魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その4at EROPARO
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その4 - 暇つぶし2ch166:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:46:48 e0aSR8Vo


「前回は奴一人に負けた。わらわは人間の統治や戦略戦術を研究し、順調にことを
 進めていたんだ。勇者の特殊能力の<カリスマ>も上手く使いこなせなければ、烏合の衆
 だからな。あの賢者はそれを最大限に利用し、効果的に扱い、戦力で勝るわらわの軍を
 打ち破っていった。時には謀略で仲の悪い将を自滅させられ…そして、最後の戦いでは
 わらわと戦う前に、兵力の半数をわらわに『殺させるため』に戦わせた。あやつは、
 それでも顔色一つ変えず…魔物よりよっぽどたちの悪い人でなしであったわ。」
 俺はマオのほうを向いていたせいで反応できなかった…。ユウが人間業とは思えない
強さの攻撃をマオに加えていた。不意を撃たれたマオは対応できずに気を失い、ユウは
彼女に止めを刺そうとして……そこでなんとか割り込めた。
 ユウは水色の瞳に冷然たる殺意を込め見下ろしている。

「賢者様…そこをお退きください。」
「断る。マオを殺すつもりなら…俺は全力で君に敵対する。」
「何故です。彼女は魔王ですよ?」
「友達だからだ。俺は友人を守るためなら国だろうが世界だろうが戦うんだ。」
 彼女は少しだけ表情を緩めて微笑んだ。

「やはり似てますね…。先代を助けるために自分を傷つけていったあの方に。中途半端な
 復活で上手く制御の出来ないカリスマが効かなかったとき、もしやと思ったのですが…
 だけど、僕はやらないと。それが僕の使命だから…僕はそれしか存在意義がないから。」
 目の前の美しい少女は悲しそうに笑い、殺気を噴出した。俺は懐に入れている魔法の
薬の瓶に手を当てる。

「意義なんて作ればいいんだ。大体、お前のはマオへの八つ当たりだろう。羨ましいんだろう?
 一人は寂しいんだろう。俺が一緒にいてやるから馬鹿なことはするな。」
「…賢者様ありがとう…でも、僕…ごめんなさい。」
「ちっ、聞き分けの無い子供にはお仕置きだ!」
 俺は美しい金色の髪の少女を強引に抱き寄せて無理矢理唇を合わせ、舌を中に入れた。
 暫くは驚いて抵抗していたが腕の中でユウの力がゆっくりと抜けていく。

「やめる気になったか?やめないならもっと酷いことするぞ?」
「や、やめません…。」
「意地っ張りめ!」
 俺は魔法の薬の入った瓶の蓋をあけて口に含み、もう一度唇を奪った。俺の舌を通じて
薬品が雪のように白いユウの喉を通り過ぎていく。

「んむ~~む~~~っ!……ごほっ……ぼ、僕に何をっ!」
「これで最後だ。馬鹿な八つ当たりはやめるんだ。」
「僕は…やめないっ。やめたら何にもなくなっちゃう…賢者様も魔王に取られちゃう…
 目的も何もなくなる…僕は…いやだ!絶対いや!!」
 俺は黙って強く抱きしめると暴れて叫ぶその唇を三度塞ぎ、そのままベッドにその華奢な身体を
押し倒した。金色の美しい長い髪がベッドに広がり水色の瞳が困惑に揺れる。


167:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:48:53 e0aSR8Vo


「け、賢者様……何を……。」
「これからユウを俺のモノにする。」
「え、え……?」
 俺は可能な限り冷たい声を意識して、耳元で囁く。


「ユウを犯す。」


 俺の囁きを聞いて、ユウの身体が緊張で強張った。水色の瞳が困惑から怯えの色に変る。
 記憶が受け継がれる以上、そういう記憶もあるのだろうが無理矢理されたことはないのだろう。
 それに今の身体では初めてのはずだ。

「俺はユウの賢者じゃない。君が殺そうとする限り今はマオの味方だ。」
 話しながらも俺は彼女の腕や脚に弱体化のルーンを施していく。

「どんな犠牲を払っても誰が傷ついても俺はマオを守る。君だって例外じゃない…
 貴族だろうが勇者だろうが…。」
「そ、そんな…。」
 彼女は信じられないようなものを見るような顔で、少し涙を流しながら呻いた。
 俺はそんな彼女の涙を指で拭いて少し優しめの口調で、

「だけど、ユウがマオを許してあげられるなら俺はユウも同じように全力で守ってやる。
 一緒にいてやる。まだ、あいつは何も悪いことをしていないし…許してやれないか?」
 ユウは暫く黙って考え込んでいたが、やがて口を開いた。

「うん…。僕…マオが悪いことするまでは…我慢する…。」
「よし、いい子だ。えらいぞ。」
 安堵の息を俺は漏らした。マオを守るためとはいえ、正直あまり手荒なことを幼い
少女にしたくは無かった。そんな俺を、水色の瞳がじっと見つめている。

「約束だ。俺が絶対に守ってやる。」
「ね……カイは賢者様じゃないんだね。」
「そんな堅そうな人間に見えるか?」
「違うけど…少し似てる。ね…カイは否定してたら…本当にしてた?」
 彼女は真剣な表情で、俺の目を心中を全て覗こうかというように見ている。俺は
正直に頷いた。

「ああ。さっき飲ませたのはそのための秘薬だ。刺激を与えれば、身体が火照って
 どうしようもなくなる。最悪、俺の言うことを絶対拒めないように奴隷にするつもりだった。
 それも今から解呪してやる。少しま…」
 最後まで言い終えることなく、俺の首に手を回したユウによって口を塞がれた。さらさら
した綺麗に光る前髪が俺の顔にかかる。少し離した彼女の顔は…笑顔だった。


168:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:50:36 e0aSR8Vo


「僕…マオが羨ましい。僕……魔王かどうか置いておいてもあの子には負けたくない。
 初めてで…いつもより身体が小さくて…怖いけど…。僕はちょっと怖くて…でも、真剣に守って
 くれるお兄さんをマオより大事にしたい。主人と奴隷でも…繋がる絆が欲しい。」
「そんなことしなくても、俺はお前を守るよ。身体は大事にしろ。」
「違う!僕は……僕はお兄さんが好きに…なっちゃったから…だから…僕をお兄さんの…
お兄さんのものにして欲しいの。」
 ユウはその整った美しい顔で眼を潤ませて必死に訴えていた。縋るように…。
 俺は拒まずに優しく彼女を抱き寄せ軽く唇をかわす。最近どうも流されやすく
なった気がする…。なんだか嬉しそうな小さな少女に微妙な罪悪感を覚えながら、脱がしにくい
服をゆっくりと脱がした。


 金色の川の上に浮かんでいる無垢な少女の肌は、白く一つのシミも無い。胸が少女らしい
なだらかな曲線を描いており、この年代特有の愛らしさに満ちている。
 誰にも触れられることのなかったその身体は、これから起こることの興奮で微かにピンク色に
染まっており、俺は左手でユウの頭の下に手を入れると少しあげて、薔薇色の唇にキスをした。
 先ほどとは異なる、奪うのではなく快感を与えるキス──貪るのではなく慣れていない
ユウをリードしていく。口の中を確かめるように舌で探索していった。

「ん…ぴちゃ……あっ…んんっ!!」
「ユウ…キスでイったな。薬が効いたか。」
「はぁ……はぁ……僕、頭が真っ白になっちゃった…お兄さんのキス凄い…。」
「契約のキスだ。これからユウは俺だけのものだ。」
「うん…僕はカイ様のもの…」
 陶然とした表情で目の前の美少女は呟き、微笑む。俺は彼女の幼い肢体をゆっくりと
唇で味わいながら、彼女を覆っている下着を剥ぎ取った。唇がふれるたびに彼女は
身体を細かく震わせながらも感じているのが恥ずかしいのか、顔を手で覆っている。
 身体は快楽をちゃんと感じることが出来ているらしく、幼い胸にちょこんと乗った
乳首が自己主張するように立っていた。

「いや……僕…恥ずかしい……」
「……やめようか?」
「え…?」
「無理矢理って俺の主義じゃないんだ。続けるならちゃんと言ってもらわないと。」
 あえて判ってて俺はいじわるそうに笑った。ユウは泣きそうになりながらも俺に
必死にしがみつき鈴のなるような綺麗な声で、

「お、お願いします。もっと…僕を…きちんとカイ様のものにしてください…。」
 い、いかん…頭がくらっときた。
 全力で襲い掛かってしまいそうなのをかろうじで堪え、胸を口で乳首を転がすように
愛撫しながら、少しだけ金色に茂った場所を越えたところにある秘所に触れる。

「っ~感じ…すぎ……っ!」
 白い身体がそれだけで電気が走ったように撥ねた。それを気にせずに軽い愛撫を続け、
誰にも汚されていない身体を宣言どおり自分のものとするため、印を付けていく。
 ユウの身体は時々痙攣し、息も荒く体温が上がって汗が珠になってその滑らかな
肌を滑っていった。


169:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:51:37 e0aSR8Vo


「ユウ、判るか?お前に印を付けていってるのが。」
「うん……それに……自分の身体じゃないみたいにふわふわして…。」
「何回イったかわかんないな。ご主人様を差し置いて…ユウはエッチだな。」
 からかうように言うとユウは不安そうに顔を俯け、涙目になる。

「ご、ごめんなさい…僕…カイ様はエッチな子は嫌い…?」
「俺のためにエッチになる子は好きだ。」
 耳元で囁き、そのまま耳を軽く噛んだ。そして蕩けるようなユウの唇に軽く口をつけ、
俺は囁いた。

「ユウ……そろそろ……いや…ユウ、おねだりしてみろ。」
「え、うう…僕…恥ずかしいよ…。」
「お前は俺のモノだ。俺のために…言ってくれ。」
「はい…う…えっと……カイ様のを…僕に…その…入れてください…~~~っ!!」
「可愛いぞ…ユウ。本当に…。」
 真っ赤になって顔を手で覆うユウの大事な場所に、俺は自分のものをあてがった。
 付けただけでぬるっとした感触がし、身体がぴくっと反応する。綺麗な割れ目のそこを
俺はユウの脚を大きく広げて開き、入り口に比して大きい俺のモノをゆっくりと入れる。
 濡れてはいたが明らかに狭いそこを俺は強引に押し進み、やがてあたった薄い粘膜
の前で一度止めた。

「カイ様、僕…僕っ…この格好…こんな格好カイ様に見せるの…恥ずかしい!」
「ユウ…。もっとお前の恥ずかしいところ見せてくれ。…今からお前を俺のモノにする。
 後悔しないな?」
「はい…カイ様…僕の初めて…貰ってください。」
 その言葉を聴くと、俺は一度軽く柔らかい金色の髪を撫で膜を破ってモノを奥まで
押し込んだ。同時に、大きく身体が震え膣が収縮する。

「~~~いいっ~~~っ!!!」
「入ったぞ痛くないか?」
「い、痛かったけど…それより僕気持ちよくて…嬉しくて…カイ様のものになったんだって。」
「ああ、これからもっと俺に染めるから…覚悟しろよ。」
「はいっ!」
 白いシーツに処女の証の血がついていた…だが、それほど痛みを感じていないようで
労わりながらゆっくりと出し入れしていると、徐々に甘い声が混じってきていた。

「カイ様…もっと……」
「もっと…なんだ?」
「あの………もっと激しく……突いてもらって……」
「わかった。」
 恥ずかしがりながら、欲情に水色の瞳を燃えさせた眼を向けられ狭いそこを手加減無く
蹂躙した。激しい動きに汗が飛び散る。

「あああっいい!気持ちいいですっ…僕…僕…っこんなの…!」
「可愛いぞユウ。もっと感じろ!恥ずかしがるな!」
「うああカイ様!カイ様……気持ちいい僕、もう、僕…だめっいくぅぅぅぅぅぅ!!」
 がくがくと金色の美少女の腰が痙攣し、俺のモノを締め上げる…だが、俺はまだ
イっておらず、余裕があった。俺は入れたままユウの体をうつ向けにする。


170:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:52:36 e0aSR8Vo


「ユウ……俺はまだイってない。まだいけるな?」
「はい…ご主人様……僕で……気持ちよくなってくださっひぐっ!」
 答えを待つまでもなく、後ろから犬のように俺は突いた。少女に対する労わりはもうなく、
ひたすら獣のように未発達の少女を味わう。そして、片手でわずかに膨らんだ胸を愛撫し、
もう片方の手の指をかわいいお尻の穴に入れた。

「ひやっ!!そ、そこはっ!!いや!!」
「いったろ。俺のモノにするって…。お尻でも感じてるな、ユウ。」
「そ、それはカイ様がっ…あん…僕を……っ激しく突くから…ひっ!」
「ほら…いくぞ…。」
「僕も…僕もまた……また来るっ!!いや…怖い…おかしくなる…!」
「おかしくなれ。心配するな。」
「うあっ!気持ちいい…いいよ…っ…ひやっ!僕、もうだめっ…うあ…お尻も…
 お尻も気持ちいいっ!!……ああ~~~~っ僕もう…あういくっ!!!!!」
「くっ!」
 俺が後ろから最後に一突きし、体内に注ぎ込むのと同時にユウは大きく身体を
振るわせた。ユウを正面に向くように向けなおし、二人荒く息をつく。

「カイ……わらわを放っておいて勇者と戯れか?」
 一度目の射精を終えたとき、声をかけてきたのは隣に寝かせておいたマオだった。
 俺は彼女の首に軽く手を回し、

「必要なことだったんだ。ユウはもうお前を狙わない。お前と仲良くすると約束した。」
「む…じゃが…わらわとて、目の前で浮気をされると…嫌じゃ。」
 マオは不機嫌そうに頬を膨らませ、顔を紅くしてそっぽをむいた。俺はそんな彼女に
軽くキスをし、自分の胸に引っ張り込んだ。


171:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:55:07 e0aSR8Vo


「マオも…ユウと仲直りしろ。俺はもう少しユウを可愛がるから…、マオも彼女が気持ちよく
 なるように、手伝ってやってくれ。お前は俺より上手いからな。」
 マオは汗を流し薄い胸を上下させ、荒い息をまだ吐いて幸せそうに呆けているユウを見て、にやりと笑い、

「確かに……にっくき敵じゃが今の姿を見てると……可愛がってやってもいいな。」
「マオはいい子だ。お前もたっぷり可愛がってやるからな。」
 彼女が嬉しそうに笑うのを確認し、俺はユウに正常位でもう一度入れた。俺が
彼女の足を掴んで豆を弄りながら突き、マオはその邪魔にならないようユウの胸を
愛撫し始めた。マオの小さな可愛い舌は俺がそうしたように、身体の気持ちのいい場所を
嘗め回し、ユウはあまりの快楽で痙攣し暴れまわった。

