.hackのエロパロ vol.11.at EROPARO
.hackのエロパロ vol.11. - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
06/11/28 12:13:04 AcPAFYUa
オーヴァンのリアルさえわかれば
大判×志乃が書けそうなのに

101:名無しさん@ピンキー
06/11/28 14:15:23 ONCNiote
>>92
GJ!亮志乃いいな
ただ一つ突っ込ませて貰うと、志乃は確か一人暮らしだ

102:名無しさん@ピンキー
06/11/28 15:25:03 fnRX8VFi
オーヴァンは何でも知っている

ただのストーカーにしか思えないな

103:名無しさん@ピンキー
06/11/28 17:17:36 t8Y05fV0
まさか、オーヴァンはハセヲのことを・・・
ガクガク ((((゜д゜;))))ブルブル

104:ハセ×志乃
06/11/28 18:51:05 BUN7MQEL
おまいら久しぶり
久々に前スレのハセ×志乃の続き投下

105:ハセ×志乃
06/11/28 19:15:38 BUN7MQEL
「よぉ、アトリ。早かったな。」
ほんとに早いよお前、あれからまだ40分しかたってないぞ?
「おじゃましまーす、これがハセヲさんのうちですか・・・・・。」
にしてもこいつ荷物多いな、この短時間でどうやって準備したんだ?
「・・・・・・アトリ、何だその荷物の量・・・・・・。」
「えーっと、パジャマとか下着とかコントローラーとか・・・。」
「コントローラーまで持ってきてんのかよ!!」
・・・・やっぱりこいつの・・・・・なんていうの?オーラ?にはついていけねえ。
相変わらず頭の中はお花畑っぽいし・・・・・・。
「とりあえず荷物リビングにもってってくれ。」
「はい。」
あまりにも多いのでおれが少し持ってやる
それとなんだ?このスーパー袋。
「志乃さんもここにいるんですか?」
「おう。」
とりあえず部屋のふちに荷物をおく
「志乃、こいつアトリ。」
とりあえず紹介した方がいいよな。
「アトリちゃん?」
「はいw初めまして。」
とりあえずカップ麺でも作るか。
「あれ?ハセヲさん晩ご飯まだなんですか?」
「ああ・・・まあいろいろあってな。」
俺が志乃の・・・・・は、裸見たなんて口が裂けてもいえねえ。
「じゃあ私が何か作りますね。」
「アトリちゃん・・・・・作れるの?」
志乃が尊敬のまなざしでアトリを見てる。
まてよ、アトリの作る料理と言ったら・・・・・・・。
「おい、アトリまさか牛・・・・・。」

15分後

「・・・・・やっぱりな。」
できたのはほっかほかの牛丼
「さっ、食べましょう。」
「アトリちゃん牛丼好きなの?」
あー、女子は女子で会話が盛り上がってるみたいだし。
俺はさっさと食って寝よう
もう10時過ぎだし
「ごちそうさま、俺もう寝るわ。」
「じゃあ私たちも寝ましょうか、志乃さん。」
「そうだね。」
客用の布団ってどこだっけ。
たしか寝室の戸棚に入ってたはず
「なあ、布団出すから手伝ってくれ。」
「あ、私お皿片づけますね。」
「じゃ、よろしくね、アトリちゃん。」
とりあえず寝室のある二階に上った

106:名無しさん@ピンキー
06/11/28 19:22:50 kuwvUHTk
クーン×パイてありそうで無いよな。何か色々出来そうな気もするが…

107:ハセ×志乃
06/11/28 19:31:35 BUN7MQEL
「ハセヲ」
「ん?」
階段を上りながら志乃が話しかけてきた。
「さっきはごめんね、殴ったり物投げたりして。」
「いや、アレは俺が悪いだろ。」
何ていってるうちに寝室に到着
「えっと確かこの辺に・・・。」
何でこんな上の方の棚に布団がおいてあるんだ?
この家ちょっとおかしいよな。
「あ、ハセヲ私がとるよ。」
「だいじょうぶか?」
「平気平気。」
いすの上に乗って志乃が布団を出す。
「お、おい一つずつでいいって。」
志乃が二ついっぺんに出そうとするから危なっかしい。
「だい・・・・じょう・・・ぶ。」
と言った矢先にいすが倒れた
「きゃ・・・・・。」
「なっ。」
志乃と布団が同時に倒れてきた
ドーーーン
「痛っ、たいじょうぶか志乃・・・・ってうわ!!」
今の状況を簡単に説明すると
俺が一番下になってて
志乃が俺の上に覆い被さってて
その上に布団(二枚)が乗っている
「いたた・・・・ごめんねハセヲ・・・!!」
志乃も気づいたっぽい。
俺と志乃の顔がほぼゼロ距離
お互いの息がかかるくらい。
「・・・・・・ハセヲ。」
「し、志乃?」
志乃が目を閉じた
こ、これは・・・・いける・・・のか?
俺も目を閉じて顔を近づける
唇が重な・・・・・・・・・らなかった
背後から突き刺さる視線
「は、ハセヲさん?」
「あ、アトリ・・・・。」
「え?」
そこには拳を握りしめてふるえているアトリが。
「わ、私がいない間におふたりでなにやってたんですかぁ!!」
「何って、まだ何も・・・・。」
「これからやろうとしてたでしょ!!絶対そうです!!」
(ああ・・・・・俺のファーストキスになりかけたのに・・・・・。)
心の中で泣いた。

108:ハセ×志乃
06/11/28 19:33:43 BUN7MQEL
今日はここまででおじゃるよオルバクドーン!!

109:‡‡
06/11/28 22:23:35 X3HyVdSV
オーヴァン凄いw
志乃×亮GJ!!

110:名無しさん@ピンキー
06/11/28 22:44:33 t8Y05fV0
オレは前スレ>>733
続きが読みたくて読みたくて読みt(省略)
スイマセン、取り乱してしまいました(^^;)
とにかく続きが気になるんです!

111:名無しさん@ピンキー
06/11/28 23:59:40 TNStNPwE
>>108
おまいさんが書くそのノリが好きだw
ハセ志乃GJ!!禿萌えた

112:GORRE
06/11/29 01:01:05 NsdRnKOE
亮×朔望は思いつかないので、しばらく休憩。その代わりと言っちゃなんですが、こんなの思いついたので投下。

語り:フィロ

昔々、ザ・ワールドという国のとある町に揺光と言うそれはそれは大層かわいい娘が住んでおったそうな。
しかし、この娘なんとも不幸な娘なのである。
それと言うのも、同居している義母と姉妹に散々に虐げられ、埃まみれになっているからである。
「ちょっと揺光さん。ここにまだ埃が残っていますよ」
義母のアトリは窓の桟を指でなぞると、指についた埃を揺光に吹きかけたのじゃ。
このアトリという義母。それはそれはなんともネチネチと揺光をいじめてくるのだ。
なんでも、ヒロインの座を奪われたとか奪われなかったとかで、大層揺光を妬んでおるらしいのだ。
「揺光、さっさと掃除しな。まだ床が汚れてるよ」
「いた」
「痛いじゃないよ、このメス豚が! もっと蹴ってくださいしょうが!」
揺光を蹴飛ばしたのはこの家の次女・ボルドーじゃ。何とも、他人を痛め付ける事に快感を覚えている変わった娘じゃ。
「ほらほら、早くしないと日が暮れてしまうわよ。全くあなたはのろまなんだから」
そう言って揺光に見下したような目を向けたのは、この家の長女・パイじゃ。
この3人、この様に揺光をいたぶっては鬱憤を晴らしているのじゃ。
まだ、これならいい。酷い時だと殴る蹴るはおろか、アバターやAIDAと呼ばれる力を用いて無抵抗な揺光を「おしおきだべ~」の名を借りたPK、もとい、虐待を加えておるのじゃ。
「まあ、今日は大目に見てあげます。何故なら今日はアリーナで武闘会があるからです」
そうなのじゃ。
今日はハセヲ王子の婚約者発見も兼ねた武闘会が開かれる日なのじゃ。
「私、そんなの聞いてない」
「あなたなんかに教えてあげる義理も必要もありませんから。あなたはそうして一生灰にまみれてるのがお似合いです!」
「く!」
「さあ、行きますよ。ハセヲ王子が待っています」
「ええ」
「そうしるかね。揺光、掃除が終わったらさっさと寝るんだよ。私達は明日帰ると思うから」
そう言うと、3人はそろってアリーナに出かけてしまったのじゃ。後に残された揺光は当然納得はいかない。
「何で私だけこんな目にあわなきゃなんないの! だいたい、誰のおかげで毎日食事にありつけてると思ってるのさ。私が作らなきゃみんな飢え死になのにさ。
大体あいつら何様のつもり! なんかよく分かんない力は使うし、いやに憎しみこもってるし、この家に先に住んでた私をこんな目に合わせるし、あまつさえ今度は武闘会!? 冗談じゃないよ!」
ああ、何とも可哀想な揺光。しかし、神はそんな揺光を見捨てなかったのじゃ。
「君の願い。叶えてあげよう」
「誰?」
そこに現れたのは、サングラスをかけ、左手には大きな抱き枕を装備した露出卿(ザ・ワールドvol10参照)、もとい、魔法使いオーヴァンじゃった。


113:GORRE
06/11/29 01:03:10 NsdRnKOE
キャラが違う? それは物語の使用です!

114:名無しさん@ピンキー
06/11/29 01:34:19 qsJNMPww
わらたwwwwwwwwwww
最後に何を落として帰るんだろうか?w
アレと予想。具体的に書くとGORRE氏もやり難くなるだろうから書かない。

115:名無しさん@ピンキー
06/11/29 01:59:23 Ok1jDfb/
>>113
正直こういうのも嫌いじゃないw
個人的に、揺光の一人称が「アタシ」なら尚良かった
つうか続くのかこれ?w

116:名無しさん@ピンキー
06/11/29 13:48:53 tQVvgqJF
>>113
カボチャの馬車を引く天狼と太白、御者を勤める大火を妄想したw

117:名無しさん@ピンキー
06/11/29 15:33:31 yaNjo5qk
落とすのは忍冬の片割れってとこか

118:名無しさん@ピンキー
06/11/29 17:34:55 NQGhS9J2
語りをフィロにしたのは「おしおきだべ~」のためかw

119:名無しさん@ピンキー
06/11/29 23:20:50 IZcqyUX1
>>118
いや、ゴレ氏の企みそれだけじゃない。
きっとアリーナの道中をぶらり~風にナレするためだw

120:名無しさん@ピンキー
06/11/29 23:43:31 eyIJMcs6
>>119
いや、両方だろ

121:名無しさん@ピンキー
06/11/30 00:20:44 6aQ0BvfL
>>117-120
だからオマエラ、筆者がやりにくくなるから展開予想は書くなって。

122:GORRE
06/11/30 01:29:24 L1RWtizy
>>112の続き。

「あんた、誰?」
「俺は魔法使い大判。君の願いを叶えるためにきた。今から言うものを用意してくれたまえ」
魔法使い大判はそういうと、メモを取り出して読み上げたのじゃ。
「まず、よく切れそうな包丁を二つに車輪のついた乗り物。なければ台車でもいい。それからトカゲとチムチムとかぼちゃを用意したまえ」
大判に言われ、揺光は家中を探し回り、全ての物を見つけてきたのじゃ。…この家ではチムチムを飼っておるのか?
「あったよ。これでいんだろ?」
「ふむ。では、そこに立ちたまえ」
大判は揺光を立たせると、左腕の大きな竹輪に手をかけて呪文を唱え始めたのじゃ。
「チチンプイプイアブラカタブラ、チムチム蹴って遊ぼうよ。死の恐怖は志乃恐怖。彼女に奇跡を起こしたまえ」
竹輪の鍵がはずれ、ビームが揺光を襲ったかと思うと、そこにはなんと、みすぼらしい格好から勇ましい双剣士コスチュームに身を包んだ揺光がおったのじゃ。
「え? これ、あたし?」
「これで君は武闘会に行くことができる。さあ、そのバイクにまたがりたまえ」
揺光の隣には、バイクがあった。チムチムやトカゲやかぼちゃで何故バイクになるのかは追求しないでおくとしよ。
「よいしょっと」
「さあ、武闘会で思う存分暴れてくると良い。ただし、この魔法は12時になると解けてしまうから注意したまえ」
「ありがとう! 魔法使いのおっさん」
揺光はバイクを颯爽と走らせ去っていった。
「……おじさん…まだ、若いのに…」
大判はため息をつきながらどこぞへと去って行ってしまった。
さて、ではアリーナに行くとするかな。

123:GORRE
06/11/30 01:29:59 L1RWtizy
アリーナではハセヲ王子が暇そうに目の前で繰り広げられている戦いを眺めておった。
「…おい、親父。こんなんで本当に俺の結婚相手が見つかるのかよ」
「ふむ、間違いはない」
ハセヲ王子の隣におるのは、このアリーナの支配者でもある太白じゃ。そして二人の横に立っているのが衛兵の大火と天狼じゃ。
「間違いないって、どう見たってこれはただの潰し合いだろ」
全くそのとおりじゃ。
ハセヲ王子を狙う女どもは、それはそれは凄まじい潰し合いを展開しておるのじゃ。例えば。
「顔はやばいよ! ボディーにしなボディーに!」
と、子分に命令して攻撃させたり、
「ハセヲは渡さないよ」
とか、
「ハセヲはウチのもんや!」
「こればかりは、おねえちゃんにまけられないよ」
と、双子の姉弟で潰しあったり、
「ザクッと」
昔の癖が出るものがおったり、
「おっと、手が滑っちゃいました。てへ」
わざとらしく攻撃アイテムを発動させながらみんなの方を向いたりと、それはそれは目も覆いたくなるような女の熾烈な争いが展開されておる。
ま、中には女でない者も混じっているようだが…
「ハセヲ、これという者はおらぬのか」
「いねえよ。いたとしても、皆赤ゲージじゃねえか」
と、ここでハセヲ王子はアリーナにやってきた一人の女に目を留めたのじゃ。
そう、その女とは…揺光じゃ。
「いた! 見つけたぜ親父!」
「む?」
ハセヲ王子は椅子から飛び降りると、真っ先に揺光の元に向かったのじゃ。
「俺と、バトルしてくれ」
「喜んで」
こうして、ハセヲ王子と揺光のバトルの火蓋は切って落とされたのだが、何分二人ともかなりの実力者。
そう簡単には決着はつかん。
一進一退の攻防が続いた。それはもうまるで踊っているかのようじゃ。
「どうしたのさ、王子。へばってるよ」
「まだまだあ!」
なんとも。二人は時間を忘れ戦い続けた。と、そのときじゃ。12時を告げる鐘が鳴ったのは。
「あ! いけない! 帰らなきゃ!」
「え?」
「ごめんね王子。あたしもう帰らなきゃ。12時までしかこの格好でいられないってこと、すっかり忘れてた。ごめん」
「おい、待ってくれ!」
「泣くんじゃないよ、男の子だろ?」
そういうと、揺光は急いで走り去っていった。後に双剣を一組落として。

よっしゃあ! 続きは明日で。

124:名無しさん@ピンキー
06/11/30 01:33:46 9BYk5KgB
こっこれは……見事なまでのツンデレラwww

125:名無しさん@ピンキー
06/11/30 01:41:58 7tloj3q4
ハセヲの親父太白かよwwwwGJ!

126:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:10:36 m4GQn9SP
おまいら乙
亮×令子完結編投下

127:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:11:23 m4GQn9SP

小さい頃の俺は踏み切りが好きだった。
あの踏み切りだ。黄色と黒のストライプが配色されてて電車が来るとカンカンカンって鳴る、アレ。
理由なんてもう覚えちゃいない。
電車が来る度に警笛鳴らす、ってのが小さい自分には相当クールに見えたんだろう。
まだ親父が仕事に忙しくなかった頃、よく「踏み切りの絵を描いて」と頼んだもんだ。
何でだろうな……急にそんなコト思い出した。

「なぁ、令子」
「……なに?」
「俺のこと好きか」
「な、何よ……今頃になって」

そりゃそうだ。
でもよく考えたら俺まだコイツの口からその手の言葉聞いてねぇし。
肉体関係だけってのもアリかもしれないけど、やっぱ令子本人の口から
聞いておかねーと俺だって少し自信が失くなるっつーか、不安になるっつーか……。

「れーこだって、嫌いな男に抱かれたくねーだろうがよ」
「それはそうだけど……」
「気まぐれでここまでする女って、そう居ねーぞ。
 俺的にゃ令子の気持ち聞いてから抱きたいんだが……その辺どうなんだ」 
「……人を裸に剥く前に言いなさい、そう言うコトは」

だって誘ったのお前じゃん。
わざわざ神奈川まで連れて来たのも、旅館の予約2人分とってたのも、全部令子だし。
今頃になって恥らわれてもこっちの調子が狂うだけだっての。
何かこう、いつものパイの時みたいに軽口叩ける雰囲気じゃねぇし。
いつもなら取っ付き難い性格してるクセに……ヤる時は結構素直だしな、令子。

「きっ、嫌いだったら……わざわざ会ってあげたりなんか、しない」
「つまり?」
「……貴方が好き」

……やばい。
今までオバサンオバサン連発してたせいで全然気づかなかった。
25歳っつたらあれだろ、あと5年で三十路だろうがよ。
それなのに、それなのに……今俺、令子見てて……可愛いとか思っちまった気がする。
俺だって年上は嫌いじゃない(志乃だって2つ年上だったし)。
でも7歳差はちょっとなぁって思ってたんだよな、最近まで。
仮に俺が80まで生きるとして、令子が87だろ? 
どう考えても先にポックリ逝くのは令子です、本当にありがとうございました。

「今頃になって怖気づいた?」
「誰がだよ」
「老後の面倒まで見てくれ、何て誰も思っちゃいないわ。
 それ以前にまだ付き合いだして一ヶ月も経ってないのに……早計すぎね。だから早漏なのよ」
「そーろうはカンケーねーだろ……」
「逆に貴方に質問するわ。亮は……私のこと、好きなの?」

最初は大っ嫌いだったってのが本音。
いちいち威張るわ、説教するわ、ブツわ、ヒステリー起こすわ、ガキ扱いするわ……。
何でこんな女好きになったんだろ、俺。探せばイイ女、他にもいっぱい居るだろうに。
……違うな、最初から分かってたんだ。俺が令子に惹かれる理由。
俺と玲子は似てるから……だから、コイツが普段見せない部分、深い所まで見たくなった。
最初はただの好奇心。メールから始まって、リアルで会うようになって、それで……ここで言うべきことは一つだろ?

「好きだ。悪いか?」


128:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:12:05 m4GQn9SP

風呂上がりからまだ2時間弱、別の意味で火照ってる令子の肌の触り心地は最高だ。
浴衣を肌蹴させてほぼ全裸に近い状態にさせてるのは俺。
ビンタの一発や二発飛んできてもおかしくないはずのシチュなのに、令子は無抵抗。
今、そんな状態で今頃になって互いの愛を確かめ合う俺らって、スゲー間が抜けてると思わね?
でも俺らの場合、根が素直じゃねー部分があるから……聞くの遅くなっちまうんだよ、どうしても。

「悪くは……ないけど。貴方、本気なの?」
「れーここそ、高校生を誑し込んでんのが周囲にバレたらやばいだろ」
「……私の生き方だもの。誰が何と言おうと関係ない」
「へぇ……」

婚期逃さないためだと思ってたけど令子は令子なりにマジだったらしい。
なら、もうちょいゲームでもそれなりに態度で示せよ、だから気づくの遅くなったんだぞ。
ツンデレってのもデレ期逃すとただのツン女だからな。

「ハセヲ……いえ、亮からは……私が嫌な大人に見えたでしょう?」
「まーな。アンタがエンダーだった頃から」
「そう? でもね。貴方と居る時間が増えてから……亮が頑張ってる姿を見る度に―――」
「……」
「志乃さんやお嬢さんが……羨ましかったわ」

そう言いながら令子は俺を抱き寄せてくる。
まるで今はもう、自分のものだとでも誇示する様に。
ある種の執着性に近いのかもしれねぇ……或いは、ただの女の嫉妬とか。
感情を普段表に出さない奴程、頭ン中で何考えてんのか分かんねぇって言うしな。
そこが俺と令子の似てそうで似てないトコか……俺は感情をモロに出すタイプだし。

「っ……亮……当たってる……」
「勃ったんだよ、令子が可愛いから」

まぁ、ホントは胸吸ってたあたりから勃ってたんだけど。
久々に血液が集まったせいか、何か痛みすら感じる。
令子とヤってから何週間かぶりだから……結構抜いてないな、頃合的には丁度良かったかも。

「……エロガキ」
「令子には言われたくねーっつの」
「だってっ……あっ……ぁん……っ……!」

胸を掴んでいた手の力を増してもっと強めに揉んでやると、令子が大人しくなるのを俺は知っている。
さっき一度イってるし、令子の方はもう準備万全だろう。
俺もこのまま挿れてもいいけど、何かそれじゃ最初にヤった時と同じで面白くない。
折角令子も乗り気で素直になってるし、もっとコイツを困らせてやりたい……そんな考えばかりが浮かぶ。

「令子、四つん這い」
「えっ……」
「今日はバックでやってみてーの。ダメか?」
「は……しぃ……わ……」
「あん?」
「は、恥ずかしい……」

バックからされるのは恥ずいときた。さっきは潮吹き見せてんのにか。
まー確かにバックだと令子の喘ぐ顔とか揺れる胸とか見れないよな。
でもさっき見れたし今回はバックでヤりたいの、俺は。やったことないし。

「でも……亮がそんなにしてみたいなら……や、やってあげなくも……」
「ん。じゃ、尻向けろ」


129:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:13:09 m4GQn9SP

令子はバックを背徳的な行為か何かだと思ってるらしく、
やらせてくれるとは言ったものの普段の自信は何処かに失せて恐々……って感じだった。
この体勢だとケツの穴まで見えるし……令子にとっちゃプライドとか羞恥心とかも邪魔してるんだろう。
でもこの尻の触り心地は胸や腹に負けてないと思う。
そーいや手塚治虫のブラックジャックでも尻の肉を顔に移植してたよなぁ……納得した。

「じ、じろじろ見ないでよ……」
「れーこって身体のライン、綺麗だな」
「こんな時にそんなコト言われても……嬉しくない」

この期に及んで令子はまだバック体勢に不満があるっぽい。
やっぱ屈辱的なんだろうな、この格好。終わった後で何か文句言ってくるのは間違いねぇ。
身体を支えるために腰の辺りを掴んだ時、令子が少し震えて最後の抵抗をしてくる。
でも呆気なく終了。尻の穴と間違えない様に、
俺はゆっくり剥き出しにした自身を令子の膣に推し進めて行く。
令子の方は令子の方で、恥ずいとか言ってたクセにもう何か期待してんのか布団に愛液ポタポタ垂らしてるし。
これをネタにからかっても良かったけど……それよりも早くバックでヤってみたいって欲求が今回は勝った。

「体勢崩さねぇように腕に力入れろ。んで腰の力だけ抜け」
「そんなコト言われても……いっ……はぁ……っ、ぅ……!」
「さっき1回イったから……この前と違って、結構っ……簡単に入ったな……」

淫水が垂れ流されてるおかげかこの前よりはスムーズに膣内に収まった気がする。
膣に入れる前にも尻やクリに擦り付けてみたけど、やっぱ中で擦るのが一番気持ちいい。
さっきの温泉程じゃないが、それでも令子の膣の温かさだけですぐにもイキそうに……っと、やばい。
ここでイったらまた令子に早漏呼ばわりされちまう。
初めて令子とヤった時は……俺も初めてだったし……タイミングを間違えたと言うか……
つまり何が言いたいかって俺は早漏じゃねぇってコト。

「やっぱ令子の中……初めてヤった時も思ったけど……すげぇ締め付けてくる……!」
「あっ、はぁっ……んっ、ぁっ、あっ……!」

腰を掴みながら令子の膣内の往復を繰り返す毎に、どんどん締まりが良くなってくる。
それにこの喘ぎ声ったら、もうちょい抑えねーと周りの部屋に聞こえるんじゃねぇかって位にでかい。
垂れ流される淫水も全く衰えてねーっぽいし……令子、ニンフォマニアか?
82年前に愛人のアレ切り落とした阿部定だかって女も確かそうだったよな……。

「ん――あ、あ、あ、あっ! りょう、おっき……なかっ、あつ……ぃぃ……!」
「れーこ……っ!」

ここで優しい言葉かけてやるのが普通なんだろう。
でも無理、気の利いたセリフなんか浮かびやしない。
出ても何か呻き声みたいなしょーもない言葉に決まってる。
言葉よりも態度で示した方が、多分令子だって納得するかもしれねーしな。

「もうちょい、速く、動くから……」
「えっ!? はぅ、ん……あぁっ、んんっ……りょ……りょぉ……!」

まだ挿れて5分も経ってねぇってのに
令子はもう布団を握り締めて耐えるのに必死みたいだった。
責めて痛いのか気持ちいいのかどっちか分かれば俺もやりやすいんだけどな……。

「れーこ……何か言ってくれねぇと……俺、加減……できねんだけど……」
「気持ち……いぃっ……はぁぁ……っ、恥ずかしいけど……声、がま……出来なぃくらぃ……っ!」


130:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:13:55 m4GQn9SP

自分でも昂ぶりが最高潮に近いのが痛いくらい自覚できてる。
令子の膣内に静めた自身を出し入れして、速く挿れたり遅く挿れたり、角度を変えてみたり。
いつまでも令子に四つん這いの格好をさせるのも可哀想だし、身体を捻らせて元の体位に結局は戻してやった。
令子が垂れ流した淫水が布団に四散して染みを作り、それが益々令子自身の羞恥心を高めて行って……。
こんなの私じゃないと言わんばかりに目を背けようとするんで、
逃がさないように太腿を手で押さえて逃がさないように固定してやる……相変わらず淫水は垂れ流されたまま。

「俺が栓してるのに……こんなにいっぱい出して……れーこって、やっぱ淫乱じゃん」
「違ぅ……私、淫乱なんかじゃ……!」
「大人が言い訳しちゃダメだろ? 今年で幾つだ、お前」
「うっ、はぁっ! んっ、んっ、あぁぁぁああぁっ……!」

太腿を押さえつけたまま、令子の膣に何度も叩きつける。
奥の方まで挿れて子宮口の辺りに触れると、特に令子の喚声がでかい。
でかいから周りの部屋に聞こえそうになる、だからその度に俺は令子の口をキスで塞ぐ。
傍から見りゃ俺が完全に悪者だな。嫌がる令子に無理矢理、みたいな(でも一応合意の上だ)。

「俺のこと、何でも知ってるんだっけな?
 調べてたんだろ、俺がG.U.に入る前から……おっと、俺が旅団に入った頃からだっけか?」
「だって、っぁ、んぅ、それ、は……しご、とで……ぇぐっ、ん、ぁああ……!」
「俺の携帯に初めて電話かける時はどんな気分だった?
 ドライブに誘う時は? 食事をする時は? 関係持とうって思った時は?」
「やだ……そんな……いじわる……言わないで……!」

意地悪どころか全部本当のことだろうが。
最初の頃にメールで言ったよな? フェアじゃねぇって。
別にあの頃は令子と対等の立場に立とうなんて思っちゃいなかったし、
そっちが俺を利用すんなら俺だってお前らを利用しようって思ってた位だからな。
……でも、今は違う。俺はただ、もっと令子の素直なとこ、見たい。それだけ。

「れーこは淫乱。俺の咥え込んでこんなに悦んで……よくそれで人をガキ呼ばわりできたな」
「ごめ……なさ……わたっ……そんな……つもり、なかった……!」

うわ、今の俺って最低だな。
女泣かすのって気分は良い反面、メチャクチャ胸糞悪ぃ。
令子みたいな美人泣かすなら尚更だな……CC社に少なからずいるだろう令子のファンから殺されかねねぇ。
てか令子って言葉攻めに弱かったのか……泣いてるし。

「れーこの素直な気持ち、聞きたい……聞かせて……くっ、ぁ……くれよ」
「わたしっ……ふぁ、っぅ、あぁ……! わたし、りょ……っぁ、ぁぁああっ!」
「聞こえ、ねぇよ……っ!」

俺もそろそろ限界に近い。
令子から早漏と呼ばれないよう、自分でも最大限我慢したつもりだ。
コンドームなんてそんなハイカラなもんは最初から付けちゃいない、生だ。
中で出せば最悪の場合……とか、そんな先のコトとか考えてる余裕すらない。
俺に突かれてる令子に至っちゃ言葉攻めのせいで半狂乱っぽくなって泣き止まねぇし……。

