【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合12at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合12 - 暇つぶし2ch400:一抹の希望
07/03/07 00:34:19 VBjdzdFW
ひゅー…ひゅー…

部屋には何やら不気味な風の音がしていた。しかしこの薄暗い部屋には窓が一つもない

ひゅー…ひゅー…

部屋に一つしかない扉も、今はその口を閉ざしている

ひゅー…ひゅー…

家具などが一才見当たらず、部屋には生活感というものが感じられない

「ひゅー…ふぃ…ふぅー…」

そんな所にシエスタはいた。
両手を縛られ天井から吊され、両足もそれぞれ閉じられないように拘束されている。
いつも着ているメイド服はその前を破られ、自慢の胸もちらりと顔をのぞかせている。
口には猿轡が施され、下半身に至っては何も着けていない。
それどころか身体中に鞭でうたれたような痣すらあった。
そんな中でもシエスタは時が止まればと思う。
何故なら……

ガチャッ
「おはよう。シエスタ……話してくれる気にはなったかね?」
宰相のマザリーニだった

「ひぃー……ひゅーー」

「おっと、すまないねぇ、そんなのしてたら話せないか」

マザリーニはくくくっと笑うと、呪文を唱えてシエスタの猿轡を外した。

「はぁ…はぁ…。サイトさん達が何処に行ったかなんて知りませんし、知ってても貴方になんか……」
シエスタは睨みつける

「おやおや…。昨日あれだけのことをされて、まだ知らないふりですか…」


先日、サイト達はガリアへと出発した。(正確には脱獄だが)
そんなことは知らないシエスタは何時ものようにご主人様(サイト)とそのオマケ(ルイズ)を待っていた。
しかし、やって来たのは役人であった。
王宮へと連れていかれたシエスタは取り調べをうけたが、全く喋らない。
それを見たマザリーニが自室に連れてきて独自の取り調べをしているのである。

401:一抹の希望
07/03/07 00:35:54 VBjdzdFW
(まぁ、ここで喋ってもらっても興ざめですが……)
マザリーニはいやらしい笑みをうかべる。

「仕方がありませんねぇ、それでは取り調べを続けますか」

マザリーニは呪文を唱えシエスタの足元に解放する
すると地面がみるみる内に形を変えていく。そしてシエスタは自分の体重を秘処で支えることになった。
要するに地面が俗にいう三角木馬となってしまったのだ

「ふぁ?」

「今日は趣向を変えていきましょう。鞭でうつのは可哀想になったんで」

(昨日まであれだけ喜んでたくせに……)

「くぅ…………」

シエスタは足を閉じて踏ん張ろうとするが両足を拘束され思うように体が動かない。

くちゅっ……くちゅ…

代りにシエスタの割れ目は三角木馬の刺激により濡れ始めていた。
(うぅぅ……サイトさん……助けて!!)
もう何度目かも分からない心の叫びだった。

「おやぁ?もう感じてしまっているんですか?」

「そんなことありません!!」

マザリーニの笑みに寒気すらするシエスタ
しかし彼女の秘処は休むことなく快感の証拠を出し続ける

くちゅり……

「嘘つきですねぇ…あそこからそれだけ愛液を垂らしといて」

「くぅ………負け…ません」

心の中でいくら思っても、体は反応してしまう。シエスタはこの時ほど自分の体を呪った日はなかった。

(サイトさん……)

快感に体をよじらせると秘処が擦れる。擦れると快感を生み体が動いてしまう。

「ふぁ~~!」

くちゅくちゅ……

(助けて……!!)

402:一抹の希望
07/03/07 00:37:41 VBjdzdFW
しかし当然終わるわけがない

「ふぅ。仕方ありませんね、手伝ってあげましょう。」

そう言うとマザリーニは自らにレビテーションをかけシエスタの背後へとまわる

(み…見えない、何するの!!)
むにゅ

「いやぁ、やめて……!」

脇から手を出すと果実をいじり始めた。

(手が動かないから……防げない!?)

「いやぁ、両手を挙げてもこのボリューム……スバラシイですね」
むにゅ、むにゅ

マザリーニの手の中でシエスタの果実が変幻自在に形を変える。

「はぁん……ふぁ……」

シエスタはじっと堪えようとする
しかし、我慢すると自然と自分の胸が形を変える様子が目に入り、更に淫らな気持ちになってしまう。

むにむに

揉み方も強くなく、純粋な快楽の波がシエスタを襲う

「ふふふ♪先端が起ってきましたよ。どうしたんですかねぇ」

(くぅぅうう……)

シエスタはマザリーニの手から逃れようとするが

「はぁん!」

その動きすらも秘処には快楽となってしまう。

むにゅむにゅ……

くちゅり…くちゅり……

シエスタは最も酷い快楽への蟻地獄へと嵌ってしまっていた。


「はぁ……ふぁん!……ふぅ、くうぅぅ!!」

(何時間……たったんでしょうか……?)
シエスタにとっては永遠とも思える時間。

「まだ喋ってくれませんか……それでは」
マザリーニはシエスタの胸から名残惜しそうに手を離す

(やっと……解放される?)

しかし淡い期待は破られる
マザリーニはポソっと短く呪文を唱え三角木馬を消した。しかし、

403:一抹の希望
07/03/07 00:41:19 VBjdzdFW
「次は此方に聞いてみましょうか」

と言うと、いつの間に出しただろうか、自らの肉棒を
シエスタの既に男を待ちきれずにいる秘処へと埋めていった。

ぢゅぷ

「はぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」

「あれぇ?挿れただけでイッてしまったんですか?」

(嫌なのに、いやなのにぃぃ!!)
哀しきは女の性か、シエスタのそこはオトコをくわえ込むと嬉しそうに締め付けた

「昨日の今日なのでっ……ゆるゆるかとっ……思いましたがっ
……私のモノを掴んで離しませんよっ!!」

ぐちゅっ…ぐちゅっ

オトコをくわえ込む音とパンパンという肉と肉がぶつかる音がシエスタの心を更に汚していく

「いやなのに……感じちゃダメなのにぃ……はぁぁ~ん!」

ぢゅぷ、ぢゅぷ
シエスタの胸も痛いのではと思う程に上下に揺れる

「おっぱいも……こんなに揺れていると、むしゃぶりつきたくなりますなぁ!」

マザリーニの口がシエスタの胸に吸い込まれていく。

ちゅ~ちゅ~

「あぁんっ!だめっ!吸わないでぇぇぇぇ!!」

シエスタのおっぱいは昨日の魔法の後遺症か、母乳がでるようになっていた。

「ん~~♪なかなかよいお味で…」
無駄に敬語を使いながら、空いた方の胸も搾りとるような勢いでもんでいく

「いやぁ!でちゃうぅぅ~!」

びゅっ!びゅっ!
自らが出したミルクにより胸やお腹が汚れていく…


404:一抹の希望
07/03/07 00:43:11 VBjdzdFW
ぢゅぽ…ぢゅぽ

「ひゃっ!!あっ!!ふぁぁ!」
シエスタは両方の胸からミルクを出しながらイキつづけた。

下のお口はその度に貪欲に収縮をくりかえす

びゅぷ…ぢゅぽ…じゅぶ…ぢゃぷん!

「さぁて……そろそろ貴方にも濃いミルクを飲ませてあげますよ!」

「ひぁっ、ら、らめぇ!いゃっ!出さないれぇ!!」

「たくさん飲んで下さいっ!!イキますよぉ!」

びゅっ、びゅ~~!!

「くっ、あぁあああぁぁっ!!!」
多量な灼熱の白濁駅がシエスタの奥を打ち付け、絶頂ってしまった。
びくんびくんと何度も痙攣を繰り返すシエスタの中は、まるで美味しそうに子種を飲んでいるかのようだ。

暫く快楽の余韻に浸っていたマザリーニは、にゅぷっと自らの半身を取り出す
シエスタの中からは白濁駅が溢れてきた

「喋ってくれないとは、残念です。また明日会いましょう」
マザリーニは部屋を出ていった。


また、シエスタは独りで犯されるのを待つことになる
だがそんなシエスタの目にも僅かに光があった

(サイトさん……ゴメンナサイ…私、こんなに汚れてしまいました……。)

シエスタの目から想いが溢れる

(こんなになっても……私、貴方のことが忘れられないんですよ……。
笑っちゃいますよね。)

(こんなに汚れてしまった私でも……
サイトさんなら抱きしめてくれるんじゃないかって)

(私の常識を変えてくれた貴方なら、私を助けてくれる……。)

(汚された私も……綺麗にしてくれるって……信じてます)

(だから、もう少しだけ…頑張ってみますね)

「サイトさん……大好きです」
そう言うと疲れていたのか、シエスタは眠りについた。

405:一抹の希望
07/03/07 00:45:54 VBjdzdFW
終わりです。楽しんで頂けたでしょうか?


間違って読んでしまった皆様、申し訳ありません。
心より御詫び申し上げますm(__)m

それでは、また

406:名無しさん@ピンキー
07/03/07 00:46:25 RtoERxE8
リアルタイムGJ!
ドSな自分には良かたSSでした。


407:名無しさん@ピンキー
07/03/07 01:47:03 ha2pKRaq
ナイス、場の空気変えw

408:名無しさん@ピンキー
07/03/07 02:18:05 Zt8z1oaE
GJ それでは続きのシエスタの希望通りの話を書いてくれたまえ

409:9-669『チクトンネ街の女王』
07/03/07 02:21:05 /AsHOlTF
>405
エロイよシェス子エローイよ!!!
ハァハァしますた!

410:名無しさん@ピンキー
07/03/07 02:21:54 /AsHOlTF
名前消し忘れた……orz



ちゃんと続き書いてます。今週末あたりに投下できる予定なんで・・・許して。

411:名無しさん@ピンキー
07/03/07 13:48:47 BfdHbMkV
君もぎゃんばれwwwww


412:名無しさん@ピンキー
07/03/07 15:56:44 yRMlP9cU
べべべべべ別に無理にとは言わないんだからねっ!!!!!

413:名無しさん@ピンキー
07/03/08 00:22:17 nvDWJ9Ph
飼い主「使い魔の癖にナマイキ!」
使い魔「二股かけるの!?これ、二股かけるの!?ねぇ!シエスタと!シエスタと二股かける!?」
飼い主「親同士が決めた結婚。幼い日の約束。でも、何かがひっかかる…」
使い魔「本当!?大丈夫なの!?ツンじゃない!?」
飼い主「ご主人様を蔑ろにして、メイドに手を出すなんて最低!キキキ、キスしたくせに!!」
使い魔「そうかぁ!僕使い魔だから!使い魔だからツンデレわかんないから!」
飼い主「わたしにも(キスマークを)つけて。つけてくんないと、ねむらないんだから」
使い魔「うん!でもデレなんだ!そうなんだぁ!じゃぁ二股かけていいんだよね!」
飼い主「初めてのデートなのに、エスコートしないわ、眠っちゃうわで最低ね!でも、あのメイドがいないから幸せ…」
使い魔「よかったぁ!じゃぁ渡ろうね!シエスタと渡ろう!」
飼い主「あんたの忠誠に報いるところが必要ね!ごご、ご主人様の体、一箇所だけ、好きなとこ、ささ、触ってもいいわ!」
使い魔「あぁ!シエスタ青だからシエスタと二股かけれるね!ね、ご主人様!」
飼い主「これなら押し倒してくれるよね?きょきょきょ、きょ、今日はあなたがご主人様にゃんっ!」
使い魔「あぁーご主人様と僕は今シエスタ挟んで修羅場っているよー!気をつけようねぇー!」
飼い主「キスして!私にも舌を入れて!誰と浮気してもいいからそばに居て!!」

414:名無しさん@ピンキー
07/03/08 00:36:13 v6iC2egP
犬ww
ってかその犬そんなに御主人様一筋じゃないだろww

415:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:27:38 uPUX5pgY
さてそれでは、ひさびさの選択肢モノ投下いきます。
準備はいいかおまいら?

416:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:28:48 uPUX5pgY
「ふああ」

窓際でルイズが居眠りから目を覚まし、伸びをする。
右手をんー、と思い切り伸ばし、小さな涙の粒が目の端に光る。
その仕草は、子猫を連想させた。
春眠、暁を覚えず。
才人の脳裏を、そんな言葉がよぎった。
ルイズはじっと見つめるそんな才人の視線に気づくと、頬を染める。

「な、何見てんのよ!」

寝起きを見られた気恥ずかしさを隠すために、ルイズは思わず怒鳴ってしまう。
そんな仕草も愛らしく、怒鳴られてもなお才人は笑顔のままだ。

「いや、欠伸するルイズ可愛いなー、って」

思わず本音が出る。
才人のその台詞にルイズの顔面が火を噴く。

「なななななな、何言って」

照れるルイズが面白くて、才人は続ける。

「ルイズ可愛いな、って言ったんだよ」

赤くなったまま俯いて、ルイズはちらりと才人の方を伺って、言った。

「ほ、ほんとう…?」
「ほんとほんと」

二人の間に流れる、妙に甘い甘い空気。
昼間だというのにそのままコトに及びそうな雰囲気を、扉が開け放たれる音が蹂躙した。

ばたんっ!

