【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合12at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合12 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:38:54 K5fTzXs4
せんたいさんGJです!

それではこちらも負けずに投下します!

才人×シルフィードです!
獣(竜?)姦が苦手な方はスルーして下さい!

それでは、いきます!

101:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:39:48 K5fTzXs4
とある虚無の曜日。才人は部屋の掃除をしていた。
ご主人様であるルイズは買い物に出かけている。シェスタ・キュルケ・タバサらと一緒だ。
普段は何やかやと言い合っているが、一緒に出かけるようになるとは仲良くなったもんだよなぁ、と才人は感慨にふける。

と、コンコン、とドアがノックされた。才人がドアを開けると、そこには人間の姿になったシルフィードが立っていた。
「サイト! きゅいきゅい!」
そう言いながらシルフィードはひょこひょこと才人の部屋に入ってきた。
「おい、シルフィードどうしたんだ?」
才人は彼女に椅子を勧めながら訊いた。シルフィードは椅子に座るのも一苦労で、結局ベッドに腰かけながら答えた。
「お姉さまがお友達と一緒にお買い物に行っちゃって暇だったのね。だから、サイトに逢いに来たのね。」

「俺に?」
才人は自分を指差しながら聞き返す。シルフィードとは特に親しくしてる訳ではない。大体竜だし。
まぁ広場なんかで見かけた時には撫でてやったりしてやるが、そんな程度の付き合いだ。

シルフィードは嬉しそうにきゅいきゅい言いながら答える。
「そうなのね! 実は前からサイトにお願いしたいことがあったのね!」
才人は自分の分とシルフィードの分のお茶を淹れながら答える。
「ふーん、俺にねぇ。何よ? 無茶なことじゃなかったら別に構わないぜ。」
暇だし。お茶を啜りながら才人は言った。

才人にそう言われ、シルフィードは嬉しそうに答えた。
「ありがとうなのね! 大丈夫! サイトがいつもやってることなのね!」
俺がいつもやってることねぇ。才人はまたお茶をすすりながら考える。
剣の稽古だろうか? まさか掃除洗濯という訳は無いだろうけど……。

そんな才人の思考はシルフィードの一言によって吹き飛ばされた。
「あのね? シルフィとエッチして欲しいのね!」
ぶ───ッと才人は飲んでいたお茶を吹き出した。

「ちょ! お前なぁ……!」
才人は激しくむせこんでいる。そんな才人を無視してシルフィードは続ける。
「シルフィいつも窓から見てたのね! ミス・ヴァリエールもメイドもお姉さまもみんな気持ちよくって幸せそうだったのね!
 シルフィもあんな風に気持ちよくなってみたいのね! きゅいきゅい!」

102:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:40:53 K5fTzXs4
才人は目頭を押さえてうめいた。っつーか、お前、覗いていやがったのか……。
小一時間問い詰めたい気持ちを抑えて才人は立ち上がり、ベッドに腰掛けるシルフィードに近づく。
きゅい? と見上げるシルフィードの両肩に手を乗せ、才人は語り始めた。

「いいかシルフィード? ああいうことは……その、本当に好きあった者同士でないとやっちゃいけないんだよ。
 興味本位でやるものじゃあないんだ。分かるか?」

「シルフィ、サイトのこと好きよ? きゅいきゅい!」
「いや、そういう好きじゃなくってな? その……。」
「それとも……サイトはシルフィのこと、嫌い?」
きゅいぃ、とシルフィードは潤んだ瞳で才人を見上げてきた。その仕草に才人は思わずグッときてしまう。
しかもよくよく見てみれば、シルフィードはかなり大胆な服を着ていた。胸元が大きく開いている。

才人の視線に気づいたシルフィードが嬉しそうに言う。
「あ、この服? キュルケのお部屋からちょっと借りてきたのね! シルフィ服着るの嫌いだけど、
 サイトのために頑張ったのね! きゅいきゅい!」

こ、こいつ意外と健気じゃねぇか……。流されやすい才人は、だんだんとその本領を発揮し始めた。
確かにこいつは竜だけど、今は人間の格好してるしな。それに、む、むむむ胸もでっかいし。
本人が良いってんだから、このままやっちゃっても良いんじゃないかな……?

しかし、そう考えた才人の心に桃色の髪をした少女の姿がよぎった。才人ははっとする。
そうだ、俺には愛しいご主人様がいるじゃあないか。彼女を裏切ることなんて……!

そう考えた才人は、真剣な顔でシルフィードに告げる。
「いいかシルフィード。俺はお前とそういうことをする気は無いんだ。俺はお前のこと嫌いじゃないけど、
 でもそういう対象とは見られないんだ。分かってくれ。」

真剣な態度と声で才人は言った。……しかし。
「……でもサイトのアソコはすっごく元気になってるのね! きゅいきゅい!」
そうなのである。頭では一生懸命冷静になったつもりでも、大胆な格好をした美少女を前に本能までは抑え切れなかったのである。

あ───ッもう! 俺のバカ! 犬───ッ!!
才人は立派に猛ってしまってクライマックスになった息子を感じながら己を罵倒した。
そして、今まで抑えてきた理性がだんだんとろけるのを感じた。
……ゴメンなさい、ご主人様。才人は犬です。駄目な犬です。色ボケ犬です。もう欲望を抑え切れません。
でも犬の一番はご主人様です。それだけは信じてください……。


103:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:41:52 K5fTzXs4
そんなことを考えていた才人に、シルフィードがトドメを刺す。
「サイト、我慢しなくていいよ? シルフィのこと、いっぱい気持ちよくして? きゅいきゅい!」
それを聞いた瞬間、才人の理性は完全に瓦解した。
頭の中では「いーじゃん! いーじゃん! すげーじゃん!」という謎のフレーズがリフレインしている。
そして。
「シ、シルフィードーッ!!」
「きゃー!きゅいきゅい!」
才人はシルフィードを押し倒した。

「あっ……サイト……そんないきなり……。」
才人はまずシルフィードの豊かな胸にむしゃぶりついた。
シルフィードは下着を着けておらず、布地の上からでも先端の存在がはっきりと分かった。
「お前……下着を着けないなんて凄いな……。」
「……え? だ、だって下着の着け方って分からなくて……。」
きゅいい、とシルフィードは恥ずかしそうに答える。そういやこの服ってキュルケの物だっけ、汚しちゃまずいよな。
そういう所だけ妙に冷静な才人は、シルフィードの服を脱がした。
「きゅいい……。な、なんか恥ずかしい……。」
シルフィードの裸体は美しかった。
滑らかな肌。すらりと伸びた手足とほどよくくびれた腰。そして胸。桃りんごほどではないが、適度なバランスを保った上で大きく実った胸。
才人は改めて胸にむしゃぶりつく。片手で胸を揉み、片方の胸の乳首を吸い上げる。
「ひゃあんっ! 何か凄いっ! シルフィ、こんなのはじめてぇっ!!」
シルフィードは快感に身をよじらせる。その仕草に興奮した才人はシルフィードをさらに責め立てる。

首筋から二の腕、脇の下、腰へとまんべんなく愛撫を加えていく。どうせ竜に戻ればわからんだろうとキスマークもつけまくった。
「ああんっ! サイト! シルフィ気持ち良いよぉっ! もっと、もっと気持ちよくしてぇっ!!」
シルフィードは与えられ続ける快感に酔いしれていた。才人はそんな彼女の様子を伺いながら、そっと秘所に手を伸ばす。
「うおっ!? お前、凄いな……。」
シルフィードの秘所は、既に濡れ濡れであった。大洪水である。
「ふぇっ!? シ、シルフィ、お漏らししちゃったの!?」
シルフィードが自分の股間の状態に気づいて声をあげる。才人はそんな彼女がおかしくて、愛しくて、そっと口付けをした。
「……あ? サ、サイト……。」
「大丈夫、シルフィードが俺を受け入れる準備が整った証さ。」

そう言うと、才人は自らの分身をシルフィードの秘裂にあてがう。
不安な顔をみせるシルフィードに才人は小さく笑いかける。
「大丈夫、優しくするから。」
「うん……。来て……サイト。」
その言葉を聞き届けて、才人はシルフィードを貫いた。
「ぐううっ……!」
「あああっ……!」
二人は同時に声をあげる。才人はシルフィードに声をかける。
「シ、シルフィード……。大丈夫か……?」
「うん……。ちょっと苦しいけど、痛くはないのね……。」
その言葉に才人は安堵する。そういえば犬には処女膜が無いというが、ひょっとしたら竜にも無いんじゃなかろうか。
そんな事を考えながらも才人はゆっくりと動きだした。

104:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:42:38 K5fTzXs4
「あっ! あっ! サイト凄い! 凄いよぅっ!!」
才人に突かれながらシルフィードは喘ぐ。普段の天然ぶりからは想像できないほど激しく、いやらしく乱れる。
才人は才人で必死だった。
シルフィードの膣は締め付けが強力で、さらに複数の箇所で才人を締め付ける。
流石に伝説の風韻竜なだけあって、アソコも伝説級の名器であると言えた。
しかしこちらも伝説の使い魔だ。そう簡単に轟沈してしまっては伝説の名が廃る。
才人は歯を食いしばりながら、シルフィードを責め立てた。

しかし、徐々に射精感がこみ上げてくる。
このままではマズい、と判断した才人は、シルフィードのクリトリスに手を伸ばした。
「ひ、ひゃあああっ!!」
その瞬間、シルフィードの背中は弓なりに反り、膣も急激に才人を締め付けた。
どうやらそこが急所だと判断した才人は勝負に出る。クリトリスを刺激しながら激しく腰を打ちつけ始めた。
「あああ! サイト! そ、そんなに激しくしちゃらめぇぇぇっ! シルフィ壊れちゃううううっっっ!!」
シルフィードも限界が近いらしく、才人の背中に回した手に力が込められる。そして。
「ああっ! サイト! 何かくる! こわい! こわいよぅっ!!」
「大丈夫だシルフィード! 俺がいる! 安心してイッちまえ!」
「いいの!? いいの!? シルフィイクよ!? あっ……ああ───ッッッ!!」
一際大きい叫び声を上げた瞬間、シルフィードの体がびくん! と跳ね上がり、痙攣し始めた。それと同時に膣も激しく収縮する。
「っくううっ!?」
その刺激に耐えかねた才人も、シルフィードの中に己の欲望を吐き出した。大量に注ぎ込む。
「あっ……サイトの……凄く熱い……。」
才人の射精を受け、シルフィードはまた上り詰め、失神した。

「まったく……可愛い寝顔だな。」
才人はそう言いながら、シルフィードの髪をなでる。シルフィードは初めての性交と絶頂を経験したせいか、すやすやと寝入ってしまっている。
「けど、このままじゃあヤバいよな……。こんなとこ見つかっちまったらどうなるか……。」
才人はぶるり、と身を震わせると、シルフィードを起こそうとした。
しかし。

がちゃり、とドアが開いた。
硬直した才人とベッドですやすやと眠るシルフィードをルイズ・シェスタ・タバサ・キュルケが見つめる。
「あちゃー……。何かこれから揉めそうだから、私は部屋に戻るわね。」
キュルケはそう言うと、そそくさとその場を離れる。
残った三人は無表情のまま部屋に入り、ドアに鍵をかける。
三人からは、ドス黒いオーラが噴出している。
「いや……その……これは……。」
何とか言い訳をしようとする才人だが、上手く言葉が出てこない。
「うう…ん。」
その時、シルフィードが寝返りを打った。その拍子に布団がめくれ、裸体があらわになる。
その体にはキスマークが沢山つけられており……。

『……』

それを見た三人のオーラはさらにドス黒さと勢いを増した。そして三人は、思い思いの準備運動を開始する。
その光景を見た才人は、絶望しきった声で三人に尋ねる。
「えっと……。今日は三人だから、お仕置きは通常の三倍でしょうか……?」

『ううん。』

三人は全く同じ動作で首を振り、同じような笑みを浮かべてこう言った。

『九倍。』

この世のものとは思えない程の折檻が行なわれている部屋で、シルフィードは幸せそうに眠りながら寝言を呟いた。
「むにゃ……サイト大好き……。またシルフィードとエッチしてね……きゅいきゅい……。」



105:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:48:00 IBXs84c7
タニアはオリキャラだったのか。気がつかなかった…
せんたいさんの電波はどこ原産なんだろう?
語るカンジの形式好きだな。

106:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:48:26 K5fTzXs4
以上です。

52、54でせんたいさんのSSを希望した者ですが、竜姦ものは無理とのことでしたので、自分で書いてみました。

反省はしていますが、後悔はしておりません。

時間が出来たらタバサも絡めた3Pモノも書いてみたいですー。エロももっと増やして!
しかし自分は何でいつもマイナーというか異端なカップリングに走ってしまうのか……。
とにかく、自分以外のきゅいきゅいが好きな同志の存在を信じて頑張りますー。ではー。

107:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:52:44 z/+XVdD5
>>106 GJ!

そのうち有るとは思ってたけど、三次創作か……
原作の二次創作じゃないよな。

108:名無しさん@ピンキー
07/02/21 23:56:22 IBXs84c7
>>106割ってスマン。GJ!
(゚∀゚)人(゚∀゚)ナカーマ
きゅいきゅいは非エロって言った俺だけど、アリだな。
>>102の「小一時間問い詰めたい気持ちを抑えて…」の部分がキョンを想起させた。

109:名無しさん@ピンキー
07/02/22 00:04:43 z0+XKxzy
もうここのスレのサイトを見ていると犬じゃなくて馬って呼んだほうがいいような気がしてきた

110:名無しさん@ピンキー
07/02/22 00:05:08 25TyZ4M2
とりあえず前スレ埋めたぜ。

111:名無しさん@ピンキー
07/02/22 00:23:18 Mev+F1Sq
>>106
その姿勢は気に入った!これからも頑張ってくれ。3PSSは期待してる

>>110
任務、乙。

112:名無しさん@ピンキー
07/02/22 00:39:35 dwy2NGGM
>>106が電王を知っていることがわかって親近感が沸いた。

113:名無しさん@ピンキー
07/02/22 00:42:38 /66gIN9m
>>106
俺はあんたのような人を待ってたぜ!!GJ!!


