【許嫁】和風美少女でエロパロ【家元】at EROPARO
【許嫁】和風美少女でエロパロ【家元】 - 暇つぶし2ch550: ◆NAIADJsoTc
07/03/22 16:41:05 i69byR6S
>>547
別にいいんじゃね?武道系となれば選択肢が限られるのはしょうがないよ。
俺も弓道かなぎなたで迷ったが、それなりに動きが有って栄えるのはなぎなただろうし。
#剣道は面を着けると顔見えないからね。

でも俺の場合武道系をやってるシーンはさっぱり無いわけで。
むしろ鍛えた肉体をえちぃに活用するばかり・・・・・・


551:名無しさん@ピンキー
07/03/22 20:52:40 Sl/U9TqY
>>547
変化球だが鉄扇術や杖術なんかはどうだろーか。
前者は優雅だし、後者なら杖術最大の利点である“自由自在な間合い”というパワーに頼らないテクニカルな武術として出せる。


552:名無しさん@ピンキー
07/03/22 21:02:40 GMSn9h/h
そこで、どこかの黄金聖闘士のように、花で戦う華道娘・・・ごめんなさい

553:名無しさん@ピンキー
07/03/22 23:21:27 VR2QvthB
残念ながらなぎなたも面を付けちゃったりしてる件
URLリンク(naginata.jp)

刀使いなら、現代剣道じゃなくて剣術とかならどうかな?
防具をつけるようになったのは北辰一刀流とかが乱捕り稽古を積極的に始めたからで、
それより古いヤツは型中心だったとか聞いた記憶が…

変化球系なら十手術とか手裏剣術とか…
あとは華道家の娘さんが剣山使ってヒールレスラーっぽく…ごめんなさい

554:名無しさん@ピンキー
07/03/22 23:26:01 9jVjaq3I
SSなんだから面を付けない長刀で良いじゃないですか
漫画じゃないんだから気にならないよ

555:名無しさん@ピンキー
07/03/22 23:37:34 9nHI0JrG
「旋風の橘」みたいなレベルにならなきゃ問題は無いと思うぜ。

556: ◆NAIADJsoTc
07/03/23 00:24:53 U8N5a5He
>>553
そうなんだよな。調べたらなぎなたもしっかり面を着けるんだよな。忘れてた。
まぁ、型の練習とかだと着けなかったりするんだろうから、シーンを限定すれば・・・

>>554の言うことがやはり正論(というと変かな)だと思うっす。



557:名無しさん@ピンキー
07/03/23 00:41:03 tbTtykHt
>>556
なんで面にこだわるの?
面を取ったら手ぬぐいで髪をまとめた凛々しい顔の女の子が出てくるとかじゃダメなの?

558:名無しさん@ピンキー
07/03/23 00:47:18 bXRm8d2o
天上天下は胴衣、鉢巻に防具なしで木刀振り回してるのを思い出した

559:名無しさん@ピンキー
07/03/23 00:50:56 AMgNRGWR
>>557
面を着けてると、ネプチューンマンとビッグ・ザ・武道に標的にされるんだよ、マスク狩りの。

560:名無しさん@ピンキー
07/03/23 00:52:34 nTBfbbQU
そこで、鋏でライバルの着物を華麗に切り裂く、武闘活花の使い手のお嬢様がだな・・・ごめんなさい

561: ◆NAIADJsoTc
07/03/23 01:32:43 U8N5a5He
>>557
ん~、なんとなく(笑)。顔が見える方がいいな、って。
確かに面を外し、まとめた髪を首を振ってふわり、と広げるシーンなんかいいとは思うんだけどね。



562:名無しさん@ピンキー
07/03/23 01:37:09 A8JFtFZh
>>560
らんま1/2に出てきそうな流派だw

563:名無しさん@ピンキー
07/03/23 11:59:48 3gyBK59R
>>562
格闘茶道は実際出てきたしなw

564:名無しさん@ピンキー
07/03/23 18:07:31 kB5kvHSZ
ライバルの穴という穴に花を生けるのか

565:名無しさん@ピンキー
07/03/23 22:58:59 A8JFtFZh
普通に想像したらエロイ筈なのに何故か『剛田一輪挿し』を想像してしまった俺は負け犬orz

566: ◆.4eBOh6z2E
07/03/24 01:18:02 4j2jRGtK
武闘活花は17世紀前半の吉原で遊郭客の始めた卑猥な遊びを起源としている。
女二人にくんずほぐれずの戦いをさせて、しかも女性器、ないし肛門を花器に見立て、
そこに花を突き刺させて終局という卑猥極まりないものであった。

しかし、この遊びで鍛えられた遊女達は、次第にその技を遊郭客に対して振るい始める。
暴力を振るう客や無理やり関係を迫る客に対する、遊女達の防衛手段となったのである。
床の中でもみ合いながらも、一瞬の隙を突いて男の肛門に花を活ける。
どんな大男も「アーッ」という断末魔を残し、倒れていったという。

やがて、これらの技は民間の女性の間にも貞操を守る手段として普及し、
上流階級の女性達の嗜みとなるに至って、既存の華道と融合して芸術レベルにまで昇華される。

門人はすべて女性であり、稽古も女性同士で行われるのが慣例である。
現代では、実戦的訓練よりも形稽古を重視する形式化が進み、往年の格闘技としての激しさは失われている。

「民明書房刊『武闘活花の歴史』より」

567:名無しさん@ピンキー
07/03/24 01:22:04 UY7sIMau
>>566
駄洒落も入れとけ


568:名無しさん@ピンキー
07/03/24 01:26:51 7fncNEsM
うぜぇ

569: ◆.4eBOh6z2E
07/03/24 02:27:05 4j2jRGtK
『武闘活花』

二人の少女が、畳の上で向かい合って正座をし、礼をする。
二人は振袖姿であるが、その素材は紙で出来ている。稽古用の振袖は紙で作るのが慣例である。
一人は古流将闘会(こりゅうしょうとうかい)の家元の令嬢である桃子。
一人は同流派の門人で、学校でも桃子の後輩である桜子。
「桃子お姉様、今日は稽古をつけてくださり、ありがとうございますっ」
「いやだわ、桜子。わたくしもまだまだ修行中の身。家元の娘といっても、師範ではないのよ」
やや緊張し、頬を少し紅潮させている桜子を、桃子はやさしく嗜める。
「ですから、これは対等な立場でのお稽古よ。わたくしも勉強させてもらいます。
 今日は桜子が仕花をおやりなさい。わたくしが打花をやりましょう」
剣道形でいうところの、打太刀、仕太刀に相当するのが、打花、仕花である。
「えっ、私が仕花をっ? そんなっ、私なんかが桃子お姉様の花器に・・・」
顔を真っ赤に染める桜子。
「何事も経験ですよ。さあ、はじめましょう」
「はっ、はい! がんばりますっ」
二人はあらためて礼をすると、立ち膝になって鋏を構える。立ち膝が武闘活花の基本的な構えである。
「やぁ!」
打花の桃子が鋏を繰り出すと、桜子はさっと身を引いて避ける。
桃子の鋏は桜この振袖の袖をじょきじょきと斬り落す。
「とぉっ!」
仕花の桜子が、桃子の帯に鋏を入れる。紙製の帯は簡単に切り裂かれ、
桃子の着物の前がはだけてしまう。すぐには大事なところが顕わにならないが、
少し激しく動けば乳房や湯文字は見えてしまうことだろう。
そこで二人は一度離れる。
桃子はそのまま鋏を持っており、桜子は鋏を香合のような小さな器に持ち替える。
桜子が蓋を開けると中には膏薬が入っている。
再び正対する桃子と桜子。
「やぁっ!」
打花の桃子が鋏を繰り出し、その拍子にかわいい乳房が顕わになる。
鋏は今度こそは桃子の帯を切り落とす。桃子の着物も前がはだけてしまう。
「とおっ!」
仕花の桃子は片手で、その桜子の腕を掴んで引き寄せると、
残った手で膏薬をたっぷり桜子の花器に塗りつけた。
武闘活花ではショーツは着用禁止で、湯文字を下着としている。
故に着物の前がはだけてしまうと、下から潜り込ませるようにして
花器に直接触ることができるのである。
「ひゃっ、ああああんっ!!」
桃子が甲高い嬌声をあげる。桜子の使った膏薬は「姫の宝」という媚薬である。
花器に直接塗りつけても、口に含ませても強い作用を及ぼすもので、
花を活ける前段階として、武闘活花ではどこの流派でも様々な媚薬を使っている。
二人はここでまた、距離をとる。

570: ◆.4eBOh6z2E
07/03/24 02:27:42 4j2jRGtK
桃子は鋏を媚薬の器に持ち替え、桜子は切花を手にとる。
「はぁ・・・ぁぁ・・・ふぅ・・・はぁ・・・」
花器に媚薬を塗られた桃子は、白い肌をほんのりと桃色にそめて、呼吸が乱れている。
ぽたぽたと花器から蜜から零れ落ちている。
(「少し媚薬の量が多すぎたかな?」)
桜子のほうが不安になるが、桃子が前にでるので桜子もそれに倣い、正対位置へ戻る。
「やぁっ!」
打花の桃子が媚薬を桜子の花器に塗りこむ。
「きゃふぅぅっ!」
突き上げてくる快感に桜子も声をあげてしまう。
しかし、仕花はそこでやられたままで終わるわけにはいかない。
脚をさっと伸ばし、相手の膝を刈って押し倒さなければならないのだ。
しかし、脚を広げると先に塗られた媚薬が空気に触れてスースーする。
桜子は自分の花器から蜜が零れ落ちるのを感じた。
「と、とおっ!」
それでも必死に耐えて、桃子を押し倒す桜子。
桃子を仰向けにして、桜子は桃子の顔の上にまたがって、花器を押し付ける。
激しい動きで二人の着物はどちらも前がはだけきってしまい、
二人の可憐な乳房はまる見えである。
「んん、はぁっ・・・ふぅ・・・」
「んんむっ・・・ぴちゃ・・・くちゅ・・・ちゅる」
「ひゃあんっ!」
桜子の花器を押し付けられた桃子は、その花器を舐め始める。
舐められる桜子は快感に身をよじらせる。
一方の桃子も桜子の花器に塗られた媚薬を口から摂取することになるため、
先に塗られた媚薬の効果も合わせて、花器を蜜の洪水状態にしてしまっている。
「お、お花・・・あひぃっ・・・い、いけ・・・させひゃあぁっ! させてもらいま・・・すうぅっ!」
桃子の愛撫に翻弄されながらも、桜子はそう宣言して切花を用意する。
「・・・んんっ・・・んふあっ・・・」
桜子が桃子の花器に花を活けると、桃子はびくんと体を震わせた。
しかし、桜子が顔にまたがって押さえているので桃子は逃げられない。
「・・・んふぅっ・・んんっ・・・むぅぅっ」
桜子が丁寧に花を活けるために桃子の体が大きく跳ねる。
やがて、桃子の花器に色とりどりの花が飾られたのである。
少女の蜜を吸った花々は心なしかみずみずしく見えるのであった。

<終り>

571:名無しさん@ピンキー
07/03/24 02:53:44 DrIvWE/L
GJ!
相変わらずなマニアックなエロに感服

572: ◆NAIADJsoTc
07/03/24 09:48:28 OlLrtFCi
ちょwww、Nice Work!
堪能させて頂きました。

直接的表現よりエロく感じるのは何故だろうw


573: ◆NAIADJsoTc
07/03/29 23:27:57 +O+diFp8
さて、と。前回からだいぶ間が空いたようで。
一応、続きあるならキボン、ということだったので投下・・・の前に、
前回つけ忘れたエピローグ部分を投下。

エロ無し。単に二人の関係が両家でどのように扱われているかを示しておかないと
後の話が見えなくなるんで。
ま、ここはサラッと目を通すだけでよろしいかと。


574: ◆NAIADJsoTc
07/03/29 23:29:46 +O+diFp8
~エピローグ~

 7月の月末が近づきつつ有る週末。傭司は緊張の余りガキガキに固まっていた。
「大丈夫よ。そんなに緊張しなくたって」
「だ、だがなぁ・・・」
 にこやかな紫穂に、半ば引きつったような顔で答える傭司。それはそうだ。何せ紫穂は一人娘。傍流とはいえ、
それなりに良い血筋の家である。
 その一人娘が、全然どうでもいいような家系の、とりたてて凄くもない男に文字通り身も心も捧げ尽くしているのだ。
下手すればその場でナマスに刻まれたり、ヘッドオンでミサイルをブチ込まれてもおかしくない。
 だが、ここは二人の未来のために乗り越えなくてはならない試練でもある。
 ままよとばかりに気合いを入れて顔を上げた傭司を、紫穂は頼もしそうに眺めていた。
    ・
    ・
    ・


575: ◆NAIADJsoTc
07/03/29 23:30:47 +O+diFp8
「はぁぁ~。どうなることかと思った・・・というかまさに予想外というか」
「ごめんなさい。私もあんなに舞い上がるとは思わなかったわ・・・」
 結論から言えば、予想外。あっさりと二人の関係は認められた。いや、認めらたどころではなかった。
 ウチの娘が彼氏を連れてきた、ということで興味津々の目で眺められた挙げ句、あれやこれやの質問攻め。趣味
から好きな食い物に馴れ初めまで。流石に告白より先にやっちゃいました、とは言えなかったわけだが。
「将来、どうするのか?」
 という父親の質問に、
「彼女と、紫穂さんを生涯の伴侶にしたいと思っております」
 などと、傭司が(半ば)ヤケ気味に大見得切ったのが良くなかった。もちろん、それは傭司の一点の偽りもない
本音でもあるのだが。
 両親はその一言にいたく感激してしまった。肝心の二人を置き去りにして「結納」とか「式の日取り」とか、勝手に
盛り上がり始め、終いには「孫の顔が」とか笑顔で嬉しそうに語るため、当人同士が逆に参ってしまう有様。
 血の雨を半ば覚悟していた傭司は拍子抜けどころか「違う意味で」顔を引きつらせ、紫穂は紫穂で、両親の想定外の
反応に内心頭を抱えてしまったのだった。


