ほのぼの純愛 9スレ目at EROPARO
ほのぼの純愛 9スレ目 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:20:36 RVUs6Wmc
7スレ目
スレリンク(news4vip板)

6スレ目
スレリンク(news4vip板)

5スレ目
スレリンク(news4vip板)

4スレ目
スレリンク(news4vip板)

3スレ目
スレリンク(news4vip板)

2スレ目
スレリンク(news4vip板)

1スレ目
スレリンク(news4vip板)

3:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:27:10 vIgyVfsQ
>>1
乙!

4:重複につき誘導
07/02/13 22:28:38 4Brcpwvy
純愛SS『其の3』
スレリンク(eroparo板)

エロパロ板では”純愛”スレは間に合ってます。
vipにお帰り下さい。


5:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:33:24 h+kv92f+
いや、名前は純愛だが全然違う

6:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:35:44 RVUs6Wmc
>>4
テンプレくらい読もうね

7:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:40:03 YZefp9a/
>>4
ただの純愛には興味ありません。
この中に純愛、修羅場、ヤンデレがいたらこのスレに来なさい。以上

8:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:43:21 vIgyVfsQ
>>7
ぶっ(ry AA

9:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:47:30 RVUs6Wmc
次からテンプレに

当スレはストーカー・狂気系の一方的純愛スレです。
純愛スレ、修羅場スレとは別物です。
ヤンデレ系ではありますが、ヤンデレスレとは路線が違います。

って付け足しとく必要あるか?

10:名無しさん@ピンキー
07/02/13 22:52:59 DR76+xrG
261 :愛のVIP戦士:2007/02/13(火) 22:43:18.81 ID:MhBQ9Klk0
ストーカー女が主人公の為に精一杯頑張る、明るくほのぼのしたハードフルコメディです。
で、おk

まぁ、こんな感じで

11:名無しさん@ピンキー
07/02/13 23:07:49 70iuBJIz
>>8
厨房はVIPに帰れよ

12:名無しさん@ピンキー
07/02/13 23:22:24 KTZdSq46
今までずっとVIPでやってなかった?
今度からここでやることになったの?

13:名無しさん@ピンキー
07/02/13 23:39:03 nic+nsFu
結論からいけば、問題なし

14:名無しさん@ピンキー
07/02/13 23:41:17 70iuBJIz
単発がここにくるように自演して誘導したとしか思えないんだが
発端は

36 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/11(日) 03:31:37.86 ID:ndvsp0iL0
そろそろエロパロ板に立てたらどうよ、このスレは
37 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/11(日) 03:37:32.29 ID:R9xKVqavO
>>36
エロパロに立ってないとでも思ってるのか?

だし

15:名無しさん@ピンキー
07/02/13 23:46:41 RVUs6Wmc
>>14
俺的には保守ばかりになってたからそれでもエロパロ移行でいいと思ったんだが…
とりあえずエロパロではsage進行でいかないか?

16:名無しさん@ピンキー
07/02/14 00:31:27 Duic+OZZ
まぁ、マターリ待ちましょ。折角移行したのだから。

17: ◆dT9QubCceU
07/02/14 01:32:05 4IFu4Fq+
>>1だが、スレ立ててから投函がないので自らカキコするか……

18: ◆dT9QubCceU
07/02/14 01:34:59 4IFu4Fq+
今日は2/14(水)だ。
vipでは2/15(水)と表示されているが間違えなく2/14(水)だ。
そしてバレンタインだ。

バレンタインデー……… 毎年この日が近づくと鬱になる。
きっとわかっていても僅かばかり期待を持ってしまうせいだ…。
そして、その期待は今までことごとく破られてきた。
そう、年齢と同じ数だけ……。

しかし、今年は一味違う!
なぜなら、女さんがいるからだ。
彼女からは絶対に貰える筈だ。………別の意味でも一味違うかもしれないが…。

とにかく、今日、この日に”チョコレート”という名のお菓子を貰い脱0個を達成するわけだ。
例え異物が混入されていようとチョコはチョコだ。
これで幼や友を少しは見返せる。

思えば、去年の春から今日まで辛い事がたくさんあった。
いや、むしろ辛い事がばかりだった。…と言い換えてもいい………。
大抵が女さん絡みで………。

それも今日、チョコを貰うためだったと思えば、少しは報われ……る…?

まあいい、取り敢えず女さんに起こされる前に起きて、学校に行くか……。

19: ◆dT9QubCceU
07/02/14 02:29:07 4IFu4Fq+
続き


…………おかしい…。 いつもの女さんなら、もう既にチョコを渡しているはず…。
誕生日の時など、きっかり0:00に人の部屋へ勝手に押入ってまでしてプレゼントを渡しにきた。
女さんに限って放課後まで待つ… なんてことは絶対にありえないはずなんだ。

しかし、チョコレートを未だ貰えてはいない。
そもそも今朝、女さんが俺を起こしにこなかったことからしておかしいのだ。
そんなことはこの1年間に1度たりともなかった。

どんなに起きる時間を早くしようとも必ず時間を合わせてくる。 ………まるで24時間監視されているかのように…。
だから時間を変えるのは止めたんだ。
ただ、起きるまでの間、何をされるかわからないので、女さんが起こしにくるより早く目覚めることだけを徹底させた。

今朝は確かにいつもより少しばかり早くに目が覚めた…。
女さんが起こしに来なかったことも、しばらくずっと時間を変えたりしなかったからだ… と、そう思い込んでいた。

…が、今までの女さんの行動を考えれば、久々に時間を変えたからといって遅れをとることはない。 絶対に……。
必ず彼女のほうが1枚も2枚もうわてなのだ。
だからこそ、この1年間、悪夢を見続けてきた… とも言える。

そう考えるとますます違和感を覚える。
自分に対しての執着心がなくなったとも思えない。
昨夜遅く帰るまでは、いつも通り普通だったからだ。
……いや、この場合、いつも通り異常だった… と言うべきか…。

自分に対して興味がなくなったのであればそれはそれで構わない。
明日からは安心して眠り、そして平穏な生活を送るだけだ。

…が、それは何も今日、バレンタインデーじゃなくてもいいのではないか?
この1年間、ずっと頑張り続けていたのに……。

男(まあ、女さんに限ってそれは考えるだけ無駄なことか……。)

しかし、女さんが何かを企んでいる事だけは確かだろう。

男(……女さん、何を考えている?)

20: ◆dT9QubCceU
07/02/14 02:31:08 4IFu4Fq+
エロパロ移転記念ということでエロパロ風の長文な出だしにしてみました

21:名無しさん@ピンキー
07/02/14 03:06:06 vrwWqwVR
>>1
期待しながら待ってるよ

22:聖バレンタイン編Aルート ◆dT9QubCceU
07/02/14 04:29:45 4IFu4Fq+
続き


結局、放課後になった今、未だチョコを貰えていない。
それどころか、今日1日、朝、「おはよう。」と挨拶を交わしたきり、女さんと1言も話をしてはいない。
授業中、ずっと見つめられ続けることもなかった。
昼食時、お手製のトクセイ弁当もなく、久しぶりに購買を利用することになった。

…………寂しい…。
ふいにそんな言葉が頭をよぎる。
たった1日女さんに付き纏われないだけで………。

ブンブン …と頭を振る。
そもそも今、”寂しい”なんて感じているのは全て女さんの責なのだ。

女さんが付き纏うようになってから、1人、2人と身の周りの人が不自然な事故に遭うようになった。
それと同時に”それは女さんがやったことだ”という噂が広がり、”男に関わると殺される”という噂まで広がった。
その結果、周りからどんどん人が離れていったのだ。

男 (実際、今、俺の傍にいることができる人間は幼と友の2人、そして俺の両親だけか…。)

この4人は逆に近しい位置にいる責か、未だ直接的な被害が及んではいない。
そのかわり、事故に遭いかけたことは誰よりも多かった。

そして、直感が訴えてきた。
”これは女さんからの警告なのだ”、”その4人は人質にすぎないのだ。” …と。

………怖かった…。 4人の内1人も危害が加えられていないことが…。
4人も人質がいることは、逆に考えれば、1人でも無事ならあとは何でもできる …ということだ。

女さんは頭がいい。
実際、今までに彼女が起こしたと思われる事件はいくつかの不自然な点を残しながらも全てただの事故と処理されている。
むろん、彼女がやったという証拠どころか、彼女が少しでも関わったという証拠すら全く出なかった。

彼女に直接問い質したところで「2人の愛を邪魔するから罰が当たったんですよ。」と誤魔化すだろう。
だから、未だ聞くことはできない。
その誤魔化しこそ、人質をとったテロリストの要求のようなものだからだ。
もちろん、その要求を聞かなかったからところで、要求に応えなければならないが…。

彼女のやったことで立証できることは尾行行為と不法侵入くらいだろう。
それも今では同意の上での行為とされ、こちらもそれに従うしかない状況だ。

いつしか、”周りから人が離れていってくれたのは、むしろよかったのかもしれない”、”人質にされるよりは全然いい”と思えるようになった。

男 (ずいぶんと女さんに毒されたものだ…。)

不意に苦笑がもれる。
”寂しい”などと思うのもきっと似たようなものなのだから…。

23: ◆dT9QubCceU
07/02/14 04:44:36 4IFu4Fq+
スマン
なんか眠いから寝るわ
まだ男しかでてきてなくて悪いが続きは明日で

24:名無しさん@ピンキー
07/02/14 14:35:20 QDG8qIz0
怪我

それはホンの少しの気の緩みだった…。
まさかあんなことになるなんて…。

男「だーかーらー、メールとか電話とか止めろってば」
女「二人の愛を確かめ合う大切な行事じゃないですか…って男君!前っ―」
男「ん?前がなn…―」

どん

僕は女子生徒とぶつかったらしい。

―それだけなら良かったんだけど。
――階段から落ちるってのは……ねぇ。
僕は背中からゆっくりと自由落下し続ける。そんな中で僕は落ちても、

―少し痛いくらいで大したこと無いんじゃないか?
そう考えていた。でも現実は結構残酷なんだよね…。

ばずん

一瞬にして肺から空気が押し出されるのが分かる。
男「っつ…!」

しん、としていた空気に色が溢れてくる。
「…く―お―ん!男―んっ!!」

顔面蒼白ってこういうこというんだなぁって顔で女が僕の名前を叫んでいた。
ゆすんなよ。大丈夫だって。すげえ痛いけど、今の騒ぎを聞きつけて…ほら先生が来た。
どいてやれって――…

25:名無しさん@ピンキー
07/02/14 14:36:13 QDG8qIz0



結局、僕は全治三ヶ月程度の怪我で済んだ。あの状況からして三ヶ月ならかなり軽いんじゃないか?
ただしその間は入院。一人部屋だし、なかなか辛いな…。
 
女が本当に泣いてる顔…少し可愛かったな……って僕は変態か!?
容姿を褒めるのは分かるけど、泣き顔が可愛いなんて…

そんな葛藤に悩んでいるといつの間にか泣き腫らしたような顔の女が部屋に入っていた
少し驚いたけど、『今更』だから前置きは無視だ。

男「…どうしたんだ?」
女「どうしたって…男君が心配だからこうしてここにいるんです!もう……心配、させないで…」
アレから沢山の人が見舞いにきたりしたが誰よりも申し訳ない気持ちになるのは何故だろう?

男「……ごめん。でもそれだけを言いに来たんじゃないんだろ?」
なにか話題を変えなければ行けない空気を感じてた。

女「…そうですね。そういえば報告があったんでした。」
男「それはその旅行バックが関係してるんだろ?」
少し苦笑気味に僕は話す。
ああ、やっぱりこういうところは変わってないんだなと。

26:名無しさん@ピンキー
07/02/14 14:36:52 QDG8qIz0


女「…泊り込みの看病―それもあるんですが、今回は違うんです。」
そういいながら、彼女は正方形の旅行トランクを空けた。

パカ

中から出てきたのは洋服、下着、寝袋。


では無く、ボロボロの浅黒い『人』だった。

は?

人が出てきた。
訳が分からない。

私の代わりに一分の一ドールを―とかやる気か?

―いや、なんか見たことあるぞ!
この人って…

その答えを言い終わる前に、女はそれの髪を掴み引っ張り出す。
その光景はおもちゃ箱の奥にある人形を取り出しているような光景だった。

ただ違うのは、それが人間で―ひっ、と小さく息を漏らしたことだった。

男「それって……」
女「これ、ですか?男君も分かるように、『加害者』です」
『コレ』と呼んでいるのに『者』をつけるのが酷くおかしかった。
……ってそうじゃないっ!

27:名無しさん@ピンキー
07/02/14 14:37:34 QDG8qIz0


男「そうじゃない!なんでこの子はこんなに…酷い格好を…?」
女「なんでって…罰ですよ?」
僕の言ったことがまるで分からないといった顔で女はいった。

―だからって、腕を折り、足を折り、指を折り、歯を……
僕にはまっすぐ直視することはできなかった。

女「さ、謝りなさい?」
にっこりと微笑みながら彼女は、半ばうつ伏せ状態の、その生徒の髪を強く引っ張る。

生「あっ、ごべんなざい…。ごべんなざ…」
女「――っ!…ちゃんと言いなさいっ!」
上に向かって折れ曲がった指を元の形に戻すように踏みつけた。
僕は言葉が出なかった。

生「あぁっ!くっふっ…」
女「貴方のおかげでっ、男っ、くんとの出会いの時間がっ、減ったでっ、しょうがっ!!」
髪を握りながら何度も何度も白い床に叩き付ける。
白い床が赤黒く染まっていく――。

「…っ!やめろっ!」
僕は女の腕を掴んで制しした。生徒の鼻は折れ曲がり血なのか鼻水なのか、唾液なのかすら分からないモノが
床に飛び散っていた。

28:名無しさん@ピンキー
07/02/14 14:38:22 QDG8qIz0


男「罰だとしても…や、りすぎだし…それに―」
女「それに?」
何も映っていない、ただ黒いだけの瞳が恐ろしかった。

男「そ、それに…僕は…そんなこと、望んでいない」
それが決め手だったのかあっさりと女は手を離し、いつもの微笑みで答えた。

女「男くんが望んでいないなら―しょうがないですね。本当はここでオイタができないように」
少し溜めて生徒の方を見て答えた。

「バラバラにしようと思ったんですけど。そんなことしたら汚れちゃいますし、ね。」
生徒は血の流れ出ている鼓膜でも聞いていたようで少し体を震わした。

女「なんか疲れました。私帰りますね」
そういって、彼女はトランクに彼女を戻した。
ここでボロボロの少女が歩いていたら明らかに不自然だから、と彼女が提案した為だ。

では、といってトランクを持った女を僕は一度は見送った。
しかし、あの少女が気になって僕は自室の扉を開けて女を追いかけた。

男「やっぱり、手伝うよ!彼女が気になるし、ここ8階――」
だし、と言おうとして女に近づいた時に僕は何かがおかしいと思った。

今、女はトランクを持っていない。

何故?

