07/05/15 21:20:47 cDy3/bnY
ここにいる住人さんが作品を投下する一歩を踏む勇気、それが本当の魔法なんですよ
56:名無しさん@ピンキー
07/05/16 16:40:11 U7lfehKP
>>55に期待!
57:名無しさん@ピンキー
07/05/19 04:52:55 hRftZZj0
あれ?復活してたんだ
ネタがあればなんか書きたいとこですが…
58:名無しさん@ピンキー
07/05/19 21:52:09 08sWZqcp
魔法の指先!魔法の指先!
59:名無しさん@ピンキー
07/05/20 01:29:52 U38M3YhI
「やればできる」は魔法の合い言葉
60:名無しさん@ピンキー
07/05/20 01:55:55 yjq6hZTU
受胎率上昇の呪文!
61:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:02:09 u2xm6xJb
なんかネタが投下されないので共通オープニングみたいなの作ってみました。
ついでに、エロ少なめ、オチ弱い本編も。
とある町のとある場所、一人の店員がきりもみするお店がある。
その店員が売るものは只の道具じゃない。魔法の道具や凄い力を秘めた道具だ。
客が欲しそうな道具を、手に入るだけの値段で売るのだ。
とある客は、未来を見る道具を手に入れて自殺した。
とある客は、過去を見る道具を手に入れて大金を手に入れた。
とある客は、最強の肉体を手に入れ、チャンピオンとなった。
とある客は…………
そして、また一人、そこに客が入る。
62:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:05:36 u2xm6xJb
↑すいませんこれが共通オープニングです。使いたい人だけどうぞ……。
本編はここから。
「あーらあの子、また弁当二つ持ってきてねえ……」
「あれだけ食べて太らないなんて、一種の才能よねえ……」
「可愛いんだろうけど、あの性格じゃあ、彼氏なんて出来ないよねえ……」
そんなひそひそ声が、クラスの中から聞こえる。
私は、それに反抗する事ができない。だって事実だから。
前髪で目は何時も隠れてるし、クラスメイトだって話しかけてこない。
好きな人が出来たって、話しかけることも出来ないから、恋人も出来ない。
そんな悶々とした気持ちを持ちながら、町を歩いているとふと小さなお店を見つけた。
「こんな所にお店あったっけ?」
そっと中を覗いてみる。
「なんだろう?色々あるけど、何のお店かな……」
さらに開いて覗いてみる。
とんとんと急に背中を叩かれた。
「あわわわっわわわわわわ、ゴメンナサイ!何のお店か興味があって!そのけっしてやましい気持ちは!」
慌てたせいで、足を滑らせてそのままずっこけて、スカートの中をあっぴろげてしまった……。
63:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:07:09 u2xm6xJb
「どうぞ、しばらく見てて下さい。」
店員さんはそう言うと、私を置いて店の中に入っていった。
「……はあ……色々あるなあ……」
気落ちしたまま見てみると、色々な装飾品や、本やパソコンそしてなにやらあやしそうなもの一式が揃ってた。
その中で、私の目を引いたのは、白金の台に紫色の宝石が乗っている髪飾りだった。
「えーと、これ幾らですか?」
私は恐る恐る店員さんに聞いてみた。
「1万円になります。」
ちょっぴり高い………貯めていた小遣い使えば何とか買えるかな?あっでもうーん。
他のも見てみたが、どうもしっくり来ない。
「あっ、迷ってるようでしたら、一回家に帰って決められてはどうですか?」
店員さんがそう言ってくれたので、私はそれに従う事にした。
「はー、結局買っちゃったか」
ひとまずこつこつ貯めてたお金で買って出してみると、意外と似合うような感じがした。
『聞こえるか小娘』
そう、女性の声が私の頭の中に響いた。
「はっ?はい??」
回りを見渡す。誰もいない。
『ふふふふふふふ、驚くな。私はこの髪飾りについている霊だ』
「は???」
『この髪飾りはな?『悪女の髪飾り』と言って、幾つかの超能力が使えるようになる髪飾りじゃよ。
まあ、論より証拠じゃ。』
その声が響いた瞬間に、私の髪が突如として切り裂かれる。
「えっあっあのっ!」
前髪が急に切れて、私の顔を隠す物が無くなってしまう。
『ふふふ、初々しいな……まあ髪型などこの髪飾りの力を使えば幾らでも変えられるぞ。』
ほれほれと私の髪が元に戻ったり変わったり……。
『後は、他の人に『お願い』が出来るようになるのう……
但しあまりにも不利益になるお願いはできんし、
記憶が消えるわけではないからのう……まあ使い次第じゃ。
それと、最後の能力じゃが……『呪殺』の能力がある。』
「呪殺……って相手を殺す能力ですか?」
『それも可能じゃが……本質は相手の体を変質させることにある。只相手の体の一部……髪の毛や精液でも構わんが必要じゃがな……』
そう言って、髪飾りの霊は私に語りかけてくる。だったら……この能力を使って……。
64:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:09:52 u2xm6xJb
「あの、お弁当、余分に作っちゃったから………一緒に食べていただけませんか?」
そう言って、彼に話しかける。うん、ようやく話せた。
「良いけど……」
うふふふふふふふふふふふ……計画通り。
はあはあと狭い部屋の中で彼が喘いでいる。私の『お願い』で指一本動かせずに私に体を洗われているのだ。
ねえ、こんなに腫れあがって、これを他の女性に入れるなんてそんな馬鹿な事しないわよね。
「はっはい………」
よろしい、だったら私がもっと気持ちよくしてあげる。だから私を洗って……。
彼と付き合い始めて10年の月日が流れた。彼と結婚して幸せな毎日を送って……。
彼の邪魔にしかならない人はこっそりと排除して、彼に寄生しようとする泥棒猫は『お願い』で去ってもらって……。
気がついたら、私は会社の重役婦人になっていた。子供もできて幸せな日々を送っている。
ふと、私は彼と子供を送り出して、ことことと家事を始めた。
ちょっとしないといけない事があるので、なるべく速めに行う。
「あの……奥さん…なんであんなつまらない男と付き合ってるんです?」
そう言って、とある男がそう言って私に言い寄ってくる。いわゆる浮気と言う奴だ。
とは言っても向こうが一方的に言い寄ってきてるだけ。
「私の良人をそう言わないで下さい。そんな子と言う人大嫌いです。私は彼を愛してますし、彼が何時も私を向くように努力しています。………。」
そう言って、精神的に重圧を仕掛けていく。そして最後に一言、こう『お願い』するのだ。
「私と貴方がここで喋った事は、全て忘れてください。」
これは彼にとっては不利益になることではない。そして私を二度と口説かないように幾つかの『お願い』をした。
「……『悪女の髪飾り』って名前負けしてるじゃないのかしら?」
私はそう言って、部屋の外を見る。そこには髪飾りの霊がいた。
「何を言っている。お前は凄まじい悪女じゃよ」
ここまでです。清楚な悪女って萌えませんか?
65:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:31:56 w0kp48sz
GJ、他の能力も書いてほしかったかも
66:名無しさん@ピンキー
07/05/23 09:44:19 v3QmLcw4
乙
エロ抜きで普通の読み物として楽しめたGJ
67:名無しさん@ピンキー
07/05/23 11:13:10 +Qnaobla
>一人の店員がきりもみするお店がある
これに吹いた。どんな店だwww
68:名無しさん@ピンキー
07/05/23 11:25:37 XXwL8C1N
>>67
多分お客さんが来なくて暇なんだよ。
69:名無しさん@ピンキー
07/05/23 15:02:32 d7g+xiT9
超絶悶絶きりもみ大旋風
70:名無しさん@ピンキー
07/05/24 03:08:13 nxu+fn7p
そもそも店長(ry
71:61
07/05/24 21:58:12 2BMY8+YN
>>65-67
感想ありがとうございます。
誤字脱字については、
>一人の店員がきりもみするお店がある
『一人の店員が運営している』にすれば良かったですね。
店長がいないことについては……まあ魔法のお店ですし。
暇が出来たらもう一作書いてみようと思います……今度こそエロで!
72:魔法技師
07/05/28 20:48:08 V/XY9efn
こっそりと投下。
61氏の設定でいつか書いてみたいけど
今回は関係なし。勢いで書いた短編です。
73:魔法技師
07/05/28 20:48:48 V/XY9efn
ああ、これは夢か。
魔法士、魔法技師のエリートとしての名声と賞賛を受けた日々。
妹も良く懐いた幼馴染との恋の日々。
上を一緒に目指す親友との切磋琢磨の日々。
浮かんでは消えていく。
ありもしない噂を流され、無実の罪を問われたあの日。
名声は悪名に。賞賛は罵倒に。
もう俺には価値がないと去っていった恋をしていたはずの人。
落ち目のやつには興味がないとばかりに去っていった親友たち。
ようするに俺には見る目がなかったって話だ。子供だった。
殆ど全てのものを失ったが、それはいい。
残ったものは少しだけ。
がたんっ!!ばたっ!!
ベッドから落ちて俺は目が覚めた。
目の前には赤い髪を腰まで伸ばした無表情な少女がいる。
端正な顔立ち、引き締まった肉食動物を思わせる綺麗な肢体。
顔は美人というよりはかわいいという感じだろうか。妹のベルだ。
「あったた。朝か。もう少し優しく起こしてくれよ。」
「………(ぶんぶん)」(起きないから。)
首を横に振る。俺が作ってやった魔法のボードには、起きないから。と表示されている。
妹はしゃべることが出来ない。俺は手話が出来るし、雰囲気で大体のことを察することが
できるのだが、日常生活を楽にするために意識したことを表示することが出来る
魔法のアイテムを作ったのだ。それをずっと首に下げている。
起きたばかりでぼーっとしていると、ベルの腕が首に絡みついてくる。そして…
「…んっ!………ううっ!」
「……………」(おはようのキス)
口を離すと口の間を銀の橋ができる。き、気持ちい…いやだめだめしっかりしろ俺。
完全に目が覚めたので、とりあえずズボンに手を伸ばしているこのちょっと
やばい妹の頭にチョップを食らわす。
「ズボン脱がそうとするな。それと舌いれるのは兄妹じゃだめっていってるだろ!」
俺の貞操はいつまで守ることができるのだろうか。
魔法技師…それは、魔法回路を利用したアイテムを作るものの名称で
日用品から軍需物資にいたるまで作成する技術を持つもののことである。
また、修理や調整も行う。俺こと、カイ・リスターもそんな技術者の一人だ。
ハイランド魔法帝国では割とポピュラーな職でもある。
魔法のつかえない一般人にも扱えるため利便性があるのだ。
74:魔法技師
07/05/28 20:49:42 V/XY9efn
とある事情で行き倒れていた俺達は、下町の宿屋兼酒場「真珠亭」のおやっさんに
拾われて二階に住み着いている。ただで置いてもらうのもなんなので、
妹はウェイトレスを、俺は魔法技師としておやっさんから仕事を紹介してもらい、
生計を立てている。
部屋は二つにしてくれるっていってたんだが、妹が強行に反対したせいで
一部屋だ。とある事件以降甘えが酷くなってきていて困る。
いい年だしさっさと男見つけて自立して欲しい。
「おう、カイ!おはよう。あんま妹さんに手をかけさせてるんじゃねえよ!」
豪快に笑うおやっさん。
「そういうなって。これも兄妹のコミュニケーションなんだ。」
「…………(こくこく)」(寝顔かわいいです)
「相変わらず仲いいなあ、お前さんたちは。そうだ、今日は特別な客が来る。
今溜まっている修理や調整は待ってもらえるように連絡をいれてあるから、
そちらを優先してくれ。おう、早速お出ましだ。」
入ってきたのは金髪縦ロール美女。下町宿屋のTPOに思いっきり反した
派手で豪華なドレスの格好をした変な貴族。数少ない昔から続いている悪友のシルビアだ。
こいつとは昔から悪口を言い合った記憶しかないが何故か今でも付き合いがある。
「あーいかわらず、貧乏くさいですわね。すっかり貧乏が顔にまで染み付いちゃって。
わたくしは悲しいわね。ま、カイは貧乏くさいけどおじさまの料理はいつも
最高ですわ。ああ、おはようございます。ベルもおはよう。」
「あんがとよ。シルビアちゃん。」
「何で挨拶が最後なんだよ。この変態貴族。態々いやみを言いに来たわけでもないだろ。」
「……………」(何しにきたの雌狐。お兄様に馴れ馴れしくしないで。)
「そ、そんなに睨まないでよ。ベル。つまみ食いくらいいいで…ああ、嘘嘘!
依頼よい・ら・い。ちょっと事情があって信用できる人にお願いしたいの。ベルにも。」
「……………」(次笑えない冗談言ったら泥棒猫殺し一号の餌食。)
俺に頼まないといけないということは普通の技師ではだめなのだ。ということは…
「変な問題があるわけだ。ベルにもってことは危険もあるわけだな。」
「ええ。女の子の相手もしてもらうから…ベルをほっとくとわたくしに危険があるの。
とにかく依頼料は弾むからお願いね。」
「……………」(賢明。)
わけがわからなかったが、俺は引き受けることにした。
この金髪縦ロールは口は悪いがいいやつなのだ。
「相変わらずでっかい家だなあ。」
変態貴族シルビアことシルビア・フォン・シュタインベルグはシュタインベルグ侯爵家の
一人娘で信じがたいことだがやんごとない身分のご令嬢であり、
その家は圧倒的で家というよりは城というほうがしっくりくる佇まいである。
まあ、どんなに偉くとも敬語なんか使わんが。
「わたくしが作ったわけではありませんわ。世襲なんて自慢にもならない。」
というのが、彼女の口癖であり、やることなすこと貴族の一般からは外れている。
「お前も学院やめたのか。剣と政治、折角トップだったってのに。」
「……………」(お兄様…)
「あそこは顔合わせただけで殴りたくなるやつが多すぎましたからね。いい男もいないし、
知識は詰め込んだし後は実践だけでいいわ。せいせいする。」
「……………」(お兄様はだめだからね!)