576: ◆NAIADJsoTc
07/03/29 23:31:47 +O+diFp8
「でも、いいご両親じゃないの」
 自分が認められた事は素直に嬉しかった。少しだけ、ズレてる気はしたが。
「はい!」
 にこり、と紫穂が微笑む。
「そういえばさ、お祖母様って・・・」
「いつもは別の所で一人暮らしされてるんです。でも、今日は、その、特別だから・・・」
「そか・・・」
 離れの戸をノックすると、中から返事が返ってくる。
 紫穂がそっ、と戸を開ける。
「お祖母様」
 紫穂が声を掛けると、部屋の中央の少し大きめの籐椅子に腰掛けていた老婦人がこちらを向いた。老いてこそ
いるものの、紫穂によく似ていた。紫穂が年とったらこんな風になるのかな、と傭司は思った。
「おや、紫穂。もういいのかい?」
「はい。無事に・・・」
「そう、良かったわね・・・あら、そちらの彼が?」
「は、はい・・・」
 ポッと頬を赤らめて俯く紫穂。かわいい、と傭司は思った。
「そう・・・さぁ、先ずはお入りなさいな」
 促されて部屋に入り、向いの椅子に座る。
「はじめまして、緒方傭司です」
「酒井操(みさお)でございます」
 そう自己紹介すると、深々とお辞儀をする。釣られて傭司も頭を下げる。
 二人の馴れ初めから始まる、当たり障りのない会話。
 しばらくそれが続いたところで、操が急に紫穂に言う。
「紫穂、お茶を煎れてきてくれない?」
「はい」
 紫穂が部屋を出て行く。残った二人。微妙な緊張感が走る。
 操に真剣な表情で見つめられ、傭司は視線を泳がせそうになるが、堪え、見返す。
 また幾ばくかの沈黙。操の表情がフッ、と緩む。
「本当に、あの娘ときたら・・・」
 少しおかしそうに笑う操。
「・・・は?」
「あの娘が高校に上がってしばらくした辺りから、なんだか様子がおかしくてね。ああ、これは恋をしてるのね、
ってわかったのよ。でもね、なんだかこう、うじうじとしていて・・・本当にその人のことが好きなのに、でも
それを言い出せずにいたこともね。常に一緒に暮らしているわけじゃないけど、顔を見るたびにその想いがどんどん
深まっていて・・・でも何も出来ない自分がもどかしくているってわかったのよ」
 傭司は紫穂に告白された日のことを思い出しつつも、黙って聞いている。

577: ◆NAIADJsoTc
07/03/29 23:32:40 +O+diFp8
「もちろん、私が手を貸してあげてもよかったのだけれど・・・あの娘の事です、そんなことをしたら怒りこそ
すれ、喜びはしなかったでしょう・・・」
 その言葉に傭司は軽く頷く。紫穂はおっとりしてるようでも結構プライドは高いのだ。
「でも・・・紫穂ったら。うまくやったわねぇ・・・・・・。今までの事が嘘のよう。貴方に愛されているという
自信と安らぎで、あの娘はずっと強くなりました・・・」
 遠い目をしている操。そこでフッと表情を崩した。
「それに、とても女らしくなりましたし」
 少し意地の悪そうな目で見られ、傭司は焦る。明らかに二人の関係はバレている。少なくとも相手は紫穂が『女』に
なったことを見抜くほど。容易ならざる相手だ、と傭司は感じた。
 だが、その意地の悪い目をしていた操が急に真面目な顔をして傭司を見る。
「緒方さ・・・いえ、傭司さん」
「はっ・・・」
「紫穂を、頼みます。あの娘は強い、いい娘です。ですが、ですがそうであるからこそ危うい所も抱えています。
どうか、あの娘を守ってやってください・・・添い遂げて支えてやってください・・・」
 真剣な表情でそういうと深々と頭を下げる。
 傭司も姿勢を正し、表情を引き締める。
「はい・・・誓って、必ず。最後まで、添い遂げてみせます」
 腹に力を入れ、大きくはないが良く通る声でそう宣言する。と、
「・・・ふぇ?」
 その間の抜けた声に傭司はゆっくり首を回す。そして、固まった。
 入り口に紫穂が立っていた。今の傭司の台詞を全部聞かれたことは明白だった。
 喜びと恥じらいと感激と幸福と。目を潤ませ、顔を真っ赤に染めて突っ立っていた。
「おっ、お茶、お茶を・・・お持ちしました・・・のです」
 給仕する手が震え、口調までおかしくなっている。
「ほ、ほ、ほ。紫穂や、良い旦那様ですね?」
 いたずらっぽい、愉快そうな笑い。紫穂は恥じらい、お盆で顔を隠してしまう
 紫穂が戻って来るタイミングを見計らっていたことは明白だった。文字通り「計られた」傭司だが、不思議と腹は
立たなかった。見事にしてやられたことにむしろ感心してしまっていた。
 更に、「ひ孫の顔は何時見せてくれるのかしら?」などと聞かれ、紫穂は真っ赤な顔を更に赤くしながら傭司の影に
隠れてしまうのだった。
 こうして、二人の仲は祝福と共に認められることになった。

578: ◆NAIADJsoTc
07/03/29 23:35:44 +O+diFp8
 ちなみに、緒方家の反応はというと、
「了承」
 と母親が言い出せば、
「無問題」
 と父親。
「速っ!それしか言うことねーのかよ!」
「・・・わかりやすくていいんじゃないんでしょうか・・・」

 まぁ、何はともあれ、二人の仲は両家公認のもとのなった。ただし、二人にとって以外なのは本人達以上に両親
同士の交流が活発化したことだった。もちろん、二人はその恩恵に色々と与るのだが、それはまた別のお話。


-------------------------------------------------------------------------------------------------
以上、ここまで。

本隊は後ほど。またしても長いので二部制で投下予定。

その前にだな、風呂入ってくるわw



579: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:44:55 tAuFsyJ2
俺達は俺達の仕事を片付けるまでだ

というわけで前回の続き、というよりは時系列的に後の話となります。
愛し合う二人の、二人きりの休日、というところで一つ。



580: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:45:46 tAuFsyJ2
それは9月のある日の事・・・

 その日、傭司が目を覚ました時、時計の針は9時をとうに過ぎるどころか、10時に近かった。
 今日は土曜日。しかも休日。惰眠を貪るには最適というほかない。もちろん、昨夜は新たに手に入れた本が面白く、
随分と遅くまで読み耽っていたのも事実なのだが。
 意味不明な唸りと共にのっそりと起きあがった傭司はある「違和感」に気付いた。それはある事を予感させた。
 階下に降りた時、予感は確信に変わった。人の気配が無い。いつもなら両親は起き出している時間である。
TVの音やら何やら、なにがしかの音がする筈。それがない。ひっそりと静まりかえっている。
「畜生・・・またかよ」
 
『息子へ
 紫穂さんのご両親と温泉一泊旅行に行ってくる。帰りは明日の夜の予定。
 留守は任せた。
        父より』

 さらにその下に母の字で

『傭司へ
 そういうことですので、お留守番よろしくね。ご飯は食費置いてくのでそれで
 食べてください。
        母より』

「これだよこれだよ。これだからうちの両親は」
 呆れた声を出す傭司。以前からそういうことは有った。温泉巡りが趣味という「(傭司曰く)ジジ臭い」趣味の
有る両親は、時折こうやって家を空けるのだ。まぁせいぜい2,3日の話だから可愛いものでは有るのだが。
 ふと、書き置きに続きがあるのに気付いた。それは父の字だった。

『追伸:紫穂さんと仲良くやれよ』

「・・・・・・余計なお世話だバカヤロー」
 と、電話が鳴った。


581: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:46:35 tAuFsyJ2
「もしもし」
『あ・・・傭司、くん?』
「紫穂か?」
『うん・・・あの・・・・・・』
「ごめん。ウチの両親が迷惑かけてる・・・」
『それは別にいいけど・・・・・・』
 二人の間に沈黙が流れる。
「あのさ・・・・・・」
『何?』
「良かったら、ウチ、来ない・・・?」
『・・・・・・いいの?』
「いいもなにも・・・ここは、紫穂の家でもあるんだし。なんなら泊まっていっても・・・」
 と、そこまで言ってから自分が恥ずかしいことを言っていることに気付いた傭司は真っ赤になってしまった。
電話の向こうの紫穂も沈黙している。恐らく、今の自分と同じだろうな、と傭司は思った。
『・・・それじゃ、お言葉に甘えて・・・』
「ああ、待ってる」
『今から準備してだから、お昼頃になると思うの。お昼、作ってあげるね』
「嬉しいな。待ってるから」
『うん、それじゃ後でね』
 そこで電話は切れた。
 とたんに気分が浮き立ってくる。土日の二連休。邪魔な両親は両家共に不在。紫穂と二人きり。そう思うと居ても
立っても居られなくなる。
 傭司はいそいそと着替えと洗顔を済ませると、家内の掃除をはじめた。


582: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:47:26 tAuFsyJ2
 11時を幾らか回った頃、玄関のチャイムが鳴った。
「はいは~い♪」
 父が見たら「アホか」と言いそうな程浮き立った声で傭司が玄関を開ける。
「こんにちは」
 そこにはにこやかな顔の紫穂が立っていた。シンプルなデザインのブラウスにプリーツのスカート。派手さは
ない代わりに紫穂の美しさ、かわいらしさを十分に引き立てている。
 肩から大きめのバッグを提げ、更にスーパーのビニール袋をぶら提げているのがミスマッチだった。
「随分と重装備だねぇ」
「だって、泊まっていけ、って言うから・・・」
 ポッと頬を染めて俯く紫穂。ああ、そういやそんなこと言ったな、とか思いつつも
「あー、その、なんだ。とにかく、入って」
「はい・・・お邪魔します」
 ペコリ、とお辞儀してから玄関に入ってくる紫穂。靴を脱ぐときもキチンと揃えている。彼女の何気ない動きが
育ちの良さを感じさせた。
「いや、ほんと悪いね。ウチの両親が」
「そんなことないよ。お父様もお母様も余り旅行とかには行った事がないから・・・。特に、誰かに誘ってもらって
っていうのがあんまり無いから・・・」
「そうなんだ・・・」
 あの『放蕩両親』も少しは人の役に立っているのか。ならばまぁ良しとしようか。


583: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:48:21 tAuFsyJ2
「あっ、そうだいけない。お祖母様に連絡しておかないと」
 そう言って慌てて携帯を取り出す紫穂。
「そりゃまた何故に?」
「だって・・・電話頂いたのに不在じゃ・・・でしょ?」
「なるほど。で、なぜに電話じゃなくてメール?」
 紫穂が流麗ではないが、滑らかな動作で文字を入力している。
「ええ。お祖母様も最近になって携帯を買われたんですって。メールなんかは普通にやりとりできるようになったん
ですよ」
 嬉しそうな紫穂。傭司は、あの年でメールを使いこなす方が凄いよな、などと思ってしまったのだが。
 送信から数分後。軽やかな着信音が鳴り響く。返信が来たようだ。携帯を開いて内容を確かめていた紫穂の表情が
赤らむ。
「やだ・・・お祖母様ったら・・・」
「え、何が?」
 思わずのぞき込む傭司。
「あっ・・・ダメです」
 パッと携帯を隠す紫穂。余程見られたく無い何かが有るらしい。
 と、再び着信音。文面を確認した紫穂の顔がさっきとは比較にならないくらい真っ赤になる。
「な、何・・・?」
 突然の変化に戸惑う傭司に紫穂が携帯をスッと見せる。そこにはこう書かれていた。

『傭司さんへ
 紫穂のことをよろしくお願いします。
 たんと、可愛がってやってくださいね』

「よっ・・・読まれてる。読まれてるよ・・・orz」
 相手は百戦錬磨の元お嬢様。紫穂の恋を最初に見抜いたのは彼女。紫穂が女になったことを見抜いたのも彼女。
そして、熱愛真っ盛りなこの二人が日がな一日、しかも二人きりで過ごしていたら何をはじめるか位お見通し、
ということだった。

584: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:49:15 tAuFsyJ2
「あっ、あの・・・そろそろお昼にしない?」
 色んな意味でぐったりモードの傭司に、務めて明るい声で紫穂が声をかける。
「あ・・・あぁ、そうだね。いい頃合いだ」
 今のことは忘れたとばかに笑顔をこさえる傭司。
「どこか、お部屋を借りて良いかしら?着替えするから」
「着替え?そのままじゃダメなの?」
「えっ?ああ、ええと・・・ちょっと、ね」
「・・・・・・じゃぁ、こっちで」
 そう言って案内する。
「はい、ここ。オフクロが使ってる部屋だから。そこら辺のに触らなければ、鏡台とかも使って大丈夫だから」
「ありがとう。じゃ、待ってて」
「あいよ。茶の間で待ってる」
「傭司くん?」
「何?」
「覗いちゃダメだよ?」
「しねぇよ、そんなこと(笑)」
 そういう手も有ったか、と今更のように思いながら茶の間に戻り、どっかりと腰を下ろす。

 数分後。パタパタという足音が聞こえた。どうやら済んだらしい。
「お待たせしました」
「おー、案外時間かかったね~・・・」
 と、振り向いて傭司は固まった。目をしばたく。そこに見えた光景は意外、を通り越していた。
 入り口の障子戸のところにきちんと正座している紫穂。紺色の-違うな、藍色だ、と思い直した-和服に身を包み、
腰の位置に小豆色した帯を締めた紫穂が座っていた。
 いつもは自然に垂らしている髪も、赤い紐?のようなものをクルクルと巻き付け、先の方で結っている。
「どうしたの?」
 唖然とした表情で固まっている傭司に紫穂が不思議そうな顔をする。
「えっ・・・ああ・・・ごめん。つい、見とれてた」
「やだ・・・傭司くんたら」
 もじもじと照れる紫穂。
「ごめん。紫穂の着物姿なんて、初めて見たから・・・」
「着物・・・ん、ちょっと違うかしら。これはね、『紬』っていうのよ」
「紬?」
「同じ着物だけど、あれとはちょっと違う物、という感じかしら」
「そうなんだ・・・・・・・・・似合ってる。とっても」
「なっ!・・・・・・でもそう言われると嬉しいです・・・」
 ますます頬を染め、下を向いてしまった紫穂。誉められたことが余程嬉しかったらしい。
「あっ・・・そ、それじゃお昼、作ってくるね」
 はっとした紫穂が取り繕うように言う。
「わかった。ちなみに予定は?」
「ん・・・昨日、親戚からお蕎麦をもらったんだけど、量が多すぎて。残りそうだからそれ持ってきたの。それでも
いい?」
「あぁいいよ。俺、蕎麦好きだし」
「そっか。良かった。ね、お台所は?」
「ああ、そうだった。案内するよ」
「あ・・・待って」
 腰を上げかけた傭司を紫穂が制止する。
「な、何?」
 紫穂が居住まいを正す。そして大真面目な顔になって、こう言った。
「不束者ですが、よろしくお願いいたします・・・」
 深々を頭を下げる。そして、少しいたずらっぽい笑みを浮かべてこう付け加えた。
「あなた」

