07/03/10 04:54:58 ZEmd+QHn
「じゃあ早速だけど」
「うんうん」
「ゆかり、いま好きな人はいる?」
「は?」
間の抜けた声で返してしまう。
「ソランジュ、あんたなにいってんの?」
「仕事の為よ。訊いておきたいの」
ソランジュの青い目は、どうも真面目そのものだった。
「はぁ…。好きな人ねえ…いないよ。いませんとも」
「そう。よかった」
「よかないっ」
「だったらもう一つ」
ツッコミは華麗にスルーされた。よくはないだろうってば。華の17才で恋の一つもないこと、少しは気にしてんのに。
「男性経験は?」
「はぁぁ!?」
さっき以上に間が抜けた。
「ふざけてんの?」
「いいえ。仕事のため」
その目は変わらず大真面目。…真面目だからっていいってものでもないが…。
「ないよ、そりゃ」
「そう。困ったわね」
「困るかっ! これであったほうが困るわ!」
「まあ、いいわ」
またも華麗にスルーされた。こいつは…。
「ねえ、ゆかり」
「なに。今度は離婚歴?」
「質問はもう終わり。仕事の話に入るわ」
「あ、そ」
「大切なものを、悪いんだけど」
「んー?」
「私に、初めてをくれない?」
「…はぁぁぁぁぁぁ!?」
間はこれでもかと抜け続ける。
それでもソランジュは真面目な顔で、
「私とセックスして欲しい。これが仕事」