「ふふ…勇者よ……ぬしも可愛いところがあるな…。わらわがたっぷりと可愛がってやろう。
 光栄に思えよ。」
「えっいやあっ!!何これっ!!うあああああっいやっイクっ止まらないっ!マオやめて!」
「いい声じゃ。愛しいな…。こんな可愛い奴殺すのはわらわには出来ぬな。」
「仲直りできたな…。」
 マオの口はユウの唇にもつけられた。黒い美少女と白い美少女の舌が絡み合い、
漆黒と金色が混ざり合って幻想的で扇情的な光景を作り出す。清楚な金色の美少女は
舌が絡み合っている間も連続で痙攣を起こし、快楽に溺れていた。

「ふああっ!いくっ!……あう…僕……とまらないっ!」
「よし…そろそろ行くぞ!」
「ああっ!……くっ…~~~~~~~~あああああああああああっ!!!!」
 最後に絡み合うような抵抗を受けながら奥まで突いて射精し、ユウも繋がってる
場所から潮を吹いて盛大に絶頂に上り詰めた。

「はぁ…はぁ……これで僕は…カイ様のもの…ですね。」
「ああ。ユウは俺のモノだ。マオ……奉仕だけじゃ不満だろう。お前が満足するまで
 たっぷり可愛がってあげるからな。」
「うん。こいつよりわらわを愛してくれよ。カイ…大好き。」
「俺も大好きだよ。マオ。」
「じゃあ、次はご主人様…僕がマオを手伝いますね。」
 俺がマオに深く口付けし、愛撫を始めるとユウはマオの下半身の愛撫を始めた。
マオとユウの仲直りは二人が快楽で失神するまで続けられた。


172:魔法技師の賢者様入門
07/06/22 21:55:59 e0aSR8Vo


 翌朝、俺は昼にようやく目を覚ましシャワーを浴びて食堂に下りると俺のいつもの
席の右にマオが、左にユウが座っていた。ベルは先日、切り札を使用したらしくまだ
眠っているらしい。護衛については考えないとな…。

「カイ、遅いぞっ!」
「カイ様、おはようございます…もう昼ですが…。」
 赤いゴスロリ服を着た黒い美少女…マオは怒ってるような声で、青いゴスロリ服を着た
金色の美少女…ユウは丁寧にお姫様のように頭を下げ…二人とも笑顔で俺のほうを向いた。

「おはよう…マオ、ユウ。ユウの魔法制御用アイテムを作ってたら遅くなっちまってな。」
「僕のために…ありがとうございます。ご主人様。」
 その声に反応したのは、ベルを送ってきた金髪縦ロールの侯爵、シルビアだった。
 怪訝そうな表情で俺に向き、

「カイ…二人が仲良くなったようでいいことだけど…ご主人様ってなんですの?」
「いやその……なんだ。俺がユウと仲良くなってマオと仲直りしてもらったんだ。」
 俺の必死の弁解をぶち壊しにするかのように金色の美少女が透き通るような笑顔で言った。

「僕…カイ様の奴隷にしてもらったんです!!」
「うむ、わらわとユウとカイで非常に楽しいときを過ごした。あれほど気持ちがよかったのは
 わらわの記憶にも殆ど存在しない。イった回数も両手までは数えたのだが。」

食堂の空気が凍った。
と、おじさんは後に語った。

 シルビアは青筋を立てながら猛烈に怒っていた。俺が見る限り、メイド服でからかった
とき並みの怒りっぷりだ…やばい…っ!!

「カイ……貴方……こんな年端も行かない少女を!し、しかも…三人でなんてっ!」
「お、落ち着け落ち着け…な?」
「何で私を呼ばないのよ…あんたばっかり美少女独占してずるいわ。ずるいずるい!!!」
「そんな理由かよっ!」
 俺は呆れてため息をつき、ほぼ徹夜で作成した魔法封じの指輪をユウに手渡した。

「ユウ。これをつけていればお前の特殊能力の暴走は抑えられる。マオもそうだが、お前ら
 才能がありすぎて通常の制御が甘いみたいだから学んでもらおうと思うが…いいか?」
 そんな俺の珍しい真面目な意見は誰も聞いていなかった。ユウの眼がきらきら輝き、
マオが恨みがましく俺を見つめ、シルビアはそれを面白そうに眺めている。
 魔法封じの指輪をユウは……左手の薬指に嵌めた。

「ありがとうございます。カイ様。僕これ…大事にするね?」
「こらユウっ!ずるいぞ。カイ、わらわも欲しいっ!!」
 シルビアの馬鹿笑いが宿に響き、金色の髪に水色の瞳を持った美少女は幸せそうに笑った。
 新しい仲間が増え、俺たちの日常生活はさらに賑やかになりそうだ。


173:名無しさん@ピンキー
07/06/22 21:58:33 e0aSR8Vo
今回は手軽な魔法のお薬で…投下終了。
勘違いにはじまり、方向性が狂って迷走してますがぼちぼち頑張ります。

174:名無しさん@ピンキー
07/06/22 22:56:42 T3vvO28H
GJです。

>ちなみに妹18歳。
「このゲームに出てくる女の子はみーんな18歳以上だよ、お兄ちゃん♪」
こうですか、わかりません!

175:名無しさん@ピンキー
07/06/23 01:59:34 MWBDHpYz
>>173
ゴスでロリで3Pとか、お前はケンシロウばりに俺のツボを突いてくる奴だな








ちょっとティッシュ探してくるわ

176:名無しさん@ピンキー
07/06/23 04:12:19 EK5b+4hL
  ( ;´Д`)もう我慢できん 
 Σ⊂彡_,,..i'"':
     |\`、: i'、
     \\`_',..-i
       \|_,..-┘

  ( *´ω`)ムシャムシャ 
  つi'"':
   `、:_i'

177:名無しさん@ピンキー
07/06/23 04:15:31 enseGBFw
食ってどうするw

178:名無しさん@ピンキー
07/06/23 20:40:19 s0Ibv19Y
>>176
和んだ。(*´∀`*)

179:名無しさん@ピンキー
07/06/24 01:45:07 J9JnVNtr
懐かしいAAでレスもらえる>>176とすばらしい文才をお持ちの>>173に嫉妬

180:名無しさん@ピンキー
07/06/24 10:14:14 aZ0hWfNe
魔法技師投下。番外編その1。
宿屋に居つく前、学生だった頃のお話。
没落前…みんな若くて青いです。

今回はスレに合わず、エロも無いけどご容赦を。
次回は普通です。たぶん。

181:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:16:06 aZ0hWfNe
 沸きあがる歓声──張り詰めた空気──

 ハイランド魔法帝国、国立学園剣術大会決勝戦。
 私──ベル・リスターは戦慄するほどの強敵と剣を交えていた。

 向かい合うだけで、私の紅い髪の毛から汗が落ちるのが判る。それほどの圧力を
目の前の少し年上の女性は持っているのだ。

 両手剣に軽い革鎧を中心とした軽装、長い金髪を無造作に後ろに縛った怜悧な視線を持った美女…
 噂だけは聞いていた。万能の天才──シルビア・フォン・シュタインベルグ侯爵。

「はあっ!!!」
「……………っ!!」
 立会いで判っていたが、打ち合って確信した。
 この人は天才だ…だけど、それだけじゃない。この強さは過酷な修練の果てに得たものだ。

 最終的に、徒手格闘を使うことになるまでの激戦にもつれ込み…私は彼女の勝利への
執念に押し切られて──負けた。

「……………」(貴女いい腕を持っていた。)
 彼女は試合が終わったあと握手を求め、怪我でぼろぼろの身体でいたずらっぽく
笑い手話でそういった。
 私は驚きながらも何とか返した。

「……………」(貴女は私が出会った人の中で最強でした。)
 これが生涯の親友、シルビアとの出会いだった。


182:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:17:36 aZ0hWfNe


「私は貴女のお兄さんを調べていたの。それで貴女のことも知っていたのだけど…。
 まさか、ここまで強いとは思わなかったわ。」
「……………」(しかし、負けました。技術は五分だと思ったのですが)
 私の兄、カイは優秀な魔道技術科の学生だ。侯爵ともなれば手持ちの研究所なども
持っているはずなので納得し、疑問に思ったことを聞くことにした。

「はっきり言うわね。でも、私もそう思った。実力が五分なら………」
 彼女は暫く考え、こう続けた。

「後は気合の差かもね。私は何より勝利を重んじているの。貴女は大事なものがあるかしら?」
「……………」(あります。…今回負けたのも納得しました。侯爵様、感謝します。)
 彼女は朗らかに笑っていった。

「私のことはシルビアって呼んで。私も貴女をベルって呼ぶわ。」
 私は頷き、この人を信用することにした。
 貴族であり、様々なものに囚われているであろうこの人の笑みは…常に自由であろうとする
兄の笑みに似ていたから。




183:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:18:43 aZ0hWfNe


「ベル、おかえり。決勝は残念だったな。」
 学園に通うために借りている狭い部屋に戻ると兄は私の好きなプリンを作ってくれて
いたらしく、紅茶と一緒に持ってきてくれた。

 私と兄は本当に血が繋がっているんだろうか──その疑問は常に私にとって大きな
誘惑だった。髪の色が違うのだ…私は赤だがカイは茶色…両親が貴族の身勝手のせいで死んだため
真相は誰にもわからない。
 両親が死んだ後、私たちは貧しいながら支えあって──いや、話すことの出来ない私を
兄が一方的に支えて生きてきた。苦労しているはずなのに兄は全然そんなそぶりを見せず、
魔道技術科において優秀な成績を収めている。
 そんな兄を私は妹ではなく───女として愛してしまっていた。

「プリンおいしいか?」
「……………(こく)」
 嬉しそうな兄に私は頷いた。兄は器用なので料理も上手い…戦時の料理なら私も出来るのだけど。
 兄は私の表情から好みを全て把握している…らしい。

「……………」(対戦相手がお兄様に興味があるらしい。)
「おおっ!!!ついに俺にも春が~~あてっ!」
「……………」(違う、魔法技師として)
 手話でそういうと兄はわざとらしいくらいに大きく落胆し、

「シルビア・フォン・シュタインベルグ侯爵か…美人なのに色気がねーこったなぁ。」
「……………」(悪い人ではなさそうだった。手話できるみたいでびっくりした。)
「ふーん。面白そうだな。だけど、俺は貴族あんま好きじゃないからなぁ。何考えて
 いるのかさっぱりわからん。」
「……………」(そう。)
「俺は独立して、お金に困らない程度に稼いで…ベルがお嫁にいけるように出来ればそれでいい。」
「……………」(好きな人なんていないから、結婚なんて出来ないよ。)
 それは嘘だ…。目の前にいる人を好きになってしまった私は、兄の好意を踏みにじって
いるのかもしれない…そんな罪悪感を感じていた。




184:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:19:41 aZ0hWfNe


 私はそれからも何度もシルビアと顔をあわせた。兄と同じで籍は大学に置いてあるが、
昔に一度卒業をしているらしい。
 彼女にも色々な打算はあるだろうけど、それでも私はさばさばとした性格の彼女を
気に入り、一緒に行動することが多く親密になっていった。
 だけど、仲がよくなればなるほど彼女は私と距離を取ろうとした。身分違いだから
──そういう理由ではないことは察したが理由はわからないでいた。

「ベル………ごめん、あまり私に近づかないほうがいい…」
 男性のように飾り気のないシンプルな服装に、それでも隠しきれない高貴な雰囲気を
持った彼女は時々、そういって私を突き放した。

 私は悩みながらも兄ならこういうときどうしただろう──そう考えると答えは簡単。
 兄なら自分にどのような不利益があろうとも、友人と思った人とは付き合うだろう…と。
 彼女は話せない私と対等に話してくれた数少ない人だ。理由はそれだけでいい。

 そして、ある日の夕暮れ…
「ベル……勘違いしないで。貴女のような平民が私のような貴族に馴れ馴れしく話しかけないで。」
 彼女は嘘が下手だ──何故そこまでして、泣きそうな顔をして人を拒絶するのだろう。
 シルビアは…誰でも受け入れられる…自然体が似合う性格のはずなのに…。

 ───殺気!
 彼女が去っていった方角から、それは感じられた。
 私は迷わずシルビアを追いかける。

 そこには、剣を抜いたシルビアと……黒装束の男が二人……対峙していた。

「ベルっ!あんたどうして………」
「……………」(友達を助けるのに理由不要。)
「あんた、馬鹿ね…」
 私は黒装束の一人に剣を抜き、向き合う。力量はこちらが上。ただし、相手の手の内
がわからないので油断は出来ない…。

「見られたからには…お前も死ね。」
「……………」
 相手の手が動き、光る刃が迫る。同時に剣を抜き切りかかってきた。投擲された
ナイフをかわし、相手の斬撃を紙一重で交わして同時に上段から斜めに相手を
容赦なく切り落とした。目の前の黒装束が血と臓物を撒き散らして倒れる。

 一人を片付けた私はもう一人に向き直る。そして見たのは、足をやられながらなんとか
凌いでいるシルビアの姿だった。私を確認するともう一人の男は、シルビアへの攻めの手を止め、
私のほうへ向いた。

「おー嬢ちゃん…やるねえ。あいつを躊躇無く短時間で殺るなんて。侯爵様はてんでなってないぜ。
 殺気もねえし、ま、所詮人を斬った事の無いぼんぼんの剣術だ。」
「……………」(シルビア、私に任せて。)
「無視は酷いだろ。赤髪のお嬢ちゃん。」
 私は目の前の恐らく自分以上の技量を持つであろう強敵に剣を向けた。


185:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:22:59 aZ0hWfNe


「……………」
「俺の目的は、そこの侯爵様だ。お前さんじゃない。見逃せば命は助けるぜ?」
 自分の持てる最大の速度で接近し、もう一人の黒装束に切りかかる。

「ちっ、仕方が無いか。契約外の仕事だな…」
 それも難なくかわし、反りのある片手剣で相手は切りかかる。
 近い間合いは不利……
 そう判断した私は一度距離を取った。だが、相手はそれを許さず防戦一方になる。
 そして相手は迷いのある私の苦し紛れの上段の斬りを見逃さなかった…。

「まだまだ甘いな、お嬢さん…十年ほど修練が足りん。」
 相手の黒装束は先ほどまで何も手にしていなかったもう片方の手に剣を持ち、私の剣の根元の
部分で交差させて剣を受け、私の持ち手を蹴り上げた。静かな夜の学園の中庭に、
剣の落ちる重い音が響く。
 諦めの気持ちが私に広がっていく…。