勢いよく扉を開けて現れたのは、シエスタだった。
そして彼女はなんの脈絡もなく言い放った。

「『オハナミ』行きましょう!『オハナミ』!」

417:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:29:58 uPUX5pgY
荒れ狂うルイズをなんとかなだめると、話を聞く雰囲気になった。

「で、何よ『オハナミ』って!」

私とサイトのストロベリータイムを邪魔するだけの価値はあるんでしょうね、と心の中だけで突っ込みながらルイズはシエスタに尋ねる。
荒れ狂ったルイズの飛ばした枕やら机やらシーツやらを元の位置に戻しながら、シエスタはにこやかに言った。

「『オハナミ』っていうのは、タルブの春の行事なんですよ。
 って言っても、ひいおじいちゃんが植えた、『サクラ』の樹の花を囲んで宴をする、っていうものなんですけど」

そしてちらりと才人を見る。
才人は、案の定懐かしそうな顔をしていた。

「花見かあ…」

たしかにシエスタの曾祖父は才人と同じ日本人だ。
彼が望郷の念に駆られてこのハルケギニアで桜を探し出し、タルブに植えたとしてもなんの不思議もない。
それが実際行事となっていて、シエスタの故郷タルブでは、花が見ごろになると必ず催されるという。

「行きたくないですか?『オハナミ』」

シエスタのその質問は、この部屋にいる全員に投げかけられたものだったが、その主なターゲットはほかでもない才人だった。
そしてその才人は、一も二もなく頷く。

「行くよもちろん!」

そうすると、残りの一人もこうなるわけで。

「しょ、しょうがないわね、犬が行きたいっていうなら行ってあげてもいいわよ」

ミス・ヴァリエールはさそってないんですけどぉー、と心の中だけで突っ込み、シエスタは微笑んだ。

「じゃあ、早速準備しますね!」

418:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:30:45 uPUX5pgY
そして、仕立てられたタルブ行きの馬車の中には。
タバサとシルフィードがすでに乗っていた。

「ちょっと、アンタがなんでここにいるのよチビっこ」

半眼で黙々と本を読み続けるタバサを睨みつけ、ルイズは言う。
タバサは本から目を離さず、応えた。

「…サイトが行くなら私も一緒に行く」

そしてぱたん、と本を閉じると。
ルイズと同じように半眼で、殺気のこもった視線を、ルイズに返す。
その視線はこう語っていた。

出先でサイトといい雰囲気になろうったって、そうは行かないんだから。

ちなみにタバサの今読んでいる本は、『素直になれない女主人 ~史上最強の執事~ 第3巻『明けの海は嫉妬に燃えて』』である。
つい弾みで執事を追い出してしまった女主人が、執事に絡んでくる女どもを見てやきもきする、というあらすじである。

「…なによ、喧嘩売ろうっての?」

今にも一触即発な雰囲気に二人をなだめたのは、当の才人だった。

「まあまあ落ち着けよ二人とも。みんなで仲良く行けばいいだろ?」
「そうなのねー。みんな仲良くすればごはんもおいしいの!きゅいきゅい」

才人の台詞に続けたシルフィードの声が、その場に満ちた闘争の気配を打ち消した。
…しょうがない、ここは。
…サイトに免じて、許してあげる…!
二人で全く同じことを考え、最後に視線で火花を飛ばし、その二人は馬車の席の対角線上に座ったのだった。

419:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:31:16 uPUX5pgY
そして、一行の到着したタルブは。
なぜか、大騒ぎだった。
実家に着いたシエスタをまず襲ったのは、女王来訪の知らせ。

「えっ!?女王陛下が『オハナミ』にいらっしゃるんですかっ?」

シエスタは驚いて、自分も準備しなきゃ、と慌てて女王来訪に備える村の面々に加わった。
逆にルイズは冷静だった。

…やるわねあのわたあめ女王…!タルブの行事がサイト絡みだと踏んで、網を張ってきたか…!

ルイズは、アンリエッタがタルブの『オハナミ』が才人の世界に関連する行事だと見るや、そこに才人が来るようなら自分も出かけるように網を張ったのだと予想していた。
そうなると、このタルブは戦場と化すだろう。
才人をめぐって、血で血を洗う争いが展開されるのは目に見えていた。
そして。
ルイズの視界に、同じように顔をしかめるタバサの姿が目に入った。
…シエスタはあんなだし。姫様に対抗するためには…。
そしてルイズは、そんなタバサに近寄る。
近寄ってきたルイズに、タバサは反射的に杖を構える。
そんなタバサに、ルイズはすっ、と手を差し伸べる。

「…気に食わないけど、休戦といきましょう」

そんなルイズに、タバサは満面に不審を露にしてルイズを見つめる。
ルイズははぁ、とため息をついて、タバサに語りかける。

「アンタも聞いたでしょ?
 もうすぐここには、サイトを狙ってアンリエッタ女王陛下がやってくるわ。
 …悔しいけど、私一人の力じゃ、サイトを守りきれそうにない」

この村の状況を見るに、アンリエッタはその権力の全てを使って、才人と『オハナミ』する気だろう。
彼女の『相応の覚悟』は、王族だけあってとんでもないものだ。
タバサはその答えに納得し、その手を握り返した。

「…サイトを想うのは、私も一緒」

こうして、雪風と虚無の二人は、手を組んだのである。

420:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:33:09 uPUX5pgY
シエスタはなんと、タルブの入り口で女王陛下のお出迎えをするという役目を申し付けられた。
それは、唯一肉眼で女王陛下を見た者であるという、至極真っ当な理由からだった。

「どどどど、どうしよう…!」

しかしいくら生で見たことがあるとはいえ、シエスタにとってアンリエッタは天上の人である。
才人を狙っているとはいえ、仕えるべき人であることに変わりはない。
ないのだが。

「…サイトさん独り占めしようとされたりしたら、私手ぇ出しちゃうかも」

心配事はそっちであった。
恋愛の前に全ての人々は対等となる。恋する資格に変わりはなく、愛する想いが全てを決める。
たとえ女王陛下とはいえ、才人の前では対等な女と女。
もし理不尽に権力を行使されたりしたら、サイトさんを連れて逃げよう、とシエスタは考えていた。
そうしてシエスタがタルブの入り口で待ち構えていると。
護衛の騎士を従えたトリステインの旗を閃かせた六頭立ての馬車が、村の入り口にやってきた。
間違いない。女王の馬車だ。
シエスタは深々と頭を垂れ、その一団を迎える。
すると、女王の馬車が彼女の前に止まり、その馬車の扉が開いた。
そして降りてきたのは…他でもない、アンリエッタ女王その人だった。
あまりの展開にシエスタが驚いていると。

「やっぱり!あなたシエスタさんね!」

アンリエッタはそう言って笑うと、シエスタの手をとった。
シエスタの身体が緊張に強張る。強気なことを考えてはいたものの、やはりいざ本物を目の前にすると萎縮してしまうシエスタだった。
アンリエッタはそのままシエスタを馬車の中へ引っ張っていく。

「あなたには、聞きたいことがたくさんあるんです。
 『オハナミ』のこと、タルブのこと。
 そして、サイト様のこと」

最後の一言とともにウインクし、アンリエッタはシエスタを馬車に載せてしまう。
御者はそれを確認すると馬に活を入れ、馬車を進ませる。

421:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:34:30 uPUX5pgY
馬車の椅子の上で固まるシエスタに、アンリエッタは微笑む。

「ここは今、あなたと私の二人きりです。そんな硬くならなくてもよろしいですわ」

しかしそんなこと言っても。

「恋愛の前に全ての人は対等、ですもの」

その言葉に、シエスタははっとなる。

「そう、あなたも私も、サイト様を想う女同士。
 でも、今彼の傍には、ルイズがいる」

そしてアンリエッタの目がぎらりと光る。
それは、トリステインを統べる慈愛に満ちた女王の顔ではなく。
嫉妬に狂う、アンリエッタという、ただ一人の女の顔であった。
シエスタは急に、この女王に親近感が沸いてきた。

「私にできることでしたら、なんなりと」

…正直私も、そろそろミス・ヴァリエールとは決着をつけたいと思っていましたし。
そして二人は、視線を合わせる。

「…あなたとは、いいお友達になれそうですわ…」

女王アンリエッタは、そう言って手を差し出す。
シエスタはその手を、しっかりと握り返した。
ここに、女王とメイドのタッグが誕生した。

422:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/03/08 01:36:14 uPUX5pgY
はいここまで。
今回選んでもらうのは
「どちらのタッグが才人とお花見をしたか」です。
先に10票集めたほうのみで書きます。

…にゃんかアン様がえらいアグレッシヴですがそのへんはきにしないでくれると(何

ではいっせーのでー どん!

423:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:37:31 GwRfRp4b
ルイズタバサ
まあどっちも書いてくれるんだろうけど

424:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:43:13 ccU0Px/c
アンシエスタ
まあどっちも書いてくれるんだろうけど

425:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:45:43 n9GkbTxg
アンシエだろ!

426:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:48:03 0H7eyn/z
アンシエに一票

427:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:49:05 IEcudaHs
ルイズタバサ
まあどっちも書いてくれるんだろうけど

428:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:49:10 o1sXv9ZT
ルイズ&タバサにいっぴょ―う!

429:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:50:54 K2ITrDxk
アンシエ一丁

430:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:51:12 Yac6sbhs
アンシエ~

431:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:52:24 MAq0oKTz
アンシエに

432:9-669『チクトンネ街の女王』
07/03/08 01:55:39 GJJ2XwSt
アンリエッタ女王とシエス子のコンビに決まってます!

433:名無しさん@ピンキー
07/03/08 01:56:33 Tylp7MCg
アンシエだろう、常識的に考えて…

434:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:02:15 BO/3Dnbu
ルイズタバサに一票。

435:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:03:13 uG//TsIy
アンシエ!!アンシエ!!

436:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:08:53 3nzzB/XH
トンボとトビウオで

437:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:09:26 pGVev2lQ
せっかくだから俺はこのアンシエを選ぶぜ

438:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:13:14 6U/79waV
間に合わなかったか!?ルイズアン様の幼馴染

ってかせんたいさんが来ただけでこの活気wwwせんたいさん恐ろしい子!
昨日までのダラダラした流れが嘘のようだw

439:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:14:27 6U/79waV
↑って勘違いしたーorz でも意表をついてルイズアン様の幼馴染コンビは
ダメっすか??

440:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:16:15 s+mv1v7p
シルフィードが漁夫の利。

441:名無しさん@ピンキー
07/03/08 02:32:19 n9GkbTxg
この時点でアンシエ確定みたいだな。

442:名無しさん@ピンキー
07/03/08 03:18:39 pGVev2lQ
アンシエ決まったようなので落書きして寝る
URLリンク(up.rgr.jp)

443:名無しさん@ピンキー
07/03/08 03:26:48 cqAusML/
 
「ななな、何でわたしというご主人さまがいながら、姫さまとあのメイドが犬と
『オハナミ』決定なのよ!」
 ルイズは、アンリエッタとシエスタが『オハナミ』をする事になったと聞いて愕然とした。

「ふざけないで! ふざけないで! ふざけないで!」
 ルイズは地団駄を踏んで悔しがるが、これは既に決定事項のようだった。
「一瞬でもあのメイドを信用したわたしが馬鹿だったわ。何が≪女王様に取られないように≫よ!
結局、ころころと寝返ってんじゃないの!」
 アンリエッタとシエスタの胸を張って得意気な姿が頭に浮かぶ。ことさらに胸を強調している
二人の姿が憎憎しかった。

「結局、胸? 胸なの? 乳が大きくないと『オハナミ』すら一緒にしたくないって事?」
「そんな事ないのね。これには深い事情があるの……っぎゃん!」
 慰めようとしたシルフィードのみぞおちに、八つ当たりの膝蹴りが食い込んだのはその
0.8秒後であった。シルフィードはイルククゥの姿で隣にいたことが不幸だった。
「あぅぅ……ひどいのね。物凄く痛いのね」
 涙目で抗議をするが、ルイズは意に介さない。

「わたしたち人気無い」
 ぽつりとタバサが呟く。その姿はうつむき加減で、明らかに元気が無い様子だ。幼児体型で
言うなら、タバサもルイズと同等かそれ以下である。胸を自身でぺたぺたと確認するが、凹凸の
無いのは明らかであった。

「使い魔が休養でオハナミをする……使い魔にも休養が必要だわ。それは許しましょう。でも、
春の陽気に当てられて、犬が発情した。それはいけないわ。飼い主として発情した犬が悪さを
しないようしつけるのも主人の務め。そうじゃない?」
 同意を求められたタバサは、じっとルイズを見つめる。そして暫くして、コクリと頷いた。
「なら、飼い犬が悪さをする前にしつけをしたって何の問題もないわけよ」

 ルイズが不敵に笑う。だが、目は全く笑っていない。傍らに置いてあった鞭を取ると、ギュウっと
しならせる。
「手伝う」
 その様子を黙ってみていたタバサがさっと立ち上がる。その時、隣にいたシルフィードは、
タバサの目を見て≪きゅいっっ!≫と尻餅をついた。ガタガタと震え、小さく身をすくめる。

 胸の無い二人が胸のある二人に復讐の炎を燃やす。だが、その時才人と胸のある二人はこの事を
知る良しもなかった。


>>442グッジョブ。可愛いねぇ。
という訳で遅れてルイズ&タバサに1票。だが、時既に遅し。残念です。

444:名無しさん@ピンキー
07/03/08 03:41:26 dPVD7naO
ルイズ・タバサーっと…
無駄な抵抗か

しかしここの皆様は洗濯板の良さをちっとも分かっていない!
胸なんて飾りです、偉い人にはそれg

445:名無しさん@ピンキー
07/03/08 04:13:33 Fgkm1JUo
アンシエの方がいいだろ。やっぱ飾りがあった方が・・・


まぁ結局せんたいさんはみんなの要望に応えて両方を書いてくれるさ。

446:名無しさん@ピンキー
07/03/08 04:30:31 lCcwC3et
折角だから俺は、このティフアニを選ぶぜ!!
 
と、無いものねだりしてみる。

447:名無しさん@ピンキー
07/03/08 04:40:10 BcPe0fLR
>>444
洗濯板いうな
76もあれば十分マシュマロだ





タバサは擁護のしようがないがw

448:名無しさん@ピンキー
07/03/08 04:49:50 OXpx7oUh
うぉぉーーー!!遂に遂にへんt・・・げふんげふん
せんたいさんがぁ!!GJですへんたいさん

もう結果は決まってるみたいですけど悪あがきで
テファアニが自分的にはいい!!え・・・!?今回は居ないんですか(´・ω・`)

449:名無しさん@ピンキー
07/03/08 06:14:56 On7w4iNt
ふ、やはり予想通りティフアニまで出てきたか……
ここでオレは全てに反逆!
「シエスタの祖父が見つけて持ってきた桜の森に一人迷い込んで故郷の幼馴染みと妹(誰)を幻視する」
と言ってみるぜぇ

450:名無しさん@ピンキー
07/03/08 06:27:23 +Vp9Isk5
>>446
アニシエコンビの元に酒に惹かれて来るシルフィード、そして何故か現れるテファ
バストカーニバル始まったな

451:191の者
07/03/08 08:09:21 XNF8jpMm
空気読めてないかもしれないけど引越便まであと1時間も無いので失礼して。
書けた分だけですが以後は374氏と似た状況になるので…。

452:E慣らし
07/03/08 08:10:23 XNF8jpMm
『あまり気乗りはしませんが、陛下からのご依頼という形なら努力しましょう』
「お前が納得するならなんでもいいわ、好きなように建前なりなんなりお付け。
 その代わりしくじったら三ヶ月はガリア一天候の悪い地方の一番高い建物の先に括りつけてやるから覚悟おし」

覇気の薄い地下水に憤慨しつつイザベラはスキルニルの準備にかかる。
―あの夜、賊は魔法らしい魔法は直接使ってこなかった。
 メイジでないなら当然だけど、そんな平民に突破されるほどプチ・トロワの警備は緩くない。
 なら、あいつは…自らの得意系統を明かさずにそこまでやってのけられる程のメイジなのかもしれない―

そう考えるとイザベラは何故か少し嬉しかった。
利用されようとしているだけかもしれないが、それにも増して、それほどの相手が
自分を評価し、交渉に応じるか否かの選択権も寄越してくれたのである。

「随分と嬉しそうですわね、姫殿下。
 落ち込んでいるのではとのジョゼフさまのご配慮も無用だったのかしら」
「ミューズ……いくらお父様の信あつい貴女でも王族にはそれなりの礼があるんじゃない?」

思考に割って入ってきた声の主に向き直る。
相変わらず目深に被ったフードから黒髪を覗かせ不遜な気配をまとった女性が目に入る。
脇に控えた侍女は訪問者の可否を仰げず、主の不興を買ったのではないかと怯えていたが
イザベラの下がれという仕草に逃げるように扉の向うへ消えた。

「それで、今日は何の用?私はお父様から直々に賜った任務で忙しいのよ」
「私もジョゼフさま直々のおいいつけで伺ったのです。
 でなければわざわざこちらまで出向いて殿下の貴重なお時間を邪魔したりは致しませんわ」
いやみなやつ、とでもいわんばかりに睨みつけて来るイザベラを軽くいなし女は言葉を続ける。
「殿下のお役に立つものを届けよ、とのことでコレをお持ちしました」
言いながら持っていた小箱を差し出してくる。獣の牙よりも幾分青みがかった牙が数本入っている。
「地に撒けば並のガーゴイルなど比べ物にならない駒となります。
 添え付けのルーンを唱えれば差し違えてでも相手を仕留めますわ」

453:E慣らし
07/03/08 08:11:01 XNF8jpMm
「それを使って勝ったとしても私の功績にならないんじゃない」
「あくまで保険ですわ。もし使われたとしても、彼我の力量を見定め機を逃さぬ才のうち、と
 ジョゼフさまも申されておりました」
 気に入らない相手からの助力の申し出に不満はあったが父からの配慮となれば無碍にもできない。

「いいわ、保険として預かっておく。これで貴女の顔もたつでしょ」
「ありがとうございます、ついでといってはなんですが一つ謎掛けなどさせていただきたいのですがお付き合いいただけますか?」
「なによ?」
「チェスで最も強い駒はなんでございましょう?そしてその強弱はどこで決められるのでしょう?」

 ようやく追い払えるかと思えばまだ居座るつもりらしい。半ばうんざりしつつ答える。
「クィーンとでも答えると思ったの?駒に強弱なんて無いわ、あるとすれば活きてるか死んでるか。
 それだけよ。使えない駒なんて無いのと同じよ」
「流石ですわ。ジョゼフさまも同じ事を申されていました」
 ミューズはそういい残し退室していく。
その後姿を見送りながらも内心に薄ら寒いものを感じずにはいられなかった。
父からの助力の品を届けに来た場で、わざわざする話題ではない。それは、つまり……

 ガーゴイルへの指示と配置を終えると、日没には起こすよう侍女に伝え寝所に入る。
言いつけどおりに起こされ、軽い食事を取る。使用人たちには今夜一晩は部屋から出ないように命じ
自らは庭園―今夜の舞台とする場所―が見渡せる部屋に移った。

 庭には剣、矛、ダガーを携えたガーゴイル、プチ・トロワの屋上にも弓や槍で武装した有翼のガーゴイルが控えている。
そしてプチ・トロワ正面に切り札を待機させ完成した布陣を見下ろしつつ一人呟く。
「さぁ、歓迎してあげるわ。この前のお礼も兼ねてね……そして私が認められるために」

454:E慣らし
07/03/08 08:11:52 XNF8jpMm
『あ~なんか向うさんもはりきってるみたいだねぇ』
「だな」
『前庭丸ごと戦場にしますっていわんばかりにガーゴイルがいるねぇ』
「いるな」
『なんか屋根のも飾りじゃない感じがするし』
「そうだな」
『それでも相棒は突っ込むんだろう?』

 背負いの大剣が相手の力の入れようを確認した上で、呆れ半分楽しみ半分に問いかけてくるが答えは決まっていた。
「当然。レディを待たせるのは紳士の流儀に反するからな」
『らしくねぇ…そんなセリフ、らしくねぇよ、ってもう着けてたのかソレ。
 じゃぁ一つだけ頼むわ』
「なんだよ?」
『あいつらの武器ふんだくって使ってもいいけど俺を忘れないでくれよ?』
「努力する」
『こういうときは普通、確約するもんだぜ…』

 抗議を聞き流し門の前へと進むと脇に控えていた一対のゴーレムが早速反応する。
だがゴーレム達は只門を開くだけで襲ってくる気配もない。
「戦場はこの先、って事か」
武装した仮面の訪問者が門をくぐり、ゴーレム達の横を過ぎ数歩といった所、背後から門扉の閉まる音がした。
振り返ると先程のゴーレム達は青白い燐光を放ちながら崩れ落ちていく。と、同時に庭園内の随所に
しつらえられたかがり火が点火されていく。
『ようやく開幕らしいぜ、相棒』
だが返事は無かった。代わりに自分を掴む手とその甲に輝くルーンを察知…できたかどうかと表現したくなるような移動の勢いがデルフを襲う。
矢、ではなく投擲槍が数本、門とサイトを分断するかのように地面に突き立っていた。
感知範囲に入ったのか近接系の武装ガーゴイルが動き始める。
「懐に入って来いってさ。あんまりわめくと舌噛むぞ!」
『俺に舌なんてねぇ!』
「そうかい!」
最後の軽口とばかりのやりとりとともに一人と一本は突風となって切り込んだ。

455:E慣らし
07/03/08 08:12:33 XNF8jpMm
「始まったようね」
 灯りを落とした室内から庭園を見ていたイザベラは、門に配置したゴーレム達が狼煙代わりの燐光をあげるのを目にし、一人呟いた。
まだ遠目にガーゴイル達が集結していくのがわかる程度だがそれで止まるような相手ではないだろう。
遠距離・間接系のものたちで賊の行動範囲を制限し、近距離型で誘導する、それが第一陣。
第一波が庭園中程まで押し込まれる頃合で合流しはじめるのが第二陣である。

「やっぱり、魔法は使ってないみたいね。となるとメイジではないのかしら?」
『であれば、私が出るまでも無く次で終わりでありましょうな』
 観察を続けるイザベラに傍らの影が応える。
「〝騎士殺しの霞〟…随分と大層な名前だったからいくつか仕掛けておいたけどどれほどのものかしら」
『じきに判るでしょう』
「そうね、でもココでの観戦時間はこれで終わりよ、霞が効かなければ後は私たちなのだから。
 いいこと?止めを刺すのは私、お前はあくまで動きを封じるだけよ」
『それはもう何度も打ち合わせたじゃない。いい加減耳にたこが出来そうよ』
「いきなり切り替えられてもね…」
口調を豹変させた相手に軽くため息をこぼす。
「まぁいいわ、じゃぁ持ち場に付くとしましょう」
『そうね』
そう、隣の人影は一点を除いてイザベラと瓜二つであった。
一方が小箱を持ち、もう一方がナイフを持っている、ただそれだけの相違。
二人とも杖を持ってはいるが影のそれはダミーでしかなかった。

イザベラとスキルニルに携えられた地下水は階下へと降りると二手に別れる。
地下水は正面へ、イザベラは普段は衛士の詰め所へと。

456:E慣らし
07/03/08 08:13:05 XNF8jpMm
 宮殿の主達が戦況を語る間も一人と一本は動いていた。

 初撃の後、向かってきたガーゴイルは二体、左側の一体の頭部を狙うようにデルフを振り下ろす。
当然受けてくる所で、接点を軸に刃を滑らせ受けている腕の下へもぐりこむ様に切り抜ける。
武器を持つ腕を損傷してもガーゴイルは残るバックラーで縦に殴りつけようとする動きを見せた。
『このくらいじゃ止まってくれんぜ!』
「ならこうするさ!」
潜り抜けた勢いを相殺せんとばかりにデルフを振りつつ反転、反撃せんとした相手の脚に叩きつける。
ガシャンという音とともに崩れ落ちる陰から残る一体が迫っていた。
先に損傷させて取り落とされた敵の剣を掴み迫る敵の足元に横薙ぎに投げつけ転倒させる。
ガーゴイルが起き上がろうとした次の瞬間、追い討ちを喰らわせる。
切り付け際に魔力を吸われたか、擬似意識の伝達が困難になったのか、ともかく無力化していく。
続けて横薙ぎのダガー、繰り出される槍、打ちつけられるフレイル……だがアニエスに受けた訓練と
ガンダールヴの力があわさった今のサイトが遅れを取るはずも無い。

 一通りを片付け振り返った視界に、遠く出口を封鎖する一団が見えた。
「これまたあからさまに奥に来い、って感じだな」
『けど前方の連中のいくつかからおかしな気配がするぜ』
確かに庭園中央付近、円状に開けたエリアに布陣する一団がある。
その中の幾体かはあちこちの間接から煙のようなものを漂わせていた。
『バーストメイル…にしちゃぁ火系統は感じられねぇ』
「なら斬ってもいいよな」
返事を待たずに手近の一体を切り倒したその時

ボワッ!

鎧に封じられていた霞が一挙に噴き出す。同様に霞を漂わせていたものたちも噴出した霞に触れ
内蔵していた霞を解放するや、一帯はたちまち濃霧に包まれてしまう。
わざわざ仕込まれていただけあり、ただ視界をさえぎるだけではないらしい。
「っ!」
咄嗟に跳び退る。

457:E慣らし
07/03/08 08:13:35 XNF8jpMm
―今のはなんだ…?正面からの刺突だったはずなのに、直後に横からに―

『相棒、どうしたよ? ギリギリまで引き付けるにしたって向きがてんで見当違いだぜ』
「なぁデルフ、この霧はやっぱやばいよな」
『俺はともかく相棒の様子だと軽く幻惑の効果はあるようだな。
 的が絞れんとなると数で押し込まれるぜ』
アドバイスを再現するように、視覚で捉えきれない攻撃が続く。
かろうじてかわしはするが守勢である限り勝機は遠のいてしまう。
「このままじゃ埒があかねぇ、デルフ建物の正面はわかるか?」
『あぁ、左後方8時、ご丁寧にあの姫さん直々に待ち受けてるぜ』
「よし、次の攻撃で一気に抜ける」

 霞を切り裂くように振り下ろされる戦斧を半身で避けつつ方向転換、数歩駆け出したところで
繰り出されるポールウェポンの柄をバネにさらに跳躍を試みる。

 囲いを強行突破となれば矢ぶすまの一つもあるかと思ったが予測は外された。
〝ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ〟
舞踏会の晩、泣きながら走り去ったルイズを探していたときにも受けた魔法…
デルフを振り上げ、反動で身体をツララの群れの射線からずらし着地する。
「器用に避けたものね、でもこれはどうかしら!?」

円柱状に立ち込めた霞から飛び出してきたサイトにウィンディ・アイシクルを射掛けたイザベラは
続けざまに詠唱を組み上げ発動させる。
〝イル・ウィンデ……ラナ・デル・ウインデ!〟
エア・カッターを囮にエア・ハンマーで叩き落そうというのだろう。
だがサイトは止まらない。
眼前に迫る空気の塊をデルフに任せ、その向うに歪んで映る目標に向け疾走する。
杖兼用らしきナイフから次々と魔法を繰り出してくるイザベラだが、速さではこちらに分があるらしい。
懐に飛び込むと、床に組み伏せナイフをもぎとる。
「これでようやく王手だな」
「えぇ、但しかけられたのは私ではなくお前の方だけれどね」
背後から聞こえてきたのは真下に組み伏せたはずの相手の声だった。

458:191の者
07/03/08 08:17:23 KTR/bVol
と、ここまでです。
オチはもう読まれてるかと思いますが…あと2,3回のうちには完結できるよう
努力したいと思います。

459:名無しさん@ピンキー
07/03/08 08:59:08 Z7AITvmp
一番槍!GJ!

460:名無しさん@ピンキー
07/03/08 10:51:41 +h/+N+wd
ラノベ全部読まない間はss見ないほうがいいな

461:名無しさん@ピンキー
07/03/08 12:26:37 n9GkbTxg
おぉ~戦闘シーンか!上手く描写出来ててすごく臨場感があります。
GJ!続き待ってます!

462:名無しさん@ピンキー
07/03/08 14:06:02 iprLSPGU
も守

463:名無しさん@ピンキー
07/03/08 15:21:08 6U/79waV
>>442
アン様うめぇ・・・・。

>>458
イザベラの調教にwktkしちまうぜ。

464:名無しさん@ピンキー
07/03/08 16:26:30 t9M2/aAf
>>442
タバサの読んでる本が…w

465:名無しさん@ピンキー
07/03/08 20:35:51 dPVD7naO
三次にも萌えられる人はメイドや姫様好きで、虹に浸かっちゃってるのはルイズタバサな感はあるな。
もちろん俺は点と線の妖精さんだ!!

466:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:01:11 On7w4iNt
……先生。
どちらも大好きな私は一体どう考えたらよかとですか?

467:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:18:54 V84dJ2gD
>>466
>>48

468:220 1/2
07/03/08 23:25:55 /2+La5QE
そうよ。私のモノに決まってるじゃない。
私の使い魔、私の犬、私の…何かしら?

「サイトさんは良い人ですよ。誰にでも優しくって…」
サイトが良い人?あんな見境の無いのが良い人な訳ないじゃない。メイド、アンタにはそう見えるかも知れないわ。でも所詮犬なの。首輪とかもしとかなきゃいけないの。

「シュヴァリエの称号を与えるに相応しい働きですわ。それに…それ以外も素敵な方だと思います。…出来れば私の…」
姫、いいえ、陛下までもサイトを?…陛下の命令でもそれはダメ。サイトは私の使い魔なんです。それにすぐ他の者を好きになったり…一人の者を愛するなんて、サイトに出来るわけありません。

…そうよ…一人だけなんて…

「サイト…助けてくれた…」
最近、私の使い魔が気になってるみたいだけどね、タバサ。
サイトは誰にでもそうなの。少し知り合いってだけで、サイトは自分の命を賭けるの。それは良いことかも知れないわ。でも、あなたが特別な存在って訳じゃないの。誰にでもそうなの。

誰にでも…よ


「なかなか有望な者だ。男しても…な」
買いかぶり過ぎです。アニエス殿。サイトはただ馬鹿なだけ。男らしいトコなんて一つも無くって、私の前じゃモグラだもの。何かオドオドして、コソコソして。ガンダールヴなんて言う力があるからそう見えて、本当ならとっくに死んでる筈だわ。
だから、アニエス殿の言うようなヤツじゃないの。

「始めての友達で…それだけじゃないの。とても心があったかくなるの」
ティファニア…かしら?確かにあなたには感謝してるわ。あなたが居なかったら本当にサイトは…。
だけどね、あなたの気持ちはサイトだからじゃないのよ?優しくしてくれた、同じ年頃の、男の子。それだけなの。サイトみたいなのは何処にでもいるわ。だからあんな馬鹿を調子づかせちゃダメ。



サイトは誰にでもそう。優しいの。良い顔して、ちょっとナイトみたいな事して、そのために命を賭けて。
びっくりする位迷わなくって…自分のやったら良いって思う事をするの。

469:220 2/2
07/03/08 23:28:29 /2+La5QE
私だってそうだもの。ただサイトがそう言う人間だから、サイトは私を守って、サイトが私の使い魔だから、いつも私に付きっきりで。
それ以外なんて…有るわけ無いじゃない…

それ以外なんて…



「嫌よ!」
「…ルイズ?」
「それだけなんて思いたくないのよ!」
「え…」
「一緒に旅したり!一緒に生活したり!一緒戦ったり!」
「…」
「キスしたり…それ以上の事したいって思ったり…」
「ル、ルイズ?」
「いいじゃない!アンタが好きなのよ!ずっと側に居て欲しいのよ!全部あげても良いって思うの!」
「ルイズ!」
「…ほ、本当はちゃんと言って欲しいの…い、いつもドキドキしてるのよ?女の子と話してる時とか…怖いの…サ、サイトが他の娘のトコに行っちゃうと思ってぇ…ばかぁ…ぐすっ…」

本当はアンタの気持ち…いつも欲しいなって思ってて…

だから…

「…ごめん。言う」
「……え?」
「一番だ。ルイズ。好き。大好き」
「え、え?」
「お前、一番。俺、あげる。これで良い?」
「…サイトぉ…」



「だからさ…」
「…ふぇ?」
「…ルイズの全部、頂戴?」
「…ばかいぬ」
「…やっぱりダメ?」



「…ありがたく頂きなさい」





470:220
07/03/08 23:29:49 /2+La5QE
久々に書くので…シチュエーションは浮かばない、エロは無い。結局この二人だし…orz

471:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:40:08 OJ19iJ7C
(*´Д`)ハァーン

472:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:41:35 V84dJ2gD
久しぶりのデレルイズ、ごちそうさまです。

473:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:44:05 o1sXv9ZT
隊長!!
鼻と息子から液体が止まりません!GJであります!

474:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:49:10 OXpx7oUh
俺の右手に持った慎ましい槍はどうすればいいんだ!!
だがGJでございます

475:名無しさん@ピンキー
07/03/09 02:00:10 8cmapwlY
最初ヤンデレかと思った。
乙&GJ!

476:284 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:08:52 NBpHFfkv
そ、それじゃあ僭越ながら自分が
タバサ分を…
つるぺたじゃなくなってるけど(何

477:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:09:58 NBpHFfkv
「…今日はこの辺で野宿になりそうね」
「そうだな、そろそろ暗くなってきたし、この辺りなら追っ手もそうそう来ないだろ」
 タバサを救出しトリスタニアへと帰る途中、ルイズたち一行は月明かりすら届くかどうか
という密林の中で野宿をすることにしたらしい。
「それじゃあ、薪を集めなければいけませんね」
「あ、じゃあ俺が行くよ」
 そういうとさっさとデルフリンガーを掴んで森の中へと歩み始める。
「おい相棒また俺っちを鉈や斧扱いするつもりじゃねぇだろーな?」
「なんだ、分かってんじゃん。ほらとっとといくぞ~完全に日が落ちちまう」
「もう、薪割りはいやだ~!! ちきしょうっ手も足も出ないとはこのことかっ」
 ……誰が上手いことを言えと

「…待って」
 一つの影がふいに立ち上がった。
「…私も行く」
「いや、タバサ疲れてるだろ?いいから休んでなって」
 タバサはふるふると首をふる。
「…大丈夫、問題ない」
 同時に才人を抜いて先に森に入っていく。
「お、おいちょっと待てって」
 才人も慌てて森の中へと消えていった。
 そんな一連の流れを呆気に取られて見ていた一行だったが、キュルケが不意に溜息をつくと我を取り戻した。
「まぁ、ダーリンとタバサなら大丈夫だわ。何せ、強いもの」
 再び溜息を放つが、それは呆れと言うより笑みを含むものだ。
「そ、そうだけど。で、でも…」
「まぁまぁ、いいじゃありませんかミス・ヴァリエール。私たちは寝るところと食事の準備
でもしていましょう」
 未だ合点の言っていない顔のルイズをなだめ、シエスタは荷物の中から野菜を取り出し
ていく。
「それじゃあモンモランシー、僕たちは星空の下で愛を語りあ…」
「あんたも働きなさいっ!この役立たず!」
 そんないつもと変わらぬ皆を見ていたキュルケは三度目の溜息を漏らす。
「…しっかりやりなさいよ、タバサ」
 自分しか聞こえないような呟きを置いて、キュルケは皆に呼ばれて行く。


478:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:10:45 NBpHFfkv
 あ、皆さんの出番これだけですよ?
 …。
 ……。
 ………。
「「「ええ~~~~~~~~~!!!」」」
 お約束♪

 所変わって。ここは森も深く、明かりもまともに届かないようなところ。
 才人とタバサの二人は薪拾いを終え、何か食料になるものは無いかと物色している最中だった。
「うっうっ、もうお嫁にいけない…」
「だ~うるせぇぞデルフ。何を切ろうと一緒じゃねえか」
「伝説だぞおいらは!その辺の刃物と一緒にすんなや!!」
 手にぶら下げている剣と漫才を繰り広げる才人を横目で見ているタバサ。
 その顔は心なしか赤く染まっているように見える。
「ところで…大丈夫かタバサ?疲れたら言えよ?」
「……大丈夫」
 頷いて、前を見たタバサが不意に立ち止まった。
「ん?どうしたタバサ?」
「…キノコ?」
「キノコ?」
 才人はタバサの見たほうを覗きこむと同時にタバサが疑問符をつけたことに思い至る。
「キノコなんてその辺に生えて…」
 それを視界に捕らえた才人ですらも固まり、暫し沈黙の時間が過ぎる。

 そこに生えていたものは確かにキノコだった。
 但し…赤地に白の斑点のついた石突の太いものであったが。

 これ…日本で、というか画面の中で見たことがあるなぁ…

 恐らく任○堂製です。音楽はありません。


479:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:11:56 NBpHFfkv
「どう見ても『アレ』だよな」
 才人がそんな想像してると、タバサがそれを地面から引き抜いた。
「……食べれる?」
「やめといた方がいいと思うよ」
「…そう」
 あからさまに落ち込んだ様子で地面に置こうとする。
 そんな隣で才人は懐かしむように独り言を始めた。
「懐かしいな…確か結構散らばってるんだけど最初にとったら後のは邪魔に…」
 何のことだか分かっていないタバサは不思議そうに首を傾げる。
 しかし、才人がもらした一言を聞き漏らさなかった。
「…とりあえずブロック探し…マリ○が…大きく…」
「…大きく」
 タバサはその一言に敏感に反応し、目を輝かせると手に持っていたキノコを丸呑みした。
「えぇっ!ちょ、何してんのタバ…」
「…おいしくない」
 だろうよ。
「だ、大丈夫かタバサ!?へんな所とかないか!?」
「うん…大じょ…」
 そこまで言うとタバサは再び歩き…出せなかった。
 一歩目を踏み出そうとして、不意に倒れたのだ。
「タ、タバサッ!大丈夫か!しっかりしろ!」
 手を伸ばそうとすると、タバサの身体を霧のようなもやが包みこんだ。
 それは瞬きを要する時間で次の瞬間には…
「タ、タバ…サ?」
 そこには青い髪を肩口辺りまで伸ばした、才人ほどの身長を持った女性が横たわっていた。
「本当に大きくなるんだあのキノコ…」
 突っ込むところはそこじゃない。


480:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:12:53 NBpHFfkv
「ん…んん…」
 とりあえず木に寄りかからせておくとタバサはゆっくりと目を開けた。
「あ、起きたか」
「…サイ…ト?」
 まだぼんやりとしているのか、現在の状況は分かっていないようだった。
 やがて視界の高さに違和感を覚えたらしいタバサは、辺りと自分の身体を交互に見回す。
 数秒をかけた後、ようやく理解できたのか目を見開いて才人を見る。
「これ…大きく…」
「あぁ、さっきのキノコのせいだと思うんだけど。どうしたもんかなあ」
 才人は目の前に座り込んで気まずそうに頭を掻く。
「…何か…肩が重い」
「う、うん。えっと…」
 ちらりと顔を赤らめながら才人は改めてタバサに視線を向ける。
 タバサの、胸元に。
 そこには桃りんごとまでは行かないが、シエスタ以上キュルケ未満の果実がたわわに実っていた。
 着ているシャツを苦しそうに押し上げているそれを見て、タバサは恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「さてと…どうしようか。このまま戻るわけにもいかないしな」
「…………」
 タバサは俯いたままこくんと頷く。
 その姿はどこと無く救い出したタバサの母に似ている…様な気がした。
「…サイト?」
「ん?あ、ああ、ごめん。なんでもない」
 はは。と苦笑いを返すと、話すことが尽きたらしく沈黙が広がった。

「…あの」
「ん?どうしたタバサ?」
 沈黙していたところへの突然の問いかけにサイトはふと顔を上げる。
「…ありがとう」
「え?」
「…助けてくれて」
 そんなことか。とサイトが言おうとして、しかしそれは叶えられなかった。
 タバサがしだれかかってきて、才人の開きかけた口に自分の口を重ねたのだ。
 それは触れるだけのような拙いものだったが、急な出来事に才人は呆気に取られる。
「…お礼」
 そういってタバサは才人の胸に顔を埋め、抱き締めるようにして地面に押し倒した。
「いや、お礼って…」
「…嫌?」
「嫌…じゃ、ないけど…」
 潤んだ目で見つめられるとたまらない気持ちになってくる。
「…じゃあ、サイトが良かったらでいいから…」
 タバサが掴んでいる腕に更に力をこめる。逃がさないとでも言うように。
「…今の間だけ…好きにして、お兄ちゃん」
 言葉をつむぎ終わって、再びタバサは唇を重ねた。
「タバ…サ…」
 才人も返事をするかのようにタバサに腕を絡ませる。
 