「はいはい。ついたわ。そこの離れの2階。ついてきて。」
どうやらこの離れは使用人の住んでいる場所のようだ。皆シルビアを見るなり
端によって頭を下げている。そこに嫌々って雰囲気はなく、本当の敬意が感じられる。
75:魔法技師
07/05/28 20:50:31 V/XY9efn
「入るわよ。イリス。」
二階のその部屋に入ると、ベッドに横たわっている少女がいた。
「え、あ、し、シルビア様!こんな姿で申し訳ありません。こちらから向かいますのに!」
イリスと呼ばれたおかっぱ頭の15.6歳の少女は真っ赤になって恐縮している。
会話から察するに使用人らしい。
「馬鹿いってんじゃないの。仕事中の怪我は軍人が怪我するのと同じ、名誉の負傷なのよ。
それにこの屋敷の子供は皆わたくしの兄弟も同然。遠慮なんていらないわ。」
俺はこいつのこういうとこは気に入っている。口には出さないが。
「俺の仕事はその足か。」
「ひとつはね。ちょっと事故で足に酷い怪我を負ってしまって。すぐに動けるように
なるように魔法技師にオーダーメイドしたんだけど、上手く動かないみたいでね。」
俺はイリスにベッドに腰掛けてもらうと、魔法補助義足の左足のチェックを始めた。
「イリスっていったっけ。俺は魔法技師のカイだ。足治ったら俺とデートし…ぐはっ!」
「……………」(お・に・い・さ・ま)
「くすくす…ごめんなさい。私はシルビア様のものですから。」
「やれやれ。シルビア…お前偽者つかまされたな。これは外は上手くごまかしているが
市販品、安物だ。調整もしていないからこれじゃ動くわけもないな。どういうこった。」
「やっぱり…か。有名な人に頼んだんだけど…最近連絡も取れなくなっておかしいとは
思っていたのよ。調べて見ると同じような被害も増えてるみたい。」
気づいてはいたのか。しかし、おかしい。有名どころのやつならそんなことする必要も
ないし、侯爵家を謀ろうなどということは考えないはずだ。
「それで俺たちか。ようはそいつらを見つけ出して制裁を加えろってことか。」
「人員が必要ならわたくしから出すわ。そのときは言って。」
「了解だ。俺とベルだけでいける程度ならいいんだがな。」
「……………」(余裕。)
「まあ、まずは義足の調整だな。二時間もあればできると思う。退屈だけど我慢しろよ?
ベルは散歩でもしてろ。」
「……………(こくり)」
シルビアはベルが出て行ったのを確認し、
「さて、じゃあ退屈しのぎ…可愛いわたくしのイリス?脱ぎなさい。」
調整を終えた後、俺とベルはシルビアの依頼した魔法技師のアトリエに足を運んでいた。
「……………」(お疲れですねお兄様。それにやな匂いが体から。)
「んんん!俺はなんでもないぞっ!さあて、なんかいいもの見つかればいいんだがなあ。」
「……………」(人の気配はない。地下室、隠し扉はない。)
「お前さんがいうんならそうだろうな。」
「……………」(血の気配はある。一ヶ月以内)
「なるほど。よくわかるなー。そんなの。」
「……………」(お兄様のためだから。)
「へいへい。残っている魔法のアイテムを見るに、あんなガセを掴ませるような
レベルじゃない。丁寧な仕事をしている。さっすがシルビア。見る目あるねー。
そー考えると考えられるのは…。」
「……………」(殺してすり代わった。)
「そんなとこか。荒稼ぎしてばっくれるつもりなんだろうな。あんまもたもたしてると
姿を眩ませて、見つかんなくなっちまう。いい方法はないか?」
「……………」(ないことはない。)
「きかせろよ。」
「……………」(ご褒美。)
無表情で頬を差し出すベル。全くこいつは…と思いつつ頬にキスすると少しだけ
ほほを赤らめて手話を使って説明を始めた。
76:魔法技師
07/05/28 20:51:23 V/XY9efn
「おいシルビア。釣りをするぞ。餌よこせ。」
俺はトンボ帰りでシルビアのところに戻るとベルの作戦を説明した。
「またこれは金の使いそうな作戦ね。ま、いいか。うちの名前じゃ怪しまれるから
親戚の子爵辺りにでも名前を借りるわ。高値の報酬で魔法技師の依頼をだして、
相手を釣る…。本人の確認は近所の者を雇うこと、通常の変装はベルが、魔法の
変装はカイが見破る。間違って本物がきた場合は口封じの迷惑料を渡す。
…早めに当たりを引くことを祈るわ。ほんと。」
「ま、代金分は犯人から回収すりゃいいさ。」
「……………」(シルビアふぁいと。)
こうして始まった巨大資本によるローラー作戦はあっさり三日後に終了を向かえた。
まったく恐ろしいぜ、金と権力の力は。
「…で、偽者を拷問してアジトは確認したわ。敵の人数は8名。魔法士が1名、
スカウトが1名、戦士が5名、剣士が1名ってとこみたいね。ああ、偽者は
もう処分しといたから。」
こいつの恐ろしいところは優秀な上に敵には全く情け容赦のないところだ。
馬鹿な犯罪組織だ。敵に回す相手を完璧に間違ってやがる。
とりあえず、周辺諸国はこいつが男に生まれなかったことを泣いて感謝するべきだ。
「……………」(それじゃ、お兄様。)
「ああ、魔法技師なめてるやつは叩きのめさないとな。シルビアは部下と一緒に
包囲を頼む。逃がすわけにはいかないからな。突入は二人でする。万一にも味方に
死人を出したくない。」
「……………」(らぶらぶでーとですね。)
馬鹿なことを考えてる妹にチョップを食らわると、俺は戦闘の準備を始めた。
そこはスラムにある一軒家だった。既に周辺にはシルビアの部下たちが逃がさないように
包囲をしている。背後から大きい音を立てて貰って陽動を行い、俺たちがその隙に
侵入して中の者たちを制圧するという作戦を立てた。後は開始を待つばかりである。
「……………」(久々に泥棒猫殺し一号の出番)
ベルが嬉しそうに擦っている木刀は俺が設計、製作した魔法の木刀である。
魔法のボードの要領で意識したことを木刀で話すことができるように作ったのだが、
何処をどう間違ったのか妖しい失敗作になった代物だ。できれば使わないで欲しい。
やはり遊び心で木刀にしたのがまずかったのか。禁制品より危険だ。
俺の武器は魔法そのもの。魔法消去の手袋を片手にはめ、片手で魔法の印を作る。
どん!!!と裏手で大きな音があがる。
それと同時にベルが正面のドアを二秒でピッキングする。
「相変わらずだが…なんでそんな手早いんだ。」
「……………」(恋の必須スキルです。)
そんな恋は正直いやだ。
77:魔法技師
07/05/28 20:52:34 V/XY9efn
狭い家で大きな部屋はひとつしかない。そこへ向かう。
「氷は剣となりて貫く」
片手で印を結び背後からの音に驚いて出てきた戦士の一人の両足を魔法で縫い付け、
「……………」(邪魔。)
ベルも相手の顎を正確に砕き行動不能にする。俺には剣筋が全く見えない。
こいつだけは怒らせないでおこう。
大きな部屋に入ると残りの敵が固まっていた。
配置から考えてボスはおっさんの魔法士。いかつい剣士がそん次か。
「ベル。ボス以外は任せた。さて、氷は剣となりて敵を貫く!」
「……………」(了解。)
殺すつもりで放った魔法はあっさりと消去される。腕はそこそこか…。
俺とおっさんは決め手がないまま膠着する。長い詠唱すれば一撃だが、
家の耐久が持つか不安だ。ベルは1対4で優勢に戦っている。こっちは
平気だろう。終わるまで持久戦に持ち込むのも悪くない。
そう考えたとき相手の手元が光った。頬から血が流れるのを感じる。
「禁制品。軍の魔銃か。てめー、でかい組織が裏にあるな。」
おっさんの顔がゆがんだ笑みを浮かべる。勝利を確信した顔だ。
だが、その笑みは長くは続かなかった。俺も強烈な恐怖に体をすくませた。
フフフ…ウウウウウ…クスクスクスクスクスクスススススス…フフフ…
フフフフフフフフフ…アハハハハハ…クスクスクスクス…フフフフ…
「な、なんだこの不気味な声は!」
おっさんが声をあげる。不快な機械音…人間でないものの不自然な声が部屋に響く。
この馬鹿!俺の血を見て、木刀発動させやがったな!
フフフフフ…オニイサマ…オニイサマ…オニイサマ…アイシテマスアイシテマス
アイシテマス…コロシタイクライニタベタイクライニメチャクチャニシタイ…
カラダガアツイ…ホテッテ…フフ…オニイサマガホシイ…アハハ…オニイサマ…
コロス…オニイサマノチ…イジメタヤツ…コロスコロスコロスコロス!!!
あかん、もうとまらないな。これが欠陥。精神のリミッターがはずれ、
敵と認識するものを全て倒すまでとまらない。
次の瞬間、おれと対峙している魔銃を持ったボスの頭部から胸までが半分に
分かれる。胸元にはベルが振り下ろした木刀が埋まっている。
グロい…トラウマになりそうだ。
クスクス…クスクス…フフ…
部屋が静まり返る。この惨状をまだ十代後半にしか見えない少女が作ったとは
思えないのだろう。ベルは返り血で服も肌も髪と同じ赤に染まっている。
埋まった死体をそのまま持ち上げ、生きている敵に投げつける。
「く、くるなっ化け物!!」
せいぜい地獄では達者にしておくれと俺は祈った。
しまった、俺何の役にも立ってない。
78:魔法技師
07/05/28 20:53:17 V/XY9efn
詐欺組織を妹がミンチにした後、俺は強引に木刀の機能を停止させた。
そして魔法で水を召喚して血を洗い流し背中にベルを背負う。
この機能は使った後の処理が大変だ。
頭がいたい…。
とりあえず、生き残りをシルビアに引渡し禁制品を持っていたことを報告。
背中にベルを乗せたまま宿屋への帰途についた。
そして今、俺はベルを風呂に入れている。
あの副作用は人間離れした行動ができる反面、身体に負担がかかる。
一日は通常生活にも支障が出るほど疲労をしてしまう。
しかし、ほっとくわけにもいかない。血のにおいは消さなきゃいけないし、
食事はしなきゃいけない。トイレもいかなきゃいけない。
妹とはいえ、もう18歳。健全な兄としては拷問のような仕事である。
「……………」(前も洗って。)
「お前…恥ずかしくないのか。てかちょっとは恥らえ!」
妹の綺麗な赤く長い髪を梳きながら叫ぶ。妹は相変わらずの無表情だ。
くびれた腰、そこそこボリュームのある胸。あんまり見てると変な気分になりそうで困る。
なるべく意識を外してリクエスト通り前も洗う。
「…………っ」(気持ちいいもっと触って)
見ない知らない見ない知らない…なんか反応しているが俺は気づいていないんだ。
「……………」(お兄様の意地悪)
そして夜。副作用によって体が火照っていても眠れるように睡眠薬を飲ませ、
ご褒美にと頼まれたので妹の横で寝ることにした。
「……………ごそごそ」(お兄様いけない人)
「すーすぅー」
「……………ちゅっ…っ……っ」(中途半端でとめるから…)
「んんっ!ううううっ!なんで起きてるんだ!」
「……………」(睡眠薬は砂糖の塊と入れ替えた)
「服もいつのまに!ああ胸が気持ちい…じゃなく、上にのる…むぐっ!」
「……………」(副作用違う。火照るのはお兄様のせい。)
「や、やめろ…兄妹だぞ。俺たちは。」
妹の端正な顔が俺の顔の上にある。いつも通りの無表情だが顔は赤面し、
目は欲情に燃えている。甘いものをなめるように顔を舐める。
「……………ぺろっ」(お兄様以外の人に恋はできない。私嫌い?)
「嫌いとかそんなんじゃなくてだな。お前のためには…」
「……………」(私のため…女にしてください。)
「後悔しないな?」
「……………(こくん)」
俺の理性は飛び、力強く抱きしめる。
禁忌を犯すことに対する後悔よりも妹に対する愛しさのほうが遥かに
上回っていた。初めてこちらから奪うように激しくキスをする。
「ベル…。」
「……………」(幸せ。夢見たい。)
「体勢を変えるぞ。お前まだ体あんまり動かないだろう。俺に任せろ。ちゃんと気持ちよくしてやる。」
上に乗っているベルと体勢を入れ替え、今度は体の下にいる彼女に優しくキスをする。
その晩は夜遅くまで二人はお互いを貪っていた。
79:魔法技師
07/05/28 20:55:35 V/XY9efn
エピローグ
あれから一ヶ月が経った。
「……………ちゅ」(おはよ)
「ん…………朝か。おはようベル。」
「………………」(おじさんがもうすぐシルビアが来るって)
眠い目を擦りながら着替えて一階に下りると、見慣れたドレスの金髪縦ロールが
優雅に朝食を食べていた。
「よう。変態貴族。今日は何の用事だ。」
「……………」(シルビア久しぶり)
俺たちを見つけるとシルビアは朝食の手を止め、こちらを向いて、
「変態って称号はもうカイに返しますわ。だってイケナイ一線越えちゃったでしょ?」
「まてまてまてっ!何を根拠に!」
慌てる俺に軽く頷き、ベルにフォークを向けて
「強いて言うなら…ベルの余裕かな。いつも近寄るな!って感じなのに。それに
女っぽくなったしね。幸せオーラが…やっぱり恋する女はいいね。ね、ベル。」
「……………」(幸せ。でも夜はケダモノ。)
「いや、まあ、いいだろ!で、実際何しにきたんだ。」
「んー。事後報告と礼。報酬はおじ様から受け取ってね。まず、詐欺組織のことだけど、
裏には魔法武器の密売組織があったわ。内偵で敵対貴族との関係を見つけたから、
そこから思いっきりごり押してこちらの立場を強化してあげた。大もうけね。」
「そうか。よかったな。で、足の調子は?」
「……………」(大丈夫でしょう?)
「うん。足は問題ないわね。でも…」
シルビアはにやりと笑った。何かいやな予感がする。
「二人とも妊娠したから。まだ一ヶ月だけど。」
「…………は?」
「やっぱ腕いいわねー。カイは。以前不妊で悩んでる人のために使った薬。よく効くわー。
あの時のカイってばほんと素直でかわいかったわね。」
「………………」(お・に・い・さ・ま?)
いかん。俺殺されるかもしれん。俺に殺気を向けつつベルはシルビアに泥棒猫殺し二号
(投げナイフ)を投げつける。シルビアはそれを額の前で二本の指で掴む。
「いやその、なんだ。その…調整中に暇だからってこいつらいきなり目の前でレズプレイ
始めやがって、あの頃溜まってたからそのつい…調整が終わってから…二人の
処女一緒にもらってくれとか我慢が…お前まさか確信犯か!」
「後継者問題も一安心です。うんうん。きっと優秀な子に育つわ。わたくしは政略結婚
でプレゼントされてくるようなもやしには興味がないですからね。責任とか言わない。
ベル。カイは貴女のもの。取ったりしないから安心して。それに考えても見て。
子供がカイに似れば、ちっこいカイが二人も貴女に懐くのよ。想像してみなさい。」
想像してるらしい。無表情だけど俺にはわかる。幸せそうだ。
「……………」(シルビア今回は許す。でもお兄様はおしおき)
「たすけてくれー!!!」
「……………」(浮気厳禁。)
「やれやれ。ほんとに仲がいいですわねー。あの兄妹は。あ、おじさまおかわり。」
80:魔法技師
07/05/28 20:57:18 V/XY9efn
そして、投稿中盤くらいでスレの趣旨と違うことに気づいた。
首つってきます;
81:名無しさん@ピンキー
07/05/28 23:15:12 bq6GwD+2
>>80
GJ!