「ベルっ!私を置いて早く逃げなさいっ!!」
 それを押しとめたのはシルビアの必死な声だった。かつて、彼女は私に勝ったとき言った。
 大事なものがあれば人は強くなれる…。シルビアは勝利だった。私は?
 黒装束の追撃をかろうじでかわしながら、私は思う。私が強くなろうと思ったのは…
 護るため。大好きで愛している兄を……友人を……護るための力を身につけるため。
 ならば…迷うことはない。私は兄が使うことを禁じた木刀を握った。

「お嬢さん、いい加減諦めて死んでくれないか?時間が無いんだ。」
「……………」(死ぬのは貴方。)
 心で念じ、口を動かす。声はでないけど、ルーンは声を必要とはしない…。

<開放せよ!!>

クス………意識が………飲まれ………堪える………全てではなく……クス………
意識を制御し……クスクス……人を護るだけの……力を……。

「な、なんだこの不気味な声は……くっ死ね!!」
 先ほどまで圧倒的な速さを誇っていた黒装束の剣がスローに見える。相手から焦りを
感じ、余裕が消える。私の攻撃もかわされ、そこにあった木が代わりに真っ二つになった。

「ば、化け物……」
「……クス…クス…フフフ……」
 人を殺すことに抵抗はない。狂っているのかもしれない…だが、大事な人を護るために、
その人にたとえ嫌われようとも…私は躊躇はしない。

 次の私の攻撃は、木刀で目の前の黒装束を受けようとした剣ごと二つに断ち割った。




186:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:23:40 aZ0hWfNe


「ベル…貴女……」
 私は全身の力を使い果たして倒れていた。兄が使うなといった理由…それは危険だからだ。
 脳は安全な範囲でしか、筋力を使わせない…それを外すこの剣は身体に大きな負担をかけるのだ。
 そして……過ぎた力は回りに恐怖をもたらす。

静かに時が過ぎる…。

「貴女本当に──馬鹿ね。」
 シルビアは魔法で自分の傷を治療しながら、私を思いっきり抱きしめた。強いはずの
彼女は泣いていた…。

「……………」(貴女ほどではありません。シルビア。)
 私は努力して、普段から無表情といわれている顔になんとか笑顔を浮かべた……
浮かべれたと思う。

「私の近くにいればこんなことが日常茶飯事になるわ。だから、離れたほうがいい。」
 ほんとに、この侯爵様はどこまで馬鹿なんだろう…。

「……………」(私は友人は絶対に護ります。そしてそのことで後悔はしません。)
 シルビアが勝利に執着するように──私は人を護るとき、強くなれるのだと思う。
 彼女は─吹っ切ったように微笑んだ。

「判ったわ。改めてよろしく……私の友人、ベル・リスター。しかし、どうやったら貴女みたいに
損な馬鹿になれるのかしらね。」
「……………」(きっと私の兄のせいです。それより立てないので起こしてください。)
「貴女のお兄さんにはますます興味が沸くわね。」
 そういって微笑み、彼女は二度目の握手──私を起こすために私の手を取った。




187:魔法技師番外 剣を振るうその訳は
07/06/24 10:24:34 aZ0hWfNe


 そして、時が流れ──とある宿屋にて。

「ごめんね、ベル。また無理させてしまって…。」
「……………」(気にすること無い。シルビア。)
 私は現在、住処になっている宿の兄の共通の部屋で寝込んでいた。シルビアの護衛…
明らかな敵、公爵主催のパーティの帰りでの刺客との戦闘はまさに死闘だった。他の
護衛の殆どが死に絶え、私は切り札を使ったのだ。お陰で護りきれたが…。

「……………」(貴女も貴女の子供も死なせはしない。)
「ありがとう…。貴女には苦労かけるわね。」
「……………」(苦労じゃない。やりたくてやってるから。)
 シルビアはタオルを濡らして、私の身体を拭いてくれた。傷を癒しながら、丁寧に
拭いていく。傷だらけの私の身体を労わるように。

「ベルの体は綺麗よね…。カイには勿体無いから私にくれない?」
「……………」(それだけはお断り。)
 少し笑えた。彼女は本気で私の身体を綺麗だという…兄もそうだけど…。

「まあ、あいつ浮気してるみたいだから代わりに殴っておいてあげるわ。」
「……………」(お願い。)
「カイも何か考えているみたいだけどね。ベルに余り無茶させたくないみたいだから…
 マオとかを利用しようと考えているみたい。まあ、気に入ってるのは本当だと思うけど。」
 兄は…私を大事にしてくれる。だけど、シルビアの考えているような利用とは少し違う
と私は思う。彼女たちも友人として付き合っていこうと考えているのだろう。
 それくらいは理解できる。

 だけど…兄に愛されたあのときから私は少し独占欲が強くなってしまった。どんな理由だろうと
他の女を抱くことを簡単に許すことは出来ない。

 シルビアに身体を拭いてもらいながら……身体が癒えたらあの浮気性の兄を
お仕置きしようと私は心に決めた。




188:名無しさん@ピンキー
07/06/24 10:26:26 aZ0hWfNe
投下終了です。ロリコンビに押され気味の二人を。

多分次はえろいので箸休めに。

189:名無しさん@ピンキー
07/06/24 11:49:16 +qpcbf3s
箸休めで興奮させるとは何事だっ!

190:名無しさん@ピンキー
07/06/25 03:00:53 6zZsTg9N
>>188の皮を被った神がいるスレはここですか?


191:名無しさん@ピンキー
07/06/25 17:31:39 vVvT8p2L
自分が書きたいものを読むには
書かないと読めないことに気づいた。

魔法技師の第六弾投下。
連続でベルが主役。書き分けのために少し
語り口を変えてみた。

192:魔法技師への愛の囁き
07/06/25 17:34:09 vVvT8p2L


「……………」(なんじゃこらぁぁぁぁ!)
 私の叫び(?)が、文字板に表示されました。いつも無表情といわれていた私の顔は
自分で考えていたよりも端正な顔に豊かに感情を表現して驚いています。

「お兄様、これはいったい…」
 想像よりも太い声を出して私は目の前の自分…ベル・リスターに問いかけました。
 何故こんなことになったのか。時は三十分前に遡ります。


「ベル、それはなんだ?」
 兄は私の持っているペアリングを指差していいました。前回の仕事料として、お金と
シルビアの部屋に飾ってあったこれを頂いたのです。彼女は気に入ったなら上げると
快くくださいました。芸術品としても美しいものできめ細かい装飾が施されています。

「……………」(お兄様と一緒につけたくて。)
「結構な年代モノだな…すごい装飾だ。」
「……………」(シルビアから貰ったの。)
 私は自分に一つ腕輪を嵌めて、兄の手を掴んでもう一つの腕輪を嵌めました。お揃い♪と
喜んでいたそんなときでした。

ぴかっ!!!!!

 と、腕輪が大きく輝き気がついたらとんでもない状態になっていたのです。


 とりあえず、私は鏡を見ました。
 そこには茶色い髪の精悍な……私の愛する兄の姿があったので、どうやら、私と兄の
身体が入れ替わったみたいです。

「……………」(なんてこった…早く戻さないと。)
「声が出るってこんな感じなんですね。それに何か自分の身体と違うって変な感じ。」
「……………」(ついてないと…不安だ。)
 私の姿をした兄はどうやら困惑しているようです。腕輪を外そうとしたので…
なんとなく、私はそれを止めてしまいました。

「……………」(ベル?)
「私、お兄様を愛しています。好きです…声に出して言いたかったんです…。」
 私の姿をした兄は、にっこりと微笑みました。本来の私には……できない表情です。
 男の方なら惹かれるのではないでしょうか…私も変な気分になってきました。なんだか
下半身に血が集まっているのを感じます。自分に欲情してるんでしょうか。



193:魔法技師への愛の囁き
07/06/25 17:35:18 vVvT8p2L


「……………」(ベルの気持ちはいつでも伝わってるから。)
「お兄様……私はお兄様にもっといろいろなことを知って欲しい。」
 私はそういうと、今の自分の固い身体で元の柔らかい自分の身体を抱きしめました。
 そこそこある胸が自分の胸板に当たります。

「……………」(ちょとベルさん?)
「お兄様に教えていただいた…女の気持ちよさ…お兄様にも教えてあげますね?」
「……………」(いやぁぁぁぁぁぁぁ!)
 じたばた暴れる兄を力づくでベッドに押し倒し、上から動けないように固めて
唇を合わせ、舌をいれます。キスはそれほど変らないのですが、感じ方が違うのか
いつもより私は余裕がありました。兄は力が抜けた少し火照った顔で私を見つめています。

「カイ様~~~本読んで~~~!」
 服を脱がそうとしたそのとき、白いゴスロリ服を着た金髪の美少女…ユウが部屋に入ってきました。
 少し焦りましたが兄の口調を思い出します。

「ユウ。ゆっくり読んでやるから…また後でな。」
「あ…え?…あ…僕…邪魔してごめんなさい。」
「……………」(ユウ!!かむばぁあぁっぁぁぁっぁっく!!)
 いい子のユウは空気をよんであっさりと去っていきました。マオじゃなくてよかった。

「お兄様……すぐ気持ちよくして差し上げますから。お兄様が可愛いからいけないんですよ?」
「……………」(まてまてまて!!落ち着けっ!)
 私は服を脱がしていき……下着一枚にしました。不安に揺れる女の子な兄の瞳……少し傷跡の
ある肌にいつも兄がそうするように、傷跡をなぞる様に舌で一つ一つ舐めていきます。
 嫌がる兄も素敵です。

「……………っ!」(べ、ベル…やめてくれっ!)
 滑らかな肌の体温が少しずつ上がり、舐めるたびにぴくっと震えるように反応します。
 兄にすっかり開発されてしまった身体は感度がよく全身がすごく敏感です。私は兄が
してきたことをそのまま兄にすることにしました。



194:魔法技師への愛の囁き
07/06/25 17:36:12 vVvT8p2L


「ふふ……」
 全身をゆっくりと味わうように舌を這わせながら、形のいい双丘に手を這わせます。
 自分の身体ですから弱い場所も…。乳首を軽くつまむと、私の顔が艶かしい快楽で
歪みました。普通なら絶対感じることの出来ない慣れない快楽で、兄はもう荒い息を
吐いていました。まだまだこれからなのに…。
 私は最後の下着を脱がせると、一番感じるそこに手をいれました。

「~~~~~っ!!」(うわぁぁぁぁっ!)
「気持ちいいでしょう。お兄様に教えていただいたんですよ?」
 恥ずかしそうに睨んでくる自分をあっさりと無視しつつ、私は愛撫を再開しました。
ちゃんと感じているのか十分に濡れています。私は、兄によって剃られた本来毛が生えている
そこに頭をつけて舌で舐めることにします。自分のをこういう形で見る機会はなかったのですが…
それでも気持ちのいい場所はわかります。
 私はアソコの肉を左右に割って舐めはじめました。兄はもう抵抗する気力もないのか時々
身体を震わせてなすがままになってます。

「……っ……!!」(な、なんだこれ!頭が真っ白にっ!)
 兄のものとなった自分のひざががくがく痙攣しています。身体はピンク色に火照り、
無駄な贅肉のないしなやかで柔らかな身体が何度も撥ねてます。

「お兄様…イキそうなんですね…。女の子の気持ちよさ…味わってください。」
 止めとばかりにクリトリスに軽く歯を当てると、自分の身体は大きく反ってぷしゃっと
軽く愛液を私の…今は兄になっている私の顔にかけました。兄は火照った身体に珠のような
汗をたくさん流しながら大きく息を吐いていました。

「女の…絶頂はどうでした?」
「……………」(も、もう無理…頭真っ白でなにがなんだか…)
「ふふっ…お兄様、いつもお兄様はここからだっていうんですよ。だから私も…ね?」
「……………」(べ、ベル!もう許してっ!!)
 怯えて焦るお兄様を強く抱きしめ唇を塞いで強引に押し付けると、指を痙攣する秘所に
入れました。唇を離すと、逃げようとするお兄様の足を身体で固めて、両手で秘所に
刺激を与えます。



195:魔法技師への愛の囁き
07/06/25 17:37:55 vVvT8p2L


「…~~っ……」(くうっ!あああっ)
「お兄様の今の顔……最高に可愛いです……自分の顔だけどやっぱりお兄様を感じます。」
 泣きそうになりながら、感じ、声を出したくとも出せない兄は荒い息を吐きながら抵抗
しようとしますが快楽で力が入らないらしく、私は気にせず、クリトリスと私の中の
気持ちのいい場所を指で擦るように責め続けました。

「………っ!!」(あああ、また来るっ何だこれっもれる!)
「ふふ…気持ちよさそうですね。潮吹き……お兄様大好きですよね。イってくださいっ。」
「……………」(うああ、また頭がっ白くっ!)
 再び大きく身体が痙攣したと思うと、秘所から透明の液を大量に噴出して兄はベッドに
力なくぐったりと横たわりました。もう息も絶え絶えです。

「いつもこんなに気持ちいいんです。だから幸せです。もっとしてあげますね。」
「……………」(も、もうだめ…無理……)
「これからですよ。お兄様……お兄様の太くて硬いものを入れていただいたときが一番
 気持ちがいいんです。」
「……………」(ま、まさかっ!!)
「さっきから、入りたいって……大変なんです。お兄様の気持ち、少しわかりますね。
 お兄様のはじめて…私が貰いますね。」
 泣きそうな顔になりながら逃げようとする身体を捕まえ、両手で足を開くと濡れて受け入れる
体勢が整ったそこに、躊躇なく奥まで一気に突きこみました。

「~~~っ!!!」
「入りました。お兄様、気持ちよくて…中がじんじんするでしょう?」
 男の身体の本能なんでしょうか。私は全然違う身体にもかかわらず、身体の動かし方を
知っていました。気持ちのいいところはわかっているので、そこをひっかけるように
激しく突きこみます。

「はぁっ!…すごい、お兄様っ!気持ちいいねこれっ。はまりそうっ!!」
「…………っ!」(か、身体に異物がっ!なのに…うあ…っ!)
 勝手に動く腰を本能に任せて動かしつつ、兄の顔…自分の顔を見ると、すごくえっちな
顔…おちんちんを欲しがる雌の顔になっていました。普段私こんな顔してるんですね…。
 私は一度止め身体を返して後ろから突きこむ体制に入れ替えて、バックから突きこむ
ようにしました。後ろからだとあたる場所が違ってまた気持ちいいのです。

「…~~~~っ!!」
 もう、兄は快楽に溺れて思考が働いていないようでした。私も限界です…犬のように
後ろから突いていた私は快楽で蕩けそうに柔らかくなった身体をしっかりと支え、今まで以上に
激しく突きました。

「…~~っ!!!っ!!」(また、また来るっ!一番大きいのがっ!)
「ああ、気持ちいい!きもちいいっ!!出そうっ男の人のイクの気持ちいいっ!出るっ!!」
「~~~~~っ!!!!」(ああああああっ!!)
 最後に一番奥まで突いて、本来自分の身体である子宮に兄の精子を注ぎ込みました。
いつも中で出しているのですが、中にだされたとき、兄が身体に広がっていくのを感じ、
幸せな気分になるのです。
 体中を痙攣させている反応のなくなった兄を私は抱きしめました。



196:魔法技師への愛の囁き
07/06/25 17:38:57 vVvT8p2L


「ふぅ~~酷い目にあった。陵辱される女の気持ちがわかった。」
 行為が終わった後、腕輪を外した私はいつも通り女として行為の余韻に浸っていました。
 この余韻は男としての快楽を味わった後でもやっぱり女としてのほうが幸せを感じます。

「……………」(お兄様かわいかったです。)
「ううううう、記憶を封印したい…。女の快楽はやばいな。」
「……………」(男の人のもすごかった。お兄様はもっとえっちなことしてるんですよ?)
 兄は腕輪を調べ、巧妙に隠されていたルーンをようやく見つけて苦笑いしていました。

「身体を入れ替える腕輪か……片方はずすと効果がないから合意がないと使えないだろうが
 なかなかえげつないアイテムだな。研究すると面白いかもしれない。」
「……………」(昔から家にあったっていってた。)
「ユウが何か知ってるかもしれないな。今度聞いて見るか。」
 兄は魔法技師としての真剣な顔でいいました。いつもの優しい顔や、えっちのときの
顔も好きだけど、この真剣な顔は一番格好いいです。

「……………」(シルビアには感謝してます。)
「ん?」
「……………」(声に出して愛しているっていえたから。)
「馬鹿たれ。声は聞こえなくてもちゃんと聞こえてる。」
 兄は笑顔で私の頭を撫でました。もう…いつも子ども扱いなんだから。

「……………」(たまには男と女交代しようね?)
「絶対いやだ。」
 兄は憮然とした顔でいいました。そんな子供っぽいふくれ面をみて、私は幸せを感じて…
なんとか頑張って愛している兄に向かって微笑みました。



197:名無しさん@ピンキー
07/06/25 17:40:49 vVvT8p2L
投下終了です。
次は多分ダークでシリアスな感じに。

198:名無しさん@ピンキー
07/06/25 18:42:54 T+pAaZFH
カイ可愛いよカイ

199:名無しさん@ピンキー
07/06/25 20:46:43 T+pAaZFH
保管庫ないんすか?

200:名無しさん@ピンキー
07/06/25 22:06:33 6zZsTg9N
GJ
GJなんだが・・・




キャンタマとアヌスがキュッてなった(´・ω・)

201:名無しさん@ピンキー
07/06/25 23:32:41 A0uZoKvH
>>197
貴様、俺がTS属性持ちだと知っててのGJかっ!?
その内またこの手のを頼む。

202:名無しさん@ピンキー
07/06/25 23:45:07 yVgRdQNy
こっそり





URLリンク(imepita.jp)


203:名無しさん@ピンキー
07/06/26 03:00:49 JsPn95dz


204:名無しさん@ピンキー
07/06/26 07:15:24 Nat90SLQ
イイ

205:名無しさん@ピンキー
07/06/26 16:27:04 9rDZNXmj
登場するキャラに、片っ端から、ハアハアするなあ。
まるで、こっちが魔法にかけられてるようだぜ。


206:名無しさん@ピンキー ◆x/Dvsm4nBI
07/06/27 09:46:38 f7L8N92T
202にかなり感謝しつつ魔法技師七回目投下します。
宣言どおりちょっとダーク。
一応前後編。

207:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:48:36 f7L8N92T


 空は青く雲ひとつ無い──快晴のある日、俺はベルとマオを引き連れて、街の大通り
を歩いていた。辺りからは商店や露店の客引きの声が響き、大勢の人が集まって街は
活気に満ちている。
 俺達は今日、近くに迫ったシルビアの誕生日のプレゼントを探すために表通りに出ていた。
 くじで負けたユウはシルビアの護衛として城に詰めている。

「なぁカイ。わらわはその誕生日とやらをよく知らんのだが…。何で祝うんだ?」
 道行く人を例外なく振りかえらせる、薄水色のゴスロリ服を着た黒髪の美少女は不思議そうに
俺に質問してきた。

「……………」(生まれてきたことに感謝するため)
 俺が答える前に赤い髪にしなやかな身体を持つ、軽装の少女、妹のベルが無表情で考えたことが
文字になる板をマオに見せた。

「わらわは……うわあっ!」
 マオは暗い表情に一瞬なったが、俺はヘッドロックして髪の毛をぐしゃぐしゃかき回して
最後まで言わせない。言いたいことはわかっていたが…彼女は魔王だから誕生した日は…。
 俺は努めて笑顔で言った。

「マオの誕生日は俺と出会った日だ。来年盛大に祝ってやるから覚悟しておけ。」
「あ、こらっ!やめろっ…カイ!ぷっ、こしょばい!!……あっ!あれはなんだっ……おおっ!」
 明るい顔に戻り大道芸や音楽…手品…それまで見たことのなかったものに年相応の
表情で喜ぶマオを俺とベルは微笑ましく眺めていた。




208:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:49:17 f7L8N92T


 シルビアに渡すプレゼントを購入し、三人で昼食を取ってゆっくり街を見物しながら
歩いていた俺たちだったが、はしゃいでいたマオが急に真剣な顔をして立ち止まった。

「魔力の収縮──遠い…」
「どうした。マオ?」
「カイ、狙撃だ。一番高い建物…遠距離からの氷の儀式魔術、相当準備されたものだ。」
「狙いは俺たちか?」
 マオは少し考え、首を横に振ってこちらへと走ってくる馬車を指差した。豪華なその
馬車は飛び出た人を轢きかけて止まっている。

「防ぐか。結界を張る、マオ…サポートを頼む。」
「安心しろ。わらわが絶対護ってやる。」
「……………」(二人とも気をつけて。)
 喧騒の中俺達は馬車に向かって走り、射線に立つ。そして、防御のためのルーンを編んでいく。
馬車に乗っていた銀髪のおそらく貴族の女性は不思議そうにそんな俺とマオを見ていた。

<我、氷を禁じ蒸気と為す!>

 対氷の術を完成させ、ルーンにマオが魔力を上乗せさせる。完成と同時に氷の槍は
結界に激突した。

ずだんっ!!!

 激しい音と共に発生した衝撃を防ぎきれず、俺は馬車に叩きつけられたが相手の魔法も
なんとか完全に消滅し、安堵の息を吐いた。

「相手は逃げたな……相変わらずいい腕じゃ。さすがだ、カイ。」
 勝気そうな目に安堵の表情を浮かべ、マオは駆け寄ってきた。

「……………」(あの貴族を狙ったようですね。)
 ベルの視線の先には、流れるような銀色の髪に金色の瞳、おっとりとした優しそうな
雰囲気を持つ…ベルと同年代の女性がいた。彼女を助けた俺たちを、護衛らしい男たちが
取り囲んだ。剣を抜こうとするベルや、怒って噛み付こうとするマオを俺は押しとどめる。



209:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:50:04 f7L8N92T


「貴様ら、何者だ!!」
「お前らの恩人だ。主人が死んだら護衛は首だろうからな。それに命の恩人を暴力で
問いただそうとするのが貴族の礼儀か?」
「おやめなさい。」
 銀色の女性が静かだがよく通る声で自らの護衛たちを下がらせ、美しい柔らかな微笑を浮かべて
頭を下げた。見ているだけで温かくなる…そんな笑顔だった。

「失礼いたしました。助けていただきありがとうございます。」
「別にたいした労じゃないから礼はいい。ここへは侯爵の?」
「よくご存知ですね。それほどの魔法の腕でしたら…ひょっとして貴方も参加されるのですか?」
「ああ、俺達は個人的な友人なんだ。」
 美しい銀色の髪の女性は金の瞳を輝かせ、軽く手を叩き嬉しそうに喜んだ。
 俺の後ろでは何故かベルとマオが俺の太ももをひねりあげている。正直痛い。

「では、また後でお会いできますねっ!お礼もしたいのでお名前をお聞かせ願えませんか?」
「カイ・リスターだ。」
 聴きたくない言葉…というものが世にはある。俺たち三人にとって、その名前は……
彼女の無垢な笑顔とは裏腹にこの世でもっとも忌わしいものに違いが無かった。

「私は…セシリア・フォン・ヴァストルです。」
 ヴァストル──それは、俺たち兄妹を地獄に叩き落とし、マオを狂った実験で生み出した
公爵の姓だった。

「すまない、俺達は急ぐのでこれで。」
「え、え?……はい、また後ほどゆっくりとお話しましょう。」
 困惑するベルとマオの手を引き、俺達は歩き出した。いつまでも話していては自分が殺意を
抱いてしまわないか、助けたことを後悔しないか……自信がなかったから。




210:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:51:10 f7L8N92T


 シルビアの誕生パーティには多数の貴族や名士が集まり、皇帝も短時間ながら彼女の
ために足を運ぶという。こうして考えるとやはり、シルビアは大貴族だということを
改めて実感する……態度を変える気はさらさらないが。

 俺とベルは動きやすい男性用の執事服を着て護衛に当たることにし、女官に大人気の
ユウとマオは騒ぎ立てる女官たちに辟易しながら、ユウは白のドレス、マオは黒いドレスを
着せられて軽く化粧されていた。その二人の美少女の姿は正反対の印象ながら妖精のように
愛らしく、パーティの参加者に可愛がられていた。
 主催のシルビアもいつものお馬鹿な縦ロールではなく、ストレートの金髪を丁寧に透いて
流し、鋭い美貌が美しいドレスと相まって自然に客たちの視線を集めている。

 歓談するシルビアの近くにベルと張っていると、見覚えのある銀色の髪の女性が彼女に
近づき、儀礼的な挨拶を交わしていた。

「ご無沙汰しております…シュタインベルグ侯爵。心よりお祝い申し上げます。」
「これはヴァストル公爵のご令嬢。ご足労頂ありがとうございます。本日は楽しんでください。」
 挨拶が終わると女性はこちらを向いた。違和感──確かに、昼に会った女性に見えるが…。

「お初にお目にかかります。カイ・リスター様ですね。一流の魔法技師としてのご高名は
 伺っております。」
 その挨拶で俺は決定的に判った。確かに、彼女は瓜二つといっていいほど昼の女性に
似ていた。瞳の色も同じ、だが………明らかに眼が違った。そう、いくつもの修羅場を
超えた強い眼。昼の女性は普通の人だった。彼女なら一度会ったことでもあるし、何も
考えずにこれほど回りくどい挨拶はしないだろう。

「カイ・リスターです。美しいご令嬢に名前を覚えていただいていたとは光栄です。」
 俺は古い騎士がするように手を取ってその甲にキスをした。彼女が去ったのを確認し、
シルビアを呼び止め、注意を促す。


211:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:52:08 f7L8N92T


「シルビア……公爵の令嬢は偽者だ。そっくりだが、違う。」
「……その理由は?」
「成り行きで昼に暗殺者から助けた。そのときに顔を見ている。本物はおそらく
 世間知らずっぽいお姫様だ。」
 ふむ…と、シルビアは考え込む。思考と計算が凄い速度で行われているんだろう。

「可能性としては影武者を出して私の令嬢暗殺を警戒しているか、誰かの暗殺か…」
「本人が城下まで来てるのに、わざわざ影武者を連れてくる意味があるか?」
「ない…とも言い切れない。パーティが終わったあと本物をそのまま隠して、私に
 誘拐の罪を押し付けるとか…。暗殺とすれば、狙いは私か陛下。他の人たちも警戒を
 お願いしたいわね。」
「令嬢が暗殺したらまずくないか?」
「多分、私が公爵を落としいれようとしたーとか言うんでしょうね。杜撰というか、
 手段を選ばなくなってる…昔と違って、勢力がほぼ五分まで迫っているから。まぁ、
 どんな手を使ってきても今回は大丈夫と思うけど。」
「わかった、俺たちで警戒しとく。暗殺だった場合、止めるとして本物は?」
「出来れば確保して欲しい。上手くいけば侯爵家の対処能力を見せて、さらに、公爵に
 形式的にでも多くの貴族の前で恩を売ることが出来るから。」
「じゃ、尋問用のアレ準備しててくれ。後、部下も二十人ほど。」
「了解。……ま、ほどほどにね。」
「そうするよ。ハッピーバースデイ、シルビア。」
 ベルやマオ、ユウに同じことを説明し再び警戒に当たった。マオやユウは盛大な料理に
齧り付くように若さから来る食欲を満たしていた…俺はちょっとだけ心配になった。


 四十台の壮年の男…背の高く威厳と風格を持つ男…平民の俺が皇帝を拝むことに
なるとはね…。俺は皇帝を暗殺しようとした偽の公爵令嬢を取り押さえながらそんな
場違いなことを考えていた。

「私の手の者が公爵のご令嬢が偽者であることは見抜いておりました。確証が無いのと、
 目的がわからず泳がせていたのですが、まさか陛下に身を危険に晒させるとは…無能な身で
 ございますが、謀られた汚名と屈辱を晴らすためにもせめてこの件の解決はお任せください。」
 シルビアが的確に指示を与えていく。予め、外には誰も出さないよう命じており、
他の協力者を逃がさないように護衛などは全て捕らえた。俺はロープで相手の腕を後ろ手に縛り上げ、
防音の聞く、尋問用の部屋へと連行した。




212:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:53:02 f7L8N92T


「さて、あんたには洗いざらい話してもらわないといけないんだが…。」
 目の前の公爵の令嬢にそっくりな女性は、女官たちに手持ちの武器を全て没収されて
こちらから渡されたシャツと下着だけの姿にされていた。彼女は、憎憎しげに俺を
睨みつける。そこには、本物に感じた温かさなどはかけらも無く、辛い生き方を
歩んだものだけが持つ恨みだけがあり、整った顔立ちをしているだけに余計に凄惨さを
醸し出していた。俺はそれを音を記録するアイテムを手で弄び覚めた目で見ていた。

「出来れば素直に話してもらいたい。」
「話すと思っているの?」
「俺の名前を知っていたな。俺の噂は聞いてるか?俺は敵には容赦はしない。」
「………」
「第一シルビアに喧嘩を売る馬鹿はあいつくらいしかいないからな。」
「拷問しても無駄よ。子供の頃から暴力も性的なものでも全て耐える訓練を受けている。」
「さて、それは好都合。簡単に気絶してもらっては困るからな。」

<汝は我の奴隷なり>

 白いシャツにルーンが浮かび上がり、強い魔力が暗殺者の女性を覆っていく。焦ったのか
女性は舌を噛み切ろうとしたが、

「自殺するな!」
 俺の命令に逆らえず、その動きを止めた。

「おまえ……何をした……」
 暗殺者は相手の言葉に従ってしまった自分の身体の変化に困惑しながら、少し顔を紅潮させ
俺をにらみつけた。

「俺は一流の魔法技師らしいな。それは俺の傑作だ…。催淫魔法もかかっているから
 身体が熱いだろう。それを着たものは命令に逆らえなくなる。逆らおうとすれば…
 まあ、それはお楽しみか。時間が惜しいから出来れば素直に吐いて欲しいんだが。」
 返事は簡潔だった。

「下種が…。誰が話すものか。」
「お前の目的、雇い主、本物の居場所…全て話せ。嘘はつくな。」
「………ぐっ………」
 全身から汗を流し、顔を快楽からくる苦痛に歪めながら俺からの命令を銀色の髪の
暗殺者は耐え切った。それだけで、身体全体で息をつき股間からは蜜が溢れている。
 それでも、強気な眼で俺を睨み付けた。



213:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:54:26 f7L8N92T


「拒否すれば、催淫魔法の効果が強くなる…我慢すると狂うぞ?」
「……狂えば情報を引き出せまい。」
「お前の目的、雇い主、本物の居場所…全て話せ。」
「…~~っ!!やあっ!いやあああくううううう!!」
 全身が性感帯になったかのように全身を痙攣させながら、彼女は暴れまわった。
 それでも話すことを拒否し、全身を火照らせ、涎と涙を流しながらも抵抗している。
そこには初めの冷然とした鋭い容貌は欠片もなく必死で欲情を抑える姿だけがあった。

「話す気になったか?」
「…私は……何も……話さない…。」
「ではやり方を変えよう…話したくなったら話してくれ。命令だ…絶対イクな。」
「えっ……?」
 俺は愛液でべたべたの下着を脱がせると、強度の催淫の魔法を受けて快楽のために
ひくひくと蠢くアソコに指を突っ込んだ。

「~~~っい!!」
 暗殺者の身体が撥ねる。通常より遥かに過敏なそこを俺は相手の体を考えず、
刺激する。同時に立っている乳首をコリっとつまんだ。

「いやっ!イクっ……いいっ…っえ…うう…イケないっ!あうぅぅぅぅ!!」
 後ろ手に縛られた身体を痙攣させ、彼女のそこは俺を締め付けたが…快楽を感じつつも
俺の命令によって絶頂の寸前で止まってしまう。

「目的を話せ。」
「いやっ!ああああああ、やめて!!まって!あっああああ!!」
 拒否することが前提の俺の命令。それを拒絶しようとする彼女の意思はさらに催淫の
効果を高めていく。
 既に、触れただけで身体を震わせるようになった。そんな彼女にさらにクリトリスを摘み
愛撫を重ねていく。

「だめええええっ!いやあああ!イクっ!イクっ!!!イカせてえええぇ!!!」
 もはや、恥も外聞も無く暗殺者ははしたない言葉を大声で叫んでいた。銀色の髪を
振り乱し、冷徹な表情は痴女のそれとなり、金色の瞳には強さの代わりに情欲に燃えていた。
 俺は一度指から手を抜いて、両手でそれぞれの足を持つと股間に足を当てた。足にぬらっと
した水気がつき、足を置いただけの衝撃でも敏感に反応する。

「うぅぁぁ……な、何を………」
「これはちょっとした子供の頃の思い出さ。楽しいお遊び。本来は男同士にするものだがね。
 もし、死んでしまっても俺だけを恨めよ?」
 そして、俺はゆっくりと脚を動かしだした。



214:魔法技師と貴族の娘
07/06/27 09:56:29 f7L8N92T

「うぁ………」
 両手をがっしり持って股間の足をずどどどどどどっと軽快に振動を伝えるように
どんどん動かす足のスピードを速めていく。

「ぎゃぁぁぁぁあぁっ!!やああああああああああぃぃぃぃぁぁぁっ!!!」
「どうだ、気持ちいいか?」
 容赦なく、蹴るように。彼女は指だけでしていたときよりも遥かに全身を反応
させて暴れまわっている。絶頂の寸前までいっているのにいけない…その地獄を味わいながら、
止めることも出来ずにされている。俺は何も聞かず、三十分それを続けた。

「やあああっ!!!いくっ!!!あああああぎゃあああイケっイケないっ!!!ぎゃああ!!
 いやあああもう許してえええええええっうううう壊れるっだめええいかせてええ!!!!!!!」

 これ以上は精神崩壊の危険もある。潮を吹きながら転げまわろうとする彼女をしっかりと
押さえ込んみながらも刺激を緩め、俺は助け舟を出すことにした。

「あああああ、イケないっ~~んあああああ、イキそうなのにっうああ!だめええええええ!!」
「お前の護衛としてきた奴らは全部吐いた。お前が話しても話さなくても同じだ。だから、
 無理することは無い。」
「えっ!!うあ!!も、もう我慢しなくてっうひゃあああぁぁひぃーーーっ!!」
「ああ。お前だけが我慢することは無いんだ。話したらイカせてやる。」
 嘘だ。他の奴は何も知らなかった。快楽で頭が焼ききれそうになっている暗殺者も
正常なら絶対に判っただろう。

「全部!!全部話すからっ!!!イカせて!!いや、またくるっ!うう!イケない…
 イケないよおぉ!!うああああぁっぁあぁぁぁきゃああああ!!!」
「よし、お前の目的、雇い主、本物のいる場所を話せ。」
 そして──彼女は陥落した。

「よし、命令だ。イっていいぞ!」
「あっ!!ひぃあぁぁぁぁぁぁぁあ、いくっイケるっ!!あああああああっいくぅぅぅーーーーーっ!!!」
 冷徹な憎しみの目で俺を見ていた銀色の髪の美しい暗殺者は口をあけたまま涙と涎にまみれて、最後の
絶頂による開放感に我慢できずに失禁して失神した。
 俺は外で待機させておいた女官に牢に入れ、シャツを回収して置くように命令すると、
シルビアに報告し本物の公爵の令嬢を確保するために動き始めた。

 中の惨状を見た女官たちは俺のテクニックについての色んな噂を流し、たまに熱い眼で
見られるようになったが…真実は誰も知らない。


215:名無しさん@ピンキー
07/06/27 09:58:44 f7L8N92T
投下終了です。後半も早めに。

216:名無しさん@ピンキー
07/06/27 19:28:04 8uDFLVYS
筆が速いっすね
GJ!

217:名無しさん@ピンキー
07/06/27 21:27:11 x8BJOGVg
>>12の続きです。

「よっ!」
 げしっ!
 朝から威勢のいい声とともに、後頭部に軽い痛みが走る。
「ほらほらー、ノロノロ歩いてると遅れるぞー!」
 笑いながら振り返り、アハハッと笑うショートカットのスポーティな少女。
 クラスメイトの宮口和美だ。運動神経抜群の、今で言うボーイッシュって奴だな。
 男女分け隔てなく付き合うコイツは、クラスでも男そこのけの元気娘だ。
「どした? 何か考え事?」
「あ、いや、なんでも……」
「変なヤツだなぁ。なんか変なコトでも考えてんじゃないのかぁ?」
 俺の顔を覗き込み、ニマッと笑う宮口。
 ……そういえば、コイツの女らしいところって見たことないな。
 正直言って顔は可愛い。表情が豊かなのがさらに可愛さをそそる。
 ただあまりにも快活すぎて、女子というのをほとんど皆に意識させない。
 しかし。コイツだって年頃の女のはずだ。
 俺はにわかに、宮口和美の快活の仮面の奥の女を見てみたくなった。
 女を女らしくさせるには方法はひとつ。そして今の俺にはそれができる。
(……透けて見えろ)
 そう念じると、宮口のセーラー服がみるみる透けていき、下着が徐々にあらわれてくる。
(うわ……マジかよ)
 俺の先を歩く宮口のスカートを透かせたその先に見えたのは、白地にピンクの花柄パンティ。

(うわぁ、イメージに合わねー、合わなさ過ぎるー)
「ん? どうした鈴木。あたしの背中になんかついてるか?」
「あ、いや、別に何も……」
「変なヤツ」
 呆れ顔でさっさと行ってしまう宮口。その背中、というか制服の奥の花柄パンティを見て思う。
(あの宮口があんなパンツ履いてるとはな。これはぜひ皆にも教えてやらないと)

 どうやって宮口に恥をかかせるか。笑いを堪えながら学校へ向かった。



218:名無しさん@ピンキー
07/06/27 21:45:15 TunMnAoN
>>217
おお、GJ!

219:名無しさん@ピンキー
07/06/28 04:13:55 RFo6qEaN
>>215
GJ!!!GJ!!!
筆の速さに感嘆の嵐っス。
今回の話ではただの流れだけど皇帝の御前で皇帝助ける活躍見せてるね。
この皇帝、娘の皇女様とかいないかな?

220:名無しさん@ピンキー
07/06/28 04:18:39 fwAr9McF
>>219
人が書こうとしている話の先を勝手に予測してレスするのは邪道
観客は黙って見てるべし
あと日本語でおk

221:名無しさん@ピンキー
07/06/28 04:19:51 fwAr9McF
この板でスレをageるのは死罪に値する
吊ってくる

222:名無しさん@ピンキー
07/06/28 08:39:27 V1R7oJM0
どんまいw

223:名無しさん@ピンキー
07/06/28 09:43:05 hk426NIP
>>199
>>1を参照

224:名無しさん@ピンキー
07/06/28 15:40:52 pmSRmYpz
久しぶりに様子見に来たらこれは神wwwwwwww
これからは定期的に見に来るよ

225:名無しさん@ピンキー
07/06/28 17:44:11 tkcTI6E5
投稿します。第七話後編。
エロは無いです。
主役は侯爵様。

226:魔法技師と貴族の娘
07/06/28 17:45:23 tkcTI6E5


「お怪我がなくて何よりです。セシリア嬢。」
「助けていただき、ありがとうございます。シルビアお姉様。」
 皇帝の暗殺未遂から三時間…事件は解決していた。ユウを私の護衛へと残し、
カイ、ベル、マオの三人で敵を全て生かして拘束…セシリアを回収して片づけを残る部下に任せて
帰還。満足のできる手際だった。カイは完璧な貴族の儀礼で皇帝やその他貴族と接して
事件の解決を報告し、皇帝を護ったことと併せて領地こそないが爵位を与えられた。
 気に入られたのだろう……それとも、皇帝が私とカイを引き離すための工作を始めたか…
いずれにしても無駄なことだ。大人しく爵位を受けたのは私のためだろう。正確には
子供のため。血統だけを重視する馬鹿共と戦いやすいようにしてくれた…そういう男だ。

 今までの様々な戦いで相手の優秀な人材は殆ど降伏するか戦死させた。
 今回も全てが解決し…犯人は誰も言わないが皆気づいている…日和見主義の者たちも私の
勢力についた。公爵の無謀を悟り、こちらは私が出産で動けない間もカイがいるということを
印象付けたのだ。今まで裏に隠れていた彼を表に引き出してしまった…友人としては
失格かもしれない。しかし、ここまで着たからには…
───公爵家の滅びはもう遠い話ではないだろう。




227:魔法技師と貴族の娘
07/06/28 17:46:17 tkcTI6E5


 そして今、私の部屋にはセシリア・フォン・ヴァストル。公爵家の銀の華と謳われた
美しい女性が訪れていた。彼女を助ける…あの三人にとってどれほど酷なことだったか。

「何か私に御用がおありとお見受けしましたが。」
「あの方のことをお聞きしたいのです。」
 家族でありながら、身内がしていることに気づいていないのだろう。この年若い娘は
公爵にとって最大の敵であるはずの私に対していつも、尊敬と善意と好意の視線を崩さない。

「聞かぬほうがよろしいかと。知るべきではないことを知るのは不幸なことです。」
「一度目お会いしたときのあの方は、優しく温かい人物に思えました。何の縁も無い私を
 身を挺して護ってくださいました。」
「最初の暗殺……ですね。結局今回の事件とは別件であったようですが。」
「ですが、二度目助けていただいたときのあの人の目は…他に見たことのない眼でした。」
「カイが貴女に向ける感情は炎…貴女のような蝶が近づけば一瞬で燃え尽きるでしょう。
 悪いことは言わないからお忘れなさい。」
 この人のいいお嬢さんに聞かせることではないだろうと私は思う。

「お姉様、お願いします。」
「知ってどうするの。貴女とカイじゃ身分が違うのよ?」
「それでも、あの方とお姉様は対等の友人だと伺っています。」
「ええ友人よ。だからこそ、好奇心だけで教えるわけにはいかないの。」
「好奇心だけではないです…。あの方は言っていました。近いうちに誰より自分を
 恨むようになるから礼は不要…と。私は自分の知らぬうちに恨まれるようなことを
 しているのです。本来優しいはずの人をあそこまで変えるくらいに。」
「そうね…。でも、心配しなくてもセシリア…貴女の責任じゃないわ。」
「知りたいんです…あの人のことを…。」
 私は溜息をついた。見覚えのある眼だ…夢を見て恋する少女の目…。これからこの少女を
私は徹底的に不幸にしてしまうのだろう。
 私にもこんな眼をしている時代もあったわ…。

「判ったわ。教えてあげる…。だけどね、セシリア…悲恋の物語の主人公以上に
 カイを想うことは貴女にとって不幸な事なのよ。」
「え……」
「いい機会だからもう一人聞かせるわ。呼ぶから少し待ってね?」
 私は鈴を鳴らして使用人を呼び、人を呼びに行かせた。


228:魔法技師と貴族の娘
07/06/28 17:47:27 tkcTI6E5


 暫くすると目的の人物が入ってくる。金色の髪に美しい水色の瞳…そして、私の先祖でも
あるらしい美しい金髪の美少女…ユウだ。

「僕を呼びましたか。シルビア。」
「ええ、カイの昔のことを話そうと思うの。ひょっとしたら聞いてしまうと、カイと一緒に
 いれなくなるかもしれないけど…聞く?」
 私はしゃがんで、背の低いユウの顔を覗き込んで問いかけた。

