SHUFFLE!でエロパロ Part4at EROPARO
SHUFFLE!でエロパロ Part4 - 暇つぶし2ch300:楓×麻弓
07/05/06 01:26:53 OClDeT+v
時計を見れば、時刻は午後10時。
稟が出て行ったのが8時前だったから、かれこれ2時間ほど頑張っていたことになる。
いまだ裸のままで、楓と麻弓は寄り添うように、ソファを背もたれに床に座り込んでいる。
「ふふっ、麻弓ちゃんかわいかったですぅー」
「んもうっ、そんなこと言わないでよっ!思い返すと火が出そうだわ!」
実際、真っ赤になりながら、でも幸せそうに麻弓が語る。
と、ここで楓が時計に目をやる。
「…そろそろ稟くんが帰ってきますね」
「あーー!!そうだった!稟く、…じゃなくて土見君のことすっかり忘れてた!」
がばぁっ!と勢いよく立ちあがる。
「やばいじゃない!早く着替えないと!っていうかいろいろ処理とか☆◇〒!!」
「まぁまぁ、落ち着いてください。麻弓ちゃん」
やけに冷静な楓が、麻弓を座らせる。
「…別に、いいんじゃないですか?そのままで」
「えぇっ!!そんなわけな」
「『稟くん』っていう呼び名」
「え?」
それは、思いがけない提案。
「『稟くん』って、呼べばいいんじゃないですか?もう、苗字で呼ばなくても」
「で、っでも、べつにそんな関係でもないし、そう言うキャラでも、ないって、言うか…」
生まれたままの姿であることも忘れ、胸の前で指をツンツン突き合わせて、いじける麻弓。
「でも、好きなんでしょう?稟くんのこと」
「うえぇっ?!え、いやっ、そんなことは」
「好きなんでしょう?」
「……はい」
やっぱり、長い付き合いだと分かっちゃうかなぁ、なんて心中つぶやく。
「なら、いいじゃないですか。それに、稟くんはもう『麻弓』って呼んでくれてるじゃないですか」
「っそ、それは、…そうだけどぅ」
イマイチ煮え切らない麻弓。それを、楓が最後の一撃で後押しする。
「名前で呼び合うのは、信愛への第一歩、ですよ!…大丈夫!稟くんなら、何も言いませんよ」
「…ホント?」
「はい。むしろ、名前で呼ばれる方が好きだと思います。それに、稟くんも麻弓ちゃんのこと、かなり好きだと思いますよ」
「……ほんとぉー?」
先ほどより、数段疑い深い目と、声色。
しかし、そんなことはなんのその、楓ははっきり言い切る。
「はい。稟くん、麻弓ちゃんのこととか話してるとき、生き生きしてるんです。楽しそう、っていうか。…ちょっと、羨ましいですね」
少し、悲しそうな色合いを出す楓。
それに反抗するように、慌てて意見する麻弓。
「なら、私のほうがもっと羨ましいわよ。一緒に住んでるし、一緒に御飯食べられるし、いつでもお喋りできるし、り、…稟くんの愛を一人占めだし、毎夜、その、なんだし…」
最後のほうは、ゴニョゴニョ何やら呟いている。
その様子を眺め、嬉しそうに言う。
「だったら今日は、一緒に稟くんに愛してもらいましょう」
「え、えぇぇぇぇ!?!」
あからさまに驚く麻弓。一方の楓は、何やら気合いが入っている。
「こんな気分になっちゃったんですから。誰も見てません。やったもの勝ちですよ」
あまりにサラッと言い放つ楓に、おずおずと、麻弓は聞く。
「…でも、楓は、…いいの?」
それに対し、またもやサラッと言い放つ。
「はい。どちらにせよ、神界で結婚することは決まっちゃいましたし。実際、土日は稟くんよくお招きされますよ?シアちゃんやリンさん、亜沙先輩に。最近では、カレハ先輩のところにも行ってました。…まぁ、帰ってきたあとは、おねだりしちゃうんですけど」
楓は、てへっと笑ってみせた。
その笑顔が、すっごく幸せそうで、麻弓には羨ましかったし、同時に辛かった。
しかし、それも、ここで終るのかも知れない。
でも、本当にいいのか。まだ気持も伝えていない自分が。
そのような葛藤を脳内で繰り広げ、踏ん切りがつかない麻弓。
「そ・れ・にぃ~」
と、楓がエロエロモード全開の表情に切り替わる。

301:楓×麻弓
07/05/06 01:27:23 OClDeT+v
「ひゃうっ!あっ!」
途端、楓の指が未だ敏感な麻弓の秘所をとらえ、中へと侵入してきた。
中で、ゆっくりと指が開け閉めされ、かき回される。
「あ、あぁっ!んん!か、かえでぇ!」
「ふふっ。ここも、こんなになって、稟くんを欲しがってますし。もちろん…」
そう言って、麻弓の手を導き、自分のを触らせる。
「あんっ!…っふう!ほらぁ、わたしのも、稟くんを、あっ!求めてます」
快感に再び溺れだし、ボーっとしている麻弓の秘所をクチュクチュしつつ、自分のは麻弓の指を導いて自ら弄る。
「んっ、だから、んあっ、ふっ、稟、くんに…あっ、貰ってもらいましょ、おぉっ!」
「あ、ひゃぁん!…あうっ、あはっ!」
そして、一通り弄って共にぴくぴく小さく痙攣し始めたころ、動きをやめ、指を引き抜く。
そこから掛かる粘液を指にからめ、麻弓の口へと運ぶ。
自然に口をあけた麻弓に、指を舐めさせ、自分も麻弓の指を舐める。
そして、最後に、問う。
「ね?」
それに対し、頬を染めつつ、快感に未だ浸っている麻弓は、けれど、しっかりと。
「…うん」


「さてと」
さっきの余韻でボーっとしていると、楓が伸びをして、立ち上がった。
いまだに裸ではあるが、内股に愛液が光って見え、エロさを引き立てていた。
しかし、今の麻弓には、美しく見えた。
「稟くんを出迎える準備をしましょう」
楓は、そのままどこかへ歩いていこうとする。
「何か、準備するようなことあるの?…あ、カーペットとか?」
たしかに下を見ると、愛の証が点々としていた。
しかし、楓はかぶりを振る。
「いいえ。ちょっと、取ってくるものがありまして」
あえて内容を言わない、その含みのある言い方に、何となく嫌な予感を覚えた。
「何をするのですかー?」
平静を装い、楓に尋ねる。
すると、楓はさも楽しそうに笑い、そしてトコトコと麻弓に近付いてきて、しゃがみ込んだ。
そして、麻弓に、これからのことを、誰も聞く者もいないのに、耳打ちした。
「実は」
ゴニョゴニョゴニョゴニョ
「え、えぇえっぇぇぇ?!?!や、やるの、それ?!ホントに?!?」
驚愕の表情の麻弓、終始楽しそうな楓。
そのあと、楽しそうな、いちゃつく様な、可愛い悲鳴のような、女の子二人の声が芙蓉家に響き渡る。

そして、その準備タイムが終った頃。
稟が帰ってきた。


つづく…。

302:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:32:06 feC5BgTF
気になったんだけど
書いてから今更だけど夢の島って…

島の名前は別がよかったんじゃ?
そのままだけどインビジブルアイランドとか。単純に「アイランド」とか。

303:ぽんちょ
07/05/06 01:32:28 OClDeT+v
以上でございます。

いやぁ、もうちょっと短くなる予定だったんですが、書いてるうちにどんどん広がっちゃいました。orz
16KBもある文章、わし書いたことないぞ!
今度は、短くできるように頑張ってみます。

次回、稟くん乱入でセコンドも真っ青、魅惑のリンボーダンスを踊ったり踊らなかったり。(嘘)
一応、あと2回で終わる予定してますので。

では、駄文長々と失礼いたしました。
皆様のご希望に添えたことを願いまして、次回の構想を練ります。
ご意見、ご感想等いただければと思います。
次回は、もう少し早くうpしたいと思います。
それでは!

304:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:35:24 feC5BgTF
あ、あぶねー!話に挟まるとこだった!
スマン

305:名無しさん@ピンキー
07/05/06 02:10:44 94fdjh8Z
>>303
GJ!
次激しく待ってるよ!

306:ぽんちょ
07/05/06 10:01:53 OClDeT+v
それから、忘れてました。
>>293
続きが非常に気になります。
期待してますー。

アドヴァイスを一つ。
感嘆符や、ちっちゃい「つ」とか「あ」、「え」を使うと、
もっと文に臨場感が出るんじゃないかと思います。
…最も、文章には個人の書き方がありますから、参考程度に、やってみてはいかがでしょう?

307:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:20:14 NroBpyPV
すいません。エロなしで書いてもいいですか?

308:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:25:45 3lTQiWVj
>>307
OK!まってるぜ!


309:名無しさん@ピンキー
07/05/07 01:49:44 NroBpyPV
>>308
暫くかかるので長い目でお待ちを…

310:名無しさん@ピンキー
07/05/07 03:54:06 yGJ01aZ2
じゃあ全裸で待たせてもらうとしよう

311:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:49:12 pzV4xvly
>>273
人妻や男を除くと11股が最高だろ
シア、キキョウ、ネリネ、楓、桜、プリムラ、麻弓、亜沙、カレハ、ツボミ、紅女史

312:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:52:51 nGspf8RX
アイさんを忘れないで

313:名無しさん@ピンキー
07/05/07 21:50:47 rfHUiCZA
亜麻は必須だと何度言わs(ry

314:名無しさん@ピンキー
07/05/07 21:54:53 KxNniQpJ
マジレスすると
シア、キキョウ、ネリネ、楓、亜沙、プリムラ、麻弓、カレハ、ツボミ、アイ
の10股がNavel公式ラバーズ

315:名無しさん@ピンキー
07/05/08 00:49:41 qip9+P7U
>>314
十又…

316:名無しさん@ピンキー
07/05/08 01:47:51 fAjS25Bj
トリックのコミックだったかで、更に一人増えてないか?>魔界の人

317:名無しさん@ピンキー
07/05/08 02:30:11 xLtbTQzy
>トリックのコミック
トリックって何のことだか判らんが
公式的には>314で合ってる。

小説やコミック版などでいくら増えようが
減ろうが公式とは関係ないし。

318:名無しさん@ピンキー
07/05/08 04:55:32 fAjS25Bj
・SHUFFLE!
・Tick! Tack!
・Really? Really!
の3つは、共通の世界観・キャラクターで製作されたソフトウェアなのね
で、「Tick! Tack!」「Really? Really!」のコミック版・小説版も存在する
当然、原作である18禁ゲームの方でも土見ラヴァーズはルートに拠っては増殖しとるw

319:名無しさん@ピンキー
07/05/08 07:04:09 dHa9MAq2
というか、
しれっとリコリス追加されたりしてるし

320:名無しさん@ピンキー
07/05/08 12:21:13 jvlR7X/T
>>318
で結局トリックって何のことなんだ?
というか皆が知ってることを何を得意げに説明しとるんだw

あと>317で言われてるようにコミック版、小説版でいくらラヴァーズが増殖してもそれは作者の独自設定で公式設定ではない

321:名無しさん@ピンキー
07/05/08 12:33:38 boce6PHw
>>311
アイさんを入れると12股

322:名無しさん@ピンキー
07/05/08 12:57:40 2jg4j8A/
18禁ゲームの方しかしていないのでわからないんだが、コンシューマーとかアニメでリシアンサスとキキョウって分離するの?

323:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:28:57 8CGDe7oi
しばらく来ないうちに結構投下されててワラタw
レベル高いですし続き期待してますぜ

324:総合まとめの中の人
07/05/08 18:24:04 ZdHVb3az
エロパロまとめの中の人の存命を確認するも、音沙汰も無く、更新もされない事から
完全にサイトが停止したと見なし、エロパロ+キャラ個別スレのSS保管庫を作りました。

アニメスレ、原作スレはスレ量が多いためチェックする余裕無し。
麻弓スレに関しては、MMMまとめの中の人がスレに現れているにも関わらず、まとめは
更新されないという不可思議な状態なので収集は保留中。

尚、全部目を通してから掲載しているわけではないため、メインキャラと補足は適当。
細かい事であってもミスやおかしな箇所があれば指摘して下さるとありがたいです。

325:名無しさん@ピンキー
07/05/08 22:03:58 0fuFlB1x
>>322
漫画版は分離・ハーレムエンド。

326:名無しさん@ピンキー
07/05/08 22:30:59 x1aUrnnI
>>320
ドラマCDの桜は公式でいいんじゃね?

327:名無しさん@ピンキー
07/05/08 23:58:40 J6Gq42Cl
>>324
GJ!

>>326
リアリアのドラマCDだけはあごが書いてるから公式だな

328:名無しさん@ピンキー
07/05/09 00:30:27 3GbGMmUK
>>324
ありが㌧!!

329:名無しさん@ピンキー
07/05/09 00:50:46 ucE3bJ6b
気になってエロパロ倉庫の人の自サイト見てきたら
今月も含め今年に入ってから幾度か更新されてたのね
で倉庫は依然で更新されず結局1年近く放置されてるのね……
続ける責任はないとはいえせめて一言くらいスレに書いてくれていれば

330:322
07/05/09 13:08:34 kzFPpG9d
>325
ありがとうございます。

331:名無しさん@ピンキー
07/05/09 20:19:28 NJ8z8Zn3
>>324

一度だけのupだが自分のが載るとちょっとだけ誇らしい気持ちになるぜ!

332:名無しさん@ピンキー
07/05/09 21:58:07 mEqs16yo
>>324
おお!俺が書いたのまでまとめてくれてる!
ありがとん!

333:名無しさん@ピンキー
07/05/10 00:15:54 RBwla8jH
>>322
もう少し正確に言うとコンシューマ版も分離エンドが存在する。
キキョウ寄りに選択肢を選んでいればそっちルートに入れるフラグが立つ。
ちなみに小説版も別の方法で分離する。

334:名無しさん@ピンキー
07/05/10 00:19:11 gXRwMl01
>>333
あれは分離だったのか?
もうあまり覚えてないけど見たときは幻影か何かだったのかと思ってた。

335:名無しさん@ピンキー
07/05/10 22:18:23 hw1NOwsv
カレハ先輩SSを書こうと思ったんだがエロは多めと少なめとどっちの方が需要あるんだ

>>324
サンクス!俺が投下したのもちゃんと保管されてる

336:名無しさん@ピンキー
07/05/10 22:53:50 zDEPTRPI
エロは、陵辱とかダーク系でなければ需要聞く必要はあまりないかと
まあ内容に矛盾や間違い(漢字や設定)が少なければ少ないほど良いってだけだと思う

337:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:31:57 lBXibqZw
>>324
自分が投下したヤツも保存されてて感動した。さんくす!

これを機会に完成直前で消えて、萎えてた続編を書き直そうか、と考える。

338:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:46:48 ob0cj8jw
>>336
それじゃあカレハ先輩のイメージが崩れないように気をつけて書いてみる
おおまかな構想はできてるので2,3日以内の前半部分投下可能だと思うから気長にお待ちを…

339:名無しさん@ピンキー
07/05/11 00:59:55 CgMr653h
>>334
それは分離エンドじゃないよ。
普通のシアエンド。
分離エンドはシアルートの分岐とは思えない長さ。実質キキョウルート。
シアの個別ルートの半分くらい(1/3だったかな)の長さのシナリオが
キキョウから攻撃を受けた後に繋がってる。

340:名無しさん@ピンキー
07/05/11 03:15:31 6nhdhiZw
>>339
PC版でもそれってあったの?PC版しかやってないけどそんなもの見た記憶がない……

341:名無しさん@ピンキー
07/05/11 05:40:56 Yhb9woGo
>>340
たしかなかった

342:名無しさん@ピンキー
07/05/11 14:22:58 YepaOQPs
不確かな記憶とか、たしかなかったとかSHUFFLEスレに居ながら無知な人多すぎなのは如何なものか

343:名無しさん@ピンキー
07/05/11 19:02:06 LY71nHJV
HDDが常にいっぱいいっぱい(なけなしの金で買った外付けも)なんで
全部プレイした後はアンインストしちゃうんだよね。
正直細かいところを忘れてるんでやり直すかな

>>339
つまりだ、そのキキョウルートってのは
PS2で追加された書下ろしシナリオってことでFA?

344:名無しさん@ピンキー
07/05/11 19:45:38 7IazsY3k
>>343
それ以前にさ、まとめサイトくらい見ようよ
PS2版のFAQ見るだけでも分かるでしょ

345:名無しさん@ピンキー
07/05/11 19:58:12 LY71nHJV
>>344
OK悪かった、見てくる。

346:ぽんちょ
07/05/12 00:53:45 c1NJffFJ
>>324
乙。わが作品たちも掲載していただき、ありがとうございます。

>>338
カレハSSは少なめなので、期待してます。頑張ってください~

>>339
キキョウルートがそんなに繋がってるとは初耳です。
これは、やってみないといけないなぁ。

347:ぽんちょ
07/05/12 00:56:02 c1NJffFJ
はいはい、やって参りました。

それでは、それ行けドンドン第五話投下です。

久々に、エロなしです。でも、次はエロいです。
それほど長くはありませんが、次でたぶん終わりです。
反響あれば、次の日編を書きます。まぁ、とりあえずはあと1話ということで。

それでは、文章とのシンクロ率を120%にして、ごらんください。

348:楓×麻弓(×稟)
07/05/12 00:56:39 c1NJffFJ
第五話

「いやぁ、遅くなっちまった」
さて、こちらは長い外出を終えて帰宅してきた、何も知らない稟くんである。
いや、正確には、何が起こっているのかは分かっているのだが、その先があることを彼は知らない。
「…まだ電気がついてるな。楓だな」
そうして、玄関に近づく。
最近の楓は、玄関の門を開ける音で稟の帰宅を察知しているらしく、扉を開けると、いつも楓がそこにいるのである。
それは、なんて幸せ。そして、なんて行動力。
ある意味恐ろしい、愛の力!!
改めて、楓はいろんな意味ですごいなぁ、なんてぼんやり考える稟であった。
そして、何も考えず、引き戸を引く。
「ただい…まー?!」
思わずというか、何と言うか。
最後が思いっきり叫びになってしまった。
そりゃぁ、驚くだろうよ?誰でも。まぁ、樹あたりは即座に驚喜しそうだが。
だって…
「おかえりなさい、稟くん♪」
そう言う楓さんの服装は、何とまぁ裸エプロン。
まさに、男のロマン!!
…世の男どもにこんな姿を晒すのは癪だが、想像していただこう。
もともとスタイル抜群な楓が、エプロン以外何も着ないでそこに立っている。
別に、なんでもない、いつも身につけている控え目にレースのあしらってあるエプロン。
そこからのぞく、豊満な胸の谷間!谷間!!立体感!立体感!!
そこから対照的に、キュッと引き締まった腰!腰!!
隠しきれずに少しばかり見えちゃってる尻!尻!!
そして、絶妙の長さで見えるに見えない絶!対!領!域!!
「稟くん、どうしたんですか?」
「いや、なんでもないんだ気にしないでくれ」
思わず見惚れて、小さくガッツポーズまでしてしまった。
ってか、理性がすぐにでも崩れそうなんですけど。
楓のほうは、さもそれが当たり前のようにそこにいて、そして不思議そうに首を傾げている。

349:ぽんちょ
07/05/12 00:57:10 c1NJffFJ
「まぁ…一応聞いとくが、またなんで、…その、裸エプロン?」
「稟くんに喜んでもらえるかと思いましてぇ…。お嫌いですか?」
「いや、その姿見て嫌いって言えるやつこの世にいねぇよって言うかぐっじょぶ?」
そんな子犬のようなうるんだ瞳で、しかもその格好で言われたら、誰も首を振れません。
というか、振るやついません。
「あー、なんだ。その、うん。すっごい似合ってるぞ、それ…」
直視したら本気でそのまま押し倒しかねないので、あえて視線をそらしつつ。
しかし、楓は嬉しそうに、にっこりほほ笑んだ。
そこで、ふと思いいたった。
なぜ、いきなり裸エプロンなのか。
<そうだった…麻弓が酒を持ってきたんだった。結局飲んだのかよ…>
少々げっそりしながらも、心の奥底で感謝している稟。
と、そこで肝心な部分に気づく。
「あ、そう言えば楓、麻弓は?」
玄関に腰掛け、靴を脱ぎながら問いかける。
平静を装いつつ、しかしかなり興奮しつつ。
よく考えれば、麻弓は楓に酒を飲ませたことによって、エッチモード発動の楓の餌食になってしまったはず。
あの楓が、ここまで平然とエロい格好をするくらいだから、かなりの酔い度だとは思うんだが。
過去の経験から、楓の酔い度はそのままエッチモードの深さを表わす。
つまり、酔えば酔うほど、求められてしまう。
そして、今回自分はいなかったわけだから、必然的に対象は麻弓に移る。
そういった理論を頭で展開していると、実に楽しそうな楓の声と返ってきた。
「ふふふっ、実はですね、稟くん」
「なんだ?」
…ちょっと慣れてきたので、顔を楓のほうにむける。
すると、声の通り、とても楽しそうな顔の楓。
<…何か企んでる?>
と、直感ではそう感じたのだが、それと同時に、口が勝手に返事をしていた。
「麻弓ちゃーん」
楓は、リビングにいるのであろう麻弓を呼んだ。早く来い、と楓が手招きをする。
麻弓がこれだけ出てくることを躊躇するの珍しいなぁ、なんて思っていた矢先。
「んなっ!」
「ど、どど、どうか、な?」
めちゃくちゃどもりつつ、麻弓が入ってきた。
まぁ、皆様ご察しの通り、裸エプロンで。
…では、やっぱりこれを世の男どもに晒すのはいささか癪でならないが、想像していただこう。
胸以外は、プロポーション抜群、モデル並みといわれる麻弓。
確かに、胸の膨らみでは楓に見劣りするだろうしかしぃ!!
腰のくびれやちょっとはみ出た尻なんかは言うまでもなく、麻弓のボディーラインを正確に表現している。
そして何より、その恥じらい顔。
顔が茹でダコのように真っ赤になり、その露出部分を隠すようにモジモジしている所は、楓とは違った可愛さがあった。
ワイシャツモーニングコールと同等の破壊力を持つその麻弓の姿に、稟は見惚れていた。
「あ、あのぉ?つ…り、稟くん?」
「…っは!!すまんすまん。いやぁ、その、似合いすぎ、じゃないですかい?」
「いや、き、聞かれても困るのですよーっっ!」
思わず疑問形の感想を述べてしまった稟は、明日がもう一日休みだということに気づく。
ある提案を思いつき、それを、二人の女神に問う。というか、お願いする。
「あのさ、…ひとつ、お願いしてもいいかな?」
「? なんですか?」

350:ぽんちょ
07/05/12 00:57:49 c1NJffFJ
楓が麻弓の横に行き、俺の前まで引っ張ってくる。
あぁ、理性崩壊の時間が近い。この問答が終わるまで、持つだろうか。
半ば上の空で、二人の姿に完全に目を奪われつつ、聞く。
「明日も、その格好で、いてくれないか?」
すると、二人の顔が、ぱあっと明るくなったり、さらにモジモジしたり。
「はいっ♪喜んで!」
「り、稟くんがそうしてほしいなら、そう、するのですよ…」
その二人の表情を見て、プッツン来てしまった稟。
もはや、我慢の必要ななかろう?
自問自答し、勢いよく立ちあがる。
「さて、それでは、お持ち帰りといきますか」
「え?…うえぇっ?!ちょ、ちょっと稟くん?!」
声とともに、麻弓の体がふわっと浮き上がり、稟によって抱きかかえられる。
いわゆる、お持ち帰りスタイルの定番、お姫様抱っこ。
麻弓は、驚愕と恥じらいの瞳で、小さく縮こまりながら稟を見やる。
その視線を感じ、素直な気持ちを吐露する。
「もう我慢できん。二人のこんな可愛い姿を見て、じっとしてられる奴はいねぇ。そして俺もその一人だから、今から二人を戴こうかと」
「…それ、どんな理論よ」
麻弓の、ジト目とキツイツッコミが返ってきた。
その言葉に、稟はしれっと返す。
「まぁ、好きになってしまった相手だからな、尚更だ」
その言葉に、麻弓は歓喜と驚きを感じ、思わず叫ぶ。
「な、何で?わたし?!」
いかにも信じられないという表情。
「あぁ。っていうか、こんなこと好きな相手にしかできんだろ」
当たり前だ、と顔で語る稟。
遠回しに告白されていることに気づいた麻弓は、弱々しく聞く。
「私なんか、…で、いいの?」
しかし、稟は否定のジェスチャーをとり、語る。
「あんまり自分を過小評価するな。俺は、今の麻弓が好きなんだよ。ダメか?」
優しく麻弓に微笑みかける。加えて、最後の一言。
「それに、名前で呼んでくれるようになったしな」
その笑顔に、言葉に、麻弓はぽけーっと見惚れていた。
そして、ウジウジぼそりと告げる。
「…ううん。嬉しい、のですよ。私も、稟くんが、ずっとずっと、好きだった…」
その言葉に、稟も頷く。
そしてそのまま、当たり前のように、二人の距離はゼロとなる。
長いようで短いキスの後、真っ赤に顔を染めた麻弓へ。
「よろしくな」
「こ、こちらこそっ、なのですよ!」
いつもの受け答えは、しかし、新たなステップへ。

351:楓×麻弓(×稟)
07/05/12 00:58:50 c1NJffFJ
と、そこで見つめ合ってラブな雰囲気に浸っていると、袖口を横から引っ張られた。
そこには、拗ねて頬をぷぅっと膨らませた楓が立っていた。
生憎手がふさがってるなぁ、と思っていたら、楓が背伸びをして近づいてきた。
そしてそのまま、今までのように、二人の距離はゼロとなる。
何度やろうと飽きないキスの後、幸せそうな楓へ。
「これからも、変わらず。よろしくな」
「はいっ♪こちらこそ、です!」
これまでも、そして、これからも。
と、それなりに時間を食ってしまったことに気づいた稟が、意地悪っぽく言う。
「さてさて、お持ち帰りといきたいところなんですが?」
もちろん、麻弓に向けて。
「へっ?!あ、あ~ぁ、そのぉ…えーっと、お、お召し上がりくださいっ!」
なかなかに大胆な承諾のサインを受け止め、次いで楓に目線を送る。
「…私にもちゃんと愛をくれないと、怒りますよ?これでも、正妻なんですから♪」
「あぁ。わかってる。二人まとめてお相手致しますよ」

そして、夜は更けてゆく…。

つづく。


352:ぽんちょ
07/05/12 01:00:37 c1NJffFJ
以上です。

なんか、趣味全開な内容となってしまいました。
しかも、またしても名前のところミスった…orz

と、いうわけでご意見・ご感想お待ちしております。
そして、他の筆者の方々にメチャ期待してます。
頑張ってください。

それでは、失礼しますー。

353:名無しさん@ピンキー
07/05/12 01:59:16 lkOZaHae
>>352
GJ!
かなり良かった!