114:無知で愚かな374
07/02/22 01:10:32 1n17NEQ0
皆さん
いま現在
私の家では家族みんながぐっすり寝てます。
チャンスと言えばチャンスです。
が・・・
途中までで
焦らし、寸止めのたぐいになります。
そんな私が投下シテも良いでしょうか?

115:名無しさん@ピンキー
07/02/22 01:22:29 cp338Hk/
>>114
カモン! カモン!!

116:261のひと
07/02/22 01:50:58 3vzC0qwc
最近にぎやかで幸せ。
>>114 あと1分ほど待ってレスが無かったら自分の分投下初めても良いでしょうか?
文面からすると打ってる途中だと思うのですがどうでしょう?

あ、あと名前、そろそろ止めませんか?


エロくないので恐縮なのですが、では暫し後に。

117:1/11
07/02/22 01:52:24 3vzC0qwc
 しまったな……サイトは困り果てていた。
「サイト……お話して?」
 どこか印象が幼く感じるようになったタバサに、気まぐれで地球産の童話を話したのが間違いだった。

「始めて聞く」

 それはそうだろう。
 聞いたことある方がびっくりだ。

 タバサの驚く顔が面白くて、サイトはついつい頑張った。
 うろ覚えのシンデレラは姉の数が少なかったし、
 一寸法師におじいさんは出ない。
 メーテルリンクの青い鳥に至ってはオチしか覚えていなかった。
 それでも……
「すごい……すごい、もっと……もっとお話して」
 いつも無表情だと思っていたタバサの、子供の様な笑顔にサイトは覚えている限りの話を語った。

 ……が、限界は結構直ぐに来た。
「ごめん……タバサ……ん~、これ以上は思い出せないな」
「お話……おしまい?」
 ね、捏造するか? 一瞬だけ悩むが、話を作るのに自信の無かったサイトは諦めた。
「ごめんな……」
 タバサの残念そうな顔に、悪い事をしたかのような罪悪感がわく。
 ペットのエサを買い忘れたまま帰宅したのに、
 当のペットは『待ってました~』と、玄関先で迎えてくれた時のような。

「……ご、ごめん……本当に、悪い」
 サイトは一切悪くないのだが、怒られるのならルイズで慣れているサイトも、
 しょんぼりする女の子には勝てなかった。

 岩よりも重い沈黙にサイトが逃げ出す寸前、
 今にも泣き出しそうな顔でサイトの足元を見ていたタバサが、勢い良く顔を上げる。
「……じゃ、じゃあ……ね」
「お、おう」
「も、もう一度……一度聞いたお話でいいから……」

 ここで喜んで了解したのが間違いの元だった。

「あのね、今のお話……もう一度」
「じゃあ……前の前のお話……ダメ?」

 実は既に俺より覚えてないか?
 サイトがそんな疑いを覚えても、話を止めようとする度に……

「……おしまい?」

 サイトの目には、へちゃりとつぶれた犬耳と、きゅーんとうなだれた尻尾が見える気がした。

「……あー、もうちょっとだけな?」
「うん♪」

 いつの間にかサイトの膝の上で『おはなし』を楽しむタバサ。
 サイトは目じりを下げながら、タバサを楽しませることに集中していたため……

 ――三日後、ルイズがグレた。

118:2/11
07/02/22 01:52:57 3vzC0qwc
「ろーなってんにょよー」
「ル、ルイズ、落ち着きなさいって、昼間っからお酒なんてっ」
 仮にもガリア王からの逃避行の最中。
 モンモランシーはルイズの豪胆さに驚きながらも、同級生の深酒を何とかして止めようとしていた。
「ほら、ね? タバサこの間まで大変だったんだから……ねぇ?」
「ら、らからぁ、みっかもがまんしたじゃにゃいっ」
 
 キュルケから聞いたタバサの境遇に同情したルイズは、
『す、少しくらいなら……仕方ないわね』
 
 渋々サイトを『貸し出す』事を黙認していた。

 が、
「にゃんで、あんにゃに、べたべたするかぁぁぁ」
 我慢も限界に達しているようだった。
 サイトがタバサに構っている間、ルイズはサイトの側にいることが出来ない。
 一度一緒に話を聞こうとしたが……数分で見ているのが嫌に成った。

 そうなって来ると、ルイズがサイトといる時間が激減し、
 その不満を素直に口に出来ないルイズは、着々とストレスを溜めていた。

「あー、ほら、もうちょっとの間だけ……ね?」
「わひゃってるわぉう」
 ちっとも分かっていない様子のルイズを宥めながら、モンモランシーは溜息を吐いた。
 ルイズもタバサも大切な友達。
 モンモランシーの立場で出来ることは少ない。

 ここ最近のルイズの様子は知っているし、
 タバサだって物語のように自分を助けてくれた男の子に懐くのは当然だろう。

 別人のように笑うタバサを守りたいし、
 こんなに追い詰められたルイズは見たくない。

「わたしも人の事言えないわね……」
 モンモランシーはギーシュの気分が少しだけ分かった気がした。
 それぞれの理由があって、両方守ってあげたいのだろう。

 ……まぁ、ギーシュの浮気性と同一視するのは少し乱暴だけれども。

 ルイズの火照った顔を見ながら、モンモランシーは思索に耽る。
 多分まったく気がついていないサイトに、警告くらいはしておくか。
 おせっかいを自覚しながらも、三人に笑っていて欲しいと自分の我侭さに少し笑う。

「もんもん~」
「なーに? ルイズ」
「はく」
 …………
「ちょっ、待ちなさいっ、こっち来なさいっ」

 一行の中で比較的常識人なため、
 この旅の間中、貧乏くじを引き続けている少女は、
 今日もまた、他人の世話に明け暮れる。

119:3/11
07/02/22 01:53:38 3vzC0qwc
「そーゆーわけだから、少しルイズに優しくしなさい」
 珍しく部屋の外でサイトを見つけたモンモランシーが、この時とばかりに詰め寄る。
 サイトに一言も喋らせず、一息に言いたい事を言い尽くして満足したモンモランシーに対して、
 話を聞くサイトの背中には、冷や汗が大量に流れていた。
「え……と、モンモン……あの……さ……」
「言い訳無用!! いい? タバサの相手もいいけど、ルイズを泣かさないようにね」
 二股幇助としか取れないような言葉を残して、モンモランシーが立ち去ると、
 
 ガサリと言う音共に、近くの茂みからタバサが現れた。
「……ごめんなさい」
「い、いや、タバサは悪くないって……俺が鈍いんだ」

 久々に外に出たのは、タバサとの話の途中で話題になった『鬼ごっこ』や『隠れんぼ』の為だった。
 地球に興味が無い様子のルイズと違い、サイトの話をうれしそうに聞くタバサに、
 サイトは様々なことを話し始めていた。

「……どうするかなぁ」
 サイトにとって昔の事を楽しく思い返す、思いのほか楽しい時間だったが、
 ルイズを悲しませているのなら、サイトにとっては選択の余地はなかった。

「その……タバサ……あの……」
 話を止めようとした時のタバサの様子を思い出し、サイトはぼそぼそとタバサに話しかける。
「ダメ」
 
 やっぱりダメですか。
 ルイズと、どうやって話すか悩み始めるサイトにとって、意外な言葉をタバサは続けた。
「ルイズと仲良くしなきゃ、ダメ」
「え?」
「ごめんなさい」

 責任を感じたらしいタバサが、ペコリと頭を下げると後ろもみずに走り出した。
「ちょっ……タバサ?」
「待ってて」

 色恋沙汰が苦手……そもそも上手く理解できないタバサは、頼りに成る親友に相談する。
 殺そうとしても自分よりわたしを優先した人を、
 自分を助けてくれたサイトを、
 力の及ぶ限り助けたい。

 そして、適うならば、魔法を使えない彼の杖になりたい。

 そんなタバサにとって、自分がサイトの邪魔をしてしまった事は、
 サイトやモンモランシーが思う以上にタバサを困らせていた。

「で、タバサはどうしたいの?」
 そんなの胸の内を悟っている様子の親友は、タバサの単語を連ねた様な説明で容易く状況を把握する。
 感謝しているとはいえ、心情的にはタバサの味方をしたいキュルケは、あえてタバサに意思を確認する。
 言いよどむ様ならば、丸め込んでしまうつもりだった。

「二人に笑って欲しい」
 
 サイトに惹かれている事を自覚し始めた少女の微笑みは、キュルケを黙らせるのには十分だった。

120:4/11
07/02/22 01:54:10 3vzC0qwc
「で、ヴァリエールの事をどれだけ知ってるの?」
 酒場の片隅で顔に向かって灯りを向けられたサイトが目を細める。
 ルイズのところに向かおうとするサイトを、キュルケが力づくでここまで引っ張って来たのだ。
「キュルケ、何の真似だよ?」
「いいから、きりきり喋りなさいっ!!」
 右手がテーブルに叩きつけられる音に、酒場中の客がサイトに視線を集中させる。

「あなたがやったのよね?」
「って、何を?」
 キュルケの射すくめる様な眼光に身を縮めるサイトを見て、キュルケはますます調子に乗った。
「あの子をあんなに女の子っぽくしたのは、だぁれ?」
「う……っ……いや……そのっ……」

 実はキュルケは憂さを晴らしたいだけだった。
 せっかく自分の得意分野で親友の役に立てると思ったのに。
 タバサの望みは、自分ではなくルイズとサイトの仲を取り持つこと。
「どーして、そうなるのよっ」
「な、何がだよっ?」
 キュルケの脈絡の掴みにくい行動に、サイトは非常に居心地が悪かった。
 店に入った時は、店中の男達の羨望の眼差しに得意に成っていたが……

 今向けられるのは好奇の視線だけだった。
 店の片隅で美人に詰め寄られる少年。

 ―どう見ても浮気の釈明中です。

 苦笑と冷やかしの視線が痛い。もっとも半分は
『なんでこんなのが、こんな美人捕まえて、しかも浮気? 何か間違えてないか?』
 そんな視線だったが。

 散々迷走した挙句に、少しだけ冷静さを取り戻したキュルケが、サイトに質問をぶつけ始めた。
「ヴァリエールの機嫌を取りたいのよね?」
「はい……」
「で、あの子の喜ぶこと何か知ってるの?」

 ……あれ?
 サイトは少し悩んだ後、真っ白になった。
 ルイズの為とか、ルイズが好きだから……
 そんな事を言いながら、自分はさっぱりルイズを喜ばせることを知らない。
 側に居るだけでルイズが喜んでくれる等と言い切る自信はサイトには無かった。

 ルイズに自分は何か返せているのだろうか? サイトはキュルケの問いに返事が出来ない自分を恥じた。
「ご、ごめんなしゃい」
「プレゼントの一つもしたことないわけ?」
「あ、それは有ります」
 すっかり小さくなったサイトは、ついつい敬語で答えてしまう。

「で、あの子は何を喜ぶの?」
「……分かりません」
「なってないわね」
「申し訳ございません」

 タバサの事を一から仕込みたい!
 キュルケが誘惑に耐えながら、サイトのダメなところを挙げていく。

 冷やかしていた周りの客が、あまりの落ち込みようにサイトに同情を始めた頃。
『ルイズの為に何でもさせていただきます』
 サイトはキュルケに絶対服従を誓っていた。

121:5/11
07/02/22 01:54:53 3vzC0qwc
「お願い」
 キュルケがサイトを躾ける間、タバサの方でルイズの足止めをするように。
 そう指示されたタバサは、しばらく途方に暮れた後、

「はぁーい、おねえさま、シルフィにおまかせっ」
 最悪の選択をしていた。
 何を頼まれていたのか既に忘れていそうなテンションでサイトを探し始めるシルフィードをタバサは心配そうに見つめるが、
「わたしはルイズに会えない」

 言われるまで気付かなかったとはいえ、ルイズが自分を優先してくれたのがうれしかった。
 サイトとの楽しい時間はとても大切だったから……
 それを気遣い、守ってくれたルイズにどれほど感謝すればよいのか分からない。
 そして、だからこそ……

「今……会えない」

 涙で視界が滲む。

 ルイズの優しさが痛かった。
 妬いてしまうとはいえ、サイトの側に人が居ても許せる自信が悲しかった。

「あなたになりたい」

 サイトに想われる彼女に、今会うのは辛すぎる。
 感情を押し殺した表情の下で、見えない何かが荒れ狂う。
 
 ほんの少し前まで、何が有ろうと怯まなかった少女が、
 自分の奥に芽生え始めているものに怯え、

「ごめんなさい」

 復讐に燃えていたときには決してとらなかった道を進む。
 
 胸の疼きを押さえながら、タバサはルイズから逃げていく。

122:6/11
07/02/22 01:55:30 3vzC0qwc
「じっかん~、じっかん~、時間を稼ぐのー、きゅいきゅいっ」
 シルフィードはご機嫌だった。
 タバサと合流して気がかりの無くなった彼女は、純粋に話が出来るのが楽しかった。

 風韻竜はその長寿と引き換えに出生率が低い。
 個体数が少なくとも生き延びることが出来る生命力と、生まれた子供が成竜になる割合が高いからだが、

「お話、おっはなっし、た~のし~の~」

 長い時を一人で生きるのは寂しい。
 同世代の同種すら希少な彼女にとって、タバサと知り合ってからの毎日は楽園だった。
「お姉さまも楽しそうだし、シルフィもうれしいのっ。
 人の身体は窮屈だけど、こんな毎日なら別に少しくらいは我慢するのー」

 タバサの側に長く居たシルフィードは、タバサの心が癒えていくのを無意識に悟り、
 それがまた彼女の喜びになった。
 タバサの事をタバサ本人よりも気にかけている使い魔にとって、
 この一年で始めて全てがうまく行っている……
 そんな実感に溢れていた。

「あー、ギーシュさまだ、やほー」
「元気が良いな、シルフィード」
 ギーシュはシルフィードのことを知っても、『面白いじゃないか』の一言で全てを済ませていたし、
 他の者が辟易して逃げ出すシルフィードとの会話も、我慢強く付き合った。
 実は女の子と話をするのが好きなだけだが、聞き上手と言うのは得がたい資質だ。