「言わなきゃ、出してやんねーぞ……!」
「す、き……好きぃ! 好きなのぉ、亮がぁ! こんなに、なっちゃうくら……ぁう、ひぅっ……!!」 
「(やべ、マジで可愛い……っ!)」

もうその言葉だけで射精確定。
胸がカーッと熱くなって、令子の太腿を押さえる力が更に増す。
腰の動きを止めて、初めて令子も腰を動かしていたことに気づくが、それでも構わずに押さえつけた。
あとはもう楽なもんだ。膣に、溜めまくったのをブチ撒ける。単純な様で、すげぇ長い道のり……。


131:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:15:15 m4GQn9SP

「はぁ、んっ、あぁぁ……! 
 あっ、ん、ん、ぁあぁああぁっ、はぁっ、ぁぅぅう、あぁぁぁ……!!!」
「ぁ、くっ……ぁ……ぁ……ぎっ!」

思わず歯をギリッと噛み締めた。それ程までに猛烈な快感。
令子の膣に精液が注がれて行くのが、自身が脈打って内壁にブチ撒ける動作が、全部伝わる。
俺が射精してる間、令子は喘ぎながら身体を仰け反らせたり俺に抱きついて息を荒げたり……。
この興奮は、しばらく収まりそうにない。

「熱いの……すごいの……すごく、出てる……亮の、精子、いっぱい……!」
「あぁ……初めての時みたく……全部出した……」
「あの……私……良かった、かしら……? あまり経験なくて……その、興味もなかったし……」
「ん……足腰立たねぇくらい……良かった」

安全日でもないのに膣内射精したことをあとで咎められるだろうか。
でも令子は拒否しなかったし、自分で腰動かしてた……出来ても令子にだって責任あるよな?
それに令子、やっと言葉攻めから解放されたのは良いけど激しくヤりすぎたせいか
やや放心状態……息も絶え絶えで、いつものパイのロールをしている時のような強気な態度は微塵も感じない。
いつもデキる女をロールしてる半面、精神的にはどっかに依存心みたいなのがあるんだろーなぁ。
だから年下の俺なんかを頼ってくる。……可愛いし、嬉しいから良いけど。

「また……汚しちゃった……わね……」
「あ、あぁ……そだな」

初めて令子とエッチした時、令子はベッドのシーツを汚すことを嫌っていた。
でも結果的に俺の精液やら令子の愛液やらで台無し、結局燃えるゴミの日に捨てた。
そして今回、またもや同じ失敗を繰り返す俺達。ただし俺じゃなく令子の比が大きい。
俺は最後の一滴まで令子の中に注いだ……繋がってる途中で毀れたのもあるだろうけど、微々たるもんだ。
でも令子は1回目の潮吹きに加えて、バックでヤった時にも旅館の布団を汚してしまっている。
しかもこんな夜中にあんな大声で喘ぎ声を……もうここには2度と来れないんじゃないだろうか。

「今日は……繋がったまま……いい?」
「い、いいけど……」
「亮……」

他人にも自分にも厳しい令子がここまで甘えてくるなんてこと、今まであったか?
しかもこのまま、抜かずに繋がったままで居たいそうで……有り得ねぇだろ。
俺の知ってるパイと佐伯令子は同一人物であって同一人物で無い、ってワケだ。
女ってのは怖いね。その場その場で着ける仮面が違うんだからよ。

「これじゃ……私、車……運転できないわ……」
「え……」
「誰かさんのせいで……腰、立たないもの……」

繋がったまま布団に倒れこんだ俺と令子。
令子は臍の下辺りを摩りながら満足そうに小さく笑って、俺の胸に頭を置く。
眉間にシワ寄せてメガネ光らせるパイ姉さんとこの姉ちゃんが同一人物……やべ、俺が混乱してきた。

「酷い男……優しい言葉かけるどころか、あんなこと言って私を泣かせて……」
「あれは……ごめん、調子に乗ってた」
「……でもいいわ。良かったから……チャラにしてあげる。早漏も治ったみたいだし……ね」
「だから、俺は早漏じゃねぇっつの……」

前言撤回。
人の痛いとこは必ず突いてくるこの性格、やっぱパイと同じだ。
まぁでも……令子の気持ちも確認できたし、良しとしておきたい。
旅館の人への言い訳は…………大人を代表して令子にさせるっきゃねぇな。
なぁ、頼むぞ令子……令子? 寝てやがる……朝までに何か上手い言い訳考えとくか……。


132:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:16:17 m4GQn9SP

後日談。


『□□□□―――――――!!!!』


「来るわよ……気をつけなさいっ!」
「へっ!」

俺とパイのG.U.としての仕事は続く。
既にG.U.を脱退したはずの俺がどうしてもまた戻ってきたかって?
もう憑神が存在しない今、残滓とは言え悪意としてこの世界に残留するAIDAを駆除するためには―――。

「てめぇは消えろッ!!!」
『□□、□□□□□……□□□―――――――――!!!!』

最初はミジンコみたいなカタチだった。
それが蜘蛛やら魚やら……AIDAってのは地球の生物が46億年かけて辿った進化を
わずか1年足らずのうちに再現しちまう、その進化のスピードに追いつくのは至難。
俺を除いてな。

「データドレイン完了、これでこのエリアのAIDA反応は完全に消えたな」
「Xthフォームの動き……更に磨きがかかってきたわね、ハセヲ」
「なってられる時間は、昔に比べてどんどん短くなってるけどな……」

CC社にとって、もう憑神を持たない俺達は無用の存在。
なのに何故かアカウントを停止されることもなければ、PCデータを消去されるということもない。
奴らも知ってるんだ、AIDAに対抗できるのは俺達しかいないことを。
ったく、他力本願な連中ばっかだな。

「そう言えば……知ってるかしら? 公式BBSの噂」
「いや。最近見てねーし」 
「1年前、意識不明者が一斉に意識を取り戻したのは、
 ひょっとしたら8年前の事件と同じように、ドットハッカーズが解決してくれたんじゃないか、って」
「くだらねーな」
「そしてドットハッカーズ、即ち勇者のパーティの新しいリーダーは……
 カナードのギルドマスターにして竜賢宮の宮皇、ハセヲなんじゃないか、とね」

何処からそんな情報が漏れるんだか……一応、関わった奴には全員口止めしたはずなんだが。
火の無いところに何とか、って言うからな……エンセフェロンかヌァザあたりが怪しいと見た。

「あの戦い……貴方がいなければ私達は負けていたわ。誇っていいのよ、ハセヲ」
「興味ねぇ。俺は……アレだ。パイと一緒に仕事やれりゃ……それでいい、つぅか……」
「あら、そう? たまには気の利いたセリフ、言えるようになったじゃないの」
「おかげさまでな」

パイの時は相変わらずこんな感じだけど……令子の時はかなり素直になるんだぞ、コイツ。

「私は先に失礼するわ……車で拾うから、いつもの場所で待ってて頂戴ね、亮」
「あぁ。お疲れ、令子」

戦いはこれからも続くだろうよ。何せ連中、ガン細胞みたいにすぐ再生しやがる。
俺の中のモルガナ因子が枯渇するのが先か、AIDAが完全にこの世界から消滅するのが先か……。
まぁ……でも。俺の隣りにゃ頼もしいパートナー様が居てくれるし、やれるとこまでやってみるさ。


今はまだ、旅の途中。                                       【 令子ルート:Normal End 】


133:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:16:50 m4GQn9SP
俺達の戦いはこれからだ? 次回はハセヲ×カールを予定? 何のことです?
おやすみおまいら


134:名無しさん@ピンキー
06/11/30 05:35:51 +9h8rK6F
どー見てもGJです、本当に(ry

ハセヲ×カールまじ期待してます(;´д`)ハァハァ

135:名無しさん@ピンキー
06/11/30 12:00:08 0bX/joDa
うーん、いい仕事してますねぇ。GJですよ

136:名無しさん@ピンキー
06/11/30 17:02:57 aeEeGw7c
GJ!これはヤバい!
令子がマジ可愛い!クオリティが高い!
ノーマルエンドって事は別ルートも用意されてるんですか!?
とにかくカール楽しみです。

137:がらす玉:ハセヲ×朔、望(♀)
06/11/30 18:16:11 JasL/+s+
前スレ>>733の続き


「すんまへん。今日から隣でお世話になります、よろしゅう」
大人しい少女を軽く叱責(?)した活発そうな少女はその手から白い箱をふんだくると亮に差し出した。
「…ああ…こちらこそ」
何とかそう言葉を搾り出した亮。
「ほな、お邪魔しました!」
活発そうな少女が隣の少女の頭を押さえながら頭を下げた。
ほらはようしぃ、と言われながら快活そうな少女がもう一人を急かしながら去っていく、そんな様子を白い箱を片手に呆然と見つめる亮であった。


翌日。
結局荷物整理で一晩潰してしまった。

138:がらす玉
06/11/30 18:20:46 JasL/+s+
「…あ~…そういえばハセヲにメールせな…」
ぐったりとベッドの上に突っ伏したまま頭だけを上げて呻いく朔。
もそもそベッドの上出ひとしきり蠢いた後、ベッドから出るとパソコンの電源を入れる。
昨日はよほど疲れていたのか、朔が目覚めたのは陽が天を越えた頃だった。
「……え~と…件名は…『引っ越し終わったで』…内容は…」
件名を書き終わり、内容を考えていると部屋の扉をノックされた。
「おねえちゃん、おきた…?」
ノックしたのはどうやら望のようだった。
「なんや?」
「おひるごはん…たべるでしょ?」
「…ん~」

139:がらす玉
06/11/30 18:37:00 JasL/+s+
なるほど昼食のことか、と納得しドアを開けた。

「…あ……」
そのまま遅めの朝食兼昼食を済ませ部屋に入った瞬間、自分がメールを送る途中で放置してきたことを思い出した。
一応ディスプレイの電源は落としていたのだが。
「……内容は…」
どないしよう、と心の中で呟く朔。
はっきり言って話題がなかった。
別に件名と同じ様に『引っ越しが終わったからまたログインできる』などと書けばいいのだが、引っ越し前の一件がどうも気にかかって、キーボードを打つ手が止まってしまうのだ。
(何意識してんのやろアホらし…)

140:がらす玉
06/11/30 18:41:10 JasL/+s+
決して自分が好意を持っているかも、等とは微塵も考えない朔だった。
うんうん唸りながらメールの内容を考えているが、何分小学生である。気の利いたことを書こうにもボキャブラリがなさ過ぎるのだ。結局、悩んだ結果が『終わったで、引っ越し』だった。

「今日は大量でしたね、ハセヲさん♪」
朔がメールの内容に頭をフル回転させていた頃、ハセヲはアトリとクーンを連れてダンジョンにもぐり、タウンに戻って来たところだった。
アトリの腕が治ってから暫く誘っていなかったので、クーンが持ち掛けて来たのだ。

141:がらす玉
06/11/30 18:45:37 JasL/+s+
久しぶりだね。


前スレで言われたカップリングやオリジナル設定なんかをかくといいかも、っていうのを実践してみたけど…どうかな?


ハセヲ×朔で、望は女の子でノゾミって読む。
因みに亮の隣に引っ越して来たのが朔望姉妹だよ。



突っ込み所があったら突っ込んでね、今後の参考にするから。

142:名無しさん@ピンキー
06/11/30 19:14:21 5K5GWp0t
GJ!!
俺はそれだけ言えれば満足さぁ・・・

143:名無しさん@ピンキー
06/11/30 19:54:54 6IuYib5+
待っていた・・・君がくるのを・・・
GJ!

144:名無しさん@ピンキー
06/11/30 23:42:40 DlglNLnk
亮×玲子お疲れ様です
ノーマルエンドってことはアナザーエンドも……

ゴレ氏・朔×ハセヲ氏全裸で続きを待ってますね

145:名無しさん@ピンキー
06/11/30 23:57:54 XADk6I/I
ハセヲ×タビー投下してもいいかな?いつになるか分からんが

146:名無しさん@ピンキー
06/12/01 01:33:10 /2NsEpDR
そんなの良いに決まってるじゃないか

147:名無しさん@ピンキー
06/12/01 10:33:59 S6PvRuDL
>>145
君には資質がある。
書きまくれ、エロパロスレを埋めるほどにな……

148:名無しさん@ピンキー
06/12/01 22:08:08 Ic0bSF6i
wktk

149:GORRE
06/12/02 01:01:34 RNObqYGr
>>123の続き投下。

アリーナから急いで抜け出して揺光は、なんともいいタイミングで魔法が解けおった。
「あーあ、魔法解けちゃった。もう少しいい思いしてたかったのになあ」
とぼとぼと、家路を歩いておった。
一方、アリーナでは、ハセヲ王子が落ちている双剣を拾ってこう言ったそうな。
「この双剣を装備できた奴が、俺の結婚相手だ!」
「良かろう。では、早速明日、その剣を装備できる者を探し出すとしよう」
で、翌日になると、アリーナから双剣を持った眼鏡マッチョとハセヲ王子が飛び出して行きおった。
「この双剣を装備できたものが、ハセヲ王子のお妃になる事ができる。誰か、装備できるものはいないかね?」
この呼びかけに、武闘会に出ていた者はチャンスとばかりに名乗りを上げおった。
しかし、装備できた者は一人もおらんかった。
当たり前じゃ。斬刀士、法術士、拳術士に療術士では装備できんことぐらい分かりきっておると言うのに、皆気づきもせんかった。
「駄目か…」
「あの家を尋ねてみようではないか、ハセヲ王子」
やたら偉そうに、眼鏡マッチョは言いよった。
「オルバクドーン!」
なんと、眼鏡マッチョはいきなりスキルを発動しよった。
「げほ、げほ、もう! いきなりドアを吹き飛ばすなんて何考えてるんだよ! 普通はノックしてからだろ!」
文句を言いながら出てきた揺光の肩を掴むと、眼鏡マッチョは言ったんじゃ。
「この双剣を、装備できるかね?」
「できるよ。ほら」
「おお、これは…見つけたぞ! 君は適格者だ!」
「はいい!?」
訳も分からず、揺光はその場に立ち竦んでおると、ハセヲ王子がこう言ったのじゃ。
「忍刀〈すいかずら〉の花言葉、知ってるか?」
「え?」
「愛の、絆」
「な!?」
これにはさすがの揺光もびっくりじゃ。
「お前がそれを装備したということは、お前は今この瞬間からこの俺の物だ」
なんとも大胆告白。皆のいる前で揺光独り占め発言をしおった。
「あたしは一途で、しつこいぞ」
「かまわねえよ。俺と結婚してくれ」
「喜んで!」
こうして、ハセヲ王子と揺光はめでたく結ばれたのじゃ。良かったのう、揺光。

150:GORRE
06/12/02 01:04:13 RNObqYGr
ツンデレラ編終了! 次は何にしようかなっと。

151:名無しさん@ピンキー
06/12/02 01:05:47 ATZNx5j4
イイハナシダナー(;∀;)
GJ! ツンデレライイ!

