ひぐらしのなく頃に Part.5at EROPARO
ひぐらしのなく頃に Part.5 - 暇つぶし2ch446:名無しさん@ピンキー
07/02/08 11:20:35 fv0sYWZy
北条悟史の死は、私にショックを与えた。
彼に再び会えることを望んでいたのに。彼の笑顔を見たかったのに。
私の思いなんて届くはずもなく、悟史君は死んでしまった。

だが、これでよかったのかもしれない。
彼は生前、疲労と不幸の中で戦っていた。
おそらく生きていても、叔父が強請りにきて結局心労が溜まるだろう。
もう彼は、十分に頑張り抜いたのだ。

お姉が昔、悟史君に恋焦がれていたことも知っている。
そして悟史君は、本当はお姉が好きだったということも。
…そして。お姉は私に気を遣い、自らの初恋に終止符を打ったということも。
…結局、私なんかにつけいる隙はなかったじゃないか。
もういっそ、狂いたかった。
もともと予備の忌子の私に、幸せに生きる権利も資格もない。
これから私は、あの姉の辿るはずだった道を背負って生きていく。

本当、なんで生まれてきちゃったんだろうなぁ…

「…い、詩音!詩音!」
乱暴に揺すられてはっと我にかえると、目の前には底が真黒に焦げた鍋があった。
「…あれ?」
「…休め。ベッドならある。それに家を燃やされちゃたまったもんじゃないしな。」
「圭ちゃん?…私、何していたんですか?」
隣には、圭ちゃんが蒼白な顔で立っていた。
「…俺が来た時、空っぽの鍋をくるくるかきまぜている詩音がいた。」
「え…」
「何度呼び掛けても返事がなくてさ…とりあえず火はとめたぜ。
…疲れているなら休め…お前が倒れたらさ、俺…」
…姉に申し訳が立たない、か。
なーんだ。
いつもうじうじしてる割には、モテモテじゃない。
「…そうですね!ちょっと熱あるみたいですから、休ませてもらいます。」
「飯なら俺が作る。沙都子に教わったからな。」
「信頼度が限り無く低いですが、期待してます。ごめんね圭ちゃん!」
私はそう言って、台所から駆けて出て行った。

その後私は、枕に埋まって、泣いた。

気がついたときに時計を見たら、すでに11時をまわっていた。
…泣き疲れて眠っていたのか。これじゃ駄々っ子と変わらないな。
部屋のドアの近くには、お惣菜らしき魚のフライ。
「これをよんだあなた、食べて元気だしてください
それだけが私の望みです
前原圭一」

優しさや、体に染み入る蝉の声。

フライは脂っこかった。


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