 同じく女の子が好きなマリコルヌは、シルフィードの話に付いていけないのを誤魔化そうと頑張って喋り……
 
 早々に話し相手失格の烙印を押されていた。
 シルフィは話を聞くより話すほうが好きなのだ。

「どうしたんだい?」
「内緒~、内緒だよ、ギーシュさま」

 ついつい喋りそうになる自分の口を、両手で可愛らしく隠すシルフィードをギーシュは深追いしなかった。
「そうか、それじゃ仕方ないね。何か出来ることはないかな?」
「ん~~~、んっ? あっ、ギーシュさま、ギーシュさまっ、しつもん、しつもん、しっつもーんっ」

 シルフィードはルイズとの会話にギーシュの知恵を借りて……

「きゅい?」

 『ルイズが動かなくなるようなお話』に、不思議そうに耳を傾ける。

123:7/11
07/02/22 01:56:03 3vzC0qwc
「うーっ、頭痛い……」
 宿の自室で水を飲みながら、ルイズは頭痛に耐えていた。

 ひとまずタバサをゲルマニアに逃がすため、最も足が付きにくく、
 最も効率が良い方法で、ガリア国内を移動していた。

 シルフィードがバテるまで、風韻竜に出せる限りのスピードで移動し、
 手近な宿で休む。
 
 この繰り返しだった。
 
 通常の移動手段を想定している包囲網に、この方法だと掛からない上に、
 騎竜を探す役人も、まさか人間に成っているとは思わない為、全員でのんびり出来る
 役人が探しているのは、数人の少年少女と竜であって、
 保護者(キュルケとシルフィード)付きの旅行者ではないからだ。

 高速移動と人化はそれなりに疲労するらしく、シルフィードがこの広めの宿で数日の休憩を要求したため、
 彼女に負担をかけていることを自覚している一団が、しばらく休むことにしたのだが。
「のんびりしすぎたわ……」

 実際、見つかってもどうと言うことは無い。
 今のこの一団を地方の官憲程度で抑えられる筈は無いのだ。
 恐ろしいのは、虚無の使い手そのものとエルフ程度だが、
 ビダーシャルが出てきても、今回は逃げの一手が打てる。

 虚無の使い手にしても、王族である公算が高いため、こんな辺境にほいほい出てくるとは思えない。

 それでも気を緩めすぎだ。
 ルイズは気を引き締めることにする。

「よしっ」

 勢い良くベットから立ち上がり……暫し頭を抱える。
 二日酔いは辛い。

「ま、負けない……」

 よろよろと立ち上がり、コクコクと水を飲む。
 アルコールで少しだけ鬱憤を吐き出したルイズは、もうしばらくだけ我慢するか、
 それとも外聞を捨ててでもサイトに甘えるか悩む。

「……いたたたた」

 二日酔いに考え事は向かない。
 
「サイトのバカ……なんでわたしばっかりこんなに苦しいのよぅ……」
 考えるのを止めて、ぽつぽつと胸のうちを吐き出す。

「わたしにも甘えさせなさいよ……」
「タバサばっかりズルイ……」
「あんた大きい胸が好きなんじゃなかったの?」
「…………寂しい……ょぅ」

 段々小さくなる声と、段々大きく成る想い。
 膝を抱えて丸くなるルイズが、サイトに会いに行く決心をする寸前、

「ルイズ~、ルイズ~元気かなっ? きゅいきゅいっ」
 二日酔いには最悪の来客が訪れた。

124:8/11
07/02/22 01:56:35 3vzC0qwc
 にゅぉぉぉぉ、頭がキンキンするぅぅぅぅ。
 のたうつルイズを余所に、シルフィードは元気にご挨拶。

「あ、おっはようっ、ルイズ、元気かなぁ?」
「だ、黙りなさいよ……って、なんでタバサがお姉さまで、わたしはルイズなのよ」
 余計なことを言ってしまったことを、ルイズは海よりも深く後悔した。

「えー、だってだって、ルイズはルイズって感じなんだもん。
 ほらっ、ル・イ・ズって感じでしょ?」
 
 弾むように大きくなる『ル・イ・ズ』が頭に響く。

「もう、ルイズで良いから、でてってー」
「え? 本当? わーい、ルイズでいいんだ、ルイズでいいんだー、きゅいきゅい」
「にゃぁぁぁ」
 何を言ってもシルフィードの口は止まらない。

 
「あ、ルイズ、ルイズ、質問があるのっ、答えて、答えてっ」
「もー、分かったわよっ、答えるから、答えたら出て行きなさいよっ」

 この言葉を、ほんの数秒後に後悔する事になる。

「ねぇ、ルイズ、『赤ちゃんてどこから来るの?』」
「え?」
「ねぇねぇ、ルイズっ、『赤ちゃんて……』」
「っっだ、黙んなさぁぁぁいっ!」

 あまりのバカな質問に、二日酔いのことを忘れてルイズはシルフィードにたたみ掛ける。

「お、女の子がそんなこと言えるはずないじゃないっ」
「そうなの?」
「そうよっ!!」

 釈然としない表情のシルフィードは、ギーシュに聞いた話と違う。
 そう悩み始めるが、シルフィードも『赤ちゃんの作り方』に興味が出てきた。

「女の子には聞いちゃダメなの?」
「そうよっ、そんな事言える筈無いじゃない!」
 
 フムフムと頷いたシルフィードは、おもむろに立ち上がると、
「ん、わかったー、サイトに聞いてくるね」

 ――――――――――――
「サイトー、赤ちゃんの作り方教えてー」
「よしっ、OKだ、シルフィード!! さぁっ、おいでっ!!」
 ……妙に爽やかなサイトがシルフィードを抱きしめる様子が、一瞬でルイズの脳内で構築される。
 ――――――――――――

「だ、だめぇぇぇぇぇ」
「きゅい?
「そ、それくらいなら、わたしが教えるわよぉぉぉ」

125:9/11
07/02/22 01:57:44 3vzC0qwc
「えっと、だから……その……ね?」
「きゅい?」

 話はまったく進んでいなかったが、ルイズの様子を見たシルフィードはじっと話が始まるのを待っていた。

「あの……やっぱり無しってのは?」
 耐え切れなくなったルイズが、シルフィードに降参してみた。

「ひっ、ひどいのっ、ひどいのっ。
 シルフィ、楽しみにしてたのにっ。
 騙されたっ。シルフィ、ルイズに騙されたっ!」
 
  暴れるシルフィードの次の台詞は、ルイズの顔を真っ青にするのに十分だった。

「ルイズが赤ちゃんの作り方教えてくれるって、シルフィの事もてあそんだぁぁぁ」

 ひたすら人聞きの悪いことを絶叫しながら、部屋の外に駆け出そうとするシルフィードをルイズは命がけで取り押さえる。
「ま、待ちなさぁぁぁあああいっ、人に聞かれたら誤解されるでしょうがぁっ
 言うからっ、説明するからっ」
「ならいいの、はやく、はやく~、きゅいきゅい」

 こいつ分かってやってないか?
 ルイズはそんな疑いを持つが、
「楽しみなの、楽しみなの、きゅいきゅい」

 シルフィードはまだ子供だった。

 世のお母さん、お父さんの苦悩をルイズはたっぷりと味わっていた。
(あぁ、ごめんなさい、ちぃねぇさま。ルイズは悪い子でした)
 幼い頃、しつこく聞いてカトレアを困らせていた事を思い出す。

「あ、そうだっ」
「きゅい?」
「そうっ、コウノトリよっ、コウノトリが運んでくるのよ」

 ありがとう、ちぃねぇさま。
 ルイズは姉に無上の感謝を……

「むー、嘘なの、ルイズはシルフィを騙そうとしているのっ」
「うっ」
「シルフィ、風韻竜ですもの、ルイズの産まれる前から空飛んでるもの。
 でもでもっ、赤ちゃん運ぶ鳥なんていないの知ってるもの」

 ……なんて厄介な。ルイズが賢いのかバカなのかわからないシルフィードをどう騙すのか考える。

「……ルイズ……嘘吐いた。
 ルイズ、シルフィの事騙そうとした」

 こ、この展開はっ、ルイズが嫌な予感に慄くと、

「ルイズが『赤ちゃんの作り方』で、シルフィを騙そうとしたっ。
 シルフィ、ルイズにおもちゃにされたぁぁぁぁ」
「ちょっ、だからそんな事喚きながら、外に向かうなぁぁぁぁっ」

 ルイズが力づくでシルフィードを取り押さえる。

「……シルフィ、『赤ちゃんの作り方』聞いただけなのに、ルイズがシルフィに馬乗りになって荒い息上げてるのっ、きゅいきゅい」
「っっっ、わ、わざとじゃないでしょうねぇぇぇぇ」

126:10/11
07/02/22 01:58:17 3vzC0qwc
「ふむふむー、なの」
「うぅ……お、お嫁に行けない」
 シルフィードの精神攻撃に負けたルイズは、知っている限りの知識をシルフィードに公開した。

「ん~、でも、本当なの? きゅいきゅい」
「……本当よ」
「でも、ルイズのっ……赤ちゃんが出てくるようには見えなかったの」
「っ! わ、忘れなさいっ、忘れる約束でしょうがぁぁぁぁ」

 乱れた着衣を整えながら、ルイズはシルフィードに掴みかかる。
 正確に話しても信じようとしないシルフィードに、オンナノコまで覗かせたルイズはシルフィードの記憶を消せるものなら消したかった。
(あぁぁぁぁ、ティファニアに呪文聞いとけば良かった)

 ここに始祖の魔道書が有れば、確実に読めるだろうに。
 ビダーシャルと戦った時の百倍ほど、自分の不手際を呪っていた。

「んとんと、ルイズ」
「なによっ」
 すっかりルイズに懐いたシルフィードが新たな質問を切り出した。

「赤ちゃんていいもの?」
「ま……まあ……ね」
「何人ほしいの?」
「へ?」
「サイトの赤ちゃん欲しいの?」
「ふえっ」
「サイトと赤ちゃん作りたいのっ?」
「い、いやぁぁぁぁぁぁ」

 シルフィードの質問は止まる事は無く……

「ルイズが教えてくれないのなら、サイトに聞くねっ。
 あ、さっき見たの、サイトに教えてあげても良い? 良い?
 サイトが知らなかったら困るしっ」
「だ、だめぇぇぇぇ、わ、わたしが説明するからぁぁぁぁ」

 シルフィードの質問から逃げることすら出来なくなったルイズは、

「……も、許して……」
「きゅいきゅい」

 ルイズは精神が崩壊するまでシルフィードの質問に付き合った。

127:11/11
07/02/22 01:59:03 3vzC0qwc
「いいわね?」
「はっ、ルイズの望みの物を聞き出し、早急にプレゼントする所存であります」
 サイトはキュルケに連れられて、ルイズの部屋の前に来ていた。

「手伝う」
「ありがと、タバサ」
 感謝の印とばかりに髪をくしゃりと撫でるサイトを、眩しそうにタバサが見つめている。
 サイトと一緒になら……ルイズの前に立って、まずお礼を言おう。
 そう決心したタバサは今ここに居た。

「いくぜ」
 小さくノックしてから、ルイズの部屋に踏み込む。
 サイトとキュルケに隠れるようにタバサが続く。

「ルイズ……寝てるのか?」
 サイトの問いかけに答えるように、ゆらりとルイズが起き上がった。

 ―シルフィードとの問答の途中に、いつの間にか意識を失ったルイズは、
 鉛のように重く感じる体を起こした。

 ……これは……夢?
 サイトが何か言ってる……
 サイト……
 サイト

 寝惚けているルイズはサイトの顔を見ているだけで、シルフィードとの問答がリピートされていた。

 ―ルイズの様子がおかしい気がしたが、サイトは予定通り行動を進めた。
 アドリブで行動を変更できるほど、サイトは器用な少年ではない。
「い、今まで、俺ルイズの事……よく知ってるつもりだったけど……
 良く考えたら、俺ルイズの欲しい物もわからないんだ……

 こ、これから頑張るからさ、
 今日も、何かプレゼントするつもりなんだ……

 手に入るようにがんばるからっ……

 ルイズっ『欲しい物』教えてくれっ!!」

 ん――と、空中を眺めていたルイズが、ふわりと笑って呟いた。

「赤ちゃん♪」
「「「は?」」」
 ルイズの衝撃のおねだりに、三人そろって間抜けな声を上げる。

「赤ちゃん♪ かわいーの♪」

「が、頑張るんだっけ?」
「え……と……ルイズ?」
 あまりの展開にキュルケとサイトが取り乱す。
「え……と……て、手伝う?」
 タバサも変だ。

「赤ちゃん♪ 赤ちゃん♪ 赤ちゃん♪」
「「「…………ぅ……」」」

 正気に返ったルイズが窓から飛び降りようとするまで、三人の硬直は解けなかったとか……


128:名無しさん@ピンキー
07/02/22 02:00:28 3vzC0qwc
全力で書くとさらに長く取りとめがなくなりそうなのでこの辺りで。
……変な意味で纏ってしまった気もしますが。

精進しますね。ではっ

129:名無しさん@ピンキー
07/02/22 02:04:03 RVZiLbW5
GJ!
こうなったら是非子作りに励む才人とルイズ、そしてお手伝いする他の面々という大乱交SSを書いて頂きたいです!!

130:名無しさん@ピンキー
07/02/22 02:07:25 25TyZ4M2
ルイズカワイソウだ…きゅいきゅいが良い味出してるな。
GJ。

131:無知で愚かな374
07/02/22 02:54:30 1n17NEQ0
GJ!です
こう立派なSSが出ると
『無知で愚かな374』の名が光り輝き出しますよ。
やっぱり金曜か土曜にキリの良いところまで書いて投下します。
シエスタを徹底的に泣かせ、苛め、嬲りますので
>>115
どうか許して下さい!!

132:名無しさん@ピンキー
07/02/22 03:12:10 9w0n1wY1
>>131
楽しみに待ってるよ!
名前もそのままでいいからいっちょぶちかましてくれ!