152:名無しさん@ピンキー
06/12/02 01:25:05 VSN3svTL
GJ!
眼鏡マッチョってスペル放つまで誰だか気づかなかった俺アホスOTZ

153:GORRE
06/12/02 01:32:21 RNObqYGr
あーーー! 忍冬の字間違えてるーーーー!

154:名無しさん@ピンキー
06/12/02 01:44:34 o4CVXxlY
あなたの偉大さの前ではそんな
間違えなど無に等しい・・・
GJ!!

155:名無しさん@ピンキー
06/12/02 02:41:41 R8QkvRCI
>>153
GJですた!

なるほど、読んでて感じた違和感はそれか・・・w

156:がらす玉:ハセヲ×朔、望(♀)
06/12/02 07:26:16 E28SB3EM
「ああ、結構アイテム拾えたな…」
所持アイテム覧を改めて見てみると、やけに魔典系が多い気がする。
「それなりに経験値も稼げたんだ。一石二鳥だっただろ?」
そんな会話を聞きながらクーンが得意そうに言う。
「はい♪ ありがとうございましたクーンさん♪」
ニッコリと笑いながらアトリは礼を言った。
(なんだかな…)
和気あいあいと会話に興じる二人を見ながら、ハセヲは微妙な物足りなさを感じていた。
確かに、頭の中が花畑の少女とナンパ野郎の二人と一緒にいれば退屈はしないのだが、充実感が感じられない。
(なんだかな…)

157:がらす玉
06/12/02 07:29:34 E28SB3EM
もう一度、小さく胸の中で呟いた刹那、
「ハセヲさん、そろそろお開きにしませんか?」
アトリが解散を切り出したこととメールが着たことが見事に重なった。
「そうするか…」
「じゃあな、ハセヲ」
「また誘ってくださいね♪」
それぞれが別れの言葉を口にし、青く輝くリングに消えていった。
(…ログアウトしてメールでもチェックするか…)
ハセヲもまたログアウトしていった。

「…朔からのメールか」
ハセヲに届いていたメールは一通。
朔からのものだ。
見ると件名と内容が激しく酷似していた。
「終わったのか…」

158:がらす玉
06/12/02 07:36:00 E28SB3EM
どうも


クーンの口調が思い出せなくて、ちょっとクーンの口調がおかしいかもしれないね


後はザワルドでもう少し朔との親睦を深めてリアルで会えば突入できるんだけどねぇ


時間、かかるかもしれないよ


突っ込み所があったら突っ込んでね、今後の参考にするから。

159:名無しさん@ピンキー
06/12/02 14:19:07 DvGbcLcl
隣に越してきた家族が挨拶しにきたことと、引っ越しおわった時期がかぶったら隣の家族が朔のいる家族だと俺は疑うけど・・・・・

160:名無しさん@ピンキー
06/12/02 21:53:04 OUjAB4JZ
質問。
このスレにアトリ受って需要ある?
あったら書き溜めた話投下したいんだが…
揺光や双子や志乃が主流な気がしたので聞いてみた
スマソ

161:名無しさん@ピンキー
06/12/02 21:56:30 4T+Mvd67
需要ないわけがないぜ!

162:名無しさん@ピンキー
06/12/02 22:09:03 E28SB3EM
たまたまじゃないかな、アトリがないのは

前スレでもあったような気がするしね

というか見たいからよろしく

163:名無しさん@ピンキー
06/12/02 22:20:21 FbI3noc/
取りあえず服は脱いだ。待ってる。

164:アトリ受1
06/12/02 22:33:59 YNQtuI+X
レスありが㌧!投下するな


「んなわけね~だろこのバァ~カッ!!電波!電波!痴女!電波!」

「う、うぇえ…ほんとだもん…ほんとにほんとに見たんだもぉん…!」

それはある日曜日のこと。今日も今日とて軽くヒッキー、彼女いない歴生まれて
から今まで、の優一がログインすると、マク・アヌのショップどんぐりでは、店
番中の電波二人が仲良く言い争っていた。

「どうしたの、二人ともーケンカはやめなよー(>_<)」

うるっせんだよこのガキどもが!とは心の三角コーナーにしまい込んでシラバス
が尋ねると、ハセヲが息まいて話しかけてくる。

「おいシラバス!シラバスも嘘だと思うよな!こいつ、さっきドル・ドナで、お
魚くわえたドラ猫追っかけて、裸足で飛び出してく愉快なオバサンPC見たとか
ぬかすんだぜ!」

「嘘じゃありませんー!!私、本当に見たんですー!ハセヲさんが信じないだけ
ですー!」

えーと…。
お前ら二人ともバカだろ?
とは思ったが、そこはシラバス、苦笑テクスチャをポリゴンに貼り付けてにこや
かに応対した。

「あはは…やめなよーケンカはよくないよーそんなことどーだっていーじゃない


「なっ!よくねーよ!そんなサザ●さんみたいな愉快なオバサンPCがいてたま
るかよ!イ●ラちゃんがちゃーんとハーイ以外の言葉を喋ってるぐれー不自然だ
ろっ!!」

「そんなことないです!あれは確かにサ●エさんでした!ハセヲさんが私を疑い
過ぎなんです!私、嘘つきじゃありません!」

「何言ってんだ!お前の妄想信じてどーするよ!」

「ひ、ヒドい…も、妄想だなんて…っ」

アトリが二三歩よろめく。そうして。

「妄想してるのは揺光さんだけです!私は一度だってオーハセなんて…っ!てゆ
ーかハセヲさんのインポォ――――――!!!!!!!」


シーン…

165:アトリ受2
06/12/02 22:34:31 YNQtuI+X
それだけを叫ぶとアトリはダーッと走り抜けていってしまう。
後にはインポー…インポー…インポー…という反響だけが残った。

ヒソヒソヒソヒソおいおいあいつ不☆能だってよヒソヒソ哀れな椰子だなヒソヒ
ソヒソヒソヒソ(;´Д)(Д`;)

呆然とするハセヲに追い討ちをかけるように近くにいた一般PC達が何事か囁き
合う。

「ハセヲー大丈夫だよー剥けてないよりかはマシだってー(^^)」
「俺はインポじゃねえええええ!!!!!!」

ハセヲの絶叫が轟いた。

「チックショーあのバカ女!見てろよ!シラバス、追うぞ!」

そう言って思わぬ羞恥プレイに涙目になったハセヲも、アトリを追って前屈みに
駆けてゆく。
優一は正直めんどくせえなと思ったが、『いい人』をロールしているので、取り
敢えず、

「待ってよハセヲ~!」
とお決まりのセリフを大声で叫んでハセヲの後を追ったのだった。






「えぐっ…えう…っハセヲさんのバカ!バカバカバカバカインキンタムシ!」

「短小…包茎…早漏…」
あの後すぐにお気に入りのエリアに転送してきたアトリは、ぶつぶつとハセヲを
罵りながら歩いていた。
そうして、適当な木を見つけると、そこに腰を下ろす。

「もお知りません…お尻の穴は榊さん(10)にあげちゃうんだからー…」
「……………すー…すー…」

そうやって、暫くハセヲを罵っていたアトリだったが、騒ぎ疲れたのか、数分も
経つと眠りの世界にいざなわれてしまったのだった。





「おい見ろよ兄者」
「どうした弟者よ」

暫くして、そのアトリに近づく者達があった。
なんてことない一般PCのこの二人を、仮にエロガキAとエロガキBとしよう。
モンスターみたいですまない。

エロガキBは木陰で寝オチするアトリを発見して、エロガキAを呼んだ。

「寝オチか?」
「だな」


166:アトリ受3
06/12/02 22:35:03 YNQtuI+X
二人は頷きあって、アトリをじっと見つめる。

「可愛いな…兄者(*´Д`)=з」
「そうだな弟者よ(*´Д`)=з」

「しかしここは危ないな」
「そうだな…モンスターはともかく最近のPKは殺伐としたエリアより、初心者
狙いで和やかなエリアに出没するらしいしな」

「どうする?起こすか?」
「いや…せっかく気持ち良さそうに眠っているんだ。そっとしておこう。それに
寝顔がカワイイ」

「だが…」
「獣神殿の裏に運んであげるのはどうだろう弟者よ。あそこなら人目につきにく
いぞ」
「そうだな…そうしよう兄者」


エロガキAとエロガキBは相談してアトリの体をそっと抱き上げる。

「んぁ…」

抱き上げる瞬間アトリの口から微かな溜め息が零れた。
声の甘さからAとBはアトリがネカマじゃないと知って小躍りする(『The world』は
音声入力のネットゲームである)。

おんぶしたアトリのお尻を、かぼちゃパンツ越しに味わって、ネトゲだというの
に、ABは、共にリアルで自室に二酸化炭素を大量に吐き出していた。

「ハァハァ(*´Д`)=з着いたぞ。よっこらせ」
エロガキAは慎重にアトリの体を獣神殿の壁に寄りかからせる。

そうして、一歩下がって再びアトリを上から下まで眺めた。

「カワイイな…(*´Д`)=з」
「カワイイ(*´Д`)=з」

「なぁ…兄者…俺、この子に触りたい」
「なΣ(´Д`;)何を言い出すんだ弟者よ」

「ちょっとだ、ちょっと…それにこれは所詮ネトゲだぞ。このPCにイタズラし
たところで、リアルのこの子が感じるわけないぞ兄者」
「そ、それもそうだな…俺らがこの子にイタズラしたとして、それはリカちゃん
人形のパンツを下ろすようなもの…。よし、弟者よ。この服を脱がそう」


二人は、そう決めるとAはかぼちゃパンツを脱がし、Bは羽根を取っ払ってワン
ピの胸元を下げた。

「ウホッ!テラマブシス」
「乙パイ!乙パイ!」

167:アトリ受4
06/12/02 22:37:16 YNQtuI+X
二人の目の前にアトリの白い太ももと程良く膨らんだ乳房があらわれる。
「てゆーか詳細な造りだな…CC社GJ」

リカちゃん人形のおっぱいには乳首がないが、アトリのおっぱいにはピンク色の
乳首がツンと尖っていた。
エロガキ二人は興奮する。
が、それもそのはず、アトリというPCは、特殊なPC、CC社のRA計画にの
っとり開発された、プレイヤーである千草の精神とアトリというPCを八相イニ
スを介してリンクさせるPCなのである。
フィギュア集めが趣味だったというCC社の天才プログラマー天城の、凝り性の
せいもあったが。

しかし今この時においてそれは、全て現実の千草にとって裏目に出ていた。つま
り…

「ここまでリアルだと吸いたくなってくるな兄者」
「まったくだ弟者よ」

「そーっとだ。そーっと吸ってみよう」
「ああ」

AとBはアトリの前に膝をつけるとアトリの乳房に近づいて、そーっと乳首を吸
ってみた。

「チュバ…ちゅむ」
「ちゅ…ちゅぱ」

すると、

「ァン…」

ピクン、と震えてアトリは甘い声を漏らす。

驚いたのはエロガキ共だ。

「(((゜д゜;)))?!兄者、今、この子、あん、とか言わなかったか?」
「い、言ったぞ弟者よ(((゜д゜;)))」

「なんなんだ?!一体?!これってネトゲじゃ…」
「わ、わからん。だがもうちょっと吸いたい」


不思議に思いながらもABがアトリのオパーイを調子にのって吸っていると、や
はり、

「あっ、あん、や、らめぇ…」

アトリは夢うつつに悶えて喘ぐ。

「?!これは夢か?!兄者」
「いや…もう何でもいい!そう思わんか弟者よ!」

ABは夢中になってアトリの体を弄り始める。

Aが股下に手を入れた時…、そこは確かに濡れていた。

168:アトリ受5
06/12/02 22:38:03 YNQtuI+X
その頃ハセヲとシラバスは…

「アトリの奴!どこ行きやがった!」
「うーん本当にどこ行っちゃったんだろー('_')」

アトリを探して、エリア転送を繰り返していた。



*

「ハァハァハァ…やべー、やべーよ(;´Д`)俺リアルでおっきしちゃったよ」
「俺もだよ…。しかし本当に芸が細かいな…まさか濡れたりもするなんてな」

エロガキAがそう言ってアトリの股間から掬った愛液を指で弄ぶ。本物そっくり
の粘着質なそれ。到底有り得ないオプションだった。

「んあ…はぁ…」

重ねて、エロガキ達の愛撫に反応して喘ぐ少女というのもまたゲームの仕様を逸
脱した光景だ。普通、PCを操るプレイヤーが、コントローラーから手を離した
時点で、そのPCはもの言わぬ人形と化す。
故に、この状況は明らかに異常で、目の前の少女がただならぬ存在であることは
明白だったが、エロガキ達はもはや、リアルでの自慰に夢中で、そんなことはど
うでもよくなっていた。

「ハァハァハァハァ俺この子のパンツと気魂トレードしとこ(;´Д`)=з」
「なにぃ!?ならば俺はワンピと割引券をトレードだ」

エロガキ達は競ってアトリの衣服をトレードという形で奪ってゆく。
アトリは、あっという間に青草薫るエリアで、マネキンのように清潔でひ弱な裸
体を晒していた。

「ハァ…綺麗だな…」
「あぁ…」

エロガキ達によって全裸に剥かれ草の上に横たえられたアトリは、更に、草葉の
チクチクとした刺激にも反応して身悶えた。

「はぁ…ン…」

トロトロと溢れ出した愛液が草草にも付着して糸を引く。

「あ…俺…イキそうだよ…!」
「お前もか!」
「うっ…PCがおっきしないのが悔しいよ!」
「激しく同意。せめてキスぐらいしながら出すとしよう」

ABはそう言ってアトリの上半身を抱き起こそうとした。
と、その時。

169:アトリ受6
06/12/02 22:38:44 YNQtuI+X
ぱちりと。

アトリが目を覚ました。

「え?え?えぇ?」

迫っていたABの顔に驚いてアトリは瞳を見開く。が、次の瞬間、

「イヤーーーーッ!!!!!」

バコバコッ☆

アトリは一瞬の内に呪杖「陽炎ト踊ル乙女」を取り出して、ABを連続で殴った

バトルフェンスが展開される間もなく、消滅する二人。レベルが80以上違ったの
だ。アトリは自覚なしに二人を瞬殺してしまったのだった。

「な…なんなんですかぁ…」

訳が分からないままエロガキ達をPKしてしまって、アトリはふと、自分が全裸
になっていることに気付いた。

「ひゃ?!私、私の服は?!」

その問いに対する正解は、ない、である。
エロガキが勝手に、自分達のアイテムと、トレードしていったのだから。

「や、やだ…どうしようどうしようどうしようっ!」

ゲームとはいえ、乳房も股間も丸出しの格好で、タウンになんて、帰れない。
アトリは思った。

「あっ!てゆーか、これ…何…?やだあ…」

しかも、気が付けば唾液のようなものがべっとりと乳首と乳輪についており、テ
ラテラと光っている。


170:アトリ受7
06/12/02 22:40:09 YNQtuI+X
「え…もしかして私、さっきの人達に…」

エロガキ達にさんざん吸われまくった乳首は、エロチックにツンと天を向いて、
プクンと腫れていた。アトリはそっとその乳首についた唾液(ではなく実はアト
リの愛液。愛液のついた指でABは乳首を摘んでいた)を手のひらで拭ってみる


「ふぁんっ!」

びくんっ!とアトリは震えた。乳首から電流のように快感が溢れて、戸惑う。

「え?なにこれ…なに…?今の。だってこれ、ゲームの中じゃ…」

しかし、気が付けば裸の体に感じる風や草の匂いはリアルでのそれとまったく同
じだ。

「え?え?」

さわさわさわ、という草の感触も至って現実的に肌に感じて、アトリは戸惑った
。おまけに、

「やっ…これ…」

股間が湿っている。
いや、湿っているどころではない。グチョグチョに濡れて滴っている。

「うそっ!何これ何これぇっ!!」

アトリが本格的にパニクり始めたその時だった。


「みーつーけーたーぞーアトリッ!」

地べたを這うような低く暗いハセヲの声がした。

「ひゃっ!」

「げえっ!?」

アトリを探して、エリア転送を繰り返していたハセヲは、やっと見つけた少女が
、ゲームだというのに全裸になっていることに驚いて素っ頓狂な声をあげた。

「は…ハセヲさん…」

プルプルと震えながらアトリは半泣きになる。

「あ…アトリ…」

お前なんで全裸なんだよ!

171:アトリ受8
06/12/02 22:40:41 YNQtuI+X
そうは思ったが口をついて出てこない。

「私…私」

「ハセヲ~アトリちゃん見つかった~?」

ガサッ!

「!!!」

シラバスが現れた。

「!ハセヲ…もしかして力づくでインポじゃないってアトリちゃんに」
「ちげええええええええええええええ!!!!!!」

ハセヲの絶叫が轟き渡った。







「…それで、気が付いたら私、こんな格好で…」

アトリはぽつりぽつりと分かることだけをハセヲとシラバスに説明した。アトリ
が寝オチしている間にPKよりも酷い目に遭ったのはなんとなく分かった。
瞳に涙を浮かべて話すアトリに、同情したし、アトリを襲ったプレイヤーに憤り
を覚えた。
が、正直、男二人は今それ以上の感情が湧いてくるのに戸惑っていた。

(おい…シラバス)
(う、うんハセヲも…?)

ショートメールでこっそりやり取りする。
胸と股間を僅かに両手で覆い、上目遣いに話すアトリは、はっきり言って青少年
には厳しいものがあった。
アトリの指の隙間から覗くピンク色した乳輪や、太ももに付着した愛液に、ドギ
マギしまくるしかない。

「私…私…こんな格好じゃタウンに帰れません…」

縋るようにアトリがハセヲを見つめる。

(うっ!)

ズキン!と、股間が痛むのをハセヲは感じた。

172:アトリ受9
06/12/02 22:41:21 YNQtuI+X
(えっ?俺今…)

それはリアルでの痛みではなかった。
鎧の下で、亮ではなく『ハセヲ』の体が反応している。

(嘘だろ?だけどアトリも…)

アトリの股間も濡れているようだ。
そんなことは、有り得ないはずだ。
しかし、ここでハセヲは、以前パイに言われたことを思い出した。

『私達のPCは特別なのよ。リアルのアンタと、心と心で繋がっている…』

それがまさか、こんなことにまで当てはまるのか?不思議に思ったがハセヲのモ
ノは現に反応を示している。ハセヲは少しげんなりした。

「ハセヲさん、シラバスさん、何か着れるもの、持ってませんか?」

「う~ん、ないなあ。倉庫の整理してきたばかりなんだよねえ」
「ハセヲさんは…」

「俺も…ない」

「はうぅ~…」

アトリは困ったが、ハセヲとシラバスはもっと困っていた。
本当に、目のやり場がない。
ハセヲのそれはいよいよ鎧の下で反応してしまう。

「あ~っ!クソ!とりあえずこれでも貼っとけ!」

「きゃんっ!」

苛立ったハセヲが、懐から何か取り出してペタッペタッとアトリの体に貼り付け
た。

「ひゃ…」
「ハセヲ~?!」

それは、絆創膏だった。ついさっき別のエリアで、癒やし隊に貰ったレアアイテ
ムである。

「これでどーだっ!」

「あ、あうぅ…」

両乳首と股間の三カ所に絆創膏を貼られて、アトリは戸惑った。

「は、ハセヲさん…」

173:アトリ受10
06/12/02 22:42:00 YNQtuI+X
なんだかすごく間抜けじゃないですかこれ。
しかも、今、さりげに触りました…よね?

「ハセヲ…これはちょっと…」

シラバスが冷静に突っ込んで、ハセヲもはっとしてぶば、と赤面した。

「う…確かに」

((余計にエロ…))

全裸に絆創膏三枚って何のプレイだこれは?
ああでも乳首が腫れてたから丁度よかったかもな…。(何がいいのだろう?)

「うう…ハセヲさん…これ、剥がれちゃうぅ…」

アトリが、濡れているせいで剥がれ落ちてしまった股間に貼られた絆創膏を、
おずおずとハセヲに見せてくる。
愛液の滴ったそれに、二人の男はついに武獣覚醒した。

「あ、アトリ…」
「アトリちゃん…」

「ふぇ?何ですかハセヲさん、シラバスさん…」

「アトリ…俺…」
「アトリちゃん…僕…」
「や…なんか…二人とも怖…」

ハァハァしながら距離を縮めてくる男二人に、アトリは思わず後退る。

「アトリ、もう一回貼ってやるからそこに座って足、開け」

「へ…?は…はい…」

ハセヲの赤い瞳が、爛々と輝いている。
アトリは一瞬びくりと震えたが、所詮はMなので素直に従った。
亮とセックスする時も、こうして亮にエッチな命令をされるのが大好きなのだ。
まさか、ゲーム中、ハセヲにされるとは思ってもいなかったが。

アトリは草原の上に腰を下ろしてハセヲの言う通り足を開いた。
トロトロに濡れたそこが、人工の明るい日の光の下に晒されて、アトリは羞恥に
頬を染める。
草のチクチクとした刺激と、ハセヲに全部見られているという思いが重なってま
すますそこからは愛液が溢れた。
ハセヲと、ついでにシラバスも、その様子を視姦した後、ハセヲが絆創膏を取り
出してそこに貼った。

174:アトリ受10
06/12/02 22:43:44 YNQtuI+X
「あん…」

ヌルヌルのそこに、ハセヲはぐりぐりと絆創膏を押し付けてくる。

「あっ…ひゃ、はぁふ…」

当然濡れそぼったそこに、絆創膏がきちんと貼れるわけもなく…分かっていてハ
セヲは押し付け続けた。

「貼れねーな…アトリのここ、ドロドロのぐっちょぐちょで全然貼れねー」

「こっちは貼れたのにな」

「はぁんっ!」

ハセヲの指がゆっくりと、絆創膏を貼り付けられたアトリの乳首を撫でた。絆創
膏越しでもはっきり分かるほど、アトリの乳首は勃起している。
くりくりと優しく円を描かれて、アトリは甘い声で鳴いた。

「あん…にゃ、ハセヲさぁん…」

千草の時に、亮におねだりするように、アトリはハセヲの名前を呼ぶ。
はっきりと欲情して、Mな千草にいつもしてくれるように、アトリを苛めてくれ
るハセヲに、アトリも全身を火照らせた。元々、エロガキ達にいじくりまわされた
せいで、体の方は準備万端だったのだ。

「欲しいのか?」

こくこく、とアトリは頷いた。
が、すぐ側にシラバスが立っていたことに気付いてはっとする。

「アトリちゃん…」

シラバスがアトリを、切なげに呼んだ。




いろいろと設定的におかしな所があるかも
知れないが見逃してくれると助かる

175:名無しさん@ピンキー
06/12/03 00:14:00 gxVB+3qC
GJ…!


続きはないのかなぁ、とひそかに思ってみたりする


続きは…?

176:名無しさん@ピンキー
06/12/03 01:14:32 J8bRgRL4
GJ!!

シラバスww

177:名無しさん@ピンキー
06/12/03 01:28:39 YnOG38xK
ちょwシラバスwwwww

178:名無しさん@ピンキー
06/12/03 03:59:42 WFgSj1Xq
おまいら乙
ハセヲ×カール+不思議幼女 投下

179:名無しさん@ピンキー
06/12/03 04:00:53 WFgSj1Xq

「ハセヲ、何とか言えよ!」
「ハセヲさん、何とか言ってください!」

よぉ、ハセヲだ。
今ほんのちょっとばかり面倒なことになってて参ってる。
カナードの@ホームに来るまではいつも通りだったんだが……何がどうなってんのか
俺にも分かんねぇ。ただ1つ言えることは――――。

「パパ、パパ!」
「……だから。俺はパパじゃねぇって」

――――招かれざる客が1人、ギルドに招待されちまってるってことだ。




*****************************




日常ってのは随分と呆気なく変わっちまうものだと思う。
俺を取巻いているこの状況が良い例だな。

「倉庫に保管しておいたアジアンマンゴーとカラメルソース、全部そいつに取られたブヒ!
 ギルドメンバーかゲストキーを持ってるPCしかギルドには入室できないはずブヒ……
 オイラにも何がなんだか、さっぱり分からないブヒ!」

だそうだ。
ブタ……じゃねぇ、デスランディにも分からねーらしい。
誰が? コイツの正体が、さ。

「むしゃむしゃ、ぱくぱく」
「食うか俺から離れるか、どっちかにしろよ……おい、聞いてんのか?」

美味そうにアジアンマンゴーを頬張る、招かれざる客。
通常、サーバー内にいる間は回復の必要がねーから回復系アイテムは使用できない。
なのにコイツは、まるで食うことが当たり前のように次々と腹の中に収めて行きやがる。
見た目は多分5歳くらいの女の子。長ぇ銀髪と黒ドレス、紅い瞳と頬に刻まれた呪紋(ウェイブ)。
PCなのかNPCなのか、それすら分かんねぇ。
でも最初にコイツを見た時、誰かの姿がダブって見えた気がする。
誰だっけか……よく知ってる奴のはずなんだが。
食われたアイテムは、どーせ大したもんじゃねぇから痛手じゃない……問題はコイツが――――。

「パパ、パパ!」

俺のことを、何でか知らないが“パパ”って呼ぶことだ。
ついてねーことに、揺光とアトリをパーティに呼んで一緒にギルドに戻ったもんだから……
状況は最悪ってのが分かるだろ? しかもコイツ、俺が扉開けた瞬間、

「パパ!」

って叫びながら抱きついて頬擦りまでして来やがった。
当然、俺は何が何だか分からない。
にも関わらず、揺光とアトリは何を勘違いしたのか知りたくもねーけど……俺に問い詰めてきやがったんだ。
コイツが、俺の隠し子なんじゃないか、ってな。


180:名無しさん@ピンキー
06/12/03 04:02:07 WFgSj1Xq

「知らねーもんは知らねーんだよ! お前らもしつけぇな!」
「でもこの子、ハセヲさんのこと“パパ”って呼んでるじゃないですか!」
「それにどっから見ても親子だろ! 
 髪の色といい、服の色といい、瞳の色といい、ハセヲにそっくりじゃないか!」

ギルドは一気に修羅場へと姿を変える。
必死で身の潔白を証明する俺の言葉はアトリにも揺光にも届きやしねぇ。
誰だよ、届かない声なんてきっとないなんて大嘘こいた奴は。
だが分が悪いことに2人の言ってることがほぼ事実なのが俺にとっては痛い。
確かに、このガキは俺の使ってるPCに良く似たデザイン配色がされてる。
でも俺はこんなチビを見るのは初めてだし、パパなんて呼ばれる覚えもホントにねぇ。

「なぁ、お前は誰だ? どこのどいつだ? どっから来たんだ?」
「??? パパ?」
「……」

最悪なことに会話も成立しねぇ……。
さっきからコイツが喋る意味のある言葉はただ一言「パパ」だけ。
あとはまるで幼児語みたいな意味不明の言葉ばかりで、俺にゃ解読無理。
アトリ達は何が気に食わないのか、俺の話なんか一向に聞きやしねぇし……俺、何か悪いことしたか?
詰問する2人、纏わりつく見知らぬガキ、シカト決め込んだデスランディ。
あまりに一方的に理不尽すぎる状況に俺も我慢の限界が来て
「いい加減にしろ、てめえら!」と叫びそうになった時、幸か不幸か

「ちゃお。ハセヲいるー?」

新たな訪問者がギルドの扉を叩いた―――――。

「どした? もしかして取り込み中?」

来訪者は元碧聖宮・宮皇の経歴を持つPKK兼ハンター。
銀色の髪と群青色のドレスが冴え、それが喪服の様にも見える鎌闘士。
渋柿色の布で拘束された憑神・スケィスR:1を操る、かつて未帰還者の1人だった女。
PC名は、カール。

「ママ……? ママッ!」

そしてカールの来訪が状況に変化を齎す。
あれほど俺に纏わりついていたあのガキが、カールを見るや一目散に駆け出して行きやがった。
てか……今、分かった。あのガキを初めて見た時にダブって見えたのが“誰”なのか、が。
銀色の髪と黒っぽい服って言ったら、俺以外にももう1人いるじゃねぇか!

「ママ! ママ!」
「ママ……? あたしのこと?」

カールは面食らった様な表情を少しみせたものの、あまり動じていないっぽい。
アイツが来たことでやっとガキから開放された俺にとっちゃありがたい話だ。
けど、状況が変化したと言っても良い方向に変化するとは限らねぇみたいだ……
今あのガキが発した一言を、こいつら2人は聞き逃してなかったみたいでな……。

「ハ~セ~ヲ~さ~ん~?」
「カールがママって……どういうことか……アタシ達にも分かるように説明してもらおうか……?」
「ま、待て、絶対何か勘違いしてんぞ!」

俺をパパ、カールをママと呼ぶ、あのガキ。
銀色の髪と黒いドレス……知ってる奴から見れば言い逃れ出来ねぇくらいに、
その、何だ……俺とカールに似てる。むしろ俺じゃなく、カールにそっくりだ。
瞳の色以外、まるでカールをそのまま小さくした様な……そんな印象も……何なんだ、アイツは?


181:名無しさん@ピンキー
06/12/03 04:03:11 WFgSj1Xq

「で? この子どこの子、迷子の子?」
「サモンナイト4 第2話のサブタイはいいから……マジメにやってよ、カール」
「本当にハセヲさんとカールさんの子供じゃ、ないんですね?」
「当たり前だっつの」

状況を察したカールの仲介で、やっとアトリと揺光も落ち着きを取り戻した。
つーか、よくよく考えれば俺達の子供なんて絶対に有り得ない。
ここは現実じゃなくてゲームの中、結婚イベントなんかやってる連中もいるっちゃいるが
実際に子作りなんかできるワケねーだろうが。

「ママ、ママ」
「はいはい。なぁに?」

カールはカールで、ガキの扱いにすげぇ手馴れてる。育児の経験でもあるのか?
でも確かカールって一人っ子のはずだよな、それに俺と同い年だし結婚してるとも思えねぇ。
それとも女ってのは本能的にこういうこと、得意なんだろうか……。
はっきり言って、俺からしてみりゃ子供なんてウザイだけなんだが。

「カールさんって子供の相手するの、得意なんですか?」
「あたしに不可能はない。あたしは育児においても頂点に立つ女だから」
「銀狼怪奇ファイルとサソードがごっちゃになってるんだけど……」
「いずれにしろ、これで俺の身の潔白は証明されたワケだ。なぁ、もう落ちていいか?」

触らぬ神に祟りなし。
子供の世話は女に任せるのが一番だ。
コイツがどこの誰かは知らないがカールの言う通り迷子なら、CC社に届出を出せばいいだけの話。
俺をパパ、カールをママと呼んだのは……その理由まで考える必要もねぇか。
とにかく、俺はもうとっととこの場から逃げ出したい、そんな気分なんだよ。

「パパぁ……」
「な、何だよ」
「行っちゃヤダ、って言いたいんじゃないの?」
「だって俺カンケーねーし……カールだって嫌だろ?」
「あたし? んー、あたしは別に構わないけど」

いや、構ってくれ頼むから。

「あたしがママで、ハセヲがパパ。素敵じゃん」
「パパ呼ばわりされんのはゴメンなんだよ、俺は」

そーいや肉球団の連中も“ハセヲパパ”とか言ってたしな……思い出したくもねぇ。
カールはいつもの感じで本気なのか冗談なのか分かんねぇし。
つか、何か嬉しそうに笑ってやがるし……この天使の様な悪魔の笑顔に何度騙されたことか……。
未だに得体の知れない女だとつくづく思う。

「あのぉ。もしかして、なんですけど……」
「どしたのさ」
「これって、イベントの可能性はありませんか?」
「イベントだぁ? 子育てのイベントなんか聞いたこともねーぞ」

これまでもCC社は《The World》で色々と
奇抜なイベントやったことあるらしいけど……さすがに子育てはねーだろ、子育ては。

「告知もなしにCC社がそーゆーコト、するかな?」
「ロケテストの可能性もなくはないけど……アタシはちょっと聞いたことないな」
「じゃあ、その子がハセヲさんとカールさんにそっくりなのって……何ででしょうね……?」


182:名無しさん@ピンキー
06/12/03 04:04:51 WFgSj1Xq

アトリの奴……終わった会話を蒸し返しやがって……。
他人の空似ってことでいいだろうがよ。
それに俺から言わせりゃ、このガキはどっちかっつーとカールに似てると思うんだが。

「アトリの言ってることも気になるんだけどさ。
 さっきから皆“この子”だの“その子”だの“ガキ”だの随分な言い様だと思うのね、あたし」
「何が言いたいんだ?」
「名前、つけてあげなきゃ」

ガキは抱かれたまま、カールの髪をいじって遊んでいる。
共通したPCデザインと配色のせいか、どっからどう見ても親子にしか見えない2人。
最初は警戒していたアトリと揺光も次第にカールが羨ましくなったのか
「抱っこしてもいいですか?」とか言ってるけど、あのガキはカール(と俺)にしか
懐かないらしく、アトリ達が触れようとするとカールに強く抱きついて離れようとしない。
……こんなのの名前決める必要、本当にあんのか?

「名前って……」
「名無しの少女じゃエロゲのキャラ名みたいで可哀想じゃん。ね?」
「ママ、ママ!」

名無しの少女(仮)はカールの意見に賛成らしい。
カールの髪をいじって遊ぶのに飽きたのか、今度は胸に頬擦りしたりと一時もジッとしていやしない。
俺はアイツに纏わりつかれた時いい気分じゃなかったが、カールはそうでもないらしく
ガキの頭を撫でながら、女同士の話に花咲かせてやがるし……やっぱあの女、すげぇ。

「アトリは何か良い名前、思いつかない?」
「そうですね……やっぱり女の子だし、可愛い名前が良いと思うんです。
“音原田 九郎”とか“渋井丸 拓男”とか“恐田 奇一郎”ってどうでしょう? 可愛いと思いませんか?」
「可愛くねぇ上に野郎の名前だし、今にも死神のノートで殺されそうな名前ばっかじゃねぇか」

ダ、ダメだコイツ……早く何とかしないと……。
てかアトリにこういうこと任せちゃダメだろ、カール……あぁ、そうか。
カールは俺らと知り合って結構経つけどアトリとはあんま行動してなかったからな……電波知らねぇはずだわ。

「んー。揺光は?」
「無難に“スザク”か“ルルーシュ”が良いんじゃないかな、って。
 スザクならハセヲと中の人が同じだし、縁起も良いだろ? な、ハセヲ」
「それも野郎の名前だろ……俺が反逆しちまうぞコラ」

揺光も最近どっかズレてきた気がする。
10年以上も昔のアニメの話とか始めるし……まぁ、どっちかっつーとカールに毒されたっぽいけど。
年がら年中アリーナバトルやってるってのも困りもんだ、たまには勉強もしとけよ。特に苦手な英語な。

「じゃあハセヲはどんな名前が良いってのさ、言ってごらんよ!」
「そりゃアレだ。“プックル”とか“ボロンゴ”とか“チロル”とか“ゲレゲレ”とか……」
「酷い……ハセヲさんにとって、この子は人間どころかベビーパンサー以下なんですね」
「アトリにだけは言われたくねーぞ」

名前とかどーでもいーだろうが! 誰だってフザけて「ああああ」とかで登録したりすんだろ?
ゲームのキャラに名前付けんのに半日悩む奴もいるかもしれねぇけど、
俺はこれ以上関わり合いになりたかねーんだよッ!

「あーはいはい。ケンカすんな、きみ達」
「言い出しっぺはカールだろ、何か良い名前考えてんのか?」
「当然」


183:名無しさん@ピンキー
06/12/03 04:06:22 WFgSj1Xq

「さっきから思ってたんだけどさ。この子、裸足じゃん?
 じゃれ合ってる時に見えたんだけど……ちょっといい?」
「ママ?」
「ほら。足の裏に製造番号みたいなのあるし」
「えっ……?」

カールの膝の上に乗せられていたガキのスカートから覗く白い脚。
その足の裏に、カールの言う通り……確かに製造番号みたいなものが刻まれてやがる。
焼印? 違うな……何か、バーコードの印刷みたいにも見えるっぽいが……。

「segment.……A1……セグメント、エーワン?」
「セグメント……名詞だと“部分”とか“切片”って意味の英語ですよね、確か」
「や、アタシ英語はさっぱりだから……何でこんなのが足の裏に?」
「それはあたしにも分からない。でもコレを見た時、ピーンと来たんだ」

嫌な予感がする。カールの「ピーンと来た」はいつもロクな結果を生まないからだ。
こいつの思いつきで散々な目にあったのは1度や2度じゃねーからな……。
で、何にピーンと来たんだ?

「名前ってのはインスピレーションが大事なんだ。だから、この子の名前はセグ」
「うわ。カール、本気?」
「若本さんが声を担当してた人造人間みたいで、なんか可哀想ですね……」
「アトリが言っても説得力ねーと思うぞ」

何つぅか……直球と言うか……。
けど……何でコイツの足の裏に製造番号(?)なんかが……やっぱNPCなのか?

「セグ。セグもこの名前で良いよね?」
「きゃっ、きゃっ!」
「ほら。喜んでるし」

喜んでるか? このセグっての、見た目に比べて中身はてんで赤ん坊だし、
俺とカールにしか懐かねぇのも分からねぇし、何で俺達に似た配色なのかも……。
一度CC社に……パイに問い合わせた方がいいかもな。イベントなんかとは思えねぇ、やっぱ。

「ハセヲも呼んであげなよ、セグって」
「何で俺が……」
「きみ、パパなんだから。名前呼んであげるのは当然だろ?」
「誰がパパだ! 俺はだな!」
「パパ……?」

くそっ、んな目で見んじゃねぇっての! アレだ、いわゆる“いたいけな瞳攻撃”ってやつだ。
これは……やばい。しかもパパとか言ってくるし……言わなきゃ俺が悪人みたいな気分になってくる……!

「くっ……セッ……セグ……」
「パパぁ~!」
「だ、だから、引っ付くなって!」


「何か……見ててムカつきませんか……?」
「うん……何か……ムカつくね……」

セグがカールに抱かれてた時は興味深そうに見てたクセに
俺の時はすげー冷ややかな目で睨みつけてくるアトリと揺光……まるで犯罪者でも見る様な目ェしやがって。
つーか、今日はホントに何が何だか分からない日だ……何で俺がパパなんだ? ざけんな。
あとでCC社宛に抗議のメールでも送らねーと、ぜってー気が済まねぇ……。


184:名無しさん@ピンキー
06/12/03 04:07:48 WFgSj1Xq
トンヌラ? レヌール城へ行くわよ? 何のことです?
おやすみおまいら


185:名無しさん@ピンキー
06/12/03 07:28:27 XhCO/i7D
GJでっす!



186:名無しさん@ピンキー
06/12/03 10:20:56 jKZHYXq0
URLリンク(vote.rentalcgi.com)
ブラックローズの順位が下がってる…投票で挽回だ!

187:名無しさん@ピンキー
06/12/03 16:43:03 9BrtZRqm
お願いだぁぁぁ!!!!!
受ガスパーのSSを誰か書いてくれぇぇぇぇ
マジお願いします

188:名無しさん@ピンキー
06/12/03 16:52:34 Rw4bMQaJ
>>187
嘆く前に自分で書くんだ。大丈夫、精神力でなんとかなる

189:名無しさん@ピンキー
06/12/03 17:57:46 XNPs/ovj
>>184
GJですたい。絡めるネタの幅が広いですなぁ。
見てて飽きません。

190:名無しさん@ピンキー
06/12/03 18:03:41 7vTNplNF
>>188
なるか?

191:名無しさん@ピンキー
06/12/03 18:10:40 Rw4bMQaJ
>>190
マジレスだが、面白くて文章にも問題がないものが書けるかは別として
「まあコレぐらいなら読む分には問題はないかなあ…?」
程度の文を書くのはそこまで難しくないと思う

まあアイデアがわかなかったり表現力に乏しいと話が作れないけどねorz

192:名無しさん@ピンキー
06/12/03 19:03:54 LZq5r4yk
魅惑の恋人で魅了状態にされた揺光が嫌がりながらもエン様に犯されるとかアウアウ?

193:名無しさん@ピンキー
06/12/03 19:42:22 Ko/j9/o1
セフセフ
自分的には大歓迎です><

194:GORRE
06/12/04 00:27:33 KRsVBvXN
しっつも~ん。亮×朔望編の続きと、この前のツンデレラみたいな話とどっちが見たいですか?
ちなみに朔望編はまだ思いつきません!

195:名無しさん@ピンキー
06/12/04 00:31:47 j2y0GfPe
しいて言うなら,私的にはツンデレラ系が・・・・

196:名無しさん@ピンキー
06/12/04 00:50:13 U+icQybB
ツンデレラ希望

197:名無しさん@ピンキー
06/12/04 12:48:41 TPC35jn+
ツンデレラに1票。

198:名無しさん@ピンキー
06/12/04 18:23:45 sgws0eCn
>>194
朔が悩んでいる隙に、望が差し入れやお裾分けと言ってせっせとお邪魔してたりして。

199:名無しさん@ピンキー
06/12/04 21:12:17 PGjKjtYL
>>198お裾分けってより引っ越し蕎麦では?

200:名無しさん@ピンキー
06/12/04 22:28:42 Dtb5r1f5
ん?からす玉氏とGORRE氏ごっちゃになってないかい?

