07/04/25 13:50:55 rTMGeuTX
「おじゃまするよ!」
元気よくドアを開いた冬馬は両手を振り上げたポーズのまま固まってしまった。
冬馬の目に映っているのは、半裸の千秋を押し倒す、夏奈の姿だった。
「よう、トウマ」
夏奈が振り返って挨拶をする。夏奈の両手はしっかりと千秋の両手を押さえ込んだままだ。
「なんだ、けんかばかりしてるから仲が悪いのかと思っていたが、実は仲がよかったのか。 けんかするほど仲がいいというしな」
と考えて冬馬は首を横に振った。
いやいや、重要なのはそこじゃない。
百合姉妹だ。
どうすればいい。オレはどうすれば……
「おじゃましたよ!」
冬馬は逃げることを決断した。
「待て! 行くな!」
千秋が呼び止める。
冬馬はドアを半分ほど閉じたままで返事をする。
「いや、オレそっちの趣味はないし」
「趣味ってなんだ。トウマおまえなにか誤解してないか」
千秋が必死に叫んだ。
誤解? そうだよな。オレってばなにを考えてるんだよ。常識的に考えてありえないよな。
Tシャツをメクリあげられて小さなおっぱいを丸出しの千秋の上に、夏奈が馬乗りになっているからといって、そんなことあるわけないよな。
これにはきっと事情が……
冬馬が、思い返して部屋に入ろうとしたときだった。
「いいだろ。千秋。今更照れなくてもさ」
夏奈が無理矢理千秋の唇を奪った。
「やっぱり。百合姉妹!?」
冬馬の目がまんまるに見開かれる。
「さあ、トウマも一緒に楽しもう」
夏奈が怪しくほほえんだ。
冬馬は小さく悲鳴を上げて、一歩退いた。
普段の元気の良さはまったく陰を潜め、おびえる小動物のような状態だ。