07/03/01 14:45:36 49Zoj7Wq
「隆之~、なぁに見てんの~?」
私はパソコンに張り付いていた隆之に後ろから忍び寄った。
「わっ、こ、琴美?! み、見るな」
「なにこれ、えっちなゲーム!?」
慌てふためく隆之を無視して覗き込んだ場面に映っていたものは、
複数の裸の女の子が一人の男を取り囲んでいるイラストだった。
「え~、なになに? 『私達、もうあなたをめぐって憎みあうのをやめたわ』
『そう、これからはみんな仲良く一緒にあなたを愛することに決めたの』
『唯ったら、もうこんなに乳首たてちゃって・・・隆之におちんちん、そんなに気持ちいいの?』
『次はあたしの番だからね。ほら、お尻せめてあげる』
『ひゃうんっ!』
『うっ、唯のおまんこが締まって・・・っ!』・・・・・・ねぇ」
隆之を恥ずかしがらせるつもりで、朗読し始めてみたのだが、
読んでいるうちに私の胸の鼓動が速度を上げていくのを感じた。
私はいわゆる『愛人の子』だ。
母は妻ある男性を愛し、私を生んだ。
しかし、父は奥さんと和解してしまい、私と母とは疎遠となってしまった。
父は私達の生活を保障してくれているが、
その奥さんはたびたびネチっこい嫌がらせを仕掛けてくる。
母方の親戚は厳格な人達ばかりで、不倫で私生児を生んだ母を勘当した。
父方の親戚と付き合いなどあるはずがない。
私の類縁は完全に母一人だけであった。
そのせいか、私はいつもたくさんの家族というものに憧れていた。
隆之が恋人になって、自宅に招待された時、彼氏の家に招かれた嬉しさよりも、
隆之の家族と仲良くできることを期待していたのは、秘密だ。
しかし、隆之の家族は皆、外国を忙しく飛び回っているとかで、
実質的に隆之の一人暮らしであった。これにはすごく残念な想いをさせられた。
だが、今この時になって、隆之の一人暮らしはかえって好都合かもしれないと思った。
「ねえ、隆之・・・」
「す、すまん! だけど、言わせてくれ、二次元のエロゲキャラと実在のお前とは、
まったく別物であって、浮気とか、お前に飽きたとか・・・そういう話では・・・」
「隆之、あなたハーレムを作りなさいっ! このゲームみたいに!」
「はぁっ!?」
そう、もし父の奥さんが父を独占することなく、このゲームのように、
母と仲良く一緒に父を愛していたならば・・・私はあんなに孤独な子供時代をすごす必要はなかった。
一夫一妻、一人の女による男性の独占こそ、私が憎むべき相手だったのだ。
もし、隆之のハーレムが実現すれば、それはきっと楽しいはずだ。
たくさんの・・・その・・・えと・・・棒・・・姉妹達と一緒にお料理したり、
お喋りしたり、ショッピングに行ったり、時には喧嘩もするけど、その分仲直りして・・・。
いずれ子供もたくさん生まれて、それはそれは賑やかな家族になることだろう。
この日から、私と隆之のハーレム作りの日々が始まったのである。