ひとつだけ、稟のセリフで「いねぇ」じゃなくて「いない」のほうが稟らしいかな?
気になったのはそのくらいだったよ。

354:名無しさん@ピンキー
07/05/12 02:19:34 aU3uXYAP
>>353
その指摘は正しいよ
稟は「いねぇよ」なんて乱暴じみた言葉遣いはしないからな
樹相手になら乱雑な言葉遣いにはなるがさすがに「いねぇよ」はないしね

そういえば以前にも誰だったか稟の言葉遣いに違和感ある人居たな
稟と自分を重ねてしまってそういう言葉遣いにちゃうのかな

355:名無しさん@ピンキー
07/05/12 13:45:23 QCUwgJ+q
>>347
どうでもいいが、
なんか段々偉そうになってきてないか?
自画自賛というか、住人にssを
「与える」形になっているというか。
俺はそこまで気にせんが、
神経質な人だと平気で叩くから気をつけた方がいいと思う。

356:名無しさん@ピンキー
07/05/12 13:58:52 sZP3NB9B
>>352-354
というか、全てのSHUFFLE作品をプレイし見て聞いて読んだ身からすれば
「いねぇ」以外にも絶対言わないであろう言葉が多々あって、ぽんちょ氏の
描く"稟"は名前が同じだけの別人にしか見えないことが多い。
細かいとか言われそうであまりこういう指摘はしたくなかったんだが、続き物
だから余計に稟らしからぬ言動が目に付く結果になってしまっている……

稟の口調というか言葉遣いを直せば、結構良い作品になると思うよ。

357:名無しさん@ピンキー
07/05/12 15:18:26 T9gd8Qby
>>352
今回の作品でいうと「なっちまった」とか「できんだろ」とか「ぐっじょぶ」とか「ですかい」とか「いねぇ」とか2ch住人や
若者が好んで使う荒んだ口調を使っているのが指摘を受ける結果になった原因かと
まぁ「ぐっじょぶ」は許容範囲になる人も多いだろうけど
稟×というより麻弓スレの作者×麻弓SSと同じ様相を呈してしまっている
丁寧寄りの普通の口調にするだけで稟に関してはそれなりのものにはなるからそれ程難しいことはないんだけど
それが逆に難しいという人もいるのかな

358:名無しさん@ピンキー
07/05/12 15:26:44 T9gd8Qby
>>352
あとどうでもいい意見だから無視してもらっても構わないんだけど
事前に何レス分貼るのかわかっている場合は例えば5レス分なら1レス目の名前欄に1/5、2レス目に2/5というような
補足を付けておくと読み手にとって状況を確認しやすい投下方法になる
リアルタイムで読んでいる人には終了部分が明確にわかることでレスがしやすくなるし書き込みが頻繁にあるスレだと
割り込みを防ぐことにもなったりするよ

359:名無しさん@ピンキー
07/05/12 15:36:14 lkOZaHae
ここの住人…結構厳しいのな。

以前エロなし書くって言ったものです。
今夜か明日出来上がり次第投下しようと思ってます。

360:名無しさん@ピンキー
07/05/12 16:57:49 QGe0gSmN
>>359
いえいえ、たまに厳しい意見を出してくる方もいますが、あまりお気になさらずに。
なんだかんだ言って、投下されるのはすごくうれしいので。
ということで、お待ちしております。

361:名無しさん@ピンキー
07/05/12 17:02:16 31np68Hz
厳しいというか、SHUFFLEが本当に好きな人が多いから間違いや違和感を指摘せずにはいられないのだろう。
別に辞めさせようとして叩いているわけではないのだから、自分なりに参考にすればいいだけだと思うよ。

362:名無しさん@ピンキー
07/05/12 17:28:04 kOxtBgYA
>>359
厳しいとか優しいとか気にしていたらSSなんて投下出来ないぞ
出された意見は真摯に受け止め叩きや荒らしは徹底的にスルー
意見を無下にするのも叩きに反応するのも精神的に宜しくないからね

363:名無しさん@ピンキー
07/05/12 18:45:33 jvWDW6VM
>>361
真理だ。

364:ぽんちょ
07/05/13 00:45:15 Ngl1FyoD
>>353-363
皆様よりの厳しいご意見・ご指摘、ありがとうございます。
やはり、自分では気づかぬ部分ばかりで、勉強になります。
以後、気をつけたいと思っております。

そして、性懲りもなく最終話を仕上げましたので、投下させていただきます。
皆様のご意見・ご指摘を考慮し、推敲したつもりです。
ご期待に添えるかどうかはわかりませんが、もしよろしければ、お読みください。

365:楓×麻弓×稟 1/5
07/05/13 00:45:45 Ngl1FyoD
最終話

「さて、それでは」
稟の自室にやってきた一行は、ベッドの上で相対していた。
稟の見下げるところ、恥ずかしさに縮こまる麻弓と、余裕で楽しそうな楓。
ちなみに、3人ともすでに何も着ていない。
「…ひゃ、あぅ」
「ぁ、んう」
稟の手が二人の胸へとのびる。
酒のせいか、感度のいい二人のそれは、すでに先を尖らせ稟の指を心待ちにしていた。
「すごいな。もうこんなにコリコリしてる」
素直な感想を述べる稟に、可愛い悲鳴で答える二人。
「あ、あぅんっ!い、んうぅー!」
「はぁっ、あぁっ!んあっ!」
左右で大きさの違う、マシュマロを楽しむ。
そのたび、そのマシュマロはいやらしく形を歪ませる。
「ふっ、あぁっ…か、かえっでっあ!」
「んあぁっ!まゆ、みちゃぁっん!」
二人も、お互いを求め、体を寄せ、唇を重ねる。
手も自然と、あいているもう片方の胸へとあてがわれる。
その姿を見て、稟は胸から手を引き、下へと攻撃を開始した。
すでに愛液で煌く二人のそこに、手をのばす。
「ひゃぁっ!」
「あぁっあぅ!」
淫らな花弁に触れたとたん、大きな嬌声が上がる。
「うわっ…ぐちょぐちょだ。…しかもあとからどんどん出てくる」
二人の膣からあふれ出た愛液は、稟の指を伝い、ベッドのシーツを汚してゆく。
そこで、ぷっくり膨れる部位を発見した稟は、それを親指で押しつぶす。
その間も、指は花弁から奥にかけて出し入れを繰り返し、刺激を与え続ける。
ぐちゅぐちゅぴちゃぴちゃ
「はっ、あぁっぁあん…ふっ、うぅぁ!」
「あ、はぁっ!!いい、いいですぅー!ひゃぁっ!」
一方その前方では、二人が胸を引っ掴み、揉みしだきあっている。
そんな様子を見、頃合いだと感じた稟は、手を止め、二人に視線を送る。
突然の停止に、一瞬戸惑いの表情を見せた二人だったが、すぐに状況を判断し、嬉しそうにうなずく。
「おいしく食べてくださいね♪」
とは、楓の言葉である。
稟はお言葉に甘え、おいしく頂くことにした。

とはいっても、二人一緒には相手をすることができないので、片方ずつとなる。
楓の粋な(?)計らいで、麻弓からとなった。
しかし、麻弓を相手するのは、稟と楓の二人である。
そしてそれは、必然的に稟が下で楓が上という構図になる。
「な、なんで二人?」
「なんでって、そりゃぁ、なぁ?」
楓に回答権を譲る。
「私が暇になっちゃいますし~」
当たり前のように答える楓。
「あ、そうですか…」
もう、この受け答えに慣れてしまった麻弓。
楓が、にこやかに言う。
「だから、全部預けちゃってください」
その言葉を聞き、稟の方に顔を向ける。
そこには、同じように微笑む大好きな人が。
その人が、口を開く。

366:楓×麻弓×稟 2/5
07/05/13 00:46:22 Ngl1FyoD
「麻弓、いいか?」
「…うん。きて」
そして、秘所にモノがあてがわれ、それが徐々に進入を開始する。
「う、…あぁっ、はいっって、くるぅぁぁぁあ!」
「くっ、キツイなっ!」
中は、入ってきたモノを押しつぶさんとするかのごとく、稟のモノに纏わりつき、蠢く。
そこで、進入が止まる。
「っっつあっ!あ、い、一気にぃ!来て!」
涙目の麻弓の言葉にうなずき、腰を一気に突き入れる。
「うっ、あぁあっっつーーーぅ!!」
それと同時に、痛々しい悲鳴がこだまする。
「入ったっ、けど、大丈夫か?」
気遣う稟に、できるだけ明るい声と顔で答える。
「っん、ちょっと、痛いけどっ。だい、じょうぶ!っつあ!う、うごいて!」
シーツを握りしめ、強がる麻弓。
「っ、わかった」
その表情に多少後ろ髪をひかれながらも、ゆっくり腰を引く。
そして、再び奥までゆっくりと埋没させる。
「あっ、ああ、あぅあ、いっ、ふぐっ、ひゃぁっ!」
中で性器同士が擦れるたび、悲鳴に近い声が上がる。
それでも、少しずつ、甘い声色が混ざりはじめている。
「じゃぁ、お手伝いしますね」
そう言った楓が、麻弓の胸へとのび、新たな刺激を加える。
「い、ひゃっ、あっ、うんっ、あぁぁ!はっ、ふうぅ!」
同時に中の締め付けが、威力を増す。
その快感に、抑えていた腰のスピードが、自然と上がりだす。
「ふっ、あ、ああっ、…ああんっ!い、いぃっ、よ!もっと、もっとぉ」
「はぁ…はぁ…はぁ」
しかし、はじめての膣内の締め付けはきつく、稟は早々と限界を迎えようとしていた。
スピードが、さらに上がり、ピストン運動も大きくなってゆく。
肉体同士がぶつかる音、結合部で混ざる愛液の音、二人の息遣い。
そんないろんな音が、響いていた。
「はぁっ、はぁっ、ま、まゆみっ、ごめんっ、そろそろ…くっ」
迫る射精感に堪えかね、言葉を発する稟に、麻弓も答える。
「うんっ、はぁっあっ、あぁっ!いい、っよぉ!なかに、…んんっ!なかにぃ!!」
そのまま、二人は絶頂へと上り詰める。
「あ、あぁっ、あああっ、いいぁっ、んんぁぁっ!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、…くっ、で、でる!」
どぴゅっ、びゅくくっ
「あ、あっ奥、あ、ああぁぁあぁぁぁぁっ―――!!!」
その絶叫とともに、麻弓も大きくビクついて、果てた。
麻弓の奥深く、稟によって大量の白濁液が放出される。


367:楓×麻弓×稟 3/5
07/05/13 00:47:25 Ngl1FyoD
「はぁ、はぁ…っはぁ…大丈夫か?」
今日2度目の気遣う声。
その声に、弱々しくも、嬉しそうな声で。
「はぁーっ、はぁ…お腹が、稟くんで一杯なのですよーぉ」
「ふふっ、麻弓ちゃん嬉しそう」
楓が、そばに寄り添ってきながらつぶやく。
稟は苦笑しつつ、麻弓から自分自身を引き抜く。
「あっ、ん」
引き抜かれたモノは、しかしまた元気を取り戻し、屹立している。
と、横にいた楓がそのイチモツを掴み、顔を近づけた。
「んむっ、…れろっ…あむ」
「っく、か、楓?」
稟のそれを口に頬張り、舌を使って残った愛液や精子を舐めとる。
そして、甘えた声と下からの目線で言った。
「今度は、私、ですからね?」
楓も積極的になったもんだなぁ、なんてぼんやり考えていると、楓が自らベットにあおむけで倒れた。
それを合図に、そのまま楓に…、と思ったのだが、ふとそこで思いとどまる。
「…稟くん?」
不思議そうに見つめる楓。
そこで稟は、あえて、ちょっと回復してきた麻弓に声をかける。
「時に麻弓よ」
「んー?なぁーにぃー?」
未だ惚けた顔で、稟に顔を向ける。
「今日はお前が楓の相手をしてたわけだよな?」
「? そうだけど?」
と、ここで稟が考えていることを悟り、ニヤリ、と笑う。
「ということは、楓の弱点、なんてのも、分かったんだよな?」
「…うん。しっかり把握したわよぉ~」
「え?へっ?!えぇ?!」
今度は、楓対稟・麻弓という構図。
「しっかり上の相手をしてやってくれ」
「おっけー。任せなさいなのですよ!」
オロオロしている楓を放っておいて、さっさと準備を進める。
「楓、いくぞ?」
「え、え?あ、あの…あんっ」
言葉を無視し、楓の中へ挿入を開始する。
同時に、麻弓も胸への攻撃を始める。

368:楓×麻弓×稟 4/5
07/05/13 00:48:00 Ngl1FyoD
「ひゃっ、あぁぁっ!!はぁぅ!ひんっ!んんあぁっ!」
その急激な快感の波に、悶える楓。
稟は既にピストン運動をはじめ、麻弓は先ほどのように、乳首を吸う。
「あ、あっ、あんぁっ!ひゃぁぁぅぅっ!」
「はぁ、はぁ、ふっ、はっ」
「んむ、ちゅぅ、はむ」
肉体のぶつかる音と、愛液の混ざる音と、胸を吸う音と、ひときわ大きい喘ぎ声と、息遣いの音と。
先ほどより多彩な音が、響き渡る。
中は、愛液でぐちょぐちょになって滑りを良くし、それでもモノを離さんとばかりに蠢き、締まる。
胸は、充血し、それをつぶされを繰り返し、転がされ、甘噛みされ、手によって形を歪ませる。
ぐちゅ、ぐちゅっ、ぱんっ、ぱん、ちぃう、ちぃうー、ギシギシ
「ふふっ、気持ちイイ、楓?」
麻弓が笑顔で問う。それに。
「あ、ひゃぅっあい、あっいい、きもち、いいでっすぅぁ!!」
悩ましげな表情を浮かべながら、快感に溺れる楓が答える。
稟も、こちらは慣れたもので、楓の敏感なところを、緩急をつけながら的確に突く。
ただ、いつもより攻撃箇所が多い分、絶頂に近づくのも早かった。
楓の膣が、稟のモノから精子を搾りだそうとするかのように、キュウキュウ締め付けてくる。
それはだんだん、強い締め付けへと変わり、互いの擦れる性器は快感を生み出し続けた。
「はぁっ、あぁんぃいっ、あ、あっ、り、んくぅっん!わ、わた、し、もぅ」
「くっ、楓、俺も、っつあ!」
「お二人とも、そのままイッちゃえ!」
その言葉につられるように、二人は高みへと加速する。
腰を打ちつけるスピードはどんどん上がり、精一杯自分自身を楓の奥深くに突き付ける。
楓も、稟の動きにあわせ、腰を動かし、今以上の快感を貪る。
「ひぃんっ、あぁあふ!!やっ、あぁっ!だ、だめぇっ!」
「…っく!あ、だめだっ!」
その二人同時の言葉とともに、稟は楓の最奥部に自分を突き入れる。
「くぅっ!」
「あ、あっやぁっ、あっあっああああああああぁぁ!!」
どくっ、どくっ!びゅるるっ
そして、稟は自分の欲望のすべてを、楓の奥深くへと解き放った。
楓も、大きく反り返った後、ぴくんぴくんと痙攣を繰り返し、絶頂から下ってくる。

369:楓×麻弓×稟 5/5
07/05/13 00:48:37 Ngl1FyoD
「はぁ、はぁぁ、ふぅ。大丈夫か?」
その声に、うっとりしながら楓が答える。
「はふっ、あん、…稟くんの、温かいのがいっぱいですぅ~」
こっちはこっちでこういう答えか、とまたもや苦笑しつつ、自分を楓から引き抜く。
「あーっ、んう」
最後に小さくビクつく。
「ふふっ、楓も嬉しそうねー」
横で、麻弓が楽しそうに笑いながら言う。
「気持ちよかった?」
その問いかけに。
「はい♪」
笑顔での返答。
その笑顔は、本当に幸せそうで。
それが、今までは辛かった。
そう。今までは。
<でもね…>
麻弓は、楓がまだまだいけそうなことを確認したうえで、稟に近づく。
そして、猫なで声で稟におねだりする。
「ね~ぇ、稟くん。私たちもまだまだ元気なことだし、もう一回しない?」
その要求に、楓も身を越して乗る。
「私も賛成です♪」
二人のそんな姿を見て。
<これから大変だなぁ…>
とか何とか思いつつ、承諾する稟だった。
そのまま第2ラウンドへと突入する。

そしてその夜は、かなり遅くまで、女性の嬌声が絶えなかったそうな。


おしまい


○おまけ○
連休明け…
「稟くんっ!!今週末はウチに来てほしいっす!」
「こっちはメイド服で出迎えるわよっ!!」
「いえっ!この前シアちゃんは稟様に来てもらっているはずです。だから、今回は私の家に是非!」
「お兄ちゃん、私もネリネの家でメイド服着て待ってるからねー!あ、それとも水着がいい?」
「ちょっとちょっと、僕たちもいるんだけどなー。稟ちゃん、今週末お菓子の試食かねて来ない?!」
「まままあ♪もうすでに夜のことを前提としてお誘いするなんて、亜沙ちゃん大胆ですわぁ」
…目の前で繰り広げられる、争奪戦。
それを、他人事のように眺める、俺。
そして、横には。
「稟…羨ましい限り…というかそれを通り越して憎しみが勝ってるよ。この俺様が今にも噴火しそうになるなんてっ!…殴っていいかい?!天に届くほど強くっっ!!!」
「あはは…」
「ごめんねー。全部喋っちゃったー♪」
血涙を滝のように流す樹と、この争奪戦の火付け役二名。
いや、正確には情報を漏らしやがったのは約一名なのだが。
「…何故自ら喋ってしまったんだ?」
ゲッソリしながら聞く。
「だって、問い詰められたんだもん。それに、この方が戦いがいがあるっていうか、面白いじゃない♪」
「本音は後者かーーっ!!」

まぁ、こんな感じで、スリルと愛に満ちた、面白おかしい毎日を送っております今日この頃。
俺に、安息という名の極楽は訪れるのだろうか…。


ほんとうに、おしまい

370:ぽんちょ
07/05/13 00:52:13 Ngl1FyoD
以上です。

これで最後です。
長期間にわたり、駄文を書かせていただきました。
読んでいただいた方に、感謝申し上げます。
そして、少し調子に乗りすぎたような気がします。
すいません。

それでは、皆様のご期待に添えますよう願いつつ。
失礼させていただきます。

371:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:15:51 JQRvDbkB
調子に乗ってるってことはないと思うけど、まぁコテハンは何かと目立つからね
コテを続けるのならいずれ的になることもあるだろうから、悪い方ばかりに
受け止め考え込まないようにしておくことをオススメする

372:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:18:29 c7MC0iIb
いやなら来なければ良い

373:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 01:38:39 EsIAwI72
>>370
いや、悪くはなかったよ。気をつけて書いたみたいだし。

少し間を置いてから一気に投下します。

374:名無しさん@ピンキー
07/05/13 01:50:03 0iwJitfa
>>370
OK!グットジョブ!

375:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:10:44 EsIAwI72
すいません、全然人の事を言えませんが投下します。
複雑に文章が絡むので理解できない可能性があります。
理解してもらえると嬉しいです。

376:名無し ◆EEPaAa0RHg
07/05/13 02:12:00 EsIAwI72
決意したはずだった。
絶対に守ると決めたはずだった。
「ずっといっしょにいてね」
でもそれと似た決意は昔したはずだった。いったい何故忘れてしまったんだろう。
「うん、ずっといっしょにいるよ」



何か夢を見た気がする。とても大事な思いでの夢を。
「……り…ちゃ……稟ちゃん」
声が聞こえる…。とても優しい声が…。
稟「……あ、さ先輩?…」
朝の日差しが暖かかった。でも、どこか冷たい空気が今が冬であることを感じさせた。
亜沙「お早う、稟ちゃん♪」
稟「……おはようございます」
綺麗な緑色の髪をなびかせるいつも元気いっぱいの女性の姿が目に写った。
しかしいつもの元気な表情はなく、どこか憂いを帯びていた。
稟「どうかしたんですか、亜沙先輩?」
亜沙「え?いや、あのね、……って、まーた先輩ってつけてるじゃない!」
稟「あ」
し、しまった!寝惚けてまた言ってしまった!!
亜沙「もー…何度目よ。あれほど先輩禁止って言ったのに!」

時雨亜沙さん。俺の恋人である。
昔はショートヘアーだったのだが今はロングヘアーにしている。
俺の好みに合わせてくれたのと、こちらの方が「都合」がいいからだ。
そりゃ、いきなり知り合いの髪が延びたらびっくりするよね…。この状態だとそれ以上は伸びないからなんだけど。

稟「す、すいません。つい言っちゃうんですよね」
亜沙「もう…、一年以上付き合ってるのに直らないのね」
うあ…めちゃくちゃ呆れてる…。どうしても言っちゃうんだよぁ。癖になってるから…。
稟「出来るだけ言わないようにはしてるんですが…」
亜沙「亜沙。はい復唱!」
う、またコレですか…
稟「あ、亜沙…さん。」
亜沙さんがキッと俺を睨む、がそれも束の間すぐに笑顔に変わった。
亜沙「むう、仕方ないわね。今はそれで我慢してあげる。…でも」
稟「? でも?」
亜沙「いつかはボクを亜沙って呼んでね…?」
この人の笑顔は何て眩しいのだろうか。照れ臭そうな亜沙さんの表情にこっちまで照れてしまう。

亜沙「あ、今日は祝日だけどどこか行くの?」
稟「そうですね今日は…今日は、少し用事があります…。」
大した用事って訳じゃないけど今は一人になりたかった。

亜沙「なーんだ、つまんないのー。」
稟「すいません、また今度埋め合わせしますんで!」
亜沙「じゃあ、今度の日曜日ケーキを沢山おごってもらうからね♪」
稟「いぃ!?そんな、亜沙さん!?」
亜沙「まったねー♪稟ちゃーん!」
ほ、ホントに嵐の様な人だなぁ…。




377:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:14:13 EsIAwI72
悩むとどうしてもここに来てしまう。俺の最後の心の拠り所…。
稟「父さん、母さん…」
既に記憶は薄れ、もう遺影の凍り付いた顔しか浮かぶことのなくなった二人の墓前に立っていた。
悩んでいたのは過去の記憶と少年がした大事な約束。守ると決めたあの決意。
?「稟君かい?」
ふと聞き覚えのある声が聞こえてきた。
稟「…おじさん!」
幹夫「久し振りだね。稟君。…君もお墓参りかい?」
稟「そういうつもりじゃなかったんですけどね…。なんとなくです。」
幹夫「そうか…、私もだよ…」

奇妙な沈黙が流れる。その沈黙を破ったのはおじさんのほうだった。
幹夫「学校の方はどうだい?進路は決まったのかね?」
稟「今はまだわかりません…。一応就職するつもりなんですが…」
幹夫「そうかい。その時は少なからず私も助力するよ。」
実はまだ迷っていた。取り敢えず現実的に最良の選択なのだろうが…。
稟「そういえば楓は…、楓は進学すると言ってましたけど。」
幹夫「ああ…、君とは別の道だ。」
ズキンッと胸が痛んだ。
今まで一緒にいた幼馴染みと離れてしまうことが今感じている迷いの正体であることは分かっていた。
でも俺は…亜沙さんを選んだんだ。迷う必要ないじゃないか…。
しかし、自分の心に楔となって引っ掛かっているその影を振り払うことは出来なかった。
幹夫「プリムラちゃんは楓と同じ大学へ行きたいといってたよ。」
稟「いつもすいません、プリムラの面倒まで。俺が引き取るなんて言ってしまったばっかりに…。」
幹夫「いやぁ、いいんだ。私としては娘が出来たようで嬉しいよ。」
そう言って笑うおじさんの笑顔はどこか陰りがあるようだった。
幹夫「でも、プリムラちゃんも楓も…」
稟「?」
おじさんの表情が急に曇った。
幹夫「本当は君と一緒に大学へ行きたいと言っていたよ。」
稟「!!・・・・・でもそれは…」
本当は皆と一緒にいたかった。シアやネリネ、樹や麻弓、プリムラ、もちろん亜沙さんとも、…そして楓とも。
幹夫「稟君、君は家族なんだ。家に帰ってくる気はないのかい?」
本当は帰りたかった。皆と、家族と一緒に居たかった。でも決めてしまったから…。
稟「すいません…それだけは出来ません…」
大事な幼馴染みをこれ以上傷つけたくなかった。俺が楓にできる唯一の償い。
俺と楓の曖昧だった関係のピリオド…
幹夫「そうかい……時には遊びに来ておくれ。歓迎するよ」
稟「…はい、機会があればまた遊びに行きます」



378:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:15:32 EsIAwI72
私は稟くんの事が好きです。愛しています。
でも私は稟くんに愛されてはいけない…。そう思っていました。
「稟なんか死んじゃえばいいんだ!!」
だから、よかったんです。
稟くんが亜沙先輩を選んだことは間違いではないんですから。
「私は…自分が許せません…あの日の誓いを、こんな風にすり替えてしまっている自分が…」
でも……それでも……
私は稟くんを愛しています。



プリムラ「…楓お姉ちゃん?」
ハッと我に返るとそこには心配そうに私を見つめる私の『妹』が居ました。
楓「あ…、リムちゃん。どうかしましたか?」
プリムラ「どうって、何だか楓お姉ちゃん、辛そうな顔してた…」
ギクリ、としました。私の心を見透かされたようなそんな気分です。
楓「すこし、昔の事を思い出してたんです」
遠い昔に稟くんを傷つけてしまった記憶を…
楓「さて、今日は休日ですし久しぶりに出掛けましょう、リムちゃん?」
プリムラ「…お兄ちゃんのとこ?」
楓「!!そそそそそんなわけないですよ!稟くんの所に行ったら、その、お邪魔でしょうし…」
そう、ですよね。私が会いに行くと稟君が家から出ていった意味が無くなってしまいます。
プリムラ「それでいいの?楓お姉ちゃんは…」
理由も答えも分かっているけど、と言った感じでリムちゃんが聞いてきます。
楓「いいんです。これは稟君が望んだこと、そして私が決めたことですから」
プリムラ「お姉ちゃん…」
そんな顔しないで下さい、リムちゃん。私だって本当は…
幹夫「ただいま~」
楓「あ、お帰りなさいお父さん」
幹夫「ん?どうしたんだい、二人とも?」
楓「何でもないですよ。あ、私買い物行ってきますね?」
プリムラ「あ…」
幹夫「ああ、いってらっしゃい」
家を逃げるように飛び出しちゃいました。
ごめんなさいリムちゃん。私はどうしても稟くんに会うわけにはいかないんです。
でも、でも…

楓「稟くんに……会いたい……」



幹夫「楓は相変わらずなんだな…」
プリムラ「本当はお姉ちゃんも稟に、お兄ちゃんに会いたいはずなのに…」
幹夫「…稟君に会ったよ。稟君もなにか悩んでいるようだった」
プリムラ「お兄ちゃんが?」
幹夫「就職する、とは言っていたが別の事で悩んでいる様だったよ」
プリムラ「私、会いに行ってくる。稟お兄ちゃんに」
幹夫「ああ、行っておいで。稟君も喜ぶだろう。もう戻っているはずだ」
プリムラ「いってきまーす!」
ぱたぱたぱた…
幹夫「ふう…、私じゃ楓を助けてあげられないのかな…紅葉…」



379:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:16:51 EsIAwI72
本当は買い物に行く必要なんてありませんでした。
ならすこし公園でも散歩して、それから買い物に行きましょう。
?「あれー、カエちゃん?」
楓「シアちゃん?じゃなくてキキョウちゃんですね。こんにちは♪」
キキョウ「相変わらずあたしとシアを見分けるのはとくいねー…まったく、お父さんに爪のアカ煎じて飲ませたいくらい」
簡単な気がするんですけど…。そんなに分からないですかね?

この娘は『キキョウ』ちゃん。私の親友のひとりです。
シアちゃんの妹だけど体はひとつ。彼女の存在を知る人はほとんどいません。
楓「今日はシアちゃんは?」
キキョウ「シア?今は眠ってるみたい」
単なる二重人格とはまた違うのですけどこの事実を知っている人間は私と稟くんくらいだそうです。
暫くの間「裏シア」の名前で呼んでいましたがそれじゃ余りにも可哀想なので私が名前をあげました。
シアちゃんが気に入っていた花の名前を。
キキョウ「聞いた?稟、就職しちゃうんだって。みんな大学に行くって言ってたからてっきり稟も行くと思ってたんだけど…」
楓「はい、知ってます…」
私のせい、なんでしょうね…。
キキョウ「楓は、どう思ってるの?稟と一緒に居たくないの?」
楓「私は…稟くんが望まないのなら…」
キキョウ「本当は…?楓は、楓自身はどう思ってるの?」
ダメです、キキョウちゃんの前だと嘘がつけません…。
楓「私は…稟くんの傍にいたい…」
この気持ちだけは、この思いだけは変わりません。この先何があろうとも。
キキョウ「なら…」



楓「ただいま」
プリムラ「お帰り、お姉ちゃん」
少し遅くなっちゃいました。外では少しですけど雪が降りだしています。
プリムラ「…稟に会ってきた。」
楓「え…?」
プリムラ「お姉ちゃんに伝言を伝えてくれって」
ドクン
楓「なんでしょう」
心臓が高鳴るのを押さえられません…。予感がしました。大事なことなんだと。
プリムラ「今夜、展望台に来てください。待ってます。…って」
ドクンドクンドクン…
楓「……リムちゃん、夕飯の仕度任せてしまっていいでしょうか?」
さっき決めたんです。もう、逃げないって。
プリムラ「…わかった。楓お姉ちゃんの分も作っとく」楓「それじゃ行ってきますね」
プリムラ「お姉ちゃん!」
楓「はい?」
プリムラ「頑張ってね!」
コクッ
小さく頷いて私は展望台への道を駆け出しました。



380:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:18:33 EsIAwI72
二人の間には大切な、とても大切な絆がある。それは分かっていたんだ。
分かっているつもりだった。
「あんたなんか…死んじゃえばいいんだ!!」
でも、ボクはそれを壊してしまった。気付かないうちに。
でも、それでも稟ちゃんはボクを選んでくれた。
「守ります、どんなことがあっても」



前にもこんなことは何度かあった。
稟「……うぅ……か…えで……」
稟ちゃんの寝言。ずっと謝っていた。楓に。
稟「…約…束………守れ……な…ごめ……ん…」
亜沙「稟ちゃん?稟ちゃん?」
稟「……あ、さ先輩?…」
あれだけ辛そうな稟ちゃんを見るのはとても耐えられなくてつい起こしちゃった。
でも、稟ちゃんも今の夢は絶対見ていたくないはず。
稟「どうかしたんですか、亜沙先輩?」
亜沙「え?いや、あのね、……って、まーた先輩ってつけてるじゃない!」
稟「あ」
だからすこし、誤魔化しちゃった。今の夢を忘れて貰うために。
でも、この癖は未だに直らないみたい。ハァ、ボクだって名前で呼んでもらいたいのに…。
でも、こういう稟ちゃんの困った顔は大好きかも♪
稟「出来るだけ言わないようにはしてるんですが…」
亜沙「亜沙。はい復唱!」
稟「あ、亜沙…さん。」
照れてる稟ちゃんもなかなか可愛いよね♪
亜沙「むう、仕方ないわね。今はそれで我慢してあげる。…でも」
稟「? でも?」
亜沙「いつかはボクを亜沙って呼んでね…?」
うわぁ、稟ちゃん顔真っ赤っ赤♪こういう顔を見るのもボクの楽しみの一つなんだよね~♪

でも、稟ちゃんはさっきの夢が忘れられないみたい…。
亜沙「あ、今日は祝日だけどどこか行くの?」
稟「そうですね今日は…今日は、少し用事があります…。」
はあ、仕方ないなぁ。今日のところは帰りますか…。亜沙「じゃあ、今度の日曜日ケーキを沢山おごってもらうからね♪」
稟「いぃ!?そんな、亜沙さん!?」
亜沙「まったねー♪稟ちゃーん!」
稟ちゃんの悲しい顔はみたくない。だからボクは笑うんだ。
ボクが世界で一番尊敬している人みたいに…。



亜沙「ただいまー」
亜麻「あ~♪あーちゃんおかえり~♪あれー?りっちゃんは一緒じゃないの?」亜沙「うん…。用事があるんだって」
うー、最近稟ちゃんと一緒にいること少ないなぁ。
亜麻「えー、りっちゃん来てないんだー…つまんないな」
子供のように頬を膨らますお母さんに少し苦笑した。自分の母ながら子供みたいね…


381:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:19:55 EsIAwI72
亜沙「仕方ないよ。なんだか進路で悩んでるみたいだし…」
亜麻「りっちゃんが?あーちゃんを追っかけて大学に入るんじゃなかったの?」亜沙「その筈だったんだけど…」
楓を傷つけないために、楓と別の道を選んだ。稟ちゃんには過酷な選択だったんだと思う。
……多分稟ちゃんは楓の事好きだったって気付いてしまった。

……ボクよりも……


亜麻「…あーちゃん、どうしたの?あーちゃんが辛そうだと、お母さんも…辛いよ…」
亜沙「う、ううん!なんでもない!ボクは部屋に戻るね♪」
トタタタタ… パタン
亜麻「あーちゃん…」



ボクが稟ちゃんの隣に居ると、稟ちゃんを傷つけちゃう。
楓を苦しめてしまう。
『恋愛は好きか嫌いかだけで充分じゃないですか』
だけどね、カレハ。ボクはは稟ちゃんを、楓を不幸にしたい訳じゃないの…。
亜沙「でも、ボクはそれでも稟ちゃんの事が好き…」
涙が止まらない…。喉がカラカラで、息が苦しい。胸の奥の方が熱くて痛い…!亜沙「ふ…う……うぁ……あぁぁ……ああぁぁぁぁ…!」



コンコン…
ノックの音が聞こえる…。
どれ位泣いたのだろう。涙も乾き何時の間にやら眠ってしまっていた。
コンコン…
亜麻「あーちゃん?入っていーい?」
亜沙「お母さん?…いいよ?」
亜麻「しっつれーしまーす♪あーちゃん、ご飯まだでしょ?オニギリ作ってきたよ♪」
確かにお腹は減ってるけど食べたい気分じゃなかった。
でも、せっかくお母さんがボクのために作ってくれたから一つ食べることにした。
亜麻「美味しい?鰹節と梅干を刻んだで混ぜてみたんだ♪あとは明太子とこん…」
亜沙「お母さんは…」
亜麻「へ?」
お母さんに聞いてみたい事があった。この世で一番尊敬している人に。
亜沙「お母さんは…、お父さんが選んでくれなかったとしてもお父さんを好きになれた?」
お母さんは少し困った顔をして、答えてくれた…。
亜麻「うーん、難しい質問だね…。でも……」



プルルルル…ガチャ
亜麻「はーい、時雨です♪あーりっちゃん♪うん、ちょっと待ってね?  あーちゃん?りっちゃんからだよ♪」
亜沙「はーい、あ、稟ちゃん?……え?……うん、ボクも稟ちゃんに話したいことあったんだ」

ガチャ
亜沙「お母さん、ボクちょっと出掛けてくるね?」
亜麻「はーい♪早めに帰ってきてね?」
亜沙「いってきまーす!」

ずっと昔に決めたんだ。お母さんみたいにずっと笑っているんだって。

亜麻「…あーちゃん、ガンバレ!」



382:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:21:13 EsIAwI72
どんなに嘆いても時は戻らない。例え時計の針を戻したとしても。
ならば進むしかない。
しかし俺はその一歩を進めずにいた。



稟「ふぅ…」
俺は小さな公園の小さなベンチにもたれていた。手に持った缶コーヒーが温かい。
シア「あ、稟くん」
稟「シア?だよな…?」
シア「そうだよ♪もぉ、カエちゃんは百発百中で見抜けるのに~」
どうやら目の前に居る神族の娘はシアのようだ。楓は、何故か見抜けるんだが…俺にはどうしても確信が持てないんだよなぁ。
稟「ご、ごめんな!俺は楓のような特技持ってないんだ。」
シア「む~、稟くんには分かって欲しいんだけどなぁ…」
小さなベンチにチョコンと座るとシアはすい、と寄り添ってきた。
シア「…ちょっと、寒いね」
人肌恋しい、というヤツなのだろうか。寄り添う人の肩はとても暖かかった。
稟「コーヒー、いるか?」
シア「おぉ!有りがたいッス♪あ、でも稟くんの分は?」
稟「いや、いいんだ。後で買うよ」
シア「いいの?やっぱり稟くん、優しいね♪」
シアの満面の笑みに対して俺は笑顔が作れなかった…。
シア「カエちゃん…の事?」
ドキリ、とした。シアにそうと言った覚えはない。いや、他の誰にだって…。
稟「…俺ってそんなに顔に出るかな?隠してるつもりだったけど…」
シア「好きな人の事だもん。言われなくても、分かるよ…。勿論、リンちゃんも♪」
ハァ、俺ってそんなに分かりやすい性格なのか…。何かちょっとショック…。
シア「…好きなんでしょ?カエちゃんの事」
稟「………俺は一生隠し事出来ないな」
何故、何故、今頃気付いたんだろう。あんなに一緒だったのに。
稟「楓から離れて分かったんだ。なんで楓を守りたかったのか」
何故、その思いを受け止めようと考えなかったのか。
稟「俺は…楓の、事が好きだ、った」
頬に熱いものが伝う。
稟「あ、あい、つとの約束っ、守ってやれなかっ…!」
思いをもはや言葉には出来なかった…。
シア「稟くん…」
稟「ぐぅっ…うぅぅ、あ、あぁ……あぁぁ……!」
シアがそっと俺の頭を撫でてくれる。とても、優しく…
シア「……今は、泣いても大丈夫だよ…」



383:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:22:30 EsIAwI72
どれ程泣いただろうか。こんなに泣いたのは何時振りだろうか。
シア「落ち着いた?」
稟「…ありがとう。……ごめん」
涙も枯れ、いつの間にか乾いていた。
稟「恥ずかしいとこ見せちゃったな。もう、大丈夫」
シア「良かった~♪泣いてる稟くん、ちょっと可愛かったかな?」
!!!!
稟「なっ!?は、恥ずかしいんだ!忘れてくれ!」
見られたのが麻弓や樹とかじゃなくて良かった…。生涯ネタにされそうだ。
シア「あはははっ♪恥ずかしがる稟くんもかわいいッス♪」
まあシアで良かった、かな。お陰ですっきりしたみたいだ。

稟「なあ、シア…」
シア「ん?なんスか?稟くん」
こんなこと本当はシアに聞くべきじゃないんだろうけど…聞かないと先に進めそうにないよな。
稟「俺は亜沙さんが好きだ。でも、楓も守りたい。…こんな事許されるんだろうか」
二人とも選ぶなんてこと亜沙さんが、楓が、許してくれるんだろうか。三人で居ることを認めてくれるんだろうか。
でも、シアは意とも簡単に答えてくれた。
シア「だーいじょうぶ!二人は稟くんの事が好きなんだから」
稟「でも…」
シア「二人は稟くんの事が好き。稟くんは二人の事が好き。何も問題ないッス♪」
・・・いいのか?それで?
シア「二人に聞いてみたの?」
稟「い、いや…」
シア「二人とも稟くんの言葉を、本当の気持ちを待ってる筈だよ」

実に単純なこと。聞けばいいじゃないか。二人に。言えばいいじゃないか。俺の気持ちを。
稟「ありがとう、シア。俺、二人に会ってくる!」
シア「ガンバレ!稟くん!」
グッと頷くと俺は駆け出していた。一番大切な決意を持って。



キキョウ「大丈夫かな?」
シア「大丈夫ッス!皆同じ気持ちだから…。」
キキョウ「シアは…、それでいいの?」
シア「その言葉をそっくりそのまま返すよ?私はキキョウちゃんと同じ気持ちだから」
キキョウ「そうよね。…上手くいくといいね。」
シア「上手くいくよ。きっと…」




384:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:23:55 EsIAwI72
俺は走った。斜無に走った。
稟「とにかく連絡を取らないと…うわっ!?」
?「お兄ちゃん!」
背中に飛び付いてくる小さい感触にビックリして振り向くとそこには見慣れた……
稟「うぇぇ!?白タマと黒タマ!?」
そこにあるべき人物の姿はなく、人形がまるで意思があるように引っ付いていた。
プリムラ「待ってー!お兄ちゃーん!」
後ろからプリムラが遅れて駆け寄ってきた。あぁ、魔法か…。
プリムラ「お兄ちゃん…ハァハァ…足、早い……」
稟「どうしたんだ?プリムラ。家で何かあったのか?」
息切れをするプリムラはどうにかその息を整えて
稟「お、おい、プリムラ!?」
いきなり俺に抱きついてきた。あのプリムラさん、周りの視線が痛い…
プリムラ「稟お兄ちゃん…。会いたかった…。」
稟「おいおい、学校ではちょくちょく会ってるだろ?」
そんなの関係ない、と言った様子でプリムラは俺の胸元に擦り寄ってくる。困ったなあ…。
プリムラ「帰ってきて…、楓も…お姉ちゃんも待ってる」
潤んだ瞳で、今にも泣きそうな声で喋るプリムラに出来るだけ優しく語り掛けた。
稟「そのうち帰ってくるよ。だから、もう少しだけ待っててくれ…」
少女の顔が驚きに変わる。プリムラ「ほ、んと?」
稟「ああ、約束する」
この告白が成功する保証なんて無かった。
プリムラ「絶対…だよ?」
稟「絶対だ」
でも、言わなくちゃ。今まで言えなかったことを。無くした言葉を。
稟「だから、プリムラ………」
あの日の約束をもう一度伝えたい……楓に…



385:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:25:25 EsIAwI72
その先にある未来はシャッフルされたカードを捲るように分からない。
期待と不安の混ざり合ったこのカードは果たして…

展望台が見えてくる…。ここは俺と亜沙さんの思いでの場所。
その場所を雪が少しづつ白く染め始めた。
一歩一歩踏み締めるように歩くと見慣れた緑色の長髪が揺れていた。
稟「亜沙さん…」
亜沙「遅いぞぉ稟ちゃん♪」
いつもと変わらぬ笑顔に少しだけ頬を緩めたが今からの告白を考えるとどうしても顔が強張ってしまう。
稟「大事な話があります」亜沙「……楓の事?」
稟「!!……気付いてたんですか?」
正直驚いた。亜沙さんには気付かせないでいたつもりだった。
亜沙「好きな人の事だから、ね。分かっちゃうよ」
おどけた顔でそう言う亜沙さんの顔は少しだけ悲しそうだった。
亜沙「稟ちゃん、ボクと付き合いだしてから楓を避けてたでしょ。」
稟「…よく知ってますね。元々学年も違うのに」
亜沙「元々あれだけ仲が良かったのに最近じゃろくに話しもしてない、って噂は親衛隊とか麻弓ちゃんから広がるわよ」
稟「ハハ、それもそうですね」

まあ、それも今年までと思ってたんだけど…、どうやらそれだけじゃ終わらなさそうだ。
亜沙「それに、寝言で楓にずっと謝ってた…。『約束守れなくてごめん』って」
稟「うっ、そんなことを…」
バラしてたのは自分か…。やれやれ…。
でも、ここでは終われない。今言わないと一生後悔する!
稟「亜沙さん、お願いがあります。自分でも卑怯なお願いだと思ってます。…でも聞いてもらえますか?」
亜沙「……稟ちゃんは」
稟「え…?」
亜沙「稟ちゃんはボクの事を守ってくれますか…?」
聞き覚えのある言葉、前にここで交わした大切な約束。

でも、答えは変わらない。いつまでたっても。

稟「守ります。必ず、この先何があっても」
亜沙「その気持ちはこれから先も、変わりませんか?」
稟「決まってます。この思いは生涯変わることはありません」
二度も約束を破りたくない…。もう誰かを悲しませたくない。もう誰も!
亜沙「ありがとう、稟ちゃ、ん…」
少しだけ涙ぐみながら、それでも亜沙さんは微笑んでくれた。
やっぱり、俺はこの笑顔を無くせない。俺の選択は間違ってなかったんだ…。

亜沙「ふぅ…、それじゃ稟ちゃんのお願い、聞かせてくれる?」
稟「はい…、実は俺…」
楓「稟くん!!」

386:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:26:48 EsIAwI72
稟「楓!」
見慣れた顔の幼馴染みが駆け寄ってくる。
楓「ハァハァ、遅くなって、すみません」
稟「走って来なくても良かったんだぞ?」
息を切らしながら、楓はいつもの笑顔で
楓「稟くんのためですから、ハァハァ…ふう」
しかし、この状況でこの『お願い』は言っていいものか。正直、断られたら…、いや最悪リンチなんじゃ…。
ええぃ、いつかは二人に言わなくちゃならない事だろ!迷うな、俺!
稟「楓、亜沙さん!俺は…」
楓「私は!」
俺の言葉を遮り楓は、普段の楓からは想像できないほどの声をあげた。
楓「私は稟くんの事が好きです!」
稟「楓…」
楓「私は稟くんの傍に居たい!遠くから見ているのはもう嫌なんです…!」
ポロポロと楓の頬を想いが伝っていく。
楓「ずっと、一緒に、居て…ください…」
十年以上傍に居た人が十年以上溜め込んでいたその思いを今、明かしてくれた。
俺が一度無くしてしまった約束を、まだ大事に心にしまっておいてくれた…。
これに答えなきゃ、男じゃないよな。
稟「やれやれ、言いたいこと全部言われちゃったな…」
もう一度あの日の約束を…。
稟「ずっと一緒にいるよ。ただ…」
また違う新たな決意を…
稟「恋人として傍にいてほしい…!」
楓が大粒の涙を流した。でもそれは悲しみの涙じゃない。
楓「はいっ…!喜んでっ!」
不意に楓が抱きついてきた。
稟「お、おい!楓!?」
楓「稟くん…!稟くん…!」
力一杯抱き締めてくる楓は俺に抱きついたまま離れようとはしなかった。
まったく…、プリムラみたいだな…。
亜沙「つまり、そーいう事だったんだ」
あれ?なんだか横から痛い視線が…
亜沙「じとー…」
ししし、しまった!もうひとつ解決しないといけない問題があった!というより、ここからが本題だ!
慌てて楓を引き離して俺はあの『お願い』を言う決意を固めた。

稟「亜沙さん、楓…俺は二人の女性を好きになってしまいました」
我ながら、なんて卑怯なんだろう。二人の気持ちを知っているからこそのお願い。
稟「もし良ければ、二人とも俺の恋人になってください!」




387:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:28:07 EsIAwI72
奇妙な空白の時間が流れる。俺は頭を下げたまま微動だにしなかった。
亜沙「ぷっ、あはははははっ」
稟「へ?」
行きなり笑い出す亜沙さんに顔をあげると、
亜沙「えいっ♪」
ペシィ!
稟「あいたぁ!な、何するんですか!」
返事の代わりにデコピンが飛んできた。
亜沙「今のは浮気のバツ♪相手が楓だからこのくらいにしといてあげる」
いたずらっ子の様な笑みを見せてクスクスと笑っていた。
稟「はぁ、決意が台無しじゃないですか…」
楓も笑ってるし…。やっぱり亜沙さんがいると空気が明るくなるな。
稟「…聞かせてもらえますか?答…」
亜沙「もう、聞くまでもないじゃない。」
楓「ダメなんて言うわけありません♪」
二人の笑顔が溢れる。俺が一番見たかった二人の笑顔。
稟「こんな不束者だけど、また、よろしく」
いつしか雪はやみ、辺りを街灯が照らしていた。銀の世界が光陽町中に広がっていた。
楓「こちらこそ、宜しくお願いします♪稟くん」
亜沙「不束者なんて言葉、男の子は使わないでしょ、稟ちゃん♪これからもよ・ろ・し・くっ」
バシーン!
稟「痛ぃーたぁ!その癖やめてくださいよ~亜沙先輩ぃ~」
ホントに手形つくんじゃないかコレ…
亜沙「ふーんだ。『先輩』つける癖を直さないとやめないからね~」
稟「あぁ!?すすすすすいません!あ…」
亜沙「あ?」
稟「あ、亜沙…………さん」
亜沙「むー、不合格。だけど今回まで多目にみてあげる」
楓「亜沙先輩、これからも宜しくお願いします。私、負けませんから♪」
亜沙「おお、言ったなー?ボクだって負けないんだから!」
あのー二人ともーなんの勝負ですかー?やれやれ…
稟「じゃあ帰りますか。あ…亜沙、楓」
キョトンとした表情の亜沙さんが、みるみる笑顔に変わっていく。
亜沙「稟ちゃん!?今…?」
楓「亜沙先輩の事を…」
稟「何度も言いませんよ。帰ろう、亜沙、楓」
顔から火が出るほど恥ずかしいとは正にこの事。あまりの恥ずかしさに俺は後ろを向いてしまった。
亜沙「りーんちゃん♪」
楓「稟くん、こっち向いてください♪」
稟「なん…うぃぃ!?」
亜沙さんと楓が並んで目を瞑っている。これはもしや…
楓「約束の誓いをここに下さい…」
亜沙「稟ちゃん、お願い…」
稟「な、なんだか照れるな…」
俺は二人の唇に優しく唇を合わせた…



388:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:29:34 EsIAwI72
『もしも、ボクの旦那様に好きな人が居てもボクは素直に好きだって言ったと思うよ?』

亜麻「あーちゃん?大学遅れちゃうよ?」
亜沙「大丈夫よ、お母さん。そんなに心配しなくても。」
亜麻「だってー、単位がもらえなかったら留年しちゃうんでしょ?」
亜沙「留年、か…稟ちゃんたちと同じ学年になるならそれも悪くないかも…?」
亜麻「あーちゃん!!」
亜沙「じょ、冗談よ!ジョーダン!いってきまーす!」
亜麻「もう…、いってらっしゃーい」

『ボクの旦那様も意外に鈍感だから好きだって伝えないと伝わらないから』
そうだよね…お母さん…

……


『じゃあ、好きだって伝えればいいじゃない!楓は稟が好きなんだから!』

稟「しっかしいいのかねぇ。光陽大学の入学枠を一個拡げてもらって。」
楓「流石に神王様と魔王様に言われたら断れないですよ」
稟「確かに…あの二人に詰め寄られたら嫌でもハイって言っちゃうよな」
楓「そうですね…」
シアちゃん、キキョウちゃんとリンちゃんのお陰なんですけど…
稟「でも、おかげで約束守れそうだ。新しい約束も。」
楓「はいっ、これからも一緒に居てください♪」

『稟も絶対に楓を待ってるから。楓の答を…』
そうですねキキョウちゃん…

……


『二人は稟くんの事が好き。稟くんは二人の事が好き。何も問題ないッス♪』

とにかく俺はシアたちの計らいにより大学へ進学する事になった。
とにかく臨時試験を受けてその結果次第で入学を決めてくれるらしい。
今はまだその結果待ちである。
まあ、神王のおじさんから結果は既に伝わっており俺が進学することは既に決定済みだが…。
ともかく後は卒業を迎えるだけだった。
勿論いつものメンバー全員で(麻弓は危なかったらしいが)また、お祭りのように騒がしい毎日が始まる訳だ。

『二人とも稟くんの言葉を、本当の気持ちを待ってる筈だよ』
ありがとう、シア…

シャッフルされたカードは再び俺の手元に戻ってきた。
大事な約束と共に…

389:名無し ◆85siVFU0r.
07/05/13 02:32:27 EsIAwI72
終わりッス♪

きつかった…
アニメその後のお話です。楓のために作りました。
作品を壊すため文句は言われてもしかたないかも…。

390:名無しさん@ピンキー
07/05/13 11:37:53 Ax14eeDm
>>389
なかなか素晴らしいものだったよ

391:名無しさん@ピンキー
07/05/13 14:35:04 EsIAwI72
>>390
ありがとう、ついでと言っちゃなんだけど、良かったとこや悪かったとことか挙げてくれると嬉しい

392:名無しさん@ピンキー
07/05/13 15:15:21 JQRvDbkB
良かったとかGJだけのレスより、上で言われてる稟の口調が違うとかいう
レスの方が書き手としてはよっぽど嬉しいんだよな。
何が良かったのか何に対してGJなのかは不明瞭だけど、口調が違うって
言うことはちゃんと読んでくれてるって明確に判る指摘だから。

393:名無しさん@ピンキー
07/05/13 17:28:48 vbyD5zme
最近楓のSSばかりで萎える

394:名無しさん@ピンキー
07/05/13 20:17:28 jHBORq3V
>>393
てめえ、業務用空鍋でなぐるぞ

395:名無しさん@ピンキー
07/05/13 21:04:32 EsIAwI72
>>393
ごめんね、俺の心の平和のために作ったから…。

396:名無しさん@ピンキー
07/05/13 21:56:12 uUPboy8x
>>395
ああいうアンチはスルーすることを薦める
でないと誰かみたいに調子に乗ってるとか言われる羽目になるよ

397:名無しさん@ピンキー
07/05/13 23:10:57 EsIAwI72
>>396
忠告有り難う。

まあ、読み手でも書き手でもいいんだけど誰か評価してくれないか?
多少厳しくても構わないから。

398:名無しさん@ピンキー
07/05/13 23:13:01 Yi77EMV4
稟はその気になれば12股(人妻や男を除く)にできるな・・・。
紅女史を攻略するのが1番難しいだろうが。

399:名無しさん@ピンキー
07/05/14 00:02:09 I7s+I5SU
>>398
その話題は終了済み

400:名無しさん@ピンキー
07/05/14 00:53:23 umXFJAew
>>397
アニメの続編ってことはだいたい見えてたから良いとして、やはり何レス分
のSSかメ欄に入れといてほしかったかな。
内容については稟の葛藤が楓に対するものだけで、シアが相談役のみで終わ
ってしまったのがちょっと。ま、「聞くべきじゃないんだろうけど」とは思
ってたけど。
この結末なら最終的にはなし崩しにハーレムエンド化しそうな気も。
つか、絶対親バカコンビはそのつもりで根回ししただろ、これw

401:名無しさん@ピンキー
07/05/14 01:11:28 5ejHBZ2o
>>400
一個目はミスで入ってないけどそれ以降はsage 2/13てなかんじで入れてるよ?シアは打算的な部分で後押しさせようかなと思ってたんだけどガラじゃないからやめました。
あそこは寧ろ稟の心情を察してほしいとこなのでちょっと残念…。
神王様と魔王様に関しては全くその通りですw

402:名無しさん@ピンキー
07/05/14 01:26:19 I7s+I5SU
>>401
> それ以降は
隠し要素じゃないんだから誰にでもわかるように名前欄に入れないと折角の補足の意味がないよ
専ブラ使ってる人ばかりではないし専ブラだとしても>400のように気付かない人もいる

403:名無しさん@ピンキー
07/05/14 01:29:31 umXFJAew
>>401
む、確かにナンバー入ってる。つか、「名前欄に入れて」と言うべきだった
な、悪いorz
シアが打算抜きでアドバイスするのはいいけど、稟がそれについてもーちょ
っと(楓だけでなく)彼女に対しても申し訳なさを感じてる描写があっても
良かったかな、と。

404:名無しさん@ピンキー
07/05/14 01:32:09 I7s+I5SU
>>401
あと、稟が泣くってのは通常ありえないから違和感がある
相手がシアだから余計にそう感じる
まあアニメ版のヘタレ稟がモチーフだからと言われれば、可能性はなくはないだろうが

405:名無しさん@ピンキー
07/05/14 02:10:24 CI9LA+Dz
>>397
厳しいのをご所望のようだから細かい事も含めて一度目を通して気付いた点

> 幹夫「いやぁ、いいんだ。私としては娘が出来たようで嬉しいよ。」
すでに娘が居るのにこの発言はおかしいよ。
例えば「娘が増えたようで」とか「にぎやかになって」とかにするべきだった。

> 楓「!!そそそそそんなわけないですよ!
この慌て方は個人的にはこの場面には相応しくない気がする。
照れてる"だけ"なら問題ないが複雑な心情が絡み合ってる状態なのだし。

> シアちゃんの妹だけど体はひとつ
体も入れ替わるからひとつじゃないよ。

> 俺は楓のような特技持ってないんだ
物事の本質を見抜くのは稟の特技。
自覚の有無は別として持ってないとはっきりと言わせてしまう(書いてしまう)のはどうかと思う。

> 稟「ぐぅっ…うぅぅ、あ、あぁ……あぁぁ……!」
上でも言われているがいくら溜め込んでいたとしても我慢するのが稟という人物であり
アニメ版の稟だとしてもたったこれだけのやり取りではいくらなんでも泣きはしないだろう。
さすがにいとも簡単に泣きすぎている。

> 楓「ずっと、一緒に、居て…ください…」
楓なら「居てください」ではなく「居させてください」と言うはず。

406:名無しさん@ピンキー
07/05/14 02:36:47 5ejHBZ2o
みんなありがとう。勉強になります。

>>402
名前欄がいいのかな?次は気をつけます。
>>403
シアに対してはもうちょっと考えるべきだったかも…
ただ今回のヒロインは楓と亜沙なのででしゃばり過ぎないようにしたせいもあります。
>>404
稟が一番我慢したのは楓の事だと思ったのであれは楓に対する謝罪の涙だと位置付けてます。
でも、ちょっと簡単にやりすぎだったかも…。

407:名無しさん@ピンキー
07/05/14 03:18:56 5ejHBZ2o
>>405
指摘ありがとう。ミスと文章力の無さが出てますね…。

>すでに娘が居るのにこの発言はおかしいよ。
>例えば「娘が増えたようで」とか「にぎやかになって」とかにするべきだった。これは完璧にミスです…スイマセンorz

>この慌て方は個人的にはこの場面には相応しくない気がする。
>照れてる"だけ"なら問題ないが複雑な心情が絡み合ってる状態なのだし。
楓らしさを出そうとしたのが裏目に出ました…。

>体も入れ替わるからひとつじゃないよ。
楓はよく理解してないつもりで書いたのですが説明不足でした。
稟が理解したときだって…ねぇ?

>物事の本質を見抜くのは稟の特技。
>自覚の有無は別として持ってないとはっきりと言わせてしまう(書いてしまう)のはどうかと思う。
アニメ版の稟は思うより鈍感なのでそこを意識しました。大体分かるけど見た目だけでは確信できないってかんじです。

>上でも言われているがいくら溜め込んでいたとしても我慢するのが稟という人物であり
>アニメ版の稟だとしてもたったこれだけのやり取りではいくらなんでも泣きはしないだろう。
>さすがにいとも簡単に泣きすぎている。
泣かせるか泣かせないか迷いました…。
でも、楓のことだからこそ泣いたって感じが出したかったんですけど…簡単すぎましたかね。

>楓なら「居てください」ではなく「居させてください」と言うはず。
そこは楓からの告白の時点でおかしいんですけど…決意の現れみたいなものです。
「好きでいさせてください」よりも「好きです」って言い切ることで楓を少し成長させたかった。って思惑です。

やはり文章だけで伝えるのは難しいッスね…

408:名無しさん@ピンキー
07/05/14 10:29:35 aLUxCcKo
重箱の隅をつつきだすとスレが殺伐とするからやめたほうがいいとおもうが。
あと作家がSS投下以外で語るのもよくない。
ただでさえ、コテ嫌いの住人がいるスレなんだから。
指摘されたことは次のSS投下で反映してくれればよい。

409:名無しさん@ピンキー
07/05/14 11:46:43 5ejHBZ2o
>>408
了解

410:名無しさん@ピンキー
07/05/14 14:53:55 JLjUXYLu
>>408
作者はSS投下以外雑談も何もするなと聞こえるが、それは暴論であり自己ルール押し付けすぎ。
それに語ってる時にまでコテ付ける人は確かに嫌われるが、名無しだし問題ないと思うがナァ。
まあ確かに今回はしつこく指摘を求めすぎだとは思ったが。

411:名無しさん@ピンキー
07/05/14 15:28:11 0ULyndFz
作者がSS以外で語るときは名無しでそれとなくノ方が良いかもね。

412:335
07/05/14 21:51:17 ssujU5En
以前予告したカレハ先輩SSですが、なんとか前編が仕上がったので投下させてもらいますね

413:とある秋の休日(前編) 1/12
07/05/14 21:52:03 ssujU5En
秋。
世間では、食欲・芸術・スポーツ等様々なものに最適と思われているそんな季節のとある休日に、俺は何をしているかというと、
「……なので、これは……。」
「………。」
「そして、こちらは……、あのー、稟さん?」
「は、はい、何でしょう。」
「いえ、先ほどから反応が薄いのですけど、ちゃんと分かってますか?」
「……すみません、あまり分かってません。」
俺は先輩であり、恋人でもあるカレハさんに魔法学を教えてもらっていた。
なぜ、こんなことになったかというと、事の顛末は昨日の放課後まで遡る…

「よーし、今日のホームルームはここまでだ。」
いつも通りの教室の風景に、いつも通りの紅女史のこの一言でホームルームは終わると思われたが、
「それじゃあ、追試を受ける者はちゃんと勉強をしてくること。これで、またとんでもない点数だったら今度は補習を受けるはめになるぞ。」
紅女史の一言で教室の一部から、うめき声が上がったが、当の紅女史は颯爽と教室を出て行ってしまった。
「あのー、稟くん…。」
「皆まで言わなくていいぞ、楓。」
「は、はい…。」
楓が心配そうに声を掛けてきたが、その原因に心当たりがある俺は、続く言葉を遮った。
その原因は言うまでも無いが、先ほど紅女史が言っていた追試の件である。
というのも、今回の中間試験で魔法学が赤点だった俺は、めでたく追試を受けることが決定しているので、楓が何を言おうとしていたのかは手を取るように分かる。
「というわけで楓、すまないがまた勉強を…。」
「そのことなんですが……。」
いつもなら、笑顔で引き受けてくれる楓が珍しく言葉を濁すと、いやな予感がした。
「実は麻弓ちゃんにお願いされちゃいまして…。」
「……マジで?」
「は、はい…。」
思いがけない一言で俺が硬直している間に、鞄を持った麻弓が楓目掛けて突進してきた。
「楓ー、早速図書館に行くわよ!!それじゃあ土見くん、楓は借りてくわねー!!」
「え、ま、麻弓ちゃん?そ、そんなに引っ張らないでください~。」
抵抗も空しく楓は麻弓に連れ去られ、廊下の向こうから楓が俺に謝る声が聞こえた。
「な、なんてことだ……。それじゃあ、ネリネなら…。」
俺がそう考え、ネリネの方を振り向くや否や、
「ごめんね、稟くん。リンちゃんには私がもうお願いしちゃったの。それじゃあ、リンちゃん早く行くッス!!」
「すみません、稟様~。」
俺が声を掛けるより先に頼まれていたらしいネリネも、シアに連れられて教室を出て行ってしまった。
「な、なんてことだ……。」
「まあ、いつもの稟の尽くされぶりからすればこれはいい薬だろうね。」
頼みの綱を失い呆然としていた俺は樹の一言で現実に連れ戻された。


414:とある秋の休日(前編) 2/12
07/05/14 21:53:58 ssujU5En
「それで、結局のところ今回はどうやって乗り切るんだい?」
「どうするか……。」
正直、楓やネリネに期待できないなら自力で何とかするか、もしくは…
「なんなら、今回は特別に俺様が、」
「却下。」
「……一瞬の迷いも無しに断言したね、稟。」
「お前に頼んだら、どんな見返りを要求されるか分からないからな。」
一瞬の気の迷いで樹に頼むしかないと思ったが、やはりコイツに頼む気にはなれなかった。
「くっ、残念だよ、これを機にシアちゃん達を稟の魔の手から、この俺様が解放してあげようと思ったのに……。」
そんなことを言ってる樹を放置して、ひとまず帰宅することにした。
しかし、一人で何とかなるだろうか……。
「あれー、稟ちゃんじゃない。」
「あれ、亜沙先輩ですか。」
そんなことを考えながら、昇降口に来たら亜沙先輩と出くわした。
しかし、いつも一緒のカレハさんが見当たらない。
「稟ちゃんが一人なんて珍しいわねー。あ、もしかしてこのままカレハとらぶらぶデート?それとも、どっちかの部屋に直行?」
「残念ながら違いますよ。それに、亜沙先輩が一人ってのも珍しいですね。カレハさんはどうしたんですか?」
「カレハは今日日直だから、職員室に行ってから来るわよ。で、どうして稟ちゃんは一人なのかな~?」
「ええ、実は……。」
カレハさんが来るのを待つ間に、俺は追試を受けるはめになったこと、楓やネリネに勉強を教えてもらおうと思ったがだめだったことを亜沙先輩に話した。
「へー、そうなんだ。それにしても、楓が稟ちゃんじゃなくて麻弓ちゃんの勉強みるなんて珍しいわねー。」
「まあ、麻弓のことですし、俺の盗撮写真あたりで楓を買収したんじゃないんですか?」
「あー、それありかも。それで、稟ちゃんはどの科目の追試を受けるの?保健体育だったりなんかしちゃったら、お姉さんが手取り足取り教えてあげちゃうわよ。」
その表情は明らかに俺をからかっているときのもので、少しはそれにのってみようと思ったものの、そんなことをする気も起きなかったので、真面目にかえすことにした。
「残念ですが、魔法学なんですよね。」
俺がそう言うや否や、亜沙先輩の表情が渋いものとなり、
「ゴメン、無理。」
「……即決ですか。」
「うん、即決。」
魔法嫌いの亜沙先輩らしい返答をされてしまった。
さて、どうすればいいことやら……。


415:とある秋の休日(前編) 3/12
07/05/14 21:54:58 ssujU5En
「…ねえ、稟ちゃん。」
亜沙先輩はさっきの機嫌の悪そうな表情から一転し、不思議そうな表情で俺に聞いてきた。
「どうしたんですか、亜沙先輩。」
「どうしてカレハに頼まないの?」
「え?」
「だって稟ちゃんの上級生だし魔法学得意だし、正直、こればっかりは楓よりカレハの方がいいと思うわよ。」
……言われてみれば、亜沙先輩のいう通りだった。
それに、夏休みの課題を終わらせるときもカレハさんに手伝ってもらったんだよな。
なんで俺にはカレハさんに頼むという選択肢が思い浮かばなかったんだ?
「亜沙ちゃ~ん、お待たせしましたわ~。あ、稟さんも一緒でしたのね。」
そんなことを考えていたら、カレハさんが俺たちの方に駆け寄ってきたので、
「て……。」
「て?手がどうかしたのですの?」
「天の助けええええええええ!!!!」
俺はそのまま、カレハさんに抱きついてしまった。
「え、り、稟さん?急にどうしたんですの?」
「うわっ、稟ちゃん大胆ねぇ。」
わけも分からず俺に抱きつかれたカレハさんは、突然の出来事にどう対処すればいいか分からないらしく、おろおろしてしまっている。
「あ、あの稟さん?私だって人前でこんなことをされては、恥ずかしいんですのよ。」
「じゃあ、人目が無かったらいくらでもオッケーなのね。」
「あ、亜沙ちゃんもからかわないでください~。ではなくて、稟さんも離してください~。」
「はっ、す、すいません。つい、我を忘れてカレハさんに抱きついてしまいました。」
「それは分かりますけど、いったいどうしたんですの?」
「ええ、実は……。」
そこまで言いかけたが、ふと視線を感じたので周囲を見渡してみる。
俺たちは周囲の関心を一身に集めてしまったらしく、(おもに男子の)視線に晒されていた。
「……歩きながらにしませんか?」
「そ、そうですわね。」
俺たちはそそくさと昇降口から出て行って、歩きながらカレハさんに亜沙先輩にしたのと同じ説明をし、俺の勉強をみてくれるようにたのんでみた。
「……と、いうわけなんですが駄目ですか?」
「いえ、それくらいお安いごようですわ。」
「あ、ありがとうございます。はぁ、助かった~。」
無事、カレハさんに承諾してもらったことで、なんとか一息つくことが出来た。
ああ、今日ばかりはいつもは小悪魔としか思えない亜沙先輩が天使のように思える。
「ちょっと稟ちゃん、今もの凄―――くボクに失礼なこと考えなかった?」
「いえ、そんなことはありませんって。」
「ふーん、本当かなー?」
相変わらず勘のいい亜沙先輩がジト目で俺のほうを向いたが、さすがにこんなことは言えないので、ひとまずごまかすことにした。


416:とある秋の休日(前編) 4/12
07/05/14 21:55:58 ssujU5En
とはいえ、これだけでは納得できなかったらしく、しばらく俺の方をじっと見ていたが、
「まあ、いいや。それよりカレハ。」
「どうしたんですの、亜沙ちゃん?」
急に真剣な表情になってカレハさんの方に向き直って言った。
「稟ちゃんに勉強教えてあげるのはいいけど、あんまり甘やかしちゃ駄目よ。」
「え、ですが……。」
「そ、そうですよ亜沙先輩。俺としても今回の追試を乗り切れれば十分なわけで……。」
「はい、稟ちゃんはシャーラーップ。いい、カレハ。稟ちゃんが今度の追試でも点数低かったら、どうなると思う?」
「何か…ありますの?」
亜沙先輩の真剣さにカレハさんが不安そうな表情になったが、亜沙先輩は話を続け、
「放課後や休日に補習を受けなきゃいけなくなっちゃうの。」
「え…。それでは、ひょっとして……。」
「うん、カレハとデートする時間が、おもいっっっっっっっっっきり減っちゃうわね。」
「!!!!」
下した容赦ない宣告に、カレハさんはこの世の終わりかと思うような表情になった。
「あ、亜沙ちゃ~ん、私どうすればいいんですの?」
「いい、カレハ。つまり稟ちゃんが今度の追試でいい成績をだせばいいのよ。……どうすればいいか分かるわね?」
「は、はい。稟さんをビシバシ鍛えればいいんですのね?」
「正解!」
「わかりましたわ!!稟さん!!」
「は、はい。なんでしょう。」
亜沙先輩に煽られたカレハさんは、泣きそうな顔から一転して厳しそうな顔になると俺の方に向き直った。
今まで見たことも無いカレハさんの表情と迫力に、俺は思わず姿勢を正してしまった。
「明日、私の家に来てくださいね。朝から夜まで稟さんにひたすら魔法学を教えてあげますわ!!」
「わ、分かりました……。」
「それでは亜沙ちゃん、稟さん、私は明日の準備がありますので、今日はこれで失礼させてもらいますわね。」
カレハさんはそう言い残すと、自宅に向かって駆け出し、カレハさんの意外な一面に呆然としていた俺と亜沙先輩はその場に取り残されてしまった。
「うわー、カレハにもあんな一面があったのね。あんなカレハ始めて見たわ。」
「ど、どうするんですか亜沙先輩。カレハさん凄い意気込みでしたよ。」
「んー、でもカレハって根がすごい優しいでしょ?だから、稟ちゃんが考えているような、スポ根みたいなことにはならないと思うわよ。」
「そうでしょうか……。」
「もう、たまにはボクの言うことも信用してよね。」
苦笑しながら言うあたり、亜沙先輩にも絶対の自信がないらしい。
さて、どうなることやら……。


417:とある秋の休日(前編) 5/12
07/05/14 21:56:44 ssujU5En
そんなわけで、俺は朝からカレハさんの家におじゃまして、勉強を教えてもらっている。
亜沙先輩のいった通り、スポ根的な展開になることは無く、カレハさんはあせることなく、丁寧におしえてくれるのだが、
「芳しくありませんわね……。」
「…すいません…。」
「どうしましょう……。」
俺の学力は正直ひどいらしく、今やった小テストの点数からは、補習の二文字しか連想できなかった。
さて、どうするか、と考えていたら
『コンコン』
「お姉ちゃーん、入ってもいいー?」
規則正しいノックの音に続いて、ツボミちゃんの声が聞こえた。
「ツボミちゃん?いいですわよ。」
カレハさんがそう言うとドアが開き、ツボミちゃんが部屋の中に入ってきた。
「ツボミちゃん、どうかしたんですの?」
「えーとね、そろそろお昼ごはんの時間だけど、どうするのかなぁって思って。」
「まぁ、もうそんな時間ですの?」
そう言われて俺とカレハさんがあわてて時計を見ると、時刻はもう12時を回っていた。
「それでは稟さん、ツボミちゃん、すぐに準備するので少し待っててくださいね。」
カレハさんはそう言って台所に行ってしまった。
「なぁ、ツボミちゃん。」
「何ですか、稟おにーさん?」
「昼食の準備っていつもカレハさんがやってるの?」
「そんなことありませんよぉ。今日はお父さんもお母さんも泊りがけで出かけちゃってていないんですよ。」
「え、そうなの。」
「はい、そうなんです。それに、あたしも今日は友達の家にお泊りに行っちゃうんで、稟おにーさん午後はお姉ちゃんと二人っきりですね。」
「なるほど……、って。」
今、ツボミちゃんすごいことをサラッと言わなかったか?
「えーと、ツボミちゃん今何て言ったっけ?」
「稟おにーさんがお姉ちゃんと二人きりって言ったんですよー。いいなあ、お姉ちゃん…。」
ツボミちゃんは羨ましそうにしているが、俺にとってはただごとではない。
この後数時間、カレハさんと二人っきりと思うと……、集中できるだろうか。
「稟さーん、ツボミちゃーん、準備ができましたわよー。」
「はーい、今行きまーす。それじゃあ稟おにーさん、レッツゴーです。」
「あ、ああ。そうだね…。」
そんな俺の苦悩を知るはずもなく、ツボミちゃんが俺の手を握って歩き出したので、俺もそれにつられて歩き出しリビングに向かっていった。
カレハさんが作ってくれた昼食は、俺の予想と違わず見事なもので、思わず食べ過ぎてしまい、午後は睡魔とも闘わなければならなくなってしまいそうだった。


418:とある秋の休日(前編) 6/12
07/05/14 21:57:45 ssujU5En
「それじゃあ行ってくるね、お姉ちゃん。」
「あら、もうそんな時間ですの?」
昼食を終え一息ついたら、ツボミちゃんが友達の家に行く時間になってしまった。
「稟おにーさんも、ゆっくりしてってくださいね。」
「まあ、勉強がはかどれば、少しくらいはゆっくりできるかもしれないけどね…。」
「あはは…、そうでしたね…。」
俺が苦笑しながら答えると、ツボミちゃんも俺が今日来た理由を思い出したらしく、苦笑いしながら答えた。
「でも、今日は夕方から天気が崩れるそうですから、早めに切り上げたほうがいいと思いますよ。」
「そういえば、天気予報でそんなこと言ってたなぁ。気をつけないと。」
「早く終わらせるには、稟さんががんばるしかありませんわね。」
「……手厳しいですね、カレハさん。」
「そんなことありませんわ。それじゃあツボミちゃん、いってらっしゃいですわ。」
「はーい、いってきまーす。」
そう言って、外に出るや否やツボミちゃんは走り出してしまった。
あの小さな体に、どうやったらあれだけの体力をつけられるんだ……。
「それでは、私たちも始めますか?」
「そうですね。でも、どうすればいいことやら…。」
「それでしたら、いっそのこと基礎的なことからやり直すというのはいかがですか?そちらの方が、後々楽になるかもしれませんし。」
「…それもそうかもしれませんね。それじゃあ、午後もお願いしますね。」
「了解ですわ。」
午後の勉強は予想以上にはかどった。
多少時間はかかったものの、基礎的なことから見直し穴を埋め、解けなかった理由も明確になったので、さっきまでよりはよっぽど解けるようになった。
そのせいだろうか、午前中よりはカレハさんの笑顔も多くなってきた。
そして今は、小テストのようなものを一つ解き終え、カレハさんに採点してもらっているのだが、
「……どうでしょう…?」
「そうですわねぇ……。このくらいでしょうか。」
カレハさんが赤ペンを置き、俺に見せたくれた点数は、
「…はぁ~、よかった…。これならなんとか補習は免れそうですよ。」
なんとか今回のテストの平均点に近いもので、ひとまず安心できるライン、といったところだった。
「稟さん、頑張りましたものね。」
「いえ、カレハさんの教え方が上手かったからですよ。」
「まあ、稟さんってばお上手ですのね。」
「いえ、そんなことは…って、ん?」


419:とある秋の休日(前編) 7/12
07/05/14 21:58:33 ssujU5En
「どうかしましたの?」
「なんだか空が真っ暗に曇ってるんですが…。」
外が時間の割にやけに暗かったので、窓に近づいて空を見ると、空が黒雲で埋め尽くされていた。
「本当ですわね。」
「これは一雨来そうですね。」
「そういえば、ツボミちゃんが夕方から天気が崩れると言ってましたわね。」
カレハさんがそう言った瞬間、俺は恐ろしく嫌な予感がしたので室内を向き、
「そ、それじゃあ振り出す前に俺は『ピシャーッ!!』」
帰ります、と言い終える前に大きな雷が落ちる音がした。
まさか……、と思いつつ窓の方へ振り向くと、
「あら、雨も降り始めたようですわ。」
窓には大粒の雨が打ちつけられ、窓から見える風景は雨で覆いつくされていた。
「まいったなぁ、これじゃあ帰る前にずぶ濡れになりますよね。」
「でしたら、今日は泊まっていかれてはどうですか?」
「そうですね、カレハさんの家に泊まるしか……って、あ、あのーカレハさん?」
「はい、なんですの?」
俺は歯車が錆びたブリキ人形のようにカレハさんの方を向くと、その顔には今日一番の笑みがあった。
その表情に思わず何も言えなくなってしまいそうだったが、なんとか声を絞り出す。
「さすがに、年頃の娘さんのいる家に男を泊めるのは、どうかと思うのですが…。」
「稟さんでしたら問題ありませんわ。それに、この雨の中を帰られては風邪をひいてしまいますし。」
「そ、そうかもしれませんが……。」
「それとも、私と二人っきりは嫌なのですか…?」
「い、いえ、そんなことはありませんって!むしろ、最近カレハさんと二人っきりでゆっくりする機会が無かったので、この雨に感謝してるくらいで……。」
カレハさんの悲しそうな顔に罪悪感を引き立てられた俺は、思わず本音をこぼしてしまった。
「でしたら、問題ありませんわね。」
「……はい。」
1R35秒、俺のKO負け。
一転し嬉しそうにしているカレハさんに、俺はもう抵抗することが出来なかった。
「それでは、夕食までまだ時間があるので、もう少しできますわね。」
「そうですね。それじゃあ、始めましょうか。」
「稟さん、その意気ですわ。」
そう言って再開したまではよかったが、俺が泊まっていくことがよほど嬉しかったのか、カレハさんは終始笑顔のままだった。
そうなると、俺も多少気が緩んでしまいペースが少し落ちてしまった。
まあ、もう一日あるからいいが、明日もこの調子だったら間に合うだろうか……。


420:とある秋の休日(前編) 8/12
07/05/14 21:59:22 ssujU5En
「はあ、今日は疲れたなぁ。」
俺は湯船に浸かりながらそう感じていた。
もちろん疲れたのは頭であって、身体の方ではない。
……まあ、カレハさんと二人っきりだったので、身体の方が疲れることを期待していなかったと言えば嘘になるが、残念ながらそんなことにはならなかった。
「それにしても、なんでカレハさんは俺が先に風呂に入るのを勧めたんだ?」
夕飯を食べてからまた勉強し、寝る前に風呂に入るということになると、何故かカレハさんは俺に先に入ることを勧めてきた。
客である俺としては、カレハさんに一番風呂を譲ったのだが、何故かカレハさんが遠慮して俺に先に入るよう勧めてきたので、こうして先に入らせて貰ってるわけだが、その理由がわからず、ぼーっとしてたら、
「稟さーん、湯加減の方はいかがですか?」
「!は、はい、ちょうどいいです…。」
急にカレハさんに声をかけられ、うわずった返事をしてしまった。
「よかったですわ。それでは、私もご一緒させていただきますね。」
「…え?」
なんだかとんでもない一言が聞こえたので、思わず浴室の入り口の方を向くと、ちょうどタオル一枚で身体を隠したカレハさんが入ってきた。
カレハさんとはもう何回か身体を重ねたことがあるので、これが初めてというわけではないが、悲しいかな、男の性として魅入ってしまった。
「あのう、じっと見られていては私も恥ずかしいのですが…。」
「し、失礼しました。」
カレハさんの一言で目は逸らしたものの、やはり横目でちらりとカレハさんの身体を見てしまうのも、男の悲しい性だろう。
「では、失礼しますね。」
「は、はい、どうぞ…。」
カレハさんが浴槽に入ろうとしたので、俺は身体を反対側まで寄せたのだが、少し狭かったらしく身体が密着してしまい、カレハさんの胸が上腕に押し付けられている。
「少し狭いですけど、気持いいですわね。」
「そ、そうですね……。」
そんな、状況なので俺としてはとてもカレハさんの方を向くことなどできず、少しでも反応しないよう鎮めるので精一杯だった。
「そういえば、稟さんはもう身体を洗ってしまいましたか?」
「い、いえ、まだですが。」
「まあ、よかったですわ。では、私が背中を流してさしあげますわね。」
「え、そ、それはさすがに……。」
「遠慮しなくてもいいんですのよ。それでは、こちらに座ってくださいね。」
少しは抵抗しようとしたものの、甘い誘惑には抗えずカレハさんに背中を流してもらうことになった。
「稟さんはこれくらいでよろしいでしょうか?」
「ええ、このくらいで…。それにしても、カレハさん随分と慣れてるみていですね。」
「はい、いつもツボミちゃんと背中の流しっこをしてるので、私得意なんですのよ。」
そういうだけあって、カレハさんは絶妙な力加減で俺の背中を洗っていく。
いつもこれをして貰っているツボミちゃんが羨ましいな、などと考えていたら、
「はい、終わりましたのよ。」
洗い終わったらしく、背中を動いていたカレハさんの手の動きが止まった。


421:とある秋の休日(前編) 9/12
07/05/14 22:00:13 ssujU5En
「それでは、今度は稟さんが私の背中を流してくださいませね。」
「あ、はい、分かりました。」
少し名残惜しい気もしたが、今度は俺がカレハさんの背中を流すべく身体ごと後ろに向けたら、カレハさんがすでに俺に背中を向けて待っていた。
いつもは後ろに流されているカレハさんの髪が肩から前に垂らされており、普段は見えないカレハさんのうなじが見え、俺の欲情が刺激された。
とはいえ、そのまま欲情に身を任せてはならないと思った俺は、欲情を押さえつけカレハさんの背中を流すことにした。
「力加減はこれくらいでいいですか?」
「はい、丁度ですわ。」
そのまま、カレハさんの背中を流していたら、
「そういえば、稟さんはご存知ですか?」
急に声をかけられた。
「え、何をですか?」
「そ、その……。」
言うのが恥ずかしいのか、カレハさんはしばらくモジモジしていたが、ゆっくりと言葉を続ける。
「その……、女の子にも…、性欲はあるんですのよ…。」
最後の方は声が小さくなっていっていったが、なんとか聞き取ることができた。
カレハさんがそんなことを言うってことは……。
「そ、それって、つまり……。」
「き、きっと稟さんが考えているとおりだと思いますわ……、きゃあっ。」
カレハさんのその一言を聞くなり欲情を押さえられなくなった俺は、思わずカレハさんに抱きしめてしまった。
「…そんなこと言われたら、俺もう我慢できませんよ。」
「我慢しなくてもいいんですのよ…。」
そう言って振り向いたカレハさんの唇に、俺は自分の唇を重ねる。
「ん…。」
俺たちはそのまま舌を伸ばし、どちらともなく絡め始める。
初めはその程度だったが、その内舌の動きが激しくなり、カレハさんの舌が俺の口の中に侵入してきた。
「ん…、はぁ……んちゅ…。」
俺も負けじとカレハさんの口に舌を侵入させるとともに、空いていた両手をカレハさんの胸に伸ばす。
特別大きいというわけではないが、柔らかく弾力もあるカレハさんの胸は、俺の思い通りにその形を変える。
「やっぱりカレハさんの胸、柔らかいですね。病み付きになりそうですよ。」
「ん…私も、気持いですわ…。」
「それじゃあ、もっと気持ちよくさせてあげますね。」
俺は手にこめる力を少し強くするとともに、乳首を軽く摘み上げる。
「ひゃう……。」
急に乳首に刺激を加えられたカレハさんの口から嬌声がもれる。
初めは柔らかかった乳首も、暫くすると固くなってきた。
「カレハさん、だんだん感じてきてますね。乳首がこんなに固くなってますよ。」
「は、恥ずかしいので…んんっ…言わないでください……。」
「恥ずかしくなんてありませんよ。むしろ、俺としては嬉しいくらいですし。」


422:とある秋の休日(前編) 10/12
07/05/14 22:00:58 ssujU5En
羞恥に染まったカレハさんの抗議を軽く聞き流してから、片手をカレハさんの秘所に伸ばす。
そこはまだ湿ってるていどだったが、指を入れて軽く刺激を加えるとすぐに蜜があふれ始めた。
「ひゃああんっ…そこは……。」
「だめですか?」
「そ、そんなことは……んんっ…ありませんが…。」
「それじゃあ、続けますね。」
そのまま続けると、奥から蜜が溢れつづけ、いやらしい音が響き始める。
「カレハさん、すごい感じてるんですね。下がもう大洪水ですよ。」
「はあぁ…は、恥ずかしいですわ…。」
そんなカレハさんの抗議の声を聞き流しつつ、俺はカレハさんの秘所を弄る指の動きを激しくした。
「どうですか、カレハさん。こんなにいやらしい音がしてますよ。」
俺はわざと音が大きくなるようにして、カレハさんに囁きかける。
「あぁっ、そ、そんなに音…んふっ……、出さないでください……。」
とはいえ、カレハさんの秘所からは止まることなく蜜が溢れてくるので、音は大きくなる一方で、小さくなる気配はなかった。
いつの間にかカレハさんは俺に寄りかかっており、俺がカレハさんに快感を与え続けるだけの状態となっていた。
しばらくそんな状態が続いたが、やがてカレハさんが、
「はぁ、り、稟さん…、私もう……。」
と言ってきた。
どうやら、もう限界らしい。
「分かりました。それじゃあ、一気に気持ちよくしますね。」
俺はそう言って、まだ一度も触れていなかったクリトリスを軽く撫で始める。
「ひゃん……、はあ…ああっ……んんっ……。」
少しずつ高くなっていく嬌声は、カレハさんが少しずつ限界に近づいていることを俺に教えてくれる。
「だ、ダメです…、私…ああっ…これいじょ…ひゃあっ……耐えられませ…んんっ。」
散々刺激を強くした後、クリトリスを摘み上げると同時に、カレハさんの耳を甘噛みすると、
「んあっ!あ、あ、ああああぁぁぁぁぁっ……!!」
ひときわ大きな嬌声と共にカレハさんは身体を反らした。
「だ、大丈夫ですか?」
「へ、平気ですわ……。ですけど…。」
「どうかしましたか?」
「稟さんは…まだ気持ちよくなってませんわよね。」
カレハさんはそう言うと、俺のモノに手を伸ばし軽く握り締めてきた。
「やっぱり……大きいままですわね……。」
「そ、それじゃあそろそろこっちで……。」
俺が濡れたままのカレハさんの秘所を軽く弄りながら聞くと
「いいですわよ。こんどは稟さんも気持ちよくなってくださいね……。」
カレハさんは笑顔でそう答えてくれた。



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