【友達≦】幼馴染み萌えスレ11章【<恋人】at EROPARO【友達≦】幼馴染み萌えスレ11章【<恋人】 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト412:名無しさん@ピンキー 07/05/15 01:34:26 +3jjyJGu 弓を構え、引き……そして放つ。 ひゅんっ、と風切り音が鳴り……狙い過たず、的の中央に矢は突き刺さった。 それを見て美沙姫は一つ息を吐き、的の上方、空を見上げた。 今は放課後。彼女は所属している弓道部の練習に精を出していた。 彼女の家はいわゆる旧家であり、更に日本でも有数の財閥を形成していた。 その一人娘であった彼女は、様々な教育を受けた。礼儀作法、活け花や茶道などの教養、そして、弓道や長刀、合気道などの武術、護身術 などである。 その中でも彼女が特に好きだったのが弓道であった。実は彼女の想い人は合気道の天賦の才を持っており、彼女もその傍にいたいがために 練習に打ち込んだ時期もあったのだが、残念ながら彼女には合気道の才能は無かった。 そこで彼女は方向を転換した。向いてないものをやるよりは、得意なものに打ち込んで、それで輝いてやろう。そして、彼と並んでも恥ず かしくない自分になってやろうと決意したのだ。 その甲斐あってか、彼女の腕前はめきめきと上達し、高校二年となった今ではインターハイの優勝候補の筆頭である。 その腕前と性格が買われ、部でも副部長を務める彼女は傍から見ると充実した生活を送っているように見えるが、しかし今の彼女は少し 落ち込んでいた。 何故ならば、数日前に彼に出した手紙の返事が来ないからである。 彼女は想い人に、いつも手紙を書いていた。頻度は月に一、二回というところだ。 もちろん彼女は想い人の家の電話の番号や、携帯電話の番号やアドレスも知っている。 しかし、それでも彼女はいつも手紙を書いた。自分の手で書いた方が、想いがより伝わると信じているからだ。 そして彼女が手紙を出すと、数日後には彼からの返事の手紙が送られてくる。 彼女はそれが楽しみであった。彼の手紙はいつも面白く、そして暖かい。読んでいるだけで彼女は幸せな気持ちになり、そして安心する。 それが今回に限っては来ない。もう一週間にもなる。彼女は溜息をつきながらタオルで汗を拭う。 彼女の心に黒い雲が広がっていく。彼は……もう自分と手紙のやりとりをするのが嫌になってしまったのではないだろうか。 彼は幼い頃に両親を亡くし、一人暮らしをしている。その生活が大変なのは、容易に想像出来る。手紙を書くのも、きっと楽ではないだろう。 もちろん彼が、忙しいからといって返事を書かないような、そんな人間ではないことは分かっている。 自分もそれが分かっているし、信じているから催促など決してしない。それでもやはり、不安に思ってしまう。 部活を終え、帰宅した彼女は、ベッドにごろんと横になった。そのまま天井を見上げながら物思いに耽る。 彼との初めての出会い。それは幼稚園に上がる前ほどに遡る。 彼の祖父と美沙姫の祖父は親友同士であり、自分達の子供を結婚させようと約束をしていたのだ。 だが、お互いに息子しか生まれなかったため、今度は孫を結婚させようという話になったらしい。 そして今度は男と女に分かれたため、その約束を果たそうと孫同士を引き合わせたのが初めての出会いであった。 「許婚」の意味を幼いながらもある程度理解していた美沙姫は、興味半分、怖さ半分であった。自分が添うことになる人がどんな人なのか。 当然と言えば当然である。 そして彼の家で二人は初めて顔をあわせた。その時の彼女の記憶は流石に曖昧だが、しかしはっきり覚えている事がある。 彼の漆黒の瞳がきらきらと輝いていた事。そして自分が……その瞳に一瞬で引き込まれた事。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch