嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 修羅場の28at EROPARO
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 修羅場の28 - 暇つぶし2ch32:水澄の蒼い空 ◆mxSuEoo52c
07/02/07 00:56:00 /bRfbNbE

1ヵ月ぶりの学校は中間テストや文化祭と言った学生にとっては大行事が控えているせいか、
他の生徒たちが忙しく駆け回っているようだ。俺は入院していたおかげで文化祭の行事の役割は特に決まっていない。
休んでいた間のノートを友達に借りて必死に自分のノートに移す作業に追われているので、誰かを手伝う余裕がない。
その役割は俺の精神的負担を減らすにはちょうど良かったのだ。
 昼休みをお知らせるチャイムが鳴ると生徒たちは慌ただしく動きだす。
購買へと出掛ける生徒の他に、文化祭の作業をする生徒がいるからだ。
俺は昼食を食べずにノートを移そうとしたが、背中を優しく叩かれたので後ろを振り返ると。
 音羽がそこにいた。

「月ちゃん。月ちゃん。お昼一緒に食べようよ。あの五月蝿い小姑どもが来る前に」
「いや、俺は……」
「私は月ちゃんのせいで両親が自殺……はぐぅ」
 クラスメイト達の前で音羽の両親が自殺した原因が俺にあると叫ばれる前に俺は音羽の口を両手で塞いだ。
「わかった。一緒に食べるから、過去の話を教室で語らないでくれ。頼むからっ!!」
「えへへ。じゃあ、誰も邪魔されない屋上で食べましょうねっ!! うふふっ。今日も頑張って早起きして作ってきたんだよ」

 俺は音羽の手を握って誘うようにせっせと歩く。
音羽が何かを言い出す前に教室から連れ出して、慌ただしく屋上へと向かった。
 屋上に吹く風はとても心地よくて気持ちいいのだが、音羽が作ってきたお弁当の中身を見ただけで外の景色を楽しみながら
食べる余裕は一気に消え失せた。存外、以前に作ってきた稲荷寿司なのだが、更にあれよりも進化を続けていた。
審査員花山田忠夫を一発でノックアウトした程の破壊力を持つ稲荷寿司に一般人だと思っている俺の胃袋ではどう太刀打ちできようか。

「月ちゃん。たくさんあるから一杯食べてよね」

 音羽はせかすように稲荷寿司を箸に挟んで天使のような笑みを浮かべながら迫ってくるのだ。
俺は背中に冷汗を感じながら、覚悟を決める。
 口を入れた稲荷寿司の味は水澄姉妹に匹敵する強烈な不味さと苦みの二重の味に襲われる。
まるで殺虫剤のスプレーを一晩注ぎ込んだような感じがするのだ。
更に口の中を無理矢理飲み込んでしまうと体が異物を追い出すために吐き気が襲ってくる。
胃液と食べた稲荷寿司が喉の所まで逆流しそうになったが、俺は何とか堪えた。

「月ちゃん。どうしたの? 顔色が悪いよ」
「お、音羽さん。何か俺に恨みとかあります?」
「恨みはないけど。月ちゃんに復讐する気はあるよ」
 この稲荷寿司を食べさせる辺りが復讐じゃないのかと問い詰めたくなったが、今は下手に体を動かすと吐いてしまうのでやめた。
「と、とりあえず。今は病み上がりだから。稲荷寿司はもういいわ。ちょっとだけ休ませてくれたら調子も元に戻るから」
「こ~ん。病み上がりだから仕方ないよね。月ちゃんが元気になったら、
私が作った稲荷寿司をいっぱ~~~~い食べさせてあげることにするよ」
「あっははっ……それは楽しみに待ってるよ」
 待っているはずはないが。


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