エロ主人公の性格が壷りました
スレチなのがちと残念だが続編に魔法とかでやるシーン入れれば大丈夫だとオモ
釣ってくるってことはどこかの魔法組織を潰しに行くんだよね?
82:名無しさん@ピンキー
07/05/28 23:33:51 9dgefZSW
魔法ってファンタジーの魔法かよと思ってたら最後に自覚してたみたいなのでスルー
83:名無しさん@ピンキー
07/05/29 09:14:45 vnGgiwsz
まぁ過去ログ見ればファンタジーネタも結構あるんだけどな
スレタイが微妙に制約かけてる気がしてならない
84:魔法技師
07/05/29 17:47:27 Q2iFGTJE
空気を読んでスレに添ったSSを書いたので投稿。
前回の続き(?)
苦みばしったエロ格好いい主人公を目指していたのですが、
投下するスレを間違え、結局ただのエロいおっさんになってしまった。
85:魔法技師
07/05/29 17:48:36 Q2iFGTJE
集中──一字一字、アイテムにルーンを刻み込んでいく。正確に一ミリの狂いもなく。
魔法のアイテムを作るのに最も技術を要する作業だ。
俺は今、金髪縦ロール貴族のシルビアから得た大量の報酬を元手に、
新しい魔法のアイテムを作成していた。
夏真っ盛りのくそ熱い室内でも必死で集中を続けていたが、疲れたので
休憩を入れることにする。あちい…
「……………」(お兄様、何を作ってるの?)
「ふ…男のロマンだ。」
目の前には赤い髪を腰まで伸ばした無表情な少女が目の前にいる。
端正な顔立ち、引き締まった肉食動物を思わせる綺麗な肢体。
顔は美人というよりはかわいいという感じだろうか。妹のベルだ。
無表情だが分かる。ベルは疑ってるな。男のロマンを解さないやつめ。
「……………」(お昼にしましょう。)
「ああ、飯にするか。」
一階の食堂でおやっさんに声をかけた。
「おっす、二人分、一番いい昼飯頼むぜ。」
「おー。カイか…最近はぶりがいいようだな。そんなシルビアの嬢ちゃんの
報酬はよかったのかい?」
「普通に暮らすには五年はいける額だ。最も新しいアイテムの作成で殆ど消えたがな。」
おうおう、ベルの顔が青くなったり赤くなったり…おいまて!木刀は反則だ!!
「……………」(お兄様何考えてるんですか!)
「おやっさんなら分かるよな?」
「何がだ?」
「未知への挑戦は男のロマンだ。漢たるもの常に探究心を持つべきだ!!」
おやっさんは俺の肩を叩いて呆れるようにいいやがった。
「そろそろ妹に楽な生活をさせてやれ…それも男の甲斐性だろう。」
俺はそんな無理解なおやっさんにちっちっちと指を振る。
「ふふふ…おやっさん。そんなこといってられるのも…俺の研究を知らないからだ。
実はな……ごにょごにょごにょ。」
妹に聞かれるわけにはいかんからな…小声だ。
「すまねえカイ。俺はお前のこと誤解してたぜ。漢だ!やはり漢は馬鹿でなくてはな。うん。」
「……………」(お兄様何を企んでいる?)
ベルは一人蚊帳の外で、訝しげにしていた。無表情だが多分。
86:魔法技師
07/05/29 17:50:19 Q2iFGTJE
「カイ。注文を受けてた材料を届けに着たわよ。感謝なさい。」
暫くしてそんなことをいいつつ訪れたのは、金髪縦ロールにドレスを着た
いかにもお嬢さまな侯爵、シルビアだった。
「おめーだからなんで侯爵が直接くるんだよ。こんな下町に。」
「気晴らしですわ。たまには馬鹿の相手しないと肩がこってね。それにおじさまの
料理はいつも楽しみにしていますし。で、今は何を作ってますの?」
俺はにやっと笑ってもったいぶって言った。
「内緒だ。完成したら貸してやるぜ。お前さんは使うだろうしな。」
「ふーん。何か良く分からないけど商品化は無理そうね。こんな高価な材料使うなんて。」
「調整が難しくてな。一つの効果を付加するたびに倍で難しくなるのが魔法のアイテムだ。
今回のアイテムは十ほどの効果を組み合わせる、まさにオリジナル、まさに至高の一品だ。
設計だけは三ヶ月かけて作っていたんだが、やっと金が出来て作成中ってわけだ。」
腕を組んで少し考えてシルビアは微笑んだ。
「ま、面白そうではあるわね。出来たら教えて。」
「ああ、勿論だ。俺の腕が落ちてないことを教えてやるぜ。」
ふっふっふ、お前さんも今までの仕返しにいつか実験台にしてやるぜ。
──一ヶ月経過──
「これが最後の一字だ………よっしゃああああああああああ。完成!!!」
俺はやった。俺はやったんだ!やりとげたんだ。俺は漢だ!全世界の男よ俺を崇めよ!!!
「……………」(お兄様、お疲れ様です。)
「ああ。ありがとう。流石に疲れたぜ…。だがそれも今日で終わりだ。」
「……………」(お兄様これは…シャツ?)
「うむ。後で実験するから少し協力を頼む。」
まずは頑丈なやつで実験だ。多少失敗しててもこいつなら死にはすまい。
「……………」(何かいやな予感がするのですが…)
ちっ。勘のいいやつだ。だがここで引くわけにはいかん。
「まあ、晩御飯を食べよう。風呂に入って…実験はその後だ。」
「……………」(危険はないんでしょうね?)
「俺を信じろ。俺が失敗などするわけがない。完璧だ。」
疑いの目でベルがじと眼で睨んでいるが気にしたら負けだ。俺たちは晩御飯を食べ、
風呂に入って自室へと戻った。
自室に戻ると、早速下着とその魔法のシャツ(?)一枚になってもらい、
アイテム発動のキーワードを唱える。よしよし、ついにこの時が!!
<汝の主は我なり>
言葉と共にシャツが光り輝きベルの体全体を覆っていく。
「……………!!!」(なになに!?)
「大丈夫だ。成功だ!!」
十秒後、そこには黒のワンピース、フリルの付いた白いエプロンを組み合わせた
エプロンドレスに、同じく白いフリルのカチューシャをつけたベルの姿があった。
俗にメイド服ともいうが。
「ふ……自分の才能が恐ろしいぜ。この完璧なデザインに何日を費やしたか。」
「……………」(一回死んだほうがいいのでは。)
「合言葉一つで華麗にメイドさんに変身できるのだ。ま、成功だな。さんきゅ。」
もう一つの目的をこいつに知られるわけにはいかん。実験は残念だが今日はここまで。
明日が楽しみだ。これはお前のためのものじゃないんだ。
87:魔法技師
07/05/29 17:52:00 Q2iFGTJE
翌日、俺はベルに仕事で出かけると伝えて侯爵家へと向かった。
「よー、シルビア。傑作の魔法アイテムが出来たから持ってきたぜ。」
「その貧相なシャツですか。作者の品性が分かりますわね。」
豪奢な金髪縦ロールにいつも強気の表情を浮かべた、現侯爵家当主は怪訝そうに呟いた。
「安全の確認はしてある。効果を見せてやるよ。」
「それじゃ、私の部屋へ行きましょうか。で、どうやって使用しますの?」
「まずは下着とそのジャツだけになってくれ。」
「………まあ、いいでしょう。後ろを向いていてくださいな。」
「おうよ。」
ふっふっふ、この傲慢娘に天誅を加えるときは刻一刻と迫ってるぜ。
おっと、怪しまれないように気をつけねば。
「着ましたわよ。」
<汝の主は我なり>
キーワードを唱えると昨晩と同じようにシルビアが光で覆われていき、
黒のワンピース、フリルの付いた白いエプロンを組み合わせたエプロンドレスに、
同じく白いフリルのカチューシャ姿になる。
「これは…うちのメイド服ではありませんか?」
「ああ。お前んとこのを参考にしたからな。」
「この私に…こんな格好をさせるために…作ったんですか?だめだだめだとは
思ってましたが、本当にだめな人ですわね。」
「まーそういうなって。本番はここからだぜ。」
<汝は我の奴隷なり>
次のルーンを唱えると、シルビアの表情が驚きに染まった。
「か、身体が勝手に動きますわっ!……それに熱い……カイ!貴方なにを!」
「ふふん。『いけないメイド』機能だ。どんな生意気なメイドもこれを使えば
従順なメイドに!さらに催淫魔法のおまけ付だ。これからいつも生意気な
シルビアを従順なメイドさんに調教してやるぜ。」
「馬鹿!カイ!やめなさい!!」
やめろといわれてやめる漢はいないぜ!はっはー!!
「これからは、ご主人様と呼べ。」
「だ、だれが…うう…ご主人…様……」
きつめだが綺麗で端正な顔を羞恥と屈辱で真っ赤に染めて言い馴れない言葉を呟く。
これだけでも、半年近く頑張った甲斐はあったな。だが、ここからだ。
88:魔法技師
07/05/29 17:53:02 Q2iFGTJE
「おい、シルビア。お仕置きをしてやるからベッドでうつむけになって尻を出せ。」
「い、いやよ…ああ…何で…体が…うう…。」
「でも、命令されて体は喜んでるぜ?」
「そ、そんなわけないで…しょ…!」
メイド服のままベッドの上に上がり言われたとおりにするシルビア。抵抗は
出来ないらしい。やはり金はかけて正解だった。パンツを少しずらす。
「いやっていうが…体は正直みたいだぜ。何もしてないのに濡れてるじゃないか。」
「そ、それは魔法のせいで!!」
「嘘つきにはしつけが必要だよな。」
「いや!やめて!」
「やめてください、ご主人様。だろ!」
むき出しになっている尻を数度加減しながら叩くと、大きく体を反らし
くてっとベッドに力なく崩れ落ちた。いつも強気な大貴族のシルビアがメイド服姿で
扇情的な格好をしていることに加虐心が膨れ上がる。
「尻叩かれてイクなんて…いつも高貴ぶってるがとんだ変態だな。」
「ち、違う…わ…」
「なにが違うんだ?気持ちいいんだろ。ほれ言ってみろ。気持ちいいですご主人様って。」
「そんなこという……うぁ……気持ちいいです…ご主人様…」
「おー。もうアソコがびちゃびちゃだな。」
普段より催淫の魔法で過敏になっているそこを、いかせない程度に軽く愛撫する。
ゆっくりゆっくり焦らす。イキそうになる前に指を止め、落ち着いたら再開していく。
メイド服のスカートとベッドのシーツに愛液が付いてじわじわと濡れていった。
「あああ、いやぁ…焦らさないで……ちゃんといかせて…」
「気持ちよくなったらお仕置きにならないからな。いかせてほしいならメイドらしく
ちゃんとおねだりしないとな。無理やりじゃなくて自分で。」
「あ…う…ご主人様……いかせて…ください。」
「叩かれて感じる変態メイドを滅茶苦茶にいじめてくださいと言え。」
「いや!そんなこと私がいうわけ…あああ…叩かれて…感じる…うう…
変態メイドを…滅茶苦茶にいじめてください……やだあ…」
「可愛いぞシルビア。ちゃんと言えたな。そらご褒美だ!」
「ああっ!ひぃ……んっ!!!」
焦らしたせいで俺もかなり限界まではちきれんばかりになってたそれをシルビアに
突き入れるといきなり、膣が締め付けるようにうごめき軽く潮を吹いた。
89:魔法技師
07/05/29 17:54:37 Q2iFGTJE
「ご主人様より先にイクなんてまったくだめなメイドだな。」
魔法の効果がよく効いているのか突き入れるごとにシルビアは軽く絶頂に達している。
だが、俺は緩めない。
「怖いっ!感じ…すぎ!!…こんなのって…あっ…!」
「ほらもっと腰を振れ!ご主人様におねだりしろ!」
「はいっ!…ご主人様!!ご主人様!!!もっと!もっとついてっ!だめなメイドにもっと
お仕置きしてくださいっ!!」
「ちゃんといえたな。よし、最後まで行くぞ。」
十数回いかされ、最早侯爵としての威厳も何もなく、一人の快楽に酔う雌メイドとして口から
涎を垂れ流すシルビアに最後の止めを刺すべく激しく動き出した。
「ああっ…これ…すごい!くる…おっきいのがくる!!」
「く、出すぞシルビア!」
「あっ!!!いい…!!いくっ…あああああああああああああっ!!!」
俺がシルビアの中に出すとひときわ大きく体を震わし、絶頂を迎えて失神した。
数時間後。
「で………これはうちで買い取らせていただくわ。」
「おいおい待てよ。俺の傑作の品だぞ。ご無体な。」
「いやならいいのよ?さっき味わされた屈辱…残念ながら死んでもらうわ。」
魔法を解いて、いつもの豪奢なドレスに着替え正気に戻ったシルビアは当然のごとく
怒り狂っていた。こいつはやるといったらやる。本気で俺を殺る気だ!!
「わ、わかったよ…畜生…男のロマンが…」
そういって、キーワードのメモを書いた紙を渡す。
「これは確かに使えるわ。こんな馬鹿なものを作る奴はほかにいないでしょうし…。
どんなものでも使い方次第で使いようがあるものよ。」
「ほう~例えば?」
なんかとてつもなく嫌な予感がした。
「ふ…この私をメイド扱いして弄んでくださった、どこかのお馬鹿さんに復讐するとかね。」
「え、ちょっと待てやめろ!!」
「体術で私に叶うわけないでしょう。諦めなさい。」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!メイド服はいやだぁぁぁぁぁぁっぁぁぁやめろぉぉぉぉ!!!」
「ふふ、どんな命令を出そうかしら。やめろといってやめる馬鹿はいないのよ?」
漢の叫びが夜の侯爵家に響き渡った。俺は男のロマンを達成し、同時に…
…同時に…男として大事なものを失った…。
後日、この魔法のメイド服は先祖代々侯爵家の捕虜を拷問するためのアイテムに
なったとかならなかったとか。
90:魔法技師
07/05/29 17:56:18 Q2iFGTJE
投下終了です。
91:魔法技師
07/05/29 18:36:10 Q2iFGTJE
とりあえず、これはこれでまたよしw
エロイおっさん(?)書くのは意外と楽しかった。
92:名無しさん@ピンキー
07/05/30 03:08:41 eleVDDIU
GJ!!