585: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:50:10 tAuFsyJ2
 その台詞に吹きそうになる傭司。確かに、自分達は結婚を前提-というよりハナっからそのつもりなのだが-に
交際しているし、互いの両親もそれを許している。とはいえ自分達がまだ学生の身であることもわかっている二人は
その辺りは実にキッチリと線引きをしていた。
 とはいえ、折角二人きりなのだ。少しくらいお遊びがあっても良い筈。そう思い直した傭司は自分も居住まいを
ただし、こう切り返した。
「いやいや、こちらこそ・・・」
 と頭を下げる。プッ、と紫穂が吹き出した。傭司も釣られて笑う。二人でおかしそうに笑い合う。
「さ、はじめますから、お台所に案内して」
 紫穂が笑いを収めながら言う。
「よしきた」
 紫穂を台所に案内した傭司は、一通り何処に何があるのかを説明した。場所を把握した紫穂が、クルリ、と向き直る。
「では、これより取りかかりますので」
「うん」
「それじゃ、傭司くんは待っててね」
「いやいや、ここは俺も」
「駄目」
「え゛」
「『男子厨房に入るべからず』です。ここは私に任せて、傭司くんはど~んと構えて待っていて」
 と、言いながら傭司を廊下に押し出す紫穂。
「あ・・・はい」
 等と間抜けた返事をしながら傭司は引き返す。
 自分の家なのに、そこに入れないのは何だか不条理だな、等と思いつつも、紫穂が張り切っている姿に思わず
にやけてしまうのもまた事実だった。


586: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:51:00 tAuFsyJ2
 それから15分程して・・・
「お待たせしました」
 笊の上に盛った蕎麦とタレを入れた器をお盆に乗せ、紫穂が現れた。それらを手際よく、丁寧にテーブルに
並べていく紫穂。
 藍色の紬の上にエプロンではなく割烹着を羽織った姿は、傭司の目には新鮮に映った。口元がにやけている。
「・・・・・・どうか、したの?」
「いやいや、別に」
 納得が行かなさそうな顔をするが、気を取り直したように傭司の向いに陣取る紫穂。
「さ、どうぞ」
「では、頂きます」
 一口すする傭司。
「ん・・・うまい・・・」
「そうですか?お口に合ってよかった」
「うん、硬すぎないし柔らかすぎなくて丁度いいよ。蕎麦自体もいい感じ。それに、このタレも」
「あら、タレはお台所のを使ったんですけど?」
「うーん。全然いい。いつものより全然いい」
 唸りながらも蕎麦をすする傭司を微笑ましそうに眺めている紫穂。
「ん?食べないの」
「私が、傭司くんより先に食べるわけにはいかないでしょ?」
「そんなこと無いと思うけどなぁ・・・まぁいいや。早く食べよう」
「はい、それでは頂きます」
 手を合わせてから食べ始める紫穂。ちゅるちゅると控えめな音と共に少しずつ。そういう姿を見ると、ああ、
女の子なのだな、と傭司は実感する。自分が守らねばならぬのだ、と。
 部屋の中に蕎麦をすする音だけが響く。傍目に見ればなんとなくシュールさ漂う光景ではあるが、二人にして
みれば、十分に満たされた時間だった。

587: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:51:46 tAuFsyJ2
「あ゛~喰った喰ったぁ~」
「はい、お粗末さまでした」
 腹が膨れ満足そうな傭司に紫穂が微笑みながらお茶を出す。
「ありがとさん・・・ん・・・これ、ウチのだよね?」
「はい、そうですが?」
「全然味が違うんですけど」
「・・・?そうですか?私はいつも自宅でする通りに煎れてますが・・・」
「そかー。紫穂はお茶を煎れるのも上手なのかー」
「まぁ。お上手ですこと。何も出ませんことよ?」
 妙に感心する傭司に紫穂が照れながらおどけてみせる。

 それから、二人は特に何をするわけでもなく時間を過ごす。TVを見たり、茶を飲みながら語らったり。二人きりで
あることを味わう。


588: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:52:30 tAuFsyJ2
 日が少し傾きかけてきた。紫穂がスッ、と立ち上がる。
「そろそろ、お夕飯の支度をしますね」
「材料は足りそうなの?」
 口に指を当てて、考え込んだ紫穂が答える。
「そうですね、今日はいいとしても明日の朝の分が・・・ちょっと、待っててください」
 パタパタと台所の方に行った紫穂だが、2分程して戻ってきた。
「すみません。これを買ってきて頂けますか?」
 傭司にメモを渡す。ざっと眺めた傭司は
「オッケー。これ買ってくればいいわけね」
「お願いします」
 自室に財布を取りに戻り、そのまま玄関に向かう傭司。紫穂が見送りに出てきた。
「それじゃ、行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい」
 玄関を開けようとした傭司がクルリ、と振り返った。
「紫穂」
 と、手招きする。
「はい、なんでしょう?」
 近づいてきた紫穂に傭司はチュッ、とキスの不意打ちを食らわす。
「じゃ、あらためて行ってきます」
「もう・・・行ってらっしゃい」
 バタン、と扉が閉まった。紫穂はその場に突っ立ったまま、指で唇をなぞる。
「キス、してもらっちゃった・・・」
 相好を崩す紫穂。キスなど今まで何度と無くしてきた。だが、今の光景はまるで新婚夫婦そのもののような光景
だった。出かける旦那様を見送る若奥様。行ってきます、のキス。
 ベタと言えばベタ過ぎる光景だが、やはりなんだか気分が浮き立つ。紫穂はウキウキとした足取りで台所に戻った。


589: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:53:20 tAuFsyJ2
 近所のスーパーにたどり着いた傭司は絶句した。土曜日、夕飯支度前とくれば混雑は必至。しかも今日はデカイ
チラシが入ってきた。既に店内は大混戦だった。そこここでオバハン達が争奪戦を繰り広げている。
「よし・・・」
 ゴクリ、とツバを飲み込む。
「花火の中に突っ込むぞ!」
 誰に向かってでもなくそう言うと、傭司は店内に飛び込んだ。

 20分後・・・
「ただいま・・・」
 傭司が帰ってきた。パタパタと足音を響かせながら紫穂が現れた。
「おかえりなさい。ご苦労さま」
「なかなかご苦労だった・・・はい、これ頼まれ物ね」
 その声に苦労が滲んでいる。ちょっと所ではなく苦労した傭司だった。危うくオバハン軍団に(文字通り)揉み
潰される所だったのだ。
「そっか・・・ちょうど、混雑する時間だよね」
「チラシが入ってきたから。今日は」
「あー・・・・・・そうね。チラシが入った日の混雑は・・・」
 紫穂が苦笑する。
「え、何?この時間のあそこに行ったりするの?」
「そりゃ、私だってお買い物くらい行くわ」
「そうかー。紫穂があそこでねぇ・・・」
 傭司にはにわかに想像できなかった。あの大混雑の中を紫穂が買い物している姿を。
 いやいや、そうでもないぞ?紫穂のことだ、案外うまく立ち回るかもしれない。群がるオバハン共をひらりひらり
とかわしながら買い物していく・・・
「・・・違和感有りまくりだな・・・」
「えっ?何ですか?」
 紫穂が振り向く。思わず声に出してしまっていたらしい。
「っ・・・いや、なんでもない」
「??」
 不思議がる紫穂だが、それ以上詮索しようとはしなかった。
「それでは、今から支度するので、待っていてくださいね」
 買い物袋を受け取った紫穂はそう言って台所に消えていった。手持ち無沙汰の傭司だが、紫穂の言いつけには逆らえない。
「仕方ないな・・・」
 自分の部屋に行って読みかけの小説を持ってくるとページを開く。

590: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:54:09 tAuFsyJ2
 随分と読み進んだ頃になって
「お待たせしました」
 お盆を抱えた紫穂が入ってきた。その上に乗る色とりどりの料理。慣れた手つきでそれを並べていく。
 テーブルを飾る料理の数々。いい香りが立ち上り、食欲を刺激する。
「凄いな・・・これ、全部?」
「はい」
 ニッコリと微笑む紫穂。その笑顔は『このくらいできなくては女は務まりませんわ』というプライドを漂わせて
いた。
「よし・・・では、頂きます」
「その前に、はい、どうぞ」
 と、紫穂が差し出したのはグラスと・・・
「ビール?!」
「はい。と、いってもノンアルコールだけど」
「本物なら冷蔵庫に有ったのに」
「私たち、未成年でしょ?ダメです」
 メッという顔をする紫穂。
「わかってるよ。それじゃ、一杯頂きます」
「はい」
 グラスを受け取ると紫穂が酌をしてくれる。
「ん・・・・・・あー、やっぱビールは最高だな」
「え?飲んだことあるの?」
「無い(笑)親父も舐める程度くらいしかくれないし」
「それなのに?」
「ん・・・なんか、本能的に」
「いやぁねぇ(笑)」
 ハハハと声を揃えて笑う二人。傍目に見れば、まるっきり新婚夫婦だった。
「それじゃ飯の方を頂きますかね」
「はい、召し上がれ」
 傭司が一つ摘んで口に入れる。
「ぬお・・・旨い」
「お粗末さまです」
 ペコリ、と頭を下げる紫穂。やったやったと喜ばない辺りも紫穂らしいよなぁ、と傭司は思う。
 それから一時間ほどして、テーブルの上の皿はほとんど空になっていた。
「うう・・・食い過ぎたかな」
「もう・・・無理しなくてよかったのに」
「いや、だってホントにうまかったし」
「そう言って貰えると嬉しいけど。『腹も身のうち』っていうから、食べ過ぎないようにね」
「はい、承知しております」
 その答えに紫穂が笑いながらお茶を出す。紫穂は器を集め、お盆に乗せると後かたづけのために部屋を出て行った。
 残された傭司はTVを点け、それを眺める。暫くすると後かたづけを終えた紫穂もそこに加わった。


591: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:54:59 tAuFsyJ2
 時計の針が10時を半分くらい回った時、傭司は声を掛けた。
「紫穂、一緒にお風呂入ろう」
「え、一緒に・・・?」
 驚き、躊躇う素振りを見せた紫穂だが
「はい・・・いいですよ」
 ゆっくりと頷いた。
「じゃ、入ろう」
 二人は揃って脱衣所に入る。暗黙の了解のように背中合わせになりながら服を脱いでいく。しゅるしゅるという
衣擦れの音が気になるが、傭司は我慢する。
「傭司くん」
 呼ばれて振り向く。紫穂は少し恥ずかしそうに、体の前をタオルで隠している。いつもの黒髪は束ねられ、アップに
している。その脇に脱いだ物がきちんと畳まれていた。
「じゃ、入ろうか」
「はい」
 肩を抱くようにして浴室に入ると、傭司は蛇口を捻ってシャワーから湯を出し、湯船の蓋をどける。
「はい、傭司くん」
 紫穂がシャワーで傭司の体を流してくれる。
「ありがと、じゃ、お返し」
 今度は傭司が紫穂の体を流す。もちろん、いたずらは無し。
 紫穂が先に湯船に身を沈める。傭司が後に続いて身を沈めると、お湯が溢れだした。
「わ、一杯流れちゃった・・・」
「あー、すまん。重すぎて」
「ふふふ・・・」
 紫穂がおかしそうに笑う。それが傭司の気遣いだと知って嬉しかった。
 湯船の中で並ぶ二人。そんなに大きくないのでちょっと窮屈ではあるが、そんな事は気にもならなかった。
「いい湯加減・・・」
「そうかな。俺はもう少し熱い方が好きかな」
「そうね。でも二人でならこの位の方がいいわ・・・」
「そっか・・・そうだね」
 紫穂がもたれてくる。その肩を抱く傭司。その手が胸に這い降りようとする。
「・・・ダメ」
「いいじゃん、別に」
「今日は、ダメ。その代わり・・・」
 そこで言葉を切る紫穂。傭司の方を見る。その目が『ベッドでいっぱいね』と言っていることに気付いた傭司は頷く。
 二人は揃って湯船から出ると互いの背中を流し合う。もちろん、いたずらは無しで。


592: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:55:46 tAuFsyJ2
 再び湯船の中で体を温めてから風呂場を出る。
 体を拭き終えて振り向くと、タオルを巻いただけの紫穂が立っていた。髪は下ろしている。寝間着に着替えていないのは
この後のことに期待しているからなのかな、と傭司は思った。
「じゃ、部屋に行こうか」
 コクンと頷く紫穂。
「連れてってあげるね」
「え・・・きゃっ!」
 傭司にいきなり抱き上げられて紫穂が悲鳴を上げる。いわゆる、『お姫様抱っこ』状態だ。
「あん・・・こんな」
「嫌?」
「・・・そんなわけないでしょ・・・」
 ポッと頬を染めながら傭司の首にしがみつく紫穂。
 そのまま脱衣所を出て、階段を上がり、自分の部屋へと入る傭司。
 紫穂をそっとベッドに横たえると、自分もその脇に腰をおろす。不安げな紫穂の髪を撫でてやると安心した表情を
浮かべる。
 タオルの合わせ目に手を添えると、紫穂が軽く頷く。傭司も頷き、合わせ目を解く。
 湯上がりで微かに上気した紫穂の裸身が晒される。抜けるような白い肌が、仰向けになっても決してその形を崩さない
乳房が。股間を飾る慎ましやかな和毛が。すらりと伸びた、鍛え上げられた足が。
 見慣れた筈なのに傭司は息を呑む。そして、立ち上がると自らの腰に巻いたタオルを合わせ目を解き、いきり立つ
ペニスを紫穂の目に晒す。既に限界と思えるほどに怒張したそれは待ちきれないかのようにビクビクと震えている。
 紫穂が目を潤ませる。それが自分への愛の証だと知っているから。
 傭司はベッドの上に乗り、紫穂の隣に身を横たえる。
 始めはキスから。いつもなら次第に深くしていくキスだが、既に興奮し待ちきれない二人は初手から舌を絡め出す。
 舌の上に載せた唾液をたっぷりと捏ね合い、相手に飲ませる。口の中を隅々まで探り合う。口の周りをベタベタに
しながら、鼻にかかった息を漏らしながら飽くことなく求め合う。
「「ぷはっ」」
 紫穂が息継ぎをする隙に傭司の唇は顎から首筋へと逃げていく。そして、乳房に添えた手をさわさわと蠢かせる。
「んん・・・」
 紫穂の首筋から肩へ、胸へと這い回る傭司の舌。舐められた所が溶けていくような感覚が紫穂を襲う。
「ふわぁぁあっ!」
 途中からスッ、と離れた傭司の唇がいきなり乳首に吸い付く。不意を突かれた紫穂が声を漏らす。唇で挟みながら
左右に擦ったり引っ張ったり、舌の先でグリグリと突いたり。反対側の乳首を摘んだり引っ掻くようにしたり。
 感じやすい乳首を攻められ、紫穂は頭の中が早くも真っ白になってきていた。彼から与えられる快感を得ること、
彼に快感を与える事以外考えられなくなってくる。


593: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:56:40 tAuFsyJ2
 傭司の舌が這い下りていく。ヘソをくすぐり、更に下へと。同時に、体位を変え自らの股間を紫穂に晒すようにする。
慎ましやかな、だが髪に負けぬほど黒い和毛を軽く一撫で・・・では飽きたらずそれを舐め回す傭司。
 くすぐったいような感触に震えながら、紫穂は目の前にある傭司のペニスに触れる。嬉しそうにビクリと震える
それを紫穂は優しく撫でる。
 傭司が紫穂の足を開かせ、股間に顔を入れる。内股の白さと和毛の黒と花園の赤とが得も言われぬコントラストを
描いている。傭司はその花園を開く。
 ピクリと震えながら紫穂は期待に身を焦がす。その間もペニスを愛撫する手は止めない。
「はふぅっん」
 傭司に口づけられ、紫穂が喘ぐ。同時に花園からトロリ、と蜜が溢れ始める。紫穂もペニスを握りそれを扱く。
「紫穂・・・仰向けになるから、そのまま上に乗って・・・」
「は、はい・・・」
 言われるまま仰向けになった傭司の上に乗る紫穂。互いの陰部が目の前に晒される、シックスナインの体位。
「やだ・・・恥ずかしい」
 その言葉には恥じらいよりも未知の体位に対する興味の方が多く含まれていた。
「ちゃんと、舐めるんだよ」
「はい・・・」
 傭司の言いつけに従い、ペニスを口に含む紫穂。その感触に震えながら、傭司も花園に舌を這わせる。
 部屋の中に互いの陰部を舐め、啜る音だけが響く。熱心に舌を使う紫穂。尻たぶを撫でたり揉みながらやはり
丹念に舌を使う傭司。互いに晒しあうことは無かっただけに、劣情と羞恥とが入り交じりるこの体位は互いを燃え
立たせた。
 互いを舐り合う感触に酔っていた二人だが、傭司が止める。
「ね、紫穂・・・待って・・・」
 チュパ、と音を立ててペニスを口から出す紫穂。舌先から亀頭の間で唾液が糸を引いている。
「なんですか?」
 行為に酔っていたのを中断された紫穂が不満げな声を上げる。トロンとした目でペニスを握りしめながらこちらを
振り向く紫穂の姿に傭司は飲まれそうになるが、敢えてそれを振り切る。
「その・・・もう一つ、やってみたいことがあるんだけど・・・ダメ?」
「なんですか?」
 興味を覚えたらしい紫穂が傭司の提案に乗ってきた。
「今度は、仰向けになって・・・」
「はい・・・」
 傭司の体から降りて仰向けになる紫穂。傭司はその体を膝立ちで跨ぐ。自分の体の上でビクビクと震えるペニスを
紫穂が興味深そうに眺める

594: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:57:30 tAuFsyJ2
「その、む、胸でして欲しいんだ・・・」
「胸、で?」
 紫穂がきょとんとした表情になる。
「どうすれば、いいの・・・?」
 傭司が腰を下ろして、紫穂の胸の谷間に唾液に濡れたペニスを埋める。
「両手で胸を寄せて、俺のを挟んで・・・」
「こう・・・ですか」
 紫穂は言われたとおりに自らの胸を寄せ、ペニスを挟み込む。口腔内とも膣内とも違う柔らかい感触が伝わってくる。
「ふは・・・・・・このまま、扱くように動かして」
「は、はい・・・それじゃ・・・」
 紫穂が寄せ上げた胸を動かす。唾液に濡れたペニスの上を乳房はスムーズに滑る。
「くぅっ・・・すご、い・・・」
「気持ち、いいんですか?」
 手を止めることなく紫穂が聞く。
「気持ちいい・・・凄く。紫穂のおっぱい気持ちいい・・・」
「ああ・・・こんな風に出来るなんて・・・」
 その声と瞳には悦びの色があった。
「いい・・・紫穂のパイズリ凄くいい・・・」
「パイズリ、って言うんですか」
「うん・・・くは・・・うううぅ」
 未知なる心地良さに傭司は喘ぎを抑えられない。そして更なる快感を求めて新たな指示を出す。
「はぅうう・・・出来るなら、先っぽも、舐めてみて・・・」
「はい・・・」
「頭を少し上げてごらん」
 頭を上げる紫穂の目の前に傭司のペニスの亀頭が有った。白い乳肉の間からペニスと赤黒い亀頭が覗く光景は
グロテスクさ以上に紫穂の劣情を刺激する。
 鈴口から透明な液を滴らせているそこに舌を這わせる。
「ほうっ!」
 傭司が一際大きく喘ぐ。傭司が気持ちよくなっていると知った紫穂は更に舌を這わせる。
「あっ、おっ、あっ・・・紫穂、俺も動いて、いい・・・?」
「あ・・・ん・・・いい、ですよ。私の胸でもっと気持ちよく、なって」
 傭司が腰を動かす。ゆっくりと引いて、突く。紫穂は胸から外れない用に胸を寄せる手に力を込める。
「おっ、おっ、あっ、はっ・・・」
「ん・・・む・・・へむ・・・あむ・・・」
 傭司の喘ぎと紫穂が亀頭を舐める音が響く。
 いつの間にか紫穂は自分の指で乳首を転がしていた。その目は劣情に潤んでいた。傭司に奉仕する悦びと傭司に
快楽を与えている悦びに。

595: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:58:20 tAuFsyJ2
 傭司の腰の動きが速くなってきた。
「あっ、紫穂っ、イクっ、出るっ」
「ぁああ・・・いいですよ、このまま、口に・・・」
「あっ、出る、イクっ、出るっ!」
 傭司が一際大きく腰を突き上げた瞬間、紫穂はペニスの先端をくわえ込む。
「ん、んぅんんっっ!!」
 ペニスがドクン、と震え紫穂の口腔内に精を吐き出す。紫穂はそれを懸命に受け止めるが、フェラとパイズリで
十分に刺激されたペニスの射精量は膨大だった。
「んぷは・・・きゃっ?!」
 思わず口を離した瞬間に、残りの精が紫穂の顔面に降り注ぐ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ああ・・・」
 ブルブルと震える傭司。胸でいった快感に酔っていた。最後の一滴を放ち、射精が収まる。
「あぁ・・・なんて、凄い・・・」
 うっとりしたように紫穂が呟く。
「あ・・・あぁ?!ご、ごめん・・・」
 少しを正気を取り戻した傭司が、顔にかけてしまったことに気付いて慌てる。
「ふふふ・・・いいよ、気にしなくて。傭司くんの、こんなに熱くて・・・ん・・・素敵」
 うっとりとした表情を緩める事なく顔についた精を指で確かめるように拭う。
「紫穂・・・」
「ふふ・・・おいしい・・・」
 指についた精を丁寧に舐め取っていく紫穂の姿に傭司のペニスが反応する。射精したにもかかわらず、それは紫穂の
胸の間で怒張し続けていた。
「ねぇ・・・もっと、気持ちよくして・・・足りないの、これだけじゃ・・・もっと、私を愛して・・・」
 甘えたような、誘うような声と表情で紫穂がねだりながら物欲しそうに腿を摺り合わせる。傭司は魅入られたように頷く。
 素早く動き、開いた紫穂の足の間に体を入れる傭司。傭司にパイズリしながら自分も感じていたのだろう、そこは
既にダラダラと蜜を垂れ流していた。ペニスを掴み、花芯にあてがうと、ねだるように花びらが吸い付く。
 紫穂の目を見る。紫穂が頷くのを確認し、傭司は一気に突き刺す。
「はあああぁぁぁっ!」
 背を反らして傭司を受け入れる紫穂。強烈な締め付けが傭司を襲う。大きく息を吐き出してそれを凌ぐと、腰を
動かす。
「あっ・・・ああ・・・あっ、あっ、あっ、うっあっ」
 カリ首が襞を擦り、亀頭に奥を突かれ紫穂は喘ぐ。傭司は体を起こしたまま腰を突く。
 紫穂の手が伸びてくる。その手をギュッと掴み、指を絡ませると傭司はいっそう激しく突き上げる。
「やっ、あっ、そんなに、そんなに突いたら・・・あっ、くっ」
 紫穂が首を振る。それは快感に耐えているようでもあり、もっと快感を貪ろうとしているようでもあった。

596: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 00:59:10 tAuFsyJ2
 二人の喘ぎと陰部を打ち付け合う音。いつしか紫穂も傭司に合わせて腰を振っていた。その動きはいつもながらに
調和が取れている。
 互いの動きが合い始めるにつれ、二人の快感もシンクロし始める。傭司は激しく突き、紫穂も激しく腰を振る。
 そして、それが二人を限界へと押し上げる。
「あっあっ・・・ふぁ・・・ダメ、もうダメ、私・・・イッ・・・クッ・・・」
「あぁ・・・紫穂ぉ・・・」
 傭司の頭の中に黒い感情沸き上がる。精液を浴びせかけられた紫穂の顔。その穢れた美しさを思い出し、紫穂の
肉体をも穢したいという思いに駆られる。
「紫穂っ・・・いくよっ・・・」
 傭司は腰を早く、小刻みに動かし、限界寸前でペニスを抜いた。
「あっ、ああああぁぁぁっ!」
 タイミングを合わせたように紫穂が仰け反りながら絶叫する。
 同時に傭司のペニスから精液が勢いよく飛び出した。それは紫穂の腹に、胸に大量に降り注ぎ紫穂の体を穢して
いく。それは神聖なものを穢す背徳感に満ちた行為。ペニスを手で扱くと残りが飛び出してくる。
「あっ・・・熱い・・・すごく・・・」
 絶頂と共に精を浴びせられた紫穂がビクビクと体を震わせ、更に絶頂を極める。
 自らの精で穢れた紫穂の体を見下ろしながら、傭司は奇妙な満足感と快楽に浸っていた。
「は・・・ふ・・・いっぱい、出たね・・・」
 自分の体に浴びせられた精液を呆けたような笑顔で眺める。
「ん・・・」
 ゆっくりとした動作で紫穂の手が精液を肌にすり込むかのように伸ばしていく。それが大切な薬か何かであるかの
ように丁寧に、丁寧に。
「し、紫穂・・・」
「ふふ・・・珍しいね。外に出すなんて」
 肌を塗りたくった精液でテラテラと輝かせながら紫穂が淫蕩な笑みを浮かべる。
「ご、ゴメン。なんだか、紫穂を穢したくなって・・・」
「いいよ。穢して、私を。傭司くんになら幾らでも穢されたい・・・」
「紫穂・・・」
「染めて。私を全身を傭司くんので染め上げて」
 その言葉に、傭司のペニスがビクンと反応する。それは二度射精したにもかかわらずほとんど衰えていなかった。
いや、今の紫穂の一言で更に力を増したように思われた。
「フフ・・・暴れん坊さんだね。もっと、暴れていいんだよ・・・」
「紫穂っ!」
 傭司は紫穂に飛びかかり唇を奪う。息苦しくなるほどのキス。そして、一方的に唇を離すと、傭司は紫穂の体を回し、
四つん這いにさせる。

597: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 01:00:05 tAuFsyJ2
「あん・・・こんなの、恥ずかしい・・・」
 そう言って身を捩る紫穂。だが、言葉ほどに恥じらっては居ないし、その動きが逆に傭司の興奮を煽る。
 傭司は紫穂の尻に手を添え、その丸みと柔らかさを確かめる。
「はぁぁ・・・・・・」
 悩ましい溜息を漏らしながら、紫穂がねだるように尻を高く上げる。その花芯から蜜が誘うように溢れ出す。
「行くよ・・・」
 そう言って傭司は一気に突き刺す。
「んあぁっ!・・・あっ、あっあっあ・・・」
 紫穂の喘ぎに尻たぶを叩く『パンッパンッ』という音が重なる。
 傭司の律動を手をついて支えていた紫穂だが、子宮口をゴツゴツと突き上げられる快感に、肘をついてしまう。
が、傭司の激しい攻めにそれすらも出来ずに肩で自身を受け止めていた。
 傭司は紫穂の背に被さりながら、手を胸に回し揉みし抱く。同時に乳首を摘んだり、コロコロと転がしたりする。
「あひっ・・・や、やぁ・・・そんなに、そんなにされたら・・・ぅあ」
「いいよ、おかしくなって。もっとおかしくなっていいよ」
 そう言いながら、傭司は腰を動きをグラインドに変える。緩急をつけ、不意に方向を変えたりしながら動く。その
動きに紫穂の腰も追従する。中身もそうならば、二人の動きも完全にシンクロしていた。
「あっ、あっ、あっ・・・あひっ・・あひ・・・うぐぅ・・・」
 ベッドに埋めた顔を振りながら快感に耐える紫穂。傭司はピストンとグラインドを織り交ぜ、胸を揉み回しながら
更に攻め上げる。
「ひっ、あっ、あっ、ひあっ・・・・・・」
 シーツをきつく握りしめて耐え凌ごうとする紫穂。傭司はその右手に自分の手を重ね、指と指を絡ませて握りしめる。
「あっ・・・ふ・・・ふぁああ・・・」
 安心したかのような息を吐く紫穂。傭司は紫穂を振り向かせる。その表情はとろん、としていた。
 傭司は唇を重ね、舌をねじ込む。
「んっ・・・んむぅ・・・む、むむむぅ・・・んぅ」
 舌を絡め合いながらも傭司は腰の動きを止めない。むしろ煽られたかのように激くしていく。
「だめぇ・・・もうぅ、らめぇ・・・」
 本当に限界が近いのか、紫穂のろれつが少し怪しくなってきた。唇の端からはよだれが垂れている。
「紫穂・・・いくぞ、いくぞ・・・・」
「き、来てぇ・・・・・・いっぱい、きてぇ・・・・・・」
 『パンッパンッ』という音が更に激しさを増す。紫穂の中の締め付けも増していく。
「らめっ!もうだめっ・・・イク、イッちゃううぅぅ!」
「紫穂っ!」
 繋いだ手をギュッと握りしめ、ペニスが子宮にめり込む程グリグリと擦りつけながら、傭司は壮絶に射精した。
 先程を上回ると思われる程の量が紫穂の中に流れ込んでいく。体の中の全てが流れ込んでいるような錯覚さえ
覚える程に。

598: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 01:00:50 tAuFsyJ2
 愉悦に震える傭司のペニスを紫穂の肉襞が柔らかく宥め、包んでいる。紫穂と癒着してしまったかのような感覚。
 紫穂の中を精でいっぱいに満たした傭司は
「紫穂・・・」
 とその名を呼んでみる。
「傭司、くん・・・」
 そう返事をしたものの、紫穂の体は弛緩していたし、それっきり何の反応もない。。
 傭司は紫穂の体を押しのけるようにして中から去る。聞き慣れた感さえある独特の音が響く。トロリ、と二人の
情交の証が溢れ出してくる。弛緩している紫穂の体の中でそこだけが蠢いていた。
 紫穂を仰向けにして、もう一度名を呼んでみるが返事が無い。
 良く見ると胸が静かに上下している。失神していた。
「やりすぎちゃった、かな・・・」
 ホッとした途端、凄まじい疲労感が傭司を襲う。もう目を開けていられそうになかった。
「し、ほ・・・」
 名を呼びながら、その胸に顔を埋める。柔らかい感触に酔いながら目を閉じると、傭司はそのまま深い眠りに落ちて
いった。


599: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 01:05:40 tAuFsyJ2
ひとまずここで終了。つづきはまた後日。
出来てはいるのでうpじたいは可能なんですけどね。
#スレ容量の限界に達しそうな悪寒。

夕食の内容が手抜きなのは仕様です。メニューまで考えてたらキリがないので。
紬に関してはおかしいところがあるかもしれません。まぁ、イメージということで勘弁をば。
二人のエロさ加減を味わって頂けたら作者としては幸いであります。


600:名無しさん@ピンキー
07/03/30 02:27:14 iEG7tTJ1
ちょw
エロさも文句なしだが、高校生カップルが新婚さん化していく様に萌えたw

…何気に操婆様の若かりし頃の容姿を勝手に想像してして萌えてしまったりもした

601:名無しさん@ピンキー
07/03/30 04:21:50 g6z+veDP
GJッ…!

602:名無しさん@ピンキー
07/03/30 04:35:39 O2tJBqcU
>599
エロイ・・・GJとしか言いようがない!

603:名無しさん@ピンキー
07/03/30 16:32:18 yCwXQS6T
まだ前回のエピローグしか読んでないが、どうにも我慢できなくなったので書く

エピローグの一連の流れ、もしかしてコレって同……
いやまあ野暮な事は言わないでおくかwwwwwww

続き読んでくる
ノシ

604: ◆NAIADJsoTc
07/03/30 17:10:44 zHBYBkDO
>>603
よう相棒。まだ生きてたか?
まぁこれだったら気付くヤツは気付くよな(笑)

婆っちゃんが一癖ある人物だと演出したかったのでやってしまった。
一応反省はしている。


605:名無しさん@ピンキー
07/03/30 22:59:09 yCwXQS6T
続き読んだが……う~ん、デジャヴwww
まあでも婆さんの写真と高級ワインは出てこなかったからおkでしょwwwwwww

一途でエロい和風お嬢様って最高だ、文句無しにGJ!!
すでに完成しているという続きに激しくwktk

606: ◆NAIADJsoTc
07/03/31 21:16:54 wUTAQgtX
続きなのですが、どう考えてもスレ容量的に厳しいです。はみ出します。
#100KB以上あるので
次スレが立つまで待機しまつ・・・


607:名無しさん@ピンキー
07/04/01 00:33:25 Bgocajt4
GJ!残り100KBてw

608:名無しさん@ピンキー
07/04/01 01:00:11 GY4qX5cd
GJ!
続きが気になるなぁ……うpロダを使ってみたらどうかな?

609:名無しさん@ピンキー
07/04/01 01:52:43 PkAAYXnE
うpロダ使うくらいなら新スレ建てちゃってもいい気がするけどね

610:名無しさん@ピンキー
07/04/01 14:17:02 I7grC10C
可能なら全後半に分けて
このスレと次スレに分けて投下してもらった方が
良いと思うよ。

611:名無しさん@ピンキー
07/04/01 20:01:45 g9uX4+bf
そうだね。100KBなら4回くらいに分割しても良いくらい。
あんまり長すぎるとせっかくのSSも読み飛ばしがちになるし、苦労の割に拍手レスも少なくなりかねないよ、経験則で言わせてもらえば。

612: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:27:58 hv7u6tvV
ん~、と悩んだ挙げ句に、途中で分割して投下してみるテスト。
でも個人的には物量主(ry

・・・マァいいや。サァ投下するか。



613: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:29:13 hv7u6tvV
-二日目-

「ん・・・??」
 ゆっくりと意識が戻ってきた。少し重い瞼を開く。視線の先に見慣れた自室の天上があった。
「昨夜は・・・」
 思い出してみる。紫穂と、心ゆくまで互いを貪りあった。最後は力尽きて紫穂の胸の中に顔を埋めた所で意識が
無くなった。
「・・・紫穂?」
 慌てて辺りを見回す。と、腕の中の感触に気付く。
 首を下げると、紫穂が居た。傭司の胸板に顔を埋め、丸くなりながらすやすやと眠っている。
 傭司は裸一貫だったが、紫穂は白い襦袢を身につけていた。そんな慎み深いところが紫穂らしいな、と傭司は感心
してしまうと同時に愛おしさを覚える。
 そういえば、体もなんとなくスッキリした感じがする。だいぶ汗をかいた筈だし、股間も精液やら愛液やらで
結構凄い事になっていた筈のにそれもない。紫穂が拭いてくれたことは間違いなかった。
「ありがとうな、紫穂」
 気持ちよさそうに寝ている紫穂を軽く抱き締め、頭を撫でてやる。
「・・・うふふ」
 幸せそうな顔と寝言を漏らしながら紫穂がモゾモゾと動く。
 その姿に、傭司はいたずらをしてみたい衝動に駆られ、そっ、と口付ける。
「・・・・・・・・・・・・」
 紫穂がゆっくりと目を開いた。二、三度目をしばたかせてから傭司を見上げる。
「傭司、くん?」
「おはよう。起こしちゃったかな」
「・・・おはようございます」
 そして、唇に手をやりながら
「傭司くん、今・・・」
「ごめん。キス、しちゃいました」
「・・・ふふ。そっか、キスで目が覚めちゃったんだ」
 クスクスと嬉しそうな笑いを漏らす紫穂。その無防備な笑顔が何とも可愛らしかった。
 紫穂がモゾモゾと身を起こす。
「朝ご飯の支度、しますね・・・」
 ベッドから出ると、軽く髪を整える。白い襦袢姿が妙に艶めかしい物に見えた。
「傭司くんはもう少し寝ててもいいからね」
 微笑みと共にそう言い残すと部屋を出て行った。
 戸が閉まると傭司はベッドの上にうつぶせになる。微かに残る紫穂の温もりと残り香を楽しむ。知らず知らず、
顔がにやけてくるのがわかった。同時に、昨日派手に暴れた自分のが元気になっているを自覚する。
「おまえってホントに元気なのな」

614: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:30:00 hv7u6tvV
 15分程してから傭司はベッドを抜け出し、着替えと洗面を済ませて茶の間に現れた。
 昨日と同じ藍色の紬に身を包み、割烹着を着込んだ紫穂が支度をしている。
 テーブルの前の、「ここに座れ」と言わんばかりに置かれた座布団に傭司はどっかと腰を下ろすと、紫穂がお茶を
注いだ湯飲みをスッ、と置いた。
「もう少しで支度が出来るので、待ってて下さいね」
「ありがと」
 それから程なくして、朝食の用意が出来た。夕食の時と同じく、傭司の差し向かいに紫穂が座る。
 テーブルの上に並ぶ朝食は、ご飯にみそ汁。焼き魚に卵焼きと海苔。典型的な和食だった。
「パンの方が良かったかしら?」
「ん、普段はそうだけどね・・・ま、たまにはこういうのもいいさ」
「そう、良かった」
 安心した、という表情をする紫穂。
「それじゃ、頂きます」
「はい、召し上がれ」


615: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:30:50 hv7u6tvV
 食後のお茶を出すと紫穂はまた仕事に精を出し始めた。食器の片付けが終わった今は掃除機を掛けている。紬の袖を
白い襷でキリッと引き締め、キビキビと動く様は見ていて実に
 傭司は何度か手伝おうとしたのだが、その度に紫穂に断られた。何故?と聞く傭司に、紫穂はハッキリとこう答えた。
「これは女である私の仕事です。男の方は外での仕事を頑張る。だとすれば家事は家に居る女の仕事でしょう?
夫に外で働かせて、自分はのんべんだらりとしてる妻が居て?」
「今時にしちゃ珍しいよね・・・そういうのって」
「そうかしら?・・・そうかもね。でもね、傭司くん。これだけは知っておいてほしいの。確かに男女平等というのは
その通りだと思うし、私もそう思うわ。けれど、それはお互いのやるべきことをキチンとこなしてこその事だと思うの。
自分することもしないで『女性の権利』がどうこう、なんて馬鹿のやることよ。まさに、『女の腐ったような』よ。馬鹿も
休み休み言いなさい、だわ」
 珍しく興奮した紫穂が熱弁を振るう。それを傭司は半ば唖然として見ていた。
 あの紫穂がここまで言うとなれば、もうそれを翻させる事は出来そうにもない。傭司は覚悟を決めた。
「わかった、わかったよ。家事は紫穂に任せるよ。俺はどっしりと構えさせて頂くさ」
「はい。わかって頂けて光栄です」
 ニッコリと笑う紫穂に傭司は「それじゃお茶!」と言う。紫穂も笑顔で「はい」と答える。
 それから傭司は時折お茶を貰いながら、デーンと座り、新聞を広げたりTVを見たりしている。
「終わりました」
 紫穂が定位置?である傭司の向いに座る。
「はい、ご苦労様」
「いえいえ、お粗末様です」
 そう言いながら傭司と、自分の湯飲みに茶を注ぐ。
「はい、どうぞ」
「ん・・・・・・あぁ、紫穂の煎れてくれるお茶は旨いなぁ。」
「お粗末様です」
 ペコリと頭を下げる紫穂。
 再び、静かな時間が流れる。語り合ったり、TVを見ながら笑ったり。軽めの昼食を挟みながら、二人は寄り添い、語らう。


616: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:31:45 hv7u6tvV
 そうしていると、紫穂がキュッと傭司の腕を掴む。それだけで、紫穂が何を言いたいのか傭司にはわかってしまう。
 傭司はそれを口にすることなく、ソッと紫穂の肩を抱き寄せた。紫穂は逆らうことなくそれに従う。見つめ合い、
口づけを交わすと、紫穂を後ろから抱き締める。うなじに顔を埋めて彼女の香りを満喫しながら、そこに唇を這わせる。
「あん・・・」
 逃げようとする紫穂を抱き留め、耳を舐る。
「んふ・・・ふ・・・」
 傭司の手が胸の辺りをさわさわと撫でると紫穂が体を震わせる。同時に、傭司は妙な違和感を感じた。
「あっ・・・だめ・・・」
 ぴったりと合わされた前身ごろの僅かな隙間から傭司の手が忍び込み、外観からは想像もつかない丸みと柔らかさを
持った乳房に触れる。
「・・・?」
 傭司は違和感の正体に気付いた。下着の、ブラの感触がない。
「紫穂、もしかして・・・」
 真っ赤になった紫穂がコクンと頷く。
「今朝、起きてからそのまま・・・」
「和服の時ってやっぱり下着ってつけないの?」
「今は普通に着けますよ。今日は、その・・・」
 今日は特例ということらしい。
「そうなんだ。・・・もしかして、期待してた?」
 ちょっと意地悪したくなってそう聞いてみる傭司。
「・・・・・・」
 顔を更に真っ赤にしながら小さく頷いた紫穂。
「それじゃ、ご期待に応えて・・・」
「はっ・・・ぅふ・・・」
 傭司の手が容赦なく胸を攻める。掴んで揉みまわし、乳首を摘んで転がす。
「あぁ・・・あ・・・くぅ・・・」
 逃げようにも傭司に腰の辺りで押さえつけられていて逃げられない。紫穂の息が荒くなっていく。
「ぁん・・・ま、待って。待って・・・」
 紫穂は傭司の手を掴む。
「何?もう、止める?」
「違う、違うの。脱がせて・・・」
「え?どうやって?」
 流石に傭司もこれはわからない。すると紫穂は、「こうするんですよ」というように帯を解き紬を床に落とし、
襦袢姿になる。

617: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:32:40 hv7u6tvV
「おいで」
「あ・・・」
 傭司は紫穂の手を取り引き寄せると、紫穂を後ろから抱くような形で畳の上に腰を下ろす。紫穂は逆らうことなく
傭司に体重を預ける。
 左手で腰を抱き、右手を乳房に添える。
「ああ・・・」
 再びうなじに顔を埋め、そこを唇で撫でながら、ゆっくりとしたペースで乳房を愛撫していく。
 鼻にかかったような甘い声で喘ぐ紫穂。うなじから立ち上る微かな香りが傭司の理性を蝕んでいく。
 傭司は襦袢の前を開いて脱がせ、上半身だけをさらけ出させる。
 傭司は両手を乳房に添えると愛撫を再開する。下腹を撫でたり、すくい上げるようにしながら寄せたり離したり。
紫穂は後ろ手に傭司の首にしがみつきながら身を捩る。
「ああっ・・・も・・・って」
「何を、どうって?」
 どうして欲しいかわかっているが、敢えて意地悪く聞く傭司。
「・・・・・・乳首も・・・触って、欲しいの・・・」
 キュッと目を閉じながら恥ずかしそうに呟く紫穂。傭司はよく言えました、とでも言うように乳首に触れる。
「ふわぁぁぁっ・・・・・・」
 ピクリと震えながら声を上げる。指の腹で撫でたり、指の間に挟んで引っ張ったり。紫穂の二つの乳首は傭司の
手でいいように弄ばれる。
 紫穂の喘ぎに気をよくした傭司は、紫穂を抱えるように、脇の下から頭を通すと乳房にむしゃぶりつく。
「くは・・・っ!」
 紫穂の体が更に震える。傭司は柔らかさを堪能するかのように乳肌を舐め、音を立てて吸い付く。
「やぁ・・・痕が、痕が付いちゃう・・・」
 紫穂が哀願するが、傭司は聞かない。
「ダメ・・・。これは印。紫穂が、俺のものだっていう、俺専用だっていう印・・・」
 そう言って肌を吸いたてる。赤い染みが紫穂の肌に残る。
「印・・・付いちゃった・・・傭司くんの印、着けられちゃった・・・」
 呆けたような、だが、明らかに喜色を浮かべた声で呟く紫穂。その間も傭司はもう片方の乳房を弄るのを忘れない。
 その紫穂の尻に先程から伝わってくる感触。硬さと熱さを持ったそれを擦り立てるように紫穂は腰をくねらせる。
傭司は微かに呻きながら、それに負けまいとするように肌を吸い、乳房を揉む。
 傭司の片手がそっと伸び、襦袢の腰の辺りの合わせ目を探り、そこから忍び込みすべすべして張りの有る腿に
触れ、撫でる。そして、ゆっくりと紫穂の花園に向かってはい上がっていく
「ああ・・・」
 紫穂が体を震わせる。傭司の手は股上の、和毛の上を軽く一撫でする。そして紫穂が足を閉じるより早く、手を潜り
込ませる。そこは既にしっとりと湿っていた。

618: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:33:30 hv7u6tvV
「ああっ!だ、ダメぇ・・・・・・あぁん」
 傭司の手が一撫でしただけで紫穂はあっさりと陥落してしまう。緩やかに全体を撫で
 人差し指を薬指で器用に花びらを広げると、中指を使って花芯を愛撫する。
「はぁぁぁ・・・うぅ・・・は、う・・・」
 指が花芯をかき回すたびにクチュクチュという音が響く。それが紫穂の羞恥心を、傭司の興奮を煽る。
 知らず知らず、紫穂の足が開いていく。襦袢の裾は乱れ、そこから覗く脚と足袋の白さが目を射る。
 傭司の指が止まると、花園の先端に触れる。ビクリ、と一際大きく紫穂が震える。包皮の上から花芽を弄り
回す。が、それだけでは飽き足らないとばかりに包皮を摘んで剥き上げ、花芽を露出させる。
「あひっ!」
 今までにない感覚に紫穂が悶える。傭司はそれを、己のペニスを扱く時の用に、指先でコスコスとしごき上げる。
「くはぁぁぁぁ!!」
 経験したことの無い快感に絶叫する紫穂。大量の蜜を溢れさせながら、感電したかのように背を反らせガクガクと
震えながら絶頂に達する。
 そして、ぐったりと傭司にもたれかかってくる。
 その体を抱き締めながら、傭司は紫穂の髪を束ねていた紐をしゅるり、と解く。はらり、と髪が広がる。
 まだ荒い息の紫穂が振り向き、唇を重ねてくる。いつもより大胆に攻めてくる舌に傭司は防戦を強いられる。
 紫穂の目はとろんとしていたが、そこは燃えるような淫猥な光を湛えていた。まるで、髪を束ねていた紐が彼女の
中に眠る淫魔の封印をであったかのようだ。
 紫穂の変化に傭司は震える。それは恐怖よりも被虐心からくる震えだった。
「傭司くん・・・、・・・て・・・」
「ん?」
「舐め・・・て。私の・・・」
「ええ?」
「舐めて・・・私のアソコ、舐めて・・・いっぱい・・・」
 普通なら絶対に言いそうにない事を自らねだってくる紫穂に傭司は戸惑う。紫穂の瞳を見つめていると彼女の
淫欲に飲まれそうになる。そして、傭司はそれに逆らえない。いや、逆らおうという考えすら起きない。
「いい、よ。いっぱい、舐めさせて・・・」
「仰向けになって・・・」
 言われるがままに仰向けになる傭司。
「紫穂・・・?」
 紫穂が見下ろしている。はだけた襦袢は腰の部分で引っかかっているだけ。広がった髪がメデューサか何かのように
さえ見える。その表情は酷薄な笑みを浮かべている。
「ふふ・・・それじゃ、しっかり舐めてね・・・」
 そう言うと紫穂はやおら傭司の顔を跨ぎ、自らの花園を傭司の顔に押しつける。
「紫穂?!・・・んむぐぐぐ・・・」
「あふぅ・・・早く、早く舐めて・・・」
 花園に口が触れた刺激で紫穂は喘ぎを漏らすが、それだけでは物足りず、腰をくねらせ、ねだる。
「んん・・・むむ・・・・・・」
 傭司は口を開いて花びらにしゃぶりつき、舌で丹念に舐り回す。

619: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:34:15 hv7u6tvV
「はぁぁ・・・いい・・・もっと、もっと激しくぅ・・・」
 腰を押しつけるようにしながら紫穂が言う。
「ぅぐ・・・むぅ・・・ぅぷ」
 顔を蠢かしながらピチャピチャと音を立てて紫穂の蜜を啜る傭司。髪が紫穂の腿をくすぐり、それがまた快感と
なって紫穂を震わせる。
「あひっ!・・・ぁぁあ・・・そこ、いい。いい」
 傭司の鼻先が花芽をくすぐると一際大きく紫穂が震える。傭司の視線の先にあるそれは、先程散々嬲られたためか、
包皮から剥き出しになり、ビンと勃起している。
 艶やかなピンク色のそれが男性のペニス(というか陰茎)に相当するものである事を知る傭司は感心してしまう。
「凄い・・・紫穂のオチンチン、大きくなってるよ・・・」
「や、やぁ・・・そんな言い方しちゃいやぁ・・・・・・」
 恥じらいながらも叱るようにキュッと腿で顔を挟み込む紫穂。傭司はなんとか顔をズラし、紫穂の『オチンチン』に
しゃぶりつく。
「かっ・・・!!」
 ビクンと紫穂が震える。傭司が紫穂の花芽を唇で挟み、吸い、舌で舐め転がし、終いには甘噛みする。
「うあああっ・・・ぁくぅぅぅ・・・ひぃぃ」
 背を反らし、髪を振り乱しながら喘ぐ紫穂。女性器の中でも特に敏感な部分を集中的に攻められているのでは無理
からぬことだった。
「あっ・・・ダメ、来る、来ちゃう・・・ダメ、き、きちゃ・・・ああああぁぁっっ!!」
 傭司の顔を力一杯挟みながら、一際大きく体を震わせて紫穂が絶頂に達する。同時に大量の蜜がビュッと吹き出し、
傭司の口元を濡らす。
 背を反らしたままガクガクと震える紫穂。傭司は溢れ出す蜜を一滴も逃すまいと吸う。


620: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:35:00 hv7u6tvV
 やがて、反らした背を戻した紫穂が傭司に微笑む。
「んふ・・・気持ちよかったですよ・・・良くできました」
 それは淫魔の笑み。傭司の心を支配する笑み。
「ご褒美、あげますからね・・・」
 紫穂が腰を上げると、ニチャリ、という音と共に股間と口の間に愛液の橋が架かる。太く、粘った糸。傭司は
垂れてくる糸を口を開いて受け止める。
「ふふ・・・・・・」
 楽しそうに笑うと紫穂は傭司の腰の方へと移動した。そして躊躇うことなくズボンとトランクスを脱がせる。
 傭司のペニスは骨でも通っているかの如くガチガチになって反りかえり、先端に先走り液を滲ませている。
「こんなになってしまって・・・」
 紫穂はペニスを優しく上下にさすりながら顔を近づけていく。やがて来るであろう刺激に傭司は身構える。
「んん・・・むむ・・・ぅ」
「くはっ!」
 口付けるのかと思いきや、一気に飲み込まれて傭司はおとがいを反らす。紫穂はそれを上目遣いに見やりながら
薄く笑う。
「あくっ・・・う、うぅぅ」
 生暖かい口腔内の感触と、絡みついてくる舌の感覚に傭司は悶える。先端やカリ首を舐め回し、ネットリと竿全体
を這いまわる。
 自分の顔を跨ぐ紫穂の痴態と快感のツボを知り尽くしたフェラに傭司は限界が近いことを悟る。
「ああ・・・紫穂っ・・・で、出そう・・・」
 が、紫穂はそこで口を離す。チュポン、と音を立てながら。
「あ・・・紫穂・・・なんで・・・」
 あと少し、というところで行為を中断された傭司が情けない声をあげる。その声と表情が紫穂の加虐心を更に
煽り立てる。
「ふふふ・・・ご褒美、欲しくないの?」
「ほ、欲しい。ご褒美、ちょうだい・・・」
 子供のように哀願する傭司。紫穂が淫らな笑みを深くする。
「心配しなくても、ご褒美、あげますよ」
 そう言いながら傭司の腰を跨ぐ紫穂。自分の唾液にまみれたペニスを握り、自らの花芯にあてがい位置を確かめる
ように、焦らすように軽く動かす。
「あ・・・ああ・・・あぁぁ・・・」
 傭司が切なそうな声をあげる。
「さぁ、ご褒美ですよ・・・」
 そう言ってグッと腰を下ろす紫穂。ペニスが肉襞をかき分けて深奥を目指す。
「ぬああぁぁっ!」
「くはぁぁ・・・」
 喘ぎを重ね合わせながら、二人はブルブルと震える。傭司はからみつく肉襞の感触に。紫穂は灼熱の肉棒に奥を
突かれる感触に。


621: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:35:47 hv7u6tvV
「は・・・ぁ・・・私の中、どうですか?」
「き、気持ち、良すぎて・・・絡み付いてきて・・・ぅぁく・・・」
 歯を食い縛り、首を反らせながら快感に耐える傭司。紫穂の膣内はたっぷりと濡れている筈なのにぎゅうぎゅうと
締め上げてくる。少しでも気を抜けばその瞬間に果ててしまいそうだった。
「動き、ますよ。私に任せてくださいね、あなた」
 今、この状況下で『あなた』と呼ばれたことに悦びを感じる傭司。紫穂の腰がゆっくりと上下しはじめる。
「んん・・・はぁぁぁ・・・ああ・・・・・・」
「ふ、く・・・おぉ・・・ぐ」
 ゆっくりとした上下運動が次第に早くなる。時々腰を密着させて前後に擦りつけたり、腰を回したりする。紫穂が
首を振るのに合わせて黒髪が舞う。
 傭司からは二人が繋がっているところが良く見えた。ペニスは紫穂の垂れ流す愛液で白くコーティングされた
ようになってしまっている。その愛液が紫穂の和毛をも濡らし、同時に傭司の股間や睾丸までをも濡らす。
 愛液に濡れた睾丸が熱い。ぞわぞわと蠢きながら大量の精を拵え、送り出そうとしている。
「あっあっあっ、くふ・・・あっあっあっ」
 紫穂の喘ぎのピッチが上がってきた。イキそうなのだ。
 紫穂は腰を振りながらも身を屈める。そして傭司着ているシャツをまくり上げ、胸をさらけ出させ、そのまま
脱がせる。そして更に身を屈めると傭司の乳首にしゃぶり付く。
「あひっ?!」
 紫穂によって乳首の快感を覚えさせられた傭司の体は素直に反応してしまう。
 乳首を舐め回しながらも紫穂は腰振りを止めない。それどころか次第に激しさを増していく。ただひたすらに
己の快楽のためだけに。しかし、それは同時に傭司の快感を意味する。
「ああっ・・・ひっ、あっ、はっ、あふ、あふぅ・・・」
「おあ・・・ああ、おぅ・・・ぅお・・・」
 射精でもさせようかとばかりに乳首をしゃぶり、舌で突き回す。ちりちりとした感覚に傭司の射精感が高まってくる。
「紫穂・・・イキそ・・・ぅぐ」
 皆まで言わせまいとするかのように今度は唇を重ねてくる。
「ん・・・うぐ・・・ん、っ、んぶ」
「はぁ・・・ぁむん、んっ、んっ」
 静かな室内に響く、唇を貪り合う音と腰を打ち付ける音が激しさを増す。
「あっ、あっ、ダメだ、紫穂、本当にダメだ・・・」
 唇を振り払った傭司が辛そうに声を上げる。
「はあ、はぁ・・・いいですよ、イってください。いつでも」
「ぅああああ、紫穂、紫穂っ」
 傭司の腕に爪を立ててしがみつきながら紫穂の動きが加速する。
「あっ、イクっ、イクっ」
「あん、あっ、来る、来る、来ちゃう。も・・・ダメっ!」
 紫穂がグッと腰を押しつけながら絶頂に達する。紫穂は傭司の肩に歯を立てながら激しい絶頂に耐える。
「いっ?!あっ、あおぅぅぅ!」
 肩を噛まれた鋭い痛みを感じながら傭司も達する。紫穂の子宮目掛けてたっぷりと精を放つ。
 体中をバラバラに引きちぎられるような感覚にガクガクと震える二人の体。全力疾走後のように荒い息をしながら
快感の波が静まるのを待つ。


622: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:36:40 hv7u6tvV
「どうでしたか、ご褒美は?」
 傭司の肩に顔を埋めたまま紫穂が問う。
「気持ち、良かった・・・凄く」
「ふふ・・・私も、凄く良かったですよ」
「うん・・・」
 顔を上げた紫穂がハッとする。傭司の肩には見事なまでに紫穂の歯形が着いていた。よだれでべたつき、うっすらと
血を滲ませている。
「・・・ごめんなさい・・・痛かったでしょ?」
「いいよ、気持ち良かったから」
 頭を撫でてやると紫穂は安心したような表情を浮かべる。
 その紫穂がピクリ、と体を震わせる。
「ん・・・まだ、大きいまま・・・」
 傭司のペニスは射精後にもかかわらず全くと言って良いほど萎えて居なかった。紫穂の肉襞はそれにざわざわと
まとわりつき、刺激を与える。
 先程射精したばかりなのだが、傭司も我慢ができなくなった。
「あっ、何を・・・あ、ああぁぁ?」
 傭司が後ろ手を突いて体を起こす。気力を振り絞りながら座り直し、対面座位の体勢に移る。
「くぁぁぁぁ」
 傭司の足の間に腰を落とし込む姿勢になった紫穂が、しがみつきながら喘ぐ。
「ああ・・・こんな、こんな・・・」
 傭司の首にしがみつきながら紫穂が呟く。
「こんな・・・あふ・・・幸せ、なの・・・」
 うっとりとした声で繋がり合う感触を楽しむ紫穂。
「紫穂、動いてみて・・・」
「はい・・・」
 傭司促され、紫穂がゆっくりと腰を蠢かせる。
「は、は、は・・・あう、あうぅ、あふん・・・」
 腰を回したり前後に揺すったり。傭司のペニスを使って己の膣内を掻き回し、快楽を得る。そのたびに股間からは
グチョグチョと音が響いてくる。
「やだ・・・こんな、音・・・」
 恥じらう紫穂。
「どうして?俺と紫穂の愛が混じり合ってる音だよ・・・」
「やん・・・」
「ほら、見てごらん・・・」
「・・・・・・あぁ・・・こんな、こんな・・・」
 傭司に促されて股間に目をやった紫穂が呟く。二人の股間は交じり合った液で白く染まっていた。そして、二人が
繋がり合う様もがあらわとなる。それは余りにも淫靡な光景に過ぎた。
「凄い、の・・・」
 魅入られたように呟く紫穂。
「ああぁぁ・・・」
 視線を釘付けにしたまま、紫穂が再び腰を動かす。そのたびに花びらがめくれて、隙間から白濁液がペニスを伝って
落ちていく。

623: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:37:30 hv7u6tvV
「だめ・・・出てっちゃだめ・・・傭司くんの子種・・・」
 無意識にそんなことを呟く紫穂。だが、腰の動きは止まらない。
 紫穂が無意識に呟く淫らな言葉に傭司の興奮がまた高まる。
「あげるよ、紫穂になら幾らでも子種をあげる」
 傭司は紫穂の体を抱き寄せた。その目の前には豊かに実った乳房が有った。躊躇わず谷間に顔を埋め、乳房に舌を
這わせる。
「あん、あ、あぁん・・・もっと、もっと・・・」
 紫穂も突き出すようにしながら胸を振る。紫穂の上半身と下半身がそれぞれ別方向にくねる。傭司も紫穂に
合わせて腰を回し、揺れる乳房の頂きに、中腹に、舌を這わせる。ペニスがじんじんと痺れている。余りの快楽に
濃厚な精液が詰まったのではないかと思える感覚。
「んあっ、はっ、ひっ、あっ。そんなに、そんなに深くしちゃ・・・」
 傭司の腰はいつしか前後に動いていた。ピストン運動が難しい体位ではあるが、それよりも紫穂との快楽を
貪る悦びがそんな無理を当然のことにしていた。
「あっ・・・あ、なんだか、しあ、わせ・・・」
「紫穂・・・愛してるよ・・・」
「やん・・・ダメ、今そんなこと言っちゃ・・・」
 抱き寄せられ、耳元で甘く囁かれて紫穂が震える。その間も二人の腰は蠢き続ける。
「やだ。紫穂、愛してる」
「ぅぁん・・・私も、傭司くんを、愛してる・・・」
「うん・・・」
 二人は互いの耳元で愛の言葉を睦み合う。じわじわと炭火で熱されるように二人の快感が昂ぶっていく。
「あんっ、あんっ、あんっ・・・」
 ゆったりとしていた二人の腰の動きが激しさを増す。紫穂は傭司の頭を抱き、しっかりと胸に押しつける。
「おお・・・紫穂、げん・・・かい・・・」
「私も、あぅ・・・ダメ。もうダメ。死んじゃう!」
 傭司がグッ、と腰を突き上げる。紫穂も腰を突きだし、受け止める。
「ぅあああっ!」
「かぁぁぁぁぁっ!」
 二人同時に声を上げる。傭司はペニスが破裂するかのような感覚と共に射精していた。
 紫穂は抱き締めた傭司の頭を砕かんばかりに抱き締めながら背を反らす。口を魚のようにパクパクと動かし、
よだれを垂らしながら、呆けたような目で射精を受け止める。精が子宮口を叩くたびに紫穂の体と足がビクビクと
震える。
「ああ・・・いっぱい・・・傭司くんの子種・・・いっぱい」
「紫穂・・・紫穂・・・」

624: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:38:30 hv7u6tvV
 さほど激しかったわけでもないのに、長い射精だった。それは二人の想いの深さを物語っていた。
 ペニスが最後の一滴を吐き終えると紫穂の体から力が抜けて傭司にもたれかかってきた。
 魂まで射精してしまったかのように呆けていた傭司は、かろうじて紫穂の体を支え、繋がったまま背中から床に倒れ込む。
 傭司の肩に頭を乗せながら紫穂が浅く荒い呼吸を繰り返す。傭司の呼吸も荒い。無意識のうちに傭司の手が紫穂の
髪を撫でる。
 二人は暫くの間、動けなかった。いや、意識が半ば飛んでいたのだった。既に傭司のペニスは萎んで紫穂の中に
少し入っているに過ぎない。その隙間から二人の愛が混じり合った真っ白な粘液がドロドロと溢れ出し、流れ落ちて
いく。

 たっぷり5分はたってから、やっと二人は正気付いた。なによりも先ず互いの存在を確かめ、口づけを交わす。
 それを存分に味わったところで、紫穂が体を起こし、傭司の上から降りる。傭司も体を起こす。紫穂の方はそうでも
ないが、傭司の股間はドロドロになり、床には粘液の溜まりができていた。
 急速に現実に立ち戻った二人は慌てて畳を拭き、自分のを清める。幸い、畳に染みをつけずに済んだ。

 紫穂は立ち上がると襦袢を身につけ直し、てきぱきとした動作で紬を着付け、帯を締める。傭司はその様に見とれていた。
「な、何・・・?」
 傭司の視線に気付いた紫穂が照れながら言う。
「いや、着付けしているところ初めてみたから・・・凄いな、って思って」
「そうですか?このくらいはやはりできないと・・・」
「うん。だから凄いな、って」
「もう・・・おだてても何も出ませんよ?さぁ、早く服を着てくださいまし」
 そう言われて、トランクス一丁で床に座り込んでいた傭司は慌てて服を着込む。
「あなた、お茶にしませんか?」
「いいね。そうしよう」
「はい」
 その日、紫穂は緒方家から帰るまでの間、傭司のことを『あなた』と呼び続けた。

625: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:39:16 hv7u6tvV
 それから、二人は何をするでもなく時間を過ごす。ただ黙って寄り添い合う。時折見つめ合っては口づけを交わす。
ただ、それだけ。二人きりの時間をただただ惜しむように過ごす。
 日はだいぶ傾いていた。その二人の静寂を破るように電話が鳴り響く。心地よい時間を邪魔された傭司がブツブツと
文句を言いながら電話を取る。
「もしもし?」
『おーなんだ傭司か』
「親父か。なんだよ、一体」
『いや帰りなんだがな、遅くなりそうだ。10時くらいになる。なので夕飯は先に喰ってろ。こっちも食ってから
帰るから』
「はぁ?なんだそりゃ?」
『まぁ細かいことは気にするな。紫穂ちゃんとしっぽり出来る時間が増えていいだろう?』
 電話の向こうで父親がクックックッと笑う。
「てめぇ・・・」
『そういうことだ。じゃぁな。ちゃんと送っていけよ』
 そう言って電話は切れた。顰めっ面で受話器を睨む傭司。
「どうかしましたか?」
「あ・・・ああ、親父達、帰りが遅くなるってよ。10時くらいになるとか」
「まぁ・・・お夕飯は?」
「食って帰るから好きに食ってろとさ・・・」
「そうですか・・・それじゃ、お夕飯の支度をしますね」
 そう言って立つ紫穂を傭司は無理矢理引き寄せて口付け、半ば強引に舌をねじ込み激しく掻き回す。
 息苦しくなった所で唇を離すと紫穂もスッ、と離れる。
「もう少しだけ待っていてください。あなた」
 そう言って台所に行ってしまう紫穂。傭司は余裕のあるフリをしてTVを点けてそれを眺める。しかし、内心は
淋しくて仕方が無かった。

 夕食はご飯に鶏の唐揚げにみそ汁とサラダ。シンプルだが、それ故に心がこもっていた。唐揚げの味付けも何処で
覚えたのだろうか、傭司が好む味付け-緒方家の味とでもいうべきもの-だった。それだけに傭司の食も進んだ。
 食後の口直しに茶を出すと、紫穂は後かたづけを始めた。
 片付けを終えた紫穂が戻ってきた。定位置の差し向かいではなく、傭司の隣に座ると、黙ってもたれかかってくる。
傭司はその肩を黙って抱いた。
 ただ、何をするでもなく二人はそうした。


626: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:40:01 hv7u6tvV
 時計の針が9時に近づきつつあった。そろそろ刻限である。紫穂が、重い口を開く。
「そろそろ・・・帰りますね・・・」
「・・・うん。送ってく」
「すみません・・・。着替えてきますね」
 そう言って出て行く紫穂。10分ばかりして戻ってきた。昨日、家に着た時のブラウスとスカート姿で。何故か
それが新鮮に見えた。
「じゃ、行こうか・・・」
 灯りを消し、戸締まりをする。そして、自転車の後ろに紫穂を乗せて走り出す。
 無言の二人。傭司は黙ってこぐ。紫穂は傭司の腰に捕まり、その背にもたれている。

 20分ばかりして、紫穂の家の前に到着した。
 門の前で見つめ合う二人。
「ありがとう。楽しかった・・・」
「俺も、楽しかった」
「また、こんな風に・・・」
 できるといいですね、という言葉を紫穂が呑み込む。
「できるよ、きっと」
 代わりに傭司がそれを口にする。
「そうですね。きっと・・・。今度は私の家に・・・」
「うん。紫穂の家に、俺が行くよ」
「ありがとう・・・・・・それじゃ・・・」
 と、離れようとする紫穂を傭司は無理矢理引き寄せ、強引にキスする。最初は驚いた紫穂も傭司を抱き締める。
 存分に、互いの愛情と意志を確かめた二人はゆっくりと顔を離す。そして、互いに一歩ずつ下がる。
「それじゃ、また明日。おやすみなさい・・・」
「・・・おやすみ。また、明日・・・」
 紫穂がヒラリと身を返し門の中に消えていく。それを見送ってから傭司は自転車をこぎ出す。


 翌日。再び日常に戻った二人は、いつものようにその日常を過ごす。二人が本来有るべき位置に戻るその日まで。


627: ◆NAIADJsoTc
07/04/01 22:59:12 hv7u6tvV
で、ここまでなわけで。最後まで投下してしまった・・・。
ていうか容量換算、桁一つ間違えてました。俺が<バカ


続きは・・・ありません。ネタが無い訳じゃないんですが。
ま、どうするかちょいと考えるとします。



628:名無しさん@ピンキー
07/04/01 23:16:11 hXcXMUYH
書くしかないでしょう! GJです!

629:名無しさん@ピンキー
07/04/02 00:02:01 0lfvahb5
うんこ

630:名無しさん@ピンキー
07/04/02 00:23:49 +7IaAsZR
神速の投下 Nice Job!
馬鹿ップル→夫婦の移行だけでは物足らず、相手をパーソナルカラーに染める展開とは…w

ネタあるんだったら続き切望

631:名無しさん@ピンキー
07/04/02 00:52:18 E+cq1X5V
>>627
「家の味付け」のとこで萌えた
かわいいなもー

632:名無しさん@ピンキー
07/04/02 02:26:59 aielsvl/
うあーただひたすらにGJ!
まだ続きがあるのなら、是非ともお願いします

633:名無しさん@ピンキー
07/04/07 12:57:45 OC3HPZTS
ほす

634: ◆NAIADJsoTc
07/04/12 16:03:26 N16obZxL
お風呂でえちぃするならおしっこも有った方がいいのかねぇ・・・


635:名無しさん@ピンキー
07/04/13 18:28:00 wP/DDkd+
お風呂えっちならば、何か特別な要素がほしいのも確か。
個人的には汚いのはいやなので、おしっこシチュやるならいんにょー
レベルまでお願いしたいです。

636:名無しさん@ピンキー
07/04/14 00:48:44 CUE41vAx
のぼせた相手の介抱プレイとか…

637:名無しさん@ピンキー
07/04/14 01:50:16 OyPc3yQg
お風呂えっちなら、泡踊りよりも女の子を泡まみれに洗ってあげる方がえろかわいい。

638: ◆NAIADJsoTc
07/04/14 22:53:17 oVm6P3MG
ご意見サンクス。参考になるであります。
が、全部盛り込めないのがせつないところで。

というか、本来は「自宅の庭または縁側で花見をしながらえちぃ」だった筈なのに・・・
前座で盛り上がってどーすんのさ(爆)


639:名無しさん@ピンキー
07/04/15 00:47:10 9AgOlErD
お風呂プレイに放尿をからめるなら、
・イチャイチャ中に尿意。トイレに行こうとするが放尿シーンを見たいと言われ、恥ずかしさを堪えながらリクエストに応える。
・本番中に尿意。我慢しようとするが激しい責めで力が抜けてしまい、結局我慢出来ずに漏らしてしまう。
って感じか。飲尿までいくとスカトロになっちゃうからそれは無しの方向で。

640:名無しさん@ピンキー
07/04/15 00:57:20 ZzzT3OrZ
放尿シーンをみたいっていうのは変態的過ぎないだろうか?

尿シチュならば、フェラチオの時に女の子の口に出すつもりはなかったのに、
女の子の方が強引に口内に射精させるというシチュがあるが、それの変形パ
ターンを飲尿でやるのはありだと思う。

641:名無しさん@ピンキー
07/04/17 22:28:34 Zknd7Cqp
期待age

642:名無しさん@ピンキー
07/04/19 12:29:04 TZ7Jru5q
保守

643:名無しさん@ピンキー
07/04/20 01:49:27 xd65NNq4
一人語りの誘いうけうざいんですけど?

644:名無しさん@ピンキー
07/04/20 02:59:48 CaCDRSKz
>643
もっと和風美少女っぽく言ってくれ

645:名無しさん@ピンキー
07/04/25 07:11:12 Y31RtD9F
このスレ、やばいね

646:名無しさん@ピンキー
07/04/27 01:39:05 njymcz/s
圧縮回避保守

647:名無しさん@ピンキー
07/04/29 13:51:15 4tOY1FM4
>>638
ネタの一つになるか分からないけど、入浴剤であわとろ風呂(だったような?)ってのがある
それは、泡風呂になる上にお湯にトロみがつく優れもの
本来は体に潤いと保温が目的なんだけど、H目的で使われたりする
普通のドラッグストアで売ってるから、ローションプレイをしてみたくても恥ずかしくって買えない
紫穂が持ってきたってシチュでお願いします

648: ◆NAIADJsoTc
07/05/01 23:14:37 uTnrYyaB
>>647
ネタ、㌧であります。
紫穂タンママン辺りが買って来たのを・・・というのが自然ですかねぇ~


649:名無しさん@ピンキー
07/05/03 07:55:51 QxjaACzb
そんな感じイイ!
ママンが買ってきて、自分も初めて使ってびっくり
狙った訳じゃないのに、結果的にエロい方向にみたいな

650:名無しさん@ピンキー
07/05/07 20:34:14 krzcbij+
過疎保守

651:名無しさん@ピンキー
07/05/11 17:04:02 Rv6eeK/U
期待age

652:名無しさん@ピンキー
07/05/11 17:57:57 5ki3at/E
過疎ってるし、荒らしもいないから出だしだけ投下しようかな?

653:名無しさん@ピンキー
07/05/11 20:35:41 eETkx0s9
>>652
wktk
全裸で正座して待ってる!!

654:652
07/05/11 21:10:19 5ki3at/E
では投下

タイトル[紫陽花の人]

山賀忠人は今日から世話になる家の門前でひたすらあきれ返っていた。
幼い日にここへきた時は気が付かなかったが、なにせこの家でかいのである。
門は長屋造りで見上げんばかりのものだし、
その塀は白壁に瓦で造られこの町内の一角を占有している。
その門前では敷地内の物音は殆ど聞こえてこないという事は、
かなりの奥行きがあると言う事である。今日からこの家に住み込まさせて貰うとはいえ、
いったいどんな人間が住んでいるか少年には想像もつかなかった。



655:652
07/05/11 21:12:28 5ki3at/E
忠人は剣士である。彼の曽祖父、山賀忠久は大正時代、
武專(武道専修学校)で剣道・柔術を収めた武道の人であった。
祖父、 忠直もその薫陶を受け、剣を修めた人物である。しかし父、
忠行は厳格な祖父に反発し会社を設立した後、殆ど家に帰ってこなかった。
そのため忠人は殆ど祖父に育てられたようなものであった。


彼は幼少のころから祖父から剣の道を教わり中学を卒業する時点で相当の腕前に至っていた。
ただ彼は部活動などには所属せず、ただひたすらに祖父の道場で厳しい稽古を繰り返した。
これは祖父の方針で小学校後半や中学から剣道を始めた者と、
物心つく前からすでに剣を握り稽古を積んだ忠人では、その腕に差がありすぎる。
また仮にその様な場所で稽古を積んでも他の者の成長の妨げになると祖父は考えていたからである。
それゆえ忠人は常に自分よりも年上の者と稽古を積んできた。




656:652
07/05/11 21:15:01 5ki3at/E
そうしたわけで忠人は今日からこの祖父の昔からの剣を通じての知人の家に世話になるのである。
身長170cmあまりの少年が荷物を肩に掛け、門前でただ立っているのも間抜けな姿である。
ここでぼうっとしていても、ただ闇雲に時間が過ぎるだけだと考えて忠人は大門の脇にあるくぐり戸を叩いた。

「すいません、本日からここでお世話になる山賀忠人です。どなたかいらっしゃいませんか?」

返事は無く、静寂のみが返ってきた。聞こえなかったかも知れないと思った忠人は先程よりも大声でもう一度言ってみた。

657:652
07/05/11 21:18:10 5ki3at/E
「すいません、本日からここでお世話になる山賀忠人ですがどなたかいらっしゃいませんか?」
「そないに大声を上げはらんでも聞こえてます」

突然、若い女のやわらかい声が忠人の背後からやって来た。
忠人は思ってもみなかった方向から声をかけられ慌てて振り返り、驚いた。

可愛い子だったな。中学生ぐらいか。

今、忠人は屋敷内の座敷に通され、人が来るのを待ちながら先ほど案内をしてくれた少女のことを考えていた。
門前で大声を張り上げていた忠人に、突然声をかけたのは一人のセーラー服姿の少女であった。
忠人より少し年下であろうか、柔らかい目元に背の中ほどまである長い黒髪を持ったその小柄な美しい少女は、
忠人が自己紹介をしようとする前に、話は聞いているからと、柔らかな京都弁でこの座敷に案内し。
人を呼んできますと言って去っていった。これまで剣一筋、
同年代の女性とはあまり触れ合う機会が無かった少年は少女の美しさに一瞬心奪われた。
ただし彼は童貞ではない。つい半年前に道場の年上の女性にそれは奪われている。
いわゆるシュタの気があったその大学生の女性は忠人を散々に弄んだ後、
三ヶ月前何も言わずに姿を消したのだった。


658:652
07/05/11 21:19:54 5ki3at/E
「待たせてすまないね、忠人君」

殆ど足音をさせずに着物を着た優しそうな小柄な老人が座敷に入ってき、
忠人と卓を挟んで正面に敷いてあった座布団に座りながらそう言った。

「いえ、考え事をしていたものですから、気になりませんでした」
「ふむ、退屈していないならそれは良かった。昔一度会ったことはあるが、
覚えていないでしょうから、改めて自己紹介をしよう。私がこの道場の主人、
秋山隆久だ。君は好きに呼びなさい」
「はい、では先生と」

そう忠人が答えると、老人はじっと忠人の目を見つめる。
ふとその瞬間、忠人は呑まれそうになった。
単なる小柄な老人に見える人物から発している何かが一気に忠人を引き込んだのである。

あ、これはやばい

そう考えながら忠人は押し潰されるような感覚に必死で抵抗する。
どれだけ時間が経ったのであろうか、襖の向こうから

「おじい様、お茶をお持ちしました」

という声が聞こえ、その声に忠人は救われた。

「入りなさい」

その隆久の声と同時に雰囲気は霧散していた。

659:652
07/05/11 21:23:49 5ki3at/E
すいません今から外出するので今日はこれで。
質問なんでが、皆さんヒロインの名前は漢字とひらがなどちらが好きですか?

またエンディングはハッピーかバッドかどちらが好きですか。
それによってエンディング変えますんで。

660:652
07/05/11 21:28:45 5ki3at/E
すまん656と657の間段落一つすっ飛ばした。
やっぱりメモ帳からのコピペはこういうことが起き易い。

欠落部分

祖父、忠直は忠人の高校進学を機に他人との試合・稽古を許可することにした。
また、このまま自分の手元に置いていては双方に甘えが出て、
忠人の成長に悪いと考え手元から離し、忠人を遠くの高校に進学させることにする。
父、忠行は息子の進学を勝手に祖父と本人が決めていたことに怒ったが、
忠人本人が心を決めていたので半ば諦め混じりにそれを許可した。

661:名無しさん@ピンキー
07/05/11 21:34:32 EPv3g60d
>>659
何ィ? これから出かけるから今日はこれで……だと?
バカ野郎!! 全裸で待ってるこっちの身にもなりやがれ! とにかくGJだこの野郎!!

……まぁそれはそれとして、私としては、ヒロインの名前は漢字、エンディングはとろーり甘いハッピーエンドがよろしい
かと思います。

662:名無しさん@ピンキー
07/05/11 22:37:09 pe6Drqgu
読むからには幸せな気持ちになりたい。

663:名無しさん@ピンキー
07/05/12 09:41:20 5PNmcXbW
名前はどっちでも萌えられる
EDは虫歯になるくらいの甘いヤツ頼む

664:652
07/05/12 11:52:36 FA4UxRWE
ただ今、帰宅。
続きを投下。

なお、当方は関西の育ちですが。京都は大学生活の間のみなので、
いんちき京都弁については、ご当地の方々、ひらにご容赦のほど。

665:652
07/05/12 11:55:56 FA4UxRWE
返事を受けて、襖を開け入ってきたのは、
先程忠人をこの座敷まで案内した少女であった。しかし、
その格好は先ほどまでの制服とは完全に異なっていた。
その少女が着ているのは見事な着物である、
上品な淡い紫地に季節の花々をあしらった振袖に身を包んだ少女が、
黒塗のお盆にお湯飲みをのせて入ってきた。
忠人はその先ほどとは違う少女の姿にまた一瞬、心を奪われた。

「いやすまなかった忠人君。先ほどは少し試すようなまねをして」
「まあ、いややはおじい
様。またしはったんですか?」
「いえ、僕は気にしていませんから」

お茶を持ってきた少女は隆久老に引き止められ、
その隣に座りながら話に参加している。
なんでも隆久老はたまに来る客人を試しては悪戯をしているらしい。
その話の中、先ほどまでの重い空気は消え、
明るく和やかな空気が座敷を満たしている。

「これは、私の孫の巴。君が通う高校の一年先輩になる」

年上だったのか、そうは見えないな。こんなに笑うと幼く見えるのに。
そう思いながらそんなことは表情には出さずに、

「山賀忠人です。これから三年間お世話になります」

忠人は体の向きを直し丁寧に頭を下げながら言った。

「秋山巴です。けどそないに畏まらなくても良いんですよ、忠人君。
私は昔、貴方にあったことあるんですから」

巴はやわらかく微笑みながら言った。笑った瞬間、片頬に笑窪が浮かんだ。

「そうでしたか?すいません、覚えていなくて」

ここへ来た記憶はあるが、誰に会ったかの記憶までは無く、
またその微笑んだ顔になぜか波立った心を隠して忠人はすまなそうに言った。
その忠人の返事を聞いた少女は微笑みながらも一瞬目元を堅くした。

「まあ忠人君は小さかったからな」

一口、お茶を口に含んだ後、隆久はそう言い、話を続けた。

666:652
07/05/12 12:05:38 FA4UxRWE
「忠直は元気にしているかね?」
「はい、祖父は後、二十年は生きると思います」
「まあ、あれはすでに一種の妖怪変化だ。そうそう死ぬものではないか」

隆久は湯飲みを下ろしながら言った。
忠人の祖父、忠直はすでに齢七十近くにして地元の警察などに出稽古をしては、
機動隊員などを叩き潰してくる、地元では有名な剣士である。
人格は清廉潔白、沈思の人で、その割りに洒脱な面も持ち合わせる。
その教えを受けようと昔から多くの人が祖父の道場に来ていた。
その中に件の女性もいたのだったが。

話は次第に、これからの忠人の生活に移っていった。

「朝稽古は本人が遣りたいだけすれば良いが、この家から学校までは徒歩で十五分ほどかかる。
まあ遅刻したくなければ八時十分までに家を出ていることだな。
あと放課後は部活動はどうするかね?剣道部に所属しても良し、
その他の部活に参加するも良し、その判断は君に任せよう。
ただ夕食の前と後の稽古、これはだいたい五時から六時、七時から八時ぐらいまでする。
細かいことは学校が始まってから詰めよう。
場所は家の裏にある道場だ、この後、早速だが短いが稽古をしよう」

「はい、部活はやはり剣道部に入るつもりです。
やはり初めて同年代の人間と稽古が出来るのならしてみたいですし、
最初からそのつもりでした。朝稽古は素振りと型を毎朝するのですが、
これは一人でも出来ます。だからその分、夕方の稽古で先生にお相手をお願いします。
先生、良いでしょうか?」

「ああ、それで良い。あと寝る場所は庭の離れを使ってくれ。
あれは私の父が隠居の後暮らすために立てたものだが風呂は付いているから好きに使いたまえ。
あと先に付いた荷物は、もうそちらに入れてあるから、
稽古の前に整理しなさい」

「はい先生」



667:652
07/05/12 12:08:43 FA4UxRWE
二人のやり取りにまるで口を挟めなかった巴は半ば呆れたように口を尖らせ言った。

「いややわおじい様、まるで山賀のおじい様と話してはるみたいに楽しそうにして。
でも、忠人さんは家につきはったばかりで、お父はんとお母はんにも挨拶も済んではらへんのですから、
お稽古は夕飯の後にしはったらどうです?」

「ああそうだね。すまないが巴、静江さんに忠人君を会わせた後、
彼の荷物の整理を手伝ってあげてくれないか?
稽古は夕食後にしよう忠人君もそれで良いね」

「「はい」」

忠人と巴の返事はまるで同時だった。

「はっは、二人とも声を合わせて仲がいいな。
ではここは若いお二人に任せて老人は退散するとしよう。
忠人君、巴を頼むぞ」

そんな冗談を飛ばしながら隆久は座敷を出て行った。

「もうおじい様、いらわんとって(*)」

照れたように巴は隆久が出て行った襖に言った後、
今度は忠人に向かってまるで甘えるかのように言った。

「ほな忠人君、お部屋かたす前にお母はんとこ行こか?
お父はんはまだ帰ってきてへんから、会うんは夕飯の時になるけどかまへん?」

二人っきりで部屋に残され、ほんのりと感じられる少女の色気に焦りながら忠人は、

「あっ、はい巴さん。ではお願いします」

と言った。

「そないに緊張せんでもええよ、
忠人君がこないにちんまい頃に会った事あるんやから」

巴はその可愛らしい右手で指の間に隙間を作りながら冗談を言った。
その笑顔に忠人はなぜか懐かしいという思いを抱いた。

(*)いらう(弄う) おちょくる、冗談を言うなどの意
当方は関西在住でしたが、京都は大学生活のみで様々な方言が混じっていますので、ご当地の方
いんちき京都弁はひらにご容赦のほど

668:652
07/05/12 12:13:40 FA4UxRWE
一眠りしてから続きを投下予定。

661から663様へ

とりあえず名前は漢字、エンディングは佐藤の塊みたいな奴のほうを。
けどね、書いてあった文、読み返すと思いっきり自分のセクロスの経験と
傾向が出ていて。死にたくなる。

669:名無しさん@ピンキー
07/05/12 13:43:56 lnDZD+46
やっと◆NAIADJsoTc 以外のまともなSSが読めると期待していたのに
>>668で一気に萎えた……
余計な自己語りは不要
SSも締め切りがあるわけじゃなし書き上げてから一気に投下してくれ
それとsageしろ、初心者かお前は


670:名無しさん@ピンキー
07/05/12 13:47:57 5PNmcXbW
投下完了までオナ禁および全裸待機中の663から661様へ

死にたくなるのは貴殿の勝手だが、俺の歯を虫歯にするまで死ぬことは許可できない。
むしろ読んでるこっちまで胃の裏側を掻き毟りたくなるような文章待ってる

671:名無しさん@ピンキー
07/05/12 16:13:29 M9lxeBYQ
そないな大声、上げはらんでも聞こえとります

まあ、いややわおじい様。またやってはったんどすか?

秋山巴です。けどそない畏まらんでもかまいまへんで、忠人はん。
私は昔、貴方さんにおうとったんどすえ。


「いややわおじい様、まるで山賀はんのおじい様としゃべっとうみたいに嬉しそうにしとりおすな。
でも、忠人はんは家についたばっかりやさかいに、お父はんとお母はんにも挨拶しとらへんのですえ。
お稽古は夕飯の後にしはったらどうおす?」

「ほな忠人はん、お部屋なおす前にお母はんとこ行かはる?
お父はんはまだ帰っとらへんから、会うんは夕飯の時になるけどええね?」

「そない緊張せんでもええよ、
忠人はんは、こんなこまい頃に、うちとおうた事あるんやで」

672:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:16:40 RWlLLy0I
>>668
投下が無くて過疎ってるのをいいことに、お手軽に神になれると勘違いして
あまり調子に乗らないほうがいい
お前程度の書き手は掃いて捨てるほどいるという現実を忘れてないか?
謙虚さを忘れた作家気取りの馬鹿はどこでもうざがられるっての分かってるか?
現時点でかなりうざいんだがお前

673:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:22:30 a1tVDkFE
うんこSSかも~んなw








ほれかも~んなw


















うんこSSまだああああああああああw













うんこっこw

674:名無しさん@ピンキー
07/05/12 21:25:31 a1tVDkFE
完全制圧完成記念w


























大勝利確定記念w

675:名無しさん@ピンキー
07/05/12 22:05:39 CViaGYCh
まだ生きてたのか、お前……。
残念ながら、即NGIDに指定させてもらった。

676:名無しさん@ピンキー
07/05/12 22:37:01 OacSRcL4
廃墟完成w























大勝利確定記念wwwwwww

677:名無しさん@ピンキー
07/05/12 22:37:49 dSD91VgQ
>>668
初めての投稿だろうから、色々と知らない事が多く、こういう風に叩かれることも、これからもあると思う。

だが、俺はあなたが初めてのSS投下にこのスレを選んでくれたことを、嬉しく思う。

これからも頑張って良いSSを書き上げてくれ。俺はふんどし一丁で待ってるぜ! そして遅くなったがGJ!


ちなみにSSを書くにあたって、また投下の時の注意など色んなことが書いてあるし住人も相談にのってくれるから、
こちらを一度は覗いておくと良いかも


SS書きの控え室 61号室

スレリンク(eroparo板)


678:名無しさん@ピンキー
07/05/12 22:38:24 OacSRcL4
静留厨うざw

























完全制圧完成記念w

679:名無しさん@ピンキー
07/05/12 22:42:24 RWlLLy0I
>>677
277 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2007/03/11(日) 00:45:50 WfPSxi4i
201氏、GJです!
自分も明日、短いですが投下してみようと思います。京都弁の着物美少女で、一応エロ有りのヤツを…。

何を勘違いしているか知らんが、こいつはこのスレが荒れる原因を作ったA級戦犯
ほとぼりが冷めたと思って投下してきたんだろうが
こいつは自分が来ると荒れるというのを分かってて来た確信犯だぞ?
さっさと排除しないとスレの荒廃を招くぞ・・・

680:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:09:40 9g2ggXCZ
排除も何も、スレ住人が荒らしを無視すれば良いだけのこと。
672=679は過剰反応し過ぎ。

681:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:12:57 Cc8TH2jJ
>>680
無理うんこw



























うんこっこw

682:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:15:53 RWlLLy0I
>>680
完全に制圧された結果廃墟化→DAT落ちで潰される

【ゴキブリ】男が女に犯されるやつ10【ホイホイ】
スレリンク(eroparo板)

ブレンパワードのエロノベルで射精したい 2スレ目
スレリンク(eroparo板)

きゃぁ!!何よバカシンジ!!やめ…や…あんっ part7
スレリンク(eva板)l50


現在進行形で廃墟化&復活のめどなし
メイド服+敬語+地下室でイジメられたい #3
スレリンク(sm板)


今度はここか・・・・


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch