06/12/05 01:04:29 etO/MWeT
―魅音サイド―
「早く!!圭ちゃんが来ちゃうよー!」
「あんじょうすったらん!あないな坊ちゃんが来るからってなんばしよっと!」
私はばっちゃを親戚のトコへやることで精一杯だった。
圭ちゃんはあの日雛見沢の呪縛を解いたといっても、家にばっちゃがいたら自由に行動できないだろうし…。
「あわわわ、お香!お香も焚かないと!!あー!お香どこにやったっけ~!?」
私はその辺りの戸棚を手当たり次第に開けて、お気に入りのお香を探していた。
ちょっと化粧もしてみたり……なんてね!
「ふぅ!これでよし…と!」
お香も焚いたし、ばっちゃも追い出したし、家政婦さんにはお暇を出したし、あとは圭ちゃんを待つだけかな。
「それにしても、あんな紙誰が入れたのかなぁ?」
私が昨日の罰ゲームの紙について考えようとしたそのとき、聞きなれたインターホンの音が聞こえた。
時間は六時過ぎ。結構時間通りだなぁ、圭ちゃん。
「魅音ー!来たぞー!開けてくれー!!」
はいはい、すぐに開けるって。
「ようこそ!園崎家へー!今日は誰もいな…」
そこまで言って、私は重要な事に気付いた。
私は圭ちゃんと二人っきり
私は圭ちゃんと二人っきり
私は圭ちゃんと二人っきり…
あ、あぁぁ!!ど、どどどうしよう…!!てっきり圭ちゃんのためを思ってやったことなのに、これじゃ…その、なんていうか…。
私は己の頭に浮かんだその少し卑猥な考えを打ち消した。うん、圭ちゃんはそんな事しないはず!
「ん?魅音、どした?なんか顔赤いし…熱でもあるのか?」
そう言うと、スッと手を出して私の額に当ててきた。
「ううん!何でもない!なんでもないって!ささ、とりあえず、家に入ろ!」
圭ちゃんの手から強引に荷物を奪い、客室に案内した。
「でも、この家に魅音と二人っきりかー!なんかいいな!」
え?なんかいいって…それどういう意味??それは、その…おじさんとけっ、けけケッコ…。
「あ痛っ!」
まったく…圭ちゃんが料理中に変な事言うから、指を切ってしまった。
「あーぁ、魅音~!なれないことするからー!」
うー、誰のせいだよ~!
「ほら、ちょっと貸してみ!」
ボーッとしてた私の指をそっと手に取り、圭ちゃんはそれを…口に入れた!!
「えっ!圭ちゃん!?何やってんのさ!?!?」
「え?だて、ばい菌はいるとよくないだろ??だからこうやって消毒してるんだよ」
圭ちゃんは血を吸っては吐き、吸っては吐きを繰り返した。
「ふぁ…あ、ありがと…」
あぁ…もう声にならないよぉ!
「それにしても、魅音の手って、結構キレイだな!俺、知らなかったよ!」
もうだめだ…私は圭ちゃんの笑顔を見ながらフェードアウトした。
はい、夜犯し編の第二話です。前置きが長いって思ってる人もいるかもしれないですけど、
長い目で見てくださるとうれしいですw