07/03/15 02:27:24 zTeOsUOG
「あらあら…実物を見なければ信じることができないのかしら?」
くすくすと…鷹野さんが嘲笑う声が頭に響く。
「実はね、私……オヤシロ様の祟りを調べているうちに
デ ス ノ ー ト の 一 部 を 入 手 し た の よ 」
「嘘だっ!!!!!」
そうだ!仮にノートが実在したとしても……それはオヤシロ様の祟りを起こした「犯人」が持っているはずじゃないか…。
鷹野さんが持っているはずがない。鷹野さんは俺をからかっているだけに違いない……。
そうだ、何を恐れているんだ前原圭一…KOOLになれ。
ここで怖がったら鷹野さんの思う壺だ…。
「これがね…そのデスノートの切れ端よ」
鷹野さんがハンドバックから取り出したものは、かなり年季の入った…何も書かれていない半紙で、二つに折った境目が破れそうになっていた。
「へぇ……こんなので人が殺せるんですか…。だったら試してみたいですね」
俺は鷹野さんに調子を合わせる。そもそもまだ何も書かれていないのに、これが人を殺せるなんて分かるはずがない。
よくよく考えれば、鷹野さんの話が全部でたらめであることが簡単にわかる。
「あれ、前原くんにも殺したい人がいるの?……だったら試してみてもいいのよ。…くすくす」
俺を怖がらせようとしてか、鷹野さんは不気味な笑い顔を浮かべる。だがもう引っかからない。
「良いんですか!…あ、ボールペンとか持ってませんか?」
俺も負けじと作り笑顔で鷹野さんに答える。ボールペンを受け取って、俺は半紙に何を書こうか考える。
どうせこんな紙切れじゃ何も起こらないんだ…。どうせなら起こりようが無いものを書いてやる。
えっと……確か「名前」「死因」「死の状況」だったよな…。祭具殿の壁を机代わりに、ボールペンを走らせる。
富 竹 ジ ロ ウ 出 血 多 量 死 自 ら 喉 を 掻 き 毟 っ て 死 亡
続く