【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B1Fat EROPARO
【DS】世界樹の迷宮でエロパロ B1F - 暇つぶし2ch400:アムリタII 1/5
07/02/23 18:02:34 3sfPMcTX
アムリタII : 糖度の高いコケイチゴを、滋養の高い蟻蜜に漬け込んだ向精神薬。


 蜂の最後の一匹が黒く煙を引きながら、肉厚の草の上に落下していく。
 敵意もつ獣たちの気配が完全に消えたことを確認しつつ、黒髪のアルケミストは深く息を吐き出した。

(……今のはかなり、ヤバかったな)

 背後からの、突然の襲撃。
 麻痺の毒を備えた巨大な蜂の大群に、それなりに探索にも慣れて来たはずのパーティは、気づけば壊滅寸前の有様にまで追い込まれていた。アルケミストの『大爆炎の術式』がなければ、そのまま全員、樹海の藻屑と消え去っていただろう。
 もっとも、当のアルケミスト本人にも、さほどの余裕があった訳でもない。術式起動限界数―いわゆるTPは、今の発動で完全に底をついている。
 ソテツの茂みにぐったりへたり込んだ仲間たちを横目で見やりつつ、アルケミストはケフト施薬院の押印が入った紙袋を開く。

 ふわりと漂う、甘い香り。
 TP回復薬『アムリタII』を、ガントレットの指先につまみながら、アルケミストの口元にかすかな笑みが浮かぶ。
 実は極度の甘党である彼にとって、自らの瞳と同じ色をしたこの蜜漬けいちごは、一番の好物。樹海での戦闘は厳しく苦しいが、それもこの甘い薬を口に含めば、疲れなどすべて吹っ飛んでしまう。
 紙袋に残るいちごは、それが最後の一粒。惜しむように唇に含みながら、アルケミストは掌にくしゃりと紙袋を丸めた。
 ―途端。

「あ……っ! まさか、それ、もうない……の?」

 背後で、あがる声。
 麦藁色の髪を揺らして、メディックが目を瞠っている。凝然と見つめているのは、ガントレットの指に潰された施薬院の紙袋。
 アルケミストは息を止めて、振り返った。


401:アムリタII 2/5
07/02/23 18:05:51 3sfPMcTX
「『アムリタII』……ないの? 全部?」
 確認するように、メディックが問うてくる。
「……ああ。最後の一つ、俺がいま……」
 アルケミストはもごもごと頷いた。言葉が濁るのは、口中の大粒のいちごのせいばかりではない。
 メディックはがっくりと肩を落とす。
「どうしよう……。私ももう、TPぜんぜん、残ってないのに……」
「……ごめん」
「あ、ううん、いいの。アルケくんがいなかったら、今の戦闘だって危なかったもん。回復、ちゃんとしてね?」
 慌てた声をあげながら、メディックはぶんぶんと手を振った。肩の上で切り揃えられた髪が、さらさら揺れる。

「ただ……前衛のみんな、体力ギリギリで……『エリアキュア』してあげないと、先には進めないよ」
「なら、いったん街に引き上げないか?」
 樹海に潜り始めて、既に一日近く経つ。引き上げ時としては頃合いだ。
 真っ当な提案に、だがメディックは力なく首を振る。
「もう少し先に採掘できるポイントあるから、そこで何か採って行きたいってレンジャーさんが」
「あの、強欲め……」
 やや離れた茂みに横たわった長髪の女狩人を、アルケミストは横目で睨む。
 メディックははあ、と吐息をついて、同じ言葉を繰り返す。
「どうしよう……」
「…………」

 うなだれてしまった少女を、アルケミストは無言で見つめた。
 舌に乗せたままのいちごから、じんわりと蜜が染み出してくる。広がる極上の甘みが、今は罪悪感でかすかに苦い。
 メディックに一言断ってから、食べるべきだったのだ。同じTP食いの職務どうし、回復薬は分け合うのが当然のこと―

(……分け合う?)

 天啓が、脳裏に閃いた。

402:アムリタII 3/5
07/02/23 18:06:56 3sfPMcTX
「……メディックちゃん」
 低く、呼ぶ。
 不思議そうに顔を上げた少女の肩を、ガントレットの右手が掴む。
 細い顎をとらえて軽く仰向けさせると、いきなり唇を重ね合わせた。

「んっ……!?」
 びくり、とメディックの肩がはねる。
 反射的に逃げをうつ身体を、アルケミストは強く抱き寄せた。メディックの後頭部に掌をかけ、更に深く口づける。
 やわらかな唇を強引に吸い上げ、こじあけるように開かせて、自らの舌を割り込ませる。
 指の間で、麦藁色の髪がさらさら踊る。

「……ん……、ふ……」
 抵抗とも動揺ともつかぬ、淡い吐息。
 こぼれるその隙間に、送り込んだ舌を伝わらせて―アルケミストは口中のそれを、メディックの唇に注ぎ込む。

 噛み砕かれた、蜜漬けのいちご。

「ん……んっ……?」
 甘さが伝わったのだろう。
 緊張にこわばっていたメディックの背から、ふ、と力が抜ける。驚いたように開かれた瞳が、ようやくゆっくり閉ざされて―流し込まれたそれを、受け入れる。
 白い喉が、こくりと上下する。
 彼女が嚥下したことを知りつつも、アルケミストはしばらく唇を離さずにいた。

 ―甘い。
 今まで幾度となく口にして来たその精神薬など、比べ物にもならないほど。

「……っ……」
 探り、奪う舌の動きに、腕の下の身体が小さくわななく。
 薄い花弁のような唇の端から、蜜の混じった唾液がひとすじ、あふれて伝う。名残惜しげにその滴を舐めとって、アルケミストはようやくメディックを解放した。


403:アムリタII 3/5
07/02/23 18:07:43 3sfPMcTX
 腕の下で、麦藁の髪が震えながら俯く。
「……あ、の……、あ、アルケ、くん……」
 顔が上げられないらしい。
 髪の陰から覗く耳が、真っ赤に染まっていた。伏せられた顔はもっと赤いだろう。
 飲み込まされた果実と、同じ色。
 震えて揺れる髪をゆるりと撫でて、アルケミストは問いかけた。

「回復した?」
「……え?」
「TP。回復、できた?」
 瞳を大きく瞬いて、メディックはしばし言葉の意味を反芻しているようだったが、やがてぎこちなく頷いた。そのまま何度もこくこくと首を縦に振り動かす。
 もう一度抱きしめたくなる衝動を抑えながら、アルケミストはぎくしゃく頷き続けるメディックの背をそっと押した。
「じゃあほら。みんな、待ってるぞ」
「……う、うん。うん」

 何度も何度も頷いて、メディックはふらふらと仲間たちの待つ茂みの方へ駆けていく。
 白い背中を見送りながら、アルケミストは自らの唇を湿すように舐める。
 名残の甘さが、じわりと舌に広がっていく。

(……あれ?)

 そうして、ふと気づく。
 限界まで減っていたTPが、いつの間にか回復している。今だったら『大爆炎の術式』も、何発だって繰り出せそうだ。
 噛み砕いた『アムリタII』は、ほとんどメディックに与えてしまったはずなのだが―
 TPは精神力と関係があると言われる。それを回復する薬物ともなれば、効力は摂取時の精神状態と関係があるのかも知れない。

(今後も『研究』の余地、あるかもな)

 まだ甘い唇を指先でなぞりがら、アルケミストはひとり小さく微笑んだ。


404:番号間違えたorz
07/02/23 18:08:49 3sfPMcTX
―おまけ。

「みんな、お待たせ! TP回復できたから、今『エリアキュア』かけるねっ」
「―いらない」
 かなりの間近で、堂々と繰り広げられた後衛組のいちゃつきっぷりに、すっかりやる気を失った一同は、引き上げ支度を始めていたという話。


405:名無しさん@ピンキー
07/02/23 18:12:19 3sfPMcTX
以上です。
お目汚し失礼。

406:名無しさん@ピンキー
07/02/23 18:25:51 9CbZMW3W
アマーーーーーーーーーーイ!!(*´Д`)
でもさっぱり


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