【GS美神】椎名総合百貨店5階【絶対可憐チルドレン】at EROPARO
【GS美神】椎名総合百貨店5階【絶対可憐チルドレン】 - 暇つぶし2ch361:名無しさん@ピンキー
07/06/06 22:02:40 4YDu3KLv
もう蛍子は生まれてるのかな

362:名無しさん@ピンキー
07/06/06 23:35:04 y6i/dSaf
GS試験日が近づいてきたおキヌちゃんが単身妙神山へ修行しに行って、小竜姫にいいようにやられちゃうレズもの下さい

363:名無しさん@ピンキー
07/06/07 11:35:43 BSUYcGS8
>>361
転生したルシオラを絶チルに出して欲しい
それが、10年前不幸なヒロインを作り上げてもみ消した椎名の義務!
横島の相手は・・・ロングヘアーの女性ってことだけにして謎にしたままの方がいいかな^^;

ちなみに、ルシオラ転生する為の横島の婚約相手は誰が理想だと思いますか?
自分は美神さんでガチであって欲しい反面、おキヌちゃんの幸せも願いたいって複雑な心境だから・・・

364:名無しさん@ピンキー
07/06/07 11:57:39 Np8U1NQC
原作終了時まで長い髪、もしくはロングヘアーだった女性
・美神
・キヌ
・シロ
・タマモ
・魔鈴
・エミ
・小鳩

あれ?小隆起が含まれてないな。

365:名無しさん@ピンキー
07/06/07 12:01:40 BSUYcGS8
残念だけど小隆起は除外w
美神さん優先シルエットだと必然的にロングになりますから・・・

366:名無しさん@ピンキー
07/06/07 14:48:26 wDm+V2dT
ロングと聞いて愛子を忘れるとは何事だ

367:名無しさん@ピンキー
07/06/07 14:49:52 G67wsdcv
幽霊じゃねーか

368:名無しさん@ピンキー
07/06/07 15:01:30 19juArVn
それがどうした!


369:名無しさん@ピンキー
07/06/07 16:38:36 g/CMedCz
愛子は幽霊じゃなくて妖怪だから実体はあるぜ
机だけじゃなくて女性形態にも
たぶん
いやぜったい

370:名無しさん@ピンキー
07/06/07 17:29:49 fMa2f4jx
ポテチ食ってたから実体はあると思うぞ
愛子

371:名無しさん@ピンキー
07/06/07 17:42:35 W1xpgQyU
机背負ってたしな

372:名無しさん@ピンキー
07/06/07 21:07:16 Np8U1NQC
まぁ、架空の大隆起が居れば、確実に候補に入るんだろうな。

373:名無しさん@ピンキー
07/06/07 22:47:01 h/Zr4Z+E
>>363
だが断る。美神は美神、絶チルは絶チル。本編でそんな事したら
椎名を軽蔑するわい(やるわけ無いけど)。自分で…書け。

374:名無しさん@ピンキー
07/06/08 00:18:06 RMfw3Ulv
小竜姫ちゃんの可愛さはガチ

375:名無しさん@ピンキー
07/06/08 03:09:32 AvRnbcYM
この小竜姫の人気はいったい…?
やはりアニメの影響か?
俺はマンガしか知らないのだが、そこまでこないなあ

376:名無しさん@ピンキー
07/06/08 07:47:06 v3JzfW+T
>>375
二次創作での小竜姫の人気は非常に高いよ。特にGS試験でのバンダナへの
キスするシーンがインパクト強いみたい。あれが横島が戦士化する転機になっ
てるしね。

377:名無しさん@ピンキー
07/06/08 21:29:33 WMOXN9VC
横島の素質を見抜いたって事で
横島=俺=最強みたいな思考回路の人に受け入れられやすいのではないかと思う。

378:名無しさん@ピンキー
07/06/08 23:56:02 +TdJB07z
最終的な強さランキングってどんな感じだろう。
横島>>[反則の壁]>>美神>小竜姫>>[凡人の壁]>>西条>雪之条>唐巣神父
って感じ?
小竜姫ちゃんはもっと上かも。
ハヌマーンの所で修行しただろうし。

379:名無しさん@ピンキー
07/06/09 00:02:42 81UycOcV
西条ってそんなに強くないんでは?

380:名無しさん@ピンキー
07/06/09 00:20:15 OIpfKSYU
というか反則能力もちの横島以外は種族の壁で小竜姫以下だろう

381:名無しさん@ピンキー
07/06/09 01:56:09 MbtiLyyL
美神も横島も、小竜姫には勝ってないよね。
アシュタロスを倒したのも、別に実力で上回ったわけじゃないし。

382:名無しさん@ピンキー
07/06/09 02:04:10 WWkMP3q7
じゃあ…
アシュタロス編に出てた超大物のヤーウェとサタンは例外として…

横島>>[物理法則捩じ曲げの壁]>>ハヌマーン>>[上級神の壁]>>小竜姫
>>[人間の壁]>>美神>>その他大勢

って感じか。
小竜姫ちゃんも、横島の能力の前にはいいようにされる…(*´Д`)

383:名無しさん@ピンキー
07/06/09 02:23:43 +TFtD937
文殊使えるとゆーだんかいで菩薩クラスの力だからのお

384:名無しさん@ピンキー
07/06/09 02:23:46 OIpfKSYU
ガチで戦ったら文殊がどうにかなる前に超加速で真っ二つという切なさ。

385:名無しさん@ピンキー
07/06/09 05:00:58 wbND6hLs
横島を除いた人間最強は、美神令子じゃなくて美智恵のような気もするが

386:名無しさん@ピンキー
07/06/09 09:06:16 Y1VSw4es
唐巣神父も場合によってはキリストかエホバの力を借りれるから、場合によっては最強の一人なのでは?


まあ、このスレ的には霊力よりもなによりも、下半身の強さがモノをいうわけで。

唐巣神父「どうだっ、この尻は誰のものだ?ああっ?」

美人尼僧「神父様のものです、神父様のもの、ああぁあっ!!!」

387:名無しさん@ピンキー
07/06/10 01:04:48 HV5bMUbq
アッー!

388:名無しさん@ピンキー
07/06/10 06:33:06 ZeM40Wj3
カラスはこうやって改宗させていたのか
すごいテクだ

389:名無しさん@ピンキー
07/06/10 08:20:02 Rs8P0O7c
そういえば神父の声優さん亡くなっちゃったんだよな・・・

390:名無しさん@ピンキー
07/06/10 13:31:30 HtdEoVCC
美しい魔闘家鈴木

391:名無しさん@ピンキー
07/06/11 05:10:32 aWhZWEBp
濃姫×日吉の筆卸しが見たい読みたい。

392:名無しさん@ピンキー
07/06/11 11:32:47 alfAtbSJ
ヒナタと日吉の筆おろしだろ・・・。

393:不幸になって惨たらしい死に方をしてくれると、先生すごく嬉しいナ。
07/06/11 12:34:03 RvUxgPFj
URLリンク(www.ne.jp)

394:名無しさん@ピンキー
07/06/11 13:29:40 CKMRlsmy
>>393
晒しておいた
URLリンク(anond.hatelabo.jp)

395:名無しさん@ピンキー
07/06/11 14:56:47 qBpNvHHC
著作者から見たら当然じゃね?
原稿描いて食ってるんだ、タダで配布してる犯罪者にゃ腹が立つさ

396:名無しさん@ピンキー
07/06/11 15:38:50 3Dj7xH4z
椎名がおかしいのは昔からだ

397:名無しさん@ピンキー
07/06/11 16:09:40 oh4i5pZ/
毒が効いてて椎名氏らしいっちゃ、らしい発言だな。
でも、GSファンはP2Pとは縁遠そうな既婚者のおっさんとかばかりかもだけど、
今の絶チル読者の若いヲタ層ってP2Pユーザーとかなり被ってるよな?
自分の発言で首を絞めることにならなきゃいいが。

398:名無しさん@ピンキー
07/06/11 17:18:16 alfAtbSJ
まあ、あの時のことを考えると、自分のことを棚にあげているというか…。

醜いね。作者。

小竜姫さま~ん、とかいいながら妄想でシコシコドッピュン!してる俺らも醜いけど。



399:名無しさん@ピンキー
07/06/11 17:20:41 y1eVxBlT
またすげえ前の発言をネタにしてんなあ。とっくに旬は過ぎてるぞ

400:名無しさん@ピンキー
07/06/11 18:01:24 Lt8hml2N
>>398
>まあ、あの時のことを考えると、自分のことを棚にあげているというか…。

あの時って?

401:名無しさん@ピンキー
07/06/11 21:33:59 OabvSj67
コピーについて適当に書いた上でそういう過激な事言うから、出版が調子にのって二次著作まで締め出したってのに何も分かってないんだよな
彼は良い意味でも悪い意味でも子供で馬鹿なんだろうさ

402:名無しさん@ピンキー
07/06/11 23:40:57 qBpNvHHC
なんか香ばしい割れ厨が沸いてるなwww

403:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:08:29 c/+1RvRs
ああ小竜姫が一番可愛いと思うよ

404:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:40:38 t0BQF/rR
なにおう! 同じ貧乳ならシロにきまっておるであろう!

405:名無しさん@ピンキー
07/06/12 00:47:12 zQ6ulVPm
>>402
割れ厨で思い出したけど、
あの椎名の発言について擁護してた人を
言うに事欠いて「購買厨」って言ったヤツがいたそうだね。
割れ厨ってのも業が深いもんだと思ったよ。

406:名無しさん@ピンキー
07/06/12 02:04:16 c/+1RvRs
>>404シロはどっちかってと巨乳じゃないか
小竜姫は唯一の貧乳神様だぞ

407:名無しさん@ピンキー
07/06/13 02:57:25 /AszBZZC
いやいや、ルシオラこそが貧乳のエースさ

408:名無しさん@ピンキー
07/06/13 11:22:48 JZDPT2dx
ここはパピリオの名を出さざるを得ない

409:名無しさん@ピンキー
07/06/13 12:28:11 sCwqU/I+
幼女は小さくて当たり前じゃないか
いい歳なのに小さいってのがいいんだよ

410:名無しさん@ピンキー
07/06/13 12:39:52 cZI6x9UT
じゃ、需要のない小鳩は俺がもらっていきますね。

411:名無しさん@ピンキー
07/06/13 12:48:41 b6fZ/loB
ちょっと待て、巨乳好きならそこはメドーサにしる。
小鳩ちゃんとベスパイパイは俺が。

412:名無しさん@ピンキー
07/06/13 14:08:39 DfbXFh8O
小鳩だってまだまだ成長期だから、そこそこのオッパイにはなるだろう。



413:名無しさん@ピンキー
07/06/13 18:37:50 uzz/02eS
なんか俺最近30代の女に性欲を感じるようになったんだよな。
小隆起好きだった俺がどうしたんだろう・・・・

414:名無しさん@ピンキー
07/06/14 07:48:34 2L8x8u9K
>>405
というか、割れ厨にとっては
作品を買う事 = 狂信者  らしいから。

415:名無しさん@ピンキー
07/06/14 08:06:25 RKMZDaRd
って、誰か買わなきゃ割れ厨も入手できないだろうに……
あ、ネカフェにスキャナ持ち込めば終わりか。

416:名無しさん@ピンキー
07/06/14 09:31:33 NVWzSYT6
小竜姫はなぜあんなに可愛いのか

417:名無しさん@ピンキー
07/06/14 14:50:45 q6LzPb3D
神だから

418:名無しさん@ピンキー
07/06/14 22:15:02 Efxk14rA
>>416
おキヌちゃんから教えられたオナニーがやめられないから

419:名無しさん@ピンキー
07/06/15 00:42:06 lC+ZGdkr
竜だからねぇ
あんな可愛い顔してあれですよ

420:名無しさん@ピンキー
07/06/16 00:32:17 xJs7Jd4A
冥子やエミの話題がイマイチ出ないワケ

421:名無しさん@ピンキー
07/06/16 00:54:36 JTpbxSd1
連載中のチルドレンの話より美神の話の方が多い……orz

422:名無しさん@ピンキー
07/06/16 01:09:20 EhKbcU7R
エミさんはエロいよなぁ……。
あの黒い肌がたまらんっ。

423:名無しさん@ピンキー
07/06/16 01:28:42 CZ8Sa+DR
美神の方がつきぬけてるからね。
ウン百歳はありえないからいいけど、80歳はリアルでなんとも…

まああれですよ。
絶チルでエロ度2くらい目指して書いてたのに、これエロ度1じゃ?
くらいになってしまって、ああ、エロってなんだっけ、と……
エロパロのエロ基準てどんなもんよ。

424:名無しさん@ピンキー
07/06/16 03:49:18 exNcby7D
たまに絶チルは狙いすぎて萎えるときがある。のは俺だけ?
「完全解禁!」のシーンとかそれまでの流れはよかったのに決めのコマがアレで

425:名無しさん@ピンキー
07/06/16 08:52:28 0xV3aQUT
小竜姫に限らず
GS美神の女性陣が可愛いのはキチンと敵に負ける時は負けてるからだと思う

426:名無しさん@ピンキー
07/06/16 10:22:39 5c3CzZGE
ああ今思えばそれって結構珍しいような気がするね。
後半の美神は何かにつけボロボロになってた記憶しかw

427:名無しさん@ピンキー
07/06/16 18:12:51 J7yKFhCV
そういえば香港では普通にフルボッコにされてたなwww

428:名無しさん@ピンキー
07/06/16 18:44:04 xJs7Jd4A
小竜姫なんて何かやるたびに半泣きになるか、何も出来ずにうらめしそうにしてるだけだったしな
それがまた可愛いんだが

429:名無しさん@ピンキー
07/06/16 19:33:15 MMatM4H9
GS美神は半分コメディなんで女キャラがフルボッコになっても安心して見てられた
リアル路線の作品だと傷跡や後遺症が残ったりバシバシ死んじゃったりするからな

430:名無しさん@ピンキー
07/06/16 21:25:18 lbbYoX6C
メドーサお得意の石化結界?ってあるだろ?

サークルに関わってたとき、

「どうだろう?尻もといマムコと頭だけ生身のままの状態で、何故か生きてるカンクロウに
後背位でハードレイプされて中田氏、その後、香港オカルト観光名物の肉便器になる美神さんってのは」

と提案したんだけど、全員一致で却下された。
理由はたしか、「その役はおキヌちゃんじゃないとダメ」というもんだったと覚えている。

何故、おキヌちゃんじゃなくちゃいけないのか、いまだに判らない。

431:名無しさん@ピンキー
07/06/16 21:25:41 SjvSriNd
小竜姫が人間の男とくっつくとしたら、誰かなあ?
原作の流れでいくと。

432:名無しさん@ピンキー
07/06/16 21:27:00 SjvSriNd
>>430
その役こそ小竜姫たんに。

脚切断される同人誌ならあったな…。原価壱円だったか。

433:名無しさん@ピンキー
07/06/16 23:53:39 7mdptUHJ
あれは微妙に小竜姫ちゃんが巨乳なんだよな
分かってないよなぁ

434:名無しさん@ピンキー
07/06/16 23:56:34 BMVz8zuo
>431
カラス神父

435:名無しさん@ピンキー
07/06/17 00:11:00 4AKMxcv8
竜が本気になったら男一人じゃ満足できないよ

436:名無しさん@ピンキー
07/06/17 00:19:09 GdXWo6CY
斉天大聖×小竜姫

437:名無しさん@ピンキー
07/06/17 01:25:06 aOtS7Sek
>>436
パワハラですか?

