴らす。
気付いたときには、男は反射的に体前で両腕を固めていた。
ごきぃんっ!!
「がっ……!?」
骨が砕けたような衝撃と共に、80キロを越す男の身体が宙に浮いた。
(ば、化け物か……!!)
びりびりと全身が震える。とんでもない威力だった。
まともに顎や胸に食らっていれば、一撃で再起不能にされていただろう。
今までの女たちなど話にならない。目の前の少女は、間違いなく今晩最強の敵だ。
「そ、そんな馬鹿な……」
だが、恐るべき敵の声も微かにうわずっていた。
「私の、本気の打撃を食らって立っていられるなんて……」
確かに立ってはいるが、それがやっとだ。2発目はとても耐えられないだろうという事も、男は自覚している。
この隙を逃せば、自分の負けだ。
男はもはやなりふり構わず、ナイト・プリンセスの身体に掴み掛かった。

468:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:10:50 ou8VL8cV
沙織は動揺していた。
ナイト・プリンセスのフルパワーパンチの威力は物理計算上、暴徒鎮圧ラバーコート弾の直撃に匹敵する。
その拳を受けて立っていられ、あまつさえ反撃を試みようとするなど、人間の体力と精神力ではない。
(く……)
驚愕に思考の停止する沙織の身体に、突進してきた男の掌が襲い掛かった。
(まだまだ……いくら強かろうが、どうせ私のスーツは決して破れはしない……)
そう。何せ自分が纏っているのは無限の強度のパワードスーツ。
敵を倒すのに少しぐらい時間は食おうが、自分の敗北だけはありえない……と。
強敵を前にしてなお、未だ18の少女は自惚れていた。
それが、勝敗を分ける事となる。
「きゃぅっ!?」
沙織は小さく悲鳴をあげた。
大きく広げられた男の左掌は、一直線に沙織の胸部を捉えていたのだ。
そのまま強引に押し切られ、少女の肢体は背後の金網に叩きつけられる。
「くぅ……!!」
もちろん全く痛みは無いが、沙織は恥辱に大きく呻いた。
「は、離しなさい……!」
そのメロン大の豊乳の右房に、男の掌がゆっくりと沈み込んで行く。
「はうっ」
沙織のほっそりとした咽喉から温かい吐息が漏れ、その全身が隙だらけになる。
その隙を逃す敵ではない。
男は左手で沙織の肢体を固定したまま、右の掌を大きく広げると、
健康的な少女の肉体の急所、レオタード越しにくっきりと形の見えるへその真下に猛烈な掌打を撃ち込んだ。
ばすんっ!!
「……効きません、よ」
凄まじい音と衝撃が夜の埠頭を駆け抜け、背後の金網がぎしりと軋んだが、沙織の肢体は微動だにしない。
そう、ナイト・プリンセスのパワードスーツは無敵なのだ。
「その程度の攻撃で……ふあっ!?」
だが、インパクトの瞬間こそダメージは皆無だったが、すぐに沙織の表情に変化が起こった。
下腹に押し付けられた掌底が、ゆっくりとその肉体内部に沈み始めたのだ。
「くふ……!?」
(し、しまった……!)
沙織の背筋が凍りついた。
打撃、射撃、斬撃などあらゆる衝撃を耐え、弾き返す超性能パワードスーツ。
だが、緩やかな移動や接触などに対してはその限りではないのだ。
それは当然の仕様だった。レオタードが常時超金属の硬度では、そもそも装着している側が腰一つ捻れない。
戦闘行為による瞬間的な衝撃のみに対して硬殻化するよう設計されているパワードスーツの特殊電分子は、
人間の通常の動作速度の範囲内では、見た目通りのレオタード程度の硬度しか持たないのである。
例えば……今、自分がされている事の速度では。
「か……は……」
男の掌底はゆっくりと、だが万力のように圧倒的な力で沙織の下腹にめり込んで行く。
初めて明確な痛みを感じた沙織。レオタードに包まれた全身にじわりと脂汗が滲んだ。

469:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:11:27 ou8VL8cV
「や、やめなさ……あうぅんっ!?」
沙織は目を見開いた。
下腹に埋まった掌が、ぐにゃりと動いたのだ。
「あ……ぐ……」
男の掌は依然として怪物的な力で下腹にめり込みながら、その奥底で指を曲げて更に沙織の中に侵入する。
肉と脂肪を掻き分け、小腸も膀胱も抉った奥の奥。
「んっ……はあぁ……!!」
ぞくり、とナイト・プリンセスの背筋が凍った。
突如として湧き上がる、痛み以外の感覚。
自分の股間が瞬間的に湿った事が信じられず、蕾のような唇がだらしなく開かれる。
「あっ……あ……あ!」
唾液が溢れる。
頬が紅潮する。
下腹が疼く。
脳が蕩ける。
必死で止めようとするが、分泌される液は逆に勢いを増し、遂にレオタードから漏れ出してとろりと太股を伝った。
(う、そ……わ……わた、し……)
闇夜に舞う正義の戦士が。純白の天使ナイト・プリンセスが。
女の急所をまさぐられて。
発情、している。
「こ、この……はぅふ!!」
何とか拳を上げて男の頬を張り飛ばそうとするが、二つの卵巣を貫かれると呆気なく涎を漏らして腕を下げる。
蹴ろうとするが、強烈に子宮を揉みしだかれると力なく喘いで脚を落とす。
立つこともままならない。もはやナイト・プリンセスの戦闘能力は完全に殺がれていた。
だがそれだけでは飽き足らない男は、右手でナイト・プリンセスを辱めつつ、左の掌にも力を込めた。
レオタード越しにもその場所が確認できるほど硬くなっている乳房の突起を、二本の指で圧し潰す。
「ひぁんっ……!?」
少女の小さな粒は、柔らかすぎる自身の巨乳にずしりと沈んだ。
それにタイミングを合わせ、男の右中指がぐさりと子宮を突き刺す。
上下の快楽中枢を同時に撃ち抜かれ、沙織の背筋が弓なりに仰け反った。
「うっ、ふあぁ……!」
既に秘部から溢れ出す液を限界まで吸収していた純白のレオタードは、ぴっちりと少女の股間に張り付き、
今やその柔らかい小桃のような割れ目をくっきりと浮かび上がらせている。
「ふぅ、ぅ……はん……あっ」
唇の両端から溢れた涎が鎖骨を伝う。
下腹の奥深くから、熱い何かが徐々にせり上がってくる感覚。
「あ……うああっ、はっ、ぁんっ、ぁっ、ぁっ、ぁんっ」
顎が意識に反して持ち上がり、その全身が小刻みに震え始める。
(そんな……そ、んな)
憎むべき敵である筈の男の攻撃によって、自らの肉体が達している。
その事実を悟った時、沙織の中の何かがぷつんと切れた。
「や、やだぁ……お父、さぁん、助けて……」
遂に、正義の戦士ナイト・プリンセスの精神は屈服した。

470:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:12:11 ou8VL8cV
敵の心が折れたのを目の当たりにした男は、沙織の下腹をまさぐっていた右手を抜いた。
左手ではなお柔らかすぎる右乳房を抉ったままその肢体を固定しつつ、拳をぎしぎしと固める。
止めを刺す気だ。
「は、ぁぁ……あっ……」
既に何も考えることの出来ない沙織は防御しようともせず、ただ喘ぎながら潤んだ瞳で真正面を見つめている。
男は、極限にまで引き絞った全身全霊の猛撃を、ナイト・プリンセスの腹に突き刺した。
「………………っ!!!」
夜空に響く轟音と共に、その背の金網がずたずたに引き裂かれた。
もはやまともに悲鳴さえあげられず、沙織の瞳孔が針の先のように収縮する。
それは、例え現代科学技術を結集したナイト・プリンセスの体力・気力が全快時でさえ、耐え切れたかどうか。
まず鳩尾に、次にだらしなく弛緩しきったくびれの中心部に、最後に下腹の最も下、柔らかく膨んだ割れ目に。
男は1秒にも満たぬ間に、沙織の正中線に3発の剛拳を埋め込んでいたのだ。
「ご、ぐぶっ……げぽぁ……!!」
どぷっ、と音を立て、黄色い胃液が唇から噴き出す。
男の放った最強の3連打は、当の男も計算していない程のダメージを沙織に与えた。
元々ナイト・プリンセスの身体能力はほぼ全てが精神感応型パワードスーツの力によるものであり、
沙織本人の耐久力は皆無に等しいし、肉体の鍛錬など一度もした事はない。
そして既に沙織の精神は半壊しており、最高のコンディション時には銃弾すら通さない強度のパワードスーツも、
心が折れた今はただ見た目通りの、極薄のレオタード並みの防御力しか保っていなかった。
即ち、分厚い鋼鉄のような強敵の鎧を撃ち抜くつもりで放たれた全身全霊の拳は、
レオタードスーツの貧弱な守りなど完全に無視し、生身の少女の柔な肉と内臓を滅茶苦茶に破壊したのだ。
「……かは……ぁっ……」
純白のコスチュームの曝け出された急所部分には、それぞれ螺旋状の壮絶な陥没が穿たれている。
単発でさえ失神は免れなかったであろう致命的な猛撃を剥き身の腹に3発も埋め込まれ、少女は粉砕されていた。
だらりと垂れ下がった足が、ぶるぶると震え始める。
割れ目を圧し潰した拳によって膣口を塞がれているせいで、行き場を失った分泌液が子宮口に逆流しているのだ。
「んぁっ、ぐぅぅ……!」
出口を塞がれようが行き場が無くなろうが、液の分泌は止まらない。
その許容量をあっという間に越えた愛液の洪水により、沙織の内部でまだ未成熟な子宮がみちみちと膨張する。
まだ見ぬ愛する異性のそれを注がれる筈だった大切な袋を無理やり自らの快楽液で満たされてしまったという
屈辱と歪んだ快感に、沙織の瞳は完全に焦点を失った。
「……ぅ……」
精神感応の糸が完全に切れたことにより、美少女戦士の変身が解ける。
純白の天使ナイト・プリンセスの肢体は一瞬淡白い光に包まれると、
その身を覆っていた穢れなきレオタードスーツは粒子と化して闇夜に四散した。
激しい戦闘によってじっとりと汗ばんだ豊満な肢体が、ガントレットとブーツ以外一糸纏わぬ姿を曝け出す。
男は最強の敵が突如として全裸の少女に姿を変えた事に一瞬驚いたようだったが、
既にその両眼が焦点を結んでいないのを察すると、弾性溢れる巨乳に沈み込んでいた指は離さないままで、
脆過ぎる沙織の急所、柔肉をぷっくりと割った可愛らしい無毛の縦筋を深々と抉りこんでいた拳を引き抜いた。
「あ゛っ……」
さっきまで無敵の戦士だった全裸の少女の肉体は、それを合図にびくりと跳ねた。
無理もなかった。捻じ込まれた鉄拳によって封鎖されていた膣道が、いきなり勢いよく全開にされたのだ。
丸出しにされた滑らかな割れ目が力なくひくりと開いた途端、透明に煌めく分泌液が堰を切って溢れ出す。
愛液は沙織の痙攣する太股の間からまるで小水のような勢いで滴り、その足元に淫靡な池を作った。

471:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:12:55 ou8VL8cV
柔らかすぎる乳房に掌を埋めて無理やりその身体を立たせたまま、男は既に意識の堕ちている少女を見つめた。
力なく前にのめった頭は、男によって押し上げられた自らの巨乳にそのあどけない頬を沈めている。
じっとり汗ばんだ肉感溢れる肢体の鳩尾とへそ、そしてその内部に秘めた器官によって緩やかに盛り上がって
いた筈の部分には、螺旋状に大きく捻じ込まれた3発の拳の痕跡が残っており、未だに修復しきっていない。
そして、虚ろに開いた瞳の下の小さな唇の両端からは涎と吐瀉物の混じったものが、
つるりと盛り上がった柔肉の割れ目からは力ずくで分泌させられた淫らな液が、
共に未だ止まる事を知らず吹き零れ続けていた。
「……」
流石にもう自分の勝ちは動かないだろうが、わけの分からない力を持っていた敵だ。万が一、ということもある。
男は、完全に失神している裸の少女の小さく窪んだへその真下に、最後の拳をずしりと突き刺した。
数秒前までぽってりと盛り上がっていた官能的な下腹に、胎内まで拳が捻じ込まれる。
「ぅんっ」
ダイレクトに沙織の子宮を突き上げたコークスクリューアッパーは、豊富だった下腹周りの肉を爆散させた。
少女らしい丸みを帯びた骨盤の形状が、可愛らしい割れ目の恥骨までくっきりと浮かび上がる。
柔らかすぎる巨大な丸尻が、張り裂けた金網にみちりと食い込む。
ごぷっ……。
沙織の上下の口から、全く同じ音が漏れた。
その唇と股間の割れ目から、まだその華奢な体内にこれほど残っていたのかと思える量の液が一気に噴出する。
「は……はう……ぅ」
意識の無いままの虚ろな瞳が潤み、鈍痛と、半ば排泄の快感に近い刺激によって太股がぶるぶると震える。
だがそれも一瞬の事で、すぐに液の分泌は止んだ。
正確には、終わった、というほうが正しいだろう。
依然として薄桃色の唇と割れ目はひくひくと開閉を続けているが、もはや二つの穴から液が漏れる事はない。
とどめの一撃により、とうとう胃も膣も完全に空になったのだ。
それを見てやっと満足した男は、沙織の乳房と腹から鉄拳を引き抜いた。
「あ……ぁ゛はぁんっ……」
力なく震えていた両足が徐々に内股に開かれる。
高校生とは思えない喘ぎをあげて身をくねらせながら、沙織の肢体はその場に力なく両膝を着いた。
やがてその上半身はぐらりと後ろによろめき、脚をM字に開きながら仰向けに崩れ落ちる。
真上を向いても形状を崩さない、巨大な真円のゼリー状隆起がたぷんと揺れた。


