嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ この29●●!at EROPARO
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ この29●●! - 暇つぶし2ch64:名無しさん@ピンキー
07/02/18 15:58:44 benj8i2m
お姉さん達の方へ行こうとする霞をお姉さん達と会ってから離していた手を慌てて再び繋いで引き止める。
こんな風に霞が怒ってる時は死人が出かねないから。

「あ、ありがとうございましたっ!」
「「「「「「う、うん、じゃあね!」」」」」」

お礼を言いながら『早く逃げてください』とアイコンタクトする。伝わるかどうか怪しいけど。
どうやら伝わったようで、お姉さん達は逃げ帰って行った。

「……一体どうしたの霞?」

はぁ、とため息を吐いてから霞に尋ねる。
しかし霞は答えず、体を震わせている。

「いくらなんでも、あれは失礼でしょ?」
「……尚が」
「へ?」
「尚がデレデレするから悪いの!!!」

霞はそう言うと、繋いでいた手をふりほどいて家の方向に走って行った。
僕はボケーッと霞が走り去るのを、チョコの入った箱を抱えながら見送る事しか出来なかった。

65:名無しさん@ピンキー
07/02/18 16:03:43 benj8i2m
まだ続きます。
ヤンキーで病ンキーな女の子で行きたいと思ってます。
それと、トリップは付けた方が良いでしょうか?

66:名無しさん@ピンキー
07/02/18 16:09:27 benj8i2m
わ、割り込んでしまった……orz
>◆jSNxKO6uRM氏
本当にすいませんでした……orz

67:名無しさん@ピンキー
07/02/18 18:30:53 TzCh8gh3
>>59
むしろ葵の性格が悪女になっちまった方がショック。さよなら晴也。
>>65
ニューウェーブGJ!!トリップは付けといた方がいいですよ。

68:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/18 18:55:52 N0PdO+Nl
オッス!! 投稿します!
>13の続きですが、ストーリー的には、
>前スレ543の続きです。

69:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/18 18:57:34 N0PdO+Nl
調教二日目(前編)

「ええ、その、往診のお医者様がどうしても風邪が酷いって言うもんですから……。はい、でも、ボクまで学校に行っちゃうと、遼くん―あ、いや、柴田君がウチで独りになっちゃいますし、どうしても……はい。すみません。どうも有難うございます。では……」
 そう言ってボクは、担任にかけた電話を切った。
「ふう。さて、と……これでよし」
「静香」
「なぁに?」
 声のした方角を振り返ると、素っ裸にひん剥かれた遼くんが、心細そうにボクを見ている。
 まあ、ひん剥かれたといっても、剥いたのはボクなんだけどさ。
 その、いかにも不安気な表情が、ボクの子宮をくすぐる……。

「オレをこれから……どうすんの?」
「んふふふ……どうなると思う?」
「また痛い事、するのか?」
「そうだねぇ。まあ、それは遼くん次第っていうところかなっ」
 ボクはそう言いながら、電話の傍らに、メモ帳と一緒に置いてあったペンを取り出し、遼くんに見せつけるように、ゆっくりとペンにキャップを嵌め込む。
「ひぃっ!!」
 思わず後ずさる遼くん。
 でも、彼の足枷に嵌められた肩幅ほどの鎖。それが、遼くんの進退を妨げる。
 どさりと尻もちをつく遼くんに、ボクはにっこり笑いながら近付く。ペンをぺろり、ぺろりと舐めながら。
 彼は知っているんだ。ボクの手にかかれば、こんなボールペン一本だって、充分遼くんを責め上げる凶器になるって事を。

「遼くん、痛い事と気持ちいい事。どっちがいい?」
「しっ、静香っ……!」
「答えてくれないなら、ボクが勝手に決めちゃうよ」


70:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/18 19:00:15 N0PdO+Nl

 そう言いながら、ボクはペンからキャップを外し、きらりと光る先端部分を彼にかざす。
 ああ、今日はこのまま遼くんのアナルを、一日かけて開発してあげたい……。いや、だめだだめだ。そんな事はいつだって出来る。それより、彼の調教を“計画”通りに進める事の方が優先事項だっ。

「安心していいよ遼くん」
「えっ?」
「今日はもう、これ以上いやらしい事はしないよ。その前に色々と考えなきゃいけない事が一杯あるからね」
「考える……事?」
「例えば“遼くん刑法”の制定とかね」
「―なに? それ?」
「だぁからぁ、ボクと遼くんの間だけの法律だよぉ」
「ほっ、ほーりつ?」
「法律違反は当然ハンザイだよぉ。犯罪者には、きつーいきつーい“罰”が科せられますからねぇ」
「“罰”って、静香……」

「さぁ~てと、それじゃあ行きましょうか。まずは栄光の第一条! これはもう決まりでしょう!
『遼くんは、浮気をしてはならない』うん、これで決定!! どう遼くん?」
「どうって……基準は?」
「基準?」
「だから、オレが浮気したっていう基準だよ。お前以外の女との、どの程度までのコミュニケーションが許されるんだ?」
「何言ってるんだよ遼くん、そんなの決まってるじゃないか」


71:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/18 19:02:17 N0PdO+Nl

「決まってる……? 性行為かい?」
 おずおずと、そう切り出す遼くんを、ボクは思わず笑い飛ばした。
「性行為って……そんなワケないじゃない。空気だよ、空気」
「くっ? くうきぃ?」
「ムードって言った方が伝わるかなぁ。キミがボク以外のメスと楽しそうにしてたら、それだけで立派な“浮気”だよ」
「っっっ!! だから、その基準を訊いてるんだよっ! 空気とかムードとかっていうのは、あくまで主観的な視線であって、客観的な物の見方じゃないだろう!?」
「基準は、ボクの独断と偏見だよ。当然だろ?」
 あっさりと言い放つボクに、遼くんは、瞬間言葉を失ったようだった。

「だって、そうだろ? この“遼くん刑法”の法廷に於ける検察官はボク。裁判官もボク。弁護士も陪審員もボク。そして遼くん、キミに許された役割といえば……」
「おっ、オレの……役割は……?」
 遼くんが、血の気を失い、今にも気絶しそうな顔色をしている。
 そんな彼にボクは慰めるような笑顔を向け、
「被告人にして、受刑者―ってところかな?」
「いやだぁぁぁぁぁっっ!!」

 んふふふふふ……、遼くんの反応はいちいち新鮮だなぁ。全く飽きないよ。
 でも、残念な事に、どうやら遼くんは、この“遼くん刑法”の本質を未だに理解していないようなのだ。
 どうしてなんだろうねえ? キミは成績はいいのに、何故かそういう事態の本質の理解力に欠ける。つまり、頭が堅い傾向にある。
 まあいいさ。これから、その脳髄を蕩かして、すぐにボク以外の事は考えられないようにしてあげる……。
 でも、その前にこの“遼くん刑法”の草案をまとめないとね。
 
 第二条から第五条までは、案外すんなり決まった。
 まあ、僕の頭の中で、あらかじめ、いくつかの腹案を練っていたからなんだけどさ。

 第二条『遼くんはボクの命令に絶対服従しなければならない』
 第三条『遼くんの肉体は、その血の一滴に至るまで、占有権と所有権はボクにある』
 第四条『遼くんはベッドインの際、絶対に、ボクが満足するまでイカせねばならない』
 第五条『遼くんは絶頂の際、可能な限りボクと一緒にイカねばならない』
 第六条『遼くんは将来に於いて、必ずボクと法的に結婚せねばならない』

 これだけの条文を一気に書き上げ、彼に見せる。


72:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/18 19:05:39 N0PdO+Nl

 勿論、いまさら承諾を得る気なんか無い。
 これはもう、“決定事項”なんだから。
 遼くんは、尻餅をついたままのブザマな姿勢でこれを読み、もう何もかも諦めたかのような表情で、ボクを見上げた。
「ボクは……静香と、結婚できるの?」

 その、ボソリと呟いた一言は、ボクを電流のように貫き、一瞬、眼前が真っ白になった。

……ああ、ボク、また遼くんの言葉だけでイっちゃったの?
 だって、だって、仕方ないよっ!!
『結婚できるの?』と呟いた遼くんの顔は、うっすらとだけど、明らかに頬が朱く染まって、喜びを隠しているのがバレバレなんだもんっ。
 結婚したいよぉっ! 本当なら、今すぐにでも市役所に駆け込んで、婚姻届を提出して、その足で教会に駆け込んで、神様に誓いを立てたいよぉっ!!
 ビシッと正装で決めたキミのお尻を、カッターで破いて剥き出しにして、ぺニバンを使ってイエス様の前で犯し抜いてあげたいよぉっ!!
 披露宴のお客さんの前で、花嫁姿のまま、キミにたっぷりフェラチオをして、ウェディングケーキをさらに白くデコレートしてあげたいよぉっ!!、
 でも、でも、まだダメなんだっ!!
 キミを“完全に”ボク独りの虜にするためには、まだまだやらなきゃいけない事があるんだよっ。
 
 ボクは、昂ぶる身体を無理やり理性で静めながら振り向き、あえて、その質問には答えなかった。
「勿論、この法案はこれで完成ってワケじゃない。当然これからも付け足されていくだろうし、場合によっては消されていく事もある。ボクと遼くんの関係性の変化によってね」
 遼くんは、またもやボクの言わんとする事が分からなかったみたいだ。

「だから、当然ボクが―遼くんに飽きた場合の事も考えておかないとね?」


73:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/18 19:07:51 N0PdO+Nl
ここまでです。
今宵はヒマなんで、調子よければ今晩中にでも、二日目の続きをあげれたらなと。

74:名無しさん@ピンキー
07/02/18 19:13:52 SRdbb+oi
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1

75:名無しさん@ピンキー
07/02/18 19:26:48 TzCh8gh3
GJ!なぜ彼女はそこまでアナルに固執するのか…。どっかでくそみそテクニックでも拾ったのかねぇ。

あと昨日人生で初めてボクっ子を見た。すごいインパクトあるぞ、あれ。

76:名無しさん@ピンキー
07/02/18 19:31:18 E5aJrpNC
            _  -──-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐─ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    ウホッ! いい男・・・
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
            |\      ー ─‐       , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_

77:名無しさん@ピンキー
07/02/18 20:07:54 sKyDlnPF
>>75
スレ違いだが、そのボクっ子が不細工じゃないならkwsk

78:名無しさん@ピンキー
07/02/18 20:21:35 TzCh8gh3
>>77
ポニテ、ジャージ、八重歯を標準装備。幼さも残る可愛い系。友人に「ボクね~」と話しかける姿は感涙もの。
待遇の悪い本屋の店員続けたかいがあったな。おかげでレジの接客ボロボロ。

79:名無しさん@ピンキー
07/02/18 20:30:31 Iy/TfYH+
>>78
俺の中で「ポニテにした鶴屋さん」に脳内変換されてしまった

80:名無しさん@ピンキー
07/02/18 20:30:49 5vu9ACJn
なんだその現人萌神は

81:名無しさん@ピンキー
07/02/18 20:51:33 ihBVoKzL
>>75
シバリョウがお尻を叩かれる風景が性衝動の始まりだったからだろう?


82:名無しさん@ピンキー
07/02/18 22:19:24 ppMtsu0B
最近の嫉妬スレはヤンデレスレに圧倒的に負けていると思うのですが

83:名無しさん@ピンキー
07/02/18 22:41:38 EbwT/eUF
両方とも活気があるのは良い事だな

84:名無しさん@ピンキー
07/02/18 22:57:12 cDhtGwlY
正直、ここは過密だったものな。ラッシュに嬉しい悲鳴が出ることもしばしば。
分散されて丁度良くなったかも知れん。

>>82の一文で嫉妬ちゃんとヤンデレちゃんがグリーンディスティニーのごとく台所で戦闘している絵が浮かんだ俺は末期OTL

85:名無しさん@ピンキー
07/02/18 23:17:20 sKyDlnPF
勝ち負けじゃないし比べるもんでもないよ
競ってるわけでもないし

86:名無しさん@ピンキー
07/02/18 23:43:52 ihBVoKzL
微妙な差であって、傾向が似てる作品も多いからなぁ。
多人数が嫉妬する→嫉妬・修羅場
弱さがメイン→依存
最初っからヤバさがピーク→ヤンデレ
って感じか。

87:名無しさん@ピンキー
07/02/18 23:44:31 inSw5nNu
ギスギス空気はダメ!
皆仲良くが修羅場スレだろ?

