07/08/23 22:06:00 Lh2aBsbX
褐色リーターの六つ割れ腹筋 : その1
かなり昔のお話です
好き者変わり者の心のオアシスとして知られた〈蔦乃娼舘〉に、好きなだけお腹を殴らせてくれるという若い女が新しく入りました
これを聞きつけた大魔術タワー在住のシロヒゲさん、早速ホウキにまたがってビュン、と巨塔を後にしました
「おお未だ熟しきらぬ小ぶりの乳房、汚れを知らぬ桜色の乳輪よ! くびれた華奢なお腰にやわ~いペッタンコ腹よ! 小ちゃなおヘソの上にうぅっすらと浮かぶ腹筋の縦割れよ!」
蔦乃娼舘に着く間、シロヒゲさんの頭の中はあらぬ妄想でムンムンしておりました
柔らかいお腹を両手で押さえてしゃがみ込み、あどけないオメメを真ん丸に見開いてえずく真っ白な裸に想いを馳せ、股間の逸物はギンギンにおっ勃っておりました
「ぐひひ。待っておれ花の乙女よ。今日食べたものをすっかり全部ベッドにぶちまけるまで、このシロヒゲおじさんのちょっぴり毛深いゲンコツで、白く柔っこいそなたのお腹をパンチしまくってやるかんね! ぐひひひ」
---
「ようこそ白髭様。フェティシズムの山脈にしてハードコアの顕現〈蔦乃娼舘〉へ。一先ずはそちらにお掛け下さいまし」
瀟洒な佇まいの娼舘にホウキごと突っ込む勢いで辿り着いたシロヒゲさん
そんなシロヒゲさんを一糸纏わぬハレンチな姿とあどけない笑顔のハイ・コントラストでお出迎えしたのは、目を剥かんばかりに美しい花の乙女でした
滑空中のシロヒゲさんの妄想をそのまま正確になぞったかのように、乳房は小ぶりで、乳輪は桜色で、腰廻りは危ういほどにくびれ、お腹はペッタンコ、かつとてもとても柔らかそうでした
小ちゃな可愛らしいおヘソの上には案の定、腹筋の縦スジがうっすらと浮かび上がっていました
だもんでシロヒゲさんは「さようでありますとも乙女! わたくしが大魔術タワーのシロヒゲであります! 乙女のお腹を好きなだけブン殴り放題の件で本日分の予約を入れた者であります、乙女!」
こんな感じで緊張のあまり呂律はカチコチ、パンツは止まらぬ我慢汁でピチョピチョになりながらブンブン激しく頷いて、スッポンポンの色白乙女に名乗りを挙げました
「本日のご予約は日没までのショートでお伺いしておりますが、コースの変更や性的嗜好の急変等ございませんでしょうか?」
勿論シロヒゲさんは首を横にブンブン振り振り、肩から下げた大きなガマグチ財布をポンポン叩いて「ロングコースへの変更を強く強く希望させていただきます! 乙女!」
そう宣言しました
つづく
392:名無しさん@ピンキー
07/08/23 23:24:16 JwfwkX0z
ドラッグはほどほどに
393:名無しさん@ピンキー
07/08/24 01:42:49 XU3NAekZ
くせのある単語選び、文体からして、上でヘタレイラスト投下してたおっさんか?
腹監督さんとこの画像板のお前さんの投稿、なんでミスト氏や他の常連さんがスルーしてるか、お前さんなりによく考えろ。
394:名無しさん@ピンキー
07/08/24 04:12:46 zfA635Jy
過疎スレだから別に良い。
395:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:29:33 FTwiXcRj
まあいいじゃないの
とりあえず続けておくれよ>>>391
396:名無しさん@ピンキー
07/08/25 00:46:36 YW/dHLLp
>>393のメル欄見てさ、実際にぐぐって見ちまったんよ、、、
女性陣はどれも魅力的だったけど、でぶ親父同士責めを見てしまった以上、
素直な気持ちで続けてくれとは俺は言えん、、、
397:名無しさん@ピンキー
07/08/25 02:03:32 1igTgRBP
>>391
とりあえず一つだけ
男が責められるのは誰も望んでないぞ
398:ミスト
07/08/25 04:36:01 4dlSeXI9
確かに、自分もこの板で男側が責められるのは…と思う部分があります。
でも、スレタイや1に書かれている事から、
ここに上げる以上は390さんも女側が責められる方向で考えていると思っています。
ひょっとしたら393さんは別の重要な指摘をしようとしておられるのかもしれませんが…
記憶違いだったら申し訳ないですが、自分は腹監督さんの所で嫌悪感からスルーした覚えはあまり無いです。
(荒らしやまったく関係のない物をアップしてあった時とかは思う所はありますが(苦笑 )
どうしても好みに偏る部分は否めませんし全レスは無理なので確かにレスはしてなかったかもしれませんが(^-^;
>>390さん
腹フェチなら、現実にあったら喜ぶようなシチュで書かれてますね…(笑)
シロヒゲの押さえきれない衝動が描かれていて、次回にどうするか期待が高まります♪
あと、自分のアップした物も読んでくださってありがとうございます。お褒めに与り光栄です♪
既に出来上がっていたシーンを改編したので、半分以上は自分の力じゃないかもですが…;
それでも、390さんが創作意欲を刺激させられたというのは嬉しいです。
390さんも頑張ってください。
399:名無しさん@ピンキー
07/08/25 18:47:09 FTwiXcRj
藤原紀香ってかなりイイ腹してんのな
しかも自分の体で一番自信があるところを腹だって言ってるし
腹筋が割れた熟女を腹責めってのも萌えるなw
「奥さん・・・俺達の拳を、その自慢の腹で受け止めたら、
旦那の借金は帳消しにしてやるよ」
みたいなww
400:名無しさん@ピンキー
07/08/25 21:22:53 NVDkTB8n
>>379
ムーンライトラビリンス。
特別腹パンシーンはなかったけど、リョナ好きなので普通に面白くて全部見てしまったw
面白い作品を紹介ありがとう。
401:名無しさん@ピンキー
07/08/26 00:54:56 uDbwHRtc
ミストさんこんばんわ
褐色リーターのお話については、粗筋は決めたものの書いておってなかなか腹責めシーンに辿り着かず、どこをどう端折ったモンか思案しています、トホホ
ところで399さんの書き込みにえらく発奮してしまいました
完熟六つ割れサンドバック女を描いてみましたので399さん、良かったら見てやってください
URLリンク(www.geocities.jp)
それでは
402:名無しさん@ピンキー
07/08/26 11:44:52 3XjKmBCa
>>401
かなり切ない話ですね。良心が痛んでしまった、、、、orz
403:名無しさん@ピンキー
07/08/26 21:01:32 +9cglQSz
>>401
その、腹責めの事後の無残な様を激しく見たいぜ・・・
ところで、クイーンズブレイドでまたイイ腹のキャラが出たな
URLリンク(queensblade.net)
まさに腹パンチしてトドメを刺してくれて言わんばかりww
404:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:53:46 PGq2m8y5
401さんグッジョブです!
ただ、文章の部分に関しては個人的にはメランコリック過ぎるかも?
腹責めSSというよりは、うちの母親ウゼー!的なカキコしてる厨房向けの更生ツールといったおもむき。
リーターのお話の続きはとても楽しみにしてます!
405:名無しさん@ピンキー
07/08/28 10:46:47 yVMiwBZ9
朝っぱらからグロまがい体型のオバハンだうもありがたう
406:名無しさん@ピンキー
07/08/29 10:21:04 gFYhH0jg
URLリンク(blog1.fc2.com)
こういう腹筋すごいな
407:ミスト
07/08/30 20:54:20 dOP9aRM3
>>400さん
MLがいけるなら、「寄生ジョーカー」もお勧めできるかもしれませんw
寄生ジョーカーはパンチではないですが腹系2つ(貫かれるとか、突っ込んできた大きい海蛇の頭をおなかに受けたまま壁に叩き付けられるとか)くらいあったような…。
ちなみに、MLの腹パンらしきシーンは、既にご覧になったかもしれませんが
「ムーンライトラビリンス 死亡シーン集 未公開シーン補完」にあります。
(8:16 あたり。殴られて吹っ飛ぶ際にくの字になって血を吐いてるグラフィックになってます)
>>401さん
何かの為に身を挺して、甘んじて腹責めされるっていうのも萌えるシチュですよねw
何処を削るか…は自分もまだまだすごく悩みますし、これからの課題だと思ってます(^-^;
とりあえず、今回はまた長くなってしまいましたが…(汗)
と、言う事で…アップさせて頂きます。
よろしくお願い致します。m(_ _)m
408:ミスト
07/08/30 20:56:30 dOP9aRM3
とある中学校。
時計の針は午後7時を指し、既に外は暗くなっていた。
校内の各部活動は終了の時刻を迎え疎らになっていたが、
学校の一角…比較的、敷地の端にある格技場にはまだ灯りが点っており
その灯りが洩れる窓には二人の少女の姿が映し出されていた。
格技場に居る二人の内、
片方は、セミロングの黒髪、血色の良い健康的な白い肌、目尻が下がった感じのつぶらな瞳が柔和な印象を与える、
小柄な愛らしい少女。
白いTシャツに黒いスパッツという格好で、頭のうしろに手を組み、仰向けに寝転がっている。
もう片方は、腰の辺りまで伸びる流れるような黒髪のロングヘアー、白人を思わせる透き通るような白い肌、意思の強さを感じさせる凛とした切れ長の瞳、
スタイルが良くやや長身の綺麗な少女。
こちらは黒いスポーツブラに黒いスパッツの格好で、仰向けになった娘のふとももあたりを両膝で挟みこむように馬乗りになっている。
どうやら部活動としての通常の練習は終わり、自由な格好で個人での特訓を行っているようだ――
「 ふんッ! 」
―― パムッ! ――
「 ふうぅっ!! 」
「 シュッ! 」
―― ぱすんっ! ――
「 うぅうっ!! 」
部活動としての空手の練習は終わり、私は友人の弱点強化の特訓に付き合っていた。
ボディ打ちの特訓だ。やや変則的だが。
特訓を受けている娘は、私と同じ中学三年生の 楠瀬 はすみ 。
中一から空手を始めた彼女は体は小さいものの、恐ろしいまでのスピードで上達し…今や実力では女子部でNo.1である私のすぐ下にまで迫っているほどだ。
でも中二の途中から徐々に戦績に陰りが見え始めていた。原因は、強くなりマークの対象となった為に対戦相手が対策を練り始めた末…ボディに弱点がある事を見破られてしまったから。
その弱点克服の特訓という訳だ。
「 んッ 」
―― パミュッ! ――
「 ふぅぐっ…!! 」
みぞおち辺りに拳を落とす。既に涎まみれの彼女の頬と口…その小さく可愛らしい口から新しい涎が吐き出された。
―― とぷんッ! ――
「 う゚っ!! ……うあぁ゛…っ! 」
彼女の高くて細い、穏やかな地声を荒げた悲痛な悲鳴が響く。そして顎をあげイヤイヤをするように頭を振り、必死に痛みに耐えていた。
(うーん…やっぱりここが嫌なんだぁ。)
おへそを目印に拳を落とした時、白いおなかに今日いちばんの拳の埋まり具合を見せた。まさに「埋まる」という表現が相応しい。
うっすら縦線がある、みぞおち辺りの丘から腰の方に向かってなだらかにラインを作り…
丁度くびれの位置、おへそ辺りで一番のへこみを見せている。
胃下垂なのかそれともそういう体質なのか。わからないけど彼女の一番のウィークポイントが丁度そのおへその所だった。
お腹に力を入れてるんだろうか?そう疑ってしまうくらい柔らかくて弱い…温かい体温も手伝って、
宛ら、つきたてのお餅でも殴ったような感覚だ。
409:ミスト
07/08/30 20:58:09 dOP9aRM3
さて、そろそろ切り上げないと。この子は頑張り屋が災いしてオーバーワークになる時が多々ある。
現状、既にオーバーワーク気味な気がしないでも無い。私の加減ミスのせいもあったけど…どうにも脆くて時折こんな感じになっちゃうなあ。
練習とはいえ私も好きな友達を痛めつけるのはさすがにいい気がしないだけに、辛い時は辛いって言って欲しい。
……まあ、一生懸命頑張れるのはこの娘の良い所でもあるんだけど。
「 …はすみ、もう無理だよ。ここまでにしよ? 」
「 ~~っ、………だ、だいじょうぶ…… 」
涙と涎を滴らせ、体をヒクつかせながら言う。
まったく、この子の「大丈夫」は当てにならない。
「 もう、また立てなくなっちゃうでしょ? 何より、やりすぎは体を痛めるだけなんだし 」
「 ぅん…。あっ………せっちゃんも疲れちゃうよね。ごめん… 」
自分の方が辛い状態なのにも拘らず、私を気遣う言葉を紡ぎながら彼女はようやく特訓終了を意思表示した。
私も、彼女のふとももあたりを挟み込んで固定するように床についていた膝を緩める。
そして馬乗りを解いて彼女の脇に座り、彼女の両手首を縛っていた紐を解いてあげた。
勘違いの無いように断っておくと、こうしないとお腹を庇ってしまいそうになるからというはすみ自身の強い申し出があった為だ。
何かの危ないプレイではないので悪しからず。
「 ていうか、私の加減もちょっと失敗したみたいだしね。ごめん。 」
「 ううん、大丈夫。いつもありがとうね。 」
顔を覗き込みながら言うと、彼女は仰向けのまま痛む腹部をさすり、涙目で精一杯笑顔を作って返してくれた。
健気な彼女の態度に私は思わず過保護な気持ちが湧き、癒してあげたくなり…突然何も言わずに彼女の服と素肌の間に右手を潜り込ませた。
「 ふぁあっ…?…せ、……なに、す…、…んんっ…… 」
「 さすってあげる。楽にしてていいよ? 」
右手の指の腹を使って彼女の生のおへそを触るように、おなかをさする。
すると彼女の顔はぽわんとした表情になり始めた…気持ちいいのかな?そういえばおへそって性感帯でもあったっけ。
なんかかわいい。つい、同級生っていうよりも後輩とか妹みたいな感じで扱っちゃう。
それにしても触っているとはすみのお腹はすごく柔らかいのが良く分かる。男の子だとどんなに弱くてもここまでにならないだろう。
決して太っていない、程好い肉付き加減の…女の子である事を十分すぎるほど主張してるお腹だ。
柔らかい物がフェチの対象になりやすいっていう話は本当なのかな? 触ってる私が癖になりそうな変な気分だ。
ふと、彼女がぼーっと私の胸あたりを見ているのが気になった。
いや、胸…じゃない、もうちょっと下。肘? ああ、分かった。
「 …どうかしたの? 」
分かっているけど、一応聞いてあげる。
「 えっ。ううん、……せっちゃん、強そうで綺麗なおなかしてて、いいなあって。 」
410:ミスト
