07/06/30 23:40:55 9XwSQ+4h
伊波さんがゆっくりとこちらに顔を向ける。
その表情は怒っているわけでも、混乱しているわけでもなさそうだった。
ゆっくりとこちらに顔を近づけてくる伊波さん。
さて、俺はこれからどうなるのだろうか……。
出来れば知りたくはないが、誰か教えてくれ。
伊波さん両腕が俺の首に伸びてきたところで、
俺は恐怖から目を瞑ってしまった。
唇に何か柔らかいものが触れた。
驚いて目を開けると目を瞑った伊波さんの顔が目の前にあった。
坂から転がり落ちた時よりももっと近い距離。
立場が完全に逆転してしまった。
今度は俺が固まってしまったのだ。
ゆっくりと伊波さんの顔が離れていく。
「仕返し、です」
耳まで真っ赤になった顔で伊波さんが言う。
普段なら絶対に思わない様なことを、なぜか思っていた。
伊波さんが可愛い。
そんなことを考えながら呆然といている俺に向かって
「私、小鳥遊君のことが……好き、です」
最後の方はかなり小さな声だったが、それでも俺の耳には届いていた。
もう完全に駄目だ。何も考えらない。
気がついたら伊波さんを抱きしめていた。
さて、この後どうしたらいいんだ俺は……。