 …才人が『お兄ちゃん』の一言で理性を投げ捨てたのは明らかに余談である。


481:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:13:40 NBpHFfkv
「んっ…ちゅ…んんっ…ふあぁ…あ…ちゅくっ…」
 重ねた唇の端からは二人の交じり合う吐息と涎が溢れている。
「…ん…ふぅ…あ…はぁ…はぁ…」
 ゆっくりと口を離すと二人の間には一筋の糸が垂れて、途切れた。
「ほんとに、いいの?」
 才人がそう問いかけると、タバサはこくんと小さく頷く。
 それを確認して、シャツの下からいつもは無い豊満な果実に手を這わせた。
 才人が軽く力を入れて揉み解すたびに手の中で形を変えていく。
「ふあっ…そこ…すごい…」
「これだけで感じるんだ…ほら、ここもうこんなになってる」
 才人は苦しそうに主張している先端を軽く指ではじく。
 それだけでタバサは電気が通ったかのように小さく痙攣する。
 更に才人はタバサのシャツをたくし上げて、たわわな果実にむしゃぶりつく。
「きゃあぁん!?やぁっ…おにいちゃっ、すっちゃだめぇ…な、なんか、びりびりするのぉ…」
「へぇ…タバサって結構やらしい子なんだ」
「そっそんなこと…ふゃぁああぁあんっっ」
 言い切る前に才人は含んでいる先端を軽く甘噛みしつつ、空いている方を指で抓り上げた。
 左右同時に襲ってくる痺れるような快感にタバサは身体をのけぞらせる。
「やあぁっ…すごいのぉっ!だめえっ…来ちゃうっ何か来ちゃうううぅううっ」
 二、三回跳ねるように痙攣すると、タバサは才人の上に力なく倒れこむ。
「はは、イっちゃったかな?」
「…い、いじわるっ」
 肩で息をしながらタバサは才人を睨み付ける。
 が、全く意に介さずに、才人は軽々とタバサと体を入れ替える。
 そのまま胸に置いていた手を造形を確かめるように這わせ、すぐにタバサの大事な場所へと到達させた。
 下着越しでも分かるぐらいにそこは湿りきっていた。
「ほらタバサ…こっちも、すごいことにになってるの分かる?」
 才人はわざと淫らな音が立つように布越しにこすり上げる。
「ふっ…ん…やあっ…い、言わない…で…」
聞きたくないとでも言うようにタバサはいやいやをする。
 それでも口からは艶を含んだ吐息が漏れる。
 が、絶頂に達するには足りない程度の刺激でしかなかった。
「あっ、やっあぁっ…いじわる…しないでよう…おにいちゃん…」
「じゃあ、どうして欲しい?言ってご覧?」
「ふえ?そ、そんなぁ…」
「それじゃあ、ずっとこのままだけど…いいの?」
「………」
 う~。おにいちゃんてこんなに意地悪だっけ…この変態っ!
 む~、と唸って下腹部から来る刺激に耐えつつ抵抗の意志を見せるが、才人は全く気にしない。
 それどころか止まりそうな位に手の動きを緩めて、じんわりと責め続ける。
「ふえぇ?…そ、そんな…いやあ…」
「言ってくれないし、止めちゃおうかなあ…」
 才人は溜息をついて不意に指の動きを止めて身体を起こした。
「やっだめっ」
「え?」
 才人はいけしゃあしゃあとした顔で覗き込んでくる。
 その顔はどこと無く嬉々としていた。


482:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:14:27 NBpHFfkv
 は、はめられたぁ…。
 タバサは顔を赤くして少しの間葛藤していたが、観念したのか口を開いた。
「もっと…いっぱい…気持ちよくして…」
「どこを?」
「―――!」
 そ、そこまでいわせるのぉ!?このへんたいへんたいへんた(ry
 が、抵抗しても余計疼きがひどくなるのを悟ったのか、すぐに二の句を紡いだ。
「わ、私の大事なところ…」
 一息を吸い肺に言葉を溜める。
「お兄ちゃんので……め、めちゃくちゃにして!!」
 目を瞑って叫んだ言葉は、才人の予想の斜め上を駆け抜けていった。
 こ、ここまで言わせるつもりは無かったんだけどな…。
 林檎のように真っ赤になっているタバサを少し見詰めて、頭を撫でる。
 すると、タバサが恐る恐る目を開けた。
「ごめんごめん、ちょっと意地悪しすぎたかな」
「…おそい」
 はは。と苦い笑いを浮かべ、誤魔化す様に唇を触れ合わせる。
「それじゃあ…いい、かな?」
 才人がズボンを下げると先を濡らした怒張がビクビクと波打っていた。
「…うん…きて…おにいちゃん…」
 才人がタバサの下着を横にずらすと、そこはすでに糸を引いて蠢いていた。
 タバサは才人の首にゆっくりと手を回す。
「可愛いよ、タバサ」
「………ばか」
 才人が腰をタバサにあてがい、ゆっくりと沈めていくと、内壁が絡みつくように才人を受け入れる。
 成長したタバサのそこは、図ったように才人の怒張で埋め尽くされた。
「んっ…んんっくうっうん…すごい…おにいちゃんで…いっぱい…」
 自らを落ち着かせるように、才人がタバサに口付けを交わす。
 そんな才人の意思を感じ取ったのか、タバサは目を見て小さく頷く。
「大丈夫…うごいて、いいよ」
 始めはゆっくりと、そして徐々に速度を上げて腰を打ちつける。
 二人が快楽の中に身を投じるのにそう時間はかからなかった。


483:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:15:16 NBpHFfkv
 漆黒の森の中には、三つ音が響いている。

 一つは粘液をかき混ぜるような音、

 一つは肉同士を叩き合わせるような音、

 一つは艶を含んだ人の口から漏れる喘ぎ声という音、だ。

 それらの音は三重奏となって妖艶とも呼べる空間を作り出していた。
「…んんっはあっあんっ…やぁっ…おくっおくにとどいてるよぉっ」
「タバサッすげえ中っ狭くて…気持ち、いいっ」
「おにいちゃんもっ…なか、ごりごりってしてるっ」
 才人が腰を引くたびにタバサの肉壁が名残惜しそうに絡みつき、突き入れると、柔らかく押し広げられて才人を迎え入れる。
 硬く反り返った怒張はひだを削り、一番奥、最も大切な入り口をコツコツとノックする。
「いいのおっ…背中っびりびり来てっ…頭…おかしくなっちゃいそうっ」
 タバサは引かれるたびに身を震わせ、奥を叩かれるのに合わせて背を弓のようにそらせて快感を才人に伝えた。
「やあっ、は、はあぁあんっ…そんな、に…やあっ…たたいちゃっ」
 ほ、ほんとに変になっちゃいそうだよう…
 タバサは電気を通したような刺激に耐えるかのように才人の頭を抱えなおす。
 才人はその手を振りほどこうともせずに、腰を動かして、胸に吸い付く。
「かわいいよ…タバサ…」
 囁きかけると自分を包む空間が更に狭く収縮する。
 それを感じ、今にも暴発しそうになるのをこらえて、打ち付ける速度を上げた。
「ふあああ!?やっだめっ!そんなのっはげしすぎてっ」
 タバサはその長い青髪を振り乱して絶頂に昇っていく。
 いつしか才人に合わせてタバサも身体を前後させる。
 それはよりストロークを大きくし、結果として二人が達する時間を早めていく。
「ふっやっひあっ…ふあぅん…おにいちゃっ…私、も、だめっ」
「ああ、おれもっそろそろッ…ぽい」
「い、一緒に、一緒にイってええぇ」
 タバサはかき寄せるように才人を抱きしめる。
 才人もそれに答えるように抱きしめている腕に力をこめる。
「お、おれっもうっ」
 言って引き抜こうとする才人の腰をタバサの足が抑えた。
「タ、タバサ?」
「抜いちゃやだっ…お兄ちゃんのっなかにいっぱい…いっぱい頂戴っ」


484:野宿万歳 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:16:02 NBpHFfkv
 タバサが更に下腹部に力を入れると、才人も限界を迎えた。
「だ、ダメだっ…い、イくよっタバサッ」
「私もっイっちゃっ…やっあぁぁあああぁあんんっっ!!」
 才人が強く奥に打ち付けると張り詰めた怒張が更に膨らみ、溜まっていた欲望をタバサの子宮に打ち込んでいく。
 熱い迸りが叩きつけられる快感に、タバサもほぼ同時に絶頂を迎えていた。
 あ…おにいちゃんの…おなかのなかにいっぱいでてる…。
「おにいちゃん…あったかい…」
 律動を終えた怒張を引き抜くと、入りきらなかった白濁液が溢れてくる。
 心地よい脱力感に包まれて二人の意識は闇に落ちていった…。

 ―三十分ほど後
「…ん?わっやべぇっ戻んなきゃ皆に怒られるっ」
 目を覚ました才人が、隣で寝ているはずのタバサのほうを向く。
「タバサ~…あれ?…おいっタバサ、起きろって」
「…んん…ん?あれ?…戻ってる」
「そうなんだよ、あれって一時的なもん見たい…ってそんな問題じゃなくて、早くみんなの所戻んなくちゃっ!」
「…あ」
 事の重大さに気付いた二人は慌てて立ち上がる。
「ええと、薪持って…」
 才人は持ってきていた薪を背負うと、タバサを抱きかかえた。
 それは横に抱きかかえるいわゆる『お姫様抱っこ』だった。
「…え?…え?」
「時間がねぇからな行くぞっ」
 才人は一目散に走り出す。皆が待っている方へと。
 今だけは…幸せでもいいよね?…お母さま。
「お兄ちゃん…大好き」
 ポツリと呟くと、タバサはぎゅっと才人にしがみついた。

 この後の修羅場は忘れたことにして……。

 ……あれ?
「お~い相棒?置いてかないで~お~い」
 ………これもまた、お約束ということで。
                             <おしまい>


485:284 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 02:17:42 NBpHFfkv
これなんてエロg(だまれ
すいません、まったくタバサとかけ離れてます。
むだに長いし・・・
なんだかなぁな作品ですねぇ


ちょっと首つってきます。どうも有り難う御座いました。

486:名無しさん@ピンキー
07/03/09 02:20:36 CMFidJJE
GJ!てっきり殺さないと元に戻らない設定かと思ったぜ…
デルフカワイソスwww


487:名無しさん@ピンキー
07/03/09 02:49:15 l8KtZw/l
>>284さん
GJ!!!!!!!!!

488:名無しさん@ピンキー
07/03/09 03:30:23 e3koqd5S
ルイズタバサしか無いだろ・・・

489:名無しさん@ピンキー
07/03/09 03:49:16 6iMpLsCr
>>485
GJ!!

490:名無しさん@ピンキー
07/03/09 03:56:27 HjCkY+fH
ルイズがきのこ食べたらカトレアさんに瓜二つになるんだろうな。
そのバージョンも見てみたいぜ

491:名無しさん@ピンキー
07/03/09 04:25:29 IegtaMFr
>>490
いいところに気が付いたな

492:名無しさん@ピンキー
07/03/09 08:57:27 kCrTn3Tx
シエスタもタバサ救出を手伝ってたのか

493:名無しさん@ピンキー
07/03/09 09:24:46 1Pk1BUTE
>>492
いいところに気が付いたな

494:名無しさん@ピンキー
07/03/09 14:05:32 CMFidJJE
>>490-493の流れに吹いたwwww

495:名無しさん@ピンキー
07/03/09 15:07:08 nvZlHXGh
>>494
いいところに気が付いたな

496:名無しさん@ピンキー
07/03/09 15:42:11 XIRZ8TV4
>>490-495
お前ら全員結婚してくれ!!!!!

497:名無しさん@ピンキー
07/03/09 16:56:49 hyl/fw2d
>>496
待て!これは孔明の罠だ

498:名無しさん@ピンキー
07/03/09 17:26:26 iC5IX9Rd
唐突に赤いキャンディと青いキャンディを思い出した。
むしろアニエスさんとかカトレアさんに赤いキャンディを(ry

499:名無しさん@ピンキー
07/03/09 18:54:31 MuowD4Go
この場合は緑色だったか?
何かあったよな、ちっちゃくなるキノコ

500:名無しさん@ピンキー
07/03/09 19:37:35 XIRZ8TV4
ク○パ倒したら桃姫ではなくアン様が出てくるというオチ

501:名無しさん@ピンキー
07/03/09 19:57:14 HCKyCQFy
>>500 !!!謎はすべて解けた!

奴は何巻かで おひいさま と呼ばれていた。
つまり桃姫!!
このスレの住人なら、某コミック誌を思い出すだろうが、それは置いて!

つまりルイズにはスーパー○男が居る!!

ヒロイン=姫さま!!

こうですねっ

な、なんだ?貴様裸なんのようd


502:284 ◆yJjGBLHXE6
07/03/09 19:58:41 NBpHFfkv
あんたら…楽しそうですね

兎に角、言われて気付いた。シエスタ同行してねぇじゃん!!
あ~あ
タバサのことばっかり考えてたせいd(黙れキモヲタ

すいません。シエスタは荷物の中にでも居たということで(何を言って
次は精進します。許してください。

503:名無しさん@ピンキー
07/03/09 20:07:04 XIRZ8TV4
>>502
そのおっきいちんこみせてくれたらゆるしてあげてもよい


>>503が言ってました


504:名無しさん@ピンキー
07/03/09 20:09:02 XIRZ8TV4
あ、俺も間違えた>>503じゃなくて>>504だ・・・
というわけで284氏、いっしょにあやまりましょうか orz

505:名無しさん@ピンキー
07/03/09 20:15:02 /0RP2G/I
まあ全部俺の自作自演ってやつなんだけどな。        ∧_∧
           ∧_∧                   (´<_` ;) ・・さ、流石だな、兄者
           ( ´_ゝ`)                  /   ⌒i
          /   \                 / ィ   | |
     / ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
__ _/  Prius  //  FMV  //  VAIO // Mebius // LaVie  /____
   \/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
   _ /ThinkPad //WinBook//DynaBook//Libretto // Presario/
   \/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
   _ / Inspiron //Endeavor//InterLink //  Evo  //Let'sNote/
   \/____//____//____//____//____/
         │        │        │        │        │          ┌─┐
         └──┴──┴──┴──┴────コ.│


506:名無しさん@ピンキー
07/03/09 20:41:08 W65/9GEr
>>505
いいところに気が付いたな


507:名無しさん@ピンキー
07/03/09 21:18:15 qxlCaMY1
皆のテンションの高さに乗じたネタを投下
スルー推薦かも

508:名無しさん@ピンキー
07/03/09 21:19:21 qxlCaMY1
 よっ! 俺才人、突然だけどさ。
 俺ってイケてる!


「顔は普通なのに、ルイズやシエスタを虜にしてるなんて……魅惑の妖精亭でのルイズに邪魔された一夜、熱かったわね」

「とても真面目で責任感があって、ミス・ヴァリエールの横暴にも耐えて……アルビオンの宿屋に二人きりで泊まった一夜、熱かったですね」

「不良に囲まれてると足を震わせながら助けてくれたの……風で寝込んで看病してくれたときの一夜、熱かったね」


 俺ってやっぱり、イ! ケ! テ! ル!
 というわけで早速あれいくぞ。
 
『かわいい乙女を掴み取るさっちんアーム!』

 どうしてだ、何も掴めない、何も掴めないんだ!

「ご、ごごご主人様に、なな、なんてことしてるのかしら」
 才人が目を覚ますと、身の毛もよだつほどの恐ろしいルイズの顔。そして手は胸に……
「犬ーーー!!!!!」
 
 いくらルイズと初にゃんにゃんしたからって、調子に乗っちゃダメだよね~。


509:名無しさん@ピンキー
07/03/09 21:22:03 qxlCaMY1
TAKE2

よっ! 俺才人、突然だけどさ。
俺ってイケてる!


「私の勇者様……トリステインに帰るとき、野宿での一夜、熱かった」

「言葉遣い、行動は平凡なんだけど、いきなりかっこよくなるのよね……ぺリッソンやステ(以下省略)に邪魔された学院での一夜、熱かったわ~」

「悲しみが故に間違いを犯そうとする私を止めてくださいました。許して助けてくださいました……城下町での宿屋の一夜、熱かったですわ」


 俺ってすっごく、イ! ケ! テ! ル!
 というわけで皆いくぞ。

『サイトキネシス!』

 なんでだ、なんで世の乙女達が寄ってこないんだ!

「かわいそうだから、私が忌めてあ・げ・る」
 才人が目を覚ますとルイズを押し倒していた。魔王を彷彿とさせるするどい眼つきが……
「犬ーーー!!!!!」

 いくらルイズに前回のこと許してもらえたからって、反省しなきゃダメだよね~。


510:名無しさん@ピンキー
07/03/09 21:23:43 qxlCaMY1
以上

この板に合ってなくて失礼した

511:名無しさん@ピンキー
07/03/09 21:25:15 DL179G6v
>>505
正直一度はこういう自演をやってみたい気がするw

512:名無しさん@ピンキー
07/03/09 21:58:12 /3mgoy3Z
回線一本だからIDは全部同じって突っ込みは野暮かな

513:220 1/2
07/03/09 22:14:56 RzAAER0g
実はすげぇドキドキしてたんだ。俺の前じゃあんな風だけどルイズは、俺のご主人様は

可愛い。
実は優しい。
貴族。

正直言って、モテて良いと思う。この世界じゃ貴族って言うのは、一般市民からは手の届かない存在なんだろ?
それってなんか神秘的だし、実はその子は女の子で、同じ年頃で、美人だった何て聞くと、健全な男なら黙っちゃいねえよ。
おまけに、そういう連中(貴族)ってのは子供を、同じ貴族とかそれ以上の身分、言ってみりゃ相応しい相手ってのと結婚させようとして、んでまたその次の世代にもおんなじような教育をする。
ルイズのお母さんもそう言う教育をしたんなら、ルイズは婚約者がいて、その相手と結婚するのが当たり前と思ってた筈だ。

…でもなんか違うみたいなんだよな…

…とにかく…

俺に勝ち目が有るわけがねーじゃねぇか!確かにワルドは婚約者じゃ無くなった。
使い魔だからって、ルイズが他の男の嫁さんになってるのに側に居なきゃならなかったんだぜ?
あの時俺はイラついて…だけどどうしようも無くってさ、本気で帰りたくなってた。
今は違うけど、それでも貴族ってのは色男が多いみたいで、その中にルイズの気に入る様な奴がいてもおかしくはない。

幾ら俺が良いトコを見せても、勝てないような奴ら。

そう言う奴の所にルイズが行く可能性も十分あるだろ?心配にもなるさ。
出会った時から俺の気持ちがそうなってたかは…今じゃわかんねぇ。よくある、いつの間にかって感じ。真剣なアイツの横顔を見て、何か頑張ってるアイツを見て、案外そんなモンだったかもな。
普段優しく無い分、優しくしてくれた時にはドキッとした。なんか、ルイズの表も裏も、良いとこも悪いとこも両方見せてくれてる気がして…だから信頼してくれてるのかなって…

だからルイズは…俺の事を嫌いじゃないと思う。多分。

多分…な…


でも、はっきり好きって言ってくれた事ってあったかな…





………ああもう!

514:220 2/3
07/03/09 22:19:07 RzAAER0g
わかんねぇんだよ!俺は…ルイズが好きだからそう思いたく無いんだ!誓いの…契約の時のキスとか、わざわざ踊ってくれたりした時とか、小舟の上で俺が告白した時とか、結婚式の真似事をした時とか…
その時の一つ一つのお前の反応が、ルイズの反応が、ただご主人様だからって、俺が使い魔だからってだけじゃ無かったような気がしたんだ!
アイツに良いとこ見せようとして俺は馬鹿をする。無謀って言われても頑張る。
俺の名前をルイズが呼んでくれた時、俺は嬉しかったんだ。ルイズの中で、少しは大きな存在になれたんだってな。
これからもっともっと大きな存在になれたら、そしたらルイズも俺の方を向いてくれるんじゃないかって馬鹿な期待して、それだけの為に命を張って…

なあ、馬鹿だろ?

…それでも好きなんだよ…望みが薄くても、望みが無かったとしても、俺はルイズが好きだ。

こんだけ想っても…言いたい事少ししか言えてねぇんだ。それもノリみたいな感じでしか…な。


んで、俺がこれだけ悩んでたのに…


なんで「それ」関係で…


ルイズが泣いてるんだ?


515:220 3/3
07/03/09 22:20:07 RzAAER0g
「ごめん」
「馬鹿…最低よ…」
「俺じゃ釣り合わないって思ってた」
「悩み損じゃない…私だって…嫌いじゃなかったのに…」
「…あの…さ…」
「好き」
「え?」
「これを言って欲しかったんでしょ?好きよ。サイト。大好き」
「あ、ああ」
「だって…言ってあげないとアンタすぐ他の女の子のトコ言っちゃうじゃない。そしたら私またドキドキするもの」
「…うん」
「…もう」


「…」
「…お、お返しはないの?」
「え?」
「わ、私がここまで言ってあげたのに、何も無いの?」
「…えっと」
「い、今なら…」
「い、今なら?」
「な、何かして良い…かも…」
「そ、それはもしかして…」
「ほ、ほら、キスもしちゃってるし…なんかもう、アンタとは色々やっちゃてるでしょ…」
「と、とりあえず」
「?」
「い、いつ?」
「じゃ、じゃあ…今晩…」

こういう時はなんか…わかっちゃうよな…


って、えぇ?!


お、俺も答えたけどさ!


「こ、今晩?」
「う、うん…」
「な、なにするの?」「え?」
「…」
「…ばかいぬー!」


これ位がちょうど良いよな…ハァ。




516:220
07/03/09 22:22:47 RzAAER0g
ごめん。最初よりレスが増えてしまった。>>469のサイトヴァージョン…とりあえずorz
この二人って実は精神的にドMだと思う。

ネタもひねりは無い、シチュも特に無い。エロも無い。男の方の回想録…場違いゴメンナサイ(ry。
金曜日だし、せめてこの後の為に場が温まってくれればと思いつつ…
エロシーンは…書くとしてもサイト主観かルイズ主観かで悩んで…アアユウジュウフダン

ウジウジすまない。とりあえず大量投下を願って…失礼orz

517:名無しさん@ピンキー
07/03/09 22:25:22 1Pk1BUTE
一番槍GJ!!

518:名無しさん@ピンキー
07/03/09 22:42:18 9cGsJ50g
(*´Д`)ハァーンハァーン

519:名無しさん@ピンキー
07/03/09 22:49:57 Gug15tcm
おちんちん痛い…

520:名無しさん@ピンキー
07/03/09 23:00:25 lZvjuIk4
220氏GJです。王道いいよなぁ王道。
ルイズがどうデレるか妄想するだけで何杯でも(ry

くそぅ、週明けまでIP Unreachableなところに行くからスレがチェックできなくてつらいぜ…

行ってきますノシ

521:名無しさん@ピンキー
07/03/10 02:17:56 V0MokSpP
>>516
GJ!!そしてIDがそれなんてエロゲ?

522:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/03/10 02:28:10 HhDlCW0h
みんなアンシエ好きネエ。
というわけで投票結果どおりアンシエいきますよー

でも途中までなのはナイショだ!(何

523:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/10 02:30:25 HhDlCW0h
女王の馬車はまっすぐ、タルブの外れにある『サクラ』の樹が咲く丘へと向かった。
アンリエッタはシエスタから伝え聞いた『オハナミ』の作法に則り、まずは『サクラ』の木の下に、宴席が設けられるのを待つことにした。
準備が整い次第お呼びいたしますので、と騎士の一人が馬車の中のアンリエッタに告げる。

「さて、それでは…」

アンリエッタはそう呟くと、馬車の中から外界と通じる窓の鎧戸を閉め、目の前に座るシエスタに視線を移した。

「ご存知のとおり…今、サイト様の傍らには、ルイズがいます。
 彼女がいたのでは…サイト様と一緒に、ゆっくり『オハナミ』を楽しむこともできません…」

そのアンリエッタの言葉に、シエスタが付け加える。

「いいえ、女王陛下。まだ一人、厄介な者がおりますわ」

シエスタの言葉に、アンリエッタははて、と首をかしげる。
ルイズとこの娘以外に、サイト様に執心な女性がいたのかしら?

「それは?」

促すアンリエッタに、シエスタは応える。

「タバサとかいう、青い髪の小さな女の子です」
「あの、ガリアの騎士ですか…」

幼いながらにして騎士の称号を持つあの娘。ルイズと同等か、それ以上に厄介な相手だ。
どうしたものか、とアンリエッタは思索する。
そしてすぐに、ある作戦を思いついた。

「ありがとうシエスタさん。あなたの『オハナミ』の情報、さっそく役に立つ時がきましてよ」

そう言って、アンリエッタは微笑む。
その笑顔は、勝利を確信した者のそれだった。

524:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/10 02:31:00 HhDlCW0h
「…何か、釈然としないわね…」

『オハナミ』の宴の席で、ルイズは憮然としていた。
おかしい。何かが変だ。
アンリエッタの計らいにより、『オハナミ』の席は華やかに設けられていた。
見事に咲き誇る『サクラ』の樹を囲んで、アンリエッタ一行の持ち込んだ酒やご馳走が振舞われている。
そして、平民も貴族も関係なく、同じく宴に興じている。
ルイズの指摘するのはそこではない。
これは、『オハナミ』特有の『ブレイコー』とかいう習慣で、『オハナミ』の宴に参加するものは、身分や齢に関係なく、対等に宴を楽しむ権利がある。
だから、アンリエッタお付の騎士がそのへんのおっちゃんに複雑怪奇な関節技をかけられていても、お付のメイドが村の男どもに女王のような扱いを受けていても、ぜんぜん問題ないわけで。
ルイズの感じている違和感はそこではない。

「どうしたんだルイズ?」

彼女の目の前には、才人がいる。
そう、才人が『単独で』そこにいる。
当然絡んでくるはずのアンリエッタが、そこにはいなかった。
それこそがルイズの感じる違和感の原因であった。
当のアンリエッタといえば、離れた場所でまるで給仕がごとく、あちこちのグラスに酒を注ぎまくっている。
それもまた、ルイズの違和感を加速させる原因となっていた。
ルイズはせっかくの才人の語りかけも無視し、アンリエッタをじっと見つめる。
…何を企んでいるの、姫様…!?
そんなルイズの視線に気付いたのか、アンリエッタはにっこりと笑うと、人ごみを縫ってルイズの方へやってくる。
…な、なに…?

「あらー?ルイズ・フランソワーズ?グラスが空いてましてよー?」

みょーに高いテンションでアンリエッタがルイズの持つ空のグラスに酒を注ぐ。
頬がほんのりと赤い。
酔ってる。この女王酔ってやがる。

「酔ってますね姫様」

呆れたようにルイズは言い、アンリエッタの酌を受ける。
そんなルイズに、アンリエッタは半眼で反論する。

「女王が酔っちゃいけないっていう法律でもあるんですかー?
 ええー?答えなさいよルイズ・フランソワーズぅー!」

しかも絡み酒だ。
ルイズが飲むはしから、グラスに酒を注ぐ。
ルイズは仕方なしにその酒を飲み干す。
そしてまた、アンリエッタが問答無用で酌をする。
何度かそれを繰り返すと。

「も、もう飲めない…」

ルイズは酔いつぶれて、バタンと倒れると、眠ってしまった。
アンリエッタはゆらりと揺らめくと、今度はすぐそばにあった空のグラスに目をつけた。
つまり、才人のグラスに。

「グラスが空いてましてよぉぉぉぉぉサイトさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

問答無用で酌をした。

525:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/10 02:31:59 HhDlCW0h
そして、その反対側では。

「さあ村長、覚悟なさぁぁぁぁぁぁぁぁい」
「や、やめてくれシエスタ、これ以上はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

逃げようとする村長の首根っこをむんずと掴み、酔ったシエスタは黒光りするワインの瓶を構え。
村長の口に突っ込み、問答無用で流し込んだ。

「もう飲めっ、ごぼぉおぉぉぉぉぉぉ?」

瓶が空になったのを確認すると、シエスタは村長の亡骸(酔いつぶれ)を地面に放り投げる。
その周囲には、同じようにシエスタに酔い潰された屍の山が。

「任務…完了」

酔った振りのシエスタはそう呟くと、屍の山を後にした。

アンリエッタの計画はこうだ。
まず、火のつくような強さの酒を用意する。
それを、アンリエッタの水魔法でもって、飲みやすい味に加工する。
そしてそれを、『オハナミ』の席で問答無用で振舞う…。
片や、女王による絡み酌。
片や、メイドによる強襲酌。
これに抵抗できる者が、この宴にいるだろうか。いや、トリステイン広しといえどいないであろう。
そして、計画は実行に移され…。
アンリエッタとシエスタを除く全ての『オハナミ』参加者が、酔いつぶれて『サクラ』の木の下に倒れることになった。
余談ではあるが、これが後世に伝わり、『タルブのサクラの伝説』となるのである。

526:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/03/10 02:33:19 HhDlCW0h
以上、導入終わり。
明日も仕事なんで、このへんで。

…妙にキャラが壊れている希ガス(何

ノシ

527:名無しさん@ピンキー
07/03/10 02:34:41 V0MokSpP
わほーい!
リアルタイムGJ!!
あんたの脳味噌は桜色だぜ!

528:名無しさん@ピンキー
07/03/10 03:21:11 /LQDd0np
へんたいさんキター―(゚∀゚)―ー!!GJ!!
一つ気になる事があったが、それは続きで明かされるんだろう、多分
それはさておき巨乳3Pwktk

529:名無しさん@ピンキー
07/03/10 08:27:28 FP6//35Z
…(これは伏線だ…きっと最後に青い髪のチビッコが、膝枕される権利をGETしてしまうんだ…)、へんたいさんGJ!

530:名無しさん@ピンキー
07/03/10 11:30:50 zfa5/MX4
2人とも酒癖悪いイメージあるからなぁ…そういや原作でも2人の酒癖について言及あったっけ?
SSではそれが定着してるから自然と受け入れてるけど…まぁいいか。
せんたいさん続き待ってますよぅ~GJ!

531:名無しさん@ピンキー
07/03/10 11:41:15 Dflz6oig
GJです

それにしても可哀想な村長・・・(´・ω・`)

532:名無しさん@ピンキー
07/03/10 11:52:32 N2lGgnYt
桃色おっぱい桜祭りwktk

533:名無しさん@ピンキー
07/03/10 13:52:24 Sa7/cqcX
テファ「桃りんごはいかがですか?」

534:名無しさん@ピンキー
07/03/10 14:16:53 sm+0u6gZ
このスレはつるぺた好きが多いと信じている。

というわけで投下開始

535:過去現在未来
07/03/10 14:25:09 sm+0u6gZ
 寝る頃になって突然降り始めた雨。
 本などにあるお話では、人が死んだりすると悲しみを洗い流すかのように降っていた。
 無事にタバサとタバサのお母さんを助け出したというのに、やけに悲しく感じてしまう。
 流さずに貯めていく憂鬱な雨。
 それは雲が夜空を隠しているからなのか。
 すがすがしく、穢れの無い綺麗な星空を望んでいたからなのか。
「お母様……」
 馬車の中、かすかに声がしたほうにルイズは顔を向けた。
 今日、この行為が何度目になるかわからなかい。
 タバサ救出という大仕事を終わらせた後、馬車に乗り込んでひとまず森に身を潜めることになった。
 皆が疲れて眠りこける中、一人だけ起きてある思いに馳せていたから。
 それは家族のことだった。誰にとっても言葉では表せないほどの大事な人。

 タバサは自分の母親に寄り添って眠っていた。
 目を覚ましているときには近づけないから、あの母親の娘は今大事そうに抱えている人形だから。
 近づけるのはこの時間帯だけ、寝ている今だけが唯一甘えられる。
 一方的で返事すらも返ってこない、まるで死人と触れ合っているかのようだ。
 それがどんなに悲しいことなのか。どんなに辛いことなのか。
 胸が痛んでしかたない。
 考えるたびに涙が出てきてしまうのだった。
 立ち上がり、わずかに見える夜目を駆使してタバサに近づいていく。
 徐々に見えてくるタバサの顔。
 それは嬉しさが溢れていて、見た人すべてに幸せを分け与えるような表情だった。
 その表情に吸い込まれていき、目の前が見慣れた光景に変化していった。


536:過去現在未来
07/03/10 14:26:06 sm+0u6gZ
「ここは……」
 太陽の光が暖かく迎え入れてくれる。
 そこはもう帰れるかどうかわからないトリステイン国、ゲルマニア沿いの国境にあるお城。
 馬車にでも乗っているかのように、自動的に目の前の景色が進んでいった。
 やさしい日差しとやわらかい風が 髪を撫でていく。
 綺麗な植物が地面を埋め尽くしていて、小鳥達が楽しく歌っている。
 病弱で、自然を愛するちい姉さまが作り上げたお庭。私も大好きな大きなお庭。
 小さい頃に何度も歩いたから決して忘れることは無い。
 召使いとよく遊んだ原っぱ、お姉さまと一緒にお茶会をした広場。
 そして噴水。中央には父親に作ってもらった小さな小船。
 怒られたて悲しいときはここに隠れていつも泣き、そのまま小船の揺れに慰められて眠りについていた。
 そのうち……ここにちい姉さまかワルドが心配してやってくる。
 この小船にいることを知っている、私以外の人物だから。
 景色が噴水にある小船に差し掛かった頃、景色は動かなくなった。
「うっ、ひっく」
 ふいに聞こえてくるさみしそうな泣き声。この声には聞き覚えがあった。
 正体は小船の陰、とても悲しそうな顔をして、体を丸めて涙を流している。
「これは、私?」
 一人で泣いている……一人?
 弱弱しく、どこまでも無力に見える幼い頃の自分の姿。
 どうして? いつからなの?
「な、んで」
 どうして私はこんなにも孤独だったの?
「魔法、でないの」
 胸が痛み始める。
「がんばってるのに」
 魔法がでない……だから私は。
 物心が付き始めた年齢、記憶も途切れ途切れできっかけが無ければ思い出さないような幼少。
 その頃は楽しい思い出しかなかった。
 私も周りにいる両親、お姉さま、メイド、皆笑ってた。
 それじゃあ物心付いてからはどうだったのか。
 徐々に、年齢を重ねるほどに皆の表情が険しくなっていくのがわかる。
 年をとっていつまでも呑気にしていられないということもあるだろう、でもそれだけじゃないのは明白だった。
 さきほど幼い自分が告白していたこと「魔法、でないの」
「ルイズ」
 ふと後方から聞きなれた声がして思考を止めた。
 声の主を確かめたくて振り向こうとする。けれども目線が動くことはない。
「何なの? 今更こんなことを見て何になるというの?」
 自分は変わった。強くなった。
 それなのに、こんなにも惑わされている。
 情けなくて仕方なくて、動けなけないから思いのたけを叫んだ。
「わ、私は……ゼロじゃない! 魔法だって、虚無の使い手なの! それに一人じゃない! 学院の皆が、才人がいるから!」
「ルイズ」
 二度目に呼ばれた自分の名前、それを合図に世界が突如として捻れ始めた。
 すべてが曲がりくねり、一点へと収縮されていく。
 そのすさまじいさまをただ見つめていた。
 世界は潰れていき……やがて夜に戻った。



537:過去現在未来
07/03/10 14:26:48 sm+0u6gZ
「ハッ、ハァ」
 ふとルイズは、上から冷たい何かが襲ってくるのを感じた。
 手のひらを上にして顔の前に出す。たくさんの水滴が落ちてきていた。
「雨……」
 そこは森のなかにある小さな野原だった。
 馬車を止めてあるところの近く、偶然見つけたこの場所は木で空が途切れていなかった。
 そういうこともあり星空を調味料にしてここで夕食を食べていた。
 記憶を思い起こしたルイズは天を仰いだものの、そこは雲に覆われていた。
「空、何もない。ゼロ……」
「どうしたの」
「体が重たい」
 衣服に水が染み込んだからなのか、気持ちが沈んでいるだけなのか。
「泣いて、いるの?」
「泣いてなんかない」
「大丈夫?」
「私は、成長したの。だから」
 ルイズは途中で言葉を失った。それは何か暖かい感触が体を包み込んだからだ。
 さらに視界の中には徐々に人が写りこんできた。その人物はルイズの良く知っている人。
 タバサはルイズを抱きしめていた。
「落ち着いて」
 ルイズの内にやすらぎが広がっていく。
 このやすらぎがなんだか幸せに感じられて、しばらく固まったままだった。
「タバ、サ」
「私の使い魔に教えてもらった。大切な人が不安がっていたり落ち込んでいたりしたらこうすればいい」
「そう」
 雨はいつの間にか止んでいた。


538:過去現在未来
07/03/10 14:27:27 sm+0u6gZ
「声が届いていなかった」
「だから私のこと抱きしめたの?」
 タバサはうなずいた。
 
 あれからしばらく経ち、ルイズは冷静さを取り戻した。
 まず、二人はびしょ濡れの服を着替えることにした。
 馬車にこっそり戻って、忍び足で衣類を物色した。
 残念なことに踊り子の服しかなくてルイズは渋っていたが、濡れた服よりはいいだろうというタバサの助言もあり、ルイズは渋々と着替えることにした。
 この姿を万が一目を覚ました男連中(特に才人)に見られたらどうなるかわからない。
 ということで馬車の外、衣服を枝にかけた木のすぐ近くに布を敷いた。
 そして寒くないように二人で肩を寄せ合って、そこに座り込んでいるのであった。

「それにしたっていきなり……肩を叩くとかしなかったの?」
 タバサはまたうなずく。
「ん~」
 ルイズは得体の知れない恥ずかしさを感じていたのだった。
「嫌、だった?」
「そんなことはないわよ。むしろ嬉しかった」
 なんでこんなことを言っているのかわからなかった。
 考えてみれば自分の為にしてくれたタバサの行為は感謝すべきことである。
 今更拒んで怒るほどのことでもない。ただ何かが引っかかっている気がしていた。
 それが気になって、ついタバサに抱きしめたことを突っ込んでしまうのだった。
 いつまでも同じ質問してても仕方ない。
 ルイズはしゃべるのをやめようとした、そのとき。
「あなたも、一人だったの?」
「えっ?」
 ルイズは突然の問いに思わず体を離してタバサを見た。
「忘れて」
「でも「忘れて」
「む~う」


539:過去現在未来
07/03/10 14:28:16 sm+0u6gZ
 いつからか二人の停滞していた時間。
 近いうちに動き出すのかもしれない。
 理解者とともに、支えてくれる使い魔とともに。

作者「ボン! キュッ! ボン! になってしまう日が!!!」


540:名無しさん@ピンキー
07/03/10 14:30:49 sm+0u6gZ
投下してる最中に気付いたんだが全然見直してなかった。
文章がおかしくてもスルーしてくれ。

続くかどうか気分次第です

541:名無しさん@ピンキー
07/03/10 14:57:13 n490qrN3
この組み合わせってめずらしいね。
おつかれ。なんか不思議な感じだった

542:名無しさん@ピンキー
07/03/10 16:06:08 dts6Cf5n
へんたいさんの後にこういう話が入るとへんたいさんが頭沸いてる人に見えてしょうがないww

543:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:50:21 S2HJ1C2E
へんたいさんは、へんたいだからね。

俺達に出来ない事を平然とやってのける! そこにシビれるゥ!あこがれるゥゥゥ!!

544:名無しさん@ピンキー
07/03/11 00:14:35 AAC/CrQo
>>543
いいところに気が付いたな。

545:名無しさん@ピンキー
07/03/11 02:43:27 AYP+ZMAb
すまないが保管庫のアドレスを教えてくれ

昔のへんたいさんの作品を見たいのだが何故か表示されない

546:名無しさん@ピンキー
07/03/11 03:11:42 PAQ7yk1n
>>1以外の保管庫があるのか?

547:名無しさん@ピンキー
07/03/11 03:11:50 0MAQw+Pp
たっぷり堪能してくれ
URLリンク(wikiwiki.jp)

548:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:22:43 IZitUS1Q
いまならいける・・・
30分タバサ

549:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:26:15 00al3V0s
30分?

550:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:27:26 1GbYvMTG
そし

551:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:29:51 jd8ECuTA
タバサ「あなたみたいな気が利かない男が二股なんて、
十年早い」

552:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:34:00 IZitUS1Q
おまえらどこにかくれてたWWW

553:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:35:17 sG+y2fGR
俺はタバサの僕

554:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:48:07 PbZ4wBes
じゃあ、俺は10分シルフィード(擬人化)

555:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:55:36 R+ot5xF6
>>548>>554
そういう遊びはキャラスレでやってろ


罰として>>548はタバサの、>>554はシルフのエロSSを書くように。

556:名無しさん@ピンキー
07/03/11 20:58:02 m9mciF5a
>>554
 だ  が  断  る  !
10分シルフィード(獣姦) 

557:名無しさん@ピンキー
07/03/11 21:01:51 g7fnGVRn
みんな、556さんの邪魔をするんじゃねえぞ

558:ぺとるーしゅか
07/03/11 21:43:47 jd8ECuTA
>>548>>554>>556
書いてくれる人増えてうれしいなぁ(o^∇^)o


せんたいさんのSSがないと暴れだしてしまう人達のために
暇つぶしのSS投下しまふ

559:サイトの教え
07/03/11 21:48:51 jd8ECuTA
最近アンリエッタは毎日サイトと会っている。
サイトに異世界の話をしてもらう為だ。寝巻きを着ているが。別に他意はない……ない……はず。今日も………

コンコン
「陛下。シュバリエ・サイト殿が参られました」

「通して下さい。」

ガチャ
「失礼します。姫様」
「サイト殿!お待ちしておりました。またお話をして下さいませんか?」

「姫様の頼みであれば、喜んで」
サイトの話はアンリエッタにとって娯楽であると同時に教科書でもあった。

「俺のいた世界ではね………」

ここ、ハルケギニアには始祖ブリミルの時代から王国は3つしか存在しない。

「民衆からなる下院があったり………」

政治の仕方を学ぶにはあまりにも前例が無すぎた。

「意見を聞くために目安箱を………」

しかしサイトが来た世界では、入れ替わり立ち代わり、数えきれない程の国が存在した。

「税金は………………………」

現在は民主主義が多いとはいえ、過去に遡れば星の数ほど王制をしいていた国が見つかる。

「科挙なんていうのもあって…………」

サイトも姫様の手助けになるならと、自分の覚えている範囲で教えていった。

「…………………こんな感じかな」

「ありがとうございます。とても勉強になりますわ!」

「こんなので良ければ……」

「あの……それでは……」
途端にアンリエッタの頬が染まってゆく

「ん?何かな?」
サイトはわかっていて聞き返す

この授業は毎日二時限で行われる。
一時限目は社会科。二時限目は……

「あの……男女の……ぃ…」
照れで末尾がしどろもどろになってしまう


560:サイトの教え
07/03/11 21:50:27 jd8ECuTA
「もっとハッキリ言わないと分からないなぁ」
わざと言わせるサイトもはっきり言って外道である。

「あの……その……ぇ……」
サイトはニコニコしながら見ている
「ん?」

(もぉ!サイトさんの意地悪!!)

「だから…その…えっちなコト……教えて?」

もうアン様サイコー!!

だが、ここで只むにゅるだけでは教えたとは言わない
「じゃあ、昨日何について教えたか、覚えてる?」

「女性の体の各部の呼び名でしたわ」
(そうそう、姫様自身の体を使って覚えたんだよね)

「全部覚えたかい?」

「はい!もちろん!!」
(いやぁ、姫様は勉強熱心で教えがいがあるよ)

「じゃあ今日の授業に移ろう。今日は視覚と感じやすさの相関性についてだ。」
サイトはアンリエッタの手をとり
ドアのそばまで連れていった
アンリエッタを扉に向かって立たせ、サイトはその後ろにつく

「あ…あの……サイト殿?」

「なんですか?姫様」

(他の者に聞かれてしまいます!!)
アンリエッタは眼で訴える、しかしサイトは満面の笑みで見つめるのみ……ある種の圧力でもあった
(サイトさん……ううぅ……)

アンリエッタの表情を承諾と受け取ったサイトは行動を開始した。
「それじゃ始めようか!」
言う間もなくアンリエッタの後ろから手が伸びてきたと思うと視界が真っ暗になってしまった。

(ふぇっ!?) 「な……なにを……?」

「授業だよ♪さぁ姫様、これからあなたは目隠しをされたまますっごくエッチなことをされるんだ」

(そ……そんな!………………え!?何!?)
アンリエッタの体が意思に反して熱くなる
視界が暗くなり不安な中、これからのコトを告げられ想像してしまったのだ。

「ひゃっ……ひぅ………はぅっ………」
見えない手がアンリエッタの体を触れるか触れないかのタッチでなぞっていく


561:サイトの教え
07/03/11 21:51:50 jd8ECuTA
さわさわ……
「ひぁぁ………ぅぅ」
(な、なんで?何時もより敏感に……!)
戸惑うアンリエッタ。手は次第にアンリエッタのたわわに実った果実をせめ始める

むにむに……
「ひゃん……はうぅ……あぁん!」
先端は既に自身の存在を目一杯主張していた
(いゃぁ……こんな……こんなに感じるなんてぇ)

「女王様のくせして、こんなエロい胸しちゃってぇ、本当はこういうコト好きなんでしょ」

「ち、違います!私は!」

「胸の谷間も汗でヌラヌラ光ってますよ。この姿、他の人にも見せてあげたいなぁ♪」
サイトの言葉が脳内に響き渡る。
暗い視界には今の姿を民衆に見られてるという想像が映像化されていた

「そんなの……あぁ……らめぇ!」
拒否しつつも自身の想像で一層体は上気していく

「ふあ………うん……ひあっ!」
見えない手がするすると這いながらアンリエッタの下の口に到達する

くちゅ……
「ひぁぁっ!!」
(何今の!?電気が走ったみたいに……!!)
目隠しによりいつもの数倍の刺激、アンリエッタが戸惑うのも無理はない

くちゅくちゅ……
もみゅもみゅ……
「ら、らめぇ……」

最早拒否の言葉にも力がない

サイトの追い討ちは続く
「アン、今度は今の状況を昨日覚えた言葉で表してみて」
「え!?」

「昨日の復習だよ。エッチなコトを言いながらいじられるのは気持ちいいよぉ♪」
(そんな……!)

イヤだと思いながらも、快感を求める体は動いてしまう

「わ、私、サイトさんに胸を……むにむに揉まれて…ふぁ……気持ちいいのぉ
……おま〇こもぐちゅぐちゅってぇ!!」
アンリエッタの体は絶頂の一歩前だった………が、

「陛下にこんな趣味があったとは……」

え!?今の声は……枢機卿?


562:サイトの教え
07/03/11 21:54:56 jd8ECuTA
アンリエッタは驚きを隠せない

「幼き頃より見ておりましたが、まさかこれほどまでに淫らに成長なされるとは……」
また、見えない手に果実がもてあそばれる……
しかし先程とは違う、ねっとりとした手つきで

「嘘……本当に……枢機卿!?」

「陛下、真実は何時も一つ、と常々申しておりましょう」
確かにマザリーニの声である
(こんな姿を見られてたなんて…)

「しかし、私の手などでも感じるとは淫らですなぁ」

「どうして……」
感じてしまう体を抑えつつどうにか聞く

「訳なんていりますかな?」

「え!?」
何時ものマザリーニの諭すような声
「男が女を抱くのに…訳なんて必要ですかな?」
言うと同時に異物が入ってくる感触

ま、まさか……!!
「やっ…やめて下さいぃ……ふぁぁぁっ!!」
異物の主は嘲笑うかのように腰の動きを開始する
「やめてと言っても、貴方のここはキュッと締め付けて、私のモノを離しませんがね?」

「そんなこと言っちゃっ!だめぇ」

「清楚なはずの女王が自室でこんなコトしてるなんて、民衆も真っ青ですなぁ!」
「ひぅっ!うぅっ!はぁん!」
(頭の中がいやらしいことで……いっぱいにぃ)
こんな状況でもアンリエッタはあえぐばかりだった


563:サイトの教え
07/03/11 21:56:45 jd8ECuTA
「こんなにくわえ込んで……私の肉棒はそんなに美味しいですかな?」
マザリーニの声がアンリエッタの脳髄を汚していく

「ひぐぅ!ふわっ!ひゃん!」
視覚を封じられたアンリエッタにマザリーニの声と自らの水音は刺激が強すぎる

「大きすぎれぇ!奥まれぇ!あたってるぅぅっ!!」
アンリエッタの頭の中が快感で満たされる

「こんな年老いた男の肉棒をくわえて喜ぶとは、へんたいですな陛下は」
アンリエッタは自分を蔑む言葉で一層発情していった

「ううぅ……いやぁ……いやぁ」

「そんなへんたいさんには中出しの刑がふさわしいですな」
腰を打ち付けられる速度が上がってきた。

(中に……出される?好きでもない人のを?)
「いやっ!!中はだめぇっ!!」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

「うっ、出しますよ……………!!」

肉棒が子種を吐き出しアンリエッタの奥を打ち付ける

「いやああぁぁぁぁ!!!!」



達すると同時に緩んでいた目隠しがハラリと落ちた



「ぁ………さぃと……さん?」
(どうして…………………?)

失神してしまったアンリエッタを腕で受け止める
「バーロォ……こんなに素敵な姫様を………他の人に見せるなんて……」

サイトはアンリエッタを抱きかかえてベッドへと連れていく

「そんな勿体無いこと、できませんよ」

その首もとには服に合わない蝶ネクタイがついていた

564:ぺとるーしゅか
07/03/11 22:00:25 jd8ECuTA
こんな感じで、終了します。
次のSSへの起爆材となれば幸いです









(ネタを知らなかった人へ、
あの蝶ネクタイは変声機となっております。あしからず)

565:名無しさん@ピンキー
07/03/11 22:10:00 gb83jC+Q
あれか……
GJじゃねーか。バーロー。

566:名無しさん@ピンキー
07/03/11 22:14:25 PbZ4wBes
バーローwwwwwwww枢機卿になんの恨みがあるんだwwwwwww

567:名無しさん@ピンキー
07/03/11 22:40:21 VhLPtUPR
>>566
>>400 
じっちゃんの名に掛けて!!
こんな恨みがあるシエスタスキーの犯行だ


568:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/03/11 23:54:19 pRs/OsHa
さておまたせ。アンシエの続きいっくよー

569:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/03/11 23:55:12 pRs/OsHa
「…起きて、ルイズ」

酔い潰れて寝ているルイズを、ゆさゆさと揺り起こす者がいた。
その者は、酔い潰れた己の使い魔を介抱するために宴から離れていて、女王とメイドの魔手から逃れていた。
しかし、揺すられたルイズは。

「う、うぅ~ん…」

眉をしかめて、唸るだけで起きようとしない。
どうやらまだ、酒が残っているようだ。
声をかけた主はルーンを唱える。
呪が完成すると、ルイズを青い光が包む。
『水』系統の呪文、『解毒』だ。
呪文の効果で、ルイズの体内のアルコールが毒物とみなされ、分解されていく。

「…っ!?何っ!?」

アルコールの抜けたルイズは、がばっ!と起き上がった。
その拍子に。

ごっちぃん!

顔を覗き込んでいたタバサにまともに頭突きをかましていた。
ルイズの目の前に火花が散り、地面に逆戻りする。
タバサは不自然な角度で仰け反り、倒れるのを堪えている。

「いった~~~~い!」

ぶつけたおでこをさすり、ルイズの意識は完全に目覚める。
そういえば私、姫様に無理やり酌されて…。
酔って寝てしまったんだ。
そしてルイズは、不自然な角度で上を向いているタバサに語りかける。

「チビっこ…アンタが助けてくれたのね…」

ルイズとてメイジの端くれである。この状況をみれば、自分が魔法で気付けされたことくらいは分かる。
タバサはルイズの声にゆっくりと体を立てる。
その赤くなった鼻から、つつー、と赤い筋が垂れた。
…あ。

「ご、ごめん!」

ルイズは慌てて懐からハンカチを取り出し、タバサの鼻血を拭く。
タバサはその手からハンカチを奪い取り、憮然とした顔で鼻を拭いて、言った。

「…一個貸し」

それが頭突きの貸しなのか、魔法による解毒の貸しなのかは分からなかったが。
ルイズはぽりぽりと頬を掻いて視線を逸らす。
そして気付く。

「サイト!サイトはどこっ!?」

見渡す周囲には、ルイズの求める姿はなかった。

570:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/11 23:55:55 pRs/OsHa
「アンタっ!サイトどこ行ったか知らないのっ!?」

頼みの綱は酒の席から逃れていたであろうタバサであった、が。
自分の両肩を乱暴に掴んだルイズの手を振り払い、タバサは首を振る。

「知らない」

タバサがここにやってきたとき、既に才人はおらず、累々と横たわるお付の者たちと村人たち、そしてルイズがいただけだった。
ルイズは悔しさに親指の爪を噛む。
やられた…!
酔った振りで、酒を盛って…!
わたあめのクセに!乳牛のクセに!
やるじゃないの…っ!
悔しがるだけのルイズに対し、タバサは冷静だった。
累々と横たわる酔っ払いどもの上から、周囲を見渡す。
そしてすぐに、目的のものを発見する。
タバサは杖を手にして、すっくと立ち上がった。

「…見つけた…!」

その瞳はその二つ名のごとく冷たく澄み、目標を捕らえる。
タバサの視線の先には。仲よさそうに寄り添って、腕を組んで森の入り口に入っていく、アンリエッタと才人がいた。
タバサの異変に気付いたルイズも、その視線を追う。

「あっ…!」

ルイズも慌てて立ち上がり、そして。

「こら犬、何やってんのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

ものすごい勢いで、タバサを置いて走り出した。

「…静かにしないと気付かれる…」

タバサの忠告も虚しく、ルイズは土煙をあげて二人の消えた森へとかっとんでいった。
そしてタバサも、その後を追う。
愛する人を、取り戻すために。

571:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/11 23:56:54 pRs/OsHa
「…うまくいったわね」
「はい、大成功です」

二人の消えた森の入り口の見える村の外れの空き家で。
横たわる才人を脇目に、女王とメイドの二人は、お互いの手を合わせて作戦の成功を祝った。
そう、森に消えた才人とアンリエッタは、スキルニルである。
そのスキルニルには、しばらく逃げ回った後、適当な木陰で元の人形に戻れと命令してある。
ルイズとタバサは森の中を散々連れ回された挙句、二人を見失う、という算段だ。
タバサが酒を飲まないであろうことを見越した、二人の作戦であった。

「さて、それじゃあ…」

アンリエッタが、酔って眠る才人を一瞥する。

「ええ」

同じようにシエスタも、才人を見つめる。
二人の瞳は、すでに獣欲に曇っていた。

「楽しみましょうか、シエスタさん…」
「ええ、女王陛下…」


572:サクラ前線異常アリ ◆mQKcT9WQPM
07/03/11 23:57:46 pRs/OsHa
目を覚ますと。
俺は全裸で椅子に縛り付けられていた。
え?コレどういう状況??
辺りを見渡す。
どうやらここはどこかの部屋の中みたいだ。
窓から差し込む光の加減から、お花見開始からけっこう時間がたってるみたいだ。
そういえば俺、姫様の注いだ酒のんで酔っ払って、寝ちゃったんだっけか。
…で、なんで裸か?
とりあえず記憶を探ってみるけど。
何も出てくるはずはずがなく…。
と、とりあえずこの縄外さないと。逃げることもできやしない。
で、俺ががたごと暴れていると。
いきなり背後から白いものが伸びてきた。
でもって、それは俺の首に絡みつくと。

むにゅ。

後頭部にやーらかいものが押し当てられる。
この。耳の後ろに当たってる突起物と、目の前の白い手から察するに。
生おっぱいぱ-------------------------------!?

「え、なにこれどういうことこれっ!?」

俺は後ろから俺を抱きしめているであろう人に疑問をぶつける。
その人は、俺のよく知った声で答えた。

「無駄な抵抗はおやめなさい♪サイトさん」
「え?シエスタ?」

その声はシエスタだった。
シエスタは楽しそうにそう言うと、おっぱいを俺のアタマに押し付けたまま、上から俺の顔を覗き込んできた。
柔らかく歪むおっぱいの向こうから、笑顔のシエスタが俺を見下ろしている。
そして心底楽しそうに説明する。

「サイトさんは今、囚われの身なんです。
 私とある人を満足させないと、解放してあげません♪」

え?なにそれどういうこと?
いやまあこのおっぱい帽子は重きもちいいんですけど。
ってかある人ってダレ!?
とか思っていると。
俺から見える扉が開いて、とんでもないものが姿を現した。


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