07/08/30 21:00:04 dOP9aRM3
ちなみに言うまでもないとは思うけど、せっちゃん=美原 刹那…私の事だ。この呼び方をするのははすみだけかもしれない。
はすみには悪いけど、彼女に反して私の腹部は見た目からしてもかなり鍛え上げられていると思う。
みぞおちからおへそに向かって、正中線をなぞり はっきりと浮き上がる縦線。
鍛えた腹直筋により、しなやかに、流れるようなラインを作る腹部。
その腹直筋はよく見れば、横に走る数本の腱画によって6つのブロックになっている事を慎ましくも主張している。全力で腹筋に力を入れればしっかり6つに割れるかもしれない。
丹念に鍛え上げた私の腹部は戦いに耐えうるだけの強度を持ち、女性らしさを失うどころか際立たせる美しさを持ち合わせているという自信があった。
自慢にしかならないが、私の体で、私が一番好きなチャームポイントだ。
それはさておき、自分の体で気に入ってる場所を褒められるのって悪い気はしない。
「 はすみのお腹だって良いと思うよ。か弱そうな感じが。 」
「 えぇー… それって、格闘技する人には褒め言葉じゃない気がする… 」
嬉しさの勢いあまってつい意地悪を言うと、はすみは落ち込んでしまった。
その方が好きな男の子もいると思うんだけど……うーん、やっぱ気にしてるんだなあ。ごめん、はすみ。
「 きっと頑張ってればお腹も強くなるわよ、そう思って頑張ってきたから勝てるようになったじゃない。
少なくとも痛みへの耐性はついて一発で気絶はしなくなったし…今は信じて一緒に頑張ろう? 」
「 うん…そうするしかないよね。 わたし、せっちゃんには本当に感謝してる。
最初に話しかけてくれてから、ずっと話してくれてるし、一緒の部に誘ってくれたし…
わたしと違って、綺麗だしかわいいしスタイルも良くてかっこいいし、声も良いし、
勉強も出来るし……あんまり話しかけないけど、皆憧れてるんだよ。女の子も。
わたしも、せめて空手くらいは追いつきたいな… 」
いやいやいやいや。あんたも十分、女の子から見てもかわいいと思うけどね。
全然、自覚ないんだ。こういう所が虐められる原因にもなったのかね…まあ、そうじゃなくても虐められオーラ出てるけど。
そういえば虐められて孤立していたのを私が話しかけて、助けてあげたのがきっかけだったっけ。
その後は私と同じ道場・同じ部活に入り……以来、私とは一番仲の良い友達で居てくれている。
未だに私を含めて三人くらいしか喋る人がいないけど、以前はずっと俯いてる印象しか無い娘だった。だいぶ明るくなったと言える。
それにしてもこういう事サラっと言っちゃう子なんだよね…さすがにちょっと照れる。
ちょっとセンチな気分になってるのかな? この子にしては良く喋る。体も心も疲労が激しい所為かもしれない。
「 あっ…もうこんな時間! わたし、柔軟体操と軽い掃除して、戸締まりしていくからせっちゃん先に帰ってて。 」
時計を見るとPM7:30を過ぎていた。今日は道場に行く日じゃないから時間を意識しなさすぎたかもしれない。
でも、この子を残して帰るのも何か心配だ。
「 ああ…私は型稽古しようと思ってたから、8時まではいるつもりだったよ。
悪いけど、はすみ先に帰っててくれる? 」
「 そうなんだ……わかった。じゃあ柔軟して、軽く掃除するね。
……わたしの涎たくさん落ちちゃってるし。 」
ちょっと恥ずかしそうにそう言う。それくらい私に任せてもいいのに。
私はクスっと笑い、彼女のお腹をさすっていた手を離して型稽古に入る事にした。
「 無理ないようにゆっくり整理体操してていいからね。 」
411:ミスト
07/08/30 21:00:53 dOP9aRM3
彼女に声をかけてから、神棚のある方向…全身が映るくらい大きな鏡が三枚程取り付けてある壁に向かい、型稽古を始めた。
しばらくしてはすみの方を見ると、彼女も柔軟体操を終えたらしく、ゆっくりバク転して立ち上がった。
あれなら明日も大丈夫そうだ、良かった。私は次の型に移り、はすみは掃除をし始めた。
やがて彼女は掃除が終わり、着替えて荷物をまとめると私の方に歩み寄ってきて、型の区切りが来るのを待っていた。
私が区切り部分で動きを止めてはすみの方に向き直ると、彼女が寄ってきて私を見上げる。
「 じゃあ、お先に帰らせてもらうね。明日はわたしが特訓に付き合うからね。 」
「 ありがとう。気をつけて帰……と、 にゃん。 」
猫の声を真似て ぺしん、とはすみの額を軽くはたく。
すると彼女はハッとして、丸まっていた背筋をまっすぐ伸ばした。
彼女は腹筋が弱いせいか猫背になりやすいのでたまにこうして注意してあげるのだ。
ただでさえ頼りなさげに見えるから、もっと堂々と見せられるようにしないとね。
「 あ、ごめん…ありがと。 」
「 あはは。それじゃ、おやすみね。 」
微笑みながら挨拶すると、彼女ははにかみながら笑顔で一礼して出口に向かった。
はすみの姿が消えるのを見送った後、時計を見ると7:55を示していた。
あとひとつ、今挑戦している型をやってから帰ろう。
――――――――――
「 ふうっ… 」
数回やり終わり、息を整える。
何回か挑戦してみたものの、今日も手応えはイマイチ。やはり難しい型はまだまだ練習が必要だ。
……と、集中しすぎてまた時間を忘れてた。時計を見ると8:15。
( さすがに時間をかけすぎた。急いで帰り支度をしないと………ん? )
私が荷物を置いていた場所…その横、さっきまではすみが荷物を置いてた場所に何か黒い物が落ちているのに気がついた。
はすみがいつも肌身離さず持っている、彼氏からもらったという黒いリストバンドだ。
「 何を忘れてもこれを忘れる事はなかったのに…しょうがないなあ。
とりあえず持ち帰って洗って、明日渡してあげないと。一応、携帯で教えてあげた方が良いかな… 」
リストバンドを鞄にしまい、着替えようとしたその時。
出口の扉がガララッ、と開いた。
( ああ、はすみ取りに来ちゃったか。疲れてるだろうに…… )
そう思って出口の方に振り向いた時……私の予想が間違いだった事を知った。
412:ミスト
07/08/30 21:04:10 dOP9aRM3
とりあえずここまでです。
格闘技ものと言いましたが、試合とかは次作かもう少し先になりそうです…
もし、試合のシーンの方が良い!と思ってる方がいましたらごめんなさい_| ̄|○|||
試合形式の物はまだ思案中です…なんか難しい…。
それと、装飾部分が多くなってしまった気がします。
もしツボにカスりもしない人には文章力の無さも手伝って、まったく楽しめない可能性あり…(汗)
あと、最初の反省を踏まえ出来るだけ特徴をわかりやすくする為に、キャラクター紹介を入れてみました。
あまり関係の無い、どうでも良い部分も書いてあるかもしれませんが…(汗)
◆主要(ターゲット)キャラクター
※ 美原 刹那(ミハラ セツナ)
中学3年生、15歳
性格:クール、理知的。人当たりは悪くないが、好き嫌いでの区別をはっきりつける感あり。
何事に対しても強気で臨む。
外見:長身、且つ、中学生ながらスタイルは抜群。
凛とした雰囲気を漂わせる、ぱっと見、近づき難い感じの美人系の少女。
髪型:腰に届きそうなくらいの、綺麗な髪のロングヘアー(最初に思い浮かべたのは姫カット)。
色は栗色(地毛)
備考:努力を忘れない天才。中学生になってからは無敗。
格闘技をするにあたり、圧倒的に不利な髪型をしているが自信の裏返しとも言える。
女らしさを損なわないままに鍛えあげた腹部に絶対の自信を持っている。
※ 楠瀬 はすみ(クスノセ ハスミ)
中学3年生、14歳
性格:おとなしい、素直、優しい。人見知りが激しいが、一度打ち解けると懐いてくる。
一生懸命になりすぎて加減を考えない頑張り屋になる面がある。
外見:少しスタイル良いかな、というくらい。部では一番小柄。
格闘技に縁が無さそうな柔和な雰囲気の、可愛い感じの少女。
髪型:セミロング(色は黒)。もみあげ部分の毛だけ長め。
備考:女子の中でもあきらかに小柄だが、その努力と素質で成長著しい少女。
愛用しているリストバンドは彼氏からプレゼントされた物で、肌身離さず持っている。
※一作目のヒロインと同一人物です。
とりあえず、以前に増して長くなってしまったので今回は前半部分だけ投下させて頂きました。
後半は、明後日あたりに投下させて頂きます。
「腹パンシーンだけでも良い!」という考えの方もいらっしゃると思いますが、
そういう方は今回はまったく見なくても大丈夫だと思いますので、スルーしてやってください。
413:名無しさん@ピンキー
07/08/31 00:44:16 FDqnmXGU
>>408
♀×♀、優しい(?)突き、可愛い呻き声・・・ツボです♪素晴らしい!
414:名無しさん@ピンキー
07/08/31 04:54:01 S8kB5eNB
テンプレ通りの展開にならない事を期待するよ
415:名無しさん@ピンキー
07/09/01 22:21:24 hI21ItCm
>>412
>格闘技をするにあたり、圧倒的に不利な髪型をしているが自信の裏返しとも言える。
どう不利なのかいまいちピンとこないけど、こういう設定はなんか好きだw
これは期待大
416:名無しさん@ピンキー
07/09/01 22:38:17 /OSPdGXB
要するに貞子ヘアー
417:名無しさん@ピンキー
07/09/01 22:43:50 yNf6mRk0
腹をッ! えぐりあげるのぢゃッ!
418:y
07/09/02 02:07:33 eUKQkVYz
ミスト様
おへそが弱点のあたり激ツボ!へそやられ期待!
419:名無しさん@ピンキー
07/09/02 03:11:31 QRjVfTzN
>>416
誤爆??
420:名無しさん@ピンキー
07/09/02 11:59:20 urbKQpDp
いやいや格闘する女性でリングに出てくる貞子みたいに長髪をそのまま垂らした奴なんていないだろ?
掴まれたり、絡まったり純粋に邪魔だし
まあ不利だというのがピンとこない人間に不利な例を上げずに、
不利であろう髪型の例を上げているので端から見れば流れが繋がってないように見えるのも無理ないな
421:ミスト
07/09/04 22:39:33 XJ6kt6gb
そこには、一重瞼でツリ目の鋭い視線を向けながらゆっくり歩いて来る、
髪をポニーテールに結わえた道着姿の少女が居た。
私とはすみが居なければ間違いなくNo.1…身長は私と同じくらいの、菊池 聡美だ。
彼女は含みのある笑みを浮かべて、歩きながら私に話しかけてきた。
「 こんな時間まで熱心な事ね。三度目の優勝に向けて…ってところ? 」
「 そんなところ。あなたは? 誰かに阻まれてるせいで未だ未体験の優勝に向けて…ってところかしら? 」
私が笑みを浮かべて皮肉つきの返答をすると、一瞬不快そうな顔になった。が、すぐに元の顔に戻る。
「 …まあ、それでもいいわ。 」
何をしにこんな遅い時間にここに来たのか…考えてる事はだいたい察しがつく。
要は逆恨みだ。2年にあがった頃から私にしつこくつきまとっている。
最初の頃は1対1の真剣勝負を何度も申し込んできていたが、最近は形振り構わない感がある。
以前は3人掛かりで私をリンチしようとした事もあった。返り討ちにしてやったけどね。
何の事は無い、よく聞くような話かもしれない。要は逆恨みだ。
ついでに言うと、はすみを虐めていたのもこいつらだ。正直、不愉快なのであまり近寄ってきて欲しくない。
だいたい、今日だって同じような用件なんだろう。
そう思っていると案の定、彼女が入ってきた扉と同じ扉から、同じように道着を着た女子が何人か入ってきていた。
身長は私とはすみの中間くらい…金色の長髪、No.5か6を行ったり来たりしてる感のある 松本 陽子。
身長・筋力は女子部1を誇るショートカットの長身女、本間 智重。
後は………誰だっけ?忘れちゃった。
友達やクラスメイト以外、どうでもいい奴ってよく覚えてないのよね。
「 秘密の特訓のご指導でお疲れの所を悪いけど…今度はあんたの特訓なの。 」
この集団のリーダー・菊池 聡美 以外が私を取り囲むように左右に展開し始めた。
「 ……カラオケの特訓でもくれるのかしら? 賑やかで楽しくなりそうね。 」
私は、悪びれた様子もなくそう言い放った。
「 ふざけるんじゃないわよ 」
当然からかわれたと思って凄む。
まあ、からかったんだけど。
「 それにしても… 」
この子も含めて、全部で6人。今回はまた随分と………
「 少ないわね 」
多いな。
「 ……強がり言ったってわかるわよ。 」
強がりだけどさ。
「 あら、そんなすぐにばれるような事言わないわよ。それにしても3人でダメだったから6人なら…
っていう貴女の考えの甘さときたらねぇ。 」
「 そうよ。今度は6人でしっかり教えてあげるの。ありがたいと思いなさい? 」
422:ミスト
07/09/04 22:40:48 XJ6kt6gb
なるほど、あくまで体裁保つなんて気はないワケね。本気で潰したいんだ。
私は恨みにも似た怒りの眼差しを受け流しながら終止、冷ややかな笑顔で話す。
屈服する気なんてサラサラないし、言ってしまったものはしょうがない。後から自分を追い付かせるしか。
6vs1。それでも、この子達一人一人と私とでは歴然たる差があった。
不利な状況には変わりないがまるっきり勝算がないワケではなく、むしろやり方次第で十分勝てると思っている。
道場では同学年の男の子にだって勝つ事が出来るのだ。道場の練習に比べたらなんて事ないはずだ。
過信ではなく、確たる自信。
彼女達は、既に私を六角形の内側に置くような形で包囲し終わっている。
リーダーの聡美が目の前、両サイドに二人ずつ…そして恐らく真後ろに一人といった感じだろう。
「 それじゃ、私も帰る時間が過ぎてるし…そろそろ手早くご教授お願いできるかしら? 」
「 ………もう、始まってるわよ。 」
私の言葉を、ニヤリと不敵に笑いながら返す。
その目はなんとなく焦点が私に合ってない。少し遠くを見てる感じだった。
「 あら、そう 」
ニコリと微笑み返す。
直後、馬のように後方に上段後蹴りを放つ。
―― バカンッ!! ――
「 がぁっ……!! 」
私の軸足と蹴り足が180度開き、背後から私を捕まえようとしていたであろう人間の顎を下から踵が捉えた。
私は気配を読んでいた…というより自分の足元に差し込む背後の子の影が動くのを確認していたし、
展開した陣形とリーダーである彼女の目線。
まるで襲う気配垂れ流しなのだ。私に言わせればわからない方が間抜けとも言える。
呻き声の後にドタン、と倒れこむ音が聞こえる……クリーンヒットの手応え、間違いなく失神したはずだ。