「聞きます。」
 ユウは迷い無く頷いた。

「マオは知っても一緒にいることを選んでいるわ。あの子も過酷な道を歩いているから
 でしょうけど…貴女もそう力まないでね。」
 そして、私は二人のほうを向いて私が調べ上げた昔話を始めた。

「カイは幼少の頃は公爵の領内で猟師を生業とする両親の元で普通に育っていた。だけど、
 両親は…殺されたの。たまたま、親戚の一家と一緒に森で遊んでいたらしいわ。そんなとこに
 貴族が狩りに来たの。彼らはカイ達を見つけるや人間狩りと称して狩り始めた。カイは
 親戚の娘だった幼いベルを連れて必死で逃げた…逃げ切れたのは彼らだけで残りは全滅。
 ベルはそれ以来しゃべれなくなった。」
「じゃあ、ベルは…。」
「本当の妹じゃない。カイが言うまでいっちゃ駄目よ。ベルは知らないんだから。」
 ここまで話して、既にセシリアの顔色は真っ青になっていた。私が何を言わんとしているか
判っているのだろう。世間知らずだけど頭の悪い娘じゃない。

「逃げ切った、カイはベルを家まで連れて帰った……そのときには犯罪者の汚名を着せられて
 家を燃やされていたの。彼は殺されるのを恐れて隣の領土まで逃げた…凄いわよね。
 子供なのに…運も良かったんでしょうけど。それをやったのが、前公爵…
 ゲイリー・フォン・ヴァストル。セシリアの父親よ。」
「そ、そんな…お父様が……それじゃ恨まれても……。」
 ユウは、崩れそうになっている彼女を支えて悲しそうに眼を曇らせている。

「彼は前向きな強い人間よ。逃げ込んだ場所で人のいい貴族付き魔法技師に拾われた二人は、
 そこの貴族の女の子の護衛と遊び役として、それから勉学のライバルとして忠実に優秀に勤めたわ。
 彼はそんな状況でも養われるのを良しとせず、魔法技師の手伝いをして報酬を貰って
 ベルと二人で生きた。女の子も凄くいい子でカイの心の傷を癒していったわ。ベルも
 よく懐いて、自然二人は恋仲になって帝国の最高学府である帝国大学で一緒に学んでいた。
 私もそのときに会ったわ。可愛い娘だった。もうあれから五年にもなるのね…。」
 そうして、自分も一緒に通っていた頃を思い出していた…楽しくて…希望に満ちていて…
そして無力さを思い知った日々…。



229:魔法技師と貴族の娘
07/06/28 17:48:50 tkcTI6E5


「でも僕…その人に会ったことないし話を聞いたことも無いですよ…。」
「そりゃそうよ。死んでしまったのだもの。」
 びくっとセシリアは震えた。嫌な予感がするのだろう…そしてそれは当たっている。

「カイは優秀だった…魔法技師として…そう天才といっていいかもしれない。彼は自然に、
復讐なんて考えず慎ましく生きようと考えていたけど目立ちすぎたのね。
 当時、大学に通っていた…私の婚約者でもあったセシリアの兄、ライルの眼に止まってしまった。
 彼はライルを恨まずちゃんと礼儀を持って自分がしたいことを伝えて誘いを断った。」
 少し話を切る…そして、眼を瞑り…自らの友人でもあった聡明な女性に護れなかったことを謝罪する。
 無力を…諦めていた頃の自分への決別の出来事…長い長い戦いへ繋がる初めの敗北。

「平民のカイが断ったことでライルは激怒した。人と金を使って私を除く全ての友人にカイを
 裏切らせ、裏切らない数少ない者を殺し、カイを助けた貴族に圧力をかけてカイの愛する人を
 強引に奪い、カイへの人質にして……さらに動けないカイの前で輪姦しようとしたのよ。
 彼女は利用されるのを良しとせずにカイが捨てた剣を隙を見て拾って自殺した。
 私はそのときあまりに無力で…ベルを助けて、カイを死地から逃がすので精一杯だった。
 あいつは私を恨んでも当然なのに、壊れそうな精神で言ったのは愛する人への謝罪と
 ベルを助けた私への礼だったわ。そして、あいつも私も悟ったのよ。甘ければ生きていけないし、
 強くならなければ大事な人を護れないって。私は婚約破棄した後、あらゆる事をした。
 何人も殺したし、敵は徹底的に破滅させた。カイも同じ。己の手を血に汚した…そして、
 五年の歳月をかけて…みんな何度も死に掛けて…対抗できる力を持った。セシリア
 ……公爵家は滅ぶの。ヴァストルの家名を私は後世に残すつもりは無いわ。徹底的に滅ぼす。
 彼の友人として…私は貴女の最大の敵なのよ。」
 セシリアの顔は死人のように血の気が引いて真っ白になっていた。彼女は関わってない、
責任も無い。好意すら持っている。だけど、それでも敵だ。私と友人の。

「ユウ。貴女はどうする。私や彼は正義になんて程遠いのだけど。」
「カイ様は…それだけのことがあっても…やさしい人です。人間じゃない僕やマオも
 温かく迎えてくれています。僕は……例え愛してもらえなくてもカイ様といます。
 そして、あの人を護ります。聞かせてくれてありがとう。シルビア。」
「貴女もいい子ね。カイが完全に堕ちてしまわない様にちゃんとみてあげてね。」
「勿論です。でも大丈夫と思います。」
 セシリアのほうを向いた。顔に手を当てて泣いている…普通の女性の彼女にとって
今の話は酷だろう。自分が生活してきたことの裏にどれ程の出来事があるのか…。不幸に
されたのはカイだけじゃないのだから。なまじ頭がいいだけにそれが判るのだろう。


230:魔法技師と貴族の娘
07/06/28 17:49:55 tkcTI6E5


「後悔してる?」
「辛いですけど……後悔は……していません。一つ質問していいですかお姉様。」
「どうぞ。」
「お腹の子供は……」
「カイの子よ。私は大貴族の貴女の兄より平民のカイを選んだの。ま、今度爵位貰うみたいだけど、
 あいつは変らないでしょうね。本当のあいつはあんな夕べのような堅苦しい男じゃない。
 下品で気さくでおもしろいやつなのよ。」
「でも、どうして…」
「公爵へのあてつけでもあるけど………馬鹿でがさつで教養も節操も無い最低の奴だけど…
 惚れた男の子供を生みたいのは女として当然じゃない?」
 私はいたずらっぽく二人に微笑みかけた。私は友人、親友として以上に彼を愛してしまった。
だけど、カイの本当に好きな人を護れなかった私には愛される資格は無い。それは、無力
だった私への罰であり…侯爵として、帝国の筆頭貴族として…多くの人を率いる私の運命なのだから。
 だけど、私は子供を生む。カイが婚約者でもあった公爵なんかよりよっぽどいい男だと
彼に身体で証明してあげるために。そして、彼を愛してしまった私のたった一つの我侭のために。

 私は力なく去っていくセシリアを見送りつつ、大泣きするユウを優しく抱きしめてあげた。
 セシリアがこれからどうするのかは判らない…それは彼女が決めることだろう。願わくば
彼女は不幸になることがないよう……私は祈ることしかできなかった。




231:魔法技師と貴族の娘
07/06/28 17:51:35 tkcTI6E5


 数日後、後の処理を全て片付けてカイ達の暮らす「真珠亭」へと私は足を運んでいた。
 ここは貴族としてでなく、友人としてみんなと会える大事な場所だ。

「お、来たな。縦ロールお化け。」
「あら、狼が革を被ったような変態が何かしゃべってますわ。」
 学生の頃から続く軽口を叩き、微笑みながらいつもの席に座る。

「よう、シルビアの嬢ちゃん誕生日だったんだってな。今日は腕を振るわせてもらったぜ。」
「え…おじさま、ありがとうございます。」
 出てきたのは豪勢な料理。ここの料理は見た目はともかく、味は凄くいい。そして、
果実酒も配られ、私にだけジュースが渡される。

「じゃ、改めて…シルビアの二十…ごほっ、ごほっ歳の誕生日を祝いましてー。」
「馬鹿!人聞きの悪い言い方しないで!まだ二十二よっ!」
 必死になって止める私に周囲から笑いが起こった。しかし……ここの常連客にとっても
私は馴染みの人間になってしまった。
 そんな中、可愛い服を着たユウから袋が渡された。店中から拍手が沸き起こる。

「これ、僕たちみんなからです。シルビア。」
「これは…ペンダント?」
 袋を開けるとシンプルなミスリル銀のペンダントが入っていた。

「ベルが選んだものに、わらわとカイとユウの三人でルーンを刻んで魔力を込めた。
 お主と子供の身を護るだろう…実用的じゃな。それに…案ずるな。お主が動けない間は
 わらわたちが必ず護ってやる。遠慮はするな。腹黒いこともカイに任せておけばいい。」
「……………(こくこく)」
「そうですよ~僕たちに出来ることは何でもしますから。」
 いつも得意げなマオが無い胸を反らして自慢げに説明し、ベルが笑って頷いている。
 ユウはにこにこと微笑んでいた。

「腕利き魔法技師と魔王と勇者の合作…世界でたった一つの逸品ね。有難う。」
 私は心から礼を言った。ボロボロになった精神に活力が与えられる…また、明日から
戦っていける。

「んじゃ改めて、我らが悪友シルビアの二十二歳の誕生日に。乾杯っ!!」
 全てのテーブルでカチャっと軽い音が鳴り杯が合わされる。色んなものを失ったけど、
色んなものを得て私たちは生きている。カイのような思いをする人が少しでも減らせるよ
うに…色んなものを助け、或いは踏みにじりながら…。

 私たちは友人たちと楽しみながら日々生きている。今度は失わないと誓って。



232:名無しさん@ピンキー
07/06/28 17:57:41 tkcTI6E5
投下終了です。
掲示板で見ると少し反省点も;

次もぼちぼち頑張ります。

233:名無しさん@ピンキー
07/06/28 18:14:29 HZYAoc36
初リアル遭遇!!!
GJ!!
これからの話しが気になるー

234:名無しさん@ピンキー
07/06/28 18:22:02 Ixg3WnCl
シルビアがいい女すぎて泣けた


235:名無しさん@ピンキー
07/06/28 21:58:27 /WGs5kGR
>>217のつづき

「あ……おはよう」
「お。おはよう」
 なんとか始業前に教室につけた俺に、隣の女子が挨拶してくれる。
 田中陽子。セミロングで身体の線の細い女子。
 はにかみ気味に向けてくれるその笑顔同様、控えめでおとなしめなヤツだ。
 けど暗いってわけでもなく、思いやりのある優しいヤツだと思う。
 宮口とは違うそのおとなしめな可愛さが、宮口とはまた違う嗜虐心をそそられる。 
(透けて見えろ)
 俺が念じると、田中のスカートがみるみるうちに透けてくる。
 透けてきた先に見えたものは、コイツらしいといえばらしい純白のパンティ。
 綿無地に赤のワンポイントリボンが清楚な田中らしくて情欲がそそられる。
「……? どうしたの?」
「あ、いや、なんでも」
「そう……」
 不思議そうに首を傾げる田中をよそに、携帯を取り出しメール確認を装ってみる。

「校内での携帯持ち込みは禁止!」
 その瞬間、携帯がひったくられる。
「校則で決まったでしょ? 決まった以上はちゃんと守りなさいよ」 
「……副会長」
 腕を組んで、眼鏡越しの視線を俺に向けるのは、横にいる田中より背の高い女子。
 三つ編み眼鏡にセーラー服という、真面目を絵に描いたような生徒会副会長。
「あとね。副会長って呼ぶのもやめて。私には酒井裕美って名前があるの」
「はいはい。わかりましたよ、ユミちゃん」  
「馴れ馴れしく名前で呼ばないで! それに私の名前はヒロミ! ユミじゃない!」
(ったく、口うるさいヤツだなまったく)
「何か言った?」
「あ、いや」
「とにかく携帯電話は没収します。
 後で職員室行って返してもらいなさい。……たっぷりとお説教つきでね」

「やーい、怒られた」
「……うるせーな」
 しょげてる俺に宮口がニタニタしながら声をかけてくる。
「まあ裕美は裕美なりに必死なんだよ。大目に見てやってよ」
 ポンポンと人の肩を叩く宮口。慰めているつもりなんだろう。
 だけどな。こっちは超能力を手に入れて、女子の痴態をたっぷり拝ませてもらうつもりだったんだ。
 もちろん携帯にも全て記憶してな。
 それをアイツ、酒井裕美が全て台無しにしてくれやがって……

 あえて酒井のパンティは透視しないでやった。
 アイツには、その程度の辱めで済ませてなどやるものか。
 目には目を。歯には歯を。携帯電話には携帯電話だ。見てろよ酒井裕美。
 そして酒井をかばった宮口和美。元々の発端の田中陽子。
 お前ら三人、今日は恥ずかしさに啜り泣かせてやるからな……


236:名無しさん@ピンキー
07/06/28 22:21:39 Ixg3WnCl
wktk支援
マジで続きが気になる

237:名無しさん@ピンキー
07/06/28 22:40:25 uPZ2om68
>>235
GJ、続きを楽しみにしてます。

238:名無しさん@ピンキー
07/06/28 22:58:47 lhK9LN3K
>>232
何かもう、抜けるとか抜けないとか、そんな問題じゃない。
感動した。

239:名無しさん@ピンキー
07/06/29 03:01:25 BYVe5uB0
>>235のつづき
長いので分割で

そういえば、1時間目は体育だったな……丁度いい。
まずは挨拶代わりにちょっとした悪戯でもしてやるか。

ホームルームが終わると、ぞろぞろと男子が体操服を持って教室から出て行く。
うちの学校にはプール以外に更衣室が無く、着替えは女子はこの教室で、
そして男子は隣にある空き教室で行うことになっている。
大抵の場合、男子はすぐに着替え終わって授業が始まるまで廊下でだべっているが、
女子はいつまでも教室の中から出てこない。
今日もその例に漏れず、俺を含む男子はほとんど着替え終わって廊下に出てきているのに、
女子は教室の中で何をしているのか、カーテンをぴったりと閉ざしたまま一人として出てこない。
昨日までの俺なら、このカーテンが透けて教室の中が見えることを妄想したものだが……今日からは違う。
(透けろ)
もう何度となく使ってきたおかげで、透視はお手の物である。
あっという間に、目の前には女子たちの禁断の花園の光景が広がる。
未だに制服姿の奴もいれば、既に体操服に着替え終わっている奴もいる。
しかし、大部分は回りの奴と談笑しながらゆっくり着替えているようで、ほとんどはブラとパンツのどちらか、
もしくは両方を晒している。
(俺に覗かれているとも知らずに仲良くお喋りか……知らぬが仏ってやつだなぁ)
などと考えながら教室の中をぐるりと見回す。