93:名無しさん@ピンキー
07/05/30 08:19:24 hCmzPamS
エロオヤジバロスwwwwwwwww
でもこれはまさしくこのスレ向きだぜGJ!
94:名無しさん@ピンキー
07/06/02 16:49:55 lE5/+Q7t
強制メイド化いい!
95:名無しさん@ピンキー
07/06/02 20:03:47 ShqijfwX
オヤジ扱いかよw
96:名無しさん@ピンキー
07/06/05 05:11:39 E4XFU1F+
ファンタジーでなら、魔法だと理解しながら和姦でつかうとかできそうだな。
97:名無しさん@ピンキー
07/06/05 23:19:50 LlHge8tU
このスレってあんまり誤認系SSってないよね
98:名無しさん@ピンキー
07/06/06 00:22:33 hI3VC7nN
この板でMCものを書く人じたいが少ないように思う
99:名無しさん@ピンキー
07/06/06 00:54:21 qirJBOPq
というかこのスレも趣旨こそMCスレだが
スレタイにMCを匂わせる物が余りないのが原因
実際スレタイに沿ったSS書くとしたら上の魔法技師1話みたいな物の方が正しいし
いっそ催眠MCスレは別に立てたらどうだ
100:名無しさん@ピンキー
07/06/06 07:42:53 7lcjptI3
過去に作られた催眠モノって短編が数本だけだしなぁ…
分離しても即死回避は厳しそうだな
101:名無しさん@ピンキー
07/06/08 01:09:14 fL969sKQ
立ったみたいだな
URLリンク(sakura03.bbspink.com)
102:名無しさん@ピンキー
07/06/08 01:10:14 fL969sKQ
ミスったorz
スレリンク(eroparo板)
103:名無しさん@ピンキー
07/06/08 09:40:18 oUDyRneL
失礼だが、自分で立てたってことはないよな?
104:名無しさん@ピンキー
07/06/10 02:17:59 vYczAG5v
そうだとして、何か問題が?
105:名無しさん@ピンキー
07/06/13 01:06:44 BEZ1doEX
hosyu
106:名無しさん@ピンキー
07/06/15 05:27:08 kNH8Acpb
牧場スレにルイズ催眠ものがあったよ
107:短編保守
07/06/15 07:33:38 U/e+jXlM
俺は力を手に入れた。人を操れると言う能力を……。
前々から気になっていた、彼女に使う事にしよう。そしてから他の奴も操ろう。
図書館でずっと本を読んでる彼女、前髪で目が隠れてるがそれも確認してみよう。
能力を使って、図書館から人を追い出す。
そうしてから、彼女の前に座る。操らなくてもそれだけで彼女の顔が赤く染まる。
「なあ、前髪邪魔じゃないか?」
そう言って、俺は彼女に話しかける。
「だっ大丈夫です。私は……」
お前にとっては大丈夫でも、俺にとっては困る事だ。しょうがなく強い精神操作を開始する。
「目、見せてた方が良いって」
そう言って、俺は彼女にヘアピンを渡す。
「良いんですか?」
逃げようとしているが足が動かないらしい。当然だ。俺が足止めしてるんだから。
「ああ、そっちの方がきれいだって」
そう言って無理矢理渡す。
なれない手つきで彼女はヘアピンをする。
吸い込まれそうな美しい目。じっと見つめる。
恥かしげに彼女は俯こうとする。力を使って顔を会わせ続ける。
彼女の息が荒げてくる。
もはや我慢できない。このまま抱きたい。
はやる気持ちを抑えて、俺は彼女に『命令』する。
「手を後ろに回して」
「はい」
「そのまま繋いで」
「はい」
足も広げてと思ったが、そこまでさせるのは酷だろうと思い閉じたままにしておいた。
「キスはしたことは?」
「ないです」
「だったら僕が今からキスをする。思いっきり深い奴だから気絶しないように」
「はい」
俺はそう言うと彼女の瞳を見たまま思いっきりキスを開始する。
舌を口の中に押し込み、そのまま彼女の中をまさぐる。
「んんんんん~~~~~~」
苦しそうなそぶりを見せたので、俺はゆっくりと口を離して彼女の服をまさぐる。
薄いが柔らかい胸、体のライン、全てがパーフェクトだ。
「なあ、授業でわからない事があるから聞きたいんだけど良いか?」
「……はい」
虫の霞むような声。これでゆっくり彼女を落とせると言う物だ。
俺は笑いを押さえながら彼女をどうするかの考えを始めた。
彼女は家に帰るとバタリとベッドに倒れこむ。
自分の目は特別制だ。目を合わせた人間を魅了してしまう。
魅了された人間は、彼女の事を優先して行動してしまう。
「でも、彼を私だけの物にしたい……」
罠に落ちたのはどっち?
108:名無しさん@ピンキー
07/06/15 08:16:25 KExUOrwy
Happy End
皆幸せだから誰が負けたとかはどうでもいい
109:名無しさん@ピンキー
07/06/15 08:54:39 XzcEjsyr
これはうまい展開w
110:名無しさん@ピンキー
07/06/15 10:06:36 Fp14/lew
素晴らしい
111:名無しさん@ピンキー
07/06/15 15:36:41 NHn1RVQo
>>107
罠に堕ちたのは俺らのほうだ
…いいものを見せてもらった
お前の勝ちだ
112:名無しさん@ピンキー
07/06/15 23:02:24 bcenTVMC
GJ
113:名無しさん@ピンキー
07/06/16 23:04:29 zDHWyyBy
>>102のスレが重い話ばっかで萎えた
114:名無しさん@ピンキー
07/06/17 02:13:33 wIPp9WLq
URLリンク(doiob.net)
115:名無しさん@ピンキー
07/06/17 06:06:32 +Jg3omDR
>>107
オチがGJ!!
116:名無しさん@ピンキー
07/06/17 21:13:23 b6Y6WiZX
毎回連作短編にしようと思っていたけど、
長くなりそうなので今回は前後編。今回から副題つき。
魔法技師投下します。
117:魔法技師と魔王様
07/06/17 21:15:10 b6Y6WiZX
集中──一字一字、アイテムにルーンを刻み込んでいく。正確に一ミリの狂いもなく。
魔法のアイテムを作るのに最も技術を要する作業だ。
俺は今、金髪縦ロール貴族のシルビアから得た大量の報酬を元手に、
新しい魔法のアイテムを作成していた。
もう既に秋が近くなり、作業も大分やりやすくなっている。メイド服の時代は終わった。
男は一つの道で立ち往生してはいけないのだ。今回作るものは材料の調達が難しく、
恐らく旅にでなければならないだろう。シルビアに頼めばすぐなのだが…
最近、俺の顔を見るたびに不機嫌になるためうっかり頼みごともできないのが現状だ。
「……………」(お兄様今度はなに作ってるの?)
そういって近づいてきたのは無表情な赤髪美少女、妹のベルだ。ちなみにしゃべれないため
話したいことが表示される魔法のボードを渡している。
「前のはシルビアに取り上げられてしまったからな。今度はまじめなものを作ってる。」
「……………」
妹は俺を疑わしげな目で見ている。ちょっとまて!そんなに偉大な兄が信用できない
とでもいうのか。兄は悲しいぞ。
「……………」(前科がありすぎるから)
俺はがっくりと肩を落とした。
118:魔法技師と魔王様
07/06/17 21:16:12 b6Y6WiZX
「おう、おやっさん。腹減ったから晩御飯たのむぜ。」
一階に下りておやっさんに手を振る。
「カイか。今日はシルビアの嬢ちゃんが来るらしいぞ。」
「げ…まさか、まだ前のこと根に持ってるのか…。」
「……なにしたんだお前。」
おやっさんが俺を呆れたような目で見ていた。だが、あれは漢としてやらざるを
得なかったのだ。きっと男ならみんなわかってくれる。
「こんばんは、おじさま。ベル…そして、ど外道変態。」
俺の葛藤を邪魔して店に入ってきたのは金髪縦ロールの侯爵様、シルビアだった。
「……………」(シルビア、こんばんは。)
「で、今日はなんのようだ?」
「カイを抹殺……といいたいところだけど、依頼よ。」
冗談を話しているときとはうって変わってまじめな表情になる。シルビアは侯爵だけあって
政敵も多い。俺達へ依頼が来るとき…それは身内に裏切り者がいる場合や、シルビア自身が
動けない場合…そして…魔法が絡む場合だ。俺達は裏切らないという絶対の信頼から
来る依頼が多い。危険なものも当然にある。俺達はおやっさんに個室を貸してもらい
相談を始めた。
「カイ…禁呪…なの、今回は。」
禁呪…なんらかの理由で技術的には可能ながらも封印された魔法…それに携われば
犯罪者として拘束される。
「禁呪か…お前が力を借りに来るってことは…バックがでかいのか。」
「誰かに孕まされて私は余り動けないからね…。」
睨むなベル!怖いから睨むな!頼む…泣いちゃうぞお兄ちゃん。
「後ろは公爵よ…。証拠はないけどね。」
「引き受けた。ようは証拠を掴んでついでに潰せばいいんだな。」
妹は泣きそうな目でこちらを見た。だが、これは引き受けるしかない。借りがある
からな。あの公爵様には。思い出したくもないが。
「で、どんな禁呪をやってんだ?」
「得た情報の範囲では………生命に関する実験よ。」
「生命…ってことはまた例の人造の魔王を作るとか言うあの馬鹿な…。」
「そう…。あれよ。」
「援護は?」
「できる限りのバックアップと…直接の援護は可能な限りってとこね。おおっぴらにやってしまうと
うちとあっちで内戦になってしまうから気をつけないと。」
「わかった。絶対に潰してくる。」
119:魔法技師と魔王様
07/06/17 21:17:09 b6Y6WiZX
翌日、シルビアの配下の密偵を案内役に下水を歩いていた。この国では上下水道が
市街には備わっている。下水は縦横無尽に走っており、隠密行動には悪くないのだが…
「臭い…」
「この真上辺りが施設です。私はここで待機しておけばよいのですね?」
「ああ。基本は俺たちだけでやる。ちっ、床にも魔法除去の結界が張ってあるな。」
「……………」(お兄様…どうします?)
「ちゃんと破る道具は作ってある。はしごもな。」
俺は合言葉を唱えて伸びるはしごを使い、天井にお手製結界破りを押し付けた。
その上で土の魔法で干渉し、床を薄く削り取って人がいないか音を確認する。
「………?なんか騒がしいな。」
施設の中は俺たちが出るまでもなく事故か事件がおきているようだった。
「チャンスだな。どさくさにまぎれてまずは資料と服を奪う。ベル、行くぞ。」
ベルは頷いて穴を開けて侵入した俺を追いかけた。
施設の内部は警報と慌てふためいた研究員らしきものたちで大混乱だった。
侵入した俺達はそんな研究員を二人気絶させて服を奪った。
「ふっふっふ。知的美女の服も俺が…いた!やめろ冗談だ。ベル!」
まあそんなこんなで、首尾よく資料だけでなく様々な魔法の道具や重要書類さえ
も回収することができた。が…あまりに、抵抗のないのに思わず首をかしげる。
誰もいない倉庫らしき部屋で相談していた俺達はこれからどうするか決めあぐねていた。
「……………」(お兄様これだけ証拠が在れば今回は)
「うーん。何が起こったのかは確認しよう。」
「……………」(危険です。)
「わかってる。だが、ここまで手薄にするような事故だってのが気になる。」
誰もいない倉庫らしき部屋で相談していた俺達はこれからどうするか決めあぐねていた。
そんなときだ。
俺たちの潜んでいた部屋に何かが飛び込んできた。
年の頃十二、三歳…ちょっと守備範囲外だな…長い髪は漆黒に輝き、勝気そうに輝く瞳
も黒。肌は透き通るように白く背はちょっと低い。
…四、五年先にはお付き合いいただきたい美少女が全裸で立っていた。
そして、今の状況の場違いさから考えて…。
「よう、そこの美人なお嬢さん。この騒ぎはあんたが原因か?」
「む、わらわが美人であるということは当然として、お主何故このようなところに…。」
「……………」(美人は否定しないんですね…)
ベルが呆れながら研究員から奪い取った白衣を、女の子に掛けてあげている。
全裸でも堂々と仁王立ちしていたが。
「俺達は馬鹿な研究をしてる馬鹿を破滅させるために来たんだ。」
「ほほぅ……では、わらわの敵とお主の敵は一致しておる。下僕として協力することを
許してやろう。」
とりあえず俺は無言で無意味に偉そうな黒髪の少女の頬を俺は両手で引っ張った。
「ひらひ、らりをするー」
「あほなこというからだ。俺様が推理するにこんな人の来ないところに逃げてきたと
いうことは、お前一人じゃどうしょうもないってことだろが。」
手を離すと生意気少女はなみだ目で上目遣いをして睨みつけてくる。ちょっと、
可愛いかも…おにいちゃん変な気になってきたぞ!
120:魔法技師と魔王様
07/06/17 21:17:56 b6Y6WiZX
「……………」
ベルがジト目で見つめてきていたので…心読めるのかこいつ。とりあえず、話しを聞く。
生意気少女は全裸に白衣一枚というちょっとそそる格好でも堂々としながら話し始めた。
俺を睨みつけたまま。こいつは怒らせたほうが萌えるな。うん。
「馬鹿者が。わらわも本来の力が出せれば逃げたりせぬ。人間の分際で幾重にも強力な
結界を張り巡らせておったからその拘束を破壊するのに魔力が尽きたのだ。」
「ということは、お前さんは人間じゃないわけだ。」
ふふん、と偉そうに鼻で笑って目の前の黒髪美少女は自信満々に言った。
「わらわは魔王じゃ。」
「……………」(お兄様…さっさと帰りましょう。)
「そうだな。」
俺達は帰ることにした。
「こらこらこら!信じてないなおまえら!」
「魔王は五百年に一度、現れるんだろ。まだ二百年しか経っていない。」
そう、世界には魔王という存在が周期的に発生する。五百年に一度恐ろしい損害を
巻き起こす、災害のような存在だ。何故周期的にしか現れないのか不明だが、過去、
ずっとそうであったらしい。軍隊でも討伐できないような代物らしいから、間違っても
目の前の偉そうな生意気少女ではないだろう。
「そもそも魔王は元人間じゃ。五百年に一度、その年で最も不幸になったものを依代と
して魔王は前世の記憶とともに転生する。特殊な魔法装置を使われ、時を勘違い
させられたのだろう。中途半端な目覚めだからわらわの力も中途半端なのじゃ。」
「じゃあ、もし今おまえ倒したらどうなるんだ?」
ベルがこちらに驚きの視線を向けている。
「恐らく五百年、眠ることになる。まあそれもよかろう。わらわを殺すか?」
俺は苦笑して首を横に振った。
「三百年後までお前の力は不安定なんだろ。なら、そいつらへの宿題にするさ。
俺好みに成長しそうな女を殺すのは性にあわん。後聞きたいのは…他に生きてる
実験台はいるか?」
「実験台か…お主わかっておるようじゃな。わらわが復活したときに皆不要として処分された。
そのときには力が無くてな…。わらわの依代の少女も魔法による無限の悪夢で
魂が死んでしまった。かわいそうなことをした。」
「そうか…今回も助けられなかったか…。しかし、お前いいやつだな。」
「魔王の記憶は最悪の不幸の記憶だ。自分のようなものと思えば同情もする。」
俺は泣きそうな目をしながらも、胸を張って威張る少女の頭を撫でた。ベルも
いつもどおりの無表情で少女を抱きしめる。
「さて、じゃあ…逃げるとするか。」
「まて、わらわはここの人間どもに仕返しがしたい。」
「……………」(どうやって?)
「わらわの魔力を回復させれば…。一撃で全て破壊してくれる。」
自称魔王の少女がベルのほうを向くと、あっさりとベルが寝息を立てた。
「案ずるな睡眠の魔眼じゃ。力はあまり戻っておらぬが数種の魔眼も使うことはできる。
さて、お主からはなかなか強力な魔力が感じられるが…。死なない程度に頂くことに
しようではないか。」
魔力を得るには複数の手段がある。こいつまさか…。ベルを連れて逃げようとも
考えたが、どうやら体が動かない。目の前の少女は、年相応ではない妖艶な笑みで俺を
見つめていた。
「麻痺の魔眼じゃ。わらわはお主が気に入った…顔も悪くない、馬鹿だが頭も悪くないし
懐もなかなか深そうじゃ。ふふ…この体ではわらわもはじめてじゃ…光栄に思え。」
俺は身動きもできず、床に倒れ付した。どう考えてもまな板の上の鯉だった。
121:名無しさん@ピンキー
07/06/17 21:22:56 b6Y6WiZX
投下完了です。
後編早めに書き上げます。
なんとなく魂がロリ魔王を求めていた。
122:名無しさん@ピンキー
07/06/17 22:55:22 Qp/nBRs/
ビバッ!ロリ魔王
123:名無しさん@ピンキー
07/06/17 23:56:19 nTypt2DN
乙。それにしても、連投規制には引っかからないの?
124:名無しさん@ピンキー
07/06/18 09:50:20 r9Qlsq7/
ロリまんせーっ!!
結局変態メイド服でも高額代金もらってたのねw
125:名無しさん@ピンキー
07/06/18 18:46:57 B4K+wblB
そして後編。
126:魔法技師と魔王様
07/06/18 18:47:44 B4K+wblB
魔力を補充するためにはいくつか手段がある。
まずは、睡眠。これが普通の回復方法だ。
次に、魔力補充アイテムによる回復…だが、これは費用がかかる上にあまり
高い効果を望めない。
そして、最後に魔法で直接吸い取る方法だ。魔力をもっとも精気の集まる場所から
吸収する…。ようはあれだ。女を抱くことで相手から精気を吸収するのだ。
この場合、魔力の強いものへと魔力は流れてしまう。
まあ、何がいいたいかというと。
俺は今非常にピンチだった。こ、このままではっ!
「まてこら、話し合おうぜっ!」
唯一動く口を使って俺は何とか説得を試みるが、自称魔王の少女は黒い髪を書き上げて
勝ちきそうな瞳を光らせてにやりと笑った。
「ふふ…わらわには歴代の魔王の記憶があるのじゃ。すぐに正直になる。」
勘違いしてる勘違いしてるっ!
「あのな…俺はお前の年齢は恋愛対象外なのだ!自慢じゃないが女は好きだが
ロリコンじゃないんだ。三年後に出直してくれ!」
必死だった。今まで色んな悲劇が俺を襲ったが…まさか、全く凹凸のない少女に
逆レイプされることになるとは思わなかったぜ…。目の前の魔王様(?)はいじわるそうな
目で俺を眺めている。やばい、こいつSだ。俺と一緒だ。
「ろりこん?なんじゃそれは。まあなんでもいい。嫌がられるとぜひともしたくなってきた。
責任を取ってもらわなければな。可愛い声で鳴いてくれよ?」
魔眼で縛られて動けない俺のズボンを目の前のつり目の美少女はためらいもなく
脱がせていく。俺のモノはまだ、ぴくりとも反応していない。
「むむ、わらわが裸でいるのに…。もしや不能か?」
「だからいってるだろうが。対象外だと。」
「ふふ、まあよい。いつまでそういう強気な言葉を言えるか楽しみじゃ。こういうやつを
屈服させるのが一番楽しい。」
この世のものとは思えないほど端正な綺麗な顔が俺に近づいてくる。俺の唇を奪うと、
そのまま舌を進入させてくる。
ぴちゃ……ちゅ…く………
的確に俺の弱いところを責め、体が火照り始める。俺のモノが一気に反応し、
そそり立った。く…。上手い…魔王の唇が一度ゆっくりと離れ、口に銀色の橋ができた。
127:魔法技師と魔王様
07/06/18 18:48:57 B4K+wblB
「くっく…。キス一つでお主のものは元気になったようじゃの。まるで女子のように全身
を震わせて感じよって…どうじゃ…わらわの下僕になる決心は付いたか?」
「だれが、なるかっ!」
「ふふ……ますます、気に入ったな。」
ない胸を反らせて勝ち誇る魔王に俺は強気で睨み返した。だが彼女は愉快そうに
笑うだけだ。楽しい玩具を見つけたかのように。
暫く艶かしい視線で俺のモノを眺めていたが、優美な手つきで一撫でした。
痺れるような快感が全身を走る。
「それほど物欲しそうにせずともわらわがこれからたっぷりと可愛がってやる。」
動けない俺には抵抗することもできない。小さい少女に弄ばれる屈辱と、
そんな少女に奉仕させる背徳感が俺を苛んだ。
魔王の可憐な花びらのような唇が俺のモノに口付けした。小さい舌で焦らすように
ちろちろと舐める。そのたびに俺の意思とは関係なく体が撥ねる。
「お主は敏感だな…。愛い奴。」
焦らされ、先走りで濡れてきた俺のモノを彼女は口にくわえた。
あむ…ぴちゃ…ん…
卑猥な音が倉庫に流れる。限界はすぐに来た。
「うっ!でるっ!!」
「くっく、どうじゃ。気持ちよかったか?」
邪気のない、だけど挑戦的な笑顔で俺を見つめる。俺はこの場での抵抗は無駄だと判断し、
あっさりと降伏した。あくまでこの場だけだ!
「ああ、気持ちよかった。」
「ならば、次はわらわの番じゃな。ふふ…ぬしのものは美味しすぎて濡れてきたわ。」
「初めてだろ…無理するな。」
俺は魔法を詠唱した。以前に習得したルーンを唱える。それが終わると急激に先ほどまで
余裕の表情だった彼女の表情が紅く染まっていく。
「お主…わらわになにをした。」
「ふん。俺だけじゃ不公平だろう。少し動いた指でルーンを書いて気持ちよくなる
魔法を唱えただけだ。」
「まあよい。ではお主を頂くとするか…。」
彼女は俺の上に乗り、モノを自分の子供のような秘所に固定すると一気に腰を下ろした。膜を感じる
間もなく、一気に奥まで突き入れられる。彼女の顔が苦痛に染まった。
「くっ……いっ…ぁぁぁぁぁぁ!」
魔王は荒い息をつき、痛みに顔を少しゆがめながらも顔を紅く火照らせて微笑んだ。
そして、徐々に動き始める。彼女の中は年相応に狭く、俺のモノを締め付けた。
「お、おい、無茶すんな。」
「…っ…心配…あっ…するな。……気持ちいい…か…?」
「ああ。」
彼女は頷くとリズムよく、腰を動かし始めた。魔法が聞いているらしく、潤滑油が
次から次へと溢れその声には少しずつ艶っぽい響きが現れている。魔眼がまだ効いていて
体が自由に動かないがそれでも腰をあわせるようにぎこちなく俺も動いた。
彼女の幼い肢体を汗の光で輝かせながら上下にうごめく。
「う…あ……気持ち…気持ちいいっ…止まらない…止まらないよっ!」
「いいぞっ…俺も気持ちいい。」
魔王の眼の焦点が少しずつ合わなくなってきたが、腰は強く、激しく動き続ける。
「俺はもう……我慢できない!」
「わらわも一緒に…一緒にっ…いくっあああっいくっ!!!」
最後に奥まで着いたとき、俺の上に乗っていた彼女の体が大きくそり、モノを締め上げた。
俺も、自分の分身を彼女の中に解き放った。
128:魔法技師と魔王様
07/06/18 18:49:45 B4K+wblB
暫く、放心したように二人とも息を切らせていたが、やがて、魔眼を解除してくれた。
体が自由に動くようになる。
「ああ、俺は道を踏み外してしまった…。ついにロリコンに…」
「ふむ…あの状態から魔法を掛けるとは。わらわも驚いたが気持ちよかったぞ。
やはりそなたはわらわの奴隷に相応しい。」
体を重ね合わせても、黒髪と勝気な瞳のその少女は全く変っていなかった。清楚と
妖艶さとを兼ね備えた笑みを浮かべている。俺は魔力をかなり奪われ、体はかなり
きつかった。
「……………」(お兄様からこの子の匂いが…)
ベルが起きた…ちょ、その木刀を下ろして!!
「娘よ。おぬしの兄はわらわの下僕に決まった。傷つけると許さぬぞ?」
魔王の少女がベルを睨み付けた。それもやばいよ魔王様。ベルも敵だと認識したのか
険悪な空気が流れ始める。
「……………」(お兄様、どういうことですか?)
「よし、とりあえずここから脱出するぞ。」
俺は問題を先送りにすることにした。
「ふむ…わらわが本気を出せばぬしから奪った魔力で壊滅させることはできる。
だが、生き埋めになってしまうな。」
「俺の仲間が、ある場所の地下で待っている。お前が壊滅させるのと同時に地下への
穴を開けてそっから脱出する。問題ない。」
「……………」(お兄様、後で説明してもらうから。)
俺たちは、初めに侵入した場所へと戻り、計画を実行した。
そして俺は、この生意気な少女が本当に魔王なのだということを悟らずにはいられなかった。
研究所はその八割が瓦礫へと変り、壊滅した。
129:魔法技師と魔王様
07/06/18 18:50:52 B4K+wblB
「っと、まあそういうわけでだ…シルビア。この子を保護せねばならんわけだ。」
俺たちはおやっさんの店へと戻っていた。勿論魔王も一緒だ。彼女は今、ベルの
替えの服を着ているが…だぼだぼで不機嫌そうにシルビアの膝の上に座っている。
シルビアは表情は真剣だが、魔王の頭を撫でてみたり、抱きしめてみたり忙しい。
暫く無言で黙っていたが…金髪縦ロールは突如乱心した。
「か、か、かわあいいいいいいいいい!!!何この子、かわいいよかわいいわよ!!!
うううう、持って帰りたい。美少女よ!超美少女よ!!!」
流石の魔王も困惑して嫌がって、じたばたしている。だが、シルビアの力は
俺より遥かに強いため、抱きすくめられて拘束されている。
魔王は結局俺たちと同じで宿に住み込むことになった。立場的にはベルと同じで
俺の助手だ。部屋も一部屋借り、俺が支払っている。
「あ、こら!人間!!わらわに気安く触るな!撫でるな!抱きしめるなっ!!!」
「で、カイ。この子なんて名前なの?」
そーいや…自己紹介もしてなかったな。
「なんて名前なんだ?」
「わらわには名前はない。魔王とは現象でありそういうものだ。」
「だけどなあ。折角だしあったほうが。」
「そうか………ならば下僕よ、お主に任せよう。光栄に思えっ!」
えばったその姿はシルビアの膝の上では全く威厳もなかったが、無駄に偉そうだった。
「魔王………じゃ、マオだ!」
「……………」(お兄様………あまりにも…)
若干ベルは呆れていたが、性格の悪い金髪縦ロールは大喜びだった。
「マオっ!!まおっ!可愛すぎるわ。カイもたまにはいいことするわね。」
「ふむ…マオか…。よし、それで。大事にしよう…。ありがとう。」
年頃の少女らしい、笑顔を俺は始めてみた気がする。その笑顔は可愛くて綺麗な
笑顔だった。いつもこーならいいのにな。
「小難しい問題はこっちに任せて…マオちゃんの歓迎パーティをしましょう。
おじさまお酒と料理いっぱい持ってきて!!
ああ、後…公爵の手から守るために、うちの養子で侯爵一族ってことにしとくから。」
どれほど浮かれていてもシルビアは為政者だった。おそらく、これも施設のことも
武器にして戦っていくのだろう。そして俺にできることは…。
「よっしゃー!!俺たちの新しい同居人、マオに乾杯だ!!」
明るく楽しく、友人たちと過ごせるように環境を作ってやることだけなのだ。絶望を
背負った魔王にも、国を背負った悪友にもひと時の休息を与えることができるように。
130:名無しさん@ピンキー
07/06/18 18:52:21 B4K+wblB
投下終了です。
次書く機会があれば冒頭で作ってる物関係に
なるかもしれない。
131:名無しさん@ピンキー
07/06/18 20:00:43 sSkhycOY
ロリ・ババア言葉・逆レ…
これさえあればあと100年は戦える!
投下乙でした!
132:名無しさん@ピンキー
07/06/19 02:46:13 6ttnaqE1
GJ
133:名無しさん@ピンキー
07/06/19 11:03:50 ChXR7X2r
>止まらない…止まらないよっ!
ここだけやたら少女っぽい言い方になってて萌えたw
続きを楽しみにしてますぞい
134:名無しさん@ピンキー
07/06/20 09:54:16 eEzj+cfW
お出かけ前に投下。
やれたら絶対にやりかえす。
そんな変態街道を突き進む魔法技師(21)の第四作品目です。
妹が空気になりつつ…
135:魔法技師のおしおき
07/06/20 09:55:32 eEzj+cfW
集中──一字一字、壁にルーンを刻み込んでいく。正確に一ミリの狂いもなく。
魔法のアイテムを作るのに最も技術を要する作業だ。
俺は今、二週間前拾った漆黒の長い美しい髪に勝気な同じく黒の瞳、きめ細かい白い肌を
持つ美少女の魔王─マオの部屋にルーンを昼夜問わず、刻み込んでいた。
時は二週間前に遡る──
俺たちが魔法施設で出会った日、俺は無理矢理襲われて人として大事なものを失った…。
それからというものシルビアの持ってきたゴスロリ服を器用に着こなした魔王様は、
「おい、下僕。わらわのお茶もってこい!」
「おい、下僕。わらわのお菓子もってこい!」
「おい、下僕。わらわを楽しませよ!」
「おい、下僕。わらわの背中を流せ!」
終始こんな調子である。無論、俺様言うことなど聞くはずないが喧嘩するたびに…
いやいや、男たるもの後ろを振り返ってはいけない。
それだけならまだいい。少しでも旗色が悪くなると、
「ベル~わらわをこの人が苛めるよ~えっちな目で見てくる~怖いよ~」
「……………」(お兄様!大人気ない)
このとおりベルに無表情で睨まれ件の魔王様はというと、背中の後ろから嫌みったらしく
わらって舌を出していた。騙されてるっ騙されてるぞ我が妹よ!!!
後日、マオに俺たちの序列についてどう考えてるのか聞いてみた。
わらわ>シルビア>ベル>宿屋のおっちゃん>>>>>超えられない壁>>下僕
………この腐れ魔王がっ!いつかお仕置きしてやるぜ!
俺は公爵にも侯爵にも喧嘩を売った男だ。魔王とだって喧嘩してやるぜ!
背中の上でご満悦の黒髪生意気美少女に心の中で中指を立てながら俺は復讐を誓った。
魔法技師はやられっぱなしではおわらないぜ。
二週間後、俺に復讐のチャンスがやってきた。シルビアから手紙が来たのだ!
この前、魔法施設潜入の仕事料として材料の提供を求めたのだがそれが届いたらしく、
忙しいので引き取りに着て欲しいというものだった。
俺はこれを機会に外を見てこいとそこそこの金額を持たせてマオをベルに護衛させて
シルビアのところへとお使いに出した。シルビアへは二週間くらい世話をしてやってくれと
手紙を書いておいた。やつはマオを気に入ってるから喜んで留めるだろう。
「ふん、下僕にしては気の効いたことをするな。ベル、よろしく頼む。」
「……………」(お兄様、いってきますね。)
ふっふっふ、喜んでられるのも今のうちだ。俺は一発殴られ三発殴り返さなかった
ことはないのだから。こら、子供相手に大人気ないとか言うなっ!
136:魔法技師のおしおき
07/06/20 09:57:17 eEzj+cfW
そして、現在に至る。マオの部屋に入った俺は突貫で魔法封じのルーンを壁に床に天井に
刻み続けている。そう、俺の勝てない理由の一つに絶対的な魔力の差がある。これを封じねば
勝ち目はない。さすがに中途な覚醒とはいえ魔王なだけあって施設破壊以来魔力の補充を
行っていなくても、絶対的に人間では勝てないのだ。
その上、歴代魔王の中に武術に長けたものが居たらしく力は普通の少女なのに簡単に
組み伏せられるのである。なんとかせねば…ということで、今回作っているアイテムの出番である。
さらに二週間のときが流れ、ベルとマオが材料を持って帰ってきた。それから
さらに一ヶ月の忍耐と屈従のときが流れ、ついにそのときはやってきた。
「ふ…ふふ……ふはははははっはははあはははは!」
「……………っ!!!」(お兄様だいじょうぶ?)
「完成したぞ。完成したぞ…。ついに理論だけしか研究者の中では完成しなかったものが!!」
隣で昼寝していた赤髪の妹…ベルは少し好奇心を持ったような眼で俺に聞いてきた。
「……………」(何この縄の切れ端…)
「複合魔方陣。通常ルーン────(一時間半)────という、素晴らしい
ものだ。わかったかっておい、ベル!寝るな!!」
「……………」(zzz)
秋も深まるこの季節、今日はやけに日差しが妙に暖かかった。
夕食後、俺とマオは彼女の部屋にいた。服の中には俺の努力の結晶が入っている。
マオはいつもどおり、勝気な目で俺を見つめている。
「なんじゃ?ついにわらわの下僕と認める気になったか?」
「ふん、お子ちゃまが悪いことしたらお仕置きするのが大人の責任なのだ。今日こそ
おしりぺんぺんしてやる。」
魔王ができるものかと不敵に笑う。俺もようやく仕返しができることへの喜びで
爽やかな笑みがこぼれた。決して邪悪ではない…と思う。
137:魔法技師のおしおき
07/06/20 09:58:07 eEzj+cfW
俺たちは同時に動いた。マオの美しい髪が靡き一瞬で俺との間合いを詰めて拳を放ったが
大雑把なその一撃を簡単にかわした。驚いたかっ。今日のために体術は本気を
出さなかったのだ。深慮遠謀という奴だなっ。せこいとか言うな!
攻撃をかわされたマオは俺の体術のレベルを把握し、魔法戦へと切り替えようとする。
<汝術使うことあたわず!>
「な、何!貴様っ!!」
今日のための準備その一だ。キーワードを唱えると部屋中から淡い光が漏れ、
マオの魔力を封じ込める。
「やるな、下僕の分際で…ふふ…面白い。それでこそわらわの下僕に相応しい。だが、
この程度でわらわを封じれると思うな。」
黒を基調とした大きなフリルの付いたゴスロリ服を着た魔王は部屋中に張り巡らされた
結界の中でも余裕の態度を崩さなかった。俺は初めてこちらから接近戦を挑んだ。
手には新兵器がある…。緊張で手に汗が…。幾度となく突きを放つが見切られ簡単に
かわされる。相手のカウンターの蹴りを後ろに飛んでかわしながら俺はわざとらしく
ならないように「それ」を投げた。
「それ」が魔王の手に掴まれる。
「ふ…これが主の切り札か。じゃがそれもわらわのもの。お主は下僕になる運命じゃ。
おとなしく降参するなら痛くはせん。」
「げっ!しまった!やばいっ!!」
俺は内心高笑いを上げながらもばれないようにルーンを唱える。魔王は獲物をいたぶる
猫のような目でそんな俺を眺めている…が、ここまでだ!!
<拘束せよ!!!>
俺の最後のルーンの言葉と共に縄の切れ端が全方向に一気に広がり、ゴスロリ生意気魔王を
完全に拘束した。首にかけた二つに束ねた縄を股間から背中に回し、正面の縄を開く
ように固定する。その際に胸のあたりに六角形を作る。さらには手首を固定し、足が
M字型に開くように縄で縛り上げられた。名づけて亀甲縛り改…この形に調整するのに
一週間余計にかかってしまった。
「こんなもの簡単に……何!切れん。わらわの魔力が……封じられている?」
焦るマオに俺は不適に笑って言った。
138:魔法技師のおしおき
07/06/20 10:00:46 eEzj+cfW
「人間様なめんじゃない。時間と条件さえあえば俺に勝てる奴はそういねえ。
その縄は何重にも魔法封じの結界を束ね合わせてしかも、縛ったときに立体型の
魔方陣になるように作ってある。本来のお前ならそれでも強引に切れるかもしれんが
今の結界で弱ったマオには確実に無理だな。さて、お仕置きしてやるぞ。」
「こ、こら下僕!へ、変態鬼畜っなんでこんな縛り方なんだ!卑怯だぞ!!」
「喧嘩に卑怯もなにもないっ!ついでに悪い子には体に教えさせるのが一番だ。」
防音の魔法も掛けているため、隣で寝てもらってるベルに声が漏れる心配もない。
俺は目の前でその豪華な服の華奢な体を亀甲縛りにされた彼女をお姫様抱っこし、
ベッドの上に上げた。縄からはみ出た服がなんともいえない。
何からするかは既に決めていた。ふっふっふ…
「あ、や、やめろっ!きゃははははっ!やめ…きゃはははっ!!!」
「こちょこちょこちょ~大笑い地獄だっ!」
俺はマオが動けないのをいいことにくすぐりまくった。制止の声も聞かず、ひたすら
続ける。彼女はそれでも俺を罵るのをやめなかったので手を止めた。
マオは俺を少しだけ涙を悔しそうににじませた眼でそれでも綺麗な目で俺を睨んでいた。
そんな縛られた彼女の上に体重がかからないように気をつけてかぶさる。彼女は
少しとまどったように眼を泳がせ、
「な、今度は何をする気だっ!この下ぼ…んんっ…ちゅ…じゅる…!」
「ふぅ……ちゃんと、俺を名前で呼べるように気持ちのいいお仕置き。」
優しく深くキスをすると顔を紅く染めながらそっぽを向いて、
「ふんっ!何をされてもわらわは負けはせぬ。」
「この間は魔眼でやられっぱなしだったからな。魔力は封じてあるし、今日は反対に
俺が気持ちよくしてやる。」
縛られていて脱がせにくい複雑な服をなんとか胸元だけはだける。
もう一度軽く左手を頭に回して少し髪の毛の柔らかい感触を撫でて感じながら
キスをし、右手で微かに膨らんでいる柔らかな胸を愛撫しながら乳首を少しつまんだ。
マオは色っぽい声をあげ体がびくっと震えて感じているのを確認し、唇を離して
半妖精のようにすこしだけ尖った形のいい耳を甘噛みする。
139:魔法技師のおしおき
07/06/20 10:01:42 eEzj+cfW
「ぁ…っ…………ぃゃ…」
「随分気持ちよさそうだな。」
「ぁ…わらわは…別に…気持ち…よくなんかない。」
言葉と違う不安に戸惑う初々しい表情に、強すぎるために攻められることが少なく、
あまり優しくされることに耐性が無いことがわかり、俺は嬉しくなった。
唇は耳から首筋へとゆっくりと下っていき、必死に顔を真っ赤に上気させながら
眼を瞑って耐えるマオを横目に唇は乳首に到達した。舌で乳首を転がすように愛撫し、
手は太ももから股間へと這わせた。
「っ!!!!~~~~~~~~っ!!」
凄い反応だった。秘所に触れた途端、縛られて動けないせいで体全体で撥ねた。
眼をあわせられず、上を向いて息を細かく吐きながらそれでもマオは声をあげずに
耐えていた。時間を掛ければ…そう思わないでもなかったが…俺は悪魔の囁きを選んだ。
俺は下着の上から感じる部分を探し出し、そこを重点的に責めながら耳元で言った。
「マオ…我慢できなくても仕方ないんだ…。この前の魔法がかかっているんだ…。」
「……魔法のっ……せい……っ?」
「そうだ。だから声がでてもマオのせいじゃない。」
耳元で話しながら軽く耳を噛んだ。同時にちゅく…と、水音を少し立てるように
強めに押した。
「っぁ~~っ~~~ああっ!!
ついに黒髪の少女は我慢できずに声をあげて軽くイった。荒く息をする彼女の
頬に手をふれる。彼女は真っ赤な顔で上目遣いでう~っと俺を睨んだ。
「わらわは、お、お前に気持ちよくされたわけじゃないっ!魔法の、そう魔法のせいなんだから!」
「そうか、まだお仕置きが足りないようだな。」
「えっいや!ま、まて…あっそんなとこっ舐め…」
全部を聞かずに下着をずらし、全く生えていないそこに頭をつけて先ほど指で確認した
秘所の弱い部分を舐めて責め始め、殆ど縦筋の少女らしいそこを割って執拗に舐めた。
口に愛液の味が広がり、女を俺は感じていた。
「や、やめてっ…いやっ、そんなとこっ…舐めるなんてっ……気持ち……!」
「…お前のここ…綺麗だぞ。気持ちいいか?」
「……よくない…っ……あっ!!!」
抵抗しようにもM字型に魔法の縄で縛られた足は動かせず、なすがままに俺に
嬲られている。
「じゅ、ずずずずっじゅる」
「もういやあ…吸わないでっあっ…~~~~いくっ!!!!」
止めとばかりに皮をむいて剥きでた豆に軽く歯をあて、舐めるとぷしゃっと顔に
生ぬるい愛液を俺に浴びせた。魔王の顔を見ると、それでも勝気な表情は崩さず
少し弱くなりながらも負けるものかとばかりに見つめていた。
140:魔法技師のおしおき
07/06/20 10:03:11 eEzj+cfW
「降参するか?」
「だ、誰がっあんたなんかに!」
「じゃ、お仕置き続行だな。」
今度は指を入れた。初めは一本の指の出し入れをゆっくりと始める。
「ぁ……」
二回目が達したばかりで敏感になっているのか、軽く入れているだけでも体が
びくびくと震える。マオの中は狭い、あまりやりすぎると痛みのほうが強くなるので
二本で止めることにし、ゆっくりと出し入れしつつ反対の手でクリトリスを弄った。
「聞こえるか…指を入れるたびにするマオのやらしい音が。」
「わ、わらわは……っ…感じてなど…そう、お前の…魔法のせいだっ……っ…卑怯だぞ!」
「気持ちはいいんだな。そうだよな、こんなにぐちゃぐちゃだもんな。」
「馬鹿っ!いうなあ!」
口で羞恥心を煽りつつ、俺はどんどん指のスピードを上げていく。中の気持ちのいい場所も
完全に把握し、そこを重点的に激しく攻め立てた。高い水の音が部屋に響く。
「ああっ…気持ちいいっ…もっと…ああ…いやっ駄目っ…やめてやめてやめて!」
「どうした?気持ちいいならやめなくていいんじゃないか?」
なんとなく原因はわかっていた。さっきから快感とは違う震えを感じていたからだ。
縛られているため動けないがそれでも逃れようともがく。もちろんそれを許さずに
俺は指のスピードをさらに上げた。
「いやあ!ごめんなさい!!全部謝るからっ謝るからっやめてええええっ!」
「すまん、聞こえないな。ちょっと耳が遠くなった。」
「だめええええええっ!!!」
懇願に耳を貸さず激しく両手で責め続けた。そうすると激しく痙攣した後、
ぷしゃ~~~~と、潮ではない黄色い水が放物線をかいて垂れ流された。マオは
羞恥で泣きながら呻いた。
「う……うう、全部…魔法のせい…」
「俺は魔法なんてかけてない。全部嘘だ。感じて声をあげたのも気持ちいいって
いったのも、謝ったのもおもらししたのも、ちゃんとマオだ。」
暫く呆然と俺を彼女は見ていたが、やがて、徐々に涙目になり感情が暴走したように
泣き始めた。さすがに俺もうろたえる。ちょっとちょっと?
「う…えぐ…うわああああん!ひどい、ひどい!!いじわるいじわるいじわるっ!!!」
「おい、わかったお仕置きはもうやめるから…な、泣くなっ」
「大体、わらわは悪くないのにっ!わらわも構って欲しいのにいっつもいっつも、
ベルばっかり構って!!寂しいのに隣から毎日仲良くしてる音が聞こえてくるんだ!!