133:名無しさん@ピンキー
07/02/22 03:12:34 9w0n1wY1
>>128
GJ!


で、子作り編は?

134:名無しさん@ピンキー
07/02/22 10:13:57 N+ZhwOk1
昼前から死ぬほどワロタw
>>205氏GJ!
きゅいきゅい良い味出してるなぁ…w

135:名無しさん@ピンキー
07/02/22 10:17:38 N+ZhwOk1
orz
205氏じゃないよ261氏だよ…ごめんなさい
λ......吊って来ます

136:名無しさん@ピンキー
07/02/23 03:40:57 Z7cvi2m9
スレ違いを承知で言わせてくれ。
 
ツンデレDISCYABEEeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!
Ya―ha―っ!!!

137:名無しさん@ピンキー
07/02/23 08:25:43 ghCQ25k0
1日で1レスというおまいらの統率の取れっぷりに感動した

138:名無しさん@ピンキー
07/02/23 11:51:19 Rf+g8rKk
>>137 ごばく?



139:名無しさん@ピンキー
07/02/23 21:04:29 ygNJtTDj
>>135>>136の間が17時間もあるとは…SS投下がないと過疎るもんだな。
多分皆投下を待ってるんだろう。俺も含めて。

140:ゼロ厨
07/02/23 21:27:26 BXu7dkVq
本当ですね。SS投下期待!

141:名無しさん@ピンキー
07/02/23 21:37:31 VApsAPSj
ssって何?
サービスショット?

142:名無しさん@ピンキー
07/02/23 21:43:13 37uXkG9j
SS
「サイト・シエスタ」の略だよ。

143:名無しさん@ピンキー
07/02/23 21:48:23 VApsAPSj
>>142
了解しました。

144:名無しさん@ピンキー
07/02/23 21:50:16 Mk3/ZU5M
そうかSSSだとサイトシエスタシャルロットになるわけですな
SSS!SSS!SSS!

145:名無しさん@ピンキー
07/02/23 21:54:25 ygNJtTDj
SeんたいさんがSaイコーにへんたいさん

SideStoryが正答ではあるがそれを無視するのが正答。

146:名無しさん@ピンキー
07/02/23 22:22:27 5Ub5CzAt
>>145
SSってSideStoryのことだったのか
オリジナルなShortStoryだと思ってたw

147:名無しさん@ピンキー
07/02/23 22:26:08 ygNJtTDj
まぁ実際そっちも正解だと思うよ。
あとShort×Shortってのもあるな。
略語だし、解釈は何でもいいんだろうよ。

148:名無しさん@ピンキー
07/02/23 22:33:48 VeYkfIjK
初めてSSを書いてみたんですが、投下してもいいでしょうか?


149:名無しさん@ピンキー
07/02/23 22:34:41 aGPjWmRF
SEXSHIたい……っててごめんなしゃい何でもないでしゅモグラ許してくだしゃい。

150:名無しさん@ピンキー
07/02/23 22:38:11 zDyd3mmm
>>148
承認!

151:純愛センター
07/02/23 22:39:45 cLZc4Rpf
「私はアナタが許せない」
タバサが私に言った。
「アナタはあの人に何もしない。ただ彼を縛ってるだけ…」
「使い魔なんだから当然じゃない!!」
ウソ…これはただの建て前。
「私はアナタが許せない」
ヤダ…
「アナタはあの人を縛って、戦わせ、傷つける」
ヤメテ…
「あの人はいつか、アナタを守るために死ぬかもしれない」
ヤメテッテバ…
「なのにアナタは何もあの人に与えない」
ワカッテルカラ…
「私はアナタが許せない」
シッテルカラ…
「なぜアナタだけがあの人の好意を受けられるの?」
「傷つけられても…なんでアナタが好きなの?」
「アナタはあの人に何もしない。与えない。返さない」
「だから私はアナタが嫌い」
そう言ってタバサはどこかに行った。

「どうした?ルイズ??」
サイトが私に話しかける。
(どうしてアナタがあの人の好意を受けられるの?)
「ねぇサイト…」
(アナタはどう思ってるの??)
「ん?どうした?」
「……なんでもない」
アナタはなんで私を守るの?

152:純愛センター
07/02/23 22:42:15 cLZc4Rpf
お久しぶりですm(_ _)m

とりあえず受験が一段落したんで投下しましたが…
やっぱり3分クッキングはダメですな…
今度はちゃんと書いて投下しますね

では…

153:女王アンリエッタの優雅な一日
07/02/23 22:57:21 VeYkfIjK
「はぁ……」

アンリエッタは何回目かもわからない溜め息をついた。
サイトやルイズ達が衛兵を倒し脱獄してから既に二週間が経とうとしている。アニエスにもサイト達を捕縛するように命じたが、巧く逃げられたようだった。
「はふぅ……」
「陛下、そのように溜め息ばかりついていては御身に障ります。」
アニエスはアンリエッタに呼び出されてから初めて口を開いた。呼ばれたのはいいが、アンリエッタが窓の外を見ながら溜め息ばかりしているので見るに見かねてのことだった。
実はアンリエッタの命令を守れなかったことでお咎めがあるのかと内心ヒヤヒヤしていたのだが、アンリエッタの様子を見るにそうではないようだ。
ではなんで呼び出されたのだろうか?そんなことを考えていたら
「ねぇアニエス…何か気分が紛れるようなものはないかしら?信頼していた親友も勇者も私の前からいなくなってしまって、最近夜も眠れなくて。」

アニエスは気付いた。なるほどアンリエッタはルイズ達がいなくなっても普段通り女王としての職務を果たしている。が、やはり親友がいることはアンリエッタにとって心の支えでもあったのだろう。
しかもどうやら、その親友の使い魔にも何やらありそうなのをアニエスは長いこと側にいるのでわかっていた。
「そうね、本がいいわ。アニエス、面白そうな本を探してきて頂戴」
「御意」


154:女王アンリエッタの優雅な一日
07/02/23 22:58:39 VeYkfIjK
というわけで本をさがす事になったアニエスだが、すでに後悔していた。
(これは難題を引き受けてしまった。陛下のことだから教養として『イーヴァルディの勇者』などの本は既に読んでいるに違いない。さてどうしたものか……)
など考えを巡らしていると
「あら、アニエスさんじゃないですか。どうしたんですか?」
「お前は確か……サイトのメイドの」
シエスタだった
「いや、本を探しているんだがな……」
シエスタは元は学院でメイドをやっていたので、流行の本を知っているのではないかと思い、相談してみることにした。もちろん”陛下のため”とは言わなかったが

「そうですか、じゃあこの本はどうですか?今、人気なんですよ」
と、ある本を渡された
「すまん、助かった」
「いえいえ~♪あとこれ、二章がすごいんですよ。是非読んでみて下さい。」
と渡された本のタイトルは

『バタフライ伯爵夫人の優雅な一日』だった


155:女王アンリエッタの優雅な一日
07/02/23 23:01:44 VeYkfIjK
本を買ったアニエスは”内容を確認せずに”急いでアンリエッタのもとに向かった

「へぇ、これが今の流行りですか…」
「そのようで」
ふ~ん、といった感じで本の表紙をまじまじと見ていたアンリエッタだったが、ふっとアニエスに本を渡すと言った
「では、読んで下さいまし。」
アンリエッタ程の身分にもなれば、本とは自分で読むものではなく、人に読んでもらうものなのだ
「え?……あ、わかりました」

と、読み始めたのはいいのだが、如何せん、内容が途中からぼかーんなわけで。アニエスも一通りの知識はあったが女王の前で読むとなると話はべつだ。
「陛下、本を変えてきます」
するとアンリエッタは今までの話で顔を真っ赤にしながら
「いえ、続けて下さい。国の様子を知るのは女王の勤めですから。わたくし女王ですから!胸も女王ですから!胸も女王ですから!」
とかもう無茶苦茶である。
「いや、しかし」
「アニエスも私のもとから去っていってしまうのですか?」
アンリエッタが顔を赤くして涙目で、しかも上目づかいに見ているのである
(泣き落としなんて何処でならったんですか!!)
と泣きそうなアニエスだったが、その後も読み続け、
「そ、そんなとこを殿方が…いやんいやん」
「そんな……むにゅっちゃうなんて…」と、とにかくぼかーんな内容にテンションが雲の上なアンリエッタと、アニエスの
「もう、今日は終わりに……」
「二章は勘弁して下さ~い!!」という悲鳴とが止むことはなかった。



次の日アニエスが銃士隊を休んだ理由は誰も知らない。

156:女王アンリエッタの優雅な一日
07/02/23 23:04:00 VeYkfIjK
これで終わりです。何かネタになってしまった…orz
この後にアンリエッタ×サイトのSSを考えてたんですが需要があれば、ということで
(´∀`)ノシ

157:名無しさん@ピンキー
07/02/23 23:16:58 ahLy4uxL
>>156
GJ! ていうかシエスタなにやってんだww
エロ本を人に貸すのは中学生男子だけの特権ですよ。

需要? ありまくりですよ。超ありまくり。
期待しつつ待ってます。

158:名無しさん@ピンキー
07/02/23 23:29:20 5Ub5CzAt
>>156
かなりGJ!初めてなのにクオリティ高いなw
ってかアニエスはシエスタから本を「買った」のか?

>>152
長い間待っていた…君が来るのを…
あ、それと保管庫にまだ途中の作品ありましたよ

159:名無しさん@ピンキー
07/02/23 23:37:31 5IuZQ1/L
>>156
GJです!アンリエッタ×サイトも需要ありまくりw

160:名無しさん@ピンキー
07/02/23 23:56:55 ygNJtTDj
たわわな乳が好きな俺。
>>156GJ。需要アリ、です。

161:名無しさん@ピンキー
07/02/24 00:19:11 AqNYDPiR
>>156
GJ!ハイテンションなアン様にチンコが反応しまくりだぜ!

162:名無しさん@ピンキー
07/02/24 02:18:36 uZy1FH4t
>>152
おお、復帰待ってました。
あなたの作風が大好きなのでがんばってください。

やっぱり最近はルイズのサイト依存症にスポットが当たってるな。
シャナ、絢子みたいな主人公への依存度が馬鹿高いキャラがすごい好きだ。

163:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:52:07 +abDjoo7
あーのピーカラ☆ホイっが~キラメキはじ~める~♪う~っ!(エンドレス

というわけで新たな電波を得て元気全開なせんたいさんですこんばんわ。

さて君ら忘れてないか?
『聖女の日』はあと一人残りがあるんじゃぜ?

そんなわけでテファ編いっくよー

164:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:53:48 +abDjoo7
「おはよー、お姉ちゃん」
「あ、おはようタニア」

朝もやに煙る水場で、二人はいつものように挨拶を交わす。
ウエストウッドの村では、この二人が一番の早起きだ。
家事を一手に担うティファニアと、それを手伝うタニア。
ずいぶん前から、水場で朝一番に顔を洗うのは、この二人になっていた。
しかし。

「今日は遅刻しなかったねー?」

タニアの言葉に、ティファニアの身体がぎしっ!と音をたてて動きを止める。
顔も耳まで真っ赤になる。
そう、最近ティファニアは朝一番に水場にこないことがある。

「やややややーねタニア、この前のはたまたまよたまたま」

ぎこちない動きで水場に置いてあるコップに水を注ぎ、赤い顔でそう言うティファニア。
しかしタニアは容赦しない。

「五回続いたらたまたまって言わないんじゃなーい?」

ばしゃっ!
勢い余って、ティファニアは手にしたコップに溜まった水を自分の顔にぶちまけてしまう。

「あ、ああああああれは疲れてたからっ」
「お兄ちゃんとこで寝るようになってからだよねー?遅刻するようになったの」

ぼんっ!
タニアの指摘に、ティファニアの顔面が火を噴く。

「いやあのでもそれはえっとあのそのっ」

まるで伝承の巨人・ヘカトンケイルのように腕をあっちこっちに伸ばして、慌てて言い訳の言葉を捜すティファニアだったが、うまい言葉が見つからない。
そんな自称保護者にタニアはにやりと笑って言った。

「なんならもうちょっとゆっくりしててもいいよ?
 朝の準備はしとくからさ」
「いいっ!ちゃんと起きられるからっ!」

どちらが保護者かわからないやり取りである。
しかしティファニアの台詞はこの先、あまり守られることなく終わる。
そう遠くない未来、ウエストウッドの朝餉の準備は、結局タニアの仕事になるのである。

165:205
07/02/24 02:54:19 DUoBUGtB

お帰りなさい&これからよろしくお願いしますと声をかけつつ……

ちょっと個人的に相談したいことがございますので、
時間のある方は↓をご覧になって頂けるとありがたいです。

URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

166:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:55:27 +abDjoo7
たくさんの人数分の料理を作るのは、大変な仕事…というわけでもない。
汁物は前日に仕込んでおけばいいだけだし、サラダの類も野菜を切ればいいだけなので問題はない。
あとは、適当に切り分けたパンを各自の皿に盛り分けるだけだ。
とどのつまり、朝餉の準備はパンを切り分けることとスープを温めること、そしてサラダを盛り付けることである。
タニアはサラダを担当し、スープとパンはティファニアが担当する。

「ねえお姉ちゃん、今日はどうするの?」

サラダの野菜を細かく切り分けながら、唐突にタニアが聞いてきた。
今日?なんかあったっけ?