しかし……中の音が聞こえないというのはいまいち臨場感に欠けるな。
いや待てよ……透視ができるんだったら、超能力で教室の中の音も拾えるんじゃないか?
そう思って耳に意識を集中させると、だんだん教室の壁を隔てた会話が聞こえてきた。
「カスミちゃんって、胸おっきいよね、ちょっと羨ましいな……」
「え……?そ、そうかな?」
「うん……だって私、全然ないもん。このまま大人になっちゃったら、どうしよう……」
「そんなことないって……成長期はこれからなんだから、胸くらいユリだっていくらでも大きくなるよ。」
「本当?私の胸もこんな風におっきくてふにふにになるの?」
「ひゃぁっ!?ちょ、ちょっと、触らないでよー!」
……おーおー、男子の前では決してしないような会話までバッチリ聞こえるぜ。
それにしても、意外と女子って同性の前では大胆なんだな……。

くくく、周りの男子ども、羨ましいだろう。お前らがいくら妄想しても決して見ることのできない光景を、
俺は廊下にいながらじっくりと観察できるんだぜ。
本来なら独り占めしてもいいんだが、特別大サービスだ、お前たちにも少しおすそ分けしてやる。

240:名無しさん@ピンキー
07/06/29 03:04:05 BYVe5uB0
えーと、酒井はと……残念、既に着替え終わっていたか。
まあいい……お前は後回しだ、別の機会にたっぷりと恥をかかせてやるよ。
その前に宮口だ……ああいう生意気な奴は、たまには男子の目の保養になってもらうことにしよう。
宮口の姿を探すと……教室の扉の近くで、周りの女子と血液型占いについて花を咲かせていた。
上半身は体操服だが、下半身は下着だけという中途半端な格好だ。
(まあ、そっちの方が好都合だ……その姿、廊下の奴らにたっぷりとお披露目させてやるよ)
宮口がハーフパンツを鞄から出して、右足を通そうと足を上げる……その瞬間を狙って、「力」を発動させる。
(今だ!)
念じると、誰かに背中を押されたかのように、ぐらりと宮口の体が前に倒れかける。
「え!?う、うわ……ちょっと、押さないでよ!」
突然のことに戸惑いながらも、流石スポーツ少女というべきか、左足一本でケンケンしながら倒れないようになんとか踏ん張る宮口。
ちなみにハーフパンツは両手に持って右の足首に通した状態である。
(なかなかのバランス感覚だな……もっとも、それが身を滅ぼすことになるんだがな。)
体勢を立て直す暇を与えず、どん、どんとタイミングよく宮口の背中を念動力で押してやる。
「こ、こら、誰よ、ふざけてるのは……」
ケンケンしながら慌てて後ろに声を掛ける宮口だが、当然そこには誰もいない。
「何言ってるの和美ちゃん?誰も押してないよ?」
不思議そうにそう答えたのは田中だ。
混乱しつつ宮口が再び前に視線を向けると、目の前には……教室の扉があった。
「うわ、ぶつかるっ……!」
自分が顔面から扉に突っ込む姿を思い描いたのか、思わず目を閉じかける宮口。
だが、幸か不幸か、恐れていた事態は起こらなかった。
誰も手を触れていないはずの扉が、まるで自動ドアのようにガラガラと開いていったからである。
「え……?」
事態を把握する前に、宮口の体は廊下へと弾き出され……そのままつんのめるようにしてバランスを崩す。
「ぐふっ」と間抜けな声を出し、宮口はお尻を突き上げるような格好で廊下の真ん中にうつ伏せに倒れていた。
当然、可愛い花柄のパンツを男子の前で丸出しにしながら。

「……」「……」
騒がしかった教室と廊下の時間が、一瞬で止まる。
そりゃそうだろう。なんたっていきなり教室から宮口が片足跳びで飛び出して、
パンツ丸見えどころかめくれた体操服からブラチラまでさせながら、廊下に突っ伏しているんだから。
誰もが目の前の光景に呆然としている中、一番最初に動き出したのは、宮口だった。
「……うわああああああ!」
大和撫子とは程遠い悲鳴を上げて飛び起き、真っ赤な顔で素早くハーフパンツを履く。
反応のスピードも、スポーツ少女ならではといったところか。
だがそれでも、男子たちが今の光景を目に焼き付けるのには充分な時間だった。
そのまま逃げ込むように教室に戻ろうとする宮口だったが……非情にもその瞬間に授業のチャイムが鳴る。
チャイムを聞いて次々と女子が教室を出て校庭に向かう中、宮口は教室に戻るわけにもいかずに、
田中に男子の視線から庇ってもらいながら他の女子と共に校庭に向かうことしかできなかった。
男子も、さりげなく宮口の周りを取り囲むようにして、時折チラチラとそちらを見ながら移動を始める。
良かったな宮口、これでお前は今日からクラスの人気者だ。

さてと、あとは田中陽子と酒井裕美か。
言っておくが、お前らはこの程度じゃ済まさないからな……首を洗って待ってろよ。

241:名無しさん@ピンキー
07/06/29 12:08:31 fcZ7aRDn
GJGJ

242:名無しさん@ピンキー
07/06/29 13:29:26 aGv+4T7+
宮口の恥じらいっぷりが最高です。
男勝りのボーイッシュ少女も、花柄のパンツ大公開じゃ、
恥ずかしくて男子と目も合わせられないんでしょうねぇ。

クラスの男子のさりげない意地悪っぷりもいいです。
女子の羞恥をみんなでじわじわなぶる。
超能力少年のみならず、男子たちの活躍にも期待です。

243:名無しさん@ピンキー
07/06/29 22:00:51 BYVe5uB0
>>235
携帯電話を利用して恥ずかしい目に遭わせる、というシチュエーションに惹かれたので、
できたら続きを投下していただけたら嬉しいです。
どんなことをするつもりなのかちょっと思いつかないしw

244:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:38:49 q7ZBAS7K
投下します。魔法技師八回目。
ちょい長め。

245:名無しさん@ピンキー
07/06/30 17:41:01 gNKKN6OO
wktk

246:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:41:13 q7ZBAS7K


 私は夜空を見上げていた。今宵は満月─月が美しいと思ったのははじめてのことだ。
 そんな自分に苦笑する。目的もなく、単に夜空を見上げる日が来るなんて思っても見なかった。

 私は、公爵家の娘であるセシリア・フォン・ヴァストルの影として雇われた。貴族としての
立ち居振る舞いから暗殺技術、諜報技術、ありとあらゆることを仕込まれ…最後は皇帝を
暗殺するという名目で成功しても失敗しても死ぬしかない任務を負わされた。

 そして、あっさり失敗した。不意を突かれたとはいえ何も出来なかった。耐える訓練も
役に立たず大恥をかかされて情報を全て奪われ、何も為しえず私は死ぬはずだった。
 カイ・リスター……奴はシュタインベルグ侯爵と共に私が捕らえられた牢に現れ、いった。
 情けないことに私は奴の目を見ただけで本能から恐怖を感じ身体が震えるのを止める
ことができなかった。元いた組織でもこんな眼をした男はいない。

「他の者は全て、皇帝暗殺未遂の重犯罪人として全て処刑した。だが、お前には生か死か
 選ばせようと思う。」
 私は精一杯の虚勢を張って奴を睨み付けた。

「何故、私だけに取引を持ちかける。」
「俺は強気な女が大好きなんだ。」
 奴はおちゃらけて笑いながら私に言った。

「ふざけるなっ!!!」
「冗談だ。そう怒るな。生を選ぶならこっちのシルビアに忠誠を尽くせ。馬鹿公爵よりは
 いい扱いをすることを保障しよう。それから…」
「それから…?」
「シルビアに忠誠を尽くす限り、いつ俺を暗殺しようとしても構わない。」
 奴の言葉には嘘を感じることは出来なかった。カイ・リスターは本気だ。自分を殺してもいいから
侯爵に仕えろと…。侯爵を見た。確かに彼女は同じ女性として尊敬できる。だが、

「裏切って侯爵を害するとは思わないのか?」
「そこまでの義理は公爵にあるまい。なら裏切られるシルビアが悪い。」
「……役立たずの私をどうする気だ。」
「君への尋問内容を聞かしたら同じ女性としてシルビアに許せないと怒られてな。まぁ、
 なんだ、若い身空で死を急ぐこともあるまい。」
 私は侯爵を一度見て、カイ・リスターに向き直った。

「わかった。侯爵に仕えよう。だが、貴様は殺して恥を注ぐっ!!!」
「おっけー。契約成立だな。髪の色は染めるぞ。そのままはまずいからな。」
 殺意をむけてもやつはへらへらしながら、受け流していた。




247:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:43:55 q7ZBAS7K


 侯爵からの初めの任務は私の所属していた組織への手紙の配達だった。組織が裏切った
私を許すはずはない…。やはり、死ぬのかと私は考えていた。

 だが、組織の長は手紙を読むと私へ組織からの除名を言い渡した。ただそれだけだった。
 長は苦い声で敵にする相手を間違えたと呟いた。私を生かしたことには何かしら、
意味があったのだろう。侯爵は情けで生かすほど甘い人間ではないはずだ。

 それからは、カイに戦いを挑んだ。背後から襲い…落とし穴に落ちた。彼は笑いながら
私の頭を撫でた。あるときは、高いところから弓で狙った。だが、それを放つ前に魔法で
弦を切られて終わった。あるときは正面から挑んだが逃げているだけに思った奴は、ルーンを
地面に作って罠を張り、私を拘束した。奴は私の頬にキスをして去っていった。

 遊ばれている…。任務のためではなく、殺すために殺す…影としての人生が終わり、
全ての目的がなくなったとき手に入れた初めの目的は、全く上手くいくことはなかった。
 そして、命を狙われながらあいつは私を殺さない。

「こんばんは、お姉さん。」
 ふと横をみると、私の隣に貴族の着るような可愛い服を着た美しい少女が座っていた。
 ここはスラム……市街地が近いとはいえこんな少女が一人で来るような場所ではない。
しかもここは、屋根の上だ。月の光を浴びた少女の現実感の薄い美しさに私は暫く呆然と
見つめていた。そう、幻想的な─物語の一ページのような…金色の少しだけウェーブの
かかった髪は夜風で揺れ、光を跳ね返していた。
 彼女は持っていたものを私に差し出した。お茶とお菓子だ。

「カイ様が暗殺者のお姉さんが着てるから僕にもっていってやれって。」
 少女に敵意は感じない。私も……何もする気が起きなかった。黙って受け取る。

「貴女は何者?」
「僕はユウって名前だよ。お姉さんは?」
 金色の髪の少女は水色の瞳に穏やかなものを浮かべて私に聞いてきた。

「私には…名前がないの。」
「そうなんだ。僕と一緒だね。最近まで僕もなかったから。」
 くすくすと少女が笑う。幸せそうに。

「貴女はあの恐ろしい男といて平気なの?」
「カイ様は優しいよ。」
 耳を疑いたくなった。優しい人間が何故あそこまで非情になれるのか。

「冗談をいってはいけないわ。あいつは酷い男よ。」
「ううん。冗談じゃないよ。あの人は友達のために身を犠牲に出来る人なんだ。現に、
 お姉さんはシルビアのとこでちゃんとお仕事してるでしょ?」
 確かにカイの命を狙いながら侯爵に逆らおうと思ったことはない。美しい少女は
当然とばかりに、私を諭そうとする。



248:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:48:55 q7ZBAS7K


「だけど、許せないわ。」
「どうして?」
「あいつは私に……酷いことしたのよ。個人的な恨み。」
「何をしたの?」
 少女は私に純真に微笑みながら問いかけてくる。

「性的な暴行よ。意味はわかる?」
「えっちなことだね。」
「貴女は女として許せるの?」
 何を言っているんだろうか。私は…。こんな少女に…。

「カイ様がそれをしたことは……必要だったんじゃないかな。不必要に人を痛めて
 喜ぶような人じゃないから。」
「貴女はカイ・リスターが好きなのね。」
「うん、僕大好きだよ。」
 判っている…あそこで情報が出なければ侯爵家はあそこまで優位には進めれなかっただろう。
 あいつは情報を得るために、自分の手を汚しただけだ。現に暗殺のときはあいつはからかう
ことはあっても私に手を出そうとはしなかった。怪我もさせなかった。

「お姉さんはえっちなこと嫌い?」
 水色の瞳に純粋な疑問を浮かべて、少女は私に聞いてきた。

「嫌い。いままでのこと思い出しただけでも怖気がするわ。」
「悲しいね。お姉さんは…愛されたことないんだね。一人は辛くない?寂しくない?」
「今まで…任務だけで生きてきたから判らないわね。」
 私のために少女は涙を流していた。なんだかわからないけど、私の中の何かがすっと
溶けていったように感じた。

「貴女が泣くようなことじゃないでしょう。少なくとも今は寂しくないわ。ユウがいるから。」
「うん…お姉さんも人を愛せるようになるといいね。」
「何で?」
「愛される優しいえっちは凄く幸せで気持ちいいんだよ?」
 少女は年齢に見合わない不思議な表情で微笑んだ。やっぱり、カイは殺したほうがいいかも
しれない。こんな少女を手に掛けるなんて。だけど、あんまりな言い様に私は笑ってしまった。

「楽しかった。今日は帰るわ。ありがとう…ユウ。」
「さようなら。お姉さん…名前がないんだったらアサさんって呼ぼうかな。」
「何それ…またね。」
 その月の綺麗な夜、私は襲撃をかけずに帰った。心が少し温かかった。




249:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:49:39 q7ZBAS7K


 翌日、私は変装してカイ・リスターが根城にしている「真珠亭」に来ていた。食堂には
カイを初め、ユウや黒い髪の美少女、妹達がわいわいと騒ぎながら食事している…それを
みて、何故か私の胸に鈍い痛みが走った。

 気づいている様子は無い。私は刃を取り出しゆっくりと奴の背後に近づき…、
そして、後頭部を殴られた。

「ばか者。わしの店で流血沙汰は禁止だ。」
 そんな渋い声が最後に聞こえ、私の意識は途絶えた。

 目を覚ますと見慣れぬ部屋のベッドで私は寝ていた。

「こ、ここは…。」
「俺の部屋だ。悪いが武器は回収した。頭は痛まないか?」
 目の前には私が命を狙っていた張本人がいた。なんとか記憶をたどっていく…。

「カイ・リスター。私は弱い…民間人に負けた。とんだ無能だ。」
「おっちゃんはお陰で女性陣から女の頭叩くなんて何事だって吊るし上げられてる。
 ま、落ち込みなさんな。」
「暗殺者を何故責めない。私を殺さない。」
「決まってる。お前がシルビアの味方だからだ。」
 さも当然というようにカイは言った。