「やれやれ……さすがに、本気で危ないところだった」
男はスーツの襟を正した。
圧倒的な暴力と不条理な快楽によって肉体を貫かれ、自らの分泌液の池に沈んだ全裸の少女を見下ろす。
その頬は桃色に染まり、夜空に向かって儚く突き出された双乳の突起と下腹の割れ目は、
未だひくんひくんと儚い痙攣を繰り返している。
苦痛による失神と快楽による絶頂という真反対の二方向から同時に蹂躙された沙織が意識を取り戻すには、
かなりの時間を要するだろう。
「今度という今度は本気で疲れたな。……せっかくの星空だ。そろそろどっかの公園のベンチででも寝るか」
無残に汚された純白の天使の肢体を転がしたまま、男は溜息をついてハーレーに跨った。

―完―

472:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:14:34 ou8VL8cV
ごめんなさい最初に名乗り忘れてました、前スレ596です。
というわけで正真正銘の最終話でした。
最後なので好き勝手に書いてみたらこうなってしまいました。何かもう色々とすみません。
あと、スレ容量の食い方がどうみても荒らしです。本当にありがとうございました。


473:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:59:36 yj2hJhAZ
GJ!
正義のヒロインがボロボロになり汚物の海に沈めラスト、最高に良かった!
最終回お疲れ様でした!

474:ミスト
07/09/25 19:01:27 2qv4n+Du
前スレ596さん改め、ランサーさん、お帰りなさい。待っていました(>_<
自分が腹パンSSに挑戦したいと思うきっかけになってくださった方の一人なので、
久しぶりに作品を拝読する事が出来てとても嬉しいです。
官能的な文章・表現はそのまま(上手くなってないという意味とは違う意味)に、今回も新たなシチュエーションで描かれていて、すごく読ませてくれる作品でした♪
私的に今回特にお気に入りなのは「その唇と股間の割れ目から、まだその華奢な体内にこれほど残っていたのかと思える量の液が一気に噴出する。」の辺りでした(笑)
設定部分や性格などもしっかり伝わってきて、改めてすごいなあと思います。
自分だとここまでの域に到達できないかも…(苦笑)

それと、気になったので質問させて頂きたいのですが「最後」というのはシリーズ的に…という事でしょうか、
それとも、ここに作品投下するのが最後…という事なのでしょうか(汗)
ランサーさんの作品もとても好きなので、出来ればこれからも読ませて頂きたいです(つ_;

やはり前スレから書いてらっしゃる方々はすごいですね…
自分もラスト部分がようやく完成しましたので、明日の夕方あたりに投下したいと思っています。
588さんや仕置き人さんの後もそうでしたが、上手い人の後って緊張します(^-^;
プレッシャーに負けて投下できなかったらごめんなさい;_| ̄|○|||

475:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:00:37 yj2hJhAZ
トリップ付けたばっかりだしこれが最後って事はないと思うが…
まあ一緒に雑談だけしてても良いと思う
ネタ出し合っていたら書きたくなってくるだろうし

476:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:05:52 0faVpm3R
ランサー氏ナイス。これは繰り返し読みたくなる文章だ

477:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:16:58 DdR0nt0G
>>472
どう見ても良作です。本当にありがとうございました。

478:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:48:42 z3Mj3mKb
>>472
覚醒させて再気絶とか、イきながら気絶とか、凄杉!
リアでこんなことになったら命がいくつあっても足らないが、このストーリーでは
打撲傷全治三日くらいの設定でよろw

479:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:29:15 iXf47FQO
沙織タン・・・(´Д`;)ハアハア

白レオタードパワードスーツは身体的ツンデレを実現した革命的服ですな!

480:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:13:42 dx4L2eX/
悪の女ヤラレが好きな俺は、前半の展開が最高で抜けた。
てか、これってヒロピンとヤラレの二つを内包し、なおかつどちらからも賞賛される稀有なSSではないかと。GJ!

481:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/26 01:35:39 c9TngXre
皆さんわざわざ御感想ありがとうございます。
無駄に長い上に余りにもはっちゃけ過ぎた設定が受け入れられるのか不安でしたが
どうやらわりかし好評なようで、身にあまる光栄です。

>>ミストさん
最終話というのは一応、この名もないあんちゃんを主役としたシリーズの最後、というニュアンスでした。
どうして最後なのかというと、まあ臆面も無く言いますが、ネタが尽きたから、です。
もう僕の矮小なネタのストックは切れてしまいました。少なくとも今年いっぱいは充電期間として過ごすつもりです。
もちろんこれからもスレは覗くし、雑談にはぜひ混ぜてもらいたいと思ってますので、どうかよろしくお願いします。

482:名無しさん@ピンキー
07/09/26 23:36:35 sQja/vOJ
展開燃え杉
描写エロ杉
超GJ!!!

483:ミスト
07/09/27 03:56:06 2zne6joQ
>> yさん
やっぱりおへそは次の機会になりそうです、ごめんなさい(^_^;
腹パンフリークにはおへそ責めをあまり良く思わない方もいるようなので…実は今回は最初から自粛する方向で進めてました。
でも、自分も好きなので書いてる以上は絶対やる機会があると思いますので…

>>452さん、>>454さん、>>457さん (一括レスすみません。)
きっと自分なんかより上手く書けると思うので、もし仕上がりましたら是非読ませて頂きたいです♪
色んな趣向の作品も見てみたいですし…

>>ランサーさん
かなり捻じ曲げて捉えてしまったようで…お恥ずかしい限りです(汗) >>475さんの仰るとおりですね、考えてみればすぐわかる事でした(^ ^;
これからもランサーさんの作品が読めるようなので安心しました(笑)
お二方とも、ご返答ありがとうございました。


前回まで読んでくださった方々、感想をくださった方々、ありがとうございます。m(_ _)m
前回投下から三週間ちょっと…色々あって時間が空いてしまいましたが、話す( >>430さんへのレス含む )より先に見て頂きたいと思います。

それではラスト部分投下させて頂きます。よろしくお願い致します。


484:ミスト
07/09/27 03:56:41 2zne6joQ

 ―― ぱんっ! ――

唐突に頬を襲う痛みと衝撃で、私の覚醒は訪れた。

 「 ぅ………。 」

体の右側に引力を感じた。頬に熱さとほのかな痛みを感じながらゆっくりと目を開けると、私は畳の上に横たわっていた。
そして目の前に私の頬を張ったであろう聡美の姿と、相変わらず私を取り囲む5人。全員が私を見下ろしている。
格技場の壁に掛かっている時計を見ると既にPM9時。察するに10分くらい気を失っていたらしい。
一度リセットされた私の頭は現状という物を明確に把握し始め、残酷な程私に叩き付けた。

そう、私は負けたのだ。多勢に無勢とはいえ、格下のこの子達に。

それも自分の自信の持っていた場所を痛めつけられ、弱さを思い知らされ……
今まで自分のやってきた事を粉々に打ち砕かれた。私の力の無さを認識させられた。醜態を晒してしまった。

 「 …うッ… 」

ずきん、とお腹が痛む。だが手をお腹にもっていこうとしたが出来ない。
腕が後ろ手にされ手首の所で縛られていたからだ。気付けば足も、足首の所で縛られている。
持っていた自信も体の自由も勝機さえも奪われ、見下ろされている。
なんていう無様な姿だろう。
恥ずかしさと悔しさのあまり体が震えだし、私は畳に額をつけて込み上げる涙を必死に堪えた。

 「 おはよう。ふふふっ、なんだか急に可愛くなっちゃったわね。
   どう? 自分の『分』っていうものを勉強できたかしら? 」

 ( …ダメ! )
私は必死で持ち直そうと自分の中で自分を強く叱咤する。
 ( 弱気になるな、私は自分のしてきた事を無駄にしたくない。今弱いならこれから負けない力を身につけたい。
   その為にも……無様な結果にだけ捕われて自分を貶めていてはダメ、
   負けたとしても胸を張っていなきゃ………いいえ、負けた時こそ………胸を… )

 「 ……いつまで突っ伏してんの! 分かったか分からないか答えなさいよ!! 」

聡美が私の顎を持ち上げ、顔を近づけて怒鳴り散らす。
私は聡美の目を見て、不本意ながらもはっきりと言う。

 「 ………今日は、あなたの…あなた達の、勝ちよ。 」
 「 ふん……… 」

聡美は私の顎から手を離すと立ち上がり、自分の腰に手をあて、見下ろしながら言葉を続けた。

 「 さっき偉そうに言ってくれたあんたの言葉を返さなきゃいけないみたいね。
   そこまで身の程知らずの単細胞だったなんて、分からなかったわ。
   もっとお仕置きが必要みたいね。 」

ああ……そういえばさっき言ったわね、身の程知らず。
何が気に入らないのか知らないけど、こんなやり方で人を叩きのめしておいてよくここまで言えるもんだわ。
この上まだ何かしようとしてるみたいだし…
顧問の河東先生も他の先生方も私とはすみを信用してくれてるから、先に帰ってしまっている。助けは期待できない。
どうしたものかと思案していたその時。


485:ミスト
07/09/27 03:58:22 2zne6joQ
 ―― ガラガラガラ… ――

何の前触れもなく、出入り口の戸が開く音が静寂を切り裂いた。全員の視線が出入り口の方に集中する。

 「 せ…せっちゃん………? 」

そこにはさっきまで一緒に練習をしていた、私の一番の友達の姿があった。
一瞬、何故ここにいるのかと驚いたが…あの忘れ物の事を考えればすぐに当然だと思い直した。
一度家まで帰ったものの、忘れ物に気付き戻ってきたのだろう。鞄は持っていないが制服姿のままだった。
はすみは驚いた表情で固まっている。

 ( この状況は…まずい! )

とにかく私は安心する間も無く叫んだ。

 「 は、ぐっ…!、はすみ、逃げて!! 」

私の声を聞いたはすみはすぐに踵を返しながら言った。

 「 待ってて! 」

助けを呼ぶという意思表示だ。

 ―― ぐんっ ――
 「 …あっ。」
 ――ぱぐっ!!――
 「 ぅんっ!!!! 」

だが入り口近くにいた太った子に、走る出端を挫くように腕を取られて振り回すように引かれ、素早く、そして容赦なく
セーラー服の内側に滑り込ませるように懐に一発食らわされた。
私の位置からははっきりと見えた。彼女のちょうどおへその所に拳が丸々埋まったのを。
はすみの形の良いバストが揺れ、揃えられた両足が一瞬つまさき立ちになり、体はお尻をつき出すようにくの字になって振動した。
小さい口からは涎が ぱっと飛び散る。

 「 …ぃ……やぁっ……… 」

はすみはふとももをすり合わせるような内股になって自分のお腹を両手で抱くように押さえ、
切なげな表情のままそっと瞳を閉じ……頬に涙を伝わらせながら、殴った相手に支えられるように力無くしなだれかかる。
彼女の最大のウィークポイントであり、私との特訓の所為で既に弱っていた事も手伝ってあっさり気絶してしまったようだ。

 「 あはは、よっわーい! ほんとだ、聡美の言った通りだね。 」
 「 最近、試合で勝てなくなってたのもそこを狙われてたからだろうしね。
   でも弱点とはいえこんな簡単に気絶する程とは思わなかったけど。
   ……丁度いいわ、誰かさんのせいでこいつとも最近ご無沙汰だったし8人で遊びましょ。 」

 ( くっ…… )
ばれ始めていた事はわかってたけど、とうとう明らかにされてしまった。
聡美のグループからの、練習での虐めの的になるんじゃないかと思って知られないようにしていたのに…。
はすみは両側から二人に脇を抱えられるように羽交い絞めにされ、笑われていた。
ふと見ると一人の子が懐から何か取り出し、喋っているのがわかった。

486:ミスト
07/09/27 04:00:47 2zne6joQ

 「 こいつも目障りなんだよねー。見ててイライラするし…こんな奴が今No.2とか噂されてるんでしょ?
   ほんっと、うざいなあ。 」
 「 前から思ってたけど、このもみあげの長い毛、かわいいと思ってるのかなあ。切っちゃう? 」
 「 気絶しちゃったなら先に起こしてあげないと。…気つけにこういうのはどう? 」
 「 あー、いいね♪じゃぁ、私達もお腹の特訓のお手伝いしてあげよっか。 」

その手に光っていたのは…まっすぐ伸ばした安全ピンと思われる長い針。まさか…

 「 コレで…おへそを鍛えてあげないとね。 」

言うなり膝立ちになり、気を失ってだらんと支えられているはすみのお腹を片手で押さえて、針の先を可愛らしいおへその入り口に持っていく。
本当にふざけてる。針で刺す、なんて痛めつけるだけで特訓でも何でもない。小さな子供にだってわかりそうなものだ。
ぞわっと全身の毛が逆立つような感覚を覚え、怒りが込み上げてきた。

 「 ………待ちなさい。 」
 「 あん? 」

まだ少し痛む腹部に力を入れ、はっきりと言った。

 「 …その娘に…それ以上、手を出したら………ただじゃおかないから………!! 」

鋭く睨み付け、静かに。それでいて厳かにぶつける。
はすみには責められなきゃいけない正当な理由なんて無い。
まして、せっかく虐めから助けてあげたのに、また辛い思いをさせたくはない。そんな気持ちでいっぱいだった。
一瞬全員がビクッとしてこちらを見る…が、リーダーはすぐに平静を取り戻す。

 「 ……ふぅん……手を出したら、か。こいつには危害加えなければいいんでしょ?
   それなら、私達は楠瀬には手を出さないわ。 」

そう言うと、聡美は羽交い絞めにされているはすみの方に寄っていき、取り巻き連中に話しかけた。

 「 ……、持ってきて。それから縛り付けるの。 」 「 縛る? 」
 「 …あぁー、なるほど♪ あれをやらせるんだ。でも縛る道具どうするぅー? 」
 「 帯使えばいいじゃん。 」 「 よし。じゃあ、私持ってくるよ。 」

にわかに盛り上がった雰囲気で話す彼女らの内の一人が格技場を出て行く。なにやら動きが活発になってきた。
本間と他の3人は自分の道着の帯をほどきはじめた。
聡美は羽交い絞めにされているはすみを受け取って抱き、松本は嬉しそうにニコニコしながら横たわっている私の方に歩み寄る。
…何を企んでるのだろう。

 「 …何? 」

目の前まで来た松本に言う。
松本は私の問い掛けを黙殺し、歩いてきた勢いをそのまま利用するように私のお腹をつまさきで蹴った。

  ―― バスッ!! ――
 「 はうッ!! 」

突然蹴られた私は一瞬息が止まった。
インターバルがあったとはいえ、さっきまでお腹を痛めつけられていた私には今の不意打ちは堪えた。

 「 ぐっ…! げっほ!! えふッ、げほっ!! ケホ……う…うゥぅ~~~~…… 」

487:ミスト
07/09/27 04:04:53 2zne6joQ
私は後手に縛られている手でお腹を押さえられない代わりというくらいに、体を内側に思いっきり丸めて肩を震わせ苦しがる。
足も足首の所で縛られている為にもがく事もできない。痛みを紛らわす動作が取れないというのは、意外ときつかった。

私が痛がっている間に彼女らは、畳に二本の帯を平行になるようにまっすぐ並べる。二本の帯の間隔は30~50cmくらいだろうか。
そして、例によって本間が私の背後を取るように両脇から腕を入れるように抱きかかえて引きずり、
私の腹部が二本の帯の間に収まるようにに寝かせ直した。
私はお腹が痛くて抵抗らしい抵抗が出来ない。なるほど、さっき松本が私のお腹を蹴ったのはこういう事だったのだ。

 ―― どさっ! ――
 「 ぐっ 」

そしてすぐさま聡美が私の上に、私と向かい合わせになるように気絶しているはすみを乱暴に投げ捨てる。
すぐ近くに来たはすみの顔を見る…汗と涙と涎を残したまま眼を閉じているのが痛々しかった。

 「 ぅぐっ………はすみ…大丈夫? 」
 「 ……っ、……っ、…… 」

小声で話しかけるが、軽くしゃくりをあげているだけでまったく起きる気配が無い。
彼氏からもらった大事な物を取りに走って戻ってきたからなのか、おなかを気絶するくらい強く殴られたせいか…あるいはその両方か。
はすみの形の良い乳房に触れる私の胸と、はすみの可愛らしい口から吐き出される吐息がかかる私の頬が、
はすみの鼓動の早さ、呼吸の早さ…苦しさを教えてくれている。胸がずきん、と痛んだ。

そんな私の心中なんてよそに聡美達は手を休めず、私達を取り囲むように並ぶと
私達の足側にいる二人が先程、腰からほどいた帯で私とはすみの左右の足首をそれぞれ合わせて固く縛る。
次に私の後ろ手に縛られている帯をいったん外すと、やはり私とはすみの手首を合わせて固く縛り上げた。

つまり私とはすみの体、両者の正面を合わせて固定する為に左右の手足、計4箇所を拘束したのだ。
私とはすみは15cmくらい身長差があるのでリーチの差もそれなりにあり、
私は少し肘と膝を曲げられる状態だが、どちらにしろこれでは身動きが取れない。
何より気になるのは私の背中の…畳に敷かれている二本の帯。
今の状態で抵抗する術は十分奪われているはずなのにどう必要になるというのだろう。

聡美達が私達を縛っている間にさっき格技場を出て行った子が戻ってきた。

 「 持ってきたよ、聡美。 」

その手にあったのは一個のバレーボール。
バレーボールなんて持ってきてどうするのか…理解に苦しむ。いくら固くても投げつけられた所で高が知れている重量だ。
バレー部員のサーブやスパイクならあるいはわからないけど…今、取り囲んでいる連中の中にそんな真似が出来る子がいると思えない。
聡美が持ってきたバレーボールを受け取ると、バンっ、バンっ、と空気圧を確かめるように何回か掌で叩く。

 「 大丈夫だよ、念の為に空気は入れ直してきたから。これ以上、入んないくらいね。 」
 「 オッケ、わかってるじゃない。 」

満足そうに笑ってそう言うと、ボールを持って私達の方に向き直す。

 「 じゃ、ひっくり返して。 」

その指示に従い、松本と本間が…私がはすみの上になるように私達を横に半回転させる。
私がはすみの上に乗る形になった所で、松本が私達の上にまたがるように立ち、
はすみの体に密着している私の体を引き離すように、お腹の所を両手で持って私の体を持ち上げた。

488:ミスト
07/09/27 04:05:50 2zne6joQ
 「 んしょっ。 」
 「 ぅ…んっ、くぅ…… 」

みぞおち、わき腹、おへその所、下腹部…先程まで責められていた私の腹部全体がほのかに痛みを訴える。
気絶していた間にダメージはだいぶ回復しているが、とても完全とは言えない。

ある程度私の体がはすみから離れた所で、聡美が持っていたバレーボールを私のお腹の下…つまり、はすみと私のお腹の間に入れる。
入れるとほぼ同時に、私の背中と畳の間に敷いておいた二本の帯で私達の胴体を固く固定する…バレーボールが外れないようにする為だ。
なんとなく意図が分かってきた。
ぎゅっ、ぎゅっ、と念を入れて引っ張り上げるように縛る…私は、気を失っているはすみが苦しく無いよう
若干、肘と膝を立てて四つんばい状態を取るようにしているが、やはりそれでもはすみのお腹も圧迫されているので
帯が締まる度にはすみは眉をしかめて ふっ、ふっ、と押し出されるように息を吐いていた。

私達を拘束する作業が全て終わった所で私は聡美に念を押した。もはやどういった類の事をするかわかってはいるが。

 「 ……はすみには危害を加えないのよね? 」

彼女は嘲笑気味の笑みを浮かべて答えた。

 「 加えないわよ私達は。そうね…今この場で楠瀬に危害を加える奴がいるとしたら、あんたかしら。 」

やはりそういう事か。
私の腹部にあるバレーボールは空気が限界まで詰まっているだけあって、意外な固さを感じさせていた。
今、私が上から攻撃されたとしたら…気絶したままのはすみが危ない。

 「 はすみ…お願い、起きてはすみ…! 」

私ははすみの耳に口を近づけ声をかけたが気がつかない。
その時、

 「 いつまで寝てんだよ、起きろっつってんだろ! 」
 ―― パグッ!! ――

取り巻きの一人…さっき私のお腹を殴ってくれた上に逃げようとしたはすみのお腹を殴った、太り気味の子が
私の目の前にあるはすみの顔…頬を、思いっきりフック気味に殴りつけた。

 「 なっ!? 」
 「 ぅ…うう、……………? 」

その一発ではすみは呻きながら目をゆっくり開け始めた。
私は今殴った奴に強い怒りを感じていた為、はすみに声を掛けるより先にそいつを睨み付けた。

 「 なっ……何よ……… 」

私に睨み付けられて後ずさりする、ボブカットの太った少女。
こんな名前も思い出せない…こんな奴にはすみが殴られたなんて。

 「 ………あなた、名前なんだっけ。ごめんなさいね、あまりにも目立たないから今まで興味無くて。 」
 「 こ……っ!? 」

489:ミスト
07/09/27 04:08:44 2zne6joQ
私の無礼な言葉に一瞬、怒りに顔が紅潮する。だけど知った事じゃない。私は繰り返し聞く。

 「 名前。 」
 「 ………高木、風子。 」
 「 高木ブーね。確かに覚えたわ、もう下がって良いわよ。 」
 「 ……ッ!! 」

私の言葉に、高木と名乗った少女は顔が真っ赤になり、周りの全員は思わず押し堪えるように吹き出す。
禁句だったのだろうか。まあ、私にとってはこれもどうでも良い事。それより…

 「 いきなり約束が破られたワケだけど、これはどういう事? 」

リーダー・聡美にクレームをつける。聡美がイラついたような表情で手をひらひらさせて高木に「下がれ」の合図を送ると、高木と名乗った少女はすごすごと私達から離れる。

 「 あんたのヌルいやり方じゃ、夜が明けるわよ。手伝ってあげただけじゃない。
   それとも、あの状態のままで良かった? 」

私の方に向き、真面目な顔でそう言った。
確かにあのままでは余計に危ないし、はすみも起きなかったかもしれない。だが、どう考えても納得がいかず聡美の顔を睨み付け続けた。

 「 …せっちゃん、これ…? 」

聡美の方に意識が行っていた私に、不安そうな顔で下からはすみが話しかけてきた。
はすみはまったく状況が掴めず、私と向かい合わせに張り付けられているという状態に混乱している様子で、
私と一対になった手足をもぞもぞと動かしていた。
そうだ、とりあえず話してあげないと。

 「 はすみ、気をしっかり持って。とりあえず…お腹の力は絶対に抜かないでね。それと… 」

それと…何を話したらいいんだろう。こんな状態で。
何をされるにしても、対抗できる手段も突破口も皆無に等しい。何をしてあげられるわけでもない。
今思う事…そう、それは、

 「 …こいつらは、私が絶対に許さないから。 」

私は、はすみの目を見てはっきりとそう言った。
はすみはいつものあどけない無垢な表情と綺麗な瞳で、きょとんとして私を見つめ返している。
私ははすみの方を向いている為、周りの子達がどういう反応をしているかどうかは分からないが…なんとなく張り詰めた雰囲気を感じた。
そしてこういう時に必ず静寂を絶つのがリーダーの聡美。案の定、聡美は行動を起こすべく指示を出した。

 「 さあ、それじゃ第2ラウンド行きましょ。さっきの続きからだから、あんた行っていいよ。 」
 「 え…!? う、うん… 」

聡美がショートカットの子にそう命じる。ショートカットの子はなんとなく気が乗らないような感じで、おずおずと私達の横に立つ。
だが、何もして来ない。私の言葉に恐れを成したのだろうか?
酷い事を平気でやる癖にやり返されるのは想定してないなんて呆れたものだわ。

 「 何、ビビってんのー? 次が控えてるんだから早く早く。
   どうせもう、私に敵うわけないんだから構わないでいいよ。 」

どうせもう敵うわけがない…の意味がわからない。聡美と私の実力差がある事に変わりは無いというのに。
まあ良いか。組み手や試合になればわかる事だし、今はいくらでも言わせておいてあげるわ。
それよりも現状の対策を考えないと…今、はすみを守ってあげられるのは私だけなんだから。

490:ミスト
07/09/27 04:10:31 2zne6joQ
聡美の言葉を聞いて、迷っていたショートカットの子はようやく動き出す。
私の視界の端に辛うじて映っていた彼女の二本の足の内、一本が視界から消え、
私の下になっているはすみの表情が強張った。

 ( 来る! )

 ―― ドキャッ!!! ――
 「 んくッ! 」「 きゃ゚ぅッ!! 」

私の背中…丁度ボールの上付近を、上から体重を乗せて強く蹴るように踏みつける音。
蹴りにより沈む私の胴体。
私とはすみのお腹で挟み込んでいるバレーボールが、力の逃げ場を求めて暴れるように弾む衝撃。
お腹をバレーボール大の拳で寸打されたような感覚を覚え、同時に響き渡る私とはすみの呻き声。

そう、手足と胴体を縛られている私とはすみの、お腹で挟んでいるこの硬いバレーボールが何より厄介だった。
背中を蹴られても私からボールに、ボールからはすみのお腹に…更には私のお腹にも反動が返ってくるという仕組み。
元々お腹が弱いはすみは言わずもがな、今の私にとっても弱点となっている箇所にダメージを重ねるつもりなのだ。

 ―― ドムッ! ――
 「 ぐゥっ! 」 「 あぅ゚ッ!! 」

二発目の蹴り、というより踏みつけが入る。一撃目と同様に私とはすみが押し出されるような呻き声をあげる。
はすみは下になっているから相手の体全体が見えるので、蹴られるタイミングはわかると思う。
私は、背中に足が触れるのを合図にし、腹筋を固める事にした。
タイミングを合わせて腹筋を固められれば、いくら固くてもバレーボールで大きなダメージをもらう筈は無い。
私は息を溜め、目を閉じ、自分の体のコントロールに集中した。

   ―― バンッ!! ――
   「 フッ! 」
背中に足が触れると思った瞬間、息を吐いて腹筋を固めた。さすがに三回目ともなるとタイミングは完全に合う。
私の腹筋は絶好のタイミングで最硬化し、お腹にめり込もうとするボールを全力で押し返した。 だが…
   「 ぎゃぷッ!!!! 」
目を閉じている私の耳に予期せぬ声が飛び込んで来た。まるで蛙を潰した時の断末魔のような…そんな声。
思わず目を開ける。私の視界にあったのは酷く驚いたような表情で痛みに打ち震えるはすみの泣き顔だった。

 「 ぅ……あっ、…あっ、…あっ、…… 」
 「 はすみ!! 」

はすみはめいっぱい開いた瞳から新しい涙を溢れ出させ、口をぱくぱくさせながら必死に耐えている。
私の手首と足首、それからバレーボール越しに振動が伝わってくる…はすみは痙攣する程のダメージを受けていた。

 「 はすみ、はすみ… 」

私は罪悪感を覚えた。私が腹筋を固めて痛みをやわらげた分、皺寄せは私より遥かにお腹の弱いはすみに行ったのだ。
はすみがボールに押される力に負けた際、蹴りの威力+私の体重がもろにはすみのお腹にかかる仕組みになっている…
しかも今気付いたけど、はすみと私の目線が一緒という事は…私は みぞおち~お腹の真ん中 辺りにボールが当たっているが
私とはすみは身長差があるので、はすみは お腹の真ん中~おへそのあたり、つまりはすみが嫌がる部分にボールが当たっている可能性があると思われる。
ここまで考えてこの拷問染みた責めを思いついたのかどうかわからないけど、思っていたよりずっと最悪な状態だった。
これでは私は耐える術があるけどはすみが耐え切れない。
“ そうね…今この場で楠瀬に危害を加える奴がいるとしたら、あんたかしら。”
さっきの聡美の言葉が幻聴のように私の耳に響く。ただ単に私越しにはすみが痛い思いをするというだけでなく、この事を指して言っていたのだ。

 「 はすみ、ごめん…ごめん… 」
 「 あっ……うっ、だいじょうぶ。……だいじょうぶ…… 」
 「 どう? 良いでしょコレ。元々は楠瀬の為に用意してあげてた物だけど、せっかくだからあんたにも楽しませてあげる。
   ああ、腹筋勝負なんだから勝った方は何も気にしなくていいのよ。負けた方は弱いからいけないんだし。 」

491:ミスト
07/09/27 04:16:09 2zne6joQ
再び上から聡美が話しかけてくる。一見正しい事を言っているが、状況が間違っている。
それとも、この状況自体が私…私達が負けてるからいけないと言うのか。

 「 …あなた達は楽しい? 競い合いとはとても呼べないようなこんな状況が。 」
 「 ん? 楽しいに決まってるじゃない。あんただってそうでしょ、何で格闘技なんてやってるのよ。
   相手を思う存分叩きのめせるからでしょ? 叩きのめして勝てるからでしょ? 武道を何だと思ってるのよ。 」

私にとってはとんでもない事を言う。相手に勝てればいい武道なんて、今の時代に必要とは思えない。
そもそも、これのどこが武道だと言うのか。ここまで考えが違えば話しても分かりあえる気はしない。
彼女は同じように叩きのめされて負けるまで意見を変えないのだろうか…危険な考えだ。

 「 ほら、もうお終い? もっと楽しみましょうよ。それとも交代なの? 」

聡美が言いたいだけ言って、ショートカットの子に話しかける。

 「 え………うん。ちょっと、今日は私…実は体調悪くてさ…。 」
 「 そうなの? そんな風に見えなかったけど。…ふ~ん、まあ良いわ。
   じゃあ、そろそろ智重いく? 押さえ役ばっかりで退屈だったでしょ、ごめんね。 」
 「 ………ん…。 」

声をかけられた本間がゆっくり私達の横に立つ。クールでポーカーフェイスなので心中が伝わってこないが、やはりやるらしい。
今度は体が大きい相手なのでもっと強い衝撃があるだろうが、腹筋に力を入れればはすみが辛くなってしまう…
私はお腹の力を極限まで緩め、はすみへの衝撃をやわらげると共に私自身の衝撃も減らす為に可能な限り肘と膝を立ててそちらに力を入れる。

 ―― ダムッ!!! ――
 「 がはぁッ!!! 」 「 うぐゥっ! 」

背中にめり込む足の裏、それ以上にお腹に食い込むバレーボール。肘と膝にも衝撃が来て痛む。
一瞬気が遠くなるほどの痛みに襲われ、今度は私もいっぱいに目を開き、口から涎を繁吹かせて呻く。
力を抜いていただけあって、ボールは今までと比較にならないくらいお腹にめり込んだ。
だけど、私が先に気を失うわけにいかない…もしそうなれば、聡美達ははすみに何をするか分かったものじゃない。

本間はその後もゆっくりしたリズムで私の背中を踏み続けた。
そして、数回踏まれた後…はすみが苦しみながらも何かを訴えるような表情で私を見ている事に気付いた。

 「 …ぐ……ぅ、……ぇっ…ちゃ……… 」 「 ぅぐ…。……? 」
 ―― ドグッ!!! ――
 「 ぐッはっ!! 」 「 ウぅうッ! 」
何度目かの容赦の無い踏みつけが襲う。何度目かの私とはすみの同時に飛ぶ呻き声。
その直後…
  「 う……うぅううぅぅ~~~…! 」
突然、はすみは、私の左の掌に右の掌を合わせてぎゅっと掴み、
ぐぐ…っと私の左腕を押し上げるように右肩を上げ始めた。

 ( !? )
 「 ん? 」 「 あん? 」 「 何? 」

取り囲む全員がその不可解な行動に、いったん動きを止める。

492:ミスト
07/09/27 04:17:10 2zne6joQ

 「 は…はすみ…? 何して…… 」
私は左腕から持ち上げられるようにグラっと体勢が崩れ始めたので
反射的にはすみの右手を押さえつけるように左腕に力を込めた。
だが、
  「 ゃ……だあぁぁ………!! 」
  ―― ぐぐぐっ……………べたぁんっ! ――

体が小さく柔和な印象の強いはすみからはとても想像できない位のものすごい力に負けて、
私はひっくり返されるように転がり、さっきまでの私とはすみの体勢が逆になった。
 「 ふうっ…、ふう…っ、ふぅ……っ。 」
荒い息をしているのが、私の顔にかかる吐息と、お腹に当たるバレーボールから伝わってくる。辛い体に鞭打って相当の力を使ったと見える。
この子は学校の成績はとても良いとは言えないが、頭は悪くない。私がとっていた行動と意図を察していたのだ。
蹴られ続け、自分のぶんまで痛い目に遭っている事に耐えられなくなった…という上で起こした行動だと悟った。
安っぽい自己犠牲にも似た友情ととられるかもしれないが、はすみはそんな事もリアルに考える…そういう子なのだ。

 「 ええぇー、マジ…? …きもーい… 」 「 なんか今のってさあ… 」 「 うん…なんか、やらしいよねー。 」

周囲から、わざと小声で話す声とクスクス笑う声が聴こえる。
そして聡美がニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら私達の頭側の方に歩み寄り、顔を覗きこんで話しかけてきた。

 「 ねえ、あんた達ってひょっとしてそっちの意味の仲良し? クスッ、
   我慢できないようだったら始めちゃっていいわよ、私達の事はお構いなく。 」

お腹にバレーボールを挟んだ状態とはいえ、密着した汗ばんだ体、漏れる喘ぎ声、ベタな女の同性愛を連想させるような合わされた掌、しかも片方は涙と涎まみれ。
そういう発想になるのは多分に分かるがそもそもこうさせたのは聡美たちだ。それを度外視して、とことん馬鹿にしてくれる。
だけど今の私は怒るよりも恥じるよりも先に、安心している部分があった。
先ほど私がそうしていたように、はすみも肘と膝を立ててお腹への負担を減らしたまま状態を維持している。
それにこの状態ならはすみに危害を加えない限り、約束がある限り、お腹への拷問も避けられるのだ。少なくとも二人とも回復の時間は得られる。

 「 ………………どうしたの? 」 「 ? 」

聡美が、さっきまで私の背中に蹴りを入れていた本間に問いかける。
問いかけられた本間はその言葉の意味を理解できないという顔で、聡美の次の言葉を待っていた。

 「 続けてよ。 」
 「 え? でも。……… 」
 「 早く。 」
 「 … 」

言われた本間はゆっくり足をあげ……はすみの背中に蹴りを入れ始めた。

 ―― ドカッ!! ――
 「 ぅぐうううっ!! 」 「 ぐぅッ!! 」

お腹にボールが激しくめり込む。私は痛みを必死で押し殺しながら、はすみの下から聡美に向かって叫ぶ。

 「 はぐ……!、はすみには手を出さない約束はどうしたの!?? 」

 「 何言ってるの? こいつから蹴られに来たのよ。このケースなら約束の範疇じゃないわ。
   あんたこそ楠瀬を盾にしておいて何言ってるのよこの卑怯者! 」

493:ミスト
07/09/27 04:20:05 2zne6joQ
自分がしてきた事を棚に上げて私に罵倒の言葉を浴びせる。

 「 ぐぅ…ぐっ、うっ、うぅっ! 」
 「 …! 」

その時、はすみが私の腕や足を避けるように肘と膝を完全な状態に立て、よつんばいの状態に体を起こした。
私の胴体は二本の帯ではすみの胴体にきつく縛り付けられているので、畳から数センチ浮き上がる。
 ( 何してるの…? )
腰辺りが浮き、若干反った状態になった私は顔をあげ、驚いた表情をはすみに向けた。
彼女はぷるぷると震えながら状態を維持し続けている。

 ―― ドカッ!!! ――
 「 うぐっ! 」

踏みつけの攻撃が再会される。今度は胴体が床に接していないのでお腹のダメージは無い。
しかしこんな状態では私を床から引っ張り上げる程の力を使っているはすみの体や蹴られている背中が長く持つわけがない。
聡美としても不本意な状態を許す筈はないだろう。だけど…はすみにだけ大変な思いをさせるつもりはない。次は私が…

   ――――――――

 ―― ドッ! ――
 「 ぐッ…う…! 」
本間が蹴るのをやめて次の子に変わってから更に数発の踏みつけが入った。
はすみにとっては通算で20発以上の背中への蹴りを受けた所だ。
だが、私の予想を大幅に上回り…はすみは今もずっとよつんばいの状態を維持している。
ここまでの力をつけていた事の驚きより褒めてあげたい気持ちより…私は胸を貫かれるような悲痛な気持ちで満たされてしまっていた。

 「 はすみ…はすみもう良いよ……土下座でも何でも言う事きいて許してもらおう? 」

私は込み上げてくる涙を必死に堪え、はすみに顔を寄せて小声で言った。
だけどはすみはぶるぶると体を震わせて、黙って状態を維持し続けるだけだった。
歯を食い縛る口からは少しの血が滲み、畳に接している腕や肘、膝などは擦り剥けて僅かに赤色に染まっている。
もう嫌だ、耐えられない。どんなに惨めな思いをしてもここから抜け出したい。
私は聡美に向かって、彼女にもわかる完全敗北の意思を示そうとした。

 「 ……ふう、粘るわねェ。そうだ、風子。ちょっと乗かって潰れるかどうか試してみて。 」
 「 あいよー。じゃあ、どいて。 」

私が意思を伝えるより先に、退屈そうにしていた聡美がケラケラ笑いながら高木にそう言うと、高木は走りながら突っ込んできた。

 「 待って! 私、もう……!! 」

言葉が届くより先に高木がはすみの背中を飛び越えるように高く飛び…その勢いで座るようにお尻からはすみの背中に落下する。

 ―― どしぃんッ!!!! ――
 「 フぐッッ!!! 」 「 ぐぶううぅうぅううっ!!!! 」

耐えられるわけが無い。
はすみのよつんばいは難なく崩れ、私の背中が再び畳につき、
お腹とお腹で挟みこまれた石のように硬いバレーボールはそれらの反動を味方につけつつ全てお腹への衝撃に変換させた。
その瞬間…衝撃が私の腹筋の力を上回り、ボールが私のお腹の中を目指してめり込もうとしする。
だが、高木が走りこんではすみの背中に飛び乗るまでの一部始終が見えていた私は、私の体は、
来るであろう激痛に反応し…腹筋を最大に固める事を無意識の内に行い、衝撃に負けつつもボールを押し返していた。
意識を飛ばされそうになる程の苦痛が私のお腹を襲ったが、今のような状況でもその程度に踏み止まれたのは日頃の稽古の賜物と言えるだろう。
私は……その身に付けた格闘家としての自分の反応を恨んだ。

494:ミスト
07/09/27 04:29:48 2zne6joQ

 「 んッ……んんんッ………んぐッ…!! 」

私の目の前にある、見開かれた目に涙をいっぱいに溜めた顔。
今にも嘔吐しそうなほどに頬を膨らませて唇を結んでいるはすみの顔。
彼女は私が跳ね返した分の衝撃をもお腹に受け、耐え難い痛みに体を震わせていた。

 「 ッ! ………………ブぶばッ!!! 」
 ―― ぱしゃあっ! ――

吐き出すまいとしていた彼女の口が開かれ、半透明の液体が大量に私の顔にかかる。

 「 せ……ゃん、ご……なさ…ぃ…… 」

謝罪を述べようとしたと思われる言葉を途切れ途切れに紡ぎながら、彼女は私の肩に くてん、と頭を垂れ…そのまま動かなくなった。
何を謝りたかったのだろう。私の顔に向けて吐いてしまった事? そんな事、今はどうだっていいのに。

 「 ぅ…あ、ああ……… 」

気絶して痙攣を繰り返す彼女の体を抱きしめてあげたい気持ちになったが、繋がれた体ではそれは出来ない。
私ははすみの体液で濡れた顔で呆然と天井を見つめながら………我慢してきた涙を溢れさせてしまった。

 「 ああ、終わりかあ。さて、どうしよう……とりあえず、もうほどいていいか。 」

聡美はあくまで自分のペースで場を進めていた。本当に、何故ここまで酷い事が出来るのか…と思う。
ただ、それでも私は彼女を怖いと思わない。思わないが、こんな事はもう終わりにして欲しいと強く願った。

 「 ……お願いだから、もうやめてよ……お願い。何でも…するから…… 」

拘束から解かれた私は、未だ酷い痛みを訴える、痣だらけのお腹をさすりながら彼女にお願いした。
聡美はやはり嘲るような微笑を湛え、少し考える素振りを見せてから、私に条件を突き付ける。

 「 …ふぅん。じゃあ、最後に私が思いっきり腹に入れるから、あんたはそれを力を入れずに受けて立っている事。
   別に言う事聞いてあげる必要なんてないんだけどせっかく聞いてあげるんだからね。あんたちゃんと耐えなさいよ? 」

お腹の力を入れず、思いっきり殴られる。正直、耐えられる自信は無い…普通に考えて、どうやっても無理だ。
だが…

 「 ………いいわ。 …でも、絶対に約束して。これに耐えられたら…私達に手を出すのを終わりにするって…… 」
 「 交渉成立。これで最終ラウンドよ、始めましょうか。 」

受けるしかない。今は。これで全て終わりになるなら安いものだ。今は、そう思う。
松本に立たされた後、羽交い絞めにされる。聡美は助走をつけて殴るつもりのようで私と距離を取る。
距離を十分に取った所で、聡美は私一声掛けてからゆっくり私との距離を縮め始めた。

 「 そうそう、 」

聡子は不敵な笑みを浮かべながら歩を進める速度を速め、勢いをつけながら私に一直線に走り込んでくる。
そしてこう言った。

495:ミスト
07/09/27 04:57:07 2zne6joQ

 「 口約束ってさー、約束して無いのと一緒なんだよね。 」
 「 !! 」

それは私の願いを却下するという意思表示。
それでは、今から私が受ける暴行は何の意味を持つのか?
こんなに馬鹿げた事は無い。冗談じゃない。そう思った私は羽交い絞めを振り解こうともがく。
羽交い絞めにしているのが松本なら、振り解くだけの技量は十分持っている。だが出来なかった。
度重なるお腹へのいじめにより、腹筋だけでなく体力も限界を迎えており、その力も失われていたのだ。

大事な友達をいたぶられ
自分の力で状況を打破する事も出来ず
出来る事と言えば、ただ目の前の最低な光景を目に焼き付ける事のみ。

 「 あ………あんたはああぁーーーっ!! 」

屈辱感と悔しさと怒りのあまり、私の目から涙が溢れ出す。走りこむ聡美の姿が徐々に歪んでゆく。
そして聡美が背を向けたのとほぼ同時に、私の視界は涙で完全に塞がれた。

 ―― ばくゥッッッ!!!! ――
 「 ッぎゃふッッ!!!!!! 」

直後に私を襲った最悪の痛み。
私の体は後で押さえる松本の力を物ともせず、聡美の右足を挟み込むようにくの字になった。
何をされたのかは視界が遮られていても十分理解できた。先程も放たれた彼女の持つ最も威力のある得意技、飛び後廻し蹴り。
それを頭部にではなく、わざわざお腹に放ったのだ。
上段を蹴る為に上に跳ぶ力を、低空の横跳びに変換する事で威力を増した彼女の得意技は
私のみぞおちに寸分狂わず命中………弱ったお腹は聡美の踵の部分がまるごと私の素肌で隠れるくらいに進入を許していた。

 「 け゛ほ゛ぁ゛ッ !! 」

496:ミスト
07/09/27 04:57:49 2zne6joQ
羽交い絞めが解かれ、頭が地面に引っ張られるように、前方に傾く。
あまりの激痛に私の脳は、真っ先に両手でお腹を庇う事を選んでいた。
吐き出す大量の嘔吐物を宙に舞わせながら頭から倒れ、私はお腹を押さえて足をばたつかせながら畳の上を転げまわった。

 「 がはあああっ!! たす、け、あふっ!!、がふっ!!!、
   い゛た゛ぃ゛!!、 い゛た゛い゛よ゛お゛!!!!
   ごぶッ……!!!
   ぃや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!!!!!! 」

絶えず私が吐き続ける体液がかかる、頬、首、胸。
絶え間なく溢れる涙と痛みに塞がれて歪む、回る景色。
のたうち回る体に触れる畳と、自分の生のお腹を押さえる手の感触。
壊れたようにばたつかせる足の疲労。
まるで赤ちゃんみたいに火のついたように泣き叫ぶ私の泣き声、周囲からの嘲笑、それらを聴き取る私の耳。
その全てが霧がかかったように曖昧になっている。


    おなか、いたい  くるしい  たすけて


今、それだけが私の中に渦巻いていた。
私の頭に送られ続ける、信じ難いお腹の激痛のシグナルは思考はおろか、
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚……五感の信号の受信さえも妨げていた。

目も見える耳も聴こえる。でも周囲の状態を把握できない自分の状態さえ把握しきれない。
そんな異常な状態も、苦痛に極限まで体力を奪われ……やがて終わりが訪れた。
その間際、私は僅かながら思考する力だけ取り戻していた。

“ 痛い……こんなヤツらに……恥ずかしい。ハズカシイ、いたい。イタイ、許せない。ユルセナイ、ごめん…はすみ、助けてあげられ……― ”

屈辱感。無力感。憤怒。そして死んでしまいたくなるような激痛。
その全てを抱えながら私の意識は闇へと沈められた。


   ―――― TO BE CONTINUED ...? ――――

497:ミスト
07/09/27 05:01:06 2zne6joQ
自分もかなり長くなってしまってごめんなさい(汗)

498:名無しさん@ピンキー
07/09/27 07:27:14 eCy6HuWL
GJ!
まさに完璧なまでの敗北テラエロス!しかもまだ続きがあるなんて…。
なんかいきなりSS大豊作になってきて、さすが実りの秋、涼しくもなる筈だわな。

あんまり自分を卑下せずにミストさんには頑張って欲しいな。
お疲れ様でした!

499:名無しさん@ピンキー
07/09/27 10:47:08 7CmpW6G/
>>497
おお、続きひそかに楽しみにしてましたw
確かに長いけど、読み応えあるしあまり気にしなくていいのでは。

なんか前回より文学的な文章になってる気が・・・

500:ミスト
07/09/29 18:09:59 lP/Joq5o
>>498さん
ありがとうございますw 続きにしたのは、シリーズ物に挑戦したかったのとまだ色々できそうな気がしたので…
あと、なんか死んじゃったみたいな終わり方になったので…(ぉ

>>499さん
お褒めに与り、ありがとうございます。
文章は考え考え入れてるのでその分遅くなってしまいそうです(^ ^;
でも、少しでも進歩してるのかと思うと嬉しかったですw

お二人とも、感想と温かいお言葉ありがとうございました。
腹パンフリークの人が今よりもっと満足できる作品に出来るよう頑張りますね。m(_ _)m

501:名無しさん@ピンキー
07/09/29 18:15:41 hIpNjXKQ
あれだけ濃厚なシチュ展開して尚まだ書きたい事があるってのは凄いな。良い事だぜ。
やっぱ雑談ってのもネタ拾えたり、モチベーションが上がったりで捨てたもんじゃないよね


502:名無しさん@ピンキー
07/09/29 20:55:04 S7cumlw2
責め甲斐ありそな腹のキャラいない?

503:名無しさん@ピンキー
07/09/30 05:37:31 ZCFnuWVk
俺、俺

504:名無しさん@ピンキー
07/09/30 11:39:03 JaJ8wiwc
>>497
今全部通して読み終わったぜ
すっげえ迫力

まあ、強いてリクするなら、自分的に責められヒロインの年齢はもちっと高め
くらいの方が

505:名無しさん@ピンキー
07/10/01 00:51:56 UcoAp0Qr
>>104
これぁイイ腹だねえ
拳をずっぽり埋め込んでやりたいぜw

506:名無しさん@ピンキー
07/10/01 01:23:10 vKdCibUa
>>497
GJ
最後の反応がツボ

507:名無しさん@ピンキー
07/10/04 03:33:13 gKZiQnKv
何か落ちそうな気がするので保守age

508:ミスト
07/10/05 21:18:12 yse4VQHx
しばらく来れなかったですが…まだ、感想くださる方が居てくれて嬉しかったです、ありがとうございますw

>>501さん
ありがとうございます。ここやまとめサイトにアップされる皆さんの作品、絵師さんの作品で
無駄にストックばかりが…指が追いつかない(汗)
書く側に回ってみてわかったのですが、雑談は、ある種書く人に目安的な物を示してくれる部分もあると思うので、
そういう意味でもいいかもしれないですよね…結局最後は書く側の趣味に走っちゃうんですけど_| ̄|○|||

>>504さん
最初から通して読み直してくださったんでしょうか…ありがとうございます!
今に見てみると色々と粗があって恥ずかしいですが(苦笑)
年齢に関しては…簡単に言うと、行動に相応しい年齢と人気のある年齢の間をとったら中3になりました(^_^;
確かに、もうちょっと上の方がいいだろうなあとは思ったのですが…とりあえず、意見ありがとうございますm(_ _)m

>>506
ありがとうございます。実は最初に出来たシーンで力を入れた部分でもあったので嬉しいです♪


ところで以前、おなかのどの部分を責める&おなかをどういう風に責めるのが好きなのかという質問をさせて頂きましたが、
今回>>504さんの仰る事を聞いている内に湧いた疑問が浮かびましたので、
もしよろしければ参考までに、お返事頂けると嬉しいです。

Q1:このスレを見てらっしゃる方のヒロインの年齢的な好みって…大体どれくらいなんでしょう?
Q2:最後に死んじゃうのはアウトでしょうか(汗)

っていう事なんですが(^ ^;
今書いてる物はもう今のまま進行するしかない状態ですが今後の参考にさせて頂きたいですm(_ _)m
書いてる内に、「地下室で強制的に戦わされる」っていうのも浮かんだんですがなんかどう想像しても最後に死んじゃう…(汗)

509:ミスト
07/10/05 21:19:57 yse4VQHx
湧いた疑問が浮かびましたので
    ↓
疑問が湧きましたので

の間違いです、失礼しました(汗)

あと、なんかいつも長くなっちゃってすみません(^_^|||

510:名無しさん@ピンキー
07/10/06 05:42:53 cx7Mx/8v
俺は基本的には何でも良い。

ただ明確に自分の腹責め属性を自覚できたのが悠理愛のキューティーハニーの同人誌を読んでからなので、
できればハニーぐらいの年代が好み

あとその同人誌読んでる時はむしろもう死んじゃえよとすら思っていたんで死んでもOK
最低でも再起不能なダメージを負ったぐらいが俺の好み

あとは…まあ一度自分が思うままに書いてみて欲しいな
その思い切りが腹を殴るという事に魅せられた者らの醍醐味だよ

511:名無しさん@ピンキー
07/10/06 13:52:16 1/5AtvV9
腹責めが似合うw キャラっていうと

※クイーンズブレイドのクローデッド
※デビルメイクライ2のルシア
※クラナドの坂上智代(ビジュアルは駄目だけどキャラの設定的にw)
※ダーカーザンブラックの霧原未咲

ってとこかな 年齢的にも、まあ、こんくらいの、
強いヒロインが腹責めで無残に。。。みたいな

死ぬというか、
瀕死状態で腹を押さえて白目剥いて吐血しながらビクビク・・・
くらいでひとつ >>508さん

512:名無しさん@ピンキー
07/10/07 01:46:00 nI+hRAxj
>>508
簡潔に
1.ババアでなければだいたいOK
2.ダメとは言わないけど、毎回それだとちょっと芸がないのでは?