声から察するに倒れたのは本間だろう。乱戦必至なだけに、彼女を最初に仕留められたのは大きい。
「 このっ! 」
それを合図にしたかのように、全員が一斉に動き出す。
「 ほっ 」
私は後ろに倒れている本間を飛び越えるように左後方にバックステップ。
バックステップの動作をそのまま飛び後回し蹴りの要領で上段横蹴りに繋げ、左後方の子の頭部を蹴り抜く。
「 あがッ!! 」
蹴られた子は飛ばされるように後退りし、すぐ後の壁にだんっ、と叩きつけられるとズルズルと尻餅をつくように気絶してしまった。
私は左から来る松本を迎撃する態勢に入る。右サイドから来る二人は倒れた本間の体が邪魔で、ほんの僅か合流が遅れているからだ。
やはり根本的にスピードが違いすぎる。このまま松本を上手く仕留めれば勝ちはほぼ確定だ。
飛び込んでくる松本の体が開き気味になる…瞬時に高い蹴りを放つ動作と判断した私は、
自分から距離を縮める為に前に出ようとした。
( このままボディに一発… )
「 待てっ!! 」
( …っと! )
この集団のリーダーである聡美の指示が出ると同時に松本と他2名が歩を進めるのを止めた。
カウンターを取ろうと前に出ようとした私も出るに出られなくなってしまった。良いリズムだったのに。
いっきにやられかけないと判断して流れを断ち切ったのだ。
聡美の言葉を聞き、何かを思い出したように改めて…扇型の陣形を作り、4人でゆっくりとその扇の面積を縮めるように私に迫ってきた。
頃合を見計らって一斉に飛び掛かる腹積もりだな。
2人…いや、せめて3人ならこれでもまだどうとでも出来たのに。
今の状況では自分から飛び込んで誰か一人倒したとしても、あっという間に捕まってしまう。
仕方なく私は隙を窺う為に、構えたままじりじりと摺り足で後にさがり始めた。
間も無く、部屋の隅あたりの壁際に追い詰められ、私は後退を止めるしかなくなった。私がさがるのを止めると、4人もいったん止まる。
クスクスと笑い、勝負は見えたとばかりに聡美が話しかけてくる。
423:ミスト
07/09/04 22:43:06 XJ6kt6gb
「 ……終点よ? ここからはどうするの? 」
「 ふぅ。……そうねえ、困ったわ。 」
取って付けたような溜め息をついて、構えを解く。4人が一瞬、訝しげな顔をする。「何を考えてるんだ?」と言った所だろう。
私はキョロキョロと辺りを見渡す…今の位置は、部屋の出口から逆方向の位置。すぐ左側は神棚と鏡のある壁。後には窓。
窓の方にゆっくりと振り向く事にした。そして、おもむろに窓をガラガラッと開けて両手をつき、飛び越える体勢に入る。
「 ちょっ…!! 」
馬鹿にするなと言わんばかりに襲い掛かかってくる。
私は、私の真後ろから走ってくる二人にタイミングを合わせ、
両手をついて窓を飛び越える動作を途中で切り替え、両足を使って同時に二人を飛び後蹴りする形にもっていく。
―― “バゴッ!” ――
「 ぐあっ!! 」「 ぐ! 」
二人が派手に倒れこむ。聡美と松本は警戒していたらしく、両サイドからやや回り込むように私に接近していた。
「 シュッ! 」
窓を飛び越える事なく元の位置に着地した私を捉えようと、右側から来る聡美が中段蹴り、松本が上段蹴りのモーションに入る。
だが私は既に次の行動に移っていた。倒れた二人の間を通るように素早く前転、中段蹴りが流れるように空になびく私の髪をかすめただけに止まった。
なんとか広いスペースに逃げ込んだ。
「 ちっ! 」 「 ああ、もうっ。今のは完全にもらったと思ったのにぃ~ 」 「 うう…… 」
聡美が舌打ちし、松本がぼやき、蹴った二人の内の一人が頭を振って起き上がる。残念な事に、片方は当たりが浅かったらしい。
でも、これでようやく突破の目処が立った。6人居た集団も気がつけば目の前の4人だけになっている。
え………4人…?
「 ……つう……、よくもやってくれたね 」
最初にKOしたはずの本間が起き上がり、頭を振りながらこちらに近づいてきていた。
どうやら時間をかけ過ぎて復活してしまったようだ。
完全に誤算だった。3人の時と違い全滅させるのに時間が要るし、常に周囲を意識して動きながら戦わなければならないのでどうやっても技の切れも鈍る。
なんとかここまで無傷で凌いできたものの、思っていたより簡単にはいかないようだ。
「 ずいぶん小細工使って馬鹿にしてくれたけど……そろそろ終わりにさせてもらうわ。 」
首謀者の聡美が、今度はさっきまで湛えていた笑みもなく言い放つ。
そろそろ向こうも多勢である事の油断を捨てて必死になって向かってくるだろう。
本間が復活し、菊池 聡美・松本 陽子が無傷の状態で4人一斉に掛かってこられればそう何度もうまくいく保障は無い。
直感的に、そろそろ本気で逃げる算段をした方が良さそうだと感じた。幸い、少し遠いが今は後方にドア…退路がある状態だ。
こんな奴らに逃げを打つのは癪だけど、やられるより遥かにマシ。
「 今度は逃がさない! 」
「 ! 」
考えを巡らせた一瞬の隙を見逃さず聡美が地面を蹴って駆け出すと、残りの三人もそれを合図にするように動き出した。
私は舌打ちし、仕方なく構えたまま、出来るだけ速く後方に後退する。
「 ヤッ!! 」
聡美のお気に入りの技、上段飛び後廻し蹴りが放たれる。
さすがにお気に入りの技だけあってそこそこの切れとスピードとパワーを持っていた。
ダッキングして後方に下がりたかったがブロックするしかなかった。
―― ガッ!! ――
「 ぐうっ! 」
ブロックはしたものの、バランスを崩して斜め後に大きくよろける。
その際、私の髪の一部が汗によって顔に張り付き、視界の大部分を塞いだ。
立て続けに、よろけた方向を追ってくるように松本らしき人間が攻撃モーションに入るのが見えた。
私は視界を塞がれたが、ボディは自信がある為ブロックを捨て、下段と上段にヤマをはる。
―― バシィンッ!! ――
「 くぁっ 」
上段廻し蹴りだった。今度もなんとか受け切ったが、上段に加え下段をガードをする為に片足を上げ一本足になったので
振り回されるようにさっきとは逆方向に大きくよろけ、更にバランスを崩す。
424:ミスト
07/09/04 23:16:38 XJ6kt6gb
―― ぐしぃっ! ――
「 ああぁっ! 痛ッ…!! 」
よろけた方向に本間が待っており、後から私の髪を鷲摑みにしていた。
不意に襲った引き千切られるような頭の痛みに、思わず目を瞑り両手で髪を引っ張る手を抑える。
上背・ウェート共に私をやや上回る本間に拘束されるのだけは避けたかったが…その、恐れていた最悪の状況になってしまった。
「 せィっ!! 」
―― ドンっ!!! ――
「 がっはぁッ!!! 」
私は喉の奥から出た涎を口から繁吹かせ、目を見開いた。
髪を引っ張られ目を閉じた瞬間に、のけぞった私のノーガードのお腹を狙って聡美が正拳を打ち込んでいたからだ。
私は髪を摑む本間の手から、自分の痛むお腹へ両手を移して押さえ、ガクンと膝を折った。
すると倒れさせまいと本間が両脇を抱き上げるように支え、そのまま羽交い絞めに拘束し直す。
「 うぅっ! けほっ…… 」
「 ……!……うふ、あっはっはっはっは。 」
私の喘ぎ声を恐らく初めて聞いたであろう聡美が思わず歓喜の嘲笑をもらした。
「 ナニソレ。あんたってさー、自分のお腹自慢してた事なかったっけ?
ちょっと綺麗で強そうに見えるからって…実際打たれたらこの程度じゃん。ほんとは弱いんじゃないの~? 」
その言葉に私は少し腹を立てた。
おそらく分かって言っているとは思うけど、今の私は完全に不意を突かれていた上での結果だ。
だが悶絶してしまった以上…不意を突かれたから、などという「状況」は言い訳にならない。
「 ……ふ……ぅ、何言ってるのよ。あなた程度が全力で正拳突き入れた所で私に効くと思うの? そこまで身の程知らずの単細胞だったなんて意外だわ。
避け続けるのも飽きてきてたし、やっぱり一回くらいピンチにならないとつまらないじゃない。
でもこんな私、あなた見た事ないんじゃない? せっかくだし今くらい好きにさせてあげるから、さっさと来なさい。 」
まだ少し痛むお腹の痛みに耐え、涼しげに言い放った。
その言葉を聞いた聡美は、また苛立ったらしく不機嫌そうな顔になる。精神鍛錬が足りないなあ。
とりあえず…まだ私は負ける実感なんて湧かない。厳しいもののチャンスはまだあるはずだ。
多少痛い目にあっても、その時を待つのみ。
「 …そこまで言えるなら、好き勝手やらせてもらうわ。後悔しても遅いからね… 」
私を睨み付けつつそう言うと、視線を下に移す。見ている場所はたぶん……
「 ふぅん……透き通るような綺麗な白い肌で…綺麗な腹してるじゃない。一発入れたくなるわね。 」
やっぱり。着ているスポーツブラとスパッツが作る隙間部分……肌も露に曝け出された腹部を見て、あからさまな台詞を吐く。
おそらく、私の自信の持っている部分を潰してやろうと言うのだろう。
「 あんたが楠瀬を特訓してたように、今度は私達があんたのこと特訓してあげるわ! 」
言い終わると同時に、私の素のお腹におもいっきり拳を叩き込み始めた。
私は全力で腹筋を固め、打撃に備えた。
――ドンッ!――
「 ふッ! 」
当たる瞬間に息を吐き腹筋を最大限に使い、腹部の耐久力を高める。
「 ………へぇ、よく見るとあんた、力入れた時にうっすら腹筋割れてるじゃない。
これは潰し甲斐あるわね。 」
425:ミスト
07/09/04 23:17:43 XJ6kt6gb
人が動けないのを良い事に言いたい放題言ってくれて。
でもお生憎様、あんたらなんかに潰せる程ヤワなお腹じゃない。
…やれるもんならやってみなさいよ。
「 ねえ、ねえねえ、聡美。私にもやらせてよぉ。私の攻撃、まだ一回も当たってないんだよ。
ちゃんとお腹狙うからぁ♪ 」
脇で見ていた松本が嬉しそうに聡美に話しかける。
なんかちょっと屈辱感を覚えた。普段、相手にもならないような奴が意気揚々と私を甚振ろうとしているのだ。
いっそ振り解いて脱出してやろうかと思ったが…本間の力が強くてそれが出来ない。
そういう技ははすみの方が上手かったな…機会を作ってコツでも教えてもらおうかしら。
「 うーん。…いいわ、じゃあ最初は陽子やりなよ。せっかく捕まえたんだから皆で楽しみましょ。
でも、いきなり最初からきついのはナシ。……長く苦しめてやった方が楽しいからね。 」
不敵な笑みを浮かべながら松本に許可を出し、残りの全員にも語りかけた。
すると全員が気持ち悪い笑みを浮かべ始める。サディスト集団め。
「 それじゃ、皆お先にごめんねー。 」
言いながら松本が私の前に立つと、拳を打ち込み始めた。
―― バチッ!! ――
「 フっ! 」
( お…おへそ…? )
松本は、私の丁度おへそを殴るように打ち込み始めたのだ。
( 痛くないわけじゃないけど、みぞおち連打とかじゃないならまだ大丈夫だわ。はすみじゃあるまいし。 )
―― ドッ! ――
「 くっ! 」
―― ヅムッ! ――
「 んっ! 」
打撃に合わせ、ひたすら腹筋を固める。鍛え上げたとは言え、痛いは痛い。
でもまだまだ大丈夫…見てなさい、全員疲れきるまで耐えてやるんだから。
―― ドズッ! ――
「 ぐッ! 」
―― ドグッ! ――
「 ぐぅッ! 」
―― バチンッ! ――
「 くふっ! 」
―― ドッ! ――
「 ふくッ! 」
―― ドムッ! ――
「 んッ! 」
ひたすら私のお腹のまんなかを中心に殴り続ける。私は集中力を研ぎ澄ませ、ダメージを最小限に抑える。
426:ミスト
07/09/04 23:20:01 XJ6kt6gb
「 …ふう、ちょっと息切れてきたぁ。気持ちよかった、交代交代っ。どんどん行こー♪ 」
10~20発ほど突きを入れた所で交代を告げた。
松本が殴っている間に、既に気絶していた二人の子も起き、6人が私を囲んでいる。
次に私の前に立ったのはちょっと太った子…名前はやっぱり思い出せない。
この子は普通の状況なら、私の勝負の相手に選ばれない程度の相手。
だけど、さすがにウェートが普通の子よりあるぶん意外に効いている。
普段まったく歯が立たない相手を好きに殴れる事がよほど嬉しいのか、私の引き締まったお腹を狙って猛ラッシュをかけている。
―― バチッ! バンッ! ドッ! ズドッ! ――
「 ふッ! クっ! んっ! んっ! 」
やがて、打つ手を止め交代を告げた。思ったより早く終わった。
練習不足でスタミナが無いお陰で、明らかに松本よりも短い時間ですんだ。
でも、さすがに立て続けに食らっているとこちらの息も少々乱れてきた。
「 ふぅー…ふぅー…ふ~~っ……… 」
「 もう限界? 次は私よ? そんな事で最後まで持つのかしら。 」
次に私の前に立ったのは…聡美だった。ここで私はひとつ作戦を思いついた。
彼女がある程度打った所で気絶してしまうのだ。正確に言うと、気絶したフリを。
彼女が打つのなら周囲への説得力もあるハズだ。気絶した後、隙をついて逃げる。出口はもうすぐそこ、逃げ切れるはずだ。
その為にも彼女には手加減なしで打ってもらわないと……
「 ……やっとあなたなの、待ちくたびれたわ。もう、ヌルくてヌルくて……
まあ、あなたも対して変わらないかしら。才能が無い人間って何をするにも中途半端になって大変よねぇ。 」
「 な………っ!!? 」
乗せ易いな。自尊心が強すぎる事と精神鍛錬が足りないせいで今はありがたく思う。
実際にはこの子も相当の才能を持ってるから過剰に罵倒…挑発した事になるけど、今はこれでいい。
もちろん、私の言葉に反応したのは聡美だけではなかった。
松本は呆れた顔で私を見て、私を羽交い絞めにしている本間以外の他の子は口々に喚き始めた。
「 何こいつ。自分は特別とか思ってるんじゃない? 」 「 頭おかしいんじゃないの? 」 「 聡美、もうやっちゃってよ! 」
聡美は憤怒を露にした形相で、私を凝視している。そして、溜まっていたものをぶち撒けるように叫んだ。
「 もういい加減、あんたの勘違いした態度にもうんざりしてるのよ!! そろそろ自分っていう物を教えてあげるわ!! 」
―― ドブッ!! ――
「 フぐッッ!!! 」
怒鳴り散らすなり、いきなりみぞおちに拳を打ち込んだ。腹筋は全力で固めたけどやはり効く。
聡美は怒りに任せ私の鍛え上げた綺麗なお腹を、狂ったように打ちまくる。
―― ドォッ!! バグッ!! ドムッ!! ドンッ!! ――
「 んッ!! んっ!! んッ!! んんっ!! 」
427:ミスト
07/09/04 23:21:43 XJ6kt6gb
打たれまくった腹部が熱い…だけど、頃合まで耐えてみせる。私の腹筋なら、このくらい…!
―― バグッ! ――
「 んんッ!! 」
―― ドぶッ! ――
「 ふゥッ! ……………? 」
………あれ? 何かおかしい。今、腹部に違和感を感じた気がする。
私の意志と無関係に動いたような………
と、考えている間にみぞおちめがけて一撃が加わり…違和感の正体がはっきりした。
―― どぼォッ!! ――
「 くふぅっ!!……は…ぁ………! 」
私の口から今まで吐いた事もないくらいの量の涎が吐き出された。
思わず少し体を折り、後ろで羽交い絞めにしている本間をお尻で押してしまう。
否定したくても、効いている事が見てわかるくらい…今までと違い、拳はお腹にめり込みを見せていた。
私の鍛えたはずの腹筋は度重なる連打でダメージを追ったせいで痙攣し、感覚が薄れ、私のコントロールから離れ始めていた。
本間が腰あたりで私の腰を押し返し、また私をお腹を突き出すように反らせた状態に戻す。
「 あっははは、その状態だとディフェンスの体勢も取れないからモロに腹筋にも来るよねえ。うふふ、いい気味…
でも、偉そうに言ってた割にあんまり持たなかったね。楠瀬の事言えないんじゃない? 」
はっきりと感じた屈辱。
何が起こっても絶対こんな奴らに醜態を晒す事はないと思っていただけに、精神的にかなりこたえた。
体の力がどんどん奪われていき、腹筋も弱り始め、私のお腹は打ち込まれる拳の進入に対し寛容になっていた。
私は成す術なくされるがままにお腹への連打を受け続けた。
( 嘘…嘘! 嘘よ、こんな事って……!! )
「 あはははは…! 本当はあんただって腹弱いんだからこれからは変な自信持つのはやめなさいよねッ!! 」
「 !? 」
―― ドブぅッ!!! ――
「 うッッ…、ぐはッ……!! 」
罵倒する言葉を吐きながら、もう何度目になるかわからないみぞおちへの打ち込みを受け入れる。
だが普段なら軽く無視して終わらせるであろうその罵倒が、妙に私の頭に響いた。
( …そうなの…? ………私って本当はお腹弱かったの…?
じゃあ、私の今までの努力は何だったっていうの? 贔屓目に見なくても自信が持てるだけの事はしてきたはず。
私のやってきた事は全部、自己満足でしかなかったの……? )
朦朧とした私の頭の中で、否定したくなる疑問がぐるぐる回る。
こんなはずじゃなかった。こんな事になるなんて、夢にも思わなかった。
( 私……負けるの……? )
私の内側で自分の心が折れる音が聴こえ始めたその時、聡美が最悪の拳で私を抉った。
―― ばぐんっッ!!!! ――
「 ぐあっはぁッ!!? ひぎぅっ………!!!!!! 」
その一撃は………私の「 女である臓器 」に強烈にヒットしていた。
私は、まるで頭を貫くような、全身の力を奪われるような激痛に襲われた。
瞬時に目の前が霞み、気が遠くなった。
でも、大丈夫……これは演技なんだから……
隙を見て…逃げる準備、しないと………。
428:ミスト
07/09/04 23:58:29 XJ6kt6gb
アップがだいぶ遅れてしまいました。すみません。
とりあえず、まだ長いと思ったので今回を中盤として、近いうちに後半を投下したいと思います(汗)
長引いてごめんなさい。m(_ _)m
付け足し付け足しした部分も数箇所あるのでひょっとしたらおかしく見える部分があるかもわかりませんが、
読んで頂けましたら、と思います。よろしくお願い致します。
>>413さん
ありがとうございます。「○○みたいな子が腹パンされると~~」みたいな好みもあると思うので、
付加価値の部分も合わせて意見くださるのは参考になります♪
弱腹担当の子は弱く打たれても効く感じにしたかったです(笑)甘噛み…甘突きとでも言うか、そういうのがすきっていう人もいそうですね…
>>414さん
忠告のような意見、ありがとうございます。正直、オーソドックスにやってみようと思って書いていたら、
414さんの言葉を頂いたので少し変えました…今回、回避できるかしていけるかわかりませんが、
今後意識して書いていけるようになりたいと思います。m(_ _)m
>>415さん >>416さん >>420さん
強腹(?)担当の子は強気というか強くて自信家にしてみようと思いました。
415さんのように、そういう子が好きという人も結構いそうだなと思ったので…ご意見ありがとうございます。
とりあえず、今回でどう不利になるか…の部分は多少書いてみた感じです。
というか、説明の書き方がいまいち不親切でしたね、ごめんなさい(^ ^;
420さん、フォロー&ご指摘ありがとうございます。
ちなみに、 >格闘技をするにあたり、圧倒的に不利な髪型をしているが自信の裏返しとも言える。
は、「圧倒的に不利な~~」ではなく、「明らかに不利な~~」の間違いでした_| ̄|○|||
圧倒的に、とか言ったので余計に違うイメージで伝わってしまったかもしれない…(汗)
貞子ヘアー…でイメージが定着しちゃいそうなので(笑)、ちょっとサンプル的な物を探してみました。
髪型の雰囲気的にはこんな感じで
URLリンク(shi.boo.jp)
今回も長くなってしまったので、腹パンガイドをつけさせて頂きます。
>>425~427
が腹パンチ部分です。
429:ミスト
07/09/05 00:25:03 1yr8KuuB
>>417さん
>腹をッ! えぐりあげるのぢゃッ!
えぐり…あげてるはずなんぢゃッ!(描写し忘れ_| ̄|○||| 次回に…w;)
>>418:yさん
>おへそが弱点のあたり激ツボ!へそやられ期待!
弱腹のほうの娘はまた話を作る予定なので今回はなさそうです…でも、同士がいてくれて嬉しいです><(ぁ
430:名無しさん@ピンキー
07/09/05 19:38:38 FlSB+jPF
ここまでテンプレ通り。
〆に期待
431:名無しさん@ピンキー
07/09/05 19:53:48 nRvPC1Kp
うおーミスト氏GJ!!
ああ髪型が不利、ってそういう意味か・・・
貞子とかいうからもっと長いのかと思ったら、サンプルのイラスト可愛いしw
後ろから髪引っ張られてよろけてる隙に腹パン、っていいね
擬音と声の描写がいい感じっす
432:名無しさん@ピンキー
07/09/05 20:16:42 Rts3DueT
>>430
テンプレ、いいじゃないですか
433:名無しさん@ピンキー
07/09/05 23:42:30 FlSB+jPF
別にダメとは言ってないお
434:名無しさん@ピンキー
07/09/06 08:24:36 gm4L2u8x
点プレって何?
435:名無しさん@ピンキー
07/09/06 19:20:32 UXvNMDoM
つテンプレートの略
436:y
07/09/07 02:39:10 DFWR0661
ミスト様GJ!同志最高!
ヘソ責めに期待!腹強い子にでもグリッと!
437:名無しさん@ピンキー
07/09/09 19:46:33 WVyXL+lW
このスレ住人って、他のフェチ属性ってどんなの?
参考に教えてたもれ
438:名無しさん@ピンキー
07/09/09 23:39:07 fuxkaPpN
ピタスーツ好き。でもチアガールコスやゴスロリにも目がない
あと変身ヒロイン、触手もの、バトル物なんか最高だ
ようはヒロピン属性
439:名無しさん@ピンキー
07/09/10 00:09:06 SqUwT3O9
石鹸とかチョコレートとかのかどフェチ
440:名無しさん@ピンキー
07/09/13 15:32:38 3w9sGZwy
保守
職人カムバック
441:名無しさん@ピンキー
07/09/14 23:38:52 ajweCK7u
職人カムバックage
442:名無しさん@ピンキー
07/09/17 12:42:54 LoCCnwNt
絵板のほうで見かけたぜ
443:名無しさん@ピンキー
07/09/17 23:29:36 qt99U8S1
刹那たんカムバックage
いやまじで
444:名無しさん@ピンキー
07/09/18 00:13:14 g6FfIGYs
>>442
肉ショタでの陥没腹イラストはここでの予行演習だと信じたい。。。。。
445:名無しさん@ピンキー
07/09/18 02:00:17 v2tNnjM/
俺としてはお互い家族を人質に取られた女性二人が交互に殴り合って潰しあうってシチュが良いと思うんだが皆はどうよ?
初めは家族人質で嫌々やってるんだがだんだんとマジで相手が憎くなって本気になる…みたいな
446:名無しさん@ピンキー
07/09/18 11:29:02 aSncqQla
女同士の殴りは嫌いじゃないが、女のパンチの威力なんて高が知れてるからな
447:名無しさん@ピンキー
07/09/18 16:33:03 w09Kfdg3
紐男爵が由美ちゃんとリン犯すの願います
448:名無しさん@ピンキー
07/09/19 02:11:34 lFkBiJOq
第一話からハードな展開だなwww
449:名無しさん@ピンキー
07/09/19 06:01:05 qFKiN1Fn
リンはいいんで由美ちゃんが触手でいためつけられたりしながら、精液やられたりするのをどうか……
450:名無しさん@ピンキー
07/09/20 22:17:57 LScIO3lC
強がってる制服婦警を鳩尾一発の気絶KOに萌え。
451:名無しさん@ピンキー
07/09/21 00:06:59 rCvnyg6b
>>448
まさか、あなたはダイレンジャー知ってるのか?
452:名無しさん@ピンキー
07/09/22 18:21:18 PXZnzgY+
試しに挑戦してみてるが・・・一人称って難しいなこれ・・・
453:名無しさん@ピンキー
07/09/22 18:41:16 AelN7rza
>>452
やられる側の一人称は非常に難しい
454:名無しさん@ピンキー
07/09/23 07:24:00 t8OvLQJD
小説全般において一人称はハードル高いしなー
第三者視点で語る部分や各種設定部分まで「俺」や「私」基点で進めなければならんし。
俺は前スレで一度挑戦しようとして十行ぐらい書いて挫折したわw
455:名無しさん@ピンキー
07/09/23 16:08:48 AcUa5Z2e
やる側の一人称は意外と出来る
456:名無しさん@ピンキー
07/09/23 18:10:52 7z8Up271
考える前に飛べ、ってこの前見た映画で感銘受けた台詞があるんだ
457:名無しさん@ピンキー
07/09/24 18:15:24 Re1bdCJ8
女の一人称試してみたいが、凄くつまらなくこじんまりか吹っ切れて暴走かどっちかになりそうだw
458:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:03:38 ou8VL8cV
トリップの付け方テスト。これでいいのかな?
459:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:04:15 ou8VL8cV
既に日も落ちて久しい日曜の夜。
市街から離れた海岸沿いのとある埠頭に、三つの人影が並んでいる。
それぞれ背格好は違うが、三人に共通しているのは若い娘であるということ。
そして全員が、豊満でありながらもなおかつ引き締まった、類稀なボディラインを有しているということ。
「……遅いわね、真美と葵」
腕時計から目を上げ、綾那はやや苛立たしげに言った。
年の頃は二十歳過ぎ。上は長袖の白いレースブラウスに、下は足首まで伸びた黒いロングスカート。
長い黒髪に縁無しの眼鏡をかけており、まるで音楽科の教師のような服装と相まって清楚な雰囲気を醸している。
「遅い。……もう、先に荷物だけでも積み込んでおこうか」
晴香はそう言うと、足元のアタッシェケースを爪先で小突いた。
綾那と同じく二十歳を過ぎた辺りだが、服装は綾那と正反対で、挑発的なラバースーツに身を包んでいる。
零れるほど胸の開いた、ノースリーブの真っ赤なキャットスーツ。豊満な肢体が、これでもかと強調されている。
「そうですねえ。二人ともどこで道草を食ってるんでしょうねえ」
綾那と晴香の後輩、美緒が間延びした声で追随する。
「待ちくたびれて、もう美緒は風邪を引きそうですよ晴香先輩」
一人まだ中学校を卒業したばかりの美緒は、その服装も最近まで通学に着ていた制服である。
薄手のスクールシャツに緋色のネクタイ、スカート。その肢体は16の少女にしては抜群のプロポーションだが、
グラビアモデル顔負けの二人の先輩に比べると、さすがに肉付きの良さでは一目置かざるを得ない。
晴香、綾那、美緒の三人は、決して社会の表舞台には登場することのない、とある組織の一端を担っている。
殺人、麻薬取引、人身売買と組織の黒い仕事は数々だが、いずれにしても法に抵触する事に変わりはない。
組織での晴香、綾那、美緒の役目は、主に今日のような仕事。“商品”の確保である。
足元の鞄、一見すると何の変哲もない小さな鞄だが、実はその中には某巨大有名企業の極秘資料が詰まっている。
使いようによっては数十億円規模の利益を生み出す代物なのだ。
組織の中でも一流の評価を得ている晴香、綾那と、まだ新入りである弟子の美緒は、
今日も日本有数のセキュリティを誇る本社ビルに難なく潜入し、いとも簡単に“商品”を手に入れたのだった。
後はここで待ち合わせをしているもう一組のタッグと合流し、荷物を船に積み込んで出発するだけなのだが……。
「ひょっとして真美さんと葵さん、何かヘマをやらかしたんじゃないでしょうね」
「まさか。ただ女を一人拉致するだけの簡単な仕事よ。失敗のしようがないじゃない」
なんでもないような顔で物騒なことを言う綾那。
その時。
「とうとう見つけましたよ、悪党ども」
突如、三人の美女の耳に、よく澄んだ声が響き落ちた。
「「……!?」」
三人は、同時に上を見る。
誰もいない筈の廃倉庫の屋根に、一人の少女が立っていた。
460:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:05:16 ou8VL8cV
「え……?」
三人は言葉を失う。
その少女が、これ以上ないほど珍奇な格好をしていたからだ。
耳には、夜空に向かって突き出したアンテナのような金属製の耳飾り。
手首には、真夜中にもかかわらず何故か淡い光沢を放つブレスレット。
拳には、まるで中世ファンタジー映画にでも出てきそうな白銀色のガントレット。
足には、同じく白銀色に煌くエナメルブーツ。
そして……その三人に劣らない肉感的な肢体を覆うのは、一点の穢れもない、純白のレオタードスーツ。
「とぅっ!」
気合を入れた掛け声と共に、少女は飛んだ。
4、5メートルはある高さも物ともしない様子で、呆気に取られている三人の前に降り立つ。
「なっ、何者ですか、お前!」
「満月の夜に現れ、世にはびこる悪を正す正義の戦士」
甲高い声で叫ぶ美緒に落ち着いた様子で応え、少女は握り締めた拳を自らの胸の前に掲げた。
「人は私をこう呼びます……純白の天使、ナイト・プリンセス!」
「……はあ……?」
それを聞いた三人は、揃って顔を見合わせる。
「……………………ぷっ」
すぐに、娘たちの間に爆笑が漏れた。
「せ、正義の戦士……ナイト・プリンセス……!」
美緒が肩を震わせながら呻く。
「こりゃまたケッサクにかっこいいですねえ……。何ていう漫画から取ったんですか、その名前?」
「だっ、黙りなさい!」
指を差して笑われ、少女は激昂した。
「別に私が決めた名前じゃありません。これはパパが……」
そこまで言うと、はっとした顔になって口を閉ざす。
「……とにかく悪党ども。私が現れたからには、あなたたちの命運は尽きたも同然です」
すらりと伸びた指先が、三人の足元のアタッシェケースを示した。
「それはT企業グループの、新技術による特許商品の極秘資料ですね。あなたたちが不当に入手した」
この言葉にはさすがに虚を突かれ、美緒の顔に動揺が走る。
「ど、どうしてそれを……」
「どうやら只の通りすがりのお馬鹿さんではないようね。……あなたは誰?」
腕を組み、綾那が眼光鋭く冷たい声を挟む。
「馬鹿なコスプレが趣味の警察官、それとも馬鹿なコスプレが趣味の探偵?」
「一度言ったでしょう……私は純白の天使、ナイト・プリンセス」
凛とした表情で、少女は言い放った。
461:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:05:52 ou8VL8cV
「はいはい、もう分かりましたから」
美緒は薄く笑った。
「何が正義の戦士ですか。いい年して」
闇夜に煌くナイト・プリンセスの肢体をじっくりと見定める。
(……むむむ)
馬鹿な格好をしてはいるが、そのスタイルは抜群に良い。
身長は、美緒より頭一つほど上か。
90センチは下らないであろうメロン大の双乳と、同じくすこぶる肉付きの良い安産型の臀部は、
ぴっちりと肢体に張り付いた純白のレオタードによって、その真円に近い弧のほとんどを浮き上がらせていた。
そして暗闇ではっきりとは見えないが、はちきれそうな曲線の肉体とは対照的に、
その澄んだ声と闇夜の月の下に垣間見える表情には、まだ幾ばくかのあどけなさを残している。
自分よりは年上だろうが、恐らくそれほど離れてもいまい。
(むかつく!)
悔しいが、世の助平な男たちからの見た目だけならば、自分より偏差値は高いだろう。
だが同時に、身体能力においては相手が遥かに格下であるということも美緒には分かっていた。
何せ自称・正義の戦士とやらの肉体は、いくら官能的であれ、全く武道を嗜んでいる者のそれではなかった。
滑らかな四肢はただスマートなだけで筋力に欠けているのは明らかだし、太っているというほどでもないものの、
ふっくらと優しく盛り上がった腹部には、およそ運動用の腹筋と呼べそうなものは一筋も見当たらない。
要するに……相手はただの、乳がでかくて肉付きが良いだけのコスプレ女なのだ。
とても、数多の戦闘術を身に付けてきた自分たちの敵ではない。
やおら美緒は堂々と歩を進めると、真正面に敵と相対した。
「……何ですか。やるつもりですか?」
咄嗟に両手のガントレットを握り締め、美緒に向かってファイティングポーズをとるナイト・プリンセス。
「やめておきなさい。正義の戦士は……強いですよ」
両拳を胸の上に掲げ、毅然とした口調で言う。
「はっ」
だが、美緒にとってはそのポーズが既に失笑ものだった。
ただ適当に身体を揺らしながら、拳を突き出しているだけ。間合いも重心もあったものではない。
それは正に見よう見まね、ロッキーを見終えた素人が映画館の外に出てやるままごとに他ならなかった。
もう、相手をするのも馬鹿馬鹿しい。一撃で黙らせてやる。
愚かな相手に手本を見せるように、しっかりと大地に脚を固定し、掌を丸めて引き絞る。
先輩であり格闘術の師でもある晴香と綾那に比べると未成熟ではあるものの、美緒の戦闘能力も尋常ではない。
こんな馬鹿女の肉体など、どこをどう叩いても再起不能に出来る自信がある。
「アニメの見すぎなお姉ちゃんは、さっさとお家に帰りまちょうね……っと!」
不敵に笑いながら言った美緒は、堅く握った拳をナイト・プリンセスに叩き込んだ。
462:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:06:39 ou8VL8cV
どんっ!
「うぅ……っ!?」
美緒の拳はただ左右にぶらつかせているだけの敵の腕など簡単に掻い潜り、その腹の中心にインパクトした。
読み通り、やはり相手は格闘技に関しては全くの素人だったのだ。
しかし……。
「……な……なんで……?」
鈍い呻き声を発したのは、美緒の方だったのだ。
(か、堅い……まるで、分厚い鉄板を殴ったみたいな……)
信じられない。
自分が殴ったのは間違いなく敵の腹のど真ん中、白いレオタードのみに守られた、ひ弱な肉と脂肪の壁の筈だ。
先輩たちに比べれば一歩劣るとはいえ、百戦錬磨の自分の必殺の拳が、いとも容易く弾かれた。
技術も腹筋もまるで無い筈の、ただのコスプレ女の身体に……?
「やりましたね」
だがその疑問に明確な回答を与える間を与えず、ナイト・プリンセスは静かに言った。
「次はこっちの番です」
純白の天使は腰を後ろに捻った。そして銀色の光沢を放つガントレットの右を、更に背後に大きく振りかぶる。
だがそれも全く、本当に素人のやり方だった。
ゲームセンターのパンチマシーンではないのだ。そんな距離からの大振りな攻撃が、実戦で当たるわけが無い。
まだ痛む自分の拳に動揺しながらも、美緒は撃つタイミングが見え見えの敵のパンチに悠然と対応しようとする。
次の瞬間。
ぼずんっっ!!!
「はんっ……!?」
美緒は一瞬、本当に何が起こったのか分からなかった。
気付いたら視界はぶれ、口内には溢れんばかりに液が湧き上がり、自分の腹には恐ろしく硬い物が埋まっていた。
見えなかった。誇張表現ではなく、それは本当に目にも留まらなかった。
見え見えの筈のナイト・プリンセスの拳は、超音速で美緒の腹に突き刺さったのだ。
一拍おいて、美緒の全身を鈍痛が駆け抜けた。
「か……かはぁ……!!」
中学卒業したてのませた少女らしく薄い紅を引いた小さな唇から、一筋の涎が漏れる。
「美緒ッ……!?」
背後から晴香たちの声が幻聴のように聞こえる。
白銀に輝く鋼鉄のガントレットは、美緒のネクタイを半ば引きちぎり、スカートベルトのバックルをへし曲げ、
更に腹膜の中心からその肉体内部へと突入すると、そのほとんど半分近くまでもめり込んでいた。
「くふぅっ……んんっ……!」
鍛え込んでいた筈の腹直筋を見るも無残に突き破られ、美緒の肢体はがくがくと震えた。
ナイト・プリンセスが拳を引き抜いてもなお動けずに、その場で中腰になって立ち尽くす。
そんな隙だらけの少女の肉体に、ナイト・プリンセスは無言で二発目の猛撃を叩き込んだ。
大振りな、しかし未だ完全には成熟しきっていない果実の真下に、強力無比なボディアッパーが埋め込まれる。
「きゃぐぅんっ!!」
通常の格闘技では決して聞くことの出来ない、大玉花火のような破裂音。
二度の破壊的なエネルギーを受け、緋色のネクタイと白のワイシャツが千切れ飛ぶ。
ナイト・プリンセスの拳は肋骨も十二指腸も貫通し、真正面から美緒の膵臓にまで達していた。
鳩尾を抉られて無残に曝け出された瑞々しく張りのある腹から、みしり、という音が響く。
「は……ぐ……ぐぷぉっ」
目に涙が溢れ、あどけない唇から胃液が噴出す。
技術も何もない。ただ圧倒的な攻撃力で自慢の肉体を蹂躙され、美緒の意識は消し飛んだ。
463:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:07:25 ou8VL8cV
「なんだ……お前は、何者だ」
晴香が、今や一片の油断もない声で凄む。
「三度も言わせないでください。正義の戦士、です」
美緒の肉体をその鳩尾に突き刺した拳一本で軽々と支えながら、ナイト・プリンセスは静かに言った。
「あなたたちの組織は、本当に信じられません。こんな子供まで悪事に加担させて……」
ゆっくりと美緒の腹からガントレットを引き抜くと、崩れ落ちようとする身体を素早く抱き止める。
「んん……う……」
がくりと落ちた美緒の頭は、自分を一撃で失神に追いやった敵の雄大な双乳に柔らかく沈み込んだ。
瞼こそ開いていたが、その瞳はとっくに霞んで何も映していない。
力の抜けた美緒の身体をそっとアスファルトに寝かせたナイト・プリンセスは、晴香と綾那に向き直る。
「覚悟しなさい……あなたたちには手加減しません。相応の報いを受けてもらいます」
「……!」
二人は戦慄して立ち竦んだ。
美緒を一瞬にして肉塊に変えた凄まじい威力。
あれで、まだ手加減していたというのか……。
「……晴香……」
「分かってる……」
頷きあった晴香と綾那は、同時に懐に手を入れた。
「……」
二人の美女の手に握られたものを見て、ナイト・プリンセスの表情が微かに変化する。
黒光りする、奇妙な凹凸の棒。
「こっちも、手加減はしないわ」
綾那が不敵に微笑む。
それは小型の、金属製トンファーだった。
「行くわよ……!」
二人は、ナイト・プリンセスに向かって跳んだ。
すぐには仕掛けず、まず晴香が軽快なサイドステップでその背後に回り込み撹乱する。
だが対するナイト・プリンセスは何のアクションも起こさず、ただ黙ってその様子を眺めるのみ。
(……ふん、馬鹿め)
(余裕ぶっちゃって……)
手に凶器を構えた二人を相手に全く動じないのは見事だが、何もしなくては状況が好転する筈もない。
あっという間に、挟み撃ちの体制が出来上がった。
「「はああぁっ!!」」
息を合わせて踏み込みながら、晴香と綾那は同時に得物を振るった。
小型とはいえ鋼鉄以上の強度を誇る特殊ジュラルミン製の軍用棒が、前後から敵の身体を襲う。
凄まじい衝突音と共に、ナイト・プリンセスの腹と背中にトンファーが叩きつけられた。
「ぐあっ……!?」
だが、またも呻き声をあげたのはナイト・プリンセスではなかった。
「ば、馬鹿な……」
確かに女の柔肌に激突した筈の金属棒は、まるで壁を叩いたビニールバットのように軽々と弾かれていたのだ。
「そんなもので、このパワードスーツは破れません」
悠然と言い放ったナイト・プリンセスは、すぐに反撃へと転じた。
ぎしりと両手のガントレットを固め、驚愕と痺れで動くのが遅れた晴香と綾那の腹に叩き込む。
晴香のキャットスーツと綾那のブラウスに、同時に鋼の拳が衝突した。
「はっお……!」
「ぐむうぅ……!」
娘たちの、プロボクサーのパンチすら耐え凌ぐ六つ割れの腹筋に、金属塊が半分近くめり込む。
鍛え上げた肉体を軽々と撃ち抜かれた衝撃と激痛に、晴香と綾那の身体は棒立ちになる。
(そ、そんな……)
(人間のパンチじゃ、ない……)
薄れ行く意識の中で唖然とする二人。
だが信じられないことに、その拳は二人の動きを止めるための前座でしかなかった。
464:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:08:09 ou8VL8cV
拳を引き抜かれた勢いで弓なりに仰け反る晴香と綾那。既に意識は朦朧としている。
だが、その曝け出された肉体の中心に、ナイト・プリンセスの本気の拳が照準を合わせる。
直後。爆発的な質量とエネルギーが、二人の娘の鳩尾を貫いた。
「かはぁぁ……!!」
「はぅぅん……っ!!」
ショットガンの接射でも食らったような衝撃に、二人の瞳が見開かれる。
ナイト・プリンセスの言葉は嘘ではなかった。
白銀のガントレットは、究極に見えた美緒への攻撃を遥かに越えた速度で二人の鳩尾に激突し、
娘たちの艶かしい肉体の奥深くへ、もはやその金属部が見えなくなるほどにまでめり込んでいた。
瞬間的に、まるで石を受けた水面のように、二人の娘の腹の中心から外に向けて大きな波紋が広がる。
巨大な質量の異物を丸ごと埋め込まれた事により、娘たちの肉が無理やり外部へ圧し出されたのだ。
ばつんと音を立て、晴香のキャットスーツのフロントジッパーと、綾那のレースブラウスのボタンが弾け飛ぶ。
「あ……あはぁ……」
「ぐ……ぐふっ」
拘束から開放された四つの肉塊がぶるりと零れ、衝撃の余波で縦横無尽に跳ね回る。
美しく鍛え上げられ整った肉体を惜しげもなく曝け出して捻じり、晴香と綾那の両手はだらりと垂れ下がる。
力の抜けたその手から、トンファーがゆっくりと床に滑り出る。
だが、ナイト・プリンセスは咄嗟にそれを空中で受け止めると、力強く両手にその握りを構えた。
既に失神している晴香と綾那だったが、あまりの威力と一瞬の早業により、
その肢体は未だ立ったままふらふらと揺れ続けている。
「まだ、です」
まず晴香、真っ赤なラバーキャットスーツを破って零れ出た爆乳の真下を、アッパーの動きで強烈に突き上げる。
20センチは下らないであろう金属棒が、最後肋骨の真下から晴香の肉体奥部に根元まで突入した。
「ごぷぁぁッ!!」
神経的な反応ではなく、純粋に胃を圧し潰された衝撃によって、可愛らしい蕾から胃液がぶち撒けられる。
「こ……ぁ……」
伸縮性に富むキャットスーツは、トンファーに巻き込まれながら晴香の肉体の中心に極大の力で食い込んだ。
それにより身に纏ったラバーはぴっちりと締め付けられ、その肢体はよりいっそう肉感的に引き絞られる。
形の良い臀部、豊満ながらも六つに割れた腹の筋、そしてへその穴の窪みまでがくっきりと浮かび上がる。
「はぐぅ……んっ」
丸出しにされた巨大な乳房が、断末魔をあげてゆさりとうねる。
震える舌を力なく唇から突き出し、くるりと白目を剥いた晴香は、あっというまに豊満な肉塊へと堕ちた。
ナイト・プリンセスは、一瞬で覚醒と再気絶を繰り返した晴香の身体を固定しつつ、
次に左のトンファーを軽やかに振るうと、綾那の黒いスカートに覆われた下腹に突き刺した。
「きゃはぁんんッ!!」
急所に同じく根元まで突き込まれた異物によって強制的に覚醒させられ、眼鏡の奥の瞳が真円に見開かれた。
衝撃で清楚なロングスカートが引き裂かれ、挑発的なガーターベルトに吊られたストッキングが曝け出される。
大人びた眼鏡も吹き飛び、所詮は背伸びをしていたに過ぎない小娘の正体が露わになった。
「んくぅっ、ひぁ……!」
凶悪な威力の異物は、容易く粉砕したガーターの切れ端を巻き込みつつ、
綾那の丹田から半ば尻に達するまでをずっぽりと抉り、その身体をつの字に折り曲げていた。
腹筋と比べてあまりにも脆過ぎる括約筋と、その小さな急所はいとも簡単に破壊される。
ぷしゃぁっ。
凄まじい威力で膀胱を貫かれ、その股間から微かな破裂音が鳴った。
ずたずたに破れて薄毛を覗かせるショーツから生温かい液体が溢れ、ガーターとストッキングを勢いよく伝う。
「はぁっ、あ、あぅぅぅ……」
薄れ行く意識の中でも、自分の身に何が起こったのかを感じ取ったのだろう。
頬を真っ赤に紅潮させ、両手で何とか己の恥部を隠そうとしながら、綾那もまた再度の気絶に堕ちた。
465:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:08:45 ou8VL8cV
ナイト・プリンセスは、両手に握っていたトンファーを離した。
あられもなくその肉体を放り出し二度の失神を味わった半裸の娘たちは、がくりと膝を折って前につんのめる。
「しばらく、そうやって反省することです」
ナイト・プリンセスは、凛然と言った。
「……ふう。今日の仕事も、無事に終わりましたね」
やがて大きな溜息をつき、穏やかな表情になる。
正義の戦士ナイト・プリンセス……本名、小手川沙織。
その正体は宇宙人でも改造人間でもなく、私立箕政高校に通う18歳。
夜の闇に降り立ち悪を滅する純白の天使も、昼間は何の変哲も無いただの一女子高生である。
(……あ、いけない。明日の数学の宿題、まだちょっと残ってるかも)
普段はおしとやかなお嬢様である沙織がここまでの力を振るえるのには、一つのからくりがあった。
沙織の父であり、権威的科学者でもある小手川宗一博士。
彼の発明した特殊電分子により構成された超性能パワードスーツ……それが、ナイト・プリンセスの正体なのだ。
これを纏う事により、普段は格闘能力など全く持たない、寧ろ生来の運動オンチである沙織は、
たちまち鉄をも砕き、銃弾をも弾き返す、人間離れしたパワーを持った強靭な肉体へと変貌を遂げるのである。
本来、それは戦闘用のものではなかった。
宗一博士が化学実験途中に偶然作り上げたその特殊電分子……通称「S分子」は、ある特異な性質を持っていた。
それは特異も特異……人間の闘争心に反応して、その結合エネルギーを増大させるという特性である。
極端な話……人間が闘争心、つまり「やる気」を出すほど、その精神力の強さに感応して「強くなる」のだ。
もちろん、科学には闘争心などという漠然としたものが介在する余地は無い。
どうも人間が放出するノルアドレナリン等の闘争本能ホルモンとの反応が関係しているらしいが、
詳しい原理は当のパワードスーツ着装者である沙織自身にもよく分かっていない。
一度は父から説明を受けたことがあるが、何がなんだかさっぱりだった。
もはや父は知性の次元が高すぎて、下位の者にその高尚過ぎる原理を説明する語彙を持っていなかったのだ。
とにかく、パワードスーツ「ナイト・プリンセス」は偉大な父が作り上げた最高の発明であり、
沙織はその試運転を兼ねて、毎夜純白の天使に「変身」して世にはびこる悪と闘っているのだった。
(うん、今日もいい調子でした。ただ、前から思ってたけど……ちょっと寒いかも)
暗闇でも仄かな光沢を放っているレオタードスーツは、その全てがS分子の結晶なのだ。
手首のパワーユニットブレスレットと耳飾り型の制御アンテナによってレオタードの形状を記憶し保っているが、
本来、通常の衣服のような固定された実体は持っていない。
パワーユニットの活動を停止して変身を解けば、すぐに周囲の空気に混じって消えてなくなる儚い存在である。
当然そこには保温性も何も無く、言ってみれば変身中の沙織本人の肉感は、ほぼ裸でいる状態に近い。
今は夏場だからまだ肌寒い程度だが、秋、冬が来ればとても悪と闘うどころではなくなるだろう。
この事実は早いところ父に進言しよう、と沙織は思った。
(さて……そろそろ帰らないと、お父さんに心配されちゃいますね)
三人の悪女を倒し、奪われたアタッシェケースも取り戻したが、まだ今日の沙織の仕事が終わったわけではない。
最後に父の研究ラボに立ち寄り、今晩の戦闘データをコンピュータに反映する作業が残っているのだ。
そしてほぼ気休めに近い短時間の仮眠の後、もう月曜の朝には健康な女子高生として登校しなければならない。
半年後には大学受験を控える正義の戦士に、休息の時間は少なかった。
「あら……?」
帰宅しようとした沙織の耳に、どこからか微かな振動音が聞こえた。
澄んだ夜空を濁らせる、不快な音。
沙織はすぐに、それがバイクの音だと気付いた。
466:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:09:18 ou8VL8cV
音はどんどん沙織に近づき、やがてその騒音の元……漆黒の大型ハーレーが姿を現した。
「……??」
「よっしゃ着いたぞ」
呆然と立ち尽くす沙織のすぐ傍にハーレーを停め、その運転手はのそりと埠頭に降り立った。
乗ってきたハーレーとは不釣合いな紳士服に身を包んだ、やけに背が高くがたいのいい男。
ゴーグルはおろか、ヘルメットすら着けていない。
「さて……」
男はきょろきょろと辺りを見回した後、ふと沙織に目を向けた。
「なあ、そこのコスプレお嬢さん。この辺に徳川埋蔵金が埋まってるなんて話を聞いたことはあるか?」
「徳川……??」
沙織はきょとんと目を瞬かせる。
「いえ……ありませんが」
「じゃあ財宝が詰まった海賊船が沈没してるってのは?」
「……いえ……」
沙織が首を振ると、男は目に見えてがっかりした。
「それなら俺は、なんでこんな地図に従ってこんなとこに来たんだ?」
そういって、手に握った紙切れをひらひらさせる。
「何ですかそれは?」
「知らないよ。これの小物入れに入ってたんだ。じゃあこれはどうも宝の地図じゃないんだな」
ハーレーを親指で指し示し、とぼけた声で答える。
どうも話が要領を得ない。
ことの真相としては、そのハーレーはもともと男が他の人間……沙織が倒した三人と落ち合う予定だった
真美と葵という娘たちから強奪したものであり、小物入れの紙切れは、彼女らの合流場所をメモしたものだった。
その地図に従ってやってきた男は、必然的に沙織と鉢合わせすることになった、というわけなのだが。
言葉足らずに過ぎる男の説明で、沙織がそれを理解できるわけはなかった。
「骨折り損だなまったく。……ところでコスプレお嬢さんは、こんなとこで何してるんだ?」
再び周囲を見回し、ナイト・プリンセスに倒され失神している三人の娘に目を留める。
「なんだ、ヒーローごっこか。真夜中なのに元気だなあ」
「な……」
その一言に、沙織は絶句した。
正義のために昼夜身を削っている自分の闘いを、ヒーローごっこ。
「……今の言葉、取り消してください。私がやっているのは遊びじゃありません」
「ごっこじゃないのか。じゃあ何だい」
「本物の、正義の戦士です」
「えええ、本物。俺の一番苦手な人種だよ」
男は嫌な声をあげる。
「もう勘弁してくれ。さっきも無理やり留置所に叩き込まれて、ようやく逃げてきたとこなのに」
「何ですって?」
脱獄……?
「そりゃ俺にも非はあったよ。いいとこの令嬢掻っ攫おうとしたり、金庫の金パクったり」
誘拐に、窃盗。
「けど、もういいじゃないか。全部あの、なんていうの、未遂に終わったから。罪を憎んで人を憎まずだろ」
「良くありません」
沙織はきっぱりと言い放った。
「どうやら、あなたは極悪人です。この私……ナイト・プリンセスが、成敗します!」
純白の天使ナイト・プリンセスは、たんと地を蹴った。
467:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:09:58 ou8VL8cV
淡白く輝く艶かしい肢体が、華麗に宙を舞う。
男は、冷め切った目でそれを見る。
またこういう展開か。どうやら今日の自分は、見知らぬ女に喧嘩を売られる星の下にあるらしい。
「たあっ!」
大きく夜空に振り上げたガントレットが、男の脳天に撃ち下ろされる。
だが、男はその大振りな攻撃を簡単にかわした。
(なんだ、完全にド素人の動きだな)
こと闘争のみに関してだけ天才的に発揮される男の観察力は、すぐに敵の格闘センスを看破した。
男が今まで倒してきた女たちには様々な種類が居たが、いずれもある程度以上の格闘技熟練者だった。
しかしどうやら今度の敵は、見た目こそ一番奇抜なものの、中身は只の一般人らしい。
今日はもういいかげん疲れた。すぐに終わらせて帰ろう。
そう決断した男は、攻撃を空振りして硬直している敵の腹に、初弾から加減の無い拳を打ち込んだ。
どんっ!!
「くっ!?」
「ぐぁっ!?」
だが、より大きな呻き声をあげたのは男の方だった。
「……何だぁ……?」
自分の拳が弾かれた。その事が信じられず、まじまじと敵を見る。
「……凄い。やりますね、貴方」
対する敵、ナイト・プリンセスも、同じく信じられないといった顔で男を見ていた。
「ほんの微細なものとはいえ、このパワードスーツを着ていて痛みというものを感じたのは初めてです」
腹をさすりながら呟く。その言葉どおり、はっきりとしたダメージを受けた様子は全く無い。
……どんな手品だ。
ふっくらと盛り上がった腹、筋力など微塵も感じさせない肉と脂肪の塊に、自分の拳は確かに激突した筈だ。
薄手であればフライパンすら破壊する鉄拳に、じわじわと鈍痛が広がる。
「けれど、効きませんよ。このパワードスーツは、装着者の精神力に感応してその強度を無限大に増します。
私の心に正義が燃えている限り、あなたには万に一つの勝ち目も無い」
ナイト・プリンセスは少々得意げに説明するが、男の脳には理解できない。
「さて……次は私の番です!」
言うなり、敵の拳が大きく後ろに振りかぶられる。
「せいっ!」
どうやらアッパーを撃つつもりらしい。放たれるタイミングが手に取るように分かる、見え見えの溜め。
それはやはり素人の動きだった。男と敵の体格と筋力差なら、防御する必要すらないだろう。
(う)
だが、超自然的ともいえる男の原始的な闘争本能が、その全身に極大のアラームを鳴らす。
気付いたときには、男は反射的に体前で両腕を固めていた。
ごきぃんっ!!
「がっ……!?」
骨が砕けたような衝撃と共に、80キロを越す男の身体が宙に浮いた。
(ば、化け物か……!!)
びりびりと全身が震える。とんでもない威力だった。
まともに顎や胸に食らっていれば、一撃で再起不能にされていただろう。
今までの女たちなど話にならない。目の前の少女は、間違いなく今晩最強の敵だ。
「そ、そんな馬鹿な……」
だが、恐るべき敵の声も微かにうわずっていた。
「私の、本気の打撃を食らって立っていられるなんて……」
確かに立ってはいるが、それがやっとだ。2発目はとても耐えられないだろうという事も、男は自覚している。
この隙を逃せば、自分の負けだ。
男はもはやなりふり構わず、ナイト・プリンセスの身体に掴み掛かった。
468:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:10:50 ou8VL8cV
沙織は動揺していた。
ナイト・プリンセスのフルパワーパンチの威力は物理計算上、暴徒鎮圧ラバーコート弾の直撃に匹敵する。
その拳を受けて立っていられ、あまつさえ反撃を試みようとするなど、人間の体力と精神力ではない。
(く……)
驚愕に思考の停止する沙織の身体に、突進してきた男の掌が襲い掛かった。
(まだまだ……いくら強かろうが、どうせ私のスーツは決して破れはしない……)
そう。何せ自分が纏っているのは無限の強度のパワードスーツ。
敵を倒すのに少しぐらい時間は食おうが、自分の敗北だけはありえない……と。
強敵を前にしてなお、未だ18の少女は自惚れていた。
それが、勝敗を分ける事となる。
「きゃぅっ!?」
沙織は小さく悲鳴をあげた。
大きく広げられた男の左掌は、一直線に沙織の胸部を捉えていたのだ。
そのまま強引に押し切られ、少女の肢体は背後の金網に叩きつけられる。
「くぅ……!!」
もちろん全く痛みは無いが、沙織は恥辱に大きく呻いた。
「は、離しなさい……!」
そのメロン大の豊乳の右房に、男の掌がゆっくりと沈み込んで行く。
「はうっ」
沙織のほっそりとした咽喉から温かい吐息が漏れ、その全身が隙だらけになる。
その隙を逃す敵ではない。
男は左手で沙織の肢体を固定したまま、右の掌を大きく広げると、
健康的な少女の肉体の急所、レオタード越しにくっきりと形の見えるへその真下に猛烈な掌打を撃ち込んだ。
ばすんっ!!
「……効きません、よ」
凄まじい音と衝撃が夜の埠頭を駆け抜け、背後の金網がぎしりと軋んだが、沙織の肢体は微動だにしない。
そう、ナイト・プリンセスのパワードスーツは無敵なのだ。
「その程度の攻撃で……ふあっ!?」
だが、インパクトの瞬間こそダメージは皆無だったが、すぐに沙織の表情に変化が起こった。
下腹に押し付けられた掌底が、ゆっくりとその肉体内部に沈み始めたのだ。
「くふ……!?」
(し、しまった……!)