「お前にとっては敵じゃないのか。私はお前を殺すつもりだぞ。」
「だって俺、お前に恨みないし。お前はあるだろうけど。」
「と、当然だ。あんなことをされて…」
 顔に血が集まるのが判る。思い出したくないのにあの恥ずかしい出来事を思い出してしまう。

「お前には恨まれてるのは判ってる。だけど、お前がシルビアの味方である限りは可能な
 限り俺もお前を護ってやる。殺されそうになってもな。」
 やな笑いだ。全てを見透かしたような…それでいて邪気のない少年のような目。恨んでる
はずなのに言葉に胸が温かくなる。

「お前を見てると何もかも馬鹿馬鹿しくなるな。私に魔法でもかけたか?」
「恋の魔法ならいつでもかけるぜ?それより、お前名前なんていうんだ?」
 あまり似合わない気障な台詞に失笑が漏れそうになる。なんとか我慢しつつ、私は
ユウに言ったのと同じことをいった。

「私には名前が無い。影とか番号でずっと呼ばれてきた。」
「名前が無いと不便だな。暗殺者…そうだ。アサシン…アサって呼ぼう。」
 私は思わずぽかんとしてそれを聞いた。我慢できない笑いがこみあげた。

「………くっくっく…ふふふ…あはははははははっそっか。なるほど。よく判ってる!!」
 そんな私をカイは怪訝そうに見ている。

「な、何がそんなにおかしいんだっ!」
「ぷ、くく…昨日ユウが……名前ないって言ったら……同じこといったから……!」
「ああくそっ!ユウの奴っ余計なことを!……でも、やっと笑ったからいいか。そうしてる方が
 うん、可愛い。そのほうがいい。」
 私は、彼を殺そうとしているはずなのに…彼のペースにはまってた。おかしくて笑いが
止まらなかった。こんなのずるい。可愛いとかいうなんてずるい。

「お前はずるいな。カイ。笑わせすぎだ。絶対変な魔法使っただろう。」
「俺は二枚目のはずなんだがな…。」
「ぷっくくく…やめてくれ、お腹が…痛い…。」
 私はたっぷり五分ほど、笑い転げた。こんなに笑ったのは生まれて初めてだった。



250:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:53:40 q7ZBAS7K


「気は済んだか?」
「私は…判らない。何も……お前を殺そうとしない限り目的も無い…何も無い。」
「……そうか。」
「でも、私では殺すことも出来ないし、迷ってしまった。何も無いのが怖い。」
 私はなんで……目の前の憎いはずの男にこんなことを話しているのだろう。

「判った。アサの不安がなくなるように俺がとっておきの魔法を使ってあげよう。こっちを
 向いて、俺の眼を見て力を抜いて…。」
「………何をするんだ?」
 彼は私に力を抜くように指示し、深呼吸するように促した。彼の眼は穏やかで吸い込まれる
ようで、自分が彼の眼に取り込まれているようなそんな気がしてくる。

「魔法さ。さ、力を抜いて…俺が三つ数えて手を叩くと君はとても素直な気持ちになる。
 そして、全部言いたいことを言った後は生きる活力が沸いて来るんだ。」
 引き込まれるような彼の眼を見ていると……気持ちが落ち着いてきて……

「いいか、いくぞ?」
「それは洗脳じゃないのか?」
「洗脳とは少し違う。お前の本当に望んでいることを…不安をましにする…その程度だ。
 後はお前の力で切り開くんだ。魔法で何でも解決できるほど甘くない。力を貸すだけだ。」
「わかった。頼む。」
「それじゃ行くぞ、俺の目をよく見るんだ。…3.2.1…はいっ!!!」

「君は生きていたいか?」
「生きたい。」
 口が勝手に動く。それも悪い気分じゃない。

「一人は寂しいか?」
「寂しい。」
「俺たちが羨ましかったか?」
「温かくて羨ましかった。」
「お前の出会いはこれからだ。幸せになるのも楽しくなるのもこれからだ。生きてそれを掴め。」
「うん。」
「他に何かして欲しいことはあるか?」
「一度……優しく愛されてみたい。」
「………次、逆に数えて手を叩くと君はすっきりとした気分で目覚める。1.2.3…はいっ!!」
 はっと、目が覚めた。記憶はある…。

「気分はどうだ?」
「変な感じだ。重荷がなくなった感じ。不安だけど不快じゃない。」
 目の前には優しく笑っている彼の顔があった。悪い気分じゃない。不安はなくなったわけ
ではないけど、前向きに生きていける気がした。これからは楽しい出来事が待っているのだ。
 よく考えれば昨日も今日も結構楽しい。こんな日々なら悪くない。



251:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:54:23 q7ZBAS7K


「最後のはちときついな。」
 と、彼は苦笑した。そんな困った彼の顔を見て、なんとなく、ユウが言ったことが本当
か確かめてみたくなった。

「一度、私を抱きしめてみてくれないか?」
「は?わかった。」
 私は座っていたベッドから立ち上がり、彼にもたれかかってみた。彼は私を包み込むように
優しく抱きしめてくれた。大事なものを扱うように。とく…とく…と心臓の音が聞こえる。
何故か安心できた。

「ふむ、ユウがいったとおり悪くないな。」
「なんかいったのか?」
「女同士の秘密だ。カイ・リスター。頼みがある。」
「言ってみろ。」
「私に魅了の魔術を掛けて…女を愛するように抱いてみてくれないか。嫌じゃなければだが。」
 もっとも必要ないだろうけど…。憎いはずのこの男がどうにも憎みきれない。凄惨な人生を
送り非情なはずなのにどこか甘い。冷酷なのに優しい。自分が絶対勝てない強い男。
だけど、惚れたと認めるのは微かに残った矜持が許さない。
 カイ・リスターは困りながらも頷いた。

「この女好きめ。」
「こんないい女に抱いてくれって言われて抱かない奴は男じゃない。」
 蕩かすような笑顔。ほんとにやなやつだ。彼はルーンらしきものを唱え、抱きしめる
力を強くして私の唇に口付けた。優しいキス…それだけで、私の身体から力が抜けて
身体が熱く火照り、カイの顔しか見えなくなった。魔法がかかったのだろう。

「何か変な感じ…いつも嫌なのに、嫌じゃない…」
「お前が俺のことを好きで、俺もお前が好きだからだ。」
「ほんと?」
 彼はその返事を唇を塞ぎ、私の口を舌であけて中に入れることで答えた。彼の舌が
私の口の中で絡み合う。そして、私の身体をゆっくりとベッドに寝かせた。下から
見上げるカイの顔は結構整っていて…見ていると胸がドキドキする。
 心臓が早くなっているのが判る…私は緊張してる…期待してる…。

「ひゃっ!」
 ぼーっとしていたせいか、カイに急に頭を撫でられて変な声を出してしまった。
 彼は私の顔を見て何かに安心したように息をつき、軽く唇を合わせた。

「脱がすぞ。」
「うん…」
 なんでだろう。顔がまともに見れない。嫌な感じじゃないのに…。自分がセシリアが
たまには話をしていた物語の少女の気持ちがわかった。
 あの時は馬鹿にしてたけど…。好きな人に大事にされるのがこれほど幸せだなんて
思わなかった。例え偽りだとしても…。



252:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:56:34 q7ZBAS7K


 カイは慣れているのか、私はあっという間に裸にされた。同じように裸になった彼が
私を抱きしめる。彼の体温が直接私に伝わり、それだけで快感と…それ以上に、私の心に
幸せを感じさせてくれる。

「なんか不思議な感じ。恥ずかしいけど悪くない。」
「恥ずかしがってもいいし、声を出してもいいから…ありのままに…な。」
 彼はそういうと私にキスをし身体に指を這わせていく。その行為にいつも怖気を感じていた
けど今日はそういうこともなく、彼の指が与えてくれる快感にのめり込んでいた。カイは尋問の
時のような、相手のことを考えないやり方ではなく私が丁度気持ちがいいと感じる程度の
強さに押さえている。

「う…んっ……カイ……気持ちいいよ……。」
「これからもっとよくなる。」
 これ以上?信じられない…。
 だけど、その言葉に偽り無く…私の欲しいところに舌や指が動き、時には不意を突かれて
自分でも思いもしないところで感じていた。私の胸の鼓動はどんどん高まり、目の前の男を
貪欲に自分から欲しているのが自覚できた。

「……カイ…もっと気持ちよく……。ああっ!」
 強い刺激がきた。彼の指が私の秘所に触れたのだ。頭が一瞬白く染まるほどの快感が
走る。彼の指はそこで踊るように動き、焦らし、攻めて私を翻弄した。

「怖い……気持ちよくて…幸せだけど怖い……。」
 裏の世界で生きてきた自分にとって始めて感じる幸せに…私は溺れていた。彼は愛撫を
続けながらも優しく、甘える私を子供をあやす様に抱きしめ額をつけて囁く。

「大丈夫。怖くないから。俺に任せて。」
 自信に溢れる彼の言葉を聴くと安心していく。恐怖しか感じなかった彼の瞳は自分を護る
強さを秘めた瞳に変った。少女のように震える私に何度も何度も大丈夫と繰り返し、優しく
私を扱う。なんだか、ユウが好きな理由がわかる気がした。これが彼の本質なのかもしれない。
 身体が熱くなり…私は受け入れることが出来る体勢が整っていることを理解していた。
いつもなら苦痛しか感じない行為がどんな風になるのか…期待と不安で心臓が激しく鳴っている。



253:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 17:58:02 q7ZBAS7K


「……入れるぞ。」
「はい…お願いします…ふぅ……あぁっ………。」
 ずぶずぶと自分の中にカイのものが入ってくる。異物感──だけど違う。自分の
隙間が埋まるような──嬉しさと喜び。好きな人と一つになった感触。私は何故か
涙を流していた。労わるように見ている彼の首に手を回して自分の身体を彼に押し付けるように
くっつけた。このまま何もかも一つになりたい気分だった。

「あん………胸がどきどきして…幸せで…いろんな気持ちが混ざって…。感じるよ。カイ…」
 彼はキスをし舌を入れ体を動かし始めた。彼の固くて太いものが中で暴れ、なのに
私の気持ちのいい場所を正確に刺激する。

「ぁ……ぅ………いい……気持ちいい………気持ちいいよぉ……」
 意識せずとも快感で声が漏れ、自分の声とは思えない欲情した声を聞いてさらに
快感を感じ高まっていく。身体はどうしようもなく熱くなり、腰は気持ちよさを求めて
勝手にうごめき、快楽を貪った。頭が痺れ、全身が痙攣する…永遠に感じていたいけど
限界は近そうだった。

「カイっ!…あんっ……そろそろ…イキそう……お願い…愛してるって言って…」
「今はお前だけを愛してる。最後は一緒にな。」
 彼は最後に荒々しく突き始めた。耐えられないほどの刺激を受け、頭から思考が消え、
繋がってる部分に意識が集中する。

「あ、ありがとっ…うぁ…もうだめ…いくっ……ぁぁぁっ!!!」
 そして、最後に彼は私の中に精を放った。私は荒い息をつく。中にカイのそれが広がる
感触はいとおしく、感動的なものだった。犯されているという感覚は微塵も無く、ただ
愛された幸せだけがそこにはあった。
 カイは私を優しく抱きしめて囁いた。

「魔法はもう少し続く。このまま寝るから魔法が解けたら…シルビアのとこに帰るといい。」
「ありがとう。カイ…こないだのは今日ので水に流してあげる…でも、あんまり女を泣かす
 ようなら…改めて殺してやる。」
「うはー。まずい約束しちまったなあ。」
 私は行為の疲れもあって、彼の大きい身体に抱きしめられてその体温を感じながら
眠った。起きたとき、彼は眠っていたので起こさないようにそっと起きてシャワーを借り
身体を洗ってから城へと帰還した。



254:魔法技師 優しい魔法
07/06/30 18:01:10 q7ZBAS7K


 数日後、私は主人であるシュタインベルグ侯爵の私室へと呼ばれた。これは始めての
ことだ。私は緊張しながら入室した。
 侯爵は、部屋の中で月夜の晩に出会った金髪の美少女の髪の毛を梳かしてあげていた。

「侯爵。お呼びですか?……え、ユウ!!……あ…失礼しました。」
「本当だわ。ユウの言ったとおり。貴女いい顔になったわね。」
 自分では判らないがそうなんだろうか。

「カイへの復讐はもういいの?最近行っていないみたいだけど。」
「ええ。あの女の敵にはいつか制裁を加えたいですが、今のところ殺したいとは思いません。」
 そう…。と、侯爵は梳かしていた手を止めた。何故か背中に冷や汗が流れる。

「あいつに抱かれたのね。」
「うっ!!あ、いやその…。」
 そんなとき、黙っていたユウが口を挟んだ。

「アサちゃん、僕の言った通り優しいエッチは気持ちよかったでしょ?」
「え…う…はい…」
 私はいたずらっぽく笑う自分の胸くらいの身長の幼い少女に情けなくも混乱させられていた。

「折角拾った命ですし、これからは楽しく生きていこうかと…。あいつを見てるとそう思いました。」
「そう…よかったわ。私は死にたがりの部下なんていらないからね。私の部下は任務も
 大事だけど命を一番大事にしてもらうわ。失敗してもいいとは言わないけど、生きていれば
 元は取れるからね。失敗しても私やカイがフォローしてあげるから安心なさい。」
 侯爵はそういって微笑んだ。

「暫く貴女には女官と働いてもらう。その後は貴族相手の諜報・護衛を頼むことになる。
 貴族としての訓練を受けてる貴女の能力は遊ばせないわ。危険だけどお願いね。」
「望むところです…喜んでお引き受けします。勿論死にはしませんよ。」
 私は自信を持ってそう答えた。今は何も目的は無いけどそのうち見つかると思う。それまで
任務を受けながら気楽に生きるのも悪くなさそうだ。

「その、アサちゃんってカイが付けたの?」
「侯爵様…何故それを。」
 私は苦々しい表情で言った。

「あの馬鹿ネーミングセンスないからね。私が付けてあげるわ。そうね………。
 ミリアム。これから貴女はミリアム・アサね。大事な友人の名前あげるんだから
 勝手に死んだら許さないから。」
 ミリアム……悪くないかもしれない。私は頷いて侯爵様に頭を下げた。部下を大事に
する方だとは聞いていたが……この人の下で働くのは楽しそうだ。




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