438:名無しさん@ピンキー
07/06/17 02:23:54 8DkUHQKO
妙神山壊したのがバレていいようにされてる小竜姫ちゃんを想像した
ハァハァ

439:名無しさん@ピンキー
07/06/17 07:07:00 tqC9nHn6
小竜姫ちゃんの逆鱗って性感帯だよね、絶対に。

小竜姫ちゃんは人間で言えば何歳ぐらいの外見なんだろう。

440:名無しさん@ピンキー
07/06/17 12:33:07 k9w0ufcV
>>439
32歳

441:名無しさん@ピンキー
07/06/17 14:13:58 MUwVhCkQ
>>439
外見なら自分で見た通りだろ……常考

442:名無しさん@ピンキー
07/06/18 00:49:03 YmziRpxB
小竜姫ちゃんの話題が多いね

443:名無しさん@ピンキー
07/06/18 05:15:52 251b9qJO
人気高いって事でしょ

444:名無しさん@ピンキー
07/06/19 00:25:01 AMFcRH1m
この隙に絶チル投下させてもらう。
賢木×紫穂でエロ度低め。

445:賢木×紫穂 交感 1/4
07/06/19 00:27:33 AMFcRH1m

「送ってくれてありがとう。もうここでいいわ」
 エントランスまでやってきて、振り向きざまに告げた途端、視界が塞がった。
 今日のデートの相手の唇が触れているのだと気付くのに、多少時間がかかってしまった。軽いキスはすぐに終わり、
「お、おやすみっ!」
彼は背を向けて走り去る。夜目にも真っ赤で、唇からは彼の緊張と天まで舞い上がりそうなほどの喜びが勝手に伝わってきた。読むまでもない。
 今のが、彼のファーストキスだ。
「ひゅーひゅー、熱いね―」
「ひっ!?」
 思わず胸を押さえた。ちょっと浸っていたいときくらい、私にもあるのだ。
「よっ、紫穂ちゃん」
 賢木修二センセイは、年を追うにつれ、ますます派手に、かつますますオヤジくさく、かつますます黒くなってきた。
 皮膚癌に気をつけた方がいいと思う。医者の不養生って言葉もあることだし。
 だいたいいい年して少年ぶって、気持ちの悪い。意図しなくても白い目になろうというものだ。
「センセイ、何しに来たの?」
「皆本の携帯に繋がらないからさ。渡したいもんがあるんで」
 そうか。皆本さんは携帯の電源を切っているのか。
「なんでそんな死にそうな顔してんだ?」
 勝手に先に立って歩き始める、余計な情報を与えてくれた彼を、私は激しく憎んだ。
 皆本さんの自称親友実際親友とも長い付き合いになる。
 初めて会ったときは、わたしよりも先に皆本さんに接触していたサイコメトラーに、敵意と反感を抱いたものだけれど、
そのうち相手を読むことにも、連携を取るのにも抵抗はなくなった。
 ただし、私のどんな可愛げのない態度も平気な、わざとなのか天然なのかわからない無神経だけは今でもむかっとくる。
 郵便受けを覗き、あえて距離を開けたのに、センセイはエレベーターで開閉ボタンを押して待っていた。
 いらない気遣いだ。
「おい。ほんとに顔色悪いぞ。子供ちゅーがそんな衝撃だったかあ?」
 つくづく私の気持ちを逆撫でするのがうまい人だ。
「バカにしないでよ。キスくらい」
 初めてじゃない。
 今日の相手は告白してきた少年だ。実は名前もろくに思い出せない。
 今日という日を埋めるには渡りに船のお誘いで、それに彼の初々しさが少しばかり、懐かしかった。
 薫ちゃんみたいだった。
 私にだって、あんな頃があったのに。
「どうして年が変わらないのに、私は初恋をもう帰って来ない昔みたいに思っているんだろう……ははーん、そういうことか。思春期め」
「勝手に読まないでよっ」
 肘のあたりをいつのまにか捕らえていたセンセイは、にやりと笑う。
「子供の世界を卒業しただけだって。大人の世界はまだまだだ。楽しいこともたくさんあるぞ」
 そうかしら。こんな気分、容易く覆るなんて思わない。
<ほんとだって>
 センセイの思念が伝わる。
 眼前に、センセイの顔があった。


446:賢木×紫穂 交感 2/4
07/06/19 00:30:03 AMFcRH1m
 さっきのキスは、余る勢いをどこにぶつけていいかわかってなかった。
 センセイのキスは、何をどうすればいいか多分全部知ってる。
「何、す……」
 顎を上げると、追ってきた唇が歯に当たり、そこから唇の内側を舐めてくる。
 少し引いて油断した途端に、深くなる。
 それ以上は、嫌。初めてだもの。
<へー、いいこと聞いた>
 考えるんじゃなかった。押し付ける唇の強さが変わる。
 首の後ろがくすぐったくて思わず背伸びするようになった姿勢のまま、壁に押しつけられた。
 全身が密着して、私は思わず、身に危険が及んだときの反射的な行動をとった。
 つまり、能力を使った。
 センセイも能力を使っていることの意味に気付いたときには遅かった。
 自我の境が崩壊する。
 融解して、混ざり合う。
 くらりときて、私は目を閉じた。

 それは最初は、穏やかに始まった。
 私の怯えがセンセイに宥められ、センセイの内側で増殖する欲望が私の背中を震わせる。
 私の感じていることは全部センセイに伝わって、センセイの考えてることが加わってまた帰ってくる。
 止めようがない。止めたら、私が筒抜けになるだけと思うと、とてもその気にならない。
 往復が止まらないで無限に増幅を繰り返す。
 容量超えそう。
 センセイもここまでとは思っていなかったのだろう。戸惑いとそれから素直な喜びが堰を切り、私を押し流す。
 センセイの自制が途切れたのがわかって、私はぞっとした。
 お互いリミッターも解除していないのに、サイコメトラー同士で力を使い合うとこうなるのか。
 早く上に着かないだろうか。
 センセイの頭越しにうっすらと目を開けて、私は気付いてしまった。
 行き先ボタンが押されていない。
<あーそういえば押してねえかも……>
 呑気な思念の割に、また激しくなる。むさぼられる。
 私の膝はがくがくしてきた。やばい。
「だ……」
 僅かな息継ぎの間に、
「生体コントロール、使ってる?」
あえて口に出して聞いたのは、使われてると思いたかったからだ。
「んなもん、使ってるわきゃ、ねーだろ……」
 わかってるくせにセンセイはわざわざ否定した。
 そういうところが嫌い。

447:賢木×紫穂 交感 3/4
07/06/19 00:33:24 AMFcRH1m
 そう言う前にまた、口を塞がれたので、心で反論する。
 この色黒色魔変態ホモナンパ男、ヤブ医者、若造り。ゲームで私に勝ったことないくせに。
 汗臭いのよ。髪切りなさいよ。
 リミッターのセンス悪すぎるし、最近額が広いし、夜ご飯は肉料理だし。ガムくらい噛まないの? 加齢臭? ヒゲ痛い!
<途中でえーとえーと、とか微妙なのもまるわかりだぞ?>
 …………大っ嫌いっ!
<おーおー、言ってることと感じてることと違うなあ>
 すけべおやじ! 変なモノ当てないでよ!
<さすがに激しく傷つくぞ!>
 自業自得でしょ。
 返事の代わりにまた一段と濃厚になる。
 こうして思念で喧嘩をしていても、センセイの方が遥かに余裕だ。
 それは仕方ない。私の方が経験不足なんだもの。
 経験豊富なセンセイが、喜んでるのがわかるのは、いいのか悪いのか。
 もう私は身体がどこにあるかもわからない感じなのに、どこか冷静に次どうするかを考えてるセンセイの思考によって、
 私が今何をどうされてるか逐一わかってしまって、そうなるまいと思えば思うほどに私の身体は言うことをきかない。
<俺の思考、言語化してみ?>
 セクハラです!
<育ったよなあ。特に>
 やめてったら!
<痛いぞおい>
 血の味と痛みが伝わる。舌先を噛んでしまったらしい。
 私の意志か、センセイの願望か、と考えて、どちらでもなくエレベーターが動き出したためだと気付く。
 動き出したということは誰かが呼んだということで、当然どこかで止まるということで。
<もうすぐドアが開いちゃう。ほんとにもうやめて>
<やだよーん>
 センセイの返事はにべもない。こんな状況では言い逃れもできない。
 何かなかったっけ。使えるもの。
<三宮紫穂、解禁!>
 セクハラ思念に必死で抵抗すると、ようやく身体の実在感が戻ってきた。
 指先が痺れる。それはセンセイに抱きすくめられているせいだけでもなくて。
 汗ばんだ手が腰に回っていて。そこから、唇から、私の中心から、身体はじっとりと熱を持って次を求めてる。
 身体の反応は残酷だ。
 さっきの可愛いキスなんか、もうどこにも残っていない。
 もうハンドバッグも取り落としてしまって、残っているのは手の中の……
 それが何か思い出す前に、私はそれを彼の指の間に滑り込ませた。
「んあ、局長が!」
 センセイがびくりと私から手を離す。
 持っていたことすら忘れていたそれは今日の夕刊だったらしい。
 センセイが私を読まなくなったので、循環していた感情と思考と感覚と記憶と、その他いろいろが去っていく。
 ただ一人では立ってられない私は、センセイにつかまっているしかなかった。
 その一瞬。
 私が身を引くと同時に扉が開いた。


448:賢木×紫穂 交感 4/4
07/06/19 00:35:39 AMFcRH1m

「紫穂!? ちょーどええとこやったな。今コンビニ行こうかと思っとってん」
 そこに立っていたのは葵ちゃんだった。タイミングがいいのか悪いのかわからない。テレポートで山奥のコンビニにでも行けばいいんじゃなかろうか。
「なんや、あんた顔赤いで? 息も乱れとるし服も……なんかあったん? ……あれ、賢木センセイ、いたん」
 小憎らしいほど平常モードのセンセイが私にハンドバッグを渡してくれるついでに、私の心拍も抑えてくれる。すっと熱が引いた。
「ああ。痴漢に追いかけられたとかで紫穂ちゃんが走っててさ、ちょうど通りかかったんで一緒に来たんだ」
 都合のよすぎる言い訳だが、私は口裏を合わせるしかなかった。
「何もしなくて付いてくるだけなのよ。三十路間近なのに相手のいない寂しいロリコンに、自分から近づくの、嫌だわ」
「俺はまだ29だぞ!?」
「あーら、センセイのことなんて言ってないわよ。ね、葵ちゃん?」
 返事がない。いつもならば多少様子のおかしい私につっこむべき葵ちゃんは、明らかに元気がない。
 原因に察しはついていたけど、聞かずにはいられない。
「……どうだった?」
 葵ちゃんはやれやれといった感じで肩をすくめた。
「あかんわ。もうお邪魔虫いう感じで途中で帰ってきてしもた。うちもあんたに合流すればよかった」
 だから言ったのだ。
 薫ちゃんと皆本さんはもう、発火まで時間の問題という話で、プライベートでどこかに行ったりすれば、心の中で一線が越えられるのは確実だった。
 私が皆本さんに触れているときにそれが起こりでもしたら、読んでしまったらと思うと、とても一緒になんて行けなかった。
「そんなわけで紫穂、ぱーっとぱーちーしよ。何かいるもんある?」
「皆本さんの秘蔵のいろいろ、隠してある場所、知ってるわよ」
「おっしゃそれ!」
 葵ちゃんは部屋に戻り、駆け込んでいく。
 私は気の毒そうにしながらも止めはしないセンセイの上着をはだけて、内ポケットの記憶媒体を取り出した。さっき見えたのだ。
「これで用は済んだでしょ」
 私は可能な限りにこやかに笑って、彼の鼻先でドアを閉めた。
 扉の向こうで何やら叫んでいるのを放って、私は扉に背を預ける。
 葵ちゃんが既に家にいなければ、あるいはさっきの一瞬がなければ、センセイを勝手に入れて身体の欲望を解消してもよかった。そんな気分だった。
 一人でか、それとも連れ立ってか、帰ってきた薫ちゃんと皆本さんがどんな顔をするだろうと思うと楽しくて。
 でも、超度6と7の差だろうか。それとも、私の方が触れていた時間が長かったからか。最後の瞬間に、わかってしまったから、それはしない。
 そういえば、わざわざ家に来るとは、何の用なのだろう。
 好奇心を抑えきれずに、記憶媒体に手を触れると、いつ吹き込んだのか、センセイの思念が再生されて、私は媒体ごと外へ投げ捨てたくなり、
窓を開けたところで思い留まった。
 全部お見通しなのは本当に腹が立つが、たまに癒されなくもない。
<純情な少年、からかってやるなよ。やけで遊ぶなら、俺にしとけ。
 ちなみにこの中身は皆本にやる、と以前一方的に約束したAVなんで、処理は任せる>
 波風立てるも、立てないも、私次第、と。
 用があるなんて嘘、かな。思えば皆本さんはわかりやすくて、センセイにもわからないはずなかった。
 さっきわかった。センセイは、自分で思っているよりもずっと、私のことが大事だ。
 それがわかってしまったら、自暴自棄で抱いてもらうなんてできない。
 ため息が出る。
 今夜は眠れそうになかった。
 いろんな意味で。


 END




449:名無しさん@ピンキー
07/06/19 00:41:27 8TG6Rao1
センセイかわいいよセンセイ…あれ?

450:名無しさん@ピンキー
07/06/19 03:00:22 uV3ViphO
前に賢木×紫穂書いたのと同じ人っすね。

GJ!なんていいカップル
たしかにセンセイがかわいいかもしれん29才なのにw

451:名無しさん@ピンキー
07/06/19 10:40:51 HMTUk8GB
こいつはエロイ…いろんな意味で

452:444
07/06/20 01:35:29 Go1rtXx9
レスども。
実は前の書いた人ではなかったりする。
かぶっちゃったかな……?
で、あんまりエロくないかもとか思ったが、考えようによっちゃ十分か。
サイコメトラー同士なら、体重ねなくてもイメージの読み合いでいけるかも。

453:名無しさん@ピンキー
07/06/20 01:42:04 eHE9qNS/
そうなんだ
ふたりの年齢設定が一緒だったから同じ人かと思った

いや十分脳内イメージの描写だけでもエロエロに持ち込めてると思うよ
もちろん指絡めただけでもハードエッチが可能なおいしいふたりだし
またお願いします

ひっそり裏で進行してるらしい皆本と薫の描写もさりげなくイケてるんで
こっちもそのうち見たいね

454:名無しさん@ピンキー
07/06/20 09:41:48 eYWZasPD
肉便器ならぬ、性欲処理机として扱われる愛子…。

もちろん、俺(※)専用だ。

※魔族と人間の間に生まれたハーフ。GS協会から監視されている上に、
精神拘束器(ギアス)でパワーをセーブされている。しかし、その拘束が
最近ゆるんできている。
子供の頃、一時的に美神家で“保護”されていたことがある。
現在は、横島たちの通っている高校に転校生として生活中。
仲間に、青髪美少女(赤眼。無表情)が二人いる。
能力は、神魔仏のいずれにも属さない、人間だけが持つ特殊なパワー(ry

とかいう厨丸出しの妄想で抜いてた頃がありました。

455:名無しさん@ピンキー
07/06/20 18:36:13 qqysYKgb
お前それ最近の話だろwwwww

456:名無しさん@ピンキー
07/06/20 21:11:43 XLqMnX8R
('A`)

457:名無しさん@ピンキー
07/06/21 06:19:19 V3S81UQq
これはひどい

458:名無しさん@ピンキー
07/06/21 09:14:43 vcFJ0xQn
な、なんだよ皆しておれをいぢめやがって…(ビキビキ(涙

459:名無しさん@ピンキー
07/06/21 10:35:44 /oMHUbz3
一緒に妙神山行こうぜ

460:名無しさん@ピンキー
07/06/21 22:10:30 gUDie7nA
俺漏れも

461:名無しさん@ピンキー
07/06/21 23:00:13 66qaePgD
はいはいEVAEVA

462:名無しさん@ピンキー
07/06/23 08:33:55 xOfCoMFO
俺、今度妙神山での修行が終わったら、結婚するんだ。

463:名無しさん@ピンキー
07/06/23 09:21:04 eb+oDSbr
右と左どっちとだ?

464:名無しさん@ピンキー
07/06/23 15:40:00 sDNQhrNv
姫のなら右の角も左の角も愛せるよ

465:名無しさん@ピンキー
07/06/23 15:43:26 7brMiybo
>>463
一瞬、右と左どちらで殴られたいかと聞いてるのかと思った。

466:名無しさん@ピンキー
07/06/23 18:47:16 VkcvPxYW
小竜姫ちゃんにならどちらで殴られてもいいよ

467:名無しさん@ピンキー
07/06/23 23:40:38 DDi3ZR2q
拳だけじゃなく足でも褒美が欲しいね

468:名無しさん@ピンキー
07/06/24 03:50:25 U15esMdx
両方で殴って欲しいね
フットスタンプも当然欲しい

469:名無しさん@ピンキー
07/06/24 15:51:38 O/uM4wmz
ダブルフットスタンプでダイビングするときに、
ひらっと裾がひるがえっていただきたい。

470:名無しさん@ピンキー
07/06/24 20:16:24 mzmVfphZ
竜って発情期あるのかな?

471:名無しさん@ピンキー
07/06/24 22:17:25 4er5YpTE
性別がある時点で発情期が無いわけは無いと思ふ。


472:名無しさん@ピンキー
07/06/25 00:39:15 SRx1/7Uy
竜は年がら年中発情期。相手も竜同士はもとより、人間だの馬だの見境無し

473:名無しさん@ピンキー
07/06/25 02:01:20 5ohZdja5
じゃあ妙神山の危険な修行場ってのは性的な意味で危険だったわけだ

474:名無しさん@ピンキー
07/06/26 02:34:26 5+MKpnd2
>>472 じゃあ毎晩毎晩、小竜姫ちゃんは鬼とやってんのか

475:名無しさん@ピンキー
07/06/26 04:28:28 LUl0lhHM
ちげーよ:

超加速で俺の布団の中に飛び込んでくる
       ↓
超加速のせいでクタクタになり、マグロセックス。ダッチワイフ状態。でも感じちゃう、ビクッビクッ。
       ↓
中田氏された俺の精液から「精[ジン]」を吸収して、元気いっぱい。
       ↓
騎乗位で2、3回ほどイくまでがんばっちゃいますよ(ニコッ)
       ↓
朝早く、俺になにもいわないまま部屋をでて、東京駅で駅弁買って新幹線に乗って山に帰る。
お昼過ぎには妙神山に到着。

以上繰り返し(土日・祝日を除く。それらの日にはずっと俺の部屋に篭りきり)。

476:名無しさん@ピンキー
07/06/26 17:43:48 uI8g55G0
文章から精神の異常を感じる。

477:名無しさん@ピンキー
07/06/26 18:46:40 BJili/At
  三           三三
      /;:"ゝ  三三  f;:二iュ  なぜここまで放置したんだ!
三   _ゞ::.ニ!    ,..'´ ̄`ヽノン
    /.;: .:}^(     <;:::::i:::::::.::: :}:}  三三
  〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
  ,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ  >>475
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
  };;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll

478:名無しさん@ピンキー
07/06/29 21:52:11 IrrvcWZv
>>475
>超加速で俺の布団の中に飛び込んでくる
>       ↓
>東京駅で駅弁買って新幹線に乗って山に帰る。お昼過ぎには妙神山に到着。

ちょwwwおまwww超加速どうしたwwww

479:名無しさん@ピンキー
07/06/29 23:57:26 Fe0927Th
エネルギーが尽きてるに決まってるじゃないか

480:名無しさん@ピンキー
07/06/30 00:01:08 yb+NASiN
電車の中で痴漢される小竜姫ちゃん('A`;)ハァハァ

481:名無しさん@ピンキー
07/06/30 05:29:15 uCnpgpCQ
電車の乗り方が分からず半泣きの小竜姫ちゃん

482:名無しさん@ピンキー
07/06/30 11:27:49 vlDOB/Yf
>>481
それはなかなかいいものだね。

483:名無しさん@ピンキー
07/07/01 01:51:02 bhW/0IVd
最近クレイモアにハマったせいで、激しく百合に目覚めてしまった
小竜姫×おキヌちゃん
メドーサ×小竜姫
おキヌちゃん×愛子
おキヌちゃん×シロ×タマモ
おキヌちゃん×美神
タマモ×シロ
妄想止まんね

484:名無しさん@ピンキー
07/07/01 02:35:47 U87U4TDo
>>483

世界の半分はおキヌちゃんのものだなw



485:名無しさん@ピンキー
07/07/01 08:15:20 gobRoSAc
どんだけおキヌすきなんだよww

まあでも永遠必勝のネコ要員ではあるがw

486:名無しさん@ピンキー
07/07/02 16:26:34 CqOwefVa
この漫画って意外とガチレズキャラが少ないんだよな
美神の後輩くらいか?

487:名無しさん@ピンキー
07/07/02 20:36:57 zgz7yhPx
あれはマリみてみたいなもんじゃね。
横島の言うとおりなんちゃってだろう。

つくづく椎名は早すぎたんだよ……。
漫画界の平賀源内と呼ぼう。

488:名無しさん@ピンキー
07/07/02 23:02:31 E6EQoFpl
いまとなっちゃあ、昭和を感じさせる絵柄を使いこなす数少ない少年漫画家だけどね。

489:名無しさん@ピンキー
07/07/02 23:04:28 CqOwefVa
留美子とあだちを忘れるなよ

490:名無しさん@ピンキー
07/07/02 23:21:48 wK5aNGSh
>>489
あの二人は昭和の遺物
惰性で描いてるような作家は消えて欲しい

491:名無しさん@ピンキー
07/07/03 09:30:50 qqXYc7EG
久米田御大を忘れるな

492:名無しさん@ピンキー
07/07/03 09:43:55 UYb5uvjL
悪い意味で古臭さがなけりゃサンデーが消えてなくなっちまう

493:名無しさん@ピンキー
07/07/12 07:41:21 GeUDmbpG
ほしゅ

494:名無しさん@ピンキー
07/07/14 20:30:42 BYAC4LS/
おキヌちゃんは百合に走っても良かったと思う
酔ったら女に絡んでレズになるとか

495:名無しさん@ピンキー
07/07/14 21:32:52 aSHTxtIu
神が許してもこの俺が許さん

496:名無しさん@ピンキー
07/07/14 22:32:41 ykz2q1tK
おキヌちゃんと小竜姫ちゃんはどちらが攻めか、について

497:名無しさん@ピンキー
07/07/15 00:12:40 VxF2X0/b
普段は小竜姫ちゃんが攻め
酒に酔ったり、黒キヌ状態ならおキヌちゃんが攻め
愛子は常に受け

498:名無しさん@ピンキー
07/07/16 00:05:18 EST02LHR
そして美神さんは常に総受け

499:名無しさん@ピンキー
07/07/16 01:38:19 L3588tmX
それは良い

500:名無しさん@ピンキー
07/07/16 06:59:58 +XRIPLIi
黒キヌ様は攻めの一手を貫きます

501:名無しさん@ピンキー
07/07/17 08:55:05 TyCn0r9E
どこかメドーサ×小竜姫の小説あるところ知りませんか?

502:名無しさん@ピンキー
07/07/17 23:42:59 WblDK92h
兵部と不二子が見たい

503:名無しさん@ピンキー
07/07/18 19:18:50 OxiDJPcm
不二子の方が大分年上らしいのが意外だったなあ……これも禁句っぽ

504:名無しさん@ピンキー
07/07/18 23:08:18 +l8MoeKM
あの「不二子さん見た!?見てくれた?」の兵部が恋心フラグだろうと思った

505:名無しさん@ピンキー
07/07/19 00:18:18 poXnGomn
愛子の頭を押さえつけたい

506:名無しさん@ピンキー
07/07/21 00:22:40 ZkmsQYfe
前に小竜姫とくっつくとしたら人間では誰みたいなカキコが
あったんで妄想してたら一つSSが出来てしまった。
横島はあまりにありふれてるから今までにあんまり見たことないカプーで
書いてみようと思ったら雪之丞が思いついたんで雪之丞×小竜姫で書いてみた。
ちょっと長いんで二回にわけて投下してみる。

傾向としては和姦系。
小竜姫の発情期の話題がかなり多かった時期に書き始めた故
まぁそんな話。
数年後設定で雪之丞も一応大人になってると思ってくれたら幸い。
二人ともキャラがかなり変わってるかもしれんので、それでもいいと
言う人だけドゾー。

では興味ない人はスルーでよろしく。



507:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:23:50 ZkmsQYfe

「はぁっ…はぁっ…あ、ああっ…!」
薄暗い部屋に灯りも点けず、まだ昼間だと言うのに女の淫らな嬌声が響いた。
否、本当に昼なのだろうか?そう思っているのは、自分だけでは無いのか。
不思議な場所だ、と思う。
神と人間の接点の一つだと言われる霊格の高いこの山には、
そこかしこに異空間へと繋がる入口が存在している。
この部屋も、例外ではないのだとしたら―そこに時間感覚や、昼だの夜だのと
言う概念は皆無であるのだ。
もう、二日もこんな事を続けている。
けれど、二日目だと思っているのは自分だけかもしれない。
本当は、一時間と経っていないのだとしたら。
そう考えると妙に空恐ろしくなり、快楽に身を任せる事でそんな考えを払拭する。
本当は、この役目は自分に相応しくは無いはずだ。
相応しいとすれば、それはあの煩悩の塊のような親友位のものだろう。
たまたま、その場に居合わせただけ。
たまたま、タイミングが悪かっただけ。
全ては偶然。けれど、偶然が重なれば、それは必然となり、結果がこれだ。
「あ、ああ…も、ぁあ…っ!」
淫らな喘ぎ声に合わせ、キシキシと軋むベッドの音。
そして粘る水音。
淫靡な旋律は互いの耳に響いて、その激しさを物語る。
結合された部分は、既に幾度も吐き出された自分の白濁と女の蜜が混ざり合って、
出入りの度に纏わりつき、掻き出されるように弾け飛ぶ。
もう見飽きる程その光景を見てきたと言うのに、何故かはわからないが
やはりそれを見て、また身体が熱くなっていくのを感じずにはいられない。
これが本能というやつなのだろうか。
―呆れるぜ、全く…―
自嘲気味に、口元だけで薄く笑んで。
四つん這いにして、腰だけを持ち上げて、女の胎内を犯し続ける。
いや、犯されてるのは自分なのだろう、きっと。
限界が来て、気を失うように眠っていても、一時間と経たずに起こされて―
「はぁっ…あ、雪っ…あああ!!」
びくん、と女の背が弓なりに仰け反って、絶頂に達した事を伝える。
「っ、く……!」
絞り取られそうな締め付けに、抗う事無くそのまま中にぶちまける。
……何度目だよ、これ。
ずるりと引き抜けば、たちまち収まり切らなかった白濁が溢れ出て、腿を伝う。
力を失い、ぐったりと崩れ落ちた女の横に倒れこんで、霞んだ目で天井を見上げて。
そのまま目を閉じて、襲い来る睡魔に身を任せる。
繰り返し繰り返し、同じ事やって、いつまで続くのか、果たして今度こそ
ゆっくり休ませてもらえるのか。



508:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:24:33 ZkmsQYfe

「―雪之丞…さん……」
自分の名を切なく呼ぶ声に、再び重い瞼を開ける。
……まだ三十分経ってないのではないか。
「………またかよ……」
ちょっとは休ませてくれねぇと本当にぶっ壊れちまうかも知れねぇな……。
怖い想像に背筋が寒くなる。
そんな自分に、女―いやまだ少女と言ってもいいかも知れない―は
苦しそうで熱っぽい吐息を漏らしながら、自分の顔を覗き込んでいた。
頬は朱色に染まり、瞳は潤み、涙で滲んでいて。はぁはぁと荒い吐息の合間に、小さく呟く。
本当に、申し訳なさそうに、
『ごめんなさい』―と。
これも何度目だろうか。謝罪の言葉。多分性格的に、本当に申し訳ないとは思っているのだろう。
それがわかっているだけに、怒る事も、拒絶する事も出来ず、選ぶ道は一つになってしまう。
因果な性質―成長した竜神族特有の、生理現象らしきもの。
それもわかっている。
だから―また繰り返す。
「っ、んっ…!」
少女―自分よりも千七百歳も年上だが―の顎を掴み、強引に唇を奪う。
恍惚とした表情で淫猥な口付けを受け入れる少女の顔は、酷く淫らで―しかし苦しそうに見えた。
元々身長が余り高いわけでは無い自分よりも、更に小柄で華奢な少女を再び組み敷いて。





時々頭を掠める恋人の存在を打ち消しながら―また、その行為を繰り返した。






509:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:26:08 ZkmsQYfe

*****

その日は、明らかにいつもと違っていた。何もかもが。

眩暈がした。
身体は重く、酷く熱を持っている。
篭った熱をやり過ごすように、吐息は荒く、切なげで。
身体が震えるのは、寒さの所為ではない。
足りない何かが―決して一人では満たされぬ想いに、気が変になってしまいそうだった。

それはあまりに突然の事だった。
何の兆候も無く、昨夜まではいつもと全く変わったところもなくて。
けれど、本当にそれは突然で。
もっと、先だと思っていた。
いつかは来るものと思ってはいたものの、それはまだ百年も二百年も先の事だと、勝手に信じていたのだ。
朝から、もう二時間―いや、彼女にとってはまだ二時間しか経っていない―
も、ベッドの中で蹲り、シーツを強く掴んでその苦しみに耐えていた。
そうしないと、負けてしまいそうだった。
己の強大な霊力を、何かの拍子に一気に解放してしまいかねない。
そんな不安もあった。

しかし、彼女の元々の性格故に―気真面目で堅く、清廉さも備えたその性質が、
本能よりも理性を選択し、彼女を踏みとどまらせていた。
けれど、もし今自分の側に他の者が居たならば―彼女は恐れた。
日本の霊山、妙神山の管理人にして、霊能力を持った者達の修行を執り行う身の
自分に、もし今誰かが尋ねてきたとしたら。
おそらく、いつものようにまともに修行を行う事は不可能だろう。
そう思い、鬼門に修行者が訪れても断って欲しい事を告げる為に、寝台から
けだるい身を起こし、ふらふらと覚束ない足取りで歩き始めた。
これから己が身に起こる異変に、耐え切る為に。


510:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:27:13 ZkmsQYfe

*****

「二年振り……位か?」
妙神山の巨大な門壁を見つけ、男はそう呟く。
黒のスーツと黒のネクタイ、その上に黒のロングコートを羽織り、
目は鋭い三白眼で、歳は二十歳前後というところだろう。
背は165センチ程の、小柄な男だった。
その門の左右対称の入口に鬼の面を見つけ、そこに詰め寄っていく。
その男が近づくや、鬼の面の眼に妖しく光が灯り―男を認識すると同時に、
野太い声を放った。
「―おお!お主は!」
出てきたのは拒絶や脅しの科白では無く、むしろ歓迎の色さえも含まれていて、
男の口元に微かな笑みが浮かぶ。
「―よぉ。久しぶりだな。」


彼女の寝所は、この妙神山の頂きの敷地内に存在する
修行場よりも更に奥―彼女以外は、鬼門位しか立ち入った事が無い小さな屋敷だった。
とは言え、人一人が住むには十分な広さであり、中華風の装飾で彩られていて、
彼女の几帳面な性格も手伝ってか埃一つもたっていなかった。
鬼門が言うには、いつもならばとっくに起きて、何かしら動いているはずの管理人が
今日は一向に顔を見せないとの事だ。
何かあったのではと思いながらも、修行者を試し、または外敵の侵入を防ぐ
役目がある鬼門達は、管理人の指示が無い限りはうかつにその場から動けないそうだ。
動けても三分……インスタントラーメンみたいだな、おい。
そう心で突っ込みを入れながら、黒ずくめの男―伊達雪之丞は管理人―小竜姫の居る筈の
屋敷に足を進める。
何かあったのではって……あの小竜姫だぞ?何を心配する事があるってんだ?
人間ならまだしも、神様が病気になるなんて話、聞いた事も無いではないか。
単なる寝坊じゃないのか―雪之丞はそう高をくくっていた。
だが確かに自分としても折角修行に来たのだから、ただ小竜姫の起床を待つのに
時間を無駄にするのも勿体無いという思いもあった。
寝ているなら早く起こして修行を―彼がわざわざ彼女の屋敷に出向いたのはその為だった。


511:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:28:16 ZkmsQYfe

「………」
上品な雰囲気が漂う小さな庭園を通り越して、玄関の前に立った。
「…いいんだよな、開けても」
ここに来て、何となく躊躇いがちになるのは、やはり相手が女である為か。
よく考えたら、竜神とは言え女の部屋に入ると言うのはやはりまずいのではないか。
いや、邪な事などは特に考えてはいないのだが。
むしろ寝ている間に彼女にそんな事をしようものなら殺される。間違いなく。
ただ横島ならば後先考えずに煩悩のままに襲い掛かりそうであるが。
だが、折角ここまで来たのだ、とりあえず覗いてみるだけでも―そう思い、
竜の紋様が刻まれた取っ手を握り、引戸を開けた。
「………」
やはり、眠っているのだろうか。
物音一つせず、あたりは静まり返っている。
或いは、鬼門の心配していた通り、小竜姫の身に何かあったとでも言うのだろうか。
そう思うと、このまま引き帰すのもどうかと思い、雪之丞は覚悟を決めて小竜姫の寝所へと向かっていく。
幾つかの部屋を通り越し、最も奥に存在するその部屋が、どうもそうであるらしかった。
彼はその部屋の前に足を止め、一息ついて―ドアを開ける―と。
「!!きゃっ!?」
「うわっ!?」
ドアを開けたのは雪之丞だった。そして目的の人物は、すぐに目の前に現われた。
互いの驚く声が響く。
小竜姫は突然の事にその場から数歩引き下がり、信じられないものでも
見たかのように雪之丞を見詰めた。
「な、な…!何…で…!?」
何で、雪之丞がここに?と言いたいのであろうか。
雪之丞は雪之丞で―
んだよ、元気なんじゃねぇかよ!?余計な心配させやがって…!
等と、自分も僅かながらも心配していた事を悔いていた。
「ご、誤解すんなよ!俺は鬼門に言われてお前を起こしに来ただけでっ!
俺はただ修行を受けに来ただけなんだからなっ!?」
それは決して嘘では無い。第一、なかなか起きてこない小竜姫が一番悪い。
雪之丞には言い分があった。
こんな事で誤解を受けて小竜姫を怒らせてしまったのでは修行どころか自分の命が危ない。
てっきり、何か切り返してくるだろうと思っていたが、小竜姫の反応は雪之丞が想像していた
のとは全く違っていて。
「……そう…だったんですか……修行…に……」
言いながら、小竜姫はぺたり、と崩れるように床に座り込んだ。
その様子に、ただならぬものを雪之丞は感じ取り、まじまじと小竜姫を見た。
よく見ると、頬は紅く、身体は震え、目は潤み―まるで…。
「おい…お前まさか本当に病気か!?鬼門が心配してたぞ?」
「っ!ち、違うんです、これは……で、でも申し訳ないですが…
今日は修行は……ごめんなさいっ…!」
何が違うと言うのか。どう見ても体調がいいようには見えない。
「お前…熱があるんじゃないのか?ちょっと見せてみろよ。」
言いながら雪之丞が近づくと、小竜姫はびくっと身体を強張らせ、嫌々と首を振る。
「だ、だめっ……私に近寄っちゃ…!」
「な、何だよ……何でそんなに脅えてるんだよ。」
病気の所為か?何かいつもの小竜姫とは違う気がする。
嫌だと言う割に、雪之丞が近づいても逃げようとはしない。―余程体調が悪いのだろうか。
雪之丞が小竜姫の前でしゃがみ込み、小竜姫の額に触れると。


512:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:29:35 ZkmsQYfe

「やっ…やぁぁっ!」
「いっ…!?」
電流が走ったようだった。思わず雪之丞の手を払いのけた。触れられた箇所から、
びりびりと電流が身体全体に流れたような感覚に襲われ、小竜姫はぽろぽろと涙を流す。
「ふっ…ぅ…!」
身体が震える。触れられた感覚が、小竜姫の身体の奥に切ない疼きをもたらした。
「……悪い。」
驚いたのは雪之丞の方だ。額に触れるや小竜姫は悲鳴を上げ手を振り払われるし、
そうかと思えば今度は泣き出す始末。
確かにだめと言われながら近寄った自分も悪いが―やはり、何かが違う。
病気って…わけじゃなさそうだな…。
一瞬触れただけだが、決して高熱がある感じでもなかった。
「はぁっ…っ…は…っ…」
荒い呼吸を、小竜姫は繰り返していた。
しかし、それはひどく切なく、どこか艶のある響きで。
まさか、な?
小竜姫に限って。このお堅い神様が、まさか。
「っ…んっ…」
身体が震えていた。何かに耐えるように、自分の身体を掻き抱いて、切なげに眉を顰めた。
「…………」
小竜姫の様子をしばらく眺めていたら、その違和感の正体が何となく見えてきた。
けれど、曲がりなりにも神様に対し、こんな言い方をしていいものかどうか雪之丞は迷っていた。
間違ってたら、その場合殺される。多分。
けれど、多分その考えは間違ってはいないことを、何となくだが確信していた。
何故かと聞かれると―多分、それは本能と呼べるものではないだろうか。
「おい…大丈夫か?」
雪之丞の声に、小竜姫ははっと我に返ったように、彼を見た。
「あ…ご、ごめんなさい、雪之丞さん…っ……私…ちょっと今日身体の調子がおかしくて……
折角ここまで来てもらって申し訳ないですが…今日は本当に……」
「『身体』、がか?」
「はい……ごめんなさい……!」
申し訳なさそうに言う小竜姫の顔を、雪之丞はまじまじと眺めて―
「……発情期か?」
「――――っ!!!」
小竜姫の顔全体が、火が付いたようにぼっと紅く染まって。
雪之丞から逃れるように、がさがさと壁際まで後ずさった。
「な、な、な…んで…!」
口元を押さえながら、小竜姫は雪之丞をまたもや信じられないと言った顔で見詰める。
………………図星かよ……。
何故わかったのか、とでもいいたいのだろうか。
そりゃわかるさ。そんなに色っぽい顔されちゃ、な。
とは言え、やはり自分の考えに間違いが無かった事に、雪之丞は少なからず鬱になった。
…横島なら、さぞ喜ぶんだろうけどな…。
そんな親友を、少し羨ましく思いながら。雪之丞は大げさにはぁ、と一つ溜め息をついた。


513:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:31:15 ZkmsQYfe

「成る程、な」
「はい……」
恥じらうように頬を染め、俯いたまま、小竜姫は雪之丞にぽつり、ぽつりと事情を話し始めたのだ。
年頃になったほとんどの竜神族は、千年に一度、このような状態に陥るのだそうだ。
それが、小竜姫も例外ではなかったと言うだけの事。それだけだ。
「お前は、今回が初めてなのか?」
「…私は、まだ千七百年しか生きていないんです。最初の七百年から千年の間に、
角が大人のものへと生え変わります…。それから段々と身体が成長して…
千年周期で、こんな事に…」
「じゃあ、お前そろそろだってわからなかったのかよ?わかってりゃ、何か対処法でも
あるんじゃねぇのか?」
「だ、だって…まだ先の事だと思っていたんです!私は角が生え変わるのが遅かったから…それで…」
「他の竜族は、どうしてるんだ?こんな時…」
「ほとんどの竜神達は私くらいの歳になるまでに決まった相手を見つけているんです…。
でも私はずっとここに篭りっきりだし……それに…抑える薬は天上界に行けばあるんですけど…」
「じゃあ戻って薬飲んでくりゃいいじゃねぇか。何でそうしねぇんだよ?」
「……それは、…こんな状態に、なる前じゃないと効果が無いんです……」
「はぁ?!じゃ、今からじゃ対処のしようがないって事かよ!?」
「……はい……」
小さく頷く小竜姫を見て、雪之丞は思わず溜め息をついた。
…これじゃ修行どころじゃねーな……。
完全に当てが外れた事に、雪之丞は落胆の色を浮かべる。
そんな雪之丞を上目遣いでちらりと一瞥し、再び目を伏せながら小竜姫は申し訳なさそうに小さく呟く。
「……ごめんなさい……」
小竜姫の謝罪の科白が雪之丞の耳に届く。
つられるように小竜姫を見ると、肩は小さく震え、頬は真っ赤に染まって、自分の身体を掻き抱くように、
或いは己の身を守るようにして、ぺたりと座り込んでいた。
いつもの小竜姫とは違い、その姿は酷く扇情的で、儚げに見えた。
そんな彼女を見て、雪之丞はまた溜め息をつく。
今度は落胆のそれではなく、諦めの色を含むそれであった。
…仕様がねぇよな……。
小竜姫を責めても仕方がない。責めるならば、恨むならば己の運の悪さの方だろう。
そう思い直し、雪之丞は立ち上がり、小竜姫に告げる。


514:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:32:39 ZkmsQYfe

「…わかった。今回は修行は諦める。俺は帰るけどよ……大丈夫なのか、お前は?」
雪之丞の言葉に、申し訳ないような、けれどどこか安堵したような表情で、
小竜姫は答える。
「……どうにかします……力を、…解放するわけには、いけませんから……」
「……力の解放?」
……今何だかとてつもなく不吉で危険そうな言葉を彼女は発しなかったか?
「……私の竜神としての…力が…暴発、してしまうんです…」
「!!?おいっ、何だそりゃ!?暴発するとどうなるんだよ…!?」
何となく予想はつくのだが、その予想が外れていればいいのに、と雪之丞は願った。
「逆鱗に……触った時と…同じように………竜に、戻ってしまうんです……」
けれど、やはりこれも予想通りの答えであった事が、この上ない衝撃を雪之丞に与えた。
ちょっと待てよ、そうなったら今俺がここに居る事自体危ねえじゃねぇか…!
小竜姫が竜になった時のいきさつは横島から聞いた事がある。
辺り一面焼き尽くすまでは元に戻らないとか何とか言っていたような……。
雪之丞はたらり、と冷や汗をかいた。背筋に冷たいものが走る。
一刻も早くこの場から立ち去りたい衝動に駆られた。
「そ…そうか……大変、だな……じゃ、じゃあ俺は帰るから、後はがんばれよ?!」
巻き込まれでもしたらたまったものではない。
雪之丞はそう言い残し、足早に小竜姫の寝室を後にしようとドアを開けようとする―と。
「「このまま帰すわけにはいかんぞ、雪之丞殿っ!!」」
「うわっ!!?」
「き、鬼門!?」
ドアが勢いよく開く場合に生じる激しい効果音と共に、今度は先にドアを開いたのは鬼門達であった。
左右の鬼門の突然の登場に、雪之丞が驚いて後ずさる隙に、逃げられぬようドアの前に立ちはだかる。
「話は聞かせて頂き申した!小竜姫様もとうとう大人の竜神に…!ああ何と感慨深い…!」
と、右のが言う。
「しかしながらおいたわしい…!このような場所で一人篭られるが役目故に……くぅぅ!」
と、左のが嘆く。
「―って、おい!!お前らいつから居たんだ!?えらい詳しいじゃねえかよ!?」
「お主が小竜姫様の所からなかなか帰って来ないから見に来たのだ。来てから二十分程経つか?
右の?」
「うむ、正確には二十二分程だな、左の」
「……お前らあそこから離れるのは三分が限界だとか何とか言ってなかったか…?!」
「細かい事は気にするな。このような重大な話をしていると言うのに門番などしておれん!」
「アバウトすぎるぞお前ら!?」
「そう怒るな。小竜姫様が大変な時だと言うのに、我らもおちおちしておれん。」
すると左右の鬼が、寝室の中にずかずかと入り込んで来たかと思えば、
床の上で雪之丞に向かって膝をついて頭を下げる。


515:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:34:17 ZkmsQYfe

「そこで雪之丞殿を男と見込んで頼みがある。どうか聞き届けてくれい!!」
言いながら土下座する鬼門達に、雪之丞は嫌な予感がひしひしと込み上げてくる。
「な…なん…だよ…?改まって……」
…まさか…な……?
いくら何でも、人間の自分に。そう思ったが、これまで何度も何度も人間の
自分たちに頼ってきた神々及び魔族の面々を思い出した。
そして次の鬼達の言葉が、その予感を決定的にしたのだった。
「「どうか小竜姫様のお身体をお鎮めし、慰めて差し上げてくれい!!この通りだ!!」」
「「なっ!!?」」
鬼門の申し出に、雪之丞と小竜姫両方が同時に声を上げた。
予想の範囲内ではあったものの、まさか本当にそれを言ってくるとは。
「ちょっと待てよ!!お前ら何考えてんだ!?俺は人間だぞっ!?
てめえらの主人の事はてめえらでどうにかしろよ!」
「我らには無理だ。我らは小竜姫様に仕える身、恐れ多くて手など出せぬ。
それに身体の造りにしても、我らは竜神族や人間のようにはいかぬゆえ、
どうにも出来ぬ。今、小竜姫様を抑えられるのはお主だけなのだ。頼む!」
「小竜姫様が万が一暴走すれば、我らの手には負えんのだっ!!
まだ死にとうない!!我らを助けると思って引き受けてくれい!!」
「結局本音はそれかっ!!?てめぇら自分の事だけじゃねーか!!」
「頼んだぞ雪之丞殿!言っておくが小竜姫様をお鎮め出来るまでは
この屋敷からは一歩も外には出さんので、そこらへんは肝に銘じていてくれ!
これよりこの部屋は異世界空間へと繋げる故。では御免!!」
「おい、待てよっ!?待てって…!……………。」
言いたい事だけ言って、一方的に頼み込み、雪之丞の意見も聞かず、鬼門達は消え去った。
それは、本当にその直後の事であった。
「っ!?」
空間のひずみが出来たかと思えば、今度は自分達の回りの空気の流れが変化する。
今まで何度か経験した事のある感覚。
―間違いなく、異世界空間へ閉じ込められてしまったらしい。
「…何なんだよ……あいつらは…!」
雪之丞は怒りを通り越して呆れにも似た感情が湧き上がる。否、そんな事よりも。


516:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:35:26 ZkmsQYfe

―『頼む』、と言われてしまった。それはつまり、小竜姫と―神と交われ、と言う事だ。
ごく、と生唾を飲み込み、肩越しに小竜姫をちらりと見ると。
「「!」」
小竜姫も自分を見ていたらしく、気まずさから即互いに目を逸らした。
ちくしょう、神様とやれってのかよ……!
鬼門達から無理矢理に押し付けられた頼みに対し、雪之丞は酷く惑う。
どう考えても、これは自分向きの依頼では無い。
どうすればいいのかと途方に暮れていたその時。
「…あの…雪之丞さん……」
「!」
突然声を掛けられ、雪之丞ははっと我に返り、小竜姫に目を向ける。
相変わらず小竜姫は目を背けたまま、けれどはにかんだような笑みを薄っすらと浮かべて言葉を紡ぐ。
「ごめんなさい……鬼門の言っていた事は…気にしないで下さい……私は、大丈夫ですから……」
はぁはぁと、言葉言葉の合間に切なげな吐息を漏らし、身体に篭った熱を追い出そうとしている。
そんな苦しげな様子が見て取れて、雪之丞は複雑な気持ちになる。
「……とてもそうは、見えねぇけどな……」
「いい、んです……私の為に……雪之丞さんに迷惑は掛けられませんし……
暴走させてしまったら、本当に大変な事になってしまいます……だから、どうにか抑えてみます……
鬼門に……貴方を外に出すよう…言って来ます………」
言いながら、よろよろと立ち上がり、―ずっと背けていた目を、雪之丞へと向ける。
瞳は潤んでいて、苦しげで、けれど、精一杯の微笑みで以って。
その微笑みが酷く儚げに、不安げに見えて。
「―………」
雪之丞は迷っていた。迷う理由があった。
これが数年前の自分なら―きっと迷う必要も無かったのだろう。
俺は、そんなに器用じゃ無いからな……。
けれど…、けれど。
再び顔をふい、と背け、覚束ない足取りで雪之丞の横を通り過ぎようとする小竜姫の目には
大粒の涙が、溜まっていて―



517:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:36:26 ZkmsQYfe

「―俺で、いいのか?」

そう、雪之丞は問うた。
「…え…?」
問われた意味がわからず、小竜姫は訝しげに雪之丞を見る。
雪之丞は横目で小竜姫を見詰めながら、照れくささをひた隠しながら小竜姫にもう一度、問う。
「だから……お前初めてなんだろうが。それなのに、俺が相手でいいのかって聞いてんだ。」
「っ…ゆ、雪之丞さん…!?」
思いも寄らなかった雪之丞の問いに対し、小竜姫はただでさえ火照った頬を更に
紅潮させて、うろたえたように彼を呼んだ。
「嫌なら一人で耐えてりゃいいけどな。けど、こんな事で暴走してここ破壊しちまったら後が大変なんだろ?
どっちでも構わねぇぞ、俺は。」
「…そ、そんな、私は……」
私は…、……。
口元を握りこぶしで押さえながら、小竜姫は考えた。
―どうしたいのだろう…―
一人で耐える事に、不安があったのは事実だった。
正直言って、身体は既に気が狂いそうな程の切なさを訴え、奥の疼きはますます激しくなるばかりだった。
今、そこに雪之丞が居る事で、どうにか理性を保っていられる状態だ。
自分でどうにかする、と言ったものの、まだこのような経験をした事の無い彼女にとって、
それはとてつもない屈辱を伴うものでもあった。
雪之丞の事は、決して嫌なわけではない。
相手が付き合いの長い彼であるならば、この際恋愛感情は抜きとしてでも、嫌悪感と言うものは
今のところ感じられない。
けれど―
「……何だよ。はっきり言えよ、お前が決める事だろうが。」
彼には―
「私……は……、嫌なわけじゃ……でも……貴方には……居るじゃないですか……」
大切な、人が。
「……嫌じゃ、無いんだな?」
「っ……で、でも雪之丞さんはっ…んっ!?」
言い終わらぬ内に。


518:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:37:05 ZkmsQYfe

唇を、塞がれる。強引に腰を引き寄せられて、甘い痺れが彼女を襲い、身体から力を奪う。
「…んっ…は…っ…っ…!」
がくん、と崩れそうな小竜姫を支え、彼女の唇を貪るように深く交える。
「ふっ……ぅ……!」
口腔に舌を差し入れると、小竜姫は拒む事無くそれを受け入れ、
舌を絡ませるとくちゅ、くちゅと唾液の交わる音が淫らに響き、互いの耳を犯した。
溜まった唾液を小竜姫に流し込んでやると、こくん、とそれを飲み干し、収まりきらなかったそれは
口端から流れ出る。
「はぁっ……っ…」
唇を離すと、力を完全に失いくたりとした小竜姫の身体を抱きかかえ、
寝台に組み敷いて、黒のコートを脱ぎ捨てた。
「…どーでもいい事は忘れろ。俺も忘れる。」
「…っ…でも……」
涙目になりながら、小竜姫はまだかろうじて残っている理性で雪之丞に反論する。
「でも、じゃねぇよ。しょうがねぇだろうが、俺ももう限界なんだよ……」
「え……?」
何の事だかわからない、と言った表情の小竜姫に、雪之丞は思わず苦笑う。
千七百年生きていると言っても、たかだか二十年と少ししか生きていない自分より
余程清らかで、世間知らずで無垢な竜神の姫君に、雪之丞はネクタイを解きながら再び口付ける。
「んっ…ふ……っ!」
男から与えられる狂おしい程の感覚と熱に、小竜姫の潤んだ瞳から涙が一筋頬を伝う。
雪之丞と、彼の本当の相手に対する申し訳ない気持ちと、初めての経験と感覚に対する不安が入り混じり、
胸が押しつぶされてしまいそうだった。
口を塞がれている為に言葉に出来ない想いを精一杯心の中で叫んだ。
―ごめんなさい―と。
そんな小竜姫の心に気付かぬふりをしながら、雪之丞は唇を繋げたまま、小竜姫の衣に手を伸ばした。
「――っ!!」
にわかに、小竜姫の身体に緊張が走る。
彼女の中華風だか和風だかわからないような着物の上から、彼女の胸に触れる。
「ひぁぁぁっ!!」
喉を仰け反らせて、たちまち悲鳴にも似た嬌声が上がり、小竜姫の身体が引き攣る。
布越しで触れただけだと言うのに、ここまで扇情的な反応を示す彼女に、雪之丞の身体も熱くなっていく。
ふつふつと湧き上がってくる衝動と、本能が、彼の理性を蝕み始めた。
やべー、な……。
まだ、理性を完全に呑まれるわけにはいかない。そう己自身に言い聞かせ、衝動を抑え込みながら、
彼女の衣の中に指を差し入れて、わざとゆっくりと肌蹴させていく。


519:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:37:53 ZkmsQYfe

「あ……っ…!」
雪之丞の手が、指が、ほんの微かに触れただけで、小竜姫からは酷く艶めいた声が漏れる。
同時に、小竜姫の白い肌が―柔らかな曲線を描く膨らみが、露わになっていく。
「っ……やぁっ…!」
胸元を晒され、羞恥に思わず顔を背ける。
胸は既に随分と張っていて、先端の淡い彩りは固く尖り、その存在を主張していた。
誘われるように、その膨らみに手を伸ばす。
「ああんっ…!」
掌で包み込むように触れると、たちまち甘い声が小竜姫から漏れる。
その声に、雪之丞は背筋がぞくりと粟立った。
既に反応を示していたはずの己の芯が、更に強張っていくのを感じる。
俺の方が、もたねぇかもな……。
まだ大した愛撫も施していないにも関わらず小竜姫の身体は既に熱く、
甘く響く嬌声と悩ましげで艶めいた表情は、まだ少女のような幼さが残るその容姿とは酷く不釣合いに
見えて。それがより男の情欲をそそり、劣情を昂ぶらせていく。
めちゃくちゃに、してやりてぇ。
そんな願望が、首をもたげた。
いつもの彼女ならば、決して見せる事の無いであろうその艶めかしい姿。
もっと乱れさせたい。
もっと淫らな声で啼かせたい。
雪之丞は、小竜姫の尖りきったその突起に口付ける。
「――ああぁっ!!はぁ、んっ!ふぁ…!」
突起を舌で転がすように舐め上げながら、その柔らかな膨らみを揉みしだくと、
小竜姫の唇から火が付いたような嬌声が漏れる。
引き離そうとしているのか、それとも抱きかかえようとしているのか、小竜姫の
腕が雪之丞の頭に絡みつく。
柔らかい乳房に顔を埋めると、その滑らかな白い肌が得も知れぬ心地よさを
雪之丞に与える。
その肌に少し力を込めて吸い付くと、鬱血した部分がまるで何かの刻印のように
小竜姫の白に映えた。
その度に小竜姫が甘い声を上げる。
その声がもっと聞きたくて、幾つもの血の刻印をその白に浮かばせた。
「はぁっ、んぁぁっ…!雪之、丞さ…っ…あぁっ…!」
快感から逃れるように、ずり、と身を捩る小竜姫に対し、雪之丞は段々と興味を
下半身へと移していく。
小竜姫の袴越しに、その部分に触れてみると―
「―ひぁっ…!!!」
びくん、と小竜姫の身体が跳ね上がり、身を強張らせた。
まだ、誰にも触れさせた事の無いその部分が。
切なくて、熱くて、疼いて止まなかったその部分に、布越しではあるものの、
ようやく待ち望んだ刺激を与えられ―身体の奥から、熱いものが込み上げる。


520:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:38:43 ZkmsQYfe


「すげぇな……」
思わず、雪之丞は感嘆の声を上げた。
それは、小竜姫の袴越しでもわかる―否、袴にさえも微かに染みこんだ液体の
存在の所為で。
しっとりと湿り気を帯びた其処を撫ぜながら、雪之丞は小竜姫にその存在を伝える。
「すげぇ、濡れてるな……相当、我慢してたんだろ、お前。」
「――っ……ちがっ……!」
頬をかぁっと朱色に染めながらも、小竜姫は否定の言葉を紡ぐ。
確かに、苦しかったのは事実だった。我慢していたと言うのも、自らの身体に
起こった現象を考えれば、本当は否定する意味もなさないほどに明らかで。
けれど、認めたくなかった。
こんな事は初めてで、それを認めてしまえば、自分がとてつもなく淫らな女に
なってしまいそうで、嫌だったのだ。
成長した竜族の―短い生を刹那的に生きる人間とは違い、長い生を半永久的に、
しかも少数の種族で生きていく為の―子を成す為には必要な儀式であるはずなのに。
「…今更、何言ってんだよ。こんなにしといて、違うも何もないだろうが。」
「っ……」
そう言われてしまえば言葉も無い。その身は明らかに男を求め、男を受け入れる為に
こんなにも淫らな蜜を垂らし、その瞬間を待ち望んでいるのだから。
雪之丞の顔をまともに見ていられなかった。
こんな自分を、彼は一体どう思っているのか―恥じらいながら、顔をふい、と背けた。
全く、随分と意地っ張りなお姫さんだな……。
どこかのお高くとまったお嬢様といい勝負だ、と雪之丞は苦笑する。
けれど、そんなところが―雪之丞には好ましく思えて。
「っあっ…!?―っ……!」
雪之丞の手が、小竜姫の袴の腰紐にかかる。それに気付き、小竜姫は湧き上がる羞恥と不安に、
思わず息を呑んだ。
けれど。
「…どうやって解くんだよ、これ……」
腰紐に手を掛けたものの、結び目がわからず雪之丞は右往左往に手を彷徨わせる。
几帳面な小竜姫らしく、結び目さえも傍目からは分からぬように隠してあるようだった。
いっその事強引に引き裂いてしまおうか、等と物騒な考えが雪之丞の脳裏を掠めた、その時だった。


521:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:39:35 ZkmsQYfe

「―…小竜姫…?!」
小竜姫の、しなやかで白い手が雪之丞の手首をそっと掴む。
「…………」
目には薄っすらと涙を浮かべ、あまりの羞恥に、消え入りそうになりながらも。
雪之丞の手を、帯の結び目へと導いた。
「ここ、か?」
導かれた先を弄ると、幾重にも巻かれた細い腰紐の中に蝶々型の結び目を見つけ、
それを引っ張る。
シュル……と衣擦れの音と共に、その結び目が解かれ、徐々に腰紐を緩めていくと―
「―っ……雪之丞…さん……!」
不安げに雪之丞の名を呼んで、彼を見上げる。
潤んだ目は、切なげに何かを訴え、まるで懇願するように雪之丞を見詰めていた。
「…怖い、か?」
「…………」
無言のまま、小竜姫はまた雪之丞から目を背ける。雪之丞はそれを肯定の意と捉えた。
「へぇ……神様でも怖いもんがあるんだな…」
からかいを含んだ雪之丞の科白にも、小竜姫は何も言わない。
雪之丞はそんな小竜姫に対し、―らしくない、と思いながらもその言葉を耳元で囁いた。
「…心配すんな、酷くはしねぇよ。―いくぞ?」
「―ぁっ…!」
すっかり緩くなっていた袴を掴み―それを下へとずらしていく。
「いやっ…ぁっ…!!」
まだ誰にも見せたことの無いその部分が―雪之丞の目に晒されていく。
「っ……!」
まだ誰にも触れさせた事の無いその部分を―雪之丞の指先が弄る。
「あああっ!!ひっ…ぁ……いぁぁっ…!」
どれだけ、待ち焦がれただろう。
熱くて、切なくて、身体の奥が疼いて疼いて、狂おしい程に恋焦がれて。
「へぇ…初めての割に、すげぇ量だな………どんどん、溢れてくるぞ……」
「や……言わない、でっ……ああっ…!」
あまりにも艶めかしく、生々しい量の蜜に指先を絡ませると、
べとべとに汚れた手をわざと小竜姫に見せつけ、舌で舐め取る。
小竜姫は泣きそうな顔でそれを見つめ、恥じらいからか目を背ける。
そんな小竜姫の反応が、酷く可愛らしく見えて。
けれど、下半身に目を落とすと、そこは小竜姫自身の反応とは裏腹に、
淫らで、たまらなく卑猥で、―しかしどこか、神聖なもののように思えて。
敬虔な気持ちも加わり―まるで壊れ物でも扱うかのように優しく―濡れた割れ目に唇を這わせた。
「――ああああっ!!あっ…やぁぁっ!!」
くちゅ―
粘る水音と共に、小竜姫の高く甘い嬌声が部屋に響く。


522:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:40:26 ZkmsQYfe

その声に魅入られながら、雪之丞は次々に溢れる蜜を、吸い取るように舐め上げる。
しかし、その甘い蜜はぬぐってもぬぐっても止まることなく溢れ続け、その蜜源はより強い
刺激を求め、ひくひくと意志を持っているかのように轟いた。
男を求め、奥へといざなうかのようなその襞の動きに、雪之丞は思わず息を呑んだ。
そして、自らの熱も同様に―彼女を求めて止まない事を、悟った。
否、身体は当に熱を持ち、反応を示していたのだが、だからと言って初めての相手に対し
大した前戯も無いままに欲望をぶつける程、今の自分は青くはない。
だから、本当はもっと慣らしてから―そう思っていた。
けれど、目の前の女を見ていると―そんな想いなどどうでもよくなってきている己に気付く。
「はぁっ…はぁ……はっ…」
顔を上げて、荒く熱っぽい呼吸を繰り返す小竜姫を見下ろすと―
未だ満たされる事のない情欲に、身体がびくん びくんと引き攣り、瞳からは涙が一筋頬を伝って。
淫らで、悩ましげな―しかしそれがまた彼女の美しさを引き立たせていて―表情で、
雪之丞を見上げる。
決して口には出さない想いを、身体全体で表現しているように見えた。
「雪之丞…さん……!」
その美しさに―自分に向けられた縋るように眼差しに射抜かれて。
雪之丞は言葉をなくしてしまったかのように絶句した。
しかし、次の瞬間、何かを思い立ったかのように身体を起こし、無言のまま
些か乱暴な仕草で以って、己のシャツを脱ぎ始めた。
シャツのボタンが、一つ二つ外れてしまったようだった。
勢いに任せ、弾け飛んだそれらはカツン、と音を立てて床に転がり落ちていく―ような音がした。
けれど、そんな事はもうどうでもいい事なのだ―と。
己の衝動が、本能が、そう告げていた。
衣服を脱ぎ始めた雪之丞から、小竜姫は思わず顔を背け、目蓋を閉じた。
衣擦れの音が耳について、小竜姫は刻々とその時が近づいている事を悟る。
こんな事になるなんて、思いもしなかった。
まさか、雪之丞と―そんな思いが彼女を掠めたが、しかしそれはそれだけの思いであり、
不思議にも嫌悪感というものを感じないのは何故なのだろうか。
もし、彼以外の男が相手だったとしたら、その時自分はどのような想いを抱いたのだろうか。
―そんなとりとめの無い思考ばかりが頭の中を駆け巡っては消えていくが、
それは雪之丞の自分を呼ぶ声によって、打ち消された。
「―小竜姫……」


523:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:41:10 ZkmsQYfe

名を呼ばれ、小竜姫は恐る恐る目を開いた。
そこには、服を脱ぎ捨て背中からシーツを掛けている雪之丞の姿があった。
男は小柄ながらも、肩幅は広く、引き締まった身体をしていて、二年前に最後に
会った時と比べると、顔つきに若干少年らしさが失われ、大人のそれへと変わりつつあるように見えた。
そこまで思い至って、小竜姫は身体の奥が一際強く、切なく疼くのを、感じずにはいられなかった。
―欲しい―と。切に、願う。
伴うように、熱く潤んだその入口が、ひくり…と引き攣れた。
もうこれ以上耐えるなんて、出来そうにない。
上半身を僅かに浮かせ、初めて自分から雪之丞の身体に触れて、背中に腕を絡ませしがみついた。
「っ……!」
雪之丞の身体が強張るのを肌で感じ取り―小さく、囁く。
「お願い、です……私、もう……」
その言葉が―雪之丞の最後の理性を奪う。
心拍数が上がる。全身の血液が逆流したのでは無いかと思うほど、身体が熱い。
こんなにも淫らな願いを耳元で切なげに、熱っぽく囁かれて。
これに抗える奴がいるかよ…!
耐え切れずに、雪之丞は小竜姫の細い腰を引き寄せて。
己の張り詰めた性器を、小竜姫の入口にあてがう。
「―あっ…!」
くちゃり―と粘る水音と共に―背を仰け反らせた小竜姫の胎内を、一気に貫く。
「あっ…ああああ…っ!!!」
「う…ぁ…す、げっ……!」
胎内に自身を突き入れたと同時に、内部がぎゅんぎゅんと雪之丞を締め付け、
溢れる愛液が更に熱を増して、雄芯に絡んでいく。
精を根こそぎ搾り取られるかのような膣壁の圧迫に、眉を顰め、唇を噛み締め、
いきなり絶頂に達しかけたのを必死に堪えた。
「っ、く……!」
短く息を詰めた後、はぁ、と一つ息を吐いて、小竜姫から与えられた激しすぎる快感を
どうにかやり過ごす。
その間も小竜姫の熱く窮屈な秘唇はひくりと収縮を繰り返し、雪之丞を締め続け、
全身からじわりと汗が滲んだ。
「はっ……あ…熱……んっ……」
「…っ、それは…こっちの、台詞だぜ…っ…」
互いの熱が、互いの混ざり合った部分から身体全身へと伝わり、溶けていきそうになる。


524:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:41:49 ZkmsQYfe

包み込む小竜姫の秘裂は酷く熱をもっていて、その熱がより雪之丞自身を昂ぶらせていく。
膣内で更に硬く膨張する楔に圧迫され、快感なのか苦しいのかさえもわからない。
じくじくと内部で脈打つ熱が、愛しくも切なく思えて、小竜姫の瞳からは大粒の涙がぽろぽろと零れ落ちていく。
「…!?おい…大丈夫か…?」
促される射精感をどうにか堪え、微かな余裕を取り戻した時、小竜姫の涙に気付いた
雪之丞が心配げに声を掛ける。
彼女は何も言わなかった。痛いとも、苦しいとも。
彼女の身体はあまりにも素直に自分を受け入れ、何の抵抗も感じなかったように思う。
だから、大丈夫だと思っていた。
けれど目の前の彼女は、苦しげに眉を顰め、溢れる涙はシーツに幾つもの染みを作る。
初めての身体に無理をさせてしまったのかと、今更ながら罪悪感が込み上げてくる。
女が泣くのは苦手だった。
横島に以前そう話してみたときに、『お前がか!?』等と言われ、本気にはしてもらえなかったが。
―泣いている女を見ると、幼かった自分を抱いて泣き崩れる母親と被って見えて。
だから女を泣かすのは、苦手だった。恋人に対してでも、何だかんだと言いながら
激しく言い争いをしたところで、彼女が泣く手前でこっちから折れる。それが常だった。
「小竜姫……痛い、か?」
小竜姫の目に光るものを指先で拭いながら問いかけると、小竜姫はふるふると首を振って、
それを否定する。
「違う…んです……っ…は…ぁ……!」
内部に収まったものの鼓動が、小竜姫の身に更なる情欲を宿す。
それに伴い湧き上がる愛しさは情欲故であるのか、それとも―
「雪之丞、さん……っ………」
「!」
男の名を呼びながら、男の首筋に腕を絡ませ唇を合わせる。
まるで子供が甘えるような小竜姫からの口付けに、雪之丞は戸惑う。
しかし、恐る恐る舌を差し入れ誘ってくるのに、雪之丞は自らの舌を絡ませてそれに応えた。
「ん……はぁっ…ふ……」
熱い吐息の合間に甘い声が漏れ、それに触発されたように、ゆっくりと腰を動かし始める。
「―ひぁっ……!」
雪之丞の雄芯に胎内を擦られ、身体がびくんと強張り、重ねていた唇が思わず離れた。
求めてやまなかった快感をようやく手に入れた悦びに、身体が打ち震えた。
きゅう、とまとわりついてくる肉襞の貪欲な動きに耐えながら、はぁ、と荒く息をつくと、
雪之丞は小竜姫の細い腰を両手で掴んで―ぎりぎりまで引き抜いて、再び奥まで突きたてる。
「あ、あっ、あっ……ああっ…っ…あっ!」
幾度も幾度も、それを繰り返し、繰り返し。
子宮の奥壁に先端を叩きつけるような腰の動きに、小竜姫の嬌声が絶え間無く部屋に響く。
自分でも、止めようが無かった。
漏れ出る声を、艶めいた、まるで自分のものでは無いような淫らな声を、抑えようと思っても抑える事も出来ない。
繋がった箇所から与えられる激しい衝動が、もはや止む事は無く。


525:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:42:22 ZkmsQYfe

「あ、ああっ……!っ、んっ…あああっ!!」
雪之丞は肉欲の求めるままに―しなやかな肢体を揺さぶり、膣内を犯し続ける。
激しい抽迭に、小竜姫の身体は痺れたように強張って、雪之丞の成すがままに耐えるしかない。
男の首筋に絡めた腕に、更に力を込めてしがみ付き、気付かぬうちに彼の背に爪を立てながら衝撃を
受け止める。
「っ…!」
ちり、と背に鋭い痛みが走り、思わず眉を顰めると、初めてそれに気付いた小竜姫が、慌てて手を離す。
「っ…ご…めんなさっ……私っ……あっ…!?」
おどおどと謝罪の言葉を口にする小竜姫の手首を掴み、そのまま押し倒してシーツに縫い付ける。
「や、…雪之丞、さんっ……っ…!?」
掴んだ手首はそのままに、雪之丞はそれを下半身の繋がった部分へと導く。
「わかる、か?」
薄く口元だけで笑いながら、からかうように小竜姫に問う。
―熱い―
それが、小竜姫が最初に抱いた感覚だった。
「あ…あ……!」
わからないはずがなかった。
生まれて初めて触れる男の肉欲―それにまとわりつくぬめった液体の存在。
導かれるままに、指先を更に上へと動かすと―自分自身の秘唇に触れ、身体がびくり、と強張る。
「はっ……や、…ぁっ……!」
互いの性器が。
結合し、交じり合ったその部分に、指先が触れる。
指先をそこに添えたまま―否、雪之丞の手によって固定されたままに、
中をゆっくりと擦り上げられる。
「やぁっ…!あ、あ、っ…いやっ…!」
「嫌、じゃねぇだろ…?すげぇ…食いついてくるのによ……」
雪之丞が内部を貫く度、肉壁は彼自身を食い締めるように伸縮する。
引き抜こうとすれば、結合部は更に収縮し、ごぷり、と派手な糸を引いて、
雪之丞の肉茎を離すまいと食い下がる。
否定の言葉とは裏腹に、小竜姫の身は雪之丞を求め、焦がれているのは明らかで。
己が身体の淫らな反応を指先で感じ取り、小竜姫は目蓋を閉じて顔を反らした。
指先を微かに動かすと、結合部より僅かに上に存在する膨張した肉芽に触れて、
思わず高い喘ぎが漏れる。
そんな小竜姫のあられない姿に―雪之丞の身体は更に熱を帯びていく。
込み上げる熱を押さえ込むように、更に深く、最も奥を、幾度も貫いた。
「ひっ…!ああっ…アっ…ああっ…雪之、丞さっ……アぁっ…!」
もう、余裕などはどこにも無かった。
甘く高らかに響く嬌声。
ぐちゅ、ぐちゅ、と淫靡な水音が耳について、混ざり合う体液が出し入れの度に白い糸を引いた。
柔らかな乳房が律動に合わせ揺れ、その度に小竜姫の目からは大粒の涙が弾け飛ぶ。


526:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:43:04 ZkmsQYfe

―泣くな、っても、無理なんだろうな……―
荒い息の下、苦笑いながら小竜姫の身体を抱き寄せた。
不安げに揺れていた華奢な身体は、縋りつくものを得た途端、たちまち腕が
絡みつき、小竜姫の表情が微かに安堵したものへと変わる。
同時に―雪之丞の心に複雑な想いが絡みついて―
「くっ…ああっ…雪之丞っ…さん……っ…あ、はぁっ…!」
「はっ……小…竜姫っ……!」
女の柔肌を抱きしめながら、女の淫らな啼き声を聞きながら、女の熱に浮かされながら。
この湧き上がる感情は本能故と己に言い聞かせるように、小竜姫の胎内を激しく突き上げる。
休む間も無く攻め立てられて、その激しさを受け止め耐えるだけだった小竜姫の身体が、
次第にびくびくと痙攣を始める。
それに伴い、男を搾り取ろうとする貪欲な胎内の動きに、雪之丞の限界も一気に近づく。
かろうじて残った理性で以って、込み上げる熱を押さえ込む。
「っ、イク…ぞっ……!」
そう警告し、雪之丞が小竜姫から身体を離そうと身を起こす。
しかし小竜姫は雪之丞から離れまいとするかのように身体をぴったりとくっつけて、それを阻む。
「なっ……!おいっ、何やってんだ…!?離れねぇと…!!」
「ダメ……っ……このまま……お願い……!」
雪之丞に必死ににしがみ付きながら、切なげに懇願する。
「このままっ…て……、お前、発情期って事は…っ…、やばい時じゃねぇのかよっ…!?」
いくらなんでも、神様を孕ますわけにはいかねぇだろうがっ!
例え種族が違ったとしても、現にヴァンパイア等は人間と交わればハーフの子が生まれるのだ。
それは自分のヴァンパイアハーフの友人が存在する事で証明済みだ。
竜神族が人間と交わっても大丈夫だと、保証でもあるのだろうか。
「あっ、はぁ、っ…いいん、です……おねが…い…っ…」
自分がどれ程淫らな願いを彼に託しているのか、わからないわけではなかった。
しかし、自分自身ではどうしようも無かったのだ。
彼の全てが欲しくて欲しくて、たまらなくて。
自分を満たしてくれるものが、まだ足りなくて。
離れたくない。離したくない。そんな想いばかりが溢れ出て、彼に全身で訴える。
小竜姫の言葉に、雪之丞の不安が消え去ったわけでは無い。
今の小竜姫の状態を見ていると、どこまで本当の事を言っているのか、わかったものではない。
けれど…けれど…!
「っ…どうなっても、知らねぇからなっ……!」
小竜姫の言葉に、雪之丞は引き抜くのではなく突き入れる事に神経を集中させる。
小竜姫の華奢な身体を抱きしめながら、雪之丞は最奥を思い切り突き上げた。
「雪っ……アっ…あぁぁぁっ……!!」
一際高い嬌声を上げて、小竜姫は弓なりに身体を反らし、雪之丞をきつく食い締める。
「――く…っ…!」
あまりに刹那的な快楽が、眩暈にも似た感覚を雪之丞にもたらした。
二つの重なり合った影が固く強張る。
痙攣を繰り返す膣内に、ドクッドクッと脈打ちながら、熱い欲望を吐き出した。
「んっ…は……っ…あ……ぁっ……!」
注ぎ込まれる熱と、膣奥を押し上げられるようなその感覚に、小竜姫の身体の震えは
治まらず、雪之丞を締め続けた。
「っ……ん……っ…はぁ……っ…」
「っ…は……!」
吸い付くような収縮に、最後の一滴までもを吐き尽くすと、未だ痙攣を繰り返す
小竜姫に、ぐったりと覆いかぶさる。
はぁはぁと、互いに荒い呼吸を吐き出しながら、快楽に堕ちた身体を鎮めようとする。


527:雪之丞×小竜姫@506
07/07/21 00:44:00 ZkmsQYfe

しばらくの間無言で抱き合い、激しい呼吸がようやく落ち着きを取り戻した頃、
雪之丞は上半身を僅かに起こし、小竜姫を覗き込む。
「…小竜姫……」
呼びかけると、重い目蓋を薄っすらと開けて、雪之丞と視線を合わせる。
未だ恍惚の表情を浮かべ、瞳は今にも涙が溢れそうな程に潤んでいる。
そんな小竜姫の姿は酷く妖艶で、淫らで、美しくて。
「雪之丞…さん……」
「…大丈夫か…?」
雪之丞の問いに、こくん、と頷きながら。
しかし、小竜姫はどこか不安げで、物憂げで。目線を下へと逸らし、そのまま黙り込んだ。
何事かを考え込んでいるようにも見えて、どこか不自然さを感じる。
そんな小竜姫の態度に、全く余裕を欠いていた己の行為に、何か問題でもあったかと不安になる。
「…どうした、どっか痛いとこでも…」
「―違う、…んです……」
雪之丞の言葉を遮り、小竜姫からようやく出たのは否定の意。
重々しささえも感じさせる小竜姫の言葉に、雪之丞は戸惑いの色を浮かべた。
「…じゃぁ…何なんだよ?」
「…、雪之丞さん……私……その……」
「何だ?」
訝しげに言う雪之丞に、小竜姫は何かを言い惑っているように、息を詰めた。
言葉に出そうと口を開くが、それは決して音にならず、また口を噤んで目を伏せる。
「…何だよ、はっきり言えよ。言わなきゃわかんねぇだろうが」
少し苛ついたように雪之丞が次の言葉を催促するが、小竜姫の次の言葉は
雪之丞を更に戸惑わせた。
「―……ごめんなさい……やっぱり…いいんです……大した事じゃ…ないですし……」
「はぁ?何言ってんだよ、気になるだろうが!いいから言えよ。」
そんな雪之丞の言葉に、小竜姫は恥じらうように目を背けた後―。
「その……実は……―」
雪之丞の耳元へ躊躇いがちに唇を寄せて―小さく、しかしはっきりと答えた。
「―…マジ…かよ…!?」
雪之丞の背が、一気に凍りつく。
絶句した雪之丞に、小竜姫は申し訳なさそうに、泣きそうな声で。
「……ごめんなさい……!」
そう、呟いた。
聞かない方がよかったのかもしれない。
否、それよりもやはり自分ではこの役目に相応しくなかったのだと、後悔した。
頭の中を、小竜姫の言葉が幾度と無く反復する。
約三日間、こんな状態が続くのだ―と。
「―っ………!」
「―!?うぁ…っ!」
ようやく落ち着いていたはずの小竜姫の胎内が、未だ繋がったままだった雪之丞に
再び熱を与えようとするかのように、収縮を始めたのだ。
「はっ……っ…―」
熱く甘い吐息を漏らし始める小竜姫に、雪之丞はごくりと生唾を飲み込んだ。
…大丈夫なのか、俺。生きて帰れるのか、俺。
嫌な汗がたらたらと全身に流れるのを感じ、にも関わらず己の意志とは無関係に
再び熱を帯び始める自身に対し、自嘲気味に引き攣った笑みを浮かべた。

528:506
07/07/21 00:47:38 ZkmsQYfe
続きは出来たら明日の深夜にでも。
最初は小竜姫さえ書けりゃいいと思っていたんだが、
書いてるうちに雪之丞にも愛着が湧いてきた分話が長くなってきたorz

529:名無しさん@ピンキー
07/07/21 08:05:44 XWmoubs4
なかなか珍しい組み合わせですな


530:名無しさん@ピンキー
07/07/21 13:53:08 4tiOgmJS
ユッキー干からびちゃうwww
GJ!

531:名無しさん@ピンキー
07/07/21 13:57:41 pPFBtOwB
すばらすぃー
オチに期待してる。

532:名無しさん@ピンキー
07/07/21 18:53:56 XWmoubs4
誰と絡んでもうまく行く汎用性も小竜姫ちゃんの魅力の一つだよな
雪とですらこんなにすんなり絡めるとはな

533:名無しさん@ピンキー
07/07/21 23:07:19 mmr6B8zZ
> 20 名前: FROM名無しさan [sage] 投稿日: 2007/07/20(金) 20:38:19
> 時給250円です。
> 所長のお姉さんが美人だから我慢してます。

> 21 名前: FROM名無しさan 投稿日: 2007/07/20(金) 21:41:13
> 美人なだけで250で我慢とか基地害だな
> ネタだろうけど

> 22 名前: FROM名無しさan [sage] 投稿日: 2007/07/20(金) 22:05:27
> うらやましw


534:名無しさん@ピンキー
07/07/21 23:27:51 SZoT6dtx
23 名前: FROM名無しさan [sage] 投稿日: 2007/07/20(金) 22:54:31
>>20
ネタだと思うけど、マジなら最低賃金法違反。
会社名晒してくれ。

535:名無しさん@ピンキー
07/07/21 23:49:34 mmr6B8zZ
>>534
なんだ、オマエも見てたのかw


ぜんぜん関係ないが、俺のID、MMRだな。小文字だけど。

536:名無しさん@ピンキー
07/07/22 17:14:57 cySu8sSF
ワロタw
しかし、即座にGSネタだと分かってくれる人が居ないのは悲しいものがあるな。

537:名無しさん@ピンキー
07/07/22 23:29:38 gDIDFBGP
>536
即座に解る人ばっかりだったら世の中おわっとるがなw

538:名無しさん@ピンキー
07/07/22 23:49:32 FXU0D21B
小竜姫と雪の組み合わせがこれほどマッチしたという事実!!!
もはや小竜姫と絡めぬものなどない!

539:506
07/07/23 00:14:35 aKu9kveV
ようやく書きあがったので一応雪×小竜姫投下する…が。
正直自分で書いてて甘くて砂を吐きそうになった……
ギャグにしたかったのに…手が勝手に……(泣
これ読んでくれた人達がどんなオチを期待しているのかは知らないが
とにかく読む人は期待せずに読んでください。いやマジで。
頼むから。
ではどんな小竜姫でも頂けるという人だけ召し上がって下さい。
キャラとかかなり変わっててすいません……雪じゃねぇよ、こんなの。

540:506
07/07/23 00:16:00 aKu9kveV
>>527続き


*****


この屋敷の風呂は広い。
広い、と言っても温泉程に広くはないが、人が同時に三人ほどで入っても
まだ余るスペースがあるほどにはゆったりとしている。
小竜姫の趣味か、もしくは倒錯した時代観の所為か時代劇の銭湯のような装飾と豪華な檜風呂だった。
それに最初は面食らったものだったが、段々と慣れて今では当たり前のように
なってきたのだから人間とは不思議なものだと思う。
それに自分が今置かれている状況も、それが至極当然であるかのように。
あるがままを、受け止めるばかりだった。
最初は―否、二日目が一番精神的にも辛く、こんな所でこんな事をしている
自分に対しても情けなくなった。
この三日間、した事と言えばセックスと食べる事(実際は食欲も無く、本当に生きる為だけに、だが)
と寝る事と、風呂に入る事位だろうか。
本当に、本能のままの生活。
こんな生活をずっと送っていたら、多分大切な何かが狂ってしまうに違いない。
つくづく、三日間という限定付に救われたと、そのことだけには感謝した。
一週間等と言われたら―多分精神が壊れてしまっていたかも知れない。
暖かい湯に浸かっていると言うのに、背筋に寒いものが走る。
今抱いている女の身体も―自分と同じだけの体温を共有していると言うのに。
「…っ…ん……」
湯船の中で、女の華奢な身体を背後から抱え、柔らかな肌の感触を身体全体で感じ取る。
お湯の中でも彼女の泥濘からはぬるりとした液体の存在を指先で遊び、
割れ目をなぞると腕の中で身体が切なく震えた。
時間の感覚はすっかり麻痺していたが、段々と彼女が自分を求めてくる周期の波が
ゆるやかになってきたような気がして、そろそろ治まる頃なのかも知れないと、微かに安堵する。
三日間もこんな事をして何を今更と思われそうだが、やはり自分にはこの役目は相応しく無かったのだとつくづく感じる。
どうせ彼女とこういう事になるのだったら―こんな形ではなく、出来ればちゃんとした意識がある彼女を抱いてみたかった。
もっとも、そうなったらそうなったでまた面倒な事になるのだろうが。
どうせ捨て去らなければならないこの感情を持つのも、自分だけでよかったのだろう。


541:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:17:05 aKu9kveV

男と言うのは、つくづく単純だ。
俺も横島の事言えなくなっちまうな……。
自分自身に呆れながら、腕の中の小竜姫の白い首筋に口付ける。
既に彼女の身体の至る所に自分がつけた痕が紅く染まっていて、彼女の白によく映えた。
「ぁっ……ん…っ…」
可愛い声を上げて、身体をびくりと竦める彼女に、雪之丞は苦笑う。
舌で首筋を舐め上げて、耳元に唇を寄せ、低く、囁く。
「小竜姫……」
名を呼ぶと、彼女の瞳がまた潤む。
泣く寸前のこの表情。泣いている女は苦手なはずなのに―なのに、わざとそうさせたくなるのは
何故なのだろう。
小竜姫の腰を浮かせ、自身の昂ぶりを彼女のぬるぬるとした泥濘にあてがうと、
彼女の目に不安の色が浮かぶ。
それに気付かぬふりをしながら、小竜姫の胎内に押し入ろうとした瞬間。
「待って……」
「………………へ?」
我ながら、間の抜けた声だと雪之丞は思った。
けれど、まさか止められると思わず、訝しげに小竜姫を覗き込む。
「……何だよ…」
いつもなら、彼女の方からでも自分を求めてくる程なのに。
「ごめんなさい……聞きたい事が…あったんです……」
言いながら、彼女が向けてくる表情は―まるで『いつも』の彼女の表情。
理性を失い、本能に支配されたこの三日間の彼女とは、どことなく違って見えて。
『いつも』の表情なのに、頬は紅く染まり、瞳は情欲に染まり、
身体は淫らに求めていて。
おそらく発情期以外の時に彼女を抱いたら、きっとこういった感じになるのだろう、と思った。
「雪之丞さんは……どうして私を……抱いてくれたんですか…?」
「はぁ?今更何言って……」
「教えて下さい…」
強く言われ、雪之丞は答えに戸惑う。
本当に今更な事だが、いざ真正面から聞かれるとどうしてだかわからない。
いつもと様子が全く違う小竜姫に自分自身が欲情してしまったと言うのもあるが、
それで彼女を抱く気になったのかと言えばそうでも無い。
どちらかと言うと色事に関する面倒事は苦手な方で、こんな場合は真っ先に逃げる方だ。


542:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:18:11 aKu9kveV

彼女が苦しそうだったから―いや。
強いて言うなれば、きっと。
「…泣いてただろうが、お前。」
「…え?」
涙浮かべて、苦しげに笑って。そんなんじゃ笑っても意味ねぇんだよ、痛々しいだけだっての。
「女が泣くのが苦手なんだよ……それだけだ。」
言ってしまった後に、急に気恥ずかしくなって小竜姫から目を逸らす。
きょとん、とした表情で彼をしばらく眺めて。
けれど言葉の意味が小竜姫の思考に浸透するや、彼女の表情がにわかに崩れる。
「ふ…ふふっ……あははっ……」
「………あのな…」
突然笑い始めた小竜姫に、雪之丞はやはり言わなければよかったと後悔した。
わかってるよ、柄じゃ無いって事位。でもそんなに笑うような事か?
「…なんだよ、俺がそんな事言うのがそんなに意外かよ?」
「ご、ごめんなさい…で、でも…だって……雪之丞さんが…あははっ」
「お前が言えって言ったんだろうがっ!」
涙浮かべておかしそうに笑う小竜姫を見て、雪之丞は苛々が募り大声を上げる。
半分は照れからくるものであるが。
小竜姫は口元を押さえて、込み上げる笑いをどうにか堪えようとする。
それでも堪えきれなかった含み笑いが、くすくすと空気の合間を縫って漏れ出る。
それが更に雪之丞を煽り、怒りさえもが込み上げてきて。
「あーーーーー!!うるせぇな!!何なんだよお前はっ!」
まるで、以前の小竜姫に戻っているようで調子が狂う。
或いは―狂っていた調子が元に戻り始めているのか。
「もうさっきのは無しだ!さっさといくぞ!?」
「きゃっ!」
ぱしゃん、という水音と共に―小竜姫の身体をぐい、と引き寄せて。
「っあ…――っ!!」
「―……っ…!」
突然胎内に押し込まれ、圧迫感と快感に小竜姫の息が詰まる。
塞がれているのは下のはずなのに、上の唇も塞がれているかのようで、呼吸さえもままならない。
雪之丞も、或いは同等の思いだったのかも知れない。
押し入った途端にきゅう、と切なく締め付けられて、自分達が
今浸かっている湯よりも更に熱い彼女の熱に、眩暈がするほどの快感が押し寄せてくる。


543:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:19:11 aKu9kveV

「んっ……!」
しばらくの間、互いに呼吸さえも忘れその快感をやり過ごしていたが、
そのうちどちらともなく溜め息にも似た吐息を漏らし始める。
この三日間で馴染んだ身体はお互いにそれだけしかいらないとばかりに、その快楽を共有し合う。
こんな生活が続くのは真っ平御免こうむるが、それでも―もう今後二度とこの身体を

抱くことも無いのだと思うと、どこか喪失感のようなものが心に宿る。
何考えてんだよ、俺ァ…。
自分自身に悪態をつきながら、そんな感情を追い払おうと試みた、その時。
「―雪之丞…さん……」
「!」
名を呼ばれたかと思うと、小竜姫に回していた手の上に、彼女の小さな手が重なる。
湯舟に浸かっている為に、ゆらゆらとゆらめくようにたよりなく掴まれた手に、
何故だか不安さえも感じながら。
「…我侭ついで…に……もう一つだけ……我侭聞いてもらっても…いいですか……?」
「…………」
本当に我侭だな、とか、まだ何かあるのかよ、とか。
色々な悪態が頭を掠めたが、どれも音として紡がれる事は無かった。
それよりも、彼女が今どんな顔をしているのかを知りたかったが、ここからでは横顔までが
限界で、俯いているためにその表情までは伺えない。
けれど口元だけ見れば、薄く微笑んでいるように見える。
それだけで―彼女の表情が、彼女の目が、わかるような気がする。
「……早く、言えよ……」
搾り出すようにそれだけ言うと、小竜姫の自分を掴む手に、ぎゅ、と力が篭る。
「…ごめんなさい……今、だけでいいんです…、こうしている間だけで、いい…ですから……」