少しくらい仕返ししたって悪くないだろぉっ!うわああ~~馬鹿馬鹿馬鹿!!」
「そ、そうか…。」
あれは甘えてたのか…。
「甘えたいならわかりやすく甘えろ。お前は可愛い。邪険にしない。今後もっと
俺も気をつけるから……な?」
「うん……」
俺はマオの柔らかくてさらさらとした黒髪を撫でながら優しくキスをした。
彼女は俺に嬉しそうに笑った。
141:魔法技師のおしおき
07/06/20 10:04:31 eEzj+cfW
「お前も……わらわに…その…していいぞ…」
「いいのか?」
「うん………最後の以外わらわに優しくしてくれたし……」
「じゃあ、せめて…名前で呼んでくれよ。下僕じゃなくて。俺は誰の下にも付かないんだ。
公爵だろうと侯爵だろうと皇帝だろうと魔王だろうと…。なれるのは友達だけだ。」
「わかった。わらわも…すまなかった。」
いい加減、俺も限界だったのですぐに挿入した。二度目のそこはかなり濡れているのに
未だに狭く、押し返すような抵抗がある。俺はあまり大きくない胸を愛撫しつつ、負担を
かけないようにゆっくりと動き始めた。
「あっ……わらわに入ってくる……カイのが……。」
「痛くないか?」
「大丈夫。動いて。」
本当に表情に痛みが出ていないことを確認し、俺は激しく動いた。今回は、愛撫で
気持ちのいい場所はわかっているのでそこを擦るように気をつけた。
「んあっ!!カイ…カイ………気持ちいいよっ………」
マオの顔が勝気で小生意気な少女から魅惑し快楽に溺れる美しい女の顔に変っていく。
それを見ながら俺の興奮も否応なく高まっていった。
「もっと!…わらわをもっと突いて!カイ……好きっ…大好きっ!!」
限界が近づいてきていた。マオの反応も近いことを察した俺はラストスパートを
かけ、マオのちいさいあそこを壊す勢いで突いた。
「カイ凄い!……いい……すごいっ……もうだめっ…いく!…カイも一緒にっ!!」
「ああ。俺ももう…」
「いや……気持ちよすぎて…何も考えられない…っあっいく~~~~~~~あ~っ!!!」
最後に一突きして俺は精液をマオの中に出した。びくんびくんと俺のモノが中で震えるたびに
マオも小さく痙攣する。
縄の魔法を解くと、力尽きたようにぐったりとベッドに横たわる。
俺はマオを抱きしめて口付けした。彼女は花びらのような笑顔でくすくすと笑った。
「酷いお仕置きじゃった。ほんとに滅茶苦茶な男だ。」
「マオが可愛いから調子に乗ってしまった。」
「~~~っばかっ!」
ぽかぽかと胸倉を叩くマオに俺は微笑んだ。
「酷いことしてごめんなさい。素直じゃなくて…ごめんなさい。」
「俺も悪かった。これで…仲直りでいいか?」
「そうだな…後は…今日はわらわと一緒に寝てくれ。」
「了解だ。お姫様。」
俺はマオの髪を優しく撫でて腕枕をしてあげて眠った。
142:魔法技師のおしおき
07/06/20 10:05:11 eEzj+cfW
翌日、朝食にはシルビアも来ていた。魔法施設事件にようやく蹴りがついたらしい。
だいぶ自分に有利に進めたらしく来たとき、彼女は随分機嫌がよかった。だが今は…
「ふんふんふん~♪おい、カイ!口をあけろ。わらわが食べさせてやろう♪」
俺の膝の上にはシルビアから送られた青を基調としたゴスロリ服を完璧に着こなした魔王様が
ここは自分の玉座だといわんがばかりに鎮座していた。そして、ベル向けられる殺意の視線。
シルビアからは説明を求める怪訝そうな視線。
「さて、カイ……これはどういうことですの?」
そういったのは金髪縦ロールの侯爵、シルビアだ。彼女はまるで犯罪者を見るような
目つきで俺と魔王の微笑ましい食事風景を眺めている。
「……………」(お兄様?)
無表情でこちらを睨みつけているのは赤髪に、豹を思わせるようなしなやかな肢体を
持った少女。妹のベルだ。背後に本当に豹が見える。
「これはだな。話し合いの結果、下僕じゃなくて友達になることにきまってだな…。」
「うむ、カイがわらわを思いっきり可愛がってくれたのじゃ。上手かったぞ。
何度もイカされてしまった。」
空気が凍った。
と、おじさんは後日語った。
「……………」(お兄様…覚悟はよろしいですか…)
「カイ……貴方……こんな年端のいかない美少女を……ずるいわよ!」
「勘弁してくれベル…。シルビア…お前それはどうなんだ。」
「そうカイを責めるな…こやつはいい男だ。仕方がない。はじめは下僕にしようと思ったが
気が変った。カイをわらわの伴侶としようじゃないか。ほら、むちゅー」
そういって、ご機嫌な笑顔のマオは膝の上で体の向きを変え俺にキスをした。
俺の寿命は………間近に迫っていた。
143:名無しさん@ピンキー
07/06/20 10:10:13 zUDsdmTk
gj
144:名無しさん@ピンキー
07/06/20 10:12:14 eEzj+cfW
投下終了です。
145:名無しさん@ピンキー
07/06/20 10:26:04 VgjCoKDp
グッド・・・
146:名無しさん@ピンキー
07/06/20 10:40:16 2SInayWm
GJ
あんたラノベ書けるよ
147:名無しさん@ピンキー
07/06/20 18:48:08 EINy5Q6a
もうグッドエンドなのかバッドエンドなのかw
ってかマオのキャラがおいしすぎるって…
こんなに読んでてハマる作家は久しぶりだぜ
148:名無しさん@ピンキー
07/06/20 21:04:02 y1OVFeOi
マオたんがかわいすぎる件
149:名無しさん@ピンキー
07/06/21 00:24:01 ur5PGE21
マオと言われるとクレアァァァァァァァを思い出すが
何、気にすることはない
150:名無しさん@ピンキー
07/06/21 18:24:50 PFQfpj7w
魔法技師、第五弾投下します。
今回は前後編です。
そろそろスレが落ちそうですね。
それまで頑張ろう…。
151:魔法技師の賢者様入門
07/06/21 18:26:28 PFQfpj7w
「おっちゃんっ!この秘薬500にしてくんないか?」
「困るよ~カイ。あんたはいつも気前よく買ってくれるがそいつは1000するんだ。」
「じゃ、こっちの魔石も買うからさ~。まけてくれよ~。」
「わかったわかったよ!だが、その魔石とあわせて1100だ。これ以上まからん!!」
「しゃあねえな。じゃそれで。」
前回の魔法アイテム作成で道具を作るのに必要な秘薬を使い切った俺は、ベルがシルビア
の護衛として出かけ、マオはその魔王としての習性(?)からか宿屋周りのスラムの悪党どもを
手下にするのに忙しいらしく、俺は一人で買出しに来ていた。値切りも成功しほくほくだったのだが…
そんなときだ。
「ち、近づかないで下さいぃ~~」
声がした方向を向くと、路地裏でくすんだ帽子をかぶった金髪の汚れた華奢な少年が
三人のごつい男に絡まれていた。
まあ、男なら自力で何とかしろと俺は通り過ぎようとしたが、
「そ、そこの格好いいお兄さん、お願いですから助けてください!!」
「格好いいっ!!!………しょうがないなあ。」
なかなか見る目のある少年を俺は助けることにした。正直な奴だ。
「おい、やめとけ。この辺の奴なら俺を知らないわけないだろう。」
「「「ぐる…ウウウウウウウウウウウ…」」」
自慢じゃないが俺はこの辺りでは顔が利く…が、どうも変だ。この男たちは…
「ヤクか?」
理性が残っていないらしい。操られてるのか…当身をあてても気絶せず、逆に暴れられて
俺は壁に叩きつけられた。
「ごふっ……こいつらなんだ…」
「お兄さんっ!!!」
「心配すんな。格好いい俺様がこんな三下に負けるわけないだろうが。」
にやりと笑って詠唱を始める…眠りの魔法だ。三人には微弱ながら魔力の波動を感じた。
時間さえあればそれもぬけて元に戻るだろう。俺は三人を順番に眠らせると助けた
少年に向き直った。彼は憧れの視線で俺を見つめて礼儀正しく頭を下げた。俺は軽く
もう大丈夫だと頭をぽんぽんと叩く。
152:魔法技師の賢者様入門
07/06/21 18:27:15 PFQfpj7w
「おい、坊主。あんなとこに行くと危ないぞ。」
「助けていただき有難うございます。急に襲われて…。」
「なんか変だったな。こいつら。」
「僕が声をかけたら急に………お兄さんはなんともなりませんね。」
不思議そうに言う少年。
「俺は特別だからな。格好いい男はあんなふうには理性を失わないんだ。」
脳裏にシルビアが嘘付けっ!!と叫ぶ映像が浮かんだが無視する。
「まあなんだ、なんでこんなとこに。ここはスラムだぞ。お前さんいいとこの出だろ?」
少年は汚い身なりながらも丁寧な礼儀と仕草を持っていた。この辺に住むものとは明らかに違う。
「その迷い込んでしまって……フォン・シュタインベルグ伯爵……という方を探しているんです。」
「シュタインベルグ……シルビアか。いいぞ、会わせてやる。」
「え、伯爵をご存知なんですか!?」
少年は驚きと尊敬の視線を向けて叫んだ。俺がもし嘘言ってても信じそうだなこの子。
「この強さ……僕の魔力が効かない……そして、魔法の上手さ……貴族との人脈……まさか賢者様っ!!!」
「賢者?なんじゃそら。シュタインベルグは侯爵だ。まあ、親戚かなんかだろ。
ほらこい…夜あいつは遊びに来るからその前に風呂はいっとけ。」
俺は少年の帽子の上から頭をぐりぐりやると、荷物を持って宿への道を再び歩き出した。
「け、賢者様!なんですかこれは!?」
どうにも厄介な奴を拾ったようだ。おやっさんに風呂を借り、入るようにいったのだが
どこまでも世間知らずなのか、少年はシャワーの存在すら知らないらしい。仕方ないので俺が
風呂に入れることにした。なんか構ってやりたくなる少年だ。
153:魔法技師の賢者様入門
07/06/21 18:28:10 PFQfpj7w
「しょうがねえな。今日は一緒に入ってやる。」
「え、でも…賢者様…」
「ほら、さっさとしろ。使い方も教えてやる。」
「わ、わかりました。先入っていてください!すぐ行きますっ!」
シャワーを少し浴び、湯船に使っていると少年が入ってきた。
「お前…なんで胸までバスタオルで覆ってるんだ?」
「えっ…だって…。」
「まあいい、そこ座れ。シャワーは蛇口を開けば水が出るようになってる。」
「へー便利ですねー。」
俺は小さい椅子に少年を座らせると髪用の洗剤を頭につけて洗ってやった。
彼はくすぐったそうに身を少し竦める。
「帽子かぶってたから判らなかったが…お前、髪長いな。それに……綺麗な色だな。」
「そ、そうですか?」
髪の毛をわしゃわしゃと後ろから洗ってやり、洗い残しのないように丁寧に仕上げていく。
くすんだ色は完全に落ち、残ったのは一本一本まるで一流の職人によって作られたかのように
美しく、光り輝く金色の髪だった。男にしとくの勿体無いな…。
「じゃ、次は体だな。そのタオル取れ。」
「ええええっ!賢者様!僕一人で洗えますよっ!!!」
俺は少し笑って恥ずかしがってる少年に言った。
「うちは、女ばっかだからなあ。たまには弟みたいな奴に構ってやりたかったんだ。」
「で、でも…」
「いいから取れっ!男同士で恥ずかしがることないだろっ!!」
ばっ!と少年のタオルを強引に取り上げた。女のような真っ白な肌に…………
少し膨らんだ胸…………下は…………ついてないっ!!!!」
「~~~~~~~~っ!!!」
少年…もとい、少女は全身を真っ赤に染めて俯いていた。
154:魔法技師の賢者様入門
07/06/21 18:29:00 PFQfpj7w
風呂から上がった彼女にサイズ的にあいそうなマオの白を貴重としたゴスロリ服を着せると、
そこには美しい流れるような金色の髪、澄み切った湖のような水色の瞳、庇護欲を誘う
弱気そうな態度……どこからどうみてもお姫様な少女がいた。
「事情を聞きたいな。俺はカイ。カイ・リスターだ。」
「えっと…僕は…その…まだ名前がないんです…。」
なんかこんな話前にもしたような…。俺は脳裏に浮かぶ勝気な黒髪美少女を浮かべていた。
「名前がない?」
「えっと…笑わないでくださいね……僕……勇者なんです。」
俺はこめかみを押さえた。最近、超常現象に好かれているんだろうか…。嘘を言っている
ようにも思えないし、タイミングがよすぎる。しかし、なんでお姫様っぽい目の前の少女は
一人称が僕なんだ…。ギャップが…。
「じゃあ、君の事はユウって呼ぶことにする。いいかな?」
「はいっ!賢者様!!」
マオのときと同じように、名前を付けてあげると彼女は清らかに微笑んだ…何故だろう…
俺にはこの子の笑顔がまぶしすぎるぜ。
「で、賢者様ってなんだ?」
「あ、はい、順を追って説明しますね。」
説明の内容は大まかにこんな感じだった。勇者は魔王が生まれると発生し、十年間
勇者として戦い、魔王を倒すか死ぬか任期を終えると人間となる。記憶は次の勇者へと
受け継がれていく。今回は何故か五百年経っていないにも拘らず復活してしまった。
「しかし、さすが賢者様。僕の説明を聞いても全然動じないなんて。」
美しい金髪の少女はまるで少年のような口調で尊敬のまなざしを俺に向ける。
155:魔法技師の賢者様入門
07/06/21 18:29:54 PFQfpj7w
「で、それで?」
「えっとですね…歴代の勇者は魔王を倒すと時の権力者に酷い目にあわされてきたんですよ。」
「そりゃそうだろうな。」
わからなくもない。権力者にとっては自分を脅かすものは全て敵だ。魔王を倒し、人望と
名声を極めた勇者など邪魔なだけだろう。
「で、僕の先代の勇者は一緒に戦った賢者様と恋仲だったので隣国……今のこの国に逃げたんです。
魔王に一族を殺されていた老シュタインベルグ伯爵は彼らを喜んで迎え入れて養子にし
ました。ここで勇者としての記憶は無くなってますが…。賢者様がいなければ、
また、不幸は繰り返されていたに違いないんです!!」
要するにあれか…シルビアは勇者と賢者の子孫ってことか。あの剣術の天才、ベルと
並ぶ剣の腕前と俺に少し劣る程度の魔力、剃刀のように切れる頭は……。
「そこまでは、理解した。で、なんで俺が賢者なんだ?」
「それは…。魔法力といい僕を助けてくれた格好いいところといい優しいところといい
…そのあの…素敵だったから……ごめんなさい……勝手なこといって…ご迷惑ですよね。」
白いゴスロリ服を着こなした金色のお姫様は紅くなって俯いて搾り出すように呟いた。
俺は素直には喜べなかった……マオが中途で復活し、十代前半の容姿だったように
この少女も同じくらいだったから……ようは、年齢射程圏外だった。泣くぞ。
だけど、俺はおくびにも出さずに少し微笑んでこの可愛い少女の頭を撫でた。
156:魔法技師の賢者様入門
07/06/21 18:31:01 PFQfpj7w
「ふむ……そういうことでしたの。」
早めに晩御飯を食べにこちらに来ていた金髪縦ロール貴族、シルビアは金髪美少女…
ユウから聞いた説明を俺から聞き、そう独白した。
ユウは水色の綺麗な瞳に困惑の色を浮かべながら、シルビアの膝の上で彼女に抱きしめ
られている。
「しかし、マオといいユウといい………なんで、こんなに可愛いのっ!!」
「にゃぁ~~胸触らないで!いや、僕を放してくださいぃぃぃぃ!」
「ふふ、大丈夫ですわ。痛くしないから♪」
「ぼ、僕は賢者様のものなんです~~~」
「カイのセンスはいいわね。やっぱこの子には白が似合うわ。」
「話し聞いてくださいよぉ…」
もはや、ユウは半泣きだった。ほんの少しシルビアにも似た彼女は抱きしめられていると、
年の離れた仲の良い姉妹にも見える。だが、微笑ましい光景は長くは続かなかった。
「カイっ!!!今帰ったぞっ!!!」
勢いよく宿の扉が開き、美しい黒髪に生気に溢れた勝気な黒い瞳の12.3歳の少女が
飛び込んできた。マオは中に入るとまっすぐ俺に向かってきて首に手を回して抱きついた。
俺はそんな彼女の頭をやさしく撫でた。
「ただいま。わらわは寂しかったぞ~。ほら、ただいまのキスだっ!!」
軽く触れ合うようなキスをかわし、マオは俺の隣の席に座った。シルビアの膝の上に
いた勇者の美少女は拘束から抜け出して、驚いたようにマオを見た。
「なっ!!!!貴女は魔王っ!!!!」
「むっ、その汚らわしい雰囲気は……貴様!勇者かっ!!!!」
犬猿の仲より仲が悪そうな二人の出会いに苦笑しつつ、なんとか取り持つために俺は
動き出した。今日も長い一日になりそうだった。
157:名無しさん@ピンキー
07/06/21 18:31:56 PFQfpj7w
投下終了です。後半もなるべく早めに。
158:名無しさん@ピンキー
07/06/21 20:10:48 1q1h64ie
またロリキター!毎度乙です!