29:名無しさん@ピンキー
07/02/14 14:39:30 QDG8qIz0


その時、僕のすぐ横の窓から風が流れてカーテンがなびいた。

ずどん。がが。

―何かが地面に叩きつけられる音がした…。
外で人の騒ぐ音が聞こえる。

それを気にせず女は後ろ姿のままで僕に話しかけてきた。
これなら汚れませんね、と。

そしてはっきりとした口調でこうも言った。
「あなたが気にかける女性は私だけでいいんです」

僕はそのまま歩き出す彼女をただ見てることしかできなかった。

END



30:名無しさん@ピンキー
07/02/14 15:28:58 O/MHiBxm
>>24
背筋がほのぼのした

31:名無しさん@ピンキー
07/02/14 15:46:06 GGGqzmeU
ほのぼのするなぁ

32:名無しさん@ピンキー
07/02/14 18:23:36 A75eqYax
vipをけなすわけじゃないが、ここがエロパロ板であることを念頭に置いておいてくれ
まず男「」みたいな台本形式はここじゃ嫌われるぞ
台本形式を効果的に使ったのもあるが、vipみたくやると文章で表現する気がないみたいな印象を受ける

あとエロパロ板ではキャラの言動よりも内面描写を重視する傾向がある
だから「長文風味」ではなく初めから「これくらい書く」って気持ちでいくといいぞ
好まれるのが確か1スレ大体50字前後で40行

ちなみにこれは個人的な問題かもしれんが、名前が男とか女とかになってると感情移入しにくい
せめて佐藤政男とか少しでも名前らしい名前が入ってると感情移入できる分女の恐ろしさが伝わり易い
その上他の職人とも差別化出来るぞ
最後に長文スマソ
なかなか良く出来てたと思う

33:名無しさん@ピンキー
07/02/14 18:35:22 C70npJwc
ほのぼのGJ!
嫉妬修羅場・ヤンデレの両スレを掛け持ちしている俺としてはこっちにくるのは大歓迎です。

34: ◆dT9QubCceU
07/02/14 19:27:07 4IFu4Fq+
>>32
みんなが>>32のような左派ばかりというわけでもないだろうし、
vipからきた移民たちには、従来のスレの雰囲気を壊したくないと思う右派も存在していると思うので、
もともとエロパロにもvipにも通っている中道の俺としては、従来の会話形式と長文エロパロ形式とどちらでもOKにしてもらいたい
読み手は好きなほうだけ読めばいいと思う

名前については、従来の会話形式ではこのままでもいいと思う
ってか、むしろ9スレ目にもなるとこの方が慣れてしまった
長文エロパロ形式にするなら、名前はあった方がいいかも

まあ、他の人にもいろいろ意見出してもらって今後のスレの方向性を決めていけばいいんじゃないか?
とりあえず、他スレに迷惑がかかる場合があるので、vipからの移民はsage進行を忘れずに



とりあえず、そろそろ続き考えないとバレンタインものにしたのに2/14が過ぎてしまいそうだ
残りは全部書きあがったら、一気に書き込む

35:名無しさん@ピンキー
07/02/14 19:45:11 7yfauPfh
書き手は書きやすいほうで書いていただければよいと思いますが
正直に好みを言うなら「男」とか「女」は萎えます

36:名無しさん@ピンキー
07/02/14 20:41:34 c5OiVoQd
俺は名前が付いていたら萎えるわ
一応、そういうやつもいるってことをアピールしておくんだぜ

37:名無しさん@ピンキー
07/02/14 21:01:02 BNOtyNNu
俺も名前は無いほうが好みだが
書き手の好きなようにすればいいんじゃね?


38:名無しさん@ピンキー
07/02/14 21:04:38 C70npJwc
移民が最初のころはカルチャーショックを受けるのは良くあること。
書き手の自由にしておけばそのうちほのぼの純愛スレの特色になるんじゃないかな。

名前付きorなしがどうしても嫌なら読まない。これだけさ。

39: ◆dT9QubCceU
07/02/14 21:10:47 4IFu4Fq+
一気に書き込むつもりだったが、別用ができたので断念
スマソ
ペースがむちゃくちゃ遅い

一応、A、Bの2つ考えてあるんだが、今日中には無理だと思う
Aだけでも多分無理、バレンタイン過ぎるけどご愛嬌を

とりあえず書けた分だけ載せとく

40:聖バレンタイン編Aルート ◆dT9QubCceU
07/02/14 21:13:14 4IFu4Fq+
続き


家に帰る準備をしていると女さんに声をかけらた。
つい、僅かばかりの喜びが顔に出てしまい少し焦る。
昨日までの自分なら確実に恐怖しか感じなかったはずなのに…。

今日の女さんは変だった。 
………いや、いつもが変で今日がまともだった… と言うべきか…。
それ以上に、今日の自分がおかしいことに今更気づく。

気が付けば女さんを目で追ってしまう自分……。
………いつもなら警戒心のみからくる行動のはずなのに…。
今日のそれは違っていたように思えた。

頭の中で警鈴が鳴る… 危険だ…と。
その警告音でようやく正気に戻る。
考えすぎることは危険だから…。
いくら考えを巡らそうとも、自分の頭では女さんに敵わない… と何度も理解させられてきたのだから。

この警鈴は、女さんに従うしかない状況において、この1年間に培った能力だ。
女さんと関わり始めてから度々、正気を保てなくなる事があった…。
そして、思考の海にどっぷりと浸かってしまう事があった…。
そんな時は、いつもこの警告音が自分を常に戻してくれたのだ。

警鈴に感謝しつつ、女さんを見る。
彼女は、少し不思議そうにこちらを見つめていた…。

? 違和感を覚える…。
目の前にいる人物は、本当にあの女さんなのか?
彼女ならば、こんな時、”不思議そうに”…という態度はとらない。
必ずいつも、”そちらの考えは全てお見通しだ”…という感じでニヤリと笑みを浮かべる…。
それが彼女だったはずだ。
まして、こんなに彼女が可愛く見えたのは、彼女に告白されて以来初めてだ。

高ぶる鼓動を抑え、平常心で心を覆い彼女に問いかける。
「どうしたの?」 …と。
平常心で問いかけたはず…、にも拘らず、何か期待を込めてしまった様に感じた…。

「男君、今日は掃除当番だよ。」

彼女の言葉に少し期待を抱いてしまう。
2人きりで掃除当番… つまり、彼女はその時を待っていたのだと思ったからだ。
しかし、その間… なにもなかった。

今までの彼女なら、2人が掃除当番になった場合、他の掃除当番は先に帰らせ、
2人きりで掃除をするか、2人一緒に掃除をサボるかのいづれかだった…。
…にも拘らず、今日に限って掃除は2人きりではなかった。
チョコレートを貰う事もなかった…。

そして、また言葉を交わすこともなく掃除を終え、1人、帰路につく。
1人で帰宅するのは久しぶりだ。

”いつも女さんが隣にいてくれたからか…。”
そんな言葉をつい口にしてしまう。
頭のどこかで警鈴が鳴っているが、不思議と気にならない。

41:名無しさん@ピンキー
07/02/14 21:45:29 reZfQtMh
>>32
vipでは書き手に対して意見を言わない傾向があるので
意見を述べてくれるのはとても参考になる。

上手く両方を満足させられるような文を書く。これが今のテーマ。

42:名無しさん@ピンキー
07/02/14 23:18:22 /pg5r0EK
>>40
続きにwktkしながら保守

43:名無しさん@ピンキー
07/02/15 00:55:55 SNmSA7b+
エロパロってことはエロいのでもOK
なんだよね…?

書いてて思った。

あとトリップって必要?

44: ◆dT9QubCceU
07/02/15 05:34:19 9I1ITuNe
>>43
エロスOK
トリップは、俺の場合エロパロでよく使われてるから使ってみただけなので、使うかどうか自由でいいと思う。



取り敢えず、続き投函↓

45:聖バレンタイン編Aルート ◆dT9QubCceU
07/02/15 05:37:00 9I1ITuNe
続き


帰宅し、直に自分の部屋に入る。
制服から着替え、ベッドに寝そべる。
そして、今日1日の女さんについて考える。

”今日の女さん、可愛かったな…。”
凛とした知的な表情… ちょっとした可愛らしい仕草…
そして、狂気など微塵も感じさせないあの笑顔…

”女さん………”
彼女は、間違えなく『女さん』だった…。
但し、彼女は、いつも自分に付き纏っていた『女さん』ではなく、
出会ったばかりの頃の『女さん』…だった。

彼女は、学年が替わった時にこの学校に転入してきた。
そして、同じクラスになった。

彼女は美人で、人当たりもよく、成績優秀、スポーツ万能……
まさしく才色兼備だった。
故に、男女ともに人気があった。
………彼女が自分に告白する、それまでの数週間は…。

男女ともに人気があった彼女…
自分もまた、そんな彼女に恋心を抱く男達の中の1人だった…。
”そう…、俺、女さんのことが…『好き』…だったんだ。”

46:聖バレンタイン編Aルート ◆dT9QubCceU
07/02/15 05:37:46 9I1ITuNe
続き


今日の彼女の姿は、自分が…好きだった頃の彼女… まさにそのものだった。
屈託のないあの笑顔が何より好きだったのだ。
”もし、彼女が以前のように戻るなら”…と、今までに何度考えただろうか?
しかし、答えはいつも”人が急に変わることなどありえない…”
その諦め一色のものしか出ることはなかった。

本当にそうなのだろうか?
現に彼女は、あの告白の後、急に変わったではないか!
ならば… その逆はどうなのだろうか? …と、考えてみる…

(………………………)

どういった理由があるのかはわからない。
とにかく彼女は以前のように戻ったんだ。 …と、自分に言い聞かせてみる。

(ゾクッ)
不意に寒気がした。
いつもならば、それは女さんの言動・行為に対し感じることだが、今回は違った。
『戻る』という単語に対し、そう感じたのだ。

『戻る』ということは、自分と彼女の関係をも『戻してしまう』事だからだ。
昨日までの自分ならば、自分と彼女の関係も元に『戻したかった』はずなのに…
今は…。

気が付けば、家に帰ってからずっと、彼女の事ばかりを考えている。
いや、それに関しては昨日までと同じだ。
今までもよく彼女の事を考えてばかりいた。
ただ1つ、今までと大きく異なる点は、女さんへの気持ちだった。

そういえば… と今更ながら思い出す。
”結局、チョコレート、1つも貰えなかったな…。”

先ほどから、だんだんと警告音が大きくなり、激しく鳴り響いているようなのだが、
なぜかその音はどこか遠く、微かにしか届かない…。

47:名無しさん@ピンキー
07/02/15 12:41:46 a3SXQoFC
>>45
>彼女は、間違えなく『女さん』だった…。

これはわざと?

48:名無しさん@ピンキー
07/02/16 00:00:13 SNmSA7b+
途中だけど許せ。

僕は今、非常に切羽詰った状況にいる。
クラスの先生を含めたみんなが僕に向けている

『何とかしろ』

というこの眼差しを見てもらえば分かると思う。

原因は僕の後ろの席の彼女なのは薄々ながら分かってもらえてると思う。
いつもの僕なら―止まらないとは分かっているけど―止めに入る。
しかし、今回は無視し続けなければならない。

これは試練だ。

みんなも僕にも止められないことを分かっている。
しかし『藁にも縋(すが)る』とはよく言ったもので、人は小さな希望にしがみ付いているんだ。
でもみんな、僕にはできない。僕は弱い人間だから―

「はっ…ぁ。男…くぅ…ん」
僕には無理だ。


なんで僕が…、僕が彼女の淫夢を止めないといけないんだ?
しかも自分の名前を呼ばれてる状態で僕が起こしに行く?

何の罰ゲームだよ。

「あぁ…、いつもより―凄いっ」

それを聞いてひそひそと話始める女子。前かがみになる男子。鋭い視線を向けるその他大勢。
みんな馬鹿だ…畜生…。

続く

49:名無しさん@ピンキー
07/02/16 01:08:10 5xK1syQa
是非続けてくれ。頼むぞ

50:名無しさん@ピンキー
07/02/16 02:49:49 ZhqDgr9F
続きは今日中に投稿します

51:名無しさん@ピンキー
07/02/16 15:27:19 El5OIu9X
ワッフルワッフル!!

52:名無しさん@ピンキー
07/02/16 22:44:35 oUUKDahu

あぁ、神よ。この状況を打破するのはやっぱり僕しかいないのだろうか…?

「―はぁぁ…っくぅん…」

―本当は起きてるんじゃないのか?
女が僕との関係を確かなものとするために。

いや、その可能性は実は一番低いと思う。

何故かって?