沙織の背筋が凍りついた。
打撃、射撃、斬撃などあらゆる衝撃を耐え、弾き返す超性能パワードスーツ。
だが、緩やかな移動や接触などに対してはその限りではないのだ。
それは当然の仕様だった。レオタードが常時超金属の硬度では、そもそも装着している側が腰一つ捻れない。
戦闘行為による瞬間的な衝撃のみに対して硬殻化するよう設計されているパワードスーツの特殊電分子は、
人間の通常の動作速度の範囲内では、見た目通りのレオタード程度の硬度しか持たないのである。
例えば……今、自分がされている事の速度では。
「か……は……」
男の掌底はゆっくりと、だが万力のように圧倒的な力で沙織の下腹にめり込んで行く。
初めて明確な痛みを感じた沙織。レオタードに包まれた全身にじわりと脂汗が滲んだ。
469:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:11:27 ou8VL8cV
「や、やめなさ……あうぅんっ!?」
沙織は目を見開いた。
下腹に埋まった掌が、ぐにゃりと動いたのだ。
「あ……ぐ……」
男の掌は依然として怪物的な力で下腹にめり込みながら、その奥底で指を曲げて更に沙織の中に侵入する。
肉と脂肪を掻き分け、小腸も膀胱も抉った奥の奥。
「んっ……はあぁ……!!」
ぞくり、とナイト・プリンセスの背筋が凍った。
突如として湧き上がる、痛み以外の感覚。
自分の股間が瞬間的に湿った事が信じられず、蕾のような唇がだらしなく開かれる。
「あっ……あ……あ!」
唾液が溢れる。
頬が紅潮する。
下腹が疼く。
脳が蕩ける。
必死で止めようとするが、分泌される液は逆に勢いを増し、遂にレオタードから漏れ出してとろりと太股を伝った。
(う、そ……わ……わた、し……)
闇夜に舞う正義の戦士が。純白の天使ナイト・プリンセスが。
女の急所をまさぐられて。
発情、している。
「こ、この……はぅふ!!」
何とか拳を上げて男の頬を張り飛ばそうとするが、二つの卵巣を貫かれると呆気なく涎を漏らして腕を下げる。
蹴ろうとするが、強烈に子宮を揉みしだかれると力なく喘いで脚を落とす。
立つこともままならない。もはやナイト・プリンセスの戦闘能力は完全に殺がれていた。
だがそれだけでは飽き足らない男は、右手でナイト・プリンセスを辱めつつ、左の掌にも力を込めた。
レオタード越しにもその場所が確認できるほど硬くなっている乳房の突起を、二本の指で圧し潰す。
「ひぁんっ……!?」
少女の小さな粒は、柔らかすぎる自身の巨乳にずしりと沈んだ。
それにタイミングを合わせ、男の右中指がぐさりと子宮を突き刺す。
上下の快楽中枢を同時に撃ち抜かれ、沙織の背筋が弓なりに仰け反った。
「うっ、ふあぁ……!」
既に秘部から溢れ出す液を限界まで吸収していた純白のレオタードは、ぴっちりと少女の股間に張り付き、
今やその柔らかい小桃のような割れ目をくっきりと浮かび上がらせている。
「ふぅ、ぅ……はん……あっ」
唇の両端から溢れた涎が鎖骨を伝う。
下腹の奥深くから、熱い何かが徐々にせり上がってくる感覚。
「あ……うああっ、はっ、ぁんっ、ぁっ、ぁっ、ぁんっ」
顎が意識に反して持ち上がり、その全身が小刻みに震え始める。
(そんな……そ、んな)
憎むべき敵である筈の男の攻撃によって、自らの肉体が達している。
その事実を悟った時、沙織の中の何かがぷつんと切れた。
「や、やだぁ……お父、さぁん、助けて……」
遂に、正義の戦士ナイト・プリンセスの精神は屈服した。
470:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:12:11 ou8VL8cV
敵の心が折れたのを目の当たりにした男は、沙織の下腹をまさぐっていた右手を抜いた。
左手ではなお柔らかすぎる右乳房を抉ったままその肢体を固定しつつ、拳をぎしぎしと固める。
止めを刺す気だ。
「は、ぁぁ……あっ……」
既に何も考えることの出来ない沙織は防御しようともせず、ただ喘ぎながら潤んだ瞳で真正面を見つめている。
男は、極限にまで引き絞った全身全霊の猛撃を、ナイト・プリンセスの腹に突き刺した。
「………………っ!!!」
夜空に響く轟音と共に、その背の金網がずたずたに引き裂かれた。
もはやまともに悲鳴さえあげられず、沙織の瞳孔が針の先のように収縮する。
それは、例え現代科学技術を結集したナイト・プリンセスの体力・気力が全快時でさえ、耐え切れたかどうか。
まず鳩尾に、次にだらしなく弛緩しきったくびれの中心部に、最後に下腹の最も下、柔らかく膨んだ割れ目に。
男は1秒にも満たぬ間に、沙織の正中線に3発の剛拳を埋め込んでいたのだ。
「ご、ぐぶっ……げぽぁ……!!」
どぷっ、と音を立て、黄色い胃液が唇から噴き出す。
男の放った最強の3連打は、当の男も計算していない程のダメージを沙織に与えた。
元々ナイト・プリンセスの身体能力はほぼ全てが精神感応型パワードスーツの力によるものであり、
沙織本人の耐久力は皆無に等しいし、肉体の鍛錬など一度もした事はない。
そして既に沙織の精神は半壊しており、最高のコンディション時には銃弾すら通さない強度のパワードスーツも、
心が折れた今はただ見た目通りの、極薄のレオタード並みの防御力しか保っていなかった。
即ち、分厚い鋼鉄のような強敵の鎧を撃ち抜くつもりで放たれた全身全霊の拳は、
レオタードスーツの貧弱な守りなど完全に無視し、生身の少女の柔な肉と内臓を滅茶苦茶に破壊したのだ。
「……かは……ぁっ……」
純白のコスチュームの曝け出された急所部分には、それぞれ螺旋状の壮絶な陥没が穿たれている。
単発でさえ失神は免れなかったであろう致命的な猛撃を剥き身の腹に3発も埋め込まれ、少女は粉砕されていた。
だらりと垂れ下がった足が、ぶるぶると震え始める。
割れ目を圧し潰した拳によって膣口を塞がれているせいで、行き場を失った分泌液が子宮口に逆流しているのだ。
「んぁっ、ぐぅぅ……!」
出口を塞がれようが行き場が無くなろうが、液の分泌は止まらない。
その許容量をあっという間に越えた愛液の洪水により、沙織の内部でまだ未成熟な子宮がみちみちと膨張する。
まだ見ぬ愛する異性のそれを注がれる筈だった大切な袋を無理やり自らの快楽液で満たされてしまったという
屈辱と歪んだ快感に、沙織の瞳は完全に焦点を失った。
「……ぅ……」
精神感応の糸が完全に切れたことにより、美少女戦士の変身が解ける。
純白の天使ナイト・プリンセスの肢体は一瞬淡白い光に包まれると、
その身を覆っていた穢れなきレオタードスーツは粒子と化して闇夜に四散した。
激しい戦闘によってじっとりと汗ばんだ豊満な肢体が、ガントレットとブーツ以外一糸纏わぬ姿を曝け出す。
男は最強の敵が突如として全裸の少女に姿を変えた事に一瞬驚いたようだったが、
既にその両眼が焦点を結んでいないのを察すると、弾性溢れる巨乳に沈み込んでいた指は離さないままで、
脆過ぎる沙織の急所、柔肉をぷっくりと割った可愛らしい無毛の縦筋を深々と抉りこんでいた拳を引き抜いた。
「あ゛っ……」
さっきまで無敵の戦士だった全裸の少女の肉体は、それを合図にびくりと跳ねた。
無理もなかった。捻じ込まれた鉄拳によって封鎖されていた膣道が、いきなり勢いよく全開にされたのだ。
丸出しにされた滑らかな割れ目が力なくひくりと開いた途端、透明に煌めく分泌液が堰を切って溢れ出す。
愛液は沙織の痙攣する太股の間からまるで小水のような勢いで滴り、その足元に淫靡な池を作った。
471:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:12:55 ou8VL8cV
柔らかすぎる乳房に掌を埋めて無理やりその身体を立たせたまま、男は既に意識の堕ちている少女を見つめた。
力なく前にのめった頭は、男によって押し上げられた自らの巨乳にそのあどけない頬を沈めている。
じっとり汗ばんだ肉感溢れる肢体の鳩尾とへそ、そしてその内部に秘めた器官によって緩やかに盛り上がって
いた筈の部分には、螺旋状に大きく捻じ込まれた3発の拳の痕跡が残っており、未だに修復しきっていない。
そして、虚ろに開いた瞳の下の小さな唇の両端からは涎と吐瀉物の混じったものが、
つるりと盛り上がった柔肉の割れ目からは力ずくで分泌させられた淫らな液が、
共に未だ止まる事を知らず吹き零れ続けていた。
「……」
流石にもう自分の勝ちは動かないだろうが、わけの分からない力を持っていた敵だ。万が一、ということもある。
男は、完全に失神している裸の少女の小さく窪んだへその真下に、最後の拳をずしりと突き刺した。
数秒前までぽってりと盛り上がっていた官能的な下腹に、胎内まで拳が捻じ込まれる。
「ぅんっ」
ダイレクトに沙織の子宮を突き上げたコークスクリューアッパーは、豊富だった下腹周りの肉を爆散させた。
少女らしい丸みを帯びた骨盤の形状が、可愛らしい割れ目の恥骨までくっきりと浮かび上がる。
柔らかすぎる巨大な丸尻が、張り裂けた金網にみちりと食い込む。
ごぷっ……。
沙織の上下の口から、全く同じ音が漏れた。
その唇と股間の割れ目から、まだその華奢な体内にこれほど残っていたのかと思える量の液が一気に噴出する。
「は……はう……ぅ」
意識の無いままの虚ろな瞳が潤み、鈍痛と、半ば排泄の快感に近い刺激によって太股がぶるぶると震える。
だがそれも一瞬の事で、すぐに液の分泌は止んだ。
正確には、終わった、というほうが正しいだろう。
依然として薄桃色の唇と割れ目はひくひくと開閉を続けているが、もはや二つの穴から液が漏れる事はない。
とどめの一撃により、とうとう胃も膣も完全に空になったのだ。
それを見てやっと満足した男は、沙織の乳房と腹から鉄拳を引き抜いた。
「あ……ぁ゛はぁんっ……」
力なく震えていた両足が徐々に内股に開かれる。
高校生とは思えない喘ぎをあげて身をくねらせながら、沙織の肢体はその場に力なく両膝を着いた。
やがてその上半身はぐらりと後ろによろめき、脚をM字に開きながら仰向けに崩れ落ちる。
真上を向いても形状を崩さない、巨大な真円のゼリー状隆起がたぷんと揺れた。
「やれやれ……さすがに、本気で危ないところだった」
男はスーツの襟を正した。
圧倒的な暴力と不条理な快楽によって肉体を貫かれ、自らの分泌液の池に沈んだ全裸の少女を見下ろす。
その頬は桃色に染まり、夜空に向かって儚く突き出された双乳の突起と下腹の割れ目は、
未だひくんひくんと儚い痙攣を繰り返している。
苦痛による失神と快楽による絶頂という真反対の二方向から同時に蹂躙された沙織が意識を取り戻すには、
かなりの時間を要するだろう。
「今度という今度は本気で疲れたな。……せっかくの星空だ。そろそろどっかの公園のベンチででも寝るか」
無残に汚された純白の天使の肢体を転がしたまま、男は溜息をついてハーレーに跨った。
―完―
472:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/25 17:14:34 ou8VL8cV
ごめんなさい最初に名乗り忘れてました、前スレ596です。
というわけで正真正銘の最終話でした。
最後なので好き勝手に書いてみたらこうなってしまいました。何かもう色々とすみません。
あと、スレ容量の食い方がどうみても荒らしです。本当にありがとうございました。
473:名無しさん@ピンキー
07/09/25 18:59:36 yj2hJhAZ
GJ!
正義のヒロインがボロボロになり汚物の海に沈めラスト、最高に良かった!
最終回お疲れ様でした!
474:ミスト
07/09/25 19:01:27 2qv4n+Du
前スレ596さん改め、ランサーさん、お帰りなさい。待っていました(>_<
自分が腹パンSSに挑戦したいと思うきっかけになってくださった方の一人なので、
久しぶりに作品を拝読する事が出来てとても嬉しいです。
官能的な文章・表現はそのまま(上手くなってないという意味とは違う意味)に、今回も新たなシチュエーションで描かれていて、すごく読ませてくれる作品でした♪
私的に今回特にお気に入りなのは「その唇と股間の割れ目から、まだその華奢な体内にこれほど残っていたのかと思える量の液が一気に噴出する。」の辺りでした(笑)
設定部分や性格などもしっかり伝わってきて、改めてすごいなあと思います。
自分だとここまでの域に到達できないかも…(苦笑)
それと、気になったので質問させて頂きたいのですが「最後」というのはシリーズ的に…という事でしょうか、
それとも、ここに作品投下するのが最後…という事なのでしょうか(汗)
ランサーさんの作品もとても好きなので、出来ればこれからも読ませて頂きたいです(つ_;
やはり前スレから書いてらっしゃる方々はすごいですね…
自分もラスト部分がようやく完成しましたので、明日の夕方あたりに投下したいと思っています。
588さんや仕置き人さんの後もそうでしたが、上手い人の後って緊張します(^-^;
プレッシャーに負けて投下できなかったらごめんなさい;_| ̄|○|||
475:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:00:37 yj2hJhAZ
トリップ付けたばっかりだしこれが最後って事はないと思うが…
まあ一緒に雑談だけしてても良いと思う
ネタ出し合っていたら書きたくなってくるだろうし
476:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:05:52 0faVpm3R
ランサー氏ナイス。これは繰り返し読みたくなる文章だ
477:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:16:58 DdR0nt0G
>>472
どう見ても良作です。本当にありがとうございました。
478:名無しさん@ピンキー
07/09/25 20:48:42 z3Mj3mKb
>>472
覚醒させて再気絶とか、イきながら気絶とか、凄杉!
リアでこんなことになったら命がいくつあっても足らないが、このストーリーでは
打撲傷全治三日くらいの設定でよろw
479:名無しさん@ピンキー
07/09/25 22:29:15 iXf47FQO
沙織タン・・・(´Д`;)ハアハア
白レオタードパワードスーツは身体的ツンデレを実現した革命的服ですな!