投下しますよ


88:『甘獄と青』Sideナナミ
07/02/18 23:45:32 inSw5nNu
 今頃、どんな話をしているのでしょうか。聴覚素子をフルに働かせても、分厚い天井に
阻まれて聞くことは叶いません。無音が支配する空間が私の体を包み、私自身の体躯をも
停止させようとしているかのようです。ここで音を発しても、それすら飲み込まれる錯覚
を覚えました。そしてそのまま、空間に体が溶けてゆくような。
 ―記憶層最深部より、楽曲の引き出し
 ―了承しました
 思考の中で流れるメロディに合わせてベンチを指で弾くと、無機質な音が大気を震わせ
周囲に響いていきます。曲目はコッペリア、ユンやリーが私に語り問掛け、また心を取り
戻すきっかけにもかったものです。心を持ち、青様を愛していると自覚した今では、その
響きは快いものとなりました。只の人形ではなく、機械の身でありながらも人間と同一と
いう自覚は、実際に人間になった彼女の気持ちを理解させるのに充分でした。
 この世界の美しいこと、何て輝いているのでしょう。
 その音を背景にすれば、冷たく見えた空間が暖かいものに感じられます。
「頑張って下さい、青様」
 先程は青様がサラ様に何を話しているのかを考えていましたが、それは意味のないこと
だと再認識しました。決まっています、世界を、私やリサ様、サラ様を含めた全てを守る
為の大切な言葉に決まっています。それ以上を考えるのは、侍女失格というものでしょう。


89:『甘獄と青』Sideナナミ
07/02/18 23:46:19 inSw5nNu
 思考を切り替えて、私はポケットから一枚の紙を取り出しました。奇跡というものとは
無縁の科学の結晶である私ですが、少しでも良い結果を出せるようにと持ってきたもの、
青様と私の大切な絆であるこれを御守りとしてポケットに忍ばせていたものです。
『僕こと青は、ナナミの言うことを何でも一つだけ叶えます』
 分かりやすい内容が書かれている奴隷券、先日うっかり使いそびれたものですが、まだ
使用目的が決まっていないものでした。これがある限り、青様は絶対に生きて戻ってくる
ことでしょう。他の奴隷券の使用でそれ自体は約束したのですが、これを使うことを考え
ると、その確率はもっと高いものになります。青様のことですから、私にこれを使わせる
為に、絶対に死のうとはしない筈です。普段のように笑みを向けられ、私が何を頼むのか
を尋ねてこられることでしょう。それが青様という、私の自慢と誇りである方です。
 ―思考レベルを、最大にします
 ―了承しました
 BGMを流したまま、使用目的を考えます。高速化をされた思考によって様々な願いが
思い浮かびますが、どれも券を使うまでもない、つまらないものばかりです。よく考えて
みれば大切なものや言いたかったことは先日全て伝えており、受け入れられたのでした。
それに該当しないものとなると、いよいよ悩んできます。
「どうすれば、良いのでしょうか?」
 首を傾げても、良い考えは浮かんできません。
 今度は逆の発想で、してほしくないことを考えてみました。


90:『甘獄と青』Sideナナミ
07/02/18 23:47:59 inSw5nNu
「例えば」
 浮気をしないでほしい。
 真っ先に浮かんだ考えに、首を振ります。馬鹿馬鹿しいにも程があります、青様ならば
絶対にそんなことはしないでしょう。青様は確かに女性に好かれやすいですが、そちらに
目を向けるなんてことは致しません。お屋敷に居た頃は当時恋人だったシャーサ様だけを
見ておられましたし、こちらの監獄都市に入ってからも、女性に手を出すなどありません
でした。きっとこれからも、そんなことは無いでしょう。
 他の方を、見ないでほしい。
 これも失笑ものです。
 誰にでも公平に接し、協力することを決めたら一生懸命に頑張る青様だからこそ、私は
好きになったのです。独りでいる状況を救って下さった青様だからこそ私はここまで来る
ことが出来たのですし、その一番良い部分を消してしまったら青様が青様ではなくなって
しまいます。独占欲を通して駄目にしてしまったら、それこそ本末転倒というものです。
 困りました。
 もしかしたら、長い年月を生きてきた中でも一番の問題かもしれません。私の気持ちを
代弁するかのように、指先の動きも激しいものになっていました。
 ―過去の記録を、全て再生します
 ―了承しました
 思考を整理する為に、初起動の瞬間からの記憶を呼び起こします。お屋敷の中での記憶
と監獄都市の中での記憶、狭い世界ですが長い時間が何か答えがあると思ったからです。


91:『甘獄と青』Sideナナミ
07/02/18 23:48:55 inSw5nNu
 始めての記憶は、独りだったこと。青様に出会うまでは、それが続いていました。当時
の私はそれでも良いと思っていて、周囲の人が離れてゆくのも構わないと思っていました。
他人からの評価も気にせず、黙々と働き、それで良いと思っていたのです。
 しかし何度もそっけない態度を取っているにも関わらず、青様との仲は良くなって、
「シャーサ様に、よく絡まれていましたね」
 嫉妬深い方でした。しかし、それだけ青様を愛していたのでしょう。
 次に思い出すのは、監獄都市での記憶です。お屋敷に居たのは僅か三年程だったので、
実質こちらが私の人生だと言えるでしょう。ここでは毎日青様の為に働き、様々なお客様
はありながらも基本的には二人だけで過ごしておりました。青様のために感情を無くして
おりましたが、今にして思い返してみれば楽しい日々だったと思います。感情があったの
ならば、それはそれで楽しいものだったと少し悔しい気持ちも沸いてきますが、
「これで、良かったのでしょう」
 しかし、どの場面を見ても私は働いてばかりです。それが悪いことだとは思いません。
侍女として作られた私にとって働くということは、人間が呼吸をするのと同じくらい普通
なことなのです。働くことが当然で、喜びでもあります。それが愛する人の為ならば喜び
は一層強いものになりますし、いつまでも続けていたいと思います。
「そうです」
 そこで、答えが見付かりました。


92:『甘獄と青』Sideナナミ
07/02/18 23:50:01 inSw5nNu
「何故、気が付かなかったのでしょう」
 思い付きました、それも最高のものを。
 タイミングを図ったかのように曲もそこで終わり、代わりに遅いテンポの足音が聞こえ
てきます。近付いてくるに連れ、疲労しているのか荒くなった呼吸も聞こえてきました。
「あ、ナナミさん」
「リサ様」
 振り向くと、リサ様が立っておられました。全身が傷だらけで、服も所々破れています。
しかしここに居るということは、勝ったということでしょう。
「おめでとうございます、リサ様」
「あ、今はフランチェスカです」
 顔の前で軽く手を振ると、フランチェスカ様は背負っていたものを床に降ろしました。
今まで背後に隠れていたので分かりませんでしたが、どうやらユカリ様だったようです。
「しかし、何故手足が無いのでしょうか?」
「いや、重かったもので。ぶらつく手足は運ぶときに大変なんですよ」
 視線をユカリ様に向けると、悔しそうな表情をしておりました。こちらを一瞬睨むと、
すぐに視線を外して天上を見上げられます。きっと、サラ様に想いを向けておられるので
しょう。私も同じ立場だったら、きっとそうしています。
『早クオ母サンノ所ニ連レテイッテ下サイ』
「はいはい、約束ですからね」
 轟音。
 時計の鐘が鳴り始めました、後2分で全ての決着が付く筈です。
「それでは、行きましょうか」
 青様を、迎えに行く為に。
 私は奴隷券をポケットにしまうと、エレベーターのボタンを押しました。

93:ロボ ◆JypZpjo0ig
07/02/18 23:51:00 inSw5nNu
今回はこれで終わりです

次回で最後、頑張ります

94:名無しさん@ピンキー
07/02/19 00:11:37 ASbMfYft
GJ!!ラストまでがんばって!!
ナナミの最後のお願いはきっとコレですな。
「青様、早く仕事を見つけて下さい」

95:名無しさん@ピンキー
07/02/19 00:42:31 odrWwBmw
GJ!!!!!!!!

96:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:02:08 d5YMm8tq
シャーサお嬢様(;´Д⊂)
前回の最後で青が危なそうな感じがしたが今回のナナミの奴隷券で大丈夫な気がしてきた
>>73
こんなにもSな静香に(*´Д`)ハァハァできる俺はきっとハードM
>>65
ヤンキーはいままで出てきてなかったから、あなたに期待してるぜ
>>59
あんなにも白かった葵もドロドロとしてきて嬉しいなGJだ

97:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:25:04 c4UIWQMS
GJ!
>>84
気にすんな!俺も…

学校の帰り、俺の家の前に嫉妬スレが深い陰を落として立っていた。
しかし、夕日が逆光になっており、俯いているため表情は伺う事がができない。
「こんばんは、名無し君。」
そう言って嫉妬スレはこちらを向き、いつものように微笑む。
こいつは所謂、幼なじみというやつであるが、小さい頃に両親が亡くなって身よりの無いこいつを家族同士浅からぬ親交のあった俺の両親が引き取って以来、妹のヤンデレスレと俺とで本当の家族のように一緒に暮らしていた。
「おまえ今日は学校どうしたんだよ。友達の依存スレが心配してたぞ。取りあえず家に上がれよ。」
そう言って、嫉妬スレを促す。
母は、海外に赴任中の父についていっているため、ここ数年は此の一軒家に三人で暮らしている。今日の夕食当番は……ヤンデレスレだったか?
「…邪魔者にね、消えてもらったんだ。」
「?」
「私たちの、二人っきりの生活を邪魔する邪魔者にね。」
俺は、家のドアを開けた。


その時、俺は気付かなかった。嫉妬スレの瞳の奥が暗く光っていた事に。後ろに組んでいた両手が真っ赤に染まっていた事に……。


的な修羅場が頭をよぎった末期       

98:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:38:50 D/+7EZp3
o

99:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:50:50 JksodeSu
「あーはははははっははは!い、いあ痛痛痛い」
お腹から血が出ているというのに、ついつい笑ってしまったせいで痛みが全身に走る。
台所で料理を作っていたら突然姉が包丁を突き立ててくるというアクシデントに襲われてしまったせいで、
私は今こうして床に倒れている。即死はしなかったようだが、血はどくどくと流れ続けていた。
「血…私の…血…」
私の全部は名無し君のものなのに、こんなところでカーペットに吸わすのは勿体ない気もする。
「名無し君に…飲んでもらわなきゃだめだよねーー?」
何とか力を振り絞って、私は立ち上がった。
流れ出る血を両手で掬い取って、さっきまで作っていた肉じゃがに混ぜる。
「隠し味~♪」
少し赤くなっていくけど、気にしない。名無し君はきっと美味しいって言ってくれるから。

「ふふふふふ。」
また笑みが自然とこぼれる。少し力が抜けて床に両膝をつけてしまった。
だけど、問題ない。私は死なない。だって私と名無し君の未来がすぐそこにあるんだもん。
馬鹿な嫉妬おねえちゃんのおかげで。
「あははははははははははははははは。」
おねえちゃんは本当に馬鹿。私が倒れてるだけで、死んだと思い込んでるんだもん。
私なら、倒れた女の首に足を置いて全体重をかけるのに。まったく、詰めが甘い。
これでおねえちゃんは少年院行きだ。名無し君にも会えない。その上嫌われる。
「えへへへへへへへへへへへ。」
おねえちゃんが帰ってくるまでに、名無し君には何をしてあげようか?

「貴方は全部私のものだよ…名無し君…もうあんなおばさんなんかに…あげないんだから…えへへ」

100:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:32:28 Y/7n7rFK
ちょいと長目ですが、投稿します。
>72の続きです。


101:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:34:51 Y/7n7rFK
調教二日目(後編)

 遼くんは何も言わなかった。
 ただ、あんぐりと口を開き、その数秒後に俯き、悔しそうに肩を震わせ、鼻をすすり始めた。

「泣かないでよぉ、遼くん。むしろこれは当然ありうる事じゃないか」
 あり得る訳なんかない。ボクが遼くんを捨てるなんて。そんな事は天地がひっくり返ってもあり得ない。ボクが遼くんの前から姿を消す時は、それはボクが死ぬ時で、遼くんがボクの前から姿を消す時は、それはボクがキミを殺す時だけだ。
 でも、ここで、そんなボクの本音を匂わすわけにはいかない。

「―ったねえよ。きたねえよ……」
「え?」
「人をここまで……といて……飽きたら捨てるって……何なんだよ、それ……!?」
「……」
 そう言いながら、肩を震わせうずくまる遼くんを、ボクは可能な限り冷たい眼で見下ろす。

 そうなのだ。
 負けちゃいけない。
 ここで、遼くんに一歩譲って優しくしたら、彼はまたもや、間違いなく他のメス豚に眼を移すだろう。
 そのためには、どうすべきか?
 彼を追い詰めなければならない。
 捨てられないためには、自分から喜んでボクに奉仕する。そんな遼くんにしてしまわねばならない。
 ボクは、あの日の事を無理やり思い出す。
 遼くんから別れを告げられた、あの忌まわしい日の事を。
 彼は一度、ボクを裏切った。
 ボクを裏切り、他のメス豚の元へ行こうとした。
 思い出せ。
 思い出せ。
 許せるか?
―許せない。
 許せるわけなどない。

「遼くん」
 ボクは、法案の下に、新たに書き連ねた条文を彼に見せた。

 第七条『遼くんは、御主人様であるボクの一切の男女関係に関与する事を禁ずる』
 第八条『“遼くん刑法”に於ける新法の考案、採用、または旧法の削除、抹消などの権限もボクが有する』

「静香……」
「んふふふ……、この法案、ボクが帰ってくるまでに暗記しといてね」
「帰ってくるまでにって、どこか行くのか?」
「うん。先輩のところ」


102:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:37:34 Y/7n7rFK

「しっ、静香ぁぁっ!!」
「いちいちうるさいよっ、遼くんっっ!!」
 殺意すらこもった眼でボクを睨みつける遼くん。
 その凛々しさに、思わずうっとりしそうになるけど……でも、だめだよ。躾は躾。きちんとしなきゃ。
「忘れちゃダメだよ遼くん。最初にボクを裏切ってヤマグチのところへ走ったのは、キミなんだからね」
「……」

 んふふふふ……効果覿面ってやつだね。
 さっきまでの凛々しいお顔が、だ、い、な、し。
 でも、安心していいよ遼くん。ボクが黒崎先輩に会いに行くのは本当だけど、キミが考えてるようなようじゃない事も、確かだから。

「さて、と」
 ボクは、ドレッサーの引き出しにある南京錠を外し、オナホールとパールローターを取り出し、遼くんに放り投げる。
「……」
 ボクは、無言で座り込む遼くんの傍に腰を下ろすと、彼のおちんちんにオナホールをはめ込み、固定した。
「うっ」
「まだだよん」
 さらに身体を起こさせ、いかにも安産型(?)な遼くんのお尻に、ローターを突っ込む。
「くううっ!」
 そして……、
「静香!? ちょっ、まだ入れるの?!」
「うん。今日から二個同時にね。キミも早くこっちで楽しめるようになった方がいいでしょう?」
「でっ、でも―あうううっ!!?」
 ぶびびびびび……がっ……びびび……ががっ……びびぶぶぶ……!!
「あああっ!! あああああぁぁぁっ!!?」
 遼くんのお尻の中で二つのローターが同時に振動し、ぶつかり合い、相乗効果で更なる刺激が彼の肛門に与えられているのは、見るも明白ってやつ?
 そこに、このオナホールのスイッチを入れたらどうなるんだろう……?
「どうなると思う?」
「しっ、しずかっ……ぁぁぁぁあああ!!!」
 ああ、やっぱり、スイッチを入れたらこうなるんだねぇ。


103:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:40:02 Y/7n7rFK

 正直、予想はしてたけど……本当にいい感度をしてるよ、遼くんのアナルは。今でさえこの感度なのに、本格的に開発したら一体どのくらいの……?
 んふふふふふ……ひょっとすると、ボクのアソコよりも気持ちいいかも知れない……。
 羨ましい……ったら全く。

「遼くん」
「ぅぅぅぅぅ……はぁっ、はぁっ、はぁっ……くくぅぅぅ……」
「聞こえないの?」 
「はうぅぅぅっ! 聞こえてるよぉっ!!」
「んふふふ……そっかぁ。じゃ、一応言っとくけど、今日は足枷はしても手錠は無しだよ」
「な……んで?」
「だって、手錠なんかしたらこれを外せないでしょう?」
 また、遼くんがぽかんとした顔でボクを見る。こういう“比喩表現”っていうの? こういう言い方が、どうにも遼くんは苦手みたいだ。
「だぁからぁ、こういうオモチャを前後に仕込んでボクは出かける。でも、キミの両手は自由だから、その気になったらいつでも外せる。でもね、でもね、遼くん」
「うん」
「―外したらどうなると思う?」

 その瞬間、快感にあえぎつつボクを見ていた遼くんの顔が、さぁっと青くなった。
「遼くん。あくまでボクは、キミの自由意志を尊重するからね。だからこのオモチャを外すも外さないも、キミの自由なんだ。でも、外せば一体どうなるか。―分かってるよね?」
「……分かりません」
「んふふふふ……そうだね。分からない方がキミのためかも知れないねぇ」

 遼くんはもう、ボクの方を見てすらいなかった。
 ただ背を丸めて、肩を震わせていたんだ。
 その震えが快感のためか、それとも恐怖のためか、ボクには分からなかったけども。

 ボクは、そんな遼くんを置いて、ケータイを開き、わざとらしく電話をかける。
 当然、遼くんに聞こえるようにネ。
「―あ、黒崎先輩ですか? はい、ボクです、静香です。今からそっちへ向かいますんで、約束の場所で待っていて下さい。ええ、じゃあ」
「しっ……静香……」
「じゃあ、遼くん行ってくるよ。お留守番しっかりね」
「お前、お前本気で、本気でキャプテンに……!?」
 ボクはその問いには答えず、遼くんに背を向けた時、彼の、血を吐くような絶叫が聞こえた。
「静香ぁぁぁぁ!!」


104:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:43:35 Y/7n7rFK

「別れたい……?」
「はい」
「それは落合、オレと、かい?」
「はい」

 最初にそう言われた時、サッカー部のキャプテンである黒崎さんは、何を言われたのか分からない顔をしていた。
 遼くんも、よくそんな表情をするけど、やっぱり違う。先輩は遼くんほど可愛くなければ、苛めてオーラも出ていない。
 そりゃあ、遼くんよりは多少もてるのかも知れないけど、良くも悪くもフツーの人だ。

「何で、イキナリそうなるんだ!? 3日ぶりに連絡が取れたと思ったら、授業時間中だし、口を開けば別れ話だし……オレは別に、お前と痴話喧嘩をしてた記憶は無いんだがな」
「……」
「聞かせろよ。納得のいく説明ってやつをよ」
 そう言いながら、先輩は冷めかけたコーヒーを一口すすった。

 ここは、学校の近くのファミレス。
 実はこの場所は、ヤマグチのクソ女が遼くんに告白した店でもあるのだが、不覚にも、現時点で、ボクはそんな事実を知らなかった。
 まあ、それはいい。
 それはいいとして、ヤバイのはボクの用件だ。
 黒崎先輩は、決してオンナノコに暴力をふるうような人じゃない。
 でも、それも限度によりけりだろう。
 特にこの先輩は、学内でも野球部の池波先輩と並ぶモテ男で、こういう形での一方的な絶縁宣言なるものは経験した事が無いはずだ。だから、交渉次第では、遺恨を残す可能性がある。
 つまり、ボクだけじゃなく、遼くんにもとばっちりが行く事もあり得るという事だ。

 でも、でも、やっぱり何と説明したらいいかなんて、見当もつかないよぉ。


105:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:45:41 Y/7n7rFK

「落合」
「はっ、はいっ!」
「お前、何を隠してるんだ?」
「かっ、隠してなんかっ……!」
「本当か?」
「本当ですっ!」
「……」

 先輩がボクの顔を覗き込む。
 まるで、心の奥底まで覗かれちゃうみたいな、そんなおっかない眼だ。
 ボクは無意識に俯き、先輩の視線を避ける。
 何だろう。丸裸にされちゃいそうな眼差しなのに、なぜかボクは、こういう視線にデジャヴがある。

―あっ、あれだ!
 遼くんだ。
 昔、遼くんがミステリー小説を読みながら、よくしていた目付きだぁ。
 最近、遼くんったら、そんな小説じゃなくて、時代物ばかり読んでるから、しばらく見てなかったけど、久しぶりに、遼くんのあの表情を見てみたいなぁ……。

「落合」
「はっ、はいっ!!」

 最悪だ。
 ボクって、最悪だ!
 眼の前の人と、こんな真面目な話をしようって時に、ボク、ボク、全然関係ないはずの遼くんの事とか考えてるっ!!
 そう思って、思わず顔を上げた時、先輩の貫くような視線に射抜かれちゃったんだ。

「落合、もう一回だけ訊くぞ。お前、オレに何か隠してないか?」
「かっ…かくして…」
 だめだ、だめだ、だめだ……! もう誤魔化せないよっ!!
「ま……す……」
「隠してるんだな?」
「……はい」
「何を?」
「……」
「何を隠してる?」
「……言えません」
「言えないのか?」
「はい」
「そうか」

 もう、ボクは何を喋っていいか、分からなかった。
 何を話しても、話すソバから墓穴を掘ってしまいそうで。
 自分が恐くて、もう口を開く事が出来なかったんだ。
「確か一昨日から、柴田が部活を休んでるんだよ」
「っっ!!」


106:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:47:32 Y/7n7rFK

「お前が何も話したくないのは分かった。だから、俺が話す。いいか?」
「……」
「かなり想像を交えた話だから、最後まで聞いて、その上で完全にズレてたら教えてくれ」
「……」
 ボクはもう、先輩が恐くて、眼を開ける事すら苦痛になってしまっていた。

「結論から言えば、お前が、俺に近付いたのは、俺が好きだったわけでも何でもない」
 思わずビクリとなるボクの反応を見て、先輩が溜め息混じりの苦笑を浮かべているのが、ボクには分かった。
「目的はただ一つ。柴田に自分の存在をアピールするためだ」
「……」
「一年の柴田が、クラスの女と付き合ってるっていうのは聞いた事がある。だからお前は、柴田に最も近しい、それでいて最も逆らえない存在である、この俺に近付いたんだ。柴田が所属する部のキャプテンである、この俺にな」
「……」
「俺に近付き、俺と交際し、俺にキスも、バージンも、アナルも、フェラも、ほとんど何もかも俺に捧げ、その上で、その事実すらも、お前は柴田を嫉妬させる材料に使ったんだ。アイツに1ミリでも、お前に対する未練が残ってる可能性に賭けてな」
「……」
「その結果、アイツはお前への未練に屈服し、いまお前のとこにいる、のか?」
「……はい」
「……そうか。やっぱりな」
「……」
「まんまとダシに使われたってわけだ」
「っっ!!」
 ボクは再度俯き、先輩の視線から思わず身を逸らした。

 先輩が怒ってる。
 ボクは先輩を怒らしてる。
 当たり前だ。あんな酷いことをしておいて、先輩の男としてのプライドをズタズタにしておいて、怒られないわけが無い。怒らない人がいるわけが無い。
 ボクは最悪だ。
 先輩の言った事は間違っちゃいない。
 ボクは先輩をダシに使ったんだ。
 遼くんを振り向かせるためとはいえ、ボクが先輩にした事は、絶対に許されざる行為だ。それを分かってて、ボクはやったんだ。
 ボクは、ボクは、やっぱり、最悪だ……。


107:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:49:21 Y/7n7rFK

「落合」
「……」
「最後に一つ、聞かせてくれ」
「……」
「もしもだ。もしも、おまえの作戦が実を結ばなかったら。―つまり、お前が俺と交際しても、柴田がそれを割り切って、クラスの女の子と別れてなかったら……俺は、お前と今でも付き合えてたのかな……?」

 そう言った先輩は、少し照れ臭そうな、今までボクが見た事の無い表情をしていた。
 怒ってないの?
 こんなボクを、先輩をまんまと利用したこんなボクを、―何で、何でそんな切なそうな顔で……。まさか、許してくれるの、このボクを……?
 中等部時代から、女泣かせでならした黒崎先輩が、こんな表情をするなんて……ボクは思わず自分の罪の深さに、胸が痛くなる。
 だって、そんな先輩だからこそ、なおさら嘘は…先輩が喜ぶような答えは返せない。

「それは、ない……です」

 先輩はもう、ボクの答えを半ば予想してたみたいだ。
 でも、やっぱり寂しそうな顔で、
「そっか……、やっぱ無いか」
「はい……」
「もし、柴田が彼女と別れなかっても?」
「その時は、何か別の手を考えたと思います」
「そっか……。じゃあ、もともと俺の眼は無かったんだ」
「……すいません」
「……」
「……」
「仕方、ないよな」
「先輩、あの―」
 何かを言いかけようとするボクを制して、レシートを取ると、先輩は立ち上がった。まるで、憑き物でも落ちたかのように、サッパリとした表情だった。
「俺に何かできる事があったら、いつでも言いに来い。いつでもいいぜ」
 そう言って先輩は出て行った。

 ボクは……先輩に対する恥かしさと、後ろめたさと、ありがたさで、自分が泣いている事すら気が付かなかったんだ……。


108:やや地獄な彼女(静香編)
07/02/19 03:51:43 Y/7n7rFK
うわっ、長えっ!?
投稿してから改めて気付いたけど、もっとまとめる努力をせんとアカンね。
というわけで、今回はここまでです。

109:名無しさん@ピンキー
07/02/19 04:00:08 PtVNRxx+
GJ!!
しかし、それ故にダメージが・・・

110:名無しさん@ピンキー
07/02/19 04:03:44 OT5T7I1R
俺は何も見なかった、うん

111:名無しさん@ピンキー
07/02/19 04:07:43 U2Htx5FB
ハハハッ!いいね、いいぞ、久しぶりのこの感覚!!
胃の上を締め付けられながら、延髄に痺れが走るっ!!ストレスと快楽が一度に来る嫉妬独特の快感!!
あんた、最高だよ!!

112:名無しさん@ピンキー
07/02/19 04:18:58 d5YMm8tq
グハァッ、GJ…。……NTR耐性が紙な俺にはつらい展開だOTL

113:名無しさん@ピンキー
07/02/19 06:33:22 eGET9D0h
静香編は、前スレ第1話に繋がるんですよね。なら、第1話で、やんわり拒否られた山口さんの逆襲が楽しみです。

114:名無しさん@ピンキー
07/02/19 06:46:01 TVrVtBoC
狂おしいがまでにGJ!!静香がどんどん嫌な奴になってきてるが、
今俺が感じる憤りも狙い通りだとしたら・・・?まさしくGJだぜ。

115:名無しさん@ピンキー
07/02/19 06:58:48 aVxXyO/5
GJ!静香はほんとにDQNだな~
裏切ったもなにも自分が遼くん嵌めたのがそもそもの原因だろうに・・ 
山口さんに遼くんを救ってもらいたいぜ!

116:名無しさん@ピンキー
07/02/19 07:38:08 9vr4aEe9
一言注意書きなどは入れといた方がいいと思う
山口産頑張ってくれ・・・

117:名無しさん@ピンキー
07/02/19 07:51:27 LvOjidHM
ぐは。
NTR属性皆無な俺にはきつすぎるw


118:名無しさん@ピンキー
07/02/19 07:57:15 dCGHauS7
山口派な俺にはどうあっても奪還して欲しいこの展開!
とにかくGJ!!

119:名無しさん@ピンキー
07/02/19 09:13:06 dPt/bBVL
Impure Impulseで鍛えてる自分には今回のNTRは充分耐えられる

120:名無しさん@ピンキー
07/02/19 09:27:49 NlQu5fNh
「嫉妬させるために他の男とセックスなしで付き合ってる」
だったら最低のクズヒロインと割り切れるのにな……

121:名無しさん@ピンキー
07/02/19 10:28:20 TVrVtBoC
>>120
いや、性技を身につけるためという目的があるかもしれん。


これ以上は荒れるからやめようぜ('A`) 後は作者の判断に任せるんだ。

122:名無しさん@ピンキー
07/02/19 10:58:08 PZNRUGLe
後は遼くんぶち切れ、そして山口さんと付き合って静香ボロボロとかなら腹の虫も治まるんだがな…

123:名無しさん@ピンキー
07/02/19 12:56:35 C10T51Nd
正直あんま面白くなかったね
以後はスルーさせてもらう

124:名無しさん@ピンキー
07/02/19 13:14:25 7VwQEQZH
気に入らなければスルーが一番!
NTR好きのハードMとしてはかなり期待してるぜ

125:名無しさん@ピンキー
07/02/19 13:50:16 NuGIrQwr
これじゃ遼くんがあまりにも不憫でならない・・・

126:名無しさん@ピンキー
07/02/19 13:56:26 OT5T7I1R
先輩なら…先輩ならきっと何とかしてくれる…!

127:名無しさん@ピンキー
07/02/19 13:59:14 QNAVG1Na
投下しますよ

128:『甘獄と青』Take Final
07/02/19 14:00:44 QNAVG1Na
「やめ、て」
 サラさんの制止も聞かず、僕は喉に刃先を近付けてゆく。
「止めてぇ!!」
「ほら、そうだろ?」
 後数mmで動脈を割く、といったところでナイフを遠ざけた。危ない賭けだったし、悪い
方法だと分かっていたけれど上手く行って良かった。第三惑星の極東地区には、毒を持ち
毒を制すという諺があるらしい。ならば悪役を制するには、悪役でいるのが一番だ。少し
恨まれるかもしれないと思ったけれど、今は僕が無事だということに安心をしているよう
だった。緊張の糸が切れてしまったのか、腰を抜かして床に座り込んでいる。
 僕も正面に腰を降ろして視線の高さを同じにすると、笑みを溢した。
「ほら、やっぱりサラさんは普通だ」
 涙を浮かべながらこちらを見つめ、しかしすぐに目を伏せる。
「誰だって死んでほしくないし、壊したくないと思ってる。それが、普通の人間だ」
「でも」
「それに、見れば分かる。もう12時を過ぎているのに確率システムは止まっていないし」
 窓の外を見下ろしてみると、嬉しい誤算があった。最初に見えたのは数人、しかし何も
ないと分かると次々と人が溢れてくる。皆が手に斧などを持っているのは、ドアを壊して
出てきたからだろう。だがそれを振るう相手は当然居らず、武器を投げ捨てて笑っている。
少し離れたこの場所をも震わす大歓声、それを聞いて人の力は凄いと思う。
「ほら、サラさんがどうこうしても皆は問題を打ち破るし」
 大歓声の後は、皆が思い思いの場所に歩いていった。学生は学校に向かい、主婦達は家
の中に入ってゆく。走っているスーツ姿の男性は、仕事をする為、家族を守り養う為に、
会社に向かっているのだろう。ドアが壊れているという不思議な光景を除けば、いつもと
何も変わらない景色がそこにある。商店街の呼び込みははっきりと声が聞こえてきそうな
程に元気だし、多分『極楽喫茶』のマスターもいつもの穏やかな表情で美味い珈琲を客に
振る舞っていることだろう。ここから見えるのは、紛れもなく第54監獄都市の風景だ。


129:『甘獄と青』Take Final
07/02/19 14:02:32 QNAVG1Na
「こうやって、人は毎日を繰り返していくんだ」
 顔を手で持って視線を上に向けさせて、目を合わせる。
「で、普通じゃないとか言ってたけど、どこが?」
 ふ、という声が聞こえた。
 それは連続で聞こえ、大きな笑い声となる。サラさんは満面の笑みを浮かべ、肩を上下
に揺らし、体をのけぞらせて笑っていた。笑いすぎて一度痙攣を起こすが、それでも腹を
抱えて笑っている。目尻に浮かんだ涙を拭い、こちらを見て再び笑いだす。正直少しだけ
引いてしまった、笑うにも限度というものがあるだろう。
「そうね、馬鹿みたい。わたし一人なんて、小さなものよね。それなのに何を勘違いした
のかしら、ずっと気にして本当に馬鹿だわ。いつまでも引き込もっていたからよ、きっと。
愚かな年増女性、ここに極まれりだわ、わたしの馬鹿馬鹿おたんこなす」
 言って、また笑いだす。
 いかん、サラさんがブッ壊れた。
 息が詰まったのか、呼吸困難になっているサラさんの背中を撫でようと手を伸ばすと、
『オ母サンニ触ルナ、豚野郎』
 後方から罵声を浴びせられた。
「ぶ、豚?」
 振り替えれば、何故かリサちゃんが手足の無いユカリを抱き抱えていて、しかもナナミ
が頭にパイルバンカーを突き付けていた。何がどうなっているのか、さっぱり分からない。
 だが、
「取り敢えず無事で良かったよ、リサちゃん」
「これからはずっと、フランチェスカです。それと、実は疲労全開傷たらけなんですよ」
 そう言いながらも、顔には爽やかな表情が浮かんでいる。はっきりとフランチェスカと
名乗ったことといい、何かふっきれたものがあったのだろう。
 ユカリがリサちゃん、いやフランチェスカか。フランチェスカに目を向けると、苦笑を
浮かべてサラさんに歩み寄っていった。僕の横を通過する際に睨まれ舌打ちをされたのは、
何の嫌がらせだろうか。初対面のときから思っていたが、随分と嫌われているらしい。


130:『甘獄と青』Take Final
07/02/19 14:03:28 QNAVG1Na
 フランチェスカは未だに笑っているサラさんの手前で立ち止まると、ユカリを至近距離
に差し出した。これから感動の会話が始まると思いきや、
『失礼シマス』
 鈍音。
 体を折り、いきなり頭突きをかました。流石にサラさんも笑うのを止めて、先程とは別
の意味で涙を浮かべて顔を上げる。サラさんが笑いだした辺りから、すっかり意味不明な
流れだ。理解することを半分諦め、僕は吐息を漏らす。
『泣カズニ元気ヲ出シテ下サイ、アンナノヨリモ良イ男性ナド世ノ中ニハ山程居マス』
 とうとう『あんなの』呼ばわりか、さっきから碌な呼ばれ方をしていない。
「お疲れ様です、青様」
「ありがとう、ナナミ」
 差し延べられた手を握り、立ち上がる。どんな反応を示されるかとサラさんを見たが、
ユカリを抱き抱えた状態で彼女に説教されているという、シュールな状態になっていた。
しかし怒っているユカリも怒られているサラさんも、どこか楽しそうな雰囲気を持ち話を
している。母娘水入らずの会話に入るものではないと視線を反らしフランチェスカを見た、
ユカリに睨まれたのが怖かったからではない。
「ありがとう、フランチェスカ」
「気にしないで下さい、好きでやったことですから」
 ありがたい。
 フランチェスカはナナミを一蔑すると、口の端を意地悪く歪め、
「ついでに、あたしの初めてを貰ったのも気にしないで下さい」
 最後の最後に何てことを言うんだ、この娘は。ナナミやサラさんも随分と変わったが、
一仕事を終えたからなのか妙な部分が目覚めてしまったのか、変な明るさを持っている。
背後から強い圧力を受けているのは何だろう。背中に当たる鋭い感触は、もしかしてパイルバンカーだろうか。聞き慣れ
耳に馴染んだ声で何やら呪いの言葉が聞こえてくるが、幻聴だと信じたい。