そんなことをする前に僕を犯すことをするはず。
しかし、そんなことはされてない。

…なんか自分で言ってて凄く悲しくなってきた…。
しかし、理由は一体?解決策は―

「舐めるなよっ!ベイベロンッ!」
急に低い―と言っても十分女性的なのだけど―声で叫んだかと思えば、また淫夢を続けている。
周りも一瞬、体を強張らせていた。

…確実に寝てるな。つか何の夢だ。

「え、また…ですか?…わかりました。『お兄ちゃん』…もう」

…よし、殴ろう。殴って起こそう。

53:名無しさん@ピンキー
07/02/16 22:45:08 oUUKDahu


そう思って立とうとした時、クラスのみんなが僕を見た。
その目に―

『やっぱり、そういうことしてるんだ』
と言われてる様な気がした。

…畜生、座ったら座ったで催促するような眼差しで見るってどういうことだよ。
僕が女と同じ様に突っ伏した状態で周りを無視しながら一人でしりとりをしていると授業終了のチャイムが鳴った。

――ああ、よかった。…救われる。どうせこの後は帰るだけだし。
数人の男子はチャイムと同時にトイレの方向へ走り去り、女子は面白い話題でもあるのか
他のクラスの女子を捕まえてひそひそと―こっちを見るな。指差すな。―話に花を咲かせていた。

それと同時に女もゆっくりと体を持ち上げ、自分の頭の上で輪を作るようなストレッチをしていた。

「…んっ…と、ついつい寝てしまいました。ん?…どうかしましたか?」
「…いや、何でも…ない」

『あれはワザと?』
そう聞こうかと思ったけど止めた。なんか地雷のような気がしてならない。
僕はそうそうに立ち去ってこの荒(すさ)んだ心を癒したいんだ。

そう思って僕が教室の扉に手を掛けた時だった。正直しくったね。
「もう…、今日も一緒に帰って愛を明かし合いましょうよ」
「みんなの前で変なこと言うな。」
バカ…と言い、続けて

54:名無しさん@ピンキー
07/02/16 22:46:08 oUUKDahu


「…それと、今日は僕が出た十分後に学校を出てくれ」
ただ、僕は今は気まずい上に周りに見られたくなかったのでこう言ったんだ。
他意は無いんだ。いや、本当に…。

しかし、、その伝達は通じても中の意味までは正確に伝わらない訳で…。
だから、僕はニヤニヤ笑いながら今の意味を明らかに勘違いしている
クラスメイトが出て行くのを、赤くした顔で何かを言おうと思考を廻(めぐ)らせていた。

END

55:名無しさん@ピンキー
07/02/16 22:51:56 oUUKDahu
電波を受信したので続くかも試練。

56: ◆dT9QubCceU
07/02/17 00:34:09 KKhPUCKA
スマン
熱出して寝込んでいたので、続きを投函するのが遅れた。
ようやく熱も下がったので続きを投函↓
Aルートはあと1回続きがあります。

57:聖バレンタイン編Aルート ◆dT9QubCceU
07/02/17 00:35:19 KKhPUCKA
続き


あれから、1カ月が過ぎた。
あの日以来、彼女とは1度も会話がない。

今思えば、彼女に付き纏われたあの1年間は、女さんへの恋心が作り出した妄想だったのでは…。
事実であっても、彼女が自分に対しての興味を既に失っている事は間違えないだろう。

わからなかった…。
何故、今まで彼女を拒絶してきたのか。

今日はホワイトデーだ。
本来ならば、バレンタインデーに女さんからチョコを貰い、そのお返しを求められている筈なのに…。

”ホワイトデーは3倍返しですよ。”
と言って、無茶苦茶な注文をする彼女を想像し、涙が流れる。

(ピンポーン…)
家のチャイムが鳴る。

そういえば、女さんもよくチャイムを鳴らしたな…。
そんなことを考えていると、母に呼ばれる。
”女さんよ”…と。

58:名無しさん@ピンキー
07/02/17 00:48:31 MG1az72s
おかえり。

wktk

59:聖バレンタイン編Aルート ◆dT9QubCceU
07/02/17 01:15:34 KKhPUCKA
続き


その言葉を聞くと、居ても立ってもいられなくなり、玄関まで走り降りていた。

以前なら彼女が来ても、絶対に家に入れなかった筈なのに…。
どうして母は彼女をあっさりと迎え入れてしまったのか。
そんな疑問が微かに脳裏を横切るが、”彼女に会いたい。”という思いに掻き消される。

玄関に出て、そして彼女の顔を見ると、
思わず、彼女を抱きしめていた。

うれしい…。
彼女が自分を訪ねて来てくれた事が…。
自分はまだ彼女に見捨てられていない、とそう思える事が…。



さらに1年が過ぎた。
彼女は、相変わらず…だった。
いや、むしろ自分に対する執着心がさらに増したのでは… と、そう思う。

”1番変わったのは、………俺…”
そんな言葉が口に出る。

あの日以来、怖くてたまらなくなったのだ。
彼女が再び自分の許を去るかもしれない事が…。

その恐怖故に、彼女以外の人と話す事が出来なくなった。
彼女以外の人を視界に入れる事が出来なくなった。

彼女はよく言っていた。
”私以外の人と話さないで下さい。”
”私だけを見て下さい”…と。

学校は既にやめてしまった。
今は彼女が用意してくれた部屋に住み、その部屋に閉じ篭っている。

おそらく、自分は一生こうして過ごすのだろう。
それでも幸せを感じずにはいられなかった。
彼女が傍に居てくれるから…。



happy end

60:名無しさん@ピンキー
07/02/17 01:25:24 MG1az72s
ほのぼのするわw

61:名無しさん@ピンキー
07/02/17 02:07:23 FMQG3El3
これはほのぼの

62:聖バレンタイン編Bルート ◆dT9QubCceU
07/02/17 02:17:57 KKhPUCKA
視点移動 男→友
続き


放課後になった。

今、自分の手元にはチョコレートが2つある。
一方は、幼から貰った義理だとあからさまにわかる既製品だ。
もう一方は、手作りか既製品かは開けてみないとわからない。
本命かどうか正直微妙なところだ。

男のほうを見る。
アイツは今年もまた1個もチョコが貰えなかったらしい。
(まあ、女さんが渡さなければそうだよな。)

どうやらアイツは、彼女が明らかにいつもと違う様子に戸惑っているらしい。
いや、それだけではない。
アイツの表情からは、戸惑いとは別の感情が伺える。

(予定通り…か…。)
思い出す…、自分と幼が1週間前に女さんとした遣り取りを…。

男のやつは1つ大きな勘違いをしている。
自分とアイツ、そして幼には1つ共通点がある。
それは、親の働いている会社だ。
女さんの父や祖父が、それらの会社の経営者なのである。
そのことをアイツは知らない。

アイツは自分や幼、そしてアイツの両親が未だ事故に遭っていない事を人質という形で捉えている。
しかし、実際はそうではない。
自分たちは、女さんにとって都合の良い人間だから…。
彼女が、本当の意味でアイツを手に入れるための道具なのだから…。

人質の筈の4人は、全員が彼女の傀儡に過ぎない。
欺瞞…なのだ。

63:名無しさん@ピンキー
07/02/17 02:48:07 MG1az72s
お題がある?

64:名無しさん@ピンキー
07/02/17 02:48:47 MG1az72s
×お題がある?
○お題ある?

65:聖バレンタイン編Bルート ◆dT9QubCceU
07/02/17 02:49:33 KKhPUCKA
続き


アイツは以前、言っていた。
”何度、家のセキュリティーを上げても女さんは簡単に侵入してくるんだ。”…と。

それはそうだろう。
身の内に手引きするものがいるのだから…。



あれから、1カ月が過ぎた。
アイツはあの日以来、目に見えてやつれていった。
そのやつれ方は、女さんに付き纏われていた時とは比にならなかった。

…どうやら『順調』らしい。
全てが、彼女の手の内の事だ。

あとは仕上げだけだ。
もう自分が彼女に協力できる事はないだろう。

66:聖バレンタイン編Bルート ◆dT9QubCceU
07/02/17 02:50:24 KKhPUCKA
続き


その翌日、アイツは彼女と2人で登校して来た。

幼が耳元で囁く。
”うまくいった…らしいね。”
その言葉には憐察と懺悔の気持ちが混ざっていたような気がした。



あの日から1年が経った。

アイツはあの後、間もなくして学校を止めた。
家も出た。
どうやら今は、彼女が用意してくれた部屋に住んでいるらしい。

時々、ふとアイツのことを思い出す時がある。
そんな時は、決まって口にしてしまう言葉がある。
”オマエは今、本当に幸せなのか?”



end

67:名無しさん@ピンキー
07/02/17 08:07:17 yfV6KT3i
遅れながら復活オメ

68:名無しさん@ピンキー
07/02/17 12:00:43 NPfZlm40
エロパロにあったのかwww
ここのSSはwikiに記載されてんの?

69:名無しさん@ピンキー
07/02/17 17:25:37 0NLQGObp
エロパロにありますけど、エロ無しほのぼのは何処で書けば良いんでしょうか?

70:名無しさん@ピンキー
07/02/17 18:06:09 Nm9RkIWQ
エロなしでもここでいいんじゃない?
他の属性系のスレ見てもエロなし作品は沢山あるし。

71:まとめてる人
07/02/17 21:58:30 efo9OSiK
>>68
スレが書き込み不可能な状態になった場合に
まとめてます。

72:名無しさん@ピンキー
07/02/18 00:18:03 EKIrx5Yk
お題下さい…orz

73:名無しさん@ピンキー
07/02/18 01:15:12 AZE17tvi
>>72
つ『女の過去』

女が異常な愛情を抱くようになった原因みたいなのを希望。

74:名無しさん@ピンキー
07/02/18 08:50:40 EKIrx5Yk
過去

僕と彼女の関係を知って、必ず聞かれる事がある。
それは『何故、僕が彼女を拒絶しないか』だ。

聞かれた時は曖昧に何故なんだろうね、なんて誤魔化していた。
しかし、理由はある。

彼女はある意味、悲しい存在なんだ。
僕が救ってやろうとか偽善的な感情を持っている訳じゃない。

拒絶してもいい。だがそれじゃ、あまりにも彼女が不憫だと思う。

僕は昔、一度だけ彼女を拒絶したことがある。
その時彼女は、錯乱―パニックみたいなものを起した。

それは下校の時だったと記憶している。



75:名無しさん@ピンキー
07/02/18 08:51:17 EKIrx5Yk
「―なあ、もう止めてくれよ…」
コレは僕だ。
「言葉の意味を理解しかねますけど…?私達愛し合ってるんですし、周りがどう騒ごうが関係ないじゃないですか」
この時、僕は何でもネガティブな方向に考える彼女に頭が来ていた。
「っ―そういうことじゃない…!!もう…もう、嫌いだっ!」
「何を…」
「嫌いだっ!」
「そっ…」
「嫌いだ、嫌いだ、嫌いだっっっ!」
何か女が言う前に僕は兎に角、拒絶し続けた。
そうしていると彼女は急に俯いて、変なことを呟き始めた。

「愛さなきゃ…。もっと愛さないと伝わらない…」
声はとてもか細かったが何度も溢れ出る様に口から出ていたその言葉を理解するのは簡単だった。

■続く

76:名無しさん@ピンキー
07/02/18 10:15:49 0+zaOmSS
>>75
ポジティブじゃね?

77:名無しさん@ピンキー
07/02/18 15:55:36 xVgQf69B
>>75
>彼女に頭が来ていた。

「彼女が頭に来ていた。」が正しいな

78:名無しさん@ピンキー
07/02/19 00:51:31 dCGHauS7
>>75
まぁ誤字とかそういうのはおいといて・・・・・・テラGJ!!

79:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:37:11 +CD56/SH
告白

僕今、告白されている。
誰だって?いやいや、女はないよ。つーか、毎日されてるようなもの―

「どうかしたんですか…?」
この子は僕とは違うクラス、C組みの子。
肩までかかったセミロング(つうのかな?)がとても似合っている。
「あっいや、変な電波を受信しただけだよ」
少し引かれてる様な気もしないこともない。って違う…。

「んで、何だっけ…?」
「…だから、あたしはあなたのことが…好きなんです。
あの人のことだって二人で考えれば何とかなると思うんです」
「―あ、いや…今すぐには返事はできないよ…」
急すぎてびっくりしたのと、彼女を知ってて告白するこの子にびっくりした。

「そうですか…。でも、私の気持ち…受け取って下さい…」
いや、もう既に聞いたじゃん。君の気もt――

―キスされた。

80:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:38:06 +CD56/SH


「これが気持ち…です。じゃ、明日のこの時間に」
「…ああ、うん。明日っ」
やばいな、キスってなかなか…
僕はそんなことを考えながら少し惚けていた。

―答えは決まっているのにね。

■視点チェンジ
ここはトイレの一番奥の個室。緊張して落ち着かないからここに来て、心を落ち着かせている。
何があったかと問われれば、答えはひとつ。
私はさっき、想い人だった彼に告白をした。

やっぱり、周りは反対したけどやっぱり、あたしは自分には嘘をつけない。
だって…好きだから。

でも、何故周りが反対をしたのかイマイチ理解できない。友達に聞いても、

「転校してきたばかりで知らないんだっけ…、なんか、危ないんだよ。あの子」
詳しく聞いてみると彼のストーカーらしい。
んっなん、警察行けばいいじゃんと思うんだけど?違うのかな?

