【翼君!】キャプテン翼でエロパロ 2発目【早苗ちゃん!】at EROPARO
【翼君!】キャプテン翼でエロパロ 2発目【早苗ちゃん!】 - 暇つぶし2ch450:名無しさん@ピンキー
07/04/04 04:28:48 3ezDqvj/
おまけ

「恋愛」と「その他」、両立する人がいれば、それは「神」だ。『矢沢あい』とかそういう次元の人。

逆に、私の考察と似たようなことを計算ずくでやってのける「職人」もいる。
富樫とか江川とか。数多くの純真な読者を虜にする反面、
プロの「打算」を嫌がる負け犬読者の反感を買う。(私も含めて)


長々書いた後にアレだが、余計なことは余り深く考えない方が良さそうだw


451:名無しさん@ピンキー
07/04/04 09:07:07 8Y/vp/A6
まあそういうことで、とりあえず
久美ちゃんのブルマー姿はエロい。

452:名無しさん@ピンキー
07/04/04 09:32:22 mKPRk2OA
>>451
久美のブルマ姿エロくて良いよな
学ランの上から体のライン出てるあねごもエロくて良い

453:名無しさん@ピンキー
07/04/04 12:37:42 QEFlRXHL
そういえば最近の連載って
女の子が全然エロくないんだよね。

エロいといえば、
ワールドユース篇でレヴィンがトレーニングしてるコマは
まさにHしてるように見えてエロかった。

454:名無しさん@ピンキー
07/04/04 13:56:48 PJAJ66DQ
★『キャプテン翼』を乗っ取って、主人公は南朝鮮人に変えるニダ!★


『キャプテン翼』が全盛期だった頃、皆さんのご想像通り、韓国で海賊版が
発行され、しかも大ヒットした。

韓国の海賊版の発行元は海賊版で荒稼ぎした後で『正規版』としての
お墨付きが欲しくなり、日本の出版社に正式契約を申し込んできた。

下交渉は無事に済み、いよいよ正式契約となった段階で原作者の高橋先生
と担当編集者が契約書を交わすために渡韓した。

そこで高橋先生は韓国の海賊版の発行元側からとんでもない要求をされた。
「『キャプテン翼』の主人公は韓国人に変えて欲しい。」

当然、主人公が通っている学校、クラブ名、ライバルたちも同様に
韓国人にして欲しい、と。

「韓国の子供たちは(それまで海賊版を読んでいたため)『キャプテン翼』
を韓国の物語だと思っているから」、というのがその理由だった。

その報告を受けた日本の出版社側は激怒し、契約は白紙に戻された。


以下に、海賊版である韓国版「キャプテン金」の画像がのってる。
URLリンク(nandakorea.sakura.ne.jp)

設定が勝手に全て韓国にされており、JリーグはKリーグに勝手に変更、
日の丸は韓国の国旗に変えられて、日本語は塗りつぶされている。

これがキムチ民族のやり口。


455:名無しさん@ピンキー
07/04/04 22:23:31 SydZhNUs
新番組「私のガラスのエース」

登場人物
ヤ・ヨイ…サナトリウムで働く看護学生。父子家庭の一人娘。
ス・ギジュン…極秘にサナトリウムに治療に通う、国内最高のサッカー選手。キャプテン
ツ・バサ…ヤ・ヨイにお兄ちゃんと呼ばれる年上の幼なじみ。ブラジルで活躍する、世界レベルのサッカー選手
サ・ナエ…ヤ・ヨイの親友
ヒ・ウガ…ギジュンのライバルチームのキャプテン、ヤ・ヨイにちょっかいを出す。
シ・ゲンゾ…ギジュンの兄貴分。ゴールキーパー
フ・ヨンジャ…北から来た看護学生。ヤ・ヨイと仲良くなる。
片桐宗正…サナトリウムを所有する、財閥の息子の日本人。ヤ・ヨイに気があり、色々と画策する
町田町子…日本からの看護留学生。空気が読めない。

第一話『新しい日々』
ブラジルから帰国したお兄ちゃん、ツ・バサが迎えに来たのは親友のサ・ナエだった…
私のことを妹のように可愛がってくれていた、お兄ちゃん。でも、私は、いつか…
二人は結婚してスペインに行くという…私は大好きな二人を祝福しようと決めた。
涙をこらえて二人を見送り、私は家を離れて、あるサナトリウムで働くことにした。
そこで出会ったのは、誰もが憧れるスター選手の、ス・ギジュンだった!
でも、どうしてこんな所で?どんな秘密があるの?

まさか、これが私達の身分違いの愛の始まりだとは、予想できなかった…


つづかない

456:名無しさん@ピンキー
07/04/05 07:27:38 VS5rmHvu
>>448凄いね。寝不足になったの俺だけですか


でもブクマしたw


蜜は魂の叫びだね。見る目変わったわ。


457:名無しさん@ピンキー
07/04/05 15:13:05 n30pkMMj
第二話『秘密』
たまにあらわれる、ギジュン。
ふとした切っ掛けで、私は彼の秘密を知る事になる。
ギジュンは不治の病を患っていた。
彼は、秘密を外部に漏らさぬ様に私に懇願した。
私はかたくなにそれを守り,ギジュンの信頼を得つつ互いに愛を深めた。
そんなある日、私は理事長室に呼ばれた。
そこで待っていたのは、ここの所有者の息子、片桐宗政。
彼は私をその場で強引に奪い、耳元で囁いた。

「ギジュンの秘密を守りたかったら、大人しく言う事を聞くんだな。」



エロも入れてみたかった。>>455すまん。
で、気になるのは松山がいない事だ。
交通事故とか、記憶喪失とか、実は兄弟だったとか
ネタで長々書けるかもな。




458:名無しさん@ピンキー
07/04/05 17:09:51 Klg6U65Z
>>457
白血病も入れないとw

459:名無しさん@ピンキー
07/04/05 20:48:13 VS5rmHvu
ヨンジャに絡めて二重スパイは?

460:名無しさん@ピンキー
07/04/05 23:53:06 q8/DFPhJ
嫌韓の自分には、C翼のキャラが韓国風な名前で書かれる事すら苦痛。

461:名無しさん@ピンキー
07/04/06 10:07:12 SDzJtTDz
嫌韓ではないが460に同意。
漫画じゃないんだから、
SSで名前をアレンジされたんじゃイメージ沸かないし不快。
しかしソレに乗ってる人もいるようなので、
続けるならタイトルでも入れて専ブラであぼーんしやすくしてくれないだろうか?

462:名無しさん@ピンキー
07/04/06 10:31:07 70tQzLwj
457だけど、>>458>>459 乗ってくれてありがとう。
自分としては、別にスレ違いの話には思わなかった。キャプテン翼を題材にしてるし。
面白そうだったので書いてみたけど、クレームがついたからやめる。>>455もごめんね。悪のりして。
>>460 461気分を害したらすまなかった。ROMに戻るよ。



463:名無しさん@ピンキー
07/04/06 21:32:46 r9h4RwX7
 では、もう一度ブルマに戻って・・・何かエロ…。
 地域によってはもうじき運動会なりスポーツクラスマッチの時期かな。エロチックな競技って何だろう? 女の子だと普通のクラウチングスタートだけでエロい気が。

 王道は二人三脚…? お祭り好きそうな早苗と石崎で組ませて、「昔と違うんだ」とお互いドキドキさせてみたい。

464:名無しさん@ピンキー
07/04/06 21:44:50 gNdGXXtG
体操着姿だけでも十分エロい。
時期早いけど水泳とかもいいなあ。
自分は女なんで男キャラの
水着姿が見たいw

465:名無しさん@ピンキー
07/04/06 22:19:26 ecP0g7wc
そういえば早苗のブルマ姿は無い
一度上半身だけ南葛ユニな扉絵があったけど
普段出さない子の太ももは思わず視姦してしまう

扉絵のコスプレシリーズで早苗がバンドボーカルやってて、
少しだけ描かれた胸の谷間がエロかった


エロチックな競技と来てツイスターゲームを思い浮かべたさ

466:名無しさん@ピンキー
07/04/06 22:48:47 Yu9pjRLb
ブルマはないけど、ワールドユース編で早苗の応援ルックが
かなり大きめのレプリカユニ+短パンだったような気がする。

467:名無しさん@ピンキー
07/04/06 23:43:56 ecP0g7wc
それをYO1が描いてるっていうのがエロい
YO1は早苗で妄想したりするんかね


468:名無しさん@ピンキー
07/04/07 02:00:36 qj6d0HXs
>>465
俺は早苗で抜いてるよ
学ラン姿のあねごで今日も抜く予定
上半身ユニの早苗エロくて良いね、お色気作戦もエロいよな

469:名無しさん@ピンキー
07/04/07 20:40:45 m6CFYQXA
 応援ルック結構好き。ロングスカートよかこういうのの方が似合うわ。
 あれはレプリカだったのか。てっきり翼から貰ったのかと思ってた。

 どちらにしろ白ベースだから、雨降ったらやべーかもとかwktkしてきた。夏のアジアなんだから夕立くらいあったっていいじゃんかー。

470:名無しさん@ピンキー
07/04/07 21:41:41 qj6d0HXs
>>469
雨に濡れたら乳首とかユニごしに透けたりするかも
小学生の武蔵の時も雨に濡れて服透けてたと思う
早苗は汗臭い感じがする俺的にだけど

471:名無しさん@ピンキー
07/04/07 22:02:58 39EDYuhy
ユニフォームの生地って結構厚いし、ブラがあるから乳首が透けることはまずないと思うけど・・・

何その童貞な発想w

472:名無しさん@ピンキー
07/04/07 22:06:44 5XG1ycUv
いや透け乳首はいくつになっても男のロマンなのだよ
体操服、ポロシャツ、ブラウス、夏服セーラー
オールラウンドに夢を与えてくれる無敵のアイテムなのだよ

473:名無しさん@ピンキー
07/04/07 22:37:08 NGYs0e0q
ありえない状況でも無理やり透け乳首か。
RPGの女戦士がビキニのような鎧着てるくらいファンタジーだな。

474:名無しさん@ピンキー
07/04/07 22:54:41 39EDYuhy
ポニーテールの子がリボンをほどくと、
すぐに癖ひとつないサラサラストレートの髪形になるくらいファンタジーだね。

475:まあまあ
07/04/08 00:18:08 edIADyne
あくまでも妄想なんだから…
男性の皆さんに質問!
女子キャラでユニフォーム一枚しか着てないのと学ランやワイシャツしか着てないのどっちがいい?
自分は…
ユニフォーム
早苗、ゆかり、久美 学ラン・ワイシャツ
早苗、弥生、美子、真紀
番外編
割烹着
町子
早苗は両方OKかな

476:名無しさん@ピンキー
07/04/08 23:45:47 QaP685uq
>>475
 エプロンと白衣を追加してはくれまいか?
 
 学ランは早苗専用でオケ。

477:名無しさん@ピンキー
07/04/09 00:09:35 OtCkLt4D
三杉×早苗

ビシュッ!
サッカーボールよりも高く鋭い音を立てて、三杉のスマッシュが決まった。
「デュースデュースでどうなる事かと思ったけど、やっと決着がついたわね」腰に手を当てて弥生が笑顔を見せた。
「負けたよ、さすが三杉くんだ」こちらもようやく笑顔になった翼。
「さすが、は君だよ翼くん。ほとんどやった事の無い相手にここまで手こずらされたのは、初めてだ」
「でも三杉さんには、私がお荷物になってましたから」

テニスも相当の腕前を持つ三杉とラケットを持った事もない早苗、
三杉に付き合い上達した弥生と、テニスに興味は無いながらも球技という球技の申し子である翼。
入れ替えカップルで戦ったダブルスが今終了した。
ここは三杉家の別荘地、招待された大空夫妻は着くなりこのテニスコートへと案内されたのだった。

「早苗さん、足を診ようか」
「あっ、大丈夫です。少しひねっただけですから」
「「えっ、ケガしてたの?」」
翼と弥生が同時に上げた素っ頓狂な声に、三杉と早苗がそろって吹き出した。
「気がつかなかった…どうしてもっと早く言わないんだよ」
「だってそんなに痛くないもの」
「でも駄目よ早苗ちゃん、淳早く診てあげて」
「あっちのベンチに行こう。歩けるかい?」

隣のコートでは松山と美子、石崎とゆかりのダブルスによるゲームが一際大きな笑い声とともに終了したところだった。
どうもこちらはルール無用なアニマルテニスであったらしい。松山と石崎がラケットでこづきあっている。
「よーし、今度は松山くんと勝負だ!」
「私もゆかりちゃんとシングルでやってみよっと。あとでね、早苗ちゃん」
二人はコートへと向かって行った。

「すみません、三杉さん…」
「ボクもあの時止めればよかったのに、すまないね」
早苗が足に違和感を感じた時、翼と三杉の打ち合いが続いていた。
早苗の後ろにいた三杉は彼女の足の異変に気がついたのであるが、
試合に熱中している翼の気を削ぎたくなかった早苗が三杉にそれを告げる事を止めさせたのだ。
翼がサーブに入る前、言葉には出さず、少し強い目線と笑顔で三杉を振り返って。
三杉は眉をひそめて見せたが、早苗は素早く顔を背けその表情を見るつもりの無い意志を伝えた。

「感心しないな。遊びで無理をしちゃいけないよ」
「でも翼くんが本当に楽しそうだったから…あっ」
三杉は溜息をつくと早苗の腕をとり自分の肩にかけた。
そのまま引き寄せるように彼女の腰を抱き、歩き出す。
「あ…あの…」
「なに?」
「す…少し歩きにくいです…その、三杉さん背が高いから…」
身長差がありすぎて、早苗の体は一歩進むたびに三杉に打ちつけられるようにぶつかる。
薄いテニスウェア越しに乳房を押し付けてしまう振動に早苗は困惑し、恥ずかしさを覚えた。
「体重はボクに預けていいから。それより足をもっと庇うんだ」
早苗の動揺に気づかないかのような事務的な口調で、三杉は一層強く腰を抱きよせた。
かたい筋肉の感触が伝わり、運動を終えたあとのほてりが二人を包み込んだ。
翼より大きな手、筋張った長い指は、早苗にまるで捕らえられたような錯覚を起こさせた。

(私、変だ…)
自分が信じられず早苗は俯くしかなかった。
二人はぴたりと寄り添って歩いたが、嬌声の上がるコートからそれを見た者はいなかった。

478:名無しさん@ピンキー
07/04/09 08:17:06 9IDmEJky
>>477
ようやっと、エロパロらしきものが出てきたよ~
続きまってます。お疲れ!!
テクニシャン三杉×人妻早苗ってエロそうだな。互いに慣れた感じで。

479:名無しさん@ピンキー
07/04/09 13:01:53 FYiJWB5/
おおお、
なんか久々の萌え展開だ!
すでにエロい空気が・・

テニスルックの早苗もいいね

480:名無しさん@ピンキー
07/04/09 18:07:30 aCZS5xRf
ここで男的なエロ萌えをすると、毎回、嫌悪感しめす女がいるけど、いまだに夢見る乙女なのか??
ブラなんてシャツの上からでも簡単にずらせるし、
後ろからユニを引っ張って胸ピチピチにしてやれば、スケ乳首なんて簡単に出来るぞw
乳首なんて、服の上からでも、箸で突付いたり摘んだりって余裕だべや





481:名無しさん@ピンキー
07/04/09 20:17:34 OjBSa2Ov
雨でブラとか乳首透けてハァハァ、って話をしてるわけであって、
「俺は服の上からブラをずらす事が出来る!」とか
「乳首を服の上から箸でつまめます!」
って一発芸の話をしてるわけじゃないと思うのだが。
それが出来たからってキャプテン翼のエロパロと何の関係が?
第一、後ろからユニ引っ張って胸ピチピチにしてスケ乳首を作るなんて、
小学生のイタズラ並みだし、そういう物理的に無理矢理作るのに萌えるか?

