07/07/26 11:25:06 25wGU1aT
熱帯夜は嫌なものだ。どうも寝つきが悪い。
「眠れないのですか?」
隣で寝ていた彼女にも気を使わせてしまう。
「私の冷却機能の設定を上げてみます。抱き締めてくれれば涼しくなりますよ」
「放熱側のほうが間に合わないよ。それに、熱を逃がすのは室内になるわけだし。なに、エアコンを買わない俺が悪いのさ。
夏の風物詩だと思ってあきらめるさ」
そう言って横になってはみるものの、眠れるわけが無い。
まどろみの中を行ったり来たりしているうちに、彼女が寄り添ってきた。
「抱き締めてはくれないのですか?」
背中から抱き着かれる。熱っぽい吐息は暑さのせいだけでは無さそうだ。
ぴちゃ、ぴちゃ……。深夜に響く水っぽい音。熱い吐息が部屋の蒸し暑さを増す。
体液で湿っぽいシーツが肌にまとわりつく。
ふいに頭を押さえつけられ、湿ったクレバスに口も鼻も塞がれる。
いつもの絶頂のサイン。
やがて、彼女の手足が弛緩して呼吸が楽になる。
私も彼女も呼吸が整わないうちに、悪戯を再開する。
蒸し暑く長い夏の夜。
終わることなく響く水っぽい音。