まぁ、ようは自分に火の粉が降り掛かるのが嫌だってことでしょ?馬鹿じゃないの。
それで自分の気持ちを隠すなんて…。

81:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:39:18 +CD56/SH


一人でそんなことを考えていたら急に換気扇が『強』の状態でついた。うん、多分強。
でも、あたしは『用』も足してないし失礼じゃない?ってあたしに対してやってる訳じゃない…か。

ふと前を見るとトイレのドアと板の隙間から細い『何か』が出た。
そのまま、凄いスピードで落下していく『それ』は、一気にトイレの鍵を二つにした。

きんっ。きー、ぱたん。

ドアが開いた。
あたしは意味が分からなかった。包丁を持ったまま、当たり前のように立っている『彼女』が。

彼女は女のあたしでも惚れ惚れするような笑顔のままでゆっくり近づいてきた。
包丁を持ったままってのが酷くアンバランスで奇妙だった。
その刃はあたしには向けられていない。

なんとなく危険な匂いを感じたあたしは彼女を少し押し飛ばす感じで個室を飛び出た。
彼女はへたり込みそうに成っていたが、実際に床に転がっていたいたのはあたしだった。
「へ?」

頭皮の痛みと共にあたしは自分の自慢の髪を?(つか)まれていたのだと分かった。
女は日常会話をしているようなトーンで話始めた。
「…トイレはちゃんと流さないと駄目ですよ?」

82:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:39:50 +CD56/SH


そう言ってあたしを個室に連れ戻し―なんて馬鹿力なんだろう―便器に向かってあたしを投げつけた。
「何すんのよ!?アンタ、殺す気?」
至極、当然だ。
「いいえっ、誰にでも間違いはありますから今日は『理解させる』に留めようと思いまして」
言葉が通じない。

「もう意味が分かんない。出してよっ!!」
「うるさいのは嫌いなんですけど、ねっ」

彼女はそういってあたしの太ももに包丁を刺した。あたしは泣き叫ぶしか術(すべ)を
知らないかの様に叫んでいた。

「だから、うるさいのは嫌だって言ったんですけど…?」
ふう、と溜息をついた後に彼女は困ったな、といったような顔をして髪を掻き揚げた。
そして彼女はあたしの頭を?み便器に頭をはめた。

「女子ってよく、こうやって音消ししますよね」
そう言って彼女が動いた気配を感じ取った時、勢いよく水が出た。

―はっ?

「あべぅぇ…ぷあ…ぷあっ…ばあ…」
あたしは彼女言っていることを理解できずに泣き叫んでいたので水がもろに水を飲んでしまった。

うぁっ。助けて、誰か助けて。

「落ち着きましたか?」
「はぁはぁ…、なんで、なんでこんなことするの?」

83:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:40:32 +CD56/SH

少し声が澱(よど)んでいる気がする。

「何でって、あなたが彼に告白した。あまつさえ、彼の唇を奪った…」
少し彼女の顔と声が無表情になっていく。それと対照的にあたしは振るえが止まらず、
怖くて仕方がなかった。

「これ以上の罪がありますか?」
―たったそれだけで?
あたしが何も言わないでいると彼女が安心して下さい。唇の件は今汚い水で中和したのでチャラです。
と元の笑顔で言った。

「でも、人のものを取ったら泥棒ですよ?昔の罪人は十字架に釘で磔(はりつけ)
にされたって知ってますか?」
何を言っているんだ?これは。

そうこうしていると彼女は緑色の―やけに大きい―ピストルの様な物をだした。
抵抗する気力を失ったあたしはひたすら助けを求めた。
「誰か…!誰か助けてぇぇぇぇ!!」

彼女は笑いを堪え切れないといった表情をしながら
「無駄…。無駄ですよっ。清掃中になってますし換気扇の出力最大ですから」
そんな、コト、わから…ないじゃない。

それに今授業中ですよ?と彼女は言い、あたしの希望は見事に砕かれた。

彼女は少し楽しそうに私の手の甲を壁に押し付け、躊躇することなく釘打ち機―恐らくだけど―
の引き金を引いた。

84:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:41:41 +CD56/SH


ばすん
―あぁっ!!

…ふっ、ふっ…っ。


ばっすばすん
―ふっ…くぁっ…

しばらくして両手の甲が終わり、あたしが泣くことよりも痛みを耐えることに専念していると、
彼女はあたしの頭を壁に叩きつけ無理やり口を開かせて言った。

「あなたのほっぺって凄く柔らかそうですね」

ばすん

次の日あたしは彼から呼び出され、断られた。
彼は恐らくこうなることを考慮して断ってくれたんだろう。

遅いけど…ね。

彼は最後まで私の怪我を気にしてくれたけど、ただの怪我で通し続けた。
最後にあたしは言う。

――断ってくれて
「ありがとう」

あたしは早退し、今横断歩道で泣いている。
なんてことはない、あたしも強がっていたけど所詮、そこらにいる女性と変わりないのだと。

どんっ

そう思って――え?

今。今赤信号だよ?ほら、車来てるじゃん?
―だからって誰かが押すなんて…こと

ききーーっ、ぐしゃん。

END

85:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:43:03 8jeUDD+Z
ほのぼのするなぁー
癒されたわ

86:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:43:56 +CD56/SH
>>77
脳内修正頼む。

ちなみに『過去』は書いてる途中なのでしばらくお待ちください。

87:名無しさん@ピンキー
07/02/19 01:48:34 +CD56/SH
やっぱり電波受信は…こう、力が変わるねw
電波最高。もっと降って来いw

88:名無しさん@ピンキー
07/02/19 02:05:11 o8gSmRD5
>>84
GJ!ほのぼのするね!
『過去』覚えててくれてありがと~!wktkして待ってます

89:名無しさん@ピンキー
07/02/19 14:34:21 muSdphsU
>>86
「つかむ」が?になってるのは常用漢字使ってないから?
それはそうとhnbnしたw

90:名無しさん@ピンキー
07/02/19 17:27:26 7y0MQpVT
>>89
PC歴ソコソコに長いのだがそんなの知らんかった…orz

試し→?む

91:名無しさん@ピンキー
07/02/20 22:46:44 QU303dSj
新参者の俺にヤンデレとの違いkwsk

92:名無しさん@ピンキー
07/02/20 22:55:33 JSJ6W3/w
>>91
まとめてあるSS読めば大体把握できると思う

93:名無しさん@ピンキー
07/02/21 07:03:29 U3kjwJoA
まとめ読んだけど「男」「女」形式でvip風にやるんじゃなければ
内容的にはヤンデレスレや嫉妬スレでいいんじゃないかと思った

94:名無しさん@ピンキー
07/02/22 10:47:15 I0y8kVSF
要するに、女の疑似恋愛を明るく楽しく書くスレなんだよ。
見てる方はほのぼのする。男は地獄かもしれんけど。

95:名無しさん@ピンキー
07/02/22 11:42:59 lkwUbUfT
ヤンデレ、嫉妬、三角関係、修羅場と、ほの純との違いを考えてみた

最初に
ほの純の最低条件1→女が疑似恋愛を楽しむこと
ほの純の最低条件2→男が女を嫌がること、または、女に恐怖すること

ヤンデレ→ほの純の場合、女最強主義、男が強いことはあり得ない
嫉妬→ほの純の場合、嫉妬にそこまでの重要性はない
三角関係→ほの純の場合、成る必要性はない
修羅場→ほの純の場合、成る必要性はない

疑似恋愛を楽しむ女と、逃げたくても逃げられない男がいればここは成り立つ

96:名無しさん@ピンキー
07/02/22 14:19:19 Zw9kJLuA
>>95
妙に納得

97:名無しさん@ピンキー
07/02/22 15:45:22 lEPIIaJU
なるほど、普通に恋愛が成立している瞬間がないんだな、基本的には

98:名無しさん@ピンキー
07/02/23 08:17:55 pAaMkS7E
男は嫌がってるが女がキスしたりして黙らせる
というのがありそうなラインか?

99:名無しさん@ピンキー
07/02/23 11:57:44 fRMRGvM5
それはもう、ほのぼのだなぁ

100:名無しさん@ピンキー
07/02/23 15:23:55 wmdDmUXC
>>98
あり

101:名無しさん@ピンキー
07/02/23 16:10:52 pAaMkS7E
男嫌がる→女色仕掛け→男骨抜きになって女のいいなりに→男正気に戻る→男嫌がる→(ループ)
みたいな


102:名無しさん@ピンキー
07/02/23 19:58:01 ooExzMU7
誰かネタおくれ

103:名無しさん@ピンキー
07/02/23 20:21:29 0bNWS/7Y
>>102
ケーキをプレゼント

104:名無しさん@ピンキー
07/02/23 20:24:15 SHansd52


105:名無しさん@ピンキー
07/02/23 23:54:12 kntqXWCd
>>102
普段は優等生な女さん
男くんが一人でいる時はほのぼの純愛、周りの目が有る時は男くんだけわかるほのぼの純愛

106:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:07:49 8KDA2F0+
携帯から投下なのでおかしいところが盛り沢山かも
しれんが気にしないでくれ。

107:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:09:28 8KDA2F0+
重ねる世界、重なる世界

ゆっくりと世界が回る…
ーーあと何秒なんだろう?

私は考える。
悲しい彼女を抱いて。その手には夕日と鮮血を映し出す。
もっと違う道は無かったのだろうか?

私は考える。
彼に思いは伝わっただろうか?どうしてこうなってしまったのだろうか。

誤解は解けたのだろうか…

ーー…私は考える

108:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:12:42 8KDA2F0+

それはいつもの朝だった。
「なぁ…、もう勘弁してくれよ…」
彼は椅子にゆっくりと腰掛けながら溜息交じりに呟いた。

「はて、何のことですか?」
一度、私を見上げそして盛大な溜息を吐いて彼は言う。

「好きしか書いていない大量の手紙、無言電話、不法侵入、毎日窓ガラスを引っかく音っ」
カーテン開いてもいないてどういうコト?と彼は嘆いていたが私は内心驚愕していた。

「…何のことかさっぱりです」
彼は--やっぱりコレか、と小さく漏らしたが、ズバリ言おう

109:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:15:32 8KDA2F0+

私じゃない。

流石にそんなことをしたら嫌われるのは日本の将来以上に目に見えている。メールを十回以上送るのは私ですけど。
やっぱり、あれか?彼が幼なじみに告白された時にトチ狂って髪の毛料理を出したのが今でも効いてるのか?

あれはある意味黒歴史なんです。まぁ、結局告白は断ったらしいので私を選んだってコトで。

「--聞いてんのか?おい?」
正直、聞いてませんでした。
「えぇ『私を愛してる』ですよね?」

全てを言い切る前に彼が答える。
「--断じて違う」

彼が少し悄(しょ)げかえった顔をしながら
、次の授業の準備を始めようと机に手を入れたその時だった。

「…ん?」
ひらひらと黒い羽が舞落ちる。
黒い何かが音を立てて教室の床の上を転がる。

110:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:19:25 8KDA2F0+


--烏だ。漢字は鳥に似ている、ってそうじゃない。
凍った二人の空気に何も知らない笑顔の幼なじみがやって来た。

「ねぇ?二人してどうした…えっ?」
それは直ぐに悲鳴に変わり、周りを巻き込む渦へと変わる。

彼が凍った表情のままゆっくりと顔をあげて力のないで聞いてきた。

それは私がもっとも恐れ、聞きたくない言葉だった。

「お前が…、お前がやったのか?」
胸が押し潰されそうになる。
幼なじみが泣いている声すら遠くなる。

落ち着け…。こういう時こそ落ち着いて対処しないといけない。

「私は知りません」
落ち着き払った態度が良くなかったのだろう。

でなければ私は頬を押さえて尻餅をついている筈がないのだから。

彼はカラスを袋に入れて裏山に埋めに行ってしまった。

クラスメイトはのろのろと掃除を始めている。

止めて下さい。『お前が悪い』と言うような目で見るのは。
今更ながら涙が出た。
気づけば今は帰宅時間前で…

--ここは…校舎裏のようですね。

トボトボと教室に向かって帰っているとにこにこと嬉しそうな幼なじみさんがげた箱の方から出てきた。

私はその笑いを見て奇妙な--そう、幻視感のような--
感覚を覚え真っ直ぐ彼のげた箱前に行き、

開けた。

111:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:20:02 8KDA2F0+
さげ

112:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:23:08 8KDA2F0+


そこには赤い文字でただ、ひたすら

『愛してる』
と書かれている元は白かっただろうシューズを見つけた。

私はそれを手に持ち家に帰る為に急いでいる生徒達を横切った。

今教室には彼と幼なじみとその他数人しかいない。
--本当はもっと大勢前で鼻を明かしたかったんですけど…

彼は私を見るなりブスッとして鞄を取った。
待って下さい。見て欲しいものがあるんです。
「何だ…って俺の靴…だよ、な?」
お前、と彼が言おうとしたところに幼なじみが遮る形で言った。

「酷い…しかもこれアナタのペンだよね…。見たことあるし…」
「そうですか、貴女は私のペンを使ったんですか…」
彼女は直ぐに答える
「違っ…、だから見たことあるって…」

「貴女は色を見ただけで誰の物か分かるんですか?凄いですね」
彼女は視線を泳がせ黙り、彼はその顔を呆然と見ている。

「で、でもアナタはずっと居なかったからっ…怪しい」
何が『でも』なのか聞きたいところですね。

「それは認めましょう。ですが貴女も同じですよ?」
「私はコレ…保健室行ってたもん!」
そういって保健室から貰ったらしき赤い薄紙を出す。
彼に私は聞く。

「この紙に書いてある退室時間から彼女は直ぐに帰ってきましたか?」

113:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:24:36 8KDA2F0+
ミス

114:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:29:08 8KDA2F0+
急に話を振られて一瞬驚いていたが、直ぐにこちらを見据えて答えた。

「い、いやこの20分後--っつてもさっきだけど--に帰ってきたな…」
私が彼に礼を言い、微笑みながら彼女に何か言おうとしていると彼女が先に口を開いた。

「うっさい、ストーカー女っ!あんたが彼んちに侵入したり、無言電話かけたり、
『愛してる』ってメール送ったりしてるの知ってるんだからっ!!」

--なぁ
「…なぁ、どうして知ってるんだ?俺は周りに迷惑掛けないように被害のことは殆ど言ってない…」
彼が--心底不思議だ、という顔で嘆いた。
正直、私は彼が話しに参加はしないと踏んでいたので驚いた。

彼は少し溜めて答える。
「それに誰かから聞いたとしてもメールの内容まで知っているのはおかしい…」
床を見ていたその目は真っ直ぐ彼女を捉えていた。

「そっそれは昨日勝手に、見た…から」
「--携帯は一週間前から修理に出してるんだ…」
彼曰く、代用機は持っていないそうだ。

教室に残って話を聞いていたギャラリーを含め沈黙が私達を覆っていた。

沈黙を破ったのは彼女だった。それも笑い声で。
「ふふ、ははははっく、ふふ。そう、全部、ぜーんぶ私だよっ」
彼女は息が続かないのか呼吸を整えていた。
--なんか…地雷踏んじゃいましたか?