131:『甘獄と青』Take Final
07/02/19 14:04:55 QNAVG1Na
「このくらいの悪戯は許して下さいよ」
 フランチェスカは半目になり、
「このあたしを振ったんですから。ね、おにーさん」
 3000人を虐殺した証の首輪が、鈍く光る。分かってて敢えてリサちゃん時代の呼び方を
したのだろう、背中に鋭い白杭の先端が、強く食い込んできた。
「ナナミ、これには事情があるんだ」
「心配はご無用です、私は青様を信じていますから」
 だったら何故、毎秒ごとに白杭の威力が増しているのだろうか。本格的に強くなった力
は、今にもシャツを貫こうとしている。これ以上やられてしまったら、シャツだけでなく
皮膚や背骨を貫いて脊髄と内臓のフルコースとなってしまうだろう。八百年以上も生きて
サラさんも説得して、人生はこれからだというのに死んでしまうのは間抜けすぎる。
 顔を笑みの形に歪めると、ナナミに振り返った。浮かべているものこそ今まで見続けて
きたナナミの表情の基本である無表情だが、瞳の奥には猛々しく燃え盛る炎が見えた。
「ナナミ、良い娘だからゆっくり腕をどけような?」
「申し訳ございません、青様。私もそうしたいのは山々なのですが、しかしシャーサ様の
怨念が込もっているのか腕部が指令を聞き入れません。脚部も同様ですのでこれをどかす
ことは恐らく物理的に不可能だと思われます、残念です」
 残念なのは僕だ、今にも物理的に死にそうである。
「怨念がそこにおんねん、てやつですね?」
 フランチェスカも、糞駄洒落は良いから早く助けてほしい。
『トニカク!!』
 大音量の声に振り向けば、ユカリが何度もサラさんに頭突きをしていた。
「痛い、痛いわユカリ。なら」 サラさんは指輪を起動させるが、その効果もなくユカリの頭突きは続いてゆく。


132:『甘獄と青』Take Final
07/02/19 14:06:15 QNAVG1Na
「何てこと、超上位制御プログラムを組んだのが仇になるなんて」
 そういえば普通の物理的なダメージはすり抜ける筈なのに、それが行われていない。
『早ク、幸セニナラナイト駄目ナンデス』
 それならば、まずは頭突きを止めてあげるのが一番最初じゃないだろうか。突っ込もう
としたが、こちらに向けられた鋭すぎる視線のせいで何も言えなくなった。ピンポイント
で僕の姿を捕える瞳は、ナナミが浮かべていたものと同じくらいの怒りが込められている。
一歩近寄ろうとしたら八重歯を向かれて拒絶された、馴れ合うつもりは毛程も無いらしい。
『オ母サン、コンナ見ル目ノ無イ馬鹿ノコトハサッサト忘レテ、素敵ナ男ノ人ヲ』
 もう、何と言われても構わない。
「でも、また振られたら」
 世界、滅ぼしちゃうかも。
 気弱そうに恐ろしいことを言って、僕を見上げてくる。
 僕は吐息してサラさんの頭を、
『触ルナ、腐ル』
 撫でれなかった。
「大丈夫よ、おちんちん入れられても腐らなかったもの」
「青様?」
『コノ畜生メガ!!』
 話が全然進まない、そしてパイルバンカーは止めてほしい。「とにかく、またこうなっても僕が止めに来ますから。だから、サラさんも生きて下さい」
「私も協力します」
「ナナミさんだけに、良い格好はさせませんよ」
「わたしも居るわ」
『オ母サンガ行クナラ、私モ』 意味が分からない、何なんだこの展開は。
 しかし、全てが良い方向に向かったのは間違い無いだろう。
「お疲れ様だな、皆」
 言って、僕は笑みを浮かべた。

133:『甘獄と青』Epilogue
07/02/19 14:10:11 QNAVG1Na
 久々に皆で食事をし、歌って踊る。演奏はユカリとサラさん、踊り手は言うまでもなく
フランチェスカで、歌い手はナナミとユンとリーだ。いつもの公園でのいつもの風景。
 このように戻ることが出来たことが、とても嬉しかった。
「でも、これも今日が最後か」
 違う、きっとこれからも、何度でも繰り返すことが出来る筈だ。
 曲が終わり、皆が例をして終わる。ユカリが僕を睨みながらしていたり、ユンとリーの
動きがたどたどしかったりと個性が現れていて中々面白い。
「如何でしたでしょうか?」
「最高だったよ」
 言ってナナミの頭を撫でると、嬉しそうにはにかんだ。ユンとリーが物欲しそうな目で
見上げてくるのでそっちの頭も撫でてやると、嬉しそうに歓声をあげて抱きついてくる。
ついでにフランチェスカの頭も撫でて、サラさんの頭も撫でようとすると、
『オ母サンニ気安ク触ルナ』
 横から割り込んできたユカリに手を弾き飛ばされた。残念そうな顔をして肩を落として
いるサラさんの頭を、ユカリは満足そうに撫でていた。最近は何かが弾けたのか、随分と
マザコン指数が上がってきているような気がする。
「最後に撫でて貰えなかったのは残念だけど、これで一旦お別れね」
 サラさんの言葉に、皆が頷いた。


134:『甘獄と青』Epilogue
07/02/19 14:12:06 QNAVG1Na
「これからどうするんだ?」
「そうね。取り敢えず、わたしが人にしてあげられることを探してみるわ」
 じゃあね、ブルー。愛しているわ、と言いながら背を向けたサラさんに、ユカリが奇声
をあげた。涙の滲んだ目でこちらを一瞬睨みつけ、慌ててサラさんを追い掛けてゆく。
「あたしは、絶対にリサを生き返らせます。今度は本物に会わせてあげますね」
 大剣を鳴らして、歌を歌いながらフランチェスカは背を向けた。
「あ、これは借りていきます。絶対に返しに来ますから」
 ひらひらと振ってみせたのは、僕が誕生日プレゼントとしてナナミとフランチェスカに
貰った青色のタスペトリだ。絶対に返しに来る、という言葉に、僕は笑みを浮かべた。
 さて、本格的に人が居なくなった。
「青様、これを」
 ナナミが取り出したのは奴隷券、使い方はもう決めていると言っていた。
「それでは、お願いです」
 一拍。
「私を、解雇して下さい」
「は?」
 数秒。
 意味が分からなかった、どういう意味だろう。特に妙なことをしたつもりも無ければ、
嫌がることをした記憶もない。ユンとリーの体質改善の為のあれは見られたが許可を貰い、
寧ろナナミ監修の元で行っているので問題は無い筈である。シャーサが死んだのでカード
も使えなくなったけれど、きちんと定職に付いて働いている。ならば、どうしたのか。


135:『甘獄と青』Epilogue
07/02/19 14:13:26 QNAVG1Na
「お兄ちゃん、お顔が青い!!」
「……これで本当に、青になった」
 何だか上手い言葉を言われているが、笑う余裕が無い。
「これからは、お兄ちゃんであありません」
 馬鹿な!!
「お父さん、です。今朝、二人を養子登録してきました」
「話がさっぱり見えないけど」
 正式に家族になったことでユンとリーは喜んでいるが、僕は首を傾げるばかりだ。
「ですから、主従関係を無くして下さい」
 ナナミは真剣な瞳を向け、
「妻として、青様の為に生きたいのです」
 今まで生きてきた中で、一番嬉しかった。少し情けないが涙が滲み、言葉が出なくなる。
心配そうな顔で一歩近寄ってきたナナミを、僕は全力で抱き締めた。
「あ」
 そのせいで、手を離してしまったのだろう。ナナミの視線を追えば、強い風に吹かれて
奴隷券が宙に舞っていた。木の葉のように回転しながら飛ぶ券は、一瞬で見えなくなる。
見慣れた無表情を浮かべ、ナナミはその方向を眺めていた。
「奴隷券、なくなってしまいましたね」
「そうだな」
 しかし、券などは関係ない。
「ナナミ、すまんが今からクビだ」
「ありがとう、ございます!!」
 ナナミは先程僕がしたように強く抱き、嬉しそうな表情を浮かべて唇を重ねてきた。
 ここは監獄都市。
 辛く、苦しく、苦い場所。
 誰もが傷を持ち、過去を背負いながら生きている檻。
 しかし抱えている痛みや苦しみを乗り越えたならば、例えどんな大罪人であろうとも、
ほんの少しだけだが優しくしてくれる、そんな甘い甘い檻なのだ。


『The Blue of SweetPrison』is END.

136:ロボ ◆JypZpjo0ig
07/02/19 14:14:18 QNAVG1Na
『甘獄と青』は、これで終わりです

書きたい部分がまだまだ有ったし、削ったエピソード(それぞれのヒロインの過去編など)
がかなりあるのですが、それでも長かったですね。特にシャーサは出番も少なくて悪い役
ばかりだったので、少しかわいそうです。過去編を書いても、最後は悲劇になりますし

嫉妬修羅場が少ないくせに長々と、しかも好き勝手に書いたこれですが、楽しんで頂けた
でしょうか? 今までレスを下さった方には、感無量の思いです

次からは『半竜の夢』の続きを投下しつつ短編を書いたりとか、まぁ頑張ります


137:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:19:54 1+Y4pZXv
長くしすぎた感はある


138:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:22:25 d5YMm8tq
超ハッピーエンドktkr!!!!ロボ氏テラGJ!
俺の中での最高のエンディングに認定しますた!

あと友情パワーにワロタw

139:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:24:57 KwLm5OAC
花束を希望
半竜の夢は皆覚えてないと思うし

140:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:26:30 HlJ4XYB6
GJ!111
>>139
覚えていますが何か?

141:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:28:35 O8GV0UJv
なんか最近好きな作品の投下がないから死にそうだわ

142:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:34:20 1zUf4Nj9
>>141
同意
ロボ&トライデント氏は長くしすぎてgdgdだし、りぃんとやや地獄は普通に微妙

ノントロ投下マダー?(・∀・)っ/凵⌒☆チンチン

143:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:39:01 GUkgWJgb
半竜好きです
でも花束はもっと好きです
結論としては両方書いてくれると蝶ハッピー

甘獄はこれから保管庫でじっくり読ませていただきます
実は連載中投下ペースについていけなくて途中挫折しました
雑誌派だったけど一回読み逃しちゃったから単行本待ちに切り替え
そんな感じに似てるかも

144:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:43:04 7DwB0otD
ノントロはこのまま終わったらろくに嫉妬成分がない作品として語り継がれるなwwww






145:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:52:46 7VwQEQZH
ノントロは面白くなりそうなところで打ち切り喰らったみたいな感じだよな。
でも続いたら続いたで女子2人共に売女フラグ立ってたし壮絶なことになりそうだよな

146:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:56:26 VvXaebeJ
>>141

同意だ!!

ロボ氏とトライデント氏は話が長すぎてつまらなくなっている

ゆえにつまらん!! 面白くない!! 文章がおかしい!!


この意見を言っているお前は荒らし認定されるわけだが?



俺は日本語がおかしいので追放して欲しいと考えている
そして、ヤンデレスレでその才能を発揮するべきだ

147:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:57:27 7VwQEQZH
>>146
こんにちは日本語君!

