07/03/19 16:47:08 DARbOi23
古泉「つまりこういうことです。」
と古泉は画面端を指差す。そこには本のアイコンが小さく現れ、その上に数字が表示されている。なんの数値だ?さっきまでなかったぞ。
古泉「これはおそらく好感度の数値でしょう。さきほどの入部イベントでフラグが立ったので、現れたものと推測されます。」
なぜそんなに嬉しそうに説明するんだ、お前は。
古泉「とにかくこの数字を増やすように行動すれば、長門さんを目覚めさせるなにか答えが出るはずです。さあ先にいきましょう。」
なんか納得できないが、まあ続けるしかないか。画面に目を戻すと
長門「…そう。よろしく。私は長門有希。」
自己紹介していた。続いて俺が挨拶して、文芸部には長門と俺の二人しかいないなどの状況説明が延々続いている。ゲームとはいえ妙な気分だ。現実には同じ部室が、SOS団なんていう訳のわからんハルヒの退屈解消の場になってるなんて考えていたら
バン!
ちょっとドキッとするビープ音を立てて、メッセージ欄いっぱいに大文字が並んだ。
「こんちは~部室借りに来ました~♪」
そう、そこには画面いっぱいにはち切れんばかりの笑顔で仁王立ちするハルヒの立ち絵が映っていた。おい、こんなフラグはいらんぞ。
うんざりしているとハルヒは、ゲームでも一方的にしゃべりまくる。
ハルヒ「ねえねえ、新しい部活するからこの部室貸して。聞いた話じゃ、ここ新入生一人だけで潰れそうなんでしょ。ならうちと一緒に部活したらいいのよ!仲良く半分ずつ使いましょ♪」
大嘘つきめ、仲良く半分なんか一日も持つまい。一度1%でも侵攻を許したらアッという間に悪質なコンピューターウィルスのように全部ハルヒ色に染まるに決まってる。
さっそく俺がコマンド『話す』を使おうとしたら、先に長門の一言が発射された。
長門「だめ。」
ハルヒ「そー言わずに、ね、ね。ちょこっと貸してよ。これだけ広いとこ一人じゃつまんないでしょ。」
長門「一人じゃない…」
ハルヒ「ん?なに、あんた?文芸部員なの?」
ようやく俺に気付いたハルヒが睨んでくる。ゲームでも目付きの悪さはかわらんな、ハルヒよ。
ハルヒ「黙ってちゃわかんないわ!どーなの!」
画面にハルヒの両眼がドアップになる。瞳の奥に銀河系のようなものが2、3個見えたのは気のせいか。
コマンドから『話す』を選ぶと『長門有希』『涼宮ハルヒ』の二択が出る。なるほど。ハルヒを選びリターンキー押下。
ピロリロリーン♪
尻上がりなビープ音が鳴る。まさか。嘘だろう。
古泉「おやおや。」
なにがおやおやだ。くそ、本アイコンの下になにやら新しいアイコンが出てる。どうやら腕章のアイコンらしい…って、冗談だよな。