482:名無しさん@ピンキー
07/04/09 23:13:57 OtCkLt4D
三杉×早苗 続き


別荘などと呼ぶのも憚られるような瀟洒な洋館だった。
白い外壁に沿って、いくつかのベンチが等間隔に並んでいる。
その一つに早苗を座らせ、三杉は彼女の前に跪き、手際良くシューズと靴下を脱がせた。
「痛むかい?」
「いいえ、ほとんど」
その言葉に嘘は無かった。
しかしたとえ酷い捻挫を起こしていたとしても、今の早苗は痛みを感じなかっただろう。
ただでさえ短いテニスのスコートが、ベンチに座った事で更に裾を上げた状態になっている。
むき出しの太もも、それに早苗の片足を軽く持ち上げた三杉の低い目線が気になってしょうがない。

不自然に見えないように気を使いながら、スコートの上から両手を重ね置いて押さえているが
翼に乞われるまま購入したアンダースコートは、フリルが少なく白いショーツにしか見えない事を思い出した。
三杉は片膝をついた姿勢で、早苗の足首を自分の腿の上に乗せ、右へ左へと動かしている。
閉じきれずにかすかに開いた足の間、その一番奥の部分が、見えているはずだ。
(どうしよう…)

ふいに三杉が掴んだ足首を自分の肩の位置まで持ち上げた。
ピンクのスコートは一気にまくれ上がり、早苗の秘部を包む白い布が三杉の目に晒された。
「…や…っ!」反射的にスコートの裾を引っ張ったが、隠しきれるものではなかった。
全身を羞恥と緊張が駆け抜け、次の瞬間、足をこわばらせる鈍痛が走った。足がつってしまったのだ。

「あ………」
痛みが大きくなる。声を出しても言葉にならず、早苗は涙を浮かべた。
「ゆっくり呼吸するんだ。すぐに治るから力を抜いて」
いつのまにか足は下ろされ、三杉の両手で包み込むように揉まれている。
早苗の柔らかなふくらはぎに手のひらを密着させ、上下に撫でさすり、指を食い込ませる。
…まるで味わうかのように。

薄らぐ痛みとともにせり上がって来る快感に、早苗の混乱は深まっていった。
三杉の手は徐々に上に伸びて来る。だが制止の言葉を発する事ができない。
体の中心が無視できないほど熱くなっていた。

黙って見つめている早苗の前で、三杉は無言のまま彼女の内腿を力を入れて撫で上げた。
瞬間、早苗はかすかな悲鳴を上げた。それに構わずに強く揉みはじめる。
荒くなっていく呼吸を止められない。早苗はたまらず目を瞑った。
さっきよりも近付いた顔は、早苗の顔のほとんど真下に来ている。
こんなに近くては、短すぎるスコートなど何の役にも立たない。
きっとショーツのクロッチまでくっきりと見えているに違いない。

三杉の手の動きが止まった。

早苗が目を開けると、三杉はすでに顔を上げていた。
しかしその目は早苗ではなく、彼女の後ろを見つめていた。

483:名無しさん@ピンキー
07/04/09 23:47:00 lFtTbEVl
>>三杉×早苗の方、乙です!! 続きどうなるんだ~。気になるー。
 ピンクのスコートに白アンダーか、いいなあ。翼セレクションですかw 

>>480-481
 いきなり「透け乳首」ってなったから、どんな状況だよってツッコミが入ったんでは?
 段階的だったらいいんじゃね? 雨→透けブラ→ハァハァした誰か(中野でも学でも良し)が邪心おこして早苗らを嵌める→スケ乳首な状況にして楽しむ。
 またーりまたーり。

484:名無しさん@ピンキー
07/04/10 07:10:43 BEnOHZNd
>>482
乙!!気になるよ。後ろに何が?だれが??
理屈っぽい三杉と純朴そうな早苗と、天然の翼弥生
が出ていておもろいよ。
>>481
萌えは各自固有の現象だから、自分と人で比べるのは無意味。
なんだか、最近自己中が多いな。
男のエロ萌え、納得はできなくとも理解はしてやれよ。



485:名無しさん@ピンキー
07/04/10 08:36:14 wikp0xUT
三杉と早苗かー
いや、何かもう正座して続き待ってるんで職人さん頑張って下さい

486:名無しさん@ピンキー
07/04/10 23:46:43 0B53ep/p
三杉×早苗 続き2


早苗の後ろは、ちょうど壁と窓の境目になっていた。
窓枠から覗く小さな顔と一対の目。それは緑色に光っている。
弥生が東京のマンションから連れて来た猫だった。
三杉はついと立ち上がって、早苗の正面に立ったまま猫を眺めていた。
猫は、早苗に弥生の存在を思い出させた。罪悪感で胸がいっぱいになる。

「翼くんは犬と猫、どっちだろうね」
「…え…?」
乱れた呼吸を整えようとしていた早苗は、三杉の言葉の意味を計りかねた。
三杉は早苗を見ようとしない。視線は静かに猫に注がれたままだ。

綺麗な猫だった。
この別荘に連れて来るのは初めてなので、外には出せず、室内に放しているのだった。
動物を飼うことにあまり興味の無い早苗には、血統書付きなのか雑種なのかの区別もつかなかったが
弥生がその猫をとても可愛がって、清潔さと健康を保つために神経を使っていることは気付いていた。

「弥生ちゃんは、自分は猫で、私は犬っぽいって…」
少し落ち着いた早苗は、弥生との会話を思い出して言った。
答になっていないし、今この場で弥生の名を出すのは気が引けたが、黙ってしまった三杉との間の空気の方が苦しかった。
「弥生がそう言ったのかい」
見上げると、三杉はやはり猫を見たまま乾いた声でそう返した。



487:名無しさん@ピンキー
07/04/10 23:48:03 0B53ep/p
三杉×早苗 続き3


おそらく翼を待ち続ける自分をして、弥生は犬のようだと思ったのだろう。
犬は忠実で猫は気まま、その程度のイメージしか持たない早苗は、弥生とのそんな会話も相槌で済ませていた。
弥生は三杉のことも言っていたような気がするが思い出せない。
今、三杉がそんな事を言い出したということは、彼と弥生の間で人を犬と猫に見立てる話をしていたのだろうか。

早苗がぼんやりとそんな事を考えていると、再び頭上で声がした。
「自己評価ほどあてにならないものはないよ」
今しがた卑猥な指の動きで、友人の妻の脚をまさぐった男と同一人物とは思えなかった。
「猫は猫を飼ったりしないからね。ただ気が向いた時、一緒に遊ぶだけだ」
「三杉さんは、猫、嫌いなんですか」
「野良を見る方が気楽だね」

窓の向こうから猫は三杉を真直ぐに見ながら口を動かしている。
鳴いているのだろう。しかし厚いガラスがその声を通すことは無かった。

『でもせっかく連れて来たんだから、綺麗な空気も吸わせてあげたいと思うの』

あとで散歩に行くつもりなのだと、弥生は猫を撫でながら言った。
外国製のものであろう、色鮮やかな首輪とリボンを見せてくれた。
弥生の膝の上で、猫はおとなしく咽を鳴らしていた。


「哀れなものだ」
その声には何の抑揚も無かった。
このまま話していていいのだろうか。三杉は何かを押さえながら喋っている気がする。
ふと思い出したように、三杉はいきなり身を屈め、早苗に靴下を履かせようとした。
あわてて自分でやりますと手を伸ばしたが、結局強引に靴まで元通りにされてしまった。
三杉は早苗の腕を優しく掴んで立ち上がらせた。セクシャルな雰囲気はみじんも無い。

今日、初めてまともに視線を合わせた。
端正だが、日本人離れした彫の深い目鼻立ちには、少年の頃には無かった厳しさを漂わせている。
鷲のような目だーーーー。獲物を射すくめる力を持った男だ。
「キミは」
早苗の奥底まで覗き込むように顔を近付けて言った。
「ボクが知る人間の中で、もっとも犬に近い」


488:名無しさん@ピンキー
07/04/10 23:49:31 0B53ep/p
三杉×早苗 続き4


客室として用意された部屋に戻って、ベッドに腰を下ろした。
頭がしびれたようになって、何も考えられない。
このまま少し寝てしまおうか…。

バタバタと大きな足音がして、彼女の夫が戻って来た。
「サッカーしてくるね、早苗ちゃん。足はどう?」
ドアを開けるなりのいつもと変わらない元気な第一声に、思わず笑みを誘われた。
「全然平気。みんな一緒に行くの?」
「三杉くんは、晩御飯作るから残るって言ったよ。料理できるなんて知らなかったな」
「…」
「弥生ちゃんは猫と散歩に行くって。西本さんと藤沢さんも一緒に行くみたいだけど…早苗ちゃんどうする?」
「…私は止めておくわ。それより、夕食は私がさせてもらうから、三杉さんをもう一度誘ってみて」
「うん、15分後に下で集合なんだ。その時言うよ。おれタオル持って行こうかな」
「そ。じゃあ出すから待ってて」

早苗は翼に背を向けて、着替えを入れたボストンバッグを持ち上げようと屈んだ。
(私もシャワー浴びて、着替えないと…)
「!!」
背後から翼がぴったりと密着して、早苗の腰を抱いた。
「つ、翼くん?」
「…ダメ?」
「当たり前でしょ!サッカーしに行くんじゃないの?」
「まだ15分あるよ」
そう言って早苗のスコートをまくり上げた。丸いヒップを遠慮なく撫で回す。
「やだ、ちょっと…」
「早苗ちゃんが悪いんだよ。こんな短いスカートで後ろ向くから」
「翼くんが選んだんじゃない。私恥ずかしかったのに」
「だっておれと早苗ちゃんが組んで試合すると思ったんだよ。そしたら後ろから見えるし」
「そんなこと考えてたの?」
「まさか三杉くんが入れ替えでやろうなんて言うとは思わなかったなぁ」

早苗の抵抗が止まった。翼はこれ幸いと早苗の脇の下から手を入れて乳房をゆっくり揉み始めた。
「いいよ、この服。可愛いし。でも早苗ちゃんが着るとエッチだよね」
首筋に舌を這わせ、髪の中に鼻を突っ込んで大きく息を吸った。
「あ…」

中学の半ばから急な成長を見せ始めた早苗の胸は、今や翼の手に余るほど豊かになっていた。
薄い布地の中で窮屈そうなそれを、翼はほぐすように丁寧に揉んだ。
テニスウェアの下に着けた、柔らかな素材のスポーツブラを通して、小さな乳首が固くなっている。
気を良くした翼は、ブラの上からしばらく捏ね回し、もどかしさに喘ぐ早苗の荒い息の音を楽しんだ。

体を重ねる事を覚え始めたうちは、自分の欲求を満たすことに夢中だった翼だが、
最後の欲望を放つ前に自制が効くようになってからは、こうして焦らして早苗の反応を見たがるようになった。
しかし今は時間が無い。名残惜しげに片方の乳首を解放し、その手をアンダースコートの中に差し入れた。
「ダメ…!」
「…早苗ちゃん……なんでこんなに濡れてるの?」



489:名無しさん@ピンキー
07/04/10 23:56:20 0B53ep/p
今日はここで終わりです。
書けたらまた明日投下します。

490:名無しさん@ピンキー
07/04/11 00:08:59 dhI6BIw8
>>489
お疲れ様です!
続き楽しみにしていますね!

491:名無しさん@ピンキー
07/04/11 00:46:58 lxglE3JA
(・∀・)イイヨイイヨー


492:名無しさん@ピンキー
07/04/11 01:19:05 9AgYHVND
>>489
寝る前にいいもん見せてもらいました

493:名無しさん@ピンキー
07/04/11 06:36:54 o6ZKaKtH
>>489
乙です。猫ダッタノカ。
 今回も焦らされます。めっちゃ、引きも巧みっすね!!
 否定するかと思ったらトドメさすのな、三杉「もっとも犬に近い」ってw 彼の内面もすげえ気になります。

 そうか、翼は後ろから自分が楽しむためにセレクトしたのかw 夫にも狙われとる。

494:名無しさん@ピンキー
07/04/11 07:52:48 NY+zeze/
>>489
GJ!!
猫か。上手いね。話の持っていき方が。巧みというか。
三杉はSが似合う。
早苗は犬か。確かに鎖につながれているのが似合うな。
やっぱ、早苗はエロい。


495:名無しさん@ピンキー
07/04/11 23:56:00 SU592vVO
 相手が翼なら鎖までは不要かも。

 U´・ω・`U ゴシュジンサママダカエッテコナイ…?