480:名無しさん@ピンキー
07/09/26 01:13:42 dx4L2eX/
悪の女ヤラレが好きな俺は、前半の展開が最高で抜けた。
てか、これってヒロピンとヤラレの二つを内包し、なおかつどちらからも賞賛される稀有なSSではないかと。GJ!
481:ランサー ◆6olansC1k6
07/09/26 01:35:39 c9TngXre
皆さんわざわざ御感想ありがとうございます。
無駄に長い上に余りにもはっちゃけ過ぎた設定が受け入れられるのか不安でしたが
どうやらわりかし好評なようで、身にあまる光栄です。
>>ミストさん
最終話というのは一応、この名もないあんちゃんを主役としたシリーズの最後、というニュアンスでした。
どうして最後なのかというと、まあ臆面も無く言いますが、ネタが尽きたから、です。
もう僕の矮小なネタのストックは切れてしまいました。少なくとも今年いっぱいは充電期間として過ごすつもりです。
もちろんこれからもスレは覗くし、雑談にはぜひ混ぜてもらいたいと思ってますので、どうかよろしくお願いします。
482:名無しさん@ピンキー
07/09/26 23:36:35 sQja/vOJ
展開燃え杉
描写エロ杉
超GJ!!!
483:ミスト
07/09/27 03:56:06 2zne6joQ
>> yさん
やっぱりおへそは次の機会になりそうです、ごめんなさい(^_^;
腹パンフリークにはおへそ責めをあまり良く思わない方もいるようなので…実は今回は最初から自粛する方向で進めてました。
でも、自分も好きなので書いてる以上は絶対やる機会があると思いますので…
>>452さん、>>454さん、>>457さん (一括レスすみません。)
きっと自分なんかより上手く書けると思うので、もし仕上がりましたら是非読ませて頂きたいです♪
色んな趣向の作品も見てみたいですし…
>>ランサーさん
かなり捻じ曲げて捉えてしまったようで…お恥ずかしい限りです(汗) >>475さんの仰るとおりですね、考えてみればすぐわかる事でした(^ ^;
これからもランサーさんの作品が読めるようなので安心しました(笑)
お二方とも、ご返答ありがとうございました。
前回まで読んでくださった方々、感想をくださった方々、ありがとうございます。m(_ _)m
前回投下から三週間ちょっと…色々あって時間が空いてしまいましたが、話す( >>430さんへのレス含む )より先に見て頂きたいと思います。
それではラスト部分投下させて頂きます。よろしくお願い致します。
484:ミスト
07/09/27 03:56:41 2zne6joQ
―― ぱんっ! ――
唐突に頬を襲う痛みと衝撃で、私の覚醒は訪れた。
「 ぅ………。 」
体の右側に引力を感じた。頬に熱さとほのかな痛みを感じながらゆっくりと目を開けると、私は畳の上に横たわっていた。
そして目の前に私の頬を張ったであろう聡美の姿と、相変わらず私を取り囲む5人。全員が私を見下ろしている。
格技場の壁に掛かっている時計を見ると既にPM9時。察するに10分くらい気を失っていたらしい。
一度リセットされた私の頭は現状という物を明確に把握し始め、残酷な程私に叩き付けた。
そう、私は負けたのだ。多勢に無勢とはいえ、格下のこの子達に。
それも自分の自信の持っていた場所を痛めつけられ、弱さを思い知らされ……
今まで自分のやってきた事を粉々に打ち砕かれた。私の力の無さを認識させられた。醜態を晒してしまった。
「 …うッ… 」
ずきん、とお腹が痛む。だが手をお腹にもっていこうとしたが出来ない。
腕が後ろ手にされ手首の所で縛られていたからだ。気付けば足も、足首の所で縛られている。
持っていた自信も体の自由も勝機さえも奪われ、見下ろされている。
なんていう無様な姿だろう。
恥ずかしさと悔しさのあまり体が震えだし、私は畳に額をつけて込み上げる涙を必死に堪えた。
「 おはよう。ふふふっ、なんだか急に可愛くなっちゃったわね。
どう? 自分の『分』っていうものを勉強できたかしら? 」
( …ダメ! )
私は必死で持ち直そうと自分の中で自分を強く叱咤する。
( 弱気になるな、私は自分のしてきた事を無駄にしたくない。今弱いならこれから負けない力を身につけたい。
その為にも……無様な結果にだけ捕われて自分を貶めていてはダメ、
負けたとしても胸を張っていなきゃ………いいえ、負けた時こそ………胸を… )
「 ……いつまで突っ伏してんの! 分かったか分からないか答えなさいよ!! 」
聡美が私の顎を持ち上げ、顔を近づけて怒鳴り散らす。
私は聡美の目を見て、不本意ながらもはっきりと言う。
「 ………今日は、あなたの…あなた達の、勝ちよ。 」
「 ふん……… 」
聡美は私の顎から手を離すと立ち上がり、自分の腰に手をあて、見下ろしながら言葉を続けた。
「 さっき偉そうに言ってくれたあんたの言葉を返さなきゃいけないみたいね。
そこまで身の程知らずの単細胞だったなんて、分からなかったわ。
もっとお仕置きが必要みたいね。 」
ああ……そういえばさっき言ったわね、身の程知らず。
何が気に入らないのか知らないけど、こんなやり方で人を叩きのめしておいてよくここまで言えるもんだわ。
この上まだ何かしようとしてるみたいだし…
顧問の河東先生も他の先生方も私とはすみを信用してくれてるから、先に帰ってしまっている。助けは期待できない。
どうしたものかと思案していたその時。
485:ミスト
07/09/27 03:58:22 2zne6joQ
―― ガラガラガラ… ――
何の前触れもなく、出入り口の戸が開く音が静寂を切り裂いた。全員の視線が出入り口の方に集中する。
「 せ…せっちゃん………? 」
そこにはさっきまで一緒に練習をしていた、私の一番の友達の姿があった。
一瞬、何故ここにいるのかと驚いたが…あの忘れ物の事を考えればすぐに当然だと思い直した。
一度家まで帰ったものの、忘れ物に気付き戻ってきたのだろう。鞄は持っていないが制服姿のままだった。
はすみは驚いた表情で固まっている。
( この状況は…まずい! )
とにかく私は安心する間も無く叫んだ。
「 は、ぐっ…!、はすみ、逃げて!! 」
私の声を聞いたはすみはすぐに踵を返しながら言った。
「 待ってて! 」
助けを呼ぶという意思表示だ。
―― ぐんっ ――
「 …あっ。」
――ぱぐっ!!――
「 ぅんっ!!!! 」
だが入り口近くにいた太った子に、走る出端を挫くように腕を取られて振り回すように引かれ、素早く、そして容赦なく
セーラー服の内側に滑り込ませるように懐に一発食らわされた。
私の位置からははっきりと見えた。彼女のちょうどおへその所に拳が丸々埋まったのを。
はすみの形の良いバストが揺れ、揃えられた両足が一瞬つまさき立ちになり、体はお尻をつき出すようにくの字になって振動した。
小さい口からは涎が ぱっと飛び散る。
「 …ぃ……やぁっ……… 」
はすみはふとももをすり合わせるような内股になって自分のお腹を両手で抱くように押さえ、
切なげな表情のままそっと瞳を閉じ……頬に涙を伝わらせながら、殴った相手に支えられるように力無くしなだれかかる。
彼女の最大のウィークポイントであり、私との特訓の所為で既に弱っていた事も手伝ってあっさり気絶してしまったようだ。
「 あはは、よっわーい! ほんとだ、聡美の言った通りだね。 」
「 最近、試合で勝てなくなってたのもそこを狙われてたからだろうしね。
でも弱点とはいえこんな簡単に気絶する程とは思わなかったけど。
……丁度いいわ、誰かさんのせいでこいつとも最近ご無沙汰だったし8人で遊びましょ。 」
( くっ…… )
ばれ始めていた事はわかってたけど、とうとう明らかにされてしまった。
聡美のグループからの、練習での虐めの的になるんじゃないかと思って知られないようにしていたのに…。
はすみは両側から二人に脇を抱えられるように羽交い絞めにされ、笑われていた。
ふと見ると一人の子が懐から何か取り出し、喋っているのがわかった。
486:ミスト
07/09/27 04:00:47 2zne6joQ
「 こいつも目障りなんだよねー。見ててイライラするし…こんな奴が今No.2とか噂されてるんでしょ?
ほんっと、うざいなあ。 」
「 前から思ってたけど、このもみあげの長い毛、かわいいと思ってるのかなあ。切っちゃう? 」
「 気絶しちゃったなら先に起こしてあげないと。…気つけにこういうのはどう? 」
「 あー、いいね♪じゃぁ、私達もお腹の特訓のお手伝いしてあげよっか。 」
その手に光っていたのは…まっすぐ伸ばした安全ピンと思われる長い針。まさか…
「 コレで…おへそを鍛えてあげないとね。 」
言うなり膝立ちになり、気を失ってだらんと支えられているはすみのお腹を片手で押さえて、針の先を可愛らしいおへその入り口に持っていく。
本当にふざけてる。針で刺す、なんて痛めつけるだけで特訓でも何でもない。小さな子供にだってわかりそうなものだ。
ぞわっと全身の毛が逆立つような感覚を覚え、怒りが込み上げてきた。
「 ………待ちなさい。 」
「 あん? 」
まだ少し痛む腹部に力を入れ、はっきりと言った。
「 …その娘に…それ以上、手を出したら………ただじゃおかないから………!! 」
鋭く睨み付け、静かに。それでいて厳かにぶつける。
はすみには責められなきゃいけない正当な理由なんて無い。
まして、せっかく虐めから助けてあげたのに、また辛い思いをさせたくはない。そんな気持ちでいっぱいだった。
一瞬全員がビクッとしてこちらを見る…が、リーダーはすぐに平静を取り戻す。
「 ……ふぅん……手を出したら、か。こいつには危害加えなければいいんでしょ?
それなら、私達は楠瀬には手を出さないわ。 」
そう言うと、聡美は羽交い絞めにされているはすみの方に寄っていき、取り巻き連中に話しかけた。
「 ……、持ってきて。それから縛り付けるの。 」 「 縛る? 」
「 …あぁー、なるほど♪ あれをやらせるんだ。でも縛る道具どうするぅー? 」
「 帯使えばいいじゃん。 」 「 よし。じゃあ、私持ってくるよ。 」
にわかに盛り上がった雰囲気で話す彼女らの内の一人が格技場を出て行く。なにやら動きが活発になってきた。
本間と他の3人は自分の道着の帯をほどきはじめた。
聡美は羽交い絞めにされているはすみを受け取って抱き、松本は嬉しそうにニコニコしながら横たわっている私の方に歩み寄る。
…何を企んでるのだろう。
「 …何? 」
目の前まで来た松本に言う。
松本は私の問い掛けを黙殺し、歩いてきた勢いをそのまま利用するように私のお腹をつまさきで蹴った。
―― バスッ!! ――
「 はうッ!! 」
突然蹴られた私は一瞬息が止まった。
インターバルがあったとはいえ、さっきまでお腹を痛めつけられていた私には今の不意打ちは堪えた。
「 ぐっ…! げっほ!! えふッ、げほっ!! ケホ……う…うゥぅ~~~~…… 」
487:ミスト
07/09/27 04:04:53 2zne6joQ
私は後手に縛られている手でお腹を押さえられない代わりというくらいに、体を内側に思いっきり丸めて肩を震わせ苦しがる。
足も足首の所で縛られている為にもがく事もできない。痛みを紛らわす動作が取れないというのは、意外ときつかった。
私が痛がっている間に彼女らは、畳に二本の帯を平行になるようにまっすぐ並べる。二本の帯の間隔は30~50cmくらいだろうか。
そして、例によって本間が私の背後を取るように両脇から腕を入れるように抱きかかえて引きずり、
私の腹部が二本の帯の間に収まるようにに寝かせ直した。
私はお腹が痛くて抵抗らしい抵抗が出来ない。なるほど、さっき松本が私のお腹を蹴ったのはこういう事だったのだ。
―― どさっ! ――
「 ぐっ 」
そしてすぐさま聡美が私の上に、私と向かい合わせになるように気絶しているはすみを乱暴に投げ捨てる。
すぐ近くに来たはすみの顔を見る…汗と涙と涎を残したまま眼を閉じているのが痛々しかった。
「 ぅぐっ………はすみ…大丈夫? 」
「 ……っ、……っ、…… 」
小声で話しかけるが、軽くしゃくりをあげているだけでまったく起きる気配が無い。
彼氏からもらった大事な物を取りに走って戻ってきたからなのか、おなかを気絶するくらい強く殴られたせいか…あるいはその両方か。
はすみの形の良い乳房に触れる私の胸と、はすみの可愛らしい口から吐き出される吐息がかかる私の頬が、
はすみの鼓動の早さ、呼吸の早さ…苦しさを教えてくれている。胸がずきん、と痛んだ。
そんな私の心中なんてよそに聡美達は手を休めず、私達を取り囲むように並ぶと
私達の足側にいる二人が先程、腰からほどいた帯で私とはすみの左右の足首をそれぞれ合わせて固く縛る。
次に私の後ろ手に縛られている帯をいったん外すと、やはり私とはすみの手首を合わせて固く縛り上げた。
つまり私とはすみの体、両者の正面を合わせて固定する為に左右の手足、計4箇所を拘束したのだ。
私とはすみは15cmくらい身長差があるのでリーチの差もそれなりにあり、
私は少し肘と膝を曲げられる状態だが、どちらにしろこれでは身動きが取れない。
何より気になるのは私の背中の…畳に敷かれている二本の帯。
今の状態で抵抗する術は十分奪われているはずなのにどう必要になるというのだろう。
聡美達が私達を縛っている間にさっき格技場を出て行った子が戻ってきた。
「 持ってきたよ、聡美。 」
その手にあったのは一個のバレーボール。
バレーボールなんて持ってきてどうするのか…理解に苦しむ。いくら固くても投げつけられた所で高が知れている重量だ。
バレー部員のサーブやスパイクならあるいはわからないけど…今、取り囲んでいる連中の中にそんな真似が出来る子がいると思えない。
聡美が持ってきたバレーボールを受け取ると、バンっ、バンっ、と空気圧を確かめるように何回か掌で叩く。
「 大丈夫だよ、念の為に空気は入れ直してきたから。これ以上、入んないくらいね。 」
「 オッケ、わかってるじゃない。 」
満足そうに笑ってそう言うと、ボールを持って私達の方に向き直す。
「 じゃ、ひっくり返して。 」
その指示に従い、松本と本間が…私がはすみの上になるように私達を横に半回転させる。
私がはすみの上に乗る形になった所で、松本が私達の上にまたがるように立ち、
はすみの体に密着している私の体を引き離すように、お腹の所を両手で持って私の体を持ち上げた。