07/05/02 05:34:48 1VIN9XJE
青空の下、放課後の学校の屋上から、細い煙が上がる。
けだるそうに煙草を吹かしながら、派手な風体の女子高生・近藤妃が
その姿にそぐわない難しい専門書を読んでいた。
学校は好きではないが、屋上だけは彼女のお気に入りである。
校内にいても教師がうるさいし、家に帰っても母親が何かとうるさい。
が、屋上は人も滅多に訪れず、天気がよければ読書には絶好の場所だ。
― たった一つだけの短所を除けば。
「近藤さん、煙草吸っちゃだめー」
背後から手が伸び、煙草の火を消した。
「あつ…!」
男子生徒が火傷した手をおさえる。
屋上生活のたった一つだけの短所、風紀委員の相馬博臣だ。
「………」
妃があからさまに嫌そうな顔をした。