201:名無しさん@ピンキー
06/12/04 22:45:17 sgws0eCn
>>200
うおっ、恥ずかし!
しかし、朔受け、望受け、望×朔と見たかった物全部やって下さったからなぁ…
前にも誰か書いてたけど、
そろそろテンションゲージの貯まった、朔、望、智香が覚醒!
…しかし、あっさりと『反撃』を喰らうのであった、とか。
ジャンケンに負けた智香が、裸のままM2D付けてログイン。
ジョイスティックは亮に奪われたまま、双児に嬲られながら
マクアヌを強制的に歩かされるバーチャル露出プレイとか。

202:GORRE
06/12/05 00:55:46 C45Lca60
お久しぶりです。ツンデレラ系を見たい方が多いようですね。
亮×朔望はだいぶ固まってきたのでそろそろ再開するかもしれません。

思いついたら欅でも出してみようかと思うんですけど、誰か楓と欅のしゃべり方教えてくださいませんか? あと呼び方も…
近所の本屋にザ・ワールドが売ってなくて、注文したら絶版らしくて無理でしたとか言われたし…

203:名無しさん@ピンキー
06/12/05 01:29:04 K8887ee1
>>202
欅 一人称は僕 呼ばれ方は月の樹メンバーには欅様 話し方は身内(月の樹隊長とかアトリとか)には砕けた感じだが他の人にはみんな敬語
楓 一人称は私 呼ばれ方は欅には楓 隊長には楓殿 隊員には楓様 話し方は全て敬語(欅には一応敬語だが内容は母が子に対する感じの物)
スマン 俺の乏しい表現力じゃこれが限界だorz

204:GORRE
06/12/05 01:35:02 C45Lca60
>>204ありがとうございます。参考にさせてもらいます。

205:名無しさん@ピンキー
06/12/05 02:11:38 vuQ1+qTN
欅は♪を多用するな、「~ですよ♪」ってな感じで

206:名無しさん@ピンキー
06/12/05 07:10:39 VaMwqgGI
後は…彼は結構思わせぶりっこだね

他人のミスリードを誘発する

207:GORRE
06/12/05 14:56:48 C45Lca60
っしゃあ! 久々に投下!

「さて…いろいろやったが、後何があったけな…」
亮は次はどうしようかと考えあぐねていた。
「よし、あれで行くか」
亮は朔と智香を起こすと、二人を重ね合わせた。
「これだな…丼」
「ちょっと、亮。まだやるの?」
「ウチもう嫌や…」
「安心しろよ。俺も限界が近いしな。ちょっと望で調子に乗りすぎた」
その証拠に、望はどこかトロンとした目をしていた。
「ふあ~~~……」
やりすぎた。亮はそう思った。
「まあいいか」
「よくないわ! 望に何しとんねん!」
「調教?」
「な!」
「した、つもりはねえんだけどな…なんか、俺の言う事はよく聞くんだ」
「しとるやないか!」
「だって、しょうがねえだろ。望が可愛いんだから」
「あたしは?」
「智香もな」
「何で望なんや! ウチは!? ウチは可愛かないんか!」
「もうちょっと、大人しくて素直だったら可愛いかもしれねえな」
「う~~~~~!」
朔はなんか悔しかった。
「まあいい。さっさと始めるぞ」


208:GORRE
06/12/05 14:58:35 C45Lca60
亮は話はここまでだとでも言う様に、元気を取り戻した肉棒を智香の秘部の隙間に押し込んだ。
「んあっ」
亮はそのまま腰を振り始めた。
「い、いきなり!? んぐっ」
朔が物欲しそうな目をしてるので、亮は朔と智香、交互に攻めてみることにした。
「ひうっ、あっ」
「くっ、さすがに、俺もやばいかもな」
亮もどうやら限界らしい。
「あっ、はっ、あんっ、ひうっ」
「あんっ、はあっ、んんっ、んあっ」
亮も朔も智香も、もはや限界だった。これ以上はもう無理だ。亮は先に智香をイかせる事にした。
「ちょ、そんな早めたら、んあっ、あっ、くうっ、駄目、あたし、イッちゃう」
「イッちまえ」
亮は一気に智香を絶頂へと誘った。
「あっ、あああああ!」
「うっ!」
亮は間一髪のところで、智香から肉棒を抜き去った。
「はあ…あう」
智香はパタリと気を失った。亮はベッドに腰を下ろした。
「朔、次はお前だ」
亮は朔を持ち上げると、自分の方に向かせ、秘部に肉棒を押し込んだ。
「ふあっ」
亮は腰を振り始めた。
「くっ、はあっ、んんっ、んあっ、ひうっ、あんっ」
朔は堪えながら亮に抱きついた。
もう駄目だ。亮は一気にスパートをかけた。
「ひっ、はあっ、んっ、んんっ、ふあっ!」
「朔…!」
「ハ、セヲ…」
「ぐっ!」
「ふあ、ああああああ!」
亮は腰を深く打ち付けると、一気に精を放出した。
「ふあっ……」
朔は小さな体を震わせながら、それをすべて受け止めた。亮は肉棒を引き抜いた。
「ウチ、やっぱりハセヲが好きや…」
そう言うと、朔は気を失った。
「あ、やべ…」
それにつられて、亮もベッドに倒れた。

209:GORRE
06/12/05 14:59:58 C45Lca60
うっし! とりあえずここまで。やっとエンディングが見れそうだ…

210:名無しさん@ピンキー
06/12/05 16:17:11 1tMJEkwp
GJ!!
最高!!他に言うこと無し・・

211:名無しさん@ピンキー
06/12/06 00:25:22 3mzCTGBc
ハセヲ×ボルドーの人マダー?(´・ω・`)

212:パック ◆JuT3jsxZbo
06/12/06 01:46:55 M5kMeqM5
お久しぶりです。
今更になってしまって申し訳ありませんが、前スレでレスをくれた皆様ありがとうございます。
正直長く続け過ぎてしまって不安になっていたので、大げさかもしれませんが救われる想いがしました。
本当にありがとうございます。

都合が付きましたので、今夜から予告していたハセ志乃を投下します。
例によって、連載形式です。
一応以前書いた「夢から覚めても」の続きという形になっていますが、
捏造だったリアル設定を公式に合わせたので厳密には繋がっていません。
微妙な例えを使えば、仮面ライダークウガとアギトみたいな関係ですか。

「オーヴァン失踪後、紆余曲折を経てハセヲと志乃はくっ付いた」程度に認識してもらえれば
今までのを読んでいなくても楽しめるようにしたつもりですので、
最近このスレを見始めたという方でも楽しめるようになっている・・・・・・はずです。

それでは、前書きはここまで。本編行きます。

213:花火まであと少し 1
06/12/06 01:48:08 M5kMeqM5
網戸だけを残して窓を開くと、少しだけ冷たい外気が入り込んできた。
季節は初夏。
花が咲き、木々が緑に揺れる季節だが、
窓の外に見えるのは芝生が植えられた庭とその先にある住宅街だけだった。
既に太陽は沈み、見慣れたその景色は街灯の薄明かりに照らされている。
初めてこの家にやってきたあの日以来、この窓から見える風景は変わっていない。
今年もきっと、変わらないのだろう。
そんな益体もない事を考えて、窓際の少年―三崎亮は溜息をついた。
別に、大仰な青春の悩みとやらを抱えているわけではない。
むしろ、今の亮はこの上なく幸せなはずである。
ただ時間を食いつぶしていくだけだった去年までとは違い、今の自分には夢中になっているものがある。
体の調子もよく、学業も問題なし。
親は忙しく家にいる事が少なくなったが、裏返せばそれは仕事が順調だと言う事である。
そして何より、今の亮には相思相愛の恋人がいるのだ。
しかも年上だ。
本当に、これで不幸だといったら罰が当たるだろう。
にもかかわらず、亮の心は都会のスモッグのように翳っていた。
理由ははっきりしている。
その年上の恋人―七尾志乃のせいだった。

214:花火まであと少し 2
06/12/06 01:49:39 M5kMeqM5
志乃のせい、といっても彼女に冷たくされたとか言うわけではない。
彼女はいつだって優しく、そして正しい。
亮が彼女の事で悩むとすれば、それは大抵独りよがりな袋小路にはまっているだけなのだ。
「はぁ……」
再び溜息をつき、亮は自分自身に絶望した。
思えば今までの悩みも相当のものだったが、それも今度のに比べればまだましだろう。
今回の悩みは―会えないこと、ただそれだけだった。
会えない苦悩と言っても、織姫と彦星のように一年に一度しか会えないと言う訳ではない。
亮の家は都内。志乃が住んでいるのは埼玉だから、電車を乗り継げば二時間程度で行ける。
この程度の距離で遠距離恋愛と言ってしまったら、
全国遠距離恋愛同盟(そんなものがあれば、の話であるが)に撲殺されてしまうだろう。
それに、直接は会えなくても声は毎日聞いているし、会話だってしている。
彼女と亮は、同じMMORPG・The Worldをプレイしているのだ。
それでも。亮は、志乃に会いたくて仕方が無かった。
我侭なのは自分でもわかっている。
片道二時間という距離は学校の事を考えれば日帰りできるものではないし、
最後に会ってからまだ五日しか経っていない。
――志乃と初めてリアルで会ってから、もうすぐ一月。
その間に本当に色々なことがあった。小説を書いたら、原稿用紙百枚では足りないぐらいのことが。
亮が今いる場所は、その結果としては望みうる最高のものだろう。
しかし。
「はぁ……」
三度目の溜息をついて、亮はようやく椅子に座った。
机の上の置時計に目を落とすと、時計の針は午後八時を示していた。
大学から帰った志乃が、そろそろログインしてくる時間である。
亮は顔を俯かせ、心の中で中途半端な気分で会いたくないと言う想いと
話だけでもしたいという想いを秤にかけた。
三十秒ほど考えたところで、亮はPCの電源を入れた。


215:花火まであと少し 3
06/12/06 01:50:17 M5kMeqM5
ローディング画面を経て、M2D(マイクロ・モノ・ディスプレイ)の視界に幻想的な青空が広がった。
野晒しの草原に石畳を引いただけの町並みなど、現代ではそうそうあるものではない。
しかし、最先端の情報工学によって造りだされた架空の世界は、時として現実よりもリアルに感じられる事があった。
舞い散る木の葉がハセヲ―PCの体に触れるような錯覚を覚えながら、亮はメニューバーを呼び出した。
「パーティ」の項目を選択し、彼女の状態がOnline―呼び出しOKなのを確認してパーティに誘う。
程なくしてショートメールの返事が届き、黒衣を纏った短髪の呪療師(ハーヴェスト)―志乃が姿を現した。
どういうわけか、彼女はPCにリアルの自分と同じ名前を付けている。
「こんばんわ、ハセヲ」
「こ、こんばんわ」
女神と言うのがいるとすればこんな声をしているのだろうか。
亮は彼女の声を聞くたび、そんな事を考えてしまう。
「最近ずっとハセヲの方から呼んでくれるね。ふふっ、何だか嬉しいな」
「……」
少し複雑な気分になって、亮は口をつぐんだ。
以前はいつも志乃がハセヲを冒険に誘うと言うと言う形が多かったが、最近はそれがすっかり逆転してしまっている。
元々亮自身が志乃に好意と言うか、憧れに近い感情を持っていた事を考えれば当然のことなのだが。
今の亮は、それが少しだけ悔しかった。

216:花火まであと少し 4
06/12/06 01:51:07 M5kMeqM5
「どうしたの?なんか、元気ないね」
「っ!何で、わかるんだよ……!」
「ふふっ、誘導尋問。ハセヲ、やっぱり素直だね」
志乃が笑って、亮はようやく自分が引っ掛けられた事に気づいた。
「………っ!」
腹は立ったが、無邪気に笑う彼女の姿―たとえそれがグラフィックだとしても―は信じられないぐらい可愛くて、
亮はそれを見た瞬間何も言えなくなってしまう。
「ごめんね、でもこれでちょっとは元気出たでしょ?ゲームなんだから、楽しくやらなきゃ。ね」
少し声のトーンを落として、志乃が言う。
亮はそれに答えないで、顔を背けた。
「もう、拗ねないで。茶化したのは謝るから。ね」
「……別に拗ねてなんかねぇよ」
拗ねていますと言外に認めているような口調で、亮は答えた。
志乃がその声を聞いて、小さく笑う。
「ふふっ、良かった。ハセヲに嫌われたら私、生きていけなくなっちゃうよ」
「なっ……」
志乃の言葉に、亮の胸が高鳴った。
しかし、その口調が冗談めいたものだった事を思い出し、すぐに高揚は焦りに変わった。
「ね、今日はちょっと行きたいところあるんだけどいいかな?」
「あ、ああ。別に、いいよ」
焦りを隠そうと、亮は一も二も無く志乃の言葉にうなずいた。
リンクからエリアワードを呼び出し、エリア情報を見もしないで決定ボタンを押す。
程なくして転送が始まり、二人のPCが光に変わる。
ローディング画面を見ながら、亮はもう数えるのも億劫になった溜息をついた。
全く、どうしてこう空回ってしまうのだろう。
一週間前までは、志乃さえ居てくれれば全てうまくいくと思っていたのに。

217:パック ◆JuT3jsxZbo
06/12/06 01:51:40 M5kMeqM5
以上。次回、土曜日。

218:名無しさん@ピンキー
06/12/06 02:09:13 vG5Yo9yk
>>217
ハセ・・・ハセ・・・ハセ志乃キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
GJ!!!(´Д`;)ハァハァ
おまいさんが書く展開、また楽しみにしてるんで頑張ってくれ

219:名無しさん@ピンキー
06/12/06 05:10:52 V8bnrF9J
>>204
追加
松に限り楓の事を確か姐さんって読んでたはず

>パック氏
お久しぶり&GJ!ハセ志乃期待あげ

220:名無しさん@ピンキー
06/12/06 07:57:20 3mzCTGBc
>>217
あんたのハセ志乃大好きだ(*´д`)GJ

221:名無しさん@ピンキー
06/12/06 20:00:56 EUllia13
※コルベニクが更なる進化。
※ボルドーとヤタがPTになってる映像。
※AIDAにハセヲが感染。
※椅子に座っているのはおそらくアウラ。しかも服はゴスロリの白ワンピ。
※クビアらしきものがでてくる
※アバター3rdフォームになるとき、みんなで「みんなはここにいる!スケィーーーース!!!」とかいってる。

PVネタバレ


222:名無しさん@ピンキー
06/12/06 22:19:49 f4D3zltf
>>221
それどこのPV?

223:名無しさん@ピンキー
06/12/06 22:38:58 EUllia13
>>222
アクセスポイントで公開中のvol.3PVだが

224:名無しさん@ピンキー
06/12/06 23:41:02 d0I6w9kb
PV観れねー!!orz   アクセスポイントでいいんだよね?

225:名無しさん@ピンキー
06/12/06 23:58:07 EUllia13
>>224
今日PV流してるとこは通常より1日早いらしい
本来なら明日から

226:名無しさん@ピンキー
06/12/07 00:11:29 Qx0EVpzl
それって公式サイト?それともゲームショップ?

227:名無しさん@ピンキー
06/12/07 00:23:11 bbE1XkcC
>>226
アクセスポイントがあるゲームショップだな

228:名無しさん@ピンキー
06/12/07 00:32:27 Qx0EVpzl
サンクス明日逝ってみるノシ

229:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:42:50 XvB2wm3R
おまいら乙
ハセヲ×カール+不思議幼女投下

230:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:44:46 XvB2wm3R

「んなイベント知らねぇだと? どーいうこった」
「そのままよ。CC社は“子育てイベント”なんて企画しても実施してもいない」
「じゃあ、あのセグってガキは……」
「……」

苦情も兼ねてパイにコンタクトを取ったのは正解だったらしい。
アトリは「イベントでは?」と疑っちゃいたが、
やっぱり子育てイベントなんざ有り得ねぇ。
その気になってるカールにゃ悪いが……家族ごっこに付き合うつもりは毛頭ねぇんだよ、俺は。

「PCでもなければNPCでもない……
 けれどそんなキャラクターがサーバー内をうろつく……だとすれば、残る可能性は1つね」
「?」 
「放浪AI」
「あんだよ、そりゃ」
「R:1からこのゲームを始めた貴方は知らないでしょう。
 4年程前から見かけることも無くなっているし……」

パイの話を参考にするなら放浪AIってのは一種のバグらしい。
特に2010年~2014年が頻出期だったらしく、CC社側が『碧衣の騎士団』っつう
デバッグチームを組織しなきゃならねー程、放浪AIは《The World》に溢れていた。
姿形は何故か少女の姿をした者が多く、ある者は言葉を知らず、ある者は女神の娘を名乗ったと言う。
……設定だけはよく出来たバグじゃねーか。

「セグもその放浪AIだってのか……何でそんなのがカナードのホームに……」
「一応調べてみるわ。それにもし放浪AIだとしても、何処から来たのかは大体検討が付くもの」
「へぇ、何処だって?」
「ロストグラウンド……吹き溜まりの街・ネットスラムの可能性が高いわ」






***************************






「ちゃお。ハセヲ、ひさしぶり」
「……あぁ」
「パパ! おかえり!」
「ぐおっ、セグ……!?」

ホームに戻って来た途端、セグの抱きつきが待っていた。
顔合わせんのは数日ぶりか……いや、それよりもだ。
コイツ、今確かに俺に「おかえり」って……。

「ハセヲったら、ちっともホームに顔出さないんだから。
 暇だったし、あたしが教育しといた」
「マ、マジか……」
「言ったろ。あたしは育児においても頂点に立つ女だ」


231:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:47:14 XvB2wm3R

「ほら、セグ。パパが怒る前に離れな」
「はぁーい」

……驚いた。
つい先日まで「パパ」か「ママ」しか喋らなかったあのガキが
カールの言ってること、ちゃんと理解して……素直に俺から離れやがった。
てんで中身は赤ん坊だったはずだぞ、俺がいない数日に間に何があった……?

「きみが居ない間、シラバス達がこの子の相手してくれてたんだけどねぇ。
 やはり父親役はきみじゃないとダメらしい、ハセヲ」
「うん。セグ、パパはパパじゃなきゃ嫌」
「……なぁ、何で俺がお前のパパなんだよ」

喋れる様になった、となりゃ話は早ぇ。コイツには色々と聞きたいことがあるからな。
パイが調べるまでもねぇ、セグ本人に直接問いただせばいいんだしよ。
俺とカールを親だと思ってるのは何故かとか、何処から来たのかとか、とか。

「分かんない。でもここに来れば、パパとママに会える気がした」
「じゃあお前ここに来る前は何処に居たんだ、つかどーやってギルドに忍び込みやがった!?」
「それも分かんない」
「……おい。カール」
「わーってる。でも無駄だよ、ハセヲ。
 あたしも色々と質問してみたんだが……『分からない』の一点張り。
 本当に分からないのか、プロテクトか何かで『分からない』と答えざるをえないのか……」

仮にカールの推測がビンゴだとして、誰がそんなコトをする?
俺とカールにセグを近づけて何かをやらかそうってのか。
でも俺の見た限り、このセグがそんな物騒な存在には見えねぇが……迷惑ではあるが。
自分の子供でもねーのにパパ呼ばわりされてみろ、ゾッとしねぇぜ。

「けどハセヲ。子守が嫌でホームに近づかなかった……ってワケでもないんだろう?」
「……パイに連絡取って、色々やってた。やっぱこれ、イベントじゃねぇみたいだぞ」
「だな。この子がイベントキャラなんて到底思えない、まるで……」
「まるで……?」
「……人間みたいだ」

……そーいや、パイが言ってたな。
放浪AIの中には女神の構築データ収集のために放たれた者が何体か居た、って。
多くの人間が集まる《The World》の中で情報を集めて、より完璧な究極AIを作ろうとしてた
奴が、R:1時代に居たってことも。それがモルガナなのか? それとも別の誰か……。
オーヴァンが探してた“キー・オブ・ザ・トワイライト”と女神がどう関係してるのかは
知らねぇけど……セグも、もしかしたら“キー・オブ・ザ・トワイライト”と何か繋がりがあるってのか……?
まさかな。話が出来すぎてて気味悪ぃ。

「にしてもアレだな。お前に育児の才能があるとは思ってなかった」
「ふふん。女を舐めたらアカンぜよハセヲ君」
「? パパ、ママを舐めたいの?」
「バカ言え」

……カールに教育任せたのは、マズかったんじゃねぇの?
ったく、とんだマセガキ……ん、なんだ……初めて会った時と何か雰囲気違うな、コイツ。
なんか、こう……あ。

「……お前、リボン付けたのか」
「ママが結ってくれたの。長くて綺麗な髪なのに、そのままは勿体無いよ、って」
「あたしのお婆ちゃんも髪結うの得意でね。チートでちょちょいと作ってやったんだ」


232:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:48:56 XvB2wm3R

「でね。この子の髪、すっごいサラサラしてんのね。ハセヲも触る?」
「あのな……」
「この世界の物質に触れて触感を得ることができるのは
 モルガナ因子を持ってるPCだけなんだ。撫でてやるくらい何でもないだろう?」
「……ちっ」

俺と同い年のくせに、カールはたまに大人びた口調で俺を諭すことがある。
からかってる時は訳の分かんねぇ例え話なんかで誤魔化すのに、こういう時だけ……ったく。
撫でればいいんだろうが。撫でれば。

「ほれ」
「あぁぁ、パパ! ぐしゃぐしゃになっちゃう~!」
「ハセヲ、ダメだって。セグの髪が乱れるだろ、髪は女の命なんだ」
「女の頭なんか撫でたコトねーから加減が分からねぇんだ、悪かったな」

そこまで大袈裟にすることもないだろうに。
カールは乱れたセグの髪をはたいて元の通りに戻しながら、俺に注意を促す。
曰く、「あたしが髪をバッサリした時、お婆ちゃんはすごく悲しんだ」とか
「髪は女の魅力を引き立てるモノの1つ、手荒に扱うのはダメっしょ」とか……。

「気をつけてほしいな。ハセヲは女泣かせるのが上手いんだから」
「オイ。まだ泣かせてねーだろ」
「ママ、パパは女の人を泣かせるが上手いの?」
「そーよ。揺光姉ちゃんもアトリ姉ちゃんも、パパに泣かされたことがあんのよ」
「パパ、甲斐性無し?」
「そーねー。甲斐性無しねぇ」

好き勝手に何か俺の悪口言ってねぇかコイツら……。
つーかこのガキ、誰が甲斐性無しだ、あぁ!?
そりゃま、確かに……な、泣かせたことは否定しねぇけど……
けど、アトリの時も揺光の時も事情があってだな……。

「ふぁぁ……ママ、眠い」
「こんな時間か。パパが来たから嬉しくて疲れた?」
「うん」

まるで本当に人間みてぇに、セグは目を擦って眠気をカールに訴える。
時間は夜11時過ぎ、確かに子供が起きてる時間じゃない。
けど……放浪AIって寝るのか?

「明日もまた遊ぼうね」
「あぁ、遊ぼう。おやすみ」
「うん……」

カールの膝に頭を添えて、そのままセグは目を閉じた。
それ以降、あれだけ騒がしかったアイツはピクリとも動かなくなり、
その姿と相成って、まるで人形を見てる様な気分に陥る。
だが微かに聞こえる寝息が、セグを生き物であると定義づけているのも事実だ。

「どした。ハセヲ」
「いや、その……お前にばっか押し付けて、悪ぃ、つぅか……」
「きみが謝ることじゃない。あたしが好きでやってるんだ……ま、座れって」
「……おう」


233:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:50:39 XvB2wm3R

「子供の寝顔って可愛いだろう?」
「……」
「まだ出会って1週間も経ってないけど……この家族ごっこ、あたし的には結構楽しいんだ」

こいつが、カールがそんなことを言うのも珍しい。
いつもは俺や揺光をからかって、悦に入って喜んでるような奴なのに。
元々カールと知り合ったのは揺光の紹介だが……今思うと、俺は全然コイツのことを知らねぇ。
それに時々、コイツを見てて思うことがある。
何か……昔の、死の恐怖とか呼ばれてた頃の俺に、似てる……って。

「カールはソイツのこと可愛がってるみてぇだが、ソイツは―――」
「自分の子供が可愛くない親なんて、いない」
「自分って……お前が腹痛めて産んだワケでもないだろうに」
「でもあたしをママと呼んで慕ってくれている。
 例えそれがこの子の本意だろうと他意だろうと、あたしはこの子の母親のロールを続けるよ」
「……」
「昔、『中途半端なロールするな!』って言われたことがあんのね。
 だから、さ。どーせ母親やるなら、徹底的にこの子に付き合ってあげるつもり。暇だし」

俺は揺光から紹介されるまでのカールを知らない。
コイツがPKKだったとか、碧星宮の宮皇になった途端にゲームを辞めたとか、
そういう話を聞いたのはずっと後のこと。
俺達のメンバーの中じゃ、クーンと同じくらいネトゲ暦が長くてR:1の頃から
《The World』をプレイしてる……俺が知ってんのはそんくらい。
“謎は女を女にする”とか意味不明なこと言っていつも誤魔化して。

「この子さ」
「あん?」
「きみが……ハセヲがパパで、この子は幸せだと思う」
「そうか? よく、分かんねぇけど」
「あたしには父親がいないから……この子には、そゆ思いさせたくないのね」
「死んだのか?」
「あたしが母さんの腹の中に居た時に離婚した。だから顔も知らない」
「……」

……カールも、カールなりの人生、歩んでんだな。
俺の家だって親父も母さんもいつも居ねぇけど、離婚はしちゃいない。
片方の親がいねぇ気分ってのは……どんなんだろうな。
俺は知らない。けど、カールは知っている。

「だから。あたしの家は、お婆ちゃんが大黒柱。女3人で慎ましく暮らしてる」
「お前がそういうコト俺に話すの、初めてだな」
「ハセヲには知っておいてほしかったから」
「……」
「きみと揺光だけだ。この世界であたしの家の事情知ってんのは」
「……そうか」

膝の上で眠りこけたセグの髪を梳きながらカールは淡々と、それでいて何処か可笑しそうに笑う。
人の心にはいつもズケズケ踏み入って、引っ掻き回して、面白い方向に持って行こうとするのに、
こういう時だけ女の表情を見せるから、コイツはずるい。

「だが顔も知らない父親が残してくれたものもある。この世界だ」
「どういう意味だ?」
「あたしの親父だよ、この世界を作ったのは。
 ハロルド・ヒューイックの黄昏の碑文から構想を得てフラグメントを開発、
《The World》のR:1日本語版を開発したスタッフの責任者が……あたしの親父だ」


234:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:52:59 XvB2wm3R

「もう親父の作ったR:1は無くなってしまったけど……それでもね、ハセヲ。
 R:1時代の名残のあるロストグラウンドに行くと、昔が懐かしく思えてきたりもするの」
「カールでも、そういうこと言ったりすんだな」
「最近はそうでもないけど……この子見てたら、何かね」

誰だって感傷に浸りたい時はある。
俺も志乃がPKされた後、よくグリーマ・レーヴ大聖堂で考え事とかしてたから、分かるさ。
俺の場合は仲間だけど、カールの場合は……親だから。例え顔も知らない相手であっても、親には違ぇねぇ。

「とは言え……少し疲れたな。あたしも少し休もう」
「お、おい」
「いいじゃないか。きみとあたしと、この子しか、いないよ」

ドキリとする様な低い声で呟くと、カールは俺に寄り添って目を閉じた。
コイツも因子持ちだ。俺に触れた感触が伝わってるはず……カールの膝にはセグ、俺の肩にはカール。
無防備な寝顔見せやがって……俺を何だと思ってやがんだか。



**********************



更に数日が過ぎた。相変わらず俺達の惰性的な子育ての日々は続いている。
でもいつまでも続けるワケにもいかない……セグが日を追うごとに色々と学習して行くのを
目の当たりにして、俺は益々そう思うようになっていった。
カールにとっちゃ残酷な選択かもしれねぇけど……やっぱ、確かめなきゃダメだってな。

「あぁ。ネットスラムなら知ってる、行ったことないけど」
「パイに調べさせたんだ。セグは、そこから来た可能性が高いって……」
「帰すべき場所に帰す? そゆこと?」
「あ、あぁ……」
「ふむ……分かった。行こう」

意外だった。セグをこんなにも可愛がってるカールが、あっさりと返事をすることが。
てっきり、いつもみたく何だかんだ言い訳して渋るか話をはぐらかすと思ったんだが……。

「……いいのか」
「帰る場所があるなら、帰すべきだ。違う?」
「まぁ、そりゃな」
「ネットスラム……R:2に移行しても残ってたか。
 今になるまでその名を聞かなかった、ってことはロストグラウンド化してる?」
「らしいな。行くために必要なデータシードはもう俺が集めてある……いつでも行けるぞ」

俺1人で行っても意味がない。
カールと、そしてセグが一緒に行かないと、意味がねぇ。
今回ばかりは。

「セグ、お出かけしよう」
「パパとママとお出かけ?」
「あぁ。お出かけ」

母親としてのロールを最後まで真っ当するつもりなのか、カールの顔に迷いの色はなかった。
もうセグと離れ離れになるかもしれねぇってのに……。

「それじゃ行こうか、ハセヲ。ネットスラムへ」


235:名無しさん@ピンキー
06/12/07 03:54:59 XvB2wm3R
次は前作キャラも登場? カールのパワーうpイベントあり? 何のことです?
おやすみおまいら


236:名無しさん@ピンキー
06/12/07 07:48:48 75wJEC09
GJ

ヘルバ登場の予感(*´д`)ハァハァ

237:名無しさん@ピンキー
06/12/07 14:16:38 priQ64Si
GJ!


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch