07/08/30 20:56:30 dOP9aRM3
とある中学校。
時計の針は午後7時を指し、既に外は暗くなっていた。
校内の各部活動は終了の時刻を迎え疎らになっていたが、
学校の一角…比較的、敷地の端にある格技場にはまだ灯りが点っており
その灯りが洩れる窓には二人の少女の姿が映し出されていた。
格技場に居る二人の内、
片方は、セミロングの黒髪、血色の良い健康的な白い肌、目尻が下がった感じのつぶらな瞳が柔和な印象を与える、
小柄な愛らしい少女。
白いTシャツに黒いスパッツという格好で、頭のうしろに手を組み、仰向けに寝転がっている。
もう片方は、腰の辺りまで伸びる流れるような黒髪のロングヘアー、白人を思わせる透き通るような白い肌、意思の強さを感じさせる凛とした切れ長の瞳、
スタイルが良くやや長身の綺麗な少女。
こちらは黒いスポーツブラに黒いスパッツの格好で、仰向けになった娘のふとももあたりを両膝で挟みこむように馬乗りになっている。
どうやら部活動としての通常の練習は終わり、自由な格好で個人での特訓を行っているようだ――
「 ふんッ! 」
―― パムッ! ――
「 ふうぅっ!! 」
「 シュッ! 」
―― ぱすんっ! ――
「 うぅうっ!! 」
部活動としての空手の練習は終わり、私は友人の弱点強化の特訓に付き合っていた。
ボディ打ちの特訓だ。やや変則的だが。
特訓を受けている娘は、私と同じ中学三年生の 楠瀬 はすみ 。
中一から空手を始めた彼女は体は小さいものの、恐ろしいまでのスピードで上達し…今や実力では女子部でNo.1である私のすぐ下にまで迫っているほどだ。
でも中二の途中から徐々に戦績に陰りが見え始めていた。原因は、強くなりマークの対象となった為に対戦相手が対策を練り始めた末…ボディに弱点がある事を見破られてしまったから。
その弱点克服の特訓という訳だ。
「 んッ 」
―― パミュッ! ――
「 ふぅぐっ…!! 」
みぞおち辺りに拳を落とす。既に涎まみれの彼女の頬と口…その小さく可愛らしい口から新しい涎が吐き出された。
―― とぷんッ! ――
「 う゚っ!! ……うあぁ゛…っ! 」
彼女の高くて細い、穏やかな地声を荒げた悲痛な悲鳴が響く。そして顎をあげイヤイヤをするように頭を振り、必死に痛みに耐えていた。
(うーん…やっぱりここが嫌なんだぁ。)
おへそを目印に拳を落とした時、白いおなかに今日いちばんの拳の埋まり具合を見せた。まさに「埋まる」という表現が相応しい。
うっすら縦線がある、みぞおち辺りの丘から腰の方に向かってなだらかにラインを作り…
丁度くびれの位置、おへそ辺りで一番のへこみを見せている。
胃下垂なのかそれともそういう体質なのか。わからないけど彼女の一番のウィークポイントが丁度そのおへその所だった。
お腹に力を入れてるんだろうか?そう疑ってしまうくらい柔らかくて弱い…温かい体温も手伝って、
宛ら、つきたてのお餅でも殴ったような感覚だ。