159:名無しさん@ピンキー
07/06/21 21:13:49 288rhihi
GJだからスレ落ちるとか言わないでw
160:名無しさん@ピンキー
07/06/21 21:17:47 UbjGyXKA
カイ入れ食い杉ww。
ともあれ期待!
161:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:03:22 ur5PGE21
狂戦士、ツンツン、わらわ、僕っ子
これほどドツボな作品はなかった
褒めて遣わすぞ!カイ殿
162:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:23:12 MjywH0B9
妹も含めて、ろりぃ3連星の結成だな。
163:名無しさん@ピンキー
07/06/22 17:41:28 7cOfSVC2
>>157
お前になら、墓まで持ってく予定だった俺のアナル処女を捧げても後悔しない
164:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:43:24 e0aSR8Vo
魔法技師、後編投下します。
たまに絵が描けたらいいのに…
とか思ってます。
今回は空気な妹ですが次書く機会があれば
主役にしたいです。ちなみに妹18歳。
165:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:45:01 e0aSR8Vo
シルビアは公爵主催のパーティに参加するため、再びベルを護衛として伴って出かけて
いった。止めてからいって欲しかったのは秘密だ。
宿のほかの客に被害を出すわけにもいかないので、少し前に全力でマオと戦うために
思いっきり強化した彼女の部屋に移動し、俺を挟んで黒いゴスロリ服の美少女と白いゴスロリ服の
美少女はにらみ合っていた。
「勇者…貴様は毎度毎度わらわの邪魔をしよって…」
「魔王の野望はぼ、僕が止めるんだからねっ!」
「お前ら仲良く出来ないのか?」
全くかみ合っていない二人の会話に苦笑しつつ、俺は司会進行をすることにし、
「まずだ、ユウ。お前の目的はなんだ?」
「世界制服を目論む魔王を倒して世界を平和にすることです!」
「じゃあ、マオお前の目的は?」
マオは珍しく少し考えていたが、やがて自信満々に胸を張り高らかに宣言した。
「ふふん、世界制服など下らぬことはせぬ。カイを伴侶にして我が友たちと面白おかしく
過ごすのがわらわの崇高な目的じゃ。」
可愛いことをいうマオの頭を撫でると、猫のように目を細め気持ちよさそうな表情になる。
そんなマオをユウはむーっと少し膨れてみていた。そして、
「だめです。賢者様はこれから僕と一緒にいるんですからっ。」
「ふん、今日会ったばかりの貴様に何がわかる。わらわとカイはお互い知らぬところは無い
男と女の仲じゃ。お子様な貴様の入る隙間などどこにもないわ。」
「お子様は貴女もでしょっ。ぼ、僕だって……それくらいできますっえいっ!」
油断した。気がついたら綺麗な水色の瞳が目の前にあり、柔らかい唇の感触が
数瞬遅れて頭に認識された。金髪の美少女は真っ赤になりながらマオを勝ち誇ったように
見つめている。
「勇者~~貴様~~~!」
まずい、マオの魔力が…暴走する…。
<汝ら術使うあたわず!!>
「カイ…止めてくれるな。」
「だめだ。それよりマオ…彼女は俺を賢者だといっている。が、俺はそんな柄じゃない。
お前から見た賢者はどんな奴なんだ。本当に俺に似てるのか?」
マオは先代の記憶を思い出し、憎憎しげに言葉を吐き出した。
166:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:46:48 e0aSR8Vo
「前回は奴一人に負けた。わらわは人間の統治や戦略戦術を研究し、順調にことを
進めていたんだ。勇者の特殊能力の<カリスマ>も上手く使いこなせなければ、烏合の衆
だからな。あの賢者はそれを最大限に利用し、効果的に扱い、戦力で勝るわらわの軍を
打ち破っていった。時には謀略で仲の悪い将を自滅させられ…そして、最後の戦いでは
わらわと戦う前に、兵力の半数をわらわに『殺させるため』に戦わせた。あやつは、
それでも顔色一つ変えず…魔物よりよっぽどたちの悪い人でなしであったわ。」
俺はマオのほうを向いていたせいで反応できなかった…。ユウが人間業とは思えない
強さの攻撃をマオに加えていた。不意を撃たれたマオは対応できずに気を失い、ユウは
彼女に止めを刺そうとして……そこでなんとか割り込めた。
ユウは水色の瞳に冷然たる殺意を込め見下ろしている。
「賢者様…そこをお退きください。」
「断る。マオを殺すつもりなら…俺は全力で君に敵対する。」
「何故です。彼女は魔王ですよ?」
「友達だからだ。俺は友人を守るためなら国だろうが世界だろうが戦うんだ。」
彼女は少しだけ表情を緩めて微笑んだ。
「やはり似てますね…。先代を助けるために自分を傷つけていったあの方に。中途半端な
復活で上手く制御の出来ないカリスマが効かなかったとき、もしやと思ったのですが…
だけど、僕はやらないと。それが僕の使命だから…僕はそれしか存在意義がないから。」
目の前の美しい少女は悲しそうに笑い、殺気を噴出した。俺は懐に入れている魔法の
薬の瓶に手を当てる。
「意義なんて作ればいいんだ。大体、お前のはマオへの八つ当たりだろう。羨ましいんだろう?
一人は寂しいんだろう。俺が一緒にいてやるから馬鹿なことはするな。」
「…賢者様ありがとう…でも、僕…ごめんなさい。」
「ちっ、聞き分けの無い子供にはお仕置きだ!」
俺は美しい金色の髪の少女を強引に抱き寄せて無理矢理唇を合わせ、舌を中に入れた。
暫くは驚いて抵抗していたが腕の中でユウの力がゆっくりと抜けていく。
「やめる気になったか?やめないならもっと酷いことするぞ?」
「や、やめません…。」
「意地っ張りめ!」
俺は魔法の薬の入った瓶の蓋をあけて口に含み、もう一度唇を奪った。俺の舌を通じて
薬品が雪のように白いユウの喉を通り過ぎていく。
「んむ~~む~~~っ!……ごほっ……ぼ、僕に何をっ!」
「これで最後だ。馬鹿な八つ当たりはやめるんだ。」
「僕は…やめないっ。やめたら何にもなくなっちゃう…賢者様も魔王に取られちゃう…
目的も何もなくなる…僕は…いやだ!絶対いや!!」
俺は黙って強く抱きしめると暴れて叫ぶその唇を三度塞ぎ、そのままベッドにその華奢な身体を
押し倒した。金色の美しい長い髪がベッドに広がり水色の瞳が困惑に揺れる。
167:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:48:53 e0aSR8Vo
「け、賢者様……何を……。」
「これからユウを俺のモノにする。」
「え、え……?」
俺は可能な限り冷たい声を意識して、耳元で囁く。
「ユウを犯す。」
俺の囁きを聞いて、ユウの身体が緊張で強張った。水色の瞳が困惑から怯えの色に変る。
記憶が受け継がれる以上、そういう記憶もあるのだろうが無理矢理されたことはないのだろう。
それに今の身体では初めてのはずだ。
「俺はユウの賢者じゃない。君が殺そうとする限り今はマオの味方だ。」
話しながらも俺は彼女の腕や脚に弱体化のルーンを施していく。
「どんな犠牲を払っても誰が傷ついても俺はマオを守る。君だって例外じゃない…
貴族だろうが勇者だろうが…。」
「そ、そんな…。」
彼女は信じられないようなものを見るような顔で、少し涙を流しながら呻いた。
俺はそんな彼女の涙を指で拭いて少し優しめの口調で、
「だけど、ユウがマオを許してあげられるなら俺はユウも同じように全力で守ってやる。
一緒にいてやる。まだ、あいつは何も悪いことをしていないし…許してやれないか?」
ユウは暫く黙って考え込んでいたが、やがて口を開いた。
「うん…。僕…マオが悪いことするまでは…我慢する…。」
「よし、いい子だ。えらいぞ。」
安堵の息を俺は漏らした。マオを守るためとはいえ、正直あまり手荒なことを幼い
少女にしたくは無かった。そんな俺を、水色の瞳がじっと見つめている。
「約束だ。俺が絶対に守ってやる。」
「ね……カイは賢者様じゃないんだね。」
「そんな堅そうな人間に見えるか?」
「違うけど…少し似てる。ね…カイは否定してたら…本当にしてた?」
彼女は真剣な表情で、俺の目を心中を全て覗こうかというように見ている。俺は
正直に頷いた。
「ああ。さっき飲ませたのはそのための秘薬だ。刺激を与えれば、身体が火照って
どうしようもなくなる。最悪、俺の言うことを絶対拒めないように奴隷にするつもりだった。
それも今から解呪してやる。少しま…」
最後まで言い終えることなく、俺の首に手を回したユウによって口を塞がれた。さらさら
した綺麗に光る前髪が俺の顔にかかる。少し離した彼女の顔は…笑顔だった。
168:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:50:36 e0aSR8Vo
「僕…マオが羨ましい。僕……魔王かどうか置いておいてもあの子には負けたくない。
初めてで…いつもより身体が小さくて…怖いけど…。僕はちょっと怖くて…でも、真剣に守って
くれるお兄さんをマオより大事にしたい。主人と奴隷でも…繋がる絆が欲しい。」
「そんなことしなくても、俺はお前を守るよ。身体は大事にしろ。」
「違う!僕は……僕はお兄さんが好きに…なっちゃったから…だから…僕をお兄さんの…
お兄さんのものにして欲しいの。」
ユウはその整った美しい顔で眼を潤ませて必死に訴えていた。縋るように…。
俺は拒まずに優しく彼女を抱き寄せ軽く唇をかわす。最近どうも流されやすく
なった気がする…。なんだか嬉しそうな小さな少女に微妙な罪悪感を覚えながら、脱がしにくい
服をゆっくりと脱がした。
金色の川の上に浮かんでいる無垢な少女の肌は、白く一つのシミも無い。胸が少女らしい
なだらかな曲線を描いており、この年代特有の愛らしさに満ちている。
誰にも触れられることのなかったその身体は、これから起こることの興奮で微かにピンク色に
染まっており、俺は左手でユウの頭の下に手を入れると少しあげて、薔薇色の唇にキスをした。
先ほどとは異なる、奪うのではなく快感を与えるキス──貪るのではなく慣れていない
ユウをリードしていく。口の中を確かめるように舌で探索していった。
「ん…ぴちゃ……あっ…んんっ!!」
「ユウ…キスでイったな。薬が効いたか。」
「はぁ……はぁ……僕、頭が真っ白になっちゃった…お兄さんのキス凄い…。」
「契約のキスだ。これからユウは俺だけのものだ。」
「うん…僕はカイ様のもの…」
陶然とした表情で目の前の美少女は呟き、微笑む。俺は彼女の幼い肢体をゆっくりと
唇で味わいながら、彼女を覆っている下着を剥ぎ取った。唇がふれるたびに彼女は
身体を細かく震わせながらも感じているのが恥ずかしいのか、顔を手で覆っている。
身体は快楽をちゃんと感じることが出来ているらしく、幼い胸にちょこんと乗った
乳首が自己主張するように立っていた。
「いや……僕…恥ずかしい……」
「……やめようか?」
「え…?」
「無理矢理って俺の主義じゃないんだ。続けるならちゃんと言ってもらわないと。」
あえて判ってて俺はいじわるそうに笑った。ユウは泣きそうになりながらも俺に
必死にしがみつき鈴のなるような綺麗な声で、
「お、お願いします。もっと…僕を…きちんとカイ様のものにしてください…。」
い、いかん…頭がくらっときた。
全力で襲い掛かってしまいそうなのをかろうじで堪え、胸を口で乳首を転がすように
愛撫しながら、少しだけ金色に茂った場所を越えたところにある秘所に触れる。
「っ~感じ…すぎ……っ!」
白い身体がそれだけで電気が走ったように撥ねた。それを気にせずに軽い愛撫を続け、
誰にも汚されていない身体を宣言どおり自分のものとするため、印を付けていく。
ユウの身体は時々痙攣し、息も荒く体温が上がって汗が珠になってその滑らかな
肌を滑っていった。