513:名無しさん@ピンキー
07/10/07 19:04:43 nI+hRAxj
なんか保守しないとヤバい気がする

514:名無しさん@ピンキー
07/10/11 16:34:58 o+ArcmW9
気合い入れた保守パンチ

515:名無しさん@ピンキー
07/10/14 03:24:52 wXShL19C
時期的にもそろそろ切腹ネタSSを希望

516:名無しさん@ピンキー
07/10/14 10:36:37 wQ7PWddE
亀田じゃないけど、なんかギャグって言うかシリアスな話が思いつかない俺ガイル

517:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/15 16:40:42 2IwX1Vpa
>>515
希望に応えて書こうとしたけど無理でしたごめんなさい。
ハードル高いわー。


今年は充電するとか言っちゃったけど、
なんかネタ浮かんだので戦隊ものでも書いてみようと思います。
また例によって長くなりそうなのでちびちびと投稿させて頂きますが、
しばしのスレ汚し&忌憚の無い意見よろしくお願いします。

518:頼みます
07/10/15 20:46:45 zbG2qyiT
昔の腹パンチ掲示板で魔神英雄伝ワタルの忍部ヒミコがワタルや先生のお腹を殴られて吐血したりする絵があったんですが、保存してらっしゃる方いたらうpしてくれませんか??お願いします。

519:名無しさん@ピンキー
07/10/16 01:03:23 Ufn1D4nV
>>517

おお~~期待MAX!

しかし切腹までいっちゃうとねえ・・・さすがに人を選ぶかも

520:名無しさん@ピンキー
07/10/17 23:53:42 eFk/+DCW
今週のマガジンのフェアリーテイルで腹蹴りあり。
最近マガジン豊作だなw

521:名無しさん@ピンキー
07/10/19 02:08:46 ijJCaASo
仕置き人さんのサイト更新されんなぁ…ずっと待ってるんだが…

522:名無しさん@ピンキー
07/10/20 01:23:36 BsiDFkcX

イイ腹めっけw
URLリンク(www5a.biglobe.ne.jp)
こいつぁ責め甲斐あるぜ

523:名無しさん@ピンキー
07/10/20 15:13:27 nhHDCzOE
最近まとめサイトの更新されないね。
管理人さんどっか行っちゃったのかな?

524:名無しさん@ピンキー
07/10/20 18:40:31 2W1+Eu3+
腹パンサイトってほとんど更新されないしなぁ

525:名無しさん@ピンキー
07/10/21 12:22:21 EK9lOdBR
>>521
ここで言ってもしかたないだろ
本人サイトで言ったら?

526:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:52:04 vYrFCeCm
『美少女戦隊イリティスファイブ!』

「きゃあああぁぁぁっ!!」
よく晴れた青空を突如つんざく、人々の絶叫。
白昼の往来に爆音が響く。
「はははははは!! 怯えろ人間ども!!」
関東某所の、とある国立銀行。
広々とした中央ロビーに堂々と立った大巨漢は、恐怖に震える人々を見ながら笑い声をあげた。
大男の腕には、滑稽なほど巨大なバズーカランチャーが軽々と抱えられている。
「怯えろ怯えろ。おっと忘れてた。お前ら、怯えるのもいいが、金を持ってこい。
 ここにある現金ありったけだ。早く持ってこないと、お前ら全員こうだぞ!」
そう言いながら無造作に振り上げた腕を振り上げると、近場のデスクに撃ち下ろす。
凄まじい破砕音を立て、金属製のデスクと椅子がひしゃげた。
巨大バズーカを片手で振り回す腕力もそうだが、到底人間とは思えない。
再び人々が悲鳴をあげるのを見て、大男はげらげらと笑った。
「やっぱり金よりこっちだな。そうだそうだもっと怯えろ。
 このシグマ様は、お前らの怯えた顔が三度の飯より大好きなんだよ」
シグマと名乗った男は楽しくてたまらないというようにバズーカを掲げると、真上に向けて発射した。
凄まじい衝撃と共に天井が爆砕し、中の鉄骨が音を立てて崩れ落ちる。
「ふ、ふえぇっ……」
奥の長椅子に座っていた幼稚園児ほどの少女が、我慢できずに泣き声をあげる。
耳聡くそれを聴きつけ、シグマはじろりと少女を睨みつけた。
「おお子猫ちゃん。俺が怖いか」
「こ、こわぁいぃ……」
目いっぱいに涙を溜めて、少女はぶんぶんと首を縦に振る。
「そうかそうか。正直だな」
シグマはほくそ笑んだ。
「よし、正直者の子猫ちゃんには御褒美をくれてやろう」
「ぴゃ……!!」
バズーカランチャーの巨大な砲穴を向けられ、少女の表情が引き攣った。
「やめてえっ!!」
隣に座っていた母親が弾かれたように少女を抱き寄せ、自らの背をシグマに向けた。
「お願い、この子だけは……」
「おいおい、どけよ母ちゃん。そいつの怯えた顔が見えないじゃないか」
シグマは無情にも母の背中に照準を合わせる。
「どうしてもどかないんならしょうがない、親子揃ってふっ飛ばしちまうか。せーぇのっと」
悪意に満ちた笑みを浮かべたシグマが、バズーカを発射しようとした瞬間だった。

527:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:52:46 vYrFCeCm
「待ちなさいっ!!」

悪漢の背中に、鋭い声が浴びせかけられた。
「ああ? 誰だ、俺に指図するのは!!」
怒鳴りながら振り向くシグマ。
「……お前らは……!!」
しかし、そのシルエットを捉えるとその表情が一変する。
いつの間に出現したのか。
ロビーの入り口扉の前に、5人の少女が立っていた。
艶やかな光沢を放つ、スカート一体型のワンピースタイプボディスーツに、大きな金属バックルの付いたベルト。
その上半身には、軽く羽織った薄手のアウタージャケット。
極ミニのフリルスカートの下からは、同じく艶のあるゴムスパッツが覗いている。
5人の服の形状は全く同じだったが、その身に纏ったボディスーツの色は、
赤・青・緑・黄・ピンクと、鮮やかな5色に分かれていた。
また、その手に持った武器も、剣、鞭、弓と、それぞれ差異が伺える。
「イ……イリティスファイブ……!!」
シグマの口から煮え滾った声が漏れる。
彼女たちこそ、世界の平和を守ると称する超法規的機関イリティスの特殊戦闘部隊、イリティスファイブ。
シグマ達の、最大の敵。
「そこまでだ、ギーガメーソンの尖兵。私たちイリティスが来たからには、お前たちに悪事は許さない」
青を纏った長身の少女……イリティス・ブルーが、冷たい声で言った。
「ふん。このギーガロイド・シグマ様に、舐めた口を利きやがる」
イリティスとは全く真逆、世界の秩序を破壊し人間を滅ぼそうと画策する秘密結社・ギーガメーソン。
シグマの正体は、ギーガメーソンによって作り上げられた生体兵器・ギーガロイドだった。
「俺は今までのギーガロイド達とは一味違うぞ。死ね、イリティス!!」
言うなり、ギーガロイド・シグマは巨大なバズーカランチャーの筒先を5人に向けた。


528:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:53:30 vYrFCeCm
「ピンク!」
「はいっ!」
ブルーが素早く命令すると、イリティス・ピンクがその手に握っていた長弓に矢を引き絞った。
放たれた白く輝く矢は、吸い込まれるようにバズーカの砲口に命中する。
「ぐおぉっ!!」
バズーカが暴発し、シグマの手の中で砕け散る。
「イエロー!」
「任せて!」
武器を破壊され狼狽するシグマの懐に、イエローが俊足で飛び込んだ。
素手に見えたイエローの拳には、無骨な形状をしたカイザーナックルが装着されている。
「くらえっ、ライトニングナックルッ!!」
ばちばちと音を立て発光するイエローの拳が、正確にシグマの顎を突き上げた。
「ぐあああっ!!」
ナックル越しに流し込まれた超高圧電流は、シグマの頭部に深刻なダメージを与えた。
「こ、この雌豚……がっ!?」
何とか電流を耐え凌ぎ目の前のイエローに必殺の拳を撃ち落とそうとするが、急にその身体が動かなくなる。
「残念、捕まえたわよ」
イリティス・グリーンの腕から伸びた鞭が、隙だらけのシグマの身体を拘束していた。
「ぐっ、ぐおぉ! 放せえっ!!」
強靭な鞭はまるで意思を持った蛇のようにシグマを締め付け、一切の動きを許さない。
「止めだ。リーダー」
「うん、亜緒ちゃん!!」
ブルーの指示に、レッドは大きく頷く。
すらりと横に並んだ二人は、同時に剣を構えた。
レッドの炎剣が焔を立てて燃え上がり、反対にブルーの冷剣は、周囲の大気を凍らせてぱきぱきと音を立てる。
「行くよ、亜緒ちゃんっ!」
「……ああ、リーダー」
呼吸をぴったり合わせた二人は、動けないシグマに向けて突進した。
途中、灼熱の炎と凍てつく冷気に覆われた二本の剣が、まるで恋人同士のように寄り添い交差する。
「必殺っ! サイドリミットクロス!!」
極限の温度差の双剣が、シグマの巨体を同時に切り裂いた。
「ぐ、お、おあああぁぁぁぁっ!!」
断末魔の咆哮をあげ、シグマの身体は砕け散った。

529:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:54:05 vYrFCeCm
ギーガロイド・シグマが爆砕した煙が晴れると同時に、サイレンの音が聞こえた。
ようやく、警官隊が到着したのだろう。
「……悪は去りましたね」
イリティス・ピンクが安堵の溜息をつく。
「当ったり前だよ。5人揃ったあたし達は無敵だもんねー」
「……過信は禁物よ、イエロー。いつもそんな調子だったら、いつか足元を掬われるわ」
ガッツポーズをするイエローを、グリーンが嗜める。
「さて、ギーガロイドも倒したし撤収するか、リーダー。……リーダー?」
一人メンバーが足りないのに気付き、ブルーは辺りを見回す。
「……怖かったねぇ。でも、もう大丈夫だよ」
剣を収めたレッドは、震えていた女の子の前にしゃがみ込んでいた。
「怖い奴は、お姉ちゃんたちがやっつけたからね」
だが女の子は、警戒の視線でレッドの目を見た。
「……おねぃちゃんたちも、ちょっと、こわい」
レッドはくすりと微笑む。
「大丈夫だよ。お姉ちゃんは子供の味方だから」
さわさわと、その髪を撫でる。
「ほら、もう泣かないで」
「……うん。おねぃちゃん、ありがとぉ!」
「てへへぇ。どういたしまして」
ぺこりと頭を下げられ、レッドの顔に満面の笑みが浮かんだ。
「リーダー」
「ぴゃっ!?」
だがブルーに頭を小突かれると、その表情が情けなく歪む。
「な、何すんの、亜緒ちゃん……」
「リーダーの癖にさぼるな。任務完了だ、帰るぞ。あと、任務中は名前で呼ぶな」
「はぁい、ブルー……」
借りてきた猫のようにしゅんとするレッド。
何はともあれ、今日も少女戦隊イリティスファイブの五人は、
秘密結社ギーガメーソンの魔の手から社会を救ったのだった。



泥の底のように濁った薄暗い部屋の中に一人、少年は居た。
「…………」
その少年はただ無言で、目の前の液晶モニタに流れ続ける映像を見ている。
映し出されているのは射られ、殴られ、縛られ、そして斬られて倒された巨漢の姿。
そして。
『はぁい、ブルー……』
“……以上がお前の12番目の兄、ギーガロイド・シグマの最期だ”
記録テープは5人の少女が立ち去った所で終了し、どこからともなく重い声が響いた。
“13番目の我が子よ”
「はい、首領ギーガロード」
少年はやっと声を発した。
“奴ら……イリティスファイブをどう思う”
「強いですねえ。この人たちで遊ぶのはとっても楽しめそうです」
にっこりと笑って答える。
天使のように無垢な笑顔。
“それでこそ我が末っ子。もはやこの私をも凌駕しかねない最強の子”
重い声……秘密結社ギーガメーソンの首領・ギーガロードは笑った。
“遂に奴らの基地の場所を捕捉した。行け我が子よ。行って奴らを殲滅し地獄に送ってやるのだ”
「はい、首領。ちょっと遊んできますね」
鮮やかな銀髪を靡かせ、少年は立ち上がった。

530:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:55:15 vYrFCeCm
日の暮れなずむ、静かな午後。
制服姿の5人の少女が、並んで河川敷を歩いて下校している。
「それにしても先週のギーガロイドは、あんまり強くなかったよねー」
通学鞄を元気よく振りながら、山吹希美……イリティス・イエローが誰ともなく言った。
「せっかく正義の味方やってんだからさ、たまには強敵と死闘を繰り広げたいな」
「またそんなこと言って……」
翡村碧……イリティス・グリーンが口を開く。
「イリティスの活動をゲームみたいに言わないで。実戦では敵なんて弱い方がいいのよ。ねえ桃華?」
「はあ……そうですねえ」
のんびりとした口調でピンク、桜庭桃華が応える。
「出来れば、痛いのは遠慮したいですねえ」
「なにをぅ!? ももちんの癖にあたしに意見するなんて生意気な!」
「みゃっ!!」
希美は素早く桃華の背後に回り込むと、その胸を鷲掴みにした。
メロン大の豊満な巨乳に、希美のしなやかな指がむちりと沈み込む。
「くらえっ、ライトニング・ナックルー。びびびびび」
「みゃぁぁ! やっ、やめてくださいぃ……」
制服越しにむにむにと双房を揉みしだかれ、桃華は悲鳴をあげる。
「だ、誰か……亜緒さん、助けてぇ」
「……馬鹿馬鹿しい」
五人の中で一人群を抜いて背の高いイリティス・ブルー、水無月亜緒は冷徹に言い捨てる。
「付き合ってられるか」
「ひ、ひどい……じゃ、緋奈さぁん」
「んー。ちょっと待ってて。これ食べ終わったらね」
レッドことイリティスファイブのリーダー、暁月緋奈は、大事そうに持っているクレープにぱく付いた。
「んんっ、おいしいー」
「……太るぞ」
至福の表情でクレープを頬張る姿を横目で見ながら、亜緒が呆れた声で呟く。
「だって美味しいんだもん。……亜緒ちゃんも食べる?」
「え?」
「実は欲しいんでしょ。久しぶりに、昔みたいに半分こしよっか?」
「……いらん」
ずり落ちかけた眼鏡を持ち上げ、亜緒は首を振った。

531:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:56:19 vYrFCeCm
「……さて、私はここで失礼するわね」
そのまま並んで歩きながら何度目かの交差点に差し掛かると、碧は立ち止って後の四人に言った。
「えー? どうしたのみどりゃん。家まだあっちでしょ?」
「本部に寄って、日報書かなきゃいけないのよ」
怪訝な顔をする希美に、碧は澄ました顔で答える。
「そっかぁ。大変だね」
「人事みたいに言わないでよ、あんたがやりたがらないからでしょ?」
「えへへ、仰る通り。お疲れさまです、委員長」
「調子いいんだから。……じゃあ皆、また明日ね」
「ばいばーい」
手をひらひらと振って街に消える碧の後姿を、四人はいつも通りに見送った。
「……凄いよね、碧ちゃん。学校では委員長やりながら、イリティスでの事務もほとんど一人でやってるし」
クレープを食べ終えた緋奈が、ぺろりと指に付いたクリームを舐めながら言う。
「じゃ、あたしとももちんはこれから二人でゲーセン行くから、ここでお別れだね」
「そうですね」
希美が言い、桃華が追随する。
「ひなっちとあおあおはどうする? 何なら一緒に遊ばない?」
「うーん、ごめん」
緋奈は申し訳なさそうに笑って首を振る。
「今日は私、古文の宿題がどうしても分かんないから、家で亜緒ちゃんに教えてもらうの」
「そっかぁ。いいなあ何でも教えてもらえて。あたしも隣にあおあおみたいな頭いい子が住んでたらなー」
「……あおあお言うな」
亜緒は眼鏡を持ち上げながら眉をひそめる。
「じゃあ亜緒ちゃん、私たちも行こうか」
「……ああ」
「そんじゃね二人とも」
「ばいばーい」
緋奈と亜緒、希美と桃華は手を振って別れる。
こうして、イリティスファイブの5人はそれぞれの帰路へとついた。
数時間後に自分たちを待ち受けている、過酷な運命など想像もせずに。

532:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 00:57:04 vYrFCeCm
★キャラクター&設定説明

暁月緋奈(レッド)
童顔。身長151センチ B93 W57 H89
甘いものに目がない、イリティスファイブの名目上リーダー。
かなり間の抜けた所があり、あまりリーダーとしての役をまともに果たしてはいない。
人の言うことをすぐに信じ、誰にでも底無しに優しいのが長所であり短所。
武器は灼熱剣・フレイムセイバー。

水無月亜緒(ブルー)
眼鏡。身長174センチ B88 W53 H88
いつでも冷静沈着、頭が良くていざという時の機転も利く、イリティスファイブの実質的リーダー。
知的でクールな物言いや、すらりと引き締まった抜群のプロポーションから、男子生徒たちの羨望の的。
緋奈とは家が隣同士の幼馴染であり、表には出さないが、心優しく可愛い親友の事をとても愛しく思っている。
武器は氷結剣・アイスセイバー。

山吹希美(イエロー)
金髪ショート。身長147センチ B82 W55 H83
いつでも活発で明るいムードメーカー。
見た目も性格もすこぶるボーイッシュで、やたらと負けん気が強い。
他人に勝手なあだ名を付けるのが癖。
武器は電撃拳・ライトニングナックル。

翡村碧(グリーン)
おさげ。身長160センチ B89 W55 H87
クラスでは委員長を務める、責任感のある優等生。
言動の奔放すぎる希美とはよく衝突するが、それは仲の良さの裏返しでもある。
頭もよく真面目だが、私服のセンスが致命的にださいのが珠に瑕。
武器は自在鞭・フォレストウィップ。

桜庭桃華(ピンク)
黒髪ロング。身長156センチ B104 W60 H93
おっとりとした箱入り娘。
その巨大なバストはイリティスファイブ唯一100センチを越えるが、自身はコンプレックスを持っている。
戦闘になると何とか頑張るものの普段はとても気弱で、家で飼っている犬からも下に見られている。
武器は長距離弓・チェリーアロー。

イリティスファイブとは?
高校3年生。研修旅行中の事故で特殊放射線を浴び、強靭な戦士の肉体に生まれ変わってしまった仲良し5人組。
人類を遥かに超える身体能力に目をつけた特務機関イリティスにスカウトされ悪と闘っている。時給1500円。

イリティスファイブのバトルコスチューム
ボディスーツはシャツとミニフリルスカートのオールインワンタイプ。
ベルトのバックルにはイリティスのシンボルマークが刻まれている。
アンダースーツは、上部は半袖、下部はスパッツの形状をした伸縮自在ゴム。スクール水着に似た素材。
アウタージャケットは大きく開いた短袖かつ薄手で、本当に羽織っているだけという感じ。
色は五人それぞれ違うが、全員ボディスーツの方が明るい色、アンダーの方が暗い色というのが共通項。
例えばレッドならボディスーツとフリルスカートはライトレッド、その下から覗くスパッツはワインレッド。

ギーガロード
秘密結社ギーガメーソンの首領。
怪人ギーガロイド達を操り、世界を滅ぼそうと企んでいる。
実はもう本編での出番は無い。

謎の少年
ある意味、本編での主役。

533:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/23 01:06:18 vYrFCeCm
以上、これだけ書いてただのプロローグでした。
スレを読んでいると「長すぎる前フリは不要」と言う意見も多々見受けられますが、
あらかじめ細かな知識を持ってた方がキャラに愛着が湧くだろうというのが僕の持論ですので何とぞご了承ください。
本編その1は数日中に投下予定です。



534:名無しさん@ピンキー
07/10/23 02:01:02 dppNUbik
お待ち申し上げておりますです!

535:名無しさん@ピンキー
07/10/23 13:06:36 cVzGTViK
ランサー氏きたー
高校生なのか・・・ 色から髪型からスリーサイズまでw
人物についてこれだけ詳細な設定を提示されると
期待と妄想が脹らんで夜しか眠れない

個人的にはやっぱりピンクの今後に期待してしまう
ライトニングナックルーびびびびびは今日と明日の夢に出てきそうだ

536:名無しさん@ピンキー
07/10/23 17:37:02 39rHx/kF
やべ。
このこってりとしたプロローグはまさに積み上げてきた物に迫る破滅の足音を感じさせて期待を煽るな。
圧倒的な強さを誇るヒロイン達が胃液をぶちまけて泥にまみれて敗北に沈むか、
はたまた最後のギリギリの部分で屈服を免れて一矢報いて、
これから先も腹を殴られる恐怖を抱えながら苦しい戦いを続けていくのか…
期待は膨らむばかりだぜ…。

537:名無しさん@ピンキー
07/10/23 20:44:17 fUfU5mvd
とても古い話で知っている人がいるかどうかもわからないんだけど、
B5版の本(だったかと)でSFという文字が表紙にあり、中身は挿絵つきの短編か、連載小説
が載ってた(と思う)
子供心に衝撃を受け、エログロに目覚めた 小学3年くらいだったかな
タイガーマンという異様に細長いペニスを持つ男が、お姫さん(たぶん)を遠隔催眠みたいなので
自分の部屋に呼び、犯したあと、腹を裂き、喰らいつき、まだ水蒸気の立ち上る生暖かいハラワタを口一杯にむしゃむしゃと頬張り、
喰うというもの。
挿絵に腸を頬張ったタイガーマンと快楽とも苦痛ともいえる表情をした女の人があった
同じ本に、永井豪が書いた挿絵で、裸で横たわる女の上に蛾のような羽を持つ男が覆い被さってった。
昭和50年くらいの本だと思うんだけど、わからない?

538:名無しさん@ピンキー
07/10/23 20:48:43 fUfU5mvd
あ、それとこの画像なんのビデオのかおわかりの方がいらっしゃったら教えて下さい
URLリンク(sawwaves.net)

539:名無しさん@ピンキー
07/10/24 00:54:59 DMZwAIvA
>538
切腹画像かよ・・・

540:名無しさん@ピンキー
07/10/24 22:14:59 ka2EzJN1
そうなんだけど、どこから出しているのかがさっぱりなんですよ

541:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/24 23:03:55 LeLGq8YZ
一見何の変哲もない、市外の寂れたビル。
今どき質素な手動扉の上には、「有限会社○○マーケティング」という当たり障りのない看板が掲げられている。
だがその一室には、貧相な玄関からは考えられないほど厳重な電子ロックを施されたセキュリティドアがある。
その「本当の入り口」から降りた先に、特務機関イリティスの秘密基地はあった。
「今日も、今日も、今日も暇~」
イリティスの隊員・村崎理沙は、今日もビルの見回りを行っていた。
理沙の任務は、イリティスが活動の隠れ蓑としているダミー会社○○マーケティングの経営と警備。
経営といえば聞こえはいいが、要は架空の会社が、さも活動しているように見せかけるだけ。
見た目だけはぴっちりとしたダークグレーのスーツを着こなしキャリアウーマンを気取っているが、
実際は、毎日落書き程度の業績帳簿をつけ、時おりビルの清掃をする虚しい仕事。
「明日も、明日も、明日も暇~。ららら~」
一人っきりの時のみ口ずさめる自作ソングを歌いながら、理沙はその場で意味もなくターンしてみた。
(……はあ。本当に暇だわ。誰か来ればいいのに)
絶えず時間を持て余している理沙には、基地の入り口に訪れる隊員たちと会話をする事が何よりの暇潰しだった。
(ファイブの皆、今日は碧ちゃん以外は来ないのかしら)
年も近いことから理沙の可愛がっている5人組、イリティスファイブの少女たちも、今日は非番である。
唯一グリーン……翡村碧のみが事務仕事の為に訪れたが、よほど仕事に気をとられているのか、
二言三言挨拶をしただけでさっさと基地に入って行ってしまった。
(つまんないな……)
理沙の面白みのない見回り作業は、今日も何事もなく終わると思われた。
だが。
(あら……?)
最も重要な一室……イリティス地下基地へのセキュリティドアがある部屋に差し掛かると、その足が止まる。
(……子供?)
扉の前に、一人の少年が立っていた。
背は130センチ程度か。明らかに、小学生。
どこか日本人ばなれした顔立ちで、その髪は鮮やかな銀色。
素っ気無い黒一色のシャツにズボン、足にはノーブランドのスポーツシューズ。
ただ無言で立ち尽くし、荘厳なドアを物珍しそうに眺めている。
(どうして、こんな所に子供が……)
ゆっくり近づくと、少年はちらりと理沙の顔を見上げた。
「……こんにちは」
迷子だろうか。理沙は訝しがりつつも、少年を刺激しないようににこりと微笑んだ。
(……綺麗な、銀……)
少年は髪だけではなく、その小さな瞳までもが銀の光を放っていた。
「どうしたの、ボク。ひょっとして迷子かなぁ?」
中腰に屈んで両手を膝に乗せ、少年に視線を合わせて尋ねる。
「迷子じゃないよ」
少年は、あどけない澄み切った声で答えた。
「違うんだ。じゃあ、子供がこんなところで何してるのかな? ボク、名前は?」
「名前? ええとね、僕の名前はね……」
そこで人目を憚るようにきょろりと辺りを見回すと、内緒話をする時のように口に掌を当てる。
「うん?」
釣られて顔を寄せる理沙。
その耳下に、少年はにっこりと笑って言った。
「ギーガロイド・ゼロ」

542:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/24 23:04:40 LeLGq8YZ
「え……」
避ける暇などなかった。
可愛らしく自分の口元に当てられていた少年の掌が、素早く理沙の唇に張り付いていた。
「う、む……!?」
驚いて振りほどこうとするが、その掌はとても子供のものとは思えない握力で唇を塞いで離れない。
少年は空いている方の拳を軽く握り締めると、理沙の身体に向けて真っ直ぐに打ち込んだ。

どずんっ!!!