「ふぅ、なんでって彼に何やってもアナタのせいになる。そうすればいつかアナタは消えるでしょ?」
「そうなっても彼は貴女を愛すとは限りませんよ?」
はっきりと伝える。

「あたしだって告白した時に

『彼女が少なからず気になる』

なんて言わなきゃこんな事しなかったよ?これはある意味君への罰なんだよ」
そう言って彼に視線を合わせる。

115:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:32:54 8KDA2F0+

「罰って…何だよ…罰って」
「あたしの魅力に気づくまでずっとこの罰は続くんじゃないかな?」
私達がいろんな意味で唖然としてる中、『それに』と続ける。

「君とあたしが一緒になるいい案考えちゃったし」
そう言って荷物を持って走って出ていった。
私達は追いかける。

しかし、私は彼女の言い回しに奇妙な感覚を覚えていた。

--何故彼女は『愛される』より『一緒になる』と言う言葉を使ったのだろうか?

そうこうしているうちに本館と旧館の三階を繋ぐ通路に出た。手すり以外私達をこの風から防ぐものをない。

彼女は後ろを向いたまま止まっている。彼が幾ら声を掛けても固まったままだ。
--なんだろう・・・この感覚
ゆっくりと彼が近づくのを尻目に私はさっき感じていた感覚が頭を駆け巡っていた。

--私が彼女なら…今の彼女なら

究極の愛を…選ぶ。
それは一方的だけど最高の自己満足で現実逃避。


「彼女から--っ離れて下さいっ!!」
「え?」

-彼が彼女の肩に手を置こうとしている。
--彼女は鈍く光る何かを持って振り向こうとしている。

間に合え、間に合え間に合え間…

116:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:35:38 8KDA2F0+


彼を突き飛ばす。私は彼女の両手で持っている包丁の柄を上から抑え込む形をとる。

私も両手を使っているから…当分はこのままか。
私は手すりに凭(もた)れかかって気絶している彼を見てそう思った。

はぁ、掴む余裕があるなら叩き落とすなり、すれば良かった…。
そんな悠長なことを考えていたら悔しそうな顔の女が声を漏らした。
「…アナタはあたしの希望まで奪うの?」
「まるで…私が悪人みたいですね」
「ねぇ離してよ、…離せ!離せよっ!」
私はそれを無視して近くの生徒に教師を呼ぶように頼む。

「…貴女はっ、私っ、なんですよ」
「離せ離せ離せ離せっ」
「きっと私が彼にっ、振られたらこうなっていたっんで…しょうね」
「離せ離せ離せ離せっ」
「だから貴女が捕まったとしても彼にまた同じコトをしようとするのも分かるんです」
--ううん、もっと酷いかもしれない。
--だから

「だから、こうしますっ」
掴んでいた手を離し彼女を抱きしめる形で手すりへ身を任せる。

当然体に包丁が刺さる。当然私達は落下する。

彼をチラリと見て

私は考える

--風邪引かなきゃ良いんですけど。

手すりはただ虚しく風の吹き抜ける音を鳴らしていた。

END

117:名無しさん@ピンキー
07/02/24 13:39:04 8KDA2F0+
終わった…。

途中ご迷惑をお掛けしました。

それと『過去』は最後や動機などが微妙
なので未だ執筆中です。

しばしお待ち下さい。

118:名無しさん@ピンキー
07/02/24 17:48:41 h+zeZZp8
このスレ凄いな…GJなんだぜ

119:名無しさん@ピンキー
07/02/24 18:22:38 4l4pbUrt
ヤンデレスレ見てレベルの高さに凹んだ…。

120:名無しさん@ピンキー
07/02/25 05:14:33 9uSwvBCN
>>119 こっちはこっちで面白いと思う。他は他。ここはここさ。
今は修羅場スレもヤンデレスレもちょっと荒れてるしな。

121:名無しさん@ピンキー
07/02/25 06:58:11 0Zh4LLvN
>>120
まぁ、ここはやけに平和つーかまったり
してるよな

122:名無しさん@ピンキー
07/02/25 12:35:47 2DqJnu4d
人がいn(ry

123:名無しさん@ピンキー
07/02/25 16:07:25 wtjihvOE
誰もいない

なぁ、ここはどこなんだ?
…俺達お祭り会場に向かってたんじゃないのか?
僕はこのオンナが近道だという薄暗い路地へ来ている。
「ーーそろそろ…ですね」
僕は意味が分からず重ねた手を振り解き彼女に訪ねる。

「どういう意味だよ?お祭り会場なんてねぇし、それにもう始まってるみたいじゃねぇか…」
その証拠に遠くでどーんと花火の音がする。
まったく…、このオンナはどこか変だと思ってたが方向音痴まであるのか…

「その祭りのおかげでここら辺には誰もいませんよ」
彼女は綺麗なうなじを見せたまま語る。
「はっん…、まるで誘拐犯みたいだぞ?その口振り」

ーー『まるで』とは?と言いながらスタンガンを持った彼女を見た僕はもう既に笑ってはいなかった。

ーー逃げなければ…
そう思い、足に力を入れてもモツレるばかり。吐き気や目眩すらする。

おいおい、風邪でも引いたか?いや、どう考えてもさっきのジュースだろう…。

そんな驚愕と冷静の渦の中で彼女は歌う。
「あなたーに、あえーて、ほんとーに、よかぁった」
嬉しくてと続ける彼女に想像しない自体が起こるとは誰が予測できただろう?

ばんっ
扉が開く。
男が出てくる。

「すいません、カスラックの者ですが?」

END

124:名無しさん@ピンキー
07/02/25 16:10:36 wtjihvOE
反省はしていない。電波に逆らえなかっただけだ


125:名無しさん@ピンキー
07/02/25 18:50:54 PMhCwYN2
>>124
とりあえず、また、電波に支配されたら投稿してくださいね。

126:名無しさん@ピンキー
07/02/25 21:12:24 ug5aWeJW
>>124
吹いた

127:名無しさん@ピンキー
07/02/26 01:00:59 n3X1JiXO
>>123
なんというオチ・・・
見ただけでわかってしまった
この展開は間違いなく予想GUY

128:名無しさん@ピンキー
07/02/26 14:20:10 WXFIs8Z0
不一致

―ここは…どこだ?
僕は訳が分からず、漆黒の中で嘆く。
声が反響する…ってことは地下室かなんかか…。

「貴方の考えてる通りです」
真横から声がして、飛び跳ねようとしたが鎖で縛られているらしく、
じゃらりと虚しい音がしただけだった。

「…取り合えず聞こう。何処だ?」
至極当然な質問だ。
「遠い遠い山の奥です。この日の為に準備してきたんです…」
そう答えながら彼女はランタンに火を灯した。

一応聞こう。無理だろうけど。
そう思い、カサカサの唇とカラカラの喉を動かす。
「逃がしてくれ」
微笑みを崩さないまま当然の様に彼女は答えた。
「うん、それ無理」
そう言い、彼女はゆっくりと蛇を思わせる様な動きで僕の上へと巻き付いてきた。

後ろへ後ずさろうにも冷たい壁と鎖が邪魔をする。

「貴方は私に必要で、私は貴方が必要なの」
と、灯火の様に今にも消え入りそう声で囁く。

『―違う!』そう答えようとしたが彼女が首筋に与える甘美な刺激にそれは叶わなかった。

彼女の舌が耳の裏に辿り着いた時、彼女の右手はズボンのジッパーを下ろし、
何かを優しく捻り上げていた。

しかし、それは破滅の道だとは彼女は気づかなかった。
「―なんで起たないんですか…」
お前はわかっちゃいない。
「何が…ですか?貴方が…―貴方が幼なじみのあの人が好きなことですか?」
それなら分かっています。そういって彼女は顔を両手で隠した。

その俯(うつむ)いた頭の長い髪の毛は簾(すだれ)、喉からは啜(すす)り泣く音が聞こえる。

「…いや、違う…」
そう、違うんだ。
「じゃぁ…!―どうして…ですか?」
顔を上げ彼女は問う。

―それは


「―俺、ゲイだし」
「にょろーん(´・ω・`)」

END

129:名無しさん@ピンキー
07/02/26 14:24:47 WXFIs8Z0
けしてネタが切れた訳じゃありません。
ええ、本当に。飽きた訳でもってありません。

…あれ?
俺ってこんなに髪の毛長くて黒かったっけ?

130:名無しさん@ピンキー
07/02/26 14:43:16 WXFIs8Z0
独り言だがほの純スレみると
いつも栗山千明様が浮かぶのだが、
これってどうよ?

131:名無しさん@ピンキー
07/02/26 18:48:52 MA0FowUc
香椎由宇?だっけ。この人も何故か浮かぶ

132:名無しさん@ピンキー
07/02/26 21:40:24 oInshv2k
>>131
それは賛同しかねる

133:名無しさん@ピンキー
07/02/26 21:45:20 7zxbsZTs
>>128
>「貴方は私に必要で、私は貴方が必要なの」

これ意味同じだよな?

134:名無しさん@ピンキー
07/02/26 21:47:38 bg5WAsQf
修正するとしたら「貴方には私が(ry」ぐらいか?

135:名無しさん@ピンキー
07/02/27 05:05:29 r+iY0TVP
ミスについてはスマンかった
脳内修正頼む

136:名無しさん@ピンキー
07/03/01 22:10:28 jPMoDmc3
ほしゅ

137:名無しさん@ピンキー
07/03/02 07:39:31 7CUIMcG8
保守保守保守保守保守

138:名無しさん@ピンキー
07/03/03 18:43:42 19xi8l54
投下マダー?

つかヤンデレスレにみんな流れてない?

139:名無しさん@ピンキー
07/03/03 23:44:53 N6rgCEyF
自分で書け

140:名無しさん@ピンキー
07/03/04 21:14:00 FCGvxsZ+
ここで俺が華麗に登場

141:名無しさん@ピンキー
07/03/05 00:27:25 PBOHHP2L
ほしゅ

142:名無しさん@ピンキー
07/03/05 02:07:51 GYHx1nUf
エロパロに来ても保守なんてやってるぐらいなら落としちまえよ


143:名無しさん@ピンキー
07/03/05 11:59:15 yQzfbtHs
なら今日中に投下するよ

144:名無しさん@ピンキー
07/03/05 12:31:17 48vpFl50
ちょっと質問。
"ほのぼの純愛"というのは女の子の属性とシチュエーションどっちなの?

145:名無しさん@ピンキー
07/03/05 14:06:28 DTlfxAvC
属性じゃね?



146:名無しさん@ピンキー
07/03/05 16:08:28 84ndieR1
過去ログ嫁

147:名無しさん@ピンキー
07/03/05 21:19:38 wgZ2YDqL
>>143
wktk

148:名無しさん@ピンキー
07/03/05 21:20:17 wgZ2YDqL
スマン

149:名無しさん@ピンキー
07/03/06 16:41:30 kkd5FcM5
投下しねぇのか

150:名無しさん@ピンキー
07/03/06 17:30:44 dltcoStS
誰も居ないので。
つ保守ネタ

女「男君、クイズしませんか?」
男「何だよ、薮から棒に…。まぁ良いけどさ」
女は目を三日月の形にして、少し誇らしげに言った。
女「『きたみたがすたき』コレなーんだ?」
机に頬杖しながら考えていると女は嬉しそうに口で時計の針が進む音を真似た。
その腰を曲げ、背中に手を回している姿はアレを期待している様に見えた。

「さっぱりわからん。」
クイズとう言うモノは、

『出題者が回答者の悩む姿を見て喜ぶもの』

だから、言ってやった。そんな風に兄の仇を見つけたような顔をされても困るんだが…

女「…ヒントは『たぬき』だよ?」
少し溜息混じりなのが些か気にはなる…がっ!
男「っっわかった!!コレは『た』を抜けばいいんだな!?
 ってことは…きみが…すき?」
女「私もです!!結婚を前提に付き合いましょう!!今直ぐにっ」
友&幼「2人ともおめでとぉう!!」
拍手喝采。

男「オイ、お前ら今女からなんか諭吉的なモノ貰っただろ!いやいや、目を反らすなっ」

友「…いやぁ、これで女さんも大人しくなるし…」
幼「私達も幸せ、女さんも幸せでいいこと付く目じゃない…」
男「…僕の幸せは…って目を反らすなオイ!」

そんなやり取りの中、女が僕の肩に手を掛け、無理矢理振り向かせる。

文句の一つでも垂れてやろうと彼女の目を見た。
その目はどこか艶っぽく、そして熱が籠もっていて…怖い。

人差し指を唇に掛けながら言った。
女「問題です。『上は熱々、下も熱々』なーんだ?」
男「…お風呂?…って微妙に違うな…」
女「答えは…」
『Webで!』とか言うんじゃないだろうな…?

女「誰もいない保健室でっ」そう言いながらウインクされた。

…待てや。
男「その馬鹿力の腕を離せっ!オイ誰か助け…友よ、
それの手はヘッドフォンじゃないし、『あ』が続く曲は存在しない。」

だから助けれて、男はそう言おうとしたが既にそこは廊下で、発した言葉は悲鳴だった。

END

151:名無しさん@ピンキー
07/03/07 14:28:41 Fgd4v/n7
誰も言わないので一言
誤字や「、」の使い方くらい知っとこうな

152:名無しさん@ピンキー
07/03/07 14:29:57 Fgd4v/n7
さげ

153:名無しさん@ピンキー
07/03/07 17:02:06 hTm/V+5s
ほのぼのだなぁ……
このネタも、このスレも。




154:名無しさん@ピンキー
07/03/08 13:15:35 Ny2lmXqV
誰もいないのか?

