07/02/27 02:26:39 BjTs1jcD
結局、自分が食った分の空き弁当箱をハルヒは食器洗い用洗剤で徹底的に洗ったうえに乾かし
てから返してきた。
たぶん使用前よりもきれいになってたはずだ。
洗った本人はそう言ってた。
近くに住んでるのに電話じゃ失礼だとかなんとかで、口頭での弁当の御礼はそれはもうねんご
ろだった。たいそう気を良くした母親は秘伝の味付けを伝授してやろうといま意気込んでいる。
やはりあいつ、古泉以上の聞き上手ぶりだ。
その情熱が我が家にも還元されるんなら、まずは歓迎すべきなんだろうな。
加えて、妹への家庭教師の件も実現に向けて双方が具体案を検討中だ。そろそろ詰めの段階に
入ってるのだろう、「キョ~ンく~ん、ハッルにゃんセンッセのお料理よ~」とか聞こえるし。
まずは家庭科からか。
この分だと「サービスであんたの勉強もみてやるから感謝しなさい」とか言ってまたぞろダテ
眼鏡やら『教官』の腕章やら装着しつつ嬉々として鬼教師ぶりを発揮されそうな予感がする。
というよりもはや未来人の『既定事項』を上回る意志の力で現実のものとなりそうである。
この手練手管、まったく恐ろしい。孔明あたりの罠にちがいない。
ふとそんなことを思った。
わが妹とその家庭教師(すでに決定事項だろうな)の出頭要請に応じて階段を降りている、
たった今の俺が。
お袋のハルヒ評価ポイントは、そんなわけで鰻の滝登り中である―あれ、なんかいやなこと
思い出した―まあ要するにすっげー喜んでるってことだ。
ああ、折り畳み傘を使ったかって?
ご想像にお任せしますよ。
『古泉官兵衛のある種の罠』 おわり。