06/12/10 00:05:16 2cvwu+oE
昔書いた和風ファンタジーの一部を抜粋、加筆修正してみた。
このスレの求めているものは、こんな感じだろうか?
元が非エロなので、エロがないのは申し訳ない。
●後朝
男は明け方にふと目を覚ました。
隣では可憐な少女が寝息を立てている。寝顔もなんとも愛らしい少女だ。
あれだけ激しく燃え上がった後だというのに、少女はきちんと寝間着を着込み、だらしない様子はない。
(さすがに育ちのよいお嬢さんってことかね?)
ひきかえ、男のほうは素裸のままである。寝間着も脱ぎちらかしたまま、その辺りに‥‥と思った時、男は気づいた。
下着まで含めて、彼の寝間着は綺麗に折りそろえられて枕元に置かれていたのである。おそらくは少女がしたものなのであろう。
(つくづく行き届いているものだ)
苦笑いを浮かべた男はそっと布団を抜け出すと寝間着を身につけはじめた。
少女は実際、地方の古い家柄を持つ家の息女である。今となっては、当たり前の平均年収の家庭に過ぎないが、
それだけに家柄の重みに対して、凛とした品格が厳しく求められてきたのだろう。
そんな家庭に育った少女が、夢を追いかけて地に足のつかない生活をしているロックミュージシャンの家で、夜を過ごしている。
そんなことが家族に知れたら、ただではすまないだろう。
「・・‥ん‥‥光太さん‥‥?」
少女が、寝起きの少し擦れた声をだした。
「‥‥わりい、起こしちまったか?」
「いえ、わたしこそ、気付かずに‥‥」
身を起こそうとする少女を、男‥‥光太は制した。
「そのままでいいさ、俺ももう一眠りする。それに恵理子の寝顔は愛らしくて、見てて飽きないものだしな」
「ねっ、寝顔だなんて‥‥お見苦しいものを見せしてしまって、恥ずかしいです‥‥」
真っ赤になって少女、恵理子は恥らった。