「今日?なんのこと?」

ティファニアは記憶を探ってみる。
誰かの誕生日?それとも何かの記念日だっけ?
どうやら思い当たっていないらしい保護者に、タニアは深いため息をつく。

「今日は『聖女の日』だよ?
 お兄ちゃんに贈り物しなくていいわけ?」

タニアの言葉に。

「あーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」

ティファニアは思わず叫んでしまった。
忘れてた。完全に。
当然贈り物など用意してあるはずもなく、ティファニアは慌てる。
でも。

「で、でもあれって告白してない女の子のイベントだしっ」

とりあえず言い訳してみる。
だがタニアには通じない。

「…お兄ちゃん可哀そう」
「あ」
「楽しみにしてただろうなー。『聖女の日』にお姉ちゃんから贈り物されるの~」
「う」
「最近は、恋人同士になってからのほうが『聖女の日』は大事だっていうのに~」
「あうあうあうあうあうあうあうあう」
「お姉ちゃん嫌われちゃうかもよ~?」
「ど、どうしようタニアっ!?どうしよ~~~~~??」

泣きそうな顔で、自称保護者はタニアにすがりつく。
言動だけなら、どっちが保護者か分からない。
ホントに、どーしょーもない保護者だこと…。
半分呆れて、タニアは言った。

「どうするもこうするも、今から準備して間に合う贈り物を用意するしかないんじゃない?」

タニアの指摘は的確であった。
もとよりそうするしか他に道はない。

167:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:56:03 +abDjoo7
「そ、そうよね…。
 うん、頑張ってみる」

とりあえず思い直し、ティファニアは贈り物を思案する。
しかし。

「考えるのはいいけどさ。
 スープ焦げるよお姉ちゃん」

冷静なタニアの突っ込みに、ティファニアは慌ててスープをかけていた火を消したのだった。
その日の朝食のスープは、ほんの少し焦げ臭かった。

結局半日考えて。
どーしよー!
思いつかないよー!
すぐに用意できるもので、サイトが喜びそうなもので、しかも贈り主書かなくても私だってわかるものなんて!
用意できるわけないじゃないのっ!
私はお昼の用意をしがてら、台所でぐるぐる回る。
すぐ準備できるものの候補って言ったら。
お料理…くらいしかない。
でもでも、料理が贈り物だって気づいてくれるかなサイトは?
…あれで結構鈍感だし…。
そうこうしていると。

「おねえちゃーん、おなかすいたあー」

エマが、台所の入り口からそう声をかけてきた。
外を見ると、日はすでに傾き始めている。
あ、まずい、お昼出さなきゃ!

「はいはい待っててね、すぐ準備するから」

私は慌ててお昼のシチューをお皿に取り分ける。
うー、こんな事してる場合じゃないのにっ!
結局お昼の後片付けが済むまで、サイトへの贈り物を考える暇は、私にはなかった。

なるほど、こっちのバレンタインみたいなものなのか。
俺は、タニアが口にした『聖女の日』の解説を、タニア自身から受けていた。

「ほーんと、なんにも知らないんだねお兄ちゃんてば」

呆れたようにタニアがそう言う。
…そりゃそうだ。俺元々こっちの世界の人間じゃないんだし。
そんなタニアに俺はいつもの言い訳をする。

「俺の故郷じゃそんなイベントなかったしなあ」

とりあえず万能の言い訳だ。
でも、今日のタニアは何か不満そうだ。

「…知らなかったらスルーするとこだったね?」

顔は笑ってるが目が笑ってない。
…まあ、知らなかったら贈り物が目の前にあっても、その贈り主を当てようなんて思いもしないわな。
まあいいや、とりあえず。

「そうだな。教えてくれてありがとな、タニア」

俺はタニアのブルネットの髪をくしゃくしゃと撫でると、薪割りの仕事に戻ることにした。
タニアはまだ何か言いたそうだったが、俺が鉈を手にして薪割りを始めると、ふてた様な顔をしてどこかに行ってしまった。

168:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:57:34 +abDjoo7
その夜。
才人が仕事を済ませ、部屋に戻ると。
寝室の円卓の上に、小さな紙が置いてあった。
この数ヶ月の間、才人はティファニアに、読み書きを教えてもらっていた。
ロサイスに買い物に行く際、読み書きができなくては何かと不便だからだ。

「ん?どれどれ」

そこにはこう書いてあった。

『贈り物があるから、寝ないで待ってて』

差出人の名前はないが…。

「思いっきりテファの字じゃん…」

このウエストウッドでまともに読み書きができるのは、ティファニアとタニアくらいだ。
そして、この丁寧な字は、間違いなくティファニアのもの。
字を習いたての才人でも、それくらいはわかる。
夕食の後にでも、贈り物を渡すつもりなのか。
しかしそれでは。

「…聖女の日の贈り物って、贈り主が直接渡したらたらダメなんじゃ…?」

昼間タニアに聞いた聖女の日のルールを思い出す。
…ひょっとして。
才人の頭脳は一つの可能性を導き出す。

「この手紙が、贈り物の代わり、ってイミかなぁ?」

呟きながら才人が手紙を手にしていると。
ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。
この時間にこの部屋のドアをノックする人物は一人しかいない。
ティファニアだ。
才人はいつものようにドアを開けて、ティファニアを部屋に招き入れる。

「あ、あの、サイト」

ティファニアは料理をテーブルの上に置くと、急にもじもじし始める。
あ、そうか。
才人は聖女の日のルールを思い出す。
贈り主を当てないと、いけないんだっけ。

「この手紙、テファが?」

才人のその言葉に、それまで俯いていたティファニアは顔を上げ、笑顔になる。

「う、うん」

そして頷いた。
しかしその直後、少し申し訳なさそうな顔をして。

「でも、ごめんね。時間なくて、大した贈り物、用意できてないの」

謝った。


169:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:59:12 +abDjoo7
しかし才人は、そんなティファニアの様子を気にすることもなく。

「いいよ、テファが贈り物してくれるってだけで嬉しいし」

にっこりとティファニアに笑いかける。
優しいね、サイト…。
ティファニアはそんな才人の態度に、ティファニアは想い人への愛しさを募らせる。
そして二人は、いつものように夕食を採り…。

「ごちそうさま」
「お粗末様でした」

夕食が終わり、ティファニアは夕食以外に持ってきていた、陶器の小瓶を持ち出す。
ティファニアはその小瓶を持ったまま、ベッドの方へ歩いていき、そして腰掛ける。
ランプの明かりに照らされたその頬は、少し赤くなっていた。

「サイト、贈り物渡すから…こっちきて」

才人は言われるまま、ティファニアの前に立つ。
ティファニアは陶器の小瓶を両手で持ったまま、赤い頬で才人を見つめている。
…なんだろう?あの小瓶がプレゼントなんだろうか?
疑問に思う才人を尻目に、ティファニアはその小瓶の蓋を開ける。
その口から香る、甘い香り。

「これ…チョコレート?」

才人は驚いたように言う。
カカオの実を焙煎して作るチョコレートは、ハルケギニアでは高級食材だ。
日本ではポピュラーなおやつだが、栽培技術も流通経路も発達していないこの世界では、高級な食材だった。
才人はそれを、ロサイスへの何度かの買出しによって、知りえたのだ。

「これね…私が自分で作ったの…。
 ほんとは、自分でこっそり食べるつもりだったんだよ」

言って、いたずらっぽく舌をぺろりと出す。

「そんな、悪いよ…テファも楽しみにしてたんだろ?」

しかし才人の心配をよそに。
ティファニアはとんでもない行動に出た。
いきなり夜着の前をはだけ、規格外に大きな胸を晒すと。
小瓶に溜まった茶色い液体を、その白い柔肉の双球に、まんべんなくふりかけたのだ。
息を呑む才人に、ティファニアは言った。

「これ、全部、サイトが…。
 サイトが、食べて、いいから…」

170:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/02/24 02:59:51 +abDjoo7
ごみん「つづく」なんだわ。
恨むなら夜勤が(ry

じゃあねゆーノシ

171:205
07/02/24 03:00:34 DUoBUGtB
うわ、リロードし忘れorz
せんたいさん、割り込み失礼いたしました。

172:名無しさん@ピンキー
07/02/24 03:40:07 MGktZRk1
も…悶える
続きみて~
とにかくGJ

173:名無しさん@ピンキー
07/02/24 04:12:46 xb5feJcv
>170
おまいは
おれを
萌えコロス気か!

続き読むまで死ねないッ

174:ゼロ厨
07/02/24 04:45:43 fUL5OdtS
せんたいサンもったいぶらないでくだせぇ、萌え死ぬー

175:名無しさん@ピンキー
07/02/24 11:13:30 7bZHQVT7
さて、明日は前期入試なわけだが…。

続きが気になって集中できません。謝罪と賠(ry

176:名無しさん@ピンキー
07/02/24 11:58:05 f8wyjMuw
せんたいさん、相変わらずGJです。

>>175
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
と、昨日SSを投下した奴が言ってみる……。

>>158
シエスタ「55スゥもしたんですよ。」

すいません。ミスですね。『貰った』もしくは『薦めてもらった本を本屋で買った』辺りでしょうか。


需要があるようなので頑張って書いてみます。期待せずに待ってて。

177:名無しさん@ピンキー
07/02/24 14:28:03 2YeCnctp
>>175
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ。しかし1ヶ月数学やってないorz

せんたいさんGJGJ!女体に食べ物を塗りたくるシチュはたまらんわ。

178:名無しさん@ピンキー
07/02/24 16:52:24 i3JKcQbs
>>175
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ
俺も数学ずっとやってないわ

それなのに悶々として勉強どころじゃない
せんたいさんGJ!!

179:名無しさん@ピンキー
07/02/24 18:15:05 E80pbGX4
いやいやいや受験生は勉強しろよw
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡

180:名無しさん@ピンキー
07/02/24 19:53:39 7bZHQVT7
受験生多すぎw自分だけかと思ったらこんなに…。
よ~し、続きが来るまで寝ないぞ。

あと俺、受験が終わったらここから卒業しようと思ってるんだ。

181:名無しさん@ピンキー
07/02/24 20:00:03 /thR4I2b
>>180~!
それ受験失敗フラグ!!

182:名無しさん@ピンキー
07/02/24 20:09:32 LOqUg6cz
ふっ無理すんなよ…
お前には残してきた物があるだろ?
そういう役はオレに任せて行けよ!

もし受かったら…一緒に酒でも飲もうぜ

183:名無しさん@ピンキー
07/02/24 22:22:14 2YeCnctp
俺を含め、国立前期受けるのがここに4人いるのか。
頑張ろうぜ同志よ。

184:名無しさん@ピンキー
07/02/24 22:51:38 CdxBg02K
>>183
さらに俺を含めて5人だw

185:名無しさん@ピンキー
07/02/24 23:08:39 /thR4I2b
つくづくせんたいさんは受験生の敵だな(´・ω・`)

186:名無しさん@ピンキー
07/02/24 23:11:46 2YeCnctp
我が種子と共に知識が抜けていく気がするのは否めないわな…orz

187:名無しさん@ピンキー
07/02/25 00:58:34 lFKMNTbe
おかあさんそんなお下劣なこと言う子はキライです!

ドピュッ

188:284 ◆yJjGBLHXE6
07/02/25 01:56:26 Nb3TIG0V
深夜にこっそり、受験生へのプレゼンツ。
皆さん合格しますように。


189:試験目前 ◆yJjGBLHXE6
07/02/25 01:57:54 Nb3TIG0V
「お~い、ルイズ? 寝ないのか?」
「別に、いいわよ? 先に寝てて」
 ルイズは真っ暗な部屋の中、ぽつんとランプが照らしている机で必死に本をめくっていた。
「・・・つか、さっきから何やってんの?」
 才人が布団をめくり上げて、ルイズの後ろに歩み寄る。
 ルイズはペンと溜息を一緒に机に置くと、才人の方に椅子ごと振り向いた。
「明日試験があるの、結構重要な試験なんだから邪魔しないで」
「ああ、そういえばモンモンやギーシュたちが教科書めくってうんうん言ってたな」
「ああって・・・そういえば、アンタいっつも授業中寝てるわね・・・」
「まあ、聞いてても何言ってるか分かんねぇし」
 才人があはは、と頭を掻くと、そのまま机の上を覗き込んだ。
「で? これはなんの教科書なの?」
「魔法の属性の合成による現象への干渉と効果についてなんだけど・・・結構難しいのよ」
 才人は前半分を受け流しつつ、もっともらしくうんうんと頷いた。
「数学ⅢCとか物理化学みたいなもんかな、レベルとしては・・・」
「・・・? 何か言った?」
「いやいや、こっちの話。まぁ無理しないように頑張ってな」
 そういうと、才人はさっさと布団へと戻っていく。

 ・・・ちょっとお!ご主人様が寝ないで頑張ってるってのに、さっさと寝ちゃうわけえ!!つ、つつつ、つ、使い魔の癖にっ!

・・・・・・先に寝てていいって言ったのはあなたです。


190:試験目前 ◆yJjGBLHXE6
07/02/25 01:58:57 Nb3TIG0V
 ルイズは向こうを向いて布団にもぐった使い魔を見ながら肩を震わせていたが一息つくと再び机に向き直った。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・
 ―――――
「・・・ん・・・あれ、あたしもしかして寝ちゃって・・・」
 慌てて顔を起こすが、まだ暗い窓に、ひとまず安堵の溜息を得る。
 と、ぱさっとルイズの肩から何かが落ちた。
「え?・・・これ、才人のパーカー・・・」
 振り向くと、さっき今でそれを着ていたはずの才人は、Tシャツ一枚で布団の上で寝息を立てていた。
「なによお・・・起きてたんなら言いなさいよっ」
ルイズはふと机に視線を落としてある程度まとまっているノートを見て、暫し考え込む。
「・・・ま、何とかなるわよね・・・」
 ポツリと独り言を落としてルイズは服を脱ぎ捨て、才人の寝ている布団へと歩を進めた。
 もぞもぞと才人の横に潜り込むと、寝ていたはずの才人がすっと目をあけた。
「おやご主人様、勉強はもう宜しいので?」
 才人がわざとらしく微笑むと、ルイズは不機嫌そうに視線をそらす。
「うるさいわね。もうこんなだし、寝不足でテストで出来なかったら嫌だし・・・」
 ぶつぶつとつぶやくルイズを見て才人は再び笑みを濃くすると、枕にされている腕を畳んで、
ルイズを引き寄せた。
「きゃっ・・・な、なな、なにすんのよっ」
 突然抱きしめられるという行為に反射的に声を上げるが、こちらを見て笑っているサイトと目が合うと、
口を閉じて才人の背中に腕を回して抱き枕のように抱きしめ返す。
「・・・あのね・・・パーカー・・・ありがと・・・」
 才人の胸の辺りから聞こえてくる声に才人は聞き返す。
「パーカー?何のこと?」
「な、何よっ白切るつもりっ」
ルイズが顔を上げると才人の顔には意地悪そうな笑みが張り付いていた。
 ルイズはそんな才人を見てうーっと唸り、頬を膨らませる。が、すぐに顔を真っ赤にして視線をそらした。


191:試験目前 ◆yJjGBLHXE6
07/02/25 02:00:11 Nb3TIG0V
「ま、まぁ使い魔がご主人様に奉仕するのは当然よねっ」
「へいへい」
「でも・・・寝ていいって言ったのに起きていた忠誠心に対してはご褒美が必要よね」
 言うと、ルイズは才人が何か言おうとするために軽くあけた口に自分のそれを重ねた。
 音一つ無い空間を静かな時間がすぎていく。
 自然とにどちらからとも無く互いを求め合い、舌で互いを探っていく。
 息の続かなくなったルイズが唇を離すと二人の間に透明な橋がかかる。
「・・・っは・・・いい?これ、ご褒美なんだからね?」
「へいへい」
才人は苦い笑みを貼り付けてルイズを見て、また互いを重ねあった。
「んっ・・・はっ・・・あっ」
隙間から二人の吐息がこぼれる。
才人がゆっくりとルイズの裾から手を入れるとルイズは一瞬震えたが、
受け入れるように才人の首に手を回す。

「いっぱいは・・・ダメなんだからね・・・」



――――長い夜はまだ明けない――――

・・・ちなみに次の日
「ちょっと、ミス・ヴァリエール? 使い魔との仲がいいのは構わないけど、試験前日は無いんじゃない?」
「な、なな、ななななな、何のことかしら?ツェルプストー?」
「・・・ま、いいわ。お楽しみでテストできませんでした、なんてない様にね」
「~~~~~っっ!!」
 テスト終了後、ルイズの部屋からは地獄の叫びが聞こえたとか聞こえないとか。
                              <おしまい>


192:284 ◆yJjGBLHXE6
07/02/25 02:01:45 Nb3TIG0V
と、言うわけで皆さん受験ガンガッテ!!

テストなんてここ数年見たこともありませんがww
では、ぐっばい

193:名無しさん@ピンキー
07/02/25 02:10:44 dWejo3Kf
284さんGJです。
受験生の皆さんがんばってください。

194:名無しさん@ピンキー
07/02/25 07:32:05 7ML8JrSG
284さんGJ…というかありがとう!

ちょっと前期テストボコボコにしてくる。

195:名無しさん@ピンキー
07/02/25 12:26:09 altnd3mi
284さんGJ!!
そしてありがとうございます
さっき試験前に読んで
テスト中妄想が止まらなくて焦ったww

196:無知で愚かな374
07/02/25 14:59:34 h+hIeIFp
>>284 さんGJです
ところで皆さん
受験生に捧げる様なネタじゃない上に完結していない
シエスタの駄作SSなんですけれど
そんな私がSS投下などをしてよろしいのでしょうか?
それとも来週までに完成させてから投下すべきでしょうか?
皆さんの意見を聞かせてください。
よろしくお願いします。

197:名無しさん@ピンキー
07/02/25 15:00:46 JJzS1PPy
>196
とっとと投下しやがれです
遠慮はいらん
ただ、必ず完結させやがりなさいです

198:無知で愚かな374
07/02/25 15:02:53 h+hIeIFp
は・・・はやい・・・
じゃあ、その・・・
投下します。
ちょっと待ってて下さい。


はやいなぁ

199:無知で愚かな374
07/02/25 15:05:11 h+hIeIFp

 ルイズとサイトの衝撃的な光景を見てしまった次の日の朝。
その日は休日だった事もあってか、シエスタは随分と遅くに目覚めた。
 シエスタは小さな欠伸混じりの伸びをしながらも、昨日の夜のことを思い出す。
 結局あの後シエスタはどうやってここまで戻って来たのかをほとんど覚えていない。
もはや夢か現実かもはっきりしない。そんなことを考えていると
「よう、随分遅いな~。メイドの嬢ちゃん」
サイトから預かったデルフリンガーがシエスタの思考を中断させた。
「あ・・・おはようございます。デルフさん」
とりあえず、デルフリンガーをサイトに返しに行こうと思いシエスタは身仕度を整えた。

 デルフリンガーを携えて、シエスタはルイズの部屋の前に立っていた。
昨夜の情事を覗いてしまったシエスタの手がノックをためらう。
「どうしたよ、嬢ちゃん」
「い・・・いえ、何でもないです・・・」
 意を決して、扉をノックする。しかし、部屋から返事がなかった
「サイトさん、入りますよ・・・」
扉を開けてみると、部屋には誰もいなかった。シエスタはちょっとだけ安心した。
「サイトさん達・・・・・・いませんね」
「とりあえず部屋に置いといてくれよ。どうせすぐ戻ってくるだろうし」
デルフリンガーがそう言うのでシエスタはデルフリンガーを置いて部屋を出ようとした。
そのとき
「あれ、シエスタ」
「さささ、サイトさん!!」
 丁度帰ってきたらしいサイトがシエスタの後ろに立っていた。
「お~相棒。ただいまー」
「おかえり。ゴメンね、シエスタこんな事頼んで」
「い、いえ。大したことじゃありませんから」
 気まずくなって目をそらしたシエスタは、ルイズが居ないことに気づいた。
「あの、ミス・ヴァリエールは?」
「さっき王宮から馬車で迎えが来てさ。王都に出かけてる。それよりさ、シエスタ」
 サイトがポケットにそっと手を突っ込んだ。
「これ、シエスタのだよね」
「っ・・・・・・!!」
サイトがポケットからシエスタのハンカチを取り出して、それを広げた。


200:無知で愚かな374
07/02/25 15:05:53 h+hIeIFp
 夕食後の夜。
 サイトは水精霊騎士隊の連中とゼロ戦を格納した小屋にいた。
いつもならば馬鹿話をしている場所だったが、今日は珍しく騎士隊の話をしている。
 水精霊騎士隊の隊長のギーシュが本日の真面目な議題を発表した。
「諸君、我々水精霊騎士隊と銃士隊で来週から3日間、合同演習をすることになった。」
 そして、少し勿体ぶりながらこほんと咳をしてもう一言。
「なんと、女王陛下も視察に参られるとのことだ!」
「「おおーー!」」
 その一言で一気に場が沸いた。
「陛下に良いとこ見せるチャンスだ!」とか「銃士隊相手なら楽勝だよ!」とか「所詮
相手は平民だ!」等々・・・
騎士隊の全員がシュバリエ・アニエス率いる銃士隊をナメきっていた。
 サディスト・アニエスの性格を知っているサイトは、隊員達の態度に呆れて口を開いた。
「おまえら、アニエスさんを知らんからそんなことが言えんだよ。あの人結構手強いぞ」
その言葉で、沸き上がってた雰囲気が一気にしらけた。
 ギーシュが立ち上がり、不機嫌そうな顔をサイトに向けた。
「なんだね君は!せっかく盛り上がってるというのに!」
他の隊員もギーシュに続いた。
「そうだそうだ」
「こっちはメイジ、むこうは鉄砲と剣、こっちの方が有利だ」
「アニエス殿以外はみんな平民で、しかも女だ。負けやしないだろ」
――だめだ、こいつらまるで分かってない。
サイトがそんなことを考えてたときに、隊員の誰かがそこそこ非道い提案をした。
「じゃあ、明日からの訓練は剣士であるサイトとの組み手を中心に全員で模擬戦だ!」
「なにぃーーーー!」
 抗議の声を上げようとしたサイトだが・・・・・・
「それはいいアイディアだ。素晴らしい」
「よし決定だ。明日から頑張れよ?サイト」
「頼むぞ!シュバリエ・サイト。我らが副隊長殿」
 まるで聞いて貰えなかった。
「ここ2,3日付き合い悪かったし、埋め合わせだと思って諦めろよ。サイト」
 レイナールがサイトの肩に手をのせて慰めるように言った。

「やれやれ、やっと終わったか」
 水精霊騎士隊の会議が終わり、格納小屋にサイト一人が残された。
「さてと・・・」
 サイトはゼロ戦の操縦席に向かった。風防を開けて中を覗き、笑みを浮かべる。
「お待たせシエスタ」
 そこにいたのはロープと目隠しと猿轡で自由を奪われたシエスタだった。


201:無知で愚かな374
07/02/25 15:06:47 h+hIeIFp
 夕食前にゼロ戦の格納小屋へ来るように言われてやってきたシエスタは、サイトに下着姿にされて、自由を奪われ、2日前から用意していた媚薬を飲まされて、ゼロ戦の中でロープで縛られていた。
「待たせてゴメンね、シエスタ」
 そう言いながらシエスタの肌に触れる。
「ッーーーーー」
媚薬が十分まわり、長時間焦らされ興奮した身体は敏感に震えた。
「ふっ・・・ふっ・・・ふっ・・・ふぅ」
 猿轡の隙間からシエスタのくぐもった吐息が漏れる。
それを眺めながらサイトはシエスタから目隠しと猿轡を剥ぎとった。
サイトの姿を見つけたシエスタは、安堵に瞳を潤わせた。
「・・・サイト・・・さん・・・」
何も言わずにサイトは縛られて下着姿のままのシエスタを抱き上げ、ゼロ戦から降ろした。
 シエスタはもうサイトが許してくれたのだと思っていた。
しかし、サイトは未だにシエスタの自由を奪っているロープを解いてやっていなかった。
 サイトは天井に付けられているフックにロープを引っかけて何かの準備をしている。
「サイトさん?」
シエスタは怖くなってサイトに呼びかけた。
「それじゃあ始めよっか」
その一言はシエスタの胸中を僅かに恐怖が支配した。
「・・・え・・・あの・・・何を・・・始めるんですか?」
シエスタの震える声に意地悪そうな笑みを浮かべてサイトは応えた。
「勿論、お仕置きの続きだよ。夜は長いんだし、たっぷり可愛がってあげるよ」
その言葉でシエスタの胸中は完全に恐怖に支配された。

 シエスタは天井から垂れ下がったロープに手足を縛られて吊されていた。
両手首は後ろ手に身体ごと縛られて、大きい乳房がいびつに変形している。
両足は閉じられないようにロープでガッチリと縛られていた。
 そんなシエスタの汗に濡れて固くなった乳首をサイトの指先が弾いた。
「ひうぅぅぅ!」
媚薬の所為ですっかり興奮した身体は快感に打ち震えた。
「すごく敏感になってるね。シエスタ」
おもしろそうにサイトが嗤った。
 そして今度はその大きめの乳房を両手でゆっくりと捏ね回してゆく。
「ふあぁ・・・サイトさん・・・やめて・・・はあぁぁ・・・」
シエスタの口から悦楽の混じった吐息が漏れる。
 乳房がサイトの手の中でグニグニと形を変える。汗に濡れた肌は手のひらに
ぴったりと吸い付いた。
「縛られてるのに感じてるなんて、シエスタってはしたない子だね?」
シエスタの耳に息が掛かるくらい位の距離でサイトはささやいた。
「そ、そんな・・・ひゃんっ!」
サイトの左手が固くなった乳首を指の腹で押し潰した。
「ここをこんなにカチカチにして」
そう言いながら右手で固くなったそこを軽くコリコリ転がす。
「や・・・はぁん・・・やめ・・・ひうぅぅぅん」
「すごくいやらしいよ、シエスタ」
そう言ってサイトはそこを一気に吸い上げた。
「はひゃあああぁぁーーーー!!」
それだけでシエスタの身体を絶頂にビクビクと震えた。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「もうイッちゃったの?シエスタ」
そんなサイトの問い掛けにシエスタは答えられず、ただ荒い息を吐き出していた。
 媚薬に汚染された頭は、ただサイトを見つめ返した。そんなシエスタにサイトはさらなる追い打ちをかける。
「夜はまだまだ長いんだ。次はもっと激しくいくよ?」
 そのセリフにシエスタは絶望に突き堕とされた。


202:無知で愚かな374
07/02/25 15:10:42 h+hIeIFp
まだまだ長い夜はこれから書きます。
なにか意見があれば聞きますので
お願いします。
それと
パパにPINK2chを見てた事がばれました。
もう怖いモノなしです。
私って何なんだろ・・・

203:名無しさん@ピンキー
07/02/25 15:24:40 n9+5SqOC
大丈夫だ。俺なんかゼロの使い魔の同人誌パソコンで見ててトイレに行って帰って来たら
椅子にまだ10才の従兄弟が座っていたさ(泣

204:205
07/02/25 15:29:22 jnbos18M
 そんな流れに横入り失礼。
 雑談掲示板をご覧の方はご存知でしょうが、叩き専用のスレッドを立ててみました。
 SSの欠点を指摘してもらいたい作者の皆様、読んだSSがつまらんと思っても
 口に出さずに我慢していらっしゃる皆様は、定められたルールの範囲内でどうぞご利用ください。

 URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

 次のテンプレに加えてくださるとありがたいです。

>>374
 見た目の話ですが、(・・・)ではなく三点リーダ(……)使うことと改行した後は
台詞の行以外は必ず一段下げることをお勧めします。
 今のままだとちょっと全体的にガクガクしてて微妙に読みにくい印象がありますので。
 三点リーダの方は何というか小説のお約束みたいなもんですが、こっち使ってないと
読みたくないって方も時々いますので、使っておいて損はないと思いますよ?

 親バレはいやですねえ。ここでSSなんか書いてること知られたら軽く死ねる。
 まあ俺なんかオナってるとこに兄貴が入ってきたことが(ry

205:名無しさん@ピンキー
07/02/25 15:58:58 fM4DcuUd
>204
後半の指摘はここじゃなく自分で立てたスレでやってくれ



206:名無しさん@ピンキー
07/02/25 16:09:51 Nb3TIG0V
>>374氏GJ
黒才人も中々・・・

よーしパパ空気読まずに書きこんじゃうぞー

今ゼロのゲームしてたんですけど、シエスタがえっらい黒い・・・
顔が変わったときなんかもう・・・ねぇ?