155:名無しさん@ピンキー
07/03/08 14:11:59 Ou/JvSAA
>>154
いるけどROMってるぽい
つうか圧倒的に投下がないのが問題だな

156:名無しさん@ピンキー
07/03/08 14:48:19 L0LQkxh5
ジャンル的に隙間だからな
なかなか書くのも難しいんだろう

157:名無しさん@ピンキー
07/03/08 21:31:35 FdYCsTT3
>>156
俺的には別に相思相愛でもいいんだけどな

それだとヤンデレと変わらんのか…

158:名無しさん@ピンキー
07/03/08 22:16:32 L0LQkxh5
俺が書きたいのは過程なんだよなー
まともで女に危機感をもっている男が
ヤンデレな女に籠絡される様が書きたい

まあそんな筆力ないわけですが


159:名無しさん@ピンキー
07/03/08 22:53:35 bJ5Zpg9h
雑談してる奴らクオリティ低すぎwwwwwwwwwwwww

160:名無しさん@ピンキー
07/03/08 22:57:11 ataviOvQ
>クオリティ

エロパロで久しぶりに見た気がするな……。

161:名無しさん@ピンキー
07/03/08 23:06:47 wjPB/UdX
このスレはVIPクオリティなの?
それとも、VIPinエロパロクオリティなの?

162:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:11:07 +WXZCsOT
悪いな、先日投下すると言った者だが少し遅れてしまった

163:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:12:30 +WXZCsOT






男が目覚めたのは、まだ日も昇らない夜更けであった。
飛び起きた彼の目の前に広がっていたのはいつもの見慣れた光景。相変わらず狭い自室である。
いまだ現実か夢かの区別かつかないのだろう。男は確かめるように自らの両手を見比べ、やがて安堵したのか大きくうな垂れた。
暗闇と静寂が支配する世界に、彼の荒い呼吸音だけが伝わる。
手のひらで顔を覆った男の表情をうかがうことはできないが、そのただならぬ様子から察しはつく。


彼は、怯えているのだ。



[迷子]





蛇口を捻り、適当に掴んだ錠剤を口に放り込む。
医者は用法、用量をしっかり守れと言っていたが、今の僕にそんなことを躊躇する余裕はない。
ただただ眠りたい一心で、無我夢中に水を流し込んだ。
「………っ」
空になったコップを置く頃には、僕もすっかり落ち着きを取り戻していた。
小さく溜息をつき、見上げた鏡に映っている自分の姿に苦笑する。
「やぁ、酷い顔だな」
以前より頬はやつれ、隈は隠すことが出来ないほど濃くなっている。
幼や友がこの顔を見ればどんな言葉を返してくれるだろうか。
揃いも揃って僕のことを嘲笑い馬鹿にするのは間違いない。
だけど、きっと―

164:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:14:20 +WXZCsOT
「ははは……きっと、心配してくれるんだろうなぁ……」
 そんな人達を裏切って僕はここにいる。
喉奥から洩れる渇いた笑いは、とても情けないものだった。
僕は高校を卒業すると逃げるようにあの街から出た。
母さんには県外の大学に通うために一人暮らしをするというもっともらしい理由をつけて。
だから余計に惨めでたまらないのだ。皆の反対を押し切り、ここに来た自分が。
「ほんと馬鹿…だよな……」
「そんなこと、ありませんよ」
 柔らかく、そして溢れんばかりの優しさを内包した声が背後から聞こえてきた。僕が振り返ると、ベットの上に一人の少女が座っていた。
可愛らしい女の子だった。淡い月明かりに照らされた白い顔はどこか婉然としており、四肢は細く全体的に華奢である。
そのせいか現実味が薄く、触れれば掻き消えてしまいそうな儚なげな印象だ。
僕は彼女のことを知っている。
忘れるはずがない。
「久しぶりだね、女さん」
「ふふふ……そうですね」
 口元に手をあてて微笑む女さんにつられ、僕も頬を緩めた。
「君もこっちに引っ越してきたんだ。 それならそうと僕に連絡してくれればよかったのに」
 僕の言葉に女さんは一瞬肩を震わせて、悲しげに瞼を伏せる。
いったいどうしたのだろう。妙なことを言ったつもりはないのだが。

165:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:21:43 +WXZCsOT
首を傾げる僕に気がついたのか、彼女は慌てた素振りで口を開いた。
「ごめんなさい。 色々と忙しかったので、ついつい後回しにしてしまって……」
「謝ることはないさ。 またこうして女さんと話せるだけで嬉しいよ」
「そう言って貰うと、なんだか私も嬉しくなっちゃいます」
 こうした何気ない会話でも、今の僕にとっては心地よかった。
孤独に荒んだ心が潤されていき、覆っていた憂鬱が瞬く間に晴れていく。
「こっちに来てからずっと思ってたんだ。 昔はよかった、ってさ」
「過去を懐かしむのは悪いことじゃありません」
「違うんだ」
 苦笑しながら僕は首を横に振る。
「僕はあの頃に戻りたいんだよ」
 幼がいて、友がいて、みんながいたあの時に。
「どうしてですか?」
 そう聞かれて、僕は考え込んでしまった。
楽しかったから。きっとそれも理由の一つだ。
だけど根本的な、もっと大切なことが欠けている気がする。
でも、何故だろうか。いくら頭を捻ってもそれを思い出すことはできない。
「嘘ですね」
「え?」
「思い出せないなんて、嘘です」
 突然の女さんの指摘に僕は戸惑う。
はじめは状況が飲み込めなかったが、その言葉の矛先が僕に向けられているのだと分かると、さすがの僕も困惑を隠しきれなかった。
「僕は……何も言ってないよ」
「ですが私には聞こえてましたよ?」
 おかしい。確かに僕は一言も口を開いてはいないはずなのだが。
いや、口に出したつもりはなかったが無意識に呟いていたのだろう。
心の中を覗かれたようなむず痒さを掻き消すために、僕は無理矢理に自分を納得させた。

166:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:26:38 +WXZCsOT
「だけど一方的に嘘つき呼ばわりは酷くないかな。 本当に僕は思い出せないんだからさ」
「思い出せないが過去に戻りたい、ということですか」
 僕が頷くと、女さんは溜息混じりに告げる。
「矛盾だらけですよ」
「そうだね」
「そしてやっぱり男くんは嘘つきです」
 何故そうなるのか。
弁明しようにも頬を膨らます女さんを見ると、その気も失せてしまう。
「勘弁してよ、女さん。 このままじゃ押し問答じゃないか」
「私は絶対に退きませんよ」
 女さんは僕を真っ直ぐに見据えた。
そうだ。彼女はこういう女の子だった。
一見すると気弱な風に見えるが、実はけっこうな頑固者という何とも不格好な性格の持ち主なのだ。
それが女さんの魅力なのだが、時に騒動の原因となることも少なからずあった。
僕もよく巻き込まれ、自らの不運を呪ったものである。
だけどもそれが実は楽しかったりしたのも、今だからこそ思えることだろう。
そういえばあの時だって、いわば女さんの―
「………あれ?」
 あの時。
女さんの。
女さんの。
女さんの―
次に続く言葉が浮かばない。
焦りつつも必死に思考を巡らせるが結果は同じで、頭の中を真っ白なペンキで塗りたくられたような、なにもない空白が広がるだけ。
それは変な感覚だった。まるで胃袋を裏返されたような吐き気と、無重力にいるような浮遊感。押し寄せる不安の波に身体が震える。


167:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:30:44 +WXZCsOT
「思い出せない、ではないんです」
 頭を抑えて俯く僕に、細い指先がそっと差し出される。
彼女の手の平は輪郭をなぞるように優しくなぞっていき、やがて僕の目を覆った。
「あなたは認めることができなかった。 だから見るのを止めた」
今にも消えてしまいそうな低い声色からは精一杯の慈悲が溢れていた。
視界を奪われた僕は、女さんの声にすがりつく様に聞き入るしかない。
でなければ降りかかる重圧に押しつぶされてしまいそうだった。
「あなたは」
 全身が強張った。
焦燥に伴い表層に浮上した確信が僕の危機感を煽る。
やめろ。
やめてくれ。
それ以上は言っては駄目なんだ。
喉を振り絞り叫ぶが、いくら叫んでも肺から洩れる空気が掠れた音を鳴らすだけで声にはならない。
ついに僕の願いも虚しく、彼女の可憐な唇は動いた。



「あなたは思い出したくないんです」




紡がれていく。
心の奥底にしまい込んでいた記憶が。
容赦なく。





――五年前。





168:名無しさん@ピンキー
07/03/09 01:34:09 +WXZCsOT
まだこんだけしか書けてないや。
あと二回で完結。
文体が変なのは新ジャンルスレに特化してしまったせいだ。
多少見苦しいと思うがが許しておくれ。

169:名無しさん@ピンキー
07/03/09 15:01:27 WoZc+VnM
wktkしてるぜ

170:名無しさん@ピンキー
07/03/10 03:35:17 JXqcOZqd
>>168
こんなに高度な文章はこのスレでは
初めてなんでwktkしてます。

171:名無しさん@ピンキー
07/03/10 19:35:36 346tozKB
この書き方には見覚えがあるな……。
それはともかく、wktk。

172:名無しさん@ピンキー
07/03/10 20:39:22 8n7vssxh
wktkだな

173:名無しさん@ピンキー
07/03/10 23:19:26 vOEHPluR
>>171
たぶん気のせい。
長文はやわらか戦車でエロパロ以来書いてない。

174:名無しさん@ピンキー
07/03/11 03:19:15 t3fEiqpg
>>173
やわらか戦車でエロってあったのかw

175:名無しさん@ピンキー
07/03/11 03:34:13 9qxzKoCP
想像つかんな

176:名無しさん@ピンキー
07/03/11 07:34:40 HsFh+2DQ
女キャラって兄者のさらわれ先の現地妻しかいないんじゃ

177:名無しさん@ピンキー
07/03/11 14:52:04 afXnR7kY
>>176
今は、な
つか、それがどうした?

178:名無しさん@ピンキー
07/03/11 23:10:13 9qxzKoCP
きっと>>176が新たな女キャラを書いてくれる

179:名無しさん@ピンキー
07/03/12 00:06:00 nJFf7IV5
>>176
90式先輩の性別変更&ツンデレ化して書いてた。

先日の話の続きを書いているが中々進まないので、気分転換に短い話書こうと思う。
誰かネタおくれ。

180:名無しさん@ピンキー
07/03/12 00:14:03 14QZJL8c
>>179
もう、出てるんじゃない?ってことでwktk

181:名無しさん@ピンキー
07/03/12 00:15:22 14QZJL8c
sage

182:名無しさん@ピンキー
07/03/12 04:04:32 sgI6UfDE
透の親友

俺の名前は透(とおる)。直ぐ死にそうだな、とか思った奴は表出ろ。
何処かの主人公みたいに雪山のペンションで死んだり、マリとか言う恋人は存在しない。
そもそも、俺はそんなに不幸じゃない。まぁ、アイツを見てもらえば誰でもそう思うだろう。

「―畜生っ、もう別れてやる…」
この椅子に座ってあらゆる物に頭を垂れている男が俺の無二の親友、護(まもる)だ。
護は護であってそれ以下でもそれ以上でもない。だからこいつと俺の苗字なんてどうだっていいだろ?
俺だって長ったらしい名前を聞くのは嫌だ。分かり易ければこの上ないだろ?
そもそも、名前なんてものはお互いを呼び合う為だけの記号であって――

まぁ、そんなことはどうでもいい。
俺は窓際の一番後ろという高ポジションにいる男に優雅に振り向く。

「よう、護!遂に付き合っている事を認めたんだな。お前にも早めの春が来た、と」
何の悩みのない、それでいて屈託のない笑い顔を見て恨めしそうに護は顔を上げた。
ああ、相変わらず女みてぇに綺麗な顔だな。
「やあ、透。相変わらず雪山のペンションから抜け出せないみたいだね?
 犯人を教えてあげようか?ヤスって名前の―」
コイツのネタは古すぎてついて行けない時がある。今がまさにそれだ。
とりあえず遮らせていただこう。

「―で、今度はどうした?」
暗い顔が更に暗く、それは苦虫を噛み潰したような顔に変わっていく。
「…すっと部屋の窓を叩いたり、ドアノブをがちゃがちゃ…。んで、…朝から一緒に登校さっ」
自嘲するような顔になり、両手は参ったのポーズ。
これは効いてるね。うん。


余裕がないので今日はここまで。

183:名無しさん@ピンキー
07/03/13 00:14:14 GHVryEQ6
wktk
しかし、少ないな

184:名無しさん@ピンキー
07/03/13 05:40:27 WXnFs7ix
やはり、投下する時は一気にすべき?

185:名無しさん@ピンキー
07/03/13 10:45:30 YEBAp3lf
話の小さな区切りとなるポイントで切るのならばいいと思う。
盛り上がっている場面の途中で切られるのは勘弁だが。

186:名無しさん@ピンキー
07/03/15 11:56:55 n0QLZwno
保守

187:名無しさん@ピンキー
07/03/15 20:50:59 9QetLa7T
伸びが悪いな…
VIPでもこのスレの存在知らない奴まだいるんじゃね?