 ショボンしながらも待っててくれそう。

 とりあえず、「エッチなのはおまいだ、翼(でもそれでヨシ)!!」と改めて読んで言いたくなった。何か墓穴掘っちゃったかもしらんけど。
続き楽しみに待ってよう。

496:名無しさん@ピンキー
07/04/11 23:57:46 VsqbRbmz
三杉×早苗 続き5


翼の指はショーツの中にまで侵入し、蒸れた割れ目を図々しくかき分けた。
「ねえ、なんで?後ろの方までびしょびしょじゃないか」
範囲を確認しようと前後に大きく動かした指は、肉の溝へヌルヌルと押し付けられ、次第に力がこもってゆく。
「…っ……ぁあっ…」
「言いなよ」
左手でわし掴みにしている乳房へも、休みなく内側へと捏ねるように刺激を与え続けていた。
右へ左へと身をよじる早苗の動きに、彼女の尻の谷間にあてがった翼自身も快感を与えられ、堅くなっていた。

「ダメ…ダメ、翼くん、ねえ、お願い」
早苗の哀願を無視して、ショーツの中でくり返し擦り上げていた指をニ本、いつもより強く突き入れた。
「ん…っ!」
それは何の抵抗も無くずぶずぶと飲み込まれ、もっと奥へと誘うように粘膜で包まれる。
「いきなりニ本とも入っちゃったよ…ほら、早苗ちゃんがこんなに濡らすから」
「つ、ばさ、くん…」
中で折り曲げられた二本の指は生き物のように、柔らかくぬめった肉の壁を荒しまわる。
「こんなにグチュグチュいってるの、初めて聞いたよ。すごい音だね」
「おね、がいっ…」
桃色に染まったうなじをしゃぶりながら、ブラの中に潜り込ませた指先で尖りきった乳首を責め立てた。
「早苗ちゃん、自分がすごくいやらしい身体してるの、わかってる?」
「いやぁ…」

ー指だけでいかせる気だー

早苗が翼の意図に気付いた時は遅かった。
すでに充分粘液をまぶされ、痛いほどふくらんだ薄赤い芽は、翼の指に捕らえられた。
触れられた瞬間達してしまいそうになった早苗は、必死で声を殺し、なおも逃れようとした。
ぅくん、という子犬のような声が早苗の咽から漏れると、翼は自分の両目の奥が、かっと熱くなるのを感じた。

「逃げられると思ってんの」
小さな芽を潰さんばかりに素早く擦り始めた。
「やっ!あっ、ぁんっ」
早苗はもう泣き声になっている。
「諦めなよ、気持ちいいくせに。…いい声出しちゃってさ」
指は早苗を犯し続ける。やめてくれない。泣いて頼んでも、翼はきっとやめてくれない。
翼の言葉通り、諦めようーーーそう思って力を抜いた瞬間、全身を震わせる強烈なしびれが早苗を襲った。
か細い悲鳴とともに頭をのけぞらせた早苗に満足すると、ようやく翼は彼女から指を抜き取った。
「まだ5分もたってないのに…もういっちゃったの?」





497:名無しさん@ピンキー
07/04/11 23:59:16 VsqbRbmz
三杉×早苗 続き6


意識が朦朧としている早苗を、翼はやや乱暴にベッドの上に投げ出した。
早苗は仰向けになっていた身体を、翼からかばうように壁際にゆっくりと向けた。
しかしそのおかげで、翼はスコートから丸見えになったヒップの眺めを楽しむことができた。
白いショーツは、まだその役目を果たすために、早苗の下半身を健気に包んでいるが
あれほど翼に望まれたアンダースコートは、元の形を失うまでにねじ下げられ、
早苗の尻と太ももの境に食い込み、無惨な姿をさらしている。


翼は早苗を強引に抱く事に慣れていた。
試合に負けた時、遠征に出る時、また遠征から帰ってきた時。
温かい笑顔で自分を包んでくれる早苗に対して、暗い欲望が沸き起こるのを止められない。
止める必要も感じなかった。早苗は明らかに翼が与える性の快楽に、身体を目覚めさせて行ったからだ。

翼は早苗の上に四つん這いになってのしかかった。
「ほら、言いなよ」
「……?」
「なんであんなに濡らしてたのかさ」
「そんなこと…」
「興奮してたんでしょ、何に?」

答えない早苗に、翼は目を細めて「へえ」と言った。
ベッドの上に膝立ちになって、一層高い視線で早苗を見下ろすと、横倒しになっていた彼女の両膝を掴んで割り広げた。
「やっ…」
無言でアンダースコートをむしり取り、楽に開いた足の間に自分の体を入れて、もう一度早苗を見た。
冷たい目、明るい室内で加えられた辱めに、早苗は耐える事ができず顔を背け目を閉じた。
「おれは待つよ、言うまで」
「…」
「時間が来たらきっと松山くんが呼びに来る。ドア、鍵かかってないのわかってるよね」

「…つ、」
「うん?」
「つばさくん、が…」
「おれ?」
「いつも、と、違う格好してたから…、テニスしてるとこ見るの、初めてだったから…」
「……それで興奮したの?」
早苗は顔を背けたまま頷いた。
「最初から?テニスしてる時から、濡らしてたの?」
もう耐えられない。早苗は両手で顔を覆って泣き出した。
「………」

翼が体を近付けてくるのが気配でわかった。
「恥ずかしがらなくてもいいよ」
ショーツを一気に剥ぎ取られた。
「大丈夫」
足をいっぱいに広げられ、ひりつく秘部に翼自身をあてがわれる。
「おれも限界なんだ。今あげるからね」
ズッ、っという重い衝撃とともに、一番奥までねじ込まれた。その熱さに再び早苗の身体は震え始める。




498:名無しさん@ピンキー
07/04/12 00:00:26 xtvX1ODr
三杉×早苗 続き7


21分経っていた。
玄関ホールから響く翼の声を聞きながら急いで着替えを済ませた早苗は、
絨毯の上にうち捨てられたショーツとアンダースコートをうつろな目で眺めた。

ドアを出て廊下を進むと、大きな螺旋階段の下に全員が集まっているのが見て取れた。
その中にサッカーボールを小脇に抱えている三杉がいた。
大きな安堵を覚えて、階段のステップに足をかけた。
誰も早苗の存在には気付いていないようだった。その時ーーー

三杉が振り仰いで早苗と目を合わせた。
稲妻のように素早く、鋭い視線を早苗の全身を上下に走らせた。


ばれた。


その瞬間、早苗を貫いた思いはそれだった。
ばれてしまった。今の、一瞬の目線で全て見抜かれた。
足に触れられただけで、何も知らない処女のように恥じらってみせた自分が
たった今、夫と恥辱に満ちたセックスを済ませて来たばかりだという事を。


三杉は早苗に笑いかけた。
「早苗さん!」
ホール全体に響く、爽やかな声だった。



499:名無しさん@ピンキー
07/04/12 00:01:39 VsqbRbmz
今回はここまでです。
いつも読んで下さってる方、ありがとうございます。

500:名無しさん@ピンキー
07/04/12 00:06:56 jptsPgB9
>>500
お疲れ様です、いいエロ有り難う!
やや鬼畜系な翼良すぎ、続き楽しみにしています

501:名無しさん@ピンキー
07/04/12 00:13:28 riFUiTQa
 >>499
 GJ!! すげえ!! こんな展開だとは正直思いませんでした。さ、早苗が可愛いけどエロい。
 じんわり焦らせた後に強烈なエロ、ショックで痺れてます。調教済みとは流石は翼…w オニか、おまいはw
 この後三杉にも…? ああ、気になる。

 こちらこそ凄いもの拝見させて頂いて恐縮です。どうもありがとうございました!! 楽しみにしてます。

502:名無しさん@ピンキー
07/04/12 06:47:20 jL/TDErQ
>>499
どうも、お疲れさまです。毎朝楽しみにしておりますです。
いや、翼×早苗でも来ましたか。この後は、三杉なんですよね???
自分、以前から、三杉と早苗はイケると思ってたんで、楽しみにしております!!


503:名無しさん@ピンキー
07/04/13 17:56:39 SOD83jqB
三杉×早苗 続き8


「じゃあ、石崎くん」
「おう、サンキュー」
三杉が放ったボールを、石崎は足元でトラップして受け取った。
早苗は斜め後ろにいた三杉を不自然なほど強く振り返った。
咎めるような表情を隠そうとはしなかったが、三杉は動ぜずそれを見返した。
「上手いじゃない、あんたそれトラップって言うのよ。知ってる?」
「うるせ!さっさと行けよ!」
ゆかり、弥生、美子の三人は笑い声を残して木立の向こうへと歩いて行った。
「弥生ちゃん、そんなリボンだけで逃げないかしら」
心配そうに尋ねた美子に弥生は笑って、
「大丈夫よ、この子そんなに歩きたがらないもの。今も下りようとしないでしょ、ほら」
猫は、リボンをまといながら弥生の腕の中で満足気に抱かれていた。

「じゃあ、2時間ぐらいで戻るからね、早苗ちゃん」
「あねごぉ、あんまムリすんなよな。せっかく三杉がやってくれるってんだしよ」
「おれも美子と一緒に何回か食わせてもらったけどさ、うまかったぞ」
もはや会話の流れを変えられる状況ではなかった。
弥生と一緒に時間を過ごす事は、今の早苗には考えられなかったが、
当然のような顔をして居残るつもりの三杉を見ると、なぜ一緒に行かなかったのかと後悔した。

「よし、行くぞ!」
翼が石崎からボールを奪って走り出した。
「あっ、てめェ、翼!」
残る二人もダッシュして追いかけ、瞬く間にサッカー小僧達は消えうせた。

「…入ろうか」
「どうして一緒に行かないんですか」
「どうしてって、そりゃボクが夕食当番だからさ」
「私がやります。一人で大丈夫ですから、サッカーしに行ってください」
「翼くんがキミのごはんが美味しいって褒めてたよ。じゃあお任せしようか」
早苗はあっさりと引いた三杉に拍子抜けしながらも、ホッと軽く息をついた。

「おいで。キッチンに案内するよ」

504:名無しさん@ピンキー
07/04/13 18:34:13 SOD83jqB
三杉×早苗 続き9


三杉の背中に付き従いながら,早苗はあらためてこの別荘が
邸宅と呼んでいいほどの豪壮さを誇っている事に気付いた。
緻密に描かれた古典柄の壁紙、至るところに額縁を鈍く光らせる絵画が掛けられ、
悪趣味にならない計算し尽くされたポイントに、生々しいほどの彫刻が置かれていた。
(夢の中にいるみたい…)
好きあらば日常感覚を狂わせる濃密な空間が、早苗を圧迫する。
暖色系でまとめられた重厚なインテリアのダイニングを横切り、初めて通る狭い廊下を抜けた。
「ここだ」
レストランのような丸窓のついた、ノブの無い観音開きのドアを押し開けると、そこは白と銀色の世界だった。
どの学校の家庭科室よりも大きい、四方の壁に調理台の据え付けられたキッチンに眩暈を起こす。
「あるものは何でも好きに使っていいから。これ機材の説明書」
タイル張りの壁に声を反響させて、振り向くなり早苗の鼻先に書類の束をつきつけた。
「…」
「調理台がデンマーク製でオーブンはドイツ製。日本語は書いてないけど、まあ、こんなのは雰囲気だから」
じゃ、と三杉が踵を返して歩き出す。

「ちょっ、ちょっと待ってください!こんな宇宙船みたいな台所、使えるわけないじゃないですか!」
「そう?…で?」
「えっ」
「どうするの」
この返事の仕方、誰かに似ている。
「…私、ムリです。ごめんなさい。三杉さん、お願いします」
「いいの、ボクに任せて」
「すみません」
「キミはどうするんだ?翼くん達のところへ行くのかい」
それは翼が喜ばないだろうという気がした。
一旦「やる」と言っておいて、「やっぱりやめた」は受け入れてもらえないだろう。
「上で休んでいるといい」
それが一番安全だ。早苗は三杉を見た。
「お手伝いします」
「本当に?」
「はい、役に立つかどうかわかりませんけど」
「ありがとう」三杉が眼を柔らかくして、笑った。
固く結ばれた糸が解けて行くような、切ない笑顔だった。

「それじゃあ早速、あっちに行こう」
「あっち?」
「ここは会食用にプロを呼んだ時に使う調理室。向こうに家族で使うキッチンがあるから」
言いながらもう背を向けて颯爽と歩き出した。
「三杉さん?!」
「はい?」
「ひ、人が悪い!!」
「いいなんて言ってないよ」
「普通のキッチンがあるならあるって…面白いですかこんな事して!」
「世界最高のフットボウラーを日夜支える妻の腕前に、敬意を表したまでだよ」

追いついて並んだ早苗の視界には、やはり三杉の笑顔が映った。
ベンチでの能面のような表情は跡形も無い。声にも楽しさが満ちているのが嬉しかった。
だから、

「意地悪!」

早苗も、少し甘えた声を出しすぎたのかもしれなかった。



505:名無しさん@ピンキー
07/04/13 18:40:19 SOD83jqB
今日はここまでです。エロもありませんが…

使用サーバーが規制を受けたので、マイPCが使えません。
投下の頻度は落ちると思います。
頭の中で話は完結しているので、なんとか書き上げたいです。


506:名無しさん@ピンキー
07/04/13 18:47:37 SOD83jqB
最悪これきりという事も考えられますので、心残りの無いようにお礼言っときます。
>>502さん、そう言ってもらえて嬉しいです。三杉×早苗はシリアスで見たことがなかったので
投下した瞬間大ブーイングかも、と思ってましたから…。

GJ下さった方々もありがとうございました v

507:名無しさん@ピンキー
07/04/13 21:46:29 TMRtsh0K
エロがないのに三杉の言動のひとつひとつがセクシーだw

508:名無しさん@ピンキー
07/04/13 22:02:34 kYxX4l5q
 職人様、続きをどうもありがとうございました。
 規制ですか…職人様の宜しい時にまた続きを拝見させて頂けますと、とてもありがたいです。ウワーン。
 
 いよいよ本題突入って感じですね。三杉の態度が頭っから意味深長なので、真意や如何に!?です。翼と同種の匂いがしてますがー…やはり猫なのかな(翼はネコ科通り越して肉食獣だ)。
早苗罠かかった? 

 テニスを行う別荘でイメージ軽井沢でした。プロ用と家庭用のキッチンがあるとは。流石三杉家・・・。家の者しか知らない秘密の地下室とかありそうでコワ。

 怒涛の定期投下、本当にお疲れ様でした。ありがとうございます。のんびり続き待ってます(´Д⊂)

509:名無しさん@ピンキー
07/04/13 23:17:52 xJLZYm3i
>>505
規制が憎いです

のんびり待ってますので
いや、最近ここ見るのすごい楽しみでした

510:名無しさん@ピンキー
07/04/14 09:34:35 Xwj/sJqi
502です。
いつまでも待ってますから、規制解除の暁にはよろしくお願いします。
ソーマルの場合シリアスで、原作設定以外を書くと確かにブーイングがきそうで
怖いような気がしますが、キャラが立っていると気にならん。
むしろ引き込まれるね。

511:名無しさん@ピンキー
07/04/14 23:44:39 QSLLusXn
三杉×早苗 続き10


手頃な広さのシステムキッチンの中で、三杉は黙々と調理を始めた。
早苗にはメニューを告げた後、特に指示を出す事もなかったので、しばらくただ黙って眺めているしかなかった。
長い手足、シャープなボディラインの三杉が無駄のない動きで進める作業は、優雅にさえ見える。
丁寧に食材を扱い、真剣な顔で味を見る様子は、本職のシェフを目指す若者のようだ。
ーこの人は本当はあの調理室を何の苦もなく使いこなせるのではないだろうか?ー

手持ち無沙汰になった早苗は、グラスや取り皿を出して拭いたり並べたりしていたが
野菜を切り終えた三杉に水洗い用のザルを手渡したのをきっかけに、二人で作業するリズムが生まれた。
サポートに徹しようと決めた早苗は、毎日台所に立っているだけあって三杉の邪魔になる事はなかった。
三杉を見ていて、彼は頭の中で完璧に組み上げたプロセスを忠実に再現しているのであろうと早苗は予測した。
レシピから作業の順序を、そして彼のタイミングを間違いなく読み取れば、きっと自分にも協力することが出来る。
そして早苗は、確かに相手の言葉に出さない願望や要望を読み取る事が得意であったのだ。
…それが生まれついてのものなのか、彼女の夫によって後天的に伸ばされた素質なのかはわからないが。

三杉が調理台から離れて新たな食材を取り出している間に、早苗はまな板を洗い直し流しを整頓した。
生ゴミをディスポーザーに入れ、下ごしらえを終えた野菜を小さなボウルに取り分ける。
肉を手にして振り返った三杉は並べられたボウルの順序を見て、軽く目を見張った。

寸胴鍋に火を入れた三杉が顔を上げる。早苗がレードルを差し出す。
お互いの伸ばした指先が、空中ブランコのようにカーブを描いて二人の中間でピタリと触れ合い、そして離れた。
口元を緩めた三杉を見て、早苗は話しかける勇気が出た。
「今キマりましたね」
「ああ」
三杉は早苗を見なかったが、やはり笑みを浮かべていた。

その後は早苗が調理器具の場所を尋ねる以外、何の会話もない静かな時間が流れた。
しかしお互い自分がやるべき仕事に没頭した、充実の時間。
夕食を完成させる。
この、いつも当たり前に一人で始め一人で終わらせる作業を、二人で分け合うのは早苗にとって実に新鮮だった。
三杉は早苗に対してこれといったリアクションは見せなかったが、彼女の協力を受け入れ、その様子も自然であった。
自分がひどく有能な人間になったような気がして、早苗は翼といる時とはまた違った満足感を味わった。

(テニスの時も、こんなふうに役に立てたら良かったのに…)




512:名無しさん@ピンキー
07/04/14 23:46:22 QSLLusXn
三杉×早苗 続き11


コートでの自分は、まったく用をなさない、でくのぼうでしかなかった。
最初は遊びの雰囲気が強く、翼も弥生もわざわざ早苗に向かって山ボールを打ってくれたりした。
それを早苗が後ろに逸らすと、三人から温かい笑い声が起きる。
顔を真っ赤にして何度もボールを拾いに走る早苗を見て、
弥生はボールを一杯に詰めたカゴをコート脇に置いてくれた。
(今思うとーーーーー)
翼と三杉の二人が試合をして、いずれ本気にならない訳がないが、最初に火をつけたのは三杉ではなかっただろうか?

「ちょっと淳!」
その声は三杉のサーブが決まり、早苗と翼が言葉を失った時、コートの中に響いた。
弥生の言い方は文句を通り越してほとんど非難に近かったが、早苗は空を切り裂いたその弾道に呆けたようになっていた。
三杉は弥生に言葉を返さず、矢のようなサーブを続けてもう一度同じポイントに打ってみせた。
誰も何も言わない。新たに生まれた緊張感に早苗が戸惑っていると、三杉はまたもう一度同じサーブを打った。
それを翼がバックボレーで打ち返したのだ。二人の男は無言で視線をぶつけ合い、笑みを交わした。

翼のショットは早苗の1mほど横を掠めて見事に決まったが、あまりの速さに恐怖心さえ起こらなかった。
むしろ翼の野性的なまでの俊敏な動きを間近で見た事に、いつもながらの歓喜を覚えていた。
もう何度こうやって心を奪われただろう。そして翼はその事に気付きもしていないのだ。

そこからカウントが始まり、テニスごっこはいよいよ試合の様相を呈して来たのだが、やはり終始三杉が押していた。
いや、翼と三杉の1対1の勝負であったならば、ずっと早くに三杉の勝利で決着がついていただろう。
弥生はそう難しくないボールが来た時は打ち返したりもしてみせたが、
早苗の方に飛んで来たボールは全て三杉が処理していた。
早苗もできればコートを出てしまいたかった。次のサーブの前に、出ますと言おうーーーー

ラリーを見ながら早苗はそう決心した。
弥生をがっかりさせるかもしれなかったが、自分のせいで三杉が追い上げられるのを見ると気が重くなったのだ。
三杉がたっぷりと間を取って放った渾身のスマッシュは、体勢を崩していた翼の逆をついた。
決まった、と思った瞬間、翼はよろめきながら背中越しにラケットを出し、ガットにボールを当てた。
強力な反動を持ったそのボールは、前に詰めた三杉の頭上を越えるカーブを描き、ラインの内側ぎりぎりに着地した。
今度は全員が言葉を失った。

「…素晴らしいね。キミは、いつもこんな事をやってのける」
三杉は強く翼を見つめながら、言った。
翼はこのラリーの結末に、思いがけない贈り物をもらった子供のように驚き、喜んでいた。
後方に戻って来た三杉の口元は、堅く引き結ばれていて、それを見た早苗は言葉をかける事が出来なかった。
そして、相変わらず足手まといになりながら、最後に三杉が勝つ瞬間を見届ける事になったのだ。

(ろくに動けなかったくせに、足までひねって、ほんとバカみたい)
そこまで思い出すと、内ももに押し当てられた三杉の手のひらの感触まで甦って来たので、あわてて気を取り直した。
横目でちらりと三杉の様子を窺った。シャツの袖をまくって、鍋から丹念に灰汁を掬い取っている。
もう鍋は煮えるばかりになっていた。


513:名無しさん@ピンキー
07/04/14 23:48:01 QSLLusXn
書けるようになりました。規制が解けたみたいです。
お騒がせしました。レスありがとうございます。
今日はこれだけです…

514:名無しさん@ピンキー
07/04/15 00:29:44 3H2WKmjE
良かったー!
たとえゆっくりした更新でも気長に楽しみにしていますのでこれからも頑張って下さい

515:名無しさん@ピンキー
07/04/15 00:42:11 8arm0xpZ
 おかえりなさい、そして乙です。
 
 先に仕掛けたのは三杉でしたか。んーどうなるか。

 過去分を見る限りCPの組み合わせは比較的こだわってない方が多いのではないかと思います。ブーインぐなんてとんでもない…。

516:名無しさん@ピンキー
07/04/15 23:27:34 7qyaEe9k
三杉×早苗 続き12


三杉は昔から料理を作るのが好きだった。
食材の特徴を覚え、段取りを組み、間違いのない手順で完成させる。

実際このキッチンに立ち、作り始めた時は、一人になった方がいいとさえ思ったが
落ち着いた足取りで手助けをする早苗の存在は、いつの間にか心地よいものになっていた。
三杉の視界には、柔らかなクセのついた黒髪を揺らしてパタパタとそこかしこを動き回る早苗の小さな頭が映っていた。
高い視点からは、ふっくらとした乳房の丸みと華奢な腰つきも見て取れる。

テニスウェアを身に着けて庭に出て来た早苗の姿に、三杉は男としての自分に訴えかけて来る強い熱気を感じ、驚いた。
ほのかにクリーム色がさした肌は、すでにうっすらと上気していたおかげで照りを帯び、触れた時の滑らかさを想像させた。
おそらく身体の線が出過ぎた服のせいで恥かしいのだろう。スコートの裾を引っ張る仕草をやめようとしない。
薄手の布地は、簡単にその下の裸体を思い浮かべる事が出来るほど彼女の身体に密着していた。
早苗は何度も空振りをくり返すと、三杉に向かって、昔はもう少し動けたんですけど…
と申し訳無さそうに呟いたが、それは肉体の変化のためであろうとすぐに思い至った。
重たげに実った胸のふくらみは、否応なしに早苗を縛る枷のようであった。

翼は何度も早苗に向かって軽いボールを打った。
「ほら、早苗ちゃん」
「あっ…」
ボールは早苗のラケットをすり抜け、コートを大きく囲ったフェンスまで転がって行く。
くるりと背を向け拾いに駆けて行く早苗を、翼は楽しそうに眺めていた。
走る早苗のスコートからちらちらと覗く光景に、三杉は翼の彼女に対するあからさまな性的欲求を感じた。
ネットの向こうで翼は弥生の横に立ち、臆面もなく強い視線を妻の下半身に当てている。
早苗がボールを拾うために、後ろ姿のまま腰を折って手を伸ばした。
ピンクのスコートの中から白いアンダースコートと、それに包まれた丸いヒップラインがあらわになった。

それを見る翼の顔は明るく、満足そうであった。
早苗が彼女の意志とは無関係にその身体から発している、もやのような熱気。
きっと四六時中こういった視線での愛撫を受ける事に慣れきっているのが原因だろう。
早苗は気づかなくとも、身体は気づいている。常に翼を受け入れるために用意され、待っている。

「エッチ」
弥生が翼を横目で睨んだ。
翼は悪びれもせず、「まあね。可愛いから。しょうがないよ」と言って笑った。
三杉と目が合った弥生は、”どうしようもない人よね”というように肩をすくめて見せた。
三杉はそれに”本当だ”というような苦笑いを返した。
大真面目な顔をして戻って来る早苗に、苛立ちと、翼の目から隠してしまいたいという気持ちを感じながら。

早苗がまとう、もやのようなものが、自分の頭の中にも入り込んで来る気がした。



517:名無しさん@ピンキー
07/04/15 23:31:18 7qyaEe9k
今日はこれだけです…

518:名無しさん@ピンキー
07/04/16 00:06:08 8TU4m16B
>>517
 乙でーす。

 翼…セークーハーラー…。弥生、ぶっていいよラケットで。
 ある意味ここまでおおらかに視姦できる度量は凄い。しかし、自分以外のオトコも見てるってこと、考えてないのね。
 予想と違い、純愛方向な流れにチョット安心。 

519:名無しさん@ピンキー
07/04/16 00:12:53 81t0r1ZY
いやー、もうっ良いっ!
まさに翼と三杉による「視姦」ですな
続き楽しみにしています

520:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:35:08 TNSpN6pI
三杉×早苗 続き13


早苗の雌鹿のような尻は三杉の胸にざわついた感触を残したが、
それにも増して夫である翼の無頓着さは信じられなかった。
弥生はともかく男である三杉の前に、妻の身体をさらして見せるーーー。

スポーツウェアと言ってしまえばそれまでだが、
短いスコートから覗く下着に翼が卑猥な目線を送っている事は、弥生も自分も感じ取っている。
一瞬、これは夫婦が了承済みのプレイか何かではないか、とまで考えたが
ボールを打ち返せない事ばかり気にする早苗の表情に、余裕や期待といった色は見えなかった。
これほど分かりやすくぶつけられる夫の欲望を、その妻もまた無頓着に受け流していた。
鈍いのか、やはり慣れているからなのか。

なるほど、これではその気にさせる手段もエスカレートするだろうな。
三杉は翼が早苗をどんなふうにして愛するか、見当がついたと思った。

このままだと、翼は気に入った遊びには飽きる事を知らない子供のように、早苗を走らせ続けるに違いない。

三杉は少し強めのサーブを翼の近くに打った。
それまでのほのぼのとした空気を壊す鋭さに、弥生が非難の声を上げたがもう一度打った。
翼が首を後ろにねじって、ボールの跳ねた方向をじっと見ていた。
三杉の方へ向き直った時、翼は足を広げ、前屈の姿勢を取り、
ラケットを構えて三杉の手元を穴の空くほど見つめた。
翼のフォームはとても自然に見えて、三杉からも手加減の文字は消えた。

そして翼の頭から早苗の事が跡形もなく消え去り、
本来の姿に、ボールを追うためだけに生まれて来た獣の姿に戻っている事を、三杉は確信した。
翼の事だからそうなるであろうと予想はしていたが、
一人の人間の性質が一瞬の間にこうまで見事に変化すると、
さすがの三杉も目の当たりにしたその事実に感動せざるを得なかった。

翼が三度目のサーブを打ち返すと、三杉の横で早苗の目が潤み、輝いた。
早苗もきっと、今の翼の世界に自分が存在していない事を知っているだろう。
だからこそ、彼女も夫に負けないくらいの純粋さで、喜びに浸っていた。


この男にとっては、常に世界は自分と自分の欲するもので出来ているのだ。
早苗を楽しむつもりなら、自分と早苗がいればそれでいいのだ。
側に誰がいようと彼にとっては小石ほどの意味も無いに違いない。
翼が本心からそう望めば、三杉と弥生の目の前で早苗を堂々と犯してみせるだろう。

この男に自分を望まれた時、それを拒否する事など早苗には出来はしない。
たとえ次の瞬間、走り出した彼の世界で自分が小石以下の存在になる事を知っていても。



521:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:37:38 TNSpN6pI
三杉×早苗 続き14 


三杉の腕は鍋の上を同じ速度で何度も往復して、灰汁を掬っている。
(勝った、と思った瞬間に負けたーーーーボクはなにも変わらないな)

『負けたよ、さすが三杉くんだ』
翼の賛嘆の声が甦った。
しかし三杉の脳裏に浮かぶのは、勝利のスマッシュではなく、翼が背中越しに放ったボールの弾道だった。
(あの時ボクはよほど間抜けな顔をしていただろうな)


天才、神童。
三杉淳の上に雨あられと降り注がれたその言葉の意味を、誰か考えた事はあっただろうか?
気がつけば三杉は天才であった。周りが皆彼をそう呼んだのだ。
サッカーも勉強も、好きな事は全力でやり遂げる。
その後からついて来た結果は、彼を特別な存在だという事にしてしまった。
どうやら自分が残した成績は、水準を大幅に上回るものであったらしい。
どうやら自分の判断力は、指示を受けるより出す側に回った方が良い結果になるらしい。

だからMFに。
だからキャプテンに。
だから例え試合に出られなくとも、チームの司令塔に。

全てはより良き結果を求める、筋道の立った確率の問題だった。
それを人は天才と呼んだ。彼の病を知るにつけそれは一層強い陶酔を呼ぶ賛美の言葉となった。
そして自分でも、天才とはこういう事なのかと納得もしていたのだった。

仕方のない事だったんだろうな、と思う。
彼の才能を人間離れしたものだと褒め称えた人々の事を、決して愚かだとは思わない。

誰も本当の天才を見た事が無かったのだから。


死を覚悟した、望んだとさえ言ってもいい試合に負けた後、降り注ぐ言葉は変わった。

心臓病さえなければ
心臓病でさえなかったら

しかしこの言葉は何度聞かされても彼を素通りしたが、今度も納得した振りをした。
今まで心配をかけてきた人達に、世話をかけてきた人達に納得してもらえるからだった。
医者、コーチ、跡取り、彼の命を伸ばす選択肢を増やす事は、そんな人達を喜ばせた。
誰も彼に死ぬならピッチの上で死ねとは言わなかった。
それも仕方のない事だ、と思う。

自分は天才などでは無いのだから。


早苗が自分の様子を窺っている事を、気配で感じた。さてーーーーー

彼女をどうしようか、と考えた。




522:名無しさん@ピンキー
07/04/16 23:39:09 TNSpN6pI
今日はここまでです。
エロも入れていけるように頑張ります(><)

523:名無しさん@ピンキー
07/04/17 00:05:15 S7wYxbKx
お疲れ様です
三杉が早苗をどう調理していくのか楽しみです

524:名無しさん@ピンキー
07/04/17 01:16:53 iU9w3v4z
 お疲れ様です。
 
 山場がじわじわと近づいて来たようで、うずうずしてます。「天才と何とかは紙一重」…改めて理解しますた。堂々と犯すってgkbr。
 このスレ的にはいけないのでしょうが、エロなしでも充分わくわくします。

525:名無しさん@ピンキー
07/04/17 07:20:20 eIf+b7MW
三杉の描写が細かいね。
三杉の劣等感と早苗を結びつけるのっていいアイデアだよ。
こう、書き込まれると、エロも生々しくなるよな。
乙です。
頑張ってね。

526:名無しさん@ピンキー
07/04/18 01:07:28 0932tQOm
三杉×早苗 続き15


「フライは皆が揃ってから始めよう。本当に二時間で戻ってくれるといいけどね」
「そうですね」
早苗はクスクスと笑って、サラダのドレッシングが出来ましたと伝えた。
「早苗さん、こっち味見してくれるかな」
ドレッシングを冷蔵庫にしまった早苗が振り向くと、
三杉がスプーンを持って、こちらを向いていた。
受け取ろうと早苗が一歩踏み出すと同時に三杉も近づいて、スプーンを彼女の口元に当てた。
「口を開けて」


六人は合流して、合宿気分の家路に着いていた。
「なんでェその猫、結局ずっと抱きっぱなしかよ」
「うん、怠け者なのよね。さすがに腕がだるくなっちゃった」
石崎のあきれた声に、弥生は笑って答えた。
翼はリフティングしながら最後尾を歩いていた。
「やっぱり三杉くんも来れば良かったのにな。ね、松山くん」
「ああ、特にお前は久しぶりだからな」
美子と並んで歩く松山が、振り返って返事をした。
「お前と奥さんはあさって帰るんだろ?これでまたしばらくサヨナラだな」
「でもまだ明日があるわ」
美子が澄んだ声で嬉しそうに言った。


三杉の手の動きに合わせてスープを飲み込んだ早苗は、目を伏せて黙っていた。
「どう?」
「…はい」
「はいじゃわからないよ」
「美味しい、です」
「明日はもっと美味しくなるよ」


「弥生ちゃん、花火は今日全部使っちゃう?明日の晩にも残しておく?」
ゆかりの問いかけに、弥生は少し考えていた。
「…淳が今日出来ればいいんだけど。夜は少し時間が欲しいって言ってたから」
「どういうこと?」
「論文か、コーチの方の仕事かわからないけど、書類の作成があるみたいなの」
「こんなところまで来て?」
「お父様の会社の役員の人からもお願いされて、プロジェクトの草案をまとめる協力してるし」
「大企業の一人息子だもんなァ、…それにしてもマルチなヤツだぜ」
銭湯の一人息子がぼやいた。
「そういうの忘れて、休んで欲しいのよ。ここに来たのはそのためもあるの」
木々の間から、夕日を受けて輝く屋根の一端が見えた。


早苗は三杉から目をそらして俯いたまま、後ずさりした。
三杉はそれに合わせて歩み寄り、詰めた距離を保った。
どん、と早苗の背中が冷蔵庫に当たった。
驚いて顔を上げると、盛り上がった三杉の肩が見えた。
「翼くんとは、どんなふうにしたんだい」
こめかみに、三杉の吐息がかかった。


527:名無しさん@ピンキー
07/04/18 01:11:06 0932tQOm
三杉×早苗 続き16


後ろの冷蔵庫より、目の前に立つ三杉はずっと大きな壁のようだ。
肩幅も胸板も翼よりひと回り大きい。どうして昼間は気づかなかったのだろう。
「…やめてください」
「ベンチで君と別れてから、ほんの20分足らずだったのに。驚いたよ」
やっぱり気づかれていたのだ。早苗の顔がかっと赤くなった。
「嫌がってみせたのか、キミは?本当はそうじゃなかったのに?」
「いい加減に」
「身体は用意されていたはずだ。翼くんには何て言い訳したんだ?」
正面から見据えられ、その瞳の険しさに早苗は喉が凍りついた。

いつの間にか二人の足は互い違いに重なり合い、身体は密着していた。
三杉が厚い胸板に押しつけられた乳房の感触を味わっていると知ると、早苗は身をよじった。
とたんに彼女の身体にも刺激が送られる。翼から胸の先端に受けた愛撫の記憶が甦った。
その事実に早苗がひるんだ隙を逃さずに、三杉は腕を早苗の背後に差し入れ、背中を抱いた。
自分の胸に叩きつけるように早苗を引き寄せ、その衝撃でさらに乳房を責める。
「んっ…!」
息苦しさと甘いしびれに、思わず声が漏れる。
三杉が耳元に唇を当てた。
「今日の夜、二時に、部屋の前に出てるんだ。…迎えに行く」

早苗はいやいやをするように首を横に振った。
「寝る時の格好で。翼くんに見せるための。いいね」
「や…嫌です」
三杉の手が服の上から乳房を包んだ。そのままゆっくりと回し揉む。
「……!」
早苗は三杉の手首をつかんで引き剥がそうとしたが、びくともしない。
「三杉さ」
早苗の呼び掛けは途中で途切れた。
玄関ホールから、六人分の騒がしい声が響いて来た。

早苗の血の気が引いた。
「三杉さ、ん…三杉さん…」
掠れた声で呼んでも、三杉は愛撫を止めない。
「みんな、来ます………来る、から……や、よいちゃん……」
首筋に唇の感触がした。
「三杉さん…何、してるか、わかってるんですか…?」
それに答えるように、三杉は舌を這わせた。
「三杉さん!」
早苗は自分が泣いているのがわかった。

いいにおい、と誰か言ったのが聞き取れた。
「行きます…」
足音が向かって来る。
「二時に」
三杉は跡がつかない程度に早苗の首を吸いながら、言った。
「はい」
ようやく、三杉が体を離した。
その目は二つの黒い穴のようだった。




528:名無しさん@ピンキー
07/04/18 01:12:24 0932tQOm
今日はここまでです。

529:名無しさん@ピンキー
07/04/18 02:02:29 0A7IwvLo
 罠、キター!!

 お疲れ様です!
 三杉、用意周到な。ああ、でもこれで逃げられない…「明日はもっと美味しくなるよ」がスゲー意味深だ。やっぱネコかー。

 翼に抱かれた後に来いと? Sさで翼と張り合うつもりなんだろうか。早苗、逃げて逃げてー。 

530:名無しさん@ピンキー
07/04/18 02:25:22 zi4Bami1
三杉ー!お前ー!

楽しみじゃあないかー!
お疲れ様です

531:名無しさん@ピンキー
07/04/18 12:09:38 IndtERdB
エロ三杉キター!

誰か保管庫つくってくれ。


532:名無しさん@ピンキー
07/04/18 13:49:04 +AanJOjY
翼と張り合うのか。
頑張れよ!!三杉!!

533:名無しさん@ピンキー
07/04/19 00:48:33 JjCgoCob
三杉×早苗 続き17


「早苗ちゃん、シャワー浴びないの?」
ベッドの上で同じ方向に横を向いて寝たまま、妻の身体を後ろから抱いた翼が聞いた。
シャワーの完備された三つの部屋のうちの一つを、大空夫妻は与えられていた。
「…疲れてるから、このまま寝るわ」
汗ばむ季節になると行為の前と後、翼が許す限り、また気力体力の残る限り、
体液をこびりつかせたまま触れ合ったり眠ったりする事に抵抗を覚える早苗は、いつも熱い湯を浴びたがった。

それを押さえつけたり邪魔をしたりするのが翼の好きな遊びでもあったのだが、
今日の早苗は乳房に添えられた手にも反応を見せる事無く、おとなしくしている。
「早苗ちゃん…?」
「…なあに?」
翼は小さなその声に誘われた気がして、もう一度ーーーと思ったが、
微動だにしない早苗の頼り無げな背中に、ふいに優しい気持ちが湧いてきた。
柔らかな髪にそっとキスをして、「おやすみ」と言った。


早苗の黒く大きな目は力を込めていっぱいに開かれ、どうしても閉じる事が出来なかった。
寝つきのいい夫は、いつものようにこのまま熟睡してしまうだろう。
壁に掛けられた時計を見た。0時半を回っていた。

行かなかったら、どうなるのだろう?

三杉が自分に向けているもの、それが愛や恋などと呼べるものでは無い事を早苗は知っていた。
だが、ただの性癖や気まぐれで片付ける事も不可能な気がした。
(どうせなら、そのほうがいいわ)
恋人である弥生には見せられない暗黒面に、不運にも自分が遭遇した。それだけ。
(そう思えたほうが私には楽なんだから)
だが、何か根深いもの、彼の精神を蝕むものが今日の三杉からは垣間見える気がして、
早苗は彼に対して怒りや嫌悪などの単純な感情では割り切れない、不可解さを感じていた。

ただ弥生の事を考えると、胸が圧し潰されそうになった。
昔から変わらない弥生の明るさと気丈さは、早苗の憧れであった。
早苗の知る限り、弥生は、決してわがままや勝手を三杉に押し付けた事は無かった。
彼女のものおじしない受け答えや振るまいに、一見主導権が存在するように見えるのだが
最後に意志を通すのは三杉の方で、弥生は強い態度の影に、恋人に対する気遣いをいつも潜ませていた。
そして早苗にいつも優しく、変わらない愛情を見せてくれた。

行かなかったら、どうなるのだろうーーー。




534:名無しさん@ピンキー
07/04/19 00:50:25 JjCgoCob
三杉×早苗 続き18


三杉はノートパソコンを閉じて、弥生が入れてくれた紅茶を飲み干した。
彼の恋人はシーツの上に栗色の髪を波打たせ、眠っている。
彼らが使う主寝室は三間続きになっていて、一番奥のベッドルームに灯りが届かない様に
部屋の入り口近くにアンティークの折り畳み式文机を置き、簡易的な書斎としていた。

花火を一人だけ途中で切り上げて、ここで何時間となく打ち込みを続けていた。
庭からの嬌声が時折耳を刺したが、早苗の声がその中に混じる事は最後までなかった。
弥生が戻ってきて、彼に声をかけ、彼は返事をした。
一旦引き下がった彼女が、部屋に備え付けられたキッチンで歩く音が聞こえ、
戻ってきて手元に紅茶を置いた。おやすみを言って、さらに集中して仕事を進めた。

早苗に何を求めているのか。
今日この後に行う事で、彼女から何が得られるのか。
それが何かはわからなかったし、何も得られなくとも構わないと思った。
自分の行為と、彼女の性質を考え、明後日には何事も無く別れる事になるだろうと確信した。


『昔はああじゃなかったのにーーー』
彼の恋人は早苗をよくそう言っては悔しそうな顔をした。
最初に会った時ケンカ売られたのよ、と、売った早苗を自慢するように打ち明けた。
その際立った容姿で、同性からは陰湿な嫌がらせを受ける事も珍しく無かった弥生は
真っ向からタンカを切って見せた早苗に、今日まで続く強い愛着を持っていた。

三杉が早苗に会ってみると、とてもケンカを売るような性格には見えず
そもそも性格を読み取れるほどの存在感も個性も無いように感じた。
弥生の言う所によると、早苗の変化は急激に訪れたものらしい。

『みんな翼くんが悪いのよ』


翼が周りにどんな影響を与えようと、どんな感化を及ぼそうと、
それはどこまでも有り得る事だと思った。
一人の少女が翼への恋心のために自分を捧げ自発的な精神を失う。
その事自体は三杉になんの感慨も与えなかったが
それに翼が応えたという事、その少女が今現在、翼と人生を共にしている事は
三杉には永遠に解けない答のように思われた。

机上の時計は1時45分を指していた。
三杉は、早苗が来た場合と、来なかった場合と、
二人の事を誰かが知るに至った場合の事を考えて、何も問題は無い、と思った。




535:名無しさん@ピンキー
07/04/19 00:52:44 JjCgoCob
三杉×早苗 続き19


別荘の廊下は絨毯張りで、ドアは音も無く開く。
一階にある主寝室から一人の男が出て来る時も、窓の外からの虫の音以外、音が響く事は無かった。
螺旋階段にも厚い布地が敷かれている事を知っているその男は、靴のまま二階へ昇った。

二階の廊下にところどころ灯された常夜灯は、照らしきれない濃い闇を穴のように見せた。
廊下の端に立った男は、一つのドアを見つめて、動かずにいた。
ドアの向こうに、ノブに手をかけている者がいる。
男はドアの前まで歩いた。


滑らかにドアが開き、出てきた早苗は目に入った三杉の靴に身体をこわばらせた。
ゆっくりと視線を上げ、二人は顔を見合わせた。お互いの目がほのかな灯りを受けて光っている。
三杉は彼女が廊下に踏み出すのをじっと見ていた。
早苗は素足で、部屋に用意されていたガウンを纏っていた。

三杉に背を向け、息を止めてそろそろとドアを閉めると、カチリ、と音を立てた。
その音は彼女の全身に響き渡り、全ての時間が止まった。
彼女の身体に再び血を通わせたのは、肩に置かれた三杉の手だった。
その手を背中に回し、三杉は早苗を促しながら歩いた。

数歩進んで、彼女が出てきたドアの、隣の部屋の前で止まった。
三杉が鍵を使ってそのドアを開けるのを、早苗は瞬きもせず見つめた。
さっきとは比べものにならないほど大きく、ガチン、と音がしたのも耳に入らなかった。
ドアを押し開けて、三杉が早苗を見た。
早苗は首を振った。自分が震えているのがわかったが、あらん限りの力で横に振った。

三杉が早苗の腕をつかみ、彼女の身体を先に室内へ入れようとした。
片足が浮くほどの力で持ち上げられ、早苗は闇の中へ引きずり込まれ、ドアは閉められた。




536:名無しさん@ピンキー
07/04/19 00:53:34 JjCgoCob
今日はここまでです。

537:名無しさん@ピンキー
07/04/19 01:02:22 DIMpLnxe
お疲れ様です!
何かもう引き込まれてしまいました
続き楽しみにしています

538:名無しさん@ピンキー
07/04/19 02:46:37 GW3eC/ip
乙です!

 いよいよラストが近づいて来たんだなあ…って、隣の部屋なのか。あ、でも翼起きなさそう。

 三杉は早苗を通して翼を求めているような? 翼に勝ちたいが為でもなさそうになって来たし…いやもう続きが待ち遠しいです。

539:名無しさん@ピンキー
07/04/19 07:45:55 gTQUVGY0
乙!乙!
なるほどね。こうきましたか。
読んでいると、原作キャラに愛着が強いタイプの書き手さんだと思ったんで
極端に性格を変えて来ないような気がしていたが、早苗が言う所の
三杉の闇の部分に自分が当たっただけ、という持って行き方で、三杉の
原作的イメージを損なわないし、早苗の犬的な部分も弥生の注釈が生きている。
自分、他ジャンルで書いているけど、おもしろい書き方だと思った。

540:名無しさん@ピンキー
07/04/19 23:30:52 PRZGkG/g
 職人さん、乙華麗。
 一話一話で読むと、三杉がSっぽく(猫)に思えるが通して読むと逆のように感じてくる。近親憎悪に近い気持ちなんかな。
何にせよすごい巧い。続きが楽しみだ。 

541:名無しさん@ピンキー
07/04/19 23:53:17 JjCgoCob
三杉×早苗 続き20


暗闇の中で三杉がサイドテーブルのランプを灯すと、色彩の海が早苗を包んだ。
目の前には、色とりどりの薄いカーテンが幾重にも垂れ下がっていた。
淡いオレンジの玄妙な光に照らされ、精緻の極みを尽くした刺繍が浮かび上がる。
絢爛豪華なその美しさに魅せられた早苗は立ち尽くし、自分がここにいる理由も三杉の存在も忘れた。
が、「中に入るんだ」と言う三杉の声に、たちまち現実へと引き戻された。

腕を伸ばして布をかき分けると、シーツを張った空間が見えた。
これは、異常なほどの枚数の天幕を重ねて垂らした、天蓋付きのベッドだった。
「…」
「中で、ガウンを脱いでくれ」
足元に小さな踏み台があったのでそれを使い、早苗は世界一派手なテントの中へと潜り込んだ。

シーツの上に座り、中を見回すと意外に天井は高かったが、
わずかにしか光の挿さないその場所で、早苗は繭の中に閉じ込められた気分になった。
だが、少なくともこれなら抑えた声は外には洩れないだろう。
続いて三杉が入ってくると、お互いの呼吸と体温で蒸されるように感じた。
薄暗さの中で、三杉がポケットから出したものを、ベッドの端に投げ置くのが見えた。

避妊具だった。
もしかすると挿入はせずに済むかもしれない、というかすかな希望が消えた。
三杉も座った。立て膝をつき、早苗を見つめて促した。
早苗は三杉に背中を向け、ガウンを両肩から落とした。
申し訳程度の小さな袖がついた、白いベビードール姿を三杉の目にさらした。
昼間に感じた、早苗を取り巻くもやのようなものが一気に立ちのぼり、二人の間に充満した。

「翼くんの趣味は一貫してるね」
ショーツ以外の下着は身につけていないのと、丸い肩に残る歯形を見逃さず、三杉は言った。
早苗は背中を見せたまま動かない。半裸姿で子供のように足を崩して座り込んでいる。
「身体は洗った?」
「拭いただけです」
本当はそのまま来ようと思ったのだ。
翼とは、終わったあともつながったままで抱き合う時間が長い。
その痕跡を見せつけてやりたい、と思ったが、直前で羞恥心に負けてしまった。
それに、今の三杉に対してあまり挑発的な事はしない方がいいーーー

果たしてその通りだった。
早苗の身体に翼の跡が残っている事実は、なぜか三杉を不愉快にさせた。
「キミは、無理矢理されるのが好きなんだ」
侮辱的な言葉に、早苗は振り向かずにいられなかった。
「それを望んでる」
「…違います」
「今も」
「違います。そうだとしたら、翼くんだけです」

三杉の眉がわずかに動いたのを見て、早苗は「言ってやった」と一瞬の喜びを感じた。
そして、すぐにそれを後悔する事になった。

「なら、試してみよう。出るんだ」



542:名無しさん@ピンキー
07/04/19 23:55:29 JjCgoCob
三杉×早苗 続き21


布の森から這い出ると、思いのほか冷えた室温に身体を震わせた。
ベビードールは膝上の丈しか無く、早苗は両手をクロスして胸を抱き締めた。
「ここは乳母室でね」
普通の声で喋り出した三杉に、早苗は目を見張った。
「隣の君達の部屋が改装した子供部屋。こっちは今はこの通り、使わないリネン類の物置きだ」
三杉は壁際に置かれた、彼の胸のあたりまでの高さの、西洋箪笥の傍に立った。
「こっちに来てごらん」
箪笥が背をつけた壁、その向こうで翼が眠っている。

「横を見て。ドアが見えるだろう」
小さなドア。確か、私達の部屋にも開かないドアがあった。
「子供部屋と乳母室は続いてる。壁もこれといって防音はしてないけど」
と言って、目の前の壁を、コン、とノックして見せた。
「元々無かったあのドアは安物なんだ。声は良く通るよ」

早苗は三杉のシャツを、くい、と引っ張った。
「…戻ってください、あの、中に」
三杉は出来るだけ小さな声で喋ろうとしている早苗の、弾くようにうごめく唇に目を当てた。
「なんでもします、から…お願い」
「まだ試してないよ」
三杉は子共を抱き上げるように、正面から早苗の胸の下に手を入れて、彼女を持ち上げた。
ふわりと宙を舞ったかと思うと、箪笥の上に座らされた。三杉を見下ろしている。
あっけにとられた早苗は、薄布の下の乳房が、三杉の顔の前で揺れた事に気づかなかった。
「…膝を立てるんだ、両方の」
三杉の手は、まだ乳房の下に添えられたままだった。

「そんな、変な格好…。もっと普通にして下さい」
「男がそんな格好を見たがるのは、普通だよ」
「…」
三杉が早苗の脇腹を、添えた両手はそのままに、親指だけを動かして、撫でた。
「っ…」
「さあ」

早苗は座ったまま、ゆっくりと片足の膝を上げ始め、かかとを箪笥に乗せた。
むっちりと肉の張ったももの内側と同時に、オフホワイトのショーツが覗いた。
「…」
「もう片方も」
「こういうのが、好きなんですね、昼間だって」
「いい眺めだからね」
囁き声で反撃を試みた早苗は黙り込んだ。そんな彼女を見て、三杉は微笑んだ。
いい眺めだ。
足の間のまろやかにふくらんだ丘も、早苗を裏切って尖り出した生意気な乳首も。

なにより頬を染めて、悔しそうに俯くキミのその顔が。



543:名無しさん@ピンキー
07/04/19 23:56:51 JjCgoCob
今日はここまでです。
明日はもうちょっと頑張りたいです。

544:名無しさん@ピンキー
07/04/20 00:19:50 jd7SJORD
 エロ三杉キターッ!!

 早苗orz
 スキだらけだって。

 いつもありがとうございます。明日まで待ちきれないです。
 
 

545:名無しさん@ピンキー
07/04/20 00:44:53 /NibRpOv
みーすーぎー!
興奮し過ぎて発作起こすなよ、早苗で腹上死…
お疲れ様です、早苗の無意識なフェロモンに捕われ、欲望の見えない蜘蛛の糸で早苗を絡めて行く三杉…楽しみにしています。

546:名無しさん@ピンキー
07/04/20 07:45:07 M4WU9AMc
いいねえ~。エロだよ。エロ。
しかも、朝から
>>545に笑ったぞ。
腹上死・・・ありえるじゃんっ!

547:名無しさん@ピンキー
07/04/20 20:06:20 6H7DIWHS
三杉の心臓病は完治してるらしいから、大丈夫w

548:名無しさん@ピンキー
07/04/21 00:12:55 a9hmXeS+
三杉×早苗 続き22


両足を箪笥の上に乗せた早苗は、無駄な抵抗とは知りながら膝を閉じた。
三杉は両方の足首を掴んで、ゆっくりと左右に開き始める。
思わずその部分を隠すように両手をももの間に差し入れ、膝頭にありったけの力を入れた。
「そんな事してどうするんだ?それにまた足がつるよ」
早苗を怯えさせたのは痛みの恐怖よりも、三杉の声の大きさだった。
目を閉じて、腕を身体の脇に戻し、ベビードールの裾を握りしめた。

わかっていても恥ずかしさに力がこもってしまう。ずず、ずず、と音を立てて足は広げられた。
早苗の身体は、線がすっきりとはしているが、どこにも痛々しく痩せた所は無く、
脚も腰も、全てが丸みを帯びて、肌はぬめったような光沢を放っている。
三杉が満足するまで大きく広げられると、早苗のもっとも秘められた、足の間に実った果実、
夫だけに貪る事を許した果実が、小さなショーツに包まれながらも肉厚な曲線を描いて、現れた。
三杉の視線をそこに痛いほど感じて、早苗は後ろの壁にのめりこむようにして顔を反らした。
「!」
指が二本、ももの付け根の一番奥、ショーツに触れるか触れないかの所を押さえた。
三杉はそのまま弾力を確かめるかのように押しつけながら、蛇のように這わせた。

今こうしてはっきりとわかったが、早苗の手触りは暖かな絹のようだった。
肩や足首の肉の薄い部分までが、掴んだ三杉の指を飲み込み、そして押し戻す。
羞恥で汗ばみ、肌の方から吸いついて来るのに、つかんでもつかみきれない滑らかさに苛立ったが
手のひらで、体全部を使って心ゆくまで味わいたい衝動を、三杉は認めないわけには行かなかった。

内ももを何度もなぞられ、つま先の震えを止めようと、早苗は唇を噛んでいた。
ようやく指が離れ、深く長く息をついた。目尻に涙が滲んでいた。

「こっちを向くんだ」
顔を上げた三杉と目が合った。
「ここを見てごらん」
乳房の下に手のひらを当てて軽く持ち上げ、布越しに尖った部分を早苗に見せた。
もうそこは痛いほど敏感になっていた。今触れられたらきっと声が出てしまう。
この部分への愛撫を特に好む翼から、今夜も執拗に弄ばれ、嬲られたのだった。
三杉の指はふくらんだ先端には触れず、丸く盛り上がった乳房の柔らかさだけを楽しんでいる。
物足りない刺激を補うかのように、翼にきつく吸われた感触が生々しく甦った。
(イヤ…!)
その記憶と三杉の手の感触は、早苗の身体の内側に甘い電流を走らせ、全身が大きくうねった。
喉から危うくほとばしりそうになった声を、両手で口を塞いで押し戻した。


549:名無しさん@ピンキー
07/04/21 00:14:35 a9hmXeS+
三杉×早苗 続き23

壁に押し付けられた早苗の髪が、ざりざりと音を立てる。
「これでも、ただ嫌なだけかな」
「ちが、…います、そこ、は…」
返事をするのが苦しかったが、乱れた息を隠そうとする気力も失っていた。
「そう。じゃあ、ここは?」
再び三杉の指がももの間に降りてきた。
今度はショーツの中心に隠れた深い谷間を、折り曲げた人さし指の関節で押しなぞった。
「ひぁっ…!」

三杉は左手を、箪笥の上でくねる早苗の尻に回しそのまま引き寄せて、下ろした脚で彼を挟ませた。
目の真下に来た早苗のショーツを、じっくりと眺める。
「生地は白いのに…上からでも湿ってるのがわかるよ」
「…も、もう………。わかりましたから…もうやめて…」
早苗の腰が無意識の内に横に揺れて、身体から刺激を逃そうとした。
尻にいっそう指を食い込ませ、体を密着させて動けなくしてから、もう一度前を関節で責める。
上下に何度も動かし、深く窪んだ部分に押し当てる。小さな肉芽も逃さず親指で圧迫した。
「んん…!んっ、あ…」
早苗の身体のもっとも柔らかい肉が、三杉の指の骨で蹂躙され続けた。
叫びたかった。これ以上我慢するくらいなら、思いきり叫んで、何もかも壊したくなった。

すがりつくものが欲しくて、早苗は目の前にある三杉の頭を抱き締めた。
乳房に埋まった三杉の顔はもぞもぞと動くと、早苗の乳首をその唇に捕らえた。
限界まで固くなったそれを布越しに挟み込まれ、温かい舌が押し当てられ、早苗は小さく悲鳴を上げた。
薄い生地は三杉の唾液でただれたように濡らされ、その上からねろねろと早苗の乳首をしゃぶり、吸った。

「おねがい、やめて、やめて」
三杉の腕の中で早苗は腰を前後に揺らしながら哀願した。
自分の身体の中の空洞が、固く熱いものを求めているのをはっきりと感じた。

こんなことやめて、はやく、はやくーーーー




550:名無しさん@ピンキー
07/04/21 00:15:20 a9hmXeS+
今日はここまでです。

551:名無しさん@ピンキー
07/04/21 00:24:42 +q7sfZsy
エロいエロいよ!
お疲れ様です、もう正座して続き待ってます!

552:名無しさん@ピンキー
07/04/21 01:04:02 IYNA9pbt
祝!!エロ到来!!
念密に前振りがあったので、余計にエロい。

553:名無しさん@ピンキー
07/04/21 01:10:48 xcijdVhF
 お疲れ様です。
 鬼畜もう一人いたー!! 
 ああ、でも何の為にヤバイ橋渡ってるのかな、三杉は。
まだ途中と分かっていてもこんなことしといて「問題なく」だったら(#゚Д゚) ゴルァ!!したいかも・・・。

554:名無しさん@ピンキー
07/04/21 02:28:30 +q7sfZsy
サッカー以外に何も興味を持たない翼が夢中になり、さらに皆に早苗の無意識のフェロモンな身体を見せびらかす結果となった行動が三杉の男としての黒い欲望に…なのかな
でも本当に引き込まれましたよ、
自分の中では避妊具の描写にぐっと来てしまいました、鬼畜な中にも相手をって感じで。己の快楽の為になんだけどね。
ああっごめんなさい、訳わからなくなりました


555:名無しさん@ピンキー
07/04/21 23:57:52 a9hmXeS+
三杉×早苗 続き24


箪笥の上に早苗を仰向けに寝かせると、三杉はわずかに体を離した。
ショーツが剥き出しになった早苗の下半身が、彼の目に迫った。
早苗が薄く目を開けると、三杉はこちらを睨むようにして見ている。
こんな目には憶えがあった。翼の目だ。
早苗に思うさま愛撫を加え、その途中に、時折じっと彼女の顔と身体を眺め、
苛ついたように険しい表情をして、さらに一層強い刺激を与えた。
そんな時の翼の目は、暗かった。今の三杉のように。
翼の顔が浮かぶと、大きく声を上げたいと思った自分を、早苗は恥じた。
(…なにがあってもそれだけはダメ…)
寝かされた箪笥の天板はぞっとするほど冷たかったが、身体の中心は燃えるように熱かった。

彼女の脚は箪笥の上で少し開いていた。
それを閉じようともせず、唾液で濡らされた布地の張りつく乳首を隠そうともせず、
観念したように身体を投げ出し口を結んだ彼女を見て、
三杉は早苗が身体はどうなろうと、声だけは出すまいと決心した事を読み取り、
その諦めに加虐心を掻き立てられた。

箪笥の前に立ち、早苗の身体を横から眺めた。
ベビードールをゆっくりと首元までまくり上げる。
散々にねぶられた乳房が、部屋の灯りにてらてらと光っている。
二つの可愛らしい乳首がさらけ出され、早苗は腰をくねった。
充血して薄朱い蕾、それを取り巻くぼやけた乳雲近く、ここにも歯形が残されていた。
三杉はそれを中指を伸ばして、つっと撫でた。
「翼くんも、ひどいな」
早苗は深く息をついた。再び呼吸が苦しくなってきた。



556:名無しさん@ピンキー
07/04/21 23:59:18 a9hmXeS+
三杉×早苗 続き25


今度は直に口に含まれた。
舌を巻き付け、強すぎも弱すぎもしない力でねぶり、軽く吸い、時間をかけて刺激してくる。
「…っ、……っん」
人さし指を噛んだ。腰が大きくうねるのを、もう止めようがない。
跳ね上げると軋む音がするので、固い箪笥の天板に尻を押し付け、左右に振った。
三杉の口が離れた。
「キミはいつもこうやって、自分から腰を振るのかい」
ショーツの上から秘部に当てた手も、一定のリズムで優しく揉んでいる。
「うぅん」
三杉の手を挟み込むようにして、ももをねじった。
「こんなに暴れるとは思わなかったな…。もう一度膝を立てて」
早苗はもう逆らわなかった。

とうとうショーツを抜き取られたが、立てた膝を伸ばす気力も無かった。
脚の間を目で犯されている。襞を指でなぞった後、折り曲げて食い込ませ、広げられた。
三杉の目には、今まさにトロリと透明な愛液が溢れ出た瞬間が見えたが、
入り口を閉じようとする厚い肉に残っているものは、すでに白濁していた。

「や…!やだっ!」
早苗は脚の間で行われようとしている事が信じられなかった。
溢れ返ったそこに三杉が顔を埋め、唇を押し当てていた。
くちゅ、と音を立てて口を張りつけ、襞を丹念に舐めていった。
両腕でももをがっちりと固定され、ぴくりとも動く事が出来ない。
腰を振る事も出来なかった。天板に磔にされ、ただひたすら舐められた。
「んぁっ…」
動けない。苦しい。苦しい。気持ちよさに気が遠くなりそうーーーー

三杉の舌が上に伸ばされ、包皮からわずかに顔を出した突起にたどりついた。
もう一度、ぐい、と唇を押しつけ、狙いを定めて尖らせた舌を当てる。

「ーーーーーーあぁーーーーーーー」

押さえ込まれた早苗の下半身は静止していた。
埋められた三杉の頭もほとんど動く事はなかった。
その口の中に含まれた小さな肉の粒を、早く溶かしてしまいたいアメ玉のかけらのように
彼が容赦なく責めている事は、早苗に現実でないように思わせた。

痙攣が始まる予兆がした。
どんな枷にも縛る事の出来ない、本能の動きが、早苗の身体を震わせようとした。
それを素早く感じ取り、三杉は口を離した。




557:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:00:25 a9hmXeS+
ここまでです。
もうちょっとエロシーン続きます。
しつこくてごめんなさい(><)

558:名無しさん@ピンキー
07/04/22 00:08:17 iYr3qhmv
いやいや、しつこいなんてそんなそんな…
エロ三杉キターッ!
お前どんだけエロイんだー!

お疲れ様です、続き楽しみにしています

559:名無しさん@ピンキー
07/04/22 01:54:17 xae/ekX+
 乙でーす。
 読んでいるこちらも三杉の掌の上w 言葉責めのヨカーン。

560:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:27:37 52zoO5qh
三杉×早苗 続き26


早苗の腰が、快楽のとどめ欲しさに、ひくひくと箪笥の上で浮いた。
それを三杉はじっと見つめ、待った。早苗は懇願してくるはずだ。
どうか犯してくださいと。
一方的に支配し、悶えさせた。予想以上の淫らな肉体への驚きは隠していた。

だが、早苗は胸を大きく上下させながらも、三杉から顔を背けていた。
強く閉じられた瞼は、早苗の心そのものだった。
これ以上大きな音を立てない事、一刻も早くこの時間が終わる事だけを願い、三杉を閉め出している。
翼に知られないように。
翼を守るために。
三杉は彼女の身体を横抱きにして箪笥から下ろすと、もう一度天幕の中へと戻った。

早苗は薄暗さが戻ったのを感じて目を開けた。
三杉が服を脱いで、避妊具を付けるのを、ぼんやりと見るともなく見ていた。
男を待ちわびる股間がズキズキと痛んだ。これ以上の刺激を与えられたら、きっともう我慢できない。

「みすぎ、さん…」
背後からの小さな声に、三杉は振り向いた。
「なにか…、噛むもの、ください」
「…」
「こえ、が、でるから…」
「さっきから出してるじゃないか」
「おおきい、こえ、が…でたら…」
「いくらでも出すといい。ずっと我慢してるんだろう?」
「……どうして……」

どうして、隣に翼くんがいるのに。
どうして、翼くんは友達なのに。

「ばれたらどうなるだろうって、思ってる?」
三杉が早苗の上に覆いかぶさった。
「なんにも変わらないんだよ。…長い目で見ればね」
「…」
「翼くんは何も変わらない、サッカーがある限り。終わりになるのは、キミとボクだけだ」
三杉は早苗の肩を撫で、その丸みを優しくさすった。
「…小さいね、キミは。いるのかいないのか、わからないぐらいだ」
翼が残した歯形と同じ場所に、唇をあてた。
「…やよいちゃんは…」
「ここで翼くんがボク達の事を知っても、それが弥生に伝わるかどうかはまた別の話だよ」
早苗の鎖骨に頬をよせ、鼻をすり上げて匂いを嗅いだ。
「だが」
三杉が顔を離した。
「実際どうなるかはボクにもわからない。賭けかも知れない…何も変わらないか、全て失うか」
三杉の顔は影になって真っ黒に見えた。早苗は、今度は顔全体が穴のようだ、と思った。

「緩慢な死か、一瞬の死かだ。違う?」





561:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:29:26 52zoO5qh
三杉×早苗 続き27


早苗は返事をせず、真下から三杉の顔を見つめた。
この薄暗さで、俯いている自分の表情は早苗にはわからないはずだ。
しかし早苗の探るような瞳には怒りも哀しみも無く、それが三杉に意外な圧迫感を与えた。
彼女と話をする事も、優しく触れる事も、自分が衣服を脱ぎ捨てる事も予定に無かったのを思い出した。
(この感触と熱気のせいだ。これで少しやり過ぎるんだ、多分、翼くんも)

早苗が下から片手を伸ばし、三杉の頬に触れた。
「…何だ?」
答えずに、頬を撫でる。
「やめろ」
早苗の手を掴んで引き剥がした。
その皮膚のぬめりもまた、彼の指に吸いついてきた事が、三杉を狂わせた。
無言で早苗を睨みつけ、右手を彼女の脚の間に差し込んだ。
割れ目に押しつけた中指がぬるぬると滑ると、彼の体の下で、んっ、と息をつめる気配がした。
早苗の両肩を掴み、その身体を勢いよく反転させた。
膝立ちになって、彼女の尻を引き寄せて持ち上げ、後ろから突き入れる。
早苗は顔の横でシーツを握りしめ、喉の奥から、くぅ、と声を立てた。

小さく見えた入り口は、中の狭さを三杉に予想させていた。
しかしそれでも、その窮屈さに驚かずにいられなかった。
早苗の中は充分すぎるほど潤っているにも関わらず、三杉を拒むように閉じられている。
圧迫されながらもねじ込むと、フワフワと柔らかい肉が厚く押し寄せ、彼を押し戻そうとした。
挿入の瞬間のざらつくような感触は、早苗がまだ熟れきらず、
男の愛撫を必要とする青い肉を残したまま、彼を誘惑した事を告げていた。
(この…!)
力任せに突き刺した。何度も腰をストロークさせて、ようやく根元まで入れる事が出来た。
熱く濡れて誘っているくせに、幼く不器用に拒む早苗を、許すつもりは無かった。

「ん…っ…!」
尻を高く突き上げた屈辱的な格好で、早苗は三杉が突然見せた荒々しさに耐えていた。
さっきまでのじわじわと迫って来るような愛撫は消えた。それはまたも翼の事を思い出させた。
(翼くんも、三杉さんも、どうしてーーーー)
三杉は早苗の中をえぐるように何度も突いて来る。力の加減はまったく無かった。
「んっ、んっ」
快感にも増して痛みと衝撃が早苗を追い詰めた。
(男の人は、どうしてこんなふうにするの…)




562:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:31:00 52zoO5qh
三杉×早苗 続き28


三杉が手を伸ばし、乳房をつかみ、揉みしだいた。
早苗の皮膚のぬめりを利用するように、上下に大きく揉み上げてくる。
柔らかさを取り戻していた先端にも指が絡みつき、こねまわされ、弾かれた。
「んっぁあ…っ」
ずくん、と身体の奥底から、快感が甦ってくるのを感じた。
新たな蜜が流れ出し、ももの内側を濡らすのがわかった。

いつ果てるとも無く、熱く固いものが打ち込まれ続ける。
ずん、と頭の先まで届くような衝撃がくり返される。
(どうして、どうして)
(私、犯されてる)
(なのに、どうして、あついの)
(どうしたらいいの、たすけて、あついの、たすけて)
(翼くん、翼くん、翼くん)
(三杉さんが私を)
(いや…気持ちいいの……!いや……!)
(翼くん翼くん翼くん翼くん翼くんつばさくん)

「あ、あ、あ、あ」
全身に苦しいほどの快感の波が打ち寄せる。
「あっ、あっ、あんっ」
髪を振り乱す早苗は、三杉もまた自分の上で息を荒げている事には気づかなかった。
早苗の中は、いつしか三杉を強く吸い込んでいる。
肉はねっとりと絡みつくようになり、三杉を溶かすようにまとわりつき、責めた。
三杉はたまらず早苗を引き起こし、ベッドの上に座り直すと、その勢いのまま、彼女を貫いた。
どろどろにただれた中を削り上げられ、早苗は背中をのけ反らせた。
「くぅ…っ」
細く鳴くと、もう一度突かれた。
「んぁっ」
中で収縮が始まり、三杉は自分が絞り上げられるのを感じながら、
痙攣する早苗の口を塞いで押さえ込むように抱き締め、
最後まで彼女を味わいながら、放った。



部屋に戻ると、時計は4時前を指していた。
翼の寝息を確かめて、バスルームに入り、身体を拭いた。
三杉はほとんど早苗の身体に痕跡は残さなかったが、腕に薄く痣がついていた。
終わった後に身体が折れるかと思うほど、きつく抱き締められた跡だった。
息の乱れを隠そうともせずに、三杉は言った。

「明日もまた、同じ時間に」

563:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:33:04 52zoO5qh
ここまでです。
いつもレスありがとうございます。

564:名無しさん@ピンキー
07/04/23 00:48:47 OwbBvs5l
お疲れ様です!
いいエロ有り難うございます。
三杉、自分が主導権握ってたつもりで早苗の身体に翼同様溺れちゃったな
続き楽しみにしています


565:名無しさん@ピンキー
07/04/23 02:17:39 mOqr5o/d
 お疲れ様です!!

 そろそろ化けの皮が剥がれて来たなー。
 日常を破壊したいのなら一人でやれや、早苗巻きこむなw いっそ翼とガチンコ対決とか。
 (・∀・)イイヨイイヨー。

566:名無しさん@ピンキー
07/04/23 08:34:07 HCTE/ZOX
乙!!
エロだけじゃなくて、話の筋も気になるよ。
退廃的な感じがまたいいね。

567:名無しさん@ピンキー
07/04/23 18:49:46 W9U4aRok
乙です!
忠犬早苗がなんで三杉の誘いに乗って出てきたのか早く知りたい!

568:名無しさん@ピンキー
07/04/23 23:05:46 i9sPhoew
お疲れです!

>それが弥生に伝わるかどうかはまた別の話

そう言い切る三杉。悪いヤツだなぁ。
いっその事バレてしまえ!とも思う。そうなったら泥沼だが。

翼にバレるのは早苗にはちと酷か。

569:名無しさん@ピンキー
07/04/23 23:33:53 52zoO5qh
三杉×早苗 続き29


彼が目覚めた時は、うつ伏せだった。疲れている時はいつもこうだ。
弥生がベッドに腰を下ろしてこちらを見ている。
「…何時?」
「10時半よ。よく寝てたわね」
「皆は」
「サッカー」
「…本当に?」
「翼くんが連れて行っちゃった。私達は午後からサイクリングに行こうかって…」
「ふうん」
「眠って。まだ疲れた顔してるわ」
そう言われて恋人が素直に目を閉じた事に、弥生は少し驚いていた。


「ホスト役は弥生、キミに任せるよ」
この別荘に八人が集まるスケジュールを調整し終えた時、三杉に言われたのだ。
「向こうの管理人には、それまでに手入れを済ませるよう伝えておく。する事は決めてあるの?」
「決めるっていうか…確かテニスコートがあったわよね」
「あるよ」
「サッカーのコートは?」
「もう芝が伸び放題だろうな」
「使える?」
「この面子だからね。悪条件を喜びそうだ」
「なら問題無いわ。散歩して花火して…特に何もしなくてもいいの」
「それは気が楽だよ」
「淳」
「なに」
「乗り気じゃないのね?」

三杉にしては珍しく、あいまいに答を濁した。
三杉家の別荘ではなく、宿を取る事にしようかと言ってみたが、一度決めた事なのだからと却下された。
弥生も中学生の頃に一度、三杉の両親に誘われて、夏休みの数日を過ごした事があるだけだったが
異国から移築させたこの洋館を気に入っていて、かねてから再び訪れたいと思っていた。

しかしそれよりも、この場所で三杉に心底休養して欲しいーーー
それが弥生の願いだった。美子や早苗達に声をかけたのも、そのためだった。
自分と二人きりなら、三杉がイエスと言うとは思えなかったのだ。

強くねだって了承を得たが、何によらず親の財産と関わりを持つ事に、渋い顔を見せる男だった。
別荘の話を翼や石崎に聞かせ、彼らの口から「行ってみたい」という無邪気な言葉を引き出して、
半ば事後承諾のようにして話を進めてしまった。その時はそれが最善と思われたのだ。
来てしまえば、三杉も幼かった日々の思い出を甦らせて、リラックスする事になるだろうと。


(もう寝てる…二度寝するなんて、久しぶりじゃない?)
いつもは寝不足でも一旦目覚めれば、無理にでも起きようとするのに。
昨夜、パソコンに向かう三杉の背中を見て、ここに来たのは逆効果だったのかと不安になったが
近頃では聞いた事のない深い寝息に、やはり来てよかったと安堵した。



570:名無しさん@ピンキー
07/04/23 23:34:42 52zoO5qh
今日はこれだけです。

571:名無しさん@ピンキー
07/04/24 00:12:16 hAjNE9ZF
お疲れ様です!
淫(陰)と陽で早苗と弥生が三杉の中にある感じ…
続き楽しみにしています

572:名無しさん@ピンキー
07/04/24 00:22:24 F/94HdWj
 乙華麗ー。
 もう、続きを読まないと眠れないカラダになっておりますw

 弥生の無邪気な願いを、その親友を傷つける場に使うか三杉。切羽詰ってるのか知らんが、
サイテーだわお前。弥生にもバレてしまえ。

573:572
07/04/24 08:31:29 PfhDTVMT
 あ、ブーイングじゃありませんので職人様ごめんなさい。
 話の中に引き込まれてついのめり込んでしまいます。

 三杉は非情になりたいんだろうなと。ただそれが本来彼を抑制している家族
等々に向けられるんでなく、薄いつながりしかない早苗に向けられてるところに
彼の矛盾(狡さ?)を感じてしまう。
 翼にはバラしてみたいと内心思っているんじゃ。

 早苗も傍で翼を見てみたいけど、向き合うのは怖いと思ってる? ゆかりが
早苗の異常に気づいてくれるといいな。


574:名無しさん@ピンキー
07/04/25 00:14:46 9sQEUiej
三杉×早苗 続き30

ホテルのロビーの如く、天井高くまで空間をくり抜いた玄関ホールの長ソファに腰掛けて
三杉の寝坊を詫びる弥生の言葉から、さてこれからどうしようと女四人の話し合いが始まった。
昨日散歩に同行しなかった早苗は、ここで初めて三杉の多忙ぶりを知る事になった。
「とにかくやる事が増える事はあっても、絶対に減らないの」

サイクリングが早苗の足を心配するゆかりの意見で中止に決まると
弥生は邸内で猫と遊び、今日の夕食は私が作ると言った。
美子はこの長ソファで、読書をすると言った。

「こんな所で読むの?美子ちゃん。弥生ちゃん、ここ図書室もあるって言ったわよね」
「うん。淳は鍵がかかってない部屋は自由に使っていいって言ってるから、美子ちゃん、そっちに」
「持って来た文庫本だから、図書室なんて…ここは吹き抜けだから気持ちいいし、窓もあるから明るいわ」
「まあ騒がしい連中はみんな外に行っちゃったしねえ」
「私、紅茶入れて持ってきたげる」
「ありがとう弥生ちゃん。弥生ちゃんは本、持って来たの?」
「うん、私も文庫本…でも読む気無くしちゃった」
「そうなの。それなら、また貸してもらってもいい?」
「いいわよ、っていうか、あげるわ」
「えっ?」
「純文学って前は好きだったんだけど、最近読まないの。ここにいたら読むかもって思ったんだけど」
「どうして読まなくなっちゃったの」
「うーん。重いから…?なんとなくね。滅入ってくるのよね」
最近は単純なハッピーエンドが読みたいかな、と弥生が言って、お開きになった。

ゆかりは最後まで一言も発しなかった早苗の顔を覗き込んだ。
「早苗、大丈夫?」
「うん」
朝食のテーブルについた全員を驚かせた、早苗の目の充血は、治まっていなかった。
「疲れ目だと思うの。家の外まわって、緑を見て来るわ」
「一緒に行こうか」
「ゆかり、猫と遊ばせてもらうんだって言ってたじゃない」
「そう、ものっすごく可愛いのよ!でも昨日も逃げられちゃってさ。全然捕まらないんだもの」
「今から追っかけたら、夜には捕まるかもしれないわよ。じゃあ行って来ます」
ゆかりが追って来ないのを確かめて、早苗はうまく一人になれた、と思った。

疲れた、とは便利な言葉だ。俯いてそう言えば誰もが納得してくれる。
痛む頭と、味のしない朝食からずっと続く吐き気と、呼吸のリズムがつかめない息苦しさ。
誰にも気づかれてはいない事が、不思議にさえ思えるほどの。

日射しの中、緑の濃い外気を吸いながら、外壁に沿って歩いて行くと、飛び石の続く道へ出た。
一つ飛んでも足は痛まなかったので、二つ三つと飛ぶうちに、呼吸が楽になってきた。
石だけを見つめて、慎重に飛び移る。着地が決まって、単純な喜びが湧いた。
もうひとつ。
もうひとつ。

全部飛び終えた時、上には翼と自分の部屋の窓と、そしてその隣の部屋の小さな窓が見えた。
カーテンの閉じられたその窓を眺めて、もう一度飛び石を引き返した。



575:名無しさん@ピンキー
07/04/25 00:15:58 9sQEUiej
すみませんこれだけです。
明日とあさってでもう少し頑張りたいです。

576:名無しさん@ピンキー
07/04/25 00:27:16 P6enZJQE
 お疲れ様です。
 早苗の孤独が切ないです。自己評価がずいぶん低くなっている? 
 
 いつもありがとうございます。職人様も、どうぞご無理をなさらず。

577:名無しさん@ピンキー
07/04/25 00:31:20 UL497LXT
お疲れ様です!
ゆかり姐さんー、早苗を救ってー!
起きた時の翼の反応も見てみたかったけど…朝立と共に早苗を襲ってそうw


578:名無しさん@ピンキー
07/04/26 00:19:35 JJ/px9zH
三杉×早苗 続き31


歩き続け、並んだベンチが見えてくると、早苗は足を止めた。
あの場所で三杉の視線と手の動きに翻弄されたのが、随分遠い出来事のようだ。
こうして太陽の元にいると、昨日の自分が起した行動ですら、夢か何かではないかと思えて来る。
あの時、どうすれば良かったんだろう。彼はこのベンチからもう全部決めていたんだろうか。

三杉の心が彼の言葉通りなら、早苗と関係を持った事が、ばれてもいいとは思っていても、
何が何でもばらしたいと言うわけでは無い、そうなるはずだ。
賭けだとも言った。賭け、かもしれないと。
成りゆきに任せて、どっちに転んでもかまわないと思っているのだろうか?
果たしてそんな事が、本気で考えられるものだろうか?

だが三杉のそんなどっちつかずの投げやりな態度は、このベンチからすでに始まっていた。
早苗は猫に向かって哀れだと言い放った、光の無い目を思い出していた。

キッチンでも見せたあの目。感情が抜け落ちたようなあの顔。
昨日の夜を思い出す事は、早苗に激しい羞恥をもたらしたが、考えないわけにはいかなかった。
いや。やめて。おねがい。
拒否の言葉は伝えたが、三杉はそれを片手で丸めて投げ捨てた。
(あの人にとって、私の言葉なんてなんの意味も無いんだわ)
早苗は、無理矢理犯されたのだと、言い訳できない自分である事を知っていた。
抑えきれなかった甘い声、雌犬のように揺らめかせた腰。今も体中に快楽の余韻が残る。
三杉は勝利し、早苗は敗北した。
(でも、どうしたらよかったの)


自分は怯えた。身がすくんだ。
滑空する鷲に、追われた獲物が先に足を止め、その爪に捕らえられるのを待ち受けてしゃがみ込むように。
三杉がどこまで本気で、何をやるのかわからない事が、どうしようもなく怖かった。

このベンチから、いや、テニスコートから信じられない事の連続だった。
とても本当だとは思えなくて、確かめるようにドアを開けた。
だって、いたら、彼が本気で早苗と寝ようと思っているという事になってしまう。
そんな事はあり得ない。だから、ドアを開けても、大丈夫。

目に入った磨き上げられた革靴は、その瞬間、早苗をたやすく踏みにじった。

だってまさか、いるなんて。
だってまさか、隣の部屋だなんて。
まさか。まさか。まさか。

自分は怯えたのだ。三杉の虚無の前に。

579:名無しさん@ピンキー
07/04/26 00:21:08 JJ/px9zH
三杉×早苗 続き32


玄関ホールで語られた、三杉の近況が早苗の耳に焼きついている。
随分、会社の仕事に充てる時間の割合が多くなったのだと弥生は言った。

「もちろん、大学かコーチの勉強してる時間の方が多いのよ。
 でも会社の仕事は、元々まったくしなくてもいい事なわけじゃない。
 お父様も淳も跡継ぎなんて考えてないって、私にはそう言ってたし。
 だけどやっぱり、派閥争いかなんかで、そういう事考える人も多かったのね。
 何とかして淳を経営者に向かわせようと誘う話はいくつもあったの。
 淳は最初、そんな人達を軽蔑して無視してたのに」

高校に入った頃から、変わって来たのだと弥生は声を落とした。
完全にシャットアウトして来たそれらの話に耳を傾けるようになり、
自分の意見まで彼らに聞かせるようになった。
それは三杉を自派の旗印に掲げ、地盤を固めるだけが目的に過ぎなかった
保身第一の役員達を圧倒し、感動させ、忘れていた使命感をさえ再燃させた。
若者らしい純粋さ、高い知性と理念、知識不足を補って余りあるカリスマ性。

「その頃から協力はしていたけど、無報酬だし、淳も勉強段階だったみたい。
 でも今やってる企画は、初めて淳の名前が入るの」

しかし大学も決しておろそかにはしないのだった。
講議も研修も全てこなし、実技には特にこだわった。大学で寝泊まりする事も多い。
そしてコーチングのシミュレーション。選手の情報は絶えず最新のものを収集し、分析している。

「それで結局、自分がサッカーする時間が無くなっていくのよね」


早苗は三杉の前に輝く、いくつもの選択肢の事を思った。
そして自分の夫の、ただひとつの道を思った。

ばれたら終わり。
緩慢な死、一瞬の死。


弥生は三杉の、あの穴のような目を、見た事はあるだろうか
あの魂が抜けたような声を、聞いた事があるだろうか


580:名無しさん@ピンキー
07/04/26 00:23:03 JJ/px9zH
ここまでです。
ラストまでまだ結構ありますが、おつきあいくださると嬉しいです。
あと一回はエロも入れたい…

581:名無しさん@ピンキー
07/04/26 00:38:23 PwRanrNH
お疲れ様です
三杉の闇に巻き込まれた早苗…
エロも楽しみだけど、続きも楽しみにしています


582:名無しさん@ピンキー
07/04/26 01:06:01 5R8rS+D2
 乙カレー。

 虚無を感じて立ち竦む早苗、重いものは気が滅入る弥生…下手に相手の要望を
汲み取ってしまう性質が災いしたのか。ヤバいものには近寄らないのが吉なんだけど。

>>早苗は、無理矢理犯されたのだと、言い訳できない自分である事を知っていた。
>>抑えきれなかった甘い声、雌犬のように揺らめかせた腰。今も体中に快楽の余韻が残る。

 それは身体的な反応でどうしようもなんだ、受け入れたんじゃないんだ、そんなに自分を
追い詰めるな。・゚・(ノД`)・゚・。  問題なのはどっちかってたら、誘いに乗ってみること自体
下手したら翼への裏切りになるんだと気づかなかった事じゃないのかな。

 この先が楽しみのような、怖いような…。





583:名無しさん@ピンキー
07/04/27 00:04:05 HglejvzB
三杉×早苗 続き33


再び目覚めた時、三杉は一人だった。
やはりうつ伏せで、顔もむくんでいたが、体には熟睡の後の爽快感が漲っている。
シャワーを浴びて着替え、玄関ホールとつながった客間に入った。
ホールのソファの背もたれから美子の頭が見え、廊下を隔てたキッチンからは弥生の声がした。
それに返事をしたのは、ゆかりだった。二人で昼食を作っているらしい。
部屋の隅に立つ真鍮製の帽子掛けに、猫がリボンでつながれていた。
誰も彼に気づかなかった。彼も誰にも声をかけず、二階へ上がり、乳母室のドアを開けた。

カーテンを閉じているとはいえ、日の当たる部屋の中は充分な明るさがあった。
天幕の襞をかき分けて覗き込む。湿り気をおびたシーツの上には、早苗と自分の髪、そして彼女の匂い。
シーツを剥いで小さく畳み、持って来た紙袋から書類を出して空にすると、
一番下にシーツを入れて、もう一度上から厚い紙の束を詰め直した。

窓から差し込む日の光にカーテンを開けると、下に早苗がいた。
飛び石のひとつに乗り、次をどうしようかというふうに、小首をかしげて前方の石を見ている。
石の上で後ろににじり下がってから、思いきったように大きく飛んで、次の石に着地した。
足元がぐらつき、ぐるぐるっと両腕を回してバランスを取っている。
右に揺れ、左に揺れ、お尻を突き出して、片足を大きく振り上げた。
必死に堪えるやじろべえの姿に、思わず笑いを誘われて、三杉は自分の口を手で塞いだ。
しかし早苗は落ちなかった。
彼女が右手で小さく作ったガッツポーツに、とうとう指の間から息が漏れた。

レモンイエローの、袖のないワンピースで次第に楽しそうに、次々と石を攻略して行く。
日射しは早苗のサンダルを、目の痛くなるほど白くして、小さな黒髪の頭に光の輪を作った。
それは早苗を悩みのない、幸せな夏休みを送る少女のように見せた。
(次は、かなり距離があるぞ)
早苗は迷っているようだった。サンダルの厚い底を見て、それから石を睨んだ。

昨日の事がなければ今すぐ窓を開けて、笑いながら言っただろう。
「飛べるよ」と。
悩みのない、幸せな夏休みを送る少年のように。
そうして早苗はきっと驚いて声のする方を振仰ぎ、微笑み返しただろう。

早苗が飛んでしまうまでの数秒、自分の行為が握りつぶした、そんな場面を思い描いた。
三杉が予想したより遥かに上手く、早苗が飛び移ったのを見届けて、カーテンを閉めた。
彼女はこちらを見上げるだろうという予感がした。
カーテンを閉じられた部屋の中は、視界を奪うほど暗くなってから再び薄い闇で満ちた。

ホールに戻り、美子と本の話をしている所に、弥生が声をかけた。
「淳。今、起こしに行こうと思ってたの。サンドイッチと昨日のスープ、食べられる?」
「ああ。これだけ外の焼却炉で処分してくる」
そう言って、紙袋を持った腕を少し上げた。
「なにそれ?」
「昨日使った書類だよ。もういらないから」



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