07/04/10 06:04:36 LCuhuRRU
「ごめんね、澪。こんな風にしか誤魔化せなくて」
薄い煎餅布団で横になる澪の髪を手櫛で梳きながら、修二は澪を起こさないように気遣いながら声をかけた。
「澪が出てけって行ってるのは、僕のため。それは解ってるんだ。
でも、僕は澪といない事が耐えられない。君といる事が僕の幸せだから。
たとえ、それが君をおいて逝く事を決定付けてるとしても」
そこで言葉を切ると、自嘲気味に笑う。
「……見捨てられるのが怖くて、起きてる時にこう言えない僕は最低なんだろうね、きっと」
そう言うと、澪に倣うように布団の中に横になって、瞼に一つキスをすると囁く様に言った。
「それでも、僕が澪を愛することを、許して欲しい」
まるで誓うように。彼はそう虚空に言葉を発すると、静かに眼を閉じた。
数分後。修二が寝息を立てたのを確認して、澪が目を開く。
「うつけが……『貧乏神』に懸想する人間など聞いたこともないわ」
口では悪態をついているが、彼女の顔は悲しみに満ちている。
「それも、己が持つ幸せを捨ててまで妾と共に在ろうなどと……愚かにも程がある」
それなりに裕福な家庭の跡取りだった修二だったが、彼はそれを反故にしてまで澪と一緒になることを選んだ。
本人は「僕より別の人が継いだ方が家を裕福にできるよ」などと謙遜しているが、相当の才気の持ち主だと澪は確信している。
はしくれとはいえ、仮にも「神」の見立てだ。そう間違いはあるまい。
「……それに、な。最低なのは妾の方じゃよ」
人々に貧乏という名の「不幸」しか与えぬ自分の力。
その影響を少しでも減らすために人里はなれた所に居を構えたはずだ。
そう、孤独を選んだのは自分なのだ。だというのに……
(妾は弱い)
修二が己を想っている事を知っている。そして、澪も修二を愛している。
故に、修二を不幸にしないために、澪は想いに答えれない。
その事を知っていたはずなのに。
「孤独に負け、己に負け。人を不幸にしてまで己の幸せを願う愚か者。
それが妾という者の本性よ」
でも、どうか許されるなら。
私からこの小さな幸せを取り上げないで欲しい。
そんな小さな祈りを捧げながら。
澪は修二の手を握り、再びの眠りにつくのだった……。
138:134
07/04/10 06:10:06 LCuhuRRU
以上。
なぜか「炉な貧乏神」とかそんな電波が降ってきたのでカッとなってつい書いてしまった。
反省はしているが後悔はしていない。
139:名無しさん@ピンキー
07/04/10 07:45:33 U/ozxAgk
GJ。出会うシーンだとか、その後とかも書いて欲しい
140:名無しさん@ピンキー
07/04/10 16:56:26 A6dCH7i7
>>138
GJ!
だけどやっぱり物足りないので続きをプリーズ。
141:名無しさん@ピンキー
07/04/10 17:17:54 sjR62g0Q
>>138
やばいやばい。古風な言葉遣いにゃ弱いんだよなぁ、炉属性じゃないのに萌えた。
大変うまかったです。ごちそうさまでした。
142:名無しさん@ピンキー
07/04/10 23:37:22 nFjgUQvj
ホムンクルスはどこに置けば・・・・?
143:名無しさん@ピンキー
07/04/11 00:26:49 vWz0npAi
貧乏神を追い出さずにいれば、いずれ福の神に変わるのです
そう言う訳で続きを頼みます
144:134
07/04/12 02:06:30 SoGYRPj3
晴れ渡った空の下に、風が通り過ぎる。
とある片田舎の山中で、一人の青年がその風を受けると少し目を細めた。
少年の面影を残すその顔には、年不相応な厭世的な表情が浮かんでいる。
とはいえ、彼には特段の悩みがあるわけではなく、何かに苦しめられているわけでもなかった。
むしろ、彼は財産にも、友人にも、家族にも恵まれている。
だが─彼の心は何故か満たされる事はなかった。
これ以上を望むことは、欲張りな事。
彼にもその事は解っている。
しかし、満たされない気持ちがある事もまた事実なのだ。
そんな悶々とした気持ちを何とかしようと、彼は家の所有するこの山を散歩しているのだが……しかし、その目的は達せられているとは言えない。
(もう、帰ろうか)
彼がそう思ったのとほぼ同時。
ひときわ強い風が、辺りを駆け抜けていく。
その勢いに、思わず彼が目を閉じる。
そして目を開いた時。
─目線の先には、一人の女の子がいた。
少女と言うよりは、童女と呼ぶのが相応しい年頃の少女。
いわゆる「おかっぱ」に切り揃えられた髪は、墨を落としたように黒く、そして美しい。
年代物か古く薄汚れた着物を着ているが、しかし、その身からは服とは真逆とすら言える高貴な雰囲気を漂わせている。
白い肌は造作の良い顔をより美しく見せ、出来の良い日本人形のように錯覚させるほどだ。
しかし、そうでない事は瑞々しく、また艶かしいその朱い唇が証明している。
「─綺麗だ」
知らず、口からそんな言葉が漏れる。
その言葉で気づいたのだろう。
少女が、立っている場所─青年のいる場所より少し高台から声をかけてきた。
「何者か」
感情を失ったような、硬質の声。
「あ……」
その声に、童女の美しさに呆然としていた事に気づかされる。
「まぁ良い。帰るのならばそこの小川を降れ。人里に出る」
山に迷ったと勘違いしたのか、童女がそんな風に声をかけてきた。
「君は……」
「妾は此の地こそがあるべき場所。汝に心配されるには及ばぬ」
童女は青年がみなまで言い切る前に、言葉を返す。
「でも……」
取りつくしまもない彼女になおも青年が食い下がろうとするが。
「─警告する。妾に関わるな。
汝が『不幸』になりたくなくばな」
そういうと再び強い風が吹き─吹き終ったときには彼女の姿はその場所から消えていた。
一人残される青年。
狐狸の類に化かされたのかとも思ったが、童女の立っていた辺りを確認すると確かに何者かが立っていた形跡が残っている。
その後の事は良く覚えていない。覚えているのはただ、あの童女の事で頭が一杯だった事だけだ。
なにより、頭に残っていたのは彼女の最後の表情。
自分に関わるな、そう言っていた彼女。
だというのに。
(─彼女、凄く、泣きそうな顔をしていた)
それだけが、彼の頭の中を駆け巡り続けていたのだった……
145:134
07/04/12 02:11:42 SoGYRPj3
>>139
こうですか、わかりません。
……いや、正直、数時間で適当にでっち上げたものなので、前後の展開なんて全く考えてません……
これも今適当に頭に浮かんだものを書いただけですしw
146:名無しさん@ピンキー
07/04/12 03:00:23 JusRk5Nl
GJ!
じーんっときた。
147:名無しさん@ピンキー
07/04/12 08:11:31 eefKbBvs
基本、山の神=座敷童なので、その流れをOPにするならば
実は座敷童だったのに少女自身は貧乏神だと思いこんだ・・・つーネタでどうか一つ
148:名無しさん@ピンキー
07/04/12 10:10:19 8aPOfwKX
いやしかしそれだと彼がビンボーになったこととつじつまが合わないぞ
149:名無しさん@ピンキー
07/04/12 11:36:32 JusRk5Nl
>>148
まだ御利益(ぉ)で貧乏になったわけではないっぽい
>>137で『本人は「僕より別の人が継いだ方が家を裕福にできるよ」』
って言ってるらしいから、実家は没落していないで、本人が家を飛び出してきたと思われる。
あばら屋ってのも人里離れた所にあった廃墟に住み着いてるか、自分で建てたからとかだとすれば…
しかし個人的には、 貧乏神 だからこそより一層萌えるモノがw
150:134
07/04/14 04:58:50 KkOO0e0N
「あっはっはっ、澪にもついに想い人ができたか。
めでたいねぇ、いやぁ、実にめでたい」
目の前で一人の女性が呵呵大笑しながら、次々と酒瓶を空けていく。
女性としては長身な、だが出るべき所は出て引っ込むべき所は引っ込んだ肉体。
火のように赤い、腰まで届く長い髪。
猫の目のような切れ長の鋭い目が印象的な野性味あふれる美貌。
その全てが澪とは対照的だった。
「ば、馬鹿者。修二はそのような関係ではないぞ、円。
勝手に妾の所にきたただの変わり者じゃ」
円の言を慌てて否定する澪。
だが悲しいかな、顔を真っ赤にしながらの反論では全く説得力がない。
「ふふん、確かにすすんで澪のところに来るなんざぁ、よほどの変人には違いねえやな」
円が徳利から唇を離しながら、楽しそうに笑う。
「どうさね。なんならアタシの所にくるかい?
座敷童のあたしのところに来れば今より楽できっぜ?」
「………………」
明らかに冗談とわかる、円のそんな問いかけ。
しかし、その脇にいる澪は真剣な様子で修二を見る。
修二さえよければ本当に─澪の瞳は何よりも雄弁に語っていた。
だから、修二は答える。自分の正直な気持ちを。
「折角ですけど、お断りします」
「おや、今より楽な生活ができるのにかい?」
ニヤニヤと笑いを浮かべて、なお問いかけを続ける円。
どうやら「本音」を言わせたい様だ。
恥ずかしくはあったが、酒の勢いも手伝い修二はその企みに乗った。
「確かに、今の生活は楽じゃないです。実家から飛び出てくる前の生活とは雲泥の差です」
でも、と修二は続ける。
「僕は幸せですから。実家にいた頃は、どれだけ物があっても満たされなかった。
でも、今は満たされてます。……愛する人を見つけて、その傍に居る事ができるんですから」
「────ッッッッッッッ!!
恥ずかしい事を口にするでないわ、うつけ! うつけ! この大うつけ!!」
顔を真っ赤にしながらぽかぽかと胸を叩いてくる澪。
怒った顔をしているが心なしか幸せそうなのは、修二の贔屓目だけではあるまい。
「うわっはっはっ、ごちそうさんごちそうさん。
でも痴話喧嘩はアタシの見えない所でやってほしいねえ。妬けちまうよ、あっはっはっ」
けしかけた当の本人は豪快に笑って。
そんな仲睦まじい二人の姿を肴に、尚も酒瓶を空けていくのだった……。
151:134
07/04/14 05:06:45 KkOO0e0N
貧乏神云々に対する答えめいたもの。
以上のとおり、座敷童とは別物です。
SS仕立てにする必要性はないんですが、当方ネタの為なら努力を惜しみませんので(努力の方向性間違ってます)
補足すると、>>147の言うとおり思い込みがあるのは間違いないんですが、福の神とかそういう方向でないです。
「物質的不幸」が精神的な不幸に直結してる、という思い込みですな。
残りは>>149でほぼ正解
というか、ぶっちゃけ最初のSSは締めに困ったのでオー・ヘンリー風にしてお茶を濁ゲフンゲフン
152:名無しさん@ピンキー
07/04/14 19:01:45 sr5IeGto
投下乙~
豪快な座敷童さんでキター
座敷童の人じゃないけど、ラブラブでごちそすさまでしたw
う、うらやましくなんか無いんだからねっ!
153:名無しさん@ピンキー
07/04/16 16:37:46 KN3lZJfP
鬼太郎も新作始まったし、猫娘ものが見たいこの頃
154:名無しさん@ピンキー
07/04/17 09:59:42 EWzNqmJQ
どこかで読んだ話なんだが、貧乏神ってものは丁重に扱えば福の神にもなるらしい。
ある貧乏な一家が大晦日に「貧乏神様、あなたのおかげで今年も一年貧乏に暮らせました」と貧乏神を祭っていたら裕福になった・・・とかいう話が江戸時代にあったとか。
最も江戸時代は皿屋敷のお菊さんも落語のネタにしてしまうおおらかな時代なのでホントかどうかはわからない。
155:名無しさん@ピンキー
07/04/17 16:10:39 s2a1sseM
>>154
( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
156:名無しさん@ピンキー
07/04/17 21:05:29 iKwnVYNT
「どうさね。なんならパロディスレにくるかい?
パロディスレに来れば今より楽できっぜ?」
「………………」
明らかに冗談とわかる、円のそんな問いかけ。
しかし、その脇にいる>>156は真剣な様子で>>134を見る。
>>134さえよければ本当に─>>156の瞳は何よりも雄弁に語っていた。
だから、>>156は答える。自分の正直な気持ちを。
「折角ですけど、お断りします」
「おや、今より楽な生活ができるのにかい?」
ニヤニヤと笑いを浮かべて、なお問いかけを続ける円。
どうやら「本音」を言わせたい様だ。
恥ずかしくはあったが、酒の勢いも手伝い>>156はその企みに乗った。
「確かに、シチュエーションスレの生活は楽じゃないです。
フォーチュンクエストスレから飛び出てくる前の生活とは雲泥の差です」
でも、と>>156は続ける。
「僕は幸せですから。パロディスレにいた頃は、どれだけ投下があっても満たされなかった。
でも、今は満たされてます。……>>134を見つけて、>>134にGJと言う事ができるんですから」
…という事で続編お願いしますm(__)m
157:名無しさん@ピンキー
07/04/18 00:34:42 GHD4H3wu
貧乏神→福の神っていったらGS美神だろ
158:名無しさん@ピンキー
07/04/18 02:06:36 5Kwj0Jou
>>154
>貧乏神と福の神
神道の荒魂・和魂概念あたりからの自然な類推なんじゃないかな。
同じ本質が、祟りと護りという一見異なった現れ方をするっていう。
159:名無しさん@ピンキー
07/04/18 02:22:29 41rY2gc0
>>157
日本昔話だろ。
160:134
07/04/20 06:44:34 9VGzObR2
修二が目を覚ますと、隣室で澪と寝ていた筈の円が股間の逸物を咥えていた。
「…………何してるんですか」
「にゃにってニャニひてるんひゃけど?」
修二の問いに、股間の上から上目遣いで逸物を咥えたまま答える円。
「とりあえず何を言ってるかわからないので口を離してから答えていただけると有難いです」
「ふうん、驚かねえんだな」
逸物から口を離して感心したように言う円に、半身を起こしながら修二が逆に問いかける。
「驚いたら止めてくれるんですか?」
「うんにゃ。むしろ面白いからもっと続ける」
「でしょうねえ……」
何故か自信満々で答える円を見て、疲れたようなため息を吐く修二。
「大体、貴女は澪の友人なのになんでこんな事してるんですか」
「いやぁ、澪を夢中にさせた男のナニがどんな見事なものなのか拝見しようかと思ってねえ」
悪びれずに「あっはっは」と豪快に笑う円(もちろん、隣室の澪には聞こえないようにだが)。
そして、真顔でこう言った。
「まぁ、あれだ。獣にでも襲われたと思って諦めろ」
「それは襲う側が言う台詞じゃないと思います」
あまりといえばあまりの理屈に思わずツッコミを入れる修二。
「男が細かいことを気にすんなって。
それに、愛人を囲うのも男の甲斐性ってやつさ」
「……僕の意思はどこに?」
修二がそう答えると、円が落ち込んだような顔を見せる。
「それとも、アタシはそんなに魅力がないかい?」
「あ、いえ、そんな事は……」
修二が焦った様にフォローしようとすると、円の猫のような眼がキラリと光った。
「なら、問題なしさね」
言って、有無を言わさず再び股間の逸物に被りつく円。
「…………ッ!」
不意打ち気味のその行動に修二が思わず声を上げそうになるが、慌ててこらえた。
こんな所を澪に見つかったら大変な事になってしまう。
「ふふん、なひゃなひゃひゃわいいひゃおひゅるじゃにゃいか」
だが、円は逸物を咥えたまま言葉を発すると、ある時は力強く、ある時は舌全体を絡めるように、緩急をつけて修二の逸物を攻め立ててくる。
「…………ッ! …………ッ!」
その度に修二は声を上げそうになるが、必死にこらえる。
「ひゃんばるねえ、でもひょういうのはひょうだい?」
そんな修二の姿に加虐心を刺激されたのか、円が逸物に新たな攻めを追加する。
豊かな胸の双丘で修二の逸物を包み込むように挟むと、唇と共に上下させ始めたのだ。
先程までとは比べ物にならない、圧倒的な快楽電流が修二の脳髄を駆け巡る。
「ん……んふぁ……んく……んむ……」
円も燃え上がってきたのか、時折甘い声を上げながら唇と胸を動かし続ける。
その姿にいっそう劣情を催した修二の思考が白く灼熱し─
161:134
07/04/20 06:45:32 9VGzObR2
「な、なにをやっておるか、汝等は!!」
いきなりの叫びに驚いたせいだろう。
それまで耐えていた修二の逸物から白濁が発射され、円の口内に注ぎ込まれた。
彼女はそれをすべて飲み干したあと、ゆっくりと唇を離す。
「ふう、中々濃くて美味しい子種だったぜ」
口から漏れでた白濁を手の甲で拭いながら、そんな事をのたまう円。
「ええい、円がいつの間にかいなくなっておるからどうしたかと思えばこのうつけ共!
このようないかがわしい事をしておるとは……」
そんな様子を見て澪が憤慨する。
「おいおい、澪だっていつもしていることだろ」
「……ッ! う、うつけ! それは合意の上でしている事で……」
「それだったらアタシだってそうだぜ?」
よほど「そうですか?」とツッコミたかった修二だが、ヘタに口を挟むとそれだけで澪に怒られそうなのでとりあえず黙っておく。
「それに、あのボウヤとは『そういう関係』じゃないんだろ」
「あ、う、その……」
逆に問い返されしどろもどろになる澪。
円はそれを見てニヤリと笑うと、勝ち誇ったように言った。
「じゃぁ、アタシらは続きを……」
「だ、ダメじゃ!!」
「おいおい、いい加減にしてくれよ」
うるさい、とばかりに取り合わない円。
「ダメじゃダメじゃダメと言ったらダメなのじゃ!」
なおも食い下がろうとする澪が、どうにかして円を止めようと腕をつかみながら彼女に叫び続ける。
「しゅ、修二は妾のモノじゃ!! だから円には渡せんのじゃ!!」
162:134
07/04/20 06:46:20 9VGzObR2
「くく、はははは、あはははははは」
その言葉を聞いた瞬間、円が大笑いする。
「澪。今、アンタが言った言葉の意味、解ってるのかい?」
「え……あ……あっ!」
言われて、自分の言葉の意味が解ったのだろう。一瞬で顔が茹蛸のように真っ赤になる。
「ふふん、じゃぁ、ご一緒にお楽しみといこうかね、澪」
「あ、こら、何をす……ん……ぁぁ」
円は素早く澪を押し倒すと、服を脱がした。
そして、何事かを言おうとする彼女の唇を自分の唇で塞ぐと、胸を、尻を、秘所を撫でさすりその抵抗を封じる。
「ん……ふぁ……んぁ……澪ってば可愛い声上げるんだね……」
円は潤んだ眼で澪を見てまたキスを一つ。
「ん、んくぅ……あぁん……」
円の同性ならではの繊細な愛撫をうけ、声を抑えきれない澪。
そんなあまりの展開に呆然としていた修二に、愛撫を続ける円が声をかけた。
「ほら、そこの色男。
ボサっと突っ立ってないでアンタも混ざって澪を気持ち良くさせてやんな」
「あ、あぁ……」
円の唇が下半身に移動し、秘所を攻める。
舌が核を的確に攻め、その度にビクリ、ビクリ、と澪の体が反応した。
だが、彼女から嬌声が上げられることはない。
なぜなら上げるべき唇が修二の唇で塞がれていたからだ。
「ん……んふぁ……んく、んぁ、んぅん……ひゃぅ、あぁぁ……」
四本の腕と二つの唇で激しく責められる澪の声が切迫感を帯びていく。
初めての複数人での攻めの快感に、どう反応していいのか分からないだろう。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そのまま絶頂を迎えてしまう澪。
「ふふ、かわいい顔だったじゃない……くぁっ」
絶頂を迎えた美緒に声をかけようとした円が、高い声をあげた。
「んっ……妾ばかり攻められるのは不公平じゃ……」
乳飲み子のごとく円の胸にしゃぶりつき、その乳首を甘噛みする澪。
そして、その指先は彼女の秘所に向かう。
「んはぁ……修二も手伝うのじゃ……」
「あ、こら、ボウヤ、やめ……ぅん……ぁぁ、んくぅっ、んはぁ、んん……」
うなじや背中を舌で攻められ、高い声で鳴く円。
「アンタら……ん……ふぁ……舌遣い……巧す……んひゃ……ぁん……」
何事かを言葉を発しようとするが、快感にその言葉は遮られる。
「ん……ふぁ……あくぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
澪より早く、その快感の頂点は訪れた。
体全体から力が抜け、クタリと澪の上に倒れこむ円。
「ん……修二……いつものように……」
円の下に押しつぶされるような格好になった澪の言葉に、修二が頷いた。
そして、彼女の秘所に逸物を円の後ろから突き入れた。
「ん……」
澪は軽く眼を閉じて、その感覚を教授する。
そして、間に挟まれた格好の円は……。
「や、やめ、イッたばかりで感じすぎちゃ……うぁ……ひぃん……んふぁ」
秘所に逸物をこすり付けられる感覚に、絶頂直後の敏感な体が再び高みに押し上げられる。
「ん……あぁぁ……ふぁ……くぅ……」
「ひぃぁ……んひゃ……ぁふ……ひゃぁん」
修二の動きに、二人の声が淫蕩なハーモニーを奏でる。
「んぁ……んん……ふあぁ……」
「ぁぁ……んく……くひぃ……」
そして、全員が同じリズムを刻み始め。
「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」
共に、絶頂へと押し上げられるのだった─
163:134
07/04/20 06:47:53 9VGzObR2
翌日。昼。家の外。
「……あっはっはっはっ、昨日は楽しかったぜ」
「えぇい、さっさと帰るがよいわ!!」
帰り支度を済ませた円が笑いながらそんな事を言うと、澪が物凄い勢いで噛み付いた。
「ふふん、まぁ、昨日の澪の素直な言葉に免じてその言葉に従うとするかね」
「──ッッッ!!!」
円の言葉に真っ赤になる澪。……どうも澪は彼女には弱いようだ。
「んじゃ、仲良くやりな二人とも」
ヒラヒラと腕を振って。
円の姿が森の中に消えていく。
そして、その姿が完全に消えたのを確認すると澪が口を開いた。
「……修二。今日の夜も一緒に寝るぞ」
「あ、うん、いいけど……でも、なんでいきなり?」
澪の言葉に、小首を傾げてそう問い直すと彼女は顔を赤らめながら、しかし不機嫌そうに言った。
「修二は妾のモノだからじゃ!
だから、昨日みたいに勝手に他の者と寝たりするでない!」
その言に、思わず笑みを漏らす修二。
「わ、笑うでない、修二! 妾は本気……」
「ゴメンゴメン。
昨日みたいな事は二度としないって約束するよ、澪。
……これは、約束の印」
そう言って、修二は澪の顔を引き寄せて。
その唇を、重ね合わせた──
164:134
07/04/20 06:49:44 9VGzObR2
>>156
こうですか? わかりません
とりあえず、オパイニダス神とサンドイッチ神が降臨されたので書いてみた。
……続き?
そんな、ものは、ない。
165:156
07/04/20 08:29:12 qS+AwhF5
>>134神GJ!!
っつーか筆が早ぇ…
流石にパロる所がないので、最大限のGJを
166:名無しさん@ピンキー
07/04/21 01:22:58 HpSvWCXT
ナイス神様
そいて>>164GJ!
167:面取桟文吉
07/04/22 14:20:27 koVIPGtX
URLリンク(obakezukan.net)
168:名無しさん@ピンキー
07/04/27 01:21:55 RTKA6El4
保守
169:名無しさん@ピンキー
07/04/30 00:21:15 y63Z9gFD
保守
170:名無しさん@ピンキー
07/05/01 22:33:13 wkcA+r7t
保守
171:名無しさん@ピンキー
07/05/01 23:38:12 QOVe2DWx
>>23
の続き読みたいが
もう作者さまいないっぽいな(´・ω・`)
172:名無しさん@ピンキー
07/05/04 02:39:34 jJKlRAJi
保守
173:名無しさん@ピンキー
07/05/04 03:14:53 1jx/RvCt
吸血鬼物はここでもおk?
174:名無しさん@ピンキー
07/05/04 03:24:39 4JfpNSOi
>>173
専用スレがあったけど圧縮に巻き込まれたみたいだからおkなんじゃね?
175:名無しさん@ピンキー
07/05/04 19:32:57 FlpHtMR7
流れ仏契りで投下いたします。
30kbあるので、途中で『さる規制』に引っかかって投下を中断するかも知れません。
そのときは、生暖かい支援をおねがいします。
とあるスレでの雑談で考えたネタなのですが、書き上がってみれば微妙にスレ違いっぽい出来のように思えたので、懐の広いこちらのスレをお借りしようかなと。
たぶん抜けないので注意。(抜けない理由:冗長)
元になったネタ。
ジラース娘:クラスでも目立たずにいた女の子だが、付き合ってみると実は暴れ者の怪獣娘。
首筋、うなじが弱点で、そこを攻めるととたんにしおらしくなる。
タイトルと本編に、あまり関係はありません。
ウルトラ原作とのパロディ密度は、自己評価10%くらいでしょうか。
176:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:37:02 FlpHtMR7
それは、とある冬の夜のこと。
まだ日付の変わらない頃合いではあるが、その道を歩いているのは、見渡す限り少年一人だった。
今時コンビニエンスストアが夜22時で閉店してしまうような僻地であるが、そこそこの家が建ち並んでいる。
少年は、勉強の息抜きという名目で、深夜の散歩としゃれ込んでいた。
この少年、とりあえずこのお話の主人公であり、名を『二階堂博士(にかいどう ひろし)』という。
実家は少し離れた町にあるのだが、この辺りにあるアパートを借りて済んでいる一人暮らしではあるが、まだ
高校に通う2年生である。もうじき3年生となり、とうぜん進学または就職に対して明確なビジョンを持っていな
ければいけない時期ではあるが、彼はその辺り少々浮世離れしていたので、未だ進路を決めあぐねていた。
進路調査の用紙には、一位・怪獣博士、二位・妖怪博士、三位・宇宙人博士と書いて提出したものだから、教
員用トイレの掃除を罰として言い渡されたくらいだ。もっとも先生達も彼の実家がそれなりに裕福であることを
知っているから、卒業後特に就職しなくても問題ないだろうと踏んでいたので、彼のそんなふざけた態度にも
殊更強く窘めることはしなかった。
とにかく彼は、教師達からもクラスメイト達からも、変わり者と思われていた。もちろん自分もそれを認めてい
るので、どこからも文句を言われることのない、完全な『自他共に認める変わり者』なのである。
そして彼は、いつもの散歩コースである湖の畔(ほとり)にやってきた。町から離れたこの場所に、こんな夜中
に人がいるはずもなく、彼は目論見通りの孤独を楽しんでいた。畔の林を散策し、湖に向かって「アポローン!!
ヘッダー!! トラングー!! レッガー!!」とか、「ビッグオー、ショータイム!!」とか訳の分からないことを
叫んでみたりしても、誰も咎めるもののいない、自由な空間だったのだ。それなりに蓄積する日常生活のスト
レスを、こうやって叫ぶことで解消しているのだと考えてもらえば、それなりの理解を得ることも出来るだろうか。
そして今夜も林の中から、毎日の気まぐれの一環で、月明かりに煌々と照らされる湖面を眺めては、「来いッ!!
ガンダームッ!!」などと叫び、来もしない架空のシャイニングガンダムを呼び出そうとしていた。
さてそんな彼ではあるが、さすがに湖面からガンダムが現れないことを確認して、立ち去ろうとしたのだが。
ぱしゃ・・・。
静寂の中、わずかに湖水の跳ねる音が聞こえた。
彼は、その音を探るように湖面を見渡し、ようやくそれを見つけた。
林の木々の狭間から見える湖の端、湖岸付近に、人影が見えたのだ。
少女。
一糸纏わぬ少女が、まだ凍ってはいないものの間違いなく冷たい湖水に、膝まで浸かるように立ちつくしていた。
これにはさすがの変わり者、二階堂博士とて、肝を冷やした。まさに今、彼女は入水自殺をしようとしているので
は、と焦る。さすがに自殺者を呑気に眺めているだけなどというモラル外れな男ではない。
彼は必死に、聞こえるかどうかは定かではないが、とにかく叫んで少女を引き留めようとした。林を引き返し湖岸
に駆け寄り、その僅かのあいだ林によって視界が遮られたときに、不覚にも彼女を見失ってしまった博士は、思
い切って湖の中に足を進めた。さっき見た場所にあたりを付け、少女を呼び戻そうと大声で叫ぶ。おーい!!