188:名無しさん@ピンキー
07/03/15 21:16:09 Brtg+xtf
「SSにエロが必要」という枷を外せば、たくさん短編が投下されるのかもしれんが。
事実、嫉妬・ヤンデレスレは主旨があっていればOKという空気がある。
けど、それならVIPに行けってことになっちゃうからな。

簡単にエロシーンを書くことができる職人さんが来てくれれば解決するんだがw

189:名無しさん@ピンキー
07/03/16 18:29:10 D+TuwIYU
初代スレのクオリティがなければヤンデレスレで十分だな

190:名無しさん@ピンキー
07/03/16 21:56:45 BInCc228
伸び悩んでますな~。
エロが限りなく少なめで良ければ、明日時間あるから書きますよ。
以前レズと縦読みと日記を書いたモノです。







エロ必要ならそれ用にお題プリーズ。

191:190
07/03/16 21:58:21 BInCc228
ちょっと間違えました。
モノ→者
いや、分かるとは思いますけど。

192:名無しさん@ピンキー
07/03/17 04:54:51 PE5nyHqI
>>190
電車でGO

193:名無しさん@ピンキー
07/03/17 04:55:30 PE5nyHqI
さげ

194:名無しさん@ピンキー
07/03/17 13:55:49 2Sn7VTqy
過疎ってんな

195:190
07/03/17 20:57:14 rM81Thuk
電車にGO……ですか。
分かりました、考えてきます。

196:名無しさん@ピンキー
07/03/17 21:06:44 D5BLRi9L
電車ネタか?

197:part1(どの位になるか不明)
07/03/17 22:26:33 rM81Thuk
ある金曜日の朝のこと。
目覚めた瞬間、彰人(アキト)は何か違和感を感じていた。
そうだ、普段なら目覚まし時計の不快な音を止めるべく手を伸ばす筈が、肝心の音が全くしない。
時間を確認してみると6時14分、まだまだ起きるまでは時間があった。
「珍しい事もあるもんだな」
目覚ましより先に起きるなんて本当に久しぶりだ。
昨夜は遅くまでゲームをしていたので二度寝しようとも思ったが、不思議と眠気もない。
むしろナチュラルハイになっているのだろうか。
兎にも角にも爽やかな目覚めに感謝し、本日の講義を確認する。
二限に経済論、幼馴染みの幼子(ようこ)や親友の友貴もとっている講義だ。
友貴に返す予定の“電車でGO~全国路線網羅編~”をテキストと共に鞄に投げ込んだ。
「よし、今日はちょっと凝ってみるか」
一瞬いつものトーストに目がいったが、時間もあるし気分も良いので何か作れないかと冷蔵庫を漁る。
めぼしいモノは特にない。
朝食に凝るなんて想定していないのに、何か有ると思う方が間違っていたのだ。
しかたなく卵を取り出し、やや雑に閉めて振り返ると時計と目があった。

10時49分。

信じがたい現実から逃げるように目を擦り、もう一度時計を確認する。

10時49分。

慌てて家中の時計を見て回る。
キッチンタイマー10時49分、洗面所10時50分、ミニコンポ10時50分、腕時計10時50分、携帯電話10時48分。
「家中の時計がずれてる……いやいや落ち着け、目覚ましがずれてる!?」
そりゃあ気持ちよく起きられるはずだ、10時半頃まで寝ていたワケなのだから。
卵を戻すと急いで鞄を手に取り、髪も整えないまま玄関へと走った。

198:part2
07/03/17 22:57:11 rM81Thuk
恐らくこんな時間でも居るのだろう。
あのストーカー女、麗奈(れな)が。
だがいつものように裏口や窓から出るなど工夫を凝らしている場合でもない。
無言のまま走って振り切ろうと決意し、ドアを勢いよく開け放った。
「おはようございます、彰人さん。今日はきっと一緒に登校できると信じてました」
「………」
案の定、満面の笑みを浮かべて麗奈が立っていた。
学園祭のミスコンで八割の票を持ち去っていく美貌、どこのお嬢様かと考えてしまいそうな物腰、マイクロチップを埋め込んだと言われても頷ける頭脳、そして逸脱した狂気的な愛情が同居している存在。
関わればこちらの精神が持たないのは言うまでもない。
「あ、あの、ちょっと待って下さい」
無言のまま更に歩みを早める。
「欠課が嫌なのは私も同じですけど、こんな時間では同じですから…」
彼女はあれこれ言いながら小走りで付いてくる。
「はぁはぁ、私が引き留めたと言えば、はぁ、大丈夫です、ゆっくり、はぁ、お話ししながら歩き、ましょう」
走り出した彰人に、息を切らせながらも付いていく。
しかし普段から歩幅の短い彼女が、全速力で走る男性に追いつけるはずもなかった。
みるみる小さな影となり、彰人が講義室に入った頃には、窓から外を見てもその姿を確認することは出来なかった。
「よぉ、早朝ランニングで迷子にでもなったか?」
特にお咎め無く、しかし明らかな遅刻という形でやってきた彰人を友貴が小声でちゃかす。
「バカ、目覚ましが遅れてたんだよ」
「電波時計に変えたんじゃなかった?」
「とにかく遅れてたんだ」
「壊れてんじゃん、それ」
鼻で笑って肩をすくめ、前半のノートを差し出す。
「サンキュ」
「それ私のなんだけどなぁ」
友貴の横から顔を覗かせた幼子が不満そうに愚痴を零す。
しかし不満より強請るときの声だという事は、付き合いの長い彰人にはすぐに分かった。
「幼子様、明日ランチでもご一緒しませんか?こっち全額負担で」
「よろしい、存分に写しなさい」
「頼むからデートの約束は人を挟んでやらんでくれ」
途端に二人の顔が火を噴く。
「ち、違う!!そういう意味じゃなくてだなぁ」
小声で冗談交じりにゲームの感想を話し始めた頃には、もう彰人は麗奈の事などとうに忘れてしまっていた。

199:part3
07/03/17 23:35:01 rM81Thuk
“リーンリーンリーン♪”
壊れた目覚ましの代わりに携帯のアラームが鳴り響く。
“リーンリーピッ…ピッ…”
彰人は携帯アラームを止め、念のためいくつかの時計を確認した。
確認した全ての時計がほぼ7時30分、今回は大丈夫。
幼子との待ち合わせは最寄りの駅からたった2駅だから、待ち合わせ時間に遅れることは有り得ない。
余裕があると何となく色々してみたくなる。
ちょっといつもと違う服を選んでみたり、歯磨きに時間をかけてみたり……。
「別にこんな気合い入れて行く必要なんて無いよな。友達とご飯食べに行くだけだし」
苦笑して手に取ったコロンを置き直し、部屋に戻って財布の中身を確認する。
幼子は二人きりで食べに行くときは妙に小食になる。
今入っている分だけで充分と判断して財布をポケットに突っ込んだ。
「さ、て、と」
男が身支度にかける時間など大したことはない、問題はここからだ。
いつもなら買い物に出る時間、つまりスケジュール通りだと麗奈の目をかいくぐって外に出なければならない。
もし失敗すれば普段より被害は大きいのだ。
恐る恐る覗き穴を覗き込む。
「あれ、いない?」
まさかスーパーに先回り?
有り得る、昨日は全速力で逃げたのだから、予定の変更を知らない麗奈はスーパーに居る可能性が高い。
「善は急げって事か、麗奈さんの勘は異常だからな」
彰人は足を縺れさせながら靴を履き、昨日を上回る早さで駅へと走った。
駅に着くなり、不審者と思われても仕方ないくらい辺りを見回す。
改札を駆けるように抜け、マナーモードにするのも忘れて電車に飛び乗った。
四両編成の三両目。
この時間帯は人が少ないのだが、出来るだけ人が多い車両を選んだ。
一人で居るのが何となく怖かったからかも知れない。
“リーンリーンリーン♪”
坐ろうとした途端に携帯が鳴り響いた。
周りの4、5名が一斉に彰人を見る。
「あ、すみません」
慌てて携帯を取り出しながら、外から見て人の居なかった二両目に走る。
番号に見覚えはなかった。
幼子の待ちくたびれたという連絡では無いはずだ。
「もしもし、麗奈です。“隣の車両に居るからそっちに行きます”って言おうと思ってたんですけど、もう一両先ですね」
携帯からは、嬉しそうな声で有り得ない内容が聞こえてきた。

200:名無しさん@ピンキー
07/03/17 23:36:33 rM81Thuk
もう少しでエロ入りますので、多分ペースダウンします。
眠くなったら明日にまわします、その時はご容赦下さい。

201:名無しさん@ピンキー
07/03/18 05:25:38 QqJk22nh
まさか本当にやってくれるなんて!
…ハァハァ

202:名無しさん@ピンキー
07/03/18 17:57:13 0owYYFPQ
エロってどういう感じに書けばいいんだ?
誰か教えてくれ

203:名無しさん@ピンキー
07/03/18 19:53:02 lDk/L6RG
エロなしでもいいんじゃない?

204:part4
07/03/19 01:14:30 5uNbyY8K
「麗奈さん、どうして……」
寒くもないのに震える手をもう片方の手で押さえつける。
耳に押しつけられた携帯からは、外から聞こえてくるガタンゴトンという音を僅かにずらした音が響いていた。
「どうして?あぁ、彰人さんは何も気が付いていないんですね」
その声はもう後ろから聞こえてくるモノの方が大きかった。
携帯を持つ手をゆっくりおろし、その何倍もの時間をかけて後ろを振り返る。
「貴方は私とこうしてお出かけしたかったんですよね?自分では気付いていないけど、私は知ってます」
そこには、アイボリー色のワンピースを纏い、明らかに服とは不釣り合いな大きめのショルダーバッグを下げた麗奈が立っていた。
“家出でも出来そうだな”という言葉を飲み込み、自分の思考すら決めつけられた妄言を、何としてでも否定する言葉を探す。
だが、反応は麗奈の方が早かった。
「分かってます、分かっているんです。貴方が極度の照れ屋だって事、理由が無いと自分の意志にも従えないこと、そして私だけがそれを知っていること」
「違う違う違う!!何の根拠があってそんな事を!!」
必死で否定する彰人に対し、麗奈は嬉しそうに目元を綻ばせて言い放つ。
「ほら、私の言った通り……理由が欲しいんでしょう?それが出来るのも私だけ」
彰人は思わず目を合わせてしまい、その瞬間から蛇に睨まれる蛙となった。
少しずつ、且つ着実に近づいてくる。
距離的にも、精神的にも、砂に水が染みこむのを防ぐことが出来ないのと同じように。
もし目の前まで来たら何をされるのか?
直接的に危害を加えてくる事は無いはずだ、現に今までそれは絶対に無かった。
麗奈はただ周りだけを壊していく。
存在のない兵糧攻めとも言える絶対的な効果を確信して。
常にそういった状況に晒されてきた彰人は、今回もまた吐息が聞こえるほど近寄ってきても一歩として動くことは出来なかった。
「大丈夫ですよ、あんな雌猫に振り回されたりするのはもうお仕舞い」
耳元で囁くと、バッグをぐっと持ち上げ肩にかけ直す。
硬直が解け彰人の唇が言葉を紡ぐ前に、麗奈は前の車両へと去っていった。
時を同じくして電車は一つめの駅に停車し、一人の客を乗せた。
顔を青くして目を泳がせる彰人を見て、乗り込んだ客は直ぐに隣の人の居る車両へと移っていった。
だが彰人の頭の中には、既に外見や他人の事など皆無だった。
麗奈は何故此処まで来て離れていったのか?
見えない視線の演出だろうか?
次で降りたとして幼子の身の安全は保証されるのか?
いや、この後どんな行動を取ろうとも……。
「駄目だ」
イスに腰掛け溜息をついた。
悪い考えは底を突くことがない。
直に聞いたところで解決しない。
そもそもこちらから出向く勇気も無い。
だが、とにかく幼子の側に居た方が良いかも知れない。
震える体を押さえつけ、彰人は次の駅までのアナウンスを待った。

205:part5
07/03/19 01:48:45 5uNbyY8K
“プツッ!!”
突然手元から聞こえてきた奇妙な音に体が跳ね上がる。
良く見ると、まだ切っていなかった携帯が圏外になっていた。
「まだトンネルは無いよな?」
ふと窓の外を見ると広い景色が見渡せる。
顔を横に振ると次の駅までも見えていた。
「おい、なんで減速しないんだよ」
どれに乗っても止まるはずの駅が間もないというのに、一言のアナウンスすら無かった。
更に、比較対象の駅が近いせいか、減速どころか加速している様にすら見える。
彰人は、一昨日やったばかりのゲームを思い出した。
このままでは急ブレーキをかけても駅には止まれない。
ゲームであれば減点だのゲームオーバーだので済むが、現実に止まるはずの駅にそのまま突っ込めば、次に乗る予定で線路付近に居る客はどうなるか分かったものではない。
そうだ、いままでだって麗奈の方が彰人より常に一枚上手だった。
彰人に降りる選択肢が残されているはずが無かったのだ。
より揺れの激しくなった車内で辛うじて先頭車両まで行き着き、そこで彰人は「予想」と「最悪の事態」が一致した光景を見た。

ー黒く塗りつぶされて中を覗けない操縦室ー
ーそのドアには不釣り合いなほど頑丈そうな錠ー
ー満足げに笑みを称えながらドアにもたれかけた麗奈ー
ー殆ど空になって投げ捨ててあるショルダーバッグー

そして…………

ー無地のワンピースについた赤い斑点ー

206:名無しさん@ピンキー
07/03/19 01:54:48 5uNbyY8K
とりあえずキリが良かったので、以降はまた休みの日に書きに来ます。
なんかこの筆の遅さだと、プロット渡して誰かに書いて貰った方が早いんでしょうけど……。

とりあえず箇条書きの方でエロシーンに入りました。
多分そのシーンはpart7くらいになると思います。

207:名無しさん@ピンキー
07/03/19 13:27:37 H398gUzr
俺の筆の遅さには遥かに勝ってるから大丈夫。
期待age


208:名無しさん@ピンキー
07/03/19 14:17:51 JJWu+9Lh
>>206
GJっす
ただ一言言いたいのは
キャラ名を「男」、「女」にしてもらいたいんだな
まあ気にしなくてもいいけど

209:名無しさん@ピンキー
07/03/19 19:31:24 byCso6vF
>>206
おいらは名前は何でもいいと思う
とりあえず麗奈がどんなことしてくれるのかwktk

210:名無しさん@ピンキー
07/03/19 22:29:43 jRm9RI+z
板も変わったんだから名前もそこまでこだわらないでもいいのでは

211:名無しさん@ピンキー
07/03/19 22:51:43 xYojZB71
名前は統一した方がいいのかな?