「…………!!!」
爆弾のような破壊的エネルギーが、理沙の腹をど真ん中を抉った。
一秒前まで皺一つなかったダークグレーのスーツが、一瞬の内に襤褸布に変わっていた。
その下のシャツもイージートップブラもずたずたに破れ去り、形の良い美乳がゆさりとまろび出る。
「喋らないで。悲鳴もあげちゃ駄目だよ。大声を立てたら殺すからね」
平然とした口調で、少年は凄んだ。
「さあお姉さん、死にたくなかったら僕をイリティスの基地の中に案内して」
「…………」
「……あれ?」
しかし、一向に返事をしない理沙に銀の瞳を瞬く。
「え……お姉さん? ひょっとして、もう壊れちゃったの?」
若干慌てた様子で、理沙の顔を正面から抑えていた掌を離す。
「ぐぶぱっ!!!」
途端に、その唇から胃液が溢れ出た。
「おぐ……ぐぶぶっ」
スーツに包まれた肢体は引き攣り、その瞳は完全に白目を剥いていた。
「……壊れてる。嘘でしょ、脆過ぎるよ。ちょっと叩いただけなのに……」
どちゃりと音を立てて自らの吐瀉物に頬を埋める理沙を見下ろし、少年は拍子抜けした顔で呟いた。
「うーん。やっぱり人間って、皆こんなに弱いのかなあ。……やだよそんなの。全然楽しめないじゃん」
じろり、と厳重なロックによって封鎖されたドアを睨みつける。
「大丈夫。本当の標的……イリティスファイブは、こんなもんじゃないよね。ちゃんと、僕と遊んでくれるよね」
ぎりぎりと掌を握った少年は、大きく拳を振りかぶる。
直後。金属製のセキュリティドアが、轟音を立てて爆砕した。
「こんにちは。お邪魔します」
慇懃無礼に言った少年は、イリティスの基地に足を踏み入れた。




(はっ……!)
辺りに鳴り響いたアラームに、一人事務室でイリティスファイブとしての活動日報を綴っていた碧は顔を上げた。
第一級非常事態発生のサイン。基地内で何かが起こった?
「み、碧!」
同時に、一人の研究員が部屋に駆け込んでくる。
「大変よ、基地内に侵入者が!」
「侵入者ですって?」
碧の表情が引き締まる。
「まさか……」
「恐らく……ギーガメーソンよ。ここの所在が掴まれたんだわ」
研究員は頷く。
「しかもうちの主力であるあなたたちのほとんどが不在という、最悪のタイミングで攻めてこられてしまった。
 碧。今、外にいる他の四人にも大至急集合するよう連絡を取っているから……」
「……その必要はないわ。私一人で出る」
「何ですって?」
碧は凛然とデスクから立ち上がった。
「基地に侵入されたのよ。悠長に構えている暇は無い。……大丈夫、ギーガロイド一体ぐらい一人で何とかする」
「待ちなさい碧、危険すぎるわ。まだ敵の詳細も分かっていないのに……」
研究員は慌てて止めようとするが、碧は既に事務室を飛び出し、敵の下に向かっていた。

543:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/24 23:05:29 LeLGq8YZ
イリティスファイブのバトルスーツに着替え、変身を完了した碧は、基地の最奥部にして最も重要な施設、
イリティスの全てを制御するオペレーティングルームへと飛び込んだ。
「……やっと来てくれたね、イリティスファイブ」
イリティスファイブの宿敵……生体兵器ギーガロイドは、腰掛けていた椅子からゆっくりと立ち上がった。
「な……」
その姿を見て、碧は動揺する。
小さな……どう見ても小学生かそこらの、銀髪の少年。
「見た目は小さくても、今まであんたらがやっつけてきた僕の兄さんたちよりずうっと強いよ?
 というのもね。僕はもう強すぎるから、これ以上成長させる意味もないと判断されて、即実戦投入されたんだ」
碧の心を見透かしたように言うと、少年は銀色の瞳を微かに細めた。
「僕はギーガロイド・ゼロ。最強にして究極のギーガロイドだ」
「……ゼロ……!」
碧は戦慄して身構えた。
嘘ではないだろう。見た目どおりの子供なら、ここまで侵入できるわけがない。
「そうそう、だから舐めて手加減なんかしちゃ駄目だよ。そんな奴と遊んでも何にも面白くないから。
 ……ところでイリティス・グリーン。他の奴らはどこなの?」
「……あなたに教える必要はないわ」
「ふうん、まだ全員揃ってないんだ。まあ仕方ないよね、こっちもアポ取らずに来ちゃったし。
 ……グリーン。ひょっとして、一人でも僕と遊んでくれるつもり?」
遊ぶ。
戦いを、遊びだと思っているのか。
「……そうよ、坊や。このイリティス・グリーンが遊んであげる」
「本当?」
ゼロの目が輝く。それはギーガロイドではなく、無邪気な少年のそれだった。
皮肉や例えや余裕の表れなどではなく、本当に、戦闘を遊びの一種だと思っているらしい。
「嬉しい。やっとイリティスファイブと遊べるんだね。
 今までの人間は、みんな弱っちくてつまらなかったんだ。グリーンは、強いよね?」
「……そうね。お姉さんは強いわよ」
とっても強いお姉さんに喧嘩を売った事を後悔させてやる。
「だから、さっさとかかって来なさい」
凛とした声で言い放つ。
「うん、ありがとう。じゃあ行くね」
ゼロは、にこりと笑った。
次の瞬間。
そのシルエットが砂嵐のようにノイズと化した。

544:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/24 23:06:35 LeLGq8YZ
「あ?」
(き、消え?)
もちろん実際に消えたわけではない。
ゼロの身体は、人間の動体視力を遥かに凌駕する速度で碧の懐に移動していたのだ。
間髪入れず、ぽかんと突っ立っている碧の身体に真正面から拳を突き込む。

ぼぐうんっ!!

「ふぐぁ……!?」
碧のボディスーツに、ギーガロイド・ゼロの拳がずしりとめり込んだ。
見た目は軽く握って伸ばしただけの細腕だったが、その速度と威力は人間の限界を簡単に突破していた。
「か……かは……!!」
(こ、こいつ、強……)
油断しきっていた腹に手首まで拳を捻じ込まれ、強靭である筈のイリティス・グリーンの身体が一撃で麻痺する。
ゼロは一度引き抜いた拳を、次に碧の脾腹に突き刺した。
「うぐふっ!!」
引き締まったくびれに真横から突入したゼロの拳は、碧の腹部のほぼ中心までを抉った。
へし折られた肋骨が、めきめきと音を立てる。
「はぁ……あぐぅぅ……!!」
艶めかしい肢体をくの字に折り曲げられた碧の唇から、微かな呻き声が漏れる。
「凄いやグリーン、まだ耐えてくれるなんて。……普通の人間は一発で壊れちゃうから面白くないんだよね」
その様子を見て、ゼロは嬉しそうに笑った。
「やっぱりイリティスファイブは違うね。じゃ、まだまだ行くよ」
無垢な笑顔で悪魔のように囁き、ゼロはもう片方の拳を振り上げる。
「ぐむうぅっ!!」
反対側の脇腹に、破壊的なレバーブローが埋め込まれた。
左右から屈強な肉体の中心を軽々と貫かれ、碧の全身は電流を浴びたように痙攣した。
「あ……っか……ぅえ……」
凄まじい連撃によって完全に潰された碧の腹の中では、ゼロの二つの拳の先が触れ合いそうな程に密着していた。
内臓を出鱈目にシェイクされた絶望的な感触にか細い首が跳ね上がり、突き出された舌がびくびくと震える。
「あはぁ……ぅ……」
(み……みんな……助……)
碧の目尻から、涙の雫が垂れ落ちた。
ゼロが両拳を引き抜くと、その身体はぐらりと前にのめる。
「あ、まだ倒れちゃだめだよ」
だが、冷徹に言ったゼロは、既に自分の言葉が耳に入っていない碧の無防備な身体にアッパーを叩き込んだ。
「ごぷぅ、んっ……!!!」
無慈悲に放たれた拳は雄大に膨らんだ乳房の真下に突き刺さり、倒れ行く碧の鳩尾の中心を正確に抉り抜いた。
音速に近い速度で発射された砲丸は、エメラルドグリーンの薄過ぎるボディスーツを捩じ切り、
伸縮性の良いアンダーを大きく巻き込みながら、その脊髄付近にまで深々とめり込んだ。
止めの一撃で完全に意識を消し飛ばされた少女の肢体は、突き刺された急所を中心に力なく折れ曲がった。
「ぉ……あ……がはぅっ!!」
人間を遥かに超えたイリティスファイブの肉体とはいえ、もはやその打撃は耐え切れる次元のものではなかった。
潰された胃から逆流した液が、しどけない唇から噴き出した。

545:ランサー ◆6olansC1k6
07/10/24 23:08:15 LeLGq8YZ
「どう、グリーン。さすがにこれはちょっと効いたでしょ。普通の人間なら即死してるレベルだからね」
二つに折れた碧の身体をアッパーの体勢で軽々と支え持ち上げたたまま、ゼロはその耳元に囁いた。
「……………………」
「ありゃ?」
だが、返事らしい言葉を発さない敵に怪訝な表情を浮かべる。
「……グリーン?」
常軌を逸した威力の肉体攻撃に、碧の意識はとうに四散していた。
「どうしたの? もうダウン?」
当然、返事はない。
「駄目だよ勝手に寝ちゃ。僕は、まだ遊び足りないんだから」
ゼロはそう言って堕ちた碧の顎を持ち上げると、その失神してなお整った美貌を真正面から覗き込んだ。
今や凛としていた瞳は湧き上がる涙で潤み、きつく結ばれていた唇は半分ほど開かれ吐瀉物を零している。
「えーと……うん、完成」
未だ音を立てて零れ続ける胃液にも構わず、ゼロは碧の柔らかい唇に自らのそれを重ねた。
「…………んっ!」
口中に舌を突き入れられた瞬間、その失神していた筈の瞳に光が戻った。
「ん、んんっ……!?」
宙に浮かされたまま肉付きの良い肢体がびくびくと跳ね、その頬が紅色に染まる。
「……ぷは。おはよう、グリーン」
あっという間に碧の意識が戻ったのを見て取ると、ゼロは舌で蹂躪していた唇を開放した。
「な……んぅっ、うあぁ……!?」
「僕の体液はね、色んな化合物を調合して薬を作成出来るんだ。
 一滴で人を殺せる猛毒から、こんな風に、一滴で人を昇天させられる催淫剤まで」
「あ、はんっ、ふあぁぁ……!!」
「本当は洗脳や自白促進用なんだけど、僕はこっちの使い道の方が好きなんだ。同じ人間で何度でも遊べるから。
 それに、僕だけ一方的に楽しむのもずるいもんね。どうせ遊ぶなら皆が楽しめた方がいいし」
顎を支えていた指を離すと、真下を向いても碗形を崩さない柔らかな膨らみに触れる。
「きゃはうっ!?」
一度無造作に揉みしだかれただけで、碧の肉体は極限に反応した。
力なくのめっていた上半身は電流に打たれたように跳ね上がり、
フリルスカートに覆われた下腹では、薄過ぎるスリムスパッツ越しに盛り上がった陰部が卑猥に震えた。
堪らず秘裂から噴き出した液が、ゴムスパッツから肉付きの良い太股の間をとろりと伝う。
「あ、ふあぅ……! そ……そん、な……!?」
自分の身体に起こった反応が信じられず、悲痛な声で喘ぐ。
「神経感度を30倍くらいにしてあげたよ。気持ちいいでしょ? ……だから、もっと遊んでね」
無邪気な笑顔を浮かべたまま、ゼロは再び拳を握った。
「大丈夫だよ。いくら寝ちゃっても、今みたいに何度でも起こしてあげるから」
「……ひ……っ」
自分がこれからどんな目に遭わせられるのかを悟り、碧の瞳に涙が浮かぶ。
「いっ……いやああぁぁぁぁぁぁ……!!!!」
オペレーティングルームに、少女の絶叫が虚しく木霊した。


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