207:名無しさん@ピンキー
07/02/25 17:10:42 em8895qw
374氏GJなのですよ~~。

しかしリアルタイムで読んでたら試験官が来て中断させられた……orz
お陰で国語の時間に妄想が止まらなかったよ……

208:名無し@ピンキー
07/02/25 17:19:30 lNEZecUl
>>202
ネットカフェに行って,投下したら?
それならばれないと思うぞ

209:名無しさん@ピンキー
07/02/25 19:13:03 23sq/dHE
確かにバレないが、わざわざ金払って投下ってのもアレだな。

210:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:00:42 eGt1Dt65
ごめん遅くなっちゃった
テファ編>>164-169の続きいくよん

211:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:01:29 eGt1Dt65
こ。
これがホントの。
チョコパイってやつですかーーーーーーーーーーーーーーー!?
俺の視線はチョコ塗れのテファの胸に釘付けになる。
鼻息の勢いがマックスになり、俺のホームランバーがズボンが邪魔だと言わんばかりに起き上がる。
やばい限界。もう辛抱たまらん。
俺はそのまま一気にテファを押し倒

「まって、サイト」

?テファの両肩を掴んだ俺の手を、テファ自身が掴んだ。

「ちゃんと、贈り物、食べてから…ね?」

言って、恥ずかしそうに胸の下に両手を入れて、俺のほうに大きなチョコパイを差し出してきた。
すいません私がわるうございました。

「まずはそのけしからんチョコパイを成敗してからですネー!?」

あ、いかん声が。
思わず叫んだ俺を、テファが変な目で見てる。
…ヤベ。やっちゃった。
しかしテファは、くすりと笑うと。

「けしからんかどうかはわかんないけど…。
 成敗して♪」

言っていたずらっぽく舌をぺろりと出してみせる。
その仕草に、俺は即座にクライマックスに達した。

「テファーっ!」

俺はチョコ塗れのテファの胸にむしゃぶりついた。
しかし流石は胸革命。一口では収まりません。
するってえと、口に入る範囲を順番に舐め取っていくしかないわけで。
最初は理性がぶっ飛んでいきなり右のてっぺんにいっちゃったけど…。
やっぱここはアレですね。
周りから攻めるべきデスネ!

212:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:02:06 eGt1Dt65
な、なんでサイトっていっつもこうなの…?
私は、いつまでたっても終わらないサイトのねちっこい責めに、辟易していた。

「さ、サイトぉ…」

サイトは私の胸についたチョコを、舌で舐めたり、吸い付いて吸い取ったりして、食べてるんだけど…。
最初の一回以外、一度も、その、一番敏感なところを責めてこない…。
私はたまらなくなって、サイトの頭を捕まえて、一番感じるところに導こうとする…。
でも。
サイトはそんな私の思惑を見越してか、私の両手をがっしり握って、両手を封じてきた。

「酷いよぉ…サイト…」

涙が出てくる。
じわじわ感じさせられ続けて、私の身体はもう限界だった。
胸の先端で、乳首が千切れそうなくらいはれ上がってる。
股間はもう、お漏らししたみたいにべとべとで…。

「じらさないでよぉ…もう、つらいの…」

私は必死に訴えるけど…。

「テファ、じらされるの好きだろ?」

イヤらしい笑顔でサイトがそんなこと言ってくる。
そ、そんなことないもん…。
私は否定の言葉の代わりに、俯いて頭をふるふると振る。
そんな私の顎を、サイトが軽くつまんで上を向かせた。

「そう?いきなりするより、じっくりじらしたほうが…」

言って、両手で胸を挟み込んで、揉んでくる。
やだぁ…こんな、地味な刺激じゃやぁ…。
そしてサイトは続ける。

「スゴい逝き方してるみたいだけど?」

その台詞に、私の顔は真っ赤になる。
…た、たしかにそうだけど!
で、でもそれはじらされた反動なんだもん…。
じらされるのが好きなんじゃないもん…。
私の中で、何かがキレた。
そんな、意地悪言うんだったら…!
私は油断しきっているサイトの両腕を掴みかえして、無理やりベッドに押し倒した。

「サイトのいじわるっ!」
「えっ!?」

一瞬の早業に、サイトが驚いた顔をする。
ふんだ。もう許さないんだから!
私は膨らんだサイトの股間に目をつけると、一気にズボンを引き摺り下ろして彼を引っ張り出した。

「サイトも、じらされてみればいいのよっ!」

そして私は。
まだチョコの残っている胸の谷間で、彼を包み込んだ。

213:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:02:52 eGt1Dt65
うひょおおおおおおお?
こ、コレは正直たまりません!
チョコがローションの代わりになって、テファの胸の谷間を出入りする俺の息子を包み込む。
ぬるぬるとした感触と、テファの柔らかい胸の感触に、愚息は一気に頂点に…。
行かなかった。

「…おしおきなんだから」

ちょっとまってええええええええええええ!そこで止めないでえええええええ!
テファは俺の息子が限界に近いと見るや、胸の谷間を全開にして、刺激を止める。
チョコに完全にコーティングされた俺のホームランバーは、テファの前で切なそうに震えている。
う、うわ、こ、腰が勝手に動いて…。
テファの胸に吸い寄せられるううううううううう。
しかしテファは身体を引いて、ホームランバーから遠ざかる。

「少しは身をもって反省しなさい!」

半眼でそんなこと言ってくる。
イヤちょっと待ってマジでツラいんですけどこれっ!
か、かと言って自分でコスるわけにもいかないしっ!
しょ、しょうがないここは…。

「ご、ごめんテファ!もうしないから!じらしたりしないからっ!」

情けないけど、謝るしかない。

「ホントにぃ?」

テファは俺の脚の間から、不信の視線を向けてくる。
…うっわ俺信用されてねー。

「ホント、ホントだからっ!」

…ちゃんと逝かせてください。マジつらいっす。

「…しょうがないなあ」

テファはそう言って、にっこり笑うと。
また胸の谷間で、いまかいまかと待ち構える俺のホームランバーを包み込んだ。
おおう…なんか一旦間を置かれると…。
さらにキモチイイですネ!
そして、テファはいつものように俺の愚息を胸の谷間でしごきはじめる。

「くぅっ…テファっ…」

そして俺はすぐに限界を迎え…。
なかった。
俺の限界を悟ったテファは、またしても俺のブラックバスをキャッチ&リリースしやがったのだ。

「て、テファぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ」
「…おしおきですっ」

結局、テファの『お仕置き』は、4回ほど続いた。
…情けないことに、4回目のお仕置きで、俺は空中で逝ってしまったのだった。

214:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:03:32 eGt1Dt65
「たーしーかーに、じらしたほうがスゴいのは認めますっ」
「ふぁい」

行為のあと。
ベッドの上で、裸のまま、珍しく才人はティファニアに叱られていた。
あのあと、才人はさんざん焦らされた後、特濃のミルクチョコをティファニアの中にぶちまけたのだった。
そして今、才人はいままでの事をさんざんティファニアに叱られているのである。

「でも、焦らされるのはすっごいつらいの。わかる?」
「わ、わかりましたぁ…」

それはもう身をもって思い知らされた。
自分がティファニアにどんなことをしてきたのか、才人は理解したのだった。

「今度から、『焦らさないで』って言ったらじらしちゃダメよ?」

まるで出来の悪い生徒をしかる女教師のように、ティファニアは才人をしかりつけた。

「…でも、言わなかったときは焦らしていいんだよな?」

才人はそんなティファニアの言葉尻を捕らえる。
ティファニアは一瞬考えた後、赤くなりながら応えた。

「…いいけど…」

ちょ、ちょっとは、ほんのちょっとは焦らされるの好きだし…。
そんなことを考えながら、ティファニアは目の前で無闇に頷いている恋人を見つめる。
そして思い出した。
もう一つ、贈り物があったことを。

「…あのね、サイト。
 もう一つ、贈り物があるの」

ティファニアは優しい声でそう言った。
その言葉に、才人は驚いた顔をする。
この上何をプレゼントしてくれるというのだろう。
ティファニアは、そっと下腹部に手を沿えると、言った。

「あのね。
 今月、女の子の日が来てないの」

それはつまり。
種の入っていない卵が、排出されていないという意味で。

「え?それってテファ…」

驚く才人に、ティファニアは続ける。

「…名前、どうしよっか?」

母親の優しい笑顔を湛えるティファニアを、才人は優しく抱きしめたのだった。


215:聖女の日~ティファニアの場合 ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:04:38 eGt1Dt65

そこは、才人が薪割りをしている場所だった。
タニアはそこで、星空を見上げて、手にした毛糸の手袋を広げていた。
それは、ウエストウッドの村で、一番大きな手の持ち主に合うように編まれたものだった。

「ま、最初の『聖女の日』はうまくいかないっていうのが普通みたいだしね」

そう言ってタニアは、空を見上げたまま、その手袋を才人が普段薪を割っている切り株の上に置いた。

「ほんと、貧乏籤よね、私ってば」

言いながら、空を見上げたまま、家のほうへ歩いていく。

「そろそろ寝ようかな。
 …明日早起きしないと、テファお姉ちゃん完全に遅刻だろうし」

空を見上げたまま、タニアはそう呟いた。~fin

216:せんたいさん ◆mQKcT9WQPM
07/02/26 02:06:18 eGt1Dt65
フーオワタオワタ
ほんとは日付変わる前に投下したかったんだけど。
ほんとに遅れてすんまそん。

そして来月の夜勤は7回。マジオワットルorz
そういうわけでねますーノシ

217:名無しさん@ピンキー
07/02/26 02:17:44 2yyvKh7O
一番槍GJ

次は一番冒頭で話題振ったルイズさんの出番ですね。
え?3人だけ?そんな殺生な。

218:名無しさん@ピンキー
07/02/26 02:27:55 5zxUcZ/X
>>216
く・・・これはへんたいさんの姿をした神だ!ラリーバードもそう言ってる!
GJGJGJ!!!

219:9-669『チクトンネ街の女王』
07/02/26 02:59:09 5zxUcZ/X
週一ペースで投下する、とか言いつつ全然書けてません。
とりあえず書き進んだ分を投下します。神なへんたいさんの後でハズカチイけど、どうかご笑覧ください。


【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合11
スレリンク(eroparo板)-364
の続きー
―――――――――――――――――――――
 風が止んで、スカートがまくれるという恐れは無くなった。
 アンリエッタの腰の裏側あたりを撫でていた妖しいざわめきも薄くなった。
 ふくよかな胸の内側で暴れていた動悸も「今にも破裂しそうな速さ」から「息苦しい」
程度に若干遅くなる。
 震えていた膝に力が戻ったアンリエッタはほっと息をつき、また歩き始める。

 それでも、浅い一呼吸のたびに、このはしたない格好をさせられている女王さまの
胸の高まりはいや増すばかりだ。
 露出度の高い格好で歩かされている女王陛下の胸のなかに、少しづつ黒い疼きが
高まっていく。
 相変わらず色街を歩く男たちの視線に晒されていたからだ。

―見られてますっ……
―あんな……野卑な……イヤらしい目で、見られてます……
 街の酔漢たちが、アンリエッタのむき出しの太ももを見ている。
 すれ違う男たちが、セーラー服の胸元を突き上げる膨らみにじろじろと視線を投げかける。
 その視線をアンリエッタは痛いほど感じてしまう。

 いやらしい視線。品定めするような、ケダモノの目の色。
 そんなものを思い切り浴びてしまうと、アンリエッタの背筋には恐怖が走る。
 今まで感じたことのない、生き物としての恐怖。
 生まれてはじめて感じる、心細い感覚。
 ずっと守られてきていた王族の美少女にとって、その感覚は言ってみれば
「純粋なナマの恐怖」だった。
 狼の群れに放り込まれた羊のように、アンリエッタはその野獣どもの注意を惹かないよう
ゆっくりと歩くほかなかった。……もちろん、そんな美少女を見逃すほどこの色街の群集は
甘くはない。
 遠巻きにアンリエッタを追うように何人かの男たちが後をつけていく。

 下着をつけていないおっぱいが恥ずかしすぎる。
 何も履いていないスカートの中が頼りなさすぎて怖い。

 そんな姿の美少女を、遠巻きに視姦しながら狼どもはこの美少女に近づいてくる。

―怖い
―怖い…
―怖いです……サイトさん……サイトさん…

 恐ろしさにふるふるという震えが止まらないアンリエッタ。
 しかし、アンリエッタが震えているのは恐怖だけではなかった。
 その恐怖の中にアンリエッタはどこか妖しい、黒い疼きのようなものを感じてしまう。

 汚い男たちの視線が自分の胸元にぶつけられると、その胸の膨らみの中に甘痒い熱が
生まれてきてしまう。
 野卑な酔漢どもに足元から舐め上げるようにじろじろと眺められるたびに、
何も履いていないスカートの内側で何か熱い液体を感じてしまう。

 こんな下賎な街中で、こんなイヤらしい格好をして、下卑た視線を浴びているという事実。
その事実は、アンリエッタの腰の裏側辺りにぐるぐるとした熱の渦のようなものを発生させる。


220:9-669『チクトンネ街の女王』
07/02/26 03:01:03 5zxUcZ/X
 すれ違う男たちが、自分の胸の頂を見ているような気がする。
 固く尖った乳首を見透かされているような感じが息苦しさを増していく。

 好色な目が、ミニスカートの布を透かして自分の恥ずかしい陰部を見つめているような気がして。 
アンリエッタの心の中に、まるで全裸でいるような感覚を生み出してしまう。

 いまや紺色のミニスカートの下では、恥ずかしい雫がアンリエッタの女の子の部分を
濡らしている。
 ひく、ひく、と収縮する媚粘膜がとろりと液をこぼしながら、そこに強い一撃を待ち望んでしまっている。
男の剥き身の衝撃を受け入れる準備ができてしまっている。

 そんな状態でアンリエッタは熱に浮かされたように、全身をブルブルと震わせながら
ゆっくりと歩を進める。
 一歩、また一歩と足を動かすたびに、狭いセーラー服の中ではアンリエッタの柔らかい乳肉が
ぷるん、と揺れてしまう。
 そしてその鋭敏な薄桜色の乳首が、セーラー服の裏側に擦れてしまう。
 アンリエッタは思わず漏れそうになる甘い声を必死にこらえる。

 足の裏側からじわじわと上ってくる、暗くて妖しい快感。
 ストラップのついた黒い革靴の底は、地面についているのかどうか曖昧になっていく。
 胸の中でアンリエッタの心臓が暴れている。そしてその鼓動は全身に伝わり、
スカートの内側に熱を生じさせていく。
 擦りあわせるような内腿の一番奥に、どうしようもない熱い衝動を生んでいく。

―熱い
―熱いです…サイトさん…み、見てて…くださってますか?