212:part6
07/03/19 23:01:13 5uNbyY8K
直視できない現実がそこにはあった。
だが、目を瞑ろうとも駅に突風がぶつかる轟音で、否応にも現実は彰人の頭に雪崩れ込んできた。
目的の駅は遠ざかり、やはり一言のアナウンスも無いまま次の駅へと走り続けている。
「オトギバナシをしましょうか」
「…………」
「お、おい、何だコレは!!」
異変に気付いた一人目の客が、彰人と他の客の言葉を代弁した。
同乗していた数名の客が流れ込んできても、意に介すことなく話を続けていた。
「照れ屋の王子様と、心が読める魔法使いのお話です」
立ちつくす彰人の腕を引き、ゆっくりと電車の後方へと歩を進める。
空になった車両の窓は、普段よりも急いで景色を追いやっていた。

“昔々ある国に、優しくて照れ屋な王子様がおりました”
“王子様の側には、いつもいつも薄汚い雌猫が居座っていました”
“そんな猫が側にいては、王子様は汚れてしまいます”
“しかし王子様は優しいので、そんな猫でも可愛がっておりました”
“勘違いした猫は、王子様が何処に行っても付いていき、王子様を困らせながら至福の時を過ごしておりました”
“そんなある日、王子様は美しい魔法使いと出会いました”
“二人は一目見たときから惹かれ合いましたが、照れ屋な王子様はそれを隠すためにいっそう猫を可愛がりました”
“汚れてしまうのに猫を膝の上で撫でている王子様……”
“その様子を見た魔法使いは猫を懲らしめる事にしたのです”

麗奈は電車の最後尾まで着くと声に力を込めて締めくくり、彰人の手を放して振り返った。
「続き、知りたくなりました?」
「それより自分が何をやったのか分かってるのか?頼む、この電車を止めてくれ」
意気揚々とした麗奈の声とは正反対に、絞り出すような声で懇願した。
「その為のヒントがオトギバナシの中にあるんです」
「……分かった、最後まで聞かせて欲しい」
彰人には大凡のあらすじは分かっていた。
王子様である自分と、魔法使いである麗奈のハッピーエンド。
初めから悪者扱いの猫こと幼子に心の中で詫びつつ、お伽話の続きに耳を傾けた。

“魔法使いはまず、一人の男に兵士の服と呪文を授けました”

213:名無しさん@ピンキー
07/03/19 23:04:42 5uNbyY8K
名前を男にしなかった理由、これで分かっていただけたかと。
プロットの段階で既に紛らわしかったんですよ。

あ、無駄に長くなりましたが、昔話形式が好きなんで“私の都合により”このまま続けます。

214:名無しさん@ピンキー
07/03/19 23:05:06 vb1i5y5u
まとめちょっとよんだだけで背筋がほのぼの・・・

女・・・恐ろしい子!!

215:part7
07/03/19 23:11:46 5uNbyY8K
“魔法使いに授かった呪文を使い、男はまず薄汚れた猫を森へ誘い出しました”

駅の喧騒を遠目に見ながら幼子は焦っていた。
短めに調整したチェックのミニスカート、彰人の好きな淡い暖色のブラウス、早起きをして一本の乱れもなく櫛を通した髪。
少し無理をして手に入れたネックレスを可愛く覗かせるため、胸元の開き方に1時間を費やした。
何処にでもついて行けるようにローヒールを選び、試しに履いてみた靴は八組。
万全を期した幼子も交通機関の麻痺の前には無力だった。
喋りたがりのおばさんが、電車が信じられない勢いで通過していく様子を誇張して話すのを聞いた。
突風で倒れて怪我をした子供が運ばれていったから、全くの嘘では無さそうだ。
同系列の電車の多くが運行停止した事実も、それを明確に裏付けていた。
「あきとぉ~、早く出てよぉ~」
(お客様のお掛けになピッ♪)
4回携帯を手にした辺りで、待ち合わせの時間になった。
電車が止まって遅れるというなら、むしろ向こうから電話があっても良い筈なのに。
幼子の苛立ちをよそに、携帯は同じメッセージを繰り返していた。
「んもう、帰っちゃうぞ!!」
「お、お嬢さん、ちょっと良いかな?」
幼子が痺れを切らせて駅に背を向けたその時、帽子を深く被った一人の警官に声をかけられた。
目の前まで来た警官は、走ってきたのか息を荒げながら手に持った写真と顔を見比べていった。
「よかった、え~なんていったかな、君の知り合いが暴走した電車に乗っていてね」
「まさか彰人が!?そんな……」
きっと彰人は携帯の電源を切っている事も忘れて慌てている事だろう。
そう考えて納得し、自分にどんな用があるのか尋ね返す。
「い、いや、ここではちょっとね……そ、その、向こうに行こうか?」

“兵士の服を見て、猫は疑いもせず付いて行きました”

216:part8
07/03/20 00:22:30 Xvrq07uk
“暗い暗い森の中、猫は男に尋ねます「ねぇねぇ、王子様は何処にいるの?」”

駅に人が集まり始めたせいで、街に人の気配は薄かった。
警官に言われるまま歩いてきた場所は、そんな街の中でも建物の間にある路地裏と呼べる場所。
人の通りなど皆無で、本当に静かな場所だった。
「はぁはぁ、こ、ここなら……」
辺りを見回してから振り向いた警官は、何故か手を小刻みに振るわせていた。
もう一つおかしな事に、同じ速度で歩いていた筈が、警官だけ先程よりも息が荒くなっていた。
「あの、彰人は…走り続けてるって噂の電車に乗ってるんですよね?」
「ど、どういう事?」
「だって、さっき……」
「合い言葉、間違ってなかったろ?」
震える手で帽子を投げ捨て、胸元からロープを取り出した。
幼子はその時ようやく、彼が“警官”ではなく“ただの見知らぬ男”である事を認知した。
それも非常に危険な部類の、間違ってもこんな所で絶対に二人きりになってはならない人物。
ゆっくりと後ずさり、弾かれたように振り返って逃げようとしたが、もう既に遅かった。
駆け出そうと振り上げた手を強く掴まれ、勢いで足を縺れさせて壁にもう片方の手を付いた。
「もう始まってるの?き、気が早いね、おじさん若い子にはついていけないよ」
「いやっ!!」
男は、幼子の手を掴んだまま壁に背を付けるように押しつけ、他人では有り得ない距離まで顔を近づけてきた。
顔を背けながら強引にふりほどこうと藻掻く。
押しつけられた手がコンクリートの荒い壁に擦り付けられ、激しい痛みを伴った。
それは状況から予想される未来の苦痛より遙かに軽いモノであり、体格差を見るに無駄につけてしまった傷かもしれない。
「いや~、本格的だ。でも勿体ない……」
手の痛みが脳にジワジワと伝わってくるに従って、抵抗する力も徐々に失われていった。
静かになった路地裏で、男の声と荒い息、そして幼子の泣き声だけが反響していた。
ぐったりと壁にもたれる幼子の両手をロープで縛り、男はブラウスのボタンに手を伸ばした。

“「お前がいつも王子様を困らせていることは知ってるんだぞ」男は猫を懲らしめるため、汚れた皮を剥ぎ取り始めました”

217:名無しさん@ピンキー
07/03/20 00:22:49 MZ4oJO1r
幼子の貞操の危機ktkr



218:part9
07/03/20 00:57:20 Xvrq07uk
“猫は「まいった」と言いましたが、また毛が生えてくることを知っている男は手を緩めません”

男は二番目のボタンを指で外そうとしながら、緩みきった顔で話し始めた。
「伝言役の女の子も可愛かったけど、君もかなり良い線いってるよ」
震える手では上手く外せず、ゆっくりとしたペースで脱がされていく。
「おじさんはイメクラ飽きちゃってね~」
最後のボタンは強引に引きちぎり、はだけた胸をブラの上から撫でつける。
「もしかして君もそんな口かな?」
持ち上げるようにブラをずらし、指で何度も乳首を弾いた。
その度に幼子の体は強張り、まるで全身で快感を味わっているようにも見えた。
「こんなに本格的なレイプ願望もった娘はそうそう居ないよ」
スカートの下から手を入れ、探るように太股を撫で回す。
そのまま秘所に密着した薄布の上に指を添え、じっくりと堪能しながら上下にさする。
「や…いや……いやぁっ!!」
幼子自身にも残っていないと思われていた力が、振り絞った声と共に男を蹴り飛ばす。
腕を縛られたまま、よたよたと這い蹲って逃げ出そうとする幼子を見て、男は先程とは別の意味で体を震わせた。
「そうだね、そうでなくちゃ!!」
大して痛みを感じた様子のない男は、逃げ出す幼子の片足を掴んで強引に引っ張った。
引かれた拍子に剥き出しの体を地面に叩き付けられ、声にならない息だけを漏らす。
強引に仰向けにされ、腕を固定されたまま、何度も何度も頬を叩かれた。
尖った小石にでも当たったのか、胸元にはうっすらと血が滲んでいる。
足も引っ張られたときに擦りむき、白い肌を台無しにしている。
もう何処が痛いのか分からなくなってきた頃、口の中が鉄の味になっていた。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!」
男が思いっきり振り上げた手を見た瞬間、幼子の生の欲求が口を動かした。
「痛いのは嫌です、許して下さい」
男の口元が歓喜を宿した。
それもまた、性の欲求によってもたらされたモノ……。

“王子様の為に、男は自分の考え得る全ての手を尽くそうと考えました”

219:名無しさん@ピンキー
07/03/20 00:59:47 Xvrq07uk
エロなのに調子が良いです。
でも、激しく眠いです。
誤字があったら許して下さい、ほんと。








睡眠欲も生理的欲求。

220:名無しさん@ピンキー
07/03/20 01:24:55 XlwGdIAu
GJ!!

221:名無しさん@ピンキー
07/03/20 01:36:06 MZ4oJO1r
>>219
GJ!
割り込んでスマソ。
なんか投下と投下の間隔が長いけど、書き溜めしてないとか?





222:名無しさん@ピンキー
07/03/20 01:55:21 ru+/YQOZ
イヤアァァァーーー!幼子っ、逃げてぇぇ!!
ってか、俺はてっきり麗奈と彰人がハァハァな展開かと
思ってたんだが、違うのね

まあ、ドキドキしてるけど。

223:名無しさん@ピンキー
07/03/20 09:39:59 0b1X4hAV
えーと、レイープ?

224:名無しさん@ピンキー
07/03/20 15:53:01 v+Quu9FB
GJ!!
名前は脳内変換します騒がせてスマソ

225:名無しさん@ピンキー
07/03/20 17:57:50 Xvrq07uk
今日は早めの帰宅。
風呂上がったら続き書く。

>>221
してません、書き溜めとか無理です。
手元に原稿があると、校正したくなっていっこうに終わりません。
そんなワケで、伏線の整合性を確認したら即投稿する事にしてます。

>>222
さぁ、どうかな?

>>223
まさにその通りです。
抜いて書ける構成にもなってますから、反発多ければ逃がします。

>>224
お願いします。

226:part10
07/03/21 00:04:59 0WY0soBe
「亡骸を残さないため、男は猫を食べてしまう事を思いつ」
「やめろ!!」
彰人の頭の中で、つい数分前まで笑みを浮かべていた幼子の顔が、みるみる歪んで泣き顔になっていった。
破けた服をかき集めながら咽び泣く幼子のイメージを、彰人は必死になって頭の隅に追いやる。
「もう良い、自力で何とかする」
「後悔、しますよ?」
このまま、流されるまま話を聞き続けていれば、確実に幼子は麗奈の望み通りになるだろう。
いまだ携帯が圏外になっているのも、それを成功させるため麗奈がやったことである事は明白だ。
一か八か、彰人はガラスを叩き割って中に入り、無理矢理にでもブレーキを作動させる事にした。
もう自身の怪我など怖くない。
運転手がどうなっていようと怯まない。
脱線させてでも幼子の元へ駆けつける。
麗奈のシナリオから飛び出すために、そう固く決意して先頭車両へと駆け出した。
より一層、嬉しそうに笑った麗奈を残して。
「尖った硬いモノがあれば……」
彰人は先頭車両へ向かいながら考えた。
自分の持ち物で電車のガラスを割れそうなモノは無い。
乗客が何か持っていないだろうか?
しかし、そんな考えは直ぐに無駄に終わる。
先頭車両は地獄絵図と化していた。
頭を抱え込んで震え続ける中学生くらいの子供達、操縦席の前で放心している男性。
泣き叫ぶ母親に抱かれ、何が起こったのか理解できぬ赤ん坊が指差した先には、吊り下げられた血みどろの運転手の体があった。
まだ死んではいなかったが、素人目にも助かると思えるような状態では無かった。
見事なまでのリストカットを施され、ドア付近ギリギリにロープで吊され、本当に致命傷になったのは目の前で飛び散った大量のガラスの破片。
男性の足元を見て全てが理解できた。
あまりにも都合良く置かれた、自動車の窓ガラス粉砕用レスキューハンマー。
何を疑う暇もなく、ひっくり返された麗奈のショルダーバッグが目に飛び込んできた。
だが他の乗客に混ざって、麗奈の時間稼ぎに参加するつもりは無かった。
罪の意識に囚われた放心状態の男性を押しのけ、運転手の体の隙間から中を見る。
壊された計器や無線など、最高速で頑丈そうな鎖に固定された操縦レバー。
そして、鎖を結わえる鍵が電子ロックであることを確認したとき、まだ麗奈のシナリオの中で踊っていることを知った。


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