はやまるなーっ!! と叫びながら、ざぶ、ざぶと水をかき分け歩を進める。腰までを湖水に浸しながら探し回った。
しばらくの捜索の後、彼は岸に引き返した。未だ少女は見つからなかったものの、彼自身の限界だったからだ。
177:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:39:11 FlpHtMR7
そして、水からあがった彼は、自分がいくつかの失敗をしたことに気が付いた。
ポケットに入れていた携帯電話が浸水して壊れていたこと。自分が水に入る前に、誰か応援を呼んだ方がよかっ
たかも知れない。
もうひとつ、焦るあまりいきなり湖の中に入ってしまい、よくこの湖岸を観察しなかったこと。よくよく見てみれば、
湖岸から離れるように、町の方向へ続く小さな足跡が見つかったからだ。水滴をまき散らしながら続くその足跡
は、それほど時間が経っていないことが分かる。思い起こせば、彼が発見した少女は、湖岸側に向かって正面
を向けていた。入水するのとは逆の向きだ。
何とも人騒がせなことかと思うが、自殺を取りやめたのか相手は引き返した、とも考えられる。
なんにせよ、これ以上彼に出来ることはない。
もし、本当にその少女が入水してしまったのなら、この夜中にそれを引き上げてやることは出来ない、もう手遅れだ。
彼の楽観的な希望的観測を含む予想が正しいのなら、少女は自殺を思いとどまったのか、水浴びか水垢離か
というところなのだろう、それこそ彼には何もすることはない。
とぼとぼと彼は家路につきながら、早く暖を取ろうと考えていた。このままでは風邪を引いてしまう。
そしてふと、最初に見かけた少女の姿が脳裏に蘇った。
輝く湖面の光に照らされるような白い裸身、水に濡れ、艶やかに輝く黒髪。
不謹慎だとは思ったが、信じがたい美しさだった。
寒さに凍える彼の、先ほどの記憶の中から、まるで幻のように存在感を薄めていく彼女の姿。遠くから見た少女
の特徴など、はじめから判別出来ようはずもない。
それでも、ほんの一瞬自分の方を見た彼女の瞳と、首の回りを縁取るようにして輝く模様だけが、なぜかはっき
りと記憶に焼き付いていた。
そして、当然の事ながら、風邪をひいた。
家に辿り着くなり熱い風呂に入って体を温めたものの、すでに手遅れだったようで、翌朝には高温の発熱によっ
て学校を休む羽目になった。
昨夜のうちに警察に電話し、湖に入る人間がいた、と報告していたので、翌日の朝から数人が捜索のために湖
に潜った。夕方には捜索も一段落し、特に死体も発見されず、博士の想像と意見を同じくして自殺者は引き返し
たと結論づけた。最初は博士の悪戯通報かとも疑われはしたが、彼らも湖岸から町へ伸びる足跡を発見したの
で、『引き返し説』を採ることにしたようだ。
178:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:40:35 FlpHtMR7
数日の病欠の後、ようやく博士は快気し、久しぶりの登校となった。
教室に入り、自分の席に鞄を置いた博士は、ほんのわずか、違和感を感じ取る。
背後から、錐のように細く鋭い視線が刺さる。
じーーーーーーっ、
博士が振り向いてみるものの、朝の賑やかなクラス風景が広がるのみで、これと言って気を引くところもない。
始業のチャイムにあわただしくなったクラスに流されるように、博士も違和感を曖昧にせざるを得なかった。
そして、それから数日。
授業を終え、迎えた放課後。生徒達の多くは帰途につき、校内に残るのはクラブに精を出すもののみとなった
頃合い。特に所属もない博士だったが、なぜか校内に残っていた。
残っていた、というより、戻ってきたのだ。なんのことはない、教室に忘れ物をしていただけなのだが。
教員から鍵を借り、教室に戻ってきた博士は、そこに、もう一人の生徒を見つけた。
制服の上に防寒のジャンパーを羽織り、首には暖かそうなマフラーを巻き付けた、女生徒。
確かに、博士のクラスメイトだった。
「・・・二階堂君」
彼女は、教室の前の廊下にたたずんでいた。博士を待っていた、とは、博士自身にも考えにくい。特に約束を
していた覚えはない。
・・・というよりも、彼には、彼女の名前が思い出せない。
同じクラスになって1年近く経つというのに、クラスメイトの名前を覚えていない彼を不人情と詰る向きもあろうが、
今まで一度も話した記憶がないのだから、それもやむなしといえる。
しかし、博士はそれでも、違和感を覚えていた。
(・・・か、可愛い)
その少女、夕闇の校内に光少なく浮かび上がる姿、それは幻想的な美しさで博士を圧倒した。長い黒髪を三つ
編みに結わえ、大きなエビのしっぽを思わせるなりをしている。おまけに小柄な体格のおかげで、髪の毛の量も
多く身体を覆うようにも見えてしまう。
そして少しつり目がちな、アーモンドの瞳。小さいながらも形のよい鼻、丸顔でありながら凛とした印象を与える
顎。彼女を構成するパーツすべてが博士のストライクゾーンにど真ん中、剛速球で入ってきた。
しかし、こんな可愛い女の子が一年間もクラスメイトだったはずなのに、なぜ自分は彼女の名前を覚えていな
いのか。
まるで、今初めて出会った、初対面の一目惚れのような印象。
これまでの記憶と既視感が曖昧に織り混ざったような違和感に、彼の頭は混乱していた。
そんな彼に、彼女は再び声をかける。
「二階堂君、こんな時間にどうしたの?」
笑うでもなく、睨むでもなく。気安さのない口調で事務的に話しかける彼女に、博士はようやく、忘れ物をしたこと
を告げた。理由を聞き、それにも無関心な風で彼女はただ一言、そう、とだけ呟き、歩き始めた。そして博士とす
れ違う瞬間、さよなら、と小さく声を出した。
179:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:43:42 FlpHtMR7
翌日、博士はクラスを見渡した。自分の座る席の後ろ側に、確かに彼女はいた。教卓に貼ってある座席表を
見て、初めて彼女の名前が『鰯水縁(いわしみず ゆかり)』という名前であることを知った。クラスの男友達
との雑談の中で、博士がさりげなく彼女のことを話題に出しても、誰もあまり彼女に印象を深く持っていない
ようだった。昨日彼が感じたような、女性としての可愛らしさすら、誰も印象を持っていなかった。
それから博士は、暇があるたび視線で彼女を追った。授業中は後ろの席に目を向けるわけには行かないも
のの、休み時間や昼食時間、そして体育の時間など、可能な限り彼女を見た。特に親しい友人がいるわけ
でもなく、暇があれば窓の外を眺め、菓子パンを一つもそもそと頬張って食事を終える。そんな生徒だった、
鰯水縁という少女は。あと気になったことはといえば、彼女の首周りだった。昨日は大きめのマフラーによっ
て隠されていたが、それを付けていない教室や、体育のジャージの襟元などを見れば、彼女がそこを白い
包帯で覆っていることが判る。
怪我でもしたのだろうか、と思いクラスメイトにさりげなく訊ねては見るものの、誰もその理由を知る者はいな
かった。
ともかく、観察を続けて博士は確信したことがあった。
(やべぇ、俺、マジに惚れたっぽいな・・・・)
どどどど、と凄い勢いでマラソンを全力疾走する彼女を眺めながら、博士は考えた。自分の気持ちが把握
できたのなら、後の行動は簡単だ。
早速告白しよう、と、決めた。
そして放課後。
「二階堂君、何か用かな?」
彼女と博士だけが残る、夕暮れの教室。窓から射し込む夕日が、彼女の白い肌を赤く染める。彼女は、すでに
帰る支度を終えたところを彼に呼び止められ、教室内であるというのにジャンパーとマフラーを着用していた。
教室の暖房を生かすために博士は前後のドアを閉めた。もちろん、邪魔者が入ってくることを回避したい、会
話が漏れてしまうのを防ぎたい、という理由もある。むしろ、こちらの方が本命。
そして鍵こそ閉めないものの戸を閉め終えた博士は、彼女に近寄ってから、言った。
「俺、鰯水(いわしみず)さんに惚れたんだ。恋人として付き合って欲しい」
彼は決して、女慣れしているわけではない。彼女がいなかったわけでもないが、その期間はごく短く、交際も
まだ不慣れなはずだ。その彼がこうもストレートに告白のセリフが言えるのは、ひとえに彼の性格によるもの
だ。気後れや動揺、遠慮会釈、そういった言葉とは縁遠い性格をしている。平たく言えば、厚かましい。
「・・・・・・」
博士の告白の言葉に、彼女はやや面食らったようで、綺麗な形をした瞳を大きく見開いた。しばらく無言であっ
た彼女だが、ややあってようやく口を開く。
「・・・おかしいな、なぜ効果がないのだ?」
それは、彼の告白に対する答えではなく、彼女の自問する言葉だった。
180:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:46:30 FlpHtMR7
「私のことを意識しないで、障りのない関係を維持するように命令したはずなのだが。
クラスメイトだと思いこむ命令は受け入れているようだが、なにやら不完全なようだ。
・・・やはり、電波放射の前に、姿を見られたのが原因か・・・」
じろり、と睨まれてはさすがに博士も、あまり良い感触ではないことくらいは察してしまった。しかし、彼女が
言っている意味が分からない。
「あのさ、どういう意味なの、それ」
素直にそう訊ねる博士に、彼女は初めて笑い顔を見せて答えた。
にやり、と口を歪めた、邪悪な笑み。
「ふん、いいだろう。判るように説明してやろうか。
貴様は、まぁまぁ私好みだ、普通の地球人にないパルスを感じる。それに免じて、な」
急に雰囲気が変わった彼女に、博士は背筋に嫌な汗が伝うのを感じた。初めてみた彼女の笑み、なんとも
邪悪っぽい。
しかし正直、そんな表情も可愛いと思ってしまうあたり、緊迫感がないのが惚れた弱み。
「私はこの星の生命体ではない。貴様達が言うところの『宇宙人』だよ」
自分が告白しようとしていた相手が、地球人ではない、という発言は、変わり者である博士に何とも奇妙な
感慨をもたらしていた。残念なような、嬉しいような。
そんな微妙な感覚と戦っている博士を見て、彼女、それを恐怖の動揺と受け取った縁(ゆかり)は、ますます
笑いを凄絶なものにした。
すると、彼女の首を多うマフラーが薄く光り、それを突き破るようにして、8本の光が伸びた。それは光を維持
したまま、長いツノのような鋭さで彼女の首から放射状に伸びている。見ようによっては、八方から彼女の首
に光の爪を貫通させたような、残酷な想像すらさせる。
そしてその爪を骨として、薄い光の膜が張り巡らせた。ちょうど、雨傘をひっくり返したような、パラボナアンテナ
のような光景だ。中心に縁の首があるのだから、滑稽な言い方をすれば、エリマキトカゲのような襟にも見える。
「ふふふ、恐怖に足がすくみ、動けないようだな」
微動もせずにその動きを見守っていた博士は、その彼女の『光の襟』を見て思った。
(エリザベスカラーを付けた仔猫みたいだ・・・可愛い)
目の前の人間離れした光景も、惚れた弱みのあばたもえくぼ、可愛らしく見えてしまう博士には困ったものだ。
「この生体アンテナから放射される電波は、周囲の生命体の記憶操作を可能にする。この星の原住民程度で
あれば、何万人単位で自殺を命じることだって出来るのだぞ?」
なるほど、その電波を使って記憶を操作して、クラスメイトになりすましていたのか。
しかし、なんでそんなことをしてまで学校に?
「貴様を監視するため・・・は、ついでの理由だな。
調査活動というヤツだよ。これから私が支配する星の住民が、それに足る存在なのか」
181:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:48:42 FlpHtMR7
そのエリマキを博士に向け、威嚇するような縁。
「あまりにもくだらない生き物であれば、私に仕えることを許さぬ。この星の住民すべて、自ら命を絶って
滅びるがいい!!」
叫ぶように発したその言葉。博士はそれらを要約して、『宇宙人の女の子、お忍びで学生生活をエンジョイ』とか、
脳天気に受け止めていた。
「さて、おしゃべりは終わりだ。今度こそ私の電波を受け、支配下に落ちろ!!」
くわっ、と見開かれた縁の瞳を、博士は、
(スゲー、銀色の瞳だ! 綺麗だなぁ・・・)
などと呑気に見つめていた。
そうこうする間も、縁のエリマキは強く発光し、彼女言うところの『服従電波』を発したのだが。
いかなる理由からか、博士に何か影響を及ぼしたとは思えない。
彼の思考がおかしい、のは、最初っからである。
それでも縁は、自分の放った電波に相当の自信を持っているらしく、得意げに成功を信じて疑わない。
「フフン、さて、これでお前も私の言うことには逆らえなくなる。とりあえず今日は、さっさと帰って、ここで見聞き
したことをすべて忘れるんだ、良いな?」
自信満々に博士にそう命じるものの、彼は動く気配がない。むしろ、ふらふらと引き寄せられるように近づいてくる。
「む? 何をしている、早く帰れと命じているのだ、従え!!」
より強い語調になる縁だが、対して博士は口を開く。
「いや、まだ告白の返事を聞いてないし」
けろりと答える男に、縁はぎょっとした表情。わずか動揺した後、歯がみを不敵な笑みに変える。
「私と付き合いたい、というさっきの戯言か。ならば答えてやろう、私の最大出力でな!!」
彼女はそういって、首に巻いていたマフラーを勢いよく取り除き、さらにその下の包帯をほどいていった。
そうやって明らかになった彼女の首には、入れ墨のような文様が首周りを覆っていた。円形の模様を直線で
つないだ、チョーカーのようにも見えるその模様から、エリマキの骨になる光のツノが発生しているようだ。
彼女の言った『最大出力』は、その文様を直接晒すことで発現した。
発する光がより増し、青年の網膜を白く焼き視界を奪う。
「あははははっ、もうこれで、私を彼女にしたいなどという妄言も消えてなくなったろうが!!」
しばらくの発光の後、光は落ち着き始めた。
「いや、なんか、ますます好きになった感じ」
「な、なんだとーーーーーっ!!」
182:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:50:57 FlpHtMR7
この最大出力を信じていた縁は、全く効果がない局面に出くわして、大慌て。
そして博士は、その彼女の首元を見て、意識の奥から浮上してきた記憶に驚いた。
「ああっ、お前、あの夜、湖にいた女の子か!!」
「くっ、思い出してしまったのかっ!! ええい、忘れろ、忘れろーーーっ!!」
そうして何度も強く発光を繰り返す縁のアンテナだったが、博士に変化はない。
「なんで? どーしてっ? なんで貴様に効かないんだっ!!」
もう、狼狽を隠そうともしない。いや、隠すことを忘れているほど狼狽しているという方が正しい。
そしてその動揺は、震える手でもって彼女の武器をかざすに至った。
「ええい、こうなったら仕方がない。私の手で、直接死を与えてやろう、光栄に思うがいい!!」
ポケットにつっこんだ手を引き戻したとき、彼女は小さな護拳(ナックルガード)のようなものを拳に覆わせていた。
やたらと艶やかな光沢のある、金属で出来たそれを、突きつけるようにして博士に向ける。
「え? 殴るの?」
「撃つんだよ、こんな風にな!」
ぴゅう、と電気的な風切り音、が発せられた。
縁の表情に、残忍な笑みが広がる。
「・・・で?」
博士の周りに、何も変化がない。
先ほどの電子音の後、じわじわと鼓膜に、校庭を走る運動部のかけ声が蘇ってくる。
撃つ、といわれたから、銃弾か光線によって攻撃されるのだろうか、などと、今になって考えを巡らせる。彼女は
宇宙人らしいので、それなりのハイテクは持っているのだろう。
対して縁は、得意げな笑みを次第に引っ込め、疑問の声を一つ。
「あれ?」
しばしの呆然、そして呟き。
「・・・・・・効いてないのか?」
縁は、続けて2度、3度と護拳をかざし、ぴゅう、ぴゅうと音を鳴らすが、それでも変化は起きない。
彼女の持つ武器、それは、鋭い熱線を発する殺人兵器。おおよそ地球上に貫けないものなど無い威力だ。もち
ろん、この兵器を食らって無事でいられる人間などいない。
ならばなぜこの場で威力を現さなかったのか。
単純な話だが、縁の腕が悪い。
わざわざ頭部を狙って発せられた熱線は、博士の髪すらかすめることなく通り過ぎた。連続的に放射し続ける
タイプの武器ではなく、ピストルの弾丸のように、短く区切って発射されるようだ。そして壁に切り目を入れるよう
に貫いて、射程の先まで突き進んでいった。それから何度も放たれた熱線も同様だ。
183:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:53:10 FlpHtMR7
博士は、縁とは逆に、大して動揺することもなかった。むしろ、怒ったり笑ったり焦ったりする縁を見て、コロコロ
表情を変える可愛い女の子、などと認識を深めたくらいだ。
さすがに博士も、今放たれた兵器が、わかりやすい銃声を伴った実弾銃だったり、着弾点に爆発を起すものだっ
たり、あるいは熱線軌道に派手なエフェクトを伴うような類のものであれば、それなりに人間らしく慌てもするだろうが。
さて。
えい、えい、こんにゃろ、と続けて銃を撃ち続けていた縁だったが、やがて発せられていた音が途絶えた。さすが
のハイテクミラクル兵器も、弾切れ、エネルギー切れがあるようだ。
「その銃も、どうやら俺には効かないみたいだね」
武器の詳細を知らない博士は、先ほど彼女が放った電波と同じように自分に効いていないと思った。
知らない、という事が幸いしたのだ。
そして一歩、足を踏み出し、さらに二人の距離を縮めようとした。
「ええい、く、くるなっ!!」
博士が足を前に進めると、縁が足を後ろに進める。じりじりと後ずさる縁、もちろん、後方に注意を向ける余裕も
ない。そして、後退する足が机に当たり、驚いてバランスを崩してしまった。
「きゃっ!!」
「あぶねっ!!」
後ろに倒れそうになった縁を、とっさに博士が飛び出し、抱きとどめた。
「「・・・・・・」」
二人、しばしの沈黙。
唐突に、ぐにゃり、と縁が表情を歪める。
そして、縁が口を開いた。
「触った・・・」
「は?」
「触ったな・・・・・・?」
「え? いや・・・、倒れそうだったから支えただけで・・・」
「触ったーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!」
「ええええええええええええええええええええ!?」
博士は慌てて彼女から飛び退いた。確かに、彼女を支えるために抱き締めはしたが、特に胸やお尻など、女の
子のデリケートな部分を手で触れたような形跡はない。全般的に、触れてしまったこと自体がダメだったのか?
なんにせよ、彼女は表情を歪め、半泣きだ。
「私の首に触ったなーーーーーーーーっっ!!」
首。
言われてみれば。
だが、首に触るのがそんなにいけないことなのだろうか。
ふと気が付くと、いつからか彼女の首から広がっていたエリマキのような光が消えている。
184:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:54:51 FlpHtMR7
「首、触っちゃダメなの?」
博士が恐る恐る訊ねると、きっ、と強く睨み付けながら怒鳴り声でそれに返した。
「当たり前だっ!! 首の文様に触れられるのは、生涯の伴侶のみだっ!
それを貴様、貴様がーーーーーーーーーーッッ!!」
おお、異文化!
博士は、驚きながらも手を伸ばし、ぴたりと再び彼女の首に触れた。
「ひゃああっっ!!」
びくりと身を震わせる縁、博士に触れられることで身体の力を失ったようで、ふらりと倒れそうになるのをまた
博士が抱き留めた。
「あのさ、聞きたいんだけど」
彼女を抱きしめ、さらさらと指先で彼女の首の文様を撫でてやりながら、博士は問いかけた。彼に指を撫でら
れるたび、縁は全身の力を無くしていく。
「もし、生涯の伴侶以外の男が触れちゃったら、どうなるわけ?」
撫でられるがまま、短く息をもらし喘ぐ彼女を見ていると、まさしくここが彼女の性感帯であるように思えてくる。
たしかに、性感帯を易々と触らせない、というのは、ここ地球でも同じ風習といえるわけだし。
「ねぇ、どうなるの?」
自分の指の動きが彼女の言葉を妨げているようなので、少し撫でるのをやめてやる。すると、さっきまでの攻撃
的な侵略者の表情(それでも博士には『威勢の良い元気娘』のように思えていたわけだが)とは思えないほど
とろりとふやけた顔で、彼女は答えた。
「・・・さ、さいしょに、さわった、ひと、の、・・・およめさんに、なる・・・」
熱っぽく、うなされるような熱い息を吐きながら、とぎれとぎれに答えた。
その答えに感極まった博士、思わず呟く。
「・・・ビバ、異文明ッ・・・!!」
博士は、なんだかとても都合がよい異文明の風習に感謝した。それに倣うならば、自分が彼女を娶る権利が
あるのでは? と当然のごとく考えてもおかしくない。
「じゃあ、俺が、旦那様?」
期待に胸を弾ませながら、博士は聞いてみた。すると彼の胸に抱かれた縁は、ぐったりと身体の力を失いなが
らも、小さく、こくりと、頷いた。
185:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:57:25 FlpHtMR7
そして、はふう、と大きく息を吐いた彼女。その表情があまりにも艶っぽいものだから、つい博士は欲情して
しまった。
「じゃあ、抱いて、いい?」
欲望に素直な博士は、それほど躊躇することなく彼女にアプローチをしてみた。
そして彼女の反応。
短く途切れる息、虚ろな視線、そして火照った頬を見ていると、どう見ても彼女も欲情しているように思える。
そのまま彼女は、しばしなんの反応も示すことなく、は、は、と息を吐くだけだった。
そして少しの間が空いて、ようやく、彼女の唇が動いた。
「・・・わたしを、だいじに、して、くれるか?」
博士は迷わず、そして強い意志を込めて、頷いた。
「・・・わたしを、まもって、くれるか?」
惚れた女を護らないで、なにが男だ、と、若干時代錯誤的な思いこみに倣う事になるが、それでも博士は頷
いた。むしろ、惚れた女が自分を頼りにしてくれないことの方が虚しい。
「・・・・・・だったら、・・・・・・」
その先は、言葉に出すのを恥じらったのか、ただ小さく、こくりと頷いただけだった。
彼女の返事を心中喝采で喜んだ博士は、喘ぐ縁に唇を寄せ、キスを促した。彼女も目をつむり、小さな唇を
差し出してきたので、ちゅ、と触れるキス。
「・・・・・・ん、・・・ぁ・・・・・・は・・・・・・」
ほんの一瞬で解放された縁の唇は、小さく空いた隙間から、微かに掠れるような声を漏らした。キスの後、
うっすらと視線を泳がすその瞳が、眼前の博士を捕らえ、少しずつ視線を定めていく。
そんな様子を見つめていた博士は、その儚げな様子にますます彼女を愛おしく感じていった。
見つめ合った僅かな間の後、再び目を閉じた彼女。博士はその、彼女の求めを正しく理解し、再び唇を重ねる。
ちゅ、ちゅく・・・
柔らかい少女の唇を割り博士が舌を忍ばせると、縁はそれを受け入れ、くちゅりと湿った音を立てて舌を
絡めてきた。
「んっ、・・・・・・ん、んん・・・・・・」
博士は、より唇を密着させ、舌の深いところまでを絡めるように、キスに熱中した。それは縁も同じで、男の舌を
受け入れ、そして自分の舌を受け入れて貰いながら、夢中になってキスに応じていく。
ずいぶんと長い間、二人はキスを交わした。
所々で息継ぎのために中断をしつつも、その時間さえももどかしく感じて、すぐにキスを再開する。
そしてようやく、二人はキスを堪能し、唇を離した。
186:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 19:59:06 FlpHtMR7
「・・・・・・おいし」
ほう、と甘い息。それをはき終わった縁は、キスの余韻から来る震えを全身で味わいながら、美味しい、と言った。
その恍惚とした表情は、目の前の男、博士に対して、完全に無防備だった。それは、彼女の星の文化、首の
模様に触れた男を伴侶とする、そのしきたりに則っての流れなのだ。博士は、彼女に選ばれたことを幸運と
感じながらも、少し悔しくもあった。贅沢なことだとは判っていても、彼女の無防備さを引き出す信頼を、実力で
勝ち取りたかった、という悔しさだ。
しかし今、そのことに気を取られていても仕方がない。これからがんばりゃいいわいな、とポジティブシンキング。
そして二人は、キスによって心が愛おしさで満たされると同時に、肉体的な欲情がかき立てられていく。
さてそこで博士には、一つ思うことがある。
いまさらな話であるが、彼女は本当に宇宙人なのだろうか、と思い直してみる。先ほどまでのエリマキの光など
を見ても間違いないとは思うのだが、無粋な心配がないわけではない。
平たく言えば、『出来るのか』ということが気がかりなのだ。
地球人類の男性と交合。
ここまで外見が地球人利に近似しているのだ、中身もそうであって欲しい。
あと、実は、どっちも付いてます、的なのも、勘弁願いたい。
そんなことを考え始めると、早急に確かめないと気が済まない。
博士は、着衣のままの彼女を抱きしめ、掌で彼女の身体を撫で回した。胸、腰、尻と優しく撫でていくと、それに
応じた仕草で縁が身体をよじる。
「ん、あん・・・・・・んく・・・」
服越しに身体を撫でられ、それでも博士の与える刺激に反応する縁は、その度に息を短く詰め、声を殺して喘ぐ。
このあたりまでは、博士のそれほど多くない女性経験での反応と、さして違いはない。ちゃんと地球人類の女性
と同じように、博士の愛撫で感じてくれている。首だけが性感帯というわけではなさそうなので一安心。
そして、肝心の部分。
「触るよ、いいね?」
などと聞くのが無粋なのは百も承知。
しかしそれでも。
「・・・・・・うん」
快感による火照りと恥じらいの赤みで顔中を真っ赤に染めながら、小さく承諾。
これだよ、これ、この表情が見たいから聞いたに決まってるじゃないか、と博士は十分ご満悦。
するり、とスカートの下に手を這わせ、期待と祈りを込めて、ショーツの中に手を差し入れる。
そして、慎ましやかな陰毛を指先で撫で進み、肝心の部分を確認。
・・・ない、・・・ない、・・・ある、・・・ある!!
187:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 20:00:26 FlpHtMR7
「ひゃん、や、そこ触っちゃ、やぁ・・・」
ぐっ、と、博士は愛撫に使っていない、空いたほうの掌(てのひら)を拳(こぶし)にした。
(やったっ、チンコない、キンタマない、クリトリスある、膣もある!!)
大宇宙を統べるご都合主義の神様に、博士は感謝した。もし大宇宙御都合主義教などという新興宗教があ
れば、喜んで入信するかも知れない。なければ作るか?
そして、ぐ、と握ったガッツの拳を解く。後はもう、彼女を普通の人間の女の子と同じように、心おきなく愛して
やればよいだけだ。
「やぅ・・・ひ、んんぅ、くひぃ・・・おねがい・・・あ、あまり、そこは、いじらないでぇ・・・・・・」
と、彼女のせっぱ詰まった訴えに、博士は我に返った。
考え事をしているうちに、無意識にいじり倒してしまったようで。
そして、自分に弄られてあられもない姿をさらす縁を改めて見つめる。
は、は、と短く息を継ぎながら性感に振り回される縁。
そんな姿を見てしまっては、本格的に導いてやらねばならんよな、と博士は本腰を入れて彼女を愛すること
に決めた。
「あ・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・ひ・・・・・・・・あは・・・」
先ほどのキスから、いくらの時間が費やされたのか。
ひくひくと身体を波打たせ、何度も何度も迎えた絶頂に、すっかり彼女はなすがままに弄ばれていた。
博士は、汗だくになり悶える彼女を教室の机の上に横たえ、思う存分可愛がってやる。
彼女は服をすべて脱いだわけではなく、ジャンパー、そして制服のブラウスの前だけをはだけ、ゆるめられた
ブラジャーの隙間から露わになった乳房を博士に吸われていた。
先ほどから両手で彼女の身体を撫でさすり、唇は彼女の唇と弱点である首を責め立て、たとえ彼女が泣いて
果てようとも構わずに快楽を与え続けていた。
「おねがい・・・・・・もう、ゆるして・・・・・・」
あえぎ疲れて枯れた喉、果て続けて弛緩する身体、愛されすぎてとろける心で、縁は何度目かの限界を訴えた。
しかし博士は無情で、
「許しません」
と、きっぱり答える。
そうだろうとも、許せるはずもない。すでに博士のペニスはズボンの下で痛いほどの膨張を見せ、彼女の中に
放出しない限り収まりそうもなかったからだ。
博士はズボンを脱ぎ、ギンギンに固くなった怒張を露出した。
188:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 20:03:05 FlpHtMR7
「・・・・・・っ」
ぼんやりとした視界に博士の男性器を捕らえた縁は、く、と息を呑む。
「そんなにおおきいの、・・・・・・はいら・・・ない・・・」
「大丈夫、入ります!」
不安を口にする縁を、またしても一言で断言。
それが男の欲望から出た言葉であろうとも、ここで躊躇するよりは良い。彼女を気遣い、労るのであれば、言葉
だけではなく行動で示す。
博士の半ばハッタリに近い断言を信じたのか、縁はこくりと頷き、彼を受け入れる覚悟をした。
スカートをまくり上げ、ショーツを脱がされた縁は、すでに何度もいかされてとろとろにふやけた性器を博士に晒す。
見た目も、性器としての機能も、地球人のそれと何一つ変わらない、初々しい縁の秘所。指で彼女の秘肉を
割ると、新たにわいた愛液がどろりとあふれ出す。
膣口に亀頭を押し当て、わき出るぬめりをまんべんなく纏わせていく。
そして、彼女の上に覆い被さった博士は、腰に力を込め、ぬめりの力を借りて、怒張を押し込んでいく。
「つっ!」
彼女の膣肉を、ほとんど限界まで拡張しながら、初めての男が進入する。痛みに顔をしかめたものの、それでも
進入は止まらずに、一気に根本まで押し込まれた。
「い、いたい、・・・・・・いたいよぉ・・・」
涙をぼろぼろとこぼしながら、痛みを訴えてくる縁。だが、初めての挿入を受けるならば、これは避けて通れぬ
痛み。博士は、痛みを訴える唇をキスで塞ぎ、ゆっくりと落ち着かせてやりながら、膣が男根に馴染むのを待った。
しばしのキスを終え、唇を離しても彼女は、もう痛みを口にしなかった。もちろんまだまだ痛むのだろうが、それ
でもそれをぐっと堪えた。痛い、と口に出すよりも、別の言葉を口にしたかった。
「おねがい、・・・わたしを、かわいがってほしい・・・・・・」
博士はそれに応え、ゆっくりと腰を動かし始めた。びくり、と痙攣するかのように身体を強張らせる縁だが、それ
で遠慮をする博士ではない。
「ひ、あっ! ・・・・・・ひう!」
博士は、遠慮無く彼女の膣内をペニスでえぐり、こすり立てる。そして、せめて痛みを紛らわせるためにと、彼女
の首の文様に、舌を這わせてやった。
「うあっ! ひ! そこぉ!」
きゅ、きゅん、と彼女の膣が締まる。やはりここへの刺激はことのほか弱いらしく、彼女は眉根を寄せてかぶりを
振る。博士は、痛みなどに気が回せなくなるほど、彼女の弱い部分を責め、腰を激しく使い、どんどんと快感を
与えていった。
ず、ずちゅ、ぐちゅ、ちゅぐ
189:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 20:04:41 FlpHtMR7
湿った音を立てて出し入れされる男の剛直が、その度に彼女の膣内から溢れる愛液を泡立て、掻き出していく。
博士はそのピッチを、早くしたり、遅くしたり、深く、浅く、緩急深浅を付けて変化を凝らす。
「んん、んはぁっ、や、だめぇっ! ああああっ!」
彼女の声と表情から痛みが影を潜め始めた。そうなれば後はしめたもの。博士は、自分のペニスに与えられる
刺激を堪えながら、彼女を高めるために尽くした。
「んああっ、ひゅ、んんんんんああああああ! あっ! あはあっ!」
彼女はもうすでに、うわずったあえぎ声をあげながら、博士から与えられる快感を味わうのに夢中になっている。
彼が、腰を打つピッチを小刻みなものにすれば、
「あっ、あっ、んっ、あっあっあうっ! あっ、んくっ! あっ、あっあっ、ひっ! あっ、あうっ、あっ、んあっ!!」
と揺さぶられる身体に流されるまま喘ぎを小さく刻み、彼のピッチが深く、長いものになれば、
「ああああああああああああああああっ!! んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっっ、ひ、
ひああああああああああああああああああああああっっっ!!!」
と、身体の中の息をすべて吐き出すような、長く強い悲鳴を上げた。
そして、堪えに堪えた博士の射精欲求に限界が訪れる頃には、彼女はもう、全身を汗まみれにして痙攣させ、
顔じゅうを涙と涎でぐしょぐしょにしながらよがり狂うほどになっていた。
もう、スカートやブラウス、制服はべとべとに汚れてはいるものの、二人ともそんなことに構う余裕はない。
「くっ!」
とうとう博士の限界が訪れた。腰の奥で発生したマグマの噴火を、後はペニスの締め付けで引き延ばしている
に過ぎない。
あとはもう、ただがむしゃらに腰を突き立て、彼女の子宮を押し上げるかのように責め立てた。
「あっ、あああっ!! だめ、だめええええええええええっっ!!」
そして、いよいよ訪れた射精。限界まで締め付けて堪えた堰を、勢いよく突破する精液。彼女の膣の、一番奥
までえぐり込まれたペニスの先端から、痛いほどの勢いを付けて流し込まれる精液が、彼女の子宮口に流れ
込み、中をどくどくと満たしていく。
「ああああああああああああっ!! でてる、でてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!」
自分の身体の奥に流し込まれる男の精、そしてペニスの脈動を受けながら、彼女は意識を真っ白にする最後
の絶頂を迎えた。
190:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 20:05:42 FlpHtMR7
激しい情交の後、お互いを甘く撫であいながら、火照った体をゆっくりと鎮めていった。
ようやく身体の熱も治まり、ゆっくりと身支度を整え始めた。彼女の制服はすでにくしゃくしゃになっており、汗で
べとべとになったブラウスと合わせても、とてもじゃないが着られたものではない。仕方なく、体操服のジャージ
に着替え、ジャンパーだけを羽織った。もちろん、首の文様を隠す包帯とマフラーは忘れない。
学校を出る間際、守衛の男とすれ違ったが、二人を見ても何も咎めなかった。とっくに下校時間は過ぎていたの
だが、おそらくはそれも彼女の発する電波の影響だろう。
「家はどこ?」
送っていこう、と博士がそれを訊ねると、彼女は短く、ない、とだけ答えた。
博士は、歩く道すがら、彼女の話を聞いた。
彼女は、逃亡者なのだそうな。
彼女の母星で内紛が起き、王族である彼女は、遠い星の果てまで逃げてきたのだという。
「え、ということは、お姫様か!?」
「まぁな、そういうことになる」
ぶっきらぼうにそう答えた縁。
彼女は、この星に辿り着いた後、身を潜めるべく女学生としてこの星の住民になりすましていた。博士が見た
湖での彼女は、ちょうどこの星に着いたばかりの時だ。名前は、自分の母国の言葉をムリヤリこの星の言葉
に訳し、適当に体裁を整えたものだそうで、本当の名前は地球人に発音できないのだそうな。
「じゃあ、これからどうするんだ?」
そういって問いかける博士の言葉に、ぎっ、とキツイ視線を向ける縁。
「貴様の家に行くに決まっているだろ!」
並んで歩く彼女は、そして博士の手を握った。
「私を護ってくれるんじゃないのか?」
最後は声も小さく、不安そうに口ごもる彼女の手を、博士は強く握り返した。
「護るに決まってるじゃないか」
そして二人は、肩を寄せ合いながら、夜の道を一緒に歩いていった。
191:『謎の恐竜キチ』
07/05/04 20:07:24 FlpHtMR7
それから2年後。
ぱん、ぱん、と、洗濯のしわをのぱしてから、縁は男物のパンツをベランダに干していく。
家事にもすっかり手慣れ、洗濯の後の部屋の掃除、夕食の支度と、さくさくと済ませていった。
縁は、午前中のみ付近のコンビニでアルバイトをして、昼からは主に家事に専念するという毎日を過ごしている。
二階堂博士は、高校3年の進路希望に、『1~3位・宇宙人のお姫様を嫁にして、○×工業大学へ進学』と書いて
提出した。相変わらず周りからの変人扱いは変わらなかったので、先生は教員用トイレの掃除を命じただけで
『宇宙人の~』のくだりは不問にした。
そして無事に大学受験に成功した彼は、縁と一緒に故郷の町を離れ、大学に近いアパートに移り住んだ。
二人が結ばれてから、あの湖に宇宙から調査隊がやってきたことがある。危うく彼女が発見されるかというところ
まで危機が迫ったのだが、博士の機転で無事にやり過ごす事が出来た。
また、超有名な正義の宇宙人がやってきて彼女を発見したときも、博士が間に立って説得し、見過ごして貰うこと
に成功した。
他にも、別の宇宙人の女の子があの湖にやってきた『湖のヒ・ミ・ツ』事件に巻き込まれたり、と、いくつかの騒動を
経験した。
そのおかげで、縁と博士の絆はさらに深いものとなった。
最初の頃は滅多に外さなかった首の包帯も、今では、二人の部屋では外すのが普通、といった風になっている。
そして、大学後のアルバイトから帰ってくる博士を、甲斐甲斐しく待っているのだ。
「ただいま~」
「遅いぞ! 今夜はすき焼きだから待たせるなと、あれほど言っておいたのに!!」
そんな風に博士を怒鳴り声で出迎えながらも、その宇宙のお姫様は、
嬉しそうにすき焼きコンロの火を付けるのだった。
END OF TEXT
192:175 ◆dPbouk8tpE
07/05/04 20:08:21 FlpHtMR7
以上です。
おつきあいしていただいた方、ありがとうございます。
193:名無しさん@ピンキー
07/05/04 21:29:47 jJKlRAJi
GJ。
そういや何で博士には怪電波とか効かなかったのか謎だったりするけど聞かない方がよさげ?
194:名無しさん@ピンキー
07/05/04 21:43:20 amfwIari
面白かったよー
「正義のうちうじん」とかのエピソードもいつかキボン。
195:175 ◆dPbouk8tpE
07/05/04 22:08:42 FlpHtMR7
>>193
その謎は、博士の弟とエレキング少女が出会う『湖のヒ・ミ・ツ』で明らかになる謎なので、ここでは書いていないのです。
というのは嘘です。
書き漏らしておりました。スイマセン。
まぁ、体質みたいなもんだと思って下さい。
196:名無しさん@ピンキー
07/05/04 22:24:29 k5elTw5b
電波には電波が効かなかっただけさ
197:名無しさん@ピンキー
07/05/05 00:34:13 zlUgoVqD
他スレからはるばる
GJを言いにきたぜ!
最大出力のGJをくらえ!
198:名無しさん@ピンキー
07/05/05 06:09:42 0BbvtGS5
これからの人生のGJを全てあなたに。神GJ!甘々で最高だ。
で、も ち ろ ん続きはあるよな?>>195でそう宣言したもんな。
ごめん調子乗った。謝るから是非続きをプリーズ。
199:名無しさん@ピンキー
07/05/05 10:54:13 oVlFS8Wc
とても…GJです。
200:名無しさん@ピンキー
07/05/05 12:55:32 VxA0AtX0
ゴジラ娘に股間の酸素魚雷を(ry
201:名無しさん@ピンキー
07/05/05 13:05:14 Gnuddo2A
【正義の人】天羽優子@山形大学【ニセ科学】
スレリンク(bake板)
15 :あるケミストさん :2007/05/05(土) 12:50:23
i-foe.org, Freedom of Expression in the Internet
>会といっても、NPOでもないし法人でもない、同好会のようなものです。サイトの内容に関するお問い合わせは、
apj@cm.kj.yamagata-u.ac.jp へ連絡してください。適宜対応いたします。
URLリンク(www.i-foe.org)
202:名無しさん@ピンキー
07/05/05 17:30:45 zKriw2le
>>23の続きが読みたいよー!!
203:名無しさん@ピンキー
07/05/05 18:55:10 PI5jvSFk
光の巨人、どう説得したんだろうw
うん、面白かったけど。やっぱ「特異体質」の一言で良いから説明欲しかった気が
というわけで、『湖のヒ・ミ・ツ』もよろしく
204:名無しさん@ピンキー
07/05/05 19:26:30 /drKMSRR
>>203
巨人「ジュワ!」
博士「ジョァ!」
巨人「ヘァッ!」
博士「シュワッ!」
……と、適当に場を繋いで3分待った。
205:名無しさん@ピンキー
07/05/06 01:15:41 GgO3xbJq
光の巨人は結構話のわかる奴だぜ?
……敵対すると20億でも迷わず虐殺するけど
206:名無しさん@ピンキー
07/05/06 21:12:09 nRaEF2pQ
>>205
すでに動けない相手に小便ひっかけてトドメ刺すようなヒトは信頼できません。
207:すみませんが
07/05/08 01:40:06 EPgxfmxg
ずっと前に見かけた『モーショボーたん』のシリーズ全部読みたいんですがどこにあるんでしょうか?
208:名無しさん@ピンキー
07/05/08 03:12:54 F7/Yvr8V
>>207
18歳になったらまた来い。
209:名無しさん@ピンキー
07/05/08 16:51:06 mLVEn8Dd
人間以外スレに吸血鬼ものが落とされたてたけど、このスレの173さんかな。
吸血鬼スレにいた自分としては、せめて圧縮がGW明けだったら思わずにはいられなかった。
210:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:32:36 WwAFIh8V
そして誰もいなくなった
211:名無しさん@ピンキー
07/05/12 23:36:51 +Pax2/fP
まあ、ちょっと細分化し過ぎたきらいもあったし、仕方ないかもな。
212:名無しさん@ピンキー
07/05/14 02:54:27 760VHSHH
保守りますね
213:名無しさん@ピンキー
07/05/15 22:58:12 7jj7iOMH
また職人が来ると信じつつ保守
214:名無しさん@ピンキー
07/05/16 00:53:17 CUSAQNfv
もーじき、『蛇足』が投下できると思うんで、暇な人は覗きにきてやってください。
215:名無しさん@ピンキー
07/05/16 20:04:28 0R6+GikP
いつもみてるよ…
216:名無しさん@ピンキー
07/05/20 22:29:13 h/60Ttb6
ホシュ(´・ω・`)
217:名無しさん@ピンキー
07/05/20 22:41:21 0m0OxmcR
エターナルフォース保守
218:175 ◆dPbouk8tpE
07/05/21 02:10:32 oK8CC9KD
流れ仏契りで『蛇足』30kb投下いたします。
『蛇足』といっても、足のあるヘビ女ではありません、その筋が好みのお方、申し訳ない。
先に投下した、『謎の恐竜キチ』・・・エリマキ宇宙人さんのお話の、補足です。
本番行為の描写はありません。
前作が駄目な人は、NGワード『蛇足』で弾いてください。甘々が駄目な人も。
胸焼け誘発、くどい文章です。
219:『蛇足』
07/05/21 02:13:33 oK8CC9KD
「うん、やはりいいな、地球の『牛』は。特にあの店で仕入れた肉は絶品だ」
しーしーと楊枝で歯をせせりながら、その女性、『二階堂縁(にかいどう ゆかり)』は満足げに言った。気の強そ
うな面差し、そしてそれに似合った尊大な口調で、本日の夕食であるすき焼きを評する。
季節は初夏、気温もずいぶんと暖かくなり、部屋の中で過ごす彼女の姿も、タンクトップにホットパンツとずいぶ
ん薄着になった。部屋にはクーラーも入り室温は快適に調節されているのだが、先ほどのすき焼きの熱分で、
心地よい汗をかいている。
「宇宙法を犯してまでこの星から略奪する奴らの気持ち、わからんでもない」
どうやらキャトルミューティレーションは、宇宙の法律で禁止されてるらしい。内蔵だけ持っていく奴らは、やはり
モツ鍋が好きなのだろうか、などと、彼女の言葉を聞きながら『二階堂博士(にかいどう ひろし)』は思った。
地球から牛を持ち帰る宇宙人さんは、是非醤油もセットでおもちいただきたい。牛肉には、一番合う調味料だ。
いやむしろ、醤油の味もわからん宇宙人は、地球から貴重な牛を持っていくな、といいたい。
「なにをしている、箸を握りしめて。まだ食い足りないのか」
宇宙と醤油の展望に想いを馳せている、そんな博士の様子を見て、縁(ゆかり)は呆れてつっこんだ。博士にし
てみれば、胃袋が満たされたため少し心に余裕が出来て、他宇宙人様(たにんさま)の食餌事情にまで口を挟
みたくなった、といったところか。
「全く、お前は浅ましいな。この広い宇宙銀河には、こんな上等の神戸牛を喰うことも出来ず、安手の金星ガニ
で我慢している不憫な奴らも多いというのに。心して喰わんか馬鹿者」
言いたい放題だ。
二人が挟む食卓の中央にはカセットコンロの上に置かれたすき焼き鍋があり、ネギの一片、しらたきの一本す
ら残さず、すっかり綺麗にさらわれていた。ここまで綺麗に、美味しくいただかれてしまったのであれば、牛や
野菜達も本望というものだろう。彼女が言うまでもなく、二人とも十分心して喰っているのだ。
食事中はテレビを見ない主義を貫く博士は、一人でのんびりお茶を飲んで胃を休めながら、食後の今になって
ようやくテレビのスイッチを入れた。ガチャガチャとチャンネルをひねりながら番組をザッピングしていくと、とある
番組で、見慣れた光景が映し出された。
「お・・・ここって、あの湖だ」
夜遅く放映される旅番組で、レポーターの男女が散策する背後の風景は、博士にとって見知った景色だった。
久しぶりに見た故郷の景色に、少しばかりの郷愁が蘇る。
『この湖はですね、ここのところ頻繁にUFO目撃情報が報告される、最新オカルトスポットなんですよ~!!』
レポーターが紹介するとおり、ここはその手のマニアが集まる名物スポットになってしまった。昼はもちろん、夜
遅くまでUFO目当ての人間がそこかしこに潜む、なんとも微妙な場所である。博士は昔、深夜の湖を散策する
趣味を持っていたのだが、今となってはそれも叶わないだろう。かつてのような孤独は、そこではもう楽しめない。
まぁそれも、博士がひろめた噂なので、自業自得といわれればそれまで。
220:『蛇足』
07/05/21 02:16:27 oK8CC9KD
今も彼女の宇宙船は、湖の底の泥の中に隠してある。縁は、さっさと破壊しよう、と言ったのだが、宇宙船の中に
は医療設備もあったので、万が一のことも考えてそれは止めさせた。
普通の人間相手ならばそれでも十分隠し通せるのだが、相手が追手の宇宙人ともなればそう簡単な話ではない。
実際、博士と縁が出会ってからしばらくして、そこに捜索隊のUFOがやってきた。
そのときは、なんとかやり過ごすことが出来た。あらかじめ縁からいくつかの事情と宇宙人達の決まり事を教え
て貰っていた博士は、それらを上手く組み合わせ、状況を巧みに利用して、彼らを騙すことに成功した。
『ここに漂着した宇宙人は、政府組織に捕縛され、監禁されている』という偽情報を信じた彼らは、政府の秘密
機関と接触しようとしたようだ。結果、失敗に終わったらしいとそのことを博士が知るのは、とある伝(つて)によ
るものなのだが。
そんなわけで、博士はあの湖に噂を広め、人を集めることで、宇宙からの追手が近づき難いようにしているのだ。
「そんなに昔って訳でもないのに、なんだか懐かしいなぁ」
博士はテレビに映される湖を見ながら、当時のドタバタを回顧していた。
そんな彼の元に、先ほどまで台所で食器をかたしていた縁が戻ってくる。
「そら、杏仁豆腐だ、喰え」
口調こそぶっきらぼうではあるものの、食べ物を扱う仕草は繊細なものだ。その手には二つの器、涼やかに盛り
つけられた手作り杏仁豆腐。菱形にカットした杏仁豆腐、粒小豆、チェリー、みかんをさっぱりした甘味のシロップ
に浸した、夏らしい涼のある一品だ。その器を一つ、ことりと博士の前に置くと、縁は残る一つの器を持って、ちょ
こんと博士の隣に座った。
すき焼きをたらふく食べて重くなった腹には、この杏仁豆腐のさっぱりした甘みは非常にありがたい。
ひんやりちゅるり、と口の中に滑り込んでくる食感と、清涼感のある甘味が何とも心地よい。
博士は縁お手製のデザートを堪能しながらも、ちらりと彼女を見る。
彼女は博士と並んで座り、テレビを見ながらデザートスプーンを口に運んでいる。テレビを眺めながら、時折ちら
りと視線をこちらに向けようと動くものの、それを果たさずにまたテレビを捕らえ直す。それを数分周期で繰り返す
ルーチンマシーンと化していた。
縁との二人暮らしも早2年、それなりに心の通じ合った二人である。博士も、こういう流れは十分に経験し理解し
ているので、この後何をすればいいのか、なにがしたいのかはわかっている。
(あー、これは、『エッチしてほしい』の合図)
タンクトップの部屋着は、無防備に彼女の首元を晒している。
縁の首に彩られた入れ墨のような文様。それは『洗脳電波』を放出する部分であると同時に、彼女たち種族にとっ
ては性感帯の一つ、すなわち彼女の『操』を示すものである。そんな大事な場所を彼女は、博士と二人きりの室
内では隠さないようになった。博士はその変化が、彼女が自分に心を開いてくれる証のようで、実に満足している。
そして、縁が博士の隣に座り、自分の首の文様を彼の手が伸ばせる範囲に持ってくると言うことは、そこを触って
欲しい、つまりはエッチがしたいという彼女のおねだりである。
(もちろん俺も、エッチしたい。・・・あとは、『タイミング』だけ・・・)
そう、タイミングだ。
求めあったからといって、すぐに性交開始、というわけではない。こうやって縁が求めてくるのも、彼女にとっては
それなりの心の準備が必要なようで、本人はあくまでも、さりげなくやってるつもりなのである。
だから、あからさまに反応すれば、がっつくな! といって縁は機嫌を損ねる。
しかし、いつまでも手を出さないでいると、この鈍感! と怒り出してしまう。
早すぎず、遅すぎず、ちょうどいいタイミングで応じてやらなければならないのだ。
221:『蛇足』
07/05/21 02:18:05 oK8CC9KD
「・・・あっ、」
二人が杏仁豆腐を食べ終えてしばらく、縁が小さく呟いたのは、博士が彼女の肩を抱いたからだ。
自分の求めに博士が応じてくれたことが嬉しくもあり、恥ずかしくもあり。
そして、照れながらも幸せそうに表情を綻ばす彼女を抱き寄せた博士は、首に触れるよりもまず、そっとキスを
した。
「・・・ん・・・・・・」
言ってみれば、首に触れることは彼女のスイッチを押すようなもので、たったそれだけの行為で縁は腰砕けに
なってしまう。
もちろんそれは博士にとってもありがたい体質なのだが、博士は簡単に、そのスイッチを押したりしない。
エッチになって甘えてくる縁も可愛いが、普段の気が強い縁もまた、かなり可愛い。
そのどちらとも、たくさん可愛がってやりたいからだ。
「ゆかりのキス、甘いなぁ」
唇を重ねるだけの軽いキス、その感触を楽しんだ博士は、終えた後に感想報告。
デザート以上に甘く歯が浮くセリフに、一瞬言葉を失ってから慌てて、
「ば、馬鹿、それはシロップの味だろ!」
照れを誤魔化すように唇を押さえ、ぷい、と顔を逸らす。
嬉しいのか恥ずかしいのか喜んでいるのか困っているのか、本来は右と左の両極端に位置する感情が一気に
吹き出して、大慌てを通り越して何をどうしたらいいのかもわからない。
平たく言えば、これぞオーバーヒート。しゅう、と湯気を噴きだして、真っ赤になって押し黙る。
そんな反応もまた可愛い。博士の忍耐も一気に限界点突破。
「ンじゃ、そのゆかりをデザートにして喰っちゃいましょうか!!」
首の文様に触れるまでもなく、たったキスの一つだけでお互いがエッチなモードに入ってしまった。
もう我慢の限界だ、やったるぜ俺は! とばかりに博士が縁を抱きしめたその瞬間、
ぴんぽーん
と、ドアベルの音。
こんな時間にいったいなんだ、と、スタートダッシュの瞬間に足を引っかけられてつんのめった博士。
ここで博士は考えた。
無視だ、無視。可愛いハニーとのイチャイチャタイム開始だって時に、邪魔をするヤツなんか、ホットケ! そも
そもこんな時間に来る方が悪いのだ!!
博士はそんなふうにスルーすることに決めたのだがその瞬間、
ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽん!!
と、ドアベル連打。
「じゃかーしい!!(『うるさい』の意)」
ばん、と勢いよく玄関ドアを開け、深夜の不躾な来訪者に怒鳴りつける博士。ドアの前でベルを押していた来訪
者は、博士の剣幕に僅か怯んだものの、にへら、と愛想笑いを浮かべて言った。
「すまん、味噌、分けてくれ」
その男は、見た感じ博士と同年代の二十歳前半、こざっぱりした風貌のイケメンだ。
222:『蛇足』
07/05/21 02:20:23 oK8CC9KD
「地球人から深夜に味噌借りて、あの立派な親戚たちに顔向けできるのか?」
「あいつらはキレイ過ぎるよ、比べられても困るな」
自嘲気味に、ニヤニヤと笑ったこの隣人は宇宙人だ。しかも、何を隠そう、宇宙の平和を守る宇宙人の組織、
宇宙警備隊の隊員だ。
宇宙警備隊は、基本的にあの超有名な正義の宇宙人『光の巨人』たちで構成され、他星からの侵略に対して
抵抗力が弱い、文明レベルが劣る星や種族的に脆弱な星などを護ることを任務としている。
この男もその構成員であり、彼の親戚には『兄弟』という、地球で功名を立てたエリートに属するものまでいる。
この男と博士の出会い、それもあの湖での出来事だ。
博士が高校3年生の夏、縁とその追手達を調査するため、宇宙警備隊隊員がやってきた。その隊員というのが、
警備隊の下っ端であるこの男。
しかし、あろう事かこの男、地球降着の際に誤って地球人青年の命を奪ってしまったのだ。
その現場を、博士が押さえた。
縁のUFOからの警告で、何者かが接近していることを掴んだ彼。縁を護るためにも、先手を打つ必要があった
ための行動だ。
男は、本部に知られたら重大な服務規程違反になるこの失態、とりあえず目撃者を殺っとくか、と博士を手に掛
けようとしたのだが、博士だって黙って殺られるタマではない。縁の宇宙船設備を使えば宇宙警備隊本部に通報
出来ることを告げ、自分が死ねば、録画されたこの一部始終を送信する、と釘を差した。もちろん、縁の存在が
明らかにされ、追手に知られるようなことになっても同様の措置を執る、と。
そんなやりとりがあって。
アははは、ヌははは、と腹黒い笑いを浮かべながらとりあえず両者は手を組むことにした。
当初は、そのような顛末で、非常にギスギスした関係であったのだが。
当面この男、自分が殺した地球人の姿を借りて駐在し始めたのだが、街で出会ったとある地球人の女に、ぞっ
こん惚れてしまった。今ではその女との暮らしを失わないために、すっかり博士と友好的な協力関係を結ぶに
至ったのである。前述の、地球人政府関係者にコネを持つ協力者とは彼のこと。お互い、何かと都合もいいので、
彼らは博士の隣の部屋を借りた。
「いやぁ、唐突に豚汁が飲みたくなってな、作ってもらおうとしたら味噌が切れてて慌てたぜ~」
「そんなようじでわざわざよなかにおしかけてくるんじゃねえええええええええ!!!!」
未開封の徳用味噌を彼の顔面に叩き付けて、博士は荒々しくドアを閉めた。
「ゆかり、お待たせ」
そういって博士はテレビのある居間に戻ってきた。
しかし、そこに縁はいなかった。
ひやり、と背筋に冷たい汗。
(・・・・・・・・・怒ってるなぁ)
居間にはいない、となれば、おそらくは奥のもう一部屋、寝室だろう。
だが、先に寝室に向かい、裸になってベッドに上がり布団の中から、ねぇ、はやく~ん♪ などと甘えた声を出
して、布団の端をつまみ上げる、なんて事は・・・・・・ない。間違いなく、あり得ない。
223:『蛇足』
07/05/21 02:23:34 oK8CC9KD
そっと、出来るだけ音を立てないように障子を引き、顔の幅ほどの隙間を開け、中を覗いてみる。明かりのない
部屋、ベッドの上に盛り上がる布団、そしてその中にいる縁。
こちらに背を向けて、眠った振り。
(・・・・・・・・・すげぇ、怒ってらっしゃる)
機嫌悪いオーラが部屋中に充満していて、覗くために割り込ませた顔の皮膚をちくちくと刺していく。
選択肢として、『ここでこのまま彼女を放置して、明日の朝に機嫌が直ってることを期待する』というものは存在
しないことが、彼の経験上、わかっている。
何とも扱いの難しい女の子だ。
しかし博士は、自分が縁にぞっこんなのを自覚しているので、こうやって怒って──拗ねている彼女ですら
可愛らしく思えてしまう。
そして博士は、良し、と小さく呟いて覚悟を決めた後、部屋に入った。
「ゆかりさーん、もしかして怒ってます?」
わかっているが訊いてみる。会話のとっかかりと言うところか。
「・・・怒ってない。今日はもう寝る」
あからさまな不機嫌ボイスでそう答える縁。間違いなく怒っている。間違いようがない、というか、この言葉面
(ことばづら)を素直に信じることが出来るヤツは、朴念仁の呪いにかかっているに違いない。
博士は、そのまま彼女の潜り込むベッドまで近づき、その背中を抱くように自分も横になる。
「まぁ、そう言わないで。つづき、やろう?」
「嫌だ」
彼女に腕をまわし、背中を抱いてやってみて気が付く。寝る、といってベッドに入った彼女だが、寝間着に着替え
たわけでもなく、さっきまでの部屋着のままなのだ。
着替えることも忘れて拗ねる彼女、何とも可愛らしい。博士は、このまま彼女を寝かせてしまうことは、意地でも
出来ないな、と思った。
「どうしても?」
「どうしてもだ。お前も、もう寝ろ!」
博士に背を向ける縁はかたくなだ。二人の雰囲気に水を差されてしまい、気恥ずかしさを我慢できずに、怒った
ふうに取り繕うしか出来ない不器用さ。
実に可愛い。
実にそそる。
博士は、俄然やる気を出した。
そして、当然その手段といえば、これしかない。
「仕方がない、奥の手、行きますよ?」
「っ! や!」
彼の言葉に、『何をされるのか』、を察した縁は、慌てて逃げようともがいた。しかし、端から身体に手を伸ばされ、
絡め取られていた縁に逃げることなど出来るはずもなく、あっさりと彼の片腕で御されてしまった。
そして博士は、残った片手で、ゆっくりと、彼女の首の文様に触れた。
224:『蛇足』
07/05/21 02:25:49 oK8CC9KD
「ひん!!!」
そしてそのまま、指の腹で触れる触れないの力加減で、すうぅぅぅぅぅぅぅぅっ・・・と、
「ひああああぁぁあぁぁっっぁあぁぁああああぁぁぁあっぁぁっぁぁっ・・・」
震えるような声を彼女の喉から引き出しながら、文様をなぞりあげていく。
肺の空気を出し終えて息を詰まらせる縁が、博士の指が動きを止めたときにようやく息を吸い、そして感極まっ
たように、はぁっ、と甘い息を吐いた。
「・・・・・・ず、ずるい」
ゆっくりと振り向いた縁は、たったそれだけの愛撫で、すっかり惚(ほう)けた顔をしていた。
たったそれだけ、ではなく、彼女にとってはとても大切な場所への刺激。焦がれる気持ちが強くなり、余計な
逡巡や葛藤などが霞むように消えていく。
その場所への愛撫は、彼女の心をほぐす為の愛撫。
「いつもいつも、私がこれで許す訳じゃないんだからな・・・」
それでも最後の抵抗。
いや、それはすでに抵抗の言葉を借りた、男へのおもねりでしかない。
ころり、と彼女は博士の手前に転がされ、互いに向かい合う。縁は、ためらう仕草も見せずに唇を寄せた。
もちろん博士もそれに応じる。
ちゅ、
柔らかく触れた唇が、次第に強く押しつけられ、
ちゅ、
湿った唇が開かれ、お互いのその隙間を埋めるように塞ぎ合い、
くちゅ、
差し込まれたお互いの舌が絡み合い、互いの唾液を混ぜ合い、
こくり、
互いの唾液を飲み込んでいった。
それからしばらく二人は、唇をこすり合い、舌を絡ませ、唾液を交換しあうようにキスを交わした。時折出来る
唇の隙間から、悩ましげに漏れる縁の吐息と、泡立つような湿った音。
そして、長いキスの後、彼女はすっかり火照った顔を博士の胸に埋め、大きな吐息を吐いた。
「あふぅ・・・すきぃ・・・」
その吐息と共に、思わずこぼしてしまう、一言。
博士は、そんな甘い言葉に、単純にも感動してしまった。普段の、少しつれない態度や尊大な性格とは、全く
別人のような甘え具合。
最初は、こうやって自分に甘えてくるのも首の文様のせいだと思っていたのだが、最近になってようやくわかっ
てきたことがある。地道に首以外の愛撫でも、彼女が感極まれば、このように甘えまくるようになるのだ。
確かに、首への愛撫は、彼女の性感を引き出すのに手っ取り早いスイッチではあるが、特別な性格に変貌す
るためのスイッチではない。普段の彼女も、今の彼女も、どちらも本当の彼女なのである。
225:『蛇足』
07/05/21 02:26:56 oK8CC9KD
ベッドの上に横たわり、博士に抱かれ身体を密着させながらも、縁の手はいつのまにやら彼の股間にあてがわ
れていた。ズボンの上からさわ、さわと撫でさすり、愛おしむ。
「・・・これ、舐めたい」
キスで荒げた息もまだ収まらぬまま、縁がおねだりをする。撫でる掌に熱がこもり、布越しにも強い刺激を送り
込みながらの、おねだり。
「おまえのこれ、だいすき・・・」
彼女の希望に対して、もちろん博士に異論あるはずもなく。しかし彼は、彼女に対して少しの意地悪。
「『これ』じゃわかりませんな。ちゃんとした言葉で、正直に言わないと駄目じゃないか」
焦らす、訳ではない。ただ、彼女が持つ恥じらいの枷を外し、淫らになるためのきっかけを与えてやるための
言葉だ。儀式、といっても良い。
彼のその言葉に、縁は少しの恥じらいの間をおいて、頷いた。
「うん、・・・お、おちんぽ・・・」
彼女がこの地球で覚えた言葉。こうやって博士と睦み合うときにしか口にしない淫らな言葉。
博士はその答えに満足し、ズボンを脱いでペニスを取りだした。
「じゃあ、お願いしようかな」
仰向けになって横たわった博士の股間に、縁がかがみ込んで顔を寄せる。
すでに十分充血して大きく勃起した青年の性器に、挨拶するように、キス。
ちゅ、ちゅ、と啄むようなキスの後、亀頭に鼻を寄せ、すぅ、と臭いを嗅いだ。
「このにおい、好き・・・かいだだけで、あそこ・・・おまんこが、じゅん、ってなっちゃう・・・」
博士の、男の性臭を、忌避することもなく吸い込んだ彼女は、甘えるようにそういった。その言葉に嘘はない
らしく、すん、すん、と可愛らしく鼻を鳴らした後、もじりと切なそうに腰をくねらせた。
「臭い、だけで良いのか?」
博士が、言う。それは縁への問いのようでいて、実のところ、焦れた博士が彼女を急かす言葉だ。
縁にしてもそのあたり、博士の性欲は程々理解できている。自分がしたいことと、相手がして欲しいことが重
なる時というのは、くすぐったいような嬉しさがあるものだ。縁は彼の問いに、小さく首を振った後、べろり、と
舌を出した。
「舐めたい」
そういって縁は、唾液で湿らせた舌の腹で博士のペニス、その裏筋を、べろーり、と大きく舐めあげた。
ぞくり、と背筋を怖気に似た痺れが走る。博士は息を呑み、かろうじて声を漏らすことなくその刺激を堪えた。
「味も、好き・・・たくさんよだれが出て、頭の中がしびれて来ちゃうの」
そうやって何度も舐めていく。舌先だけでちろちろと可愛らしく舐めるときもあれば、舌の腹を使って大きく
ぞろり、と淫らに舐める。そんな行為を何度も繰り返し、すっかり博士のペニスは唾液まみれになった。
226:『蛇足』
07/05/21 02:29:56 oK8CC9KD
「んはぁ・・・・・・・ん、ちゅ、・・・・はぁ・・・」
べとべとになったペニスに、頬ずりするように顔を擦りつけ、伸ばした舌で新たな唾液をまぶしていく。
そして、両手で捧げ持った肉柱、その胴を、はむ、と横咥えにしてむしゃぶりついた。
「んんーー、ん、んん、んーーーーーっ」
サオの部分に唇をあてがい、ずちゅう・・・と湿った音を立てて吸い付く。そのまま、ハーモニカを吹くように何度も
往復し、じゅるじゅると擦り立てていった。
「この、ふといのがすき・・・わたしのおまんこ、裂けちゃうくらい拡げてくれるの、とっても気持ちいい・・・」
横咥えを中断し、サオに絡めた指でしごきあげながら、縁が言う。彼女の細い指が絡むと、青年のペニスの太さ
が妙に強調され、博士自身ですら彼女の言う言葉にそそられてその気になってしまう。博士の持ち物は確かに
かなり立派なものであるが、客観的に見て、異常といえるほどの巨根というわけではない。しかし、縁の唇という
パーツが小振りなことと、彼女のおもねる言葉により、過剰なほどの自信を男に与えてしまうのだ。
甘い吐息と共に囁いたその言葉の後、今度は大きく口を開け、縁は亀頭を深く飲み込んでいった。
顎が、どうにかなりそうなほど大きく唇を開き、男の醜悪なペニスを喉奥まで深く咥える。
「ん・・・・・・・・・んん、んんん、んむ、んんんんんんん・・・・・・」
苦しい呼吸を鼻からの息だけでまかない、彼女に出来る最大のストロークでペニスをしゃぶり立てる。苦しそうに
顔を真っ赤にして、ペニスが喉を犯すようなディープスロートを何度も繰り返す。
「うあっ、あああっ、す、すげぇ・・・」
博士は、その強烈な刺激に、堪えていた呻き声をとうとう漏らしてしまった。その声に機嫌を良くした縁は、ディー
プスロートをより激しいものにして博士を責め立てていく。
「うっ、ちょ、まず、やばいって!!」
じゅるじゅるじゅぱじゅぱと湿った音を立て、激しく吸い付きながら上下する彼女の頭。火照らせた表情を悩ましげ
に歪め、それでも懸命に男に尽くす縁。ただでさえペニスに強烈な刺激が加わっている最中だというのに、そん
な彼女の表情を見てしまうと、早々と精を漏らしてしまいそうになる。
本格的に限界を感じ始めたころ、ようやく刺激が中断された。
縁の顎にも限界が訪れ、苦しさの限界に来たのか、その長大なペニスをずるりと口から吐き出したのだ。
「ぷは、・・・・・・はぁ、・・・このながいのもすき・・・わたしのおく、いちばんふかいところ、つきやぶっちゃいそうな
くらい、すごいの・・・」
その言葉は、男への媚びであると同時に、縁自身の願望でもある。彼女はドロドロにぬめったペニスに縋り付く
ように顔を寄せ、しゅこしゅことしごき立てることを止めない。ディープスロートの強い刺激は去ったものの、続け
られる指の刺激、荒く甘い呼吸、そしておもねる言葉、すべてが博士を捕らえ続けていた。
博士が、いつまで堪えることが出来るのか、いや待て無理して堪える必要があるのか、などと葛藤を繰り広げて
いる間にも、僅かに呼吸を整えた縁は容赦なく博士のペニスを責め続ける。
「おおきいカリのところもすきなの・・・わたしのなかの、えっちなおにくを、たくさんかき混ぜてくれるの、
・・・・・・ぐちょぐちょにかき回されたら、おかしくなっちゃう・・・・・・」
掌の中に納めた博士の亀頭を、ぬるぬるの唾液を纏わせたまま、にちゃにちゃと湿った音を立ててこね回す。怪
しくうごめく指がカリ首をなぞるようにまとわりつき、唾液のぬめりでくにゅくにゅと撫でさすっていく。その度に、亀頭
から電気に似た刺激がビリビリと走り、射精を我慢しようとする博士の意志を刈り取っていく。
自分だけが楽しむのではなく、彼女の性器にペニスを挿入し、思い切り突きまわして楽しませてあげよう、と我慢
していたのだが。
正直、もう博士は限界だった。
計画変更、ここで一度射精して、余裕を取り戻してからたっぷり彼女を可愛がってやろう、そう決めた。
そうとなったら、この苦痛とも言える忍耐を続ける必要はない。彼女の愛撫に身を任せ、思いっきり彼女の喉に
精を放ってやろう、と、腹を決めた。
227:『蛇足』
07/05/21 02:32:05 oK8CC9KD
「なぁ、ゆかり、俺の精液、好きか?」
伸ばした指先で縁の頬を撫で、くすぐるように答えを引き出す。
「うん、せいえき、すきぃ・・・・・・こってりしたどろどろザーメン、好きなの・・・」
とろけるような笑顔で、甘えるような声で、悩ましい言葉で、縁は博士の問いに答えた。
ぞくぞくと背筋を振るわせる興奮、博士は縁の艶っぽい媚びの言葉を聞いて、ますます堪らなくなる。
「飲みたい?」
「・・・のみたい、のみたいよぅ・・・はやく、・・・はやく・・・おまえの美味しいザーメン、ごくごくのみたい・・・」
ちらりと赤い舌を覗かせて、飢えたように急かしてくる縁。
もう、絶対飲ませてやる、一滴残らず縁の喉に流し込んでやらねば、気が済まない。
博士は、限界まで勃起し、ビクビクと脈打つ自分のペニスを、早く解放してやりたかった。
「じゃあ、飲んでもらうよ」
博士がそういって、縁の頬にあてがった指を動かして唇をなぞってやると、彼女は素直に口を開いた。そして、
その唇の隙間に自分の亀頭をあてがい、ずぶずぶと押し込んでいく。
「ん、んんーーーー、ん・・・」
喉を犯され呻く縁だが、それは苦痛によるものではない。その証とばかり、縁は押し込まれる肉茎を招き入れ
るように吸い込んでいく。
そして、自分から顔を上下させ、熱のこもったフェラチオを再開した。
じゅぼっ、じゅぷ、じゅばっ、じゅちゅう、
喉奥、とまで深くは咥えないかわりに、亀頭部分を集中して責め立てた。サオの部分には指を絡め、激しく扱く
ことも忘れない。博士が限界近いことを縁も察しているので、早く楽にさせてやろうと懸命に愛撫していった。
「んんっ、んむっ、んんんんんん、んふっ、んじゅ、んんんんんん、ん、ん、んっ、んんっ、んんんんっ!!!」
縁はわざと。
はしたない音を立て、唾液に空気を混ぜるようにしてフェラチオを続ける。甘く悶えるように鼻を鳴らし、悩ましげな
上目遣いで時折博士の様子をうかがった。
緑はわざと、そんな風に媚びるように尽くす。
しかし、彼女が『わざと』『やろう』と意識した行為でも、純粋に彼女自身が『やりたいこと』とシンクロしているのだ。
その証拠に、縁自身も博士に奉仕することで快楽を得ている。唇を擦る刺激と、喉を突かれるマゾヒスティックな
喜び、鼻孔をくすぐる男の性臭、耳から入る激しい水音、そして、そういう、いやらしい奉仕をしている自分自身の
淫蕩さ。
それらの刺激すべてが縁のココロを性的に高め、淫らに燃え上がらせていく。
身体をくねらせ、太股をもじもじと寄り合わせながらも、頭を激しく振り博士を絶頂に押し上げていくのだ。
惚れた女の本気の愛撫に、高まらない男などいない。
「くっ、もう、だめだっ!!」
博士がそう叫び、腰の奥を爆発させた。一瞬だけ、ペニスを懸命に引き締めて吐精を引き延ばしたものの、
後から後から爆発する勢いに負けて、とうとうペニス先端から勢いよく迸らせてしまった。
びゅ、びゅううううううううううっっっっっっっ!!!!!!!
「うあああっっ!!」
「んんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!」
228:『蛇足』
07/05/21 02:35:11 oK8CC9KD
博士は縁の頭を腰に引き寄せ、ペニスを喉に押しつけながら、次々と大量の精液を迸らせる。博士は、その
痺れるような射精の快楽に酔った。
どくん、どくんと何度も脈打ち、いつ果てるか心配になるほどの射精が続く。縁はその吐き出された精液を、
懸命に飲み干してく。
こく、こくり、こくり、こくん・・・
ずいぶんと大量の精液を流し込まれ、それを上手く喉に通していく縁。ようやく射精が終わり、口の中に堪った
残りの精液を飲み干した後、ぐちゅりとぬめった音をさせてペニスを口から抜いた。
「・・・・・・けほ、こふ、んん・・・、はぁ・・・すごくおいしかった・・・」
口とペニスとの間に何本もの白い糸を橋架け、酸欠に朦朧とした表情に笑みを浮かべて、縁は言った。
「・・・・・・・・・すてき・・・・・・」
口の中に残る精の残滓を味わい、うっとりと彼女は呟く。
縁は、その唇の動きで途切れた精液の糸を追いかけるように、博士の性器に再び舌を這わせ始める。射精後の
ペニスに対して新たに送られ始めた刺激ではあるが、そんなことをするまでもなく、一向に力を失った気配はない。
このまま次の行為に突入することだって可能だ。いや、むしろ、博士はそうしないと、収まりがつかない。
博士は、自分の性器にこれほど愛情を込めて奉仕してくれた上、自分の精液をこれほど喜んで嚥下する縁に対
して、愛おしさもより増した。
それと同時に、ますます高まる性欲で、これから思いっきり彼女を可愛がってやろうと、さらに意気を高めたの
だった。
朝、博士が起床するいつもの時間よりも僅か数分早く、目覚ましの音が鳴った。
目を覚まし、慌ててその音を止めようと辺りをまさぐり、ようやく博士はその音がいつもの目覚ましの音ではなく、
自分の携帯電話の着信音であることに気が付いた。
着信者を見ると、彼の知り合いの、とある宇宙人の少女。
彼女は博士の弟と付き合っており、二人の関係が上手く進めば、追々義妹にもなろうという人物だ。
音源が確認できたことで、ようやく博士も落ち着いて、携帯電話を開いた。
「もしもし、おはようさん」
『あっ、おはようございます。朝早く申し訳ありません・・・』
律儀に挨拶、そして謝罪の言葉。彼女、宇宙から来た少女エレはそういった、まじめな性格をしていることを
思い出すと同時に、そんな彼女がわざわざ早朝に電話をかけてきたことに、用件の緊急さを想定してみる。
ちらり、と自分の隣、抱き合って眠っていたはずの縁を捜すが、そこにはいない。風呂場からシャワーの水音が
することから察して、昨夜の汗を落としているのだろう。
『少し前から調べてた、博士さんと博之(ひろゆき)さんのDNAのことで、大変なことがわかっちゃったんです』
博之というのは、博士の弟の名前。宇宙人、厳密に言うと宇宙人によって作られたサイボーグであるこの少女と、
博士の弟である博之が付き合うきっかけの事件も、あの湖で起こった。
その事件も無事解決し、湖は野次馬で賑わうものの平穏を取り戻した。
それ以後この少女は、自分の電気能力が通じなかった二人の兄弟について興味を持ち、いろいろと調査をして
いたのだ。
「それで、博之にはもう話したの?」
『いえ、まだ彼には話してません。・・・彼、気が小さいから』
229:『蛇足』
07/05/21 02:36:58 oK8CC9KD
がちゃ、と風呂場のドアが開いて、縁が出てきた。障子を開けたままにしてあったこの寝室からちょうど目に入る
位置だ。まだ水気も落としきっていないバスローブ姿で、心なしかわずかに前屈み。
『博士さんはその点、しっかりしてるというか、逞しいというか、落ち着いているというか、肝が据わってるというか、
図太いというか、心臓に毛が生えて』
「フォローする気、ねぇだろ」
その声に、縁も博士が起きたことに気が付いたようで、視線が合った。彼女は、やや辛そうに腰をさすった後、
真っ赤な顔で『あかんべぇ』をした。どうやら昨夜、博士ががんばりすぎたせいで、彼女の腰にきているようだ。
そのまま彼女は、ふん、とそっぽを向いて、台所に消えていった。
縁が台所で朝食の支度をしている間、電話の相手との会話を再開した。彼女の話は、宇宙人の異能力が効
きにくかった兄弟の、DNA特質に関わることであった。
「んー、まぁ、そういうことなら、博之には話さない方がいいな。あいつは気が小さいから」
『そうですね。・・・それにしても博士さん、本当に落ち着いてらっしゃるのですね』
「そう? けっこう驚いてるけど」
『純粋な地球人・・・あなた達兄弟は別にして、この惑星に済んでいる人類がこのことを知ったら、壊滅的な
パニックが起こると思うんですけど。宇宙人の存在とかそういうのとはまた別にして』
「だろうねぇ。だから、このことはもう、知らなかったことにしようや」
『わかりました。データも消しておきます』
博士は、適度な挨拶で通話を終えた後、縁が消えたキッチンに向かった。
そこには、湯上がりのバスローブを脱ぎ捨て、全裸の素肌にエプロンで味噌汁を作っている。
あざとい。
あざといとは思うが、それも縁なりのサービスなのだろう。
博士が過去の経験を思い起こすに、朝っぱらからの裸エプロンは、彼女がよっぽど機嫌がいいときにしか
拝めない。昨夜、がんばった甲斐がある、と博士も嬉しい。
先ほどの『あかんべぇ』は、どうやら照れ隠しだったようだ。
230:『蛇足』
07/05/21 02:37:43 oK8CC9KD
「で、先ほどの電話は、誰からだったのだ?」
味噌汁をすすり、縁が問う。
「エレちゃん。俺や博之の、宇宙人からの異能力が効きにくい体質の謎がわかりました、とのことで」
博士が醤油に海苔を浸し、答える。
「重要なことか?」
「まぁそれなりに」
ことり、と味噌汁の椀を卓袱台に置き、縁が言う。
「私たちの生活に影響は?」
海苔をご飯の上に載せ、米と海苔を一緒に口に運ぶ。
「あまり、影響ない」
その答えを聞き縁は、ふん、と小さく鼻を鳴らした。
「だったら、私は聞く必要はないな」
どうして? 洗脳電波が俺に効かなかった理由、知らないで良いの? と念を押す博士に、食事を終えた縁は
ごちそうさま、と手を合わせた後。
気の強そうな表情にわずか朱を浮かべて。
「原因や過程はどうあれ、私はお前とこうなれて、幸せなのだ。だから今更、そんな当時の事情など知る必要がない」
そして彼女は言った。
そういうのを、蛇足というのだ、と。
END OF TEXT
231:175 ◆dPbouk8tpE
07/05/21 02:38:37 oK8CC9KD
以上です。
前作、何か物足りないと思ったら、フェラシーンがなかったからだ、と理解し、書き足しました。
ようは、それだけなのです。
ちょっと、しつこい文章でしたか?
232:名無しさん@ピンキー
07/05/21 03:51:49 DyN+ZbY/
いやいや全然気にならないよ。
気になるのはひろしの体質の謎だよ。
気になってしようがない。
どーなってんだこんにゃろめ。
233:名無しさん@ピンキー
07/05/21 20:42:57 VqL8UJEQ
兄弟の体質の謎が凄く気になるwww
本番はなくとも充分エロエロでGJでした
博之とエレちゃんの話も出来れば書いて頂きたいものです
234:名無しさん@ピンキー
07/05/22 07:58:02 UhB2cp1O
激甘だ……
思わず転げ回っちまったぜ……
俺もこんな嫁が欲しい……
とにかくグッジョブ。
湖の秘密でエレちゃんということは、エレキング少女ですか。
235:名無しさん@ピンキー
07/05/23 03:02:34 s4mkYxbN
保守
236:名無しさん@ピンキー
07/05/23 08:55:50 2rL5cKzy
読んでくれた方、コメントくれた方、ありがとうございました。
体質の謎は、読んだひとが好きに想像できるように、遊びの部分として残しました。
ずいぶん昔から地球には宇宙からの移民が来ていて混血化が進み、博士と博之は絶滅寸前の純血種地球人なのだ、とか、
実はノンマルトの生き残りだとか、
超古代文明の守護神、地球生まれの光の巨人の血を引いているため、スパークレンスさえあれば変身できてしまう、とか、
てきとーに補填してくだされば幸い。
甘さは、今回、中甘くらいかな。自己評価ですが、激甘とまではいかないと思います。
プレジャーガウストの時よりも、自己悶絶度合いが少なめでしたし。
それとも、一年で耐性が出来てしまったのか……。
それでは、これにて失礼します。
次はもう少し、スレの趣旨に沿ったものを用意してきますので。
237:名無しさん@ピンキー
07/05/23 09:01:01 +aJnkdxi
>>236
プレジャーガウストの社員様だったかぁぁぁ
238:名無しさん@ピンキー
07/05/24 12:15:51 5wRsj/Xi
>>236
プレジャーガウスト&蛇足神GJ--
239:刑事と死んだことに気付かない少女の物語
07/05/24 16:28:13 mPW2dC0e
亀山刑事は幽霊が見えることから署内では心霊刑事と呼ばれている 彼が最初に幽霊を見掛けた事件は数十年前の少女集団暴行殺人事件からだ 当時新米刑事の彼はみんなが帰る中一人残って操作を続けていた 夜中の二時くらいだろうか女の子の泣き声みたいなのが聞こえてきたのだ
「うぅ…もうやめてよぉ…ひどいよ…ひっく…うぅ…」
泣き声に気付いた亀山はその少女に優しく話し掛けた
「おにいちゃんになにがあったか話してもらえるかな?」
「ひっ!?」突然話し掛けられ少女は驚き恐怖を抱き後ずさる
「怖がらなくても大丈夫だよ ぼくは正義の味方だ 悪い者をやっつけるね ぼくの名前は亀山カオル お嬢ちゃんのお名前は?」
240:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:30:49 mPW2dC0e
書いてて気付いたんだけど 事件解決→少女成仏→終わりって感じでエロがないことに気付いた…
241:名無しさん@ピンキー
07/05/24 16:34:51 jHBnwvmX
>>240
それに何か問題が?
エロ無くても面白ければ良い。
あと、sageと句読点に注意。
242:名無しさん@ピンキー
07/05/24 17:55:51 XaNfnOg2
相棒?
243:名無しさん@ピンキー
07/05/24 20:53:44 6Zjcb0jU
続き投下しないと逮捕
244:名無しさん@ピンキー
07/05/24 22:39:24 POZcyeL0
「私メリーさん。 今貴方のマンションに居るの。」
俺は夢遊病にかかったように、呆然と受話器を置いた。 体の震えが止まらない……。
そんな俺を無視するように、電話の音が部屋に鳴り響いた。そっと受話器をとり、耳に当てる。
「私メリーさん。 今、貴方の家の前に居るの。」
心臓がつかまれるような感覚。どくどくと自分の心臓が高鳴るのを感じた。
そんな俺をあざ笑うかのように、再び電話が鳴り響いた。
「私メリーさん。 な、なんで裸なんですか! そういうのやめたほうが良いと思います!」
「君は今、俺の後ろに居るの?」
「い、いません! わたし帰ります!」
「後ろから気配を感じるんだけど。 そこだな。」
「や、やめてください! 何で腕を掴むんですか! 警察呼びます! 呼びますよ!」
「不法侵入は君の方だろ? どっちが捕まるのかなぁ?」
「ひっ!」
「ふひひ、さーせん……。」
……夜はまだ始まったばかりだ。