 破廉恥な格好で街中に晒されている惨めな自分の姿を思い浮かべながら、
アンリエッタは胸の中で叫んでいた。

―罰。
―これは罰なのです。
―女王として、多くの兵を死なせてしまったことへの罰なのです。
―わたくしは、罪深い女なのです。

―そんな女が、普通にサイトさんに愛されて良いわけがないのです。
―だから。そんな罪深い女に、サイトさんは罰を与えてくださるのです。

―慈悲深い、優しい、神様みたいな、素晴らしいサイトさん……
―そんなサイトさんは、私を罰して、私の罪を贖ってくださっているのです……
―ただの女のアンとして、わたくしを……愛してくださる……世界でただ一人の、素敵なひと……
 そんな内なる声を胸の中に抱きながら、歩を進めるアンリエッタ。
 全身の皮膚から分泌される汗がじっとりと身体にまとわりつく。

 通りを吹き渡る風に、肌寒さを感じる。アンリエッタの汗で塗れた身体は、
―汗……こんなに……汗、かいて…しまったら…
 アンリエッタは身体の底が抜けてしまったような恐怖とともに、自分のセーラー服の
胸元に目をやる。
 うっすらと汗を吸収したセーラー服の上衣は、透明感を増したような気がする。
 木綿の白の中に、自分の興奮して上気している肌色が透けて見えるような気がしてならない。
 固くしこりきった乳首の色が、どう見ても汗に塗れたセーラー服の白の中に
浮き出てしまっている。

221:9-669『チクトンネ街の女王』
07/02/26 03:01:32 5zxUcZ/X
 その瞬間、アンリエッタの胸の中に激しい恐怖が渦巻く。
―こ、こんな……裸みたいな、胸を……み、みられ、見られて……見られて、しまいます……
サイトさん……サイトさん……アンを……アンを、お助けください……! サイトさん……

 胸肌を見られてしまうという恐怖。
 固く尖った乳首を見られてしまうという怖さ。

 しかし、その恐怖の中に妖しい快楽の欠片が篭っていることに
アンリエッタは自分自身気づいていない。


―――――――――――――
今日はここまでです。続きを近いうちに投下できるようガンガリまつ。

222:名無しさん@ピンキー
07/02/26 04:23:05 drzksQ/i
>>221
久しぶりの本格エロなので期待してるぜw

あと前partの参照とか次回投下告知はSSと一緒にするより別個に書いた方が
良いと思われ

223: ◆manko/yek.
07/02/26 09:45:39 qAumnfyn
>>221
ヤラシイーー
GJ!!!

今夜、物語を投下する。

224:名無しさん@ピンキー
07/02/26 09:46:08 vwccutaR
>>221
gj!!

職人さん増えてきて嬉しいな。
manko氏の降臨はまだか?

225: ◆manko/yek.
07/02/26 09:48:02 qAumnfyn
おーい、志村~後ろ、後ろ~

226:名無しさん@ピンキー
07/02/26 09:50:54 dHJXRavj
>>225

227:名無しさん@ピンキー
07/02/26 09:53:21 vwccutaR
>>225
はわわわっすいませ~んww
裸で待ってます。


228: ◆manko/yek.
07/02/26 10:04:02 qAumnfyn
意外と人がいるみたいなので……

投下してみようかな。
裸で待ってる人いるしw

229:サイトの変身 ◆manko/yek.
07/02/26 10:06:04 qAumnfyn
 騎士隊の訓練を見てルイズが溜め息をつく。
「どうしたの?溜め息なんかついて」
 モンモランシーは元気のないルイズに声をかける。
「次の虚無の曜日にサイトを一日貸すってシエスタと約束しちゃったのよ」
 ルイズはモンモランシーにすべて話した。
「で、サイトはなんて言ってるの?」
「何にも言ってないわ」
 モンモランシーは少し考え、うん、使えるかも、と一人で頷く。
「サイトにこれを飲ませて」
 モンモランシーの手には赤い液体の入った小瓶があった。
「男の人がおとなしくなる薬、ギーシュに飲ませようと思ったけど、あなたにあげる」
 モンモランシーの薬を受け取り、ルイズはありがとうと礼を言う。
 ―その夜、怖い顔をしたルイズが赤い液体の入った小瓶を突きつけて才人に詰め寄る。
「犬ッ、次の虚無の曜日は誰と過ごすのかはっきりしなさい」
「……シエスタと約束してきたけど?」
 ルイズの蹴りが才人の股間を襲った。
「一応聞いてあげるわ、シエスタと何をするの?犬」
「し、芝居の練習です、ご主人様。ところでその小瓶はなんでしょうか?」
「おとなしくなる薬よ。」
「ご主人様が飲むんでしょうか?」
 ルイズは満面の笑みで股間を踏み潰す。
「そんなわけないでしょう?薬飲む前に死んどく?」
 才人は逃げようとするがルイズに踏み潰されて動けない。
「飲め」
 ルイズは才人の口の中に赤い液体を無理やり流し込んだ。
 才人は目を白黒させて咳き込むが、体に変化はなかった。
 才人はおとなしくなる所か、ますます落ち着かなくなっていった。
「薬、本当に効いてないの?」
「見りゃ分かるだろうがっ、あんなもん効かねえ……え?」
 才人の体の中からどくんと何かがこみ上げる。
「あ……え?」
 才人の服が膨らむ。
「ルイズッなんだよ、これはっ」
 才人の腕がほっそりとしなやかになり、胸が たゆんと揺れた。
「し、知らないわよッモンモランシーはおとなしくなる薬だって……」
 才人の腰のラインがくびれ始め、お尻から足のラインが変わってゆく。
「サイト?」
「……」
 才人は慌てて鏡を見た。
「うああああああ」
 才人は顔も体も声も女の子になっていた。
「俺…女になっちまったよ!!」
 鏡の前には健康的でボーイッシュな女の子が ふわりと黒髪を揺らしていた。


230:名無しさん@ピンキー
07/02/26 10:06:15 dHJXRavj
カモーン

231:サイトの変身 ◆manko/yek.
07/02/26 10:07:03 qAumnfyn
 才人が服を捲ると たゆんたゆんと胸を揺らす女の子が鏡に映る。
「ええええええ?」
 おそるおそるスボンを下ろすと、あるべきモノはどこにもなく、黒い茂みだけが ふさふさと頼りなさそうにくっついていた。
「うそだろ? おいっ!!」
 ルイズが気まずそうな顔で才人を見る。
「サイト……大丈夫?」
 鏡の前に立つ才人はルイズの目から見ても女の子だった。
「ルイズ……」
 才人は涙目になっていた。
「モ、モンモランシーを呼んでくるから」
 ルイズが部屋を出た後、才人はそっと股間に手を伸ばして確認してみた。
「うひゃっ」
 決定的なモノが手に触れた。
オンナノコの証だった。
「気持ち悪い……」
 自分の手から伝わる感触はナメクジの大群を触ったように むにゅむにゅしていた。
「なんて格好してんのよ」
 モンモランシーが入ってきた。
「モ、モンモンッ!! 今すぐ元に戻せ」
 才人はまるだしのままモンモランシーに詰め寄る。
「とにかく服をちゃんと着なさい。薬がちょっと効きすぎただけだから」
「おとなしくなる薬じゃなかったのかよっ」
「……」
「正直に言え、臭い飯喰いたいか?モンモン」
 モンモランシーは逃げようと扉に目をやるとルイズが扉の前で杖を持っていた。
「うぅ…わかったわよっ正直に言えばいいんでしょッ正直に言えばっ」
 モンモランシーはまるだしの才人に気圧されてがっくり肩を落とす。
「あの薬は体を騙す薬よ。男だったら女に、女だったら男に……」
「元に戻す薬はないの?」
 ルイズが心配そうに聞く。
 モンモランシーは首を降って無いわと返す。
「薬で騙しているだけだから自然に治るはずよ」
 才人は鏡に映ったボーイッシュな女の子を見てがっくりと肩を落として溜め息をつく。
「そのうちって……いつだよ」
 鏡の前でいろんな角度から自分を見ているとルイズが才人を睨む。
「な、なに?」
 ルイズは才人の体を上から下まで睨みつけてから才人の胸をガシッと掴む。
「何よこれ」
 才人は胸から伝わる未知の感触に ひゃうと声をあげる。
「……胸」
 ルイズの目つきが鋭くなり、胸を掴む力が強くなる。
「いてて……痛てぇよッ」
「不公平じゃないのッ薬で騙されているからってはしゃぎすぎよ」
「いや、はしゃいでなんか……」
「犬のくせになんであたしより胸が大きいのよッ」


232:サイトの変身 ◆manko/yek.
07/02/26 10:07:50 qAumnfyn
 才人はルイズの胸と自分の胸を交互に見た。ルイズの平原は服の上からでも平原で才人のたゆんたゆんは服の上からでもたゆんたゆんだった。
 胸って面白いなと思いながらルイズの平原をじっと見つめていると、ルイズの手が才人のお尻をつねりあげた。
「あ、あんた今どこ見て笑ったのよッ」
 痛みで飛び上がるたびに才人の胸が揺れるので更にルイズはつねりあげる手に力を込めた。
「笑ってなんかいません、ご主人様、ぬれぎぬです」
 ルイズが凄い形相で才人の胸を睨みつけているとモンモランシーが間に入ってルイズをなだめた。
「ケンカしてる場合じゃないでしょう、解除薬が出来る前に元に戻ると思うけど、それまで大人しくしてくれなきゃ戻るものも戻らなくなるわよ?」
 戻らなくなるという言葉で二人の動きが止まった。
「冗談よ、そんなに強い薬じゃないからすぐに戻るはずよ」
 二人がほっと肩をなでおろしている隙にモンモランシーは逃げるように部屋を出ていった。
「……明日からどうしよ、騎士隊の訓練とか……」
 才人はデルフリンガーを掴み、持ち上げようとしてよろけた。
「あぶねぇよ、相棒、そんな細っこい腕で剣を振るなんて自殺行為だぜ?」
「やってみなきゃわかんねぇだろ」
 デルフリンガーをなんとか上段に構え、いつも訓練の時に振っているように、えいっと振り下ろす。
 バキッと大きな音を立てて床に穴が開いた。
「気持ちはわかるがね、足を斬る前にやめときな。今の相棒はメイドの娘ッ子よりも非力だと思うぜ?」
「……」
 細い腕と穴の開いた床が才人につらい現実を突きつける。
『このままではルイズを守れない』
 両手を広げてみればデルフリンガーを振り下ろした衝撃で手が痺れたままになっている。
『左手が光っても弱いままに……なってる?』
 才人は女になったことよりも弱くなってルイズを守れない自分に絶望していた。
「サイト」
「な、なに」
「モンモランシーが解除薬を作るまでボロ剣は持っちゃだめ。」
「なんでだよっデルフを振れなきゃお前を守れないだろっ」
「あたしを守る前にケガするわよ? とにかく、しばらくおとなしくしていること。わかった?」
「……」
「サイトッ!」
 返事もせずに無言のまま才人は部屋を出ていった。


233:サイトの変身 ◆manko/yek.
07/02/26 10:08:41 qAumnfyn
 ヴェストリ広場で才人は剣を振る。ショートソードなら振ることができるかもと思い突きや斬りを試みるが、振るだけでバランスを崩す有り様になおさらつらくなるだけだった。
「あれぇ? サイトじゃないか?」
マリコルヌがふらふらと近づいてきた。
「よう、マリコルヌ」
マリコルヌは酔っ払っているらしく、才人が女になったいきさつを黙って聞いてくれた。
「……なるほど、サイトは今は女ってことはわかった」
 マリコルヌの酔って濁った目が才人の体を舐めるように見つめ始めた。
「サイト」
「な、なんだよっ気持ち悪い目でみるなっ」
「やらないか?」
「あほか」
 酔っ払い相手に相談してしまった自分の馬鹿馬鹿しさに嫌気がさして才人は部屋に帰るべく立ち上がると、マリコルヌがぐいっと腕を引っ張った。
「いてぇな、なにすんだよ!!」
「なぁ、サイト……ボクは本気なんだよ?」
 酒臭いマリコルヌの息が鼻と耳を犯す。
「俺は男だっての」
「じゃあこれはなんだい?」
 マリコルヌの手が才人の胸を揉みしだき、おぞましい感触が胸に広がる。
「サイトッああっサイトッ……もう、ガマンデキナイ」
 マリコルヌが才人を押し倒し、才人の首筋にマリコルヌの鼻息と涎が べたりとかかる。
 マリコルヌの腕を払い退ける為に力いっぱい腕を動かそうにもマリコルヌの腕はびくりとも動かなかった。
 体をずらして逃げようしたがマリコルヌの重さに息ができなくなり、疲労感だけが才人を襲った。
 マリコルヌの股間が才人にぐいぐい押しつけられ、首筋にはふがふがと不快な鼻息がかかる。
 マリコルヌの腕一本どけられない無力感が水面に広がる黒い油のように才人を支配する。
 力が抜けてもう駄目かもと、思い始めた時、マリコルヌの体が水に包まれた。
「な、なな、息がッッがばごぼっ」
「だからしばらくおとなしくしていることって言ったのに」
 モンモランシーが杖を持って側にいた。
「ボロ剣が振れなかったからってなによっ女だろうが男だろうがサイトはサイトでしょッ」
 ルイズが杖を振ると爆発と共に水に包まれたマリコルヌの体がヴェストリ広場の端に吹き飛んだ。
「ルイズ……」
「か、体、治してあげるわよ」
 なぜかルイズは頬を赤らめている。
「へ?」
「な、治してあげるから部屋に帰りましょっていったのよッバカ犬ッ」



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