    ―私の事を…好きになって下さい……―

消え入りそうな声で。しかしはっきりと。



544:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:20:19 aKu9kveV

なんだよ、それ…。
頭が呆然として言葉にならない。
ならない言葉の代わりに、身体の方が先に動いていた。
「―っあ…!?んぁっ…!」
ざぱっと湯船に大きく波が立って、その後は小さな波が断続的に揺らめいていた。
小竜姫の身体を後ろから抱きかかえたまま、彼女に腰を打ち付ける。
反動で逃げ腰になる小竜姫の身体を引き寄せて、自分にぴったりとくっつける。
「あっ…あっ…アっ!っう……ん…!」
小竜姫の嬌声が浴室内の密閉された空間でくぐもった音となって響いていた。
それはどことなく不安げで頼りなく、泣き声のようにも聞こえて雪之丞を苛立たせた。

―これだから女ってのは…!―

言葉が必要かよ、これだけじゃ足りないってか。
あー確かに言われた事があるさ、弓にもな。俺は言葉が足りないってな。
けどよ、感情が混じってなきゃ、誰がこんなしんどい事三日間も続けられるかよ。
それだけじゃ、不服か?やってるだけじゃ、不安かよ。
少なくとも愛も情も湧かねぇ女を抱き続けられるほど、俺ァ器用じゃねぇよ。
……面倒くせぇな、女ってのは…。いや―
そんな面倒ごとを引き受けた、自分自身の所為か―雪之丞は自嘲気味に薄く笑んで。

「小竜姫……」
名を呼びながら、彼女の薄桃色の耳朶を甘く噛んでやると、彼女の身体がびくんと跳ねる。
そのまま彼女の耳元で、小さく囁く。―自分に出し得る限りの、精一杯の甘い声で。

「――っ…!!」

どうやらその声が―その言葉が無事小竜姫に届いたようで、電流が走ったかのように
華奢な身体が強張った。

―…満足かよ、これで。

「っう…あ…ああっ……!雪之丞さんっ……やっ…!」
「…馬鹿…っ…泣くな…っ…!」

何で泣いてんだよ。これは何の涙だ?
さっき言ったばっかじゃねぇか、女が泣くのは苦手だって。
俺か?俺の言葉が原因か?ならこれは嬉し涙か?
……とてもそうは見えねぇぞ、おい。


545:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:21:55 aKu9kveV

ぽろぽろと溢れる雫が絶え間無く湯船の中に零れ落ち、小さな波紋を作る。
すすり泣くような声を上げながら、突き上げられる衝撃に時々上擦った嬌声が混ざる。
初めて交わった時も泣いていたが、あの時はまぁ初めてだったから、で終わる話だ。
今回は違う。
感情が入り込んでいる分、性質が悪い。
……泣きたいのは俺の方だ。
「っ…っく……ひっ…ぅ……あ…ぁっ…!雪…っ丞さ…っ…!」
「くっ…!」
ねっとりと絡みつく肉の心地よさに意識は奪われそうになるのに
彼女から漏れ出る哀しげな旋律が奪われそうになった意識を引き戻す。
快感だけに集中したいのに、彼女がそれをさせてくれない。
泣き叫ぶ女を抱くのが趣味な男も世には居るのだろうが、
少なくとも自分は苦手だ。セックスを楽しむ為の意地悪くらいならば悪く無いが。
本当はこの場合優しい言葉を掛けてやったりとか、甘ったるい睦言の数々を囁いてやったりとか。
そんな器用な真似が出来るものだったら苦労も無いのだろうが、残念ながら自分にはさっきのが精一杯だ。
それで泣いてしまったのなら仕様がない。…多分。
どうしようも無く、ただ、せめて。優しく、抱いてやろうと思った。
ずる、と中のものを一旦引き抜いて。
「―んっ…はぁ……雪之…丞さん…?」
目に一杯涙を溜めて、哀しげでいながらも扇情的な表情で雪之丞を見て、不思議そうに呟く。
乱れた吐息が悩ましげで、突然の行為の中断に身体がもどかしく震えていた。
そんな小竜姫の身体を雪之丞は自分の方へと向けさせて。
不安げに見つめる小竜姫の身体を、今度は真正面から抱き締めて。
すると小竜姫の腕も、するりと雪之丞の背に絡まってきて、身体がぴったりと重なり合う。
彼女の口から漏れ出た溜め息が安堵の為か、それとも身体の熱を吐き出す為か、そこまでは
わからなかったけれど。
―前者だということにしておこう、そう自分に言い聞かし、再び、女の胎内に、それを埋め込んでいく。
「ああっ…!!」
「…っ…!」
女はそれっきり、泣く事を止めた。
女はそれっきり、啼く事を止めなかった。
優しくしてやろうと思いながらも、結局男というものは本能にひたすら忠実な生き物なわけで。
彼女の中を、激しく、些か乱暴に、何度も何度も突き上げた。
「はっ…はぁっ…あっ…あ、アっ…雪之丞さんっ…やっ…!」
無遠慮に貫かれ、小竜姫の身体に限界が近い事を膣内の脈動で悟る。
酷く名残惜しい気がしたが、身体は裏腹に女の肉襞を休む間無く擦り上げる。
「あっ―ああ…――っ!!」
痛いくらいに、彼女の腕に力が篭って彼の身体を締め付けた。
同時に、彼の肉茎も、痛いほどに締め付けられて。
短く息を詰めて、どくどくと精を彼女の中に迸らせて、互いに絶頂を迎えた。
「は……、……」
ぐったりと力を失った彼女の重みを身体全身で受け止める。


546:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:26:17 aKu9kveV

何かを考える事を頭が止めているかのように、ただひたすら呆然と。
自分の肩に顎を乗せて、どうにかその体勢を保っていた彼女が、耳元で、囁く。
自分が出したのよりも、もっとずっと甘い声で。

「――……!」

……おい、今それを言うか。
お返しってわけか、おい。
いや、薄々は気が付いていたんだが。やっぱ実際言われると、確かに来る。
だからってもう一回なんて元気は流石に無いんだが。

それは小竜姫も同じだったのだろう。それを最後に、意識を失い、すやすやと寝息を立て始めた。

……お前実は発情期治まってたんじゃねえのか?

眠ってしまった小竜姫を抱えて、水気をタオルで吸い取って、そのタオルを彼女の身体に巻きつける。
相手が寝ているとは言え、裸のままでは何となく気が引けるので取り合えず脱衣所に置いてあった
修行場で着るセンスの無い服を着こんで、部屋に向かう。
乱れたベッド、生々しい匂いが部屋に充満し、呆れるようにその惨状を眺める。
本当によくもったものだと、今更ながらに思う。
ていうかよく生きてるな、俺…。
今までは相手があのお堅いお嬢様だった事もあり、一晩で二回やる事も滅多になかったと言うのに。
小竜姫をベッドの上に寝かし、シーツを掛ける。
雪之丞はどこか口寂しさを覚え、気分を落ち着けようと、本当に久々に本能以外の行動をとった。
黒いコートのポケットの中に仕舞い込んでいた、煙草を取り出し、火をつける。
別に煙草が特別好きなわけでも無いが、精神を安定させるのに時々役立つので持ち歩いている。
そのうち中毒にならなければいいけど、と弓からは忌々しげな視線を向けられた事もある。
ふぅ、と煙を吐き出すと、情交の残り香に煙草の匂いが混じり、何とも言えぬ気分になった。
言われてしまった。はっきりと。
―好き、だと。
何だコレ。何だこのオチ。キャラ違くねぇか、俺達。
別に何ら不思議な事は無い。
最初は無かった感情でも、これだけ身体を交えてれば恋愛感情位湧いてもおかしくはない。
実際に自分もそうであるのだし、まして彼女は初めてだったわけで、
初めての相手に対して何の感情も持つなと言う方が無理な話かもしれない。
けれど、所詮は人間。相手は神様。
寿命も違えば、身分も違う。釣り合わない事甚だしい。
どうせお互いに自分のものにならないし、なれないのなら、忘れるのが一番手っ取り早い方法だろう。
「……はぁ……」
身体はこの上なく疲れているのに、どうしてだか全く眠気が襲ってこない。
先に眠ってしまった小竜姫を羨ましくも恨めしく思いながら、延々と煙草を吸い続け、
一箱空にするまで、眠れる事は無かった。


547:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:28:08 aKu9kveV

*****


夢を見ていたような気がする。
長いような短いような―甘くて、淫靡で、切なくて、苦しい夢。
身体も苦しかったけれど、きっとそれは身体だけの苦しさでは無くて。
身体は満たされても心までは満たされない寂しさに―心が泣いている夢。
これが、本当に夢であればいいのに。
これが、本当に夢であれば幸せなのに。
夢だったなら。
夢だったなら…―
そう祈りながら、目を開けたのに。
現実は残酷で。
時間は無情で。
眠っていたベッドの上は、明らかにそれが夢で無かった事を証明していて。
それならば、そこに居るはずの男は今はもう居なくて。
きっと、こんな自分に呆れ果てて、帰ってしまったのだろう。
もしかすれば、もう彼は二度とここには来ないかも知れない。
それは仕方がない事だと、自分自身を納得させた。
呆然とした頭を左右に振って奮い立たせ、未だ気だるい体を起こし、
彼に剥ぎ取られた服を再び着こんで、部屋の醜態に愕然としながらも
何となく掃除する気にはなれずに寝室を出た。
取り合えず、鬼門に迷惑を掛けた事は詫びなければ。
そう思い、玄関の引戸を開けると。

「―…雪之丞さん!?」
胸が、とくん、と高鳴る。
既に帰ってしまったとばかり思っていた人物が、庭先に居た。
壁に凭れて、煙草を吸っていて。
「…お前の所為で中毒になりそうだ、コレ。」
言われた意味がわからない。けれど、彼が私の所為だと言うのならそうなのだろう。
何だかわからないけれど。
「…ごめんなさい…」
取り合えず、謝っておいた。
この三日間の事を思い出すと、何だか恥ずかしくて彼の顔がまともに見られず、思わず目を伏せた。
「…いいけどな、別に。これ、受け取れ。」
ひゅっと空を切る音と共に、飛んでくる何かを、彼女は反射的に受け取る。
「……これは…文殊?何で、貴方がこれを……?」
これを作れるのは、今の人間界では横島忠夫、彼一人のはず。
「この前横島が金に困ってたから買ってやったんだよ。
何かの役に立つかと思ってな。…まさかこんな使い方するとは夢にも思ってなかったけどよ。」
文殊に刻まれた文字は―『忘』。


548:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:28:53 aKu9kveV

「雪之丞さん………」
彼の意図を、瞬時に悟る。…そう、多分、それが一番いい方法なのだ、と自分でも解る。
寂しさが過ぎり、泣きたくなる。
でも。
「じゃあな。俺は帰るぞ。もう大丈夫なんだろ?」
言いながら去ろうとする彼に、小竜姫は涙を堪えながら―精一杯の笑顔で。
「―また…修行に来てくれますか…?」
雪之丞は振り向いて、いつもの彼らしい、薄っすらとした笑みを浮かべて。
「―そのうちに、な」

*****

部屋に戻ると、やはりあの惨状のまま。
もちろん、片付けるのは自分しかいないのだから、当たり前だけれど。
けれど、彼の匂いがまだ染み付いたこの部屋を、綺麗にする気にはまだなれなかったのだ。
ベッドに横になり、手の中の文殊を見る。
綺麗な色をしたその宝石のような珠―まだ使う気にはなれない。
苦しくても、寂しくても、切なくても、その感情さえも消えてしまう事の方が寂しい気がした。
女が泣くのが苦手だと言っていた。あの時、彼を見送る時感情のままに
泣いていれば、彼はもしかしたら未だここに留まってくれたかもしれない。
けれど、苦手だと解っていて彼にそれをぶつけるほど、ふてぶてしくはなれないし、
惨めにもなりたくはなかった。
「あ…!」
ぽろっと、手の中から文殊が零れ落ち、ころころと転がっていくのを見詰めていると、
その先に、ボタンが一つ。
「これ…雪之丞さんの……?」
そう言えば、先程彼の着ていたシャツの、一番上と二番目のボタンが無く、
胸元が多少肌蹴ていたような気がする。
文殊の代わりにそのボタンを手に取り―やっぱり、と心に決める。
覚えていよう。彼は忘れてしまっても、自分位はこの感情を覚えていてもいい。
―好きだ、と言ってくれた彼の言葉。忘れてしまうのはもっと辛い事だから。
そう思いながら、頬を紅く染めて、微笑んで、彼のボタンに一つ、口付けた。


549:雪之丞×小竜姫@506
07/07/23 00:30:26 aKu9kveV

勿体ない事、したかもしれない。
帰り道、雪之丞は僅かな後悔を覚えていた。
三日経って、彼女の屋敷から出たとき、そこはいつもと変わらぬ修行場。
鬼門がおそらく頃合を見計らって、異世界空間から元の空間へと戻していたのだろう。
泣きそうになりながらも、精一杯の笑顔を見せた彼女は、まるで天気雨の空模様。
あのまま泣かれていたら、多分自分は今ここには居まい。
そう思うと、笑顔で見送ってくれた彼女には相当救われたのだ。
帰り際、人の気も知らないで異様にテンションの高かった鬼門達をとりあえずは
ぼこぼこに殴りつけてやって、今こうして険しい山道を降りているのだが。
無理に、忘れさせる事は無かったんじゃないだろうか、とか。
いや、まぁそれが一番いい方法だったのだが。
ついさっきまでは、自分も忘れる気でいたはずなのに。下界に戻ったら、
まず横島のところに行って、また文殊を売ってもらって。
何もかも忘れて、綺麗さっぱりしたかったはずなのに。
……なんで渡した途端に、こんなに後悔するんだよ。
複雑だ。人間というものは、本当に複雑だ。
「……だめな生き物だな、男って……」
横島の気持ちがつくづくわかる。一生解る事も無いと思っていたはずなのに。
小竜姫の記憶が消えてしまえば、後この三日間の事を知っているのは自分一人。
あんな彼女の姿はもう二度と自分が生きている間に見ることはないのだろう。
もう、二度と。
「……やっぱ、勿体なかったかもな……」
人間の恋人に対する罪悪感はかなりある。実際どんな顔して彼女に会えばいいのかと
今から欝になる。
それでも。
自分位は、覚えていてもいいだろう。この感情も、あの三日間の事も、全部。
―好きです、と呟いた、彼女の言葉も。
それはそれで、いいのだろう。…多分。
そう心に決めて。彼女の柔らかな肌の感触が未だ残る手をぎゅ、と握り締めた。


―END.



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