07/03/22 12:38:02 ewwt0wxe
※ ネタバレスレ準拠
「ゆかり、また悩みを溜めこんでるね」
「まあ、ね…」
今度のミッションは、久々にかなり煩雑なものになる。
それを明日1日でつめこむのだ。ちょっとだけ気が滅入る。
「いいおまじないがあるよ」
「またぁ? …ま、いっか。じゃあ、やってもらおうかな」
最近はゆかりも、タリホ族の精神文化を受け入れるようになった。
マツリのおまじないはけっこう効くのだ。
マツリの歌を聴きながら、眠りに落ちる。意識が戻ると、自分はふわふわと浮いていた。
目の前に、母親に抱かれおっぱいを飲む赤子が浮かんでいた。
これは…私だ。
ゆかりは直感する。親子とも、顔は見えない。自分は、ここで浮いて見ている。
だが、不思議なことだが、あの赤子もまた自分なのだ。そう直感していた。
ということは…顔は見えないが、あれは、お母さんだろうか。
「マツリもまたなんつうか、ベタな幻覚を選んだなー」
癒し効果に母の愛情、なんて、なんかテンプレすぎないか。
母親のことは好きだが、なんたってあの母だ。甘えたいとかそういう関係でもない。と、思う。
「母性ってタイプでもなかろーに…こりゃあ、今度のおまじないは不発かな」
そういいながら、笑ってる自分に気付く。
なんだかんだ、リラックスしていたらしい。マツリも中々やるもんだ。
ちゅ、ちゅ。
「おお、なんか必死だ、我ながら」
ちゅ、ちゅ。
ちゅ、ちゅ。
頑張っておっぱいを飲む自分を見守りながら、また眠りに落ちた。