07/04/25 04:05:24 5Mk9icMw
選挙演説の日――
だらけたざわつきが満ちた体育館とは違い、固い空気が漂う舞台の片隅、
少年は久々の晴れ舞台を目前に控え、顎をぐいと突き出す格好。
演説を前に気負が過ぎ、既にそれは緊張となっていた。
「なあ―、花井ィ」
「ん……」
いつのまにか舞台袖は花井と美琴、二人だけの世界となっていた。
「ちょっち緊張してんな?かたくなってンぞ。いーことしてやろっか」
悪戯な笑みを投げかけながら、馴れた手つきで張り詰め、固くなった部分さすり上げる。
「っ…くっ…周防……」
時間も時間だし力尽きた。