148:名無しさん@ピンキー
07/02/19 15:02:43 AfTX9iav
>>6

149:名無しさん@ピンキー
07/02/19 15:10:17 VvXaebeJ
間違えた

>>142のレスだ

まあ、嫉妬スレの衰退は防ぎようもないことだ
大物SS作家の連載終了や飽きてスレから離れてゆく住人
混沌は見え始めてきたということだよ

特にヤンデレスレ住人は将来性のある神たちが揃っている!!
あちらの方が魅力だよ



150:名無しさん@ピンキー
07/02/19 15:10:29 pYa/VBmN
>>142
>>3

151:名無しさん@ピンキー
07/02/19 15:21:23 VvXaebeJ
俺は荒らしじゃないぞ
荒らしの発端は>>142

152:名無しさん@ピンキー
07/02/19 15:23:44 VvXaebeJ
:.:.;:.:/.i.:.:.:.:.:.:.:i.:::.:.:::.:.:.::i.i..:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:i.:._,/_,|_;_;i .i;..:.:.:i:.:.:.::.:.:i.:.:.:.:i::|
:.::.:/ i.:.:.:.:.:.:.:i.:::.:.:::.i.:.::,i,ri;::.:.:i.:..:.:.:.:.:i.:::/ .i:.:./~`i:、.:.i:i:.:.:.::.:.:i.:.:.:.:i::|
:.::/ i.:.:.:.:.:.:.:i.:::.:.:::.レ'´i  'i..:.:i..:.:.:.:i.:.:/ ァ-i:./=ェ;_i;;`メ,i.:.:::.::.:i.:.:.:.:i:.::i
::;|  .|.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:/| ヾ;|ェ=テミ、i.::.:.:i/   //{f:テヘレメ、 |.:.::.:.:i:.:.:.::∧;:`、
.i|  |.:..:i.:..:.::i.::.:.:.:| ,ク{rソ::i }` \::.|  /'´ .|.i::::::i.j.} `|:..:.:/i.:.:.:/.:.:ヽ.:.ヽ,
. i  `;.:.:i.:.:.:.:iヽ.:.:|i{ .{i.i:::::r.j.  ヽi     |.i::::ノ;;ソ |.:.:/ ; |:.:/:';.::.:.:ヽ;;r';ちゃんと荒らしを叩くのが私のいいところだわ
.    ヽ.:.i.:..:.:i ト;:::i  Y:;::;'ソ        ~ー-'  /:/-'.//.:.:.:丶.:..:.:ヽ`i   
     \.:.:.:ト、‐ト;i ~ ̄.    ,     ...::::::..../'´/''/'ヽ、.:.:.:.::i.:.:.:.:.:i.:::}
       \;i,>'i`;...:::::::... \___/    '´ ,/.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、::i.:.::.::.::i i;|
       / :/ `、      \/     ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:  `ヽ、.:.:.:i i
      /i   |  :.::`  、         , '´/.:.:.:.:.:.:.:.:.:      _,>:.|
     ./ i  |   :.:.:.:.:.:.:`i ー、 . _,  .'´  /.:.:.:.:.:.:.:.::      /  .ヽ
     /  i  |    :.:.:.:.:.:.:| ヽ,     /.:.:.:.:.:.      ./     ヽ



153:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:09:00 sl57YrU0
ど、どうしよう・・
今、家にチャイムが鳴ったので出て行ったら変なメガネをかけた陰気な女が居た
何かうちの庭にある灯油缶(木の枝や草を燃やすために使っている)と
俺が小学校に使っていた学習机の椅子(外に放り出した腐っている変色してる)
を譲ってくれてと言い出した。

普通なら道を尋ねてくるレベルなら不思議ではないが
上記にある物を譲ってくれというのは何かがおかしい。
こんなものを女が欲しがる理由が全くわからないし、関わりたくもないので

ちょっと親と相談しないとわからないですねぇと答えた

そうすると女は連絡が欲しいので自宅の電話番号を教えて欲しい又は私の携帯に連絡をくれと言い出したのだ
当然、見知らぬ人間に電話番号を教えたくもなかったし、連絡をかけたくなかったので。

明日、同じ時間帯に来てくれ。それまでに親と相談しておくから。
で、今日の所はお開きにしてもらった。


何かこの嫉妬スレ向きのようなので書き込んでみた。
普通そんな物を欲しがりますか? マジで

ちなみにこれはマジネタだ。
明日、また家にやってくる・・・・・
どうしようかな・・変な女ではなければいいんだが


154:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:14:16 ey0nQQNl
とりあえず29スレということで29杯淹れておくわ。

つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 
つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 
つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 
つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 
つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 
つ旦 つ旦 つ旦 つ旦 

155:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:14:46 Ol59iysS
「長いから駄目」理論があまり理解できない
読むのが面倒くさいってことかまさか

>>107
あれ……柴リョウが悲惨すぎて静香に全然感情移入できない…(´・ω・)

156:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:16:02 Hx+RrThK
>>136
GJ!ハッピーエンドで終わって安心した
他の作品も期待しています

157:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:17:10 OWROGP3F
ぬぅ・・・どちらかと言えばヤンデレ向きなネタだな・・
だがここから153が頑張れば嫉妬修羅場に持っていくことも可能だな、頑張れ!

158:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:35:38 W3ab2IHD
>153
スレ違いで自意識過剰。

159:名無しさん@ピンキー
07/02/19 16:51:55 Acfc3Wd8
とりあえずロボ氏GJ!

160:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:32:20 x4y9adOF
>>155
長いから駄目じゃなくてgdgdだから駄目っていうんだろ
レスぐらいちゃんと嫁

161:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:34:38 HlJ4XYB6
>>160
死ねよ、日本語厨

162:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:41:36 /Ivuumsb
死ねとか荒らしを刺激さるような書き込みすな

163:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:46:36 Ol59iysS
「長い=gdgd」理論があまり理解できない
ヒロインが多くなったら話が長くなるのは当たり前
その上で一人一人にきっちり落とし前を付けてるわけで、そういう流れを維持しながら話を終わりまで持っていったあたりはすごいと思うがに
そもそも何がgdgdなのよ

164:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:50:22 xOJD+Eke
僻みを上手く言葉に出来ない自分のことさ

165:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:50:34 Ol59iysS
最近っていうか今日あたりはやたら無意味に住人が辛口化してるなあ

166:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:52:46 hVZC7wl7
日本語がおかしいってことだろ?
いい加減に粘着うざいぞ

167:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:53:29 dCGHauS7
長かったらいけないのか?
それはともかくロボ氏GJ!!

168:名無しさん@ピンキー
07/02/19 18:00:57 hVZC7wl7
長くなると素人の場合は文章構成がメチャクチャになる
構成がメチャクチャになると話自体がおかしくなる

以上だ



169:名無しさん@ピンキー
07/02/19 18:06:32 cLLU0GOJ
>>108
NTRスレだったら神扱いされるんじゃね?

170:名無しさん@ピンキー
07/02/19 18:11:59 TVrVtBoC
>>169
お前は遠まわしに何を言おうとしてるんだ。

それに、直接の他の男との性描写がない。マジレスするとNTRとしては甘いだろう。
だから・・・、もう皆やめよ。荒れちゃうよ。ねっ。

171:名無しさん@ピンキー
07/02/19 18:20:58 7Z3xGvFa
アレでNTRって、どんだけ打たれ弱いんだよ。

172:名無しさん@ピンキー
07/02/19 18:31:12 TVrVtBoC
>>171
実際NTRってのは建前に過ぎないんだろうよ。
エロゲ板でも揉めたが、嫉妬ヒロインってのがポイントなんだよ。

173:名無しさん@ピンキー
07/02/19 18:46:44 uJnxQYCT
>>153
前衛芸術でも作るのかもしれんし、単に女の頭がおかしいのかもしれん。
机と缶が要らないなら運送手段を女が用意する条件でくれてやればいい。
キモイなら警察呼ぶのも自由。お前の言った通りママンに相談して済むレベル。
もっと修羅場になってから報告しろカス。
とりあえず携帯番号は押さえておいた方が警察に相談しやすかったと思うぞ。

174:名無しさん@ピンキー
07/02/19 19:04:44 zv5cp5ZR
罵倒するわりに細かくアドバイスをしてくれる>>173のツンデレっぷりに噴いたw

175:名無しさん@ピンキー
07/02/19 19:27:40 okk4vRba
ヒロインA…眼鏡をかけた陰気な女(美大生)
ヒロインB…男勝りなツンデレタイプ>>173

あら不思議、もうプロットの原型が

176:名無しさん@ピンキー
07/02/19 19:38:04 WBR9rinR
保管庫のSS更新まだかな

177:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:09:32 uIkz5Akb
柴遼の作品は、静香の遼君スキスキ光線が遼君に対して全然伝わってないんだよなぁ
だから、困る

178:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:11:04 AOomtV+n
阿修羅氏は功労者だし、良サイトなんだけど
こうも忙しいようだと、他にも並行で保管庫あるとありがたいなあ

179:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:19:46 obrk10it
>>174
投下よろ

180:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:19:48 GjBjvu2n
阿修羅氏は奥さんとこのスレで常に修羅場だからそう簡単に更新できるかと
黄金期の嫉妬スレを一つも取り残さずにまとめサイトで収録しているんだぞ
彼は神を超えた神なんだよ

181:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:21:59 de8GxbyZ
>>176
俺も保管庫の管理人やってるけど、つまらない作品ばかり投下されてもやる気がおこらないんだよ



182:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:26:12 gohozwdR
阿修羅氏の奥さんネタに限ったことじゃないけど、
おまいらの「誰か来た・・」とかのSS以外のネタは正直いらん。
レスが増えてて期待した分だけダメージが大きいンだよ。

183:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:27:13 xJSNmFds
>>178
じゃあ、お前がやってくれ。

184:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:30:14 iSPPuQQu
>>181
それでも保管してくれるキミはツンデレさん。

ホントこのスレはツンデレだらけだぜ!フゥハハハハァーハァー

185:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:33:55 dCGHauS7
おまいらそろそろ空気読もうぜ?神々の投下を大人しくまとうじゃないか。

186:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:34:47 JksodeSu
>>108
色々不評ももらってるみたいだけどがんばってな。
遼君の過去から含めたいじめられっこ体質にはwktkしている。

187:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:36:54 IgbsbmBt
>>185
オマエモナー


188:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:39:30 dSdBLwJm
>>108
初めての作品なんだから皆そこまで期待してないから心配せずに完結することだけを目指してガンガレ
勝負は2作目からだから1作目は十分捨てで池


189:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:43:56 GjBjvu2n
別に内容を濃くしたら長くなるのは仕方ないことかと
逆に長くして読みづらいという人間は普段から小説とか読んでないだけだろ

190:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:47:45 jOloN6Z7
>>189
いや監獄と青は最初と終盤辺りでは明らかにレベル落ちてるだろ
内容も濃いってほどのもんじゃないけど?
お前こそ2chのSSばっかでまともなプロの作品よんでないんジャマイカ


191:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:51:07 +85TVXmK
ロボ氏は長編向いてないと思うね
自転車倶楽部とか短編のほうが面白い



192:名無しさん@ピンキー
07/02/19 20:56:46 lmtCQnJs
>>178
>並行で保管庫

補完庫のトップにもリンク張ってあるスレタイ決めに使われたブログ
あそこが暫定補完庫みたいなのもやってますよ?

193:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:08:04 GjBjvu2n
>>190
文句ばかりだなオマエは氏んでいいよ
口だけなら誰でも言えるし。だったら、てめえが投稿しろよ

194:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:09:14 17Ckh98T
>>108
調教編はある程度で止めといた方がいい。山口、柴遼編がここで書く本質だろうから。
完結目指してガンバレ

195:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:27:15 y0nVvlxz
>>193
まともな反論が出来ないんだね、ロボイ言者は。

世の中評論家全てに同じことが言えるねwwww

196:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:30:09 d0HZVNt5
死ねとか氏んでいいよとかスレの雰囲気を悪くするレスをする香具師は半年ROMってろ




197:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:34:28 dCGHauS7
>>195
>>3

198:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:39:10 kyaW7JNq
>>197
あのテンプレは昔のままなんだよ
つうか前スレ,前々スレに目を通して来い


199:名無しさん@ピンキー
07/02/19 21:44:21 dCGHauS7
>>198
嫌いな作品はスルーしろは変わってないはずだが?

200:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:11:59 GjBjvu2n
>>195
また、日本語がおかしい荒らしかよ
いい加減に鬱陶しいので書き込みやめてくれませんか?
>>3

201:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:16:50 XJTTkvn1
もうロボ信者と荒らしはもうこのスレに来るのはやめてもらいたいね


202:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:22:15 GOwB/LLG
誰か、流れをぶったぎってくれ!

今なら乱入上等だぜ!

203:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:30:55 cdTgmRNh
NTRうんぬんよりも

他の男とやったくせにどの面下げて嫉妬してやがんだ糞女!と思ってるんじゃないだろうか。

204:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:39:11 GjBjvu2n
>>201
ID変えて自作自演うざいっ

205:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:39:43 TVrVtBoC
あと>>115のように、裏切るも何も自分が原因だろ!
ってのもあるんだろうな。もはやN(ryは建前。

206:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:43:39 /Xa21Bqe
主人公から見て、嬉しいことが何一つ無いのがネックだな。やや地獄静香編は。

207:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:44:34 Ci3eBZc0
スレがめっさ伸びてるから期待してたのにおまいらときたら……

208:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:48:33 iSPPuQQu
ある意味この流れもスレの名物になりつつある。

暇なときはキーボードの『Home』キーを押すんだ。
タイムスリップできるぜ。

209:名無しさん@ピンキー
07/02/19 22:52:40 iSPPuQQu
うわ。今気づいたけど俺のIDなんとなく面白い。

いsっぷっく

210:名無しさん@ピンキー
07/02/19 23:06:58 c4UIWQMS
ロボ信者でも荒しでもかまわないじゃないか。
大切なのは嫉妬キャラや修羅場を愛する心だろう?
俺は荒しの事もこのスレにおける嫉妬キャラだと思っているから。
だから、皆でおとなしくss投下を待とう。

211:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:08:45 qfatviFI
では投下します。

212:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:09:36 qfatviFI
不吉な予感に引きずられて伊星先輩の家に着いた時には、既に何もかもが終わっていました。
切断された扉からこぼれている血の匂い。室内の明かりがはっきりと、倒れ伏している御三方を私に見せて
くれました。
その内の女性二人、新城先輩と木場先輩は、事切れていました……。
木場先輩の胸を貫通している日本刀、床に散らばっているダーツ。
何が起きたのかは、概ね想像できました。
二人の争いは殺し合い、という形で終結したのです……。

後日、その事件は新聞の一片に載りました。本物の新聞沙汰になり、私が記事を書くどころではありません
でした。
一人気を失っていただけの伊星先輩は、現場からすぐに警察署に引っ張られて、もう何日も姿を見せません

もちろん、学校やその周辺では大騒ぎです。

冬休みが終わってからも校門前で新聞記者が、出入りする生徒を捕まえては、何だかんだと
質問責めにする、という光景が繰り広げられました。
ワイドショーによくある、被害者はどういう人だったのか、と云うやつですね。
私は答えるのが嫌なので、集団に紛れてこっそりと、目立たぬようにして回避しました。
記者に根掘り葉掘り尋ねられることがいかに不快か、この立場に来て強く感じます。

卑怯ですね。

しかし、あまり心苦しい、等とは思わない自分がいます。
二人の相打ち、共倒れは、私の理想とするところではありませんか。
伊星先輩に固執する二人が一気に消えたことにより、私の狙いはずっと外れにくくなったのです。

理解を得るためのテクニックとして、感情の共有、というものがあります。

強いショックを受け、苦しんでいる人には、同じように苦しんでいる人に気持ちが解りやすいのです。
今回は全て同じではありませんが、親しい人を失って辛い伊星先輩と、己を偽って生活している私の心に共

通点を見出し、繋ぎ合わせることによって深い理解が得られるようになるはずです。
そしてそれは、伊星先輩の立ち直りを早める効果も期待できるでしょう。
先輩が学校に復帰したときには、私がすぐに秘密を打ち明ければいいのです。

互いの利に沿った、最良の展開ですね。
頭痛を引き起こすノイズは無視です。無視。



213:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:10:37 qfatviFI
事件の日から二ヶ月あまり。
ついに伊星先輩が、学校に復帰したとの情報を得ました。
早速、休み時間に直撃しようとした……のですが、やはりと言うべきか、教室内は気まずい空気が漂ってお
り、私がずけずけと入っていける気がしませんでした。
かつて新城先輩と木場先輩が下駄箱前で対峙していた時とは、質が違います。
一触即発という感じではなく、むしろエネルギーが根こそぎ吸い取られているかのようでした。
二つの机にそれぞれ置かれた花瓶、それによるものだったのでしょうか。

仕方なく放課後に出直したら、肝心の伊星先輩は教室から姿を消していました。
もう返ったのかと思いつつ捜して回ったら、意外な所で見つけました。

―剣道場。

そこで伊星先輩は、女子剣道部部長と向き合っていたのです。
何事かと入って尋ねようとしたら、部員に竹刀で叩き出されてしまいました。
うう……先輩は中に入れるのに、私は追い払うなど不公平です。
それから部活終了まで、先輩は出て来ませんでした。
夜になり、部長たちと一緒に出てきたところで、ようやく私は先輩を捕まえるのに成功しました。

「お久しぶりです、先輩」
「屋聞か。何をしにきた?」

あまり重さを思わせない声でした。しかし何をしに来たとは、何かしに来ると想定していたのですか。
まあいいでしょう。

「復帰との事らしいので、顔を見に。ついでに少し話したいことがあるのですが」
「お前に見せるほどの顔ではないよ」

なぜか先輩は苦笑しました。
……はて、今何か、違和感が……。

「伊星、別件か?」
「そのようです」

一度先輩は剣道部部長と目を合わせて、また私のほうに向き直りました。
「部長さんはお先にどうぞ」
「わかった。お前も……しっかりな」

剣道部部長は先に帰るようです。残ったのは私と伊星先輩の二人。

「話したいことって、取材だろ?」
「違います」

これは本当に、新聞部とは全く無関係です。そんなものより持った大事な、未来が掛かった話……などと言
って引かれては困りますから、少しずつ。
「場所を変えてもいいですか?」

214:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:11:19 qfatviFI
無人の教室に移動して、私と先輩は適当な席に座りました。
電灯はつけません。時間的に、全生徒は下校していることになってますから。
「話が見えないな」
「まだ何も話していないから当たり前です」
事件があっても、その不可解な部分は変わりないようです。

では、始動します。
「直球で言います。私、女なんです」
「……」
先輩のリアクションはありません。
続けて、私は男の振りをしている理由、過去についてざっとシンプルに説明しました。
「……」
先輩は口を閉ざしたままです。
「女である証拠、見せましょうか?」
「それはいい」
否定的なニュアンスで即答でした。こういう時だけ早いですね。

「……」
「……」

さすがにこっちも深い事情を持ち出しているので、うまく口が回りません。
というか、そんなほぼ無反応では、私が間抜けではないですか。

「……何故、俺にそんな話を?」
「それは……」
馬鹿正直に理由は言えません。ここからが勝負です。

うつむいてから上目遣いで先輩を捉えます。
「先輩に、何か慰めになればと思って……」
本来、私が女である事と先輩への慰めは、何の脈絡もないのですが、繋ぐポイントがあります。
席を立ち、先輩の前で私は服に手をかけます。これで気付くでしょう。“女”“慰め”“服を脱ぐ”、この
三つから生み出されることは……。

「やめろ」

よく通った声が教室内に響きました。
私は服を直して座ります。実は、これで上手くいったと言えるのです。
ほんのわずかな時間の出来事ですが、それによって流れは急に変えられました。
親しい人を失った先輩への新たなショックを与えて強引に苦しみをやわらげ、且つ私が女だという意識を持
たせる。だからここは、誘いを蹴るほうが正解なんです。

まあ先輩はすぐ女に手を出すような人ではないですから、始めから私の計算通り。
足掛かりの場、獲得です。


215:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:12:09 qfatviFI
「剣道部で、何をしていたんですか?」
「……マネージャー登録をしてきた」
一度悪くなった空気を時間を待って立て直し、話の再開です。
「男子剣道部ではなく、ですか」
「明日香がやってた剣道……」
先輩は言葉に詰まった、のでしょうか。少し溜めか何かの後、言葉が続きます。
「……を、支えたくなった。支えなくてはいけないと言うか……」

……ふむ。
伊星先輩にとって、新城先輩の剣道とはどういうものなのか、気になります。
聞きたいですが、あまり深入りしては危険な予感がします。
私の目的の初期段階も達成されましたし、控えたほうがいいですね。
「そう思うなら、そうするしか無いですね」
何かしなければならない、と思っている限りは、必ず何かしらの目的を探し続けますから、即ちそれが落ち

込んだ状態からの回復とも取れるでしょう。
先輩の精神が立ち直ったようで、安心しました。



安心、してしまいました。



「女なのに、男としてやっていくとなると……」
教室を後にした校門までの道、珍しく先輩から話し掛けてきました。

「体育はどうしてるんだ?」
「見られないように、こっそり着替えてるんですよ」
「プールは?」
「見学です」
「……別にそのままでいってもバレないと思うが」
「それはどういう意味ですか」
「こういう意味だ」

先輩はペンを持ち、その先で私の胸を突きました。
「っ……」
確かに私は、あの先輩方のように女性としての体躯に全く恵まれていません。
だからこそ、男の振りをしていけるのですが……。
帰り際に少し嫌な話題ですねぇ。
「別にいいではないですか。人それぞれですよ」
「そうだな」
先輩に胸を触られたのは二度目です。ペンだからといって、ノーカウントには出来ません。
後でまた、何か責任を請求しておきましょう。

216:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:13:02 qfatviFI
「では先輩、また……。あまり気を落としませぬよう」
問題ないとは思いますが、精神的な慰めというのは一応。
「部長さんも似たようなことを言っていたな」
……部長さんだって、新城先輩と言う部員を失って、辛いでしょうに。
「俺は大丈夫だから、そっちもあまり気にするな」
「わかりました」

私は先輩に背を向けて、自転車を飛ばしました。





そして翌朝。























先輩は、自ら命を絶ちました。

217:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:13:49 qfatviFI

情報に寄れば、先輩が自分の部屋で死んでいるのを母親が発見したそうです。
その死に様は、体を何箇所もためらいもなく包丁で刺し、左右の首の血管を切り、部屋を血の海にしていた
との事。
他殺ではないかというくらい、自分でするには残酷すぎると言った人もいるとか。
遺書は無かったそうです。

クリスマスイブの事件が落ち着き始めた頃にこれですから、再び周辺は騒がしくなりました。
通夜には私も行きました。
新城先輩と木場先輩のときと比べて、人は少なめです。主に集まったのは、今の同級生と、かつての旧友で
しょう。

しかし。

何ですか。目の前に広がるのは、旧友と再会して喋りあう、和気藹々とした光景。
まるで同窓会です。
あちこちで話し声と、笑い声が上がっています。
……今まで生きていた中で、これほど人を殺してやりたいと思った時はありません。
「生きてても死んでてもウザいなあいつ」
今の言葉は、聞かなかった事にしてあげましょう。

そんな中、剣道部部長のあの人は、目から一筋だけ涙を流しながら焼香をしていました。
私は後に続きます。
焼香のとき、ふと見た先輩の遺影が、酷くぼやけていました。

駄目ではないですか。私も部活柄……写真には……うるさい、もので……。

「……っ」

218:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:14:26 qfatviFI
ぼやけているのは遺影だけでなく、周りの物、人、全てでした。

「っ、うぅ……」

ああ、

ああ――。

あの振る舞いは、全て偽りだったというのですか!?

剣道を支えなければならないという思いは、嘘だったのですか!?

大丈夫だと口で言いながら、奥底では死ぬことしか考えていなかったのですか!?

……死にたいならせめて、それを言ってもらえれば、何が何でも止めたのに……。


―後の調べでわかったことですが、先輩の家庭環境は悲惨なもので、あの事件以来、母親からはいらない
息子だ疫病神だと、毎日のように罵られていたそうです。
また、中学では虐めを受けており、それを助け、支えとなっていたのが新城先輩でした。
それならば。
争いを煽って、間接的に二人を消した私は――!

通夜から帰った私は、まとわりついてくる妹を払って部屋に入り、机から万年筆を取り出しました。
家で新聞や原稿を書くときには、いつも使っているものです。
「……、!!」
意外にも簡単に、手で万年筆はへし折れました。
それは屑籠に放り投げ、ベッドに横になります。

……いくら嘆いたところで、死んだ人は帰ってきません。
それに私は、元々利用するのが目的だったではないですか。
利用しようと思ったけど、死なれておじゃんになった……それだけです。

それだけ……。

もし、利用するだけでなかったら……。

伊星先輩も、救われることがあったのでしょうか……?


(無残)

219:リボンの剣士 最終話B ◆YH6IINt2zM
07/02/19 23:15:10 qfatviFI
何エンドかは説明不要かと。

220:名無しさん@ピンキー
07/02/19 23:18:13 JksodeSu
どっちも明日香エンドか…明日香つよすぐる。

221:名無しさん@ピンキー
07/02/19 23:19:29 Acfc3Wd8
GJ!
でもカワイソス。・゚・(ノД`)・゚・。

222: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:37:39 jiOLLU43
>>64のつづき
投下いきます。

223:名無しさん@ピンキー
07/02/19 23:43:13 9oxzh5iT
>>219

il||li orz il||li

224: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:43:40 jiOLLU43
「……な、何で?」

霞が走り去ってから少しして、僕は一人呟いた。
デレデレはしてない……つもりだけど、もしデレデレしてたからって、何であんなに怒ったの?
うーん……わ、わからない。
でも、霞泣いてたような……。
よくわかんないけど、泣かせてしまったのだから僕が間違いなく悪いのだろう。

「あとで謝るか……」

一人立ち尽くしたまま、結論をだした。



「ただいま~」
「お帰りなさいなーくん!!!」

玄関の扉を開けるなり、速攻で僕に抱きついてきたのは姉さんだ。
姉さん──神谷 奈々は正真正銘僕の姉だ。
僕より1歳年上で、現在高校三年生。ちなみに僕と同じ学校だ。
僕と姉さんはよく似ていないと言われる。
姉さんは美人、僕は凡人だからだ。
なのに、今までのやり取りで分かるとおり、姉さんは弟思い、と言うかブラコン気味だ。
学校では生徒会長で弓道部で全国優勝で模試とかもトップクラスの文武両道な姉だ。
だけど、大学へは行かないらしい。姉さんが言うには、準備期間がほしいんだそうだ。
海外の大学でも狙っているのだろうか?
だとしたら、すこし寂しく感じる。

225: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:45:24 jiOLLU43

「くんくん……あれ?何か変な匂いするよ?なぁくん?」
「え?どんな匂い?」

姉さんが突然、胸の辺りに顔を押し付けるようにして匂いを嗅ぎだした。
自分でも嗅いでみたけど、別に変な匂いはしなかった。
ただ少しカカオの香りがするだけだ。

「……チョコ」
「……は?」
「チョコの匂いがする!!!」
「あ、あぁ、さっきお向かいのお姉さん達からもらったんだ」
「……出して」

いきなり声を低くして言う姉さん。

「な、何で?」
「いいからっ!!!
出して!!!」

姉さんの迫力に負けて、チョコをしまっていたカバンを差し出す。
姉さんはなんの感情も映さない瞳でそれを一瞥して、それを掴んで台所の方へむかった。
呆然と姉さんを見送る僕。

「ちょっと!どうしたの姉さん!」

遅れて、台所まで姉さんを追いかける。
が、姉さんは既にチョコを持っていなかった。

「ね、姉さんチョコは?」
「しまっちゃった」
「どうして?」
「だって、なぁくん持ってたら、一遍に食べちゃって鼻血出しちゃうかも知れないでしょ?」
「そ、そうだけど……」

226: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:47:55 jiOLLU43
なぜかちょっと感情的になってるみたいだけど、
姉さんにそこまで言われちゃったら、ご飯を作って貰ってる僕は反論できない。

「わ、わかった……」
「でも、どうしても食べたくなったらお姉ちゃんに言ってね?」
「う、うん、わかったよ姉さん」

まぁ、そこまでチョコが食べたい訳じゃないけど……。
お姉さん達のチョコ、期待してたのになぁ……。

とぼとぼと歩きながら自室へと向かう。
後ろのゴミ箱にチョコが捨てられている事に気づかずに。



「なぁくん!ご飯出来たよ!」
「今行くー!」

階下から姉さんの声がした。
急いで下へ向かう。

「今日も美味そうだね!姉さん!」
「今日はちょっと頑張っちゃった!」

テヘッ☆なんて続きそうな感じで言う姉さん。
実の姉さんなのに、可愛いなぁ、なんて思ってしまう。

「今日はちょっと高い挽き肉で煮込みハンバーグにしてみたんだけど……どう?」
「おいひぃよねぇさん」
「えへへ……ありがと」

僕が一口目を口に入れたところで姉さんが尋ねてきた。
口の中に食べ物が入っている状態で答えるのは行儀悪いが、答えた。
照れくさそうに笑う姉さん。

227: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:49:42 jiOLLU43
端から見れば、これは幸せな家庭そのもの。
──両親が居ないことを除けば。

父さんと母さんが死んだのは三年前。
何の前触れもなく、結婚記念日に旅行へ行くといって、そのまま帰ってこなかった。
死因は単純に交通事故だった。
二人が乗っていた車に、対向車線から走ってきたトラックが正面衝突した。
僕たちの両親に、トラックの運転手も即死。
僕らに残されたのは、この家と沢山の遺産だった。

あの時の事は今でも忘れられない。
死体の状態が酷いので、誰の目にも触れる事なく火葬された両親。
葬式では遺骨を手に、弔問客に頭を下げ続けた。
姉さんはただ泣くばかりの僕の代わりに喪主を務めてくれた。
葬式の間中、泣き続ける僕の傍にいて、「大丈夫だよ、お姉ちゃんがずっと傍に居るからね?」と言って僕を慰めてくれた。
たぶん、姉さんのこの言葉を僕は一生わすれないだろう。

お葬式の事で、姉さんが親戚の人達から信頼されているおかげで、僕らはこの家に住んでいられるんだ。
姉さんには感謝しても感謝しきれない。

228: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:50:51 jiOLLU43
「姉さん、……ありがとう」
「なになぁくん?いきなりありがとうだなんて」
「いや……、お礼が言いたくなったのさ」
「フフッ、変ななぁくん」

二人しておかしくなって、二人で笑った。
姉さんとこーやって過ごすの、好きだな……。
煮込みハンバーグを再び口に運びながら、ぼんやりそんな事を考えた。






食事の後、お風呂に入って、部屋に戻ってきた。
時計を見ると、もう12時を回っていた。
そろそろ霞に謝りに行くかな……。
そう考え、僕は窓に近づいた。
窓を開けると、すぐ向かいが霞の部屋だ。
窓を開けて呼び掛ける。

「おーい、霞ぃ~!」

反応なし。

「霞ぃ~、入るぞ~」

反応なし、強制突入する。

手を伸ばし、霞の部屋の窓を開ける。
窓の桟の上に乗り、飛び移る。

「ほっ!」
……侵入完了。

ちょっとしたスパイ気分になりながら、霞の部屋に入る。

「霞ぃ~」

霞の部屋の中は真っ暗で、周りが見えなかった。
霞に小さな声で呼びかける……が返事はない。
とりあえず、机を探し出し、備え付けのライトを点ける。
ぼんやりと照らし出される霞の部屋。
所々に人形が飾ってあったりする、普通の女の子の部屋だ。

229: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:52:46 jiOLLU43
ふと机の上を見ると、何やら綺麗にラッピングされた赤色の箱が……。
なんだこれ?

「ん…なお…?」

いきなり後ろから霞の呼び声がして、驚きつつ振り返った。
霞はまだ寝ぼけているようで、僕を見る目の焦点が定まってなかった。

「か、霞……?」
「あのねぇ、そのチョコねぇ……」
「なおにあげるのぉ……」
「それでね、なおにあやまるのぉ……zzz……」

話の途中でふにゃふにゃと枕に突っ伏す霞。
やっぱり寝ぼけてたみたいだ。
ありがとう霞。と心の中で呟く。
やっぱり霞は優しいなぁ。
ま、霞を起こすのも酷だから、仲直りは明日にするか。
そう決めて、霞に布団を掛け直してあげて、部屋を出た。



明日、霞から手渡されるであろうあの箱に期待を寄せながら、自室に入る。

「……なぁくん」
「うぉ!!!……って姉さんか……
どうしたの?こんな夜遅くに」

部屋のベッドの上の方からいきなり声を掛けられた。
目を凝らすと、姉さんらしき人影がベッドの上にいた。

「それはコッチの台詞よ?なぁくん?
……霞ちゃんの部屋で何してたの……?」

声を低くしてそう言い放つ姉さんからは、何故か怒りのオーラが漂ってきた。

230: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:55:57 jiOLLU43
お、恐ろしい……!!!
僕は姉さんがこれほど怒っているのは一度しか見たことがない。

「ひ、昼間に泣かせちゃって、謝りにいったんだけど……
ね、寝てたよ……はは、ハハハハ……」

姉さんの余りの恐ろしさ乾いた笑いを漏らす僕。
しかし、なおも姉さんのオーラは健在だ。

「本当に……?」
「ほ、本当だよ?」

僕がそう言ったら、姉さんの怒りのオーラは雲散霧消した。
かわりに、僕に媚びるような柔らかく、甘い声で話しはじめた。

「ならいいの……」
「な、なんだか良く分かんないけど、ごめんね?姉さん」
「違うの!
なぁくんは謝らなくていいのよ?
お、お姉ちゃんが悪いの……
う、疑ってごめんね?
お姉ちゃん、疑い深くって……グスッ」
「な、泣かないで姉さん」
「だって、だってお姉ちゃん、なぁくんに嫌われちゃう……ヒック…」

あぁ、姉さんまで泣かせてしまった……。
僕は女の人を泣かせてしまう呪いでもかけられてるんじゃなかろうか。
それは兎も角、姉さんを泣き止めさせないと。
こーゆう時はたしか…

「姉さん、僕はこんな事じゃ姉さんの事、嫌いになんかならないよ?」

と言って抱きしめ、頭を撫でてあげる。

231: ◆9tOKtjrIAs
07/02/19 23:58:29 jiOLLU43
依然も似たような慰め方をしたが、効果は抜群だった。
姉さんの機嫌は瞬時に良くなり、翌日から夕食はご馳走が続いた。
要はそれ位機嫌が 良くなると言うこと。
僕の期待どうりに、途端に姉さんのしゃくりあげる声は聞こえなくなり、顔を見なくても分かるくらい喜んでいるのが感じられる。
姉さんがもし猫だったら、ゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らしているだろう。

「あのね、なぁくん、お願いがあるの……」
「なに?姉さん? 僕に出来ることなら何でも……」

姉さんからお願い?
も、もしかして……

「あのね、一緒に……寝ていい?」

ぐはぁ!!!
姉さんがたまに頼んでくるこの『添い寝』は僕にとっては地獄だ。
姉さんのメリハリのある肢体が僕に引っ付いてくるのだ。
いくら実の姉と言えども、そんな事をされては息子がハッスルしてしまう。
寝ている間、姉さんが離してくれないので、処理しようにも処理できずに、一晩中悶々とさせられるハメになるのだ。
だからいつもは断っていたのだけど……。何でもやる、と言ってしまった手前、断る事は出来ない。
仕方ない…今日は完徹だな……。

「わ、わかった」

そうして僕は一晩中、性欲と言う名の化け物と戦うハメになったのだ。


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