【涼宮ハルヒ】谷川流 the 36章【学校を出よう!】 at EROPARO
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 36章【学校を出よう!】 - 暇つぶし2ch501:名無しさん@ピンキー
07/01/18 16:56:39 3aF4Ftpm

「もし長門にお姉さんがいたら、あんな感じだろうな」

 言ってから、マズったと自分の迂闊さを呪った。
 家族の話題というのは、いつだって慎重に扱うべきだ。
 居ることを当たり前と思ってはいけない。
 世の中には、そうでない人間も意外なほど多くいる。
 やや特殊な例だが、目の前のこの少女だって、その大勢の一人だ。

「……姉さん」
 長門は呟くと、その言葉をじっくりと味わうかのように黙り込んだ。

 無表情の長門からは、何を考えているのかまったく読み取れない。

「すまん長門。気に障ったか」
 沈黙に耐えきれず、恐る恐る尋ねる。
 幸いなことに、俺の目の錯覚でなければ、長門の首は左右に揺れた。
 ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間─



 長門は俺をじっと見つめ、それから……。 
                          、 、 、 、
 薄く、だが、はっきりと─嬉しそうに微笑んだ。


 目眩がした。






                   『 朝倉涼子の不在 』
          "She's nowhere," the girl said, "but she's still here".
            She smiled and touched the chest of herself.
                 "Who is the 'she' ?" I asked.
             "My sis," she replied, "...and my best friend".
                        -end-



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